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2015年11月 4日 (水)

高齢者暴動ドライバーによる重大事故にみる現状の問題

先日以来話題になっているのが宮崎での歩道暴走事故のニュースですが、その後の続報で事件の背景事情が次々と明らかになってきています。

<宮崎暴走>男性、認知症の治療中 外出を家族気付かず(2015年10月30日毎日新聞)

 宮崎市中心部で軽乗用車が歩道上を約700メートル暴走し、歩行者ら7人が死傷した事故で、宮崎県警は29日、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)容疑で、車を運転していた鹿児島県日置市の男性(73)の自宅を家宅捜索した。県警は男性が認知症の治療を受け、今月26日まで入院していた他、てんかんの病歴もあったとの情報を得ており、事故原因との関連について慎重に調べている。

 捜査関係者によると、現場には目立ったブレーキ痕がなかった。男性は事故時、意識があったが「歩道と車道を間違えたのか」など警察官の質問には何に対しても「はい」としか答えなかった。男性は28日朝、同居の家族が気付かないうちに自宅を出ていたという。

 男性は事故後に外傷性くも膜下出血で宮崎市の病院に入院している。県警は男性が受診した医師らから治療状況など事情を聴く方針。

 男性の軽乗用車は28日午後、宮崎市のデパート前交差点からJR宮崎駅前まで暴走。6人がはねられ、同市の無職、藤本みどりさん(66)と会社員、高木喜久枝さん(50)の2人が死亡し、17~68歳の男女4人が重軽傷を負った。【尾形有菜、宮原健太】

宮崎の暴走車事故 数年前から認知症、てんかんも(2015年10月30日日刊スポーツ)

 宮崎市中心部で軽乗用車が暴走し歩行者ら男女7人が死傷した事故で、車を運転していた鹿児島県日置市の職業不詳川内実次さん(73)が数年前から認知症の症状が出ていたり、過去にてんかんで倒れていたりしたことが29日、分かった。

 てんかんは薬で発作を抑えることができ、適切な治療を受けていれば運転に支障はない。宮崎県警は認知症やてんかんの治療状況を調べる。県警は同日、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の疑いで、川内さんの自宅を家宅捜索。宮崎に来た経緯などについても家族らから話を聞く方針だという。

認知症“発症後”に数回の事故 宮崎市暴走(2015年10月30日日テレニュース24)

 宮崎市で車が暴走し、6人が死傷した事故で、運転していた73歳の男性は認知症の症状が出た後、複数回、事故を起こしていたことが捜査関係者の話でわかった。

 この事故は28日、軽乗用車が宮崎市の歩道を約700メートルにわたって暴走し、歩行者を次々とはね、女性2人が死亡、男女4人が重軽傷を負ったもの。捜査関係者によると、運転していた男性は数年前から認知症の症状があり、また、てんかんの病歴もあるという。さらに、認知症の症状が出た後に、数回にわたり交通事故を起こしていたことが新たにわかった。

 警察は、事故と認知症との関連について調べを進めている。

当初報道では車道と歩道を間違えて云々と言うように報じられていたことをご記憶の方も多いかと思いますが、その後の調べによればどうやら事故当時は真っ当な受け答えも出来る状態ではなく、なんにでもただうんうんと頷くことしか出来なかったことから「車道と歩道を間違えたのか?」と言う問いかけにも「うん」と答えたと言うことであったようですね。
ただ仮にそうした間違えがあったにしても人が前方にいれば減速なり停止なりするのは車道と歩道とを問わず当たり前のことですし、何人もの人をはねながら全く減速する様子もなく数百メートルを走りきったと言うことですから、いずれにしても事故当時は運転に不適格な状態であったと判断するしかありません。
こうした場合泥酔していた方が心神喪失等々と言われ罪が軽くなるのではないかと言う懸念から、近年危険運転致死傷罪など様々に法改正が行われてきた経緯があり、てんかんなどの疾患による危険運転に対しても治療を怠るなどの場合罪に問われるようになっていますが、認知症に関しては治療による改善が出来ないからかそもそも運転をしていいかどうか判断もできないと言う理由なのか、こうした罪の適用範囲になっていないようです。

