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2015年12月

2015年12月31日 (木)

今年の医療10大ニュース

本日で今年最後の更新になりますが、今年の世相として管理人的には変化や不安定と言うことを考えていて、来年以降の布石にもなりそうな様々な変化が顕在化してきた一年であったかと言う印象を持っていますが、皆さんは今年を振り返ってどのようにお感じになっていらっしゃるでしょうか。
さて、年の瀬ともなれば例年各方面で今年の10大ニュースと言うものが発表されるものですが、医療方面でも10大ニュースの記事があちらこちらで出ていました。

発表!2015年「医療界10大ニュース」(2015年12月25日日経メディカル)

 今年も残りわずかとなりました。昨年に続き、日経メディカル読者が選んだ「今年の医療界10大ニュース」をお届けします。
 読者投票は12月中旬、医師会員を対象に日経メディカル Online上の「週替わりミニアンケート」として実施しました。編集部がチョイスした26本のニュース記事を選択肢として提示し、その中から「2015年の医療界10大ニュース」に入れるべきだと思う記事を最大10個まで選んでもらいました。
 回答数は3108人。年代別では、50歳代が1151人(37.0%)で最も多く、40歳代が902人(29.0%)、30歳代が566人(18.2%)と続きました。
(略)
ノーベル賞
北里大の大村智氏にノーベル生理学・医学賞 (10/5)
(略)
腹腔鏡下手術事故
群馬大、千葉がんに欠けていた「4つの手続き」 (6/9)
(略)
女子医大 プロポフォール
プロポフォール死亡事例、遺族側が傷害致死容疑で告訴状 (2/20)
(略)
成田に新医学部
成田市の医学部設置、早ければ2017年度に (8/1)
(略)
東北医科薬科大
東北の新医学部、2016年春の開設が正式決定 (8/27)
(略)
精神保健指定医取り消し
聖マリ医大の精神保健指定医、20人が資格取消 (4/18)
(略)
韓国MERS
韓国で感染広がる中東呼吸器症候群(MERS) (7/8)
(略)
エボラウイルス病
一般医もエボラ患者の病期と経過は理解を (4/9)
(略)
マイナンバー
マイナンバーで医療の情報連携も始まる…のか? (10/26)
(略)
新専門医制度の整備進む
2年後に迫る新専門医制度、どこまで決まった? (8/11)

1位はあの大学の問題、2015年の10大ニュース◆Vol.4大学の不祥事相次ぐ一方、ノーベル賞の明るい話題も(2015年12月27日医療維新)

(略)
Q.4では、2015年の10大ニュースとして、m3.comに掲載した主要90本のニュースの中から、最大10までの選択肢で聞いた(回答者、勤務医505人、開業医500人)。
1    
群馬大学医学部附属病院の腹腔鏡手術に関する一連の問題(通年)
2    
理化学研究所のSTAP問題(通年)
3    
ノーベル医学・生理学賞に大村智氏(10月)
4    
東京女子医科大学病院の誤投与の問題(通年)
5    
聖マリアンナ医科大学の精神保健指定医不正取得問題(通年)
6    
東北薬科大学の医学部新設に向けた動き(通年)
7    
韓国でMERSが発生、流行、日本でも対応へ(6月)
8    
2016年度診療報酬改定に向けた議論(通年)
9    
神戸国際フロンティアメディカルセンターの生体肝移植問題(通年)
10    
2017年度の専門医制度改革に向けた議論(通年)

個人的には一連の医学部新設の議論で、限定的かつ特例的とは言え久しぶりに新設が決定したと言うことが最も大きなニュースだったように感じていたのですが、年間を通じて各方面での議論を見てみますと全体的にやや小ぶりと言うのでしょうか、かつての大淀病院事件、大野病院事件のようにまさしく激震!と言うしかないニュースはなかったように思ったのですが、皆さんはどうお思いでしたでしょうか。
ちなみに医療を離れた一般の10大ニュース(読売新聞)において1位にノーベル賞受賞、4位にマイナンバーが入っていましたが、興味深いのは医療業界で大変大きな話題になった群馬大の腹腔鏡手術関連のニュースは30位圏内にも入っていないと言う点で、一昔前であればもう少し状況が違っていたのかも知れません。
ただこの年末近くになって千葉県がんセンター佐賀大病院など各地の病院から相次いで医療過誤に絡んでのニュースが出てきていて、いずれも直接的な患者死亡には至っていないものの医療過誤として病院側が謝罪会見まで開いて公表しているのですが、これらは例の医療事故調では取り上げられないケースであると言う共通点があるようにも思えます。

この医療事故調制度そのものに関しては本来的に患者・家族に対しての説明義務はないものの、実質的にそれを行わないのはあり得ないでしょう?と設立に関わった諸関係者も言っているように、やはり制度の名目はともかく実際には患者・家族の納得と言うことが非常に大きなポイントになってくると思いますが、今のところその対象となるのは死亡症例かつ病院側が予期しない死亡と判断した事例だけです。
ただお亡くなりにならなかったとは言え重大な事故や明らかな医療過誤と言うものは幾らでもあるものですし、患者・家族にとっては現在進行形でそれへの対処が求められると言う点で非常に緊急性が高いとも言えるのですが、今後こうしたケースに関してはその都度病院側が会見なりを開いてオープンにしていく風潮が定着すると言うことであれば、事故調制度導入の思いがけない副次的効果となるのかも知れませんね。
二昔前にいわゆるヒヤリ、ハット事例はどんどん報告しましょうと言うことが言われるようになり、当初は色々と言われたものの今や完全に全国各地で定着したことを考えると、この医療関連のトラブルは素早く公表すると言うことも10年後には当たり前のことになっているのかも知れませんが、その結果いわば免疫が出来る形で世間の見る目もかなり変わってくる可能性はあるかも知れません。
基本的に事故だ、ミスだと言ったことが起こって幸せになる人は誰もいないのですが、それでも人間の関わることである以上一定確率で起こるのは仕方のない話なのであって、医療事故もあってはならないもの、あり得ないものではなく交通事故などと同様日常的に発生してしまうものだと言う認識が定着してくる頃には、事故調設立を巡る議論なども遠い過去の神学論争的な感覚で語られるようになっているのでしょうか。

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2015年12月30日 (水)

最近話題になっていた新しい心の病

いわゆる電磁波の有害性なるものについては各方面で以前から語られていて、もちろん一定強度以上の強力な電磁波が人体に有害であることは間違いないのですが、日常生活レベルで飛び交っている弱い電磁波についての影響はどうであるのかは議論のあるところで、先日はこんなニュースが出ていました。

やはり電磁波で人は死ぬ!? 15歳少女が「Wi-Fiアレルギー」で死亡するまで(2015年12月14日トカナ)

 今年6月、イギリスに住む15歳のジェニー・フライが、自宅近くの木で首を吊って死亡しているのが見つかった。少女を自殺へ追い込んだのは、学校でのイジメやドメスティック・バイオレンスではない。原因はWi-Fiだ。今、こうして記事を読んでいるあなたの周りにも、当たり前のように飛び交っているWi-Fiの電磁波が、ジェニーを苦しめ生きる気力を奪ってしまったのだ。
「ジェニーは電磁波過敏症で苦しんでいました。彼女はWi-Fiや携帯電話、携帯の基地局などから放射される電磁波を感じ取ってしまい、頭痛や疲労、集中力の低下に悩まされた挙句、肉体も精神も衰弱してしまったのです」
 母親のデブラ・フライは、何とかジェニーを電磁波から守ろうと苦心したが、その想いは報われなかった。

 フライ家では、ジェニーに悪影響を及ぼすWi-Fiや携帯電話を徹底的に排除した。その結果、自宅にいる時の彼女は普通に生活することができた。
 だが、再三にわたって両親が改善を要請したが、彼女の通っていた学校が電磁波への対策に乗り出すことはなく、ジェニーの担任教師からは最後まで理解を得られなかったと言う。
 ジェニーが残した遺書には「これ以上Wi-Fiの電波には耐えられない」と書かれていた。

 2005年にWHOも電磁波過敏症の存在を認めているのだが、なぜそのような症状が現れるのか、科学的根拠は見つかっていない。そのため、患者が電磁波による苦しみを訴えても、医師から適切な処置を受ける事は難しい。
 ただし、ある産業医学グループの調査によれば、100万人当たり数人は電磁波による健康被害を受けていると推定している。
 今年8月には、アメリカのマサチューセッツで暮らす家族が、12歳の息子はWi-Fiの影響で体調を崩したとして、通っていた学校を告訴している。学校が2013年に、それまでよりも強力なワイヤレス環境を導入したことによって、少年は症状が深刻になったと訴えているのだ。

 ちなみに、電磁波過敏症による主な症状として報告されているのは「目の痛みや見にさ。皮膚の乾燥や炎症。鼻づまり、鼻水。顔のほてり。口内炎。歯や顎の痛み。頭痛やうつ。異常な疲れと集中力の欠如。吐き気。肩こり、関節痛。呼吸困難。手足のしびれ」などである。

記事中に登場する電磁波過敏症(EHS)なる聞き慣れないものですが、一連の症状を訴える患者においても一般人と同様電磁波の有無を区別することは出来なかったと言い、WHOも2005年に各種文献を検討し矛盾するようですが「EHSの症状を電磁界ばく露と結び付ける科学的根拠はありません」と発表しています。
言うところの心身症や心気症の類と考えてもよさそうな話ですが、いずれにしてもこうした方々に「あなたの症状は単なる気のせいだから」と幾ら言ったところで何らの解決にはならないのも当然ですし、中にはこうして自ら命を絶つまでに思い詰めてしまう方々もいらっしゃると言う現実を直視しないわけにはいきませんよね。
ただこの種の病気全般に言えることですが、マスコミ等がおもしろおかしく大々的に取り上げ騒ぎ立てるほど患者が増えていくと言う傾向があるようで、特に昨今は新型うつ病など年々新たな病気が登場し大いに騒がれている時代ですからどうしたものかですが、先日出ていたこんな記事も今後新たな患者を輩出する前兆になってくるのでしょうか。

人前でご飯を食べられない…。もしかしたら「会食恐怖症」かも?(2015年12月16日MAG2ニュース)

家族や親しい友人だと何ともないのに、職場の会食や飲み会、レストランなどの外食であまり親しくない人の輪にいると、ご飯が食べられなくなることはありませんか?緊張して吐き気やめまいを感じてしまう、こうした状態は「会食恐怖症(かるいは外食恐怖)」と呼ばれ、最近では話題になっています。
他人と一緒に食事をすると、緊張したり、めまいや吐き気がしてしまうのが「会食恐怖症」の症状です。本人はご飯を食べるのが苦手なことを悩んでいるのですが、周囲の人は、「付き合いが悪い」「お高く留まっている」などと誤解してしまうことも多いようです。
次のような傾向が指摘されています。セルフ・チェックの参考にしてみてください。

□周囲の人が気になって、食事ができない
□外食ができない
□外食が怖い
□口に入れたものを飲みこめない
□箸・ナイフ・フォークを持つ手が震える
□誰かと食事する時、吐き気やめまいがする
□吐き気、胸の不快感
□対人場面での不安や緊張を抱えている
□他人の目が気になる
社交不安障害としての「会食恐怖症」

会食恐怖症は、精神医学的には「社交不安障害(SAD)」の一種とみなされています。人から注目される場面や、人との関わりをもつ場面で、自分が恥をかいたり、恥ずかしい思いをしたりするのではないかと強い不安を感じ、極度に緊張してしまうのが特徴です。
場合によっては、振戦(ふるえ)・書痙(手の震え)・めまい・吐き気・赤面・発汗・動悸などの身体症状を引き起こすと言われ、これが6か月以上続いている場合「社交不安障害」と診断されます。
人前での行動が不適切ではないか、バカにされるのではないか、という強い不安が、社交不安障害です。生涯有病率は3~13%と研究による幅が大きく、発症年齢は10~20代半ばまでが多いです。うつ病やアルコール依存症などとの併存率も高く、男性の方がやや多いと言われています。
未治療のまま経過していることが多く、数十年にわたり症状が続き、学業・仕事・日常生活に支障を来している患者さんも少なくないのが難しいところです。会食恐怖症の場合、20~30代の若いビジネス・パーソンなどが、仕事などを通してこの傾向に気がつき、受診に至っているようです。
(略)

ある程度のところまでは誰しもあるようなことでも、程度が過ぎれば病的と見なされると言うことはしばしばあるものですし、逆に社会的に多数派となってしまえば異常であっても取り立てて病気扱いされないと言うのは例えば矯正可能な視力障害などもそうだと思いますが、恐怖症と言われるほど強い症状が出ると言うのは社会生活上困りものですよね。
この場合も周囲の無理解が社会適応を難しくしていて、また場合によってはより症状を悪くさせているのではないかとも思うのですが、特定の場面でだけ症状が強く出やすいと言う傾向もあるそうで、やはり過去に大事な会食の席で失敗してしまったと言った恐怖体験がその発症の動機にもなると聞きます。
原因がはっきりしていればその分対処の方法も出てくると言うことですが、特に仕事上必要な場面が引き金になってしまうと大変だろうとは思うところで、これまた当の本人にとっては社会生活を営む上で場合によっては死活問題ともなりかねない大問題とは言えそうですね。
こういう時代ですからネットでこうした病名を知り「自分はこれだったんだ」と納得したと言う方々も多いようですが、これも真偽不明の怪しい情報も多数出回っていて下手をすると症状を悪化させかねませんので、本当に深刻な状態であればまずは精神科など専門家に一度相談してみることが必要ではないかと言う気がします。
しかしこうして様々な疾患概念が新たに登場してくるのを見聞していますと、いずれ遠くない時期にDHMO過敏症などが登場してきてもおかしくないと言う悪い予感も拭えないのですが…

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2015年12月29日 (火)

予防接種後進国日本

少し前のニュースなのですが、本日まずはこういう記事が出ていたことを紹介しておきましょう。

風疹の免疫、20歳代女性の4割が不十分(2015年11月18日 読売新聞)

 昨年度、東京都内の女性を対象に実施した風疹の免疫検査で、20歳代で4割、30歳代で3割に十分な免疫がないことがわかった。

 都が、区市町村による無料の免疫検査の結果を集計した。風疹は妊娠初期に感染すると胎児に影響が出る可能性があり、都は検査を受けるよう呼びかけている。

 千代田区を除く全区市町村が昨年度、無料検査を実施。都の集計では、20歳代の女性5533人のうち2090人(38%)、30歳代では8252人のうち2209人(27%)で、風疹の免疫が不十分だった。

 風疹の定期予防接種は現在、小学校入学前に2回受けることになっている。しかし、今年度中に53~26歳となる女性は定期接種が1回で、十分な免疫がない可能性がある。また、制度変更に伴い、25~16歳は中高生時代に2回目の接種を受けることになっていたが、受けそびれたケースがあるとみられる。

 都福祉保健局の担当者は、「今年度もほぼ全ての自治体が無料検査を実施しているので、妊娠を希望する人は自分の免疫が十分かどうか、検査を受けてほしい」と話している。

風疹と言えば三日ばしかと言う別名もあるくらいで、あまり大したことのない病気のようにも受け取られているかも知れませんが、妊娠中に感染すると胎児に極めて深刻な影響を与える場合があると言うことで、妊娠する可能性のある若い女性にとってこの風疹予防接種の意味と言うものは自分自身よりも次世代に大きく関わってくるものになっています。
ただその重要性があまり理解されているとも言い難いことも問題で、当の本人は元より未成年者の接種に対して責任を持つべき親世代の教育も今ひとつである点が問題なのですが、技術的な観点から言うと弱毒生ワクチンですから妊娠中に接種することは出来ず、また接種後2ヶ月間は避妊をしなければならないと言う点で、もう一つ使い勝手がよろしくないとは言えるようです。
近年特に若年男性の風疹罹患率が非常に高まっていて、昭和54年から64年までの生まれで学童ワクチン接種を受けていない世代がそれに該当すると言いますが、当然ながらパートナーである若い女性に対する罹患リスクも高まるわけですから、男だから関係ないと言うわけにもいきませんよね。
ただこのワクチン問題、日本では昔から何故か副作用とセットで語られることが通例になっているのですが、先日医師でもあるジャーナリストの村中璃子がこんな記事を書いていることを紹介してみましょう。

「エビデンス弱い」と厚労省を一蹴したWHOの子宮頸がんワクチン安全声明(2015年12月22日WEDGE Infinity)

名古屋市のレポートから3日後の12月17日、世界保健機関(WHO)の諮問機関であるGACVS(ワクチンの安全性に関する諮問委員会)が子宮頸がんワクチンに関する新たな安全声明を発表した。
 今回の声明は2014年3月に発表された前回の声明以来、1年半ぶりとなる。3ページにわたる声明の最後の方で、一段を割いて日本に言及しているが、日本のメディアは一様に沈黙し、今のところ記事になったものを見ない

「薄弱なエビデンスに基づく政治判断は 真の被害をもたらす可能性がある」

 今回、日本における副反応騒動への言及は、驚くほど踏み込んだ表現となっている。前回の声明では「GACVSは日本のデータに因果関係を見ないが、専門家による副反応検討会は引き続き調査中」と記載された顛末の続きは、今回、次のように辛辣だ。

「専門家の副反応検討委員会は子宮頸がんワクチンと副反応の因果関係は無いとの結論を出したにもかかわらず、国は接種を再開できないでいる。以前からGASVSが指摘しているとおり、薄弱なエビデンスに基づく政治判断は安全で効果あるワクチンの接種を妨げ、真の被害をもたらす可能性がある

 声明の中で、政策判断を批判された国は日本のみ。政治的に配慮した表現を重視する国際機関が、一国だけ名指しで批判を行うのは異例のことだ。筆者もWHOに勤務した経験を持つが、こうした文書を見た記憶はあまりない。GACVSのメンバーは、世界から選ばれた疫学、統計学、小児科学、内科学、薬理学、中毒学、自己免疫疾患、ワクチン学、病理学、倫理学、神経学、医薬規制、ワクチンの安全性などに関する14名の専門家で構成されている。
 WHOの声明を読んだ日本小児科学会理事のある小児科医は「恥ずかしい限り」と語り、日本産科婦人科学会のある理事も「私には全体が日本への声明のように読める」と語った。報道されることはほとんどないが、両学会はこれまでもワクチン接種再開を求める要望書や声明を繰り返し発表している。

 今回の安全声明の最大のポイントは、フランスの医薬品当局による調査の解析結果だ。フランス当局は子宮頸がんワクチン接種後に起きている自己免疫性の症状について200万人の少女を対象に大規模調査を行い、ワクチン接種群と非接種群の間には「接種後3か月時点でのギランバレー症候群の発症をのぞくすべての症状の発症率に有意差無し」と結論づけた。
 有意差のあったギランバレー症候群の発症率上昇リスクも10万例に1例程度と大変小さい。WHOは今後、仮に別のスタディなどを通じてこの結論が確定することがあっても、ワクチンが子宮頸がん等の原因となるヒトパピロマーウイルスの感染を長期にわたって防ぐというベネフィットについて十分に考慮する必要があると念を押す。

 今回の安全声明には「CRPS(複合性局所疼痛症候群)」と「POTS(起立性頻脈症候群)」というふたつの症候群についての詳細な言及があった。これらの症候群は、一般の医療関係者には馴染みがないが、子宮頸がんワクチンの副反応を議論する際にはよく聞かれるものである。
 声明によれば、ワクチン導入以前から見られるこれらの症候群はいずれも原因が不明な上、関連性のない複数の症状の集合体に名前をつけている可能性もあり、何をもってCRPSやPOTSとするのかといった疾患概念は確立していない。こうした診断の難しさを考慮した上でも、ワクチン市販前治験、市販後調査のいずれにおいてもCRPSやPOTSの発症が増えたというエビデンスはない。CRPSもPOTSも、最近日本でも話題になった「慢性疲労症候群(CFS)」と症状がよく重なるが、CFSの発症とワクチンとの因果関係はイギリスにおける調査ですでに否定されているとする。

 声明が暗に「エビデンス薄弱」と一蹴した日本の「HANS(=ハンス、子宮頸がんワクチン関連神経免疫異常症候群)」なる疾患も、CRPSやPOTSと同様、疾患概念としての妥当性に乏しい。HANSは2014年から一部の日本人医師が唱えている疾患概念で、子宮頸がんワクチンが、慢性の痛みや疲労感、けいれんや運動障害、月経異常や自律神経障害、髄液異常などありとあらゆる症状を引き起こすというものだ。「症状からして免疫異常による脳神経障害としか考えられない病態」であるとするが、科学的エビデンスはない。HANSはさらに、ワクチン接種から何年経っても発症し、いったん消えた症状は何年経ってからでも再発することがあり、場合によっては100以上の症状が重なることもあるというから、関連性のない症状の集合体にただ名前を付けているだけの可能性が高く、疾患概念としての曖昧さはCRPSやPOTSの比ではない
 前回の声明にあった「生物学的・疫学的裏づけのない、症例の観察に基づく薬害説を懸念する」という記述や、今回の声明にある「子宮頸がんワクチン接種後に起きたという、診たことの無い症状に出会った臨床医は、速やかにそれらの症状を診た経験のある医師たちに紹介することが推奨される。それが患者への有害で不必要な治療を防ぎ、患者の日常生活への復帰を早める」という記述は、日本に直接言及したものではないが、日本を念頭に置かずに書かれたものとは考え難い
(略)

記事の後段でも書かれているようにこの子宮頚癌ワクチンの副作用問題なるもの、マスコミ総掛かりでワクチン接種を潰しにかかったと言われても仕方ないかのような内容であったと思いますが、村中氏は以前からこの問題を繰り返し取り上げていて、マスコミがセンセーショナルに副作用を取り上げるだけでこうした重要なニュースを取り上げようとしないことを批判しています。
ただ日本においてワクチンと言えばかくも否定的なニュアンスで語られてきた、あるいは現在進行形で語られていると言う理由の一つに任意接種ではなく、学童に対する集団(実質ほぼ強制)接種が中心であったと言うことも挙げられると思いますが、ワクチンそのものの副作用もさることながら注射針の使い回しによる集団肝炎感染など、時代を感じさせる事件も少なからずあったことは事実です。
個人レベルでの防御に関わることであれば自分で判断して自分で決めろで済むことなのですが、赤の他人も関わるようなことになると公益性だとか他人の健康への責任と言うことも絡んでくる話で、ワクチンは怖いからと拒否するならその分別な対策を講じるなり用心していればいいのでしょうが、今のところ代替できるような対策が講じられていると言う話も聞きません。
せっかく海外へ修学旅行に行くはずだったのに麻疹を発症してクラス一同入国拒否されたと言ったように、ワクチン後進国日本を実感させずにはいられないニュースも時折報じられますけれども、マスコミなどは医療に関して国際的水準に引き上げなければと主張する方々も多いのですから、この方面においても同様の立場から国民の啓蒙に当たっていただきたいものですよね。

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2015年12月28日 (月)

新年が近づくにつれて高まるあのリスク

先日はクリスマスだったわけですが、その最中にこんなイベントがあったそうです。

「新年元気に、餅どうぞ」 児童ら高齢者訪問(2015年12月24日愛媛新聞)

 年末年始を温かい気持ちで迎えてもらおうと、愛媛県松山市石井地区の星岡町内会で独居高齢者宅への食事サービスを行っている住民グループ「星ぐるま」が23日、地元の独居高齢者や要援護者ら約60人を訪問し、つきたての餅をプレゼントした。

 星ぐるまは、2010年5月から月1回、高齢者宅への手作り弁当の配達を実施。年末の訪問は、星岡おやじの会や地元児童の協力を得て12年から行っている。
 約25人が朝から星岡集会所に集まり、約20キロのもち米を使って餅つき。おやじの会の有志が何度もきねを振るい、子どもたちも慣れない手つきで挑戦した。つき上がった餅を星ぐるまのメンバーや児童が丁寧に丸めた。子どもたちはサンタクロースの帽子やトナカイのカチューシャをつけ、高齢者宅を手分けして訪問。「元気で新年を迎えてください」と声を掛けながら手渡した。

写真を見る限りではかわいらしいイベントと言うしかないのですが、なにしろよりにもよって独居高齢者を対象に配るものが餅であると言うことで、ネット上ではいくらなんでも「元気で新年を迎え」させたいならその選択はないだろうと大いに話題になっているようですが、子供達にばつの悪い思いをさせないためにも、後述するようにもう少し提供方法を工夫する余地はありそうに考えます。
いずれにしても当事者に限らず全国の高齢者の方々はこの時期殺人食材として名高い餅の洗礼をどうくぐり抜けるかが毎年の課題になっていて、以前にこんにゃくゼリーが一部の方々から目の敵にされた際にも餅の危険性はこんにゃくゼリーなどの比ではないとさんざん指摘されたにも関わらず、未だに餅規制論などと言うものが叫ばれないのは興味深いところです。
不肖管理人は別に餅否定論者でも何でもありませんが、それでも餅に限らず嚥下能力の低下した高齢者に危険な食材を無自覚に食べさせているケースが決して少なくないと言うことには危惧を抱いているところで、先日はこんな記事が出ていたことを紹介してみましょう。

餅や団子を詰まらせ搬送された人の9割が65歳以上(2015年12月25日FNNニュース)

お正月には欠かせないが、特に、65歳以上の人は注意が必要となる。
年末から年始にかけて、食べる機会が増えるお餅。
東京消防庁によると、2014年までの5年間に、東京都内で餅や団子をのどに詰まらせて死亡した人が、43人にのぼっていることがわかった。
また、餅や団子をのどに詰まらせて病院に運ばれた人は、2014年までの5年間で、571人にのぼっている。
65歳以上が、搬送者のおよそ9割を占めているという。

お年寄りが食べるときは、とりあえず小さくして、食べやすい大きさにして、そして、ゆっくりかんで食べるというのが一番重要だが、1月は、お正月にお餅を食べる機会が多いため、ダントツとなっている。
もし、お餅をのどに詰まらせてしまったときの対処法は、119番する以外には、主に2つある。
まず1つが「背部叩打法」。
手の付け根で、背中・肩甲骨の間を、何度も強くたたくというもの。
もう1つが「腹部突き上げ法」。
後ろから抱きかかえた状態で、握りこぶしをみぞおちの下に当て、突き上げるというものだが、この方法は、妊婦や乳児には、やってはいけないという。
よく、掃除機で餅を吸い出すということもいうが、あれは、逆にのどを痛めることがあるため、あまりよくないという。

餅に限らず喉に詰まらせた場合とりあえずは背中を強く叩くと言うことが基本だと思うのですが、とっさの際に冷静にこうした行動が取れる人間がどれほどいるのかですし、特に高齢者同士の世帯ですとおろおろして何も出来ずに大変なことになってしまうと言う可能性も高そうですから、まずはそもそも喉に詰めるリスクをいかに減らすかと言う工夫が必要だろうと思いますね。
一般には餅はよく噛んで食べると言うことが重要だとされていますが、嚥下だけでなく咀嚼力も落ちている高齢者は餅に限らず十分噛まないままとりあえず飲み込んでしまうと言うことが起こりがちであり、最低限餅は小さく刻んでおく、水分と一緒に口を湿らせながら食べる、そして地味なことですが餅の温度を十分に高くしておくことなども有効であるそうです。
複数の人間が居合わせた場合には一人が背中を叩いている間に他の人間が救急車を呼ぶと言った役割分担も可能ですが、少なくとも咳も出来ないような窒息状態では真っ先に救急車を呼ぶべきですし、こうした場合には何ら遠慮することなく一刻も早く119番通報して構わないケースだと思いますね。
それにしても入所施設などではそもそも窒息のリスクを嫌って最初から餅など出さないと言う場合も少なくないようなのですが、ご本人やご家族がリスクを知った上で希望されるなら別に食べていけないと言うこともないはずですし、餅に限らず普段の食事に関しても窒息誤嚥のリスクは常にあるのですから、過度にリスクを恐れるあまり正月の楽しみも何もないような状況を強いるべきでもなかろうかと言う気がします。

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2015年12月27日 (日)

今日のぐり:「旬彩美酒 ちどり」

先日こういうニュースを見かけたのですが、これは現代の奇跡と考えるべきなのでしょうかね。

【奇跡】ローマ教皇フランシスコの祝福の接吻で幼女の脳腫瘍がみるみる縮小、MRI検査で判明!(2015年12月3日トカナ)

 聖書の中ではイエス・キリストが起こしたいくつもの“奇跡”が記されている。空になった水がめを再びワインで満たしたことや、海水面を歩いたりする“奇跡”が有名だが、数のうえでは難病の人々を治療したり死人を生き返らせたりする医療行為的な“奇跡”のほうが多い。ひるがえって現ローマ教皇のフランシスコもまたここ最近では珍しく“奇跡”を続けざまに起こす教皇として話題になっているようだ。

■ガードマンが沿道の赤ちゃんを教皇に差し出す

 今年9月、ローマ教皇フランシスコが訪れた米・ペンシルベニア州フィラデルフィアでその“奇跡”は起っていた。
 2013年3月に第266代ローマ教皇に就任したフランシスコは、就任以来、世界各地を精力的に訪れており、ヨハネ・パウロ2世以来の“行動派”教皇としての呼び声が高いようだ。今年9月には6日間の旅程でアメリカを訪れ、ワシントンやニューヨークをはじめ各地に立ち寄り、旅の締めくくりとなったフィラデルフィアでは約100万人が参加する大規模な屋外ミサが開かれ、全米各地から集まった熱心なカトリック信者に囲まれて盛大なパレードも行われた。
 そしてこのパレードの最中に“奇跡”は起った。厳重に守られ、ゆっくりと進むガラス張りの特別車両に乗った教皇は、沿道に押し寄せた信者たちの歓声に応えていたが、ある区画に差し掛かったところで、側近のガードマンが赤ちゃんを抱えて教皇の目の前に差し出したのだ。
 すると教皇は顔をほころばせながら可愛い赤ちゃんの頭にキスをしたのだ。赤ちゃんの両親をはじめ家族たちは興奮のあまり泣き叫んで感謝感激。ガードマンから赤ちゃんを受け取った家族は「神の恵みだ!」と偶然に訪れた幸運に沸き立つ。どうやら、ガードマンの男性がこの一帯でタイミングよく沿道にいた家族から赤ちゃんを受け取り、教皇に“祝福”してもらったということのようだ。そしてこの後、“奇跡”が訪れることになるのだ。

■“祝福”の2カ月後のMRI検査で“奇跡”が!

