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2015年7月 9日 (木)

年齢以上に元気な高齢者の方々に対する警鐘

この時期毎年のように繰り返される死亡事故のテンプレとも言えるものが幾つかあって、その一つには「パチンコ屋の駐車場に停められた車中で子供が熱中症死」と言うものが知られていますが、もう一つには「台風の最中に田んぼの見回りに出かけた高齢者が死亡」と言うパターンがあって、もはや毎年のニュースのたびに「またか」と言われてしまうような状況ですよね。
いずれもそれぞれに事情もあって行っていることなのかも知れずで、それだけに未だに根絶も難しいのですけれども、このところの事故のニュースを見ていて少しばかり気になる傾向があるように感じられたので、本日はこれら三つのニュースを紹介してみましょう。

1キロ泳ぐ競技の67歳、うつぶせで浮く…重体(2015年07月06日読売新聞)

 5日午前10時10分頃、静岡県熱海市の熱海サンビーチで、水泳大会に出場していた千葉県印西市の男性(67)が、うつぶせの状態で海上に浮いているのを後続の参加者が発見した。

 ライフガードによって救助されて病院に搬送されたが、意識不明の重体。

 静岡県警熱海署などの発表によると、大会名は「第21回熱海オープンウォータースイムレースジャパングランプリ」。男性は1キロを泳ぐ競技に出場し、スタートから約200メートルの地点で浮いていたという。事故当時は約120人が泳いでおり、雨は降っていたが、海は荒れていなかったという。

 同署は、男性が溺れたとみて、詳しい原因を調べている。

トライアスロンの72歳水死(2015年7月6日産経新聞)

 鹿児島県警徳之島署は6日、天城町などで5日開催された「トライアスロンIN徳之島」に出場した神戸市東灘区御影石町、無職、熊谷元孝さん(72)が死亡する事故があったと発表した。水死とみて調べている。

 熊谷さんは5日午前8時20分ごろ、天城町のヨナマビーチ沖約500メートルの海上に浮いているのを大会関係者が発見。病院に搬送され、手当を受けていたが6日午前、死亡した。


新潟・平標山で男性2人死亡 登山道で倒れる(2015年7月5日朝日新聞)

 4日午後0時25分ごろ、新潟県湯沢町三国の平標(たいらっぴょう)山(1984メートル)登山道で、男性2人が倒れていると消防に救助要請があった。県警によると2人は心肺停止状態で、同県南魚沼市内の病院に搬送されたが、5日朝、死亡が確認された。ともに死因は急性心不全で、県警は病死とみて詳しく調べている。

 南魚沼署によると、2人は福島県喜多方市関柴町の会社員、蓮沼芳一さん(61)と同市寺町の会社員、真鍋守男さん(64)。福島県の女性と3人で登山していたが、蓮沼さんが「疲れたから先に登っていてほしい」と言ったため、2人が先に登った。蓮沼さんはその後、登山道で倒れているのを別の登山者らに発見され、連絡を受けた山小屋の管理人が消防に通報した。

 真鍋さんらは連絡を受けて引き返し、蓮沼さんを救助しようとしたが、その最中に真鍋さんも倒れたという。

いずれも共通点としては高齢者であること、そしてかなりハードなスポーツに参加していての事故であると言う点なんですが、想像するにこれだけのことをやるくらいですから普段から年齢に比べて非常に元気であり、またそうであることを内心自慢にも誇りにも思っていたのかも知れません。
こうしたアクティビティの高い高齢者と言うものはもちろん基本的には社会からも歓迎されるものだし、国などもどんどん身体を動かしましょうと推奨しているくらいですけれども、注目いただきたいのはいずれも海や山と言った自然環境の中で発生している事故であって、しかも恐らくは単なる事故ではなく何かしら身体的な不調が事故の原因となったのではないかとも推測される点です。
これが例えばプールやスポーツジムの中で同様に何かしらの発作なりに襲われたと言うことであれば、言うまでもなく直ちに病院に担ぎ込まれて命が助かっていたのかも知れませんけれども、海や山でのこととなればすぐに対応するのも難しいのは道理であって、言ってみれば何もないことを前提に計画を立てた見通しが甘かったと言う厳しい言い方も出来るのかも知れません。

高齢者が年齢相応に体力等も衰えているのは紛れもない事実である一方、特に若い頃からきちんとトレーニングを続けてきている人ほど衰えを認めたくないのか昔の感覚でやってしまうのか、「まだまだこれくらいなら大丈夫だ」と不調を自覚しながら無理をしてしまうのかも知れませんが、やはり様々な基礎疾患を持っていたり身体の各所が老化していると言うことは、負担をかけた際に何かが起こる危険性も高い理屈ですよね。
特に高齢者は脱水に対して鈍感であると言う話があって、水分をきちんと計画的に摂取していかないとこの時期簡単に脱水症になったり、最悪の場合脳卒中等の危険性も出てきますけれども、古い時代の体育教育を受けた方々の中には未だに「運動中は水を飲むな」と言う教えを頑なに守っているのか、水分摂取に全く積極的ではない方々が見られるようです。
体力の落ちた方々はもちろん、元気なようでも何かが起こる可能性のある高齢者はその何かが起こったときにどうするかと言うことまで考えに入れて計画を立てる必要があるんじゃないかと思うのですが、例えば日常の散歩をするにも家から真っ直ぐ遠出したのでは何かあったときに帰れなくなりますから、家を中心に8の字を描くように遠く離れないで歩くようにするなど工夫をしていくことも必要でしょうね。
もちろん過度にリスクを恐れて家に引きこもっていたのではさらに大きな健康リスクを抱え込むことにもなりかねませんから、このあたりはその人なりの状態に応じてどの程度の運動がいいのか、医師など専門家の意見なども参照して考えていくのが本来なのかも知れません。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

