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2015年7月

2015年7月31日 (金)

既得権益維持には極めて熱心な日医という団体

高齢者に対する地域包括ケアと言うものが推進される中で何が必要かと言う議論が進む中で、薬局の位置づけも今までよりもずっと積極的・直接的に国民の健康管理に関わり合うべきだと言う方向で検討がなされているようで、例えば近年では薬局で血糖など簡単な血液検査もしてはどうか?と言う声もありますが、こうした薬局の新たに期待される機能として「健康情報拠点」と言う言葉が用いられています。
その健康情報拠点薬局と言うもののあり方について先日の厚労省検討会で大筋合意されたと言うニュースが出ていて、今までよりもかなり踏み込んで主体的に患者に関わっていくことになりそうだと言う総論がまとまったところなのですが、これに対して予想通り?日本医師会(日医)からは反対意見が出ています。

【厚労省検討会】拠点薬局の定義、大筋合意‐かかりつけに健康支援上乗せ(2015年6月22日薬事日報)

 厚生労働省の「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」は18日、地域の健康情報拠点にふさわしい薬局の基準作りの前提となる「拠点薬局の定義」について大筋で合意した。厚労省が示した定義では、かかりつけ薬局の基本的な機能を持った上で、一般薬の適正使用に関する助言や、健康に関する地域住民からの相談を幅広く受け付けて専門の職種や機関につなぐなど、健康サポート機能も併せ持つ薬局と位置づけている。次回以降、この定義に基づいて、拠点薬局の基準や、名称などについて議論を深めていく。

 拠点薬局の定義は、患者情報の一元化や、24時間対応・在宅対応など、かかりつけ薬局としての基本的な機能を備えた上で、▽要指導薬、一般薬等の適正な使用に関する助言を行う▽地域住民のファーストアクセスの場として健康に関する相談を幅広く受け付け、必要に応じ、かかりつけ医をはじめ適切な専門職種や関係機関に紹介する▽健康に関する情報提供を積極的に行う――ことなどを例示し、「地域包括ケアの一員として、国民の病気の予防や健康づくりに貢献している薬局」と位置づけた。

「かかりつけ医の本来の仕事まで浸食」薬局・薬剤師の「健康情報拠点」懸念(2015年7月1日医療維新)

 6月28日の日本医師会の定例代議員会で、政府の成長戦略で進められているセルフメディケーションについて、検体測定室などを例に薬剤師の業務拡大についてやりとりがあり、懸念出た。日医の中川俊男副会長は、「(薬剤師は)人数が増えて、新たな業務を探そうと必死。かかりつけ医の本来の仕事まで浸食しようとしている」との見解を示した。鈴木邦彦常任理事も答弁の中で、「本来推進すべきは、(セルフメディケーションでなく)セルフケア」との認識を示し、医師の診断プロセスの重要性を強調した。

かかりつけ薬局「健康への貢献に疑問」

 日本再興戦略においては、セルフメディケーションの推進を掲げていて、薬局や薬剤師を活用して地域の健康情報拠点とする方針を示している。関連法のグレーゾーンを解消して「自己採血による簡易血液検査」も可能とする方針。日本医師会と日本薬剤師は、昨年12月、自己採血について、「地域医師会・かかりつけ医の十分な理解と適切な指導の下」に行うこととされている。
(略)
 埼玉県の代議員の徳竹英一氏は、薬剤師が血液検査した場合、補助金が支給される制度の存在を指摘して、セルフメディケーションの推進で「医療の範囲が狭まるのが一番の懸念。(狭まる事態を避けるように)医療と(セルフメディケーション)の境界を定めた定義を明らかにしてもらうのが安心」と述べた。
 この答弁には、中川副会長が立った。検体測定室の日薬とガイドラインを決めた点について、「測定室を認めたのではなく、無法地帯だったから」と説明。ガイドラインについて、「完璧に守れば、やりきれないくらい厳しいもの」として、制限なく広がらないようにするための一定の足かせになるとの認識を示した。
 さらに、中川副会長は、薬剤師について、「人数が増えて、新たな業務を探そうと必死。特に、日本薬剤師会に加盟していない薬剤師が必死で行動している。かかりつけ医の本来の仕事まで浸食しようとしている」として、薬剤師業務の拡大に対峙していく姿勢を見せた。その上で、「日薬とは協調的な路線を守っていきたい」とも述べ、けん制対象は、独自に全国展開するような大手チェーンの調剤薬局であることをうかがわせた

まあしかし薬剤師も医薬分業に始まり「新たな業務を探そうと必死」なのも確かなのでしょうが、全国の臨床医が増え続ける業務に追われ過労死を心配しなければならない状況下で、一生懸命既得権益を維持し少しでも医師の仕事を増やそうと努力していらっしゃる日医の皆さんにも頭が下がる思いがしますでしょうか。
薬剤師に限らずコメディカルの方々が医師の関わってきた業務に進出してくると言う場合、必ず「適切な判断、対応が出来るのか?」「何か問題があったときに責任が取れるのか?」と言うことが話題になりますが、一方で医師でなければならない業務以外は医師以外にやらせようと言うのが近年の全般的な流れであり、基幹病院を中心に医療補助スタッフ導入など様々な業務負担軽減策が講じられているところですよね。
例えば人間ドックを行ったと言う場合、連日大勢やってくる受診者全員に医師が時間を取って結果説明をする必要があるのかと言えばほとんどの場合には必要がないのだろうし、むしろ生活指導などは栄養士などの方がよほど詳しく話が出来るのでしょうけれども、同様に考えるとほとんどの日常健康管理に関して最初の段階から医師が全て関わる必要はないんじゃないか?とも言えるかも知れません。
その意味で日常的なチェックはかかりつけ薬局で行い、何かあれば医師に相談と言うやり方もゲートキーパー的機能としてありかなと思いますが、まさにこの仕事の奪い合いと言う観点から日医的に薬剤師の業務拡大は断固阻止すべきだと考えているのでしょう、先日はこんな記事も出てきていました。

日医、リフィル処方せん反対明言 薬剤師による体調確認想定に「議論する状態にない」(2015年7月23日医療維新)

 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小員会(委員長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が7月22日に開かれ、残薬問題にからんで、6月末に閣議決定で検討を求められている分割調剤やリフィル処方せんについて話し合った(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。
 日本医師会副会長の中川俊男氏は、リフィル処方せんについて、薬剤師が患者の体調を確認することが想定されることから、「体調確認はかかりつけ医の業務」「議論する状態にない」と強く反対し、他の診療側委員が同調する場面もあった。今後、残薬解消や分割調剤の拡大とともに議論される見込み。

リフィル、保険者も「負担増なら反対」

 分割調剤については、現在は長期保存が困難な薬剤や、後発医薬品を初めて使用する場合に限って認められている。内服薬1種当たりの平均投薬日数は、無床診療所では18.1日なのに対して、病床規模が増加するにつれて増加して、500床以上の場合、37.7日となっている。さらに残薬経験の有無については、2013年度の厚労省の患者を対象とした調査では、「大量に余ったことがある」は4.7%、「余ったことがある」が50.9%となっている。さらに調剤薬局の応需処方せんの中で、残薬に伴う日数・投与回数の調整は0.23%にとどまっている。分割調剤については、6月末に閣議決定した「規制改革実施計画」において、「リフィル処方せんの導入や分割調剤の見直しに関する検討を加速し、結論を得る」となっている。
 リフィル処方せんについて、明確に反対を示したのは、日医の中川氏。分割調剤が、ほとんど進んでいない現状を認識するように求めた上で、「リフィル処方せんは数段次元が違う話」と指摘。「(リフィル処方せんが導入されると、薬剤師が)体調まで診ることになる。かかりつけ医のど真ん中の役割。議論する状態にない」と述べた。他の委員からメリット・デメリットを示すように求める声が出ても、中川氏は「そんなに関心を持つものではない。分割調剤の議論を深めてほしい」とした。
(略)
 鈴木氏は、長期処方についても、「一定程度上限を設ける必要がある」と言及し、かかりつけ医機能を推進して、大病院からの逆紹介の徹底を求めた。中川氏も「行き過ぎた長期処方がある。勤務医の疲弊を理由の長期処方も考え直すべき」との見解。ただ、万代氏は、長期投薬の制限や、処方のための工夫で病院の負担が増えないように求める場面もあった。
(略)

最近流れていた「日医がリフィルに賛成」と言う飛ばし記事?を否定した形なんですが、背景としてはまさに記事中にも示されている通り、クリニックがやたらと患者を短期間で来院させたがるのに対して大病院ほど患者をなるべく来院させたくないと考えていることが処方日数からもうかがわれると言う現状で、その理由としてもちろん大病院に患者が集中し業務過多から勤務医達が疲弊してしまっていると言う現実があるわけです。
これに対して日医としてクリニックにどんどん患者を逆紹介しろ、今以上に長期の投薬が可能になる制度改定などトンデモナイと主張するのはこれまた当然と言えば当然なのですが、まあ公平客観的な視点で考えてみると日本では患者がいつでも好きな医療機関にかかってもいいと言う自由を保障している以上、現時点でリフィル処方箋の必要性は乏しいと言うのはそれはそれで正論ではないかと言う気はします。
もちろん日医として本音では前述のような逆紹介への期待とともに、それまで毎週のようにやってきていた患者が薬局に奪われていくことへの危機感があることは言うまでもないことですが、この点で興味深いのは先日日医会長が全国での必要医師数調査結果を踏まえ、「医師絶対数は充足しつつある」として医学部新設に改めて反対したと、全国医学部長病院長会議の場で発言したことが報じられている点です。
某大先生のようになんでもいいからとにかく医師を増やせの一点張りもどうかと思いますが、これも穿って考えずとも日医としては商売敵が増えることは歓迎できないと言う話でもあって、今後日医としては数は足りている、問題は偏在だと言う主張を今まで以上に強調していく考えなんだろうと示唆されるところです。
もちろん日医の偉い先生方が若い医者にだけ僻地勤務を義務づける、などと言うことがあるはずがないとは思うのですが、やはり日医関係者には長年地域診療に従事してきたベテランの先生方も多いことですし、日医会員資格として何年間の僻地診療経験を求めるだとか、開業医は原則医療過疎地域以外での営業を認めないだとか、日医としていかに地域医療に貢献出来るかも検討していただきたいですよね。

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2015年7月30日 (木)

期待権は便利使いされている?

医療訴訟と絡めて期待権と言うことが言われるようになって久しく、患者の期待権を侵害したとして損害賠償が認められるケースは決して珍しくありませんが、本来的にはどのような業界においても使える可能性のあるこの期待権と言うものについては、今やほぼ医療との絡みで説明されることがほとんどである印象さえ受けます。
この一因としてしばしば言われるのが平成23年の最高裁での判断ですが、下肢の骨折後に深部静脈血栓症を発症した患者の必要な検査をすべきだったと言う訴えに対して、医療行為そのものが著しく不適切と言えない限り、期待権侵害のみを理由とする不法行為責任は認められないと言う判断を示したもので、医療訴訟における期待権のあり方を示したものと言われています。
その期待権と言うものに関して先日興味深い判決が出ていたことから、本日まずはこちらの記事を紹介してみることにしましょう。

高知の医療法人に賠償命令 高松高裁(2015年7月27日共同通信)

 搬送先の病院でてんかんと誤診され、脳梗塞を発症したとして、高知県香美市の女性の遺族が、病院を運営する高知市の社会医療法人に約2850万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、高松高裁は24日、原告敗訴の一審高知地裁判決を改め、慰謝料など330万円の支払いを命じた

 判決によると、女性は2007年11月、脳梗塞を起こす可能性のある発作で救急搬送され、医師らの診察を受けた。その後に脳梗塞を発症した

 判決理由で吉田肇(よしだ・はじめ)裁判長は診察した医師の1人について「脳梗塞につながる発作と疑い、必要な治療をするべき注意義務を怠った」と指摘。「適切な治療を受ける患者の期待権を侵害した」と判断した。注意義務違反と脳梗塞の発症との因果関係は認めなかった

 原告側は昨年5月の一審判決後、期待権の侵害に基づく請求を新たに加えており、高裁はこの部分に関し賠償を命じた。女性は11年に死亡した。

「誤診で脳梗塞」賠償命令(2015年7月25日NHK)

8年前、高知市内の病院に搬送された香美市の女性が医師の誤診によって脳梗塞を発症したとして遺族が病院側に対して損害賠償を求める裁判が24日、高松高等裁判所で開かれ、裁判所は病院側に330万円の支払いを命じる判決を出しました。

この裁判は、8年前、香美市の女性が高知市内の病院に搬送された際、脳梗塞を疑うべき症状であったにも関わらず、医師が「てんかん」と誤診し、女性の脳梗塞の発症を防ぐことができなかったとして女性の遺族が病院に対し、慰謝料など2850万円あまりの損害賠償の支払いを求めていたものです。
この裁判で高知地方裁判所は女性の遺族の訴えを退ける判決を出し、これを受けて遺族は「適正な医療を受ける“期待権”が侵害された」という主張を新たに加えて、控訴していました。

25日、高松高等裁判所で開かれた裁判で、吉田肇裁判長は「医師がMRI検査などを実施していれば、脳梗塞の発症を回避するか、後遺障害が残らない、あるいは軽減された可能性が相当程度ある」と指摘しました。
その上で、「女性は適切な医療を受けることができず、その“期待権”を侵害された」などとして、病院側に対し、慰謝料などを含む合わせて330万円の損害賠償の支払いを命じました。

医学的に考えますと脳梗塞でてんかんのような症状が出ることは当然にあるだろうし、なかなか判断の難しい症例でもあったのだろうと思うのですが、脳梗塞の発症を回避出来た可能性が相当程度あると言うことは受診時まだ発症前だったと考えていることになりますが、その時点でMRI等の画像検査をしたところで果たして所見があっただろうか?と言う気もしますでしょうか。
それはともかくこの裁判、要するに一審では損害賠償を認められなかった原告側が期待権云々の主張を付け加えれば勝てると踏んで、実際に二審ではその期待権に関しては勝ったと言うわけですが、前述の最高裁判決を踏まえて考えるならばその前提として医療側の対応が不適切だったと言う判断が必要であったはずですし、事実適切な医療を受けていなかったと言う判断が示されたわけです。
ただ興味深いのは適切な医療をしていないと言いながら、その一方で期待権以外の部分に関しては認めていないと言う点で何ともちぐはぐな印象を受けるわけですが、判決そのものを見ると弁護士費用など諸費用に相当する程度の比較的低額の損害賠償を認めたと言う形の、昔からよく見られる弱者救済型医療訴訟判決の一つの定型通りと言う捉え方も出来そうですよね。

一般に医療訴訟と言うものは非常に専門的で調査も難しく、弁護士に言わせると「普通の事件の2分の1~3分の1の費用で、2~3倍の仕事をしなければならない」のだそうで、その費用と言うものがおよそ200~300万円くらいだと言いますしから、昔から「医療訴訟で本当に有責なら数千万が相場。数百万程度の損害賠償判決は”裁判費用分は出してあげるから、これで納得しなさい”と言う裁判所のサイン」だと言う話もあります。
病院などはまず確実に保険に入っているだろうから、別に懐が痛むわけでもなく患者や遺族が納得できるなら構わないだろう?と言ういわゆる見舞金的判決と言うことのようですが、医療訴訟そのものの判断に必要な専門性と言うことを考えた場合に弁護士にしろ裁判官にしろ相当な労力が必要であり、しかも勝つまで患者、遺族が納得しないと言う場合に無碍に原告の請求を棄却するのも躊躇われそうではありますよね。
そうした場合に取りあえず期待権侵害云々の判断だけであればさほどに専門的な判断を必要とせず何となくのアバウトな判断で行える、そしてその相場もまあ見舞金的な判決としてちょうど手頃なものであるとなれば、とりあえずこの辺りでお茶を濁しておくかと考えたがる人間心理が働いているのでは?と思わず勘ぐってしまいそうになりますが、さてこの場合救済された弱者とは果たして誰なのか?です。
医療訴訟の急増に対して、医療訴訟を専門的に判断出来る法曹人口は十分に育っていないと言うことも言われているようですし、昨今では医者も知恵がついてすぐ情報を共有し裁判所のいい加減な判断を批判すると言う時代ですから、万一にも期待権が複雑で面倒な専門的判断には敢えて踏み込まないで裁判を終わらせる方便に使われているのだとすれば、最高裁の判断からはいささか趣旨が違ってきているようにも思えますね。

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2015年7月29日 (水)

国が医療費抑制のための方法論を模索中

医療費に対しても厳しい歳出抑制が図られつつあるのが現状ですが、当然ながら単純に診療報酬削減と言うだけではまたぞろ医療崩壊だと騒ぎになりかねず、学習能力の欠如を指摘されても仕方がないところで、最近ではもう少し合理的な方法論での歳出抑制策が検討されていると言います。

予防で医療費抑制/廃校を貸し出し 政権、新たな歳出改革(2015年7月25日朝日新聞)

 安倍政権が、新たな歳出改革の取り組みを始めた。景気を冷やす単純な歳出カットは控え、予防医療を進めて医療費を抑えたり、少子化で廃止された小学校を民間に貸したりと、公共サービスの質を落とさずに財政を改善することを目指す。ただ、効果が出るまでには時間がかかりそうだ。

