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2015年9月12日 (土)

東日本が大洪水被害に見舞われています

東日本各地で河川の堤防が決壊するなど大雨被害が大変なことになっていて、多数の犠牲者、行方不明者も出ていると言うことでお悔やみを申し上げると共に非常に今後の成り行きも憂慮されるのですが、未だ洪水の続く中で地元警察や消防、さらには海保まで出動して必死の救助活動を続けておられることには頭が下がります。
特にこの種災害出動における実績で年々株を上げてきたのが自衛隊ですが、今回特に話題になっているのがテレビ中継されている中で起こったこんな出来事だったと言います。

自衛隊“神判断”にネットで称賛の声 救出直後に家流れる(2015年9月11日スポニチ)

 救助に向かった自衛隊ヘリが、電柱にしがみつく男性よりも、住宅に取り残された人を先に救出するシーンが生中継された。一見、安全そうな屋内の人を優先したのはなぜ?という疑問がお茶の間にはあったが、その後、助け出された人がいた住宅が濁流に流された。判断が正しかったことが分かり、ネット上には「自衛隊の判断、すごい」など称賛する書き込みが目立った。

 救出にあたる際の優先順位などは決まっているのだろうか。防衛省の陸上幕僚監部広報は「優先順位のような救助の決まりやマニュアルは一切ない。基本的には状況に応じて現場の指揮官がその場で判断をしていく」と説明。今回の被害状況をみて、臨機応変に救助に当たっていった結果だった。

その状況はこちらのサイトで詳しく解説されていますけれども、電柱にしがみついていると言うより実際にはこの男性は足場の上に乗っていたのだそうで、続報によればその後無事に救助されたと言いますからまずはめでたいと言いたいところなんですが、残念ながら車の屋根に乗っていたご子息は目の前で濁流に流されてしまったのだそうです。
自衛隊は多数のヘリも動員して夜を徹して作業を続けていたのだそうで、ちょうどこの6日に栃木県会議員数名が宇都宮市内で「自衛隊の戦闘行為のリスクが高まる」などと街宣活動を行ったと報じられたことに引っかけて、ネット上では「鬼怒川と戦闘行為に突入した自衛隊に反対しないと」などと言った声や、かつてピースボートが自衛隊に護衛された一件を思い出すと言った声もあったようですね。
いずれにしても今回の大雨被害が近年にない大変な規模のものになりそうだと言うことで、引き続き各方面の協力を得て最善の対応を図っていただければと思いますが、そんな中で気になるのが今回の堤防決壊が人災なのではないか?と言う指摘が早い段階から出てきていることです。

ソーラーパネル設置のため削られた自然堤防「一番危険な場所」も土のうだけ(2015年9月11日スポーツ報知)

 台風18号の影響による大雨で関東や東北では10日も記録的な豪雨が続き、茨城県常総市では鬼怒川の堤防が決壊した。気象庁は10日未明から順次、栃木、茨城各県に特別警報を出した。

 栃木・茨城両県を襲った大雨で、鬼怒川があふれ出したとされる茨城県常総市の鬼怒川左岸にある若宮戸地区は、人工的な堤防がなく洪水の危険性が市議会などで指摘されていたことが10日、国土交通省などへの取材で分かった。鬼怒川は1級河川で国が管理している。若宮戸地区は民有地のため、堤防を造る場合、国と土地所有者の協力が必要になる。

 同省関東地方整備局河川事務所などによると、若宮戸地区では、通称「十一面山」と呼ばれる丘陵部が自然堤防の役割を果たしていた。しかし昨年3月下旬、民間事業者が太陽光発電事業を行うため、横150メートル、高さ2メートル部分を削ったという。

 住民から「採掘されている」と連絡があり、市は河川事務所に連絡。削ったことで、100年に1回起こりうる洪水の水位を下回ったため、民間事業者は大型土のうを積んで対策を施したという。

 昨年5月の常総市議会では、風野芳之市議が無堤防化の危険性を指摘したところ、市の担当者は「この地域が無堤防地区となっており、一番危険な場所と判断している」と答弁。茨城県筑西、結城、守谷3市にも同様の無堤防地区があると説明した。市側は各市町村などと連携しながら、国に堤防設置の要望をしていると説明していた。

 「無堤防」状態だったことが、今回の被害の拡大につながったかどうかについて、国交省関東地方整備局河川事務所は「因果関係は分からない」としている。

地図を見ますと実際には複数箇所で決壊が発生していて、記事で指摘されている場所はその一部であると言うことなんですが、国交省も今回の決壊部分について「10年に1度の規模の洪水」に対応出来ないものだとしてかさ上げ工事を予定し用地買収を始めていたと言いますから、少なくとも他と比較して相対的に脆弱な部分があるものとは認識されていたようです。
そうした対策が結果的に間に合わなかったのは運が悪かったとしか言いようがないのですが、一方でせっかく自然の堤防の役割を果たしていた丘陵地を削ってしまい想定水位を下回ってしまったと言うことですから、今後あるいは民事賠償請求などで責任を問われる可能性がなしとは言えないでしょうね。
先の東日本大震災を契機に100年に1度、あるいは1000年に1度レベルの非常に稀な大災害にどれほど備えを行っておくべきなのか?と言う議論が盛んになったのは記憶に新しいところで、さすがに全国海岸線をぐるりと取り巻くスーパー堤防建設などと言われると馬鹿げていると思わざるを得ないんですが、一方で原発事故などを通じて万一の事態に対する想定が不十分な恐さも知られたところです。
一方で「此処より下に家を建てるな」で有名になった津波警告の石碑であるとか、先年の広島の土砂崩れ被害などでもそうですが、昔から経験的に安全、危険な土地と言うものは知られてきたわけで、技術が進んで自然改造が容易になっても長年残ってきた自然地形を改変するリスクと言うものは認識しておくべきだろうし、住む場所を選ぶにもある程度そうした歴史的経緯も参考にするべきなのかも知れませんね。

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コメント

地震に洪水、津波に竜巻
日本ってこんなに災害多い国だったっけ?