 教皇フランシスコの祝福を受けたこの1歳の女の子、ジアンナ・マサイアントニオちゃんは、実は生まれながらに脳に腫瘍を持って生まれた気の毒な難病患者であった。腫瘍は脳内奥部にあるため手術は不可能で、生まれながらにして長い闘病生活が宿命づけられた赤ちゃんだったのだ。
 しかしこの9月の“祝福”の2カ月後、かかりつけの病院でジアンナちゃんの頭部がMRIで撮影されると医師と両親は驚愕。なんと、ジアンナちゃんの脳の腫瘍はよく見なければわからないほど小さくなっていたのである。
「私たちは神の奇跡だと信じています。(ガードマンの男性の手は)はじめから私たちの方に向けられていたのです。信仰は私たちに重苦しい時を与えてくれましたが、今、ジアンナの生命に奇跡が起こったのです」
 と父親のジョーイ・マサイアントニオさんは子育て情報サイト「Yahoo! Parenting」の取材に応えている。
 それでもジアンナちゃんはまだ当分の間は化学療法を受けることになるが、ジアンナちゃんの腫瘍は「ほとんど見分けられなくなった」と母親のクリステンさんは喜びをFacebookに書き込んでいる。このままジアンナちゃんの症状が順調に快方へと向かうことを祈りたい。
(略)

結果的に病気がコントロール出来ていると言うことであれば理由は何であれいいことなのですが、しかし一連の経緯が果たして病気と関係があるのかどうか確かに不思議なところではありますよね。
今日はジアンナちゃんの健やかなる成長を祈念して、世界中からちょっと普通では考えられない事件の数々を紹介してみますが、まずはこちらびっくりするようなニュースです。

脚引きちぎりワナから脱出、3人襲ったイノシシ(2015年12月7日読売新聞)

5日夕から6日朝にかけ、高松市西植田町の山林で男性3人がイノシシに襲われ、重軽傷を負った。イノシシはそのまま逃走し、高松東署や地元の猟友会が行方を追っている。

5日午後4時頃、狩猟をしていた同市香川町の男性(67)がわなに掛かったイノシシを仕留めようと近づいたところ、イノシシは自分の脚を引きちぎって脱出し、男性の右脚や尻にかみついた。6日午前8時頃には、同じ山林で農作業をしていた近くの男性(78)が両腕などをかまれ、助けに入った別の男性(82)も右手の人さし指をかみちぎられる大けが。

同署では、同一のイノシシの可能性もあるとみている。

いやいやいやどんな世紀末伝説かと言う話なんですが、しかし野生動物とはこれほど恐ろしいものなのかと改めて感じますね。
その野生動物がいきなり目の前に出現すればどうなのかですが、こちら何とも唐突にその接近遭遇を果たしてしまった方のニュースです。

豪有名ビーチ、サーフボードにサメ飛び乗る(2015年12月23日AFP)

【AFP=時事】オーストラリアのシドニー(Sydney)郊外にあるサーフィンのメッカ、ボンダイ・ビーチ(Bondi Beach)で22日、サーフィンを楽しんでいた男性のボードにサメが飛び乗る騒ぎがあった。

 サーフィン歴約30年のディーン・ノーバーン(Dean Norburn)さんは早朝、友人2人と一緒にボンダイ・ビーチでサーフィンを楽しんでいた。「波がブレイクして、ちょっとパドリングしたところでボードに乗って体を起こしたら、ぼくの横をかすめてサメがボードに乗ったんだ。もちろん、ショックだった。でも、サメはすぐにぼくのボードから降りて、友達のボードの下へ行った。しばらくそこで泳いでいたけど、そのうちいなくなった」

「とにかく恐ろしかったよ。サメに遭ったのは初めてだけど、最初で最後であってほしいよ」と、ノーバーンさんはAFPに語った。クロヘリメジロザメといわれるサメと思われ、体長は1.8メートルほどだったという。

 ノーバーンさんは約50~60メートル離れた岸まで全速力でボードをこいで戻ったが、「永遠のように感じた」と述べた。「泳ぎを習ったときの記憶がよみがえったよ。全力を出して岸へ戻った」

 シドニーが位置するニューサウスウェールズ(New South Wales)州の海岸線は約2000キロに及ぶが、同州では今年、人間がサメに襲われる事例が13件発生し、死者も1人出ている。同州の当局は、サメの動きをドローン(小型無人機)で追跡する試験を実施するなど、さまざまなサメ対策を行っている。

それはまあ恐ろしい経験だったと思いますけれども、他人事ではありますがサメの方でもさぞや驚いていたかも知れませんね。
一方で野生を失った生き物とはかくも牙を抜かれるものなのかと思わせるのがこちらのニュースです。

捕食者と獲物の間に熱い友情が芽生えた! サファリパークで「エサとして放り込まれたヤギとトラ」が仲良しに!!(2015年12月8日ロケットニュース24)

正反対の性格なのに惹かれ合ってしまう男女がいるが、どうやら動物の世界でも、似たようなことが起こるようだ。
というのも、本来なら捕食者と獲物という反目し合う立場にいる動物の間で、熱い友情が芽生えたのである。ロシアのサファリパークでエサとして放り込まれたヤギが、トラと仲良しになってしまったというのだ!! そんな、ちょっと微笑ましい出来事をお伝えしたいと思う。

・捕食者と獲物の間に熱い友情が!?
捕食者と獲物の間で意外な出来事が起きたのは、ロシアのシュコトフスキーにある「 Far Eastern Safari Park:ファー・イースタン・サファリパーク」だ。そこで飼われているトラのアムールは、週に2回、囲いに放り込まれる生きたウサギやヤギをエサとしている。
そして、獲物としてアムールの囲いに入れられた黒ヤギも、通常通り、アムールに食べられてしまうはずだったのだ。

・全くトラを怖がる様子がない肝が据わったヤギ
しかし、この黒ヤギは今までトラを見たことがなかったからか、なぜか、全くアムールを怖がる様子がなかったのだとか。堂々とトラに近寄ったヤギは、なんとアムールと仲良しになり、挙句の果てにはトラの寝床を奪ってしまったというのだ! 
トラに関する前知識がなくても、動物の本能で危険を察知できそうなものだが、きっと、このヤギは肝が据わりまくっているに違いない。

・名無しだったヤギをティムールと命名!
すぐ食べられてしまうエサだったため、名前すら与えられていなかった黒ヤギは、その勇敢さをたたえて ‟ティムール” と命名されたそうだ。「アムールとティムール」とは、なんとも語呂合わせが良いネーミングである。
毎日一緒に散歩するようになったという二頭だが、アムールの飼育員は、勇敢なティムールと警戒心の強いアムールの性格によって、二頭の立場が逆になったのではないかと語っている。
捕食者と獲物という立場とはいえ、この二頭には、何か通じるものがあったのかもしれない。これからアムールとティムールが、サファリパークで大人気となることは間違いないだろう。

いやまあ、サファリパークの餌やりが週二回の生き餌だと言うのもさすがロシアなのですが、画像を参照する限りでは確かにトラよりも偉そうにも見えますね。
昨今日本でも体外受精と言う技術はかなり広汎に用いられるようになっていますが、こちらその思いがけない結果を伝えるニュースです。

夫の精子で出来た子が夫の子でなかったという珍事が米国で発生(2015年10月29日IRORIO)

米国ワシントン州に住む男性が、生まれた我が子の遺伝子検査をしたところ、生物学的には本人の子供ではなく、兄弟の子供であることが分かったという。

この34才の男性は、妻とともに不妊治療を受けており、生まれた子供は人工授精によるもの。
担当医は人工授精に使用した精子が夫本人のものであることを確認している。それにもかかわらず、生まれた子供の血液型が両親のどちらとも一致しなかったため、夫妻は遺伝子検査を依頼した。
医師が夫の唾液から採取した遺伝子を調べると、子供のものとまったく違っていた。つまり、100%夫の子供ではない。
ところが、夫の精子を調べると、10%という半端な割合が子供の遺伝子と一致した。これは、遺伝学的には、夫の兄弟が本当の父親であると考えられる。
だが、さらに不可解なことに、当の夫に兄弟はいないのだ。

謎はさらなる検査で解けた。この夫は、生物学的に「キメラ」と呼ばれ、生まれる前は二卵性双生児だったが、母親の胎内で兄弟の身体を吸収し、その結果一人で生まれてきたということが分かった。
つまり、吸収された兄弟の細胞が体の中にまだあり、それが兄弟の精子を作っていたことになる。
「これには遺伝学者もビックリだ」と、遺伝子検査を行なった米国スタンフォード大学の遺伝学者バリー・スター氏は言う。

一体どれだけの偶然が重なったんだよと思う結末なのですが、しかし遺伝子的検索技術が進んだ現代でなければさぞや様々な続発的トラブルも起こり得た一件であったかも知れませんね。
最後に取り上げますのは何気ない日常に潜む思いがけないリスクを伝えるニュースですが、まずはこちらの記事を紹介してみましょう。

帰宅したら息子が娘に!=赤ちゃん取り違えか-パキスタン(2015年12月11日時事ドットコム)

 【カラチAFP=時事】パキスタン警察は11日、南部ハイデラバード郊外のラティファバードで、赤ちゃんの取り違え騒ぎがあり、捜査を始めていることを明らかにした。父母は、息子を1日半ほど病院に預けていたが、無事退院して一緒に帰宅。しかし、数時間後に女の子だと気が付いた。

 警察は「速やかな解決を望んでいる」と述べている。ただ、不思議なことに女の子の赤ちゃんがいなくなったという訴えはない。パキスタンの地方では今も男児を切望する家庭が存在し、過去に病院から男の赤ちゃんを連れ去る事件も起きている。

どこでどんな取り違えが起こったのかは判りませんが、しかし性別が違っていなければ発覚しないままこれも後年大問題になっていたかも、ですよね。
日本でもこの種の取り違え事件がのちのち裁判沙汰になったと言うケースも報じられていますが、しかし子供にとって育ての親なのか産みの親なのかと言うのも難しい問題なのでしょう。

今日のぐり:「旬彩美酒 ちどり」

小綺麗に調えられたこちらのお店、最近移転したらしいのですが福山駅のすぐ目の前で便利はいい場所にありますよね。
間口は狭いのですが奥がそれなりに広い店内で、カウンター以外に個室もあり使い勝手はよさそうに思いました。

この日は前菜から順番にお任せで出していただいたのですが、特に面白いなと思ったのが刺身で、サワラなどはお隣岡山県が本場ですがきちんと皮目を焼いてタタキにしてありますし、非常に珍しいのがヤガラの刺身が出てきたことです。
椀ものなどに入っているのを食べたことがありますが、こうして刺身にして食べてもすっきりした味ですし、また刺身にしてみるとこの独特の食感が楽しい魚なんだなと改めて感じさせられました。
しかし見た目通り基本的に和食の店なのですが、この日のメインには普通に焼いた牛肉が出てきて、これはこれでうまいのですがここの味であれば最後まで和のメニューで楽しんでみたい気もしましたね。
また一番良かったと感じたのが最後にご飯ものとして出てきたウニ飯ですが、家でも出来そうな料理ながらこういうシンプルでうまいものと言うのはご馳走の後には特にありがたいですよね。

お店に入った瞬間の印象は居酒屋か?と感じるところがあって、酒のメニューも充実しているので実際居酒屋的にも使えそうなのですが、料理はしっかりしたもので完全に料理屋の味ですし、いずれの料理もそれぞれに十分楽しめるもので外れがないと言うのは感心させられました。
設備面では新しいだけにトイレなども数は少ないものの中は広く設備も整っているので快適ですし、接遇面でも非常にフレンドリーでゆったりとリラックスして食事が出来るものでした。
料理なども予算や好みに応じて色々と対応してもらえるそうですが、案内してくれた方によれば唯一の欠点が予約が一杯でなかなか入れないことなのだそうで、確かに満足感の高いお店ではありました。

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2015年12月26日 (土)

これまた最近見かけた炎上騒動

与党自民党所属の国会議員が、同じく国会議員である妻の出産に合わせて育休を取得したいと言い出したことが報じられていて、そもそも国会議員についてそうした規定がないことからこの際規定を作ろうと言う動きもあるそうなのですが、一方でこんな思いがけない炎上騒動も発生しているようです。

議員の育休取得に民主反発 岡田代表「違和感のある話」、蓮舫代表代行「全く理解できない」(2015年12月24日産経新聞)

 民主党の岡田克也代表は24日の記者会見で、自民党の宮崎謙介衆院議員が育児休暇取得を検討していることについて「多くの方からみて違和感のある話ではないか」と疑問を示した。

 宮崎氏は同党の金子恵美衆院議員と結婚しており、来年2月に第1子が誕生する予定。

 岡田氏は「一般の場合は休みを取れば給与は削減される。国会議員もそういう法律を作るなら一案だとは思うが、今言われているのはそういう話ではないようだ」と指摘。その上で「国会議員は大変忙しいが、ある意味でフレックスタイムみたいなところがある。やりくりしながら(育児に)対応することも可能ではないか」と語った。

 民主党の蓮舫代表代行も23日のツイッターで「制度があっても育休すらとれない現実もある。国会議員のすべき仕事は2人そろって給与全額保証の育休を優雅に取ることではなく、現実に向き合っている人たちを法改正で守ることだ。この2人の考えを私は全く理解できない」と断じた。

この件に関しては各方面で賛否両論熱心な意見が戦わされている最中なのですが、対立政党と言うべき立場にあるとは言え政党幹部が揃って育休取得に関してこうまで明確な否定的見解を公言したことに関しては、あまり好意的ではない反応も少なからず寄せられているようです。
いやしくも国家のルールを決める立場にある国会議員でさえ育休取得も出来ないのでは庶民がきまりがあるからと育休取得などできるはずがないと言う声ももっともだし、いやルールを決める立場にある以上まずルールを決めてから話を進めるのが筋だろうと言う意見にも頷ける部分はありますが、面白いなと思ったのは育休取得の是非よりも報酬返上が話題になっている点です。
国会議員と言えばもともと年俸制で仕事をしているようなもので、任期の間に何をどう働き成果を上げるかと言うのは各人の裁量の範疇とも言えますし、国を挙げて少子化対策をしている時代に当の国会議員が出産育児を全面的に支援せずしてどうすると言う考えもあると思いますが、やはり理念より何よりお金の問題が気になるのも率直なところなのでしょうか。
育休の話はともかくとして、これまた先日制度運用に関わることで壮大な炎上騒動を引き起こした方がいらっしゃると言うのですが、こちらの記事から紹介してみましょう。

ブログに「社員をうつ病にする方法」 社労士を調査へ(2015年12月19日朝日新聞)

 愛知県内のベテラン社会保険労務士の男性が「社員をうつ病に罹患(りかん)させる方法」と題した文章をブログに載せ、県社労士会が問題視して今月に調査を始めた。職場での取り組みに逆行するような発信はネットでも批判され、厚生労働省愛知労働局も事態を重く見て調べる方針だ。

 問題の文章が載ったのは11月下旬。「すご腕社労士の首切りブログ モンスター社員解雇のノウハウをご紹介!!」と題した連載の40回目で、上司に逆らったり遅刻したりする社員を「うつ病にして会社から追放したいのだが」という質問に答える形だった。

 ブログでは、「失敗や他人へ迷惑をかけたと思っていること」などを社員に繰り返しノートに書かせるよう勧めた。「うつ状態は後悔の量が多いほど発症しやすい」とし、社員が自殺した場合の助言もあった。

 ネットでは「あまりにひどい」などの批判が起きた。「ふざけるな!」といったメールを数件受けた男性社労士は「怖くなった」として、12月上旬に連載をすべて削除した。

 国家資格の社労士は「適切な労務管理その他労働・社会保険に関する指導を行う専門家」(愛知県社労士会)。同会では40回目の内容について「多くの人が自殺に追い込むような主張と読む。同じ社労士として迷惑だ」と批判が出ており、調査を開始した。

 関係者によると、会則で処分対象となる社労士の「信用または品位を害する行為」にあたりかねないとして監察綱紀委員会を10日に開催。男性社労士は聴取に対し、「うつ病に罹患させる」というのは本旨でなく「筆が走りすぎた」としつつ、「表現の自由」の範囲内と主張したという。

愛知の社労士「社員をうつ病にして追放する方法」ブログに公開 弁護士らが厚労相に懲戒請求(2015年12月19日毎日新聞)

 日本労働弁護団や全国過労死を考える家族の会など6団体は18日、愛知県社会保険労務士会に所属する社労士が「社員をうつ病に罹患(りかん)させる方法」と題した文章をブログに公開したとして、管轄する厚生労働省に監督責任を果たすよう求めた。弁護士と社労士計9人は、塩崎恭久厚労相にブログを執筆した社労士の懲戒を請求した。

 この社労士は11月24日付のブログに質問に答える形で「上司に逆らう社員をうつ病にして追放する方法」を書いた。就業規則を変更して上司に文句を言うことの禁止などを盛り込むことを提案するなどし、「万が一自殺したとしても、うつの原因と死亡の因果関係を否定する証拠を作っておくこと」とした。ブログは批判を浴び、現在は公開されていない。

 過労死家族の会のメンバー、中原のり子さんは「ブログの内容は殺人を勧めるようなもの」と批判した。この社労士は「モンスター社員を真人間にするためとの思いで書いたが、誤解を与え、申し訳ない」と話している。【東海林智】

しかし「うつ病に罹患させる」が本旨ではないと言うなら何が本旨だったのかで、要するに社員を首切りするノウハウを伝授しますと言いたいのだとすれば労働問題の専門家としてはどうなのかで、同業団体として社労士会が調査に乗り出したと言うことは当然なのですが、面白いなと思ったのは横から弁護士が懲戒請求をしていると言う点です。
ちょうど同時期にとある弁護士事務所が「強姦事件を起こしても不起訴に持ち込みますと言う広告漫画を公開していたとやはり炎上騒動を起こしていて、同事務所では強姦以外にも様々な犯罪行為を示談に出来ますと宣伝していたことやあまりに加害者に罪の意識がなさ過ぎると話題になっていますが、こちらに関して同業弁護士から問題視されたと言うことはないようです。
以前に宮崎で強姦被害者に対して加害者側弁護士がビデオの存在をネタに告訴取り下げを脅迫していたと話題になっていましたが、弁護士的には依頼者の権利を守るために何でもやれることをやるのは当然であり、それを行わない方が職業倫理に反すると言う考え方だそうで、もちろん理屈としてそれが本来の役目だと言うのは理解出来る話ですが、これまた感覚的にはあまり納得しかねると言う人が多かった話ですよね。
正当な業務と言う観点からすると、そもそも社労士なども大部分が企業と契約を結んで様々な手続きの代行などの業務を行っていると言いますから、企業側の利益を最大化することが正当な業務であるとも言え、案外今回の社労士にしても先の弁護士にしても、依頼者のために最大限働いてくれる熱心さで評判はよかったのかも知れませんね。

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2015年12月25日 (金)

決して失敗を犯さないたった一つの方法

群馬大学の腹腔鏡手術後に多くの患者が亡くなっていたと報じられ、全国で高度先進医療の安全性再評価が進んでいるところですが、その件に関係してこんな記事が出ていたことを紹介してみましょう。

「手術しなければ延命」…群大問題、遺族側会見(2015年12月20日読売新聞)

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓の手術後に患者が相次いで死亡した問題で、遺族とその弁護団(団長・安東宏三弁護士)が19日、群馬県内で記者会見し、独自調査した開腹手術5例の全てについて「手術しなければ延命できた」などとする中間報告書を公表した。

 遺族らは執刀医らに直接説明するよう改めて求め、十分な回答がなければ法的措置も辞さないと表明した。

 独自調査では、いずれも開腹で、肝臓の手術後に死亡した4人と、膵臓すいぞうの手術後に死亡した1人について、消化器外科の専門医に検証を依頼。カルテや画像を解析し、術前の説明、手術や術後の経過について検討した。

 専門医は「手術をしなければその時点で死ぬことはなく、少なくとも数か月は生きられた」「術前に必ず行うべき検査をしていない」などと指摘。手術でがんを取り切れない場合も中止せず、強引に進めた例もあり、患者の利益よりも難しい手術への挑戦を優先した可能性があることも問題視された。

お亡くなりになった方々に対してはお悔やみを申し上げるしかないのですし、群大の症例選択や手術手技などが妥当だったのかどうかは今後の検証を待ち、改めるべきところは改めていくことが医療安全上重要であるのは言うまでもありません。
ただここで注目いただきたいのは専門医の意見として「手術をしなければその時点で死ぬことはなく、少なくとも数か月は生きられた」と言うコメントが出ているとされている点で、確かにそう言われればごもっともと言うしかありませんが、この論理でいくところおよそ侵襲的でリスクのある処置は一切出来なくなる理屈ですよね。
この秋から医療事故調制度が発足したのは周知のところですが、それに関連して「ボールは医療界に投げられた。医療界がこの制度をきちんとやらなければ、次の2016年6月の見直しは、大きな“逆風”にさらされることになる(武田裕・滋慶医療科学大学院大学学長)」と言った声が大きくなっているようで、事故調制度の位置づけに正直当惑している医療従事者の方々も多いのではないかと言う気がします。
医療における望まない結果がすなわち医療過誤、医療ミスなのかと言うしばしば世間で見られる誤解はひとまず置いておくとして、医療において100%確実なことはない以上、一定の確率で発生し得る有害事象と言うものはあるものだし、それを許容した上で医療を利用するかどうかは患者側の問題ではないか?と考えると、むしろボールは国民の側にあるはずだと言う考え方も出来るでしょう。
ただ医療安全と言う点に関して先日こんな記事を見かけたのですけれども、記事の内容そのものはごく当たり前の話をデータ的に裏付けているとも言える内容なのですが、国民の方々が医療安全と言うことを誤解したまま受け取っていれば非常に危惧される方向での解釈の余地もありそうに感じますね。

腹腔鏡手術、研修医参加で入院期間延長(2015年12月10日専門誌ピックアップ)

 米国外科学会手術の質改善プログラムのデータベースから基本的な腹腔鏡下手術6万6327件と難易度の高い腹腔鏡下Nissen噴門形成術5492件を対象に、手術への研修医の参加による影響を検証

 研修医の参加は患者死亡率、罹病率、再手術率とは関連しなかったが、基本的腹腔鏡下手術においては患者の再入院率および入院期間延長に関連していた。

 また、研修医の参加によって全ての手術で手術時間が延長していた。

研修医が何故手術に参加するかと言えば手技を覚えるためであり、指導医からすれば手術そのものの手間に加えて指導する手間も必要なのですから手術時間が延長するのはまあ当たり前だろうと思うのですけれども、死亡率等には影響しないとは言え再入院率や入院期間に悪い影響を与えていると言われると、患者にとっては不利益なことと言うしかないですよね。
素直に記事を読めば「それじゃ僕の手術の時には研修医なしで」と言いたくなるような話ですし、実際に現場の指導医の先生方にとっても研修医指導と言う余計な手間暇をかける作業はかなりの負担になっていて、外科手術に限らず研修医の指導そのものを拒否すると言う先生も中にはいらっしゃると側聞します。
もちろんベテランだけが業務を行うなら仕事そのものは一見早く終わっていくように見えるかも知れませんが、それが5年、10年と時間が経ち指導医達が次第に老いて衰えていった場合に誰がその後を継ぐべきなのかと言うことを考えた場合に、目先の余計な一手間と言っても将来に対する必要な投資でもあると言う捉え方もあると思います。
ただ医療安全第一と言う観点からすると何であれ患者さんに対して不利益になるようなことを意図的に行うなどとんでもないと言う話ですし、仮に研修医が失敗をやって命に関わるような重大トラブルが発生した場合に当事者として納得出来るかと言う話なんですが、医療に限らずこうした場合個人ではなく組織で業務を行っているのだと言う大原則を徹底するしかないように思いますね。

その点で先日非常に感銘を受けたのが、医療の質・安全学会のシンポジウムで抗菌薬と筋弛緩薬が取り違えられ患者死亡につながった医療事故に関して、外部委員として事後検証に参加した立場からのレポートがあったと言うのですが、医療事故が何故起こるのかと言うことを克明に調べた非常に興味深い内容になっており一読いただければと思います。
何故何重にも設定されていたはずのチェックシステムをかいくぐってこんな初歩的な事故が起きたのかと言うことが非常によく判る話で、事故に至る個々のステップを見ると多忙な日常診療の中で誰しも経験するような事例の積み重ねなんだと思うのですが、これを「マキシピームとマスキュレートの区別もつかない無学者に危険性のある仕事をさせるな」で終わってしまったのでは仕方のない話ですよね。
病院内に限らず介護施設などでも、しばしば胃に栄養剤の代わりに消毒薬を注入して大変なことになったと言った一見信じられないような事件が発生していて、結果だけを聞くとこれだから初歩的な医学常識もない人間はと思ってしまいがちなんですが、何故そんなことになったのかを検証していくと起こりがちなヒューマンエラーの積み重ねが重大な結果を招いたと言うケースが多いようです。
しばしば起こる酸素配管の取り違え事故に対して誤接続が物理的に不可能なコネクターが登場したような対策もありますが、それでも慌てた時にはわざわざチューブを付け替えてでも誤配管してしまうのが人間と言うもので、そうした間違いを犯す生物が大勢集まって医療を行っていると言う現実から目をそらせてはならないと言うことが医療安全の大前提であるように思います。

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2015年12月24日 (木)

診療報酬は増えたのか減ったのか

ご存知の通り診療報酬改定作業がほぼ決まったと報じられているのですが、その報じられ方を見ると結局増えたのか、減ったのかさえもよく判らないですよね。

診察料など0.49%引き上げへ 診療報酬改定(2015年12月19日朝日新聞)

 診察料や薬代の公定価格の診療報酬について、政府・与党は18日、来年度の見直しで診察料などの本体部分を0・49%引き上げることを決めた。前回の2014年度改定時の0・1%に比べ、大きく上積みする。薬代の薬価は減額し、全体の改定率はマイナス0・84%ほどで調整。社会保障費の伸びを抑制しつつ、医師ら医療従事者の人件費となる本体を増やすことで医療業界に配慮する。

 診療報酬は2年ごとに見直される。改定率がプラスなら医療機関の収入が増えるとともに、財源となる公費や保険料、原則1~3割の患者の窓口負担も増える。マイナスなら逆にいずれも減る。1%分で国費は年間約1110億円、窓口負担は年間約540億円の増減となる。

 来年度の改定では、医療機関の経営に直結する本体部分について医療業界に加え厚生労働族議員や厚労省がプラスを強く主張。当初は前回並みの小幅なプラス改定で調整していたが、最終的に上積みすることで財務省と折り合った。上積みする分の財源は、処方する湿布薬の枚数を制限するなど診療報酬にかかわらない医療の給付を絞り込むことで捻出。さらに、18日に閣議決定された今年度補正予算案に、来年度予算で想定していた社会保障の施策の多くが前倒しで盛り込まれたことで確保した。

 一方、薬代は9月時点での実勢価格が公定価格を下回っており、その差額分をほぼそのまま薬価に反映。改定率はマイナス1・33%ほどで調整している。その分、薬は安くなる。

 全体の改定率がマイナスになるのは08年度以来8年ぶり。前回はプラス0・1%だったが、消費増税対応分として1・36%を上乗せしたため、実質的に2回連続の引き下げとなる。本体は08年度からプラス改定が続く。本体が増額される分、診察料も上がる

診療報酬0.84%マイナス=診察料は0.49%増-財務・厚労両省(2015年12月21日時事通信)

 財務省と厚生労働省は21日、閣僚折衝を行い、2016年度予算編成の焦点となっていた診療報酬改定について、全体で0.84%引き下げることを決めた全体のマイナス改定は8年ぶりだが、前回の14年度改定も、消費税増税に伴う補填(ほてん)分を除くとマイナスで、実質的には2回連続の引き下げ。内訳は、医師の診察料などに当たる「本体」が0.49%のプラス、医薬品などの「薬価」が1.33%のマイナスとなる。
 ただ、年間販売額が大きい医薬品の価格を下げる「市場拡大再算定制度」の影響を加えると、全体のマイナス幅は1.03%になる。この場合、医療費は国費ベースで約1000億円削減できる見込みだ。
 厚労省は16年度、市場拡大再算定制度で、年間販売額1000億円超の医薬品の価格を最大5割下げる新たなルールを導入し、安価な後発医薬品についても価格を引き下げる。中小企業の従業員らが加入する健康保険組合「協会けんぽ」への国の補助金減額、医師が処方する湿布の枚数制限なども進め、社会保障費のさらなる圧縮を目指す。(2015/12/21-20:19)

ちなみに「年間販売額が大きい医薬品の価格を下げる「市場拡大再算定制度」」とは「年間販売額が1000億円を超え1500億円以下、かつ予想販売額の1.5倍以上の場合(最大25%の引き下げ)、②年間販売額が1500億円を超え、かつ予想販売額の1.3倍以上の場合(最大50%の引下げ)」が該当するそうで、例の1錠8万円で話題になった肝炎治療薬の大幅な価格引き下げなどもこれに当てはまるそうです。
画期的な新薬などが登場すると薬価も高くなりがちで、またどっと新規処方が増えることからこうした制度に該当する医薬品と言えば処方する側にとっては待ち望まれたものだとも言え、また利用する患者にとっても値段が安くなるのはありがたいと言うものなのですが、一方で製薬会社の立場からすると巨額の開発費を投じて新薬を出しても元が取れなくなり開発意欲が低下すると言うことになりますよね。
いずれにしても今回の診療報酬改定では薬価を中心に大きく引き下げる一方で、本体部分に関しては相対的に優遇していると言え、日医会長などが本体部分の0.49%引き上げを評して「ぎりぎり合格点」を出したと言いますが、いわゆる厚労族議員ならずとも物価上昇や賃金上昇を国主導で進めている中で医療だけ何故冷遇されなければならないのかと言う主張は根強くあったと言います。
財政再建と言い各方面で大なたを振るいながら次年度予算案は史上最大の巨額なものになっているなどと言う意味不明な話も出ているとは言え、やはり今回の診療報酬改定は財務省主導で行われたことは否めませんが、それに対する評価がまちまちであることは各メディアが報じるニュースにおいてもプラス改訂なのかマイナス改定なのかと言うことすら統一されていないことからも明らかですよね。

そもそも以前からの計算方法であれば今回は「1.03%のマイナス」とされるべきところを、市場拡大再算定制度活用による200億円の圧縮を何故か薬価部分から切り離したことで見かけ上1%以下に圧縮しているとも言いますから、一昔前であればまた医療費削減政策推進だ、医療崩壊の再来だと騒がれてもよさそうなものなのですが、今回そうした方面での危惧は実のところさほどに聞こえてきません。
この理由として医療現場もこうした診療報酬マイナス改定に対する対応が進んできたこと、そして赤字垂れ流しの病院がどんどん淘汰され足腰が強い病院が生き残って着ていること、そして現場の医師の感覚としてもコスト意識が定着し経営感覚を伴った診療を心がける医師も増えてきたことなど、様々な要因があるのだろうとは思います。
長年続いた国民皆保険制度で安い医療を誰にでも平等に提供すると言うことが当たり前の世界で育ってきた日本の医師達は、医療はお金で左右されてはならないと言うタテマエ論を疑うことなく信じ込んできたようなところがありますが、今後お金にならない医療には敢えて手を出さないと言う感覚が根付いてくるようですと医療のあり方も変わってくるかも知れませんよね。
同じような治療効果で医療費が何倍も違うとなれば安い方から使ってみると言った、患者にとっても別に不利益にならない部分もまだ少なからずあるとは思うのですが、医師がお金のことを気にするようになると今までのように患者に利益になることだから多少赤字でも頑張ってみようかと言う医療現場の自己犠牲的精神は、今後次第に消え去っていく運命にあるのかと言う気もします。

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2015年12月23日 (水)

今日のぐり:「セルフうどん さざなみ 藤田店」

全世界が泣いた…かどうかは判りませんが、先日こんな心温まるニュースが出ていたことをご存知でしょうか。

おばあちゃんにカニむきロボを 8歳発案、町工場が試作(2015年12月2日朝日新聞)