 内閣府と財務省は24日、各省庁の事務次官を首相官邸に集め、歳出改革への協力を求めた。西村康稔・内閣府副大臣は「無駄の排除、民間活用を徹底して、歳出増加を抑えることが重要だ」と呼びかけた。

 政府は2020年度の基礎的財政収支の黒字化を目指している。ただ、実質2%の高い経済成長率を実現しても、20年度で6・2兆円の赤字が残る見通しだ。

 そのため、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)の下に専門調査会をつくり、年末までに歳出改革の工程表を策定。自治体の優れた取り組みを全国に広げるための組織もつくる。

 具体的な改革案としては、健康になる努力をした人には商品などに交換できる「ヘルスケアポイント」を発行して医療費を抑える仕組みや、自治体の窓口業務の民間委託を広めることなどが検討されている。政府は今後3年を集中改革期間と設定している。

この健康であろうとすることへのインセンティブと言うもの、以前にも麻生氏が一席ぶって批判を浴びたことがあるように反対論も根強くあるようですけれども、メタボ健診導入などこれだけ社会的に健康向上努力への圧力がかかっている中で何ら現世御利益もないと言うのは筋が通らないですし、努力した人が相応に報われると言うのは社会として健全だろうと言う声もあるようです。
この辺りは病気持ちの人に対する差別だと言う反対意見もありますが、近年コントロール不良なてんかんや糖尿病患者による交通事故が話題になっているように、基礎疾患がある人ほどより熱心に自己コントロールを必要とするのは当然ですから、努力に対する評価をどのように行うのかと言う議論はあるにせよ基本的に悪い話ではないように思いますね。
ただ無駄の排除と言えば聞こえはいいですが、医療のような予定外の緊急事態にこそ直ちに対処しなければならない業界で何をもって無駄とすべきか判断の難しいところで、空きベッドと言う無駄を排除すべく常に満床で病床を運用しなければ病院経営が成り立たない診療報酬体系にした結果、救急車を受け入れられる施設がなくなり救急崩壊と言われる現象が社会問題化した経緯も周知のところだと思います。
これに対して医療に対しても費用対効果、コストパフォーマンスと言う概念は必要だと言う考え方は、特に保険者となる大企業などを中心に長年主張されてきたところですが、先日このコスパと言うことに関して評価のガイドラインが策定されると言う話が出ていました。

費用対効果評価、ガイドライン作成へ 中医協専門部会、QALY評価には慎重な意見も(2015年7月26日医療維新)

 7月22日に開かれた中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会(委員長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)では、2016年度診療報酬改定の試行導入に向けて、費用対効果評価の分析方法などについて議論した。今後、標準的な分析方法についてガイドラインを作って示す方針となった(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。

 厚労省は、2015年度の厚生労働科学研究において、国立保健医療科学院医療・福祉サービス研究部部長の福田敬氏が実施している事業の中で、分析方法をガイドラインとして示すことを提案。委員から大きな異論はなかった

 効果指標については、厚労省は、質調整生存年(QALY)を基本として、疾患や医薬品の特性などに応じて、その他の指標も用いることができるようにする方法を提案。費用については、公的医療費のみを費用の範囲と含めることを原則としながら、公的介護費、生産性損失も同時に提出することも可能とした。さらにアプレイザルの際に生産性損失等を含めた分析結果が必要とされた場合などには、費用の範囲を見直した分析も追加的に求めることとするアイデアを示した。

 日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏は、海外のデータの使用を容認しながら、日本におけるデータ整備を進めるよう求めた。さらに、鈴木氏はQALYについて、高齢者について不利な結果になる点や、国によって、社会的なバックグラウンドが違う中で、QALYのような指標だけでなく「バランスの取れた評価をしている国を参考にすべき」と釘を刺した。

 健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、QALYについて「全て解決するとは思わないが、制度ではQALYでスタートせざるを得ない」と指摘した。

記事中に出ている指標QALYについてはこちらなどを参照いただくとして、もちろん医療の費用対効果を評価する事自体への反対意見はないのでしょうけれども、評価した結果を臨床現場に対してどのように活用していくかに対しては反対意見も続出するだろうとは容易に想像出来るところだし、そもそも保険診療で認められている医療行為に対して「それはコスパが悪いからやらないで」とは一体誰が言えるのか?と言う話ですよね。
この医療に対してのコスパ計算が難しい理由の一つとして、特に日本においては医療の患者負担が安く医療費と言うものがどれほど高いものかと言うことが(患者のみならず医師らにとっても)具体的な実感として理解されて来なかった、その結果医療の結果に対する評価基準として効く、効かないと言うことは指標に挙がっても、その結果を得るのにどれだけのコストがかかるのかと言うことはあまり考慮されていなかったと言う点があります。
特に「命の価値はお金では計れない」式の考え方からするところ、命が助かると言うことは無限大の効果であるわけですからどれだけコストがかかろうが行うべきだと言う思考停止に陥りかねないだろうし、実際に寝たきり高齢者や明らかな末期患者に対するフルコースの延命医療なども、諸外国のようにそれが直接的な患者負担増加に結びついていたとしたならそもそも最初から臨床現場に定着しなかったことだろうと思えますよね。

もう一つ難しい点として、コスパが悪いと言う治療法があった場合にそれをどうするのかと言う問題がありますが、保険診療上は点数を幾ら上下させても患者負担は高額医療にかかれば一定ですから忌避する理由はなく、仮に定額診療等で病院側がコストを抑えたいと考えたとしても患者側がそうした事情を斟酌する理由はないと言うことになり、病院と患者との間で新たなトラブルの火種にもなりかねません。
一般に国がああしろ、こうしろと言うのはいいとして、その付随する面倒ごとを現場に丸投げすると言うのは嫌われるものですけれども、患者側からすれば「こちらは命がかかっているのに、病院の儲けが減るからと治療拒否するのか?!」と受け取ってしまうのも無理からぬ話ですし、サラリーマンである現場医師にとっても直接給料に関係する話ではない以上そこまで言われてその治療は出来ませんとも言いにくいでしょう。
この辺りは一口に病院と言っても経営者目線と現場労働者目線で話が全く違ってくると言う話でもありますが、コスパ評価をした上で実際の診療行動の変化にどうつなげていくのかと言う方法論は非常に扱いが難しいところがあるし、高い医療はなるべく避けると言うインセンティブを一方の当事者である患者側にも用意しなければ臨床応用はうまくいかない可能性がありそうですね。

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2015年7月28日 (火)

生保受給者をお得意様とする医療ビジネス

増え続ける生活保護費抑制が模索される中で、一体どのような程度の給付が妥当な水準なのか?と言う議論は常に紛糾するところなのですが、先日こんな記事が出ていて一部方面で話題になっていました。

「組合出資金や共産党費にも使った」…生活保護は何のため?(2015年7月22日産経新聞)

 生活保護費を不正受給した疑いで、病院や診療所を運営する医療生協かわち野生活協同組合(大阪府東大阪市)の支部長ら2人が逮捕された事件で、新たに別の男性支部幹部も不正受給に関与していた疑いがあることが20日、分かった。大阪府警が任意で事情を聴いている。支部長は、詐取した保護費について「組合(医療生協)の出資金や生活費、日本共産党の党費に使った」と供述しており、生活保護と政治活動の関係が問われている。

 逮捕されたのは、同組合小阪支部長の小林輝子容疑者(58)=同市=と、小林容疑者の元夫で、同支部元総代の末広長一容疑者(65)=同=。さらに小林容疑者とアルバイト先が一緒だった別の支部幹部の男も、不正受給に関与していた疑いが浮上した。
 小林容疑者は、清掃作業アルバイトの収入を市に過少申告し、平成22年5月~24年1月分の保護費計約65万円を不正に受け取ったとして今月1日、詐欺罪で起訴された。その後、24年2月~25年3月の計約48万円分の不正受給容疑でも再逮捕された。
 関係者によると、小林容疑者は平成22年2月に生活保護を申請した際、共産市議を伴っており、市の福祉事務所で「仕事が見つからなくて生活がしんどい」と訴えたという。不正受給は22年5月~今年4月分の5年間で、総額約330万円になる見込み。
 府警はこのうち約240万円分について、詐欺容疑での立件の可否を検討しているという。

 生活保護の申請の現場では、申請者本人だけでなく、政党や団体の関係者が支援者といった形でかかわるケースが少なくない
 しかし生活保護は、あくまでも資産や能力などすべてを活用してもなお生活に困窮する人に、最低限度の生活を保障する制度だ。
 仮に正当に支給されたものであったとしても、「生活保護費は生活費に充てるのが原則。特定政党の政治活動に使うのは問題だ」と、熊本県立大の石橋敏郎教授(社会保障法)は指摘する。
 東大阪市によると、生活保護費を不正受給していたとして、詐欺容疑で逮捕された小林輝子容疑者が、医療生協かわち野生協で支部長をしていることは、事件発覚まで把握していなかった。
 関係者によると、小林容疑者が医療扶助を受けた後に提出する「医療要否意見書」には「就労は難しい」と書かれていたが、作成したのは医療生協が運営する病院だったという。
 一方、生活保護申請時に、小林容疑者に同伴していたとされる共産市議は、産経新聞の取材に9人の代理人弁護士名で「取材活動は、公安警察による政治活動妨害に加担するもの」と文書で抗議。「一切の回答をお断りする」としたうえで、「医療生協かわち野や日本共産党が、詐取されたお金と知ってこれを受け取ることなどありえない」としている。

共産党系列に限らず一部の医療機関と生活保護受給者との緊密な関係はかねて広く知られてきたところで、もちろん本来的な意味での生活保護の目的に合致する例も少なからずあったのでしょうが、伝え聞く限りでも社会保証制度を最大限活用して患者と自分達の利益の最大化を図るかのような行為が伝統的に行われてきたとかこなかったとかで、これ自体はまあ言ってみれば今さら感のあるニュースではあります。
ただ生活保護費を党費に当てるのが許容されることなのかどうか?と言われるとこれはなかなか議論の別れそうなところで、特に最近はワープア化が進む低所得層と生活保護受給者との逆転現象からとかく保護費の無駄遣いが問題化しやすい時代でもあり、兵庫県小野市の生保受給者パチンコ密告条例なるものが大いに話題を呼んだ経緯もありました。
先日も保護費減額反対を訴えた原告らが「5日間食べないでガムで空腹を抑えることもある」とコメントしたところ、「普通の人間は金が無くて空腹の時にガムのような高価な嗜好品は買わない」「足りない足りないと言う前にまずは家計簿を公開しろ」と言う声多数と言う状況でしたが、しかし政治活動も現代社会に生きる以上当然に認められる権利であると言う考え方もあり難しいところですね。
一方で改めて考えてみると、生保受給の要否の判断にも大きな役割を担っている医療機関が不正の片棒を担ぐと言うのは非常に問題ある行為であって、元気であるのに就労に支障有りと言う嘘の診断書を書く等の伝統的なやり方に加えて、最近ではいわゆる貧困ビジネス紛いのこんなやり口も横行していると言います。

生活保護窓口に派遣のクリニック 精神疾患患者“囲い込み”(2015年7月24日産経新聞)

 ■自立支援医療費目的か

 生活保護を受給する精神疾患患者の相談員として、窓口となる都内自治体の福祉事務所に特定の医療グループの職員が派遣され、多くの患者が同医療グループの精神科クリニックで公費が使われる「自立支援医療」を受けていたことが23日、分かった。元患者は相談員の助言でクリニックに通うことになり、通院をやめようとすると、「生活保護費を打ち切る」と虚偽の説明を受けたとしている。
 医療費を獲得するため、福祉事務所が患者の“囲い込み”の場になっていた可能性があり、産経新聞は取材を申し込んだが、医療グループは23日までに回答を寄せていない。
 一方、この医療グループは複数の患者を風呂のない狭いシェアハウスに居住させるなど劣悪な環境下に置いているとして弁護士らが近く、改善を指導するよう厚生労働省に申し入れる。

 相談員などの名称で自治体に職員を派遣しているのは、都内で4つの精神科クリニックを開設する医療グループ。各自治体に聞き取り調査をした結果、東京都大田区、江戸川区、港区の計3区の福祉事務所で相談員の派遣を受けていた。
 このうち江戸川区は平成19年度からクリニック側と随意契約を結び、今年度は区内3カ所の福祉事務所に1人ずつ計3人の派遣を受ける。相談員は窓口で患者の相談や、患者の家庭訪問などを担当。区内の生活保護受給者でこのクリニックに通う患者は44人に上る。
 また、大田区では19年度から4人、港区では24年度から1人、それぞれ派遣を受けていた。いずれの区も「一医療機関のみを優先的に紹介することはない」とするが「専門分野があり、結果として随意契約を結ぶクリニックを薦めるケースはある」(大田区担当者)とする。一方、元患者の1人は通院をやめた際、相談員から「生活保護費を打ち切る」と虚偽の説明を受けたと証言している。

 患者は医療費が軽減される「自立支援医療制度」を利用し、自己負担なしで通院治療やデイケアを受診。医療グループ側には1日10時間のデイケアで、1万円が自立支援医療費(精神通院医療)から支払われる
 厚労省によると、同医療費は20年度は約1482億円だったが、25年度は2092億円と約1・4倍に増加。同省精神・障害保健課は「福祉事務所での対応は自治体の裁量に任されているが、通院などは患者の意思に基づいている必要がある」としている。産経新聞はクリニックに対し患者の獲得手法や住環境などについて質問状を送ったが、23日までに回答はなかった。

精神科患者:「囲い込み」か 生活保護費も管理 東京の医療グループ(2015年07月25日毎日新聞)

 東京都内で四つの精神科クリニックを経営する医療グループが、生活保護を受けている精神疾患患者に極めて狭い部屋を紹介して金銭を管理したうえで、診察を受けさせている例があるとして、弁護士らでつくる「医療扶助・人権ネットワーク」(山川幸生代表)が24日、厚生労働省に監査や指導を求める意見書を提出した。

 記者会見した弁護士らによると、医療グループは江戸川、大田、港の3区と随意契約を結び、福祉事務所で患者の相談対応や家庭訪問などの業務に当たっている。相談に来た患者に職員が自らのクリニックを紹介することがあり、少なくとも4人が勧誘され通院した。

 グループは患者に宿泊先も紹介。雑居ビルの一室を仕切った10平方メートル以下の部屋を「シェアハウス」として紹介し、東京都の住宅扶助上限(単身世帯)と同じ月5万3700円を家賃として徴収していた例もあったという。

 生活保護費は福祉事務所からクリニックに現金書留で送られ、患者には一部の食事代しか渡さずに管理しており、金銭管理をクリニックに任せる同意書の日付が、実態と合わない例もあるという。

 医療グループは取材に応じていない。3区は「専門的ノウハウを持ち毎日出勤できる人がいる団体が他にないため随意契約した」としている。【古関俊樹】

実際に患者の囲い込みがあったのかどうかは現段階では何とも言えないのですが、患者が受け取るべき保護費を預かってその一部だけを渡し、閉鎖的環境に隔離して周囲と遮断すると言うのはまさしく貧困ビジネスの手法そのものであって、何しろ専門家が関わっていることなのですから素人の生保受給者からすれば何を言われても本当のことだと受け止めるしかないですよね。
もちろんこうした行為も十分モラルに反していることなのですが、大阪における生保専門クリニックなど各地にそうした実例があることでもある一方で、こうしたあからさまな生保相手の商売をしているクリニックなどに対して自治体が厳しく指導や規制をするどころか、むしろ黙認しているとも受け取られかねない状況が続いていたと言うこともこれまた過去にも見られたことです。
精神科疾患持ちの患者などが大挙して押し寄せてくれば近隣一般病院としても対処に困る場合もあるでしょうが、それ専門にわざわざ引き受けてくれる施設が確実にあるとなれば多忙な行政側担当者としては実はありがたいことなのかも知れずですし、いわば持ちつ持たれつの必要悪的関係として続いてきた伝統と言えるのかも知れません。

この話、国民一般から見ても保護費をパチンコやギャンブルに無駄遣いされたり、何の考えもなく放漫に使い切ってしまって月末になると保護費が足りない、もっと保護費を増やせと大騒ぎされるより、きちんと住むところから生活費の管理まできちんとしてくれているとなれば面倒がないとも言え、財政負担上もメリットがあると言う可能性すらあるわけです。
その代償として生活保護受給者の権利が侵害されているじゃないかと言う意見もあるはずですが、そもそも生保受給者の多くが金銭も含め日常生活管理がきちんと出来ない状況にあることは支援者の方々の方が主張してきたことであり、そうであるからこそいわゆる生活の無駄を省くことが難しいと言う声に対して、それなら周囲が厳しく管理してやった方が本人のためにもなるのではないかと言う意見も根強くありますよね。
あからさまに自分達の利益第一で考えているだろう多くの貧困ビジネス当事者は別に擁護する必要も感じませんが、やっていることとしては実はある程度妥当そうな方法論に近いものがあるとすると、これが人権侵害だ、決して許容されない暴挙だと大騒ぎするほど、生保受給者は本人の自助努力だけに委ねて放置するしかなくなってしまうと言う困った話になってしまいかねないリスクはありそうに思います。

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2015年7月27日 (月)

政府、いよいよ医療費削減に本腰入れる

国会延長が為される中で2016年度予算についてようやく話が出始めているどころですが、近年久しくその抑制が課題に挙げられて久しい社会保障費について、先日こんな記事が出ていました。

人件費減に応じ要求上乗せ 予算概算基準の全容 社会保障6700億円増(2015年7月21日共同通信)

