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2015年7月 3日 (金)

対価をきちんと支払わないのが何故か許容されがちな現場

桂文枝の創作落語に「くもんもん学習塾」と言うものがあって、ヤ○ザが経営することになった学習塾が意外や意外、強面の指導ぶりで成績急上昇だと人気を博すると言う筋立てなのですが、先日それを少しばかり思い出させるこんな記事が出ていたことを紹介しておきましょう。

【参考】生徒のマナーが最悪な学習塾を豪快指導!「地域の守り神」と慕われる暴力団員(2015年6月23日ダイヤモンドオンライン)

いかなる理由があれ反社会的勢力を歓迎するようなことがあってはならないのは言うまでもないことですが、しかしこうした「地域の怖いおじさん」を歓迎する声が出るほどに今の世の中子供達に強面を発揮する人々が減ってきたと言うのは言われているところですし、それに対してどうすべきかと言う方法論を考えるとやはり学校現場での教育とはどうあるべきかと言う点にも話が進んできそうですよね。
その点に関して言われているのが教師が生徒を叱れなくなったのはモンスター親が何でもクレームをつけてくるからだとか、世間でやたらと子供の権利を守れと声高に主張する方々がいらっしゃるからだとか諸説あるようなのですが、その結果妙な権利意識が進展し弊害が出ているのが例えば給食費未納問題に象徴されるような、「義務教育なのに何故払う必要がある?」と言う考え方の拡がりですよね。
このところそうした風潮に対する反省も一方では進んでいて、特にきちんと決まっているルールへの違反に対してはそれなりに厳しく対応すべきなのでは?と言う意見もかなり拡散してきているように思うのですが、先日相次いで出てきたこれらのニュースに対して世間やマスコミがどう反応するのかが注目されます。

給食費3カ月未納で給食停止 通知後、支払い急増 埼玉(2015年6月25日朝日新聞)

 学校給食費を「払えるのに払わない」とみられる未納が相次ぎ、埼玉県北本市立の中学校4校は、3カ月未納が続いた場合は給食を提供しないことを決めた。実施は7月から。未納額が膨らんだことによる苦肉の策だが、各家庭に通知したところ、該当する保護者43人のうち、納付の意思を示さない保護者は3人に激減した。

 市教委によると、生徒1人あたりの給食費は月4500円で、全額が材料費。今年4月から6月まで3カ月分の未納が続く家庭の未納額は計58万500円。担任教諭が家庭訪問などで納付を求めてきたが、一部未納を含む全体額は約180万円に上っており、7月分の食材購入が危ぶまれる状況だった、と説明する。

 そこで、4校の校長会は3カ月未納が続く家庭の保護者43人に、生徒に弁当を持たせるよう求めることにして、学校だよりなどで通知。「『有料』なものを手に入れる時は、それ相当額の支払いをするというのは社会のルール」などと書いた。すると、40人が実際に納付するか、「納付する」との意思を示したという。

 該当する家庭に、生活保護を受給しているなど給食費を負担しなくてよい例はなく、家庭から学校に相談もなかったため、市教委は「いずれも支払うだけの資力があると考えられる」とみている。だが、「実際に弁当を持参させることは、他の生徒から好奇の目で見られるなど生徒へのマイナス面が大きい」として、細心の注意を払うよう校長会に指導。残る3家庭についても「今月中に一部でも納付してもらうよう努力する」と説明している。

教材費など滞納の2生徒、卒業式出席させず 宮城の高校(2015年6月26日朝日新聞)

 宮城県立の貞山(ていざん)高校(多賀城市)で昨年3月、教材費などを滞納していた全日制3年と定時制4年の生徒2人を、卒業式に出席させなかったことがわかった。その後、未納のまま2人の卒業を認めたが、県教委は「滞納は学業とは無関係。一般論として式に出席できない事態は回避すべきだ」としている。