 リウマチで手が不自由なおばあちゃんが、大好きなカニを苦労せずたくさん食べられるように――。そんな思いから8歳の男の子が考えた「カニむきロボット」のアイデアを、大阪府東大阪市の町工場のおっちゃんたちがカタチにしようと奮闘している。試作品を見てもらおうと、2日に工場に招く。

 発案したのは東大阪市の小学2年、加藤未来人(みくと)君。今年の正月、奈良県広陵町に住む祖母の勝子さん(72)の家に親戚が集まり、みんなでカニすきを食べた。長年、関節リウマチを患う勝子さんがカニの殻をむきにくそうにしているのを、母親の位織(いおり)さん(45)が代わりにむいて渡すのを見ていた。

 3カ月後。「大切な人が困っているとき、こんなモノがあったらいいなと思ったことはありませんか」。市の広報誌に発明品アイデアの募集が載った。市内の物づくり企業約70社でつくる「東大阪ブランド推進機構」の主催で、ブランド賞(2点)に選ばれると、市内の町工場で実際につくってくれる。未来人君は早速、「カニむきロボット」のイメージ図と説明を描いて応募。235点から選ばれた。

画像を見る限りでも試作品には様々な苦労があったのだろうなと思うのですが、早く実用化されればいいですよね。
今日は未来人君のアイデアが実用化されることを願って、世界中からこんなやり方があったか!と持った湯吞みをバッタと落とすような斬新なアイデアの数々を紹介してみましょう。

Pepperが全国一律「時給1500円」で働く衝撃 ネット民「俺より高くてワロタ」「フリーターの仕事が……」(2015年12月14日キャリコネニュース)

ソフトバンクが現在行っている人型ロボットPepperの短期アルバイト派遣事業を、来年夏から全国に拡大する。時給は全国一律の1500円。安倍政権が最低賃金1000円を目指す中で、ロボットが人間より高い金をもらえるのかとネット上で話題を呼んでいる。

Pepperの派遣事業は、今年7月にスタート。23区内の事業所に派遣し、ティッシュ配りや受付などをするというもので、これまで毎月平均で20件の受注があったという。
さらに23区外への派遣を要望する声が多く、まずは12月18日から埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、広島県、福岡県、熊本県、鹿児島県、沖縄県にサービス範囲を拡大する。2016年夏には全国で展開する予定だ。
必要経費はPepperの時給1500円のほか、サポート技術者の時給1500円、それに1台あたり原則3万円の移送費がかかる。
今回サービス拡大の対象となった沖縄県の最低賃金は693円。Pepperの「人件費」だけでも、生身の人間が2人雇える計算になる。そのためネット上では「俺より時給高くてワロタ」といった声が相次いだ。

    「1500円も貰えない底辺もいるんですよ」「ディストピア感ある」
    「ティッシュ配りの職を奪われたフリーターがPepperを打ち壊すという21世紀のラッダイト運動はまだですか」

高い時給は「キャラに対する出演料みたいなもんだから」と、タレント扱いをする人も。「人間を時給800円ぐらいで雇って、ペッパーのコスプレさせた方が安くね?」と悔し紛れに書き込む人もいた。
そんなPepperの実力は、いかほどのものなのだろうか。ソフトバンクグループ広報によると、これまで百貨店などの商業施設や証券会社のセミナーでティッシュ配りに従事した経験がある。「人間が配った方が効率がいい」という見方もあるが、担当者は、

    「人が普通に配るよりも、立ち止まって受け取ってくれるケースが多かったようです」

と語り、その人気振りがうかがえる。企業での受付業務も経験済みだといい、かなりオールラウンドに活躍できるようだ。
ただ、そんなPepperにも弱点がある。ティッシュは配れるが、紙などの薄いものは配れないというのだ。

    「Pepperは200グラムぐらいまでのものを持つことができるのですが、設計上薄いものは難しい。なので、パンフレットやチラシを配ったりすることはできません」(同社広報)

少なくともチラシ配りの分野においては、まだ人間の方が有利ということのようだ。ちなみに、野村総合研究所と英オックスフォード大学が共同で行った研究によると、10~20年後には日本の労働人口の49%が人口知能やロボットに代替可能になるという。
(略)

将来的に人間が諸方面でペッパーの同類に駆逐されていく可能性もあると言うことなんですが、まずはその働きぶりを拝見したいと考える人も多そうではありますよね。
日本でもかつて女性下着の自動販売機など様々なものが売られていると海外でも話題になっていましたが、こちらそんなものまで売れるのか?と言う商売が意外に人気だそうです。

中国のネットショップで「少女の足の皮」販売、6673枚売れる―台湾メディア(2015年12月18日レコードチャイナ)

16日、台湾・ETtodayは中国のショッピングサイトで「気持ちの悪い商品」が人気になっていると報じた。資料写真。
2015年12月16日、台湾・ETtodayは中国のショッピングサイトで「気持ちの悪い商品」が人気になっていると報じた。17日付で参考消息網が伝えている。

その商品とは「少女の足の皮」。あるショッピングサイトで、食用として「輸入高級天然物」とうたった少女の足の皮が1枚1分(約0.19円)で売り出されると、わずか数日で6673枚も売れた。記事では、実際に出品された画面や、ネットショップの店主である少女の写真が掲載されている。
実際に購入したというネットユーザーからは、「歯ごたえがある」「ケチャップをつけたらおいしかった」「朝食用にたくさん買おう」などのコメントが寄せられた。
この商品は、現在は規約違反として削除されているため、購入することはできないそうだ。削除されたことを残念がる声がある一方で、あるネットユーザーからは「おっさんの足の皮かもしれんぞ!」といった声も寄せられている。

果たしてどのようなサイズであるのかだとか、どうやって採取したものなのかなど数々の疑問が尽きないのですが、しかしいわゆるフェチ向けではなく食材として売られているものなのでしょうか?
オランダと言えばその方面では大変に進んだ国であると昔から言われてきたそうですが、こんなことが認められたと話題になっています。

オランダ市民は自動車教習代をセックスで支払うことができる。政府はこうした支払い形態を違法なものとは認めなかった。(2015年12月19日スプートニク)

アルト・ファン・デル・シュテイル法務大臣とメラニ・シュリッツ・ファン・ヘゲン運輸大臣が発表した。

両大臣によれば、こうした支払い形態は望ましいものではないが、これを売春に分類することはできない。Dutch Newsが報じた。

当局によれば、これは、コンピューターの修理や運転教習を含む何らかのサービスの提供と本質的に変わらない、正当な交換である。

政府からの唯一の提案は、性サービス提供者と受け手の双方とも、18歳以上でなければならない、といもの。

残念ながら海外からの訪問客には直接的には影響しなさそうなニュースなのですが、しかし色々と応用が利くのではないかと期待する向きも多いようですね。
中国と言えば近年その圧倒的な大気汚染が話題になっていますが、こちらそれを当て込んだ商売が大繁盛だそうです。

カナダ企業、新鮮な空気を中国へ「輸出」 売れ行き好調(2015年12月17日CNN)

(CNN) 大気汚染が深刻化する中国に、カナディアンロッキーのきれいな空気を――。カナダの新興企業「バイタリティー・エア」が輸出を始めたボトル入りの空気が、好調な売れ行きをみせている。
バイタリティー・エアによると、カナダ西部のスキーリゾート、バンフの空気を詰めたボトルを先月中国で売り出したところ、最初に出荷した500本が2週間で売り切れた。次回の出荷に向けた予約は、すでに1000件近くまで達しているという。
価格はボトルのサイズによって違い、1本14~20ドル(約1700~2400円)だ。

中国北部はスモッグに覆われることが多く、特に暖房の季節になると汚染が深刻化する。当局は先ごろ、大気汚染警報を初めて4段階中の最悪レベルまで引き上げた。
バイタリティー・エアの共同設立者、モーゼス・ラムさんは昨年、インターネットのオークションに出品した袋詰めの空気が99セントで落札されたのをきっかけに、空気の商品化を思い立ったという。
ラムさんは自宅のあるエドモントンから約2週間ごとに4時間かけてバンフを訪れ、空気をボトルに詰める手作業に10時間を費やす。「我が社が扱うのは新鮮な空気。オイルやグリースを使う機械は通したくない」という。
カナダ国内の店頭では物珍しさで目を引く程度だが、中国の人々にとっては現実的な価値がある商品だと、ラムさんは強調する。

ただ、香港理工大学でマスク着用の効果などを研究するウォレス・リャン教授は、「大気中の有害な粒子を排除することが必要。ボトル1本の空気では解決にならない」と懐疑的な見方を示す。
しかしラムさんは「中国が食品や水を輸入しているなら空気を輸入してもいいはずだ」と、同国での事業にますます意欲を示している。

日本でもひと頃は缶に詰めた酸素が話題になったことがありましたが、まあそれだけ大気汚染が深刻になっていると言うことなのでしょうね。
最後に取り上げるのも同じく中国からの話題なのですが、個人的には極めて高く評価したい非常に野心的な新商品です。

中国が10000mAhという大容量バッテリーを搭載した変態スマホを発売 『iPad Pro』と同等のバッテリーを搭載(2015年12月15日ゴゴ通信)

中国のOukitelというメーカーが脅威の10000mAhという大容量バッテリーを搭載したスマートフォン『Oukitel K10000』を発売。現在オンラインストアで予約が開始されている。

この大容量バッテリーを搭載した『Oukitel K10000』は自身へのバッテリーだけでなく、外部への給電も可能とし、周辺のモバイル機器を充電することもかのう。つまりモバイルバッテリーの役割も果たすという。

参考までに現在発売されているスマートフォンのバッテリーを例に出すと、『iPhone6s』が1715mAh、『iPhone6s Plus』は2750mAhとなっており、先日発売された『iPad Pro』が10307mAhとなっている。12.9インチ画面サイズタブレットと同等のバッテリーを搭載していることになる。

その外部給電を使いラーメンを調理する公式動画が公開されている。動画は『Oukitel K10000』を10台連結させホットプレートを熱して調理するというものだ。少し大げさだが、これくらいのことが出来るというデモ動画である。
(略)

スマホでラーメンが作れると言うのがどれほど人生において有利なことなのかは何とも言えませんが、これはなかなかに物欲を刺激されるとネットでも話題になっているようです。
ただ中国製という事で同国伝統芸とも言うべきあの現象に期待する向きも多いようなのですが、しかしこれだけの大容量ですとさぞや大変なことになりそうですよね。

今日のぐり:「セルフうどん さざなみ 藤田店」

岡山市街地を遠く南に外れた田園地帯のただ中にあって、こちらなかなかおいしいと繁盛しているセルフうどん屋です。
しかし郊外の幹線道路沿いだけにこの界隈にはそれなりに食べ物屋もあるのですが、割合に麺料理屋は多そうで競争も激しいのでしょうかね。

それはともかく、今回は新メニューだと言うひやかけうどんを頼んで見ましたが、少しばかり不安を感じさせることにぶっかけとどう違うのか店員さんも区別がついてない様子でした。
実物を見てみますと薄口のつめたいかけつゆに、うどんもキンキンに冷やしてあって、柚子皮のトッピングに天かす、ネギ、カツオと、一見すると香川辺りで出てきそうなうどんにも見えるところです。
実際に食べて見ますとこの味の組み立てはどこかで食べた気がしたのですが、イメージ的には香川風ぶっかけと言うよりも高知あたりでよく食べられているぶっかけそうめんと言うところでしょうかね。
冷水でよく締めてるせいもありますが、このうどんは岡山基準ではかなり硬めのごついうどんで、この汁ならもう少し柔らかい方が合いそうには感じました。
ちなみにいつものぶっかけうどんの調子で、サイドメニューに茄子天を取ってみたのですが、茄子天自体は別に悪くないんですが残念ながらこの汁には合わなかったですかね。

この種の店としてはカウンター内の店員さんも多い方で繁忙期でも仕事ぶりはてきぱきとしたものですが、相対的に見るとセルフとは言えフロアにももう少しマンパワーを割いてもいいかも知れませんね。
まあしかし相変わらず繁盛しているようですし、お客さんも店員も多いので店内はにぎやかで明るい雰囲気ですから入りやすくもあり、この界隈を通りかかった時にちょいと立ち寄るには悪くない店ですよね

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2015年12月22日 (火)

生活保護不正受給対策、各地で模索が続く

大阪と言えば伝統的に生活保護に手厚いことで知られていて、何でも西日本各地の自治体の窓口では「うちよりもこっちに行った方がいいよ」と生保受給希望者にそっと大阪行きの片道切符を渡しているとかいないとかの噂も聞くのですが、その大阪は門真市では全国平均3倍の受給率を誇る生保対策に苦慮していると言います。

不正受給〝負の連鎖〟絶つすべあるか 生活保護率全国平均3倍の大阪・門真市 もはや「性善説」は破綻した(2015年12月10日産経新聞)

 生活保護の受給率が全国平均の3倍という大阪府門真市で、不正受給事件や疑惑が相次いで発覚した。10月に逮捕された夫婦のケースでは、市が支給を止めたわずか2日後に再度の申告を受け付け、被害額が計約1600万円にまで膨んでいた。別の男性が受給者に設けられた特例措置を悪用し、通院で利用したタクシーの領収書を偽造して交通費約300万円を不正に受け取っていた疑いも浮上した。事前のチェック機能が働かず、事後対応を余儀なくされる「負の連鎖」。人員不足という構造的な問題も横たわるが、果たして打開策はあるのか。

打ち切り2日後に再支給

 「生活保護を受給している男が、車やバイクを所有している。仕事もしていて収入がある
 平成25年11月、匿名の情報が門真市に寄せられた。生活保護を受給している世帯は原則、車の所有が認められておらず、他人名義であっても車を運転することはできない。
 名指しされた男(33)は「持病のため働くことができない」として生活保護を申請し、22年8月から支給を受けていた。市が調べたところ、男の妻(39)が車の運転を繰り返していたことが判明。文書で再三指導したが従わなかったため、市は26年3月、保護を打ち切った

 ところが、打ち切りからわずか2日後、男は「子供が3人いるが貯金がほとんどなく、生活ができない」として、再び生活保護を申請してきた。男に職があり、収入も得ているとの情報を得ていたはずの市だったが、「(情報に)確証が得られなかった」(担当者)として、車の使用を止めるよう改めて指導したうえで再支給を決定した。
 果たして約4カ月後の同7月、男が大阪府内の葬儀関連会社に勤務していながら収入を申告していなかったことが調査で判明する。たまらず市は支給を再度打ち切り、警察に相談した。
 実のところ、男には受給開始当初から勤務実態があり、不正受給の総額は計約1600万円に達していた。大阪府警門真署は今年10月、男と妻を詐欺容疑で逮捕したが、情報提供から実に2年近くが経過していた。
(略)
 人口約12万5千人の門真市は、今年10月現在で6322人もの生活保護受給者を抱えている。市民の20人に1人が受給している計算で、人口に占める割合は同8月現在、府内で大阪市(5・4%)に次いで高い5・05%。全国平均(1・7%)の約3倍だ。
 市によると、高度経済成長期の昭和40年代、市内に低家賃の文化住宅などが多く整備され、定住人口が急増。京阪電車や幹線道路など交通の便が良かったことも手伝って低所得者層が流入、「結果的に生活保護受給者が増えた」という。
 一方、同市に配属されたCWは40人(11月末現在)で、1人当たりが担当する世帯数は約110世帯。社会福祉法が標準と定める定数(1人あたり80世帯)を大幅に上回っているが、「予算は限られており、採用人数を増やすことは容易ではない」(同市)のが現状だ。
(略)
 生活保護制度に詳しい関西国際大の道中隆教授(社会保障論)は「膨大な業務を抱える現場の職員には、不正を見抜く余裕がない」としたうえで、「CWの業務の一部を民間委託して負担を軽減することが必要だ」と話す。
 「生活保護受給者に働き口を斡旋(あっせん)する就労支援業務をNPO法人に依頼するなどCWの負担を軽くしたうえで、CWによる受給世帯への家庭訪問をさらに強化して生活実態をきちんと把握するようにすれば、不正受給を見抜ける可能性は高まる」と提案する。
 ただ、タクシー代の不正請求のようなケースについては「遠方の病院に通っている受給者がそもそもその病院までタクシーで行く妥当性があるかを、自治体の担当者が厳しくチェックしていくしかない」とし、自ずと限界も浮かぶ。

 言うまでもなく、生活保護の原資は国民の税金だ。「不遇な存在である受給者が領収書を偽造するわけがない」。こうした甘い発想はもう通用しない時代になっているといえる。
 少なくとも、「性善説」に基づく行政の対応を根本から見直さなけれぱ、これからも全国各地で血税をドブに捨てる愚が繰り返されてしまう。

ちなみに他に共通用語として普及した概念が乏しいのでしばしば意図的にも誤用されますが、性善説と言う言葉は本来的には「人間は産まれた時から悪ではないが放っておけば悪に染まりやすいので、継続的な教育や矯正が必要である」と言う考え方で、この辺り中国生まれだけに日本的な善悪の観念論と言うよりもあくまで実社会における応用に主眼を置いた考え方と思いますね。
それはともかく、生保受給者の不正受給問題に関してはそれをチェックし取り締まることによるコストと、厳しいチェックによって削減される給付金の額との兼ね合いが常に問題となるところですが、一部自治体で行われているように審査を厳しくする一方で現に困窮している場合には当座の食料品を現物支給すると言う方針に変えたところ一人当たりの支出も安くすみ、不正受給も大きく減らすことが出来たと言うケースもあるようです。
かぎを掛けることで泥棒を完全に防げるものではないが、泥棒も余計な手間をかけたくないのでかぎのかかっていない家から優先的に狙うと言った話と同様で、不正受給者にしても役所が言いなりに金を出してくれるから受給を求めると考えると、食料品を持ち帰って現金化して…と余計な手間暇がかかるようなら他所に行こうかと言う気になるのでしょうかね。
その意味では門真市などは長年さぞや生保受給者に優しい対応をしてきたのだろうと思うのですが、全国的に見れば近年生保受給者に対しても悪いことは悪いと厳しい対応を取る自治体が増えてきているようで、先日はこんな記事が話題になっていました。

パチンコ店で生活保護受給者調査、支給停止も 別府市(2015年12月16日朝日新聞)

 大分県別府市が、パチンコ店などに生活保護受給者がいないか調べて回っていたことがわかった。10月に調べた際は、発見した受給者25人のうち数人が調査中に複数回パチンコ店にいたとして、支給額の大半を1カ月間、停止していた。厚生労働省は「調査は適切ではない」としている。

 市が15日の市議会で明らかにした。調査の根拠について、市は支出の節約に努めることなどを求めた生活保護法と説明。担当者は「他の納税者から苦情は多く、法の趣旨に反する人がいれば厳しく指導せざるを得ない」とする。受給開始に際し、遊技場に行くのは慎むとする誓約書を取っていることも理由に挙げた。

 市によると、10月の計5日間に、市職員35人が同市内の13のパチンコ店と市営別府競輪場を巡回。受給者25人を見つけて市役所に一人ずつ呼び出し、行かないように注意。調査した5日間で再び見つけた受給者については、支給額の大半を1カ月分取りやめた。

「生活保護者が朝からパチンコはよくない」 別府市の「巡回」「支給停止」にネットで称賛相次ぐ(2015年12月17日J-CASTニュース)

 大分県別府市がパチンコ店など市内の遊技施設に「生活保護受給者」がいないか巡回調査し、見つけた受給者の支給額を減額していた。ネット上では「どんどんやれ」「当然ですな」と称賛の声が巻き起こっている
 今から2年前にも、生活保護費の不正受給やギャンブルへの使用を禁止した「小野市福祉給付制度適正化条例」が兵庫県小野市で施行されたことで、多くの賛辞が寄せられた。

■「市民感覚からすると、受け入れられないでしょう」

 別府市の調査は、2015年10月の計5日間、市職員35人が市内にある13のパチンコ店と市営別府競輪場を巡回。見つけた生活保護受給者25人を一人ずつ市役所に呼び出して注意し、次の巡回で再び見つけた場合は1か月分支給額を大幅に減らした。
 市によると、こうした調査は少なくとも25年前から年1回のペースで実施されていた。巡回する時間帯は10時頃から16時頃まで。3回以上見つけた受給者については、2か月にわたって支給額を減らした。
 これまで大きな問題は起きておらず、「パチンコ店からも苦情は来ていない」という。ただ、その調査内容自体は12月15日の市議会で初めて外部に明かされ、16日付け朝日新聞電子版に報じられた
 調査を始めた理由について市の担当者は、「別府市は他都市に比べて生活保護の受給率が高く、遊興施設も多いです。市民感覚からすると、受給者が昼間からパチンコ店に入り浸る様子は受け入れられるものではないでしょう」と話す。
 実際、受給者が遊技施設に出入りする様子を見た市民から頻繁に苦情、抗議が寄せられていたようで、「(苦情が)来ない日はないくらいでした。今でも週に2~3回は受けています」と明かした。そのためか、朝日新聞の報道後に寄せられたメールのほとんどが市の取り組みを「励ます」ものだったという。
(略)
 ただ一方で、「受給者への人権侵害になるのでは」との指摘も上がっているのも事実。報道によると、厚生労働省は「調査は適切でない」との見解を示している。
 前出の別府市担当者にこの点をぶつけると、「人権には十分配慮していると考えています。受給者がパチンコを一切してはいけない、と言っているのではなく、『朝や昼間からパチンコ店に入り浸るのは良くない』というだけです。職員の巡回しない夜間については、あえて勧めませんが、(受給者が)気晴らしで行くことを厳しく咎めません。もちろん受給者にも楽しみが必要だと認識しています。ただ、出来れば地域活動やボランティアなどギャンブルとは違う部分で発揮して頂きたいとは思っていますが」との答えが返ってきた。
(略)

二年前の小野市のケースもネット上で圧倒的多数からの支持を得ていたことに反して進歩的な方々からはずいぶんと評判が悪かったようですし、今回の大分市の事例も何十年も前から行われてきたことを今さら朝日新聞が取り上げると言うのもどうかなのですが、今回の朝日の報道によってかえって市の対応に対して励ましの声が殺到していると言います。
何が適正な受給なのかと言うこともまた議論の余地が大きくあるところなのですが、生保受給者がこれだけ増加し毎年過去最高を記録更新している中で、自治体の予算はそれに応じて増えてくれるわけではないのですから年々財政的には厳しくなってきているはずであり、下手をすると良心的な支援者の方々が忌み嫌う受給拒否だ、門前払いだと言うことが発生しかねない状況になってきているわけです。
それに対して健康でも文化的でもないことに保護費を浪費しているのであればその部分は不要不急と考えカットする、そして浮いたお金をより必要性が高い人々のために使うと言うのはごく健全な発想だと思いますが、今回の場合受給開始時にきちんと誓約書も取っている上での対応ですから社会契約上も特別問題あるようにはなさそうです。
むしろ興味深いのは長年に渡り保護費支給を一ヶ月、場合によっては二ヶ月停止すると言う対応を続けても特に受給者側に問題はなかったらしいと言うことで、受給者の普段の家計支出の内容がどのようなことになっているのかと多くの方々が気にされていたようですが、この辺りの実態調査こそより良い生活保護システム構築のためにも求められるところなのかも知れませんね。

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2015年12月21日 (月)

不健康な生活と健康食品

ファーストフード店と言えば日頃から多用している方も多いと思いますが、その弊害として昔から健康上あまりよろしくないのでは?と言う疑惑が言われている中で、先日こんな体を張った実験が行われたと報じられています。

牛丼の具3カ月食べ続け、健康リスク増えず 吉野家HDが実験(2015年12月9日日本経済新聞)

 吉野家ホールディングスは9日、牛丼の具を3カ月間毎日食べ続けた場合の身体への影響を調べた実験結果を発表した。成人の男女24人を対象に実験前後の体脂肪率や血糖値などを調べた結果、特に変化は起きなかったという。同社は「毎日食べても健康リスクが増加する兆しは見られなかった」としている。

 実験は医療機関に依頼して実施。4~10月にかけて吉野家が販売する冷凍牛丼の具材を3カ月間、毎日1食、被験者に食べてもらった。その結果、体重や体脂肪率、血圧などに特に変化は見られず、血液検査でも中性脂肪やコレステロール類の数値の変動は無かったとしている。

 実験中は日常と同じ生活を送ってもらい、牛丼の具を食べる以外は特に運動をしたり、食事制限をしたりはしていない。

見ていただけば判る通りエヴィデンスとしてはさして高いレベルのものではないのですが、しかし一般的な現代日本人が日常生活でどのような食事を取っているかと言うことは気になるところで、かつての昭和時代のように炊きたてご飯に味噌汁、焼き魚と言った標準的な?朝食を取っている人はむしろごく少数派なのだろうし、牛丼屋で牛丼にサラダをつけて「今日は健康的な食事だ」と涙する方もいらっしゃるとも聞きますね。
いずれにせよこうした結果に安住せず外食産業も食の栄養価にこだわっていくことも必要な時代で、極論すれば愛好者がより健康により長く利用してくれるような食事が提供できれば理想的なのですが、そうは言っても多忙な現代人にとって食生活はしばしば他の要因との兼ね合いから犠牲になりやすい部分でもあります。
こうした問題点を自覚している人々の間でじわじわと人気を高めてきたのがいわゆる健康食品であり、近年ようやく成熟化しつつある傾向も見えるものの過去20年以上にわたって右肩上がりで成長を続けてきたと言いますから大変なものですが、先日こんな呼びかけが為されていたことをご存知でしょうか。

健康食品「本当に必要か考えて」 食品安全委が呼び掛け(2015年12月13日毎日新聞)

 内閣府の食品安全委員会は、健康食品の利用が広がっていることを受けて、健康食品について知っておくとよいことを19のメッセージにまとめて8日付で公表した。科学的研究が少なく「安全性や有効性が確立しているとはいえない」と指摘し、「今の自分に本当に必要か考えてください」と注意を促している。

 メッセージは、健康被害のリスクはあらゆる食品にあり、健康食品でも被害が報告されていると説明。そして「現在の日本人が通常の食事をしていて欠乏症を起こすビタミンやミネラルはあまりない」「自己判断でサプリメントからミネラルを大量に補給することは過剰摂取につながる可能性がある」と指摘する。

 さらに、健康食品は品質管理の規制の対象になっていないことや、医薬品と併用すると薬の効果が弱まったり強くなりすぎたりする可能性もあることなどを注意点として挙げている。

まあ本当に必要かと言われれば恐らく必要はないのだろうし、実際に健康食品を使わないことによる栄養欠乏のリスクよりも、健康食品を使うことによる何らかの身体的被害の方が大きそうには思うのですが、この辺りに関してはあまり真面目な調査結果もないものですから、誰もきちんとした議論が出来ないのも判断が難しいところですよね。
健康食品とは少し違いますが、かつては点滴にビタミン剤を混入すると点数が高くなると言う時代もあったのだそうで、医療機関にかかるとどこもかしこもビタミン入りの点滴をしてくれることから今でも「病院に行ったら点滴」をデフォのように考えている方もいらっしゃるようですが、保険の査定で片っ端から切られまくるようになりこのビタミン添加点滴の風習もずいぶん廃れたと言います。
ところがその結果ビタミン不足による脳症などが発症し社会問題化するようになった結果、厚労省も20年ほど前に点滴にビタミンを忘れず加えるようにと言う異例のお達しを出す羽目になったそうですが、これらはあくまでも食事が取れない重症患者に高カロリー輸液を続けた場合にビタミン不足が発生すると言うものであって、日常生活でビタミン剤を飲む必要があるかどうかは別問題ですよね。
有名なスポーツ選手でも極端な偏食で野菜類などは一切口にしない代わりに日常的に各種サプリメントを愛用していると言う方もいらっしゃるようですが、ああしたサプリをうまく調節して過不足なく各種栄養素を摂取するのは大変だろうなと思いますし、実際時折過剰摂取による健康被害なども散見されるようですから食事の代用になるものではないと言うことでしょうね。

一般的に何であれ個人が自己責任の範囲で行うことには特に目くじらを立てる必要もないのですが、この種のサプリメントに関して言えばどれもそれなりに高価であって、しかもいずれもその効能に関して何ら科学的な根拠がないと言う点で、お金をどぶに捨てて跳ね返りの汚物を浴びているようなものだと酷評する向きもあります。
ビタミンやミネラルなど既知の栄養素を補給するものならばまだしもですが、見るからに怪しげなキノコだのを精製したと称し○○に効果有りと言って高い値段で売っているものがありますが、世界中の製薬会社が巨額の予算や人材を投じて新薬を開発せんと鋭意努力している中で、効果があるようなものであればとっくに薬として商品化されているだろうし、実際いずれも効果があると言う真っ当なデータが示されてはいないわけです。
そうした欠点は売る側もよく考えたもので、「薬として認可を得ると販売ルートが限られてしまう。全てのお客様に利用していただきたいから敢えて認可を得ていないのだ」などと大まじめに語っている販売員の方に出会ったことがありますし、実際メーカーの販促資料などではそのようにFAQ記載されているのでしょうが、まあ鰯の頭も信心からと言いますから信じて利用する方にとってはまるで効果がないわけでもないのかも知れませんね。
こうした健康食品がよく売れると言う背景を考えてみると、日常的に不健康な生活を送っている人が「でも本当は体をいたわっているのだ」と一種の免罪符的に利用している側面もあるかと思うのですが、毎日大量飲酒で肝臓を痛めつけてきた人がうこん系サプリなどに手を出して重症の肝障害で入院になったと言った話を聞くと、健康であるということは体だけではなく心の問題でもあるのだろうなと言う気もしないでもありません。

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2015年12月20日 (日)

今日のぐり:「海陽亭 境港店」

ヒーローとはそれぞれの人の心の中にいるものだとも言いますが、先日報じられたこちらの人物は多くの方々から我が英雄として称讚されていると言います。

45歳警官、23歳暴走族とムエタイで対戦 2ラウンドKO勝ち(2015年12月8日ニュースクリップ)

【タイ】タイのテレビ報道によると、北部ピジット県の警察署に勤務する45歳の男性警官が、警官嫌いを公言する地元の若者(23)とムエタイ(タイ式ボクシング)で対戦し、鮮やかなKO勝ちを収めた。

 一躍中年の星となったのはウィタヤー警察兵曹。交通違反で逮捕されたことを根に持った地元暴走族のノパドンさんにケンカを売られ困っていたが、2日夜に地元で行われたムエタイの興行で特別試合を組んでもらい、スポーツの形で挑戦を受けた。

 試合は開始のゴング早々、キック、パンチ、膝蹴りが飛び交う激しい展開。第1ラウンドは互角だったが、第2ラウンド、ウィタヤー兵曹が一瞬のすきを突いて強烈なフックを顔面に浴びせると、ノパドンさんは立木のようにキャンバスに倒れ、そのまま病院送りとなった。

 ウィタヤー兵曹はムエタイのファンだが、試合は初めてだったという。タイのメディアは勇敢な警官が鉄拳で若者を教育したという論調で報じた。

その壮絶なKOの模様はこちらの動画を参照いただきたいと思いますが、見ている多くの方々からは当然ながら拍手喝采ですよね。
今日はウィタヤー兵曹の勝利を祝いあやかりたいと言う気持ちを表す意味で、世界中からあと一歩?でヒーローになりそこねているように見える方々のニュースを取り上げてみましょう。