 政府が検討する2016年度予算の概算要求基準の全容が17日、分かった。人件費などの「義務的経費」の要求額を15年度予算に比べて削減できた場合、減らした実績に応じて、重点政策に充てる「特別枠」の要求額を上乗せできる措置を打ち出す。人件費などを歳出抑制の聖域としないことで、財政再建への姿勢をアピールする狙い。24日の閣議了解を目指す。

 年金や医療といった社会保障費(15年度は30兆2千億円)の要求は、高齢化に伴う6700億円分の増額を認めるものの、「合理化・効率化に最大限取り組む」ことを掲げる。地方自治体に配る地方交付税交付金(同15兆5千億円)は、財政再建に配慮して要求額を検討するよう求める。

 概算要求基準では政府の新たな成長戦略や、経済財政運営の指針「骨太方針」に沿った事業に充てる特別枠「新しい日本のための優先課題推進枠」(仮称)を用意し、総額4兆円程度の要求を認めるのが目玉だ。

 公共事業など政策判断で決まる「裁量的経費」に関しては、各省庁が15年度予算(総額14兆7千億円)から10%減らすよう要請し、削減後の額の30%分まで特別枠に要求できる仕組みとする。

 義務的経費は15年度の12兆5千億円と同水準までの要求を認めるが、カットできた場合は削減額の30%分を特別枠に上乗せできるようにして、各省庁の効率化の意欲を高める。

 義務的経費は人件費が中心で、通常は減らしにくい。ただ、政府の経済財政諮問会議では、公的サービスへの民間参入などで抑えられるとの指摘が出ていた。

10%減らされる代わりに最大30%分まで要求出来ると言うのでは減らした計算にならないはずですが、もちろんこの特別枠については厳しい審査がついてくると言うことなのだろうし、いわば均等割で削減した予算を各省庁らが競争して奪い合う形になると言う、なかなか興味深い未来絵図が想像出来ますよね。
人件費を機械的に抑えられるものなのか等様々な疑問は残るにせよ、固定的出費ですっかり硬直化している財政支出を何とか改めようと言う気概は買いたいと思うのですが、当然ながら特別枠等は一時的出費としては認められても今後どうなるかは全く先読み出来ないわけですから、要するに財政支出はどんどん減らしていくと言う大方針が打ち出されたのだと理解しておけばいいと思います。
一方で気になるのが社会保障費に関して自然増分の増額を認める前提条件として「合理化・効率化に最大限取り組む」ことが掲げられたと言う点ですが、文字通りに解釈すれば最大限取り組んでいない場合増額を認めないと言うことになるのですけれども、合理化・効率化とはどのような状況を示すのかと言うことを示唆するこんな記事が出ていました。

医療費削減、地域間で競争を…厚労省が比較データ提供(2015年7月22日読売新聞)

 厚生労働省は来年度、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用割合やメタボ健診(特定健診)の実施率など医療費関連のデータについて、地域間で比べられる形で都道府県に情報提供を始める。

 医療のデータをグラフ化して各都道府県の位置付けが一目で分かるようにし、地域間で競い合いながら医療費削減に取り組んでもらう

 人口あたりの病院のベッド数や、必要以上に病院を受診する患者が多いと医療費の増加につながる。一方、後発薬の使用や糖尿病の重症化予防への積極的な取り組みは医療費削減につながるとされる。

 厚労省は、都道府県別のメタボ健診受診率や1人あたりの医療費、病院ベッド数など既存のデータに加え、後発薬の使用割合や、医療機関の重複受診、薬の重複投与、生活習慣病の重症化予防の取り組み状況など、新たなデータを集め、グラフにまとめて都道府県に配る。グラフにはメタボ健診の実施率70%のように厚労省の目標も表示する。

 都道府県は2016年以降、医療費の抑制策を盛り込む6~7か年の「適正化計画」を作成する。計画には23年度の医療費やテーマ別の目標を掲げるが、グラフも一緒に載せて住民が他地域の状況を知ることができるようにする。厚労省は毎年、新たな情報を提供し、都道府県が医療費の低い他地域の取り組みを調べられるようにする。

この医療費の地域間格差と言うものも近年たびたび話題になっているところなんですが、基本的に保険診療でやっている以上全国共通の公定価格でしか行われていないんじゃないの?と言う考えが実はかなり甘かったようで、医療費に最大2倍以上もの大きな地域格差があると言うちょっと驚くような現実が示されてしまったわけです。
これだけ大きな地域差が発生した理由として地域毎の自然環境など患者側の違いもあるのだろうし、保険の査定水準の差が行われている医療内容を決めると考えると地方毎に統一基準で審査が行われていないからだとも言えるのでしょうが、そうした格差を抜きにしていきなり結果だけの平等を追及すると言うのはやはり現場に取っては厳しいんじゃないかと言う気がします。
この辺りは自治体に対してどの程度のアメとムチを用意し政策誘導していくのかにも関わってくるかと思いますが、基本的に自治体議員などは選挙のたびに医療など社会保障の充実を唱えて当選してきた方々ばかりなのですから、今さら抑制した方が国から褒められますと言われても即座に路線転換出来るものなのかどうかですよね。
むしろ将来道州制なりで自治体の自主的な裁量権が拡大してくる時代になれば、低負担低水準の医療や高負担高水準の医療など、地域ごとに医療のあり方も違ってくると言うのも面白いんだろうと思うのですが、医療がどこででも受けられる自由がある以上、よりより医療を求めての人口移動も起こってくるものなのかで、あるいはかつて田舎自治体が町立病院を整備して住民を呼び込もうとした話と似たようなことになるかも知れませんね。

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2015年7月26日 (日)

今日のぐり:「くら寿司 和歌山橋本店」

ロシアと言えばよく判らない写真の数々で一部方面ではすっかり有名ですが、そうした非日常的光景が常態化している国であるだけに、こんな奇妙な警告が出されているそうです。

ロシア国内で「自撮り事故死」が多発 すでに数十人が死亡、内務省が注意を呼びかける事態に(2015年7月11日ねとらば)

 ロシア内務省は7日、Webサイトにおいて「安全なセルフィー(自撮り)」を呼びかけるパンフレットを公開しました。
 セルフィーとは、スマートフォンなどを使用した「自撮り」写真のこと。今年に入ってから、ロシア国内では危険な場所やポーズでの「自撮り」の最中、悲惨な事故に遭う人が増えており、このため内務省が注意を呼びかけることになりました。すでに数十人が死亡、約100人が負傷しているとのことです。

 パンフレットには、「武器を持ってセルフィーすると死に至ります」などといった、これまでに起きた事故を反映させた注意文が掲載されています。これ以外にも、線路や建物の屋上、船上、列車の上、危険な動物の近く、運転中、道路上など、さまざまなシチュエーションについて、過激なセルフィー撮影を行わないよう注意を呼びかけています。
 SNSに写真をアップすると、「いいね!」などの反応をもらうことができます。そのため、より多くの「いいね!」を求めるあまり、危険な行為に走ってしまう人も少なくないようです。しかし、セルフィーを撮影することに集中しすぎると、周囲に対して注意散漫になり、悲惨な事故につながってしまうこともあります。
 パンフレット中央には以下のように書かれています。
 「あなたの命は100万いいね!をもらうより大切です!」……まさにその通りです。

元記事のパンフレットを見ますとまさにこれはあるある…なわけあるか!と言う突っ込みどころ満載な状況ばかりが掲載されているのですが、しかしこれがロシアにおける日常風景であると言うことなんでしょうね。
今日は世界に冠たるおそロシアに敬意を表して、世界中からそれはいささか信じがたい…と言う奇妙なニュースの数々を取り上げてみることにしましょう。

初日の出暴走で40歳男ら逮捕「若いときの血騒いだ」 警視庁(2015年6月2日産経新聞)

 集団でバイクに乗り、蛇行運転などの暴走行為をしたとして、警視庁交通執行課は1日、道交法違反(共同危険行為)容疑で、埼玉県狭山市根岸の会社員、河島利宗容疑者(40)ら男3人を逮捕した。同課によると全員容疑を認め、河島容疑者は「若いときの暴走行為が忘れられない。パトカーに追われて血が騒いだ」と話している。

 ほかに逮捕されたのは同県日高市田木の会社員、中山茂樹容疑者(34)、同市高萩の会社員、渡辺翔太容疑者(25)。3人はバイクを改造し集団走行などをする「旧車会」に所属し、「昭和倶楽部」を名乗っていた。

 3人の逮捕容疑は今年元日午前4時ごろ、東京都八王子市の都道約4キロで、信号無視や蛇行運転を繰り返したなどとしている。大みそかから元日にかけて増える暴走行為を警戒していた警視庁が発見した。

若者の車離れだ、草食化だと言われる時代にまさか初日の出暴走もなかろうと思っておりましたら、やはりOBによる行為ですかそうですか。
世の中離婚する人間は数多くいると思いますが、これはその中でも特に尋常ではないその後の経過を伝えるニュースです。

幸せな再婚に激しく嫉妬した男、元妻の左腕を切り落とす。(2015年5月24日テックインサイト)

カンボジアから男の恐ろしい嫉妬の話題が飛び込んできた。別れた元妻が再婚したと聞きつけ、男は怒りのあまり彼女の体にナイフを突き立てたのであった。

カンボジアのメディア『phnompenhpost.com』が伝えているところによれば、この事件で逮捕されたのはコンポンチャム州に暮らすSuos Buntheaという31歳の男。離婚した元妻のNhel Sophyさん(24)が再婚して幸せにやっているとの情報に怒りと嫉妬がこみあげ、ナイフを手にタクシーに乗ってポーサット州クラコア地区で暮らすNhelさんの元へ。彼女の左腕を切断してしまった。Nhelさんはすぐに病院に運ばれ、医師団も何とか彼女の体にその左腕を接合しようと努力しているという。

Suosは1年ほど前にNhelさんと離婚し、屈辱感とともに実家に戻り、両親との同居生活を送っていた。その後もたびたびNhelさんに復縁を迫っては拒否され、電話にも応答しなくなっていた中である日、SuosはNhelさんが再婚したとの情報を知って逆上。200kmほどの道のりにタクシーを利用するほど精神は錯乱状態にあったという。警察はこの男に当初殺意があったものとみて取り調べを進めている。

いやまあ、こんなだから離婚もされるのだと言えば言える話なんですが、しかしとんでもないことをする人間もいるものですよね。
医者の不養生と言っていいのかどうかですが、こちら様々な意味で信じがたい医師がいたと言うびっくりニュースです。

手術中の医師が心臓動脈破裂、モルヒネ打って続行―中国(2015年7月20日レコードチャイナ)

2015年7月16日、揚子晩報によると、江蘇省靖江市人民病院心内科の胡方斌(ホー・ファンビン)主任が4日早朝、心臓のカテーテル緊急手術を行っていた際、自身の心臓大動脈が破裂するというアクシデントがあった。

胡主任はモルヒネを打ち、激痛に耐えながら手術を続行した。術後、胡主任は南京鼓楼病院に救急搬送され、12時間に及ぶ手術を受け、一命を取り留めた。

患者の術後、胡主任は自分でCTを撮り、心臓の主動脈が破裂していることが判明。手術衣を着たまま病院に搬送された。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/武藤)

しかし一歩間違えば大惨事にもなりかねないこの事件、偉いと褒めるべきなのか無茶をしやがってと嘆息すべきなのか何とも判断がつきかねますよね。
世の中にはビリーバーと言われる方々も少なからずいらっしゃるようですが、そんな方々の喜びそうな一つの奇跡?があったそうです。

前世の記憶を持つ3歳の少年が、殺人犯を特定。「僕はあなたに殺された」(2015年7月15日TABILABO)

(略)
数々のミステリーを紹介するYouTube動画チャンネル「Strange Mysteries」によれば、なんと「前世の記憶」を持つ少年がいるという。しかも、数世紀前の話というのではなく、少年にとってはたった4年前の記憶だった。つまり、生まれる直前の記憶ということになる。
少年は前世で殺されたと話していた。そして、自分が殺された土地を両親へと語っており、額にある母斑はその時に受けた傷だと主張していた。

前世の名前や住んでいた村は実在した

問題の場所は、シリアのゴラン高原。当初は誰も信じてはいなかったが、彼が該当する地域へと大人たちを誘導したことで少しずつ周囲の考えが変わっていった。
事件に立ち会ったのは、ガザ地区の医療システムを構築した人物としても知られているドクター・アイラッシュ。彼は2009年に亡くなっているが、その体験を十年来の友人であるTrutz Hardo氏が記事で書いている。
3歳の少年は自分が暮らしていた村の名前や、以前の自分の名前を知っていた。その情報を元に、直接村へと問い合わせてみたところ、4年前に失踪した男性の名前と一致した。

少年の証言により、犯人が自白へ!

当初、少年は自分を殺した相手の名前を覚えてはいなかったが、村を訪ねて前世の自分の家を尋ねたところ記憶が徐々に蘇ってきたようだった。そこには多くの見物人がいたそうだが、ある男性を見てこう発言したそうだ。「アナタは****(名前)さん?」と。
男性はその質問にイエスと答えたそうだが、次の瞬間少年が発した言葉に顔が青ざめたという。
「以前、ぼくはあなたの家の近くに住んでいた。よく喧嘩をしていて、それであなたに斧で殺されたんだ。ぼくの体が今どこにあるのかもわかるよ」

そして、証言通りに遺体や斧も発掘された…

彼が誘導した地点を掘り起こしてみると、そこには地面に埋められ白骨化した遺体があった。少年は額に母斑を持っているが、頭蓋骨の同じ箇所に大きな損傷があった。
遺体の近くには、農家の男性の衣服が発見され、付近では殺害に利用された斧も発見。そうして遂には、少年に加害者だと指名された男性は自身の犯行を認めたという。
前世の記憶を科学的に立証することは難しそうだが、以上に紹介されていた数々の情報の一致。偶然と呼ぶには度が過ぎていやしないだろうか。

一体何がどうなっているのか?と言う話なんですが、まあ少なくとも迷宮入りだった事件の一つが解決したことについては喜ぶべきなんでしょうね。
最後に取り上げますのがこちらのニュースですが、世の男性諸氏にとって終生を共にする我が息子のことは気にならないはずがないと思うのですが、こんな信じがたい調査結果があるようです。

男性の60%、自分の下半身に名前つけている 「村の暴れんぼう」「ダーティーハリー」など…衝撃リスト公開 (2015年6月19日もぐもぐニュース)

よーく見れば可愛いと言えないこともない? 一生のパートナーでもある下半身のアレに、名前をつけている男性が意外に多いという記事が、英国メディアに掲載されて話題を呼んでいる。

■アンケートには衝撃の結果が…!

この記事を発表したのはMetro.uk。同メディアの女性記者がまわりの男性200名にアンケートをとったところ、60%にものぼる約120人ちかくの男性が、自分のそれに名前をつていると回答したのだ。

■中二病? アレに神様な名前つける人も

彼らの愛息につけた名前も興味深いものになっている。「エドワード」「グスタフ」「テリー」「ドンガー」「リトルロイ」といった一般的な人名から、神話というか中二というかな「アトラス(大地神)」「トロル〜村の暴れんぼう」「ビッグベアー」
「一つ目蛇ちゃん」なんて名前をつけている人も。神様よばわりってどんだけすごいんですか! 

■アメリカでは映画名をつけたりも

2013年にアメリカの雑誌『Glamour』が1131人にアンケートをとったところ、13%が名前をつけていると回答。こちらではアメリカ人らしい(?)ワイルドな「ペニサウラス レックス」なんてものから、映画名からとった「ダーティー・ハリー」「クロコダイル・ダンディー」なんてものも。
日本で男性があれに名前をつける文化はまだ根付いていないが、これを気にすてきなネーミングをしてみるのもいいのかも。また女性であればパートナーのそれに名前をつけるのも一興。『ど根性ガエル』の「ところがどっこい生きていた〜」を口ずさみながら、ぜひ!