投稿: | 2015年9月12日 (土) 08時23分

地震や津波はそんなもんでしょ。
洪水というか局地的な大雨は、相当増えているんじゃないでしょうか。
竜巻は、同じようにあったんだろうけど、そういう認識がされていなかったと思われ。
火山活動は、これまでの何百年が少なかっただけなんだろうし。

投稿: | 2015年9月14日 (月) 09時26分

洪水が発生すれば真っ先に自分の太陽電池パネルが流されるのは自明なわけで
意図的に馬鹿やったはずはないと思うけどなあ

投稿: | 2015年9月14日 (月) 11時06分

今回これだけ洪水被害が出たのは自然災害リスクマネージメントのかなり盲点を突いていた印象で、正直今の時代にこういう形での大規模災害に危機感を抱いていた人は少なかったのでは?と思います。

投稿: 管理人nobu | 2015年9月14日 (月) 12時26分

>意図的に馬鹿やったはずはない
>かなり盲点を突いていた印象

知らなければすべて想定外になります。それは正当な主張でしょう。が、
ハザードマップの水没領域はかなり正確に当たっていたそうですね。

100年に一度でも10年に一度でも起きてしまえば
被災者(被災地)にとっては同じこと。
虎の子の動産不動産が塵芥泥濘に変わる。
レスキュー隊の奮戦は立派なことですが、一過性のこと。
生き残った人に今後何年も経済的損失がのしかかることのほうが
はるかに影響が大きいと感じています。
社会に元気があれば融資で再建も望みがありますが
この世相で融資融資とかまびすしいのが、耳障り。

 東南海地震は、生き残ってから先が自己責任。
個人としてのリスクの引き受け方を考え対策する時代なのですね。

投稿: | 2015年9月14日 (月) 20時11分

危険感じた住民が「堤防建設要望」

中谷隆宏リポーターが現場から伝える。鬱蒼とした小高い森の真ん中がスッポリ切り取られ、流された泥の中に土嚢のようなものが混じっている。
その先には壊れた太陽光パネルが散乱していた。地元で自然堤防と呼んでいるこの場所は私有地で、2業者が相次ぎ土地を購入してパネルを設置した。

最初の業者は自然堤防より川側の空き地に太陽光パネルを設置して問題はなかったが、2番目の業者が昨年(2014年)1~2月にかけて、
自然堤防を高さ2メートル、長さ150メートにわたって掘削しパネルを設置したという。中谷がこの業者を取材したところ、とんでもない事実が
分かってきた。

業者は「山は削ったが自然堤防という認識はなかった」という。「一応、国交省の河川事務所に聞いたところ、『これまで水が来たことはなく、
法的にも何の問題もない』という回答が返ってきたのでわれわれも国の言うことを信じた」 業者の掘削で洪水の危険を感じた住民が堤防を
作るよう市に要望し、市からの通報を受けって慌てた河川事務所は、業者に「2メートルの土嚢を積むよう」指示したという。
しかし、増水でこの土嚢部分から水があふれ、崩れて一気に市街地に水が押し寄せた。

業者「天災だから仕方ない」、国交省「水害との因果関係わからない」

呆れるのは業者と国交所の言いわけである。業者は「何十年に1度の天災ですから」責任はないと言わんばかりで、河川事務所を管轄する国土交通省は
「ソーラーパネルの設置と水害の因果関係は分からない」と逃げる。

石原良純(タレント)は「天災か人災かというなら、人災ではないか」といい、住田裕子(弁護士)は「数年前に、ソーラーパネルは建築基準法の
確認申請について適用除外になったんです。ただし、パネルの設置個所が土嚢を積む必要性をみなが感じたわけだから、民法上の無過失責任を
負うことになります」と指摘する。

自然堤防は河川事務所が作ったものではないから、崩されたり切り取られたりしても無関心というわけか。

http://www.j-cast.com/tv/2015/09/14245093.html?p=all

投稿: | 2015年9月14日 (月) 23時26分

>自然堤防は河川事務所が作ったものではないから、崩されたり切り取られたりしても無関心というわけか。
 無関心じゃなくて無知、そのあとは手当てが間に合わなかった、でしょ。
 法を超えて掘削を禁止せよ、ですか? そりゃ官僚パターナリズムですね。

 次のスレッドでも真っ先に書き込んでいらっしゃるようです。
 よほど公務員がお嫌いのようですね。 医者バッシングの次は公務員バッシングですか。
 小泉が始めた構造改革も実際は郵政の現業という弱小公務員たたきから始まりましたし、小泉のお弟子の原点回帰だな。権限を持つものに非現実な全能性を投影しておいて、現実とのギャップを怠慢と非難したした揚句、仕組みまで壊してしまう。
(「パターナリズム批判」のお定まりの活用法(真の目的)ですが。) 
 パターナリズムを潰せば潰すほど、自己責任が前面に出てくるんです。おバカは自己責任で自分を守れない。おまけに弱肉強食の新市場主義社会では一旦落ち込んでしまったもの大方も、もともとのおバカと全く同じように、這い上がってはこれなくなるんですねぇ。

投稿: 感情的な医者 | 2015年9月15日 (火) 09時47分

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