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2015年7月 1日 (水)

少子化対策のために若者はもっと暴走すべき?

先日ちょっとした話題になっていたのですが、こんなサービスがあって一部の方々から熱烈な支持を得ているのだそうです。

「ひとりぼっち婚」で究極の花嫁に? 「ふっきれた」と女性〈2015年6月14日AERA〉

 結婚したい。でもできない。世間からのプレッシャーや結婚願望との格闘の末、ついに解脱した勇者たち。「ひとりぼっちの結婚式」の先に見えた景色は──。

「ああ、女の子に生まれて良かった
 幼い頃から恋い焦がれたウェディングドレスに包まれて、思わず声が出た。その手が握りしめていたのは、これから夫婦になる愛するダーリン……ではなく、ファン歴29年になるシンガー・ソングライター角松敏生のパンフレットだったけれども。
 杉山友子さん(仮名・49)が体験したのは、今話題の「ソロウェディング」だ。結婚の予定はないが、ウェディングドレスは着たい!というアラサー、アラフォー女子たちの願いを叶えてくれる夢のサービスで、主催するのは京都の旅行代理店・チェルカトラベルだ。1泊2日のプランは、京都駅にスタッフが迎えに来てくれるところから始まり、有名ブランドのドレス選び、フラワーデザイナーとのブーケ作り、ホテルで1泊。翌日、プロのヘアメイクとカメラマンによる写真撮影があり、写真はアルバムにして後日郵送される。料金は、平日32万円なり。昨年6月の開始以降、各地の写真館や結婚式場でも、類似のサービスが急増している。

 埼玉県で医療関係の仕事に就く杉山さん。青春を過ごしたバブル期は、25歳を過ぎた独身女性は売れ残りのクリスマスケーキに例えられた時代だ。杉山さんも結婚願望が強く、専業主婦になって家庭に入るのが夢だった。恋愛は本人いわく「肉食系」。しかし20代後半、真剣に結婚を考えていた人に裏切られ、男性不信になったという。40歳を過ぎた頃から、結婚への憧れも年々なくなっていた
「50歳の大台に乗る前にウェディングドレスだけでも着たいと思いました。だって結婚は、70歳でもできるでしょ」
 ソロウェディング代32万円のほか、交通費、食費などを合わせて計35万円の出費も高くは感じなかった

「今日のプリンセスです」
 スタッフにそう紹介されることから始まるソロウェディングは、まるで夢のようだった。撮影では、追っかけをしている「カドさま」に徹底的にこだわった。松の屏風を背に、角松の置物を置き、手にはお気に入りのツアーパンフレット。出来上がった写真を見た母と兄弟は、角松さんと結婚したんだね、と言って優しく微笑んだという。
 帰宅してからもプリンセス気分が抜けず、バラの花を買う日々が続いた。さらに、職場の休憩室に自作のウェディングアルバム2冊を置いて、啓蒙活動にも励んだ。こんなに幸せな気持ちになれるならと、今後は3年ごとにやりたいそうだ。結婚観は変わりましたか?
このまま独身でいいや、と思うようになりました。憧れていた結婚の象徴であるドレスを着たことで、完全にふっきれたのかもしれません」

こういうのは当事者の感覚的にはコスプレなどとも似たような部分があるものなのでしょうか、これだけ生き方が多様化した時代なのですから別に型どおりの結婚式ばかりではなくても全く構わないんだろうとは思うのですが、注目したいのは決して安くはないこの種のサービスが全国各地でかなり本格的に商売として成立しているらしいと言うことですよね。
やっているのは基本的に従来からの結婚式関連のサービスを提供してきた業界であるようですから、結婚と言うイベントそのものが少なくなってきた中で新たな商売の販路をこちらに見いだしつつあると言うことなのでしょうが、綺麗なドレスを着たいと言う願望はあっても結婚したいと言う願望は全く無いと言うこの種の考え方は、実は決して少数派ではなさそうだと言う調査結果が話題になっています。

「結婚したくない」女性31%で男性のほぼ2倍 日生が独身者に調査(2015年6月15日産経新聞)

 日本生命保険が15日発表した結婚に関するアンケートによると、「結婚したくない」「あまり結婚したくない」と回答した独身者が全体の24・0%を占めたことが分かった。男女別にみると、女性が31・0%、男性が16・3%と女性の比率の高さが目立った

