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2015年8月20日 (木)

お祭り騒ぎの現場における微妙な一線

昨今それが何であれどこからでもクレームと言うものはつくものなんですが、そのおかげで一部地域では伝統行事までが大変なことになってきていると話題になっています。

「まるでカルト」…イヤホン耳に無音で盆踊り、「うるさい」苦情で(2015年8月17日産経新聞)

 花火と並ぶ夏の風物詩、盆踊り。心浮き立つ太鼓の音が鳴り響き、各地で大会や練習が行われている。とはいえ、最近は、地域のお祭りを騒音と感じる人も。新手の対策として、踊り手がイヤホンで音楽を聴きながら踊る「無音盆踊り」が登場。「不気味」という反応の一方で、「踊りに没頭できる」という好評価もある。地域住民の連帯感と一体感が持ち味だった盆踊りが変化しつつある。(村島有紀)

■新しい「踊りの形」を模索

 愛知県東海市大田町の「無音盆踊り」。輪になった踊り手が静寂の中、無音で踊る様子がテレビなどで放映され、「不気味」「どこかのカルト集団?」「東海名物ゾンビ踊り」など、どちらかというと悪口雑言に近いような反応が寄せられる。

 無音盆踊りは、名鉄太田川駅周辺で開催される夏祭り「ザ・おおた・ジャンプフェスティバル」で披露される盆踊りの一部。平成21年から踊り手がイヤホンの付いた携帯ラジオを持参し、FM電波で同じ曲を聴きながら踊る試みを始めた。今年は8月8、9の両日に行われ、延べ約400人が踊った。

 初めて無音盆踊りを行った際、踊る人は40~50人程度しかいなかった。しかしその後、輪に入って踊る人は年々増加中で、大会長の森岡厚(あつし)さん(53)は「本当は岐阜の『郡上(ぐじょう)おどり』のように夜中踊れる盆踊りが理想だが、周囲への配慮から騒音対策も必要。まちおこしも兼ねて、多くの人が参加できる新しい盆踊りの形を模索した」と胸を張る。

 森岡さんによると、「風情がない」という声もあるが、「踊りに没頭できる」との高評価も。夜遅くまで開催するとしても苦情を受ける心配はない。また、やり方を工夫することもでき、内側の輪と外側の輪で踊る人たちが、それぞれ、年齢層に応じた異なる音楽を聴いて踊ることもできる。例えば、内側の輪には年配者向けに「炭坑節」、外側では、子供向けに「おどるポンポコリン」といった具合だ。
(略)
■「蒸し風呂」の中で練習

 都心での阿波踊りは、河川敷や公園での練習が可能な徳島県と比べてさらに過酷。東の阿波踊りの代表格、東京都杉並区の「東京高円寺阿波おどり」の関係者によると、練習場所は地下2階の倉庫や、ライブハウス。小学校や中学校の体育館を借りて行う練習では、かけ声や足音が漏れるのを防ぐため窓を閉め切り、蒸し風呂状態だ。

 参加連の一つ、「ひょっとこ連」の副連長、坂牧史子さん(36)は「一度でも苦情が入ると体育館が借りられなくなる。杉並区の住民は、入れ替わりが激しく新住民の多くは、阿波踊りが本番だけでなく、日頃から練習が必要ということを知らない。自分たちと関係ない音だと思うと『騒音』に感じるのかも」と表情を曇らせる。
(略)