先年発生した栃木のクレーン車事故をはじめてんかん患者による重大事故が相次いだことを受けて、運転に支障のある状態に陥る可能性のある一部疾患に対する免許の規制が強化されたところですが、他方では認知症高齢者の高速逆走問題なども問題になっていて、今回こうして複数のリスク因子が重複したうえでの重大事故となったわけです。
当然ながら世間では基礎疾患持ち、認知症持ちのドライバーからいかに免許を取り上げるかと言うことが議論になっているわけですが、改正された道路交通法によっても認知症チェックの対象になるのは75歳以上の後期高齢者であり、それも運転免許更新の時にはじめてと言うことですから、いずれにしても今回のケースでは防ぐことが出来なかった道理です。
こうした諸点からすると社会的に見れば認知症老人にひかれればひかれ損とも言われかねない状況なのですが、こうした場合には民事訴訟で家族の管理責任を問うと言う形で賠償金を得る道は残されているとは言え、家族も高齢であるとか身寄りのない老人など現実的に賠償能力のない家庭も少なくないだけに、現状の3年に一度の免許チェックだけでいいのか?と言う声は高まりそうですね。

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コメント

轢かれ損としか言いようがない

投稿: | 2015年11月 4日 (水) 08時01分

轢かれて得する事なんかねーでしょ?、と学生時代赤信号停止中に追突してくれた親切な会社員からふんだくった20万円を頭金にしてロシアに釣りに行ったおいどんが呟いてみるてすつ

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2015年11月 4日 (水) 09時43分

轢かれた側は天災に遭ったのと同じ説

投稿: | 2015年11月 4日 (水) 11時13分

今回の盲点と言うのでしょうか、運転機会が少なくゴールド免許だがハイリスクなドライバーにどういう名目で定期チェックを入れていくべきなのか、制度的にももう少し煮詰める点はありそうに感じました。

投稿: 管理人nobu | 2015年11月 4日 (水) 13時02分

交通事故の当事者は、事故のたびに検査あるいは受診状況の調査を実施したほうがいいのではないかと思います。
あと、今回の事故の運転手は外傷性くも膜下出血を起こしていたようですので、その状況でどの程度まともな受け答えができたかどうかも気になります。

投稿: クマ | 2015年11月 4日 (水) 13時20分

>交通事故の当事者は、事故のたびに検査
まったくもって同感! 免停時に義務付けられている講習に
セットもので抱き合わせれば良いだけの話でしょうから。
更に言うなら車検や、免許更新時にも「異常なし」の証明がなければ
話が前に進まない形にすれば、もっと実効性が上がるか と。

投稿: | 2015年11月 4日 (水) 15時32分

似た車が立往生 関連を捜査

先月28日、宮崎市中心部の大通りで軽乗用車が歩道を暴走し、7人が死傷した事故で、
事故の30分ほど前に事故を起こしたのと良く似た軽乗用車が現場から10キロあまり離れた
国道上で立ち往生しているのを近所の人が見ていました。
警察は同じ車の可能性もあるとみて関連を調べています。

良く似た軽乗用車が立往生していたのは事故現場から
およそ13キロ離れた宮崎市高岡町の国道10号線です。
近所の男性によりますと事故が起きる30分ほど前の先月28日午後2時半ごろ、
白っぽい色の軽乗用車が大きなエンジン音を立ててセンターラインの付近に止まっていたということです。
運転席では高齢の男性がまっすぐ前を向いたまま、ギヤがニュートラルの状態でアクセルを踏み込んでいて、
話しかけても反応がなかったということす。

軽乗用車はしばらくして宮崎市中心部の方向に猛スピードで走り去ったということで、
男性は車で後を追いましたが見失い、事故のあと、近くの警察署に届け出ました。

警察は、立往生していた場所から国道を道なりに進むと事故現場に到達することや、
運転していた高齢者の特徴などから、事故を起こしたのと同じ車の可能性もあるとみて関連を調べています。

目撃した男性は
「車から降りてくださいと声をかけてもうつろな様子で前を見たままで、
どこかで事故を起こすのではないかと感じましたが、
今から考えればすぐに警察に通報すれば良かったと思います」
と話していました。

投稿: | 2015年11月 6日 (金) 07時30分

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