会社員に土下座させ顔蹴り現金奪った疑い、容疑の少年ら逮捕(2015年12月14日TBSニュース)

 東京・新宿区の戸山公園で、ホームレス狩りを繰り返していたとみられる中学2年生の少年ら3人が警視庁に逮捕されました。

 逮捕されたのは、豊島区の中学2年生の少年(14)ら3人です。また、13歳の男子中学生も児童相談所に通告されました。

 4人は今年10月、新宿区の路上で酒に酔って「俺に勝ったら金をやる」と声をかけてきた会社員の男性(44)に対し土下座をさせて顔を蹴り、現金およそ6万円が入ったバッグを奪った疑いが持たれています。4人はこの事件の前に、新宿区の戸山公園でホームレスの男性に暴行を加えていたということです。

 戸山公園の近くでは今年7月以降、ホームレス狩りが11件相次いでいて、警視庁は少年らの犯行とみて余罪を調べています。

一体どのような状況でこのような事態になったのか判然としませんが、世代間対決という視点で比較してみると改めて希少な事例となるからこそ称讚されるのだなと感じるところではありますね。
こちらも同年代の男性による事件ですが、これまた気宇壮大と称讚すべきか微妙なところではあります。

「世界最高のクレーマー目指す」 建造物侵入でつくばの男逮捕(2015年12月16日産経新聞)

 通院していた歯科医院に侵入したとして、茨城県警つくば中央署は16日、建造物侵入の容疑で、同県つくば市の自称アルバイトの男(45)を現行犯逮捕した。

 同署によると、男が執拗(しつよう)にクレームの電話をかけたため、10月下旬に同医院が同署に相談。数日後、署員が男の自宅を訪れて警告した際、男は「俺は世界最高のクレーマーを目指している」などと話していたという。

 その後、男が医院に押しかけてクレームをつけるようになり、署員が今月15日に「今後も立ち入ると建造物侵入にあたる」と警告。男が翌日も来院したため逮捕した。

 逮捕容疑は今月16日午前10時50分ごろ、同市内の歯科医院に侵入したとしている。男は「正当に入っただけ」と容疑を否認している。

ま、何事であれ世界最高を目指すというその心構えだけは称讚しておきたいと思うところですけれどもね、一般論としては…
イヌ並みの嗅覚と言うのでしょうか、ともかく人より優れた感覚が称讚ならぬ全世界の当惑を呼んでいると言うのがこちらのニュースです。

下着のDNA鑑定で不貞行為証明「妻の下着かいだら“あのニオイ”が」。(2015年12月18日よもやま話)

さまざまなシーンで活躍しているDNA鑑定。親子鑑定や犯罪捜査などその役割は多岐に渡るが、中国ではこのたび、夫が妻の下着をDNA鑑定し、妻の浮気を証明するという出来事があった。

台湾メディアの報道によると、高雄市で暮らす蔡さんは前々からある男性の浮気を疑っていたとのこと。すると今年2月、蔡さんが洗濯をしていると、妻の下着から精液のような“ニオイ”が放たれていることに気づいたという。

しかしその前日、蔡さんと妻は“行為”をしていなかったことから、蔡さんは「浮気の動かぬ証拠だ!」と判断。妻らを相手取り、裁判を起こすことを決意した。

当初、妻と男性は浮気を完全否定していたが、蔡さんは保持していた妻の下着を証拠品として提出するとともに、DNA鑑定を要求。結果、実際に妻の下着からは蔡さんとは別の男性の精液反応が確認され、浮気が証明されたそうだ。

確かに一連の経緯をみれば100%妻の側に非があるとは言えそうなのですが、しかしその発端となった状況を想像するだけで何とも微妙な感じですよね。
最後に取り上げますのはこちらのニュースなんですが、これまた途中までは良かったんですけれどもね。

高速道上で求婚、返事はイエス 交通渋滞招き逮捕 米国(2015年12月17日CNN)

(CNN) 米テキサス州の検察当局は17日までに、ヒューストン市中心部にある州間道45号線の路上で恋人に求婚する突飛な行動を起こし、交通の渋滞を招いたとして24歳の男を逮捕、訴追したと発表した。

プロポーズされた23歳女性の返事は「イエス」だった。来年3月に挙式の予定。

45号線の路上を選んだのは、恋人がヒューストン市を眺望する最もお気に入りの場所だったのが理由だった。地元テレビ局KTRKによると、被告の求婚を助けるため車8台に分乗した友人や家族らが同州間道で他の車の走行を止めていた。

同州ハリス郡の検察当局によると、被告の男は高速道路を「封鎖」させたとして、軽罪の交通妨害の罪に問われた。最大で禁錮6カ月の判決が言い渡される可能性がある。

被告は写真共有サービス「インスタグラム」に道路上での求婚の様子をとらえた画像を掲載。「最も大きく、交通量が激しい高速道路の1つを封鎖し、恋人に結婚を申し込むのはお金では買えない求愛の行為」などとも書き込んだ。

また、「恋愛は人間に馬鹿げたこともさせる。恋人のために何か大きな事をしたかった。彼女が常に思い出すことが出来るような事を」とも記した。

動画の映像では、迷惑を被った車が鳴らすクラクションも聞かれた。ソーシャルメディア上では被告への訴追を歓迎する意見も載せられた。「少なくとも10件の法律違反がある」「危険な行動。求婚にははるかに創造的な方法がもっとあるはず」などと反発した。

最近全世界的にこの種の突飛なプロポーズ方法と言うものが流行っているのだそうですが、しかし次第にエスカレートしていくとこういうことにもなりますよね。
不幸中の幸いだったと言えるのは答えがイエスだったと言う点ですが、これで仮に失敗していたとしたらまさに踏んだり蹴ったりだったと言うしかないところです。

今日のぐり:「海陽亭 境港店」

境港と言えば遠洋漁業の基地としても知られていて、カニをはじめ海産物目当ての観光客も多いところですが、その海産物直売所構内に位置するのがこちらのお店です。
すぐお隣で賑やかに海産物を売っている場所で、こちら店内からも大きな生け簀が見える立地ですが、メニューを見ますと各種海鮮を使用した丼物がメインであるようです。

と言うわけで取り合えず一番基本になりそうな海鮮丼を頼んで見ましたが、しかし見た目にはなかなか豪華な海鮮丼で海の幸がこれでもかと並んで豪勢なものですよね。
普通であればこういうものは他で見かけない珍しい地の魚を食べたい料理なのですが、こちらの場合何しろ境港だけにカニやマグロも地の魚だと言われると納得するしかありません。
この種の料理として見れば特にこれと言う特徴もないのですが、ネタがいずれも新鮮なだけに味は十分満足出来るものですし、旅先で食べるご馳走感もほどよく備わっていますよね。
サイドメニューとしておすすめだと言う白いか刺身は何かイカの食感がぶりぶり来ますが、味の方も名物と言うだけあってなかなかいけました。
大海老フライは単品でも定食でも頼めるようで、さすがに海老は臭くないですが衣はもっとざっくりしたパン粉の方が好みなんですが、逆にこういう目の細かいパン粉は昨今珍しくなりましたよね。
しかしエビフライをどう曲げないように揚げるかはどんな料理書にも必ず書いてあることですが、こちらのように丁寧に一直線にされているとそれはそれでちょっと残念なような気にもなるのは自分だけでしょうか。

こういう立地で黙っていても観光客は来るのでしょうが、入って見れば意外と普通な食べ物屋で接遇も手慣れたものだなと感じていたのですが、経営しているのは海鮮系料理店各種を経営するグループなのだそうですね。
こちらの料理は見た目にもトッピング山盛りで豪華ですが、多くは丼物中心のメニューですし豪華で量も多いので、強いて言えば面白そうなサイドメニューを追加する余力がなくなりかねないのが惜しい気はしました。
また地味な利点として昼食時間帯以降のアイドリングタイムなしで営業されているようですので、ちょっと時間を外れて近隣のお店が準備中になってしまった時にも便利使いできそうですよね。

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2015年12月19日 (土)

お隣の国には司法の独立もないのかと笑えない事情

先日お隣韓国で大統領のゴシップを扱った新聞記事を巡る裁判の判決があったことが報じられたところで、この裁判自体もジャーナリズムとの絡みで世界的にも注目されているのですが、その判決を巡る一連の経緯が思わぬ注目を集めているようです。

<産経前支局長>「無罪は予想できなかった」会見で本音(2015年12月17日毎日新聞)

 【ソウル大貫智子】大方の予想を覆し、判決は無罪だった。外国メディアによる韓国国家元首に対する名誉毀損(きそん)罪の成否を問う産経新聞の前ソウル支局長をめぐる事件。ソウル中央地裁は17日、加藤達也前支局長(49)はコラムで書いた内容は虚偽と認識しており、韓国国民として同意しがたいと再三強調しつつ、公人に対する言論の自由を広く認めた。

 「無罪」。3時間にわたる判決文読み上げの最後に主文が言い渡されると、日韓両国のメディアで傍聴席が満席だった法廷は、驚きで一瞬時間が止まったように固まった
(略)
 判決前、日韓メディアや専門家の多くは、執行猶予付きの有罪判決や、刑の宣告自体を猶予し、2年間無犯罪ならば宣告もなくなる「宣告猶予」を予想していた。李裁判長は今年3月、前支局長が書いたコラムの内容は事実でなかったと認定。10月の被告人質問では前支局長の答弁にいらだちを見せる場面もあったからだ。

 判決言い渡しに先立ち、裁判長が韓国外務省から提出されたという「日韓関係改善の流れを鑑み、日本側の意向に配慮してほしい」という異例の要請文を読み上げた際も、新しい証拠が提出された場合は裁判冒頭で読み上げられるため、予想は変わらなかった。
(略)
 最初の質問で、無罪を予想したかと聞かれ、前支局長は「予想できなかった。無罪は最も可能性が小さいと弁護士からもいわれていた」と本音を語った。また、外務省の要請文について事前に知らされていたことも明らかにした。
(略)

「日韓50年を勘案」 韓国外務省当局者(2015年12月17日産経新聞)

 【ソウル=名村隆寛】ソウル中央地裁が産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に無罪判決を出したことについて、韓国外務省当局者は17日、「日本の政界や各界から韓日関係の障害になっているとの意見があった」と背景を指摘した。

 当局者は「韓日関係が少しずつ関係改善に向かうなか、18日が日韓国交基本条約(国交正常化)の批准から50年になることを勘案し、日本側の要請を真摯に受け止め、その立場を韓国法務省に伝えた」と述べ、無罪判決の背景に、日本側の要請や、韓国政府の日韓関係悪化への懸念があったことを示唆した。

もちろん様々な観点からも有罪になるより無罪でよかったと言う意見が大勢なのですが、ここで注目すべきなのは行政側の人間である外務省当局者が両国関係を勘案し法務省に口を出した、そして裁判所の方でも口を出された結果の判決であると言うことを公言していると言うことで、これでは韓国国内が報道の不自由に加えて三権不分立と言う非常に望ましくない状況にあることを自ら立証したようなものですよね。
判決を言い渡す前に読み上げられた長い長い判決文の内容を見る限りでは「これで無罪?」と思えるほど厳しい内容が並んでいたと言い、現地で聞いていた人たちもまさか無罪になるとは思わず驚いたと言いますから、わざわざ外務省からの異例の要請文を読み上げたと言う裁判長の心境いかばかりかと同条を禁じ得ないものがあります。
こうした話を聞けば韓国の司法はどうなっているんだと言いたくなるのももっともなんですが、もちろん世界中どこの国でも司法制度にはそれぞれの問題を抱えているもので、先日日本で出たこちらの判決もよく見て見るとおかしなところがありそうですよね。

女性裁判官は全員が「違憲」意見 夫婦同姓の合憲判決(2015年12月16日朝日新聞)

 「夫婦は同姓」「女性は離婚して6カ月間は再婚禁止」とする民法の規定は、憲法に違反しないか。明治時代から100年以上続く二つの規定について最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)が16日の判決で、初の憲法判断を示した。いずれも国への賠償請求は退けたが、夫婦同姓については「合憲」と判断。再婚禁止規定については100日を超える期間の部分を「違憲」とした。最高裁による違憲判断は戦後10例目。法務省は再婚禁止期間を100日とするよう全国の自治体に通知し、即日実施。民法改正の作業も進める。

 夫婦同姓を定めた民法750条の規定については、東京都内の事実婚の夫婦ら5人が2011年に提訴。国会が法改正を長年放置したため精神的苦痛を受けたとして、計600万円の損害賠償を求めていた。

 判決は、夫婦同姓の制度について「社会に定着しており、家族の姓を一つに定めることには合理性がある」と指摘。どちらの姓を選ぶかは当事者に委ねられており、性差別には当たらないと判断した。

 現実には妻が改姓することが多く、アイデンティティーの喪失感を抱くなどの不利益が特に近年増していることを認める一方、旧姓の通称使用が広まることで「一定程度は緩和できる」と指摘。夫婦同姓が、憲法の定める「個人の尊厳」や「男女の平等」に照らし、合理性を欠くとは認められないと結論づけた。

 ただ、この判決が「選択的夫婦別姓が合理性がない、と判断したのではない」とも述べ、「この種の制度のあり方は国会で論じ、判断するものだ」と国会での議論を求めた。

 結婚や家族の法制度を定めるにあたって、国会の裁量が及ぶ範囲にも言及。憲法で直接保障された権利とまでは言えない「人格的利益」や「実質的な平等」を実現していくあり方は、「その時々の社会的条件や国民生活の状況などとの関係から決めるべきで、伝統や社会状況を踏まえ、夫婦や親子関係を見据えた総合的な判断が必要だ」などと提言した。

 15人の裁判官のうち、10人の多数意見。5人が「違憲」とする反対意見を述べた。3人の女性裁判官は全員が「違憲」とした

「判決の瞬間、涙が溢れた。本当に悲しい」夫婦別姓禁止「合憲」受けて原告が怒り(2015年12月16日弁護士ドットコム)

夫婦で別々の姓を名乗ることを認めない民法の規定は、憲法が保障する「婚姻の自由」を侵害しているなどとして、5人の男女が国に損害賠償を求めていた裁判で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)が12月16日、夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲と判断したことを受け、原告団は参議院議員会館で会見を開いた。団長の塚本協子さんは、「判決を聞いた瞬間に涙が溢れた。本当に悲しく、辛いです。塚本協子で生きることも死ぬこともできなくなった」と悔しさをにじませた。
(略)
弁護団長の榊原富士子弁護士は「とてもとても残念。力が及ばなかった。落胆するだけでなく怒りも感じている」「最高裁の裁判官には、女性が3人しかいない。この構造こそが、性差別の問題を扱う裁判のときに、こうした結果に招いてしまうということを実感した」と判決を批判した。

一方で、今回の判決で、合憲と判断した裁判官が10人、違憲と判断したのが5人だったことについて、「今回の少数意見は、将来の多数意見になるはず」と希望を述べた。

判決自体は玉虫色と言うのでしょうか、両論併記的過ぎて何ともすっきりしない部分もある気がするのですが、社会的にはこの別姓問題に関して年々理解も進んでいるのだそうですから、いずれ様々な課題が解消されていくに従い順次認められていくようになるのではないかと言う予想をしています。
制度的な是非はおくとして、女性裁判官全員が違憲判断をしたと言うのは実体験に基づいて色々と思うところもあったのだろうなと感じる話ですし、原告側が「裁判官に女性が少なかったのが敗因」と述べたと言うのもまあそうなんだろうなと思うところなんですが、よくよく考えてみるとこれもおかしな話ではありますよね。
いやしくも最高裁の裁判と言うものは自分の実体験に照らし合わせてどうこうと言うものではなく、憲法の文言に従って妥当かどうかが厳密に判断されるべきものであって、裁判官の年齢や性別、各種思想信条と言った個人的事情によって裁判の行方が左右されると言うのはおかしな話だと思うのですが、しかし実際問題として裁判の行方に裁判官個人の考え方が濃厚に反映されていると言うのも実感するところです。
以前に医療訴訟が頻発していた頃には、期待通りの判決を出してくれる可能性が高い裁判官が当たるまで何度も訴えと取り下げを繰り返すと言うテクニックを実践している方々もいたそうですが、医療訴訟に限らず各方面で伝説的な迷?判決を連発した某裁判官の事績などを見ると、こうした偏りがあって日本の裁判制度も果たして大丈夫なのか?と疑問に感じざるを得ません。

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2015年12月18日 (金)

著名人の死の報道に関連して

最近では著名人が自ら病気などデリケートな情報を公開することが決して珍しくないですが、先日こんな悲しい告白が出ていたことを紹介してみましょう。

亡くなった松来未祐さんの病名公表「早期発見を」(2015年12月15日日刊スポーツ)

 10月27日に亡くなった声優松来未祐(まつき・みゆ、本名松木美愛子=まつき・みえこ)さん(享年38)が所属した声優事務所81プロデュースが15日、松来さんの死因が悪性リンパ腫だったとブログ「松来未祐日記」で公表した。松来さんは肺炎で入院後、「慢性活動性EBウイルス感染症」という病にかかっていたことが判明し、最終的な死因が悪性リンパ腫だったという。前日14日の四十九日法要を終えた上で、「同じ病気の1人でも多くの人が、早期発見により助かって欲しいので、病名を公表したい」という遺族の意向で、病名を公表したという。

 「7月14日の投稿にあるように、体調不良が続き検査を重ねていましたが、原因がわからないまま、6月30日に急性肺炎で緊急入院をすることとなりました。精密検査の結果、『慢性活動性EBウイルス感染症』という非常に症例が少なく、難病指定もされていない難しい病気であることが判明し、そこから松来未祐の闘病生活が始まりました。9月4日には奇跡的に一時退院が認められましたが、9月18日再入院。10月27日午後10時18分永眠いたしました。最終的な死因は『悪性リンパ腫』でした。私どもスタッフから見ても、辛い治療にもいつも前向きに立ち向かっていて、必ず完治して復帰できると信じておりました。本人も、いつか手記を出して同じ病気に苦しむ人の支えになりたいと考えていました。今回の公表を機に、より多くの方に『慢性活動性EBウイルス感染症』という病気を知っていただき、早期発見と治療法の進展に繋がることを願っております。改めて、松来未祐を支えてくださった全ての方々に、スタッフ一同、心より感謝申し上げます」(原文まま)
(略)

お若くしてお亡くなりになったご本人、それを看取ったご家族ともにさぞ無念であったでしょうが、この慢性活動性EBウイルス感染症と言う聞き慣れない病気、若い人に多い伝染性単核球症と同じEBウイルスが原因であることはその名前からも明らかなのですが、ただ一過性で治る伝染性単核球症と違って類似の症状が延々と続く、そして白血病や悪性リンパ腫など各種疾患が合併してくると言う大変に厄介な病気です。
一般的にEBウイルスなどヘルペスウイルスの仲間は昔からよく効く抗ウイルス薬があると言うことでどちらかと言えば軽く見られがちですが、この病気に関しては名前に反して感染そのものが問題なのではなく感染によって変質した細胞の異常増殖が問題であると言うことで、残念ながら抗ウイルス薬などはあまり効果が無く悪性リンパ腫などと同様の抗癌剤治療が必要となるようです。
残念ながら松来さんもこうした悪い経過を辿ってしまったと言うことなのですが、いずれにせよ診断をつけなければ治療をはじめることも出来ないのは当然ですし、放置すれば確実に死に至る難病なのですから頑張って治療を受けるしかないだろうと考える人が多いのだと思うのですが、最近たびたび話題になっているのが同じく難病であったことを告白されているこちらの方のケースですよね。

鎧塚俊彦さん、川島なお美さんの“民間療法”めぐる議論にコメント「今でも結論はみいだせない」(2015年12月15日トレンドニュース)

今年9月24日に胆管がんで亡くなった女優・川島なお美さんが受けていたという民間療法について、夫のパティシエ・鎧塚俊彦さんが本音を明かした。]

川島さんは闘病生活の中で、抗がん剤などによる治療ではなく、「電磁波による邪気をとりのぞく」(2014年7月5日のブログより)といった民間療法を採用していたため、没後はネット上で「一般的な治療を受けたほうがよかったのではないか」といった声が上がり、議論が巻き起こっていた。

そういった意見に反応したのか、鎧塚さんは12月15日に「癌医療に関する様々なご意見ありがとうございます」とFacebookに投稿。「この度の女房の癌がかなり進行している状況において様々な医師を訪ね歩いた中で両極端な医師の見解について・・ とある大病院の医師による『どうみても負け戦です。後はどう敗戦処理を考えるかだけです。』という人情味の全くない冷たい見解の医師 ある民間医療の『必ず治りますから希望をもって諦めずに治癒をしましょう』と言って高額な治療を勧めてくる一見人間味溢れる医師」と明かした。

鎧塚さんは「藁をもすがる患者とその旦那にとってどちらが名医でどちらが薮医者だったのでしょうか?私には今となっても結論はみいだせません」とつづった。また「自分自身が選択し納得して進めた治療が正解であり、そこに心をもって寄り添ってくれた医師こそが名医なのでは?と思います」というファンのコメントに、鎧塚さんは「本当にその通りだと思います」と返している。

この川島さんに関しては以前にも紹介したところですが、これも一連の治療経過に関してはかなり詳細に公表されていて、久しく治療を拒否され転々とあちらこちらの医療機関を渡り歩き、最終的に怪しげな民間療法に関わっていたと言う経緯が各方面から賛否両論あったところなのですが、やはり本人としては納得できるかどうかと言うことに非常にこだわられていたようですね。
胆管癌という病気の性質上いわゆる標準治療によって望ましい結果が必ずしも得られると言うものではないでしょうし、その意味でこの場合に関して言えばご本人、ご家族がそれを希望されたと言うことであれば民間療法だろうが代替医療だろうが満足いくやり方でやったらいいじゃないかと言う考え方もあると思いますし、「あの人も最後は怪しげなものにはまったか」と必ずしも評判はよくないと言うのも理解出来るところです。
ただご本人のコメントを見ても現場で対応した先生方の苦労も察せられるところではあって、やはり「どうみても負け戦」であるにも関わらず自分なりの信念は一歩たりとも譲るつもりはないと言う著名人の治療に望んで関わりたい医療従事者はどれだけいるだろうかと言うことを考えると、結果的には当事者双方にとって良かったとは言えるのかも知れませんね。
寄り添うと言う言葉はしばしば医療や介護の領域で便利使いされるものではありますが、本来一方の当事者だけが寄り添おうと努力しても他方が明後日の方向に走っていくのではいつまでたっても寄り添えるはずはない道理で、名医と言うものは医師だけがそうあるべく努力しても名医たり得ないのではないかと感じさせるエピソードではあったかと思います。

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2015年12月17日 (木)

医師の偏在解消、その手段と意義

少し前の記事ですが、こんな話が出ていることをご存知でしょうか。

医師の偏在解消へ、医学部「地域枠」の拡大検討(2015年11月28日読売新聞)

 医師が都市部に偏り、地方や診療科によっては不足していることについて、厚生労働省は、改善策を議論する検討会を年内に設置する。

 大学の医学部を卒業した後に地元で働くことを条件とする「地域枠」の拡大をするかどうか検討する。一方で、全国的には医師は増加傾向にあるため、2018年度以降の大学医学部の定員についても、16年度中に方向性を打ち出す。

 医師の数は増え続けており、12年には30万3268人となっている。しかし、04年度に研修医が病院を自由に選べるようになった影響で、地方や診療科によっては医師不足が深刻化した。

 政府は、医師が将来は過剰になるとの推計をもとに医学部の定員を抑制する方針だったが、08年度から方針を転換。全国の医学部の入学定員は、07年度に比べ15年度は1509人増加している。

しかし大学医局が田舎病院に医師を強権的に派遣するシステムがケシカランと言って医局制度を有名無実化すべく改革を進めてきたのに、その結果医師派遣が受けられなくなっただの医師不足が深刻化しただのと言われてもハアそうですかなんですが、一部では医局制度復活をなんて声もあるそうですよね。
ともかくも医師偏在の対策とも言うべきこの医学部の地域枠が年々拡大傾向にあると言う話は以前から何度か取り上げて来たところなんですが、しかしこれ以上拡大するともなれば原則医学部は地域枠専門になってしまうのかどうかですし、仮に全定員地域枠になったとしても同一都道府県内での格差が拡大するだけと言う声もあります。
この辺りに関しては地域枠学生の僻地勤務を義務化しようだとか様々なアイデアもあるようですが、基本的に他人の人生を縛り付けるものなのですから機会があれば抜け道を探すのが人情と言うもので、特に違約金幾らと言った契約の場合「そのお金は出すから当院へ」と言った引き抜きもあるやに聞きますが、もう一つこんな興味深い記事があったので紹介してみましょう。

ドイツ「田舎医法」で医師偏在は解消したか(2015年12月7日日経メディカル)

ドイツは、人口1万人当たりの医師数が41人(OECD、2013)と、世界的に見ても医師密度が高い国の1つ。だが近年、そのドイツでも、医師の地域偏在と僻地での医師不足が社会問題となり、2012年に「医療供給構造法」(通称:田舎医法)が施行されるなど、政府による対策が着々と進んでいる。種々の施策によりドイツの医師偏在は解決に向かっているのか。その施策に日本の参考になる部分はあるのか。ドイツ在住の医療ジャーナリスト、吉田恵子氏がリポートする。

 古くから公的医療保険制度が発達していたドイツでは、早い時期から保険医療費の増大が問題になり国家レベルで対策が講じられてきた。その一環で、ベルリンの壁崩壊から間もない1990年代の初めから、医療費抑制の一手段として「保険医数の制限」が実施されてきた。医師数の過剰こそが、医療費増大を招く最大の原因だという考えからだ。
 当時、保険医数を制限するために作成された指針(需要計画策定指針)では、診療科ごとに「その地域で医師1人が何人の住民の診療に当たるべきか」が規定され、現在に至るまで少しずつ形を変えながら運用されている。例えば、中核都市の人口密集地域では、眼科医は1人当たり1万3399人の住民の診療に当たり、外科医は1人当たり2万6230人の住民の診療に当たる、といった具合だ(数字は2015年時点の目標値)。
 この目標値と当該地区の住民人口から「目標配置医師数」が算出され、実際の各科の保険医数が目標数の110%以上であれば供給過剰と見なして、その科ではこの地区の新規開業が制限されるという仕組みだ。この指針に従って保険医数がコントロールされれば、結果的に都市部や周辺地域での新規開業が減り、田舎の医師不足も抑えられるものと期待された。
 しかし実際には、近年特に田舎で不足している「家庭医」の適正配置は一向に実現されなかった。これは、需要計画における計画単位が広過ぎたことが一因だと分析されている。従来の需要計画では、ドイツ全土を372地区に分けて医師配置が計画された。ドイツと日本の国土面積はほぼ同じなので、この区分は日本でいうところの二次医療圏(約350)の広さに近い。
(略)
 こうした観点から、2012年の医療供給構造法(通称:田舎医法)で定められた「新需要計画ガイドライン」では、計画単位となる区分を大幅に変更。例えば、最も多くの配置医師数が求められる家庭医では、これまでの372地区から883地区に区域数を増やし、1区域の面積を減らした。ちなみに日本の市町村数は1700余りなので、ドイツ家庭医の新計画単位は、日本の市区町村2つ分に相当する。
(略)
 これらの施策によって、少なくとも家庭医に関しては、地域偏在がある程度解消されるのではないかとみる専門家が多い。ドイツ国内の有力シンクタンクであるベルテルスマン財団は、独自に算出した各地域の家庭医需要(需要指数)と新需要計画ガイドラインの目標配置医師数を比較し、「家庭医の配置については、実際のニーズをより反映したものになった」と評価している(図1)。
(略)
 だが、家庭医の配置については評価しているベルテルスマン財団も、「家庭医以外については、新需要計画ガイドラインでもほとんど改善されないだろう」という見解を示している。需要計画に、社会経済や疾病構造の地域差が考慮されていないからだという。改善される見込みの家庭医の供給でさえも、これらの指標が考慮されていないため、計画通りに進んだとしても190を超える地域では依然としてニーズに満たない状態が続く見込みだという。
 元連邦保健省保険局長で、現在は有力保険者の一つ企業疾病金庫(BKK)連邦連合会で理事を務めるフランツ・クニープス氏は、「医療供給構造法だけでは、医師の偏在は解決できない」と同法の効果に懐疑的な1人。「過剰地区で診療所を閉鎖して医師を減らすといっても、供給構造法では強制力が弱く、今のところ効果はほとんど出ていない」と説明する。結果的に、過剰地域の医師数は減っておらず、田舎への医師誘導も実現できていない、という分析だ。
(略)
 現在のルールでは、開業医が引退して診療所を承継するに当たり、地元の保険医協会(KV)と保険者からなる委員会が必要ないと判断すれば、診療所の引き渡しや売却を認可しない措置を取れる。しかし「委員会が承継を認めない場合には、KVが廃院に向けた補償金を払うルールなので、KVとしては、できれば診療所を閉めたくないし、保険者もそれを見て見ぬふりをしてきた。実際、心理療法士などでは、供給度が数百%の地区が幾つもあるのに、そのままになっている」(クニープス氏)。KBVのヨーン氏も、「需要計画で調整できるのは、実際には新規開業だけ。既存の診療所は動かせないので、本格的に偏在解消の効果が出るまでには、数十年掛かるだろう」とその限界を指摘する。
 こうした批判を受け、ドイツ政府は需要計画ガイドラインをさらに見直すべく、2015年夏に新たに「医療供給強化法」を発効させた。同法では、需要計画ガイドラインに、地域の疾病構造や人口動態的要素を反映させるとともに、計画地域の区分けについても再度見直していくことになっている。
 さらに新法では、開業許可について、供給度が140%を超える地区では承継を拒否することが義務付けられた。クニープス氏は「供給強化法の下で、今後はKVや保険者も『見て見ぬふり』ができなくなるのではないか」と期待している。

記事にあるようにドイツのやり方は日本で言う開業医規制と言うべきものですが、これに対して専門医に関しては規制が弱く地域性があまり考慮されていないどころか、場合によってはむしろ都市部の方が定数を多く設定されているのだそうで、当然ながら専門的医療と言うものは大勢の医師が集まって初めて行える部分が多々ありますから、こうした差別化は妥当なものと言えますよね。
開業医に関して地域内の数を見ながら開業規制をすべきだと言う意見は当然ながら日本にも以前からあるのですが、記事にもあるように現開業医を引き継いでの継承開業の扱いをどうするかと言う点が大きな問題で、逆に言えばこの問題の解消のためには単に新規開業を規制するだけではなく、既存開業医を潰すと言う権限が必要になってくるのかも知れません。
もちろんそんなことを言い出せば日医あたりが大騒ぎするのは確実なのですが、ともかくもドイツ人らしい緻密さでこれだけ細かく規制してはじめてある程度の実効性を保てるのだとすると、それこそ地域枠のような都道府県単位では不足であり市町村単位でなければならないと言うことにもなりかねませんが、その場合経営的採算性をどうするのかです。
都市部であれば圏域内に大勢の住民がいますからマイナー診療科でも経営が成り立つかも知れませんが、田舎で町内に一軒だけのマイナー科開業医でやっていけるのかどうかで、この場合家庭医として全ての診療科を1人で診るべきだと言われればごもっともなのですが、こうした規制が強化されればどの診療科を選択するかによっても将来設計が大きく変わってくる可能性もあるのでしょうかね。