恐らく日本で同様の調査を行えばアメリカよりもさらに数段低い数字が出てくるのではないかと思われますが、しかし60%とはさすがにブリとしか言い様がありませんね。
それにしても「村の暴れんぼう」などと言われると一体どんな伝説を持っているのかで、村内の治安維持のためにもあまり公にしない方がよさそうなあだ名ですよね。

今日のぐり:「くら寿司 和歌山橋本店」

和歌山県最北部の橋本市と言えば近年ではすっかり大阪のベッドタウン化が進んでいるのだそうですが、その郊外に位置するのがこちらのお店です。
くら寿司さんにはあまり行ったことがないもので、食事時間帯を少し外れかけた時期にも関わらず大繁盛なのはそれだけ人気の理由でも?と思うのですが、中に入って見ればまあ普通の回転寿司であまり違いは感じられません。

例によって同行者とシェアしながら適当につまんで見たのですが、とりあえず流れていたたっぷり野菜のトルティーヤは貴重な野菜系メニューとは言え、中身がもう一工夫あればさらに良かったですかね。
あぶりメカジキは非常に香ばしく焼けてるだけに、もうちょっとタレの味が控えめならもっと楽しめそうなんですが、定番のアジなどを食べてみますと変な味もしないがアジらしい味もしないですから、タレの味で食べさせる方がいいのかも知れません。
これも季節ネタになるゆず塩カツオたたきはなんとも奇妙な食感が特徴的なんですが、カツオの風味そのものは意外とまともな感じで冷凍物にありがちな妙な生臭さが少ないのは産地でもある和歌山だからでしょうかね?
昨今回転寿司に出かけるとよく頼むことにしているもりもりポテトは概ね回転のポテトに外れなしなんですが、少し揚げ具合が軽めなのかもう少しクリスピーに仕上げてもよかった気がします。
締めに冷やしぶっかけちく天うどんを取ってみたのですが、うどんはまあどうでもいいようなものなんですが、甘辛の汁の味などテーブル常備のワサビをちょいと足してやると倉敷風ぶっかけうどんにかなり近い感じで、こんな場所でこんな味を食べていると言うのも何か不思議な気がしますね。

店舗などはこの種の回転寿司としてごく一般的なものなんですが、ここのレーン上のお皿に装着されている蓋つきケースはくら寿司独自開発のもので、機能的にはそれなりにメリットがあるのだそうです。
ただ高齢者の方々もいらっしゃる商売だけに仕方ないことなのでしょうが、実際にこの日の訪店時に事故が発生してレーンが止まってしまったくらいですから、初心者にも判りやすいように何かしらの説明なりはあってもよさそうには感じました。

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2015年7月25日 (土)

反日活動を絶讚強化中のシーシェパード、フェロー諸島で規制強化される

国際テロ組織のトップにして逃亡指名手配犯のシーシェパード(SS)代表が、先日妙に畑違いなことを言い出したと報じられています。

【シー・シェパード】反日色強めるワトソン容疑者 「日本は地球上で最も恐ろしい国家」 慰安婦問題や南京事件にも言及(2015年7月20日zakzakニュース)

 シー・シェパード(SS)創設者、ポール・ワトソン容疑者が最近、声明の反日プロパガンダ色を強めている。捕鯨やイルカ漁とは関係ない韓国との慰安婦問題や中国との南京事件問題に言及し、「日本の教科書はまるでそうした出来事がなかったかのように残虐行為の言い逃れを行っている」などと批判したり、昭和天皇の言葉を取り出し「耐え難きを耐え、忍び難きを忍んでいるのは鯨やイルカたち」と“こじつけ論”を展開する。さらに、「日本は地球上で最も恐ろしい国家」として福島第一原発事故の影響で多くのイルカが死んでいるとも述べ、状況をあおり、支持者に対して、鯨やイルカたちを救えるのはシー・シェパードだとアピールしている。
(略)
 1977年に設立されたシー・シェパードは2000年代に入り、日本の捕鯨やイルカ漁を標的にして、テレビ番組に取り上げられることで急成長を果たした経緯がある。この傾向は今も続いており、ワトソン流反日論は世界各国に拡散している状況にある。
 4月に行った声明では、福島第一原発事故後の日本の放射能汚染の実態に言及。「放射能に汚染された地下水が毎日、福島からはき出され東京に向かっている」として、死の脅威がじわじわと近づいている、と語る。その根拠として、浜に打ち上げられた多くのイルカが死んでいることをあげる。また、日本のメディアは「真相を明かさず、闇に包み込んでいる」のだという。

 そもそも、ワトソン容疑者は4年前の東日本大震災の発生の直後にも、「神は怒りを込めて深き海底の床を打ちのめした」という詩を発表。捕鯨やイルカ漁を行っている日本に天罰が下ったと主張して、大きな批判を浴びた。
 今回の声明では、今後、起こりうる展開として、(1)イルカの死が増加する(2)太平洋地域の魚の放射能レベルが増える(3)日本でのガン患者が増加する(4)政府は今後、ますます情報を押さえつける(5)2020年に日本でオリンピックは開かれない、と予測している。
(略)
 今年6月の声明では、慰安婦問題や南京事件についてふれ、日本の戦争犯罪をふまえた反捕鯨論を展開した。
 昨年の国際司法裁判所(ICJ)の捕鯨裁判で敗訴した後も、日本政府は新しい南極海調査捕鯨計画を推進しているとして、戦後に受け継がれた日本のプライドが「彼らを決して経済的に肯定的な結果をもたらさない不合理な決断に至らせる」と主張。捕鯨問題は日本がかたくなに妥協しないことの「国家的なシンボル」になったと語った。
 ワトソン容疑者によれば、先の大戦で1億人の日本国民が「玉砕」することを迫られたように、現在も、日本のプライドを順守するために、クジラやイルカたちが「玉砕」を迫られている状況にあるのだという。そうして、声明の最後にはこう問いかける。

 「クジラやイルカたちはいったいいつまで耐え難きを耐えなくてはならないのか?」
 「(日本の)国粋主義の元で、クジラやイルカたちはいつまで残酷に殺戮(さつりく)されなければならないのか?
(略)

しかしこのワトソン容疑者の言いようにはずいぶんと既視感を覚えた人も少なからずいただろうと思いますけれども、そもそもSSのバックにいる黒幕とも噂されているのがご存知メディア王マードックですが、そのマードックが中国共産党と強いパイプを持っていることが知られていて、かねて南極海での反捕鯨活動などに絡んでSSの背後に中国の思惑が反映されているのではないか?と言う指摘は少なからずありました。
一方で今回のコメントを見ていますとお隣韓国の言い様と非常にシンパシーがあるとも感じられるのですが、日本の太地町の捕鯨などはあれほど攻撃しているのに対して、日本の4倍以上の捕鯨量を誇る「隠れ捕鯨大国」であるお隣韓国に対して一切攻撃をしないのは何故なのか?と言う指摘もあって、その理由としてSSにとってのメリットがないからだとか様々に言われてきたことも知られている通りですよね。
いずれにしても彼らSSがこうして中韓と共同歩調を取るように反日路線を明確化してきたことは、彼らの行為が単なる反捕鯨ではなく民族差別に基づいての営業活動に他ならないことを示しているとも言えそうですが、この点に関しては最近彼らが「いや、我々は反日主義者でもなければ金の亡者でもない」と主張する根拠として、フェロー諸島への遠征を行っていることが報じられています。
かつて地中海マグロ漁民との間にトラブルがあったように、一般的に世界の漁業関係者は日本のそれほど紳士的ではないと大いに期待感を持って注目されてきたこのフェロー遠征なんですが、最近こんなことになっていると報じられています。

捕鯨妨害の活動家2人拘束 デンマーク・フェロー諸島の砂浜で警察が取り押さえる(2015年7月24日産経新聞)

 北大西洋に浮かぶデンマーク領のフェロー諸島で、23日、反捕鯨団体シー・シェパード(SS)の活動家が、フェロー諸島伝統の捕鯨を妨害したとして、地元警察に拘束されたもようだ。地元住民が撮影したとみられる動画には少なくとも2人の活動家が、砂浜で警察官に取り押さえられる生々しい様子が映っている。

 2人のほかに、さらに複数の活動家が拘束されたとの情報もある。フランスに逃亡中のSS創設者、ポール・ワトソン容疑者(国際手配中)も自身のフェイスブックの公式ページで、活動家の拘束情報を伝えている。

 フェロー諸島では、毎年6月ごろから、食用のための追い込み漁が行われており、SSが例年、活動家を派遣して、妨害活動を続けている。昨年には500人のSS活動家がフェロー諸島を訪れ、漁を妨害。うち14人が逮捕された。

 フェロー諸島の自治政府は今年から、追い込み漁に関する法律を改正、悪質な妨害に対して、最高で2年の禁錮刑を科すなど、罰則を強化した。

 これに対して、SSは船を3隻参加させ海と陸から妨害活動を行うことを宣言、6月中旬ごろから数十人の活動家を現地に派遣し、治安当局とのにらみ合いが続いていた。

 23日の事件とは別に、これまで、追い込み漁に対する違法行為でSS活動家2人が拘束されている。

まあさんざんとんでもないことをやって嫌われていたようですから積悪の報いで仕方がないと言うものなんですが、興味深いのは記事にもあるとおり、まさに今年からSSをターゲットにしたかのような法改正が行われた結果、今回の逮捕に結びついたと言う点ですよね。
この法律の詳細についてはご存知テキサス親父が解説をしていますので参照いただければと思いますけれども、日本でこんな法律を作るとなれば色々と文句を付ける人間が出てきて何もまとまらなさそうな内容とも言え、小さな共同体で住民内でのコンセンサスが得やすいフェロー諸島だからこそ成立したとも、それだけのことをさせるほどSSの振る舞いが目に余ったのだとも言えそうです。
日本でも和歌山県あたりでは条例制定も検討されているとかいないとかですが、今のところ太地町の入り江への無断立ち入りを禁止する程度の非常に曖昧な対策に終わっているのだそうで、やはりこの辺りは特定の思想信条に対する規制への根強い反感のようなものもあるのでしょうが、思想信条部分は別にして行為面だけを取り上げても十分規制対象として考えられる相手だとは思うのですけれどもね。
今後フェロー諸島がSSのテロ活動とどのように戦い、そして最終的にどのような結果になるかと言うことは日本にとっても非常に参考になるケースであるのだろうし、出来れば太地町など自治体レベルでも現地と交流を持って情報収集や、交友活動を積極的に行っていただきたいものだと思います。

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2015年7月24日 (金)

知られたくない利用歴と個人情報が結びつく危険性

今の時代いわゆる性的マイノリティに対しては寛容たるべしと言う考え方が広く滲透してきていると言うことなのか、日本社会に限らず性の多様性と言うものが非常に拡大してきている印象がありますけれども、別に他人様に迷惑をかけなければ個人の自由だと思うのですが、時に犯罪沙汰になることもあると言う実例としてこうしたニュースが出ていました。

デリヘルの盗撮動画をネット公開か、会社員の男逮捕(2015年7月20日TBSニュース)

デリバリーヘルス店の女性従業員を盗撮し、自らの性器が写ったわいせつ動画を有料でインターネット上に投稿したとして、会社員の男が警視庁に逮捕されました。

 逮捕されたのは東京・中央区の会社員(略)(43)で、去年4月から先月までの間、デリヘル店の女性従業員を盗撮し、自らの性器が写ったわいせつ動画を有料でインターネット上に公開する目的で保管していた疑いが持たれています。

 小野山容疑者は、女性に看護師の制服などのコスチュームを着させて盗撮をしていて、動画投稿サイト「FC2」に78の動画を公開し、ダウンロード料金としておよそ350万円を稼いでいたということです。小野山容疑者は容疑を認めているということです。(20日11:38)

販売目的でわいせつ動画保存=容疑で男逮捕、風俗嬢盗撮か―警視庁(2015年7月20日時事通信)

 販売目的でわいせつな動画を保存したとして、警視庁池袋署は20日までに、わいせつ電磁的記録有償頒布目的保管の疑いで、コンサルティング会社社員(略)(43)=東京都中央区日本橋横山町=を逮捕した。
 同署によると、容疑を認め、「小遣い稼ぎでやった」と話しているという。
 逮捕容疑は2014年4月~今年6月、販売目的でわいせつな動画19ファイルを米国内に設置されたサーバーコンピューターに保存した疑い。

この制服フェチと言うのもかなり広くマニアの存在する性癖で…などと言う与太話はこの際どうでもいいことなんですが、一昔前の怪しげなエロビデオ通販などと違って昨今ではこの種の動画ダウンロードサイトなどもかなり質的にしっかりしたものも多いようで、もちろんエロ動画など無料で幾らでも手に入るじゃないかと言う突っ込みはさておき、この人物もある意味では良心的な商売をしていらっしゃるとも言えるのかも知れません。
もちろんこうしたアダルトサイトにアクセスするといきなり「あなたは会員登録されました。なお解約希望の方はこちらへ連絡を」云々と表示されるような詐欺サイトも多数あるわけですが、そうした予断はさておきこの事件で興味深いのが逮捕に至った罪名で、わいせつ物陳列であるとか盗撮であるとか言うことではなく、わいせつ電磁的記録頒布と言う何とも耳慣れない言葉での逮捕になっていると言う点です。
従来の本やビデオ、DVD等物理的な媒体を扱うのではなく、ポルノが合法な海外サーバーからダウンロードさせる等の行為に対して改正刑法175条で規制されるようになったものですが、例えばSNSで猥褻画像を公開した場合などもわいせつ電磁的記録記録媒体陳列として罪に問われると言うことで、うっかり妙な画像を流出させると警察がやってきたと言うことが実際にあるようですから注意が必要ですよね。
こうしたネット上での猥褻行為と言うものは通信記録が残ってしまう結果、後になって思いがけないところから追及の手が伸びてくると言う恐さがあると言えますが、先日発生したこちらの事件も思いがけないところから知られたくない記録が流出する恐さを多くの人に感じさせたのではないかと思います。

不倫サイトの顧客情報流出=ハッカーが「即時閉鎖」要求(2015年7月21日時事通信)

 【ワシントンAFP=時事】不倫を奨励するカナダの出会い系サイト「アシュレイ・マディソン」の運営会社は20日、同サイトがハッカーによる攻撃を受けたと発表した。
 利用者を特定できる情報が、インターネット上に一時流出したという。

 運営会社によると、「許可されていない参加者」がサイト内の複数のアクセスポイントを通じて利用者のデータを取得し、ネットに掲載した。サイバー攻撃を加えたと主張するグループは、声明で「サイトを即時かつ永久に閉鎖しなければ、本名や住所を含む全ての顧客記録や、利用者の性的妄想を添えたプロフィル」などを公開すると脅迫した。
 運営会社は既に問題点を改善したとしているが、「世界中の主要IT企業と協力してきた安全対策でも攻撃を防げなかった」と利用者に謝罪した。

 アシュレイ・マディソンは2001年創設。「人生一度。不倫をしましょう」を売り言葉に業務を拡大し、利用者は現在、世界46カ国で3700万人を超える。 

まあこの種の出会い系サイトの存在自体も社会的倫理的にどうなのか?と言う場合もあるわけで、今回のハッカーによる攻撃にも人によっては拍手喝采と言うこともあるのかも知れませんけれども、こうしたサイト利用に対して顧客情報を公開すると脅すタイプの攻撃と言うのはかなり珍しい気がしますね。
この場合攻撃を直接受けたサイト側は特に不利益がないようにも思えますが、仮に情報が公開され利用者が不利益を被った場合巨額の損害賠償請求をされる可能性もあるのだろうし、別に利用歴の有無を抜きにしても民間企業に対する攻撃として、この種の顧客情報を云々するタイプの方法論はかなり有効そうには思えます。
逆に考えるとこうして組織に対する攻撃と言う形であったからこそまだしもですが、入手した顧客情報を元に一人一人を脅迫すると言ったタイプの犯罪も十分考えられるもので、少なくとも社会的批判を受ける可能性のある場所に赴く場合はうっかり個人情報を垂れ流すべきではないと言うのは、ネット上と実社会とを問わず当たり前の個人防衛手段なんだろうと思いますね。

記事を見ていて気になったのが何故こうまで詳細な顧客情報を運営会社が持っているのかで、実名登録で身分証を確認でもしていたのかと思ったのですが、規約を読む限りではどうもクレジットカード関連で情報が流出していたようで、この辺りは個人情報を実名に関連づけるべきものとそうでないものとを分けずまとめて一元的に管理していたのであれば管理方法として問題があったように思います。
ただネット上の商取引がこれだけ一般化すれば、個人を特定出来る情報がどこから流出するか知れないのだし、例えばそれが通販サイトの購入履歴と関連づけられて公開されるとなると途端に人に知られたくないものに変わりかねないわけで、ありとあらゆる企業が個人情報の管理手段を見直していく必要がありそうですよね。
もちろん最初から犯罪的行為に流用する目的で個人情報を収集する詐欺的サイトや、勝手に個人情報を収集するウイルスなりに感染したサイトもあるわけで、昔から言われることですが目的によってメールアドレスは使い分けるだとか、仕事用と私用のPCは必ず分けるだとか、基本的なネット利用のマナーを遵守するところからきっちりしていくことがセキュリティー管理の第一歩になるのでしょうか。

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2015年7月23日 (木)

柔整問題、ようやく保険者側も腰を上げる?

