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2015年9月10日 (木)

高齢ドライバー、公道から駆逐される

先日大分合同新聞にこんなぬこ…もとい、ニュースが出ていたのですが、おそらくは全国的にも多かれ少なかれ類似の傾向はみられるのではないかと思います。

認知症による取り消し増加 75歳以上の運転免許/大分(2015年9月8日大分合同新聞)

 県内で今年1月から7月末までに、認知症を理由に75歳以上の高齢者5人が運転免許を取り消された。昨年1年間(4人)を既に上回り、今後も認知症による取り消しの増加が予想される。認知症のドライバーによる重大事故の増加も懸念される一方で、免許の取り消しは高齢者の生活に大きく影響する。鍵を握るのは、医師の診断。適切な診断をするため県警と県医師会が連携を進めている。

 75歳以上の高齢者に免許更新時に義務付けられている「認知機能検査」で、記憶力や判断力が低い「第1分類」とされた後、特定の交通違反をすると医師による「臨時適性検査」を受ける必要がある。そこで認知症と診断されると、免許取り消しなどの対象になる。
 県警によると、7月末までに取り消された5人のうち3人はこのケース。2人は認知症の診断書を出して取り消された。
 2017年6月までに施行される改正道交法では、第1分類とされた段階で臨時適性検査の対象になる。昨年は第1分類になった433人のうち37人が同検査を受けた。県警運転免許課は、改正道交法施行後の同検査の対象者は「昨年の数字から推計すると、12~13倍に増える」と見込む。
 一方、免許証を自主返納する高齢者も増えている。同課によると、2010年は1179人だったが、昨年は1812人。今年は7月末現在で1324人と、昨年同期に比べて360人増えた。
 高齢ドライバーの認知症対策に取り組むため、県警と県医師会は13年に連絡会議を設置。専門医以外のかかりつけ医が診断する際のガイドラインを策定し、医師向けの説明会を定期的に開く。今年7月にあった説明会には県内の医師約120人が出席。ガイドラインを策定した博愛病院(大分市)の釘宮誠司院長が「認知症症例と認知症の判断基準」と題して講演した。
 同課は「適切な診断のため、医師会とのさらなる連携強化を図る。免許の取り消しだけでなく、かかりつけ医や家族らと連動した自主返納の推進にも力を入れたい」としている。 

4人とか5人とか言われると少ないようにも感じますが、検査対象者が10倍以上と言うのは大変な増加ぶりですし、失礼ながら大分界隈では車がなければ生きていけない地域もかなりあるのではないかと思われる中で、容赦なく免許を取り上げてしまうというのは大変なことになりそうにも思えますよね。
実際に田舎道を走っていますとどう見ても道路交通法の規定を無視しているとしか思えない無茶な走り方をしている軽トラなども結構見かけるものですが、そうした方々の場合一目見てそれと知れるので周囲も距離を置くのと、そもそも近所内をゆるゆると走るだけなので案外危ないことにはならないとも言います。
とはいえ、法律上の話となればやはり公平性と言うことも問題になるわけで、特にひところから飲酒運転やてんかん等の患者による重大事故が続発する中で、社会的に不適格ドライバーに対する視線が厳しくなっていることは否めない事実ですから、高齢者に対しても認知症チェックを義務付ける道交法改正が行われたわけです。

認知症疑いなら医師の診断義務付け 改正道交法成立 免許取り消し急増も(2015年6月11日日本経済新聞)

 75歳以上のドライバーを対象に、記憶力や判断力を測る「認知機能検査」の強化を柱とした改正道路交通法が11日、衆院本会議で可決、成立した。免許更新時などの同検査で認知症の恐れがあると判定された人に医師の診察を義務付ける内容で、早期発見による事故防止が目的だ。免許取り消しが急増する可能性もあり、高齢者の移動手段の確保が課題になりそうだ。

 75歳以上のドライバーは3年ごとの免許更新時に認知機能検査を受けている。現行法では「認知症の恐れ」と判定され、道路逆走や信号無視といった交通違反を犯していれば医師の診察を受け、認知症と判明すれば免許取り消しか停止となる。

