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2015年9月25日 (金)

不当な性差別に対する糾弾の行方

先日紹介したように福岡女子大が「公立なのに男を入学させないのはどういうことだ」と訴えられていた問題で、その後どうなったかと思っておりましたら妙な具合に決着がついたと言う続報が出ていました。

福岡女子大入学訴訟 訴えを取り下げ(2015年9月10日RKBニュース)

性別を理由に公立の女子大を受験できないのは違憲だ」として、20代の男性が福岡女子大学に願書の受理を求めていた裁判で、男性側が訴えを取り下げていたことがわかりました。

福岡地裁への訴えを取り下げたのは、「男性であることを理由に受験資格を制限するのは憲法違反だ」として福岡女子大学を提訴していた県内の20代の男性です。

男性は去年11月、福岡女子大学の食・健康学科に入学願書を提出したものの、性別を理由に受理されませんでした。

国公立の大学で栄養士の資格を取れるのは県内では福岡女子大だけで、男性は「県外や私立大学への入学は経済的な負担が大きい」と主張してきましたが、先月20付けで訴えを取り下げたということです。

理由について、男性は「争点とは関係のない立証を裁判所に求められたため」と話しています。

ネット上では「争点とは関係のない立証」云々が一体どのようなものであったのか、真偽定かならぬ噂が数多く飛び交っているようですが、背景として福岡県内でこの種カリキュラムのある公立の大学はここだけなのだそうで、県外進学を強いられると経済的負担から資格取得を断念せざるを得なくなると言う主張なのですが、女子大側もかれこれ1世紀近くにもわたって地域で女子教育を行ってきたと言う自負があるようです。
ちなみにこの女子大は一年生の間は全寮制であるそうで、同級生や留学生と同じ屋根の下で生活することを売りにしているそうですから、仮に訴えが取り上げられ女子大が男子にも開放されたとしても直ちに男子の入学に対応できるようにはならないんじゃないかと思いますが、そうこうした事情もあって「裁判費用や費やした時間などを進学のために使っていれば」と言った声もあるようですね。
この件に関しては進学可能先やそのコストなど検証した方もいて、年齢その他の条件を総合的に考え合わせるといずれにしても進路選択としてはここから四年制大学への進学は割に合わないし、訴訟に持ち込むとなればさらに割に合わないと言う考え方もあるようで、やはり誰か進路に関して冷静に状況を整理して指導できる人が周りにいればよかったのではないかと言う気もするところです。
とかく性別と言う問題が絡むとそれが差別なのか区別なのかは常に議論になるところで、つい先日小学校で性的少数者に配慮して男女別トイレを全廃しますと言う話が出たと言うアメリカにおいても、現地においては保護者や地域社会を巻き込んで大変な騒ぎになっているのだそうですが、少数者の権利保護を追及し過ぎると逆差別になるかも知れないと言ういささか極端な事例が出ていたので紹介してみましょう。

「妊婦は不妊の人を不快にする」…暴言の主は女性 深刻なマタハラ被害の実態(2015年9月20日産経新聞)

 机を挟んで向かい合った女性上司の言葉を、信じられない気持ちで聞いていた。「妊婦は不妊の人を不快にするから、辞めてください」。同性である女性の発言とは思えなかった。2人を決定的に隔てているのは結婚、妊娠という経験の差。次々に繰り出される暴言の矢を受けながら、そのあからさまな悪意に「嫉妬」の影を見た気がした。