柔道整復師と言えばいわゆる医療ではないにも関わらず医療保険を使えると言う存在で、かねてからその診療報酬を巡っては様々な疑問の声もありましたけれども、先日大阪でこの柔整問題を取り上げた勉強会があったのだそうで、整形外科医と保険者が中心となって開催されたと言うこの勉強会での内容が非常に示唆的なものになっていたようです。

返戻後、作り直せる柔整レセ、制度に疑問の声(2015年7月15日医療維新)

(略)
 勉強会は大阪市臨床整形外科医会の持ちかけで、保険者の協力で実現した。勉強会は、奈良県橿原市保険医療課の今井大介氏は、広告の取り締まりへの取り組みを紹介。橿原市は、療養費適正化に向けて、柔道整復師の指導権限の移譲を県に求めた結果、広告規制の指導権限を得て、2013年度から取り組みを実施している。

 具体的な違法広告の内容として、疾病名を挙げて「治療」と明記したり、必要事項を明記しないまま「各種保険適用」とうたっているものがあり、法律違反の広告を指導して、違法箇所を塗りつぶさせるなどしてきた。結果として、2014年度の新規の柔道整復施術所が、人口が同規模の奈良県生駒市では7件あったのに対し、橿原市では、0件だったことなどを紹介した。今井氏は、被保険者との面会や、採用した柔道整復師の資格保持者による療養費のレセプト点検などの取り組みにも言及した。橿原市においては、新規開業がなくなったのに加え、国保の療養費が2008年度から2009年度に増えたが、2010年度以降は減少し続けている

「おかしなレセプトばかり」

 療養費の国保審査の実態を紹介したのは、大阪府国民健康保険等柔道整復療養費審査委員を務める、大阪市臨床整形外科医会理事の岸本成人氏。審査会では、負傷時の状況をレセプトでチェックするが、岸本氏は「おかしなレセプトばかり」と指摘。ただ、おかしくても件数が多いことや、適正化に後ろ向きな職員がいるなどの実情があり、実際の問い合わせにまで至らない点を紹介して、「審査自体が目的化している」「機能は発揮していないどころか、レセプトにお墨付きを与えている」として、審査機能の低下を認めた。

 療養費におけるレセプト審査のルールへの疑問も提示。療養費の審査は、医科などの場合と違って、返戻された場合、一から作り直せる制度となっている。さらに、「なぜか、コピーをして、手元にオリジナルのレセプトを残すことができない」(岸本氏)問題もあり、実際の不支給決定までのハードルの高さを指摘した。
(略)
 ある企業の健康保険の保険者の担当者は、自身で進めている対策を紹介。照会対象の抽出に当たっては、「初めて施術を受けた場合」「施術日数が多い場合」「家族で施術を受けている場合」など、スクリーニングの対象を固定していない点を紹介。その上で被保険者への照会を実施していて、「保険適用外」と判明した場合は、「今後は自費で対応するように」と求めている点を紹介。照会の督促を3回まで実施していて、回答がない場合は、不支給としていることなどを紹介した。

「保険者よ、柔整師になめられるな」、約80の保険者勉強会(2015年7月14日医療維新)

(略)
 保険者向けに、柔整師の施術と関連する医学的知識を、参加者に解説したのは、大阪臨床整形外科医会理事の宮田重樹氏。冒頭で、柔整師の施術が認められているのは、「捻挫、打撲、骨折、脱臼のみ」とした上で、応急手当を除くと、「捻挫と打撲」に限定される点を指摘。「単なる肩こり、筋肉疲労に対する施術は、療養費の支給対象外」と強調した。さらに、柔整師が、「原因のはっきりしない痛みは、亜急性の外力による損傷」と主張する「亜急性」についても、「あり得ない」と述べた。

 負傷の実態についても解説。不正請求が疑われる事例では、「負傷個所3カ部位以上」というケースが少なくないが、日本臨床整形外科学会の調べによると平均負傷個所は1.22部位となっている点を指摘。さらに捻挫打撲の治療期間については、大阪臨床整形外科学会理事の骨折を除いた1113例で、「平均通院期間は6.2日、平均通院日数は1.9日」とするデータを示した。ともに、多部位、長期、頻回の日数について、実態が伴わない可能性を示した。

 医学的な判断を伴わない施術が悪影響を及ぼす可能性にも言及。筋内圧が何らかの原因で上昇して、循環器障害を引き起こし、筋壊死などにつながる「急性コンパーメント症候群」を紹介。加えて、大阪臨床整形外科学会で2014年10月と11月に突き指で外来受診した患者のうち、41%が骨折していた点を紹介して、医学的知識を伴わない施術が、治癒の遅れや、重症化につながる点を懸念した。

 さらに、医療機関で治療継続中に、柔整師が施術をしても、療養費の支給対象外となることや、按摩、鍼灸でも、「医療保険との併用は認められていない」と紹介。適正な支給申請かを判断する上で参考となる知識を紹介した上で、「定義を理解して、被保険者に伝えてほしい」と呼びかけた。

一読してなんじゃこりゃ?と誰しも感じたところだろうと思うのですが、ここでは何か問題があった場合にそれを伝える対象として柔整師ではなく、被保険者である市民が対象とされていと言う点に留意いただきたいところです。
もちろん医療における保険の審査もまあちょっとそれはどうなのよ?と思うところ少なからずあるとは言え、記事を見る限りでは柔整に関しては全くの素人が形ばかりの審査で通しているのか?と感じるところで、同じ保険診療の財源を使いながらこの格差は何なのか?ですよね。
その背景にあるのが何なのかと考えてみると、もちろん医科と柔整では件数や単価などに大きな違いもあり審査の密度の違うのでしょうが、特殊な事情として仮に保険者が支払いを拒否したと言う場合、医科であれば保険負担であったはずの部分は病院なりの持ち出しになりますけれども、柔整の場合は利用者である患者自身が支払わなければならないと言う違いがあります。
この理由として柔整師はあくまでも保険による支払い分を患者の代理として受け取っているだけであって、査定で切られた場合は再審査請求をするもしないも全て患者本人が決めることになっているのですが、もちろん実際には素人である患者が柔整師の書いたレセプトの不備を云々出来るはずもありませんから、実際には柔整師が代理で再審査をしているか、あるいは医科と同様自腹で損害をかぶっているのではないかと言う気がします。
医科でも診療費踏み倒し問題などに絡んで、保険負担分は病院が肩代わり請求せず患者に請求させるべきだと言う声も根強くあるのですが、患者の利便性によって今のようになっていると言うのであれば、別に柔整においても同じやり方で統一してもいいのではないか?と言う気はしますでしょうか。

また実際に不正請求としてチェックされている件数・比率は保険者にとって全くバラバラであることも問題で、前述のような理由から「切ってしまうと患者=市民に迷惑がかかるから」と自治体などはひどく遠慮がちであったりもすると言うのですが、例えば岸和田などではチェックの委託など厳しく(と言っても医科の基準からすると普通に、でしょうが)査定を行った結果、給付額が一気に3割も減ったと言うのですからどれだけザルだったのかですよね。
実際に「勤務医 開業つれづれ日記」さんのところで柔整の監査の実際を紹介しておられますけれども、まあさすがにどれほど場末の医科診療所でもここまでいい加減なことをやっていると言うことはちょっと考えにくいと思うのですが、「勤務医~」さんもおっしゃっている通り「なにか根本的なことがすべて間違っている」のだとしても、記事の内容からすると柔整的感覚ではこのレベルはごく普通に行われていることのように読めますよね。
医科で手慣れたチェックシステムをそのまま転用すれば幾らでも柔整さんが廃業に追い込まれていきそうな気配すら感じるのですが、こんな柔整さんが整形外科の半分にも相当する公的支出を招いているとなればやはり放置するわけにはいかないと思うのですが、何故今まで散々問題視されてきたこの柔整不正請求問題に今ようやく重い腰が上げられつつあるのかです。
その背景として公的保険支出の削減が厳しく言われ、どこにどれだけお金を使うかを厳しく問わざるを得なくなってきたことと無関係ではないと思いますが、今後社会保障費削減が進むにつれて保険者と施設側との争いが発生するのか?と考えてみると、柔整や薬局など今まで相対的にチェックが緩いままであった施設ほど負担感が急増しそうではあり、その結果業界内での分布図が大きく変わってくる可能性もありそうですよね。

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2015年7月22日 (水)

人を殺す電気柵はニセモノの電気柵です

先日は静岡県で感電事故による死者が出たと大いに話題になっているところですが、まずはこちらのニュースから紹介してみましょう。

男児が電気柵に接触、断線か…電線が川につかり次々感電の可能性(2015年7月20日産経新聞)

 静岡県西伊豆町で動物よけの電気柵付近で7人が感電し、うち2人が死亡した事故で、川遊びをしていた男児が左手に大やけどを負い指を断裂する重傷を負っていたことが20日、県警下田署への取材で分かった。県警は、男児が電気柵に接触した際に電線の一部が断線して川につかり、助けに向かった人々が次々に感電したとみて調べている。

 また、電気柵の電源が、近くにある農機具小屋の家庭用コンセント(電圧100ボルト)だったことも判明。ぬれると皮膚の電気抵抗が大幅に下がるため、電気保安協会の関係者によると、100ボルトの電気に接した場合は、ショック死する可能性があるという。

 電気柵はアジサイの花壇を鹿から守るために近隣の男性が設置。静岡県によると、30ボルト以上の電源を使用する電気柵を人が簡単に立ち入る場所に設ける場合は漏電遮断器を設置するよう義務付けられている。事故後に現場に入った人が「水の中でピリピリした」と話しており、事故時も漏電していた可能性が高いことなどから、県警は安全対策に不備があったとみて業務上過失致死傷容疑での立件も視野に捜査を行う方針。
(略)

電気柵の感電事故 漏電防止など安全対策捜査(2015年7月20日NHK)

(略)
警察は20日朝から現場で事故の原因となった電気柵の状況などを調べました。これまでの調べで、岩村さんの長男が電気柵に触れたあと、電線の一部が川の中に垂れ下がったとみられていますが、この電線には対岸の納屋にある100ボルトの家庭用のコンセントから電気が流れていたことが分かりました。この方法で電気柵に電気を流す場合、法律では電源付近に漏電を防止する装置を設置するよう定めているということで、警察は、事故が起きた電気柵にそうした装置が備えつけられていたかどうかなど、安全対策に問題がなかったか、詳しく調べています。

電気柵 専用の電源装置が必要
警察によりますと、7人が感電した原因となった電気柵は、現場近くの住民がシカからあじさいを守るため、設置していました。
7人が感電した川には切れた電線がありました。この電線は電気柵の一部で、すぐ近くにある橋を伝って、およそ25メートほど離れた対岸にある納屋まで延びています。この納屋には家庭用の100ボルトのコンセントがあり、そこから電気柵に電気が流れていたということです。

電気柵のメーカーで作る「日本電気さく協議会」の宮脇豊会長は、今回の事故について、「正しく使用していれば、人体に影響が出るような事故が起きることは考えづらい。設置状況を詳しく調べる必要があると思う」と話しています。
宮脇会長によりますと、電気柵を設置する際、家庭用コンセントなどから直接、電気を流すことは法律で禁止されていて、断続的にしか電気が流れない専用の電源装置を使うよう定められています。協議会に加わっているメーカーでは、電源装置を製作する際の基準として、電気の流れる間隔を1秒以上開け、3000分の1秒ほどと瞬間的に電気が流れるようにしているということです。電気柵に流れているのは6000ボルトから1万ボルトと高圧ですが、瞬間的なため、動物が触れても死ぬことはなく、驚かして近づかないようするためのものだということです。さらに国は、人が簡単に立ち入ることができる場所に30ボルト以上の電源から電気を供給するときは、漏電時に電気を遮断する安全装置を設置するよう求めています。
(略)

風呂の中で感電事故が起こりやすいのと同じで、川の中に電流が流れると特に危険なのだそうですが、この種の電気柵はちょっとした田舎であればどこにでもありふれた装備であるだけに、こんな死者が出るような危険なものだとは知らなかったと言う人も多いのではないかと思います。
見たところ河原に生えている紫陽花なのに何故こんな電気柵など装備しているのか?と言う疑問も多くの人が感じたようですが、記事によれば一応は地元の方が花壇にしていたと言うことであるようで、そもそもこうした水辺かつ公共の場所に近い立地で使用するのが妥当なのか、そして通常昼間は通電しないと言いますが何故通電が続いていたのかなど疑問が残るところです。
それ以前にまさかコンセントに電線を直結していたわけでもないのでしょうが、法律で義務づけられている漏電遮断装置がなかったと言い明らかに安全管理上問題が大きいと言えますから、今後刑事で立件されると言うことがなかったとしても民事訴訟などになる可能性は十分ありそうに思いますね。

しかしちょっと田舎に行けば身近にどこにでも見かけるこの種の装置、まさか人が事故に遭うようなこともないよう何かしら安全対策はしてあるのだろうと思っていたところ、どうやら必ずしもそうではなく単純に電気を流しているだけと言う場合もあるようだと言う事実に対する恐怖感はありますよね。
今回の事故も含めて過去にも電気柵による死亡事故は起こっているのですが、どうも電気柵と言う言葉のイメージに釣られてか単純に電源に電線をつないだだけのニセモノを設置していた場合が多いようで、本来的には動物等が接触したときに短時間だけパルス上に電流を流す仕掛けであるにも関わらず、案外広く誤解されているのではないかと言う懸念があります。
今どき電線などそこらのホームセンターで幾らでも手に入るだろうし、今回のように近所の電源から電線を引いてくるだけと言うことをやっている人が全国にどれほどいるのか知りませんが、まさか「電気柵に触る人間はいないだろう」「ここなら誰も通らないだろう」と言った思い込みで危険な仕掛けをしているのだとすれば、これは安全に直結する大変な問題ですよね。
興味深いことにこの種のニセモノ電気柵の自作方法と言うものがネット上などでも広く公開されているのだそうで、今の時代ですからこうしたサイトの情報を参照に手製の仕掛けを作り上げる人もそれなりにいるのだと思いますけれども、法律違反であるのみならず何かあれば刑事、民事双方で大きな責任を負う可能性があることは承知しておくべきだと思います。

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2015年7月21日 (火)

二つの業務上過失致死裁判

東京で発生した脊髄の造影検査時の造影剤誤投与による患者死亡事件について先日お伝えしたところですが、本日まずはその裁判の判決を伝えるこちらのニュースから紹介してみましょう。

造影剤誤注入で患者死亡、医師に有罪判決「初歩的ミス」(2015年7月14日朝日新聞)

 国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)で昨年4月、女性患者(当時78)の脊髄(せきずい)に誤った造影剤を注入して死亡させたとして、業務上過失致死の罪に問われた女性医師(30)の判決が14日、東京地裁であった。大野勝則裁判長は「ミスはごく初歩的であり、過失は重い」として禁錮1年執行猶予3年(求刑禁錮1年)を言い渡した。

 判決は、造影剤の箱などには「脊髄造影禁止」と目立つように朱書きされていたと指摘し、「ほんの少し注意を払えば使用してはならないと容易に気づけた」と批判。一方で、「反省し謝罪を重ねている」とした。判決後、患者の次男(50)が記者会見し、「医師の教育が不十分であり、病院の過失も非常に大きい刑事事件で医師しか裁けないのは限界を感じる」と述べた。

 判決によると、女性医師は昨年4月16日、脊髄造影検査をする際に、患者に脊髄への使用が禁止されている造影剤「ウログラフイン」を誤って注入し、患者を死亡させた。

この事件に関しては前回もお伝えした通り、システム的な問題としても非常に多くの教訓をはらんでいると思うのですが、医師は終始事実関係を否定することもなく、事故後は真摯に謝罪と反省をした上で臨床の現場を離れ一切診療も行っていないと言うことですから、過失は重いとしながらも執行猶予がついたと言う点ではそれなりに情状酌量の余地有りと判断されたのかどうかですね。
医療関係者は背景事情を非常に問題視していて、その部分を何とかしないまま個人の努力不足、勉強不足が問題だといたずらに責任を追及しても何度でも再発する可能性があると主張してきたわけですが、検察側はそうした問題はあくまでも背景事情であると一刀両断した形で、記事からも伺える通りこの辺りは裁判に影響を与えたもう一つの要因として遺族の処罰感情もあったのか?とも推測されるところです。
さて、当「ぐり研」では以前にも何度か「ズンズン運動」なるものを取り上げて来たところですが、全く無資格の素人が乳幼児の首をひねり上げ死なせてしまうと言う重大事故を何度も繰り返してきた、そして事件後も「施術が原因ではない」と繰り返し今後も施術を続けていくと主張していたと言うことですから、まあ普通に考えるならば謝罪も反省も全く見られないと受け止めるべきなのかと言う気が致します。
この術者がその後業務上過失致死に問われ裁判になっていたわけですが、先日その経過を伝えるニュースが出ていたのでこれまた紹介してみましょう。

「おわびと償いの人生歩みたい」…乳児施術死、禁錮1年を求刑 「ズンズン運動」元理事長に(2015年7月14日産経新聞)

「ズンズン運動」と称する独自の施術で生後4カ月の男児を昨年6月に死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われたNPO法人「子育て支援ひろばキッズスタディオン」(新潟県)=解散=の元理事長、姫川尚美被告(57)の論告求刑公判が14日、大阪地裁(柴山智裁判長)で開かれ、検察側は禁錮1年を求刑した。判決は8月4日。

 検察側は論告で「医学的根拠もなく男児の動脈を繰り返しもみ、窒息状態に陥らせた。過去にも施術後に死亡した例があり、人命軽視の態度が甚だしい」と指摘。続いて、遺族側が被害者参加人の立場から「法律で定める最大限重い懲役刑にしてほしい」と述べた。

 弁護側は遺族への賠償を理由に執行猶予付き有罪とするよう求め、被告は「今後はおわびと償いの人生を歩みたい」と謝罪した。

 平成25年2月には新潟県の男児=当時(1)=が施術後に死亡。業務上過失致死容疑で書類送検された被告を新潟地検はいったん不起訴としたが、今年6月に新潟検察審査会が「起訴相当」と議決し、再捜査している。

