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2015年10月 9日 (金)

囲い込みと言うことに関連した二つの話題

このところ一部方面から問題視されている介護サービスのいわゆる囲い込み問題に関連して、先日厚労省がこんな対策を講じると言う記事が出ていました。

厚労省、介護「囲い込み」を是正 偏重ケアマネの減給厳格化(2015年10月6日産経ビズ)

 厚生労働省は2015年度から、介護事業者が利益獲得のために高齢者の意に反してサービスを利用させる「囲い込み」の是正に乗り出す。高齢者の利用計画を作るケアマネジャーが、偏って特定の提供事業所を紹介している場合に介護報酬を減額する。税金や保険料などで賄う介護費用の無駄につながっていると判断した。ケアマネは、本人や家族の希望に基づき公正、中立的に計画を作成する役割を求められている。ただ一部で、自ら所属する法人や親密な事業所に誘導し、過剰に利用させるといった悪質例がある。

 是正策では、紹介サービスの80%超を同一事業所が占める場合、利用1人当たりのケアマネの報酬を月2000円減らす。現行では偏りの割合が90%を超えれば対象で、9月から厳格化する。

 また、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームなど、高齢者向け集合住宅での訪問サービスでも4月から報酬を減らす。直接的には移動コストが小さいことが理由だが、事業者が入居者を囲い込んで利益を稼ぐことを防ぐ効果も見込んでいる。

以前に朝日新聞が高齢施設入所者を医師に紹介し手数料を取る商売を取り上げたことがありますし、先日は都内で生保受給希望者に特定クリニック受診を受給の条件であるかのように話していたと言う報道もありましたが、判断力の低下した方々に半ば強制するように特定の方法論だけを押しつけると言うやり方はまあ、一般的には批判されやすいものではないかとは思います。
もちろんこの辺りも色々な個別の事情もあっての場合もあり、例えば施設の選択肢が限られる地域ではこの種の方々はここの施設でなければ引き受けてもらえないと言う場合もままあるわけですが、囲い込み行為で紹介料なりバックマージンなり利益を得ていると言うのであれば世間の批判の目線は受けるだろうし、悪質なケースには当然に何らかの規制も必要でしょうね。
その意味で今回同一事業所が80%以上と言う非常に偏った紹介の場合に罰則と言うのは悪質なケースに対する規制の実効性と言う点でもいささか微妙な印象なのですが、まずはこれくらいから強化をしてみて反応を見ながら徐々に適正な規制水準を考えていくと言う腹づもりなのかも知れません。
囲い込みと言ってもこの種の話であれば比較的判りやすいことなのですが、先日見ていて少し気になったのがこちらのニュースで、これは取りようによっては社会問題化するんじゃないかと言う気もするのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

ローソン、肥満社員削減へ目標(2015年10月7日デイリー)

 ローソンは7日、グループ社員の2018年度までの健康目標値を設定したと発表した。肥満の社員の割合を減らすなどして心身面の不安が少ない社員を増やし、効率的な企業活動につなげる狙いだ。今月1日付で玉塚元一社長が最高健康責任者(CHO)に就任しており、目標達成に向けた取り組みを進める。

 肥満判定に使われる体格指数(BMI)が基準値以上だった社員の割合は、14年度に男性で37・2%、女性は18・6%だった。これを18年度には、男性27・7%、女性17・0%まで減らしたい考えだ。

 運動用ビデオの作成やクラブ活動を奨励、1年に1回実施する健康診断で成果を把握する。

一見すると社員の健康増進を図るというごく当たり前の話なのですが、問題はその方法論としてどうやるのかで、そもそも食事を改善しろとか運動をしろと言ってもそう簡単に実行出来るわけでもないし、実行したからと言ってそうそう体重が減るわけでもないことは世の多くの方々が実感していることだと思います。
それをわずか4年で肥満男性を2/3にまで減らすと言うのはどのような魔法を使うのかですが、この点でかねて言われていることに例のメタボ健診導入であまりに社員の成績が悪いと保険者である会社側にペナルティが科されるようになった結果もあってか、そもそも入社健診で引っかかるような社員は最初から雇わないだとか、出向や契約打ち切りなどと言った実質的雇い止めも起こっている気配があると言います。
各企業とも優秀な人材を囲い込みたいのは当然なのですが、その優秀さを示す指標の一つとして今後は健康上の問題がないと言うことも評価される時代になってきたとすれば、これからは各企業が健康な体を持つ人材を奪い合うと言う時代になっていくのかどうかですし、不健康な人は仕事が出来ない人などと同様に社内で冷遇されると言うこともあるのかどうかです。
ただ肥満と言う問題もほとんどの場合は本人努力で何とか出来るのだから、受験勉強で頑張ったとか就活を努力したと言ったことと同様、太らないよう努力したことも就労に当たって評価されるべきでは?と言う考え方もあるのだろうし、考えようによっては勉強よりも運動を頑張ってきたような方々には今まで以上のチャンスが出てくると言うことなのかも知れませんね。

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コメント

玉塚元一って慶応のラグビー部のレギュラーで全国準優勝してんだってね。ノリが体育会系なのかな?

投稿: | 2015年10月 9日 (金) 07時45分

>ケアマネジャーが、偏って特定の提供事業所を紹介

ちょい田舎のほうに行くと、近くには1カ所しかないとかいうケースも多いのだが、
さすが国のお役人は東京都心部のことしか知らないし、ほかのところを知ろうとか
いう考えも思いつかないんだろうなぁ。

投稿: | 2015年10月 9日 (金) 08時50分

さすがにその辺りは何らかの緩和措置なり特例なりを設けるものと期待したいですが、例えば事業者が二つで一方が明らかに質的にアレな場合、利用者に不利益を強いる可能性もありますね。

投稿: 管理人nobu | 2015年10月 9日 (金) 12時08分

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