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2015年8月 1日 (土)

人間が運転しない方が車は安全?

先日大阪で起こった何とも奇妙な事故について、こんな続報が出ていたと話題になっています。

恐怖の“デロリアン”走行の男性、「認知症のため」不起訴…大阪地検(2015年7月27日産経ニュース)

 大阪市の阪急京都線で線路内を車が約1・3キロ走行した事件で、電汽車往来危険容疑で逮捕された愛知県安城市の無職男性(73)について、大阪地検は過失往来危険罪に切り替えた上で、「認知症のため」として不起訴処分(起訴猶予)とした。処分は21日付。

 府警によると、男性は8日夜、南方駅(同市淀川区)近くの踏切から軌道内に進入。約1・3キロ走行し、崇禅寺駅(同市東淀川区)近くの踏切から外に出た。男性は逮捕された際、「どこから線路内に入ったか覚えていない」などと説明していた。

もちろん刑事罰が科されなかったと言うだけで、免停など行政処分はきちんと取られたのだろうとは思うのですけれども、あまりに衝撃的なその暴走ぶりから今回の不起訴処分と言う流れに「こんなのが道路を走ってるとは怖すぎる」と言う声が少なからずあると言うのもまあ、理解は出来ると言うものでしょうか。
昨今では高速道路の逆走事故などもたびたび話題になっていて、明らかに高齢者に多いと言いますからこれも何かしら認知症などが関係している部分もあるのでしょうが、若年者であっても起こさないわけではないところを見ると「短距離ならいいだろう」と言った心理でも働いているのか、ともかく皆がルールを守って走行していると言う前提が崩れると非常に危険であると言うのは誰でも判ることですよね。
こうしたヒューマンエラーによる事故対策の切り札として一部で熱心に推進されているのが自動運転と言うもので、単に運転手が楽をすると言うだけではなく事故を減らす効果も期待出来るんじゃないかと言う期待感に加え、運転が効率化されることで温室効果ガスの大幅削減にもつながるとバラ色の未来絵図も語られているのですが、一方でこんな意外な事実が報じられ話題になっています。

6年間でもらい事故14件。Google の自動運転車が追突され初の負傷者(2015年07月21日engadnet)

7月1日、Google が開発を進める自動走行車のテストカーが後続車に追突され、乗っていた社員3名が負傷する事故が発生しました。社員は軽いむち打ちの症状を訴え病院に運ばれましたが、その日のうちに帰宅しています。

Google は、自動車事故の94%がヒューマンエラーによるものとしており、自動運転こそ安全で信頼のおける方法と説いています。
Google の自動運転車としてはじめて負傷者を出してしまったのは、各種センサーと自動走行システムを装着したレクサス RX450h。Google は自動走行のテスト車両を32台制作しており、そのうち23台をレクサス RX450h が占めています。

Google は2009年から自動運転車を開発していますが、これまでに14回の事故に遭遇しています。そして、そのうち11件が後続車に追突された事故とのこと。
自動運転車プロジェクトのリーダー、クリス・アームソンは「他のドライバーが道路状況に注意を払わないため、我々は驚くほどの事故、特に追突被害に遭っている」と嘆く一方、「自動走行車の過失で発生した事故は1件もない」と胸を張ります。
Google が公開した事故の様子を再現した動画では、前方で信号が赤になり、前の車に続いて自動運転車が停止します。ところが自動運転車の後ろの車はブレーキを掛ける様子もなくそのまま追突しているように見えます。

アームソンは「追突事故の際、相手のドライバーは前方を見ておらずメーターパネルや他の何かに気を取られていることがほとんど」と語ります。また交差点での自転車の巻き込み事故を例に上げ、「自動運転車なら360度全方向を常に確認し続けることができ、100%注意を切らすことはない」と自画自賛しています。
しかし走行台数が多いとはいえ、6年間に被害事故ばかり14度というのも、やはり多いような気がします。相手の不注意だというのは簡単ですが、もし自動運転車が不自然な挙動を示したために、後続車の判断ミスを誘っているとすれば、たとえ過失はなくとも改良すべき点はありそうです。 
また追突事故が多いとわかっているなら、自動運転車の後部に車間確保を促す表示をしたり、電光掲示板を使ったメッセージを表示するといった対策もできそうです。しかし、実際にそうした追突防止策を施したという発表はありません

