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2015年8月

2015年8月31日 (月)

高齢者が続々と身内殺しに走る時代

最近高齢者による悲惨な家庭内殺人事件が続発していると話題になっていることをご存知でしょうか、

「肉体的、精神的に限界迎えた」 精神疾患の41歳長女殺害、81歳父に異例の猶予判決 傍聴席からもすすり泣く声(2015年8月21日産経新聞)

 「娘は助けを求めていた。救ってあげられなかったのが私の一番の罪です」。精神疾患の長女=当時(41)=の首を絞めて殺害したとして殺人罪に問われた和歌山市の男性(81)の裁判員裁判で、和歌山地裁は7月、男性に懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役6年)の判決を言い渡した。公判で明らかになったのは、精神疾患で苦しむ長女と、愛する長女の暴力に耐え続けた家族の姿。被告席の男性と証人出廷した妻は法廷で最後まで長女に謝り続け、傍聴席ではすすり泣く声も聞かれた。(兵頭茜)

「被告を強く非難することはできない」

 判決によると、男性は2月14日午後10時20分ごろ、自宅で同居する長女が病身の妻を布団越しにたたくのを見て殺害を決意。長女の背後から首に電気コードを巻き付けて殺害した。
 公判で、検察側は「被告人に同情の余地は一定程度あるが、被害者と距離を置くなど殺害以外にも方法があった」と指摘し、「強い殺意を持ち、犯行態様は軽くない」として懲役6年を求刑した。
 一方、弁護側は「長女は暴れて被告やその妻に暴力をふるっていた。精神的にも体力的にも限界に達していた」と主張。「重い精神障害のある娘の面倒を長年見るにあたり、肉体的にも精神的にも限界に達していた。犯行を後悔しており、高齢である」として執行猶予付きの判決を求めた。
 殺人罪については、法定刑の下限は5年。浅見健次郎裁判長は「約20年間もの長期間にわたり、被害者のために努力し、肉体的、精神的に限界を迎えた末に本件犯行に及んだ経緯からすると、被告を強く非難することはできない」とし、男性が反省していることや高齢であること、病身の妻がいることなども理由に、執行猶予判決とした。
 検察側は控訴せず、1審判決が確定した。
(略)

川上の母親絞殺:息子に懲役6年6月 地裁判決 /奈良(2015年8月29日毎日新聞)

 川上村で今年3月、同居の母親を絞殺したとして殺人罪に問われた同村大滝、無職、松葉正昭被告(70)の裁判員裁判が28日、奈良地裁であり、柴田厚司裁判長は懲役6年6月(求刑・懲役8年)を言い渡した。

 判決によると、松葉被告は3月10日夜、自宅のベッドに寝ていた母親(当時94歳)の首を右手で圧迫して窒息死させた。

 柴田裁判長は、松葉被告が母親の介護を中心的に担っていたことなどについて「同情できる面もある」と述べる一方、「他の親族に介護を一時的に委ねるなどの手段も講じられた。思い詰め、殺害を決意したことは短絡的」と指摘した。【小坂剛志】

老老介護殺人 最後の夜、夫は妻に楽しい思い出を語り続けた(2015年8月25日NEWSポストセブン)

 7月8日、千葉地裁で「懲役3年、執行猶予5年」と下された判決は、宮本浩二・被告(仮名・93歳)が当時83歳の妻に対する「嘱託殺人未遂(妻の死亡後、嘱託殺人に訴因変更)」に関するものだった。昨年11月8日、痛み止めの薬も効かず苦しむ妻を見かねて夫が手をかけたのだが、死ぬ間際まで夫妻は仲睦まじかった。
(略)
 妻にとって宮本被告は「自慢の夫」だったという。近くで定期的に開かれる障害者団体主催のバザーに欠かさず顔を出していた夫のことを「うちの人は本当に優しい」と満面の笑みを浮かべながら話す姿を複数の住民が覚えている。
 そんな2人の生活が一変したのは約2年前、妻の足腰の衰えが顕著になってからだった。以降、妻の姿を目にした住民はほとんどいない。
事件が起きて初めて旦那さんが介護に追われていたことを知った。奥さんの姿を見なくなってから、旦那さんが1人で自転車に乗ってスーパーへ買い物に行く姿が目立つようになったので不思議に思っていたのですが……」(近隣男性)
 公判では、妻が介護サービスを受けるのを嫌がっていたという証言もあったが、その真意を事件前、妻は友人にこう話していた。
私より助けが必要な人がいるはず

 事件当日、廊下で転倒した妻から「もう痛みに耐えられない。何もできない、苦しいだけ。殺してほしい」と懇願された。
“もう断われない”──。
 宮本被告は決心した。その日の夜、妻に添い寝をした。出会った頃に遡り、新婚生活、子供が生まれた時のことなど、楽しかった思い出を妻に語り続けた。その時の様子を宮本被告は公判でこう語っている。
「妻はニコニコしていた。とても綺麗だった」
 60年分の思い出話を語り終えた後、被告はネクタイを手に取った──。

 検察から懲役5年を求刑された時にはこう答えた。
私がしっかりした男だったら(もっと)上手な対応を取ったと思う。今でも妻を愛しています」
 判決後、裁判官は被告に優しく語りかけた。
「奥さんが悲しまないよう、穏やかな日々をお過ごしになることを願っています」

特に最後に取り上げました千葉の事件では判決文でもひと言も被告を責める文言はなく、「60年以上連れ添った妻を自ら手に掛けることを決断せざるを得なかった被告人の苦悩を考えれば、同情を禁じ得ない」とまで書かれたことが話題になっていますが、いずれの事件も心身に何らかの問題を抱え正常な生活を営むことが出来なくなった家族に対して高齢の家族が手を掛けたと言う、何ともやりきれない背景事情があったと言えます。
千葉地裁の判決文では「超高齢の被告人が、軽度の認知症を抱えながらも、自宅において被害者とほぼ2人きりの閉ざされた環境で眠る間もなく献身的に介護を続ける中で、次第に疲弊し、追い詰められた」と事件の背景を語ったそうですが、世話をしている側も高齢であり本来であれば日常生活に支援を要していてもおかしくないのに、さらに家族の支援まで引き受けるのですから大変ですよね。
場合によってはこれに経済的事情が絡んでくるわけで、昨今話題になることも多い親の介護のために子が退職し云々と言った場合、下手をすると長年親の介護で人生を棒に振った上に、親が亡くなればその年金も消滅し一気に生活が成り立たなくなる可能性もあるわけで、家庭内介護と言う行為を肉親の情などと美談めいて語っている場合ではないのかも知れません。

今年に入ってからだけでもすでに数件の介護が絡んだ高齢者による身内の殺人事件が起きているのだそうで、もちろん客観的に見れば「何故そこまでなる前に誰か周囲に助けを求めなかったのか?」と言う考えもあるのですが、当事者自身も認知症など様々な問題を抱える年代であり、風呂にも入れず睡眠も取れない状態で正常な判断を働かせる方が無理があるとも言えそうです。
そしていずれも共通しているのが周囲に迷惑をかけたくないと言う気持ちが強かったらしいと言う点で、この辺りは公的支援の制度など存在せず家庭内介護が当たり前だった世代であるだけに身内のことは身内で始末をつけると言う考えが固定観念的にあったのかも知れませんが、逆に何でも公的な支援が得られて当たり前と言う考え方が根付いているこれからの世代ではあまり起こり得ない事件なのかも知れません。
国が病院・施設から在宅へなどと家庭内介護をもっと頑張りましょうと推進しているのも、もちろん社会保障関連のコスト削減と言う考え方があるにせよ、一面では最近の世代に多く見られる何でも国や自治体が面倒を見てくれて当たり前と言う手厚い福祉にどっぷりと言う考え方に少しばかり手直しをしたい、出来ることはなるべく自分達でしてもらうようにしたいと言う気持ちの表れもあるのかも知れません。
ただこの種の社会保障の問題は往々にしてそうなりがちですが、実際には責任感が強く本来真っ先に社会的支援を必要としている人々ばかりが「国もそう言っているのだから」と追い詰められていくと言う問題もあって、この辺り何かしら公平に社会的支援を分配できる仕組みを整備しておかなければ類似の事件は幾らでも起きてくるのかも知れないですね。

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2015年8月30日 (日)

今日のぐり:「岡山自動車道高梁SA上りフードコーナー」

そろそろ夏も終わりですけれども、夏の風物詩とも言えるあれに関連して先日こんな記事が出ていました。

自然再考、昆虫食に注目 浜松で「セミ会」盛況(2015年8月21日静岡新聞)

 身近な自然環境や食文化を再考しようと、浜松市の市民団体「昆虫食倶楽部」が、セミなど昆虫や生き物を捕まえて食べるイベントを開いている。今月8日に開いた「セミ会」も、親子連れらで定員が埋まる人気ぶり。度胸試しや夏の思い出づくり、さらには「固定概念に縛られない子育て」など、さまざまな参加の動機に主催者側も驚いている。

◇身近な“財産”見直す契機
 セミ会は昨年に続いて2回目の開催。今年は昼、夜の部に定員いっぱいの計約40人が参加した。最も身近な昆虫であるセミを近所で捕まえ、自ら調理することで普段の食材を見詰め直す。昼の部は郊外の住宅地で開催し、夜の部はJR浜松駅にほど近いビル街でもセミ捕りをした。
 セミを次々と油で揚げる様子を見ていた子どもたちは、出来上がった素揚げを凝視。最初は恐る恐る手を伸ばしたが、一口食べると抵抗感が無くなり、クマゼミとアブラゼミのオスとメスを食べ比べて「メスの方が身があっておいしい」との感想も出た。
 保護者も「エビの尻尾みたい」と意外な味に驚いた様子。昨年も「エビに似た味」との感想が出たため、今年は関係者がセミ料理として「エビマヨ」ならぬ、「セミマヨ」を提供して好評を博した。
 同倶楽部代表の夏目恵介さん(37)=同市中区=は「約30年前まで全国各地に昆虫食の文化があり、天竜川上流域の山間地では、今も味の良さから昆虫を食べている」と解説。「見た目のハードルは高いが、身近な自然の財産に気付き、捕って食べる行為を見直すきっかけになれば」と意図を話す。
 同倶楽部の活動は本年度、市補助事業に採択された。今後、外来魚やトノサマバッタを捕食するイベントも計画している。

ちなみに元記事にはかなりストレートな画像も添付されているのですが、しかし盛況でしたかそうでしたか…
本日は久しく以前から未来の食料として脚光を浴び続ける昆虫食に挑んだ人々に敬意を表して、世界中からちょっと変わった食べ物に関連する話題を紹介してみましょう。

ミラノ万博で、「クロコダイル」「ゼブラ」のハンバーガーに連日行列(2015年8月19日朝日新聞)

 10月末まで開催中の「2015年ミラノ国際博覧会(ミラノ万博)」。フードがテーマだが、イタリア各地の郷土料理や世界各国の料理が味わえるとあって、来場者にとっては「何を食べるか?」も楽しみのひとつだ。
 万博内での食事は高いという前評判があって、開幕前は敬遠される気配が漂っていたが、現地メディアが盛んに特集を組んだこともあり、食いしん坊で食への好奇心旺盛な人々が続々と来場。万博グルメの話題で盛り上がっている。
 夜7時以降入場できる夜間割引入場券は5ユーロと格安なため、その時間帯を狙ってくる人も多い。そんな人たちの間で人気なのは、ハンバーガー。その中でも話題になっているものをいくつか紹介しよう。
 連日行列ができているのは、ジンバブエの「クロコバーガー」と「ゼブラバーガー」。それぞれワニ、シマウマの肉を使ったハンバーガーだ。バオバブの実とイタリアのぶどうを使ったジュース「バオバブドリンク」と、フライドポテトがセットになって15ユーロと、意外と高めの値段設定。
 お味のほうだが、クロコはかみごたえのあるターキーのよう、ゼブラは馬肉に似ているという。
 在ミラノ・ジンバブエ共和国名誉総領事のジョージ・エル・バダウィ氏は、「ワニもシマウマも、低脂肪、高プロテインで、オメガ3を多く含有するヘルシーな肉。これらハンバーガーをきっかけに、我が国に興味を持ってくれればうれしい」と話す。動物愛護団体からの抗議もあるというが、「多様な食文化のひとつとして尊重してほしい」と訴える。
(略)

シマウマの場合見た目的にも馬肉に似た味でなければかえって驚きますけれども、系統的にはウマよりもロバに近いのだそうで、そうなりますとロバ肉バーガーなどもあってもいいか?と言う気になってきます。
アメリカ人のベーコンという食材に対する偏愛ぶりは以前から当「ぐり研」でも注目するところですが、それが講じてとうとうこんな新食品が開発されたそうです。

ベーコンの味がする海藻 米研究者らが開発(2015年7月22日CNN)

(CNN) おいしいけど太るから食べられない――そんな悩みを解消する「ベーコン味の海藻」を、米オレゴン州立大学の研究チームがこのほど開発し、特許を取得した。
この海藻は、紅藻の一種「ダルス」の新たな品種として同大学の海洋科学センターのチームが開発した。
同州の最大都市ポートランドにあるレストランや大学付属の食物研究所が、この品種を使ったさまざまな料理を試す中で、焼くとベーコン味になることが分かった。
チームを率いるクリス・ラングドン氏は学内新聞とのインタビューで「フライパンで焼くと海藻ではなく、ベーコンの味がする。かなり強い風味だ」と語った。

ダルスにはもともとミネラルやビタミン、抗酸化物質、タンパク質などが豊富に含まれている。研究者の1人によれば、健康に良いとされる野菜「ケール」の2倍の栄養価を持つ「スーパーフード」だという。
食事制限や宗教上の理由で肉を食べない人がベーコンの代わりに食べるのに最適だと、ラングドン氏は話す。チームには菜食主義の人々からも問い合わせがあったという。
短期間で栽培できるのも長所のひとつだ。ある程度の日照と海水があれば場所も問わない。
ラングドン氏によれば、ダルスのような海藻の栽培は赤潮などの原因となる富栄養化を防ぎ、二酸化炭素を吸収するなど、環境にも良い効果があるという。

どのような理由でこのような味になるのかは何とも言えませんが、事実であれば色々と応用が利きそうな食材として期待出来そうですかね。
同じくアメリカ人の好む食べ物として数々のファーストフードがありますけれども、その一つに関して思わぬサービスがあったと話題になっています。

米KFCで「フライドチキンを買ったらネズミの丸揚げだった!」と消費者が Facebook に怒りの投稿!! 同社の反応は……!?(2015年6月22日ロケットニュース24)

(略)
問題のフライドチキンを購入したのは、米カリフォルニア州ロサンゼルスに住む25歳のデヴォライス・ディクソンさん。地元のKFCでフライドチキンを3つ購入したところ、3つのうち1つがネズミのような形をしていて、かじると固くてゴムのような触感だったというのだ!! 
彼が Facebook に投稿したフライドチキンの写真を見ると、確かに長いシッポのようなものが付いていて、ネズミの形に見えなくはない。

・「それはネズミです」と答えたというマネージャー

そこでデヴォライスさんは、チキンを購入した店舗へ戻り、怪しい形をした揚げ物を見せてクレームをつけた。すると、それを見たマネージャーが慌てふためき、「それはネズミです」と言って、彼に謝罪して無料の食事を提供すると申し出たのである!! 
即座にフライがネズミだと認めるマネージャーもどうかと思うが、デヴォライスさんは申し出を断り、弁護士を雇って訴える構えを見せているようだ。

・KFCの調査に非協力的な消費者

だが、KFC側にも言い分はあるようで、同社がデヴォライスさんに「問題の揚げ物を調査したい」と連絡を取ると、協力を拒否されたと述べている。そんな経緯もあり、デヴォライスさんの主張は悪ふざけではないかと疑いの目を向けているようだ。
KFCの広報担当者は、「我が社のチキンは大きさや形が異なり、今回問題となったチキンはたまたま妙な形をしていただけです」と声明を発表している。さらに彼は、デヴォライスさんが Instagram にアップした揚げ物の写真にかじったものがあり、「かじり口を見る限り、これは明らかにチキンの肉です」とも主張している。
問題の肉を調べれば、すぐにネズミなのかチキンなのか分かることなので、協力を拒むとはデヴォライスさんの申し立ては信用性が低いと見られても仕方がないかもしれない。ちなみに彼の Facebook の投稿は、シェア数が13万8000先件を超えて大きな話題となっている。

問題のフライドチキン?の写真は各自元記事を参照いただきたいと思いますが、まあしかし長い尻尾状の部分があるからネズミだと言うのもどうなのかですけれどもね。
学校の実習で動物を育てた児童がその食肉が食べられなくなると言うことがあるそうですが、こういう話を聞くと何も食べられなくなるのでは?と言うニュースが出ていました。

衝撃!植物は自分が食べられていること、何に食べられているのかがわかっている(2015年3月23日マイナビニュース)

新鮮なオーガニック野菜を手に入れたとき、農薬が使われているものよりも虫食いが多いのに気づきます。虫もおいしいものはちゃんとわかっているのですね。
ところでミズーリ大学が行った研究によると実はある植物は、自分が食べられていること、そして何に食べられているのかがわかっているというのです。

研究者たちが調べたのはキャベツに似ているシロイヌナズナという植物。このシロイヌナズナをモンシロチョウの幼虫に与えたところ、ナズナはこの虫から自分の身を守るための物質を出したということです。
他の幼虫や虫で実験してみると、それぞれの虫が苦手とする成分を出していることもわかりました。
また「自分が食べられているぞ!」という感覚は食べられたときに生じる葉っぱの振動によって理解しているそうです。
実験ではナズナの葉っぱをまるで食べられているときの音と同じように振動させたところ、多くの虫がきらうマスタードオイルのようなものを生産したそうです。
風など自然界の変化によって生じる振動には一切反応せず。

実験の結果、明らかにシロイヌナズナは自分が食べられていること、そして何に食べられているかを判断してそれを追い払うための対策を講じていたことがわかったのでした。
もしかしてある野菜たちは人間に食べられているという感覚にも反応しているもかも?!とちょっと考えてしまいますね。

こういう話から植物にも意識がある、とは一足飛びには言えませんけれども、しかし植物も動物も全く変わらず生き物であると言う事実は認識してありがたくいただく気持ちは大事でしょうね。
植物ですら自分が食べられることが判るとすれば、いわんや動物をやと言うニュースを最後に取り上げてみましょう。

「食肉になりたくない」=処理寸前、雌牛命拾い-仏(2015年8月15日時事ドットコム)

 【パリAFP=時事】フランス南東部アンベール近郊で雌牛が食肉に加工される寸前、身の危険を察知して処理場から逃げ出した。仏動物愛護団体は15日、食肉処理が見送られ、雌牛が命拾いしたことを明らかにした。

 「コルネット」と名付けられた雌牛は6月30日、加工場内で暴れ回り、近くの病院敷地内に逃げ込んだ。その後、麻酔銃で撃たれて捕獲されたが、麻酔で食用には適さなくなったとして、食肉処理が見送られた。
 愛護団体のステファン・ラマール代表は「動物にも感情や自覚があり、ストレスを感じ、死の臭いを嗅ぎ取ることができることを示している」と指摘した。コルネットは現在妊娠中。余生は自分の子と一緒に、都会の子供に田舎の生活を教えるパリ郊外の牧場で過ごすという。

こうしたケースがどの程度あるのかは判りませんけれども、食肉処理工程もこういう方面からも年々改良が進んでいるものなのでしょうか。
結果として食肉にならなかったのですから何が幸いするのか判りませんけれども、実際に身の危険を察知して暴れたのかどうかは気になるところですかね。

今日のぐり:「岡山自動車道高梁SA上りフードコーナー」

高速道路のSA、PAの類もコンビニが立地するなど近年ずいぶんと使い勝手がよくなってきましたが、こちら高梁SAのフードコーナーも小さいながら面白そうなメニューが結構ありますね。
ところでこの上り線、下り線と言うものは東京からではなく道路毎に設定された起点と終点を基準に定められると決まっているそうですが、確かに岡山道のような道ですと東京に近づくのか遠ざかるのか判りません。

今回は地元高梁の誇る?B級グルメとしてインディアントマト焼きそばを頼んで見ましたが、このインディアン焼きそばとは昔から地域の給食で出ていたメニューで、その後地域独自の料理として発展したそうです。
定義的にはカレー味の焼きそばで、大抵の場合何かしらトマトそのものやトマトソースなどが合わせられるのだと言いますが、こちらの場合そうした歴史も反映してかトマトのぶつ切りが入ったものとなっていますね。
しかし焼きそばだけならともかく、その焼きそばの傍らにご飯が盛りつけられていると言うのはカレー味からの連想なのでしょうか、さらにカップスープがついてくると言うちょっと焼きそばとしては不思議なスタイルです。
焼きそば部分に関してはかなり濃い目のカレー味で、カレーソースでべとつく分香ばしさはないんですが意外に麺の食感もしっかりしていて、これ単独で食べる分には悪くはない感じです。
ただいくらカレー味と言っても焼きそばと白飯が合うかと言うとどうなのかで、とりあえず今回はスープで無理矢理流し込んだのですが、ちょっと後で胃の辺りの具合が悪くなってしまいました。
どうしてもカレーライス風にあしらいたいなら単純に白飯ではなく、バターライスやピラフとかの方が合うんじゃないかとも感じたのですが、この辺りはお好み焼きに白飯がありかなしかと言った論争にも通じるのかも知れません。

ちなみに全国各地の洋食メニューや学校給食等でインディアンライスと言うものもあるそうで、こちらは豚肉等の卵とじを載せたご飯だったりだったりカレー味の炊き込みご飯だったり、色々なスタイルがあるようですね。
設備面ではSAと言うには少し小ぶりで物足りないところもありますが、その分同じ路線上にある蒜山SA等に比べれば混み合わないようですから、ちょっとドライブの途中に立ち寄ったりするのもいいかも知れません。

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2015年8月29日 (土)

スポーツの世界で続出するマスコミの暴走

昨今はネット等の双方向メディアが当たり前になってしまって、かつてのようにマスコミの大本営発表だけが唯一絶対の正義であり真理であると言う時代は遠い過去のものになってしまいましたが、こういう時代になりますとテレビや新聞に出ていることよりもそのバックグラウンドの方が面白いと言うことなのでしょう、先日もこんなニュースが出ていました。

「ヤラセは当たり前!?」テレビ局の非常識ハチャメチャ制作現場の実態(2015年8月25日日刊大衆)

ヤラセに傲慢取材……今、テレビ制作のモラル低下が叫ばれている。被取材者が見たハチャメチャ制作現場の裏側を暴露する!
(略)
片足を失った女性がパラリンピックを目指す道程を描いた本『Colors』(ミリオン出版)の編集人・梁瀬敦氏も、フジ報道ディレクターから彼女への取材依頼を受けたという。しかし……、
「彼女の国体出場の密着取材では、初対面で超至近距離でカメラを向け、大会側から注意喚起の放送が入ったほど。さらに彼女が国体優勝をすると、"ぶっちゃけ、こんな大会で優勝したってパラリンピック出られるわけじゃないし"と言い放ち、ギャラが出ないため当初の取材条件だった本の宣伝もNGだと言い出したんです。なので、さすがに取材中止を告げると、突然、焦り始めて当初の約束を守ると
だが、その後もディレクターの仰天言動は続いた。「お母さんのことを"おっかあ"と呼んでくれと意味不明なヤラセを強要したり、"障害者の話って受けないんすよ"と突如放言したり。撮影後は何か月も音沙汰がなく、ようやく連絡があったのは放送日当日です」
梁瀬氏は、最後に会ったときに彼が言った言葉が忘れられないという。
「"彼女はテレビに出ているんだから俺にぶつかってきてくれないと困るんです。素を出してくれないと!"と。お前が言うなと(笑)」
今夏、フジの『27時間テレビ』が掲げたキャッチコピーの一部、「テレビのピンチ」は、自らが招いたものではないのだろうか……。

フジテレビと言えば数年前のニュージーランド大地震で片足を失うことになった少年にアナウンサーが「右足を切断すると言われたときのどんな気持ちだった?」だとか「もうスポーツができなくなったことについて、どんな気持ち?」等々のインタビューを行って炎上した事例が未だ記憶に新しいところなんですが、しかし一個人としてどうこうと言うのではなく社の方針としてこんな感じなのでしょうね。
もっとも今の時代こうした業界の内情は広く世間に知れ渡っていることですから、その上で敢えて取材を受けると言うのは彼らの描いたシナリオに乗ることを了承したも同じだ、後になって文句を言うのはおかしいと言う厳しい意見も少なからずあって、この辺りはある程度社会常識としてそういうものだとわきまえておくべき部分はありそうです。
ただ別にこちらから関わる意志も何もないのに関わらず、向こうから勝手に絡んできてトラブルを起こす方々と言うのはいるもので、先日終わった高校野球の夏の甲子園大会においても、舞台裏ではこんな騒動が発生していたと言います。

甲子園のメディア暴走に対する取材禁止の是非(2015年8月23日THE PAGE)

 優勝した東海大相模の小笠原、早実の清宮、関東第一のオコエというスターが最後まで勝ち残ったことで、100年目の夏の甲子園は大きく盛り上がったが、その裏で取材が過熱する余り、いくつかの問題が起きた。そのひとつが、TBSの取材禁止事件。混乱を避けるため取材禁止エリアとされていた甲子園球場の場外で、取材証を持たないクルーが、長蛇の列を作っていたファンに対してカメラを回していたため、大会本部役員が注意すると、「個人撮影です」と嘘の説明をしてさらに取材を続けたため、大会本部はTBSのすべての取材証を取り上げ、来年の大会の取材証も発行しない厳しい処置が決められた。

 一部では、「選手に直接の迷惑をかけたものでも、混乱を招いたものでもなかった取材に、そこまで厳しい処置を下す必要があるのか」「来年の取材は関係ないのではないか」という声もあったが、実は、今大会のメディアの暴走は、これだけではなかった。

 甲子園球場の廊下に置かれていた大会本部から報道陣への連絡用のホワイトボードには、取材違反に関する報告文書が、6、7枚、貼り出されていた。TBSの取材違反が表沙汰になったのもこの貼紙だが、中にはこんな事件もあった。

 長崎文化放送の社員が取材証を使って入場、しかも、アルプススタンドでビールを飲んでいたというもの。その人物は取材記者でなく社員だったが、満員でチケットが買えず入れなかったため、取材証を同社の記者から借りて入場、お客さんからの通報があったという。

 またRKB毎日放送のラジオレポーターも、宿舎からの移動期間の取材が禁止されているにもかかわらず、九州国際大付属のチームバスに乗り込んで取材したため、取材証を取り上げられた。

 大会本部は、選手の練習環境を守り、大会運営の混乱を避けるため、いくつかの取材ルールを決めている。取材証の貸与禁止はもちろん、チームの宿舎までの移動取材や、球場周辺取材の禁止も、その規定の一部。またアルプススタンドの応援団の交代時の取材禁止、試合後の選手へのインタビュー時の写真撮影も禁止されるなど、主に混乱、トラブルに発展してしまうことを避けるため取材上のルールが厳しく定められている。
(略)
 違反行為を行ったメディアの取材証の取り上げは、オリンピックなどの国際大会でも行われているが、取材証の取り上げ報告の文書を大会期間中、ずっと貼り出している行為についても「見せしめのようで気持ち悪い」という意見もあった。

 しかも、取材許可証は、基本的に東西の運動記者クラブ所属のメディアか、雑誌協会所属の出版社にしか出されておらず、その枚数も制限されている。インターネットメディアにも取材証を発行しないが、その大会本部の取材許可の選別理由もよくわからず、今なお、開かれていない高野連の権威主義的な匂いもプンプンする

 一番大事なのは、違反があった後の取材禁止処置ではなく、選手の試合に集中できる環境作りと、混乱やトラブルを事前に防ぐこと。例えば、取材規則についてのブリーフィングを事前に受けることを取材証発行の条件にするとか、取材証を顔写真付きの取材証に切り替え取材証の貸与をできないような工夫をすることも大会本部には必要ではないだろうか。

まあ権威主義、見せしめ云々と言いたいことがあるなら取材許可証を受ける前に主張すべきであって、ルールを了承して許可証を受け取った上で好き放題するのであればそれはルールに従ってペナルティを受けても仕方ないことだと思うのですが、興味深いのは高野連がどうこう、混乱やトラブルを事前に云々と難しいことを書いていますけれども、列記された違反事例はいずれも高尚な目的意識などカケラもない単なる非常識な行為である点です。
高野連の体質に問題があるなら別に取材を行いきちんとそれを問題化すればいい話であって、だから我々が非常識な迷惑行為をやっても大目に見るべきだと受け取られるような記事で自己弁護すると言うのはちょっと違うんじゃないかと言う気がしてならないのですけれども、マスコミ業界の中の人にとってはこれは不当な権力による弾圧であると認識されていると言うことなんでしょうかね?
こうした記事を書くときの恒例でコメントを誰が言ったのかボカすことが行われていて、発言内容を見る限り当事者のマスコミ関係者以外にあり得ないのがどうなのかですが、他方で先日賛否両論の意見が飛び交い大いに話題になったのがラグビーに絡んだセクシー解説動画問題ですけれども、まずはこちらの記事から一連の経緯を紹介してみましょう。

ラグビーセクシー解説動画掲載の日テレ、削除し謝罪(2015年8月23日スポーツ報知)

 ラグビーW杯イングランド大会(9月18日開幕)を独占中継する日本テレビの公式サイトが、水着女性によるルール解説の動画を投稿して批判を浴びた問題で、同局広報部は23日、「多くのラグビーファンにご迷惑をおかけし、大変申し訳ありませんでした」と謝罪した。動画の内容については「ラグビーのルールを分かりやすく解説するべく作成した動画だった」と説明。「『不快な表現』とのご指摘を多数いただいたため、ホームページから削除いたしました」とした。

 動画はタックル、モールなどラグビー用語を解説する内容だったが、女性の胸の部分などを強調する場面が多数あった。動画を見たというラグビー元日本代表の平尾剛さん(40)はツイッターで「ラグビーをばかにするにもほどがある」と批判していた。

 平尾さんは動画が削除されたことを受け、「難解なルールの説明を含めてラグビーの認知を高めるためにもっと努力していきます」とツイッターに投稿した。

元動画自体は削除されているのでこちらの写真からなりと雰囲気を知っていただければと思いますが、海外にも同趣旨な動画解説などはあってやはり不謹慎だと撤回騒動も起こっていますけれども、エロ云々は抜きにしてもルールを解説すると言うのであればやはりもう少し素人臭さを解消してちゃんとしたものにして欲しかったと言う気はするでしょうか。
ちなみにアメフトのスーパーボールのハーフタイムに下着姿の女性達がアメフトをやると言うランジェリーボウルと言う恒例のイベントがあって、こちらなどは日本のテレビでよくある「ポロリもあるよ」なお色気路線かと思ったら確かにあるにはあるにせよ、後にプロリーグ化されたと言うのもプレイそのものは失神KOも出るようなガチなものだと言うギャップが面白かったんだと思います。
そう考えると真面目一方では眠くなると言うライトな層を開拓する役割もマスコミに求められているのは確かなんですが、やはりその競技の持つ魅力の部分をきちんと判るようにしておくと言うのは最低限の礼儀と言うものだと思いますし、今回の解説動画を見て「おもしろそうだ、一度ラグビーと言うものを見てみようか」と何人の人間が思うだろうかと言う点から考え直してみる必要がありそうですよね。

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2015年8月28日 (金)

日医、国に医師の人権を売り渡す提言をまとめる

日本医師会(日医)と言う組織が既得権益確保にとにかく熱心なのは業界団体である以上当然と言えば当然なのですが、その既得権益と言うことをいよいよ露骨に表立って言い始めたと話題になっているのが、先日出されたこちらの提言です。

医師の偏在解消に向け、医師会など緊急提言へ(2015年8月20日 読売新聞)

 日本医師会と全国医学部長病院長会議は19日、地域や診療科ごとの医師の偏在を解消するための緊急提言の骨子を発表した。

 骨子は、〈1〉生涯にわたり異動を把握する「医師キャリア支援センター」を各大学に設置〈2〉臨床研修は原則、出身大学のある地域で行う〈3〉地域の診療科ごとに必要な医師数を把握する――など。「現在の医師不足の本質は、絶対数ではなく、地域・診療科ごとの偏在にある」としており、近く正式な提言書にまとめ、厚生労働省などに提出する予定。