 改正法では同検査で認知症の恐れがあると分かれば、交通違反の有無にかかわらず受診を義務付ける。このほか一定の交通違反を犯した人も臨時に検査を受け、認知症の恐れがあれば受診が必要になる。近く公布され、2年以内に施行される。

 昨年に全国で起きた高速道路の逆走は224件で、ドライバーが認知症と判明したのは1割を超える27件。全員が60歳以上だった。警察庁の担当者は「記憶力や判断力の低下は重大事故につながる恐れがる。チェック体制の強化が重要だ」と説明する。

 厚生労働省によると、2012年時点の認知症の高齢者は推計約462万人。25年には700万人に達し、高齢者の5人に1人が認知症になる見込みだ。

 警察庁のまとめでは、14年に認知機能検査を受けたのは約143万8千人。このうち認知症と診断され、免許取り消し・停止に至ったのは356人だった。改正法で検査や受診の機会が増えることで、免許取り消しなどが急増する可能性もある。

 地方では鉄道やバスなど公共交通機関が少なく、車での移動が欠かせない。免許取り消しによって高齢者が外出の手段を失う恐れもあり、改正法には移動手段を確保する対策を求める付帯決議が付けられた。

国立長寿医療研究センターの調査によれば、認知症の疑いがある高齢者のうち実に4割が車を運転しているのだそうで、普通に考えれば怖い!と思ってしまうところなんですが、運転時間と言う係数をかけ合わせれば運転時間の長い若年層の方がよほど危ないんじゃないかと言う意見もあるでしょう。
ただこうしたものはやはり重大事故が発生してしまった場合に、特に被害者目線で見れば何とかして防げた事故ではないか?と考えてしまうもので、運転免許制度と言うシステムによっていわば国がお墨付きを与えている以上、その適格性に問題がある人間に免許など与えてもらっては困ると言う考えももっともだとも言えます。
他方では糖尿病やてんかんと違って認知症は自分でコントロールできるものではない以上、努力でどうこうできるものではないことに対してペナルティを与えるのはどうなんだと言う批判もあるでしょうが、その視点に立てば例えば目が見えない人は今のところ免許は取得できないわけです。
それもこれも運転免許が実質的な身分証としても機能しているように誰しも持っていて当たり前のものになっていて、社会も車の存在を前提に組み立てられていることが話をややこしくしているとも言えますが、その意味では「若者の車離れ」などと揶揄される傾向が定着してくると、将来は多少話が変わってくることなのかも知れませんね。

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コメント

>ペナルティを与えるのはどうなんだ
いやいや「免許」の定義上 欠格事項が発生した時点で
本来の禁止状態に戻るだけのことなので、
「ペナルティ」の認識はそぐわないのでは?

>それもこれも運転免許が実質的な身分証としても機能している
だからマイナンバー導入もやむなし なのでしょうね

投稿: | 2015年9月10日 (木) 07時41分

年寄り限定免許で高速道路通行禁止とかのやつ出したらいいのに

投稿: | 2015年9月10日 (木) 07時45分

認知症老人の運転する自動車とか走る凶器みたいなもんだし、妥当じゃね?
認知機能が正常でも明らかに目が見えてない車とかもいるし、公道走るべきじゃないよ。

投稿: | 2015年9月10日 (木) 08時19分

認知症の場合、本人が免許を取り消されたことをきちんと理解出来ているかどうか、と言う問題があります。
理解が無ければ全く悪気無く運転するでしょう。

投稿: クマ | 2015年9月10日 (木) 08時51分

さすがにそのレベルだと車取り上げないといけませんね。
こういうのは行政の支援もいるんじゃないかなあ?