 県教委などによると、2人は成績や出席日数では問題がなかったが、入学直後から生活困窮を理由に、教科書や体操靴、夜間給食などに使う「学校徴収金」の滞納が続いた。徴収金は授業料と違い、学校ごとに独自に集めている。

 同校は2人の保護者に再三、支払いを求めたが、卒業式直前になっても未納だったため、2人に「納入した時点で卒業証書を渡したい」と説明したという。

 その後、同校は同月31日付での卒業を認めて本人に通知。証書を4月下旬に渡した。県教委は、2人の進学や就職に影響はなかったとしている。

 県教委は「徴収金の滞納を理由に、卒業を取り消すべきではない」との見解を各高校に伝えていたという。当時の校長は「卒業させないつもりはなく、ぎりぎりまで納入を待ちたかった。他の方法があったかもしれない」と話している。(森治文)

ここでは教育委員会が非常に現場の自助努力に対して掣肘的な通知を出していると言う共通点があることに留意いただきたいと思いますが、まあしかしブラフであるとバレてしまっては来シーズン以降どうなるのかで、やると言ったからにはやるべきなんでしょうね。
かねてから非常に良心的な報道姿勢で定評のある朝日新聞が報じていると言う点にも注目したいのですが、いずれも学校内における未納問題と言う類似の事件であるにも関わらず給食費未納問題は肯定的に報じられ、一方で教材費未納問題は否定的に報じられていると言うのは、結局脳入がなかった場合のペナルティーがどうであったかが最大の理由であるのかなと言う気もします。
記事から見る限りでは体操靴や夜間給食費などは別になければないで構わないものではありそうですし、教科書もなくて勉強が出来ないわけでもないのですから好きにさせておいてもよかったんじゃないかと言う気もするのですが、中途半端に温情をかけて無償提供などを続けてしまうとそれが当たり前と言う感覚になってしまうのでしょうか、給食費未納児童に給食を出すべきか否かと言う問題と共通する部分もありそうですね。
いずれもこれこれを続ければこうなると言う事前勧告が親に対してどこまであったのかも問われそうなのですが、教材費問題などはそもそも入学直後からこれだけ未納滞納を続けてきたにも関わらず卒業まで引っ張ってきたと言うのが問題をややこしくしてしまった側面もありそうで、本来的には卒業式などと言うイベントに至る前に対応をしておくべきだったのかも知れません。

この種の話になると賛否両論大いに別れるのが普通なのですが、一方では支払いをしない以上給付もしないのが原則であるし、将来社会に出てそんな当たり前のことも理解していないのでは本人が困るんじゃないかと言う声も多いのですが、やはり支払いをしないのは保護者である親であるのに不利益を被るのは被保護者たる学童であると言うのに釈然としないと言う人も多いようです。
親にもっとしっかりした支払いを求めるべく、弁護士に依頼するなり債権回収業者に委託するなりすべきではないかと言う意見も根強くあるのですが、今回の報道を見てもこの種の問題はやはり公立高校に多発しがちであるようで、どこまでのことをやっていいのかも下手をするとお上に伺いを立てないと何も出来ないと言う制度的な問題もあるのかも知れません。
学校現場が給食費や教材費未納でどんなに苦労しようが教育委員会は痛くもかゆくもないわけで、逆に下手な改修策を講じれば真っ先にマスコミのやり玉に挙げられるのが自分達である以上、面倒ごとは全て現場の負担で済ませておくのが教育委員会的正解であると言うのも理解出来ることではあるのですが、それならそれで世間の方からももっと働きかけをしていくしかないのでしょうか。
こうした問題は医療現場においても特に一部公立病院などで頻発していて、口コミで「あそこの病院は取り立てがないから楽だ」と噂が広まると未払い常習者が集まってくると言いますが、さすがに最近ではこうした病院においてすらそれなりに厳しい対応を取り始めているそうですから、学校現場においても事前説明が万全であれば必ずしも世間の理解を得られない話ではないと思いますね。

