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2015年9月 5日 (土)

ピラミッドにも建築制限が導入される

以前に当「ぐり研」で学校の体育祭等で行われる組体操による重大事故が増えていると言う話題を取り上げたことがありますが、何故事故が増えるのかと言えば俗に人間ピラミッドと呼ばれる巨大組体操が多段化、巨大化していることも大きな理由であるのだそうで、先日こうした傾向に歯止めをかけるべくこんな通達が出たと報じられています。

人間ピラミッド5段まで 事故防止へ、大阪市教委が規制(2015年9月1日朝日新聞)

 大阪市教育委員会は1日、市立小中高校の運動会で実施されている組み体操「ピラミッド」「タワー」の段数を制限することを決めた。全国で組み体操中の骨折事故などが報告されていることを受けて、規制に踏み切った。組み体操の段数制限は全国でも珍しいという。

 四つんばいになって重なるピラミッドの高さは5段まで、肩の上に立って重なるタワーは3段までに制限する。市立幼稚園や特別支援学校も対象にする。大森不二雄委員長は「組み体操が運動会の華であり続けて良いのか。『いくらなんでも』と言われないよう上限を設けた。実施にあたっては、安全性が確保できるか校長が慎重に検討し、不安を覚えたらやめていただきたい」と話した。

 市教委は7月、市立小中高446校を対象に組み体操の実態を調査。ピラミッドは6段以上が小学校で143校、中学校で28校あり、中学校1校では最高の9段を組んでいた。タワーは4段以上が小学校で42校、中学校で26校、高校で2校あり、最高の5段は小学校で22校、中学校で11校、高校で1校あった。

 ピラミッドの9段は高さ6~7メートルで建物の2階相当、タワーの5段も3~4メートルに達する。

この人間ピラミッドの巨大化問題と言うのは当事者である学童からも注目を集めているようで、自由研究のコンクールで三重県の小学生が「人間ピラミッドにおける位置と重さの関係に関する考察」なる研究を行い入賞したこともあると言い、これによりますと5段ピラミッドの中央部では2段における場合の実に3倍!と言う強烈な負荷がかかってくるのだそうです。
ましてや6段、7段と高まっていくにつれてどれだけの負荷がかかるのかだし、きちんとトレーニングも受けておらず体力的にも個人差が大きい学童がこうした巨大建築に挑むことのリスクは当然にあると思うのですが、日本記録ではなんと小学生で9段、中学生で10段と言う実例があるのだそうで、ともかく際限のない巨大化に弊害が大きすぎるとは誰しも思いつくところですし、実際に骨折など重大事故も発生しているわけです。
こうしたケシカラン風潮に対して当然ながら進歩的な朝日新聞の読者などは大部分批判的だと言いますが、何故そうした行為が今もますます拡大再生産されていくのかと言うことを考える上で、以前に出ていたこちら朝日の記事が参考になりそうに思います。

人間ピラミッド、誰のための高みか? 反響を元に考える(2015年4月6日朝日新聞)より抜粋

(略)
 愛知県の小学校教員の女性は、勤務校でも組み体操の練習中に骨折などの事故が起きていると言い、その背景に教職員の世代構成の問題があると指摘します。10年ほど前から若手教員が増え、「インターネットに投稿されている数々の運動会の動画を見て『自分もやりたい』と考えます。ベテランの教師なら、『この技は完成するまでにどれくらいかかる』とか、『自分の学校では無理だ』とかがわかるでしょう。しかし、若い先生たちでは、やりたいばかりで、歯止めが利きません」。

 埼玉県の元小学校教員の男性は、在職中に組み体操に困っていたといいます。「組み体操には教育としての意義はありません」「何の力も能力も感覚もつきません」。組み体操で得られる「感動」の価値は「骨折始め重大事故の危険を冒すにしては小さすぎるのです」と断じています。
(略)

