« 国がさらに一段と後発品利用を推進 | トップページ | 今日のぐり:「麺屋和佳」 »

2015年8月22日 (土)

間違った方法論によって導き出された結論はサイエンスの世界ではまともに相手にされません

先日の戦後70年と言う節目に発表されたいわゆる安倍談話を巡って、締め切りの関係もあってか事前に用意していた想定記事を手直しだけして垂れ流したせいなのか、マスコミ各社の報道ぶりがあまりに底が浅いと評判になっているようで、一部方面からは談話そのものよりも注目されているようです。
特に各社ともキーワードが総理の口から出るのかどうか?にばかり注目するあまり、談話の本来的な意味よりも枝葉末節の言葉尻を捉えた解釈に終始していると批判もあるようなんですが、「幾らなんでもこれはあんまりだろう」とある意味もっとも大きな注目を集めたのがこちらのテレビ報道です。

安倍談話発表時にTBSが「謝罪チェックリスト」を表示で炎上 ネットから怒りの声(2015年8月14日ガジェット通信)

「『謝罪入りましたー』って、音ゲーかよ!」「コラ画像かと思った」などの声

 安倍内閣が8月14日に閣議決定した「戦後70年安倍談話」について、TBSが安部首相の記者会見時のニュース映像に「植民地支配」「侵略」「おわび」「反省」という「安部首相発言チェックリスト」を表示し、一々「△」などの番組の評価を表示させていたことがネットユーザーの間で批判を浴びている。
 このニュースは、TBSが放映している夕方のニュース番組「Nスタ」で報じられた。同番組は「日本一ざっくりしたニュース番組」をコンセプトにしているが、これはあまりにもざっくりすぎたようだ。そもそも、首相の歴史的な談話をバラエティ番組並みの悪乗りで報道することに批判が集まっている。

 ネットユーザーの間では、
 「どんだけ2ちゃん脳だよ」
 「BPOに連絡しよう。総務省にもだ」
 「謝罪入りましたーって、音ゲーかよ!!」
 「さっきから流れてくる画像、コラ画像じゃなくて本当にテレビで流したのか…」
 「幾らなんでも下品すぎる
 「悪いけど、TBSはアホか?」
 「TBSもマルバツ採点したら、オウム報道は完全にアウトじゃないのか」
 「偉そうに採点しやがって」
など、TBSを批判する声が多く上がっている。

元記事にはそのテレビ画像もありますので判断は各個人にお任せしたいと思いますけれども、まあしかしせっかく談話を出してもこういう聴き方をされたのでは本来的な意味など伝わるはずもありませんし、真意も何も伝わらない状態で批判されると言うのであれば総理としても立つ瀬がなさ過ぎると言うものだと思いますね。
テレビなどは速報性を重視するだけにこうした一面的な取り上げ方も百歩譲って有りじゃないか、と言う意見もあるかも知れませんし、その分は新聞など活字媒体で後日じっくり取材し吟味した内容を報じることで補えるとも言えるのですが、翌日報道された各紙の社説等もとても評価が高いとは言えない内容で、素人目にも「一体どこの世界の談話を聞いて書いた記事なんだ?」と思えるようなものもあったようです。
この辺りはもちろんマスコミ毎のカラーもあるでしょうから、最初から内容の如何に関わらず記事の内容は決まっていたのだと言う見方もあるようなんですが、幾ら内容が決まっているにしておm基本的な取材すら行わず書き上げてしまう記事と言うのが今の時代に許されるのかどうかで、先日はこんな騒動が勃発しているとも報じられていました。

「取材なく無断でコメント掲載された」琉球大名誉教授が朝日新聞を提訴 東京地裁(2015年7月3日産経新聞)

 微生物が水質浄化に与える効果を疑問視する朝日新聞の記事で、取材を受けていないにも関わらずブログの文言を無断で改変して使われ、コメントしたかのように掲載されたとして、琉球大学名誉教授の比嘉照夫氏(73)が2日、同社を相手取り、慰謝料など約350万円と謝罪広告を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状によると、問題となったのは平成24年7月3日付と同11日付の朝日新聞青森県版の記事。比嘉氏が研究開発している有用微生物群(EM菌)を川の水質浄化に役立てようとする環境教育が同県で行われているものの、科学的な効果を疑問視する声があり、県も十分に検証していないなどと報じた。

