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2015年8月10日 (月)

国内初の第三者卵子提供に反対意見が圧倒的多数

先日はNPOの仲立ちで、第三者のボランティアから採取した卵子による体外受精が国内で初めて行われたと報じられていて、この場合卵子提供者と出産者といずれが母親になるのか民法上に明確な規定がないのが問題だ、などと話題になっていますが、この件に関してこんなアンケート調査の結果が出ているそうです。

「ほかの女性の卵子提供による妊娠」に反対多数…アンケートから(2015年08月05日読売新聞)

 病気などで自分の卵子で妊娠できない女性を対象に、第三者の卵子提供を仲介するNPO法人が女性2人に卵子を提供したという記事を基に、その是非を問うアンケートを実施しました。
 結果は、賛成39%、反対61%で、反対票が賛成票を大きく上回りました(8月5日現在)。この問題は子どもを授からないで悩んでいる当事者にとっては切実ですが、法整備もなされていないなか、「拒絶」に近い反対意見が目立ちました。第三者から卵子提供を受けた当事者の親や不妊治療を受けたことがある方からの意見もあり、いずれも深く考えさせられる内容です。

「生命はお金で買うものですか?」…反対派

 「私は、無精子症です。ですので、子供ができません。その立場から言わせていただきますが、子供がほしいからと他人から卵子の提供を受けるのは違うと思います。そもそも、現在精子の提供を受けての出産は認められていますが、それだって本当はおかしいと感じています。どうしても子育てがしたかったら、養子を貰(もら)うなりなんなり手立てはあります。『産みたい』という感情、もしくは一念で他人の遺伝子を用いての子供というのは、本当にその夫婦の子供といえるのでしょうか?」
 「子どもが欲しいという切実な気持ちは理解できます。ただ、『生命』は科学や他人の卵子や、もっと言えばお金の力で授かるものなのか?
 「男として複雑な心境になります。我妻の子ではないのですから。将来、子どもが事実を知ればどうなるのか。もし、子が男で生みの母とどうもそり合わない(違和感を感じるようになった)場合、本当の母親を本能的に探すのではないでしょうか。トラブルが起きないとよいのですが……。私の生い立ち(実母夭逝(ようせつ)・継母育成)からして、そんな思いがしてなりません」
 「反対です。これが認められれば、いずれ卵子も優秀なものが高額取引されるようになるでしょう。すでに海外では精子バンクが大盛況と聞きます。また命がお金で取引されるようになり、優秀な精子や卵子を選ぶ、命の選別もより容易になります。優秀な子を求めて大金を支払いさらに教育にもお金をかけ、その結果もしも期待に沿うような子でなかったら……?」
 「成長してからの子供の思い……どんなかを考えるべきだと思います。親は割り切って親子としていても、出生の秘密を知ったとき、こどもの心は如何(いかが)なことになるかと……反対です」
 「授かった子供は旦那様が外で産ませた子と同じ。どう思います?」
 「自身の卵子を使い、体外受精で子供を授かりました。精子の提供とは訳が違います。卵子を取り出すのに、全身麻酔もしますしかなり危ない手術です。まったくの他人にボランテイアで提供してもらう、という流れのようなので、それではあまりにも危険ですし、無理させすぎだと思います。アメリカ在住時、日本語コミュニティー新聞に数十万円で日本人女性の卵子を募集する広告がよく出ていました。提供者は危険を知った上で、卵子のもらい手も提供者の情報を知り、納得の上、報酬を支払って、というのでしたら賛成ですが」

 反対派の方々からは、生まれてくる子どもの出自を知る権利をどう保証するのか、卓越した頭脳や美貌を売りにした卵子売買が横行する可能性を危惧する声もありました。養子ではなぜだめなのかという意見も多数寄せられました。

「この気持ちは当事者でないとわからない」…賛成派

 「他国に比べてこの点において日本は劣っています。少子化問題など出ていますが、このようなことを推奨していかない限り少子化は進む一方です」
 「今は賛成。そのうち自分のiPS細胞で異常を治して卵子を作る様になるでしょう」
 「海外在住ですが、自分の子供がまさにこのケースです。養子縁組も幾つかあたりましたが、どこからも良いお返事はもらえず、最後の手段でした。最初の細胞だけをお借りしましたが、妊娠して出産して育てているのは私。それともDNAが入っている卵の持ち主の方が、親だというのでしょうか。不妊の当事者以外の部外者はご意見無用です」
 「ほかの男性の精子を使っての妊娠が容認されているなら、ほかの女性の卵子を使っての妊娠も容認すべきだと思う」
 「不妊治療が必要な立場にならなければ、一般的に理解できないことかもしれません」
 「賛成です。当事者が自らの責任で行い、結果にもすべて責任が持てるのならば反対する理由はありません。ただ、家族関係などをどう考えるのか、クリアすべき問題はあると思うので、法的な環境整備が急務だと思います」
 「私は女性医師です。自分自身も患者として永年不妊治療を経験しました。高額な費用を自己負担して、何度も治療にトライしても授からない人はいるのです。納税者として国家に貢献しているのに、以前の少子化大臣が、今の40代は子作りに対する意識教育が間に合わなかった世代と切って捨てていた言葉を忘れられません。海外に卵子提供を求めるのは現在暗黙の了解として認められており、これは実は危険な行為なので、どうせ暗黙の了解としているなら、日本国内で卵子提供を受けられる環境を整えるのが先進国の姿ではないかと考えます」
 「本当に子供を望むものが、病気で妊娠出産出来ない事が、どれだけ辛く苦しいものか、周りはもっと理解を深めるべきです。確かに、第三者からの提供を受ける事は自然に反しているし、将来生まれた子供の出生に関わることで様々な課題が待ち受けています。しかし不妊治療を受けている者の多くは、なぜ自分達に子供が必要なのか、なぜこのような治療を受けてまで子供が欲しいのか、何度も自問自答を繰り返しているはずです。それで出した夫婦の答えが、提供を受けることであれば、それを周りはよしとして、支えていけばよいことなのではないでしょうか。子供を持つ、持たない、持てない、そのような状況に周りが意見するのはおかしいと思います」

