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2015年10月10日 (土)

医療に関わる最近のちょっとおもしろいニュース二題

先日こういう記事が出ていたのですが、これも世間的には何やら奇妙な話のように見えるものなのでしょうか。

週末は病院での死亡率が跳ね上がるという「週末効果」が存在する(2015年09月19日GigaZiNE)

平日に比べ週末の病院の死亡率が上がるという傾向を「週末効果」と呼び、世界中で事例が報告されていました。2015年9月、イギリスで新たな調査結果が報告され、金曜日から日曜日にかけて病院の死亡率が上がっていくという、週末効果の詳細が明らかになっています。
(略)
2014年に行われた東北大学の研究で5500万人の患者のデータを分析したところ、土曜日の午後は他の日に比べて17%も死亡率が高いことが分かりました。また、別の研究でベルリンの医療機関における21万8758人分のデータを分析したところ、午後の死亡率が他の時間帯よりも21%高く、また土日の死亡率は平日と比べて22%高いことも判明。なお、1年のうち最も死亡率が高い月は2月であることも分かっています。

本来であれば避けられたはずの死が週末効果によってもたらされてしまった可能性があるとして、今回、イギリスの国民保健サービス(NHS)の研究チームも2013年から2014年までの医療記録を使って調査を行いました。研究によると、イギリスではある30日間に病院が患者を受け入れた人数が1億5900万人であるのに対し、その患者が死亡したのは29万人で、全体を見ると死亡率は1.8%なのですが、金曜日になると死亡率が2%になり、土曜日は10%、日曜日は15%にまで上昇し、月曜日になると5%にまで下がることが判明。総合すると、1万1000人もの患者が週末効果の影響で亡くなっていると考えられています。

ただし、研究では患者の年齢や病気のレベルなどが考慮されていますが、それぞれの要素がどれほど影響しているかを測るのは難しいため、「1万1000人の患者の死は避けられたはず」とすぐさま結論づけるべきではないとのこと。

現在のところ週末効果が起こる原因は不明ですが、週末や午後に大きなケガが起こりやすかったり病気の症状が出やすい傾向があること、平日と週末ではケアの標準が異なることなども関係していると見られています。

また、イギリスでは週末は経験の浅い医師が勤務し、リモートで相談役の医師が指示を出すケースも多いとのこと。週末効果の影響を減らすには病院での週末の体制を変更する必要があると考えられますが、英国医師協会のマーク・ポーター医師は「週末の医師の数を増やすには平日に勤務する医師の数を減らすしかない」と語っており、医療スタッフに過度の負担を与えるとして、平日と週末でケアの内容に差をつけずに運営を行うことの難しさを強調しています。

詳細は元記事のリンクから参照いただければと思いますが、まあ冷静に考えてみれば週末は病院の営業時間外で当直対応になりますし、スタッフも揃っておらず普段通りの対応が出来ないのですから当然と言えば当然なのですが、こういうデータを見て「そんなことはケシカラン!誰がいつ急病になるか判らないのに!」と考えるべきなのかどうかです。
この種の話で古来たびたび話題になることとして出産の数が曜日と時間帯によって顕著に異なることが知られていて、平日の日中に多く休日夜間に少ないと言う非常に特徴的な分布があると言うのですが、興味深いことに月~金曜日と休日の動向は病院も診療所も同じなのに、土曜日に限っては病院は休日とほぼ同じカーブを描くのに対して診療所では平日とほとんど変わらない動向を示すと言います。
病院は土曜を休んでいる施設が多い一方で、診療所は土曜もやっているところが多いと言うことを反映しているのか?と思える話なんですが、これまたいつ産まれるかも知れないはずのお産がそんなに綺麗に営業時間内だけ増えるはずがない、何か不自然なことが行われているからだと批判的に見る人が多いようですよね。
ちなみに「自然なお産」を謳っている(施設が多い)助産所で同様のデータを取ってみると見事に曜日や時間帯に偏りのないフラットな分布になるのだそうで、この辺りはお産と言うものに関しても何を優先順位の上位に置くかによって良い悪いの評価は異なるのではないかと思いますが、人によってはマンパワーも整っている時間帯に準備万端で産めるのであればその方が安心するのかも知れません。
もう一つ先日出ていた調査結果でこんな話もあったのですけれども、こちらは医療の世界に限らず実体験として果たしてどうなのか?と疑問に感じる人も多いのではないでしょうか。

術者が空腹でも手術成績には影響しない (2015年7月15日専門誌ピックアップ)

 手術シミュレーターで卵管切除術を実施する医学生12人を対象に、術者の空腹による手術成績への影響を検証。

 術者は手術前日の午後9時から絶食を開始し、午前9時と午後2時の手術で手術時間、失血量、左手での縦軸方向以外の器具操作を評価したところ、午前9時より午後2時の手術の方で有意に良好な成績が得られた。

 著者らは17時間の絶食は手術成績に影響しないと述べている。

これまた詳細を御覧になりたい方は元記事からリンクを辿っていただきたいと思いますけれども、そもそも朝食を食べないと言う人は社会の中で一定数いますし、忙しくて昼食を食べられないと言うこともまたたびたびあるわけですから、長時間手術に慣れている術者の中には日常的にこの程度の絶食は経験している人もいるんだろうなと思われます。
脳の活動がブドウ糖によって支えられていると言うことはよく知られているところで、頭脳労働の代表格とも言える棋士のタイトル戦中継などは長い対局時間中の食事やおやつに何を食べたかがしばしば対局以上に注目されるものですけれども、医師の場合は手術においてそこまで限度一杯脳の力を使い切っておらず、ある程度マージンを残して仕事をしていると言う可能性はあるかも知れませんね。
そう考えると日常的なルーチン仕事であれば案外影響が少ない一方で、限度一杯頭を使っているような状況ではもう少し影響が出てくるのかも知れずなんですが、疲労などの問題もありますからいずれにしてもあまり長時間の絶食が体にとっても望ましくないのは当然で、日常的にこうした事態を招かないように個人と組織の双方で対策は講じておくべきではないかと言う気はします。
しかし管理人の場合は比較的簡単に空腹の悪影響を自覚する方なのですが、確かにあまり食べなくてもバリバリ仕事をしていると言う人も時々いるもので、こういう方々はより効率的に仕事がこなせてお得と考えるべきなのか、人よりも多くの仕事をすることになってそんだと考えるべきなのかいずれなんでしょうね。

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コメント

空腹で手術しなきゃいけない職場なんてイヤだな

投稿: | 2015年10月10日 (土) 09時39分

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