ちなみに日本でも厚労省あたりは医師の基幹病院への集約化を進めたい意向を以前から打ち出しているようですが、同じ医師強制配置推進と言っても一部マスコミなどが主張してきた田舎に強制的に医師を送り込めと言う話とは真逆のものである点は注目すべきで、医療の実情から言えば皆保険制度の建前はどうあれ田舎に専門医を分散配置するなど馬鹿げているとしか言えない話ではあります。
その医師集約化における制度的根拠として活用が期待されるのが例の専門医制度改革と言うことになりますが、そもそも基幹病院で日常臨床に従事していなければ専門医資格が取得も更新も出来なくなると言う話が現実のものとなるなら、開業を目指す先生方は専門性をあきらめてジェネラルに生きるしか道はないと言うことになるのでしょうか。
もちろん日本では標榜診療科は何であれ自由ですから専門医資格の有無などどうでもいい、そんなことより学位の方がよほど箔がつくと言う先生も少なくないですが、地域住民からすれば開業医=専門医制度から落ちこぼれた二流の医者などと言うありがたくない色眼鏡で見られる可能性も無きにしも非ずで、現場での整合性を考えはじめると制度設計としても難しそうではありますよね。
いずれにしても医師偏在問題の解消にはかなり本腰を入れなければならなさそうだと言う話なんですが、医師の偏在が本当に悪いことなのかどうか、それこそ二次医療圏に一つずつでも医師を集めたER型施設を作っていつでも患者を受けてくれる方が開業医にとってもありがたいのではないかと言う議論もあって、国民目線での希望ばかり優先してやっていると医療の現場ではむしろ以前よりも悪くなったと言うことにもなりかねないでしょうね。

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2015年12月16日 (水)

常総市議が職員に無給労働を要求と毎日新聞が報じた件

昨今ブラック企業と言うものが非常に取り上げられる機会が多くなっていて、労働に対する正当な報酬を支払わない企業などには非常に厳しい目線が注がれるようになっていますが、そんな中で先日毎日新聞にこんな記事が出ていたと話題になっています。

市職員、9月分給与100万円超も 水害対応で、残業最高342時間 /茨城(2015年12月5日毎日新聞)

 常総市は4日、関東・東北豪雨への対応で残業し、9月分の給与が100万円を超えた職員が十数人いたことを明らかにした。水害が発生した9月10〜30日までの残業時間は最高で342時間だった。市議会で遠藤章江氏の一般質問に答え、傍聴席の市民から大きなため息が出た

 市側の答弁によると、勤務可能な全492人の同期間の平均残業時間は139時間だった。給与100万円以上は主に係長で、部長らには管理職特別勤務手当を平均で11万9000円支給。残業代と手当を合計すると1億3000万円に達するという。

 遠藤氏は「もらう権利はあるが、全国から来たボランティアが無償で働いている中、市職員が多額の給与をもらうことに市民から疑問の声が上がっている」と指摘。給与が高額にならないよう、災害時の特別給与体系の創設を求めた。岡田健二・市総務部長は「全国の自治体の例を調べ、国とも協議したい」と検討する考えを明からにした。【去石信一】

しかしボランティアがタダで働いているのだから市職員だけ高い給料をもらうのはおかしいと言われるとボランティアは奉仕活動だが職員のそれは業務だと言うしかないのですが、災害に限らず多くの局面でボランティア=タダで働いてくれる人と言う認識が世間で流布しているのは否定出来ないですよね。
それはともかく、大規模災害で長時間の残業を強いられた職員に対して高額な残業代を支払うとは何事か、市民感情に従いもっと給与を引き下げるべきだと主張しているようにしか見えない記事ですから、公務員に対する諸感情はひとまず置いて遠藤議員に対する批判が各方面から殺到したのも当然なのですが、実はこの記事に対して当の遠藤議員から「そんな質問はしていない」と言う反論が出ています。
実際の当日の動画や文字起こしした質問内容から果たしてどちらの言い分が正しいのかを検討してみるべきでしょうが、当初議員のブログにも抗議が殺到していたものの現在は毎日の記事は(控えめに言っても)実際の発言内容とかなり違うようだと言う声が優勢になってきているようで、極めて好意的に解釈するならこれは議員さんによくある言語明瞭意味不明瞭の罠に毎日がはまったと捉えておくべきなのでしょうか。
ただこの一連の発言に関してはどうやら毎日新聞しか報じていないらしいと言う点、そして毎日の記事自体は残業時間の多さも市議の発言内容も特に批判的に取り上げていない点に留意いただきたいと思うのですが、毎日新聞としては過労死ライン超えの残業を強いられた市職員の労働量は全く問題視しないが、それに対して正規の残業代が支払われたことには批判的なスタンスであると言うことなのでしょうね。

常総市の一件はともかく、先日「24時間、死ぬまで働け」のキャッチフレーズで有名になった某大手飲食チェーン店の従業員過労死事件が裁判になった結果、その過酷極まると言うしかない勤務実態が世間的にも大きく報じられていて、ここでもボランティアと言う名目で休日に研修参加が求められていたと言いますから、どうも奉仕活動の意味がもう少し(意図的に?)誤解されているような気配がありますよね。
問題となった大手チェーンは最近畑違いの介護に手を出して本業も傾くほどの大損害を被っていると言いますが、そのせいかどうか長年こだわりをもって使用してきたはずの屋号を今後は使わないと言い出しているようで、まあこれだけ大々的に世間に報じられてしまった以上は名前をかえて出直すしかないのも確かだろうとは思います。
世界的に見ると日本のブラック企業などたかが知れていると言う気もしてくるトンデモ企業は幾らでもあるそうですが、興味深いのはいずれも世界的にも名の知れた有名企業であると言うことで、黙っていても次から次へと奴隷労働者の補充には事欠かないからこその仕打ちだと考えると、何やらどこかの業界における昔ながらの労働事情にも通じるものが感じられます。
ちなみに毎日新聞と言えばかつて三重県尾鷲市で産科医が「破格な報酬」で雇われ市民が困惑していると言う記事をすっぱ抜いて、今に伝わる聖地尾鷲問題の発端を作り出したことでも知られていますけれども、労働者に労働の対価を支払うという事に対してよほどに思うところがあるのでしょうかね?

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2015年12月15日 (火)

フィンランドが社会福祉をベーシックインカムに一本化?

日本でも社会保障制度の改革が叫ばれてすでに久しく、特に年々増え続ける生活保護受給者対策と言うものが喫緊の課題とされていますけれども、先日北欧はフィンランドでこんな大胆な社会保障制度改革案が出たと話題になっています。

フィンランド、国民全員に800ユーロ(約11万円)のベーシックインカムを支給へ(2015年12月7日ビジネスニュースライン)

フィンランドが国民全員に非課税で1カ月800ユーロ(約11万円)のベーシックインカムを支給する方向で最終調整作業に入ったことが判った。

ベーシックインカム支給に要する総予算は522億ユーロ(約7兆円)にも及ぶこととなるが、ベーシックインカム支給と共に、政府による他の全ての社会福祉支給が停止となる予定ともなっており、政府は複雑化した社会福祉制度をベーシックインカムに一本化することにより、間接的な費用の支出を抑えることもできることとなる。

最近行われた世論調査ではフィンランド国民全体の約69%が導入に賛成の意見表明を行っており、現状のままで世論動向が推移した場合には、フィンランドは世界で初めて、ベーシックインカム制度を導入する国家となることとなる。

ベーシックインカムの導入の最終決定は2016年11月までに行われることとなる見通し。

西欧諸国の間では、オランダもベーシックインカム制度導入のための試験制度を来年から導入することを既に、決定している。

国民の7割が賛成、フィンランドがベーシックインカム検討の背景 海外は実現に厳しい見方(2015年12月10日ニューススフィア)

 貧富を問わず住民に一定の金額を毎月支給するという「ベーシックインカム」制度の実現の可能性を探るため、フィンランドが大規模なパイロットプロジェクトを実施すると発表した。世界のメディアが大きく報じたが、制度実現には大きなハードルがあると辛口の意見も出ている。

◆今すぐ導入ではない
 発表を受け、日本も含めた多くのメディアが「フィンランドが国民全員に800ユーロ(約11万円)を支給予定」などの見出しをつけ、あたかも同国がベーシックインカム制度を導入するかのように報じたが、ウェブ誌『Vox』によれば、ベーシックインカムのための提言の考察がされているだけで、「全員支給」にまでは全然たどり着いていないらしい。フィンランド社会保険庁事務所(KELA)のディレクター、Olli Kangas氏は、これから行われるのは国民の一部が参加するパイロットプログラムであり、メディアが報じた800ユーロという数字も、単なる一例だと述べている(Vox)。
 Kangas氏は複数のモデルをテストしたいとしており、ほとんどの社会保障給付を置き換えるフル・ベーシックインカム、既存の社会保障給付の多くを継続したままにする部分ベーシックインカム、所得が増えると給付が減るネガティブ・インカム・タックス、既存の給付を一つに統合し、社会貢献をした際に追加の給付をするようなその他のアプローチなどを考えているという。同氏はさらに、実験は国と地域の二つのレベルで行いたいとしている。特に地域全体にベーシックインカムを与えた場合、コミュニティ全体への影響が測れるため、収入が保証されたことで、地域にプラスの循環が生み出されるかどうかを見極めたいとしている。包括的という点で、フィンランドの実験はこれまでのものよりかなり先を行く試みだとVoxは評価している。

◆実はフィンランドの経済状態は悪かった
 フィンランドの構想の背景には、厳しい国内事情があるといくつかのメディアは指摘している。ワシントン・ポスト紙(WP)に執筆したジャーナリストのリック・ノアック氏は、経済協力開発機構(OECD)の調査に言及し、格差の増大で、経済成長の機会を最も逃している国の一つにフィンランドが数えられていると述べる。北欧の高福祉で豊かな国のイメージがあるが、近年はそれが揺らいでいるようだ。ウェブ誌『Mashable』によれば、同国の失業率は約10%で、3年に及ぶ不景気から這い出すのに必死だという。政府は不景気が終わっても成長の速度は遅いと予測しており、先の暗い見通しのために、約70%の国民がベーシックインカムに賛成しているとしている。
 ベーシックインカムの最大の問題点は財源だ。Mashableによれば、月800ユーロを成人だけに給付するとしても、年間470億ユーロ(約6.3兆円)が必要となるが、2016年のフィンランド政府の歳入は、ほぼ同額の491億ユーロ(約6.6兆円)と予測されている。ただでさえ緊縮財政と予算カットで財政的余裕はない同国にとっては、財源確保は増税に頼ることになる、と同誌は述べている。
 さらにフィンランドはEUの中でも最も高齢化が進んでおり、これが経済をさらに悪化させる要因となりうる。労働人口は縮小し、生産性は低下。所得税を払う人も減るため、歳入も減ると見られており(Mashable)、ベーシックインカム実現への道は険しそうだ。

◆今はやっぱり現実的じゃない?
 英テレグラフ紙のアシスタント・エディター、ジェレミー・ワーナー氏は、ベーシックインカムはこれまで非現実的理想主義のコンセプトと片付けられており、様々な欠点があると指摘。失業者がベーシックインカムを手にすれば働かない、という負の効果よりも、パートタイムで働いてより収入を増やすというポジティブな効果が期待されているのかもしれないが、結局のところコストは増税と政府の支出削減に跳ね返ると説明する。また、ベーシックインカムを導入すれば、800ユーロがよい収入だと考えるEU諸国民に磁石を提供することになるとし、フィンランドにはすぐさま下層階級が押し寄せ、制度を支えられなくなるだろうとも述べている。同氏はロボットが人間の仕事を行い人が働く必要がない時代になれば、ベーシックインカムの出番ではないかと述べ、当面実現の可能性は薄いと見ているようだ。
 Voxによれば、フィンランドでの実験は、2017年に開始され、2年間続くとのこと。実験に対する評価は、2019年から徐々に明らかになる予定だという。

このニュースが世界中で大きく話題になった結果、記事にもあるようにフィンランド政府筋は「まだ何も決まっていない」と火消しに大わらわなのだそうですが、それにしても小さな国だからこそ行える大胆な政策と受け取るべきなのか、同じく小国であるオランダなどでも同様の話が出ていると言うのは興味深いですよね。
こうした背景にはもちろん日本の生保制度と同様各種の問題があったことは想像に難くないのですが、実際問題として考えると様々な条件付けに基づく社会福祉制度が複雑に絡み合った煩雑なシステムよりは、全国民一律に一定額を支給するシンプルな制度の方が事務手続きなどのコストはずいぶん削減出来そうですから、理屈の上では無駄も減らせると言うことはありそうには思います。
日本でも一時議論されたベーシックインカムと言うもの、現地では国民の側も大多数がこうした制度の導入に賛成だと言いますから必ずしも実現可能性がないわけではなさそうですが、実際に行うとなれば日本における生保問題などと同様それに安住して働かなくなる人間が増えるのではないかだとか、今現在進行形で話題になっている難民などが一気に押し寄せてくるのではないかと言った、様々な課題も出てくる気はします。
金額的には日本の生保制度と比べて低い印象で、この程度で生活していけるのか?と言うことは現地の状況を見ないと何とも言えませんが、財源的なことは差し置いても完全にそれだけで全てがまかなえてしまうのではかえって問題で、勤労意欲を維持出来る程度には抑制的な給付であるべきだと言う考え方もあるはずですが、心身の事情から働けない人に対して他の救済策を全廃していいものかと言った議論は当然あるはずですよね。

実際に制度がどうなるかはまだ結論が出ていませんし、地域を限定して試験的に行ってみて考えると言うあたりが当面の落としどころになりそうなのですが、興味深い話としてこの話と前後してフィンランド政府から新たな難民対策が発表されていて、報酬を与えずに労働をさせたり難民認定しなかった人らの送還手続きも早めるなど、一連の難民管理強化策が打ち出されてきたと言う点です。
もちろん今現在ヨーロッパ全域で難民対策が喫緊の課題になっていることを思えば全く不思議ではない話なのですが、深読みすればベーシックインカム云々を聞いて一気に難民が押し寄せてくると言うことに対して無報酬労働など冷水を浴びせる効果を期待してのことなのか?とも思えるところで、この辺りは社会保障全般を総合的に考えて慎重な改革を進めていると見ることも出来そうですよね。
日本のような大きな社会でいきなりこうしたことを行うとなれば大変ですし、今まで年金などを納めてきた人からは納付額に見合った給付が受けられなくなる等の不満も出そうなんですが、例えば消費税増税と合わせて低所得者に給付金を云々すると言うくらいであれば、いっそ生保制度と統合して部分的にでもベーシックインカム的なものに移行していくと言う考えは出てきてもおかしくないように感じます。
一部自治体なり特区なりでこうした制度を先行的、試験的に導入してその効果を見ると言うことが出来れば理想的なのですが、今のところ難民問題でさほど悩んでいない島国日本の場合は純粋に国内問題として対処可能な話であるとも言え、本来なら陸続きで人の移動も多い欧州などよりはよほどやりやすい環境ではあるのかも知れませんけれどもね。

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2015年12月14日 (月)

キラキラネームの意外な効能?が話題に

不要不急の救急医療受診が社会問題化して久しいのですが、先日思いがけないところから出てきた調査結果が話題を呼んでいます。

キラキラネームの子どもはER受診が多い説、著者に直撃(2015年12月8日週刊女性PRIME)

 11月初旬、お堅い医学専門誌で発表された5ページほどの論文が、ツイッターやネット上で大きな反響を巻き起こした。
 医療関係者や主婦、子どもが生まれたばかりの新米パパまで反応したのは、『小児科臨床』(11月号・日本小児医事出版社刊)に掲載された『キラキラネームとER受診時間の関係』という論文。
 著者の松浦祐史さん(30)が日本赤十字社和歌山医療センターで初期研修医を務めていたころに実施した調査をまとめたものだ。

「ER(エマージェンシー・ルーム)」とは救命救急室の略語で、どんな救急患者も受け入れて初期診療にあたる医療機関を指す。松浦さんは論文の概要について、次のように話す。
「2013年12月1日から7日までの1週間、日本赤十字社和歌山医療センターのERを訪れた15歳以下の患者104人について、キラキラネームと定義した患者(※以下キラキラネーム児と表記する)と、そうでない患者について、診察に訪れた時間帯を比較しました。
 調査した1週間で、キラキラネーム児は全16人中6人(37.5%)が深夜帯(午後9時~翌日午前9時)に受診し、非キラキラネーム児の深夜帯受診は全88人中11人(12.5%)であり、非キラキラネーム児と比べてキラキラネーム児が深夜帯にERを受診する割合は統計学的に有意に高い(偶然でなく意味があって高い)という結果でした。
 キラキラネーム児の親は、病院という公共機関への配慮を欠いているために、深夜の救急受診をしている可能性があるということを示唆しています」

 ちなみに、調査期間中にERを訪れた全104人のうち、深夜帯に受診した17人の占める割合は16.3%。つまり、キラキラネーム児の深夜帯受診率は平均値と比べても20ポイント以上高い。サンプル数は少ないものの興味深いデータだ。
(略)

キラキラネームの子を持つ親はDQN? 小児科臨床論文より 医学論文の有意差は…(2015年10月28日BLOGOS)

ツイッターで話題になっている論文です。

30歳前後の救命救急(ER)スタッフ27人にアンケートを取り、漢字が読めない(一致しない)+この名前はキラキラネームと思うという人間の割合が50%以上の時キラキラネームと定義。(104人の名前の読み方を想像するという結構大変なアンケート!)

ある期間(12月の1週間)日本赤十字和歌山医療センター救命救急センター(ER)を受診した15歳以下の患者104人中、16人のキラキラネーム患者とそれ以外を定義に基づき決定。そこで、キラキラネームでない患者の受診時間、救急車利用度、重症度を比較することで、親の公共空間(救急外来)に対する配慮を比較したという論文になります。

結果は救急車利用、重症度に差はないものの、キラキラネームの患者は深夜に来る割合が非キラキラネーム患者の3倍高く、有意差を持ったというものです。

親たちの公共空間に対する配慮の欠如の可能性とまとめています。
(略)

ちなみに当事者の先生が今回話題になったことに関してインタビューを受けているのですが、研修医時代に当直をしていてキラキラネームの夜間救急受診者が多いと言う印象はなかったのだそうで、結論部分に関しても論文としてまとめるに当たって付けざるを得なかった「為にする議論」の側面が強いと言うことですが、そうは言っても興味深い問題提起ではありますよね。
いわゆるキラキラネームなるものに関しては以前にも何度か取り上げた事がありますが、子供に珍しい名前をつけるのは別に日本だけの現象でもないようで、海外での多くは意味的に名前にふさわしくないものと言う批判なのに対して、漢字文化圏である日本では難読であること自体に一定の実害がある事は否めないので、少なくとも子供の将来に対する配慮を欠いているのではないかと言う視点での批判は以前からあるようです。
ただ難読であるとか見慣れないと言うだけでキラキラ扱いしてしまうのもどうなのかで、地方に行きますと先祖代々の由緒ある命名基準に従った難読名がいまだに続いている家系も時折あるようですし、某やんごとなき家系の皆様方などもまあ一般的基準で言えば難読なお名前の方が多いように感じますから、しばしば話題になる難読名すなわちキラキラとは必ずしも言えないのではないかとも感じますね。
本来的な意味でのキラキラネームも音だけを取り上げるとむしろ外国人などには覚えやすいのは今の時代に合った名前ではないかと言う意見もありますし、これまた増加中だと言う歴史上の人物にあやかった名前なども字面は古風でも命名動機としてはむしろキラキラに近いものがありそうですから、何をもってキラキラネームと言うべきなのかと言う定義づけは難しいものがありそうです。

とは言え、やはり仏恥義理夜露死苦的なキラキラネームも存在するのは事実ですし、そうした命名をしてしまう親に対する素朴な偏見もないではないのですが、救急受診に関して肯定的に捉えるなら放置親などよりよほど子供に対する愛情が豊富だと言う言い方も出来るのかも知れませんし、これだけ社会問題化していることに関して常識的対応が出来ないと批判することも出来そうです。
このキラキラネームが誕生する背景に関しても内外に諸説があって、海外においても必ずしも好意的な解釈が行われているわけではありませんが、日本でも「悪魔ちゃん」命名騒動が訴訟沙汰になったように諸外国でも一定の割合で役所から届け出を拒否されると言うケースが発生していて、公的にこうした対応をするのであれば何らかの基準なりは示すべきだろうと言う意見もあるようですね。
いずれにしても社会的背景に対する考察を行った結果、それに対してどのような対策が講じられるのかと言うことが次の段階と言うことになりそうなんですが、今回の場合キラキラネームの是非とは別の次元で救急医療の崩壊危機と言う現実がまず存在しているわけです。
その改善策の一助となるなら何でも利用すべきと言う実際的考えに立つなら、今まで漠然と対象を限定しないで行われてきた広報よりは、特定対象層に特化してのアピールの方がより有効性が高そうだとすれば、今後は具体的にどのような方法論が最適なのかと言う検討も行っていくべきなのかも知れませんね。

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2015年12月13日 (日)

今日のぐり:「焼肉酒家 肉匠 岩本」

先日とある非公開のイベントで、こんなことがあったと大いに話題になっているのをご存知でしょうか。

悠仁さま、ほぼ実物大の信号模型を出品 皇居内で美術展(2015年12月11日朝日新聞)

 皇居内で12日まで開催中の「宮内庁職員組合文化祭美術展」(一般には非公開)で、天皇、皇后両陛下の直筆の歌や皇族方の作品が特別出品されている。

 秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さま(9)の作品は「車両用電球信号灯の模型」。発泡スチロールの板や電球を使った、ほぼ実物大の模型で、スイッチを押すと実際に信号が点灯する。

 宮内庁によると、悠仁さまは幼稚園の時に信号機が電球からLEDに変わると聞いて興味を持ったという。今春から作り始め、本物に似せようと実際の信号機を見たり、関連資料を読んだりした。「赤坂表町」の標識は、お住まいの秋篠宮邸の場所に旧秩父宮邸があった当時、「赤坂表町」に面していたからだという。
(略)

この信号機の何がどうすごいのかと言うことは調べれば調べるほど判ると言うことなのですが、しかしさすがに学者の家系だと恐れ入るべきなのか、その努力の方向性は小学生としていささかどうよと感じてしまいますが。
本日は悠仁様の通好みの健やかなるご成長ぶりに敬意を表して、世界中から確かにそれはすごいけれども…と言うしかない偉業を示すニュースを紹介してみましょう。

<トイレットペーパー>先端三角に自動折り 長野の会社発売(2015年12月11日毎日新聞)

 長野県岡谷市長地の技術開発支援会社「世界最速試作センター」は昨年、トイレットペーパーの先端部を自動で三角に折り畳む機能が付いた電動式ペーパーホルダーを発売した。販売実績はまだ約500個だが、アイデアと技術力に注目が集まり、ニュース番組などでも紹介された。関係者は、2020年の東京五輪で外国人観光客の増加を見据え、「新たな日本のおもてなしに」とアピールしている。

 折り口の形が富士山を思わせることから、ホルダーを「おりふじ」と名付けて商標登録。「世界初 トイレに日本のおもてなし」がうたい文句だ。セールスポイントは、次の人が気持ち良く使える▽自動カット▽直接手を触れないので衛生的▽片手で使える--など。使用者からは「人に紹介したくなる」と好評を得ている。

 同社は2004年、製造業経験者の技術を部品加工や試作品作りに生かすため、地元企業や金融機関などが出資して設立。従業員は社長を含め6人で、いずれも製造業の定年退職者が中心だ。

 御子柴仁史社長(67)によると、開発のきっかけは、売り上げ増に向け自社ブランド商品の開発を目指していた約4年前、従業員が提案したこと。同社コーディネーターの荒井健一郎さん(64)が、大手情報機器メーカーでプリンター設計に携わった経験を生かし、デザインやプラスチック成形など、地元の十数社の技術を集めて昨年10月に製品化。今年1月から、岡谷市のプレス会社「ソーデナガノ」で量産を始めた。

 三角の折り口を持って必要量だけ引き出し、上方に軽く持ち上げると自動カットされ、先端部が三角に折られて顔を出す。三重までのペーパーに対応する。これまでの販売先はホテルや飲食店、介護施設、個人宅など。当面、月300台販売を目標とする。御子柴社長は「東南アジア輸出の話もある。東京五輪の選手村や首都圏の宿泊施設などで導入してもらい、外国人観光客らをあっと言わせたい」。
(略)

いやまあ、確かにこのトイレットペーパー折り紙と言うものは日本独自に発達した特殊な芸術?なのだそうですけれども、ねえ…
癌の早期発見と言えば世界中で待ち望まれている新技術であるのは確かですが、それが意外な方法で達成されるかも知れないと言うニュースです。

ハトを使って乳がん発見、米研究チームが実験(2015年11月20日CNN)

(CNN) ハトを使って乳がんの画像診断をすることが可能であることを、カリフォルニア大学デービス校のリチャード・レベンソン教授(病理学・臨床検査学)らの研究チームが明らかにした。

鳥は紫外線など、人間よりも幅広い波長の光を「見る」ことができる。
また、これまでもハトを訓練すれば視覚的な手がかりから画像を分類できることは分かっていた。アルファベットの文字を識別したり、着ているものが違っても人を見分けることもできる。
そうしたハトの視覚能力を知ったレベンソン教授は、この能力を何かに役立てることはできないかと「知的な遊び心」から考えたという。
そこでアイオワ大学のエド・ワッサーマン教授(実験心理学)と組み、乳がん検査の画像をハトに見せる実験に取り組んだのだ。

実験では8羽のハトを使い、目の前の画面に乳房の細胞の拡大写真と、青と黄色の四角を同時に映し出した。そして写真にがん細胞が映っていれば青の、そうでなければ黄色の四角をつつくよう、えさを使って教え込んだ。
15日間の訓練の結果、ハトは初めて見る画像であってもがん細胞の有無を85%の確率で見分けることができるようになったという。
ただし、がんの可能性がある乳腺密度の高い画像などはうまく識別できなかった。米放射線医学会乳房画像委員会のデブラ・モンティチオーロ博士によれば、乳房は脂肪や乳腺密度のパターンが人によって異なるため、人間でもそうした画像からがんを見つけ出すことができるようになるには「長年の経験が必要になる」という。
論文は、インターネット科学誌「プロスワン」で発表された。

要するに画像認識能力を活用した方法だと言えますが、しかし記事の画像を見るだけでも何と申しますか、こいつらに命を預けると言うのもどうなのでしょうかね?
天才と言うのはいるものですが、その方向性としてこれはどうなんだ?とも感じるのがこちらのニュースです。

1歳で原子番号覚え、5歳で7カ国語を操った天才少年! テレパシー能力も備えている可能性!(2015年12月8日トカナ)

(略)
 アメリカのロサンゼルスに住むラムセス・サンギーノ君(5歳)は並みの少年ではない。彼の母親がネット上に投稿した動画の中で、ラムセス君が見ていないところで母親の書き出した数字を暗唱したり、英語辞書に載っている中で一番長い45文字の英単語の綴りを前と後ろの両方から書いたりと5歳児では考えもしないであろうことをいとも簡単にやってのけるのだ。
 ラムセス君は自閉症と診断されているが、その中でも知能に遅れを伴わない高機能自閉症児であるという。そしてその映像が科学者たちの目にとまったのである。
 母親のニークス・サンギーノさんは「息子は赤ちゃんのときから本を読むのが好きな子でした。生後12カ月から本を読み始め、英語やスペイン語、ギリシャ語と日本語が話せました。1歳半になると掛け算表を英語とスペイン語で暗記し、元素の周期表と原始核の中にある陽子の個数を表す原子番号も言えるようになりました」と語る。
 ニークスさんは息子が他の天才児と呼ばれる子供たちとは全く違うと確信しているが、その理由の1つとしてニークスさんが教えた知識以上のものをラムセス君が持っていることを挙げている。
 ニークスさんは「息子にいくつかの言語を教えたのは私ですが、それ以外のヒンディー語、アラビア語、ヘブライ語を3歳で覚えたことに関してはどうしてなのかわからないのです。しょっちゅうつけっぱなしになっているパソコンが原因かもしれません」と語る。

■科学者たちをも虜にするたぐいまれなその能力の謎とは?