「大学が生涯、医師の異動を把握」案提言、医学部新設対案「歯学部になりたくない」との吐露も、日医など(2015年8月20日医療維新)

 日本医師会と全国医学部長病院長会議は8月19日、医学部新設への実質的な対案となる「医師の地域診療科偏在解消の緊急提言」の骨子を公表し、会見を開いた(資料は、日医のホームページ)。 提言の骨子には、卒業大学が医師の異動を生涯にわたって把握する「医師キャリア支援センターの設置」や、「大学所在地域における研修の原則化」「医療機関管理者要件への医師不足地域での勤務経験の導入」などが含まれていて、大学医局機能や、医師への規制強化とも受け取れる内容が並んでいる。
(略)
 趣旨説明では、「現状の医師不足の本質は、医師の地域・診療科偏在で、これらの解消こそ喫緊の課題」との立場に立っている。さらに、「課題解決のためには、医師自らが新たな規制をかけられることも受け入れなければならない」と指摘して、「現状に対する危機感の下、相当の覚悟を持って提言を取りまとめた」としている。
 「相当の覚悟」について、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「最大の危機感は、申し訳ないが、歯学部のようになりたくない。国民が質の高い医療、医師を求めていると考える中で、適正な医学部定員を守らないといけない」と発言。その上で、「医師自ら新たな規制をかけられることまで覚悟をした上での緊急提言。医療界や医師会内部でも反発があるとみているが、それでも今出すのが決意の表れ」と述べた。

医師の行方把握「大学の義務」

 提言骨子の5つの柱は(1)医師キャリア支援センター構想、(2)出身大学がある地域での臨床研修、(3)病院・診療所の管理者要件への医師不足地域での勤務経験の導入、(4)地域ごと、診療科ごとの医療需給の把握、(5)医学部入学定員の削減と新たな医学部設置認可の差し止め――の5つ。
 (1)については、全ての大学に「医師キャリア支援センター」を設置する考え。センターに卒業生全員が登録し、大学が生涯にわたって医師の異動を把握、研修医マッチングや臨床研修、専門医、生涯教育にわたって、キャリア形成に関与する。
(略)
 (2)では、出身大学がある地域での臨床研修を原則化し、需給が均衡しない場合、「医師キャリア支援センター」の全国組織で調整する考え。「強制力や罰則を持たせない」(日医常任理事の釜萢敏氏)方針だが、大学の研究成果などの自校教育を実施して、「地域への愛着をはぐくみ、地域での臨床研修意欲につなげる」(提言骨子)としている。
森山氏は、現状の医学部定員の地域枠においても「法的拘束力がなく、ルーズなところがある」と指摘。臨床研修を行った地域に医師が定着しやすいとの見方もある中で、偏在解消に期待を示す声が出た。

地域医療の経験の重要性強調

 (3)の病院・診療所の管理者の要件として、「医師不足地域での勤務」の導入を提案。「医師不足地域」は、都道府県の持つ「地域医療支援センター」や都道府県行政が調整して指定する構想で、森山氏は、「強制的に思えるかもしれないが、地域医療における経験は医師養成の意味から重要」として、理解を求めた。
 (4)では、大学の「医師キャリア支援センター」が、地域医療支援センターや医師会とともに、各地域の現状と将来の医療受給のデータを把握する考え。医師配置の自主的な収斂を目指していて、医師や医学生の診療科選択に当たっては、大学の「医師キャリア支援センター」が相談に乗る構想。
 (5)では、現在の医学部定員について、本格的な見直しが予定されている2019年度を待たずに、早急な削減を提言。地域枠を維持する場合は「一般枠の削減」を求めている。さらに、千葉県成田市における医学部新設構想については、「認めることができない」として、差し止めるようを求めている。

まあどれだけ時計の針を逆回転させるつもりなんだと言う前時代的な提言ばかりが並んでいると言う印象で、「こういうことを考える人間が上に立っている組織はヤバい」と言う声も少なからず聞こえてくるのですけれども、しかし「歯学部のようにはなりたくない」とは彼らの本音を極めて端的に示した、けだし名言と言うべきでしょうか。
ちなみに今やワープア化著しく学生を集めるのも困難になっていると言われる歯科医の現状はすでに各方面で報じられている通りですが、そもそもこうした状況が予想され現実化しているにも関わらず歯学部定員を絞り込むことが遅れに遅れたことが状況を悪化させたことは明らかですし、「高収入の歯科医にこんな亭偏差値でもなれる?!」と喜んで歯学部に入学した学生達こそ一番の被害者と言うべきでしょう。
一方で同様に供給過剰が続き崩壊した弁護士業界について見ると、例えば弁護士不在の田舎で原告、被告双方を担当する弁護士が揃わないため裁判が開けないと言う司法僻地解消も期待されていたのですが、実際にはやはり商売にならないからと全くそうした効果はなかったようで、供給過剰を続ければ田舎にも人材が満ちてくると言うほど単純なものではないと言うことも判ってきています。
医学部に関しても現状のままではいずれ供給過剰になると言う点では誰しも異論はないはずですし、現状のように単純に数だけを増やすことで何かしら問題が解決するわけでもないと言う予想をする人も少なくないのでしょうが、それでは時代を数十年逆行させるのがいいかと言えば、当時と今で医療環境が全く変わっていると言う点をわきまえない老人の妄想としか言い様がないですよね。

ちなみに見ていて興味深いのは、この提言の中で医療機関の管理者要件で医師不足地域の勤務経験を問うと言う話が出ていることなのですが、この医療機関の管理者と言えば日医会員である可能性が高い層だと思われますから、会員から裏切りではないかと批判される余地がありそうに思えます。
ただ他の提言などを見ても判るように、今現在現役の医師を対象として行えるとは到底思えない提言が並んでいることから、恐らく日医の考えとしてはいついつ以降の医師免許取得者に関してはこうすると言ったいつもの若者を人身御供に捧げる方式であろうし、その意味では現在の偉い日医幹部の先生方にとってはむしろ新たな商売敵の参入を抑制する一石二鳥にも三鳥にもなるアイデアとも言えそうです。
実際に底辺私大や駅弁大学(失礼)を卒業して都会の一流大学の医局に入局すると言う、いわゆる学歴ロンダリングを行っている先生方も多いわけですが、こうした方々は当然ながら入局した医局と関連する地域で働いているケースが多いと思いますから、過去に遡って出身大学界隈に戻れと言われても地域医療の崩壊なしに行うことなど出来そうにないですよね。
そうしたことから考えると現実性には少なからず疑問符がつく提言なのですが、医師の団体を自称する方々からこうした話が出てきたと言うことの意味合いは決して小さなものではなく、日医の偉い先生方が今後国と折衝する過程で確実に既得権益を確保できる目処が立つのであれば、もう少し現実的方法論で若手医師を売り渡すと言う妥協案は成立する余地があるのかも知れません。

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2015年8月27日 (木)

国策としての少子化対策がうまく行きそうにない背景事情

先日は文科省が「妊娠しやすいのは何歳まで?」等と言う実に即物的と言いますか、またぞろ進歩的な方々から御意見をいただきそうな高校副教材を作ったと言うニュースが出ていて、もちろん「いろいろな選択肢がある高校生の段階から、科学的・医学的な現実を知ったうえで、本人が自らの選択をする、早い段階で現実をお伝えする(有村少子化担当相)」のは重要なことだとは思います。
ただ一方で少子化と言う問題に関して言えば単純に「子供なんて産みたいときにいつでも産めばいい」などと言う無知が積み重なって起きていると言うわけではなく、もう少し別な根本原因があるのではないか?と言う考え方もあって、その一つの根拠となりそうなこちら厚労省の調査結果が話題になっています。

子供希望しない独身男女が増加 既婚者は「3人」が多数派 厚労省調査(2015年8月23日産経新聞)

 21~30歳の独身の男女が、将来的に子供を希望しない割合が10年前に比べて増加していることが23日、厚生労働省の調査で分かった。自分の時間を優先し、子供に対する関心が薄れている傾向にあった。

 独身の男女に将来、子供を何人希望するか聞いたところ、平成25年の調査では「0人」と回答した男性は15・8%(15年調査8・6%)、女性は11・6%(同7・2%)でともに増えた。最も多い回答は「2人」で男性は43・0%(同55・1%)、女性は55・9%(同57・0%)だった。

 子供を希望しないと答えた人に子供観を尋ねたところ、「自由な時間が持てなくなる」が最多で「感じていることは特にない」「出費がかさむ」が続いた。厚労省は「結婚意欲の低下もあり、子供への関心が低くなっている」と分析する。

 一方、既婚の男女が希望する子供の数は、10年前は「2人」が最多だったが今回は「3人」が多数派となり、男性で46・2%、女性で47・4%を占めた。

結果については色々と解釈出来る部分もあるかと思うのですが、個人的に感じたこととして結婚や出産に関して無関心な層が一定程度いる一方で、子供を持つことに関して肯定的な層はより多くの子供を持ちたがっていると言うように、結婚や出産に対しての意識が二極化してきているように感じるのですがどうでしょうか?
少子化原因の一つとして結婚に結びつく出会いが少ないと言う指摘があり、各地で自治体等が働きかけて合コンをやっただとか様々な涙ぐましい対策が講じられつつあって、もちろん機会がなくて結婚出来ない人も少なからずいるのでしょうが、一方では結婚や出産など自分自身の生活を何かしら制約することに対して強い忌避感を持っている人々が増えていると言うことも、各種調査で明らかになってきているようです。
別に子供が欲しいわけでもないし性生活も自分なりに幾らでも対応出来る手段がある、そして結婚したからと言って相変わらず夫婦共働きを続けなければ暮らしていけないと言うのでは、確かに結婚と言う行為そのものが余計な束縛の増加などデメリットしか存在しないとも言え、人生全てをドライに計算に基づいて過ごす傾向があると言う今どきの若者が受け入れないのも当然と言えば当然かも知れません。
一方で社会的に見れば結婚と言う行為は家庭内相互扶養と言う可能性を生み出す行為でもあって、特に近年社会的対策が進められている生活保護受給者増加や高齢者の介護問題なども家族内での相互支援と言うことが強調されつつあるわけですが、当然ながらこうした「家族なんだから助け合うべき」と言う社会的圧力もまた結婚と言う行為に踏み切ることを躊躇うハードルとなっているようです。

恋人が家族の介護をしていたら… 「結婚をためらう」男性46%、女性68%(2015年8月22日キャリコネ)

トレンド総研は20~60代男女500人を対象に、介護に関する意識調査を行った。「自分の親」が要介護状態になったとき「自分」が中心になって介護を行うと答えた人は、男性では50%と半数にとどまったが、女性では63%を占めたという。
また、「義理の親」が要介護状態になったとき、女性では「自分」が中心になって介護を行うと答えた人が40%を占め、「自分の配偶者」は20%だった。これに対し男性では、「自分」が中心になると答えた人がわずか6%、「自分の配偶者」が60%を占めた。

■親の介護は実質的に「長男の嫁」の負担が大きそう

自分の親の介護を「自分」が行うと答えた人に、きょうだいの中での位置を尋ねたところ、「長子」が62%で最多。次いで「末子」(20%)、「一人っ子」(11%)、「中間子」(7%)と続いている。
自分の親の介護を自分がやらないと答えた人の中には、「それは長男・長女のところでやるから」と考える人が少なからずいるのだろう。もっとも長男といっても、配偶者に期待する人が多いことを考えると、実質的にその妻(長男の嫁)に負担がかかる可能性が高い
この傾向は、結婚前から警戒されている。「交際中に恋人が家族の介護をしていたら、恋人との結婚をためらうと思いますか?」という質問に「そう思う」と答えた人は、男性では46%にすぎないが、女性では68%にのぼっている。「親の介護目当ての結婚」はお断りということだろう。

まあしかし非常に生々しいと言いますか、人間の本音が見え隠れする良い調査結果だと思うのですけれども、誰しも他の条件が同じなら余計な面倒は回避したいと思うのが当たり前で、その意味ではかつては資産等を期待する意味もあった「親付き」と言うのは今の時代、決して結婚においてプラス評価になるとばかりも言えないと言うことでしょうか。
現実的に結婚年齢がこれだけ上がって来ますと、結婚する世代の親はそろそろ介護も真剣に考えていくべき年代であると言うケースが少なくないと思うのですが、当然ながら家庭内での介護労働力確保を期待する気満々と言うのでは相手も腰が引けると言うものですし、昨今では義理の親ばかりでなく義兄弟が引きこもりやニートだったと言ったリスクも認識されているようで、高齢ニート問題などと言われているようですね。
かつて結婚先の家柄親族等々を興信所なりを使って調べると言うことは当たり前の時代もあって、結婚は個人同士の話であるのに家族を云々するのは問題だとして身元調査は行わないようにしようと言う運動が広まりましたが、逆に言えば親族間に何かトラブルがあっても親族内で何とか出来る程度には家庭の扶養力があったからこそ、結婚が個人同士の話に留めていられたのだとも言えるかも知れません。
今では親族と言えば子供が一人きりと言う老人世帯など珍しくも何ともないし、親戚づきあいなど全く絶えていると言うケースも稀ではないわけで、単純に高齢者の医療・介護において同意書一つ取ろうにも苦労すると言う現実があるわけですが、そんな時代に家族と言うものの再構成が必要だとこんな理由で推奨されても、多くの人間にとっては何ら有り難みは感じられない話ですよね。

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2015年8月26日 (水)

認知症高齢者を地域全体で見守ると言うことの実際

昨年に認知症老人が自宅を抜け出して鉄道に跳ねられて死亡、残された遺族にJRから巨額の損害賠償請求が出され名古屋高裁でそれが認められたと言う一件が非常に大きな世間の反響を呼んだことは記憶に新しいのですが、この認知症老人の管理監督責任と言うことに関して、またぞろ揉めそうな事件があったと報じられています。

認知症の夫が火災、留守にした妻に責任は(2015年8月23日朝日新聞)

 認知症の夫を家に残して妻が用事で出かけた時、火事が起きた。隣の家に燃え移り、裁判で賠償を求められた妻。判決は夫婦の助け合いを義務付けた民法の規定を当てはめ、妻に賠償を命じた。介護に明け暮れ、わずかに目を離したすきの惨事。その責任のすべてを妻は負わなければならないのか――。認知症500万人時代、社会が支え合う仕組みを求める声があがる。

 大阪地裁判決(谷口安史裁判官、5月12日付)によると、火災は2013年4月2日夕、認知症を患う当時82歳の夫と、妻(73)が暮らす大阪府内の住宅で起きた。妻が郵便局に出かけて留守中、3階の洋室付近から出火して29平方メートルが焼け、隣家の屋根と壁の一部に延焼した。夫が紙くずにライターで火をつけ、布団に投げたとみられると現場の状況から認定した。

 夫は11年8月に認知症と診断され通院。警察は刑事責任能力がないと判断し、大阪府が措置入院とした。2カ月後に退院したが昨年11月、84歳で亡くなった。

 夫婦は延焼の損害を補償する火災保険には入っておらず、隣家の住人は昨年4月、夫への監督義務を怠ったとして妻に200万円の賠償を求めて提訴。妻は「夫は他人に危害を加えたことがなく、当日も落ち着いていた」と反論した。

 判決は、火災の前月ごろから夫は認知症が進み、姉に「妻が死んだ」と電話するなど妄想による言動があったと指摘。民法752条の「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」という規定を踏まえ、妻には夫が異常な行動をしないか注意深く見守る義務があったとし、夫を残して外出したことは「重い過失」と判断した。

 そのうえで、隣家の修理費143万円のうち弁償済みの100万円を差し引き、残り43万円の支払いを妻に命じた。妻は納得できず控訴し、審理は9月1日から大阪高裁で始まる。

まあしかし現実的に認知症老人を抱えた家族は外出も出来ないとなれば社会生活が成立しませんから「重い過失」と言われるとどうなのかですが、逆に言えばこうした事故が起こるリスクは常にあるとも言えるわけですから、何かしら保険等で万一どころか百に一つほどはありそうなリスクに備えておくべきではないかと言う、非常に教訓的な事例ではあったと言えるかとは思います。
先日厚労省からは治療によって回復の見込みがなく士気が迫った場合に、本人家族の不安や悩みを聞いたり終末期医療の選択肢など情報提供も行う相談支援チームの整備事業を全国で展開する方針を固めたと言うニュースが出ていて、確かにこれはこれで非常に重要な政策ではあると思うのですが、一方で当面身体的には死ぬ気配はないが社会的に非常に手がかかるのがこうした認知症症例です。
医療介護に要する社会的コスト削減の財政的な要求や、長期に渡る家族の世話が現実的に不可能であると言う家庭内事情なども合わさって、いわゆる末期高齢者に過度な延命医療はやめようと言う流れは年々定着してきているとは言えそうなんですが、知的能力が著しく低下していても身体的にはまだまだ元気な認知症高齢者や、寝たきりであっても安定した状態を保っている高齢者は少なからずいらっしゃるわけです。
身体的側面に関しては当面大きな問題がない方々に食事を与えず餓死させたとなれば老人虐待や保護責任者遺棄致死ですが、一方で寝たきり高齢者の胃瘻栄養を止めて餓死させることは許容されつつあることを考えるとどこまで違いがあるのか?と言う話ですし、むしろ家族目線で考えれば中途半端に元気があって長生きしてもらう方が後々のダメージが大きくなり問題だと言う指摘もあるようです。

親の介護「早く死んで」と心で叫ぶ私は冷血か(2015年8月22日プレジデントオンライン)

(略)
希望に向かってする努力、何か明るい結果を求めてする努力は、やり甲斐があるものです。親の介護が始まった時は、介護をする側も気が張っていますし、よりよい介護をすれば親の状態が良くなるのではないかという思いもあって、そうした前向きの努力をします。ケアマネージャーにアドバイスを求めたり、本やネットで情報を集めたりするなど、よい結果を求めて介護の知識や技術を身につけるわけです。
(略)
しかし、事態がそうした明るく前向きな方向に向かうことは圧倒的に少ない
老いによって衰え要介護になるわけですから、体の状態が良くなることは望めず現状維持が精一杯。認知症が発症し進行するようにもなります。そうした状態の悪化に伴い、介護者の苦労、心身の疲労は増していきます。
(略)
父が亡くなった時はさまざまな感情が錯綜しました。もちろん最初に感じたのは悲しみです。会話の多い親子ではありませんでしたが、互いを理解していたと思いますし恩も感じていました。
その父を亡くした喪失感は大きかった。
ただ、その一方で、どこかに「これで介護は終わったんだ」という安堵感もありました。次に少し冷静になると「あの介護に忙殺された1カ月半はなんだったのだろう」という思いもふつふつと生まれました。徒労とは思いませんでしたが、した努力が好結果に結びつかなかったむなしさがどこかにあったのです。
介護に対する努力というものは、多くがこのように「死」で終わるものだと思います。だから「悲しい努力」と感じたわけです。

介護が1か月半という短期間で終わった私でさえ、こんなことを思う。数年にわたる長期間の介護をしている方、された方は私とは比べものにならない苦労、膨大な努力をしているはずです。そんなふうに思う方も多いのではないでしょうか。
親しくなったケアマネージャーのFさんは言います。
「介護する方の性格や親子関係によっても異なりますが、介護が長期にわたる人の多くが、心のどこかで親の死を望んでいることを感じます」
(略)
介護が短期で終わるか、長期にわたるかの違いは、親の死後にも影響を与えるそうです。これも人によるそうですが、1年程度の短期で終われば、介護でさまざまな苦労をしたとしても、水に流せる
「いろいろあったけど、いいお父さんだったね」
と死後も敬愛し続けられるそうです。
しかし、これが5年、6年といった長期にわたると、嫌なエピソード、たとえば、
「あの時、あんな酷いことを言われた」「こんな面倒をかけられた」
といったことが積もり積もって、死後も許せないと思い続ける人がいるとか。ここまで人間の感情を傷つける介護は悲しすぎます。
(略)

ある程度慣れてくると介護施設をうまく利用するなどほどほどの距離感を保って介護に関われるご家族ももちろんいるわけですが、自宅介護で自分一人が全てを犠牲にしてやろうとするような考え方は非常に危ないものですし、その意味で仕事を辞めて親の介護に専念すると言った話は決して美談だと称揚されるべきものでもないんじゃないかと思うのですが如何でしょうね?
寝たきり老人がいない夢のような国として日本でも有名な北欧などでは高齢者に対するケアは基本食事の配膳だけで、自力で食事が取れなくなれば何もせずそのまま息を引き取らせると言うある意味非常に割り切った対応をしていますが、そのスウェーデンベルギーなどで行われている様々な認知症対策に共通しているのは特定個人だけに努力させるのではなく、可能な限り大勢で労力責任を分散させて対処すると言うことのように思います。
ベルギーの古都ブルージュなどでは町全体で認知症老人に対処すると言う姿勢を打ち出していて、ある意味行政がやっているのはそれだけとも言えるのですが、それに応じたNPOやボランティアがとにかく大勢の人間が常時認知症老人に関わる態勢を構築することによって、本人はもとより介護をする家族にとっても「妻を殺すか、心中するかしかなかった」と言う追い詰められた状況から脱出できるようになったと言いますね。
こうしたことは一方では歴史的、文化的経緯もあってそうそう簡単に行動を変えるわけにもいかないと言う意見もあるでしょうが、今だに少なからず聞くことですが「あそこの家族は血を分けた親を施設に入れたりして」などと白眼視するような周囲の風潮はどうなのかですし、施設から自宅へと言う行政主導の政策誘導に関してもその社会的影響も考えるともう少し工夫と配慮がいるようにも思いますね。

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2015年8月25日 (火)

何気ない日常の中に滲透している男女差別の習慣

男女平等と言うことが叫ばれるのは最近に始まったことではありませんが、特に近年では社会全般の労働力不足も反映してか女性の社会進出と言うことが強調されるようになっていて、これ自体はますます晩婚化が進み少子化促進因子になる等々様々な意見もあるものの、基本的に共働き前提でなければ家族生活が成立しない低収入時代にあってはある種の必然でもあります。
ただ女性の労働条件が賃金等で不当に抑制されているとなれば結局稼ぎ手である男がフルタイムで労働しなければならないと言うことに変わりはない話なので、この辺りは政府も女性の社会進出に関して各種法的なサポートも考えていると言うことなのですが、先日その一つの骨格ともなる法案が成立見通しであると報じられていました。

女性活躍、課題は実効性=推進法案が月内成立(2015年8月22日時事ドットコム)

 「女性活躍」を成長戦略の中核に据える安倍政権の看板政策である女性活躍推進法案が、28日にも参院本会議で可決、成立する見通しとなった。企業に女性の登用に向けた数値目標の設定と公表を義務付けるものだが、目標とする数値は企業側の裁量に委ねられる。政府にとっては、実際に登用を促進するための方策が今後の課題となる。

 安倍政権は、指導的地位に占める女性の割合を2020年度までに30%に引き上げることを目標としている。有村治子女性活躍担当相は21日の記者会見で、推進法案の意義について「女性の活躍をもって家庭の幸せや日本の活性化(を促進する)」と強調した。

男が働き女が家庭と言う古典的な役割分担に関しては「女は産む性なんだから合理的だ」と言った類の擁護論もありますが、よほどハードな肉体労働でもなければ本当に身体的に女性が社会活動が出来ないのは出産前後などせいぜい一生のうちの数ヶ月程度とも言え、それくらいであれば周囲のサポートさえ適切に行われるのであれば女は働き男は家庭と言うモデルも十分成立する計算になります。
ただそれが成り立つのはあくまでも女が仕事を続け男と同様に一家を支える稼ぎ手になれると言う保証があってのことで、何十年永年勤続してもいつまでもパート並みの時給でお茶くみ仕事だけと言うのでは話にならないのは当然ですが、まあしかしこうした雇用面での男女平等に正面切っての異論は少ないにしても、求めるのが機会の平等なのか結果の平等なのかでずいぶんと話も違ってきますよね。
またこれは雇用と言うことに限定せず昔から男女平等と言えば「生物学的に同じでないから仕方ないのでは」だとか様々な議論も往々にしてあるわけですが、この男女病棟と言うことに関連して先日当たり前のように思われてきた社会的慣習が実は男女不平等なのでは?と言う問題提起が為されたケースを紹介してみましょう。

料金に男女差で県に意見書/鳥取(2015年8月21日NHK)

男女共同参画推進のため、県が開催したイベントの交流会で、男女の参加費が異なるのは、違和感があるという指摘が寄せられたことをめぐり、県の第三者機関の男女共同参画推進員が、「性別によって異なる扱いを受けている印象を持たれないよう注意するべきだった」などとする意見書を県に提出していたことが分かりました。

このイベントは、男女共同参画推進のため、県などがことし1月に鳥取市内のホテルで開いたもので、中国地方の女性経営者をゲストに招いて、女性が社会で活躍するための課題などについて話し合いました。イベントに続いてホテルのレストランでゲストを囲んだ交流会が開かれ、参加費は、バイキング形式で、男性が4200円、女性が3600円でした。

これに対して県内の男性から男女共同参画推進のイベントで、男女の参加費が異なるのは違和感があるという指摘があったということです。この指摘を受けて、県の第三者機関の男女共同参画推進員は、「合理的な理由なく性別によって異なる扱いを受けている印象を持たれないよう注意すべきだった。全職員が問題意識と緊張感を持って業務に取り組むよう努めるべきだ」などとする意見書を県に提出しました。

イベントを開催した県男女共同参画推進課は、「参加費はレストラン側が設定したものだったが、今後は男女が同じ金額の店を選ぶか、金額が異なる場合は値段の違いについて説明をするようにしたい」と話しています。

<県主催交流会>「共同参画」なのに参加費に男女差? 鳥取(2015年8月21日毎日新聞)

 男女共同参画推進のため鳥取県が今年1月23日に鳥取市内のホテルのレストランで主催した「中国地方輝く女性活躍フォーラムinとっとり」で、交流会の参加費に男女で差があり、県内の男性から県に苦情があった。レストランの料金設定に従ったためだったが、県の外部機関の男女共同参画推進員はこのほど、「女性と男性が合理的な理由なく異なる扱いを受けている印象を持たれないよう、全職員が常に問題意識と緊張感をもって業務に取り組むよう努めるべきだ」とする県への意見書を公表した。

 意見書などによると、飲食を伴う交流会の参加費は男性4200円、女性3600円で、チラシを見た男性が1月22日、「違和感を覚えた」と指摘。「県は違和感を持たなかったのか」「担当者が違和感や表記への配慮の必要性を感じないこと自体が問題」としていた。

 県はレストランの料金設定で参加費を決め、チラシを作成。男女で異なることについて何らかの意見が出ることは予測したが、県が料金設定に介入していないと記載することに違和感を覚え、あえてチラシで説明しなかったという。

 意見書は「男女差が生じたのはやむを得ない面があったが、あえて説明を省いたのは配慮が不足している」と指摘。県男女共同参画推進課は「今後、チラシの表記などにも配慮していきたい」としている。【小野まなみ】

男女の価格差を指摘した男性はまあよく気がついたと言うことなんですが、県側は予めこうしたクレームがつくこと自体は予想していたにも関わらず原案通りで進めていたらしいと言うことで、昨今の国立競技場改築問題などにおいてもそうですが「一体誰が責任者で行事を仕切っているのか?」が判りにくいと言う批判の余地はあるかも知れませんね。
そう言えばと身近なバイキング形式の店舗で料金設定を見てみましたところ、結構この料金の男女差がある店が確かにあるようで、子ども半額的な感覚で男女差も設定しているのかも知れませんがどれほど数字に根拠があるものなのか、男女一律ではなく例えば年齢や体格による階級制?の方がより妥当なのではないか等々、様々な考え方が出てきそうに思います。
一方でこれまた社会一般で意外なほど広く行われている慣習として、飲み会や会食等で男女混合で行われると言う場合男の方が女よりも割高に(それもかなり顕著な差別化で)設定されるケースが多いようで、これも何となくそういうものだと受け入れてきた方々も多いのでしょうが、しかし近年の男性の草食化などを見る限り飲食代として一律差別化する妥当性はさほどにないのでは?とも思うのですがどうでしょうね?

