« 和歌山県立医大、留年者続出で調査へ | トップページ | 認知症高齢者を地域全体で見守ると言うことの実際 »

2015年8月25日 (火)

何気ない日常の中に滲透している男女差別の習慣

男女平等と言うことが叫ばれるのは最近に始まったことではありませんが、特に近年では社会全般の労働力不足も反映してか女性の社会進出と言うことが強調されるようになっていて、これ自体はますます晩婚化が進み少子化促進因子になる等々様々な意見もあるものの、基本的に共働き前提でなければ家族生活が成立しない低収入時代にあってはある種の必然でもあります。
ただ女性の労働条件が賃金等で不当に抑制されているとなれば結局稼ぎ手である男がフルタイムで労働しなければならないと言うことに変わりはない話なので、この辺りは政府も女性の社会進出に関して各種法的なサポートも考えていると言うことなのですが、先日その一つの骨格ともなる法案が成立見通しであると報じられていました。

女性活躍、課題は実効性=推進法案が月内成立(2015年8月22日時事ドットコム)

 「女性活躍」を成長戦略の中核に据える安倍政権の看板政策である女性活躍推進法案が、28日にも参院本会議で可決、成立する見通しとなった。企業に女性の登用に向けた数値目標の設定と公表を義務付けるものだが、目標とする数値は企業側の裁量に委ねられる。政府にとっては、実際に登用を促進するための方策が今後の課題となる。

 安倍政権は、指導的地位に占める女性の割合を2020年度までに30%に引き上げることを目標としている。有村治子女性活躍担当相は21日の記者会見で、推進法案の意義について「女性の活躍をもって家庭の幸せや日本の活性化(を促進する)」と強調した。

男が働き女が家庭と言う古典的な役割分担に関しては「女は産む性なんだから合理的だ」と言った類の擁護論もありますが、よほどハードな肉体労働でもなければ本当に身体的に女性が社会活動が出来ないのは出産前後などせいぜい一生のうちの数ヶ月程度とも言え、それくらいであれば周囲のサポートさえ適切に行われるのであれば女は働き男は家庭と言うモデルも十分成立する計算になります。
ただそれが成り立つのはあくまでも女が仕事を続け男と同様に一家を支える稼ぎ手になれると言う保証があってのことで、何十年永年勤続してもいつまでもパート並みの時給でお茶くみ仕事だけと言うのでは話にならないのは当然ですが、まあしかしこうした雇用面での男女平等に正面切っての異論は少ないにしても、求めるのが機会の平等なのか結果の平等なのかでずいぶんと話も違ってきますよね。
またこれは雇用と言うことに限定せず昔から男女平等と言えば「生物学的に同じでないから仕方ないのでは」だとか様々な議論も往々にしてあるわけですが、この男女病棟と言うことに関連して先日当たり前のように思われてきた社会的慣習が実は男女不平等なのでは?と言う問題提起が為されたケースを紹介してみましょう。

料金に男女差で県に意見書/鳥取(2015年8月21日NHK)

男女共同参画推進のため、県が開催したイベントの交流会で、男女の参加費が異なるのは、違和感があるという指摘が寄せられたことをめぐり、県の第三者機関の男女共同参画推進員が、「性別によって異なる扱いを受けている印象を持たれないよう注意するべきだった」などとする意見書を県に提出していたことが分かりました。

このイベントは、男女共同参画推進のため、県などがことし1月に鳥取市内のホテルで開いたもので、中国地方の女性経営者をゲストに招いて、女性が社会で活躍するための課題などについて話し合いました。イベントに続いてホテルのレストランでゲストを囲んだ交流会が開かれ、参加費は、バイキング形式で、男性が4200円、女性が3600円でした。

これに対して県内の男性から男女共同参画推進のイベントで、男女の参加費が異なるのは違和感があるという指摘があったということです。この指摘を受けて、県の第三者機関の男女共同参画推進員は、「合理的な理由なく性別によって異なる扱いを受けている印象を持たれないよう注意すべきだった。全職員が問題意識と緊張感を持って業務に取り組むよう努めるべきだ」などとする意見書を県に提出しました。

イベントを開催した県男女共同参画推進課は、「参加費はレストラン側が設定したものだったが、今後は男女が同じ金額の店を選ぶか、金額が異なる場合は値段の違いについて説明をするようにしたい」と話しています。

<県主催交流会>「共同参画」なのに参加費に男女差? 鳥取(2015年8月21日毎日新聞)

 男女共同参画推進のため鳥取県が今年1月23日に鳥取市内のホテルのレストランで主催した「中国地方輝く女性活躍フォーラムinとっとり」で、交流会の参加費に男女で差があり、県内の男性から県に苦情があった。レストランの料金設定に従ったためだったが、県の外部機関の男女共同参画推進員はこのほど、「女性と男性が合理的な理由なく異なる扱いを受けている印象を持たれないよう、全職員が常に問題意識と緊張感をもって業務に取り組むよう努めるべきだ」とする県への意見書を公表した。

 意見書などによると、飲食を伴う交流会の参加費は男性4200円、女性3600円で、チラシを見た男性が1月22日、「違和感を覚えた」と指摘。「県は違和感を持たなかったのか」「担当者が違和感や表記への配慮の必要性を感じないこと自体が問題」としていた。

 県はレストランの料金設定で参加費を決め、チラシを作成。男女で異なることについて何らかの意見が出ることは予測したが、県が料金設定に介入していないと記載することに違和感を覚え、あえてチラシで説明しなかったという。