まあしかし、同じ会場で踊っている人たちがそれぞれ別な曲に合わせて踊っていたというのも何とも斬新な光景ではあるのかも知れませんし、盛岡さんの言うように伝統文化から発して踊りの新たな地平を切り開きつつあるのかも知れませんけれども、この種のイベントと言うものは参加すると言うことと鑑賞すると言うこととの二面性があるもので、この場合前者の比率だけが極大化してきているとも言えるのでしょうか。
騒音に限らず祭りのだんじり運行で死傷者が出たと言うことは時に報じられることで、もちろん参加者はそうしたリスクを承知の上で場合によっては保険等の用意もして参加するのが筋だと思いますけれども、一方で大勢で取り巻いている観客に被害が出た場合にどうするのかは常に議論になるところで、熱心な参加者からすれば無関係な連中が勝手に近くで見ていて怪我をしたのに祭りが中止されるなど我慢ならないと言う視点もあるはずです。
自動車レース文化が定着している海外などでは、以前からラリーで観客がコースギリギリにまで近寄って観戦していることも自己責任で許されるのだと言われていましたが、そんな文化的背景があったにも関わらず観客を巻き込む重大事故多発によってグループBが中止に追い込まれたと言う経緯があるように、参加者の自己責任による許容度と開催者の責任に基づく規制と言うものは常にそのバランスが問題になりますよね。
まして公共の場所で開かれるイベントの場合周囲の住民に取っては全く無関係なことで騒音等の被害だけ押しつけられる形ですから、近年高校野球の公式戦などにも「うるさい」「中止しろ」と苦情が舞い込むことがしばしばであると言うことも理解出来るのですが、その高校野球絡みの苦情と言うことで先日からこんな件が話題になっています。

「甲子園のバックネット裏は八号門倶楽部のものではありません」 “ラガーさん問題”で抗議の署名開始(2015年8月16日ガジェット通信)

甲子園球場で行われている高校野球で、いつもネット裏でラガーシャツを着用し観戦している名物おじさんとしてマスコミにもたびたび登場している「ラガーさん」こと善養寺隆一さん。『甲子園のラガーさん』『ラガーさんの嗚呼、青春の甲子園あるある』といった著書もある。
現在、そのラガーさんと彼の所属する「8号門クラブ」に対し、ネット上を中心に批判が殺到している。

    8号門クラブ(はちごうもんくらぶ)とは、日本の高校野球の私設ファンクラブ。春の甲子園・夏の甲子園の観戦のために阪神甲子園球場のバックネット裏に通じる8号門入口に集うことから、高校野球ファンの間で8号門クラブと呼ばれるようになった。(Wikipediaより)
この8号門クラブが甲子園の自由席を私物化しているとして、「高校野球を応援する会」が『change.org』にて抗議の署名活動を開始した。

    8号門クラブをはじめとする、一部団体は高校野球大会の自由席を私物化しています。具体的には、1人につき1席使用すべきところ、過剰なほど多くの席を占有していたり、先に着席していた観客を恫喝し、座席を強奪して他の席に移動をさせたりしています。また、阪神甲子園球場の警備員は一連の行為を黙認しています。これらの行為は健全な高校生スポーツにあるべき姿とは言えず、高校野球そのものを冒涜していると言って過言では ありません。来年の春には甲子園が球児たちにとって気持ちよくプレー出来る環境となることを望みます。そして、私たちは高野連、朝日新聞社、8号門クラブに対し、これらの行為が無くなるよう、具体的な行動を取ることを強く要求します。

とのことで、8月16日14時の段階で賛同者は900人を突破。現在もその数をのばしているようだ。署名の宛先は8号門倶楽部と、主催者である日本高等学校野球連盟及び朝日新聞社となっている。
(略)

ネット裏最前列と言えばテレビ中継などでも真っ正面に映る場所ですから当然ながら競争率も高いのだろうし、実際に15日間の遠しチケットを買った上で最前列に並ぶために泊まり込みを強いられ家族からも見放される?など様々な苦労があるようですから、そこまでやる気もあり人一倍の犠牲や労力も払っているのであればまあ好きにしたらいいのでは?と言う考え方ももちろんあるのだろうと思います。
ただここで問題になっているのはそうした言わば正当な手段で最前列席を確保した人々ではなく、何かしら特権を持っているかのように他人を押しのけ不当に席を独占している人間がいる、それも何かしらグループとして組織だって数の力で横暴を押し通しているらしいと言う点で、もちろんこうした行為は許容されざることは言うまでもないのですが、興味深いのは主催者らがこうした連中を取り締まっていないと言う声がある点です。
好意的に考えるならばそこまで実情を把握していないと言う可能性もないことはないのでしょうが、何しろ一番目立つ特等席なのですから普通に考えれば警備員なども通常以上に目を光らせていてしかるべきでしょうに、それをどうやら黙認しているらしいと言うのであればやはりこれは抗議されても仕方ないことではあるように感じますがどうでしょう?