これまた死亡という重大な結果を招いたこと、そして遺族の処罰感情が非常に強いことと言う前掲の裁判と共通する要素がありますけれども、一方でこちらの場合全くの無資格、無勉強で危険な行為を行っていたと言う点で「初歩的ミス」どころではない話だと思うのですけれども、奇しくもどちらも求刑では禁錮1年と言う全く同じ内容になっている点が気になりました。
さらに興味深い点として記事にも書類送検されながらいったん不起訴とされていたようにこのズンズン運動なる行為、以前に死亡事故を起こした際にも書類送検されながら死亡との因果関係が立証できないと不起訴になり、今回の場合も非常に起訴に至るまで難渋したと言うことで、もともと法律のグレーゾーンに位置し下手をすれば今もずっと放置された状態になっていた可能性も十分にあったようです。
もちろん人が死んだと言う結果に関して何ら違いはないと言う考え方もありますが、前述の医師が今後きちんと反省し真面目に勉強し医師として成長していけばこれからどれだけの患者の利益になるかと言う期待が持てるのに対して、こちらの場合何年やろうが何らの治療効果も期待出来ず同じように事故が発生する危険性は軽減しないだろうと考えると、これら二つが同列の扱い?と何とはなしに釈然としない気になるのは自分だけでしょうか。
過去にも専門医は一般医よりも高いレベルの診療内容を期待されて当然で、何かあれば非専門医よりも高いレベルの責任を問われて当然だと言う考え方の是非が医師の間で話題になったように、現場の当事者がこれはおかしいと感じることと国民感覚との間にどの程度の開きがあるのか、そして司法の判断はどちらにより近い基準で行われているものなのかには注視する必要がありそうですよね。

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2015年7月20日 (月)

今日のぐり:「中華そば 一久 新川店」

先日実際に発生した事件らしいのですが、こういう話をご存知でしょうか。

中国農村で豚として7年間育てられた男児を保護(2015年7月10日日刊サイゾー)

 めまぐるしい発展を遂げる都市との格差が一向に縮まらない中国の農村で、またしてもショッキングな事件が明るみとなった。
 今月初め、河南省東北部の農村で、両親によって、なんと豚と一緒に育てられていた男児が保護されたのだ。7歳になるこの男児は、栄養が足りていないためか3歳児ほどにしか見えず、言葉もまったく話せなかった。

 地元紙「濮陽早報」の報道によると、村に入ると鼻を突く臭いがあたりに充満しており、その悪臭は男児とその両親が住む家に近づくと、さらに強烈になっていったという。
 男児の家には、母屋があるものの、そこに暮らしていたのは両親のみ。男児の寝床は、豚を飼うためのスペースだった。隣人の話によると、男児は1年中、風が吹こうが雨が降ろうが雪が降ろうが、家の中には入れてもらえず、そこで膝を抱えて寝ていたという。豚ですら夜は屋根のついた小屋で寝起きしており、その扱いは豚以下だったといってもいい。
 男児の父親は、村の食堂からもらい受けた生ゴミで豚を育てながら、村人の足となる乗り合い三輪車を夜中までこいで生活の糧としていた。しかも、豚の餌として受け取った生ゴミの中からまだ食べられそうなものを探し出し、家族の食事にしていたというから、その貧しさは相当なものであったようだ。
 一方の母親は、男児の頭をドアや地面に打ちつけるなど、虐待する姿も目撃されていた。しかし、状況を目の当たりにしていた隣人たちも、どうすることもできなかったという。

 ボランティア団体によって保護された男児は、両親のもとから離され、親戚の家に預けられることに。そして18歳になるまで、男児には地方政府から毎月500元(約1万円)の援助金が支給されることが決定した。
 しかし中国全土には、彼のような境遇にありながら保護されることのない子どもたちが、何千何万人といることだろう……。

まあしかしさすがに中国と言いますか何と言いますか、こういう生活が今も続いている地域があると言うことなんですかね…
今日は男児の将来にせめて幸い多かれと言う願いを込めて、世の中こういうことが実際にあるのだなとしみじみ感じさせられる実話の数々を紹介してみることにしましょう。

元暴走族仲間4人、「金返さずサンマ漁船に乗せようと思った」 32歳露天商を監禁で逮捕(2015年6月2日産経新聞)

 男性を車に監禁し重傷を負わせたとして、兵庫県警暴力団対策課などは1日、逮捕監禁致傷容疑で、川崎市高津区の建設業の男(32)=同罪などで起訴=ら4人を逮捕、送検したと発表した。
 他に逮捕、送検されたのは、大阪府池田市の住宅設備業の男(38)=監禁罪で起訴▽兵庫県伊丹市のとび職の男(31)=逮捕監禁致傷罪で起訴▽川崎市宮前区の会社員の男(31)=暴行罪で起訴=の3人。同課によると、4人は容疑を認めているという。

 逮捕、送検容疑は共謀し4月18日、兵庫県洲本市内の路上で、露天商の男性(35)の車の窓ガラスをゴルフクラブで割って引きずり出して暴行し、犯人グループらの車に乗せて川崎市内まで約7時間半の間、車内で監禁したとしている。男性は、全身打撲などの重傷を負った。
 同課によると、4人は元暴走族仲間で、男らは「貸した金を男性が返さないので、北海道のサンマ漁船に乗せて働かせようとしたが時期が合わなかったので、家に連れて行こうと思った」と話している。
 男性は川崎市内で車内から脱出し、神奈川県警高津署に駆け込んで事件が発覚した。

どのような事情があれ許されることではありませんけれども、何よりも衝撃的なのは今どき「サンマ漁船に乗せて働かせる」と言う選択枝が現実にあると言う事実ですよね。
これまたある意味都市伝説のように語られてきたものですが、実際にあったのだと言うことを伝える衝撃的ニュースです。

ワラ人形に女性顔写真、クギ…警察が男性注意(2015年7月7日読売新聞)

 松江市北田町の緑地公園の木にワラ人形(各縦約30センチ、横約20センチ)2体をクギで打ちつけたとして、松江署が、同市の50歳代男性に口頭で注意していたことが6日、わかった。
 男性は「もうしません。迷惑をかけてすみませんでした」と話し、深く反省しているという。

 同署と市教育委員会によると、公園に隣接する市立母衣小学校の児童が4月16日、ワラ人形を発見。人形の顔部分には成人女性の顔写真が切り取られて貼られ、顔や胴体がクギで打ち付けられていたという。
 同署は同校から通報を受け、写真などを手がかりに男性を特定。3日に任意で事情を聞き、注意した。男性はこの女性との間でトラブルがあったといい、「3月頃、自分の気持ちを静めるためにやった」と話したという。
 同署は、男性が市所有の木にクギを打ったが、木を傷つけることが目的ではなかったことから、器物損壊容疑での立件は見送った。

 同校は発見当初、保護者とともに登下校の見守り活動を強化した。市教委は「子どもたちの不安が解消されて良かった」としている。

恐らく子供達にはいずれにせよ関係しない事件だったんだと思いますけれども、しかし今もこの種の行為が残っているとはこれまた驚きですよね。
海外からのニュースですが、まずはかねてハイパーインフレぶりがすでにネタと言われているあの国から、とうとう問題の抜本的改革に着手したと言うニュースです。

ジンバブエが自国通貨を廃止、17.5京ドルを5米ドルに交換(2015年06月12日ロイター)

[ハラレ 11日 ロイター] - ジンバブエ準備銀行(中央銀行)は11日、事実上価値のなくなった自国通貨を公式に廃止し、銀行口座に残っているジンバブエドルを来週から米ドルに交換すると発表した。

同国は2008年に5000億%のハイパーインフレを経験した後、2009年から自国通貨を使うのをやめ、代わりに米ドルや南アフリカの通貨ランドなどを使用してきた。

米ドルとの交換レートは、残高が17.5京ジンバブエドルまでの銀行口座に対し、受け取れるのはわずか5米ドル(約620円)。これを超える残高については、3.5京ジンバブエドルに対して1米ドルに交換される。

買い物に行くのに荷物持ちならぬ札束持ちが必要だとか、店に値札がないとか様々な伝説が飛び交っていましたが、意外と現地は平穏であると言う話もあるのは何よりです。
こちらかつては地上の楽園とも言われた国ですけれども、まあ確かにこういう世界観の元では楽園なのかも知れないとも感じさせるニュースがこちらです。

「わがチームが98対0で勝ちました」 (2015年06月12日アゴラ)

北朝鮮は今やブロガーにお笑いを提供してくれる数少ない貴重な国だ。 今回はニュージランドで開催中のU20ワールドカップ(W杯)で1日、北朝鮮チームが対ハンガリー戦で1対5で大敗した話だ。
平壌の国営放送は、「わが国は98対0でハンガリーチームを撃破しました」と報じたというのだ。 確認しておくが、これはバスケットボール試合の結果ではない。サッカー試合の結果だ。
(略)
試合はハンガリーチームが勝った。それを平壌側が「わがチームが勝ちました」と虚報した。 北朝鮮では事実より、虚報が流通している社会だから、サッカー試合の結果の虚報など珍しいことではない。
多分、放送局側は「わがチームが勝利したと報じろ」と上の指示を受けたのだろう。 メディア関係者は本来、虚報などしたくない。職業魂に反するからだ。
しかし、上の命令に反して事実を報道すれば、その直後から職場を失うだけではなく、最悪の場合、処刑されるかもしれない。

一方、放送関係者も、「国民は放送など見ていないだろう」と考えても不思議ではない。
3食の食事を確保することで1日の大部分のエネルギーを費やす大多数の北の国民にとって、サッカー試合の結果などどうでもいいことだ。 勝っても負けても空腹を満たすことはないからだ。

問題は、なぜ「98対0」かだ。虚報するのならば、「3対2」か、せいぜい「5対2」で留めるべきだったはずだ。 それを「98対0で相手チームを粉砕しました」と報じてしまったのだ。
サッカーを知っている党幹部が当方と同じように「エー!?」と叫び、笑い出す一方、考え出すかもしれない。
(略)
嘘も限りなく事実に近いものでなければ、嘘の役割は果たせない。 放送関係者はその鉄則を破ってしまったのだ。
笑いは常に危険が伴う。 特に、独裁国家では相手を信用しない限り、笑えないのだ。

いやあ、やっぱり現実とはきちんと向き合おうよ…とも思うのですが、確かにこのあり得ないスコアにはそれなりに深い意味が隠されているのかも知れませんね。
お隣中国と言えば爆発ですけれども、こちら久しぶりに爆発以外で「さすが中国」と話題になっているニュースです。

肉屋で買ってきた牛肉がまだ生きているようにピクピク動く驚愕の事件が中国で発生(2015年7月2日Gigazine)

肉屋で買ってきた牛肉を持ち帰ったところ、中に入っていた牛肉がなんとピクピクと動いていたという出来事が中国で起こりました。この出来事に遭遇した人が撮影したピクピク動く牛肉の様子はネットで拡散され、その恐るべき光景を誰でも見られるようになっています。
(略)
この恐怖の肉に遭遇したのは、北京から南に200kmほどのところにある山東省済南市に住む程(チェン)さんという女性。肉屋で買ってきた牛肉を自宅に持ち帰って調理しようと包みを開けたところ、牛肉の表面がヒクヒクと動いていることに気がついたそうです。(画像をクリックでGIFアニメを再生:1.5MB)
チェンさんは驚いてすぐさまその様子をカメラで撮影。その様子を収めたムービーは現地のテレビなどでも取り上げられ、現在ではYouTubeでも恐怖の牛肉の姿を見られるようになっています。
チェンさんはその様子を「肉がまるでまだ生きているのか、もしくは中に虫のようなものが入っているようでした。しかし、確認するために肉を切って中を確かめても何もおらず、ただ肉がヒクヒクと動いているだけでした」と語っています。
(略)
情報を聞きつけた記者が現地の動物衛生局を訪れて確認したところ、ベテラン職員の吕(リー)氏からは「安心して下さい。これは非常に新鮮な肉にみられる現象です。生きている状態から非常に短い時間で処理された肉では、筋肉にある末端神経がまだ生きた状態で残っていることがあるため、このように動くことがあるのです」と答えが返ってきたそうです。実際にチェンさんはこの肉を午前8時に購入し、その1時間後の午前9時に調理を開始したとのこと。ただし、実際に精肉された時間は不明のままだそうです。
原因はどうであれ、実際の目の当たりにすると思わず凍り付いてしまうことは間違いない恐怖の牛肉でした。この肉についてベテラン職員のリー氏は「心配する必要はないので、安心して食べて下さい」と語っていたそうです。

状況は動画を確認いただくとして、事件そのものよりも当局ベテラン職員の事後対応の方がよほどに中国的な感じではありますが、それでも牛肉が爆発しなかっただけマシと肯定的に受け止めておくべきなのでしょうか?
最後に取り上げますのは例によってブリからのニュースですけれども、まずは記事から紹介してみましょう。

人口30人の村で500人乱交パーティー「地獄のよう」(2015年7月6日日刊スポーツ)

 500人の乱交グループが、英国南西部の小さな村に突然やってきた。
 英メディアの報道によると、今月2~4日、英グロスタシャー州フラクセイ村に大量の乗用車が集合。各自でテントを張り、キャンプを始めた。大音量の音楽とともに、性行為をする女性のあえぎ声が響き、村民を激怒させたという。
 ある村民は「我慢できない騒音だった。2日の夜に『音楽を止めろ』と抗議した」、別の村民も「地獄のような数日間だった。うるさくて、夜は4時間ぐらいしか寝られなかった」と振り返った。
 人口30人ほどの同村に、その約17倍の来訪者があったが、事前の連絡はなかったという。

 このグループは「Swingfields(スイングフィールズ)」という名称で、2013年に結成。スイングには、俗語で「乱交する」という意味がある。年に1回、英国の農村地で大規模なキャンプを行い、今回が3回目だった。
 大型テントの中では、音楽のライブやDJ、ディスコなどを開催。食堂や喫茶店、バー、シャワー、トイレ、マッサージ、サウナなども備える充実ぶりで、毎年参加者が増えていた。
 今回の参加費は、1人165ポンド(約3万3000円)。ドレスコードは、下半身に何かを着ることだけで、女性が上半身裸でいることも多い。リストバンドの色が性的嗜好(しこう)を示し、セックスできる相手を簡単に探せる。
 アダルトグッズも利用可能で、3日間の乱交パーティーを存分に楽しめるという。

 騒音を警察に訴える村民もいたが、取り締まりが行われた様子はないという。ある村民は「あのグループには、地域への敬意がない。小さい子どもがいる家族もたくさんいるのに。嫌悪感しかない」と憤った。

しかし毎年農村地でキャンプをしていると言うのですから常習者のはずですが、警察は取り締まる気がないのか法的に合法なのか、どうなっているのでしょうね。
それらも含めてブリならまあ、これくらいのことなら普通のことなのかも知れないかと思うのですが、しかし人口30人の田舎の村に「小さい子どもがいる家族もたくさんいる」と言うのはどうなんだと一応突っ込んでおくべきでしょうか。

今日のぐり:「中華そば 一久 新川店」

宇部市の中心駅だと言う宇部新川駅前に位置するこちらのお店、たまたま豚骨臭に気付いて入ったのですが、非常に小さなラーメン店ですよね。
ちなみに宇部市は結構立派な地方都市のイメージがあった割に駅はさみしい印象なんですが、まあ田舎は基本的に車移動でしょうしこんなものなのでしょうか。

今回はシナチクラーメンを頼んで見たのですが、しかしメニューを拝見していてスープ単品と言うのは他に岡山市内の「だてそば」くらいしか見たことがなかったのですが、こちらでは需要があるのでしょうか。
クリーミーさが出るほどよく煮込んで乳化しているスープですが、最近多い豚足コラーゲン系のトロミスープと違って脂がそれなりにあるはずなのに妙にあっさり感があります。
タレの塩分も控えめの飲めるスープで、シンプルながら十分競争力ある豚骨スープだと思いますし、硬めの中細麺も特別にうまいわけではないが悪くないマッチングです。
昭和っぽいチャーシューはまあどうでもいいとして、肝心のシナチクは少し味付けは濃いもののコリコリ食感も保たれていてまずまず及第でしょうか。
ちなみに胡椒系のピリ辛が舌に残るのがこちらの特徴なのか、メニューには激辛味もあるようですがこの辺りではこういうピリ辛豚骨がメジャーなんでしょうか、この豚骨スープを特徴あるものにしています。

ローカル線駅前の食堂的ノリと言ったら失礼ですが、正直期待していなかったのに意外といけたなと言うのが店を出た直後の感想だったのですが、後で調べてみますと宇部ラーメンのスタンダードとも言われる人気店なんだそうですね。
店舗外からして豚骨臭が今時ちょっと珍しいくらい強烈で、店内の汚れ具合も昔ながらの町のラーメン屋そのものなんですが、白衣の汚れ具合も店の汚れに匹敵するのはどうなのかですし、接遇などもよく言えば個性的と言いますかちょっとくせがあるようですが、この辺りは地域のラーメン文化的背景もあることなのかも知れません。
しかしメニューを見ていてつまみらしいものがあるのに酒は置かないのかな?と思っていたんですが、ビールサーバーらしいものはあるようなので時間帯で提供しているのか裏メニューなのか、一見さんにはちょっと判りにくくはありますよね。
ところで店内各所に掲示されたかわいらしいイメージキャラ?には実は深い意味があるらしいんですが、そう言えば宇部も山口でしたか…としみじみ思いますね。

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2015年7月19日 (日)

今日のぐり:「しらがセルフうどん店」

先日話題になっていたことですが、こんなニュースをご存知でしょうか。

11月開催の金沢マラソンで「きんつば」や「カレー」「おにぎり」などをコース上に設置しランナーに提供(2015年7月11日ゴゴ通信)

11月に開催される金沢マラソンでは地元の和菓子やフルーツが提供されることとなった。北陸新幹線の開業にあわせて11月15日に初めて開催され、1万2000人が参加予定。