この話を見ていて興味深いと思うのは、とある調査によればデート代は男性に払って欲しいと考えている女性が7割程度いることに対して、6割以上の男性はなるべく割り勘でと希望している、そして女性の2/3はイケメンよりもおごってくれる男を選ぶと言っているのに対して、半数弱の男性が全く支払うそぶりもない女は恋愛対象から外すと言っているのだそうです。
デート代は男が払うべきと言う女性の考え方の根拠として「その分のお金を自分達は化粧やおしゃれに使わなければならないから」と言うもっともな意見もあって、とある女性などは割り勘を求める相手とのデートにはスッピンで出かけて行き「これが割り勘ってことだよ」と言ってやった、などと言う話もあるそうなんですが、「ならデート代全額女持ちにしたら全裸で来るのか」等々これまた当然ながら様々な突っ込みもあったようですね。
個人対個人のプライベートな付き合いに関しては、それぞれの考え方をすりあわせると言うこともデートの目的の一つでしょうから構わない話なんですが、公的なイベントではっきり男女格差を設定してしまう、それも仮にも男女平等を目的とするイベントでそれをやってしまうと言うのはやはり問題だと思うのですが、この点に関して「それはおかしいのでは?」と指摘したのがいわば性別差別を受ける側であるはずの女性ではなかったと言うのは示唆的ですね。
同じ会場で同じように飲み食いしているにも関わらず男が余計に払って当然、と言う考え方に何ら違和感を覚えない人が、同じ職場で同じように仕事をしているにも関わらず男の方が余計に給料を受け取るのはおかしいと感じるのも考えてみると確かに矛盾している話なんですが、この辺りは「女権主義者ほどレディーファーストなどと言う男女差別習慣の撤廃に尽力すべきだ」と言う古来からある議論にも通じるものがあるでしょうか。

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2015年8月24日 (月)

和歌山県立医大、留年者続出で調査へ

先日出ていたのがこちらの記事なんですが、まずは引用してみましょう。

和歌山県立医大の留年者増、理由は何か?- 評価委が聞き取り調査要望(2015年8月19日CBニュース)

和歌山県は19日、県立医科大の昨年度の業務実績の評価結果を公表した。この評価結果をまとめた県公立大学法人評価委員会は、医学部の1年次と2年次の留年者数が「依然として多い」としたほか、6年次についても「増加している」と指摘。留年者への聞き取り調査などを行うことを求めている。【新井哉】

評価委は、今年度から医学部の1年生にTOFELを受験させることを決めたことなどを評価する一方、留年者が多い状況について、「その真因がどこにあるのか、早急に検討する必要がある」と指摘。留年者への聞き取り調査に加え、教養課程を見直す必要性も挙げている。

地域貢献については、産官学連携推進の取り組みとして2013年7月に包括的連携協定を結んだ住友電気工業との共同研究について、「さらなる進展が期待される」とした。ただ、小中学生や高校生を対象とした「出前授業」の実施数と受講者数が減っていることに触れ、今年度以降の活動を発展させることを求めている。

短時間正規職員制度を新設したことは、「育児等によりフルタイム勤務が難しい看護職員でも働きやすい環境やキャリアを継続できる体制が整備された」と評価したが、今後、看護職以外の職種にも広げることを要望。短時間勤務の医療従事者の増加については「組織全体に与える影響を分析する必要がある」としている。

内部情報を探ってみた限りではもともとは留年者の少ないと言われる大学であったものが、直接的な原因としては単位取得を一部残していても取りあえずの進級を認める、いわゆる仮進級の制度が撤廃され一つでも単位が落ちれば留年、そして同じ学年で2回まで留年すると即退学と進級システムが変わったことが理由であるようなんですが、当然ながらその変更の理由が何なのかですよね。
昨今医学部の定員増が非常に学生の質的低下を招いていると言う懸念が一部大学教員などから言われていて、確かに学生数が減る一方なのに医学部定員数がこれだけ増えれば質の低い学生も入学出来るのは確かなんですが、それ以前の理由として地元学生が地域枠で出願すれば到底合格出来ないような学力でも通ってしまう等々、入試システムの問題点を指摘する声もあります。
本来的に入試と言うものはその大学での教育についていけるかどうか、学生の質を見極めて選抜すると言う意味合いで行われているはずで、それに通ったと言う以上はこの学生なら問題なくやっていけると認めたと言うことでもあるし、そうした能力があるはずの学生がついてこられないと言うのであれば大学側の教育システムの方に問題があると言う解釈も成立するはずです。
ただ和歌山県立医大に限らず近年全国的に医学部での留年者が増えていることが問題視されていて、昨年はそれまで入学定員から計算していた毎年の研修医枠を、あまりに留年者が多いものだから5年生時点での学生数を基準にすることと改める旨の報道も出ていましたが、本来1万人近くの卒業生があると見込んでいたものが1割近くも留年や退学で目減りしていると言うのですから穏やかではありませんよね。

ちなみに大学生全体で見ますと留年率と言うものはおおむね5%台なんだそうですが、毎年5%が落ちていくなら6年間で合計…と計算するとむしろ医学部などは留年率が低いと言う計算も成り立つのかも知れませんし、実際に他学部の学生に比べて医学部の学生は真面目に多忙な学生生活を送っていると言う場合が多いかも知れません(もっともこれもまあ、時代と学校によりけり、なんでしょうけれどもね)。
もともと学生にしろ卒後の医師にしろ母数をどんどん増やして厳しく選抜し、優秀な人間だけを生き残れるようにすべきだと言う意見は根強くあって、それはそれで現状の医学部選抜方式がペーパーテストの成績に偏っていることに対する危機感の表れだとも受け取れるのですが、ただ医学部の場合(少なくとも表向きは)学生ひとりの教育に数千万円単位の巨額のコストがかかっていることになっていて、簡単に切り捨てていいものなのかです。
この辺りは学生の質がどうこうと言う教員の側の教え方がどれほど質が高いんだ?と言う反駁もあるはずで、学生に関してはこれだけテストテストで厳しく選抜しているのに、教員側にどれだけの選抜や教育機会があるんだ?と言う意見が出て当然だと思うのですが、専門医制度も変わることですしいっそ大学教員にも何らかの資格なりを設けてみると言うのも面白いかと思います。
ただそれに対して誰が応募するんだ?と言う反論もあるはずで、今の時代大学に残って教授を目指している先生の中で学生教育を目的意識の序列上位においている先生がどれほどいるのか?だし、学生教育の成果を評価し大学での出世に反映させるような仕組みがあるのかどうかで、残念ながら今のところは心ある一部の熱心な先生方の個人的努力に教育の質の担保を依存しているのが現状の大きな問題と言うことですよね。

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2015年8月23日 (日)

今日のぐり:「麺屋和佳」

本来的にはあってはならないことなのでしょうが、いかにもありそうだと思わせるのが先日出ていたこちらのニュースです。

コカ・コーラ配達ドライバーがペプシ飲んで解雇! 意外に多い「競合製品は使用禁止」の企業(2015年7月21日キャリコネ)

米コカ・コーラ社の従業員が業務中にペプシコーラを飲んだことで解雇された、というニュースがネット上で話題となっている。
CNNの報道によると、2003年にコカ・コーラ社の配達ドライバースタッフの男性が、カリフォルニア州のスーパーに配達を終えた後、休憩するためにペプシコーラを買い、バックルームに向かった。これを誰かが目撃し、コカ・コーラ社に通報したのだという。
男性はまだ勤務時間中で、コカ・コーラ社の制服を着ていたが、競合他社の製品を飲んだというだけで解雇されるのは米国でも異例だという。男性と労働組合は不当解雇だとして訴訟を起こしている。

■マイクロソフト社でも従業員のiPhone使用で議論

日本でも、この報道がネットメディアで翻訳されて伝わると、2ちゃんねるやツイッターを中心に話題になった。親戚がコカ・コーラ社の従業員だったという人は、
「(自分が)ペプシ買ってきたのばれると(親戚が)流しに捨ててたからあり得る話と思った」
とツイート。業務内外を問わず競合他社の製品は使用しない、というのを暗黙のルールにしている企業は結構あるようだ。
大手自動車メーカーの下請け工場では、他社の自動車で通勤すると工場から離れた駐車場に停めさせられるという話や、大手飲料メーカーの工場では他社の飲み物は持ち込み禁止で、のどが渇いたら社内で自社製品を購入するよう上司に言われた、という話もある。
米ウォールストリートジャーナルの2010年の記事によると、マイクロソフト社でも従業員のiPhone使用の是非について幹部が議論したことがあったという。確かに競合他社の製品を使うことは、外部から見たら「自社製品に自信がない、負けを認めている」と捉えられかねない。やはり企業としてはセンシティブになるポイントのようだ。

コカ・コーラ社をクビになった男性についても「制服を着るということは看板を背負うという契約なのだから(解雇は)仕方ない」という見方が出ていた。
(略)

自社製品購入には何かしら補助や割引をしている会社も多いようですが、明示的かどうかを問わず何かしらペナルティーもあるものなんでしょうかね。
今日はちょっとしたことが思わぬ結果に結びついた社員を励ます意味も込めて、世界中から食べ物に関わる微妙にアウトな話題を紹介してみましょう。

『キンタマという食べ物はおいしい』日本にきた留学生が驚きの発言!(2015年8月15日ViRATES)

日本に来た留学生が、『日本のKintamaという食べ物は美味しい!』とツイート。

いや、それは違うのだが・・・。
(略)

何がどう間違っているのかは元記事の写真から推測するしかないのですが、この誤解の背景に何者かの悪意が絡んでいないと誰が言い切ることができるでしょう?
香川と言えば別名うどん県と言うくらいですが、そのうどん県ぶりを示すのがこちらの結果です。

やっぱり香川って...食べログ県内ベスト10のお店は「全部うどん屋」(2015年7月30日Jタウンネット)

「食べログ」で東京都内の「レストラン」の評価ランキングを見ると、1位はフレンチ、2位は懐石、3位に寿司屋――といった具合に、さまざまなジャンルの高級店がずらりと並ぶ。東京に限らず、ほとんどの都道府県は同じような結果だ。

ところがそんな常識が通用しない?地域がある。うどん県でおなじみの香川だ。食べログの「レストラン」に登録されている4812件のうち(2015年7月29日現在)、ランキングの1~15位を「うどん屋」が占めている。
.
うどんは我が国が誇るファーストフード。これがレストランに分類されているのも驚きだが、一般的なレストランよりも上位にランクインしていることにあ然とさせられる。
(略)

確かにうどんがうまいのは認めますが、この結果を見ると香川には他にうまいものがないと誤解されかねないもろ刃の剣でもあるように思いますね。
何事も過ぎたるは及ばざるがごとしと言いますが、こちらいささか以上にやり過ぎた方を襲ったある意味当然の結果です。

毎日28本も「レッドブル」を飲んでいた26歳、失明の危機に(2015年8月5日TechinsightJapan)

20~30代の女性を襲うことがある「特発性頭蓋内圧亢進症」という疾患をご存じであろうか。医師はそれゆえに失明する寸前であった女性に、「毎日レッドブルを大量に飲み続けていた食生活に原因がありそうです」と告げたという。

英メディア『belfasttelegraph.co.uk』などが伝えたところによると、北アイルランド・アントリム州のニュータウンアビーという町で今年6月、体重が165kgもある26歳のレーナ・ルパリさんが予期せぬ病に倒れ、視力を失っていた。それは妊娠適齢期の若い女性の10万人に1人が発症する「特発性頭蓋内圧亢進症」という聞き慣れない名の病気で、肥満女性においてその確率は5000人に1人にまで跳ね上がる。この病に侵されると頭蓋内圧が著しく上がり頭痛に悩まされるが、耳鳴りや吐き気、複視(ものが2つに見える)を併うこともあり、視野が徐々に狭くなって気づかないうちに完全に失ってしまう場合があるという。

「長い間ひどい頭痛に苦しんでいたけれど、鎮静剤を飲むことでどうにかしのいできたわ」と医師に話したというレーナさん。そんなレーナさんの大好物はエナジードリンクの「レッドブル(Red Bull)」であった。3人の幼い子の子育てに追われて自身の食生活がおろそかになり、「食べてテイクアウトのファストフード。食べなくてもエナジードリンクがあれば」という日々を過ごし、その結果毎日平均28缶、3000kcal以上にもなるレッドブルを飲んでいたのだ。その驚愕の事実に医師は「レッドブルの飲み過ぎがその病気を招いた可能性が高い」と説明したという。厳しい指導によりレッドブルを控えるようになったレーナさんは今、どんどん体重を落として健康な体を目指している。視力を失いかけたという事実に、彼女の脱・レッドブル、脱・肥満の願望は切実だ。

たとえば250ml缶にはコーヒー1杯と同量のカフェインが含まれ、メーカーは「1日5缶以上は飲まないように」と勧告している。その飲み過ぎについてこれまでも欧米の専門家らは、目の中にフケや塵などが現れて水晶体の表面に付着し、視野をせばめてやがては失明につながりかねない「落屑緑内障」、そして心臓発作の原因になることがあると警鐘を鳴らしていた。

当然ながらこの状況ではほかにも数々の余罪、もとい、余病が多発しているのではないかと思うのですが、しかしよく飽きないものだなと思いますけれどもね。
こちら犯罪行為自体はどこにでもあるような事件なのですが、その方法論がどう見てもアウトだろうと話題のニュースです。

人工肛門バッグにステーキ肉を忍ばせる。とんだ万引き男が逮捕(2015年8月14日テックインサイト)

盗んだリブ・ステーキ肉を思わぬところに隠した男が逮捕(画像はイメージです)どうしてもガールフレンドと一緒に食べたくて肉屋からステーキ肉を盗んでしまった1人の男。「ここなら見つかるまい」とそれを忍び込ませたのは、なんと…。ガールフレンドも仰天したという万引き事件が米サウスカロライナ州から伝えられている。

サウスカロライナ州スパルタンバーグ郡のローバックで11日、スーパーマーケットチェーン「フードライオン/ローバック店」の肉屋から75ドル相当のステーキ用リブロース肉が盗まれるという万引き事件が起きた。目撃者から逃げ去ったNISSAN車の情報も入り、地元警察に被害届が出されてから容疑者とされるデヴィッド・アール・ホイト(56)の逮捕まではすぐであったが、ホイトが肉を思わぬところに隠し持っていたため話題となってしまっている。

スパルタンバーグ郡保安官による事情聴取に、ホイトのガールフレンドであるアンジェラ・デニス・ウッディさん(47)も、自分が見たことを苦々しそうに漏らしたというその事件。ホイトはウッディさん宅に盗んだ肉を届けたが、なんと人工肛門(ストーマ)バッグの中からそれを取り出したというのだ。現在、郡の拘置所に身柄を拘束されているホイト。設定された保釈保証金は2,130ドルだが、ホイトのためにそれを支払ってくれる者はいまだ現れていないようだ。…

どのような発想でこうした行為に至ったのか謎なのですが、まあしかし人間何でも考え付くものなんですね。
最後に取り上げますのは発想自体は小学生のレベルなのでしょうが、実行に至ったと言うこと自体が非凡であると話題のニュースです。

人類初のうんこ味カレー専門店、85%以上の人が「行きたくない」。(2015年8月15日なりなりドットコム)

東京・千歳船橋に8月16日、人類初のどうかしているジョーク飲食店、うんこ味のカレー専門店「カレーショップ志み津」(東京都世田谷区船橋1-1-17 ジョイパーク千歳船橋B1-A http://curryshopshimizu.com)がオープンする。同店のオーナーは、人気セクシー男優のしみけんだ。

そもそもの疑問として、誰もが抱く「うんこ味だとどうやって確かめるのか?」という点。これについては、過去何度もうんこを食べたことのあるしみけんをはじめ、何人かの食糞経験者に試食をしてもらい、お墨付きをもらったことで確認したという。

また、「うんこを入れたりとかしてないのか、食品だけで作れるのか?」という疑念については、強烈なにおいを出すくさや、苦みや渋みを出すためにセンブリ茶やゴーヤ、カカオパウダーなどをカレーと一緒に入れ、水分などを微調整して粘り気も近づけている。きちんとした栄養のある食材を、きちんと焼いて煮込み、熱を通すという安全な調理法で作成しているそうだ。

そして、店内の臭い問題については、脱臭機や空気清浄機を多めに設置し、きちんと対策した上で営業を行い、帰りには芳香剤の噴射サービスも提供する。
(略)
ちなみに、「もし、うんこ味のカレー専門店にデートで誘われたらどう思うか、一番近い意見を教えてください」と聞いたところ、「正気の沙汰ではない」という意見が57.5%を占め、その次に「別れる」という意見が14.5%と穏やかではない結果になった。
(略)
同店は「おふざけのように思われるかもしれませんが、究極の選択『うんこ味のカレーとカレー味のうんこ、食べるならどっち?』という子どもの頃からの疑問にきちんと本気でぶつかり、取り組み、解決をさせていくということはイノベーションにおいて重要だと考えています。食べに行き、自分の足を使って疑問を解決する経験をきちんとした人は、一つ一つの言葉に実感がこもり、重みも出てくると思っています」と、その意義を説明している。

なお、メニューはうんこ味のカレーのみで、容器は便器型のお皿で提供。サイズはスプーン3口程度の「ちっせぇの」400円、スプーン7口程度の「そこそこ」600円、そして容器いっぱいに入った「でっけぇの」が1000円となっている。

いやまあ、容器にしろ何にしろまっとうな料理とはちょっと思えないのですが、すでに勇敢なチャレンジャーも現れているようです。
こういうものは一度行ってしまえば二度と行かなくてもいいようなものでしょうし、さて今後経営的にどうなのかが懸念されそうですよね。

今日のぐり:「麺屋和佳」

福山市北部のかなり辺鄙な(失礼)場所に位置するこちらのお店、まったく目立つところはないんですがたまたま入ってみました。
見た目もごく地味で小さなお店なんですが、地元民らしい人が結構入っているようで期待できそうな雰囲気ですよね。

メニューを見ますと醤油、味噌、塩と無難な品揃えなんですが、とりあえずは味がちょっと謎っぽい白野菜ラーメンを頼んでみることにしました。
ちなみにこの白野菜ラーメン、店員さんも普通に塩と言っているのだから塩野菜ラーメンでいいのでは?と思ったんですが、この鶏白湯スープは確かに白と言いたくなりますね。
すっきりしたシンプルな鶏のスープはラーメンのスープとして見るともう一味加えたい気もするんですが、純粋にスープとしてみると非常にいい出来で、失礼ながらこういうものが出る店だとは思っていませんでした。
トッピングが野菜に鶏と言うこともあるのでしょうか、味の組み立ては博多風の鶏の水炊きも連想させるところがありますが、そう考えるとこの細麺も締めに入れるそうめんっぽくもありますね。
サイドメニューに雑炊があるのが面白いと思うし、見る限り鶏つくねも売りらしいんですが、このスープとの相性を見るとメインはこの塩ラーメンなのか?とも感じます。

トッピングのつくねも含めて、非常にうまく鶏の臭みを抑えられているのが印象的ですが、逆にこれを食べると豚骨ラーメンがあの癖の強さ故に安定的人気を誇っているのも判るような気もしました。
しかしこういう鶏にこだわったラーメンはお隣の笠岡ラーメンにも通じますが、隣接地の笠岡と同じく地域の食文化を背景にしているのでしょうか?
接遇は古き良き?ラーメン屋風でまあこの面では見た目の印象通りですが、最初妙に注文のさばきが遅れていてオヤジさんの手際の問題かと思ったのですが、あまり大量生産には向かない作り方をしているのがこだわりなのか面白いですよね。
ちなみにウェットティッシュなど置いてあるのは今風でいいのですが、トッピングのコーンをすくうのに特化した?穴あきレンゲはスープを飲む際の使い勝手も考えると、ごくごく普通のレンゲでいいのでは?と言う気もしました。

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2015年8月22日 (土)

間違った方法論によって導き出された結論はサイエンスの世界ではまともに相手にされません

先日の戦後70年と言う節目に発表されたいわゆる安倍談話を巡って、締め切りの関係もあってか事前に用意していた想定記事を手直しだけして垂れ流したせいなのか、マスコミ各社の報道ぶりがあまりに底が浅いと評判になっているようで、一部方面からは談話そのものよりも注目されているようです。
特に各社ともキーワードが総理の口から出るのかどうか?にばかり注目するあまり、談話の本来的な意味よりも枝葉末節の言葉尻を捉えた解釈に終始していると批判もあるようなんですが、「幾らなんでもこれはあんまりだろう」とある意味もっとも大きな注目を集めたのがこちらのテレビ報道です。

安倍談話発表時にTBSが「謝罪チェックリスト」を表示で炎上 ネットから怒りの声(2015年8月14日ガジェット通信)

「『謝罪入りましたー』って、音ゲーかよ!」「コラ画像かと思った」などの声

 安倍内閣が8月14日に閣議決定した「戦後70年安倍談話」について、TBSが安部首相の記者会見時のニュース映像に「植民地支配」「侵略」「おわび」「反省」という「安部首相発言チェックリスト」を表示し、一々「△」などの番組の評価を表示させていたことがネットユーザーの間で批判を浴びている。
 このニュースは、TBSが放映している夕方のニュース番組「Nスタ」で報じられた。同番組は「日本一ざっくりしたニュース番組」をコンセプトにしているが、これはあまりにもざっくりすぎたようだ。そもそも、首相の歴史的な談話をバラエティ番組並みの悪乗りで報道することに批判が集まっている。

 ネットユーザーの間では、
 「どんだけ2ちゃん脳だよ」
 「BPOに連絡しよう。総務省にもだ」
 「謝罪入りましたーって、音ゲーかよ!!」
 「さっきから流れてくる画像、コラ画像じゃなくて本当にテレビで流したのか…」
 「幾らなんでも下品すぎる
 「悪いけど、TBSはアホか?」
 「TBSもマルバツ採点したら、オウム報道は完全にアウトじゃないのか」
 「偉そうに採点しやがって」
など、TBSを批判する声が多く上がっている。

元記事にはそのテレビ画像もありますので判断は各個人にお任せしたいと思いますけれども、まあしかしせっかく談話を出してもこういう聴き方をされたのでは本来的な意味など伝わるはずもありませんし、真意も何も伝わらない状態で批判されると言うのであれば総理としても立つ瀬がなさ過ぎると言うものだと思いますね。
テレビなどは速報性を重視するだけにこうした一面的な取り上げ方も百歩譲って有りじゃないか、と言う意見もあるかも知れませんし、その分は新聞など活字媒体で後日じっくり取材し吟味した内容を報じることで補えるとも言えるのですが、翌日報道された各紙の社説等もとても評価が高いとは言えない内容で、素人目にも「一体どこの世界の談話を聞いて書いた記事なんだ?」と思えるようなものもあったようです。
この辺りはもちろんマスコミ毎のカラーもあるでしょうから、最初から内容の如何に関わらず記事の内容は決まっていたのだと言う見方もあるようなんですが、幾ら内容が決まっているにしておm基本的な取材すら行わず書き上げてしまう記事と言うのが今の時代に許されるのかどうかで、先日はこんな騒動が勃発しているとも報じられていました。

「取材なく無断でコメント掲載された」琉球大名誉教授が朝日新聞を提訴 東京地裁(2015年7月3日産経新聞)

 微生物が水質浄化に与える効果を疑問視する朝日新聞の記事で、取材を受けていないにも関わらずブログの文言を無断で改変して使われ、コメントしたかのように掲載されたとして、琉球大学名誉教授の比嘉照夫氏(73)が2日、同社を相手取り、慰謝料など約350万円と謝罪広告を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状によると、問題となったのは平成24年7月3日付と同11日付の朝日新聞青森県版の記事。比嘉氏が研究開発している有用微生物群(EM菌)を川の水質浄化に役立てようとする環境教育が同県で行われているものの、科学的な効果を疑問視する声があり、県も十分に検証していないなどと報じた。

 比嘉氏は同社記者から取材を受けていなかったが、記事では微生物の効果について「開発者の比嘉照夫・琉球大名誉教授は『重力波と想定される波動によるもの』と主張する」などと記載。この引用は、比嘉氏が記事の掲載日から約5年前の19年10月1日に投稿したブログから無断で引用されたものだった。さらに一部を切り取るなど改変されていたという。

 比嘉氏側は朝日新聞に対して、記事の取り消しと謝罪広告を求めたが、同社は応じなかったという。「記事によって非科学的なコメントをしたかのようにネット上でも拡散され、原告はこの分野における第一人者としての信用など多大な不利益を被った」と批判している。

 比嘉氏は産経新聞の取材に秘書を通じて「訴状の通りです」とコメントした。

 朝日新聞広報部は「提訴を確認しておりませんので、お話を控えます」としている。

個人的にいわゆる「ト」なネタはかなり好物な方で、その方面でも比嘉照夫センセイと言えばそれなりのビッグネームですから、正直過去に為されてきた同氏の主張そのものに対しては科学の領域からはみ出しているだとか、せっかく有用そうな菌なのにかえって誤解を受けてしまっていると言った既存の批判に同調するところがないでもありません。
元記事となった朝日のそれについてもそうした観点からは評価の高かった記事で、特に自治体が率先して教育現場に似非科学導入を推進するとは何事か、と言う問題提起に対して、自治体側がよく判らない言い逃れをしていることに反発も強く、当時朝日の報道については「もっとも良質なEM菌報道である」と称讚する声もあったと言います。
もちろんそれはそれでよい仕事をしたと言うことだと思うのですが、別に緊急性もなく当事者に幾らでも取材機会はあることに関して何ら取材もせずに記事を書く、それだけならまだしもきちんと取材をして書いたかのように(恐らく意図的に、でしょうが)読者にご認識させる記事を書くと言うのでは、さすがに報道のプロフェッショナルとしてどうなのかです。

朝日と言えば以前にも東大医科研の癌ワクチン報道で言葉の切り貼りで意味不明、意図明瞭な記事をアサヒったと炎上したことがあって、これまた他社がそろって海外での重大事故発生を伝える中で一社だけ一面トップで報じたことからも社を挙げて取材したことがうかがわれるのですけれども、逆に言えば何ら緊急性がない報道であったのに何故不正確な内容で敢えて報じたのかにも疑問が集まりました。
一部にはこの翌週にも始まる政府の政策コンテストに癌ワクチンの予算申請が出される予定であったことが影響していたとかいないとか言う説もあったようですが、何故無関係に思える立場の朝日がそうまでして癌ワクチン潰しを仕掛けなければならなかったのか?と言う理由に関しては当時から様々に推測されていたことからして、あるいは今回の件も朝日なりの深い理由なり動機なりに基づいた行動であったのかも知れませんね。
世間ではこうした点を評価して「有害害虫同士が潰し合いをすると言うのであれば人間としては応援するだけだ」と妙な支持を表明する人もいるやに聞きますけれども、万一にも朝日の記事が純粋な動機から出た真っ当な意志に基づくものであったとしても、普段のやり方がこれでは「いったい何のための、誰のための記事なのか」と邪推?されてしまうのもまあ、当然と言えば当然のことではあると言う気がします。

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2015年8月21日 (金)

国がさらに一段と後発品利用を推進

本日の本題に入る前に、一体いつになったら締結されるのかと言うTPP交渉の中で、先日こんな話が出ていたのを御覧になったでしょうか。

TPP、合意見送り 新薬・乳製品の対立解けず(2015年8月1日日本経済新聞)

 【ラハイナ(米ハワイ州)=八十島綾平】環太平洋経済連携協定(TPP)を巡ってハワイ州のホテルで開かれていた日米など12カ国の閣僚会合は7月31日午後(日本時間8月1日午前)、合意を見送って閉幕した。医薬品に関する知的財産ルールや乳製品の貿易で対立し、各国の利害を調整できなかった。参加国は8月中の閣僚会合の再開を目指す。交渉の妥結に向けた機運をつなぎ留めることができるかが、当面の焦点となる。
(略)
 今回のTPP閣僚会合は7月28日から4日間の予定で開かれ、各国はぎりぎりの交渉を続けてきた。交渉最終日となった31日に向けて事務レベルでは前夜から徹夜の調整が進められ、「残された課題は相当数減った」(交渉関係者)。31日朝までに特産品に地名をつける地理的表示の保護ルールの交渉などは、おおむね決着したという。

 だが当初から難航が予想された薬品のデータ保護期間を巡る交渉は、最後までもつれた

 新薬を開発できる巨大製薬会社を抱える米国は企業が開発コストを回収できるように12年の保護期間を主張。一方、早期に安価な後発薬を使いたいオーストラリアやニュージーランドは5年を求め対立が続いた。閣僚会合では8年という妥協案で合意を目指したが、最後まで折り合うことができなかった。
(略)

今やこの新薬問題はTPP交渉最大の難関となっていると言う声もあり、当然ながら開発元の製薬企業が多く立地する米国としては保護期間を長く設定したい道理ですが、昨年米製薬大手が自社が特許権を持つ主力商品について後発品参入を妨げることを計画していたと報じられるなど、儲けに直結するだけに割合にきな臭い話題にもつながりやすいところではありますよね。
もちろん高い開発コストを回収できなければ新薬開発も進まず、結果として医療の進歩が滞ってより多くの人々の不利益になると言う理屈も成り立つわけで、製薬会社が適正な利潤を追求することは全く悪いことではないのですが、この辺りは発展途上国におけるAIDS治療薬の特許権問題などと同様、人の命に関わることもあるだけにどこまで経済的側面を追及すべきかと言う判断も難しい部分はあるかも知れません。
経済的側面と言うことで言えば、日本において後発医薬品の普及が進まない最大の理由として処方する医師にしろ薬を患者にしろ「安物」の後発品を使うメリットに乏しいと言うことも言われてきましたが、国としても何とか医療費削減のために安価な後発品利用を進めたいと言う気持ちの表れなのでしょう、先日はまた新たな誘導策が出てきたと報じられていました。

健保の健康対策に競争制…後発薬使用やメタボ健診率成績で負担増減(2015年8月14日読売新聞)

 厚生労働省は、会社員や公務員が加入する様々な医療保険事業者に対し、健康づくりを競わせる制度を導入する方針だ。

 健康促進や病気予防に優れた成果を出せば後期高齢者医療制度への支援金の負担を軽くし、成績が悪いと負担増のペナルティーを科す仕組みだ。健康への取り組みを活発化させ、医療費抑制につなげる狙いがある。今年度中に成績を評価するための指標を定め、2018年度からの導入を目指す。

 競争方式の対象となる医療保険事業者は、大企業の会社員が加入する健康保険組合(健保組合)、国・地方の公務員の共済組合、中小企業社員の全国健康保険協会(協会けんぽ)。いずれも加入者の大半は、働く現役世代だ。

 成績評価の指標は、〈1〉糖尿病の重症化予防への取り組み〈2〉後発医薬品(ジェネリック)の使用割合〈3〉特定健診(メタボ健診)の受診率――などが中心となる見通し。

しかし最近は自治体ごとに医療費削減を競わせたりと、何かとこの競争原理の導入と言うことが目立つ気がするのですが、その成績評価の基準の一つとして後発医薬品使用割合が取り上げられたと言う点も注目すべきですし、そうまで言わなければ後発品利用が進まないと言うのも何やら不思議な気もしますが、一面では後発品利用率と言う判りやすい指標で医療現場のコントロール策を模索しているのかも知れませんね。
後発品利用促進と言えば、かつて自己負担のない生保受給者は後発品利用率が一般患者より低いことが長年問題視されてきた経緯があって、「人権侵害だ!」と主張する進歩的な方々の反対を受けながら後発品利用を推進した結果、昨年ようやく一般患者を上回る後発品使用率を示したそうですが、これも未だに指導する自治体の対応の差なのか各地で利用率に大きな差があるようです。
そうした点からすると保険者に対するアメとムチと言うものがどれほど有効なのか?と言うことなんですが、例えば明示的な理由がなければ原則先発品処方はすべて査定対象にするだとか、先発品を出した場合は面倒くさい書類の提出をその都度求めると言った泣き所を突くようなやり方を徹底していくと、医師の側としては案外簡単に転向する先生が多いかも知れませんね。
もちろん後発品が先発品と全く同じではないことは医療従事者であれば周知の事実ですが、多くの場合その差異は多少の調節等で何とかなるものでしょうし、どうしても正当な理由があって先発品でなければ駄目だと言うのであれば堂々と先発品を使うことは誰も否定していないことなので、この辺りはこだわりを持つ先生には是非最後までこだわりを貫き通して欲しいものだとも思います。

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2015年8月20日 (木)

お祭り騒ぎの現場における微妙な一線

昨今それが何であれどこからでもクレームと言うものはつくものなんですが、そのおかげで一部地域では伝統行事までが大変なことになってきていると話題になっています。

「まるでカルト」…イヤホン耳に無音で盆踊り、「うるさい」苦情で(2015年8月17日産経新聞)

 花火と並ぶ夏の風物詩、盆踊り。心浮き立つ太鼓の音が鳴り響き、各地で大会や練習が行われている。とはいえ、最近は、地域のお祭りを騒音と感じる人も。新手の対策として、踊り手がイヤホンで音楽を聴きながら踊る「無音盆踊り」が登場。「不気味」という反応の一方で、「踊りに没頭できる」という好評価もある。地域住民の連帯感と一体感が持ち味だった盆踊りが変化しつつある。(村島有紀)

■新しい「踊りの形」を模索

 愛知県東海市大田町の「無音盆踊り」。輪になった踊り手が静寂の中、無音で踊る様子がテレビなどで放映され、「不気味」「どこかのカルト集団?」「東海名物ゾンビ踊り」など、どちらかというと悪口雑言に近いような反応が寄せられる。

 無音盆踊りは、名鉄太田川駅周辺で開催される夏祭り「ザ・おおた・ジャンプフェスティバル」で披露される盆踊りの一部。平成21年から踊り手がイヤホンの付いた携帯ラジオを持参し、FM電波で同じ曲を聴きながら踊る試みを始めた。今年は8月8、9の両日に行われ、延べ約400人が踊った。

 初めて無音盆踊りを行った際、踊る人は40~50人程度しかいなかった。しかしその後、輪に入って踊る人は年々増加中で、大会長の森岡厚(あつし)さん(53)は「本当は岐阜の『郡上(ぐじょう)おどり』のように夜中踊れる盆踊りが理想だが、周囲への配慮から騒音対策も必要。まちおこしも兼ねて、多くの人が参加できる新しい盆踊りの形を模索した」と胸を張る。

 森岡さんによると、「風情がない」という声もあるが、「踊りに没頭できる」との高評価も。夜遅くまで開催するとしても苦情を受ける心配はない。また、やり方を工夫することもでき、内側の輪と外側の輪で踊る人たちが、それぞれ、年齢層に応じた異なる音楽を聴いて踊ることもできる。例えば、内側の輪には年配者向けに「炭坑節」、外側では、子供向けに「おどるポンポコリン」といった具合だ。
(略)
■「蒸し風呂」の中で練習

 都心での阿波踊りは、河川敷や公園での練習が可能な徳島県と比べてさらに過酷。東の阿波踊りの代表格、東京都杉並区の「東京高円寺阿波おどり」の関係者によると、練習場所は地下2階の倉庫や、ライブハウス。小学校や中学校の体育館を借りて行う練習では、かけ声や足音が漏れるのを防ぐため窓を閉め切り、蒸し風呂状態だ。

 参加連の一つ、「ひょっとこ連」の副連長、坂牧史子さん(36)は「一度でも苦情が入ると体育館が借りられなくなる。杉並区の住民は、入れ替わりが激しく新住民の多くは、阿波踊りが本番だけでなく、日頃から練習が必要ということを知らない。自分たちと関係ない音だと思うと『騒音』に感じるのかも」と表情を曇らせる。
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まあしかし、同じ会場で踊っている人たちがそれぞれ別な曲に合わせて踊っていたというのも何とも斬新な光景ではあるのかも知れませんし、盛岡さんの言うように伝統文化から発して踊りの新たな地平を切り開きつつあるのかも知れませんけれども、この種のイベントと言うものは参加すると言うことと鑑賞すると言うこととの二面性があるもので、この場合前者の比率だけが極大化してきているとも言えるのでしょうか。
騒音に限らず祭りのだんじり運行で死傷者が出たと言うことは時に報じられることで、もちろん参加者はそうしたリスクを承知の上で場合によっては保険等の用意もして参加するのが筋だと思いますけれども、一方で大勢で取り巻いている観客に被害が出た場合にどうするのかは常に議論になるところで、熱心な参加者からすれば無関係な連中が勝手に近くで見ていて怪我をしたのに祭りが中止されるなど我慢ならないと言う視点もあるはずです。
自動車レース文化が定着している海外などでは、以前からラリーで観客がコースギリギリにまで近寄って観戦していることも自己責任で許されるのだと言われていましたが、そんな文化的背景があったにも関わらず観客を巻き込む重大事故多発によってグループBが中止に追い込まれたと言う経緯があるように、参加者の自己責任による許容度と開催者の責任に基づく規制と言うものは常にそのバランスが問題になりますよね。
まして公共の場所で開かれるイベントの場合周囲の住民に取っては全く無関係なことで騒音等の被害だけ押しつけられる形ですから、近年高校野球の公式戦などにも「うるさい」「中止しろ」と苦情が舞い込むことがしばしばであると言うことも理解出来るのですが、その高校野球絡みの苦情と言うことで先日からこんな件が話題になっています。

「甲子園のバックネット裏は八号門倶楽部のものではありません」 “ラガーさん問題”で抗議の署名開始(2015年8月16日ガジェット通信)

甲子園球場で行われている高校野球で、いつもネット裏でラガーシャツを着用し観戦している名物おじさんとしてマスコミにもたびたび登場している「ラガーさん」こと善養寺隆一さん。『甲子園のラガーさん』『ラガーさんの嗚呼、青春の甲子園あるある』といった著書もある。
現在、そのラガーさんと彼の所属する「8号門クラブ」に対し、ネット上を中心に批判が殺到している。

    8号門クラブ(はちごうもんくらぶ)とは、日本の高校野球の私設ファンクラブ。春の甲子園・夏の甲子園の観戦のために阪神甲子園球場のバックネット裏に通じる8号門入口に集うことから、高校野球ファンの間で8号門クラブと呼ばれるようになった。(Wikipediaより)
この8号門クラブが甲子園の自由席を私物化しているとして、「高校野球を応援する会」が『change.org』にて抗議の署名活動を開始した。

    8号門クラブをはじめとする、一部団体は高校野球大会の自由席を私物化しています。具体的には、1人につき1席使用すべきところ、過剰なほど多くの席を占有していたり、先に着席していた観客を恫喝し、座席を強奪して他の席に移動をさせたりしています。また、阪神甲子園球場の警備員は一連の行為を黙認しています。これらの行為は健全な高校生スポーツにあるべき姿とは言えず、高校野球そのものを冒涜していると言って過言では ありません。来年の春には甲子園が球児たちにとって気持ちよくプレー出来る環境となることを望みます。そして、私たちは高野連、朝日新聞社、8号門クラブに対し、これらの行為が無くなるよう、具体的な行動を取ることを強く要求します。

とのことで、8月16日14時の段階で賛同者は900人を突破。現在もその数をのばしているようだ。署名の宛先は8号門倶楽部と、主催者である日本高等学校野球連盟及び朝日新聞社となっている。
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ネット裏最前列と言えばテレビ中継などでも真っ正面に映る場所ですから当然ながら競争率も高いのだろうし、実際に15日間の遠しチケットを買った上で最前列に並ぶために泊まり込みを強いられ家族からも見放される?など様々な苦労があるようですから、そこまでやる気もあり人一倍の犠牲や労力も払っているのであればまあ好きにしたらいいのでは?と言う考え方ももちろんあるのだろうと思います。
ただここで問題になっているのはそうした言わば正当な手段で最前列席を確保した人々ではなく、何かしら特権を持っているかのように他人を押しのけ不当に席を独占している人間がいる、それも何かしらグループとして組織だって数の力で横暴を押し通しているらしいと言う点で、もちろんこうした行為は許容されざることは言うまでもないのですが、興味深いのは主催者らがこうした連中を取り締まっていないと言う声がある点です。
好意的に考えるならばそこまで実情を把握していないと言う可能性もないことはないのでしょうが、何しろ一番目立つ特等席なのですから普通に考えれば警備員なども通常以上に目を光らせていてしかるべきでしょうに、それをどうやら黙認しているらしいと言うのであればやはりこれは抗議されても仕方ないことではあるように感じますがどうでしょう?