投稿: ぽん太 | 2015年9月10日 (木) 08時55分

>そもそも近所内をゆるゆると走るだけなので案外危ないことにはならないとも言います

といっても知人の親は、半日ほど行方不明に。
軽トラで運転中訳がわからなくなったようで、20㎞ほど離れたところまで行っていたそうな。
当然途中の記憶もなく、どこにいるかもわからなくなり電話してきたそうな。
飲酒運転と同じような感じか。

投稿: | 2015年9月10日 (木) 09時14分

>さすがにそのレベルだと車取り上げないといけませんね。
財産権の問題がありますので、行政の責任ではなく、家族の責任でしょうね。
交通の手段の乏しいところに生活する転居の自由は、自分で足を確保する責任もあります。無限のインフラを保証する必要は全くないと思います。
いやなら、都市部の賃貸に住めば良いだけです。

また、これらもあわせて、認知症の方の行為の責任をだれが負うのか、しっかりと制度を整える必要はあると思います。
家族への無限責任は酷ですが、知っていたのに運転を止めなかった、というのは明らかに有責と考えるのが国民感情ではないでしょうか。

産科補償のようなしくみで高齢者賠責任保険制度を創設する、家族の責任の範囲を法律で明示する、などでしょうか?

投稿: おちゃ | 2015年9月10日 (木) 09時41分

車依存前提での生活に問題があることも確かなのですが、社会的にもどこまで許容範囲なのかも問われるところで、セニアカーへの代替支援など行政の活躍の余地もありそうです。

投稿: 管理人nobu | 2015年9月10日 (木) 11時36分

8日午後、埼玉県戸田市で駐車場から出た乗用車が別の乗用車に衝突したあと歩道に乗り上げ、下校中の小学生の列に突っ込みました。
この事故で、小学6年生の男の子が頭の骨を折って意識不明の重体となっていて、警察は車を運転していた76歳の男を過失運転傷害の疑いで逮捕しました。
8日午後3時前、戸田市笹目南町の道路で、病院の駐車場から出た乗用車が走行中の別の乗用車に衝突したあと反対側の歩道に乗り上げ下校中の小学生数人の列に突っ込みました。
この事故で、小学6年生で11歳の男の子が頭の骨を折って意識不明の重体となっています。また、衝突された車を運転していた47歳の男性も軽いけがをしました。

警察は、駐車場を出た車を運転していたさいたま市岩槻区の無職、森田武夫容疑者(76)を過失運転傷害の疑いで逮捕しました。
調べに対し、森田容疑者は「病院の駐車場にバックで車を入れようとしたが、ブレーキとアクセルを踏み間違えたと思う」と供述しているということです。

現場は、片側1車線の市道で、警察が当時の詳しい状況を調べています。

(記事の続きや関連情報はリンク先で)
引用元:NHKニュース http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150908/k10010221151000.html

投稿: | 2015年9月10日 (木) 17時39分

踏み間違えることができるブレーキとアクセルの構造ってどうにかならないのかと思う

投稿: | 2015年9月10日 (木) 18時20分

いろいろと対策品は考えられてるのに何故か普及しないね
オプションで選べるようにすればいいのに

http://www.onepedal.co.jp/products/

投稿: | 2015年9月10日 (木) 18時29分

オプションで選ぶような人は、事故を起こさないと思うが。

投稿: | 2015年9月11日 (金) 09時00分

自動運転が期待できる分野の1つだよな。
どんなにアクセル踏み込んでも進路に建物や人がいると動かないようにする。

投稿: | 2015年9月11日 (金) 10時48分

倉庫として使ってる生活道路に面したボロ家があるのですが、真ん前にお向かいの家の関係者らしきよぼよぼのじじいが車を停めやがるんですよ。一度や二度なら目くじらも立てませんが毎朝なもんでさすがに腹に据えかねて、出し入れに邪魔だからここには止めないで下さい、と注意。「はいはいすいませんねー」とかいいながら相変わらず停めやがるもんで3度目に「いい加減にしろここはオマエの車庫じゃねえぞ自分ちの前に停めろ自分ちの前に!!!!」と、怒鳴りつけたところ、
じじい「(駐車禁止表示がない)道路だからよかろーもん」と、逆切れ。
オレ「邪魔なんだよ一度や二度ならともかく毎日毎日毎日停めやがって何度も注意したろーが警察呼ぶぞ!」
じじい「おお。呼べや」よぼよぼのくせやけに強気。