冒頭の盆踊りを巡る話を見るまでもなく、どこまでを反社会的行為とすべきかは個人の価値観から時代時代の社会通念など様々な判断基準が絡むもので、高校野球では当たり前の鳴り物付きの盛大な応援合戦も国によってはうるさくて下品だと嫌われると言いますが、今のところ甲子園での大会期間くらいはかなりの部分がお祭り騒ぎと言うことで許容されている部分があると思います。
この種のはた迷惑と言える行為は別に高校野球に限ったことではなく、昨今ではいわゆる撮り鉄の暴走行為がしばしば問題視されますけれども、そもそも元を辿ってみると何かしら事件やイベントのあるたびにマスコミ各社が率先してやってきたことでもあって、以前には高知でゴルフの試合中に度重なる注意や警告を無視していた取材カートが暴走して観客を跳ねると言った事件もありました。
そう考えると高校野球と言えばご存知のように大手マスコミが主宰していることが知られていますから、横暴やはた迷惑に対しては自らを省みて寛容なのか?などと邪推する向きもあるかも知れませんが、サッカーなども以前からサポーターの暴走がどこまで許されるべきか議論になってきた歴史があって、迷惑だけならともかく他人に脅威を与えるような暴力的行為は駄目だろうと言ったあたりが最低限の一線になってくるのでしょうか。

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コメント

指定席にしたらいいんでないの?>バックネット裏

投稿: | 2015年8月20日 (木) 08時50分

ちなみに本日明日は緊急メンテナンスのため、午前中一杯はコメント書き込みが出来ないようで、ご迷惑をおかけしています。

投稿: 管理人nobu | 2015年8月20日 (木) 12時13分

○守り人 高校野球100年(6)「8号門クラブ」

「8号門クラブ」。高校野球ファンの間ではこう呼ばれている。会員は40~80歳代。平均年齢は70歳前後というところか。
春と夏の大会期間中、全国各地からメンバーが参集し、全試合をバックネット裏の最前列や2列目で観戦する。

試合が終わり、観客が家路に就く中、ネット裏への入場口である甲子園球場8号門前には、翌朝の開門を待つメンバーが列をなす。
段ボールに折りたたみイス、蚊取り線香をたき、ビールやおつまみを口にする。

「2時間以上、列から離れない」との暗黙のルールがあり、2時間以内に交代で、お風呂、洗濯、夕飯を済ませ、翌日の買い出しをする。
午後10時過ぎ。「あすは4時起きだ」と次々と野宿を始めた。

    ○  ○

1980~90年ごろ、8号門前に自然と集まるファンらで作られた。
メンバーの入れ替えや整理もあり、4~5年前に約100人の体制が出来上がったという。
会員之証には「2008年以前からの愛好者に限る」「新規加入には地区担当の推薦が必要」など会則が示されるほか、
なるべく球場内ではお酒を飲まない▽汚いやじを飛ばさない▽球児を勇気づける言葉を掛ける-
など順守しなければならない数々の“掟(おきて)”も存在する。

「私たちも球児とともに戦っている」。蛍光黄色の帽子にラガーシャツとひときわ目立つ男性。
通称「ラガーさん」こと善養寺(ぜんようじ)隆一さん(49)が口を開く。

東京で印刷業を営む善養寺さんは、開幕4日前の今月2日、トレードマークのラガーシャツ約30枚を携え、
高速バスで甲子園球場に乗り込んだ。

バックネット裏最前列で初めて観戦したのは85年春。
桑田真澄、清原和博の「KKコンビ」擁するPL学園の試合を見て、バックネット裏のとりこになった。

「A列73番」。善養寺さんの“指定席”だ。99年からの連続観戦は、今夏1300試合を超えた。(尾藤央一)

8/13 05:30
http://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/201508/0008298426.shtml

投稿: | 2015年8月20日 (木) 23時25分

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