冒頭の盆踊りを巡る話を見るまでもなく、どこまでを反社会的行為とすべきかは個人の価値観から時代時代の社会通念など様々な判断基準が絡むもので、高校野球では当たり前の鳴り物付きの盛大な応援合戦も国によってはうるさくて下品だと嫌われると言いますが、今のところ甲子園での大会期間くらいはかなりの部分がお祭り騒ぎと言うことで許容されている部分があると思います。
この種のはた迷惑と言える行為は別に高校野球に限ったことではなく、昨今ではいわゆる撮り鉄の暴走行為がしばしば問題視されますけれども、そもそも元を辿ってみると何かしら事件やイベントのあるたびにマスコミ各社が率先してやってきたことでもあって、以前には高知でゴルフの試合中に度重なる注意や警告を無視していた取材カートが暴走して観客を跳ねると言った事件もありました。
そう考えると高校野球と言えばご存知のように大手マスコミが主宰していることが知られていますから、横暴やはた迷惑に対しては自らを省みて寛容なのか?などと邪推する向きもあるかも知れませんが、サッカーなども以前からサポーターの暴走がどこまで許されるべきか議論になってきた歴史があって、迷惑だけならともかく他人に脅威を与えるような暴力的行為は駄目だろうと言ったあたりが最低限の一線になってくるのでしょうか。

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2015年8月19日 (水)

偽医者と本物の医者、医者らしいのはどちら?

かつてちょっとしたブームの火付け役ともなった小説「吉里吉里人」ではある種の偽医者礼讚論が展開されていたと記憶しているのですが、その実例とも言えるのが先日出ていたこちらの記事です。

ニセ医師が2千人を診察できたワケ 評判上々、甘い確認(2015年8月17日朝日新聞)

 実在する医師になりすまして診療したとして、元タクシー運転手の男が、茨城県警に逮捕された。2年半の間ばれずに、全国で少なくとも延べ2千人超の診療を続けたという。どうして誰も気づかなかったのか。
 「ばれないよう落ち着いて診療し、症状が重い人は、他の医療機関での受診を勧めた」。勤務先の医療法人から給与をだまし取ったとして医師法違反や詐欺罪で起訴された東京都品川区の大賀達夫被告(51)は県警の調べに、こう話しているという。「なりすまされた側」が1月、身に覚えのない納税書類があるのに気づいて発覚した。

 捜査関係者によると、大賀被告は眼鏡やコンタクトレンズのメーカーに勤務した経験があり、2009~11年には医師や看護師を医療機関に紹介する会社を名古屋市で経営していた。
 その会社が行き詰まると、自分の会社に登録した、顔写真がついていない医師の免許証の写しを使って、福岡市内の医師紹介業者に自分を眼科医として登録。12年6月~15年1月、茨城を含む23府県37カ所の診療所や病院で診療し、2千万円超の報酬を得たとされる。診療した患者数は、判明しているだけで5府県5カ所で延べ約2300人。今のところ健康被害などの報告はないという。

 周囲の評判は、悪くなかったようだ。勤務先の眼科のスタッフによると、大賀被告は愛想がよく、子どもの患者には「大丈夫だからね」と優しく声をかけていた。無断欠勤や遅刻はせず、患者からの苦情もなかった。「一緒に仕事をしていて嫌な思いをしたことはない。医師ではないと聞いて驚いた」。ただ、出身地など個人的な話はしたことがなかったという。
 大賀被告は「(顔写真がない)医師免許証の写しがあれば、大丈夫だと思った。業者とのやり取りは電話とメールだけだった」と供述しているという。このため、免許証の原本の提出が求められる正規採用の話を持ちかけられると断っていたという。
 大賀被告が登録した福岡市内の医師紹介業者によると、医師免許証や履歴書などで身分は確認したが、運転免許証などで本人確認はしなかったという。派遣先の医療法人も「紹介業者が本人確認をしていると思っていた」と話す。

この件に関して言いますと誰が悪かったのか?と言う点で議論のあるところで、通常であれば専門資格の有無など基本的な本人確認は紹介する業者がやっておくべきことではないか?と言う考え方もある一方で、今どき医師免許証の原本確認もしていない時点で医療機関側にも大きな落ち度があるとも言え、やはり何事も基本は徹底する必要があると言えるでしょうか。
ただここで注目いただきたいのが「患者からの苦情もなかった」「一緒に仕事をしていて嫌な思いをしたことはない」と言った周囲の評判で、これも本来職業人として顧客に不愉快な思いをさせるような接遇や、周囲の同僚に迷惑をかけるような行為があってはならないのは当然なんですけれども、その基本がきちんと出来ていない医師がどれだけいるのか?と言う現実の裏返しでもありますよね。
さて話は変わって、先日池袋で駐車場を出た車がそのまま急発進し店舗に突っ込むと言う不可解な事件があり、現行犯逮捕された運転手からはアルコールも薬物も検出されなかったと言うことで一体何が原因だったのか?とちょっとした話題になっていますが、この逮捕された運転手である医師の人物がこれまた別な方面で話題になっているようです。

池袋・暴走車の医師 評判の「変わり者」過去にトラブルも…(2015年8月16日スポニチ)

 東京都豊島区のJR池袋駅近くで乗用車が暴走し歩行者5人が死傷した事故から一夜明けた17日、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで逮捕された医師の金子庄一郎容疑者(53)を知る人は「神経質でかんしゃく持ち」などと印象を語った。

 金子容疑者は東京都北区王子にある自宅と同じ場所に診療所を開設。近隣の住民によると20年ほど前に父親から引き継ぎ、現在は週2回程度開けていた。80代の母親と2人暮らしで母親が診療所を手伝っていた。

 今月8日に診療を受けた男性(85)は「酒もタバコもやらない真面目な人。ただ、新しい看護師が来ても2、3週間ですぐ辞めてしまうのが不思議だった」。70代女性は「近所付き合いはなく変わり者として知られていた」と話し「診療所の前に他人の自転車や自動車が止まっていると物凄い剣幕で怒鳴り散らしていた。警察を呼ぶ騒ぎもあった」と過去のトラブルを明かした。診療を受けたことのある患者からは「診療中に母親に“バカヤロー”と怒鳴っていた」「点滴を打つんだからしゃべるなと怒られた」との声も聞かれた。

 金子容疑者の運転する乗用車は16日午後9時半ごろ、池袋駅近くで、歩道に乗り上げ交差点角にある衣料品販売店「ZARA」に突っ込んだ。歩行者らがはねられ、東京都板橋区の薬剤師江幡淑子さん(41)が死亡。4人が骨盤骨折などで重軽傷を負った。池袋署によると、金子容疑者は「歩道に突っ込んだのは記憶がない。疲れて居眠りしていたので覚えていないのかもしれない。駅の近くでラーメンを食べて車に乗った」と供述。呼気からアルコールは検出されず、尿の簡易鑑定でも違法薬物の成分は検出されなかった。一方、警察官に取り押さえられた際に「何が悪いんだよ」などと大声を出して暴れ、「ケガ人を足で蹴ろうとしていた」などの目撃情報もある


池袋暴走・逮捕医師の素性 母親が激白「酒飲めない、悩んでいるそぶりなかった」 (2015年8月17日zakzak)

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 さらに事故後、激しく抵抗し、警察官が「飲んでいるのか」と問いかけると、「何が悪いんだよ、酔っ払ってんだよ」と叫ぶなど奇声を上げた様子が目撃されている。

 金子容疑者の母親によれば、独身で母親と2人暮らし。亡くなった医師の父親を継いで、診療所は2代目だったという。
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 一方、近所ではトラブルも多かったという。ある住民は「家の中からよく怒鳴り声が聞こえた。自宅前にある駐車場の止め方が少しでも悪いとすぐに警察に通報して、変わり者だった」と話す。
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池袋駅前死傷事故で逮捕の医師 「こころの問題」解決する産業医だった(2015年8月17日J-CASTニュース)

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   金子容疑者が経営する医院は北区王子にあり、同区医師会のサイトにも掲載されている。それによると、内科、小児科、消化器科、胃腸科、循環器科を行うとしているが、休診日は月~水、金、日曜となっている。診療時間は木曜と土曜の午前中のみだ。

   求人サイトで看護師の募集をしているが、会社情報の項目で従業員数が0人になっている。実際にJ-CASTニュースは同院に何度か電話をしてみたが、応答はなかった。
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池袋暴走事故 逮捕の医師「仕事熱心」「神経質で怖い…」(2015年8月17日iza)

 産業医としての勤務先では「仕事熱心で熱血」と思われていた。5人が死傷した事故で逮捕された医師の金子庄一郎容疑者(53)。医師としての評判はまちまちで、近所の住民からは「神経質で怖い印象」との声も聞かれた。

 東京都内のコンピューター関連会社によると、金子容疑者は平成21年7月から25年3月まで産業医として勤務。同社担当者は「勉強熱心だった。月2、3回会社に来て、社員一人一人に熱く(健康管理を)指導してもらった」と評価する。

 時折「残業時間を抑えなさい」「睡眠時間を取りなさい」と強く言うこともあったというが、社員とのトラブルはなかったという。

 一方、東京都北区の自宅近くの住民によると、金子容疑者は自宅と同じ場所で診療所を開設。父親から引き継ぎ、現在は週に2回程度開けていた。「人当たりも良くないし、神経質で怖い印象」という。
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続報によれば事故前にかなりあちらこちらと運転をし疲れていたと言い、またどうやらてんかんの持病を持っていたと言うことですからコントロール不十分な基礎疾患が疲労で増悪したことが原因だったと言う可能性もありそうなのですが、例によって免許更新時には申告していなかったと言うことですから危険運転致死傷の方面からも今後処罰される可能性がありそうです。
ただやはり気になるのが逮捕当時警察官に向かっても大声で怒鳴り散らすなど周囲の人間が「ただならぬ様子だった」と証言している点や、クリニックを開業していながらスタッフの一人もおらず週に2日間の午前中のみしか開いていなかったと言う点で、本業は産業医関連だったのかも知れませんけれども、普段の態度からしてもあまり客商売に向いている性格ではなかった可能性がありますよね。
スタッフもおらず週二日しかやっていないのですから当然と言えば当然なんですが、診療所を訪れた人の証言によればひどく汚かった、全く患者がいなくてガラガラだったと言うことですから、事故後の態度などもあわせて「こんな人間が医者やってて大丈夫なのか?」と言う声が少なからずと言うのもまあ、理解出来ないことではないように思います。
ただまあ残念ながらと言うべきでしょうか、特に古株の先生になるほど対人関係に色々と難しい方が多いと言うのも医者と言う商売の一つの特徴のように言われていて、この辺りは教師や代議士なども含めて「およそ先生と呼ばれる人間にろくや奴はいない」などと言われることもあるようですが、本来的にいずれも対人関係が重要な仕事なのですから仕事さえこなせればそれでいいというものでもないはずですけれどもね。

経歴からしますと父親の開いた診療所の継承開業であったようで、現在53歳であるにも関わらず医師免許取得が平成6年と遅いことなどから様々なバックグラウンドストーリーも想像されているようなんですが、さて冒頭に取り上げた偽医者先生とこの金子先生とでどちらが医師として適性があったのだろうか?と考えると、患者目線で見れば「偽医者先生の方がいい」と言う声も出てくるかも知れません。
もちろん金子先生も人付き合いは苦手でも医師としての知識や技量には過不足ない立派な先生だった可能性も十分あるのですが、医師としての評価と言うものはしばしば同僚など同じ医師からのものと、顧客として接する患者からのそれとが非常に食い違うことも多くて、医師仲間からすればどう見ても高い評価が与えられそうにない先生が案外患者受けがよく大繁盛だったりと言うことがままあるものです。
経営的に考えれば患者受けが良く多くの患者が来る先生はそれだけでありがたい存在だろうし、開業医であれば直接診療所の存続にも関わる重要なスキルと言うべきなんですが、逆に多忙極まる基幹病院勤務医の目線で考えるとむしろ無愛想でよほど相性がいい患者しか寄ってこないくらいの方が、業務量過多にもなりにくいし余計な顧客とのトラブルも減らせていいと言う考え方もありますよね。
昨今では学生教育においても接遇教育は当たり前になっていて、もちろんかつて多かったような対人関係における基本的常識的なマナーもわきまえていない医師と言うのは今どき論外ですけれども、接遇マナーをもっと良くしなさいと経営者目線でいくら要求したところで、そうすることによるメリットがなければ人間そうそう努力しようと言う気にもならないのかも知れません。

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2015年8月18日 (火)

ながら手術は有害無益?

昔から音楽などを聴きながら行う「ながら勉強」は是か非か?と言う論争があって、効率が低下すると言う意見もあればかえって調子が出ると言う意見もあるようで、この辺りは個人差や程度にもよる問題なんだろうと思いますが、医療の世界においては先日こういう調査結果が出たと言うニュースが出ていました。

手術中の音楽、患者の安全を脅かす恐れ 研究(2015年08月07日AFP)

【8月7日 AFP】音楽をかけながらの手術では、手術チーム内で会話が聞き取れずに返事を促す可能性が、音楽をかけていない場合の5倍におよぶとの研究結果が、5日の専門誌「先進看護ジャーナル(Journal of Advanced Nursing)」に掲載された。音楽をかけながらの手術は一般化しているが、論文はこの習慣に疑問を投げかけている。

 研究論文は「手術室での音楽は(手術)チームのコミュニケーションをさまたげる可能性があるが、安全を脅かす恐れのあることとしてはほとんど認識されていない」と警告している。

 研究者によると、50%以上の手術が音楽をかけながら行われている。割合は国によって異なり、たとえば英国では音楽をかけながらの手術が72%に上っているという。

■音楽かけながらの手術、返事促す回数5倍に

 手術室で音楽をかけるのは最近始まったことではない。100年前、英国の草分け的な外科医は、手術前に麻酔をかけた患者の気分を落ち着かせるために、音楽家を雇って演奏させていた。だがこの慣習はやがて、患者のためのものから、手術スタッフのためのものへと変化して行った。

 外科医が音楽をかける理由は、ストレスの緩和、ホワイトノイズの遮断、集中力アップなどさまざまだ。しかし、その有効性や悪影響についてはこれまでほとんど検証されたことがなかった。

 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の上席研究員、シャロンマリー・ウェルドン(Sharon-Marie Weldon)氏ら研究チームは、英国で6か月間に行われた音楽のかかっている手術、かかっていない手術、計20件を録画した。

 結果、医師あるいはスタッフが、話し掛けた相手に応答を求める事例が5000回以上あった。そのような事例は、音楽がかかっている場合がそうでない場合の5倍だった。

「音楽に外科医の集中力を高める効果や外部の雑音を遮断する効果があるかどうかにかかわらず、チームのコミュニケーションを損なう恐れのあるものは何であれ、患者の安全を脅かす恐れがある」と、論文は結論付けた。

しかし話しかけても返事がないと言うのは、一般的に集中している状況と言うものを想像できて目的にかなっているとも思えるんですが、単に音楽がうるさくて聞き取れなかったと言ったことであればそれば音楽の是非ではなくボリューム調節の問題と言うことになりそうな気もします。
ちなみに掲載誌を見る限りでは手術場ナースが中心になってまとめた論文なのでしょうか、日本で看護研究と言われれば何やら妙な理由で一定のバイアスがかかってみられそうにも思うのですが、当事者である外科医側の見解がどうであるのかと言うことも気になる一方で、やはり客観的指標として外部目線での評価と言うことも必要なんだろうとは思いますね。
そもそも手術室に何故音楽をかけるのか?と言う点は諸説あるようですが、日本の医療現場で見る限りでは当の外科医がこれがいいと選んで曲を流していると言うことはあまりなさそうであって、多くの場合には何となくリラックス出来そうなBGMが漠然と流れているだけのように思いますが、その種の音楽に関して言えば別に外科医の気分を高めると言う効用はあまりないのだろうし、デメリットだけが出る可能性はありそうです。
今年出ていた別の論文ですが、外科医が始めた手術と無関係な会話は外科医/麻酔医のチームワーク悪化と関連し、騒音は外科医のストレス増加および麻酔医の作業負荷増加と相関したと言い、まあ外科医がくだらない親父ギャグを連発しているような環境は麻酔科医もゲンナリするだろうとは想像は出来るのですが、単純に騒音と言うものも手術場における阻害要因になるのはまあ判る話ですよね。

ながら勉強の話に帰って経験者の語るところを聞いてみても、肯定派のしばしば言うところの「お気に入りの音楽を聴きながら勉強すると効率が上がる」と言うのは、逆に言えばどうでもいい音楽を流しても単なる騒音にしかならないと言うことでもあるのだとすれば、単純に音楽が有益なのか有害なのか?と言う調査だけでは意味がなくて、その音楽に対して外科医がどう評価しているかと言う視点も必要になるのかも知れません。
ただ当然ながら手術場にいるスタッフは外科医だけではないのだし、何人かのスタッフがいれば人数分の音楽の好みがあるはずですから、執刀医がお気に入りの曲が他のスタッフにとっては単なる騒音にしか過ぎないと言うことになれば、これは確かに全体としての効率が低下してもおかしくはない道理ですよね。
究極的には各個人がイヤホンなりを装着してお気に入りの曲を聴いていた場合にどうなるのかと言うところに行き着きそうですが、当然ながらその場合スタッフ間の意志疎通をきちんと確保する工夫も必要になるわけで、そこまで手間暇をかけるくらいなら最初から音楽なしでやるか、せいぜいどうでもいい無難なBGM曲を流すくらいでいいんじゃないか…となれば、まさしく今の日本の手術場の光景そのものになってきそうです。
ただし手術を行う側の効率としてはそんなこんなでさほどに有益な点がないのかも知れませんが、患者側にとってのリラックス効果と言うものはそれなりにある可能性もあって、例えば病室を出た時からイヤホンでお気に入りの音楽なりを聞いておけば余計な周囲からの雑音も遮断できて、気持ちよく麻酔がかかると言った効用があるのかどうかは誰か調べて見る価値があるかも知れませんね。

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2015年8月17日 (月)

マスコミの恣意的追及が歪めていく医療事故対応のあり方

この秋から医療事故調もいよいよスタートすると言うことで、各方面で改めて医療現場における事故や紛争化へのリスクが注目されているところだと思いますけれども、先日面白い記事が出ていましたので少しばかり長いですが引用してみましょう。

医療事故報道におびえる管理者(2015年8月11日日経メディカル)

 「いよいよ事業者に直接取材を敢行しようかと考えていたところ、上司が私に告げた。『それ、サツに情報を渡せ。サツに事件としてやらせろ』。取材で得た情報を警察に提供し、刑事事件として捜査してもらう。その代わり、捜査着手の際は優先的に教えてもらえるから、スクープとして記事を書くことができる。そんな理屈だった」(高田昌幸著『真実~新聞が警察に跪いた日~』角川書店)

 上記は著者(当時、北海道新聞記者)が、不法投棄を繰り返す産廃業者を記事にしようとした時の経験談です。医療事故の際、病院管理者がおびえるのは、このように警察と密接に連携した一般大手メディアからの攻撃です。もし警察への通報が遅れれば、自分が「事故隠し」との猛烈な攻撃の矢面に立つ。逆に一般大手メディアの手先となって迅速に警察に通報すれば、「国民感情」も刺激せずに済む。そういう計算が働いているのでしょうか。実際、ウログラフィン誤使用事故では、一般大手メディアからの攻撃は、一部では実名まで出てしまった担当医に向けられ、管理者は型どおりの記者会見だけで難を逃れました。さらに、「病院側は、事故の後、すぐに警察に事故の届出をしている。この点は、模範的な対応だったと思う」と御遺族からも高い評価を頂いています

恫喝商法の犠牲者
 非開示情報をすべて「隠蔽」と決めつけ、その組織に「国民の皆様に対して不正を働く悪の組織」のラベルを貼って国民感情をあおる。そんな“国民感情専門家集団”よる恫喝商法の端緒が、2001年9月に始まった牛海綿状脳症(BSE いわゆる狂牛病)パニックでした。彼らは雪印食品(2002年3月従業員1000人を解雇し会社を清算) を皮切りに、赤福、石屋製菓、船場吉兆、不二家、伊藤ハム、ローソンと、2000年代以降、食品企業や飲食業を次々に血祭りに上げ、元検察官で弁護士の郷原信郎氏の追求さえはね付けるモンスターメディアに成長しました。

 いわゆる「杏林大割りばし事件」を巡って、医師に対して誹謗中傷を繰り広げた件で、後に放送倫理・番組向上機構(BPO)から「重大な放送倫理違反」勧告を受けることになる「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS)に対して、2007年1月、郷原氏は不二家に対する報道内容における捏造疑惑を追及しました。しかしTBSは「取材源の秘匿」を振りかざして取材経過に関する事実を覆い隠し、 公共の電波で「無償広告」を行って報道被害を受けた側を懐柔するという卑劣な手段を使ってまで、郷原氏の追求に徹底抗戦したのです(郷原信郎著『思考停止社会』講談社)。

 この恫喝商法はWHOによるメディア関係者のための自殺予防の手引きもどこ吹く風とばかりに、痛ましい犠牲者も生んできました。我々は1年前に理化学研究所の笹井芳樹氏を失いました。インペリアルカレッジロンドン上席講師の小野昌弘氏はその追悼文の中で、「科学者の君は 殺されたのだ」としています。2004年の鳥インフルエンザパニックの際には、京都府にある浅田農産の会長夫妻が自殺しました。2001年からの牛海綿状脳症(BSE)パニックの際にも5人の自殺者を出しています。警察への通報には熱心でも、自分が回避した恫喝の矛先がどこに向かうのかも考えない。そんな管理者を生み出すのも、この恫喝商法です。そして、「患者の立場になって考える医師」が「部下の立場になって考える管理者」になるとは限らない。そんなことを我々に教えてくれるのもまた、この恫喝商法です。

 高濃度カリウム製剤事故の例からもわかるように、業務上過失という法の抜け穴からは、事故の「主犯」であるシステムエラーはもちろん、救命可能性や事故防止策を含めた重大な事実の数々がすり抜けていきます。モンスターメディアは「真相究明」を叫びながら、真相究明能力のない裁判を利用して末端の医療者だけを吊し上げる扇情的な報道により収益を上げます。そして判決後にはすべてを忘れたふりをして次の餌食を求める一方、北陵クリニック事件を始めとした「不都合な真実」に対しては完全黙秘する。幾多の報道で繰り返されてきたこの悲劇を、医療事故調査制度(事故調)を使って阻止できるかどうかは、ひとえに我々一人一人の法的リテラシー・メディアリテラシーにかかっています。

悪循環を断ち切る鍵を握るのは?
 こうして、「事故発生→扇情報道の嵐→真相隠蔽裁判→関係者の完全黙秘→事故の忘却→事故再発」という悪循環が、テレビドラマ水戸黄門のように延々と繰り返されてきました。モンスターメディアが創るこの悪循環を断ち切れるかどうかは、一番の潜在的被害者である若い医療者の行動如何にかかってきます。大切な部下のこれからの人生への配慮よりも、警察への忠誠心を優先するような管理者の下では誰も働きたいとは思いません。そんな管理者が支配する病院では、優秀な人材が流出し、職員の士気が低下し、事故が起こる可能性が高くなり、実際に事故が起こればさらにまた人材を失う。この悪循環の被害者になるのもまた、若い医療者です。

 1982年5月、新人研修医オリエンテーションの場で、病院長から医師になったばかりの私たちに言い渡された最初の仕事が、医師賠償責任保険加入の手続きでした。今から33年前でさえ、管理者も研修医も事故に対してそれだけ敏感だったのです。ましてや、あと1カ月余りで事故調が発足するという今の時代、病院管理者の事故対応は、マッチング開始を来月に控えた多くの医学生にとって、臨床研修病院選択の重要な判断基準となっています。そんな彼らが、高濃度カリウム製剤による事故やウログラフィン誤使用事故が、どの臨床研修病院で起こり、そこの管理者が事故の際にどんな対応をしたのか、知らないはずがないのです。

二つの問題提起がなされていると思うのですが、マスコミと司法とが密接に連携していること自体は業務の関係上ある程度仕方ない部分もあるとしても、例えば大野病院事件においてマスコミ諸社のカメラが居並ぶ中で無実の担当医が逮捕された光景が全国医師達に非常に大きな危機感を与えたように、その運用に際しては非常に慎重なものが求められるのは言うまでもないことだと思います。
一方でこうした一連の報道によって医療現場の意識改革が進んできたと言う点も残念ながら否定出来ない事実で、いわゆるJBM(司法判断に基づく医療)であるとかリスクマネージメントと言った言葉が当たり前に現場で語られるようになったことは、医学と言う点からするといささか脱線しているとも言えるのでしょうが、医療の観点からすると絶対的に必要なものであったと言うべきでしょう。
今の時代に医学部の学生であっても訴訟リスクと言うことを学ばずにいることは許されないし、その部分の教育がしっかり出来ていない人間は自分と周囲に危害を及ぼす可能性があるわけですから、職場の管理者としても未熟な医療技術と同様未熟なリスク管理の恐さを周知しておくべきはずなんですが、ここで問題になるのが職場管理者にとってのリスク管理と現場スタッフのそれとはイコールではないと言うことです。

大野病院事件に関してもそもそも裁判沙汰にまでなった原因が、県当局が「こう書かないと保険金も出ないから」と押し通したと言う事故報告書にあったことは知られた事実ですし、東京女子医大事件においても現場医師に一切の責任があるかのような事故報告書を大学側が勝手に作成した結果刑事訴訟沙汰にまでなり、後に大学から医師に謝罪と和解金の支払いがなされました
組織としてのリスクマネージメントを考えるのであれば、誰かがとんでもないことをやらかした結果思いがけない結果になったのだと言うことにして、自分達はそれに対して厳正に処分しましたと言う形にした方が外部への受けはいいのだろうし、逆にそうしなければ世間からも「何をやっているんだ!」とお叱りを受けかねない時代ですけれども、現場スタッフからするとそうした病院に勤務すること自体が大きなリスクであるとも言えますね。
うっかりミスによって事故が起こってしまう事自体は決して避けられないリスクですが、医療事故に限らずちょっとした小さなミスが大事故につながる大きな要因として現場の個々のスタッフが当事者意識と責任感を持って初期対応を正しく行わなかったと言う場合が往々にして見られ、その理由としてひと言で言えばスタッフの士気、組織に対する忠誠心が低いからと言うことがままあるようです。
この辺りはスタッフをどれだけやる気にさせられるかと言う生産性向上のテクニックともつながる話でしょうが、少なくともこれだけ医療専門職の不足感が全国的に広がっているような時代に、何かあれば現場に全ての責任を押しつけて組織の保身を図るような施設に優秀なスタッフが集まってくるだろうか?と言う疑問はありますよね。

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2015年8月16日 (日)

今日のぐり:「ごはん処 やよい軒 神辺店」

先日は現代の阿部定事件か?とも言われる、こんな猟奇的事件が発生し話題になっていました。

慶大法科大学院生ボクサー、妻勤務先の弁護士の局部切断(2015年8月14日スポニチ)

 警視庁赤坂署は13日、男性弁護士(42)を殴って局部を切断するなどしたとして、傷害の疑いで東京都中野区の慶大法科大学院生、小番一騎(こつがい・いっき)容疑者(24)を現行犯逮捕した。

 赤坂署によると、現場は弁護士の勤務する法律事務所で、小番容疑者の20代の妻が事務員として勤めていた。この日朝、同容疑者は妻とともに事務所を訪れ、朝から弁護士と3人で話し合いをしていたとみられる。弁護士とは面識はなかったという。同署は、妻をめぐる男女間のトラブルがあったとみて、状況などを詳しく調べている。

 逮捕容疑は13日午前7時40分ごろ、港区虎ノ門2丁目のビル4階にある法律事務所内で弁護士を数回殴った上、意識もうろうとなった弁護士のズボンを脱がして、局部を刃渡り約6センチの枝切りばさみで切断するなどして重傷を負わせた疑い。枝切りばさみは持参したとみられる。弁護士は全治不詳だが、命に別条はない。