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共益費未納、団地で送電停止寸前 京都・久御山、自治会対立
京都新聞 6月29日(月)15時28分配信


京都府久御山町の府営東佐山団地(209戸)で、自治会の運営をめぐり対立が続いている。6月初旬、一部住民の共益費の未払いを理由に、自治会が送電停止の寸前まで共用部分の電気料金を滞納していた。
21日に開かれた自治会の臨時集会では、府が未払いの住民と自治会の話し合いを求めたが、折り合いが付かなかった。
■京都府が警告も折り合いつかず
 共益費は各戸月千円で、自治会が徴収している。未払いの住民は4戸で、1戸当たり月500円のみを支払っている。未払いのきっかけは、13年の自治会長が月10万円の報酬を得たことから。
500円だった自治会費が同時期に1500円になり、翌年は自治会費500円、共益費千円になった。いずれも自治会の総会で決まったが、一部住民が運営に疑問を感じたという。
 自治会は今年4月、4戸が暮らす3棟(160戸)で共用部分の電気料金の滞納を決めた。
5月末「まじめに納めている人が他人の共益費を払っている。不公平をなくすため、4月分から電気料金を滞納している」とした通知を全戸に配布し、停電に理解を求めた。
 共用部分には各戸への給水ポンプも含まれ、府は「入居者の生活に大きな支障が生じる」と双方に支払いを要請。
6月2日、自治会に対し、山田啓二知事名の異例の警告文を出した。関西電力は契約者の自治会に送電停止を通知したが、自治会が5日午前中に4月分の電気料金を支払い、停電は回避された。
 その後、府の仲介で4戸は滞納分のうち4~6月分の共益費を払い、自治会も5月分の電気料金を払った。
21日の住民集会で府住宅課の篁雄巳府営住宅管理担当課長は「4戸に圧力をかけるため、160戸のライフラインを止めるという間違った方法はやめてください」と双方に解決に向けた話し合いを要請。
未払いの住民は「自治会の通帳を見て納得すれば払う」と話したが、自治会側は「話し合いの間も肩代わりは続く。総会で決まったことを議論しても解決しない」と主張した。
自治会側は府に対し、共益費の徴収方法の変更を要望。集会は住民がもみあい紛糾した。
 公営住宅法には共益費について規定がなく、府は徴収していない。自治体が徴収する例は京都市などで一部あるが、府は「低廉な家賃の公営住宅には自治会による徴収が合理的」とする。
徴収方法の変更は条例整備が必要という。府は引き続き、4戸に共益費の支払いを求めていくという。
 今回の事態について自治会長は「ここまでしないと、共益費問題について皆さんに分かってもらえなかった。入居させたのは府なので、共益費の徴収も府が責任を持ってほしい」と訴える。
 コミュニティーづくりに詳しい帝塚山大名誉教授の中川幾郎さんは「権利や義務の意識が強くなり、全国で自治会トラブルは頻発している」と指摘。
「自治会は昔でいう里山と里川。みんなで一緒に維持していくという姿勢が必要だ」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150629-00000019-kyt-soci

投稿: | 2015年7月 3日 (金) 07時52分

給食は前払い事前予約制にしたらいい

投稿: | 2015年7月 3日 (金) 08時29分

いつものことですが、教育委員会というのは何か問題が起きたときの対応というものがまともじゃない。
「支払いをしないのは保護者である親であるのに不利益を被るのは被保護者たる学童」
これも子供は親を見て育ちますからね。余程社会のクズを増やしたいのかと言いたくなります。

こういう方々って、頭の中がお花畑なんでしょうね。

投稿: | 2015年7月 3日 (金) 09時21分

客商売でトラブルが多発しやすい場合、現場がその都度臨機応変な対処を強いられないようシステム的にトラブル回避策を講じるべきで、この場合ももう少しやりようを考えてみてもよさそうに思えます。

投稿: 管理人nobu | 2015年7月 3日 (金) 12時47分

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