 比嘉氏は同社記者から取材を受けていなかったが、記事では微生物の効果について「開発者の比嘉照夫・琉球大名誉教授は『重力波と想定される波動によるもの』と主張する」などと記載。この引用は、比嘉氏が記事の掲載日から約5年前の19年10月1日に投稿したブログから無断で引用されたものだった。さらに一部を切り取るなど改変されていたという。

 比嘉氏側は朝日新聞に対して、記事の取り消しと謝罪広告を求めたが、同社は応じなかったという。「記事によって非科学的なコメントをしたかのようにネット上でも拡散され、原告はこの分野における第一人者としての信用など多大な不利益を被った」と批判している。

 比嘉氏は産経新聞の取材に秘書を通じて「訴状の通りです」とコメントした。

 朝日新聞広報部は「提訴を確認しておりませんので、お話を控えます」としている。

個人的にいわゆる「ト」なネタはかなり好物な方で、その方面でも比嘉照夫センセイと言えばそれなりのビッグネームですから、正直過去に為されてきた同氏の主張そのものに対しては科学の領域からはみ出しているだとか、せっかく有用そうな菌なのにかえって誤解を受けてしまっていると言った既存の批判に同調するところがないでもありません。
元記事となった朝日のそれについてもそうした観点からは評価の高かった記事で、特に自治体が率先して教育現場に似非科学導入を推進するとは何事か、と言う問題提起に対して、自治体側がよく判らない言い逃れをしていることに反発も強く、当時朝日の報道については「もっとも良質なEM菌報道である」と称讚する声もあったと言います。
もちろんそれはそれでよい仕事をしたと言うことだと思うのですが、別に緊急性もなく当事者に幾らでも取材機会はあることに関して何ら取材もせずに記事を書く、それだけならまだしもきちんと取材をして書いたかのように(恐らく意図的に、でしょうが)読者にご認識させる記事を書くと言うのでは、さすがに報道のプロフェッショナルとしてどうなのかです。

朝日と言えば以前にも東大医科研の癌ワクチン報道で言葉の切り貼りで意味不明、意図明瞭な記事をアサヒったと炎上したことがあって、これまた他社がそろって海外での重大事故発生を伝える中で一社だけ一面トップで報じたことからも社を挙げて取材したことがうかがわれるのですけれども、逆に言えば何ら緊急性がない報道であったのに何故不正確な内容で敢えて報じたのかにも疑問が集まりました。
一部にはこの翌週にも始まる政府の政策コンテストに癌ワクチンの予算申請が出される予定であったことが影響していたとかいないとか言う説もあったようですが、何故無関係に思える立場の朝日がそうまでして癌ワクチン潰しを仕掛けなければならなかったのか?と言う理由に関しては当時から様々に推測されていたことからして、あるいは今回の件も朝日なりの深い理由なり動機なりに基づいた行動であったのかも知れませんね。
世間ではこうした点を評価して「有害害虫同士が潰し合いをすると言うのであれば人間としては応援するだけだ」と妙な支持を表明する人もいるやに聞きますけれども、万一にも朝日の記事が純粋な動機から出た真っ当な意志に基づくものであったとしても、普段のやり方がこれでは「いったい何のための、誰のための記事なのか」と邪推?されてしまうのもまあ、当然と言えば当然のことではあると言う気がします。

|

« 国がさらに一段と後発品利用を推進 | トップページ | 今日のぐり:「麺屋和佳」 »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

コメント

 使用済み核燃料などの輸送容器の検査基準を巡る毎日新聞社の記事で名誉を傷付けられたとして、
有冨正憲・東京工業大名誉教授が同社と記者に計600万円の慰謝料などを求めた訴訟の控訴審で、
東京高裁(柴田寛之裁判長)は20日、同社側に165万円の支払いを命じた1審・東京地裁判決を
支持し、双方の控訴を棄却する判決を言い渡した。

 毎日新聞は2012年2月12日の朝刊で、輸送容器の設計製造会社から多額の寄付金を受けた
有冨氏が、検査基準の策定を巡る学会審議で同社の便宜を図ろうとしたなどと報じた。高裁は、有冨
氏が便宜を図ろうとした状況はうかがえないとして、「記事は真実ではなく、真実相当性もない」と
判断した。

 毎日新聞社社長室の話「判決文を精査し、対応を検討する」

http://www.yomiuri.co.jp/national/20150820-OYT1T50095.html

投稿: | 2015年8月22日 (土) 09時16分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/62120379

この記事へのトラックバック一覧です: 間違った方法論によって導き出された結論はサイエンスの世界ではまともに相手にされません:

« 国がさらに一段と後発品利用を推進 | トップページ | 今日のぐり:「麺屋和佳」 »