 通報を受けて赤坂署員が事務所に駆け付けると、弁護士が倒れており、近くにいた小番容疑者が関与を認めたため、取り押さえた。「切断した局部は、ビル内の共用トイレに流した」などと供述しているという。

 小番容疑者は、ボクシングのプロテストに合格したことがあるが、実戦経験はなかった。所属していた都内のボクシングジムの関係者は「フットワークが良かった。頭がいい印象を受けた」と話した。ジムのホームページのプロフィルには、夢・目標について「法曹」と記載している。慶大の法科大学院に在籍していたことから、司法試験を目指していたようだ。
(略)

被害者本人は命に別状ないと言うのは幸いでしたが、息子は残念ながら再起不能だと言うことで、一体何がどうなっているのかと世間では話題になっているようです。
本日は亡くなった息子さんを弔う意味も込めて、世界中からもう少し何とかできなかったものか?と言う少しばかり残念な経過を辿ったニュースを取り上げてみましょう。

感謝状贈った会社員ら逮捕 京都・伏見署、捜査協力直後に窃盗(2015年7月30日京都新聞)

 高級車のタイヤを盗んだとして、京都府警伏見署は29日までに、窃盗の疑いで、京都市伏見区桃山町和泉の会社員(20)と南区上鳥羽堀子町の会社員(21)ら男4人を逮捕した。会社員2人は今年4月、ひったくり事件の容疑者逮捕に貢献したとして、同署から感謝状を贈られていた。

 会社員(21)の逮捕容疑は3人と共謀し、4月13~14日と7月2~3日、伏見区と下京区の駐車場で、同区の無職女性(43)らの乗用車からホイール付きタイヤ計8本(約66万円相当)を盗んだ疑い。

 伏見署によると、4人は同級生で「遊ぶ金がほしかった。他にもやった」などと供述しているという。

 会社員2人は4月3日夜、女性のかばんを奪って逃げる男を取り囲み、逮捕に協力したとして同8日に伏見署から感謝状を受け取っていた。

もちろん感謝状を贈ったのは警察側の事情であって、当事者の行動を何ら掣肘するものではないのですけれども、しかし人間の二面性と言うことについても考えさせられる経緯ではあったでしょうか。
先日見てあまりに気の毒に思えたこちらの事件なんですが、文化が違えば人の行動も違うと言うことなのでしょうか。

ドバイで女性水死、父親が「名誉」守ると救助妨害(2015年08月11日AFP)

【8月11日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ(Dubai)で、海で水死したアジア人女性(20)の父親が、水難救助員の救助活動を妨害した疑いで逮捕された。父親は、娘の「名誉」を傷つけることになるとの理由で救助を妨害したという。UAEのニュースサイト「エミレーツ24/7(Emirates 24/7)」が10日、報じた。

 同サイトによれば、父親は娘を助けようとした救助員を引き留めて救助を妨害し、「暴力的になった」という。

 ドバイ警察当局によると、父親は救助員らに対し「見知らぬ男に触られるくらいなら、娘を死なせた方がいい」と話した。警察当局は「(父親は)もし男性らに触れられれば、娘の名誉が傷つけられることになると考えていた。彼はこのために、娘の命を犠牲にした」と述べている。

かつての日本人も来日外国人の目からはずいぶんと奇妙な振る舞いをする連中に見えていたと聞きますが、逮捕されたくらいですから現地においてもこれは比較的古い価値観になってきているのでしょうか。
結婚式と言えば両家の関係者が一堂に会する場であるだけに思いがけないトラブルもありがちですが、幾ら何でも自重しろと言うのがこちらの事件です。

結婚式が銃撃戦の場に、21人死亡 アフガニスタン(2015年7月28日CNN)

アフガニスタン・カブール(CNN) アフガニスタン北東部のバグラン州で開かれていた結婚式で銃撃戦が勃発し、当局によれば、10代の少年2人を含む21人が死亡した。

内務省の報道官によれば、結婚式で2つの武装集団が口論となり、撃ち合いを始めた。争いに関係のない結婚式の出席者のなかにも犠牲者が出たという。

口論の原因はわかっていない。

内務省は、地元の警察に関係者を捜査するよう指示を出した。

まあしかし何故武装集団が参加しているのか?等々色々と突っ込みどころの多いニュースなんですが、当事者の新婚夫婦はこの騒動をどう見ていたものでしょうね。
同じく結婚と言えばその後の悲劇的経過と言うこともしばしば話題になるのですけれども、こちら幾ら何でも早すぎると突っ込まれそうなニュースです。

新婚初夜の翌朝に知った妻のすっぴん、夫が「泥棒かと思った」と訴える(2015年8月7日テックインサイト)

女性の第一印象だけで結婚を決めるため、このようなことが起きるのだ。アルジェリアでこのほど一組のカップルが結婚直後に破綻した。それと同時に新婦が新郎に詐欺罪で訴えられて騒動になっている。

「本当はそんなブサイクだったのか! 泥棒が入ったかと思うほど別人じゃないか。よくも俺を騙したな。」

男性が吐き捨てるように女性にこう言って破談になったそのカップル。なんとそれは結婚式を済ませた直後の出来事であった。新婚初夜、愛を交わした後で眠りに落ちた2人であったが、翌朝に彼女のすっぴんの寝顔を見て新郎は仰天。彼女の詐欺行為により精神的苦痛を味わったとして、250万円ほどの損害賠償金を求める訴えを起こしたことを中東のメディア『Emirates 247』が伝えている。

ほぼすべての夫婦がお見合い結婚で、縁談が成立するとデートもなくすぐに挙式ということが多いアルジェリア。2人も例外ではなく、新郎が知っているのはお見合いと結婚式の彼女だけ。いずれにおいても彼女が勝負をかけたフルメイクであったことは言うまでもなく、「男性は晴れの席での女性の美しさをそのまま信じてしまってはならない」と多くの人々を苦笑させている。

その一方で中国では今年3月、同じようなケースで結婚式当日に破談となったカップルがあったが、こちらは男性側が「夢破れた」と入水自殺を試みている。

笑うべきなのか悲しむべきなのか微妙なところですが、しかし日本でも成田離婚騒動などと騒がれただけに決して他人事ではなさそうですよね。
最後に取り上げますのはこちらのニュースですが、まずはその驚くべき経過を紹介してみましょう。

バッテリー残り1%だった男、父親の生命維持装置を引っこ抜き、代わりにスマホを充電(2015年8月12日iPhoneマニア)

スペインで実父の生命維持装置を取り外し、スマートフォンを充電するという恐ろしい事件が発生しました。

スペインの現地メディアEl Horizonteによれば、事件はマドリード市のとある病院で起こりました。

同国在住の26歳になるエイドリアン氏は、肺の病気を患っている父親のもとへ見舞いに行ったところ、母親から父親の病状を伝えるように言われていたことを思い出し、スマートフォンを取り出したところ、バッテリーの残りがわずか1%だったそうです。

そこで彼が思いついた方策は、父親が使用している人工呼吸器のコンセントを抜いて、スマートフォンを充電するという荒業でした。とっさの機転を自慢したくなったのかは分かりませんが、彼は一部始終をInstagramで投稿してしまいます。

このInstagramがきっかけで炎上してしまったのか、顔面蒼白となった父親が最後の力を振り絞ってエマージェンシー・コールに成功し、殺人未遂で逮捕となったのか、こうして世界中を駆け巡るニュースとなってしまったエイドリアン氏の現況は分かっていません。

人体に甚大な影響を及ぼすことが分かっており、時にはタバコやアルコールより中毒性が高いとも指摘されるスマートフォンですが、実父を殺しかけてでもスマートフォンを充電しようという彼の行動は、「スマホ中毒」の重大さを知らしめる格好の事件となってしまいました。

昨今では日本でもスマホ中毒などと言われることがありますけれども、しかしわざわざ投稿するくらいですから俺かっけ-などと考えていたものなのでしょうか。
果たしてどのような経緯で事件が発覚したのかによって父親の運命も変わってきそうですが、文字通りスマホが人の命に関わりかねないと言う教訓とすべき事件でしょうね。

今日のぐり:「ごはん処 やよい軒 神辺店」

以前に岡山市内の店舗にお邪魔したことがあるこちらの店、全国的に手広く展開されている定食屋なのだそうですね。
大きなモールの一角にあるこちらの店舗も飯はおかわり自由と言うことで、ともかくも腹一杯になると言うことに加えて定食屋としては結構遅くまでやっているのもポイントなのかと言う気がします。

今回は肉野菜炒め定食を頼んで見たのですが、見た目も味もよく言えば家庭的と言うのでしょうか、とにかくおかずの量はあるので野菜は取れるし、またこの焦げがいい味出している気がします。
ちなみに定食屋のキモは飯と味噌汁なんだそうで、こちらの飯は味はないものの硬めの炊き具合はまずまずではあるし、味噌汁も海外の似非日本食料理屋で出てくるアレよりは味噌汁らしさは出ているように思いました。
味よりも気になったのが見た目なんですが、器が学食並みに味気ないのは仕方がないのかも知れませんが、付け合わせの豆腐なども味は言わないまでも何とも貧相な見た目がかえって状況をもの悲しいものにしている感じで、もう少し工夫出来そうには思うのですけれどもね。

定食屋と言えば最近は郊外型のカウンターからお総菜を選んでいくタイプのセルフの飯屋も増えている印象ですが、やはり日本人は時々こういう当たり前のものを食べたくなるのでしょうかね。
食券制と言うこともあって接遇は本当に最低限と言う感じですが、こういう場所では放置されている方が気が楽なのも確かなところがあって、昔ながらの定食屋とはまた違うスタイルとして有りなのでしょうね。
しかし夜も更けた時間帯など心身のhpが落ちた時に、こういう店で黙って一人飯を食べると言うのはちょっとつらい時もあるのかも知れないな、と言う気がしましたが、今の時代「孤独のグルメ」などが共感を呼ぶわけです。

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2015年8月15日 (土)

世界中に拡散しながら何故か本家本元の地では冷遇されている存在

ネット検閲と言えばまああまり歓迎される行為ではなかろうと思うのですが、先日インドネシアから出てきたこちらのニュースが妙に話題になっています。

【悲報】インドネシアが萌えている!国のネット規制ソフトが「萌え擬人化」される深刻な事態にwwwww(2015年8月7日ユルクヤル)

インドネシア政府は有害コンテンツ閲覧を規制するため「Internet Positif(インターネット・ポシティフ)」と呼ばれるフィルタリングサービスを導入しているのだが、あるイラストレーターの手により萌え擬人化される事態に。
今、美少女キャラ「Ipo-chan(イポちゃん)」は国内のニュースメディアにも多く取り上げられる注目株だ。
(略)
イポちゃんの趣味はウェブサイトを遮断して人を困らせること。外見はとてもツンツンしてるようにも見えるが、いつも大きなお友だちからはいじめられている。

    <海外の反応>

    インドネシア人全員が大嫌いな規制サービスを萌え擬人化だと・・?これは何日も経たないうちに薄い本が出るなwwwwwww
    クソッタレが!彼女にブロックされるのなら悪い気分はしないじゃないか!!
    ↑イポちゃん「イヒヒ・・(ブロック強化)」
    インドネシアのネット規制は半端ないからな。VimeoにImgur、そしてRedditまでもが規制対象だぞ!それなのに違法ファイル共有サイトは閲覧ブロックしないというw
    イポちゃんワロタwwポルノを規制するエロキャラがいるってどういうことだよwww
    ↑勘違いすんなよな。イポちゃんはそういうのじゃないんだぞ!俺たちからのインドネシア政府への抗議であり、正義であり、夢なんだ・・!!

本当はとってもナイーブな彼女。威圧的な態度は自分の欠点や弱さを隠すため、という無駄に凝った設定があるようだ。
(略)
今月2日には彼女の「ミクミクダンス(MMD)」が制作されるなど、インドネシアもまた拡大しつつある深刻な萌え被害に侵されている
(略)

おい誰だよ、インドネシア人にこんなこと教え込んだ奴はと言う話なんですが、しかしこの無駄なクオリティの高さは元記事の画像の数々を参照いただくとして、最近では台湾においても同様な美少女系公式キャラの登場が確認されているのだそうで、もはや萌えによる精神汚染被害は全世界的に拡大しつつあると考えておくべきなのでしょうか。
本家本元の日本においてはこの種の美少女キャラと言えば日陰者と言っては言い過ぎにせよ、どちらかと言えばヲタクと言うちょっとアンダーグラウンド臭のある属性とセットに見なされがちな傾向があったことは否定出来ないもので、一般的に言えば大の大人が表立って「美少女萌え~」を公言するにはいささか「痛い」部分もあったように感じますね。
他方では全国各地でこれだけご当地キャラブームになっている中で、当然ながら美少女キャラが登場しない方がおかしいと言うものだし実際にいくつかの実例も存在しているのですけれども、何故数の上では圧倒的にゆるキャラにおされているのか?と言う理由の一端が知れるこんなニュースが出ていました。

「胸を強調」けしからん! 海女キャラの撤回求める 三重・志摩市に署名提出(2015年8月13日産経新聞)

 三重県志摩市が観光PRのために公認した海女のキャラクター「碧志摩メグ」が「性的な部分を過剰に強調していて不快だ」として、現役の海女や市民たちが13日までに公認撤回を求める309人分の署名を市と市議会に提出した。

 市によると、碧志摩メグは、県内のイベント企画会社が「地域おこしのため、キャラクターを作りたい」と提案し、市が受け入れて昨年11月にデザインを公開。約2千件の応募から名前を決定し、公認していた。

 祖母に憧れて海女を目指す17歳の少女との設定で、海女独特の磯着と水中眼鏡を着用。ただ着衣が一部はだけ、膝から下があらわになっている

 既にポスターなどが掲示され、海女たちから「胸を強調し過ぎ。性を売り物にしているような印象を与える」「県の無形民俗文化財である海女文化を理解しているとは思えず、不愉快」との批判が出ている。

 海女の山本文子さん(65)と娘の主婦、宇坪伊佐子さん(39)が発起人となり、6月下旬から署名活動を展開していた。

 市観光戦略室の担当者は「署名を精査するが、現段階で公認を撤回する方針はない」とし、キャラクターを考案したイベント企画会社の浜口喜博さん(39)は「議論を重ね、制作した。批判は受け止め、今後の参考にする」と話している。

批判相次ぐ海女萌えキャラ『碧志摩メグ』問題がオタクVSオタク批判の殴り合いに!!海女さんは蚊帳の外!?(2015年8月12日CUPO)

最近よく目にするようになった"萌えキャラ"。伊勢志摩サミットの会場に決まった三重県志摩市もクール・ジャパン戦略の波に乗り、海女をモチーフにした萌えキャラ『碧志摩メグ』を制作したのだが、「女性を蔑視するデザインだ」といった批判や、市公認の撤回を求める署名活動も行われ話題になっている。

そんな批判の中、『碧志摩メグ』を擁護する声も多く、そういう目で見ている方がおかしい、どこが女性軽視しているのか、という反応も多く、中には「ババアの嫉妬乙」というあまりに偏った意見もみられた

さらに「これはオタク絵に対する差別」と言ったオタクや差別と関連付ける意見や、萌えキャラはエロくて当たり前といった"萌え=エロ"という極論のような擁護派の意見もあり、批判が集まっている。

「普通なのは、おまえらの中だけ」

しかし、『碧志摩メグ』擁護派の人たちを批判する声にも、「オタクは滅べ」という、「オタク」自体を嫌悪して叩いているかのような意見も出てきており、オタクとオタクを批判する人達の単なる殴り合いになっているのではないかと懸念する声も。一番に考えるべき海女さんのことや、公式PRとしてどうなのかということが蚊帳の外で議論が別方向へ向かっているような気がしてならない。

実際にどの程度女性蔑視に彩られているのか?と言う点はこちら公式サイトの画像から判断いただければと思いますけれども、個人的には二頭身ディフォルメ版の方がかわいらしくていいんじゃないか?とも感じたのですが、ポスターに見られるように実写風景と組み合わせて使う分にはやはり通常頭身の方が相性はいいと言うことなんでしょうかね。
地域それぞれの考え方と言うものはあって良いのだろうし、正直豊かな自然が売りな地域なのですからこうした方面であまり先進的な考え方や流行を受け入れる精神的土壌が支配的だとも思えないですから、その意味ではこれだけ批判が出てきたと言うのは役所も空気を読み損なったんだろうなとも思うのですが、しかしそれが果たして計算通りなのか、それとも計算外だったのかと言うことが問題です。
以前に北海道長万部町のゆるキャラが暴言の数々を吐いて問題化したことがありましたけれども、あれも一部には知名度向上を図った炎上商法なのではないか?と言う疑惑が根強くあったように、昨今わざと炎上させて世間の注目を集めるだとか、逆に思い切り炎上してしまった後で爆釣宣言を出してみたりと、ネットと言う双方向環境が当たり前の時代になると世の中なかなかに複雑怪奇な部分があるようです。
今度サミットが開かれる田舎町と言うくらいしか印象のなかっただろう多くの若い人たちにとっても、今回の騒動を通じてははぁなるほど、志摩市と言うところはこういう土地なんだなとイメージが強く焼き付けられたでしょうから、自治体の広報担当者としてはすでに十分元は取ったと言う考え方もありだと思うのですが、今後メグさんがどれだけ世間的に定着していくかでそのPR効果も定まってくるのでしょうね。

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2015年8月14日 (金)

パチンコが国民的娯楽と呼ばれた時代もあったそうです

犯罪行為と言うものは得てしてごく些細でつまらない理由が発端になるものだそうですが、先日かなり馬鹿馬鹿しい理由で重い罪を犯してしまった人物がいると報じられていました。

自称朝日新聞アルバイト配達員を逮捕 コンビニで包丁突きつけ強盗未遂(2015年8月10日産経新聞)

 10日午後3時20分ごろ、大阪府豊中市庄内東町のコンビニエンスストア「サンクス庄内東町店」で、客を装った男がレジカウンターの男性店長(37)に包丁を突きつけ、「金を出せ」などと脅した。男性が非常通報ボタンを押し、駆け付けた府警豊中南署員が男を強盗未遂容疑で現行犯逮捕した。店内に客はおらず、男性にけがはなかった。

 同署によると、男は自称「朝日新聞サービスアンカー服部天神」のアルバイト配達員、藤平新一容疑者(51)。容疑を認め、「パチンコで約5万円をすってしまい、金に困っていた」と供述しているという。

 同署によると、藤平容疑者は犯行の30~40分ほど前に入店。客がいなくなった隙をねらい、犯行に及んだという。

強盗を現行犯逮捕ですからそれなりの罪を償わなければならないと言うことになりそうですが、しかしその発端がギャンブルで金を失ったことが原因だと言いますから、やはりギャンブル有害論は正しかったと言う声もあるようですけれども、全国的に見ますと昨今パチンコ産業も年々衰退しているのだそうで、低収入の人生がほぼ確約されている分何事も堅実に計算高いとも言われる昨今の世相を反映しているようにも感じられますでしょうか。
ただ一方でひとたびはまってしまうとなかなか抜け出せないのがギャンブルと言うものの恐さであって、自分の稼ぎの範囲内で自己責任で行うと言うのであればまだしも、それによって家族や他人に迷惑をかけると言うことはあってはならないことですし、先年には生活保護費でパチンコをしている人間は通報せよと言う小野市の条例案が大いに話題にもなりましたよね。
いわば世間様に養ってもらう身でパチンコをすると言う行為がいいのかどうかと言えば、公的扶助を受けるような人間は一切娯楽など禁止すべきだと言うのも極論なら、ひとたびもらった金なら何に使おうが個人の自由だと言う考え方もやはり金を出す側としては面白くないと思うのですが、先日意外なところでこのパチンコ是非論争が再燃しているようだと話題になっていました。

遊技型高齢者施設を規制へ(2015年8月12日NHK)

高齢者が、パチンコやマージャンをほぼ1日中楽しめるデイサービス施設について、神戸市は、「介護保険制度の本来の趣旨にあわない」として規制するための全国で初めての条例の改正案を市議会に提出することになりました。

高齢者が、パチンコやマージャンをほぼ1日楽しめるデイサービス施設が各地にできていることについて、神戸市の久元喜造市長は、11日の記者会見で、「介護保険制度の本来の趣旨に沿わない」として規制するための条例の改正案を来月開会する市議会に提出することになりました。

改正案では、▼カジノのような依存性が強まる仕組みを取り入れることや、▼施設の名前や広告にギャンブルを連想させる言葉を使うことなどを規制するとしています。

こうした施設を条例で規制するのは全国で初めてで、神戸市は、市民の意見も募って、条例の改正を目指すことにしています。

市民の意見を募ってと言うことになればまあどうなるかですが、肯定的な意見が多いのか否定的な意見が多いのかと言う点にも注目したいところでしょうかね。
正直パチンコやマージャンをするデイサービスと言うものがあると言うこと自体存じ上げなかったのですが、調べて見ますと神戸に限らず全国各地に展開しているものであるようで、「勝負事やゲームは脳の活性化だけでなく、細かい作業を伴うため身体機能の訓練にも最適です。楽しみながらリハビリ効果を高めていただけます。」などと言われるとまあ、何の楽しみもなく嫌々あるいは義務的にやるよりはいいのか?とも思ってしまいますよね。
この種の施設ではありとあらゆる娯楽を取りそろえているのだそうで、もちろん世間におけるパチンコやマージャンのようなお金のやりとりはないのでしょうけれども、パチンコやマージャンが駄目で囲碁や将棋はいいのか?と言われればそこにあるのは「世間一般にギャンブルとして認識されているかどうか?」と言うだけの違いであると言う言い方も、確かに出来るのだろうと思います。
お金のやり取りがなくてもチップをやりとりするだけでも射幸心を煽るのかどうかは微妙だと思うのですが、少なくとも競争心、闘争心を活性化するだろうことは事実だろうし、それがリハビリと言う作業において良い効果を発揮する場合ももちろんあるはずですが、一方で施設利用者同士の反目や対立に結びつくようですとこれはさすがに問題か?と言う気がしますよね。

デイサービスにおいてどのようなプログラムが提供されるべきなのかと言う点に関してはすでに以前から議論されていたのだそうで、その質的担保の一環として平成9年から福祉サービスの第三者評価事業と言うものが始められたのですが、実は福祉サービスが行政による措置から利用者の選択による利用制度に移行したのも、こうした福祉サービスの質的向上を目指す動きの一環であったそうです。
そもそもの福祉の理念として「個人が人としての尊厳を持って、家庭や地域の中で、その人らしい自立した生活が送れるよう支える」と言う文言がある以上、例えば生涯をパチンコ一筋で過ごした人に老後はパチンコ禁止と言うのでは人としての尊厳を失わしめるだろうと言うものですが、何でもかんでも利用者の意見優先であれがしたい、これも欲しいと要望に応えるだけでいいのか?と言うことは確かに気になりますよね。
結局こうした議論も現行の福祉制度が自前で支払ってきたコストだけでは成立するものではなく、現役世代の負担の上に成り立っていると言うことから利用者の好き放題にやることが憚られるのだと思うのですが、生保受給者のパチンコ禁止条例にしてもそうですが、結局これもお金を出しているスポンサーがそれを認めるかどうか?と言う点が当面の判断基準になってくるのかも知れません。
ただ若者の○○離れなどと昨今盛んに喧伝されるのを見るまでもなく、何をもって娯楽とするか、何をもって妥当な公共サービスとするかは年代によってもその常識そのものが大きく変わってくるとことですから、現役世代の声ばかりを優先して高齢者の福祉サービスのあり方をデザインすると言うのも、それはそれでちょっと利用者目線でどうなのか?と言うことにもなりそうではありますね。

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2015年8月13日 (木)

医療費抑制政策、再び強力に推進されそうな勢いに

財政改革に関する議論が進んでいる中で、特に固定的支出として近年その抑制が急務とも言われるのが社会保障費関連の支出ですけれども、先日は医療・介護領域においても数字目標の導入が行われることになりそうだと言うニュースが出ていました。

医・介の数値目標設定で改革評価を明確化- 諮問会議の専門調査会、12月に工程表策定(2015年8月10日CBニュース)

政府は10日、経済財政諮問会議の下に設けた「経済・財政一体改革推進委員会」(専門調査会、会長=新浪剛史・サントリーホールディングス代表取締役社長)の初会合を開き、医療・介護分野などの改革の取り組みを評価するための数値目標を設定することを決めた。専門調査会は数値目標の達成時期などを明示した改革工程表の策定に向けて検討し、12月に諮問会議で取りまとめる。

この日の会合では、専門調査会が検討する項目を確認。主要歳出分野のうち、社会保障では最も多い44の検討項目が挙げられた。国や自治体、保険者、国民などの取り組みを評価する数値目標を設定するとし、例えば医療・介護に関する地域差是正の目標として、療養病床の数や平均在院日数などを考慮する方向性が示された。生活習慣病予防のための保険者の取り組みや、国民の主体的な健康づくりの取り組みを評価する目標なども検討する。

専門調査会は、「骨太方針2015」に盛り込まれた経済・財政再生計画の進捗を管理するために設置した。専門調査会の下に、▽社会保障▽非社会保障▽制度・地方行財政-の3つのワーキング・グループ(WG)を設置し、今月中にそれぞれ初会合を開く。11月までに専門調査会の会合を6回、各WGの会合を数回程度開き、数値目標の設定や改革工程表の策定に向けて議論を重ねる。

まあこうした場合の数字目標と言うものは現状から遠くかけ離れた緩い目標であることはまずないので、現実的には現状よりも少し抑制的な目標を目指してみんな頑張ろうねと言う話にまとまるのだと思いますけれども、当然ながら目標を達成出来なかった場合のペナルティーなりがあるのかどうか?その方法として誰にどうやってペナルティーが科されるのか?と言う点は非常に興味深いところですよね。
特に医療に関しては全国統一の公定価格で行われているわけですが、保険の査定に関しては地域によってそれなりに甘い辛いの差はありますから、例えば目標達成が果たせなかった地域では国保患者の査定が急に厳しくなり各医療機関が泣きを見ることになると言うのであれば、場合によっては保険の種類によって収益性の高い患者、低い患者と言う区分が発生し医療行動にも影響を与える可能性があるかも知れません。
自治体などが保険者になる国保や生保患者はこの点で管理がしやすいとすれば、企業など健保患者なら安心か?と言えばそういうわけでもないらしいのは、先日出ていたいわゆる消費税損税問題に見られる支払い側の厳しい態度にも伺えるところなんですが、まずは記事から紹介してみましょう。

2014年改定の補填状況を調査、消費税分科会 支払側「2014年度改定の補填、必要額か」との声も(2015年8月8日医療維新)

 中央社会保険医療協議会の診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」(分科会長:田中滋・慶応義塾大学名誉教授)が8月7日に開かれ、消費税率8%への引き上げ対応があった2014年度診療報酬改定の補填状況の調査実施が決定した。結果は11月めどに報告される予定。
(略)
 最初に厚生労働省の担当者が、現在までの対応を説明。医療機関が医療材料の購入や設備投資について払った消費税は、公的医療費が非課税のため、患者から消費税を徴収できず、医療機関の実質的な負担になっている点を改めて紹介した。また、消費税率が5%から8%に引き上げられたことを受けて、2014年度改定において、医科本体に対して、約2600億円を補填したことも説明した。
(略)
 消費税を巡っては、医療機関側としては、十分な対応がなされていないとの考え方が根強く、税率10%への引き上げも控える中で、さまざまな議論が出た。消費税率8%時点までの補填の認識を問い質したのは、日本医療法人協会会長代行の伊藤伸一氏と日本歯科医師会常務理事の瀬古口精良氏。厚労省保険局医療課医療企画調査室長の込山愛郎氏は、「(消費税導入時と引き上げ時の計3回は)、必要額を確保して、上乗せしている」と回答。さらに、その他の改定率の引き下げで、補填分が削減されている可能性については、「改定率は全体の状態を踏まえて決めている。全体の中でコストとして反映されている」とした。ただ、「(現時点での実質的な補填分明らかにするのは)難しい」とも述べ、実質的な補填率が明らかにならない可能性を指摘した。伊藤氏は、医療界も含め、多くの医療機関が問題の理解が進んでない部分がある点を踏まえて、過去の経緯が分かる資料を示すように、厚労省に求めた。
 日本医師会副会長の今村聡氏が指摘したのは、保険償還されない医療材料の存在。薬価・特定保険医療材料については、消費増税時の改定時に補填されてきた。ただ、今村氏は、診療報酬に含まれる医療材料などを念頭に「病院などから『保険償還されない医療材料の影響が大きく、対応があれば助かる』との指摘がある」と紹介し、配慮するように求めた。

支払側、補填額に疑問

 健保連の白川氏が指摘したのは、2014年度改定の影響。2014年度改定について、医科本体への消費税対応分とされた2600億円が、薬価の引き下げ財源と同額だった点について、「(不自然で)今でも気になっている。2600億円の手当てが必要だったのか」と指摘し、調査の中で、マクロでの補填額の妥当性を検証するように求めた。
 今村氏は、税率5%時点で、医療機関に実質的な負担があった点を踏まえて、「(5%と時点で)マクロの補填は十分でなかったために、大きく補填不足にならないように2600億円の対応になった」と反論した。石井公認会計士事務所所長の石井孝宣氏が、直近2年間で起きた円安やインフレ傾向を踏まえ「補填分については、(単純な額面では)簡単に議論できない」と述べる場面もあった。
(略)
 白川氏は、日医が、病院団体や財務省、厚労省の官僚を交えて実施している、消費税の“見える”化を検討している委員会の存在にも言及。委員会は、現在、消費税の影響を調べる医療機関の調査を実施している中、白川氏は「(中医協の場でなく)日医の検討会で議論して、案を固めて持ち出されても困る」と釘を刺した。日医の今村氏は、日医の委員会の議論の内容を9月以降に示す考えで、「結論めいたことを決める会ではない」と理解を求めた。

この医療現場における損税問題についてはそもそもの元凶が日医であることは知られている通りなんですが、医療費抑制政策が敷かれ医療機関の経営が悪化する中で無視出来ない因子としてクローズアップされてきた中で、表向きの立場としては診療報酬改定には消費税分も配慮されているのだからそれでいいじゃないか、と言うことだったわけです。
ただその補填分が正しく消費税相当になっているのか?と言う評価そのものがまともに行われていなかったと言う話で、何となくトータルでこれくらいの増減にしておけばまあよかろうと言うどんぶり勘定だったわけですから、今後さらに消費税増税が行われていくにつれ大きな損税が出てくるのかも知れずですし、逆に過剰に補填が行われていたと言う可能性もまあゼロではないのでしょう。
これに対して支払い側委員が払いすぎなんじゃないか?とクレームを入れてくると言うのも予想されるところではあるのですが、本来消費税に関係する機材費などは病院毎に異なっているはずで、それが正しく反映された負担になっているものなのか、それとも高い機材をバンバン使う基幹病院も聴診器一本で消費税も何もない町医者も同じような補填率になっていると言うこともあり得るのかですよね。
この辺りは日医辺りに話を任せておくと「公平に全ての医療機関が補填されるべきだ」等々の名目でどんぶり勘定に話を持っていこうとする可能性も無きにしも非ずだとも思うのですが、医療に限らず総額でいくらが多い少ないと言う議論から立場の違いを反映した各論的議論に転換していくとなると、医療が決して一枚岩などではなく内部での利害対立もあると言う現実もあからさまになるのかも知れませんね。

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2015年8月12日 (水)

医学部新設・定員増の結果、医師の強制配置が実現する?