  賛成派の方々からは「第三者の精子提供が容認されている」のに卵子提供を認めないのはバランスを欠くといった意見のほか、卵子を提供してもらうために海外渡航するカップルが後を絶たない現実を指摘する意見もありました。また、自己責任でやっているので、周りの人がとやかく言う問題ではないという意見もありました。
(略)

確かに「周りの人がとやかく言う問題ではない」と言うのはもっともなのですが、民法がそもそも何故問題になっているかと言えば親子関係とはすなわち相続にも絡んでくるからであって、卵子提供者が親になるのであれば産まれてくる子供は非嫡出子扱いになるのか?だとか、卵子提供者が亡くなった際に遺産相続権が発生するのか?と言った様々な副次的トラブルが予想されるところですよね。
今のところは産んだ人間を親としようと言う法改正を図る動きが主導的なのだそうで、これはそもそも誰が子を持ちたいと考えているのかと言った点から考えても子の養育環境と言う点から考えてもごく妥当な結論だと思いますけれども、ただ今回興味深いのは他人の卵子を使うのは今回が初めてであっても、他人の精子を使って産まれた子供はすでに大昔から1万人以上もいるわけです。
今まで全く法整備も放置されてきた中で卵子提供が行われるようになって急に社会問題化すると言うのもどうなのかですが、今まで精子提供に対して「そんなことは絶対行うべきではない」と言う声も別に聞こえてこなかったことと考え合わせると、卵子提供に対する反対意見が圧倒的多数派に登ったと言うのは何やら興味深い結果であるとも言えそうですよね。
社会的な意味づけに関しては社会がどこまでを許容するか?と言うことと大いに関わっていて、例えば将来的に精子も卵子も第三者から提供されることも許容されるのか?と言う議論もあるでしょうし、さらに話を飛躍させると人間の夫婦がイヌやネコの子を産んだ場合法的に実子扱いされるべきなのか?と言う議論もある理屈で、シンプルに「お腹を痛めて産んだ以上我が子」と言う論理が絶対正義とも言い切れない部分はあります。

また当然ながら反対意見にあるように、どうせ配偶子をもらうならより優秀な人からもらいたいと考えるのは人情で、海外では実際に提供者のカタログから選ばせると言うこともやっているようですし、仮に何らかのトラブルを持って子供が生まれ、それが提供された配偶子に明らかに起因するものであったと言う場合、本当に受け止めることが出来るものなのか?と言う疑問はありますよね。
精子提供に対して卵子提供の方が、被提供者が苦労して子供を産む分だけ我が子だと言う実感が湧きやすいと言うメリットはあると思いますが、義父母や夫から「こんな子供が出来たのもそもそもお前が(以下略)」と連日責め立てられる未来絵図と言うものも最悪想像されるところではあるし、そうではなくとも子供の遺伝的素因と言うことに関して通常以上に神経質になってしまうのかも知れません。
技術的にはiPS細胞から精子や卵子の元が出来るようになったとすでに報じられていて、将来的に配偶子を作れない状態にある夫や妻にも自前の配偶子が手に入るようになればこれ以上間違いのない対策もないと思うのですが、これまた望ましい形質を得られるよう遺伝子を操作する「ゲノム編集」など様々な技術も開発されていて、より受精確率を引き上げるためにより立派な配偶子をと言う欲望は働く余地はありそうです。
遺伝子操作なども含めて生殖医療と言うものは社会的に色々と注目され、とかく厳しく規制されがちではあるのですが、妊娠出産には余計な人為的介入をすべきではない、天然自然しか認めないとなればそもそも緊急帝王切開なども認められるのはおかしいと言う話にもなりかねずで、語る者の立場によって非常に恣意的に許容可能な範囲を決められてしまいがちな側面はあると思いますね。

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コメント

たしかに精子と卵子で扱いに差がある気はします。
単純に新しい技術への反発だけでもないような?

投稿: ぽん太 | 2015年8月10日 (月) 08時09分

朝食のふりかけがのりたまごか鰹みりんかはあまり気にしないが、ご飯がパンになるのは大問題的な感覚もあるのかも知れません?

投稿: 管理人nobu | 2015年8月10日 (月) 12時41分

第三者より夫の父親の精子を使うなんて要望があるほど、血縁にこだわってるわけだからなあ
血縁があれば無条件に何か通じるはず、て信じたがってるよね

投稿: | 2015年8月10日 (月) 17時49分

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