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2015年8月24日 (月)

和歌山県立医大、留年者続出で調査へ

先日出ていたのがこちらの記事なんですが、まずは引用してみましょう。

和歌山県立医大の留年者増、理由は何か?- 評価委が聞き取り調査要望(2015年8月19日CBニュース)

和歌山県は19日、県立医科大の昨年度の業務実績の評価結果を公表した。この評価結果をまとめた県公立大学法人評価委員会は、医学部の1年次と2年次の留年者数が「依然として多い」としたほか、6年次についても「増加している」と指摘。留年者への聞き取り調査などを行うことを求めている。【新井哉】

評価委は、今年度から医学部の1年生にTOFELを受験させることを決めたことなどを評価する一方、留年者が多い状況について、「その真因がどこにあるのか、早急に検討する必要がある」と指摘。留年者への聞き取り調査に加え、教養課程を見直す必要性も挙げている。

地域貢献については、産官学連携推進の取り組みとして2013年7月に包括的連携協定を結んだ住友電気工業との共同研究について、「さらなる進展が期待される」とした。ただ、小中学生や高校生を対象とした「出前授業」の実施数と受講者数が減っていることに触れ、今年度以降の活動を発展させることを求めている。

短時間正規職員制度を新設したことは、「育児等によりフルタイム勤務が難しい看護職員でも働きやすい環境やキャリアを継続できる体制が整備された」と評価したが、今後、看護職以外の職種にも広げることを要望。短時間勤務の医療従事者の増加については「組織全体に与える影響を分析する必要がある」としている。

内部情報を探ってみた限りではもともとは留年者の少ないと言われる大学であったものが、直接的な原因としては単位取得を一部残していても取りあえずの進級を認める、いわゆる仮進級の制度が撤廃され一つでも単位が落ちれば留年、そして同じ学年で2回まで留年すると即退学と進級システムが変わったことが理由であるようなんですが、当然ながらその変更の理由が何なのかですよね。
昨今医学部の定員増が非常に学生の質的低下を招いていると言う懸念が一部大学教員などから言われていて、確かに学生数が減る一方なのに医学部定員数がこれだけ増えれば質の低い学生も入学出来るのは確かなんですが、それ以前の理由として地元学生が地域枠で出願すれば到底合格出来ないような学力でも通ってしまう等々、入試システムの問題点を指摘する声もあります。
本来的に入試と言うものはその大学での教育についていけるかどうか、学生の質を見極めて選抜すると言う意味合いで行われているはずで、それに通ったと言う以上はこの学生なら問題なくやっていけると認めたと言うことでもあるし、そうした能力があるはずの学生がついてこられないと言うのであれば大学側の教育システムの方に問題があると言う解釈も成立するはずです。
ただ和歌山県立医大に限らず近年全国的に医学部での留年者が増えていることが問題視されていて、昨年はそれまで入学定員から計算していた毎年の研修医枠を、あまりに留年者が多いものだから5年生時点での学生数を基準にすることと改める旨の報道も出ていましたが、本来1万人近くの卒業生があると見込んでいたものが1割近くも留年や退学で目減りしていると言うのですから穏やかではありませんよね。

ちなみに大学生全体で見ますと留年率と言うものはおおむね5%台なんだそうですが、毎年5%が落ちていくなら6年間で合計…と計算するとむしろ医学部などは留年率が低いと言う計算も成り立つのかも知れませんし、実際に他学部の学生に比べて医学部の学生は真面目に多忙な学生生活を送っていると言う場合が多いかも知れません(もっともこれもまあ、時代と学校によりけり、なんでしょうけれどもね)。
もともと学生にしろ卒後の医師にしろ母数をどんどん増やして厳しく選抜し、優秀な人間だけを生き残れるようにすべきだと言う意見は根強くあって、それはそれで現状の医学部選抜方式がペーパーテストの成績に偏っていることに対する危機感の表れだとも受け取れるのですが、ただ医学部の場合(少なくとも表向きは)学生ひとりの教育に数千万円単位の巨額のコストがかかっていることになっていて、簡単に切り捨てていいものなのかです。
この辺りは学生の質がどうこうと言う教員の側の教え方がどれほど質が高いんだ?と言う反駁もあるはずで、学生に関してはこれだけテストテストで厳しく選抜しているのに、教員側にどれだけの選抜や教育機会があるんだ?と言う意見が出て当然だと思うのですが、専門医制度も変わることですしいっそ大学教員にも何らかの資格なりを設けてみると言うのも面白いかと思います。
ただそれに対して誰が応募するんだ?と言う反論もあるはずで、今の時代大学に残って教授を目指している先生の中で学生教育を目的意識の序列上位においている先生がどれほどいるのか?だし、学生教育の成果を評価し大学での出世に反映させるような仕組みがあるのかどうかで、残念ながら今のところは心ある一部の熱心な先生方の個人的努力に教育の質の担保を依存しているのが現状の大きな問題と言うことですよね。