先日は千葉県成田市に新たに医学部が誕生すると言う話を取り上げたところですが、新設医学部は国際貢献に資する人材を養成する特別な医学部であって、一般診療はやらせるつもりはないんですよと言ったところで医師免許は一種類しかないわけですし、国際貢献で食っていけると言う保証がない限り卒業生がいずれ市中臨床医として流出してくる可能性は否定出来ないわけです。
この点でそもそもの国の方針に対して各方面から「医師不足だと言われているこの時代に、そんな医学部をわざわざ新設する意味があるのか?」と言う突っ込みも入っていることであり、また千葉県と言えばかねて人口比で医学部定員が少なすぎると問題視されていた地域ですから、最終的にごく普通の医学部として機能すると言うことであればそれはそれで問題ないとも言えそうです。
ただこの医学部新設に絡んで少しばかり興味深い指摘もあったのですが、まずは先日出ていたこちらの記事から紹介してみましょう。

東北や成田の医学部新設で医師不足は解消する?(2015年8月10日日経メディカル)

 政府は7月31日、千葉県成田市に医学部を新設する方針を決めた。医学部の設置主体は国際医療福祉大学が本命視されており、早ければ2017年度にも開学の運びだという(関連記事)。2016年度の開学に向けて準備が進んでいる東北と合わせ、1979年の琉球大学以来、三十数年ぶりとなる医学部の新設が動き出す。

 成田市の医学部新設に対しては、構想が浮上して以来、日本医師会や日本医学会、全国医学部長病院長会議などが繰り返し反対意見を表明してきた。既存の医学部の定員増により医師不足に解消のめどが立っていること、大学病院の新設で医師や看護師の引き抜きが起こり地域医療の崩壊を招く恐れがあること──などが主な理由だ。しかし政府は、これらの反対を押し切る形で今回の方針を決定した。
(略)
偏在解消なくして医師不足の解消なし

 ただ、ここで問題になるのが、医学部の新設や定員増と医師不足の解消は単純には結び付かないということだ。

 日本の人口1000人当たり医師数は、2012年の時点で2.3人。軒並み3.0人を超える欧州諸国から見ると低い水準だ。しかし都道府県別に見ると、徳島県や東京都、京都府のように、人口1000人当たり医師数が既に3.1人に達しているところもある。

 これに対し、最も医師不足が深刻な埼玉県の人口1000人当たり医師数は1.5人にすぎず、上記の医師充足県との格差は2倍を超える。この地域偏在の解消には、2007年から急増した医学部の「地域枠」が一定の役割を果たすと期待されるが、その数は毎年の卒業生の約2割にとどまり影響は限定的だ。

 また、地域偏在と並んで医師不足の大きな要因とされる診療科間の医師の偏在については、2017年度に始まる新専門医制度を活用する案が浮上している。だが、専門医制度を通じた医師数のコントロールには否定的な意見もあり、具体的な検討は進んでいない。

 つまり、現状のまま医学部の定員を増やしたり医学部を新設しても、医師不足に悩む地域の状況が改善する保証はないのが実情といえる。せっかく医学部を新設するのであれば、医師不足の解消に向けて今一歩踏み込んだ対策を検討してもいいのではないだろうか。

 その面で1つのヒントになりそうなのが、ドイツが1993年に開始した保険医の定員制だ。これは、14の診療科ごとに各地域で保険医として開業できる定員を定め、それを10%上回る場合には新規開業を認めないという仕組み。近年は医師の偏在解消を目的に、過剰地域の医師の報酬を減額し、不足地域では増額する政策も導入されている。

 かなりドラスティックな政策といえるが、実は1990年代後半に厚生省(当時)も、ドイツの制度を参考に日本版の保険医定員制を導入することを検討していた。当時の同省幹部は筆者の取材に、「医師数は養成数でのコントロールが難しいので、保険医数をコントロールさせてもらう」と述べていた。しかし、保険医定員制は自由開業医制や職業選択の自由を侵害するものだとして関係団体の強硬に反対したため、結局、実現には至らなかった。

 だが、その芽はまだ消えていないようだ。塩崎恭久厚生労働相の私的懇談会が6月にまとめた提言書「保健医療2035」には、「医師の偏在等が続く場合においては、保険医の配置・定数の設定や、自由開業・自由標榜の見直しを含めて検討を行い、(中略)地域や診療科の偏在の是正のための資源の適正配置を行う」という記述が出てくる。医師不足の大きな要因である地域・診療科間の偏在解消に向けて今後、保険医の定員制が改めて再び政策メニューに躍り出てくる可能性は十分にある。
(略)

この医師配置の管理強化に関わる政策と言うものは今までは関係団体の強硬な反対で実現してこなかったわけですが、注目すべきなのは関係諸団体の中でも強硬派の筆頭格とも言うべき日医はすでに「医師不足はこのままでも解消される見込みだ」と言い、その根拠として全国病院における求人倍率が減少してきていると言うことを挙げている点です。
その調査の内容を見てみると総数ではその通りだとしても診療科間ではまだ求人倍率にかなりの差があり地域差も大きいと言う医師の「偏在」が指摘されていて、特に大規模病院ほど医師不足感が強いと言う現場の実感とよく合う結果が示されているわけですが、要するに日医の調査結果によっても医師は総数の不足から領域や地域ごとの偏在が問題になってきていると言うことが示された形です。
となれば日医としては今後の問題となってくる偏在の解消策に反対する理由はないと言うことになりそうですが、特に大規模病院にもっと医師を集約化するよう政策的誘導をかけると言うことになれば、当然ながら日医の主たる支持母体(と言うことになっている)開業医の権益を制限すると言うことにもなりかねず、どう折り合いをつけていくつもりなのかは興味深いですよね。

ちなみに記事にもあるように例の専門医制度の改定が間近に迫っていて、色々と制度の変化も細々とあるものの一番のポイントとしては取得もさることながら維持が難しく、きちんと専門医としての診療実績を積んでいかなければ資格を失ってしまうと言う点だと思いますが、この意味するところは専門医をより厳格に管理することによって、いわば医師コントロールの手段としても利用出来るようにすると言うことだとも言われます。
ほとんどの専門医資格は開業医や市中の中小病院では維持出来なくなってくるとなれば、今までのように何ら専門的医療を行っていない町医者が専門医コレクターぶりを誇示できなくなる理屈ですが、それが嫌なら中核施設での診療に長く従事しなさいと言うことであって、要するに厚労省が長年目指してきた医師集約化の目的に沿った制度改定であるとも言えると思いますね。
先の偏在の話と合わせて客観的には医師集約化が今後の最優先課題になりそうだし、そのために必要な根拠や方法論も揃いつつある中で、それでは現場の医師は何をどうしたらいいのかと言う話なんですが、そもそも医療崩壊と言う現象の発端が中核施設における医師の激務から逃散を招いたと言う経緯を振り返ってみれば、根本原因である激務解消策をどうするかと言った辺りがもっとも異論の少ないところなのかも知れません。

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2015年8月11日 (火)

医療現場にも人工知能が導入される?

海外では近ごろ人工知能の社会的応用が進んでいて、ネット配信する記事を書いたりだとか訴訟資料の下調べをしたりなど様々な社会的方面での活用法が模索されている最中なのだそうで、日本でも先日は「人工知能で法律専門家の仕事は奪われるか」なるテーマでのディスカッションが行われるなど、最近では専門職と言われる領域に今後どれだけの影響が及んでくるかが注目されています。
その大前提として今や単純労働に関しては家の掃除から自動車の組み立てまで機械がやった方が早く確実だし、技術的には何ら人間に依存する必要がないレベルにまで機械が進歩している現実があって、いわば人間最後の砦として知的専門職の業務がどこまで「人間にしか出来ない」仕事であり続けるかが注目されているとも言えますが、将棋のような有限性のある分野ではすでに機械が人間を追い越した?とも言われていますよね。
そんな中で医療分野と言えば非常に個体差、症例毎のバリエーションが多く、しかも判断を一つ誤れば深刻な健康被害が及びかねないと言う点から未だに機械の進出を防いでいる領域の一つに挙げられると思いますが、その医療分野においてもまだまだ人工知能が活躍する余地がありそうだと言うのがこちらの話です。

悩ましい判断、人工知能が手助け 1分で賛否両論を披露(2015年8月9日朝日新聞)

 難しい判断を迫られた課題などを質問すると、賛成、反対、それぞれの立場から理由つきの意見を語ってくれる人工知能(AI)を、日立製作所が開発した。理論武装を助けるソフトとして、実用化をめざしている。

 日立が7月に公開したデモ。パソコンに「カジノは禁止すべきか」という質問を入力すると、1分ほどで英語の音声が流れ出した。禁止に賛成する理由としては「依存症の人が増える」「犯罪を促進する」、禁止に反対する理由として「雇用を促進する」「経済を活性化する」が挙げられた。

 AIが1分間ですませたのは、約970万本の英文記事の分析。まず質問の主題を解析し、関係がありそうな記事を抽出。さらに理由や根拠にあたる部分を探し出し、賛成、反対の意見を文章に組み立てて語ってくれる。年内には日本語版もつくるという。

 目的に応じてAIが分析するデータを変えれば、用途が広がるという。

 例えば、医療現場で手術に踏み切るべきかを迷った場合、電子カルテ、学術論文といったデータがあれば、網羅的に賛否の根拠を得られる。生産現場で部品を交換すべきかの判断に迷った場合は、部品のセンサーの情報、過去の修理記録などをもとに判断に役立つ意見を与えてくれそうだ。

 AIの機能は賛成、反対双方の意見を語るまでにとどめ、賛否の判断自体は人間にまかせるという。日立広報は「意思決定は人間がすること」と話している。(南日慶子)

もちろん形の上では意志決定は人間がすると言うことになっているのですが、全世界の論文の90%はその治療を支持しないなどと言われるとそれに反してやれる人間がどれだけいるのかで、昨今のガイドライン全盛の時代にあってガイドラインから外れた治療がなかなか行いにくくなってきたように、医療の世界においても「正解」は次第に一つに集約化していくのか?と言う考え方も出来そうな話だと思います。
逆にそこまでこだわりがないだとか、専門外でどうやったらいいか指針が欲しいと言う場合に、各種エビデンスを併記して示してくれるのは非常に便利な機能とも思えるところで、例えば論文の概略をエビデンスレベルと共に検索しやすい形で登録しておくと言った下準備をしておけば、かなり精度の高い意見を機械が提示してくれそうだと言う期待感はありそうですよね。
実のところ医療の分野と言えどむしろ大部分は実は単純な判断の累積の上に成り立っていて、それが逆説的に証明されるのがいわゆる医療事故の多くが「何故そんな単純ミスを?」と思うようなことから始まっていることからも判ると思いますが、例えば日常診療で使う薬の投与禁忌のチェックだとか、飲み合わせの確認などはほとんどが単純作業であり、薬剤師が手作業でやるよりは機械が自動的に確認した方がよほど早くて確実にも思えます。
また機械の提示した情報に従って何かトラブルが発生したとしても、少なくともエビデンスとしては揃っているわけですから紛争化した場合でも反論はしやすい理屈で、実際にこうした人工知能が活用出来るようになれば特に検察や裁判官など医療分野に必ずしも精通していない人々が、その行為は妥当なのかどうか?と言うチェックをするのにも非常に活用されそうには思いますね。

こうしたものが発達して現場にどんどん入ってくるのがいいのか悪いのか?と言う視点で考えると、今現在医師は多忙で大変だと言うことになっているのですから、少なくとも業務が楽になると言うものであれば積極的に導入していくべきなのだろうし、電子カルテのようにかえって仕事が大変になる、先生が画面ばかり見て患者を見ないと反対意見も多いようですとまた判断が難しくなってきそうですよね。
ただ社会的活用と言う観点で考えると、むしろ農業漁業や建設現場、あるいは長距離輸送業務など人間の求職者が少ない領域でこそ積極的に活用すべきものであるはずで、例えば出港から帰港まで全て全自動で魚を獲ってくる全自動のロボット漁船などは古来SFでもお約束のものであるし、畑を耕しタネをまくだとか雑草を抜くと言った部分ももっと機械化が進められそうには感じます。
ただもちろん、その分のコストについて元が取れるのか?と言うことが一番大きな導入のハードルになるわけですが、一般に機械的な生産物に関しては年々性能が向上するとともに値段は下がっていくものであり、他方で日本人はますます数が減って労働コストは高くなっていくとなれば、いずれどこかで機械にやらせた方が安上がりと言う日が必ず来る理屈です。
その点で案外医療のように何よりも成績が最優先、コストは二の次と言った風潮のある領域の方が先行的に導入はしやすいのかも知れずでしょうし、「医療現場で安全性が証明された!」と言われれば一般社会でも受け入れやすいと言う部分もあるでしょうから、どこかの病院なり先生なりが使ってみて具合がどうだったのか?と言うことをまずは聞いてみたいですよね。

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2015年8月10日 (月)

国内初の第三者卵子提供に反対意見が圧倒的多数

先日はNPOの仲立ちで、第三者のボランティアから採取した卵子による体外受精が国内で初めて行われたと報じられていて、この場合卵子提供者と出産者といずれが母親になるのか民法上に明確な規定がないのが問題だ、などと話題になっていますが、この件に関してこんなアンケート調査の結果が出ているそうです。

「ほかの女性の卵子提供による妊娠」に反対多数…アンケートから(2015年08月05日読売新聞)

 病気などで自分の卵子で妊娠できない女性を対象に、第三者の卵子提供を仲介するNPO法人が女性2人に卵子を提供したという記事を基に、その是非を問うアンケートを実施しました。
 結果は、賛成39%、反対61%で、反対票が賛成票を大きく上回りました(8月5日現在)。この問題は子どもを授からないで悩んでいる当事者にとっては切実ですが、法整備もなされていないなか、「拒絶」に近い反対意見が目立ちました。第三者から卵子提供を受けた当事者の親や不妊治療を受けたことがある方からの意見もあり、いずれも深く考えさせられる内容です。

「生命はお金で買うものですか?」…反対派

 「私は、無精子症です。ですので、子供ができません。その立場から言わせていただきますが、子供がほしいからと他人から卵子の提供を受けるのは違うと思います。そもそも、現在精子の提供を受けての出産は認められていますが、それだって本当はおかしいと感じています。どうしても子育てがしたかったら、養子を貰(もら)うなりなんなり手立てはあります。『産みたい』という感情、もしくは一念で他人の遺伝子を用いての子供というのは、本当にその夫婦の子供といえるのでしょうか?」
 「子どもが欲しいという切実な気持ちは理解できます。ただ、『生命』は科学や他人の卵子や、もっと言えばお金の力で授かるものなのか?
 「男として複雑な心境になります。我妻の子ではないのですから。将来、子どもが事実を知ればどうなるのか。もし、子が男で生みの母とどうもそり合わない(違和感を感じるようになった)場合、本当の母親を本能的に探すのではないでしょうか。トラブルが起きないとよいのですが……。私の生い立ち(実母夭逝(ようせつ)・継母育成)からして、そんな思いがしてなりません」
 「反対です。これが認められれば、いずれ卵子も優秀なものが高額取引されるようになるでしょう。すでに海外では精子バンクが大盛況と聞きます。また命がお金で取引されるようになり、優秀な精子や卵子を選ぶ、命の選別もより容易になります。優秀な子を求めて大金を支払いさらに教育にもお金をかけ、その結果もしも期待に沿うような子でなかったら……?」
 「成長してからの子供の思い……どんなかを考えるべきだと思います。親は割り切って親子としていても、出生の秘密を知ったとき、こどもの心は如何(いかが)なことになるかと……反対です」
 「授かった子供は旦那様が外で産ませた子と同じ。どう思います?」
 「自身の卵子を使い、体外受精で子供を授かりました。精子の提供とは訳が違います。卵子を取り出すのに、全身麻酔もしますしかなり危ない手術です。まったくの他人にボランテイアで提供してもらう、という流れのようなので、それではあまりにも危険ですし、無理させすぎだと思います。アメリカ在住時、日本語コミュニティー新聞に数十万円で日本人女性の卵子を募集する広告がよく出ていました。提供者は危険を知った上で、卵子のもらい手も提供者の情報を知り、納得の上、報酬を支払って、というのでしたら賛成ですが」

 反対派の方々からは、生まれてくる子どもの出自を知る権利をどう保証するのか、卓越した頭脳や美貌を売りにした卵子売買が横行する可能性を危惧する声もありました。養子ではなぜだめなのかという意見も多数寄せられました。

「この気持ちは当事者でないとわからない」…賛成派

 「他国に比べてこの点において日本は劣っています。少子化問題など出ていますが、このようなことを推奨していかない限り少子化は進む一方です」
 「今は賛成。そのうち自分のiPS細胞で異常を治して卵子を作る様になるでしょう」
 「海外在住ですが、自分の子供がまさにこのケースです。養子縁組も幾つかあたりましたが、どこからも良いお返事はもらえず、最後の手段でした。最初の細胞だけをお借りしましたが、妊娠して出産して育てているのは私。それともDNAが入っている卵の持ち主の方が、親だというのでしょうか。不妊の当事者以外の部外者はご意見無用です」
 「ほかの男性の精子を使っての妊娠が容認されているなら、ほかの女性の卵子を使っての妊娠も容認すべきだと思う」
 「不妊治療が必要な立場にならなければ、一般的に理解できないことかもしれません」
 「賛成です。当事者が自らの責任で行い、結果にもすべて責任が持てるのならば反対する理由はありません。ただ、家族関係などをどう考えるのか、クリアすべき問題はあると思うので、法的な環境整備が急務だと思います」
 「私は女性医師です。自分自身も患者として永年不妊治療を経験しました。高額な費用を自己負担して、何度も治療にトライしても授からない人はいるのです。納税者として国家に貢献しているのに、以前の少子化大臣が、今の40代は子作りに対する意識教育が間に合わなかった世代と切って捨てていた言葉を忘れられません。海外に卵子提供を求めるのは現在暗黙の了解として認められており、これは実は危険な行為なので、どうせ暗黙の了解としているなら、日本国内で卵子提供を受けられる環境を整えるのが先進国の姿ではないかと考えます」
 「本当に子供を望むものが、病気で妊娠出産出来ない事が、どれだけ辛く苦しいものか、周りはもっと理解を深めるべきです。確かに、第三者からの提供を受ける事は自然に反しているし、将来生まれた子供の出生に関わることで様々な課題が待ち受けています。しかし不妊治療を受けている者の多くは、なぜ自分達に子供が必要なのか、なぜこのような治療を受けてまで子供が欲しいのか、何度も自問自答を繰り返しているはずです。それで出した夫婦の答えが、提供を受けることであれば、それを周りはよしとして、支えていけばよいことなのではないでしょうか。子供を持つ、持たない、持てない、そのような状況に周りが意見するのはおかしいと思います」

  賛成派の方々からは「第三者の精子提供が容認されている」のに卵子提供を認めないのはバランスを欠くといった意見のほか、卵子を提供してもらうために海外渡航するカップルが後を絶たない現実を指摘する意見もありました。また、自己責任でやっているので、周りの人がとやかく言う問題ではないという意見もありました。
(略)

確かに「周りの人がとやかく言う問題ではない」と言うのはもっともなのですが、民法がそもそも何故問題になっているかと言えば親子関係とはすなわち相続にも絡んでくるからであって、卵子提供者が親になるのであれば産まれてくる子供は非嫡出子扱いになるのか?だとか、卵子提供者が亡くなった際に遺産相続権が発生するのか?と言った様々な副次的トラブルが予想されるところですよね。
今のところは産んだ人間を親としようと言う法改正を図る動きが主導的なのだそうで、これはそもそも誰が子を持ちたいと考えているのかと言った点から考えても子の養育環境と言う点から考えてもごく妥当な結論だと思いますけれども、ただ今回興味深いのは他人の卵子を使うのは今回が初めてであっても、他人の精子を使って産まれた子供はすでに大昔から1万人以上もいるわけです。
今まで全く法整備も放置されてきた中で卵子提供が行われるようになって急に社会問題化すると言うのもどうなのかですが、今まで精子提供に対して「そんなことは絶対行うべきではない」と言う声も別に聞こえてこなかったことと考え合わせると、卵子提供に対する反対意見が圧倒的多数派に登ったと言うのは何やら興味深い結果であるとも言えそうですよね。
社会的な意味づけに関しては社会がどこまでを許容するか?と言うことと大いに関わっていて、例えば将来的に精子も卵子も第三者から提供されることも許容されるのか?と言う議論もあるでしょうし、さらに話を飛躍させると人間の夫婦がイヌやネコの子を産んだ場合法的に実子扱いされるべきなのか?と言う議論もある理屈で、シンプルに「お腹を痛めて産んだ以上我が子」と言う論理が絶対正義とも言い切れない部分はあります。

また当然ながら反対意見にあるように、どうせ配偶子をもらうならより優秀な人からもらいたいと考えるのは人情で、海外では実際に提供者のカタログから選ばせると言うこともやっているようですし、仮に何らかのトラブルを持って子供が生まれ、それが提供された配偶子に明らかに起因するものであったと言う場合、本当に受け止めることが出来るものなのか?と言う疑問はありますよね。
精子提供に対して卵子提供の方が、被提供者が苦労して子供を産む分だけ我が子だと言う実感が湧きやすいと言うメリットはあると思いますが、義父母や夫から「こんな子供が出来たのもそもそもお前が(以下略)」と連日責め立てられる未来絵図と言うものも最悪想像されるところではあるし、そうではなくとも子供の遺伝的素因と言うことに関して通常以上に神経質になってしまうのかも知れません。
技術的にはiPS細胞から精子や卵子の元が出来るようになったとすでに報じられていて、将来的に配偶子を作れない状態にある夫や妻にも自前の配偶子が手に入るようになればこれ以上間違いのない対策もないと思うのですが、これまた望ましい形質を得られるよう遺伝子を操作する「ゲノム編集」など様々な技術も開発されていて、より受精確率を引き上げるためにより立派な配偶子をと言う欲望は働く余地はありそうです。
遺伝子操作なども含めて生殖医療と言うものは社会的に色々と注目され、とかく厳しく規制されがちではあるのですが、妊娠出産には余計な人為的介入をすべきではない、天然自然しか認めないとなればそもそも緊急帝王切開なども認められるのはおかしいと言う話にもなりかねずで、語る者の立場によって非常に恣意的に許容可能な範囲を決められてしまいがちな側面はあると思いますね。

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2015年8月 9日 (日)

今日のぐり:「十八番 三吉店」

何しろこのところの暑さは全国的に大変なものがありますが、世界的規模で見ますと日本の暑さなどまだまだと思わせる、こんな恐るべき状況があるようです。

世界各地を熱波襲う イランで体感温度74度、インド2300人死亡、アルプスの氷河ピンチ(2015年8月5日産経新聞)

 日本で猛暑日が続く中、世界各地も記録的な熱波に見舞われている。イランでは体感温度74度という「天文学的」(米紙ワシントン・ポスト)な暑さを記録したほか、欧米では山火事が相次いだり氷河の解けるペースが速まったりしている。

 イラン南西部のペルシャ湾に面したバンダルマズハーでは7月31日に気温が46度となり、湿度などを加味した体感温度は74度に達した。同紙によると体感温度に関する公式記録はないが、2003年7月にサウジアラビアで観測された81度に次ぐ数値とみられる。

 AP通信などによると、イラクの首都バグダッドでは7月30日、気温が52度に達した。政府は酷暑の予想を受け、同日から4日間を公休日とすることを急遽(きゅうきょ)決定。03年のイラク戦争以降、同国では発電設備の破壊などで電力不足が深刻化し、クーラーや扇風機が満足に使えない状態だ。

 ただ4日には南部アマラで、暑さと電力不足に不満を募らせた市民らが街頭でアバディ政権を批判するなど反政権デモが頻発。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の支配地域奪還を目指す政権にとり頭の痛い問題となっている。

 一方、インドでは1年で最も気温が高くなる4~6月、熱波による死者数が記録のある1990年以降最悪となり、インド政府は5日、2037が熱中症などのため死亡したと発表した。パキスタンでは6月、南部シンド州を熱波が襲い、州当局によると1200人以上が死亡する過去最悪の事態となった。

 欧米でも熱波の影響は深刻だ。米ニューヨークでは7月29日、同日の気温としては過去3位タイとなる35.6度を記録。オーストリアでは気象当局が「過去248年の観測史上で最も暑い7月」と認定した。

 スペインでも7月上旬、気温が記録的な水準に上昇。国内各地では山林火災が発生し、焼失面積は少なくとも計1万5千ヘクタールとも報じられている。

 欧州の専門家は最近の調査の結果、世界各地で近年、氷河が解けるペースが加速していると指摘。アルプス地方では「氷河が数キロも後退している」とし、特に深刻な現象とも警告した。(西見由章、ニューデリー 岩田智雄、ベルリン 宮下日出男)

まあ何事にも限度と言うものがありますけれども、夏の暑さがあまりにひどくなると社会不安にも結びつくと言うのは心情的に何となく理解出来る気はしますでしょうか。
今日は世界各地で暑さに脳が沸騰しかけている方々に冷静さを呼びかける意味で、これは誰がどう見てもそれはちょっと普通ではないと言う、色々とぶっ飛んだニュースの数々を紹介してみましょう。

ランボルギーニやフェラーリで首都高暴走……スーパーカーグループ「辰巳会」会長ら書類送検 ナンバー付けず 警視庁(2015年6月25日産経新聞)

 ナンバープレートを付けずに高速道路を走行したなどとして、警視庁交通執行課は25日、道交法違反(自動車登録番号標の表示義務)などの容疑で、埼玉県川口市の会社役員(49)ら男性7人を書類送検した。同課によると全員容疑を認めている。

 7人は特徴的なデザインのスポーツカー「スーパーカー」の愛好家グループ「辰巳会」のメンバーで、男性役員が隊長を務めていた。ナンバープレートを付けていないランボルギーニやフェラーリで首都高を暴走するほか、辰巳第1パーキング(東京都江東区)を占拠したりエンジンの空ぶかしをしたりして、苦情が相次いでいた。

 男性役員の送検容疑は昨年11月12日午前0時半ごろ、ナンバープレートを付けていないランボルギーニで首都高を時速189キロで走行したとしている。

珍走行為そのものはまあ運転手の年式相応なのかも知れませんが、いくらナンバーを隠そうがこの種レア車で行為が発覚しないと考えるその知性はちょっと尋常ではないですよね。
世の中様々な書類記入の必要に迫られうんざりしている方も多いと思いますが、こちら少し本気を出して記入してしまったと言う方の話題です。

幼稚園の書類に書いた「地図」が本気すぎる(2015年4月8日ねとらば)

 幼稚園の書類に、家族や家から学校までの地図を書くことってたまにありますよね? もひかん(@mohikan1974)さんもそのひとり。指定の用紙に地図を書いて……って、何これ本気すぎる!!

 実はもひかんさん、小さいころは絵描きになるのが夢だったのだとか。小さいころから鳥瞰図(上空から斜めに見下ろしたような地図の図法)を描くのが好きで、「鳥になったらこんなだろうな」と思いながら書きためていたそうです。

 4年前にも同じような鳥瞰図を長女の書類に描いたそうですが、ママ友たちに「やり過ぎ」と冷やかされたのを思い出し、今度は思い切り振り切ってやろうと描いたのがこの地図。お父さんすごい!!

 書類を渡したときの先生の反応が楽しみですね。

どれくらい本気度が高いのかは元記事の画像を参照いただくとして、「簡単に書いてください」と言う指示を完全無視している点でいささかどうなのかです。
昔からお大尽のやることはちょっと尋常ではないと言うケースが少なくありませんが、こちら国王様ともなるとその尋常以上?な部分も突き抜けていたと言うニュースです。

サウジ国王御一行様でフランス地中海リゾート大騒ぎ!「迷惑だ」「いや儲かる」(2015年7月30日J-CASTニュース)

  サウジアラビア国王の豪華なバカンスが現地で騒動になっている。サルマン国王と約1000人のお供ご一行は、フランスのカンヌにほど近い地中海沿岸、バロリスの広大な別荘に3週間の予定で滞在中なのだが、これに反対する署名が13万人以上も集まったそうだ。

   理由は滞在中は別荘周辺の公共ビーチが300メートル沖まで立ち入り禁止となり、一行の貸し切りとなったこと。また、別荘からビーチへ通じる専用エレベーターを設置したことが自然破壊だとしている。国王側はエレベーターについては、滞在後は撤去すると表明した。
国王はセミの声を聞きながら3週間のお昼寝

   3週間に落とすカネが約6800億円という豪遊ぶりから歓迎の声もある。お供が泊まることでカンヌの高級ホテルが満室になったり、「サウジアラビアの人はお花が好き」(司会の羽鳥慎一)なため、別荘などに飾る花を花屋から1日1万5000本も購入するからだ。

   赤江珠緒キャスター「(花は)1週間ぐらい持ちますよ」

   国王のバカンスの過ごし方は、セミの声を聞きながら昼寝するというものだそうだ。

これだけのお金を使ってやっていることはひどくローコストな辺りがこれまたどうなのかですが、こういう話を聞くと例のメキシコの漁師についての古典的ジョークを思い出してしまいます。
夏と言えばとかく鬱陶しいのがあの生物なんですが、こちら中国ではちょっととんでもない作業が進行中だと全世界を震え上がらせています。

中国に世界最大の蚊の生産工場、週100万匹を野に放つ―インドメディア(2015年8月5日レコードチャイナ)

2015年8月4日、環球時報はプレス・トラスト・オブ・インディアの報道を引用し、中国広東省広州市に世界最大の蚊の「生産工場」があると報じた。

報道によると、現地でのデング熱対策として、生殖能力がなく、ウイルスを持っていない蚊を毎週100万匹放っている。蚊の数を抑えるのが狙い。中国の昨年のデング熱患者は4万7000人に上り、この20年間で最悪レベルといわれている。患者のほとんどは広東省に集中していた。また、世界では毎年約2万2000人がデング熱で命を落としており、その多くが子どもという状況だ。

いやまあ、確かに病気は防げるのかも知れませんが、別の大きな問題が副次的に発生するのではないかと懸念するのは自分だけでしょうか?
最後に取り上げますのはこちらのニュースなんですが、まずは黙って記事から紹介してみましょう。

半裸のマッチョにひたすらアイスをしゃぶらせるだけの謎ゲーム爆誕(2015年1月20日ねとらば)

 マッチョ男のケツを叩きまくるだけのゲームとして話題を呼んだ「Hurt Me Plenty」(関連記事)。このゲームの開発者が、今度は半裸のマッチョにひたすらアイスを舐めさせるだけのゲーム「Succulent」を公開しました。またお前か。

 ゲームを開始すると半裸にサングラスをかけたマッチョ男性3人が「今か、今か」とそのときを待っています。プレイヤーのやることはひとつ。マウスを操作しマッチョの口に長くて太いアイスの棒をぶちこみ「チュパ……チュパ……」としゃぶらせるだけです。このゲームは「インタラクティブ・ミュージック・ビデオゲーム」となっており、アイスをしゃぶらせている間はよく分からないムードの電子音楽がゲームを盛り上げてくれます。左右のマッチョはなぜか股間のあたりで手をもぞもぞさせながら、「うんうん」と満足げにうなずいて見守ってくれます。現場からは以上です。

 ゲームは前作と同じくサイトから無料でダウンロード可能。Windows、Mac OS X、Linux対応で、マッチョにアイスをしゃぶらせたい人の要望により広く応えられるようになっています。

その状況は元記事の動画を見るだけでも一目瞭然なのですが、状況は理解してもそれが何かを理解出来るかと言うことはまた別問題ですよね。
興味のある方は是非実際のゲームを楽しんで?みてはどうかと思うのですが、しかし世界はまだまだ広いものだなと実感しますね。

今日のぐり:「十八番 三吉店」

福山を代表する老舗ラーメン店がこちらなんだそうですが、元々は有名な尾道の朱華園で修行されたと聞きますが、こちらはどちらかと言えばあっさり醤油のラーメンですよね。
以前はカウンターに蛇口がついているのが面白いなと思っていたのですが、こちらの店舗でも蛇口は廃止されて普通の冷水器になってしまったのは少し残念な気がします。

この日は敢えてチャンポンに初挑戦してみましたが、長崎などで言うところのちゃんぽんとは違って見た目は昔ながらのとろみ付き五目ラーメンと言った風情ですよね。
ちゃんぽんと呼ばれる料理も何か定義がはっきりしないものがありますが、こちらのような醤油ベースのあんかけスタイルと言うものも各地であるのだそうで、まあ地域性なんでしょうね。
このトッピング自体はこちらの中華丼などと共通なのかも知れませんが、こういう粘稠なスープになると醤油だれはもう少し控え目でもいいかな?と言う気もしました。
麺はラーメンのそれと同じようで、食感的にちょっとトロミに負けている印象もあるのですが、野菜は十分加熱されたものもあればフレッシュさを残すものもありと、食感のバラエティーに富んでいると思います。
こういう老舗ではあれこれ迷うくらいならごく普通のラーメンでいいかなと言う気もするのですが、こちらの場合野菜を取りたいと思っても普通の五目ラーメンだとか野菜増しと言うメニューがないので、ちょっと選択に迷う場合はありますよね。