周囲に迷惑をかけたかもしれないけれど、死に方としては悪くないかと。

投稿: JSJ | 2015年7月 9日 (木) 07時54分

レミングは増えすぎると海に向かって集団で と申しましてね
人間も増えすぎると 年を取ってから無意識に
このように大自然に死に場所を求めて…
と、書きたいところだけど、あれってディズニーの創作だそうですね。
いずれにしても己を知らないって言って良い程の
自己評価の高さが団塊さん達の特徴だから
この手の話は増々今後増えるんでしょうねえ。

投稿: | 2015年7月 9日 (木) 08時29分

いや、気持ちはいつまでたっても二十歳のままなんですよね。
ま、頭の中身はそれ以下なんですがw

で、実際にハードな動きをさせると体は年齢相応とか、下手すると不摂生のお蔭で非常にアダルトな体力で、臓器が負担に耐えられないと言う。

日ごろトレーニングを行って、自分の体力レベルを知るってのが重要でしょうね。

投稿: | 2015年7月 9日 (木) 09時40分

趣味の最中にポックリ逝けるなんて、理想的な最期だな~
あやかりたいものです

投稿: | 2015年7月 9日 (木) 10時43分

大往生です。

投稿: | 2015年7月 9日 (木) 11時14分

おっしゃる通り亡くなり方としては別に悪いものではないのですが、リスクが高いなら周囲をあわてさせないよう配慮はいただきたいところですね。
いわゆる終末期の意思表明に類似した書式で、何かしらの意思表示をしたカードなりを携行するのもいいのかもしれません。

投稿: 管理人nobu | 2015年7月 9日 (木) 12時52分

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150707-00010001-agrinews-l43
 台風や梅雨時期などに集中豪雨が発生した際、田畑や農業用水路を見に行き亡くなる農家が後を絶たない。
4年前、熊本県山都町の農家、村上陽一さん=当時(79)=は集落で共同管理する農業用水を見に行き亡くなった。
息子の浩一さん(60)は農家が亡くなる事故を報道で知るたび、心を痛める。
豪雨時には農業用水路へ「行くな」、そして「死ぬな」と訴える。

 山都町を流れる幅50センチ程度の農業用水路。2011年8月、大雨警報が出ていた。
昼すぎからの雨がいったん小降りになったころ、父が家にいないことに気が付いた。午後5時半ごろ、
近所の農家が「田んぼ近くの川端に村上さんの軽トラックがある」と駆け込んできた。

 現場に行くと、農業用水路から田んぼや川へ水を流す門が外れていた。その3日後。
1000人近くの消防団員や警察が捜索する中、5キロ離れた滝つぼ周辺から父の遺体が見つかった。

 事故当日、陽一さんは豪雨で農業用水があふれて周辺の畦畔(けいはん)が崩れないよう、
川や田んぼに水を流そうと門を開けに行ったみられる。

 当時は水路をまたいで門を開け閉めしていたため、陽一さんは門を開ける最中に足を滑らせて川に落ち、
流されたとみられている。

・責任感があだ
 なぜ、父は死んだのか――。浩一さんは人形を農業用水路に落とし、どんなふうに流されるのか実験した。
水路に落ちると、どこかに引っかかることなく、一瞬のうちに流される。浩一さんは事故現場の水路を見詰め、
「雨の威力に人間は太刀打ちできん」と強く思う。

 「肥後もっこす」。頑固で一本気な性格を表す熊本弁で、陽一さんは周囲からよく言われていた。
過疎・高齢化が進む地域で、高齢になっても現役で農業に励んだ。亡くなるまでの30年間、
陽一さんは農業用水の水路を守る役割を担ってきた。「自分が農業用水を守る、
他の人には迷惑を掛けられないと思い、雨の中、おやじは水路へと行ったのだろう」と浩一さんは考える。

 事故後、地域住民は水路の門がある場所を点検し、危険な箇所には足場を作るなどの対応をしている。
人が水路に落ちても途中で引っかかるよう、下流に網も設置した。

 浩一さんは今、父に代わって、5カ所の門を開け閉めする役割を担う。地域の農家は豪雨時、
絶対に農業用水の見回りに行かないと決めている。

・114人犠牲
 農家による見回りの事故は毎年発生している。静岡大学の調査によると、
増水した河川に近づいて転落などして亡くなった犠牲者は04~13年の10年間で114人に上る。

 亡くなった人は、農地や地域を守りたい一心で見回りに行ったはずだ。だが、浩一さんは思う。

 「田んぼより命が大切だ。死んだら地域全体が悲しみに包まれる。おやじの死をどうか教訓にしてほしい。
全国の農家に行くな、死ぬな、と言いたい」。(尾原浩子)

投稿: | 2015年7月11日 (土) 00時24分

14日午後5時40分頃、岐阜県高山市奥飛騨温泉郷中尾の西穂山荘から500~600メートルの登山道で、
神戸市の無職女性(90)が座り込んでいるのを同山荘従業員が発見した。

女性は同山荘で1泊し、県警山岳警備隊4人が15日午前11時頃、
新穂高ロープウェイ西穂高口駅まで下山させた。女性にけがはなかった。

発表によると、女性は14日、1人で登山に来て、疲労で動けなくなっていたという。
登山歴は30年で、服装は軽装だった。女性は「ご迷惑をかけて申し訳ありません」などと話したという。
高山署は「確実な登山装備と準備をして、体力に合った登山計画をしてほしい」と呼びかけている。

2015年07月16日 15時35分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150716-OYT1T50114.html

投稿: | 2015年7月16日 (木) 16時40分

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