 ラムセス君の並外れた知能は、神経科学者として名高く、また、自閉症とテレパシー能力の関係を研究するダイアン・パウエル博士を含む多くの研究者たちを魅了した。前ハーバード大学医学部会員であり、オレゴン州メドフォードの開業医としても活動しているパウエル博士は現在、テレパシーの調査の一環としてラムセス君の能力について研究。以下のような結果が出ている。

・数字を見ないで言い当てる

 博士は母のニークスさんが思いついた数字と乱数発生器から数字を選び、書き出した物を用いてラムセス君にテストをした。すると彼は見事に博士の選んだ数字を言い当てた。また別のテストではラムセス君の視界から隠された二桁を含む17個の数字のうち16個を言い当てたのだ。
 テレパシーが本物であるという科学的な証拠は現時点ではないが、パウエル博士はこの仕組みを正しく理解し用いることができれば、テレパシーが自閉症児と両親の間で意思の疎通を図る1つの方法になると信じている。
(略)
 パウエル博士はこの調査の結果が、才能に恵まれた高機能自閉症児たちのための学校を開校する支援集めに役立つことを願っている。そしてニークスさんはいつかラムセス君の恵まれた能力が世界を変えることにつながると信じているのだ。
 テレパシーを用いて今まで意思の疎通が図れなかった人々と対話ができるようになることは素晴らしいことだ。しかし、実現するまでには多くの調査や研究が必要だろう。5歳という若さで複数の言語と多くの数字を操るラムセス君には大人のしがらみなどに縛られず、そのたぐいまれな能力と共に伸び伸びと生きてほしいものである。

いやまあ、確かに色々な意味で大変な5歳児であることは記事を拝見する限りでも判るのですが、周囲の大人達の方がどこか心配になってくる話でもありますでしょうか。
こちらお隣韓国からの話題ですが、韓国人と言えば辛いものに慣れた人も多いと言う前提に立った上で読むと格別の味わいがあるニュースでしょうか。

カプサイシン入り激辛ラポッキ早食い大会、ソウル大生救急搬送(2015年11月20日朝鮮日報)

     ソウル大学の教養課程の授業で「ラポッキ(トッポッキ〈餅の甘辛炒め〉にラーメンを加えた料理)早食いゲーム」を行ったところ、一人の学生が救急車で病院に搬送され、ほかにも多くの学生が腹痛を訴えるという騒動が発生した。学生たちは当時、ラポッキをより辛くするため、食用カプサイシン(唐辛子の辛味成分)を混入させていた。

     ソウル冠岳消防署とソウル大によると、19日午前、「レクレーション」の授業で、学生たちがグループごとに準備してきたゲームを発表した。その一つとして「ラポッキ早食いゲーム」が行われた。グループごとに辛い食べ物が好きな4人が挑み、どのグループが激辛のラポッキを早く食べられるかを競うというものだった。

     ところが、ラポッキを食べていた一人の学生がゲームの最中に倒れ、ほかの学生たちも腹痛を訴え始めた。冠岳消防署はこの日午前10時53分ごろ、通報を受け現場に救急車を出動させた。冠岳消防署の関係者は「一人の男子学生が激しい腹痛を訴え、テコンドー道場の床にうずくまった状態で寝かされていた。この学生は自力で歩こうとしたが、かなりつらそうだったため、負ぶって救急車まで連れていった」と話した。現場では「大丈夫だ」と言っていたほかの学生たちも、外に向かって歩く途中に目まいがすると訴え、大学の保健センターの救急車に乗せられた。

     この日、ソウル大の学生たちのコミュニティーサイトには、騒動に関するさまざまな証言が寄せられた。ある学生は「自分もラポッキを食べた。最初の一口が苦いと思ったら、数秒後に痛みが襲ってきた」と話した。「ラポッキを食べた学生たちが相次いでトイレに駆け込み、嘔吐(おうと)する学生もいた」という目撃談も寄せられた。「テレビのバラエティー番組で視聴者たちを笑わせるため、度を越した方法で行うゲームを、何のためらいもなくまねした」と批判する声もあった。

     授業を担当した講師は本紙の電話取材に対し「毎回、ゲームの内容をまず書面で提出させるが、今回はカプサイシンが混入されるという内容を事前に把握できなかった。カプサイシンがどれだけ辛いのか、事前に確認をしなかった私のミスだ。学生たちの一日も早い回復を願い、必要ならば医療費を全部負担するつもりだ」と語った。大学側は「ゲームを企画した学生たちは後悔し、申し訳なく思っている」と話した。

日本で言えば東大にも当たる最高学府で一体何をやっているんだと言うものですが、しかし韓国人がこれでは日本人なら確実に天国の門が垣間見えていたことでしょうか。
最後に取り上げるのはごくごく真面目な医学研究のニュースなのですが、何故か一部方面では異様な興奮を呼んでいるのだそうです。

女性妊娠させる触手系の寄生虫が発見 不妊治療への特効薬などが期待、一方オタクは狂喜(2015年11月24日もぐもぐニュース)

漫画やゲームの中でもマニアックな嗜好として存在する「触手系」。女性が触手とたわむれる姿に喜ぶ男性ファンたちがいるわけだが、そんな彼らを狂喜乱舞させる科学的な発見がなされた。女性を妊娠させる、触手系の寄生虫が発見されたのである。

■この虫に入られると妊娠しちゃうっ〜

ジャーナルサイエンス誌に掲載された、英国シェフィールド大学研究によれば、これはいわゆる消化器官などに住み着く回虫(Ascaris lumbricoides)と呼ばれるものの一種。
ボリビアでは986人の女性を対象に調査を行ったところ、約70%の女性たちがこの回虫を持っていたのだが、この虫は人間の免疫システムに働きかけ、妊娠を誘発しやすい身体に変えてしまうのだ。

■女性を多産にする働きが

その結果、ボリビアの一部地域の女性たちは多産傾向にあり、平均で9人以上の子供を持っている。経済的文化的な側面によるものだけではなく、回虫によって変化させられた肉体がベースにあると考えられている。

■不妊治療への特効薬が期待

この研究は決してネガティブなものではなく、この寄生虫の研究から、不妊治療薬が作り出せるのではないかと有望視されているのだ。
なので、海外の触手ファンたちが「リアルな触手キター」みたいに喜んでいるのはほんの余興。この回虫の研究は、不妊治療から人工のコントロールまで、大きな人類の未来への影響をもつ可能性を秘めている。

一体このニュースの何がどう彼らを興奮されるのかは判りませんけれども、ともかくもこんな奇妙な働きを持つ連中もいると言うのは侮れませんね。
昆虫を操ってしまう寄生虫の話などは最近知られるようになりましたが、案外我々の体内にも何か別種のものが生きていて日常に影響しているのかも知れません。

今日のぐり:「焼肉酒家 肉匠 岩本」

福山市北部、最近急速に発達してきている郊外の一画に位置するのがこちらのお店ですが、最近出来たお店らしく小綺麗で焼き肉屋と言うイメージではありませんよね。
店内に入ってもおしゃれな雰囲気があって女性客なども大勢いらっしゃるようですが、曜日によっては予約無しでは入れない人気店であるようです。

この日はお店のコースで色々と出していただいたのですが、前菜などを見ても感じたのがかなり盛りつけに気を配っていらっしゃると言うことです。
特に大皿に無様に盛り合わせるだけの店が多い中でこちらのホルモンの盛り方など「その手があったか!」と目からうろこですが、肉自体もなかなかいいものですよね。
メインとなるのは見事なサシが入った牛肉で、何でも自家牧場で飼っている牛を出しているのだそうですが、この価格帯でこの肉質はなかなかお値打ち感が高いです。
一方で鶏や豚、海鮮などやたらと色々なものが次々と出てきて量的にちょっと多すぎるほどなのですが、まあこの牛肉だけでは確かに儲けにはならないでしょうから仕方ないのでしょうか。
味に関してはやや玉石混淆と言う印象もあるのですがコストパフォーマンスはかなりのものですし、見た目のインパクトも相当ですから話のネタにも一度来てみる価値はあるお店だと感じましたね。

接遇面では標準的ながらさすがにレスポンスが遅れがちになっている部分も目につくのですが、まあこれだけ盛りつけに手間暇かけているのですから仕方のない部分もあるかも知れませんね。
お客もかなり大勢入っている割にトイレのキャパシティーがやや少ない印象なのですが、設備自体は非常に整っていて綺麗なものでした。

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2015年12月12日 (土)

今度は若者の性道徳離れ?

このところいわゆるリベンジポルノ問題が全世界的な広がりを見せていて、これもネット上で簡単に画像を共有出来る、そして一度拡散した情報は何であれ消えないと言う今の時代の特性が表れた話だと思うのですが、多くの無関係な第三者の方々にとっては「そもそも何故そんな写真を撮らせる?」と言う疑問はあって当然だと思います。
自分の家族には決してそんな写真を撮らせないよう言って聞かせていますと言う人も中にはいるかも知れませんが、当事者にとってこの種の行為がどれほど敷居が低いかと言うことを示すこんな記事が出ていたことを紹介してみましょう。

リベンジポルノにつきまとう「なぜそんな写真を撮らせたのか」問題を考える!(2015年12月6日リテラ)

 10月には、元交際相手の裸画像をツイッターに投稿したとして札幌市の男が逮捕されるなど、2014年11月に「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(リベンジポルノ防止法)」が施行されて以来、逮捕者が発生する事例が後を絶たない。これだけ頻繁に報道されているのにも関わらず、リベンジポルノは未だに社会問題であり続けているのが現状だ。
 こうしたリベンジポルノ問題について語られる時、「なぜ、そんな写真を撮らせたんだ!」と、まるで被害者を責めるような言葉がよく語られる。しかし、そのような突き放した考え方ではこの問題は解決できない。若者たちの文化や考えに対する理解なくしては問題解決への道筋は見つからないと、メディアジャーナリストの渡辺真由子氏は著書『リベンジポルノ 性を拡散される若者たち』(弘文堂)で主張している。

 若者たちはなぜ性的な画像を残すのか? そのことについて考えるにあたり、まず日常すべてを写真に残すことが当たり前となっている若者たちの感覚を理解する必要がある。渡辺氏の取材を受けた、家庭や学校に居場所を失った少女たちの自立支援を行う一般社団法人「Colabo」代表・仁藤夢乃氏はこう語る。
〈恋愛関係で裸の画像を撮ることは、普通に身近にありますよ〉
〈私の出会う中高生の中では、当たり前のようにやっている子が多いです。スマホがあるから何でも写真に撮るんですよ〉
写真を撮ることが、日常になっているんだと思います。コミュニケーションの一環、みたいな。食べたご飯を撮影してSNSに投稿するのと同じような感覚でしょうね〉
 かつてのように、店に現像に出さなくてはいけないフィルムカメラの時代であればそんなプライベートな空間(特に性的な営み)を写真に残すわけにはいかなかったが、当然ながら現代の若者はそんな時代は知らないし、フィルムカメラを知っている世代は無意識に行う「自制」も彼ら彼女らにはない
 だから、年長者がリベンジポルノ問題を考える時に抱きがちな「こんな危険な撮影に応じるなんて……。彼氏に強要された『性虐待』に違いない」という感覚もまったく的外れなものだと言う。
(略)
 これには、「自己肯定感」を求める彼女たちの心理、「自己承認欲求」も働いている。
〈彼から裸の画像をねだられた少女が感じる嬉しさ。それは、自分の身体が肯定される感覚なのだろう。身体に自信がなかった少女ほど、その喜びは大きくなると思われる。
彼氏との関係の中だったら、撮影されることは『求められている私』と感じているのではないか」、と仁藤さん〉
 こういった感覚である以上、被害者に対して「どうしてそんな写真を撮ったんだ!」と責めたところで仕方がない。前述の仁藤氏も〈『写真を撮らせないようにしましょう』とか言っても、無理じゃないですか?〉〈女の子たちにとっては、『撮られる』っていう感覚じゃない。一緒に撮ったり撮られたり。自分が受け身っていうわけでもないですから〉と語っている。

 しかし、ここで確認しなくてはいけないのは、恋人に撮影されることは認めていても、それを第三者に見せたり、ましてやネット上に拡散されることに許可は出していないということだ。であるならば、悪いのは撮らせたほうではなく、それを拡散させた人間のほうだ。そこを見誤ってはならない。
〈画像をさらされても、『自分のせいじゃない』って思えない子が多いんです。自分も悪かったって思っちゃうから、泣き寝入りする。だけど、本当に悪いのは何なのかっていうのをハッキリさせないといけない。子どもの視点からすれば、関係性があるなかでの撮る、撮らせるっていうのは、悪いとか悪くないとかの問題じゃないと思うんですよ。それをさらすっていうのが問題〉
(略)

リベンジポルノではなくとも馬鹿発見器とも言われるSNS絡みのトラブルなどを見ても時代の違いと言うのでしょうか、写真を撮られることが悪いとか言う感覚そのものがなく、日常の一端であると言うことは理解出来るのですが、そうなりますとリベンジポルノを公開された方々の画像フォルダには相手方のそう言った写真も多数保存されていて、いざとなれば再リベンジの手段もあると言うことなんでしょうかね?
それはともかく、別にこうした今風の感覚の持ち主でなくともまあ事の最中なりにそれと求められ拒否出来るかと言われると難しいところなので、被害者が必ずしも今風の若者だけに限らないと言うことからもこうした感覚の変化にだけ理由を求めるのは無理がある話だとは思いますが、やはり幼小児からネットリテラシー教育などと平行してこの種のことに関しても教育は必要なんだろうとは思います。
特に最近は他人に強要されただとか、勝手に公開されたと言うわけでもないのに自ら進んで怪しげな写真を公開してしまう若者の行動も問題視されているのですが、こちらの記事からも若者の間に広まる好ましからぬ風潮を取り上げてみることにしましょう。

少女「自撮り」裸写真、ネットに氾濫なぜ… 気軽に送信、知らぬ間に拡散(2015年12月7日産経新聞)

 インターネット上に、過激なわいせつ画像があふれかえっている。中でも少女が自らの裸を自分で撮影し、投稿する「自画撮り」の児童ポルノが目立ち始めた。警察庁によると、全国の警察が今年6月までに被害者を特定した児童ポルノ画像は、4割が自分で撮影したもの。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及などが理由の一つとなっているが、少女たちは何を目的に裸をネットにさらすのか。(加藤園子)

 ◆児童ポルノの4割

 「もはや公然陳列の場を提供している状況。たまたま児童ポルノが集まったというレベルではない」
 スマートフォン向け人気画像共有アプリ「写真袋」を11月に摘発した警視庁の捜査関係者はこう話した。写真袋は「友人との思い出の写真を共有する」ことを目的としているが、警視庁と京都府警の捜査で、投稿画像の3~4割が児童ポルノだったことが判明した。
 現在、類似の画像共有アプリは数多く出回っている。画像や動画の保管ができ、「クラス旅行」など投稿者が設定した「合言葉」を入力すれば他の利用者も閲覧できる。ところが、わいせつ画像も多く、こうした画像の合言葉は広告のようにツイッターやネット掲示板で拡散されている。
 警察庁の担当者はわいせつ画像について、「以前は『share(シェア)』などファイル共有ソフトで流通していたが、摘発が進んでアプリなどに取って代わってきている」と指摘。アプリはスマホで容易に操作できる分、「子供が自分を撮影し気軽に送ってしまうケースも少なくない」と危機感をにじませる。
 警察庁はこうした画像を「自画撮り」と分類。今年6月までに全国警察が身元を特定した児童ポルノ被害者の41%が自画撮り画像によるもので、「買春」や「盗撮」を上回った。

 ◆ちやほやされたい

 ネット上のトラブル相談を受ける「全国webカウンセリング協議会」(東京)も、自画撮りに懸念を抱いている。「親に隠れて自由にネット空間とつながれる時代。特にアプリは子供が日常使っているもので、悪いものに手を出している感覚がない」と、安川雅史理事長は分析する。
 自画撮りを投稿する理由は、小遣い稼ぎのほか、「ちやほやされたい」という願望も。「普段注目を浴びることのない子が利用者にもてはやされ、どんどん過激な投稿をするケースは少なくない」と、風俗ジャーナリストの青山照彦氏は話す。実際にはカメラの前に1人なので羞恥心がなく、不特定多数の前に裸を公開していることと同義だと、気付いていない子供が多いとみられる。
 同協議会には、アプリを通して得た自画撮りの児童ポルノをもとに2人で会うよう脅されている、との相談も複数寄せられている。安川理事長は「児童ポルノの被害者は低年齢化している。ネットに画像が拡散した際の問題点を家庭でも話し合うことが重要」と呼びかけている。

社会の側でもジュニアアイドルなどと称して早ければ幼児レベルから怪しげな写真集などを売り出している現実もありますが、こうしたことの場合はまだしも親の了解の元に行われているはずだと考えるとまだしも他人のせいにする余地もあるかも知れませんが、自分で勝手にアップしてしまうのでは対策も難しいですよね。
記事にもあるように普段注目されることのない子供がそれらを求めて行っているのだとすれば、彼らにとっては少なくとも当面のところ画像拡散はメリットだとも言えるし、別にそれによって失うものもないと考えているでしょうから、10年20年先にこんな苦労が待っている等々と大人に諭されたところで老人の繰り言や愚痴の類としか受け止められないでしょう。
こうしたいわば自傷的行為の規制方法としては一定以上の肌の露出がある写真をアップさせない等、端末やアプリのレベルでの対策も技術的には可能に思えるし、実際にSNSでそうした機能を果たすAIを実装する動きもあるそうなのですが、単純にそうした行為を規制するだけではなく、子供がそうした行動に走っていると親からチェックできるものの方が需要は大きいかも知れませんね。
とは言え時代時代によって方法論に多少の差はあったとしても、およそ昔から子供や若者は年長者に隠れて良からぬことをしてきたものなのですから、今の若い者は…と単純に顔をしかめ規制を強化するだけでは天に唾する行為であると言う大人の側の認識も必要になるかとは思います。

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2015年12月11日 (金)

お粗末な偽医者騒動から危惧する医療紛争の芽

先日自称祈祷師に言われて両親がインシュリン注射を中断した結果、7歳の子供が亡くなると言う痛ましい事件がありましたが、こうした似非医療行為あるいは代替医療と呼ばれるものは昔から各方面で盛んに行われているし、今もその愛好者が絶えないと言うのは信者の方々にとっては何かしらメリットがあるからとも言えますよね。
かつて世間を騒がせたホメオパスによる一連の健康被害などは世界的に拡がっている代替医療の代表格ですが、何故こうしたものが蔓延しているのかと言えば一見何かしら科学的な裏付けがあるように見せているからだと言うことは以前にも紹介した通りなんですが、逆に言えばそのソースロンダリング等の常套手段を暴いてしまえば彼らの論拠も崩れる理屈です。
そう考えますと実は「信じる者は救われる」式の最も原始的な拝み屋、祈祷師の類こそ対処が難しい部分もあって、例えば神はいるか否かと言ったシンプルな問いかけにさえ未だに誰も万人に了承され得る答えを打ち出せないでいるわけですが、ともかくも先日この種の拝み屋の類がまた一人逮捕されたと言うニュースが出ていました。

自称「医師」詐欺容疑で再逮捕(2015年12月7日NHK)

医師の免許がないのに、「赤外光線を当てれば腫瘍が治る」などと言って、患者にうその治療をして治療費をだまし取ったとして、高松市の女が詐欺の疑いで逮捕された事件で、女が、ほかにも2人に同じような行為をして治療費をだまし取ったとして詐欺の疑いで警察に再逮捕されました。女は容疑を否認しているということです。

再逮捕されたのは高松市塩江町に住む自称医師、藤原朝子容疑者(75)です。この事件は藤原容疑者が、ことし2月、医師の免許がないのに40代の女性患者に「赤外光線を当てれば腫瘍が治る」などと言ってうその治療をして治療費39万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで先月、警察に逮捕されたものです。

その後の調べで、藤原容疑者はことし9月から10月にかけて兵庫県の70代後半の夫婦に「ジストニアですね。1週間で治ります」とか「腎臓がフワフワしています。赤外光線を当てたら治ります」などといって、あわせて90回近くにわたりうその治療を繰り返し、44万5000円をだまし取っていたとして警察は7日、詐欺の疑いで再逮捕しました。

調べに対し藤原容疑者は「うそは言っていない。患者は完治して帰りました」などと容疑を否認しているいうことです。

警察は県外などから問い合わせがあることからほかにも被害者がいるのではないかとみて捜査を続けています。

ネットに「ゴッドハンド」…見た夫婦にうそ診療(2015年12月08日読売新聞)

医師をかたって、治療費名目で金をだまし取ったとされる詐欺事件で、香川県警生活環境課と高松南署は7日、高松市塩江町の女の被告(75)(起訴)を別の詐欺容疑で再逮捕した。

「うそは言っていない。完治して帰った」と容疑を否認している。

発表では、被告は今年9、10月、医師免許がないのに、兵庫県内の70歳代の夫婦に「(筋肉が収縮、硬直する)ジストニアですね。1週間で治ります」などと、赤外光線照射とするでたらめな診療行為やマッサージを計89回繰り返し、44万5000円を詐取した疑い。

県警が押収した被告のメモから、2人の被害が発覚。夫はジストニアで悩んでおり、「ゴッドハンドを持ち、どんな病でも治す」というインターネットの書き込みを見て通院。同行した妻も「腎臓が豆腐のようにフワフワしている。赤外光線をあてたら治ります」とだまされ、一緒に通っていたという。県警は、通院者は少なくとも40人以上にのぼるとみている。

しかし75にしてネットにゴッドハンド云々の宣伝を打っていたとすると相当ハイカラなご老人と言う気もしますが、その先進性をもう少し有意義な方向に向けていればよかったのに…でしょうかね。
ニュースを読む限りではこれは引っかかる方も相当にアレなのではないか…と思ってしまうほどのものなのですが、当然ながら報道として取り上げる段階で最もエキセントリックな言動だけを取捨択一あるいは切り貼りしているはずですから、立て板に水と畳み掛けられてしまうと案外こうした結論にも納得してしまうものなのかも知れません。
もちろん詐欺はいけないし、治りもしない似非医療行為で大金をせしめるなどもってのほかであるのは言うまでもないことですが、しかし89回の通院?で44万5000円と言えば一回当たり5000円と言う計算ですから何とも微妙な価格設定で、家族一同健康になる怪しげな壺に50万と言われれば躊躇する方々でも、一回5000円ならずるずるとはまってしまうことはあるのでしょうかね。
ただ記事を見ていて改めて気になったこととして、医療の場合も結果が思わしくないことは日常的に発生するわけですが、その場合時として「金返せ!」と言われたり診療費の支払いを拒否されたりすると言うこともあって、結果の出なかった患者の側から見るとこの種の拝み屋祈祷師と実は大差ないのではないか?とも思ってしまいますね。

法的に言いますと医療と言うものは準委任契約と言う扱いになっていて、これは家を建てた場合のように出来上がったものが依頼した通りになっていることを確認して引き渡しを受けお金を払うと言うものではなく、個々の医療行為そのものに対して結果の如何を問わずお金を払うと言う扱いになっています。
各種サービス業などでも同様な形態のものは少なくありませんが、しばしばこうした商売では結果次第である程度返金をしたりと言ったことも行われているようで、医療のように全く見積もりも事前の合意もないまま好き放題やられて、そのコストを言い値で支払うと言うことは確かにあまり多くはないようには思いますね。
その背景には出来高制だとか全国一律の診療報酬設定、あるいは混合診療の禁止など様々な制度的理由があるわけですが、改めて考えてみるとかなり売り手優位の商売だなと思えるところですから、全例に事前の費用見積もりなどは無理でも何をやるだとか、その見込みはどうなんだと言ったいわゆるインフォームドコンセント的な作業が重要視されるのも、当然と言えば当然の話です。
何故医療だけがこんな適当なやり方で長年やってこれたかと言えば、やはり患者の窓口負担が非常に低く抑えられてきたと言う制度的な理由が最も大きいと思うのですが、まさしくその窓口負担を一気に増やすような制度改革が議論されている昨今の流れを見る限り、今後は病院支払い窓口でのトラブルが急増する可能性もあるかも知れませんね。

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2015年12月10日 (木)

生保受給者が向精神薬大量取得し転売

以前から同種事件はたびたび報じられてきましたけれども、今回規模が大きいと話題になっているのがこちらのニュースです。

向精神薬、重複処方の闇 生活保護悪用した転売横行(2015年11月30日神戸新聞)

 インターネットを通じて向精神薬を不正に転売したなどとして兵庫県警は今年6月以降、男女5人を逮捕し、全国の100人以上への販売を確認した。薬の調達には、医療費の自己負担がない生活保護制度が悪用され、逮捕された受給者は複数の医療機関に通うなどして無料で入手した薬を横流ししたとされる。購入者5人が過剰摂取で死亡していたことも判明。抜本的な防止策はあるのか。自治体では模索が続く。(初鹿野俊)

 県警生活経済課によると、生活保護を受給していたのは京都市の男女2人(ともに麻薬取締法違反罪で起訴)。2人から計2万7千錠以上の向精神薬を譲り受けたとされる東京都の不動産業小岩井由香被告(55)=麻薬特例法違反罪などで起訴=は2009~15年、ネットで全国の123人に販売したという。
 向精神薬の調達もネットの会員制交流サイト(SNS)で呼び掛け、奈良市の薬剤師の男からも買い取っていたという。
 一方、過剰摂取による薬物中毒で亡くなったのは兵庫県の2人と和歌山、埼玉、鹿児島県の5人。20~40代で、うち4人は遺書などから自殺とみられる。

◇「見抜けない」◇

 「レセプト(診療報酬明細書)の審査で、同じ日に複数の病院で処方を受けるなど不自然な点がないかチェックしていたが、見抜けなかった」。制度を悪用された京都市の担当者は声を落とす。事件を受け、過剰処方の経緯などを検証中という。
 同様の不正は全国で横行している。厚生労働省によると、13年度に実施した調査では、1カ月間に複数の医療機関から向精神薬を重複処方されていた受給者は約6800人。うち76%の約5200人が「不適切な処方」と判断された。
 兵庫県内は504人で、神戸市(221人)▽尼崎市(141人)▽西宮市(79人)-で目立った。神戸市内の精神科に勤務する医師は「並行し、黙って他院に行かれたら多剤処方は防ぎようがない」と話す。

◇独自の取り組み◇

 不正を防ぐため、独自の取り組みを進める自治体もある。
 大阪府東大阪市は14年度から、受給者に薬局を1カ所登録してもらい、薬局側は登録者のみに処方する「かかりつけ薬局制度」をスタート。導入以降、実際に重複処方に気付いて指導したケースもあるという。大阪市西成区も診療科目ごとに受診する医療機関を1カ所に限定するよう受給者に求めている。
 兵庫県内の自治体で保護率が最も高い尼崎市や神戸市は過剰処方が疑われる場合、ケースワーカーらが聞き取りを実施。尼崎市の担当者は「不正防止だけでなく、健康管理の上でも重複処方を防ぐことは重要」と話している。
(略)

防げるか、薬の違法転売=生活保護制度悪用、大量処方-把握困難、新たな取り組みも(2015年10月25日時事ドットコム)

 生活保護受給者が複数の医療機関を受診して入手した大量の向精神薬を転売していたとして、マンション経営の女(55)が受給者2人とともに麻薬取締法違反容疑で兵庫県警に逮捕された。受給者は原則的に無料で医療を受けられる制度を悪用した事件だ。薬の不正取得を把握するのは困難といい、行政や医療機関は頭を抱えるが、薬局や薬剤師と協力する新たな取り組みも始まっている。

 「自宅にはまだ数千錠の向精神薬があった」。京都市に住む受給者の女(31)を逮捕し、自宅を家宅捜索した同県警の幹部は、あきれたように話す。女は複数の精神科などを受診し、大量の向精神薬を入手。インターネット上で買い手を募っていた。
 マンション経営の女は、この女から買い取った向精神薬などを転売していた。ほかの受給者にもメールで「余裕があったら売ってくれませんか」などと持ち掛けていたという。

 受給者の収入や生活状況を監督するのは自治体の福祉事務所。京都市地域福祉課は逮捕された受給者の女について、「レセプト(診療報酬明細書)の調査を行い、向精神薬の処方はチェックしていたのだが」と困惑気味に話した。
 受給者の急増で事務所職員の仕事量は限界に近い。この地域の事務所は、約4500の生活保護世帯を55人で担当。薬の転売による収入増などについて、同課職員は「把握して指導する余裕はない」と説明する。
 新たな対策を打ち出す自治体も出てきた。青森市は、レセプトの確認に薬剤師を入れ、転売が疑われる処方などをチェックしている。大阪府東大阪市は、受給者ごとに薬局を決めて不要な処方を防ぐようにしている。

まあしかし今までにも類似行為があったのにようやく対策が始まったばかりと言う印象なのですが、今度のマイナンバー導入でこのあたりが多少なりとも改善されるのかどうかです。
もちろん犯罪行為なのですからどうにも擁護のしようはない事件なのですが、しかしこの種の重複処方と言うものは全国どこでもある話で、中には堂々と友人知人に配るから余計に薬を出してくれ、などととんでもないことを言う人もいるものですよね。
特に生保受給者の場合医療費が無料であり必要もない薬や治療を希望しやすい、しかも多くの場合レセプト審査でも切られると言うことがありませんから医療機関側でも気安く給付をしがちであると言う点で、近年この生保受給者の医療費支出が大きな社会問題となってきていることは周知の通りです。
記事にもありますように大阪ではかかりつけ薬局制を導入し重複処方にチェックを入れているそうですが、こうしたことは一般の患者においても健康管理上推奨されるべきことなのですから、ましてや有病率が一般よりも高いとされる生保受給者などは全国的に医療機関や薬局を登録制にしてもいいくらいだと思いますね。

生保受給者の過剰受診と言うことが医療費抑制の観点からも、また医療リソースの浪費を防ぐと言う観点からも進められていて、国としても来年度からケースワーカーが看護師や薬剤師らと共に受給者を訪問指導するシステムを導入するのだそうで、指導体制の強化によって不要不急の受診や過剰診療を抑制しようと言う意図があるようです。
これらマンパワーの投入に要するコストと節約出来る医療費とを天秤にかけるとどちらがどれだけ有利なのかは何とも言い難いのですが、少なくとも専門職が足を運ぶ以上行きました、指導しましたで終わったのでは意味がないことですから、その指導の実として目に見える数字で受診抑制効果なり医療費削減効果なりが見えてくるかどうかですよね。
ただ今回の事件においてもそうですが、巨額の医療費を浪費するようなケースと言うものはしばしば確信犯的にやっている場合が少なくないようで、この場合いくら指導しようが暖簾に腕押しと言うこともありますから、一定の指導で改善が見られない場合は何かしらのペナルティを導入するなど、強制力を発揮出来るシステムでなければ実効性の面で厳しいようには思いますね。

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2015年12月 9日 (水)

医療支出抑制の切り札登場?