ちなみにこちらのカウンター内に装備されている自動麺茹で機は現役のようで、これはこれで見ているだけでもちょっと面白いものではありますよね。
接遇面では正直あまり愛想はないんですが、こういうカウンター主体の量販店で馬鹿丁寧なマニュアル対応も違うと言う気がするでしょうし、これはこれでいいんじゃないかとも思います。

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2015年8月 8日 (土)

「安倍叩きは社是」の朝日がまたやった

アサヒと言えば先日自らの下半身画像を外国人記者ら150人に送りつけたと言うテレビ朝日バンコク支局長が勇名をはせたところですが、その行為に対する弁解が「知人女性に送るつもりだった」と言う非常に興味深いもので、一体その知人女性に日頃からどんなセクハラ行為をしているのか?と余計な関心を抱いた方々も多かったようです。
一方で天下のアサヒグループの総本山とも言える朝日新聞と言えば、かねて「安倍叩きは朝日の社是」と言ったとか言わないとか言うほどで、現政権に対してそれなりに含むところがあると言うことなのでしょう、先日はこんなつぶやきをしたとして話題になっています。

朝日編集委員、首相にレッテル「ナチ支援者は安倍支持者」 ツイート削除し謝罪(2015年8月3日産経新聞)

 朝日新聞の冨永格(ただし)特別編集委員が、ナチス支援者が安倍晋三政権の支持者であるとする内容をツイッターに書き込み、削除していたことが3日、分かった。

 冨永氏は自身のツイッターに、ナチス・ドイツの旗を持った人たちのデモ写真とともに英語で「東京での日本人の国家主義者によるデモ。彼らは安倍首相と彼の保守的な政権を支持している」と書き込んだ

 冨永氏のツイッターは、朝日新聞のホームページにある記者紹介のページからリンクが張られている。同氏は、ツイッターの紹介として「あれこれ含め個人の責任で本音をつぶやきますので、ヨロシクでごんす」としている。

 すでに冨永氏は書き込みを削除し、ツイッター上で「嫌韓デモに参加する人たちには安倍首相の支持者が多いという趣旨でしたが、英語ツイートに『一般的に』の言葉が抜けていたので、彼らがこぞって首相を支持しているかの印象を与えるツイートになってしまいました。失礼しました」などと釈明、謝罪した。

 また、本社からの指示で「不注意から誤った内容をつぶやいてしまいました。改めておわび申し上げます」とした。

 朝日新聞社広報部は、産経新聞の取材に対し「誤った内容のツイートだった。編集部門のガイドラインを逸脱した内容であり、記者に厳しく注意した」と説明。「今回の事態を重く受け止め、記者への指導を徹底していく」としている。

自民、朝日に訂正要求…「ナチス」ツイッターで(2015年08月04日産経新聞)

 自民党は4日、朝日新聞社の冨永格(ただし)・特別編集委員がナチスの紋章「かぎ十字」の旗を掲げてデモをする人たちを「安倍首相を支持している」とツイッターに英語などで書き込んだ問題で、同社に対し、冨永氏のツイッターと同社ホームページに訂正と謝罪を掲載するよう申し入れた。

 申し入れ書では、冨永氏が「嫌韓デモに参加する人たちには安倍首相の支持者が多いという趣旨でしたが、『一般的に』の言葉が抜けていた」とツイッターで釈明したことについて、「全く不十分で、到底欧米フォロワーの誤解は解けない」と指摘した。

 菅官房長官は4日の記者会見で、「主要メディアの責任ある方が事実と異なる内容を発信することは、日本に対する誤解を招きかねない」と苦言を呈した。

一見するとよくある馬鹿発見器騒動の一環であるかのようにも見えるのですが、非常に興味深いのがこのつぶやきが日本語ではなく英語で行われ、最初に国内ではなく海外で騒ぎになった結果発覚したと言うことで、何しろ「天声人語」の元執筆者が諸外国において一定のイメージを持っているとされるアイコンと関連づけて自国首相を海外に紹介したのですから、そこには明確な意図があるものと考えるべきですよね。
この種のレッテル貼りは朝日系列を始めとする既存マスコミに共通する手慣れた手法で、特に昨今では政権批判の方法論として具体的な内容に踏み込むのではなく、不毛なレッテル貼りを行って言論を封殺しようとするかのような風潮が見られるのは懸念されるところですが、その風潮に乗ったかのように単なるレッテル貼りに終始して何ら議論の実を深めようとしない方々も多いようです。
先日は政治学者らがもっと丁寧かつ具体的な議論を希望すると、わざわざ与野党各会派に要望を出したほどだと言いますが、さらに深い議論をしていかなければならない時に相手の存在そのものを全否定するような朝日のやり方は許容されるものではないし、朝日流の言い回しで言うならばこんな人物を重要な役職につけてきた朝日新聞社の任命責任はどうなるのか?と言われても仕方のないところでしょうね。
ちなみにこのかぎ十字騒動?を企画した当の本人と主張する人物もつぶやきを発していて、それによりますと「あれは俺が提唱し、首謀したものであり俺自身はネオナチであるが安倍政権を支持していないので、朝日新聞のナチ支援者は安倍支持者なる見出しは見当違いである」のだそうで、これが事実だとすれば朝日は二重の意味で捏造誤報を垂れ流したことになります。

朝日新聞と言えば「安保法案「違憲」104人、「合憲」2人 憲法学者ら」なるアンケート結果を発表するなど盛んに「専門家は安保法案が意見だと言っている!」とアピールを繰り返していますが、興味深いのはこのアンケートにおいて「自衛隊の存在は憲法違反か」という問いに回答者の6割超の77人が違憲もしくは違憲の可能性があると回答したことを紙面版記事には載せていなかったことが判明しています。
同アンケートでは憲法9条改正の必要はないと考える人もほぼ全員だったと言うことで、要するに「自衛隊は違憲であり改憲もいらない-。つまり「日本は非武装であるべきだ」という人が回答者のほとんどだったのだ」と指摘する人もいますけれども、こうした考え方が国民一般の考えに一致するものなのかどうかは国民意識調査と照らし合わせて考えるべきかも知れませんね。
専門家の見解が一般人のそれと大きく異なると言うことはしばしばよくあることですが、朝日が専門家がこう言っているのだからその考え方に従うべきだと主張するのであれば、「専門家が自衛隊は違憲だと言っているのだから即刻自衛隊を全廃せよ」とも主張しなければ道理が合わないと言うことになりそうですよね。
まさか万に一つにも「いやいや、自衛隊に関しては国民の9割が合憲と考えるほど理解を得ているのだから無問題です」と主張するのであれば、専門家の意見なるものの都合のよい部分だけを切り貼りして利用していると言われても仕方がないでしょうが、そう言えばその種の切り貼りをするのが得意と言うマスコミもいらっしゃったような気がします。

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2015年8月 7日 (金)

武蔵村山市のBSL4施設がついに稼働(ただし、ひどく限定的)

先日WHOが「エボラ予防に100%の効果を持つワクチン」なるものを確認したと発表して話題になっていましたが、患者と接触後すぐにワクチンを投与された4000人からは一人も患者が出なかったと言うことで、実際に有効性や安全性が確認でき臨床応用可能と言うことになりますと、これは今後のエボラ対策をも大きく左右する話にもなりそうですよね。
とは言えエボラに限らずお隣韓国で話題のMERSであるとか、以前から何度も危機が叫ばれている新型インフルエンザ等々、世界的に感染症の大規模流行が問題となることがたびたびである中で、以前からその稼働が望まれていたあの施設がついに、と言うニュースが先日出ていました。

武蔵村山市長「稼働やむなしと判断」 レベル4施設、国と合意(2015年8月3日日本経済新聞)

 塩崎恭久厚生労働相は3日、国立感染症研究所・村山庁舎(東京都武蔵村山市)が立地する同市の藤野勝市長と会談し、同庁舎内にあり、エボラウイルスなど危険性の高い病原体を扱う「BSL(バイオ・セーフティー・レベル)―4」の能力を持つ施設を稼働することで合意した。稼働すれば日本で初めてで、治療法などの研究が可能になる。
 厚労省によると、先進7カ国(G7)でレベル4の施設が稼働していないのは日本だけだった。近く感染症法に基づく指定手続きを取る。実際にレベル4の病原体を扱う時期は未定。

 会談終了後、記者会見した藤野市長は「慎重に考慮した結果、稼働やむなしと判断した」と説明。塩崎厚労相は「(施設建設から)30年以上続いた問題が解決でき、感謝している。市民の懸念があるので万全の対策を進めていきたい」と述べた。
 同日の合意では、安全性を懸念する地元住民に配慮し、(1)レベル4施設の使用は感染者の生命を守るために必要な診断や治療などに関わる業務に特化する(2)積極的な情報開示や外部のチェック体制を確保する(3)将来的に同市以外の候補地も検討する――などの条件を確認した。

 レベル4施設はウイルスを扱う安全基準が最も高く、稼働すれば、エボラウイルスなど危険性の高い6種類の病原体を詳細に解析したり、治療法やワクチンを開発したりすることが可能になる。
 村山庁舎内には1981年にレベル4の能力を持つ施設が建設されたが、周辺住民らの反対などから稼働していない状況が続いていた。同施設はウイルスが外に漏れないよう密閉環境を整備。現在は、扱う病原体の危険性を1段階下げたレベル3施設として利用している。

 厚労省によると、世界にはレベル4施設は今年3月時点で19カ国に41施設あり、住宅地に隣接するケースもある。国内のレベル4施設は理化学研究所(茨城県つくば市)にもあるが稼働しておらず、長崎大が長崎市内での新設に向け検討を進めている。

ようやく稼働のBSL4施設 活用は限定的、さらなる住民理解が不可欠(2015年8月3日産経新聞)

 研究者が待ち望んでいた、危険度の高い感染症の病原体を扱える「バイオ・セーフティー・レベル(BSL)4」施設がようやく稼働する見込みとなった。先進7カ国(G7)でBSL4施設が稼働していないのは日本だけで、中国や韓国でも建設が進む。エボラ出血熱など危険度の高い感染症の患者の診断や治療には不可欠な施設だが、研究施設として軌道に乗せるには、住民への理解をさらに進める必要がある。

 武蔵村山市の藤野勝市長は3日、「当面は検査以外の業務を行う状況にないことが前提だ」と述べ、施設で行う業務を検査に限定するよう求めた。厚労省は感染者から分離したウイルスの型や量を調べて治療方法を決めたり、検査方法の開発や改良を行ったりすることを想定。製薬企業や大学などが利用するのは難しく「治療薬やワクチンの開発などがすぐ行えるわけではない」(厚労省)とする。

 感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「検査をするのは一瞬だが、そのためには日ごろから知識や経験を重ねることが重要だ」と指摘する。BSL4施設で扱える病原体は国内になく、研究にはウイルス入手も必要となる。

 西アフリカのエボラ流行など国際的な感染症の脅威を前に、市は施設の重要性に理解を示したが、今後の運営に当たっては情報開示や地域とのコミュニケーション強化を求めた。塩崎恭久厚労相は「住民の懸念を払拭するようコミュニケーションを積極的に行う」と明言。外部有識者を活用したチェック体制の確保なども約束した。                           

記事にもありますように非常に限定的な稼働状況になると言うことで、もちろん何もないよりはあった方がいいのは間違いないのでしょうが、以前にも書きましたように日本では感染症に対する法的な強制力の担保など未だ課題山積と言う状況であって、実際に患者が出てくる状況にでもなれば早速困ることになるんじゃないかと言う懸念の声は以前から根強いものがありました。
実際にお隣韓国でも先日のMERS騒動に際して患者や感染疑いに対する隔離が全く機能せず、自宅隔離されているべき人が外国に旅行に出かけてそこで診断が確定されたと国際問題にまで発展しかけた経緯がありますが、社会全体としての利益と個人や集団の利益とのバランスは常に非常に難しい問題があるところです。
今回の施設もハードウェアとしては揃っていながら地域住民の根強い反対から稼働できない状況が続いていたと言うことで、米軍基地問題や原発再稼働問題などと同様の観点からも論じることが可能かと思いますけれども、いずれも施設が存在することのリスクもある一方で施設があることのメリットも当然ながらあるわけで、その一方だけを取り上げて論じるのは公平ではないと言う気はしますね。

こうした話は地域エゴ的な側面も否定出来ないところで、単純な話東京で患者が出た、武蔵村山市で発症者が見つかったと言うことが起こる可能性もあるわけで、その場合自分達のところで検査なり治療なりを行うのはマカリナランが、他府県の施設に患者や検体を送り込むのは何ら良心の呵責を感じないと言うのはやはり少し釈然としないものがあるでしょう。
その意味で原発などが問題になったのは電力の大消費地から遠く離れた僻地に建設していたからだとも言え、東京電力がそんなに電気が必要なら東京に原発を作れよと言う声は以前から根強くありますし、実際に津波災害にも強いとして浮体方式の原発と言うのも海外では開発が進められていると言いますから、将来的には原発も電気が必要な場所に設備を持ってきて発電すると言うスタイルになるのかも知れません。
こういう施設も特定地域に偏っているから「なぜオラが町だけ」と反対も根強いのだとも言えそうですが、あちらに一つ、こちらに一つと集約化するよりもいっそ都道府県毎に一つずつ用意しておいた方が「まあ自分達で使うものなんだから仕方ないか」と言うことで、現状におけるゴミ処理場建設問題程度には住民の反発も落ち着いてくるのかも知れませんね。

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2015年8月 6日 (木)

日本で初めて研修医採用試験に(ちょっと変わった)実技試験が導入される

今年は就職活動の時期がずれて、ちょうどこの猛暑の最中に各地でスーツ姿の学生さんが駆け回っているのだそうで、幾ら何でももう少し考えてやった方がいいんじゃないかと思うのですが、医師にとって最初の就職活動とも言える臨床研修医の採用試験において、今回「日本初」と言うやり方が行われたそうです。

病院が研修医採用に日本初の“実技試験”を導入、その狙いとは?(2015年8月5日ザページ)

 夏に入り、学生の新卒採用試験がピークを迎えていますが、ほとんどの企業では書類選考、筆記試験、面接試験という3種類の選考で内定者を決定しているのではないでしょうか。一方、7月19日には医師(研修医)の採用試験で、一風変わった“実技試験”の有効性を検証するトライアウトが行われました。
 研修医希望学生を対象に東京ビッグサイトで開催された合同説明会「レジナビフェア」の会場でこのトライアウトを実施したのは、岡山県の倉敷中央病院。医学部の卒業予定者を対象にした研修医の採用でも、一般的に試験は書類選考、筆記試験、面接試験の3種類ですが、倉敷中央病院はこれに実技試験を加え、医師として求められる基礎能力を深く試そうという試みを取り入れたのです。
 ただ、試験で学生に本物の患者さんを治療させるわけにはいきません。医師採用試験で行われる実技試験とはどのようなものなのでしょうか。今回行われたトライアウトで実施された実技試験では、「約5mmの折り鶴を15mm平方の折り紙を用いて何羽つくれるか」、「約35mm前後のタマムシを13の部分に分解したものを、もとの形に組み立て直せるか」、「約5mm程度のひと粒の米の上に極小の刺身を載せた寿司を何貫つくれるか」という3つの課題が出され、30名の参加者が挑戦。参加者たちは医療用の手袋をして、用意されたピンセットやメス、鉗子などを使って課題に挑みました。
 特に苦戦していたのは寿司と折鶴を作る課題で、指先ほどの大きさの魚や折り紙を使ってミスのない正確な作業をするという課題に、機器を扱う器用さ以上に指先一点だけに集中して途中でその集中を切らさない強い精神力が試されている様子でした。

ピンセットで寿司作りに挑戦する学生

 この試験には、参考データをとるために倉敷中央病院の現役研修医も参加。試験という緊張感が漂う雰囲気やこれまで経験のない課題内容ということもあり、研修医でも課題を完成できない人がいるほどの難関試験になったようです。倉敷中央病院によると、ひと粒の米で極小の寿司を作る課題は、研修医が11貫完成のところ、学生は最高で8貫を完成。約5mmの折り鶴を作る課題は、学生2人が3つ完成させたところ、研修医はひとりも完成に至らなかったとのこと。参加した学生のひとりは、「ものすごく緊張したが実際に医療の現場では、もっと緊張するミスが許されない状況になるので良い体験ができた」と感想を語っています。
 一方、このトライアウトを振り返って、試験を監修した倉敷中央病院 救命救急センター長兼教育研修部部長の福岡敏雄医師は、「試験の目的は単に手先の器用さを試すのではなく、医療現場という命を預かる状況での集中力や判断力、極限状況でも諦めない精神力を試すことでした。医学生が試験に取り組む様子をみていると、最初は手も足も出なかったのが、繰り返し挑戦する中で色々な工夫をするなどの進化が見えて、短い時間にも自分を向上させていく可能性を感じました」とコメントしています。

 患者の身体と向き合う医療現場において、医師には判断や処置のミスが許されない中で目の前の患者にある課題を解決するという大きなプレッシャーが掛かり、極限状態でも冷静に的確な判断・処置ができる精神的な強さや粘り強さが求められます。しかし、実際にはこうした緊張感において医師としての資質や技術を磨くのは研修医になってからであり、大学の成績や面接試験で試せるのはこうした資質のごく一部。優秀な成績を修めて国家試験に合格したという結果からでは、医師としての資質は十分に試せないというのが現状なのです。
 この点について、THE PAGEの取材に応じてくださった福岡医師は、「今回実技試験を導入した背景は、今の評価方法では十分ではないということ。そして、それに少なからぬ不満や不安を感じている医学生が多いということです。医学教育の領域では、最近注目されていることとして“プロフェッショナリズム教育”があります。知識や技術は教えられますが、医師としての行動規範やプロとしての自立性、自主性、社会的役割などは簡単に教えることはできません。そして、その評価も難しいのです。このような実技試験を取り入れることは、表層的なことだけではなくもっと本質的なことを見ようとしているという教育機関としての態度表明であり、医師を目指す若い人たちにプロ意識を促進することにつながるのではないでしょうか。」とコメントしています。
(略)
 今回のトライアウトでは、手技に関する学生のスキルや態度、自己学習や自己評価のスタイルを見ることができ、『この学生はこうするときっと伸びるだろうな』『こういったところは教えなくても良さそうだな』など、いろいろな事を感じました。このような気づきの先に、多面的、継続的な現場での評価と指導が実現するのではないかと思います。そして、多様な社会からの要請にこたえることができる人材を育成し続けることができる体制を維持することが、私たち病院の教育担当者の役割だと感じています」(福岡医師)。

世間での反応を見る限りでは当然のことながら「今まで実技試験はやっていなかったのか?」と言う声が多いようなのですが、ただ今回の試験方式がいわゆる実技試験と言うものとして一般的なスタイルではないこともあって、これで日本初と言われると将来的に通常想像されるようなスタイルでの実技試験が行われた際に何と言うべきなのかと言う疑問は残るでしょうか。
興味深いのは糸結び等手先の修練に励んでいるだろう先輩の先生方が必ずしもいい成績を上げているわけではないと言うことで、逆に言えば後天的なトレーニングによる影響を非常に効率よく廃していると言うことでもあるのでしょうか、別に医療用の選抜試験に限らず何の仕事であれ応用は利きそうな方法ですよね。
米粒大の寿司を作ることがどんな選抜になるんだと誰しも最初は疑問に感じるところではあるのですが、話を聞いてみれば単純に多く作れれば合格と言うわけではなく、高いハードルをどのようにクリアしていくかと言う態度を見ていると言うことですから、今回の試験そのもののあり方がベストではないにせよ一つのブレークスルーとして意義はあったのではないかと言う気はします。

医師と言う職業は日常生活の中で他人を合法的に傷つけることが許された唯一の職業であると言う人もいるそうですが、逆に言えば医師ならば許されている診療行為の数々は医学部生には許容されていないものも多く、学生実習などで学生同士で採血をし合うと言う光景は医学部においても昔から行われていますけれども、あれも厳密に言えば法に触れる可能性はありそうですよね。
一応はお互いに了解し監督者もついた上でやっていれば許容されると言う解釈になっているようですが、個人的思想信条なりに基づいてそうした行為を是としない方々が進級を考えると嫌々ながらでも実習に参加せざるを得ないケースもあるのでは、などと考え始めるとなかなか難しいところですし、実際に多くの場合実習に参加しなければ即留年になるわけですから少なくとも半強制と言う言い方は出来そうに感じます。
この種の問題と言うものは以前から必ずしも認識されていなかったわけでもないし、また実際に医師免許を持っていたとしても技量未熟な医師が患者さん相手の手技を行って失敗したらどうするんだ?と言う指摘も当然ながらあることから、今の時代は次第にダミー人形やトレーニング用の道具を用いる方法が普及してきているところで、学生からベテランの先生方にまで利用されているものも幾つかありますよね。
日本でも医学生に実技試験を課すようになってきていますが、この方面の先達であるアメリカでは実技試験においては医学的に正しい行為が行えているかどうかと言うよりも、模擬患者が納得してくれるかどうかが評価されるのだそうで、この辺りは先の試験においてもそうですが表向きの目的と本当の評価ポイントが別にあると言う、言ってみれば受験生泣かせの試験でもあると言えそうです。

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2015年8月 5日 (水)

千葉県成田市にも医学部新設が決定、が…

数々の反対意見に反してと言うべきなのでしょうか、先日決定した東北の被災地復興を旗印にした特例的医学部新設に続いて、今度は千葉県成田市でも特区内での医学部新設が認められたと報じられていますが、かねて言われていた医学部定員不足地域での開学でありながら、その実態はかなり特殊なものになりそうです。

成田に新医学部、17年度にも- 特区で1校のみ、国際人材育成が目的(2015年7月31日CBニュース)

内閣府と文部科学省、厚生労働省は31日、千葉県成田市に新たな医学部を設置する方針を決めた。2017年4月にも開学する。医学部設置は文科省の告示で認可しないこととなっているが、国家戦略特区の特例で1校のみ認める。一般の臨床医ではなく、国際的な医療人材を育成するための医学部とする。設置主体は国際医療福祉大が想定される。【丸山紀一朗】

特区の「成田市分科会」が同日開いた会合で方針案を了承した。会合後に記者団の取材に応じた成田市の小泉一成市長は、「成田市で医学部新設が認められたのは大変喜ばしいこと。特区として国の成長にも寄与したい」と述べた。政府は今秋をめどに文科省の告示の特例をつくる。

方針によると、新設する医学部は、既存の医学部とは次元の異なる際立った特徴が必要。具体的には、▽国際的な医療人材の育成にふさわしい留学生や外国人教員の割合▽すべての学生による海外臨床実習の実施▽大多数科目での英語による授業の実施-などが求められる。

内閣府、文部科学省、厚生労働省が方針示す 成田市の医学部設置、早ければ2017年度に 国際的な医療人材の育成目的に(2015年8月1日日経メディカル)

 内閣府、文部科学省、厚生労働省はこのほど、「国家戦略特別区域における医学部新設に関する方針(案)」を東京圏国家戦略特別区域会議の成田市分科会に提出、7月31日に了承された。
 同方針では、国家戦略特区の趣旨を踏まえ、「国際的な医療人材の育成」のための医学部新設を目指すことを明記している。この方針が、分科会の上部組織である東京圏の区域会議で了承され、開設者の候補となる大学が整備条件を満たせば、早ければ2017年4月にも千葉県成田市に新たな医学部が新設されることになる。
 内閣府地方創世推進室は「現時点では事業主は決まっていない」とするが、成田市分科会には、国際医療福祉大学と成田市が策定した「国際医療学園都市構想」が提出されており、国際医療福祉大による医学部新設の可能性が高まったといえる(過去記事)。

 同方針では、世界最高水準の「国際医療拠点」としての医学部新設のため、以下の4つの条件を掲げた。
(1)一般の臨床医の養成・確保を主たる目的とする既存の医学部とは次元の異なる際立った特徴を有する医学部とする
(2)教員や医師、看護師の確保を目的とした引き抜きなどにより、地域医療に支障を来さないようにし、東北地方の医学部新設への影響にも配慮する
(3)自律的な運営のための具体的な計画が立てられているなど、実現可能性が認められること
(4)定員数は世界最高水準の十分な教育環境が整えられ、教育の質が確保できるような適切な人数とする

 このうち、(1)の「際立った特徴」に関しては、8つの例を示している。
(a)国際医療拠点としてふさわしい留学生の割合
(b)国際医療拠点としてふさわしい外国人教員の割合
(c)一定年数以上の海外での診療経験や教育経験を有する教員の確保
(d)診療参加型臨床実習期間の十分な確保
(e)大多数科目での英語による授業の実施
(f)すべての学生による十分な期間の海外臨床実習の実施
(g)公衆衛生に関する専門職大学院の設置
(h)海外の大学との学生交流に関する協定の締結

 文部科学省高等教育局は「際だった特徴」についての記載に関し、「どれか1つを実施している大学はあるが、現時点ではこれら全ての項目に取り組んでいる大学はない。新設大学には、方針で示した全ての項目に総合的に取り組むよう求めていく」と説明した。
 加えて、養成された医師が、当初の目的に反して一般の臨床医として勤務した場合は、「長期間にわたり社会保障制度に影響を及ぼす可能性がある」ため、入学定員数は医師需給を踏まえて調整を行うことも明記した。
 今後のスケジュールについて内閣府は、「法令上の手続きが必要なため、関係告示などの特例措置を講じてから詳細に決めていく」(地方創世推進室)とし、開設者の募集や設置・認可申請の時期などは定まっていないとしている。なお、今回の新設はあくまで特別特区における特例措置であり、「医学部を新設するとしても、1校」としている。
 こうした動きに対し、日本医師会、日本医学会、全国医学部長病院長会議は7月29日、合同記者会見を開催し、成田市での医学部新設に改めて反対する姿勢を示している。日本医学会長の高久史麿氏は、新医学部の設立目的である「国際的な医療人材の育成」に関して、日本の医学教育を国際的な水準で評価するための「日本医学教育評価機構(JACME)」が今秋に発足することから、「国家戦略特区で国際化を目指すことに意味はない」とし、「日本医学会としても強く反対する」と述べた。

先日も紹介しました通り、既得権益維持にはかねて非常に熱心な日医あたりが反対すると言うのはまあ当然に予想されたことなのですが、一応その根拠となるデータとして5年前と比べて医師求人倍率が悪化しておらず求人倍率は低下傾向となっており、今後も医学部卒の医師供給が増加していくことから「現場の医師数不足はかなり明確に改善していく」と言う見通しを示しているようです。
もちろん現在の医療体制では医師数を増やし診療を手広く行うほど報酬も増え経営的に改善していくと言うことから、儲けようと思うならば医師ら専門職スタッフは多ければ多いほどいいと言う考え方もあると思いますが、一方で今後地域医療計画に基づいて病床数配分が半ば強制的に行われるようになってきますと、名前だけの急性期から慢性期へと転換を強いられる施設も増えてきそうです。
かつて例の7:1看護基準導入で各地のなんちゃって急性期病院が看護師を抱え込んだ結果、全国的に看護師不足が顕在化したことは記憶に新しいところですが、その必要がない施設が医師を抱え込めば必要医師数などいつまでたっても充足出来ないのは当然で、その意味では総数が充足した後には様々な観点から賛否両論のある医師計画(強制)配置と言うことの是非に関しても今後議論が進むのかどうかです。
ただそれらは抜きにして今回の医学部の目的ということを文字通りに解釈した場合、今現時点で敢えてこうしたものを巨額のコストとマンパワーを投じてまで新設する意味があるのか?と言う素朴な疑問も感じずにはいられません。

そもそも今回の医学部も特例として認められたと言う理由として通常の医学部とは全く異なる特殊な医師養成機関であると言う旗印を掲げているわけですが、当然ながら国際貢献云々を標榜してはいても医師免許は一種類しかないわけですから、防衛医大卒業生の任官拒否問題などと同様に「当初の目的に反して一般の臨床医として勤務」すると言うことは当たり前に起きそうには思います。
特に医師の場合学生教育よりも卒後教育が非常に重要になってきますが、現在の医療制度では事実上臨床研修を強制化していると言っても実は国内で通常の診療に従事することを前提とした場合の話で、研修を受けなければ診療所開設に自治体の許可がいるだとか、施設管理者になれないと言ったペナルティが設定されているものの、国内で「一般の臨床医として勤務」しない場合には関係ないとも言えます。
逆に言えば国際的に貢献する人材を養成することが目的であって、一般臨床医を育てることはそもそも目的外であるのですから、卒業生には正しい卒後の進路を担保?するためにも初期研修はむしろ受けさせないべきなのかですが、仮にそうした扱いをされた場合に将来の進路に関して非常に限定されることに加え、誰がどこでどうやってまともな卒後教育を行うかと言う課題も残りますよね。
そう考えてくると単に英語で講義をすればいいと言ったレベルの話ではなく、将来どういった世界で働けるのかと言う配慮や担保がなければ卒業生は当座食っていくのにも困ると言うことにもなりかねませんが、あまりに崇高な建学の理念に幻惑されて何も知らない学生が「世界に羽ばたく医者を目指すんだ」と入学してきた結果、卒後の進路で途方に暮れると言うことだけはないよう願いたいものです。

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2015年8月 4日 (火)

少子化の時代に子どもを預けることの難しさ

このところ熱中症による死亡例などが盛んに報じられていて、あちらこちらで被害が続出しているのは非常に気になるところなんですが、その熱中症に絡んで「何故?」と多くの人が疑問に感じたというのが昨年夏に発生していたと言うこちらの事件です。

死亡の乳児 体重1キロ余減る(2015年7月29日NHKニュース)

去年7月、宇都宮市の託児施設で生後9か月の赤ちゃんが高熱を出して熱中症で死亡し、元施設長ら3人が逮捕された事件で、死亡した赤ちゃんの体重が宿泊保育に預けられる前に比べて1キロあまり減っていたことが警察への取材でわかり、警察は元施設長らが水分などを十分に与えていなかったとみて調べています。

去年7月、宇都宮市の「託児室といず」で、生後9か月の山口愛美利ちゃんが宿泊保育中に熱中症で死亡し、警察は施設を経営していた元施設長の木村久美子容疑者(58)ら3人を、保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕しました。

警察によりますと、愛美利ちゃんは3泊4日の宿泊保育中に下痢の症状や38度以上の高熱を出し、4日目の未明に死亡したとみられています。さらに、死亡した愛美利ちゃんの体重は施設に預けられる数日前に母子手帳に記録されていた体重に比べて、1.4キロほど減っていたということです。

生後9か月の女の子の平均的な体重が8キロほどであることから体重の減り方は激しく、警察は気温の高い日が続いた中で木村元施設長らが愛美利ちゃんに水分などを十分に与えていなかったとみて詳しく調べています。

警察の調べに対して、3人は「医者に連れて行くような症状ではないと思った」などと供述しているということです。

生後9か月の赤ちゃんの体重が短期間に1キロあまり減っていたことについて、自治医科大学小児科学講座の小坂仁教授は「生後9か月の標準的なお子さんで1.4キロ減るということは、体内の水分の15%くらいを失っている状態で、命に危険が及ぶ状況です。それだけの脱水になると、普通に子どもを見ていれば危険が十分に分かるはずだ」と話していました。