 意見書は「男女差が生じたのはやむを得ない面があったが、あえて説明を省いたのは配慮が不足している」と指摘。県男女共同参画推進課は「今後、チラシの表記などにも配慮していきたい」としている。【小野まなみ】

男女の価格差を指摘した男性はまあよく気がついたと言うことなんですが、県側は予めこうしたクレームがつくこと自体は予想していたにも関わらず原案通りで進めていたらしいと言うことで、昨今の国立競技場改築問題などにおいてもそうですが「一体誰が責任者で行事を仕切っているのか?」が判りにくいと言う批判の余地はあるかも知れませんね。
そう言えばと身近なバイキング形式の店舗で料金設定を見てみましたところ、結構この料金の男女差がある店が確かにあるようで、子ども半額的な感覚で男女差も設定しているのかも知れませんがどれほど数字に根拠があるものなのか、男女一律ではなく例えば年齢や体格による階級制?の方がより妥当なのではないか等々、様々な考え方が出てきそうに思います。
一方でこれまた社会一般で意外なほど広く行われている慣習として、飲み会や会食等で男女混合で行われると言う場合男の方が女よりも割高に(それもかなり顕著な差別化で)設定されるケースが多いようで、これも何となくそういうものだと受け入れてきた方々も多いのでしょうが、しかし近年の男性の草食化などを見る限り飲食代として一律差別化する妥当性はさほどにないのでは?とも思うのですがどうでしょうね?

この話を見ていて興味深いと思うのは、とある調査によればデート代は男性に払って欲しいと考えている女性が7割程度いることに対して、6割以上の男性はなるべく割り勘でと希望している、そして女性の2/3はイケメンよりもおごってくれる男を選ぶと言っているのに対して、半数弱の男性が全く支払うそぶりもない女は恋愛対象から外すと言っているのだそうです。
デート代は男が払うべきと言う女性の考え方の根拠として「その分のお金を自分達は化粧やおしゃれに使わなければならないから」と言うもっともな意見もあって、とある女性などは割り勘を求める相手とのデートにはスッピンで出かけて行き「これが割り勘ってことだよ」と言ってやった、などと言う話もあるそうなんですが、「ならデート代全額女持ちにしたら全裸で来るのか」等々これまた当然ながら様々な突っ込みもあったようですね。
個人対個人のプライベートな付き合いに関しては、それぞれの考え方をすりあわせると言うこともデートの目的の一つでしょうから構わない話なんですが、公的なイベントではっきり男女格差を設定してしまう、それも仮にも男女平等を目的とするイベントでそれをやってしまうと言うのはやはり問題だと思うのですが、この点に関して「それはおかしいのでは?」と指摘したのがいわば性別差別を受ける側であるはずの女性ではなかったと言うのは示唆的ですね。
同じ会場で同じように飲み食いしているにも関わらず男が余計に払って当然、と言う考え方に何ら違和感を覚えない人が、同じ職場で同じように仕事をしているにも関わらず男の方が余計に給料を受け取るのはおかしいと感じるのも考えてみると確かに矛盾している話なんですが、この辺りは「女権主義者ほどレディーファーストなどと言う男女差別習慣の撤廃に尽力すべきだ」と言う古来からある議論にも通じるものがあるでしょうか。

|

« 和歌山県立医大、留年者続出で調査へ | トップページ | 認知症高齢者を地域全体で見守ると言うことの実際 »

心と体」カテゴリの記事

コメント

これが「鳥取で行われた男女共同参画推進のための交流会」
でなく「鳥取で行われた婚活パーティー」だったら
男女の差 ではなく 需要と供給の差 にすぎなかったのでは? で
終わる話だったんでしょうけどね。
この趣旨の会では NGですよねえ。

投稿: | 2015年8月25日 (火) 07時14分

 一方、男女それぞれに、自分の性別によって「『得をした』と思うことはあるか」と聞いたところ、興味深い結果になった。男性は「男性で得をした」と思うことが「多々ある」が8.3%、「たまにある」が25.1%と、合わせてわずか33.4%だったのに対し、女性は、「女性で得をした」と思うことが「多々ある」が17.6%、「たまにある」が46.7%で、64.3%が「女性で得をした」経験があると回答。「得をした」割合は男性の2倍近くなった。

 女性たちが挙げた理由は、「女性限定のサービスや割引があるから」が突出して多く、次に「力仕事をしないですむから」、「奢ってもらえるから・多めに払ってもらえるから」、「優しくしてもらえるから」などが挙げられた。
http://www.zaikei.co.jp/article/20150824/265733.html

損して得取れってこと?

投稿: | 2015年8月25日 (火) 07時53分

だから今の世の中大半の男性は、女に生まれたほうが絶対得って思っている。

投稿: | 2015年8月25日 (火) 09時00分

体力的に男に劣らなかっらた女でもよかったかなあ。
スポーツなんかやってたらやっぱり男女差実感しますもん。

投稿: ぽん太 | 2015年8月25日 (火) 09時10分

得してることに無自覚なだけだよね

投稿: | 2015年8月25日 (火) 09時35分

得していることもあれば損していることもあると言うことも含めて男女平等であって、全てにおいてイコールである必要はないんだろうと思いますが、この手の損得勘定と言うものは個人の主観もあって難しいんでしょうね。

投稿: 管理人nobu | 2015年8月25日 (火) 11時21分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/62142276

この記事へのトラックバック一覧です: 何気ない日常の中に滲透している男女差別の習慣:

« 和歌山県立医大、留年者続出で調査へ | トップページ | 認知症高齢者を地域全体で見守ると言うことの実際 »