 その理由として、男女とも「1人でいるのが好き」が最も多かった。「結婚にプラスのイメージが持てない」は男性が17・1%に対し、女性は29・0%と高く、逆に、「経済的な不安がある」は男性16・4%に対し、女性が4・2%と低かった。

 ただ、「何となく」との回答も多く、男性22・5%、女性は19・6%にのぼった。

 ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは、「『何となく』の中にある問題をひもとくことが、未婚化や少子化対策の新たなヒントが見つかるかもしれない」とコメントした。調査は4月にインターネットで実施した。


恋愛が面倒… 恋人いない男女の37%「恋人いらない」(2015年6月22日朝日新聞)

 恋人がいない若者の4割弱は恋人が欲しくない――。内閣府が22日に公表した「結婚・家族形成に関する意識調査」で、こんな若者たちの「草食」ぶりが示された。欲しくない理由として半数近くが「恋愛が面倒」という回答を選んだ。

 調査は昨年12月~今年1月、20代と30代の男女7千人を対象に郵送とインターネットで実施。2643人(38%)が回答した。質問によって未婚、既婚に分けるなどして集計した。
 未婚で恋人がいない761人に「恋人が欲しいですか」と尋ねると、「欲しくない」という回答が37・6%に上った。複数回答で挙げた理由は「恋愛が面倒」(46・2%)、「自分の趣味に力を入れたい」(45・1%)が多かった。交際する上での不安(複数回答)は、「出会いの場がない」(55・5%)、「自分は魅力がないのではと思う」(34・2%)と続いた。
 出会いのためにしたいことを複数回答で聞くと、最多は「友人に紹介を頼む」の47・3%。一方、「民間の結婚支援事業を利用」や「自治体やNPOなどの団体の結婚支援事業を利用」は5%前後と少なかった。

 調査結果の一部は、22日に閣議決定された2015年版の少子化社会対策白書に盛りこまれた。(畑山敦子)

じわじわ増える「嫌婚派」 結婚は「人生に重りつける」の声(2015年6月26日朝日新聞)

「結婚するつもりはない」という“嫌婚派”が増えている。趣味を大事にし、恋愛には消極的で、親の結婚生活には否定的。彼らの本音を社会学者の水無田気流(みなした きりう)さんと探った

 内閣府が2014年3月に発表した調査では、未婚男女の7割が「結婚したい」と回答し、うち約半数が「経済的に余裕ができ」れば「結婚を決心する」と答えている。少子化を危ぶむ人たちは、経済問題が未婚の最大原因と考え、「若年層の雇用環境を改善せよ」と声高に叫ぶ。結婚は「したくてもできない」ものととらえられ、「結婚するつもりはない」と答えた人や、経済的に余裕があるのに結婚を決心しない「嫌婚派」は、政策上ではあまり注目されない
 国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査の独身者調査(18~34歳)では10年、「いずれ結婚するつもり」と「一生結婚するつもりはない」の2択で、「一生結婚するつもりはない」を選んだのは男性9.4%、女性6.8%。独身志向は05年の前回調査よりわずかに増え、調査開始の1982年以降で最多となった。
(略)
 調査には結婚のメリット・デメリットを自由に書いてもらった。嫌婚派の男性の意見はシビアだ。
権利が半分になり、義務が2倍になる」(29歳)
「子どもを持つことがメリットにもデメリットにもなり得る」(30歳・会社員)
人生に重りをつけられる」(41歳・会社員)

 社会学者の水無田気流さんは、男性の嫌婚は「自己防衛本能」からきているのではないか、とみる。昭和の亭主関白夫のようにはいかず、小遣いを切り詰められたり趣味を制限されたりと、結婚相手によっては生活の質がガクンと落ちるリスクがある。
「日本は公的な場では女性は守られていないが、私的な関係では女性のほうが守られやすい。生活相談やシェルターは圧倒的に女性向け。男性は安定した家庭を築けないと一気に生活基盤を失ってしまうから、結婚相手を選ぶことに慎重にならざるを得ないのではないか」