まあ今の時代には何が普通かと言うことは非常に個人差もあるところで、現に毎年子どもが熱中症でこれだけ大変なことになっているのですから「普通に見ていれば」と言うのもあまり意味がないコメントなのかなと言う気がするのですが、やはり託児室として子どもを預かっている以上は一般家庭よりも注意深く見守っているだろうと言う期待感はあるのだろうし、いささかお粗末なケアであったと言う批判は出来るのかも知れません。
ただ多くの方々がこの記事を読んで疑問に感じたというのが「そもそも何故こんな小さな子どもを宿泊保育に?」と言う点で、もちろん各家庭それなりの事情があってのことなのでしょうけれども、やはり個体差の大きい小さな子どもの場合なるべくであるなら普段の状態を知っている家族がケアをするのが安心だろうと言う考えは理解出来ます。
こうしたケースの場合、例えば親が急に入院することになった等々様々なやむを得ない理由がある場合も多いと言うのですが、もちろん急にどうしてもと言う事情があった場合は仕方がないにせよ、親なら幼い子どもがいる間は育児最優先でやるべきだと言う世間の風当たりの強さを改めて感じられたようには思いますね。
もちろん育児のあり方も歴史的文化的背景と言うものもあって、いわゆる進歩的な考え方ばかりが万事優れていると言うものでもないのでしょうし、今後若年世代が親との同居率が再び上がることで家庭内介護力がどうなっていくかは興味深いテーマでもあるのですが、少しばかり気になるのは制度的な問題によって育児が親にとって大きな負担にもなりかねない状況があるらしいと言う点です。

「育休で退園」差し止め認めず(2015年7月28日NHKニュース)

育児休業の取得を理由に、保育園に通っている上の子どもを退園させる制度は違法だとして、子育て中の親が所沢市に退園の差し止めを求めた仮処分の申し立てについて、さいたま地方裁判所は、「市は、保育園の継続が必要と認めた親には、継続できる方針を示している」などとして訴えを退けました。

この問題は、所沢市が今年度から親が育児休業を取得した際、すでに保育園に通っている2歳児以下の上の子を原則として退園させる制度を新たに設けたのに対し、子育て中の17人の親が、「保育を受ける権利を侵害し、違法だ」などとして裁判所に退園の差し止めを求める仮処分を申し立てていたものです。

これについてさいたま地方裁判所の志田原信三裁判長は、「市は、保育園の継続が必要と認めた親には継続させる方針を示しており、これを適正に適用すれば法の趣旨に反する事態は生じない」などとして28日までに仮処分の申し立てを退けました。

これに対して訴えた親と弁護士が記者会見し、「継続させる判断基準が不明確なうえ、公平に審査されているかも疑問で、決定は不当といわざるを得ない」などと批判し、仮処分とは別に、退園の差し止めを求めている裁判で改めて争っていく考えを示しました。

一方、所沢市の藤本正人市長は、「市の主張が認められたものと考えます。今後も適正な運用に努めて参ります」とコメントしています。

記事にもあるように所沢市は今年度からこうした制度を設けた結果非難と批判が殺到しているのだそうで、特に市長が「子供は保育園に行くよりも、お母さんと一緒にいたいはず」と釈明?したことが火に油を注いだとも言うのですが、まあしかし育児休業が終わればまた保育所で預かりますと言うくらいなら、最初から継続して預かっとけよと思ってしまいそうですかね。
しかし所沢市ばかりが叩かれていますが類似のルールと言うのは他地域でも以前からあるのだそうで、一つには保育所の数が足りないための待機児童問題と言う物理的制約ももちろんあるのでしょうが、もともと国の通達では保護者が育児休業中は原則的に保育所入所を認めないと言う不思議なルールになっていたと言い、さすがに問題だとされたのか平成14年頃から段階的に柔軟な運用を求める通達が出てきていたようです。
ただ状況を考慮し柔軟に対応をと言われても、入所の可否を判断する市側が駄目だと言えば入所できないわけですから、自治体の財政状況や保育所の空き状況などによってその都度判断されるとなれば親としても長期計画が立ちませんし、そもそも今の時代共働きが基本である上に、これだけ国を挙げて少子化対策を言っている時代に行政の対応がこれではおちおち子どもも生んでいられないと考える親も多そうです。
一方で行政側としては現実的に限られた予算と施設容量、マンパワーで最大限多くの住民の利益になるよう努力してきたと言う自負もあるのだろうし、実際に以前から同様の運用がされてきた他地域では所沢市のような大騒ぎになっていないわけですから、行政サービスの不利益変更に関してはとかく住民の反発を招きがちだと言うことも出来るだろうし、いささか制度改変を急ぎすぎたと言う批判は実際にも少なからずあるようです。

ちなみに産休、育休を取得しても継続的に子どもを預かってもらうためには保育継続入所申請書と言うものを書いて提出しなければならないのだそうですが、この審査はまずは保育所側がその子を引き続き引き受けるべきか、それとも新規に待機児童を引き受けるべきかを判断し、しかるのちに自治体側が地域性なども考慮し判断すると言う二段階の審査になっていると言います。
申請書には継続理由と言うものを書く欄があって、如何に保育継続が必要であるかを丁寧に詳細に書き連ねることが審査に通るコツだと言う噂もあるようですが、もちろん保育を継続されなければ生活が成り立たないし、祖父母等親族による代替手段もないと言った事情があれば書いておくのはいいとして、実際のところ保育所にしても自治体にしてもどこまで真面目に書類を審査し、裏取りの確認作業を行っているのかです。
今回の裁判でも問題になっているように判断基準や審査の実際は明らかにされていないわけで、何しろ各家庭内の事情などは仮に個人情報保護の壁を突破出来ても真面目に調査するなら膨大な作業量になるはずですから、単純に何かしらの数字基準に従って機械的に作業が進められている可能性も大いにありそうですが、こういう時代だけに「実は親と保育所との関係が一番重要」と言う噂には何やら頷けるものがあるようにも感じます。

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2015年8月 3日 (月)

やればやるほど損になる行為を普通の人は続けない

かつて注射針を使い回ししていた時代があって、学校の集団予防接種で特定地域内の特定学年の学童がその後揃って肝炎を発症した、などと言うあまりうれしくない話もありましたが、当時は「2、3人打ってちょっとなまくらになってきた針の方が痛くない」などと得々と事情通を気取る学童もいたとかいないとかで、感染防止意識の高い医師でもせいぜい一人打つ毎に針に消毒用エタノールを通す程度だったと言う話を聞いたことがあります。
もちろん血液などの体液を介して感染する疾患が少なからず見つかっている今の時代、かつてはリユーサブル(再利用可能)であったものであっても次々とディスポーサブル(使い捨て)製品が当たり前になってきているわけですが、一般的にディスポで使い捨て出来ると言うくらいですから安価なものかと思ってしまうと、これが案外お安くなかったりするからこういう事件も起きるのでしょう。

使い捨てカテーテル再使用 神戸大病院「滅菌すれば…」(2015年7月30日朝日新聞)

 神戸大学医学部付属病院(神戸市中央区)は30日、不整脈を治療する際に心臓内部に入れて用いる、使い捨ての「電極カテーテル」を、滅菌処理して再使用していたと発表し、謝罪した。厚生労働省が再使用を禁止していた。再使用した可能性のある患者は少なくとも337人にのぼるが、今のところ健康被害は確認されていない。

 病院によると、循環器内科の不整脈治療スタッフらが少なくとも2010年度から、保険診療の範囲を超える本数が必要になった際に、一回きりで再使用していた。肝炎などに感染した患者に使ったものは再使用していないという。今春着任した滅菌処理の担当者が気づき、院内に調査委員会を設置して調べていた。

 同科の平田健一診療科長は「保険では3、4本までしか使えず、それ以上は病院負担になる。滅菌すれば安全なので使ってしまった」と話した。(略)

カテーテル300人に再使用、滅菌は実施 神大病院5年間に(2015年7月30日神戸新聞)

 医療用カテーテルを国の通知に違反して使い回していた問題で、神戸大医学部付属病院(神戸市中央区)は30日、使い回しは記録が残る2010年度からの約5年間に296人に実施し、41人にその疑いが否定できなかった、と発表した。保険診療で定められた本数を超えて治療する場合、診療報酬が受けられないため、担当医の判断で滅菌して使い回していた。10年度以前にも使い回しの可能性があり、同病院は調査を続ける。

 同病院によると、今年4月に着任した医療器具の滅菌担当者が使い回しを知り、院長に連絡。病院が調査した結果、循環器内科の不整脈治療を担当する医師らが使い回しを認めた。現時点で健康被害は確認されていない。

 カテーテルは1本約20万円。同病院循環器内科の平田健一診療科長は「国の通知に沿い、カテーテルの添付文書にある再使用禁止を守らなかったのは反省すべき」と謝罪した。

 同病院は6月に近畿厚生局と神戸市保健所に調査結果を報告。両者は7月13日に臨時の立ち入り検査を実施し、再発防止策を求める行政指導をしたという。(略)

このニュースを読んでもちろん大学病院が何と言う馬鹿なことを、と非難する声が多いのですが、使い捨てのカテーテルが一本20万と聞いて驚いたと言う声も少なからずあるようで、確かに日本の医療機器はちょっと価格設定的にどうなのかと言う気はしますでしょうか。
もちろん高価だからとカテを再利用すると言うのもどうなのかと思うのですが、記事にもあるように認められた本数だけで終わらない処置もままあると言うことであれば、一本余計に使うたびに20万円づつ赤字がかさんでいくというのは確かに病院にとっては痛いことではあるのでしょう。
こうした場合赤字になることは一切しないと言う経営感覚を持っている医師ばかりなら医療財政ももう少し好転しているのかも知れませんが、はっきりしって大学病院の医師のように最も経営のことを考えていなさそうな方々がこうした行為に走っていたと言うのは少しばかり意外な気もするところで、そんな無駄なリスクを冒しても別に給料増えるわけでもないだろうにと思ってしまいますが、神大病院ではまた違った事情でもあるのでしょうか?
国にしても感染防止のためにはディスポがいいと言うのであれば、きちんとそれで赤字にならずに済むような診療報酬を設定すべきなんだろうと思うのですが、この辺りの診療報酬設定の現場感覚に沿わないおかしさと言う点で、先日こんな記事が出ていたことも紹介してみましょう。

「手術時間短縮で減点」回避へ、今秋に要望 ( 2015年7月29日医療維新)

 外科系学会社会保険員会連合は7月28日の会見で、2016年度診療報酬改定に向けて、手術後の生存期間や手術時間短縮、医療紛争リスクなど、新たな5つの評価軸を、今秋まとめる予定の外保連手術試案8.3版に盛り込む方針を明らかにした。2014年度改定では、帝王切開手術の点数が、手術時間が短縮した結果、「人件費などが減った」などと受け止められ減点も起きていて、適正な評価につなげたい考え。
 また既に2016年度改定に向けて、厚生労働省に対し、452項目の改定要望を出していて、瀬戸康之実務委員長は、要望の採用を増やしたい考えも示した。

帝王切開手術の引き下げが契機に

 外保連手術試案は、2010年度改定から診療報酬改定の参考資料として用いられるようになり、8.2版までは、手術について、「人件費」「技術度」「手術時間」「医療材料」の4項目を評価軸として活用されてきた。結果として、2014年度改定では、帝王切開手術をはじめとして、手術時間の短縮が救命や予後改善につながる手術において、人件費などの観点から引き下げられる事態が起き、問題になっていた。外保連の岩中督会長は、「(手術時間の短縮などの)背景を発信しないといけない。頑張った結果が、マイナス改定はおかしい」と、今回の検討経緯を説明。

 外保連では、2014年から、川瀬弘一氏を座長とする新たな評価軸を検討するワーキンググループを立ち上げて、検討を続けてきた。このほどまとまった評価軸は、(1)手術を行うベネフィットのスコア化の策定(生命維持・延命効果、QOLの維持・改善効果、医療資源の有効活用)、(2)医療紛争リスク、(3)手術中の緊急度(レベル別、エビデンスの有無により3段階に分類、(4)2つの命を扱う手術、(5)費用対効果――の5項目。これらは、これまで用いていた4項目とは異なり、全ての術式に対して適用するのではなく、該当する術式のみに評価軸として使う。今後、外保連の加盟学会に対し、該当する術式を募集し、手術試案8.3版に入れ、改定の際に評価を求める。ただし、評価点数までは示さない見込み。
(略)

在来線が新幹線になれば普通世間では高い特急料金が加算されるのが当たり前に受け入れられている中、医療の世界では「乗っている時間が短くなったんだから料金も安くなって当然だろう」がまかり通りのですから何とも良心的な顧客重視の姿勢と言うべきですが、特に産科領域などは基本的に保険診療外の業務であるわけですから、儲からないものはやめようと言う判断がまかり通れば結局顧客利益につながるのかどうかです。
この帝王切開手術の報酬引き下げについてはそれなりに長いバックグラウンドがあって、そもそもは平成19年に日産婦が出した提言で「努力目標としては30分以内に帝王切開が可能な体制を目指していく」と書かれていたことがそもそもの発端とも言え、この後「緊急帝王切開は30分以内に行われなければならないと学会がガイドラインを示した」と言う30分ルールなるものの誤解が全国に広まっていったとも言えます。
当時からすでに「そんなことが可能なのは一部施設だけで、ほとんどの施設では2時間ルールがせいぜい」だと散々に言われたものでしたが、ある意味では予想通りにこの提言を引用し横浜地裁で「帝王切開決定から施術までに1時間以上を要したので、子どもが仮死状態で生まれ脳性麻痺になった」と一億四千万円の損害賠償が認められた判決が出されたわけですから、それは産科医も頑張って帝王切開を一分でも早くと努力するでしょうね。
こうして手術の時間も短くなった、よかったと思いきや、国からは「そんな短時間で済む簡単な手術ならもっと診療報酬減らしてもいいよね?」と点数カットされたのでは泣くに泣けないとはこのことですが、ここでも「無駄な検査や治療をしない名医ほど報酬が少なくなる」と言う古来言われる出来高制の矛盾点などと同様、診療報酬と言うもののあり方に疑問を感じずにはいられないところではあります。

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2015年8月 2日 (日)

今日のぐり:「ラーメン 匠」

遠いアフリカで起きた一つの事件が、世界中で話題になっていることをご存知でしょうか。

「ジンバブエで最も有名なライオン」を射殺、頭を切り落とす ハンターに非難殺到(2015年7月29日ハフィントンポスト)

7月に「ジンバブエでもっとも有名なライオン」として親しまれていたライオンの「セシル」が射殺され頭を切り落とされた状態で見つかった事件で、地元当局はアメリカ人の歯科医師が事件に関与していたとの声明を発表した。

ウォルター・パルマー氏はミネソタ州のブルーミントンの歯科医師で、13歳のライオン「セシル」を狩猟するのに約680万円を支払っていた。テレグラフが報じた。「セシル」は、狩猟が禁止されているワンゲ国立公園から、近隣の狩猟区域に肉を使って誘い出され、矢を撃たれて弱らされたとみられる。その後、ライオンは40時間にわたって追跡され、最後はライフルで射殺された。
ジンバブエの観光局は28日、ツイッター上で「セシル」を射殺したのがパルマー氏であることを発表した。投稿には「違法な狩猟」を意味するハッシュタグ「#illegalhunt」が添えられた。
パルマー氏が働く歯科病院の電話は、彼の名が公にされてから不通状態が続いている。また、アメリカのレビューサイト「Yelp」上の彼の歯科病院のページには、批判のコメントが殺到している。
パルマー氏のスポークスマンはガーディアン紙に対して「(パルマー氏は)一連の出来事に困惑している」と述べた。
「私が知る限り、ウォルターは自分が射殺したライオンが『セシル』だったのかもしれないという事実を認めています。しかし、彼は許可を得て、プロのガイドを雇い狩猟しました。彼はセシルを射殺したことについては否定していません。彼は猛獣狩りの愛好家で、世界中で狩猟を行っています」

ジンバブエ・プロフェッショナル・ハンター・ガイド協会はFacebook上で、セシルの狩猟に関わった猟師が同協会の会員であり、当該の猟師からは永久に会員資格が剥奪されたことを発表した。テオ・ブロンクホルストと呼ばれるこの猟師と狩猟が行われた土地の所有者は地元当局により逮捕され、8月6日に裁判が予定されている。
ブロンクホルスト容疑者は「成熟した立派なライオンだった。(ライオンが)名の知れたライオンであるとは知らなかった。狩猟が行われた地域での弓矢の使用許可証は持っていた。」と述べた。
アフリカライオンはIUCNが定めるレッドリストに「絶滅の恐れのある種」として指定されており、国際的な野生動物の保護条約であるCITESによって保護されることが規定されているが、いくつかの国では狩猟が許可されていた。

パルマー氏が狩猟で非難を浴びたのは今回が初めてではなかった。2008年にも、パルマー氏はウィスコンシン州でアメリカグマの狩猟に際して虚偽の申告を行ったとして、1年間の保護観察処分と約36万円の罰金を言い渡されている。
パルマー氏が今までに行って来た狩猟のいくつかは、ネット上で写真が公開されている。
パルマー氏は28日の午後、セシルの死に対して「深く後悔している」と発表した。また、彼は事件に関してジンバブエ、アメリカのいずれの当局からも接触を受けていないが、捜査に関する質問などには協力する意向だという。
声明は以下の通りだ。「一連の旅行は全て合法で、適切な処置に則って行われたと認識している。私が狩猟したライオンが、地元で良く知られた、人気のあるライオンだったことは全く知らなかった。合法的に狩猟を行うため、地元のプロのガイドの指示に従った。私が自分の趣味を追求し行ったことがこのライオンの命を奪ったことを深く後悔している」

なかなかに法の隙間をついた計画的犯行であるかのようにも聞こえるのですが、いずれにせよ当事者が今後どのような法的、社会的制裁を受けるとしても、死んだライオンにとっては文字通り別世界の出来事になってしまいましたね。
今日は亡くなったセシルに哀悼の意を表して、世界中から生き物たちの不本意な死と言うことに関わるニュースを取り上げてみたいと思います。

セリは嫌? 食肉センターで牛が体当たり 64歳男性、巨体800キロに襲われ重傷(2015年7月29日産経新聞)

 28日午前11時ごろ、兵庫県加古川市志方町志方町の加古川食肉センターで、同県西脇市黒田庄町西沢のパートの男性(64)が倒れているのを、同センターの職員が発見し119番した。

 男性はウシに体当たりされたとみられ、腰の骨を折るなどの重傷。

 加古川署によると、当時、センターでは和牛のセリが行われており、男性はセリにかけるためのウシ4頭を西脇市内から運び込んだ。トラックから係留場所に移動させていたところ、このうち1頭(約800キロ)に背後から体当たりされたとみられ、同署が詳しい原因を調べている。

それは牛にとっては生死のかかった大事な局面ですから必死にもなろうと言うものでしょうが、しかし何とも珍しい事件ではないかと言う気はします。
ネコと言う生き物は少々の高所からの転落も平気な柔軟性を備えていますが、どの程度までなら大丈夫なのか?と言うこんな話があります。

フライングキャットシンドロームって知っていますか?高所から落ちる猫の危険について。 (2015年6月10日ペット生活)

フライングキャットシンドロームという言葉を聞いたことがありますか?
別名、ハイライズ症候群、猫高所落下症候群とも言われ、高所から飛び降りてしまう猫の症状のことをこのように称しています。
(略)
どの高さからが危険なのかは、猫の運動能力や落ちた場所の状況にもよりますので、はっきりした数字では表現できませんが、一説によれば、2階~3階の高さから落ちるよりも、3階~7階の高さから落ちる方が生存率は高いと言われています。
これは高さが中途半端だと、体勢を立て直す時間がないからで、逆に高さがあると体勢を立て直す時間があると同時に、体を広げてムササビのように飛んで空気抵抗で落下速度を落とせるからだと言われています。
とはいえ、2階の高さからの落下で骨折する猫もいますので、「ウチは5階だから大丈夫」などと油断するのは止めましょう。
落ちた場所が悪ければ、脚の骨折、捻挫、靭帯損傷、肺など内臓損傷などの危険があり、決して「高いから安全」と言う訳でないのです。

フライングキャットシンドロームは何故起こる?

猫がフライングキャットシンドロームに陥る原因はいろいろと推定されていますが、一番多いのが、飛んでいる鳥や虫を獲ろうとして誤って落ちてしまうのではという説です。
猫は獲物を目で追う習性がありますが、飛んでいる鳥や虫との距離が掴めず、落ちることがあるのだそうです。
しかしながら、犬などはそもそも高いところに登る習性がないため落ちることもない訳で、それを考えると、猫は高いところでバランスを取る能力があるからこそ、落ちることもある…という解釈もできるのではないでしょうか。
(略)

しかし意外と死なないものなのだなと言う気もするのですが、この点に関しては非常に個体差が大きいものだそうですので、くれぐれも高所落下にはご用心下さい。
世界的に絶滅が危惧される生き物と言うものは少なからずいますけれども、その危惧度の高さではかなりマックスなのがこちらの生き物です。

チェコの動物園でキタシロサイ死ぬ、地球上に残り4頭(2015年7月29日AFP)

【7月29日 AFP】チェコの動物園で27日、絶滅寸前のキタシロサイのうちの1頭、31歳の雌のナビレ(Nabire)が死んだ。ナビレの死により、世界で生き残っているキタシロサイはわずか4頭となった。

?チェコ北部にあるドブール・クラーロベ動物園(Dvur Kralove Zoo)が28日に発表した声明によると、同動物園生まれのナビレは、嚢胞(のうほう)破裂の合併症で死んだ。

?同動物園の園長は、「彼女(ナビレ)の死は、人間の非常識な強欲さによるサイの個体数の壊滅的な減少を象徴している」と述べた。

?世界自然保護基金(WWF)によると、キタシロサイはその生息地であるアフリカにおいて角目当ての狩猟や密猟、さらには紛争などにより絶滅寸前に追い込まれた。

?ナビレの死により、世界で生き残っているキタシロサイは、米サンディエゴ(San Diego)の動物園で飼育されている高齢の雌ノーラ(Nola)、ケニアのオルペジェタ(Ol Pejeta Conservancy)自然保護区の高齢の雄のスーダン(Sudan)と雌のナジン(Najin)、ナジンの子で雌のファトゥ(Fatu)のわずか4頭となった。

?ドゥブール・クラローベはこれまでに世界で唯一、飼育下でのキタシロサイの繁殖に成功した動物園。オルペジェタ自然保護区のキタシロサイは、自然環境での繁殖を促すため、2009年にドブール・クラーロベ動物園から同保護区に移送されたものだが、繁殖の可能性は低くなっている。

なんでそんなに分散配置しているんだと言う素朴な疑問もあるのですが、しかしこういう希少生物にこそクローン技術を活用すべきなんでしょうね。
夏に鬱陶しい生き物と言えばあれですけれども、幾ら何でもこの撃退法はいささかどうよ?と思われるニュースが出ていました。

蚊の侵入を許さないレーザー光線防衛システムが未来的すぎる!自宅に仮想防御壁を構築(2015年7月25日週刊アスキー)

 寝苦しい夏の夜をさらに不快にさせるのが、あの「プーン」という不快な羽音とともに現われる蚊です。退治するまでおちおち眠れないのはもちろん、蚊の侵入に気が付かないと朝にかゆ~い虫刺されが待っています。

 米インテレクチャル・ベンチャーズ社は、蚊などの害虫をレーザー光線で撃ち落とす『Photonic Fence』を発表しました。このシステムはビデオカメラで蚊などの害虫を識別し、光学センサーで仕切った仮想防御壁を越えて侵入した害虫にレーザー光線を照射して打ち落とします。

 自宅を光学センサーの仮想防衛壁で囲んでおけば、もはや蚊の襲来に怯える夜は過去のもの。同社はマラリアなどへの感染予防手段としても効果的としています。いやはや、素晴らしくも恐ろしいシステムです。

元記事の動画を見る限りでもその恐ろしさが判ろうと言うものですが、しかしこの装置の誤作動による被害の方が恐ろしい気がするのは自分だけでしょうか?
最後に取り上げますのはご存知ブリからのニュースなんですが、亡くなってしまったのは彼自身の最愛の息子だったと言う悲しむべきニュースです。

英国 去勢手術から目覚めた猫「私のアレは?」、ショックを受ける(2015年7月25日新華ニュース)

海外メディアによると、「私のアレは?」は、写真を撮られたときの猫のMiloちゃんの心の声だろう。イギリスに住むこの6カ月の猫は、去勢手術から目覚めて、股間を見てショックを受けたようだった。

Miloちゃんの飼い主によると、Miloちゃんは約1時間をかけて何があったか分かったようだったという。自分の「アレ」がなくなったことで、金切り声を上げ、股間を長い時間見ていた。

その状況は元記事の写真を参照いただきたいと思いますが、それは目が冷めた瞬間に大事な息子が永遠に失われてしまったと知れば、男なら誰しもショックは受けるだろうと思うのです。
やはりネコにとっても親子の情愛と言うものは大切なのだと改めて実感すると共に、彼の息子に対して心からの哀悼の意を表したいと思いますね。

今日のぐり:「ラーメン 匠」

福山界隈で豚骨ラーメンと言えば昔から「とんとん」が有名ですが、こちらの店舗もなかなかうまい豚骨ラーメンを出すと人気の店です。
一方でこちらの一押しメニューは実は元々のメインメニューだったと言う塩ラーメンだとも言い、今回はその塩ラーメンをネギ、もやしトッピングで頼んでみることにしました。

さてその塩ですが、久しく訪店していなかったので味を忘れていたと言うことなのでしょうか、一口食べて記憶にある昔の味とかなり違う?とも感じたのですがどうでしょうか。
こちらの塩は魚の味をここまで効かせると少し好みは別れるのかも知れませんが、あっさり塩ラーメンのスープとしてかなりレベルは高いと思います。
とんこつラーメンと共通なのか、この細麺は最初ちょっと物足りないかと思ったのですが、このスープをメインで味わうには悪くないんでしょうか、ぶっかけうどんとぶっかけそうめんの違いみたいなものですかね。
ちなみにトッピングとしてはこの場合風味の強いネギよりも、もやしの方が合うのかなと思ったのですが、まあ何にしろ満足できる一杯でした。
しかし昔はここの「とんこつしぼり」がうまいと思っていたんですが、この塩がちょうど頃合いに感じる今だととんこつはもう食べるのがきついんだろうなとしみじみ思いましたね。

一見しておしゃれな店舗に対してスタッフは男所帯で色気はないんですが、かつての家族経営的なノリから接遇はかなりシステマチックになった印象を受けました。
見た目的な小綺麗さからか女性客にも入りやすいようなんですが、しかし深夜一人でラーメンをすする女性の背中と言うのはなにかこう、言いしれぬ哀愁が漂うものなんですね…

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2015年8月 1日 (土)

人間が運転しない方が車は安全?

先日大阪で起こった何とも奇妙な事故について、こんな続報が出ていたと話題になっています。

恐怖の“デロリアン”走行の男性、「認知症のため」不起訴…大阪地検(2015年7月27日産経ニュース)

 大阪市の阪急京都線で線路内を車が約1・3キロ走行した事件で、電汽車往来危険容疑で逮捕された愛知県安城市の無職男性(73)について、大阪地検は過失往来危険罪に切り替えた上で、「認知症のため」として不起訴処分(起訴猶予)とした。処分は21日付。

 府警によると、男性は8日夜、南方駅(同市淀川区)近くの踏切から軌道内に進入。約1・3キロ走行し、崇禅寺駅(同市東淀川区)近くの踏切から外に出た。男性は逮捕された際、「どこから線路内に入ったか覚えていない」などと説明していた。

もちろん刑事罰が科されなかったと言うだけで、免停など行政処分はきちんと取られたのだろうとは思うのですけれども、あまりに衝撃的なその暴走ぶりから今回の不起訴処分と言う流れに「こんなのが道路を走ってるとは怖すぎる」と言う声が少なからずあると言うのもまあ、理解は出来ると言うものでしょうか。
昨今では高速道路の逆走事故などもたびたび話題になっていて、明らかに高齢者に多いと言いますからこれも何かしら認知症などが関係している部分もあるのでしょうが、若年者であっても起こさないわけではないところを見ると「短距離ならいいだろう」と言った心理でも働いているのか、ともかく皆がルールを守って走行していると言う前提が崩れると非常に危険であると言うのは誰でも判ることですよね。
こうしたヒューマンエラーによる事故対策の切り札として一部で熱心に推進されているのが自動運転と言うもので、単に運転手が楽をすると言うだけではなく事故を減らす効果も期待出来るんじゃないかと言う期待感に加え、運転が効率化されることで温室効果ガスの大幅削減にもつながるとバラ色の未来絵図も語られているのですが、一方でこんな意外な事実が報じられ話題になっています。

6年間でもらい事故14件。Google の自動運転車が追突され初の負傷者(2015年07月21日engadnet)

7月1日、Google が開発を進める自動走行車のテストカーが後続車に追突され、乗っていた社員3名が負傷する事故が発生しました。社員は軽いむち打ちの症状を訴え病院に運ばれましたが、その日のうちに帰宅しています。

Google は、自動車事故の94%がヒューマンエラーによるものとしており、自動運転こそ安全で信頼のおける方法と説いています。
Google の自動運転車としてはじめて負傷者を出してしまったのは、各種センサーと自動走行システムを装着したレクサス RX450h。Google は自動走行のテスト車両を32台制作しており、そのうち23台をレクサス RX450h が占めています。

Google は2009年から自動運転車を開発していますが、これまでに14回の事故に遭遇しています。そして、そのうち11件が後続車に追突された事故とのこと。
自動運転車プロジェクトのリーダー、クリス・アームソンは「他のドライバーが道路状況に注意を払わないため、我々は驚くほどの事故、特に追突被害に遭っている」と嘆く一方、「自動走行車の過失で発生した事故は1件もない」と胸を張ります。
Google が公開した事故の様子を再現した動画では、前方で信号が赤になり、前の車に続いて自動運転車が停止します。ところが自動運転車の後ろの車はブレーキを掛ける様子もなくそのまま追突しているように見えます。

アームソンは「追突事故の際、相手のドライバーは前方を見ておらずメーターパネルや他の何かに気を取られていることがほとんど」と語ります。また交差点での自転車の巻き込み事故を例に上げ、「自動運転車なら360度全方向を常に確認し続けることができ、100%注意を切らすことはない」と自画自賛しています。
しかし走行台数が多いとはいえ、6年間に被害事故ばかり14度というのも、やはり多いような気がします。相手の不注意だというのは簡単ですが、もし自動運転車が不自然な挙動を示したために、後続車の判断ミスを誘っているとすれば、たとえ過失はなくとも改良すべき点はありそうです。 
また追突事故が多いとわかっているなら、自動運転車の後部に車間確保を促す表示をしたり、電光掲示板を使ったメッセージを表示するといった対策もできそうです。しかし、実際にそうした追突防止策を施したという発表はありません

Google は「自動車事故の94%が人の判断ミス」としており、「自動車がすべて自動運転になれば安全」というスタンスで自動運転システムを開発しています。アームソンは「事故になりそうな運転パターンをデータとして大量に収集し、運転アルゴリズムに組み込めば、類似パターンを解析して事故を避けられるようになるかもしれない」と語っています。
もし Google が日本で公道テストを開始し、路上でその車を見かけた場合は、(事故データを提供する側になりたくなければ)車間距離だけは多めにとっておくのが良さそうです。

元記事の再現動画を見る限りでは確かに後続車が何も考えずに突っ込んでいるように見えるのですが、確かに同じようなもらい事故ばかり起こしていると言うのも何とも奇妙な現象であり、そもそも何故こんな事故が起こるのか後方カメラを積んだりして解析してみるべきなのかも知れませんよね。
一般的に車の運転には暗黙のコンセンサスとして成立している一種のリズム感があって、初心者ドライバーなど法規的には正しいけれども周囲とのリズム感が狂っている動作と言うものは他車の困惑、混乱を招きやすいものなんですが、あるいは自動運転車には何かしらこの種の独特の癖のようなものがあって、それが追突事故を誘発する原因になっているのかも知れません。
ただ最近報じられた記事として、近年自動車にもどんどん電子デバイスが搭載されていくのはいいとして、それら電子デバイスもまたハッカーに狙われ車の運転までも外部からコントロールされてしまう恐れがあると言うことで、自動運転車などと言う複雑なシステムがハッキングされてしまうとどんな事故が起こるか判りませんし、システムエラーなのかハッキングによる妨害行為なのか解明するだけでも大仕事ですよね。
そうした事情を考えると当分の間は自動車専用道路など、非常にシチュエーションが限定される環境でだけ使われるべき技術なのかも知れませんが、何故か高速道路で人を轢く事故が少なくないと言うくらいで実社会では何が起こるか判らないだけに、まずは無人走行の車同士によるレースでもやらせてみて速くて正確な運転技術をアピールすると言うのもおもしろいかも知れませんね。

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