「妊娠したなら辞めてもらいます」   

 横浜市の主婦、前村早紀(31)=仮名=は平成25年、結婚4年目で待望の第1子を妊娠した。当時、派遣社員として働いていた自動車販売店は男性ばかりの職場だったが、「出産直前まで仕事を続けたい」との意思を応援してくれた。
 ところが数日後、販売店を訪ねてきた派遣元の人材派遣会社の女性上司は開口一番、「妊娠したなら辞めてもらいます」と、契約打ち切りを突きつけた。
 上司は40代の独身キャリアウーマンで、これまで何人もの派遣社員のコーディネートを担当したベテラン。産休や育休制度について尋ねるつもりだったが、とてもそんな雰囲気ではない。慌てて仕事を続けたいと訴えると、「妊婦って自分のことしか考えないヒステリックな人ばかりで、話にならない」と顔をしかめ、「妊婦は見てくれが悪いし、お客さんの中に不妊の人がいたら不快に思う」と、再度辞職を促された。
 数日後、派遣元の幹部から上司の発言について謝罪があったが、心身に強いストレスを感じていた早紀は退職した。「感情でものを言っているようにしか見えなかった。仕事は辞めたくなかった」と悔やむ。  
(略)
 少子化ジャーナリストの白河桃子は、「仕事の成功で満足を感じる男性に対し、女性は複雑。結婚や出産、家族など、さまざまなことが『幸福指標』になる」と分析。その上で「子供を産み、育てる“幸せ”をつかむことが今いかに難しいかを、女性たちは知っている。そこへのこだわりは強い」と指摘する。
 同性ゆえに共感できる幸せがあるからこそ、その幸せを「もう一人の自分」が妬んでしまうときがある。理屈ではない嫉妬が見え隠れするマタハラは、かくも厳しく根深い。

記事全体を見ますと女性同士の色々と感情的にアレなものを反映したトラブルであると言える内容かなと思うのですが、この「妊婦は不妊の人を不快にするから、辞めてください」と言うフレーズが妙に説得力をもって受け取られてしまったようで、かねて少数者の権利保護を主張してきた進歩的な方々はこれに対してどう反応するのか?と世間の興味が注がれているようですね。
そもそも差別の問題に関しては今まで「足を踏まれた痛みは踏んだ者には判らない」式の主張が最強視されていて、どこかの誰かが不快に感じているからそれはやめてくれが通用していた部分がありますけれども、もちろん一般論として他人の嫌がることはあまりやらないでおこうと言えばその通りなんですが、それが行き過ぎると他人の権利を不当に侵害する逆差別と呼ばれる現象につながってきます。
一般論として差別によって人より不利益な扱いを受けることを拒否するところまでは正当な権利で、差別を言い立てて人以上に大きな権利を求めることはいわゆる逆差別的事例と考えられるのかとも思うのですが、昨今女性活用の観点から各方面で話題になるような女性を一定割合まで強制的に登用しようなどと言う話にしても、同じ能力を持っていながら性別によって振り落とされる側にすれば逆差別と受け取れる話ではありますね。
先日オーストラリアで有名人のパーティでいわゆる女体盛りなるものが用意されていたことが発覚し、性差別ではないかと言う点でも問題視されていると言うニュースがあり、その文化的背景を説明するどこか誤解されているとしか思えない記事の最後にこういう馬鹿馬鹿しい一文が記載されていて大笑いしたのですが、性差別問題などもこういうスタンスで構えていればそう青筋を立てていがみ合うこともないのかなと言う気もします。

"But it's definitely not discriminatory, it can feature both male (nantaimori) or women (nyotaimori).”
「だが(日本における)それは間違いなく差別的なものではない、(なぜなら)それは男の場合も女の場合もあるのだから」

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コメント

わび入れてくれただけマシな気が。
ブラックだったら黙って契約終了でしょこれ。

投稿: ぽん太 | 2015年9月25日 (金) 09時00分

派遣の産休育休って、派遣会社の負担なのかな?
担当がDQN発言で退職に追い込み、上層部が謝ってみせて、というチームプレーなの?

投稿: | 2015年9月25日 (金) 12時00分

例えば派遣の業務に耐える者を派遣会社の登録条件にしているとか言った場合、妊婦などは自動的に登録対象から外れてしまうのか、その場合法的に労働者保護としてはどうなのか気になりますね。

投稿: 管理人nobu | 2015年9月25日 (金) 12時48分

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