実際には若手の先生がいけいけどんどんで、年配の先生が押さえ役とばかりも必ずしも言えないようなのですが、少なくとも戦前からの全体主義教育を引き継いだかのような頭の古い老教師ばかりが組体操を支持していると言うわけでもなく、若い世代の中でもチャレンジしたいと言う方々がいらっしゃるのだとは言えるようです。
各地で事故が発生して問題視される場合があると言えば地域の祭りなども同じ課題を抱えていて、実際に重大事故が起こるたびに自粛すべきだ、いやそれを承知で参加しているのだからその必要はないと激論が戦わされることもあるそうですが、ただ全く無関係な通行人がだんじり運行に巻き込まれたと言うのであればともかく、少なくとも参加者などはリスクを承知の上で自己責任で行うべきかと言う気がします。
その意味では現状では生徒がやりたい、やりますと言ってやっているのではなく、やらせる側がチャレンジしたいから、今までもやってきたからとやらせている側面が強いと言うのは問題で、希望者がリスクも何も承知の上で自由参加でやると言うことを大前提にすべきだろうし、その意味では現状で学校行事として全員強制参加を強いられ、やりたくもないポジションを強いられていると言う点には問題がありそうには思いますね。
何であれ皆で一緒に練習し努力もして限界に挑戦すると言うことはあっていいと思いますし、一部の学校で行われているようにまずは受け身の練習や体力トレーニングから初めて入念な準備を進めると言う方向であればまだしもなんですが、それでも最終的には他人に強要されてリスクを押しつけられるのは今の時代に通用しないし、子供にすれば体が大きいと言う理由だけで小中高とやりたくもない最下段ばかり強要されるのもトラウマものですよね。

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コメント

無言の圧力ってのも無視できませんよね。
僕はデブでしたから、組み体操はいつも最下段で
やるのが嫌だったんですが 同調圧力に小中学生が
抗えるわけもなく。
まさに「特攻隊希望者!一歩前!!」でしたよ。

投稿: | 2015年9月 5日 (土) 08時59分

教師総出でまず見本を見せてください
もちろん校長教頭学年主任が最下段でねw

投稿: | 2015年9月 5日 (土) 09時58分

希望者がリスクも何も承知の上で自由参加だとしても
小学生や中学生に自己責任を求める段階でアウト
そこは教職員に命令できるお上が制限も当然でしょう

投稿: | 2015年9月 5日 (土) 10時09分

いつ頃から高くなってきたんだろうか?
遙か昔の記憶では、5段もなかったような?

それより大阪市じゃ、高校も運動会があるんだ!
高校にもなって運動会をやるところがあるなんて初めて知った。
大抵のところは、文化祭+競技大会じゃなかったっけ。

投稿: | 2015年9月 7日 (月) 08時52分

中高一貫私立ならたいてい高校でも運動会やるんじゃないかな

投稿: | 2015年9月 7日 (月) 10時27分

運動会じゃなくて体育祭だった
中身はまったくおんなじだけど

投稿: | 2015年9月 7日 (月) 11時04分

◆組み体操「ピラミッド」で事故 中1男子生徒が崩れて骨折 大阪

大阪府八尾市教育委員会は30日、市立大正中の体育大会で、
組み体操の「ピラミッド」に取り組んでいた1年の男子生徒(12)が
右腕を骨折したとして、事故の未然防止に努めるよう市内の小学校に通知した。
ほかの中学校では体育大会がほぼ終了している。

市教委によると、大正中の体育大会は9月27日に開催。
男子生徒が四つんばいの姿勢で積み重なってつくる10段ピラミッドの
バランスが崩れ、下から6段目の生徒が負傷した。
周囲に教員11人が補助役で配置されていたが事故を防げなかった。

通知は大正中のケースを踏まえ、セーフティーマットの活用や安全確認の徹底、
天候に応じて演技種目を見直すことなどを求めている。

大阪市教委は、重大事故を防ぐため、ピラミッドの高さを5段までとする規制を
採択している。

産経WEST 2015年9月30日23:10
http://www.sankei.com/west/news/150930/wst1509300106-n1.html

投稿: | 2015年10月 1日 (木) 23時04分

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