で、警官登場
じじい「道路だから…」
警官「あ、ここはダメですよ三叉路だからw」
ざまあwwwwww

*お向かいの横に奥の家に通じる私道?があった。

オレ「大体なんでウチの前に停めるんだお向かいに停めろお向かいに!」
じじい「孫を保育園に送らんといかんけん…」
オレ「それがオレに何の関係があるんだ!!」
警官「まあまあまあ。そういうわけで、もうここには停めちゃダメですよ~」
じじい「しかし、こいつ(オレ)の言いぐさが…」
オレ「オマエが一方的に悪いんだからしょうがなかろーが!!!!!!お巡りさんこいつ道交法違反でしょっぴいて下さい!!!!」
警官「まあまあまあ、落ち着いて落ち着いて。よく言い聞かせときますから。」

迷惑駐車する奴って、なんで老若男女を問わず逆切れするんですかねえ…?
ちなみに昨日は、少し前進して隣の駐車場のフェンス沿いに停めてました。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2015年9月11日 (金) 12時10分

12日午後、埼玉県滑川町の県道で道路を逆走していた軽乗用車がトラックと正面衝突し、
軽乗用車を運転していた92歳の男性と助手席にいた89歳の妻が死亡しました。警察が事故の詳しい状況を調べています。

12日午後1時すぎ滑川町福田の県道で、道路を逆送していた軽乗用車が正面から来たトラックと衝突しました。
この事故で、軽乗用車を運転していた埼玉県小川町の江原輝二さん(92)と助手席に乗っていた妻の婦美さん(89)が病院に運ばれましたが、まもなく死亡しました。
トラックの運転手にけがはなく、警察に対して「気づいたら軽乗用車が正面から走ってきて、よけきれなかった」と話しているということです。
現場は中央分離帯のある片側2車線の道路で、警察は江原さんの運転する軽乗用車が誤って逆方向の道路に進入したとみて、事故の詳しい状況を調べています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150913/k10010231761000.html

投稿: | 2015年9月13日 (日) 06時26分

83才のノーブレーキ車に追突され、今も後遺症が残っています。

皆様は、認知症検査で「長谷川式簡易スケール」をお聞きになった事があると思われます。
長谷川式簡易スケールは、認知症の中でも「アルツハイマー」のみに有効で、他の多くの
認知症検査には、無効です。

小関 洋さんが「たまふれあいクリニックのHP」を開設しているにる、
「老年科医の独り言」でも触れています。小関医師は長谷川式簡易スケールを一切使用してない。との事です。

私に追突した運転者は「レビー小体型認知症に他の認知症を合併した認知症」でした。
長谷川式では、合格してました。

認知症を知らない多くの医師や、社会福祉法人関係者は、今だに「長谷川簡易検査」に拘っています。

大分県警察運転免許課長の「佐藤博彰さん」はこの事実を知って、別の検査に変更しました。

今だに発生する高速道路の逆走する認知症ドライバーは「高速道路で運転している事さえ
自覚してない現状です。

参考までに、日本の認知症患者は、400万人を突破しました。認知症予備患者の
要支援1程度が400万人です。
それに対する、認知症専門医師は、1.200人です。

投稿: 被害者 | 2015年9月26日 (土) 14時53分

2016年3月17日、お彼岸初日に墓参りに行きました。
東京多摩地域のとあるお寺なのですが、お寺の前の道が狭く、交互通行するような感じで
譲り合い、阿吽の呼吸で通行するのですが、60代後半以降と思われる、男性のVWが、対向車
の通過を待たず、突っ込んできてしまい、前にも後ろにも下がる事が出来なくなる事態
になりました。
その際、注意したところ、その場は、周りの目を気にしたのか、お寺の方の仲裁と誘導もあって
事なきを得ましたが、その後、この男性、何処からか刃物をもってきてお寺に戻って、
お寺から帰る私の車を見るなり、ぶっ殺してやると、車の窓から身をのりだして叫んで
いました。
私は、身の危険を感じ自宅とは逆方向に全速力で逃げて事なきをえました。

この騒動さいに、外車だからって何しても言い訳ないだろう注意した私に対して
軽自動車の分際で生意気だと、口走っていました。
中高年のドライバーは、見栄もあるのか無駄に大きな車に乗りたがり、技術が衰えて
要ることや自分のミスを認めたがらない悪い傾向があるのが問題の一つであると思います。

投稿: | 2016年3月18日 (金) 10時08分

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