Google は「自動車事故の94%が人の判断ミス」としており、「自動車がすべて自動運転になれば安全」というスタンスで自動運転システムを開発しています。アームソンは「事故になりそうな運転パターンをデータとして大量に収集し、運転アルゴリズムに組み込めば、類似パターンを解析して事故を避けられるようになるかもしれない」と語っています。
もし Google が日本で公道テストを開始し、路上でその車を見かけた場合は、(事故データを提供する側になりたくなければ)車間距離だけは多めにとっておくのが良さそうです。

元記事の再現動画を見る限りでは確かに後続車が何も考えずに突っ込んでいるように見えるのですが、確かに同じようなもらい事故ばかり起こしていると言うのも何とも奇妙な現象であり、そもそも何故こんな事故が起こるのか後方カメラを積んだりして解析してみるべきなのかも知れませんよね。
一般的に車の運転には暗黙のコンセンサスとして成立している一種のリズム感があって、初心者ドライバーなど法規的には正しいけれども周囲とのリズム感が狂っている動作と言うものは他車の困惑、混乱を招きやすいものなんですが、あるいは自動運転車には何かしらこの種の独特の癖のようなものがあって、それが追突事故を誘発する原因になっているのかも知れません。
ただ最近報じられた記事として、近年自動車にもどんどん電子デバイスが搭載されていくのはいいとして、それら電子デバイスもまたハッカーに狙われ車の運転までも外部からコントロールされてしまう恐れがあると言うことで、自動運転車などと言う複雑なシステムがハッキングされてしまうとどんな事故が起こるか判りませんし、システムエラーなのかハッキングによる妨害行為なのか解明するだけでも大仕事ですよね。
そうした事情を考えると当分の間は自動車専用道路など、非常にシチュエーションが限定される環境でだけ使われるべき技術なのかも知れませんが、何故か高速道路で人を轢く事故が少なくないと言うくらいで実社会では何が起こるか判らないだけに、まずは無人走行の車同士によるレースでもやらせてみて速くて正確な運転技術をアピールすると言うのもおもしろいかも知れませんね。

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コメント

長距離走行だけでも自動運転できたら便利なのにね

投稿: | 2015年8月 1日 (土) 11時04分

 岡山のウインカーなし車線変更/右左折はひどい。事故率県下一、二の交差点での事故は大方が合流/分岐待ち車線の渋滞がらみ追突らしい。ウインカーを出さない悪癖は免許教習所の教員に天下ってる警察OBが再生産しているが、慢性的渋滞も原因なのかもしれない。ヒューマンファクターの排除は有効だろうね。

投稿: | 2015年8月 1日 (土) 21時40分

>無人走行の車同士によるレース
海外では自動運転技術向上を目的として開催されていたと記憶しております。

個人的には一般人が自動運転技術を多用して自家用車でガンガン長距離移動をするのは環境への負荷も大きくあまり好ましくないと考えています。

投稿: クマ | 2015年8月 3日 (月) 09時04分

>運転が効率化されることで温室効果ガスの大幅削減にもつながる

それ以前に、昔の暴走族対応の信号?(青になると次の信号が赤になる)を改めるほうが
ずっと削減されると思うが。

投稿: | 2015年8月 3日 (月) 09時18分

無人運転車のF1やろうよ

投稿: | 2015年8月 3日 (月) 10時47分

将棋のように、人間対コンピューターも盛り上がるかも知れません。

投稿: 管理人nobu | 2015年8月 3日 (月) 12時52分

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