金沢マラソン運営委員会では、石川・金沢の食文化をPRしようとコース上に「食べまっしステーション」と名付けた休憩地点を設け、地元の和菓子や果物をランナーに提供。休憩地点はコース上5箇所に設けられる予定で、金沢市のひがし茶屋街休憩地点は「きんつば」「らくがん」などが用意される。

ランナー達には食べやすいように大きさを工夫して提供するとのこと。
そのほかに提供されるのは石川県産米おにぎり、金沢カレー、金沢のスイーツ。先日試食会が行われた。

まあ確かに金沢と言えばカレーが有名ではありますし、きんつばやらくがんなど伝統菓子も美味しいのでしょうが、いずれもマラソンの最中に食べるものとしては果たしてどうなんでしょうね…
今日は金沢マラソンの無事成功を祈念して、世界中からアイデアを思いつくところまではいいとしても、実際にやってしまうのはどうなんだろうと言うちょっと微妙なニュースを紹介してみましょう。

音声でURLを周囲のマシンに送信、Chromeの拡張機能「Tone」をGoogleが公開(2015年5月21日インターネットウォッチ)

 米Googleは19日、ウェブブラウザー「Google Chrome」の実験的な拡張機能として、音声で周囲のマシンにURL情報を通知する「Tone」を公開した。

 Toneは、近くにあるマシン同士で簡単にURLを共有するための拡張機能で、ボタンを押すと現在開いているタブのURL情報を音声に変換し、PCのスピーカーとマイクを通じて周囲のブラウザーに伝える。利用するには、受信側のGoogle ChromeにもToneがインストールされている必要がある。

 音声ベースの仕組みのため、確実に送受信できるとは限らないが、再送は手軽にでき、調整も多くの場合はボリュームを上げるだけで済むとしている。

 送信される音声は、電話などで使われるDTMF(ダイヤル音)をベースにしたものになっている。Google Research Blogへの投稿によると、最初のバージョンは伝送効率は優れていたが、耳障りな音声だったという。人間の可聴範囲外の音声を利用することも検討したが、多くのPCに搭載されているマイクなどは音声用として最適化されているため、現在の方式になったとしている。

その昔は西側先進国以外ではろくな通信環境がなく、特に旧ソ連圏などは最後の手段として音響カプラを持参すべきであると言う話がありましたが、一周してまた戻ってきたような何やら懐かしさすら覚える技術ですかね…
日本でも未だに大人気と言えばあのアニメですが、東南アジアではこんな利用法を思いついたのだそうです。

ドラえもん、タイで守り神になる 雨乞いの儀式で本物の猫の身代わりに(2015年6月30日ハフィントンポスト)

干ばつの続くタイで、ドラえもんが雨乞いの儀式に使われ、本物の猫の身代わりになっていたことがわかった。儀式の後には雲が現れ、人々が喜んだという。イギリス・BBCなどが6月29日、報じた。

儀式は、タイ北部のプレー県で行われた。成長したとうもろこしが、日照りのため枯れ始めたことで、儀式が執り行われることになったという。

儀式では本来、本物の黒猫をカゴの中に入れて神輿のように担ぎ、歌ってダンスをしながら街中を練り歩く。猫は水を嫌うことから、現地では猫が鳴けば雨が降るとされており、かごを揺らしたり、水をかけたりする内容だった。

しかし、動物愛護のために本物の猫を使うことが違法だとみなされ、代役を立てることになった。ドラえもんが選ばれたのは、「他のネコの人形がなかったからだ」と地元に住むラタカーンさんは述べた。

現地のテレビ局によると、残念ながら雨が降るまでは至らなかったが、祭りの後、空には雲が現れ、人々は喜んだ。儀式の後、ドラえもんは寺院に守り神として祀られたという。

まあ確かにもともとネコ型ロボットと言う設定なんですが、元記事の写真を見る限りでは皆さん明らかに悪のりでやってませんかそうですか。
アメリカでバーベキューと言えば個人的に例のコピペのイメージなんですが、どうもそのイメージが必ずしも間違ってなさそうな印象を与えるのがこちらのニュースです。

BBQで肉を独占した女が注意に逆ギレ。フォークで襲い掛かる(2015年5月31日テックインサイト)

多人数でBBQを囲んでいるというのに、競争心むき出しでガツガツする人がたまにいる。しかしその家に育ちざかりの子供がいる場合は、なおさらの気遣いが欲しいもの。こんなトラブルに発展する例もあるようだ。このほど米インディアナ州から、食への執念からくる恐ろしい事件の話題が飛び込んできた。

インディアナ州デラウェア郡のマンシーで24日、あるファミリーの主催するBBQパーティに招待されたサブリナ・デイヴィス。この女の大変な食欲が原因で、パーティは流血の惨事と化してしまった。「食べ過ぎですよ」とマナーを注意した女性が逆切れされ、とんだ傷害事件に巻き込まれたことを『WFAA-TV』ほかが伝えている。

BBQパーティが始まって間もなく、ファミリーの子供が母親に“デイヴィスさんがすごい勢いで何でも食べてしまうから面白くない”と不満を漏らしていた。キッチンにあった最後のスペアリブ1切れまでもデイヴィスが勝手に取って食べてしまったことで、母親の怒りは頂点に達した。ついに本人に「食べ過ぎだ」と注意したところ、これに逆上したデイヴィスがBBQフォークを母親の顔に振りかざしたという。

母親は左の目元を2か所突かれ重傷。目撃者の証言によれば、母親は果敢にもキッチンからナイフを取り出しデイヴィスに抵抗したことがわかっている。デイヴィスは「私がやったことは正当防衛。あっちが先にナイフを向けてきた」と主張しているが、その身柄は現在デラウェア郡拘置所にあり、裁判では肉片の窃盗をも含めた複数の罪に問われるもようだ。

もはや何のイベントだ?と言う感じですが、彼らにとってそれだけバーベキューという行事が重要なものであったと言うことなんですかね。
そのアメリカ発で伝説的なシリーズとして有名なものがありますが、こちらはるか中国でもトレッキーがいたと言うニュースです。

エンタープライズ号そっくりのビル、中国富豪が建設(2015年05月25日AFP)

【5月25日 AFP】テレビシリーズ「スタートレック(Star Trek)」の大ファンを自負する中国の富豪が、これまで誰も考えなかったようなことをやってのけた。自分の会社の本社ビルを、同シリーズに登場する宇宙船「USSエンタープライズ(USS Enterprise)号」そっくりの形に建設したのだ。

 中国共産党の機関紙・人民日報(People's Daily)に掲載された画像によると、福建(Fujian)省福州(Fuzhou)に現れたこのオフィスビルは、USSエンタープライズを象徴する円盤形と管状の構造物でできている。

 自称「トレッキー」の劉徳建(Liu Dejian)氏は、モバイルアプリ開発企業「ネットドラゴン・ウェブソフト(NetDragon Websoft)」の会長。人民日報によると、「エンタープライズ」と名付けられたこの社屋に、1億6000万ドル(約195億円)を費やしたという。また同紙は、米CBSテレビの話として、劉氏が同社に著作権使用料を支払った上でビルを建設したと伝えている。

どれくらいそっくりであるかは元記事の写真を参照いただくとして、この記事の最も驚くべき点はやはり「同社に著作権使用料を支払った上でビルを建設した」と言う点になるのでしょうかね。
同じく中国からはこんなニュースも出ていますけれども、すでに各方面からの突っ込みが入っているようです。

センザンコウのうろこを使った防弾チョッキ、中国が研究・開発に乗り出す(2015年7月16日レコードチャイナ)

2015年7月7日、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国の研究者がアリクイによく似たセンザンコウのうろこを使った防弾チョッキの研究・開発に乗り出している。13日付で中国紙・参考消息が伝えた。

中国遼寧省にある瀋陽材料科学国家連合実験室では、自己修復型の防弾チョッキの研究が進められている。通常の防弾チョッキは一度被弾すると、その部分を修復することができないため廃棄処分になる。だが、センザンコウのうろこは傷やへこみが生じても、水に濡らせば元通りになり、何度でも使用可能だという。同実験室の主席研究員・劉増乾(リウ・ズンガン)氏は「センザンコウ製防弾チョッキならば、洗濯機に放り込むだけで傷やへこみ、ゆがみはすべて修復され、新品同様の姿になる」と話している。

この記事に対し、中国のネットユーザーからは「センザンコウにとっては迷惑な話だろ」「センザンコウがかわいそう」「動物虐待だよね」「防弾チョッキ1着で何匹のセンザンコウが必要なの?」「へこみやゆがみは分かるけど、穴が開いたらどうなの?」「あれ?センザンコウって国家保護動物じゃなかったっけ?」といった意見が見られた。(翻訳・編集/本郷)

まあセンザンコウ使用の是非はともかくとしても、「洗濯機に放り込むだけで傷やへこみ、ゆがみはすべて修復され、新品同様の姿になる」と言う部分にぷんぷん匂うものを感じるのは果たして自分だけでしょうか。
最後に取り上げますのはご存知ブリからの話題ですけれども、まあ多くの人々が一度くらいは考えたことはあるかも知れないと言うニュースではあります。

若い男性歌手が機内で気絶、追加料金避け12枚重ね着 英国(2015年7月12日AFP)

【7月12日 AFP】英国の若い男性歌手が11日、手荷物の追加料金を避けようと服を12枚も重ね着して飛行機に搭乗し、熱中症で倒れたと告白した。

 英スコットランド(Scotland)の男性バンド「リワインド(Rewind)」のメンバー、ジェームズ・マケルバーさん(James McElvar)さん(19)は今月8日、ロンドン・スタンステッド空港(London Stansted Airport)からグラスゴー(Glasgow)に向かう格安航空会社イージージェット(easyJet)の便に搭乗しようとしたところ、手荷物が多すぎると指摘された。

 45ポンド(約8600円)の追加料金を払って2つ目の手荷物を持ち込むか、その荷物を空港で捨てるかの選択を迫られたという。グループの他のメンバーはすでに機内におり、数分しか時間がなかったマケルバーさんは、リュックサックの中に入っていた服を全て身に着ける作戦を決行。Tシャツ6枚、ジャンパー4枚、ジャケット2枚、短パン1枚、ジーンズ3本、ジョギング用ズボン2枚を重ね着し、さらに帽子を2つかぶった。

 マケルバーさんはバンドのツイッター(Twitter)アカウントに、「服を着すぎて歩いて機内に入るのも困難だった。やっとのことで席に着いて1~2分は座っていたけど、暑さに耐えられなくなった」と書き込んだ。

 ほとんど動くこともできなかったというマケルバーさんはシートベルトさえ締められなかったという。「シートベルトを締めろと言われたんだけど、汗がドンドン出てきてどうすることもできなかった。まるで悪夢のようだった」

 客室乗務員は汗まみれで気分が悪くなったマケルバーさんを空いていた列の座席に寝かせて服を脱がせたが、猛烈に気分が悪くなったマケルバーさんは意識を失った。その後マケルバーさんに機内での記憶はなく、グラスゴーに到着後、空港に待機していた救急車で病院に運ばれた。

過剰な熱を放出できなかった結果こういうことになったのでしょうが、しかし良い子の皆さんはくれぐれも真似をしないようにお気をつけください。
しかし一般的に数分しか時間がないこの状況では12枚を重ね着するよりも数千円を支払う方を選ぶのが普通ではないかと思うのですが、敢えて斜め上方向に全力疾走してしまうのがブリ流なんでしょうね。

今日のぐり:「しらがセルフうどん店」

山陽線新倉敷駅のすぐ裏と言っていい場所に立地するこちらのお店、もともと老舗の一般店だったものが改装を経てセルフになったのだそうで、うどん屋としては老舗と言うことですよね。
入って見ますとかなり広い店内でこんなにお客が来るものなのかと思うのですが、店舗の広さの割に天ぷらなど揚げ物の数や種類はそれほどでもないような気もしますが、まあ田舎のお店ですしね。

とりあえず無難にザルを頼んで見たのですが、この日はたまたま茹でたてのうどんが出てきたと言うのは多少なりとも待った甲斐があったと言うものですよね。
見た目の色艶は悪くないですし、硬めのうどんでコシはそれほどでもないんですが、こういったごつい食感のうどん好きな人であれば別に悪くはないねと言う感じでしょうか。
ただ辛口の汁の味自体はいいんですが、この噛み応えのあるうどんをザルで食べるのであればもう少し濃いめに仕立てた方が合いそうには感じましたがどうなんでしょう?
ちなみにこちらのお店の場合、薬味でワサビと生姜が選べるのはありがたいですが、こういう薄口仕立ての汁であれば生姜の方が合うのかなと言う気がします。
サイドメニューでゴボウの天ぷらも頼んで見ましたが、もともとあっさり目の揚げ方なせいもあって揚げ置きで湿気っているのと、ゴボウ自体にアクが抜け切ってないのでちょっと食べるのに苦労した感じです。

この種のセルフ店として考えてみると格別絶讚するようなものではないものの、価格も込みで見ると決してハズレではないと思いますね。
ちなみにセルフのうどん屋で鍋焼きうどんはともかく、カレーやコーヒーまであるのは面白いですが、なんでも地元常連客が多いせいか広い店内でちょっとした集会所的な機能もあるらしく、合目的的ではあるかも知れません。
セルフながら接遇は一般店上がりらしく、わりとしっかりした感じで好印象なんですが、トイレ等の設備面ではさすがに年代相応と言う感じでしょうかね。

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2015年7月18日 (土)

発達した人工知能の社会的応用例

当「ぐり研」でも以前にも紹介したことがありますように、世界的に「スーパーマリオ」の早解きは未だに話題になるコンテンツなんだそうですが、発売後30年もたったゲームが未だに話題になると言うのも興味深い現象で、先日今度はこんな「最速クリア」チャレンジの企画が報じられていました。

スーパーマリオを人工知能で攻略 米エンジニア、秒速クリアに挑戦(2015年7月11日withnews)

 アメリカでエンジニアをしているセス・ブリング(Seth Bling)さんが人工知能を使って、懐かしの人気ゲーム「スーパーマリオ」をプレイする技術を開発しました。名付けて「MarI/O(マリオ)」。機械学習の技術を駆使して、最も早くクリアできる攻略方法を、コンピューターが自分で見つけてしまいます

「日本のテレビゲームが大好きなんです!」

 ブリングさんは大学でコンピューター・サイエンスを専攻しました。中でも、機械学習(machine learning)に興味を持ち、勉強と実験をかねてMarI/Oを作ったそうです。
 実験の場として選んだのが「スーパーマリオ」でした。ブリングさんは「日本のテレビゲームが大好きなんです! 中でも、スーパーマリオは一番のお気に入り」と話します。

膨大なゲームオーバー繰り返し成長

 ゲーマーでもあるブリングさんが、実験でめざしたのは最も早くゲームをクリアする「スピードラン(speedrun)」です。
 最初はまったく経験がない状態からスタートするので、穴に落ちたり、敵に当たったりして、すぐにゲームオーバーになります。そうすると、次は、同じミスをしないよう学習し、プレイ時間が延びていきます。この作業を膨大な量で繰り返し、一番早くクリアできる攻略法を見つけていきます。
 ユーチューブに公開している動画では、「MarI/O」が、どんどん失敗を学習してプレイが上手になっていく様子が公開されています。

「みんなで進化させたい」

 「コンピューターが自動で操作する技術は。あらゆる業界に影響を与えはじめています人工知能はますます影響力を拡大していくでしょう」とブリングさんは言います。

 ブリングさんは、自分の実験結果を同時中継で見られるサイト 「Super MarI/O Kart -- Thanks to Winterbunny for the modified script!」を用意。そこでは、多くの視聴者が様々なコメントを書き込みながら「スーパーマリオ」を楽しんでします。
 ブリングさんは「多くのユーザーに参加してもらい、MarI/Oの神経回路網(ニューラルネットワーク)の進化をめざしたい」と話しています。

その詳細は元記事の動画なども参照いただくとして、しかしゲーム世界で最適解を見つけ出せると言うことは現実世界でもいずれそうなると言うことでしょうから、絶対に事故を起こさない自動運転車なども案外早く実用化出来るのかも知れませんね。
人工知能と言うものも近年非常に進歩しているところで、将棋などはすでに人間のプロよりも強くなったのでは?とたびたび話題になっていますけれども、何よりも興味深いのは人間との対抗戦などで時折到底人間の頭では思いつかないような珍手奇手が飛び出してくる、そして何十手も進めた先になってそれが実は非常に大きな勝負の分かれ目であったと言うことが判明してくると言うことが時折見られる点です。
この辺りは人間とコンピューターとでは問題へのアプローチの方法が全く違うと言うことももちろんだし、人間が無意識的に除外している手筋もコンピューターは検討していくと言う点も理由の一つなんだろうと思いますが、ゲームの早解きにおいても人間とは全く違ったクリア法が見つかると興味深いですし、単なる操作の最適化に留まらずそういう考え方の変化が出て初めてこの企画も大きな意味を持ってくるように思います。
いずれにしても今後は人工知能がそれなりに賢いのは当たり前のことで、それが実社会でどこまで広く応用できるかと言う部分が問われるようになってきたと思うのですが、近来の実用例としてこんなケースが報じられていたことを紹介してみましょう。

人工知能で“荒れない”コメント欄--「議論の場」醸成めざしメディアに無料提供(2015年7月7日VNET Japan)