来年度の診療報酬改定に関する議論が進んでいて、とりわけ今回は財務省筋を中心に診療報酬減額、国庫支出削減と言う強い圧力がかかっているようなのですが、そんな中でいよいよ切り札として踏み込んできたか?と思わせるのがこちらのニュースです。

高額療養費制度など見直しへ 歳出抑制案(2015年12月7日NHK)

政府の経済財政諮問会議の下に設置された有識者会議は、財政再建に向けて歳出を抑制するための実行計画の案を取りまとめ、医療費の自己負担に上限を設けている高額療養費制度を、来年末までに見直すことを盛り込みました。
政府は、2020年度までに基礎的財政収支を黒字化する目標の達成に向けて経済財政諮問会議の下に有識者会議を設置して、今後5年間の歳出を抑制するための実行計画の検討を進めていて、このほど有識者会議がその案を取りまとめました。
それによりますと、最も歳出規模が大きい社会保障費を巡って、医療費の自己負担に上限を設けている高額療養費制度を来年末までに、現在、自己負担が原則1割になっている75歳以上の高齢者の医療費の窓口負担を3年後までに、それぞれ見直すことを目標に掲げています。
また、医療費の削減に向けて自治体や企業の健康保険組合などに働きかけ、2020年までに、40歳以上の人の健康診断の受診率を80%以上とし、メタボリックシンドロームの人口を2008年度と比較して25%減らすなどとしています。
有識者会議では、この計画案を7日の経済財政諮問会議に示し年内に決定したいとしていますが、社会保障費の国民負担の増加につながるだけに、政府・与党内で今後議論となることも予想されます。


診療報酬本体微増へ 高額療養費見直し担保に(2015年12月7日産経新聞)

 政府は6日、平成28年度診療報酬改定について、29年度に患者の自己負担を軽減する「高額療養費制度」を見直して財源確保することを担保に、診療報酬の医師らの技術料にあたる「本体部分」を微増させる方向で検討に入った。28年度は、景気回復により全国健康保険協会(協会けんぽ)への補助金が減額される分を一時的に充当する方向だ。

 高額療養費制度に関しては、政府の経済財政諮問会議の専門調査会が4日に公表した歳出抑制に向けた工程表案で「関係審議会で具体的内容を検討し、28年末までに結論を得て、その結果に基づいて速やかに必要な措置を講ずる」と明記。70歳以上の高齢者で優遇されている負担上限額を現役世代の基準に合わせることなどが想定されている。

 政府内で検討されている案では、高額療養費制度の具体的な見直し内容の決定は世論の反発を避けるため参院選後に先送りするが、年末の28年度予算案の編成過程で見直し実施を確約することにより、捻出される財源を29年度以降の「本体部分」に充てる方針を容認するとしている。

 28年度については、景気回復による保険料収入の増加などで協会けんぽの準備金に余裕が生じているため国庫補助金が減額されることになっており、減額分を「本体部分」の財源に充当する方向で調整する。

 政府は28年度に始まる財政健全化の計画で、社会保障費の伸びを3年間で計1兆5千億円程度を目安にすることを決定。28年度予算案では厚生労働省の概算要求から約1700億円の削減が必要だが、診療報酬の医薬品や医療材料の「薬価部分」の引き下げ分約1500億円しか確保できていない。来年度は診療報酬の「本体部分」の引き下げも想定していたが、来年夏の参院選を控え、大票田の日本医師会など医療関係団体に配慮。高額療養費の見直しで財源を確保し、「本体部分」への切り込みは見送ることにした。一方で、薬の過剰投与が指摘される大病院周辺の大型門前薬局が問題視されており、「本体部分」の中の調剤報酬に関しては引き下げられる方向だ。

また日医が悪者になりそうだとか諸々の点はこの際置くとして、ひとまずここで注目いただきたいのが高額療養費の見直しを言い始めていると言う点なのですが、具体的に何をどの程度と言うことが明らかでないだけに現状では議論も難しいところがありますけれども、財源として期待出来る程度にとなるとかなり大幅な斬り込みも予想されますよね。
この高額療養費制度と言うものは国民皆保険制度にとって大変重要な意味づけを持っていて、どんなに医療費がかさんでも患者の自己負担額は一定であると言うことが「出来ることは何でもやってください」式の際限のない医療支出増大を招いているのでは?と言う指摘は以前からあった一方で、逆に言えば収入による差別化なく万人に平等な医療をと言う制度の根幹を担保する最重要の制度であるとも言えるものです。
この点で例えば外来自己負担額の引き上げなど他の話と異なるのは、ある一定線以上に高額医療費の限度額が引き上げられてくると医療費を支払えない方が出てくるだろうと言う懸念なのですが、入院させる期間を可能な限り短縮すると言うことは今までも平均在院日数短縮のために病院側から働きかけられていたものが、今後は患者側からも言われるようになるかも知れませんね。
また何もせずとも一ヶ月間入院を続けるだけでも低収入の方々ですと通常この上限に引っかかってくるはずですから、例えば長期間ずっと入院している高齢者などは今まで以上に月々の支払いが増えてくると思われますが、食費などホテルコストは現状でも別枠で請求されているはずなので、場合によっては年金だけでは支払いきれないと言うケースが増加してきそうにも思われます。

ただ逆に言えば特に高齢者などの場合、今までの自宅や施設で面倒を見るよりも入院させておくのが一番安上がりで安心だと言う話の方がおかしいわけですから、今回高齢者の自己負担額上限を現役世代並みにと言う話とセットで語られている点を考えても、これは昨今の病院から施設へ、そして在宅へと言う国策を反映した話であるとも言えそうです。
仮に長期の入院医療費を支払えないとなればいわゆる延命処置などは今まで以上に短く切り詰められていくのだろうとも予想されますが、その結果医療費支出全体が下がるとなれば国民負担も減るはずなので、自己負担増加とどの程度相殺されるのかも注目されるべきところでしょうか。
この場合年金以外に収入がないと言う方々はどうしたらいいのかと不安に駆られるでしょうが、一般的に支払い能力がないと言う場合に備えて民間保険と言うものがあるわけですから、支払い能力に不安があるなら早くから自分で保険くらい用意しておくべきだと言えば言えるのですが、それを言うなら年金が足りないなら早くから個人年金保険くらい入っておけと言うのも同じことで、まあ現実的には難しいところだと思います。
もちろん現役のころからある程度経済的余力のある方々はこうした個人防衛策を採っておくべきなのでしょうが、支払い能力のない低所得層には今後自宅を担保にした老後資金の貸し付けだとか、各種医療費減免措置が今まで以上に重要となってくるはずで、特に高齢者やそのご家族はどのような制度が利用可能なのか予め調べておきいざという時に備えるべきだろうなと思いますね。

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2015年12月 8日 (火)

公務員医師が収賄で逮捕

年末になるとお歳暮贈答の季節でもあって、大きな病院には普段からお付き合いのある近隣開業医の先生から色々な品物が届けられると言うことは珍しくないものですけれども、しかし病院医局宛にビール詰め合わせを送ってこられると誰がいつどのように消費すべきなのか迷うだとか、高級なのだけれども日持ちのしない生菓子の類を送られると困るだとか、時に需要と供給のミスマッチを感じることがありますよね。
逆に安上がりで一般にはとてもお歳暮には使われないような品でも段ボール一杯のカップラーメンなどが送られてくると妙に人気だったりしておもしろいものだと思うのですが、送った見返りに贈られたとも言うべきこんなニュースが出ていたのを御覧になったでしょうか。

共済組合運営の病院の医師を収賄容疑で逮捕(2015年12月2日NHK)

名古屋市にある国家公務員の共済組合が運営する病院の医師が、人工透析を行う病院などを実質的に経営する医師に透析の患者を紹介し、その見返りに現金およそ60万円の賄賂を受け取っていたとして、愛知県警察本部は医師2人をそれぞれ収賄と贈賄の疑いで逮捕しました。
収賄の疑いで逮捕されたのは名古屋市中区にある名城病院の医師、赤澤貴洋容疑者(41)です。贈賄の疑いで逮捕されたのは愛知県内で人工透析を行う病院などを実質的に経営している医師の多和田英夫容疑者(64)です。
警察によりますと、赤澤医師は、多和田医師側に透析の患者8人を紹介した見返りに、ことし2月から10月にかけて5回にわたって現金合わせておよそ60万円の振り込みを受けたとして、収賄の疑いが持たれています。赤澤医師が勤務する名城病院は、国家公務員共済組合連合会が運営していることから職員は公務員とみなされ、仕事に関連して賄賂を受け取ると罪に問われます。警察によりますと、2人は「間違いありません」と容疑を認める供述をしているということです。警察は2人の間で現金のやり取りが行われるようになったいきさつについて調べを進めています。
医師が逮捕されたことについて名城病院は「極めて遺憾であり、おわび申し上げます。今後は警察の捜査に全面的に協力していきます」とコメントしています。

名城病院贈収賄 患者紹介「11年前から」(2015年12月04日読売新聞)

 名城病院(名古屋市中区)の人工透析患者の紹介を巡る贈収賄事件で、愛知県警に収賄容疑で逮捕された同病院腎・糖尿病内科医長の赤沢貴洋きよひろ容疑者(41)が「(贈賄側の医療法人実質的経営者と)11年前に知り合い、その頃から患者を紹介していた」と供述していることが3日、捜査関係者への取材で分かった。県警は、当時から紹介料の授受があった可能性があるとみて調べている。

 赤沢容疑者は、贈賄容疑で逮捕された医療法人「光寿会」(名古屋市西区)の実質的経営者、多和田英夫容疑者(64)に、県内の透析患者計8人を紹介した見返りに、今年2~10月、計約60万円を受け取ったとして2日、逮捕された。

 捜査関係者によると、2人は2004年1月に知り合い、赤沢容疑者は、翌05年夏から、光寿会傘下の診療所で人工透析治療のアルバイトを始めたという。赤沢容疑者は「アルバイトを始める前から(多和田容疑者に)患者を紹介していた」と説明しているといい、県警は、赤沢容疑者が04年頃から紹介料を受け取っていた可能性もあるとみて銀行口座などを調べている。

 また赤沢容疑者は、多和田容疑者から患者1人に付き10万円の紹介料を受け取っていたことも判明。光寿会傘下の診療所でのアルバイトは月数回で、紹介料は、正規のアルバイト代に上乗せする形で口座に振り込まれていたという。

 一方、専門家によると、人工透析患者は週3日程度、1回あたり4~5時間の治療を受けなければならず、転院する場合は患者の住居近くなど、利便性の高い医療機関を紹介するのが一般的という。名城病院では、合併症を併発するなどした重症の人工透析患者の治療を赤沢容疑者を含め、4人の医師が担当。症状が比較的軽くなった場合、複数の医療機関を転院先として紹介していた。県警は、赤沢容疑者が紹介料欲しさに、光寿会傘下の病院や診療所を優先的に紹介していたとみて、診療記録などを調べている。

 県警は3日、赤沢、多和田両容疑者を名古屋地検に送検するとともに、名城病院を捜索。カルテや転院先への紹介状など、関係資料を押収した。

個人的には存じ上げなかったのですがこの赤沢先生、医療以外にも割と多芸で有名であった方だそうで各方面から逮捕を惜しむ声も出ているようなのですが、公立病院の勤務医が患者紹介の見返りとして私的にお金を受け取っていたと言えば収賄で逮捕されても仕方がないですけれども、実際問題として普段から逆紹介等でつながりのあるクリニックから季節の贈答品が届くと言うことは全く珍しくはないわけです。
刑法197条によれば「公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する」と規定されていますが、ここで注目すべきなのは金額の多寡や贈り物の内容に関する規定がどこにもなく、ただ単に「その職務に関し」と言う一文があるだけだと言う点で、その観点からすると患者を逆紹介してお歳暮を贈られても収賄になるのかですよね。
一般的には社会常識的に許容される範囲の贈り物であるかどうかと、それに対する見返りとして特別な便宜を図っているかどうか等も勘案されるそうなのですが、判例によれば個別指導をしてくれた教員に1万円程度の金券を贈った場合賄賂とはされなかったそうで、これが例えばその結果点数をかさ上げするだとか出題を教えるとなれば賄賂と言われていたのでしょうか。

公務員とは言え紹介、逆紹介でいくらでも個別の関係が発生する以上、どこからを癒着として捉えるべきか難しいのですが、転院先探しなどは地域性や利便性、あるいは先方の専門性など総合的に判断して機械的に決められればいいのでしょうが、そこはアナログの世界だけに医師に限らず必ずどこかで誰かの主観が入るのは避けられないし、近年では福祉事務所を舞台にした患者囲い込みなども話題になっていますよね。
そもそも公務員たるもの、何であれ個人として特定の相手から金品を受け取るべきではないと言う意見も判るのですが、送りつけられてきたお歳暮を送り返すと言うのもまあ大人げない行為なのでしょうし、この場合贈る側に個人宛ではなく組織宛にするなど相応の配慮を求めたいところでしょう。
しかしこうした記事を見ていつも疑問に感じるのが患者からの付け届けは贈収賄に相当しないのか?と言う点なのですが、医療の場合敢えて下手な治療をする医師もいなければ特別よい医療を提供出来るわけでもないと言うことが社会的にも認知されていると受け止めておくべきなのでしょうか、まあ院内の掲示も単に「当院では付け届けはお断りしており」云々と書くより「即座に贈賄で通報します」と書いておいた方が効きそうではありますかね。

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2015年12月 7日 (月)

かつて大流行した診療ミス、医療ミスと言う言葉

表題にもある診療ミスと言う表現を巡ってマスコミの報道姿勢を云々していた時代がつい先日のようにも思っていましたが、それはともかくとして医療訴訟も争いですからどちらが正しい、間違っていると言う判断も容易ではない場合も多いのですが、そうした細かい点は全て抜きにしてもまさしくお気の毒としか思えないのがこちらの症例です。

診療ミスで手足指20本切断 医療法人を提訴(2015年12月3日河北新報)

 宮城県岩沼市の整形外科クリニックを受診した宮城県南の60代の主婦が両手足の指20本を切断したのは、医師が病状を正しく認識せず適切な処置が遅れたためだとして、主婦が2日までに、病院を運営する同市の医療法人に約4400万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。

 訴えによると、主婦は昨年11月、右脚が急に痛み出してクリニックを受診。医師は確定診断を下さず経過観察とし、主婦を帰宅させた。主婦は翌朝、激しい動悸(どうき)に襲われ、救急搬送先の別の医療機関が「壊死(えし)性筋膜炎」と診断した。主婦は次第に指先の血流が悪くなり、1カ月半後に壊死した両手足の指全てを切断した。

 壊死性筋膜炎は病状の進行が速く、皮下組織の壊死につながる病気で、死亡率も高い。主婦は右足のかかとがひび割れており、細菌が侵入して発症した可能性がある。

 主婦側は「症状から壊死性筋膜炎の恐れは十分考えられたのに、クリニックはよく似た別の病気を疑い、適切な医療機関に転送しなかった。初期診断が適切なら指の切断は防げた」と主張している。法人側は「訴訟に関するコメントは差し控える」と話している。

実際の臨床所見等が判らないので何とも言い難いのですが、一般的な鑑別診断として必ず上がってくるのが同様に皮下の炎症を呈する蜂窩織炎であると言い、こちらの場合はありふれた疾患でありそうそう大きなことにはなりませんけれども、壊死性筋膜炎の場合は死亡率が実に3割にも昇ると言いますから大変重篤な疾患ですよね。
時折話題になるいわゆる人食いバクテリアなどと呼ばれるものもこの一種なのだそうですが、それにしても命は助かったとは言え両手足の指を全て切断とはあまりに悲惨な話で、最近では人工指などと言うものもあるそうですがこうしたものが助けになるのかどうか等々、他人事とは言え様々に今後の苦難を想像してしまうところです。
とは言え、ここで注目したいのは原告側の主張としての「症状から壊死性筋膜炎の恐れは十分考えられたのに、クリニックはよく似た別の病気を疑い、適切な医療機関に転送しなかった」と言う主張で、いわゆる鑑別診断に上がるような疾患であればいずれもそれが正解であってもおかしくないと言うものであるとも言えるわけで、疾患Aを疑ったが実は疾患Bであったと言うことを非難されると言うのは困るなと言う気がしますよね。
もちろん実臨床の場ではこうした場合、どちらの疾患であってもいいような対応を取るだとか、より重大な結果を招くだろう疾患を想定して治療を開始する等様々な工夫も行われていますけれども、一体に初診段階で正診に至る確率はどんな名医であっても決して高いものではないし、その難しさを改めて思い知らされるこうしたケースもあるようです。

CT検査を誤診、死亡医療事故に 静岡済生会総合病院(2015年12月2日朝日新聞)

 静岡市駿河区の静岡済生会総合病院で10月、CT検査の結果を研修医が見落とし、静岡市の女性(当時80代)が死亡する医療事故があった。1日、女性の長女(50代)が静岡市葵区の県法律会館で記者会見して、明らかにした。病院は朝日新聞の取材に医療事故があったことを認めている。

 長女とともに記者会見した青山雅幸弁護士によると、女性は10月24日午後11時55分ごろ、激しい腹痛を訴え、同病院救急外来を訪れた。CT検査の結果、結腸に穴が開いていて緊急手術が必要な状態だったが、研修医が見落として胃腸炎と診断し、女性を帰宅させた。しかし、腹痛や嘔吐(おうと)が止まらなかった女性は翌朝、再受診。見落としがわかって緊急手術を受けたが、同月26日に死亡した。

 遺族は、研修医が常勤医に相談する体制が整っていなかったなどの問題があったとみて、公表に踏み切った

 病院は長女に郵送した文書の中で医療事故を認め、謝罪。朝日新聞の取材に、「今後は外部委員を含めた事故調査委員会を開き、再発防止につとめていく」とコメントした。

救急外来で誤診、女性死亡 静岡、病院が遺族に謝罪(2015年12月2日共同通信)

 静岡市駿河区の静岡済生会総合病院が10月、腹痛のため救急外来を受診した同市の80代女性の診断を誤り、女性がその後、死亡していたことが1日、遺族側への取材で分かった。病院側は遺族に「初診で異常所見を見落とした」と責任を認め、謝罪した。

 遺族と代理人弁護士によると、女性は10月24日深夜、激しい腹痛を訴え救急外来を受診。担当した研修医2人がコンピューター断層撮影(CT)の画像から胃腸炎と判断し、女性を帰宅させた。

 約5時間後、女性は症状が悪化して再び受診。研修医らがあらためてCT画像を確認すると急性腹症の疑いがあると発覚、女性は緊急手術を受けたが26日に死亡した。

 石山純三(いしやま・じゅんぞう)院長は取材に対し「事実関係は遺族に説明しており、今後も真摯(しんし)に対応する」とのコメントを出した。医療事故調査制度に基づき、第三者機関に届け出たとして「院内で調査委員会を開き、再発防止策をまとめたい」としている。

ちなみに時間軸がはっきりしないので何とも言えないのですが、こうした場合事故調制度では遺族側から第三者機関に届け出るよう求めることも出来ないと言うことを考えると、遺族側が記者会見を開いたと言う理由なり動機なりが気になりますね。
とは言えこれまた何とも悲劇的な症例であり、また日常臨床においてしばしば遭遇しがちなケースであると言うことで重大な結果に慄然としない臨床家の先生方は少なくないと思うのですが、それでは研修医ではなく常勤医が当直していれば防げたのかと言えば、腸管穿孔を示唆するfree airの判断などは相当な経験を積んだ中堅以上の医師であっても難しいものがあることは周知の通りですよね。
それだけに病院長のコメントを見ますと何をどうやって再発防止するんだろう?と感じてしまうところで、例えば常勤医にコンサルトした結果やはり見落とすと言うことも当然にあるわけですし、あるいは来院者全員に「あなたは死ぬ可能性があるかも知れません」と説明した上で入院経過観察と言うのも、経営的にはどうなのかはともかく病床管理上は難しい場合も多そうには感じます。
今回の遺族の場合病院を訴えたと言うわけではなく、研修医単独での診療態勢には問題があったと言う点を何とかすべきだと言う問題提起であり、そうであるからこそ病院側も素直に謝罪し対応策を検討すると言う流れになっているとも言えますが、例えばこれが誰が悪かったのかと言う責任追及の場になっていたとしたらどうだったのかと考えると、医療事故調制度が匿名を前提にしている意味合いが見えてきます。

医療が不確実なものである以上こうしたケースは一定確率で必ず起こるものであり、それを個人のヒューマンエラーに起因させ対策を講じると言うのは判りやすい話ではあるのですが、時と場合によってはそれが現場を萎縮させ過剰対応や防衛行動に走らせたり、最悪の場合はいわゆるミス隠しと言うことにもつながりかねない不安もありますよね。
先日JR西日本が今後ヒューマンエラーに対しては懲罰的対応は一切行わず、ありのまま全てを報告するよう求めると方針転換したことが報じられていましたが、世界的に見ても事故調査の観点からすると非罰性の担保とは全く当たり前の話であって、それがなければ誰も自分自身を守るためにも本当のことなど言わなくなる、結果として同種の事故がまた同じように発生する確率が高まると言えます。
こうした事例などはまさに医療事故調の対象として十分に調査し教訓を共有する価値があるものだと言えますが、本来的に匿名であるはずの過程がこうして全面的に明らかになっていて、しかもマスコミがそれを病院のミスだと大々的に取り上げると言う状況は、果たして事故調本来の目的上どうなのかと言う危惧はありそうに感じますね。

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2015年12月 6日 (日)

今日のぐり:「瀬戸うどん 高輪三丁目店」

クジラと言えば巨大な生物であり海中では無敵のようにも思えるのですが、あまりに意外な死に方をしたクジラがいると話題になっています。
 クジラ vs 魚の戦いは端から勝負がついていそうなものだが、実はそうでもないらしい。シタビラメなどの魚が、噴気孔の中あるいはその直下に詰まると、ゆっくりと窒息死に至ることがあるのだ。(参考記事:「DVDケースがクジラを殺した」)
 この珍しい現象は過去にも観測されているが、ヒレナガゴンドウでの記録はなかった。しかしオランダの海岸で、2014年末と2015年初頭に相次いでこの原因による死体が見つかった。
 この死には、二重の謎がある。ゴンドウクジラは通常シタビラメのように平らな魚ではなく、イカを食べること。そして、深さのある海を好むはずなのに、死んでいたのは比較的浅い海だったことだ。
 専門家はこの死の原因を、仲間への忠誠心かもしれないと考えている。2頭ともに慣れない場所で慣れない物を食べていたのは、苦しむ家族を失いたくない思いからだったのではないか。そう言うのは、オランダ・ユトレヒト大学獣医学部の生物学者、ロンネケ・エイセルデイク氏だ。
 残酷だが、長く息を止められる2頭にとって、苦しい死に方だっただろう。「人間ほどすぐには死ねなかったでしょう。最悪の死に方です」と、米バージニア水族館・海洋科学センターの研究コーディネーター、スー・バルコ氏は言う。(参考記事:「パタゴニアでクジラが謎の大量死」)
なぜ鼻に?
 2頭の死体は腐乱が進んでいたため、検死に呼ばれたエイセルデイク氏は当初、ほとんど何もわからないだろうと考えていた。しかし、1頭目を調べたところ、1匹の魚が丸ごと鼻腔に詰まっているのが発見された。ぴったりはまっていて、取り出そうとしたらちぎれてしまうほどだった。
 この魚がクジラの死後に泳いで鼻腔に入ったとは考えにくいとエイセルデイク氏は言う。なぜならシタビラメは腐肉食ではなく、ワームを食べるからだ。同氏はこの研究結果を、11月18日付の科学誌『PLOS ONE』に発表した。
 シタビラメはアクロバティックな動きが可能で、あらゆる方向に体を曲げて、海底から飛び上がることができる。そのため、逃げようとして生きたクジラの鼻腔に入り込んでしまった可能性がある。あるいは、クジラのくしゃみや咳などの力で吸い込まれたのかもしれない。
(略)
ちなみにその名前に反してこのヒレナガゴンドウと言う生き物は最小のクジラではなく最大のイルカとして扱われるのだそうですが、ともかく双方にとって不幸な事故ですよね。
本日はヒレナガゴンドウとシタビラメ双方に哀悼の意を表して、世界中からあまりにも悲惨と言うか泣けてしまう物悲しいニュースを紹介してみましょう。

生まれながらのファイターなのか、猫はしょっちゅう色々なものと戦っている。人間相手には大体において勝利を収めるものの、時に難敵と対峙することも。米ソーシャルサイト・imgurで、そんな難敵との戦いを終えた猫の写真が話題となっている。
ハチとの戦いで負けた猫の鼻、と題されたこの写真。説明するまでもなく、どこが刺されたか一目瞭然の赤く大きく膨らんだ鼻。相当痛そうだが、負けを認めないプライドからか意外に平然としているようにも感じられる。
ネットでは「もうしわけないが笑わないでいることは無理だ」「ピエロ的な鼻だよね」「なんだろう…押したくなってくる」「うちの子もよく戦ってる。負けるとすぐ大人しくなるからよくわかるよ」「かわいそうに。獣医で針を抜いてもらってね」と、かわいらしさを愛でつつも猫を案じるコメントが多く寄せられているようだ。
その状況は元記事の写真を参照いただければ一目瞭然なのですが、しかし何やらどこかで見たような顔つきになってしまっていますよね。
人間であっても離脱が困難なあの難病に、こちらの生き物が難渋していると報じられています。
【11月29日 AFP】アルコール依存症から抜け出すのは容易ではない。もちろんニコラス(Nicolas)にとってもたやすいことではなかった。彼は離脱症状に対処するため、抗うつ薬の投与に耐え続けねばならなかった。
 しかし、チリの首都サンティエゴ(Santiago)郊外のペニャフロール(Penaflor)にある霊長類リハビリセンター(Primate Rehabilitation Center)で適切な治療を受けたおかげで、彼はついに本来の自分――サルらしさ――を取り戻すことができた。
 フサオマキザルのニコラスは、サンティアゴの小売店主に飼われ、牙を抜かれるなどの虐待を受けていた。それだけでは飽き足らず飼い主は、自己満足のためにタバコや酒の味をニコラスに教え、依存症にした。しかし今では、人間のアルコール依存症患者が受けるリハビリプログラムと同様のプログラムを終え、回復に向かっている。
 同センターでは現在、違法取引され、さまざまな虐待を受けた動物約150匹が治療を受けている。
まあひどいことをする飼い主もいたものですが、酒もタバコも禁じられようやくサルらしい暮らしを取り戻したニコラスの将来に幸多かれと願うしかありません。
身体的特徴とはしばしば個人にとっての深刻なコンプレックスにもなるものですが、こちらさらに実生活上の不利益に結びついたと言うニュースです。
 マンションの玄関で女性からかばんを奪おうとしたとして、大阪府警南署は1日、強盗未遂容疑などで、大阪市西成区萩之茶屋、無職、森正樹容疑者(40)を逮捕したと発表した。「生活費欲しさにやった」などと容疑を認めている。
 同署によると、森容疑者は身長166センチ、体重約130キロ。防犯カメラには秋にもかかわらず半袖姿の巨体の男が映っており、捜査中の署員が街中で似た姿の森容疑者を発見、聞き込み捜査などで容疑を裏付けた。
 逮捕容疑は、10月1日午前4時15分ごろ、同市中央区高津のマンションの入り口付近で、アルバイトの女性(25)のかばんを奪おうとしたとしている。
 森容疑者は、抵抗する女性の首を絞めたり投げ飛ばしたりしたが、女性が声を上げたため何も取らずに自転車で逃走した。女性にけがはなかったという。
色々と同情すべき点は多々あるように思うのですが、とりあえず最も同情を受けるべきなのは逃走に使われた自転車の境遇ではないでしょうか。
こちらもまた大きい人に関わる話題なのですが、これまた実生活上の不利益が極めて大きいと言う状況であるようです。
以前、オーストラリアに住むスイカサイズの陰嚢を持つ男タイロン・ボウドを記事にした(過去記事『睾丸がスイカサイズになってしまった男性 歩行困難になり感染症も発症し入院』)が、アメリカ・ミシガン州にも巨大な陰嚢を持つ男がいる。
その男性は、ダン・マウラー(Dan Maurer)40歳。彼は重量80ポンド(36キロ)の陰嚢を股からぶら下げて生活をしているというのである。
彼が異変に気づいたのは20代の頃。すぐに病院に行ったそうだが、太り過ぎが原因で痩せれば陰嚢の大きさも元に戻ると医師から言われたそう。医師の言葉を信じ、減量をおこなったダンだったが、体重は落ちても陰嚢は小さくなるどころかどんどん巨大化していったという。
このダンの巨大な陰嚢は、タイロン・ボウドと同じく陰嚢のリンパ浮腫である。リンパ管の閉塞によってリンパ液が溜まり巨大化してしまったのである。リンパ浮腫自体は体に悪影響はないが、ダンのように巨大化してしまうと細菌性の感染症などを引き起こす可能性がある。実際、以前紹介したタイロンは感染症を引き起こしている。
しかし、ダンにはこの巨大化した陰嚢をどうすることもできず、そのままの状態で生活を送るしかなかったという。当然妻との夫婦関係をおこなうことはできず、7年間にわたって禁欲生活を強いられていた。
しかし、あるときテレビで自分と同じ陰嚢リンパ浮腫の患者のドキュメンタリー番組を観たのだ。そしてダンは、この手の名医ジョエル・ゲルマン(Joel Gelman)に助けを求める。※この医師は以前記事にしたタイロンに助言をした医師でもあり、ダンがテレビで見た120ポンド(約54キロ)の陰嚢リンパ浮腫の手術をおこなった医師である。
そして、ついにダンの手術がカリフォルニア大学でおこなわれたのである。睾丸などを傷つけないよう慎重に手術がおこなわれ、手術時間は14時間にもおよんだ。手術は無事成功したのだが、ダンは合併症により肺の機能が低下、4日間酸素マスクを必要としたが、その後回復した。
そして、念願の7年ぶりの夫婦関係を、妻のミンディ(Mindy)とおこなうことに成功したという。
その悲惨極まる状況は元記事の画像をぜひ参照いただきたいところなのですが、まあしかし失礼ながらやはり巨大化していたのは陰嚢だけでは…
最後に取り上げますのはこちら、一転して小さいことを気に病んだ結果の悲劇と言うニュースです。
ソウル・江南(カンナム)の某泌尿器科で『男性器増大』手術を受けた30代の男性が、性器の一部を切除する事になったとし、病院側を告訴した。
ソウル・江南警察署は30日、「ソウル・江南の某泌尿器科で男性器増大手術を受けたAさんが最近、該当の病院の現職院長と医師を告訴した」と明らかにした。
警察によればAさんは昨年12月、この泌尿器科で男性器増大手術を受けた。しかし、手術後に痛みに苦められて結局、性器の相当部分が壊死する状況に至った。
その後Aさんは別の病院で性器主要部位の約90%を切除する手術を受けて、男性器増大手術を行った病院の現職院長と医師を医療過失容疑で告訴した。
警察は被告訴人としてその病院の院長と医師を出頭させて調査をした後、大韓医師協会に鑑定を依頼して事件を検察に送致した。
警察の関係者は、「大韓医師協会の鑑定結果が出れば、検察の捜査指揮を受けて再捜査を行う予定だ」と話した。
男であれば誰しも同情と共感を感じずにはいられないような事件なのですが、しかし90%とは大変なことですよね。
今後男性がどのような人生を歩むことになるのか予断を許しませんが、まさに人生の一大事とも取り返しのつかない悲劇とも言える重大事故であったと言えそうです。

味の嗜好には地域差も大きいもので、カップ麺の味が東西で違っていると言う話は有名ですが、こちら東京都内で讃岐うどんを掲げて営業されている店舗です。
もっとも最近では東日本にも西日本同様にセルフうどんチェーンが続々進出していると言いますし、こちらもごく当たり前の讃岐うどんのセルフ店形式で利用には全く違和感がありません。
こちらの冷たいぶっかけうどんも見た目は東京のうどんではなく讃岐風で、強いて言えばネギが白ネギなのが少し珍しい気がする程度でしょうか。
チェーン店のうどんとしては見た目の色艶、舌触りは合格水準で、食べて見ますとどちらかと言うと硬めのうどんでまあこんなものかですが、聞くところによれば普段はどちらかと言うとやわらかめのうどんであるそうで、チェーン店で日差が大きいのは割合珍しい気がします。
このぶっかけの汁は香川のぶっかけと考えると少し甘辛濃いめにも感じますが、倉敷(岡山)スタイルのぶっかけに比べるとこれもこんなものかと言うところでしょうか。
天ぷら類にもあまり地域性は感じられずで、茄子もごま油で真っ黒に揚げたと言うわけでもないごく普通の茄子天ですし、サクッと言うよりカリッとした食感の舞茸も値段相応ですよね。
唯一東京らしさ?を感じさせたのが妙に苦いお冷の味くらいだったのですが、値段も関西あたりでよくあるセルフ店とあまり変わらずですので、品川駅前と言う立地を考えると割安感はありそうですね。
しかし東京でこういうものを食べると今や味の地域差が減ってるのだなと思うのですが、某伝説ではありませんがいっそ東京なのだからうどんにも本物の蕎麦つゆを使ってみても面白いかもしれませんね。
ちなみに店舗としてはひとつながりのほぼ正方形の空間の半分がこちらの店舗で、残る半分は中仕切りをしてすき家さんが入っているのですが、間口が狭いせいか天ぷらコーナーも小さく種類も少し少ないようには感じます。
その代わりオーダーメニューの丼物が豊富なのはいいとして、うどん屋に入って出汁の匂いでなくカレーの匂いばかりと言うのもちょっと妙な感じでした。

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2015年12月 5日 (土)

各地で航空機へのレーザー照射事件相次ぐ

各地でたびたび報道されていることからいずれこういうことが起こるとは思っていましたが、先日とんでもない大事故が起こりかねない事態が発生していたと報じられています。

着陸中にレーザー照射、操縦士が目に大けが 英空港(2015年11月24日AFP)

【11月24日 AFP】英国航空操縦士協会(BALPA)は23日、英航空会社ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)の航空機が今春、ロンドン(London)のヒースロー空港(Heathrow Airport)に着陸した際、操縦室に向けて「軍用並みの強さ」のレーザー光線が照射され、副操縦士が片目の網膜に深刻な傷を負っていたことを明らかにした。