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コメント

入学者の偏差値的には下がってきてるんですかね?
進級判定って恣意的基準だから客観性に乏しいんですよね。
極端な話おかしな教授一人いるだけで留年続出ですから。

投稿: ぽん太 | 2015年8月24日 (月) 08時51分

↑ H大の去年の神経生理 ゲフンゲフン

投稿: | 2015年8月24日 (月) 10時06分

>もともと学生にしろ卒後の医師にしろ母数をどんどん増やして厳しく選抜し、優秀な人間だけを生き残れるようにすべきだと言う意見は根強くあって

入試を厳しくするならともかく入学後に篩い落とすのはなあ。人生台無しにされる選抜漏れの「比較的」優秀な若者が気の毒すぎる…。
*あ、自分が3流私大を1浪2留してるんで身につまされるとかそんなんじゃないですよw?

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2015年8月24日 (月) 11時00分

>入試を厳しくするならともかく入学後に篩い落とすのはなあ。人生台無しにされる選抜漏れの「比較的」優秀な若者が気の毒すぎる…。

その昔聞いた全くの伝聞のケースでは、とある学生を卒業試験で落とそうとしたところ親が怒鳴り込んできて「いまさら卒業させんとは何事か!」と大もめにもめて、結局は卒業させることになったそうです。
ただその学生はペーパーテストではそれなりに優秀なのですが人物に極めて問題ありで、担当した全教官が「こいつだけはぜったい医者にしたらいかん」と思いつつそれまで落第に出来なかった特殊例だと言います。
聞くところではその学生の場合は卒業を認める交換条件として基礎系の講座で以後飼い殺しにして、決して臨床には関わらせないと約束させたとかさせないとか。

投稿: 管理人nobu | 2015年8月24日 (月) 12時32分

指導力の低い教官は減俸やクビにしたら?
業務こなす能力がないってことでしょ?

投稿: | 2015年8月24日 (月) 15時49分

>入学後に篩い落とすのはなあ。

留年は仕方ないのではないでしょうか?
過酷な入試が終わって 燃え尽きたままでいる学生は一定数いますしね。

>人生台無しにされる選抜漏れの「比較的」優秀な若者が気の毒

せ・ら・び ですよ、しょうがない。
でも塞翁が馬で 漏れた先の人生の方が実り豊かだったりして。
先生のドロッポ後と 前、どんなですか?

>その昔聞いた全くの伝聞のケース

解剖実習で学生の一人が御遺体の耳介をパーテーションに付けて
「壁に耳あり…」ってヤラカシて退学になったという…
その手の都市伝説であって欲しい お話ですねえ

投稿: | 2015年8月24日 (月) 17時02分

>留年は仕方ないのではないでしょうか?

現状ならまあその通りですが、特殊部隊の選抜よろしく極少数しか生き残れないのはちょっと…。

>先生のドロッポ後と 前、どんなですか?

そらあもう後、のがお話にならんぐらい質量ともに圧倒的に人生実り豊かですがw、それもこれもなんとか医師免許はゲット出来たからで、いかなバブルな当時と言えども、薹の立った20代後半の3流私大医学部中退に未来があったとはとても思えませんね。

*そういや中退してカメラマンになった同級生がいたな。それこそバブル時だったもんで2年後に再会した時は羽振りよさそうでしたが、今はどうしているやら…。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2015年8月25日 (火) 09時42分

バブル期はデジカメ無かったからなあ。
今やシロウトでもそれなりに使い物になる写真を幾らでも撮れるのでプロカメラマン受難です。

投稿: | 2015年8月25日 (火) 10時18分

>今やシロウトでもそれなりに使い物になる写真を幾らでも撮れる

実は先日総火演に行ったんですが(自慢)、小4の息子に一眼レフデジカメ任せたら「運動モード」で連写しまくりやがって700枚以上ものメモリーを一気に使い果たししかも大半が前の人の頭とかロープが映り込んでて台無しw。とはいえ、それなりの写真も相当数ありまして、いやあいい時代になったものですw

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2015年8月25日 (火) 14時29分

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