バブル終焉以後に育ってきた世代にしばしば共通して言えることですが、人生に夢や希望を抱かずよく言えば堅実である一方で、何事も損得勘定を極めてシビアに判断しそれを行動に反映させていく傾向があるのだそうで、昔から何となく習慣的に続けられてきたことに関しても改めてゼロベースで再検討した結果それは行わないと言った判断が下されることが、近ごろ言うところの「若者の○○離れ」と言うフレーズにも現れているのでしょう。
しかし結婚はともかく恋人が欲しいなどとはある種根源的・生理的な欲求なのかと思い込んでいたのですが、これも別に必要がないしデメリットも多いからいらないと言われてしまうとはあ、そうですかと言う感じで、確かに恋愛以外に幾らでも楽しいことがあって現状に満足していると言うのであれば、わざわざ面倒な対人関係を経てでないとハッピーエンドに結びつかない恋愛と言う行為は非効率かつ不経済ではあるのでしょうね。
前述の調査を見ていて興味深い点として、結婚を望まない人間の比率が実は男よりも女の方が高かったと言うことなのですが、かつての「男は仕事、女は家庭」が当たり前と言う時代であれば女にとって結婚とはまず第一に経済的安定であって、生涯食っていくためにもっとも確実な投資であると言う感覚があったように思います。
必ずしもそうした男女役割分担が固定的ではなくなった時代にあっても、やはり女よりは男の方が大金を稼ぎやすいと言う構図は否定出来ずに残っていたわけで、女にとっては固定経費を減らしつつ収入を二倍以上に増やせると言う点で結婚は非常に経済的メリットがある行為だったはずなんですが、このあたりも不必要な贅沢は求めなくなった世相を反映しているのかも知れませんね。

ちなみに結婚もせずにどうしているのかと言えば、もう一つのキーワードとして昨今「中年パラサイトシングル」と言う言葉もあるのだそうで、確かに今の中年世代の親と言えば高度成長期からバブルへと続く日本経済のもっとも美味しい時期を現役で過ごしてきた世代で金はあるのだろうし、一人暮らしをするよりも経済的にも生活支援の面でもずっと便利で実用性が高いと言うことはあるのでしょう。
こうした状況が言うところの少子化問題にどんな影響を与えるかと言えば決して良い影響ではないだろうと想像するのですが、先日目にした少しばかり興味深いデータとして出生数と中絶数の経年的な推移を追ってみたと言う方がいて、出生数が減ってきているのも当然ながら中絶数、中絶実施率も年々減少の一途を辿っていて、要するに妊娠すらも計画的に行う時代になったと言う見方も出来るかと思います。
昭和時代の終わり頃には性風俗の乱れが言われ、貞操観念が崩れて日本もフリーセックス時代到来か?と言われていた、ところが前述の記事のように今や性交渉の前段階である恋愛すらも面倒くさいと嫌がる人間が増えてきて望まない妊娠自体が激減している、その中で一番着実に安定的に世の中に子供をもたらしているのが実はいわゆる出来婚なんだと言います。
となるとこの出来婚と言うのは決して無計画な性の暴走の果ての偶発的な出来事ではなく、むしろそろそろ産んでもいいと言う判断が先にあってから事に及んでいる方々も少なからずいらっしゃる可能性がありそうなんですが、出産の前段階である恋愛も含め国が行う少子化対策と言うことを考えた場合には、もっと無計画に青く暴走してヤリまくれ!と言うのが実は一番の正解と言うのもちょっと外聞を憚ることなのかも知れずですよね。

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コメント

人の世に欲望あるところ商売のネタあり

投稿: | 2015年7月 1日 (水) 08時41分

中絶の減少は稼ぎの減少だろうから切実だね

投稿: | 2015年7月 1日 (水) 09時12分

結婚したくない女性の割合が男性の2倍というのはよくわかります。
昔と違って結婚しないというのが選択肢の一つとなってしまうと、
それなりの収入があれば、自分のしたいことが制限される結婚ということが
女性は基本自己中なので耐えられないと考えるのでしょうね。
男はそこら辺結構いい加減だから。

投稿: | 2015年7月 1日 (水) 09時32分

結婚する願望は全くなくプリンセス気分だけ消費ってのは、
思い通りにならない恋人を持つ願望は全くなく2次元アイドルに全力投球ってのと似たようなもんかしら

投稿: | 2015年7月 1日 (水) 11時32分

VRがもう一段階進歩してくれば、面倒なリアル恋愛から一気に仮想現実の世界へ流出する人口が増えそうな気がします。

投稿: 管理人nobu | 2015年7月 1日 (水) 12時43分

VRと人工知能でしょ

投稿: | 2015年7月 2日 (木) 10時46分

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