 副操縦士はその後、イングランド(England)北部シェフィールド(Sheffield)の病院に搬送され、以来、職務に復帰していないという。同副操縦士の氏名は、雇用をめぐる裁判が進行中であるため公表されていない。

 BALPAによれば、操縦士らがレーザーで攻撃される事例は、プレゼンテーションで使われるレーザーポインターの普及と出力向上に伴い、増加している。

ご存知のようにレーザー光線は非常に直進性もよくエネルギーも高いですから、間違っても人の目などに向けてよいものではないのですけれども、それでも各地でレーザー照射事件が続くと言うのは困った話で、いずれ何らかの規制なり技術的な対応が求められるようになるのかも知れませんね。
とは言えこの時点では普通に照射しただけでこうまでピンポイントで狙えるものか?と言う疑問もあったものの、いずれ確率論的に起こり得る事故ではあると考えていたのですが、その後日本各地でも同様に飛行機を狙った照射事件が相次いでいると報じられていて、一体どこの世界で流行っていることなのか?と思ってしまいます。

厚木基地周辺 航空機にレーザー照射70回以上(2015年12月1日NHK)

海上自衛隊とアメリカ海軍が共同使用している神奈川県の厚木基地周辺で、平成25年度からこれまでに、飛行中の航空機にレーザー光線とみられる光が当てられたという報告が70回以上あったことが海上自衛隊への取材で分かりました。
海上自衛隊によりますと、厚木基地の周辺では、夜間、飛行中の航空機に地上からレーザー光線とみられる強い光を当てられたという報告が平成25年度からこれまでに70回以上あったということです。このうち、自衛隊機に対してはおよそ10件で、ほとんどはアメリカ軍機に対するものだったということです。
海上自衛隊によりますと、これまでにパイロットらがけがをしたり着陸などの際のミスは起きたりはしていないということです。また、光が出ていたとみられる場所については特定できていないということですが、基地の北東の方向から出ているケースが多いということです。
(略)

普天間周辺米軍機にレーザー照射 県警が捜査、運用に脅威と当局者(2015年12月1日共同通信)

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の周辺上空の米軍機に対し昨年7月以降、レーザー光とみられる強い光線が計5回照射されていたことが30日、在沖縄米海兵隊への取材で分かった。県警は米軍から通報を受け、威力業務妨害の疑いで捜査を始めた。

 国土交通省などによると、国内で旅客機へのレーザー照射は多く確認されているが、米軍機を狙ったケースが明らかになったのは初めて。海兵隊当局者は「飛行の妨害行為は普天間の安全な運用にとって脅威だ」と懸念を示した。普天間飛行場は市街地に囲まれており、事故になれば、大惨事となる恐れがある。


小松基地でも飛行中の自衛隊機にレーザー光照射(2015年12月3日TBS)

 2日午後6時10分ごろ、航空自衛隊小松基地で、飛行中の自衛隊機に対し、レーザー光による照射があったことが関係者の話でわかりました。

 防衛省から国土交通省に対し連絡があったということで、航空自衛隊小松基地ではレーザー光による照射があったことを認めた上で、現在、詳細について調べているとしています。
(略)

陸自ヘリにもレーザー照射=北海道・丘珠駐屯地で3件(2015年11月3日時事通信)

 陸上自衛隊丘珠駐屯地(札幌市東区)で、飛行中のヘリコプターに対してレーザー光線が照射されていたことが、陸自への取材で2日、分かった。
 2014年度以降、3件確認されており、北海道警に通報したという。
 陸自によると、照射による事故やけが人は発生していない。
 航空機へのレーザー照射は、伊丹空港(大阪府豊中市)や米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)、複数の海上自衛隊基地でもあったことが明らかになっている。
(略)

単純に同時多発的に発生しているだけなのか、それとも何かしら組織的に行われていることなのかは何とも言えませんが、同じ方角から何十回も繰り返し照射されていると言うのはかなり意図的な行為を感じさせるもので、特に自衛隊や米軍関係に多発しているように見えることから何らかの政治的糸があるのでは?と感じる向きも多いようです。
もちろん民間機などにも同様に照射が行われていて、単純に軍用機ほどには気付かなかっただけだと言う可能性もあるのですが、こうした事が続くようですともちろん社会的にも対策を考えなければならないのは当然として、実はこのレーザー照射だけでは一概に犯罪と言えないのでは?と言う法解釈もあるようで、現状で社会的対応は簡単ではないのかも知れませんね。
特にたまたま誤って当たってしまっただけと言われると民事などはまだしも、刑事罰を問うためにはなかなか難しい部分もあるのかとも思うのですが、逆に言えば何らかの意図を持って行っている行為者にとっては免罪符になり得る攻撃手段であるとも言えるので、この件に関してはさらに捜査が進み社会的議論がなされていくことを期待したいと思います。

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2015年12月 4日 (金)

柔整大規模不正請求問題続報

先日は多数の人間が関係した大規模な柔整の不正請求が発覚し大騒ぎになったところですが、その続報が出ていたので紹介してみましょう。

聴取患者の9割虚偽施術 架空や水増しで不正受給か(2015年11月30日共同通信)

 暴力団組長らが療養費を不正受給したとされる事件で、請求に使われた健康保険証の名義人から警視庁が事情を聴いたところ、うち約9割は実際に施術を受けておらず、架空や水増し請求とみられることが27日、警視庁組織犯罪対策4課への取材で分かった。同課は、初めから不正受給目的で接骨院を設立したとみて調べている。

 組対4課によると、指定暴力団住吉会系組長三戸慶太郎(みと・けいたろう)容疑者(50)=詐欺容疑で逮捕=が実質的に経営していた「杉並すこやか接骨院」は、2011年6月に開業を届け出て13年10月に閉鎖するまでに、約350人を施術したとして計約2700万円の療養費を受給していた。

 警視庁はこのうち約220人から事情聴取。その結果、実際に施術を受けたのは約1割で、少なくとも約1800万円は不正受給の疑いがある。

 ともに逮捕された早川和男(はやかわ・かずお)容疑者(38)らが、患者役から集めた保険証のコピーを使うなどして虚偽の申請書を作り、自治体などに請求していたという。不正請求の総額は、ほかの接骨院や歯科医院なども含め1億円超に上るとみられる。


「タダで診療」 協力者に芸能関係者も 療養費不正請求(2015年11月26日朝日新聞)

 暴力団員らが総額1億円以上の療養費と診療報酬を不正請求したとされる事件の構図が、警視庁への取材でわかってきた。健康保険が適用されない自由診療をタダですると持ちかけて1千人近くまで協力者を増やし、得られた患者情報でうその請求を繰り返す――。協力者には芸能関係者らも含まれていた。

 警視庁は今月、東京都杉並区の接骨院を摘発、指定暴力団住吉会系組長(50)や会社役員(38)ら16人を詐欺容疑で逮捕した。指南役とみられる会社役員は、弁護人に「グループでは自分が始めた手口」と説明し、こう漏らしたという。「どんどん広がり自分の知らない人にまで拡散した

 大手芸能事務所に所属する30代のお笑い芸人の男性も、「患者役」の一人だった。捜査関係者によると、この男性はアルバイト先の客に「モニター登録すれば無料でマッサージが受けられる」と誘われて接骨院に通うようになったという。

 ある女性は「美容注射が無料で受けられる」と聞き、都内の美容外科医院を訪れた。院長は、テレビのバラエティー番組に出演していた女性医師が務めていた。都心繁華街で飲食店紹介業をしていた30代男性は、「国の助成金を使って歯のホワイトニングを受けないか」と言って客の女性らに千葉県内の歯科医院を紹介した。

 いずれも暴力団員らのグループの関与が疑われ、警視庁が詐欺容疑で捜査している。
記事にもあるように大部分が実際の受診事実がない架空請求なのですが、一方で数少ない実患者にとっては実は患者にも施設側にも共にメリットがあるいわばwin-winの関係になっていることに留意いただきたいと思います。
いわゆる反社会的団体が大々的に関与しているだけにマスコミ諸社の食いつきはいいようで、これを機にかねて言われてきた柔整問題に関して切り込む記事も散見されるようですが、久しく以前から同じ保険診療扱いで行われているにも関わらず、医科と比べて非常に審査が甘いのではないかと指摘されていた中で、言ってみれば起こるべくして起こった事件とも言えそうです。
最近になってようやく各地でこの柔整レセプトの審査を厳しくすべきだと言う声も出ているようですが、興味深いのはお金を出す側であるはずの国や自治体がこの問題に関しては何故か及び腰の姿勢であるように見えることで、今回の事件などはまさに審査の甘い国保を狙い撃ちにしていたと当事者が語っているのですから、本来であれば騙された自治体の側が一番大騒ぎしていなければおかしいのではないかと言う気がします。
この点に関しては単純にそこまで審査の手数が足りないと言う当事者の意見以外にも、昔からこの問題をどうこうしようとすると決まって政治家が介入してきて云々と言う話も漏れ聞こえてくるのですが、限られた診療報酬をいわば奪い合う形になっている競合業界の医療側からの改善要求は日増しに強くなってきているようです。

柔整問題、「大きな制度改革を提案すべき」2015年度日本臨床整形外科学会シンポジム(2015年11月30日医療維新)

 日本臨床整形外科学会のシンポジム「保険者側からみた療養費制度の問題点」が11月29日に東京都内で開催された。基調講演では、前参院議員で日本医師会総合政策研究機構客員研究員の梅村聡氏が「受領委任払い制度は、大きな制度改正の中に位置付けることが重要」、九州大学大学院医学系学府医療経営・管理学専攻教授の馬場園明氏が「撤廃には保険者が勇気を持って立ち向かうべき」と訴えた。

 医師で、民主党政権下で厚生労働大臣政務官を務めた梅村氏は「受領委任払い制度を巡る政治・行政の動き」と題して講演。自身の体験を交えて、柔道整復師に特例的に認められている受領委任払い制度(施術料金のうち、患者負担分は患者請求、残りの保険負担分については、柔整師が患者に代わって保険者に請求できる制度)について、「改善を求めても、役人は『糠に釘、暖簾に腕押し』。大多数の政治家も巻き込まれたくないと言うのが本音のところ」と説明した。
(略)
 その上で、「受領委任払い制度の廃止を主張しても良いが、メーンにするのは逆効果で、すぐにできる解決策を提供して味方にしてしまうことが大切」と訴えた。厚生労働省が国家資格である柔整師の合格者数 や医師の医籍に当たるような資格管理をしていないことを問題視(医師、薬剤師、看護師などは厚労省が管理しているが、柔道整復師は厚労省の委託により「公益財団法人 柔道整復研修試験財団」が管理)。受領委任払い制度を「届け出」から「許認可」にしたり、斡旋紹介料の規制をしたりするなどの管理の厳格化を提案した。
(略)
 会場からの発言者の一人は「毎年同じ議論がされ、前に進んでいない。既得権は役人、政治家では壊すことができない。大きい制度改正をぶつけることが大切」と賛成した。また、「まともな医療を守る権利」と位置付けて、国民に訴えていくことが必要では、という意見も寄せられた。
(略)
 梅村氏の講演に先立ち、馬場園氏は「日本の公的医療保険制度の問題点」と題した基調講演で、国民皆保険制度の成り立ちと現状を解説。急速に進む高齢化や非正規社員の増加といった雇用形態の変化などを背景とした制度の見直し状況を説明し、「日本の社会保障財政は危機的な状況であり、優先すべき医療行為と自費で対応すべきものを峻別する時代に入っている」と主張した。

 柔道整復師に特例的に認められた受領委任払い制度も、「ほとんどが初診時に白紙の療養費申請書にサインをするようになっており、不正やごまかしが起こりやすい」と指摘。「適切な医療行為であるかの判断がなされておらず、撤廃が望ましい」と訴えた。
(略)

ちなみに国民医療費の中に占める柔整の割合はおおむね1%程度と言いますが、これがどの程度の数字なのかと言うとおおむね病院ではない一般診療所での入院医療費と同程度、訪問看護の4倍くらいだと言いますから多いのか少ないのか、医療費支出の中で少なくとも大金を投入されている領域ではないのは確かですよね。
そして興味深いのは年々医療費が増え続けている中でこのところ柔整への支出は減少傾向を続けていて、毎年多くの新規参入者が流入してくる市場においてひとり当たりの取り分は年々低くなっていっているそうで、確かに流行っているところもあるにせよあっと言う間に廃業する施設も結構見かける気はしますけれども、国や自治体なども次第に審査等も厳しくしてきていることの反映と捉えることも出来るかも知れません。
医科にとって柔整問題と言えば一つにはいい加減な医療(類似)行為をしていると言う単純な不信感と、そして医科があれだけ厳しく査定され診療報酬も削られる中で柔整だけ底抜けのザルとは何だと言うやっかみとが入り交じったものだと思いますが、こうした問題はやはり公平性と言うものも非常に重要であるだけに、せめて審査くらいは少なくとも医科並みにと言う主張にはそれなりに妥当性があるようには思いますがどうでしょうね。

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2015年12月 3日 (木)

投票所で暴れると当然ながら逮捕されます

先日は大阪で知事選がありましたが、その投票所内でこんな暴力事件が発生したと報じられていました。

投票管理者の「ご苦労さんです」に激高 「机の角を脳天に突き刺すぞ!」 会社員を逮捕(2015年11月23日産経新聞)

 大阪府知事選の投票所で投票管理者を殴るなどしたとして、大阪府警は23日、公職選挙法違反(投票管理者への暴行等)容疑で大阪府茨木市の会社員の男(47)を逮捕した。「今回のことはやり過ぎました」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は22日午後7時45分ごろ、市内の投票所で机をひっくり返した上、投票管理者の70代男性の左側頭部を右手で1回平手打ちにし、「机の角を脳天に突き刺すぞ」などと脅迫したとしている。

 府警によると、男は投票管理者が投票に訪れた有権者に「ご苦労さんです」と声をかけていたことに激高。「『ご苦労さんです』という言葉は目上の者に使う言葉ではない。俺は大阪府民として当然の権利を行使してるんや。謝れ」などと因縁を付けたという。

 当時現場には市職員や投票者ら約10人がいた。男は現場から立ち去ったが、通報を受けた府警が捜査を進め、翌23日に逮捕した。

今ひとつイメージが湧かない方もいらっしゃるかと思いますが、別ソースによれば「「『ご苦労さん』というのは目上の人が目下の者に使う言葉だ。『お疲れさま』だろう。オレはお前の目下の者か。謝れ」と怒鳴りながら机を投げ飛ばした。さらに、管理者の頭部を平手打ちし、「もう1回やったら机の角を脳天に突き刺すぞ」と脅迫した」のだそうですから相当なものです。
一部方面で流通していると言う大阪という地域に対するイメージを確固たるものにする話だ等々、ネット上ではこの事件に対して様々な見解が出ているのですが、もちろん当事者の行動が最大限控えめに言ってもちょっと普通ではないと言う点には異論がないとして、そもそも何故こうまで暴れたのかと言う点が気になりますよね。
一般的には「おつかれさま」とは立場が下の人間から目上の人間にかける言葉であり、「ごくろうさま」とはその逆に用いられるとされていて、ビジネス書などでは「とにかくおつかれさまで統一しておけば間違いない」的なことを書いているものもあるそうですが、むしろ本来的にはごくろうさまこそ目上の人に使うべきだと言う意見もあるようで、厳密に考えると何が正解とは言い難いものがあります。
ただ社会的慣習として今現在はおおむねそうなっていると言うことは事実上言えるとは思うし、実際問題そう指導されてきたと言う方々も多いと聞きますが、いずれにしても他人に失礼だと感じる言動をされたから好き放題暴れていいかと言えばそんな馬鹿げた理屈はないのであって、こんな批判的な記事が出てくるのも当然と言えば当然でしょう。

ご苦労さん」は失礼なあいさつなのか? 大阪知事選の投票所で47歳会社員が激怒(2015年11月25日BLOGOS)

(略)
「お疲れ様」と「ご苦労様」は、確かにビジネスマナーとして使い分けが注意される言葉とされることもある。違いが分からない新入社員が役員に「ご苦労様です」と言って叱責された、という例は枚挙に暇がない。
今回の場合も、接客サービスの感覚でいえば「投票者が上で、管理者が下」と言えるかもしれない。しかし対等な関係として「ご苦労様」でも問題ないという見方もできる。少なくともマナーに対する認識の違いであって、管理者の悪意が感じられるほどのものでもない。
このニュースを知った人からは「いくらなんでもブチ切れ過ぎだろ」と驚くとともに、あいさつの言葉から「上下関係」を過剰に感じ取って暴力に走る男を非難する声が相次いだ。

    「自分で自分のことを目上だって言う奴にはろくな奴いない
    「『お客様は神様』と自分で言い出すタイプだな。ああ、やだやだ」
    「選挙管理委員会の人は下じゃねーぞ?っていうか、飲み屋でも、客は客で、店員との上下関係なんて無い。いまだにこういうバカがいるのかよって気持ちになる」

中には70歳の投票管理者の方が「人生の先輩なんだから目上だな」という意見も。47歳男の謙虚さが足りなかった、ということだ。

「ご苦労」「お疲れ」の使い分けマナーに根拠なし?

この男と同様に「ご苦労様」を使うのは不適当と考える人もいるようだ。ネット掲示板には「いきなりご苦労さんですなんて言われたらイラっとくるわ。お前は何様のつもりなんだよって思う」という書き込みが見られる。
Yahoo!知恵袋には、2004年の質問として「『ご苦労様でした。』と市役所の職員に言われ…」という投稿があった。期日前投票をした際、市の職員から「ご苦労様でした」と言われたが、「それは目上の人は目下の人に使うものなのではないのか」と疑問に思ったという。
しかし、これらの使い分けマナーも、実は確かなものとは言えないようだ。三省堂国語辞典編集委員の飯間浩明氏(@IIMA_Hiroaki)はツイッターで「ご苦労さまは目下に、お疲れさまは目上に」というマナーは、歴史的に見て根拠がないと指摘している。
飯間氏によると、「ご苦労」は江戸時代にも臣下が主君に対する場面などで使われ、現代でも警察・自衛隊などでは改まったあいさつとして「ご苦労さま」が使われているという。投票管理者が「ご苦労さん」と言ったのは、この感覚のようだ。
一方、「お疲れさま」はずっと新しい言葉で、元は芸能界の言葉ともいわれているという。目上にもふつうに使っていたという。誰かが任意で決めたビジネスマナーが杓子定規で用いられ、それを知らない人を「非常識」と非難する――。世知辛いこと、この上ない。そんな理由で労をねぎらう言葉が伝えにくくなるとすれば、本末転倒というものだろう。

記事にもあるようにはるか年長者なのだから別に目上で間違いではないと言う考え方もあるのだろうし、語源的にも目上に対して使っても何ら問題がないとも言うのですからどこまで言っても加害者が悪かったで終わってしまう話なんですが、ただ投票所で管理者が投票者に言葉をかけると言うのは基本的に業務外の行為で、この場合も恐らくマニュアルなどは定まっていなかったのだろうと思いますね。
個人的にはこの場合「おつかれさまです」などと言われる方が違和感を感じるのではないかなとは思うのですが、とは言え投票を円滑に進めるのが仕事ではあるならそれを最優先に考えるべきなのだろうし、モンスターだクレーマーだと言われる手合いが世の中一定数いることも考えると、徹底的にマニュアルを固守して余計なことはしないと言うのもまあ間違いではないのでしょうね。
しかし最近は違うようですがかつてお役所だのの類と言えば無愛想を絵に描いたような対応で見ていてあまり面白いものではなく、それもこうしたトラブルを招かないための自己防衛的な行動であったと考えるならなるほど合理的ではあるのでしょうが、時に多少の言葉のひっかかりはあっても普通にあいさつくらいは交わせる方がトータルで見ると快適性が高い社会になりそうには感じます。

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2015年12月 2日 (水)

リスクが判っていれば対策を…とは通常なら推奨されることなのですが

近年様々な不妊医療の進歩とも絡めて、いわゆる高齢出産と言うものが増えてきた一方でその弊害も様々にあると言うことが次第に知られるようになりましたが、高齢出産に限らず出産においては一定程度の確率で何かしら産まれもってのトラブルがあることが知られていて、しかも今や出生前診断の進歩でこうした異常がかなりのところまで調べられるようになってきているのは周知の通りですよね。
こうした手段の進歩に伴い検査を受けるべきかどうかと言うことももちろん一つの決断を要することなのですが、それ以上に検査で異常が見つかった場合どうすべきなのかと言う議論もあって、例の新出生前診断が始まってから1年間で最終的に追加検査で異常が確定した妊婦のうち、実に97%が妊娠中絶を選択したと言うデータがあります。
もちろん何があっても中絶しないと言う考えの人は最初からこうした検査を受けないだろうと言うバイアスもあるはずですから、これが直ちに「子供の産み分けケシカラン!」「障害者差別はやめろ!」と言った議論の行方を左右するデータとも思えませんが、やはり知れるものであれば知っておきたいし予め対策も講じたいと考えるのは何であれ人情と言うことなのでしょう、先日こんな事件があったと報じられています。

「障害わかれば」発言、県教育委員が辞職…茨城(2015年11月24日読売新聞)

 茨城県教育委員の長谷川智恵子氏(71)が県の会合で「妊娠初期に(障害の有無が)もっとわかるようにできないか。4か月以降になるとおろせない」などと発言した問題で、24日、臨時教育委員会が県庁で開かれ、全会一致で長谷川氏の辞職に同意した。

 長谷川氏は同日付で正式に辞職することになった。

 委員会は非公開で行われた。小野寺俊教育長は委員会後、報道陣に対し「改めて、教育委員としての職責の重さ、発言の与える影響力の大きさについて再認識していただきながら、委員会活動の更なる充実に向け取り組んでいただきたいと話した」と述べた。また、県内の特別支援学校で教室が不足している状況を解消するため、新校の設置などを進める考えを改めて示した。

 長谷川氏は18日、県庁で行われた県総合教育会議に出席。橋本知事が会議終了間際に自由な意見を求めた際、県内の特別支援学校を視察したことに触れ、「(学校では)ものすごい人数の方が従事しているし、県としても大変な予算だろうと思った。生まれてきてからじゃ本当に大変ですね。一生がありますから。小中高の間は預けられるけれど、その後は親、きょうだいが見ることになる」などと発言した。長谷川氏は19日に発言を撤回して謝罪し、20日に知事らに辞意を伝えていた。

 県教委によると、24日夕方までに、意見の電話やメールなどが計838件寄せられたほか、「辞職すれば許される問題ではない」などとして、抗議文を提出する団体もあった

報じられている発言を見る限りでは少なくとも事実関係から外れたことは言っていないように聞こえますし、実際にこうした意見を持っている方々は決して少なくないのでしょう、当初は知事も問題ないと言っていたようなのですが、一部の方々にとっては極めて許し難い発言であるように受け止められているようで、結局は短期間で辞職にまで追い込まれたと言うことになっています。
もちろん教育委員会の委員としてコストがかかるから少しでも安くあげられるように原因対策が出来ないか、とも受け取られるような発言が妥当なのかどうかと言う点もあるのですが、どうも世間の反応を見るとそうした観点からと言うよりも単純に許せない、考え方が間違っていると言う声の方があるようで、出生前診断や妊娠中絶の是非とも絡めて論じる方もいらっしゃるようですね。
この辺りは例によって何が正解と言うことはなく、人それぞれの考え方がある問題なのだと思いますが、ちょうどそんな議論が盛り上がっている絶妙のタイミングで、以前から産科領域で先鋭的な活動を続けられてきたあの先生がこんな発表をしたと言うのですから、それは話題にもなりますよね。

異常ある胎児「減胎手術」57例 医師発表(2015年11月26日日テレニュース)

 長野県の産婦人科の医師が複数の胎児を妊娠した際、異常のある胎児を選んで中絶する「減胎手術」を57例行っていたことを明らかにした。

 「減胎手術」は、通常、複数の胎児を妊娠した際に出産の危険があるなどやむを得ない場合に行われているが、法律で規定はなく、厚生労働省の審議会は、遺伝子診断などで減胎する胎児の選別を行ってはならないとしている。

 しかし、26日開かれた日本受精着床学会で、長野県下諏訪町の諏訪マタニティークリニックの根津医師は、これまでに1130人に対して減胎手術を行い、このうち、57人については染色体の異常などが分かった胎児を選んで中絶したと発表した。

 また、根津医師は、検査で胎児の染色体異常が分かり、減胎手術を求めるケースが相次いでいると話し、法整備を行った上で減胎手術を安全に行える環境を整えてほしいと訴えた。

これまた多胎妊娠がリスクを増すと言うことは純然たる医学的な事実であるのだろうし、明らかにリスクを増す状態に対して予防的に処置を行っていくと言うことは医学の世界では日常的に行われているわけですから、同様の考え方であればこれも合理的な判断であるとは言えると思うのですが、それでは合理性があれば際限なく行ってよいのかと言われるとなかなか判断の難しい問題ですよね。
高齢妊娠などでは先天異常の増加リスクに対して、もともと妊娠、出産の確率が低い状況での妊娠であることが中絶と言う選択枝に対するいわば抑制力となっているとも言えると思いますが、仮に多胎妊娠で胎児を選別できると言うことになればこうした心理的敷居はかなり下がってくる可能性もあるのかも知れずですし、体外受精で多数の受精卵をまず母体内に戻しておいて選別していく方が合理的だと言う考え方も出てくるかも知れません。
今のところ妊娠確率にさしたる差がないだとか多胎妊娠のリスクといった諸点を考慮して通常受精卵は一つだけ戻すと言うことなのですが、技術的な進歩に伴い胎児の選別が安全確実に行える状況になってくれば技術的な障壁は低くなるわけですし、自然に多胎妊娠することも当然あるのですから、やむを得ない場合にたまたま特定の条件を備えた胎児が選んだかのように中絶されていくと言う状況が今後、次第に増えていくことになるのでしょうか。

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2015年12月 1日 (火)

社会保障費は減らすが医療介護の人員は増やすとどうなるか

すでに財務省の諮問機関である財政審から社会保障費の増加を5000億円までに圧縮すべきと言う話が出ていて、先日の記者会見では麻生大臣その人からも5000億円と言う数字が念押しされたと報じられていましたが、その一環として薬価関連以外にも診療報酬のいわゆる本体部分も含めてマイナス改定が既定路線であるだとか、様々なニュースが連日報じられています。
はるか以前から財政再建が急務であると言われながら各方面への点数稼ぎめいたばら撒きで一向にそれが進まない中で、何であれ聖域を作らず支出抑制を図ると言うことはそれはそれで重要かつ緊急の課題ですし、総体としての金額の多い少ないだけでなくその中身にも目を向けての議論をするべき時だとは思いますが、その一方でこんなニュースが出ていると言うことにも注目しておきたいですよね。

政府、介護と保育の受け皿拡充 総活躍の緊急対策決定(2015年11月26日47ニュース)

 政府は26日、「1億総活躍社会」に関して閣僚や有識者による「国民会議」(議長・安倍晋三首相)を官邸で開き、緊急対策を決定した。家族の介護を理由とする離職をなくすため、2020年代初頭までに特別養護老人ホームなどの介護サービスを50万人分増やすと明記。待機児童解消に向けた保育の受け皿50万人分と合わせ、計100万人分の整備を掲げた。

 20年ごろに「名目国内総生産(GDP)600兆円」を目指し、最低賃金引き上げや低年金者への給付金も盛り込んだ

 首相は会議で「内閣の総力を挙げて直ちに実行に移していく」と強調した。

「介護離職ゼロ」へ処遇改善に努力(2015年11月29日NHK)

NHKの「日曜討論」で、加藤一億総活躍担当大臣は、安倍総理大臣の掲げる「介護離職ゼロ」に関連し、介護施設の人手不足の解消に向けて、実態を調査するなどして処遇の改善に努める考えを示しました。
この中で加藤一億総活躍担当大臣は、一億総活躍社会について、「社会保障や子育て支援がしっかり行われることによって将来の展望が見え、消費や投資を拡大していく。成長と分配の新しい循環をしっかり作っていこうというものだ」と述べました。そして、加藤大臣は、安倍総理大臣の掲げる「介護離職ゼロ」に関連し、「介護現場の職員がいなくなり、サービスが十分提供できなくなれば、結果的に自分でやらざるをえない。そういう意味で、介護の現場で働いている方々の処遇改善も必要だ」と述べました。
そのうえで加藤大臣は、「介護報酬改定で賃金を月額で1万2000円上げるような制度も作っており、どこまで実行されているか調査する」と述べ、介護施設の人手不足の解消に向けて、実態を調査するなどして処遇の改善に努める考えを示しました。また、加藤大臣は、「希望出生率1.8」に向けた保育の受け皿作りに関連して、「小学校の先生や幼稚園の先生ですでに辞めている方など、ある程度ノウハウを持っている方にも支援していただくことを考えていきたい」と述べました。

一昔前に盛んに言われた医療主導の経済成長戦略などと言うものは今さら誰も本気にしていないでしょうが、社会的需要を考えてもまだまだ当分は医療・介護領域は国内諸産業の中でもトップクラスの成長が見込める有望株であって、失業率が低下しているとは言えまだまだ不景気からの脱出が捗っていない日本としては本来なら有望な雇用先として守り育てていくべき業界であると思えますよね。
実際に国としてもこうして更なる人材の集積を進めていきたいと言う考えを持っている以上、今まで以上に医療・介護で働く人を増やしていくと言うことだと理解出来ますが、一方で医療・介護領域と言えば基本的に全国一律の公定価格で運営されていて、しかもその総支出額に関してはこれ以上の増加はまかりならん、むしろどんどん減らすべきだと言い出しかねないのもこれまた報じられている通りです。
さてそうなると労働者はどんどん増えていくのに業界としての収入は抑制されるとなれば、ひとり当たりの稼ぎや収入は今後どんどん減っていくだろうと言うのは小学生でも判りそうな計算なんですが、その点で先日日医会長が国を挙げて労働者の賃金上昇をと叫んでいる中で「医療従事者だけ賃金上昇が無い、低賃金でやりなさいということになりかねない」と発言していると言うのは、事実関係に関して言えば全く正しそうだと思えてくる話です。

そもそも介護などは今でさえ重労働、安月給でどんどん離職者が出ていて、どんなに仕事がなくても介護だけはやりたくないと言う人が続出しているだとか、学校の教科書にすら介護は重労働で低賃金だと書かれているだとか様々な伝説があるわけですが、社会保障費は削減する一方で人は増やし給料も上げますと言うからには、どこからかそのお金を作り出してこないわけにはいかない理屈ですよね。
この点で医療における混合診療導入の是非などが昨今盛んに議論されているのも非常に示唆的だと思うのですが、要するに公定価格以外の部分で現場が勝手に儲ける分には別に公的支出は増えないし、利用者から最近料金が値上がりしたと各施設にクレームが入れられることはあっても国が文句を言われることはないと言う計算もあるのかも知れません。
もちろん医療業界内にも無駄は幾らでもあって、例えば例のマイナンバー導入に伴い地域内の医療機関で患者の医療情報を共有しようと言う話もあって、これなどは病院が変わるごとに何度も同じ検査をする無駄や治療の重複などが避けられるアイデアだと思いますけれども、これらも当然導入には相応の初期コストがかかるだけに、誰のお金でそれをやるかと言うことも今後紛糾しそうな話ですよね。

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