 人工知能や自然言語処理を活用したサービスを提供するクーロンは7月7日、機械学習や自然言語処理、行動分析にもとづく独自の人工知能を搭載した、読者が健全な議論を交わすための“荒れない”コメントシステム「QuACS(クアックス)」をウェブメディア向けに提供開始した。人工知能を活用したコメントシステムは世界で初めてだという。
 ウェブサイトに数行のJavaScriptコードを埋め込むことで、読者が記事の内容に対して意見や感想を匿名でコメントできるようになる。コメントに含まれる言葉や文章の意味を人工知能が解析し、誹謗(ひぼう)中傷や罵詈(ばり)雑言、差別用語、違法取り引き、人権侵害、出会い目的、公序良俗に反する内容である場合に、自動でフィルタリングして表示しないようにする

 「単語」ではなく、同一コメント内の前文の内容、他者のコメントへのレス(会話)の流れなど、文章や文脈を判定しているのが特徴。たとえば、麻薬や覚醒剤の購入を促すような違法取り引きに関するコメントは非表示になるが、「麻薬」「覚醒剤」といった単語が文中で適切に使われる場合には表示される可能性が高い。
 若者言葉やネットスラングなど、時代によって新たな言葉が生まれたり言葉の使い方が変わったりするが、機械学習により使えば使うほど精度が高まり適切な状態を保てるという。なお、「何かを表現したくてできなかったことは怒りに直結する」(同社代表取締役社長の佐藤由太氏)との考えから、たとえ非表示になったコメントでも、投稿者本人の画面には表示し、あたかも投稿できたかのように見せかける
 ウェブメディアへの導入時には、各媒体のガイドラインやポリシーなどに応じてフィルタリングの強弱を設定可能。媒体が持つ独自の雰囲気を損なわないとしている。なお、投稿されたコメントによりプライバシーや著作権の侵害があり、プロバイダ責任制限法が適用された場合には、発信者情報の開示などをクーロンが対応することになる。
(略)
 すでにビジネス、スポーツ、テクノロジなどの情報を扱う複数の媒体が導入を決定している。2016年3月末までに100媒体に導入するのが目標だ。現在の対応言語は日本語だけだが、多言語対応を見越してシステムを設計しているそうで、2016年春頃をめどに海外展開を始める予定。また国内では、ブログやレビューサイト、掲示板サイトなどへの導入も進めてきたい考えだ。
(略)

ネット上での言論弾圧に対する悪い実例として、平素から言論の自由を声高に主張しているマスコミ各社のサイトにおいて、少しでも批判的とも社の意向に反するとも判断されたコメントは全て掲載されず、結果としてあたかも記事内容に対する絶讚の書き込みばかりが残っていくと言うことが以前に指摘されたことがあり、どこまで書いたら検閲に引っかかるか?を極めるなどと言うことも試みられてきた経緯があります。
こうした検閲システムを24時間365日疲れと言うものを知らない人工知能にやらせようと言うのですから非常に効率的に仕事が行われそうに感じるのですが、注目すべきは「たとえ非表示になったコメントでも、投稿者本人の画面には表示し、あたかも投稿できたかのように見せかける」と言う非常に単純だが巧妙な機能まで実装されていると言うことで、仮に実用化されたとすれば素晴らしい成果を発揮出来そうな予感がしますね。
こういう記事を拝見しますと、国民の間で個人的見解の相違から来る争い一つ発生せず、全員が統一された意志の元に整然粛々と行動する全体主義国家の素晴らしさを改めて感じ入る次第ですし、実際にどのようなサイトにこのシステムが組み込まれるのかも非常に注目されるところなんですが、一つ気になるのは過去に検閲避けとして開発されてきた様々なテクニックにはどの程度対応しているのか?でしょうか。

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2015年7月17日 (金)

病院が増えては困ると言う地方の事情

世間一般的に医師不足、病院不足であるように報じられてきて、特に東北諸県では震災の影響もあって医師不足が続いている、医大を新設しなければ間に合わないと言われればはあ、そうなんですかと思わず納得しそうになるのですが、少しばかり面白い訴訟が先日発生したと報じられています。

違法指導で移転、補助金減 福島県の渡辺病院が損害賠償求め、県を提訴(2015年7月14日河北新報)

 東京電力福島第1原発事故で南相馬市から福島県新地町に移転した渡辺病院が13日までに、違法な行政指導で補助金を一部しか受け取れなかったとして、福島県に約7億3000万円の損害賠償を求める訴えを福島地裁に起こした。

 訴状によると、渡辺病院は福島第1原発から約26キロにあり、事故で緊急時避難準備区域に指定され、経営継続が困難になった。県と協議し新地町への移転計画を進め、2012年7月、県議会で関連予算が承認された。
 その後、公立相馬総合病院管理者でもある立谷秀清相馬市長が、医師の引き抜きを懸念した意見書を県に提出。県は「地元病院の理解を得るのが補助金交付の条件」と渡辺病院に通告した。
 渡辺病院は12年9月、開設許可を得て着工したが、県は補助金申請を受け付けず「翌年度に繰り越して申請可能」との説明も覆した。その上で交付可能額20億円の一部の約5億6000万円しか助成しなかった。

 県は「訴状は届いており、対応を検討している」と述べるにとどめた。


病院移転の補助金「違法指導で減額」 南相馬・医療法人、賠償求め県提訴(2015年6月15日朝日新聞)

 東京電力福島第一原発事故で南相馬市から新地町へ移転した渡辺病院(140床)を運営する医療法人「伸裕会」(南相馬市)が違法な行政指導などで補助金を一部しか受けられなかったとして、県を相手取り国家賠償法に基づき約7億3千万円の損害賠償を求める訴訟を福島地裁に起こした。いずれも被告ではないが、県の当時の担当課長(今年3月退職)と立谷秀清相馬市長が共謀して損害を与えたと主張している。

 8日付の訴状によると、渡辺病院は第一原発から約26キロにあり、事故で緊急時避難準備区域に指定され、移転を余儀なくされた。原告は県と協議し、開設許可と補助金が出るのを確認したうえで移転工事の準備を進めた。県議会は2012年7月、予算を承認した。
 ところが、相馬地方の病院でつくる協議会が県に新地町での病院建設に対し危惧を伝えると、県の担当課長は原告に「地元の病院の理解を得るのが補助金交付の条件」と口頭で伝えた。
 原告は同年9月、県から開設許可を得て工事を始めた。原告は補助金を申請しようとしたが、担当課長は「地元の病院の理解が得られておらず支出できない」と申請させなかった
 公立相馬総合病院(相馬市)を運営し、相馬市と新地町でつくる相馬方部衛生組合(管理者=立谷市長)は同月、移転反対を議決。その後、担当課長は「翌年度に繰り越して補助金の申請ができる」という原告への説明を覆した。そのうえで、担当課長は交付可能額の一部の約5億6千万円しか補助金を交付しないよう内部手続きをした
 原告は、担当課長が行った内部手続きは著しく裁量を逸脱し、違法と主張している。

 県は「内容を把握していないのでコメントを差し控える」とした。立谷市長は「同じ診療圏にもう一つ病院ができると、公立相馬総合病院の経営が相当圧迫されるので反対はしないが歓迎できない。県には『南相馬の被災病院とかけ離れた支援はいかがなものか』と申し上げた」と話した。

病院移転自体は原発事故の影響で仕方のないことであるし、その移転先に関してもきちんと県と協議して準備を始めていたことはことは県議会が予算を承認した点からも事実なんだろうと思うのですが、移転先の地元から「そんな病院が移転してきてもらっては当方の経営に差し支える」とクレームがついた、特にその反対派の中心となったのが地元公立病院の運営者である地元市長であったと言うことが問題だったと言えそうです。
好意的に解釈すると県としては県全体での医療を考えているはずで、被災地病院が移転するにしても県外移転や解散をされるくらいなら県内で移転再開してもらった方がいいんだろうと思うのですが、現地の市町村や地元医療機関にとってはまた別の考えがあると言うことなのでしょう、そのクレームに県側も突然態度を翻したように見えると言うのは県担当者とのパイプの太さに差があったと言うことなのでしょうか。
現地では病院がもう一つ出来ると経営が圧迫されるほどすでに十分な医療リソースが蓄積されていると言うことですから、それなら最初から別な場所に移転計画を進めればよかったと言う話なんですが、最初に県側が了承しながら後日になって翻したと言う点が一番のトラブルの原因と言え、賠償請求は当然であるかと言う気はします。

このところ社会保障費削減と言うことが喫緊の課題になっていて、特に大きくアナウンスされているわけではありませんがこのままでは医療費削減政策と言われた以前の水準よりもさらに厳しい(名目はともかく実質的な)マイナス改定もあり得ると言う話もあり、受診時定額負担性導入などによる受診抑制が医療現場に荒廃をもたらすと批判する声もあるようです。
いずれにしても保険診療が公定価格の統一料金で行われている以上、経営改善のためには顧客数を増やして薄利多売を推進するか、あるいは高度な医療や保険診療外の部分で儲けるか、さらには人件費など経費削減を推し進めるかと言うことになりますが、特に地方自治体病院などでは後二者の実行はなかなか難しいところもあるようですから、実質的にはとにかく顧客数を確保しろと言う方向で努力を促されそうには感じますね。
もちろんそれはそれで当然の経営判断ではあるのですが、限られた住民を奪い合う局面で今回のような事例が数多く出てくるようですと「病床数はすでに過剰である」と言う証拠とも受け取られかねないわけですから、国の進める「10年後に病床1割削減」も計画通り推進されても何も文句は言えないと言うことにもなりかねないでしょうね。

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2015年7月16日 (木)

機能性表示食品と言う判りにくい制度

この春から機能性表示食品なる新たな制度が立ち上げられたことはすでに報じられた通りなんですが、今まであったトクホだの栄養機能食品だのとどう違うのか?と言うことが非常に判りにくく、「体調の維持・管理に役立つことは表示していいのに、疾患の治療効果・予防効果を暗示する表現は認められないとはどういう意味だ?」などと疑問に感じる方も多いと思います。
この機能性表示食品の特徴として、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を備えて届け出れば、安全性や機能性について国の審査等がなくともいいと言うのですから、何を科学的根拠と考えるかによれば例のレメディーなる砂糖玉などもまさしくこういう届け出が可能になる理屈ですよね。
実際にどういう感じの表示になるのかと言う疑問に対して「温州ミカン=βクリプトキサンチンを含み、骨の健康を保つ食品です。更年期以降の女性の方に適しています」等々の記載例が示されているのですが、この今ひとつよく判りかねる機能性表示食品に関連して、長年栄養学方面に関わってきたジャーナリストの佐藤達夫氏が、先日こんな記事を書いていました。

「機能性表示食品」事業者が、科学的根拠に基づく食情報を提供するFOOCOMを訴える(2015年7月13日yahooニュース)

■FOOCOMが消費者庁に真っ正面から「申し入れ」

機能性表示食品については、このコラムで何度か書いた。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/satotatsuo/20150503-00045361/
http://bylines.news.yahoo.co.jp/satotatsuo/20150703-00047213/

読んでもらえればおわかりになると思うが、私は機能性表示食品をも含む「いわゆる健康食品」に対しては批判的立場をとっている。私よりもさらに過激に、というよりも論理的に機能性表示食品を批判しているのが「科学的根拠に基づく食情報を提供する消費者団体:FOOCOM」だ。
6月に公表がスタートした機能性表示食品の届け出についても、消費者庁に対し真っ正面から「申し入れ」を行っている。詳細は下記のホームページをご覧いただきたい。具体的に13の商品(の届け出)に対して疑義を申し立て、その理由もしっかりと述べてある。同時に、消費者庁に対してガイドラインの改訂を提案し、早急に事業者に対する指導を求めてある。

http://www.foocom.net/column/editor/12869/

私は「きわめてまともな」申し入れであると感じたのだが、具体的な商品名や成分名を取り上げて指摘された事業者からは、さまざまな反応があったようだ。中には、「鋭い指摘をありがとうございました。改善の参考にします」という感謝の言葉を伝えた事業者もあったとか。しかし、快く思わなかった事業者もあったようで、早々に「事実無根であり、営業上の不利益を被っているため、直ちに申し入れを撤回し、ホームページ等からの削除と謝罪を求める」という文書を証明配達付きで送りつけてきた事業者があったようだ。

http://www.foocom.net/special/12929/

■これも「経済的手法で首を絞めるやり方」なのか?

「機能性表示食品」に関する諮問に対し、消費者委員会のは平成26年12月9日に安倍首相に答申をしている。その答申には9つの付帯事項が付いていることは、すでに紹介した。その主旨--たとえば、届出後に、その食品の機能性に十分な科学的根拠が無いことが判明した場合には、早急に適切かつ厳格な行政処分や罰則を科すような態勢をとる。等々--から鑑みて、今回FOOCOMが行なった行動(消費者庁への申し入れ)は、しごく当然であり、消費者庁はこれを真摯に受け取り、早急に対応すべきである。
ましてや、事業者が「まるで脅しのような」謝罪と削除を求める文書を送りつけた行為については、消費者庁からその事業者に直接の指導があってもしかるべきと、考える。
その中身については(もしかしたら裁判沙汰になるかもしれないので)ここではこれ以上は踏み込まないことにする。私が危惧するのは、この事業者がとった「手法」である。正式な内容証明郵便で「謝罪」と「削除」を求めているので、当事者(FOOCOM)としては、放置するわけにはいかず、弁護士等に相談をして、対応することになる(実際、そうしたようだ)。
もちろん大きな出費を伴う。FOOCOMは、私の知る限り、きわめて弱小な組織だ。基本的にホームページの閲覧はタダ、会員の会費のみで運営をする消費者団体である。「いわゆる健康食品」の売り上げで大きな利益を得ている事業者にとっては、弁護士費用などは「織り込み済み」だろうし、そもそもそれほど大きな負担にはならないだろう。しかし、会員の会費のみで運営している小さな組織にとっては、弁護士費用はかなりの「負担」になるはずだ。
論理的にはあるいは科学的には対抗できなくとも、経済的負担を負わせて「物を言わせなくする」という手法を看過するわけにはいかない。他の会社もこれに倣ったら、消費者のために正しいことを言う組織は姿を消すかもしれない。
折しも、時の権力者が「新聞の発言を封じるには、広告主から圧力をかければいい」と発言し大きな問題となっている。今回の事業者が、そのような貧しくかつ下品な発想の持ち主ではなく、FOOCOMの指摘を自社の商品を見直すきっかけにして、真に「消費者の健康に貢献する商品」の制作に役立ててもらいたいと願う。

まあしかし手間ひまもお金もかけてきちんと国に認められたと言う気持ちがあるメーカー側からすれば、国がちゃんと認めているのに何故見ず知らずの無関係な連中が横から文句をつけてくるんだ?と糞害する気持ちにはなるのかも知れません。
消費者の立場とすれば事実こうしたことがあるのだとすれば、そもそも機能がないのに何かしら有益なものであるかのように表示していいと言うのはどうなんだですが、特にここでは資本力のある大企業がこうした抗議を行っているのではないか?と言う疑問が提示されている点にも留意すべきですよね。
基本的に書類の書式さえ整っていれば効果効能等の審査はしないと言うシステムですから、実際にどれくらいの確率で審査に通るものなのか?と言うことが一つの信頼性の目安になると思うのですが、当初届け出られた100件余りのうちで認められたのが8件、6月始めの時点で20数件登録されたものはほぼ例外なく大手企業からのものであると言い、落第になった理由の大部分は書類不備であったのだそうです。
大企業であれば資本力にものを言わせて好きにデータを出してこられるのだろうけれども、中小企業にはとてもそこまでは手が回らないとなれば、長年伝統的方法で生産されてきた地方の小さなメーカーによる食品はまず申請も出来ないと思われ、いわゆる手作りの丁寧に仕上げられた品よりも工場生産の大量生産商品ほど様々な効能をうたって広報できると言うことにはなりそうですよね。

見る限りにおいてはあまり高級な機能を謳えると言う制度でもなさそうで、前述の例で言えば恐らくどこの誰が作ったミカンであろうが効果効能には大差がないんだろうと考えると、本来業界団体なりが収集・公表するデータに基づいてメーカー各社が申請を行えるようにすれば一番公平なのだろうし、食品そのものの需要を伸ばすと言う意味ではその方が長期的にはメリットが大きいんじゃないかと言う気もします。
一方でメーカー側としては手間ひまかけて書類を調えて申請するのですから、同業他社よりも自分達の製品の方が優れていると言う方向で差別化したいと言う気持ちもあるんだと思うのですが、その場合その食品全般に共通する効果効能ではなく、自社製品であるから有効なのだと言う点をしっかりアピールしないと、下手をすると宣伝をうっても他社にタダ乗りされてしまう危険性もあるかも知れませんね。
必要な添付資料を見ますと32にも登るのだそうで、なかなかこれらを揃えるのはハードルが高いと言えるのかも知れませんが、制度の目的としては健康への機能性にお墨付きを与えると言うよりは、根拠のないまま「健康にいい」等の怪しげな効能を謳うものを排除すると言うものであるそうで、近くこれら似非健康食品に対する取り締まり強化も検討されているとも言います。
今のところ制度そのものに対する認知度が低いこともあってか、ネット上などでは問題点に対して注目される方が多そうな印象なんですが、この新制度がいわゆる似非健康食品の類に対して促進的に働くのか排除的に働くのかと言う点に関しても注目しておくと、「機能性表示食品の商品自体はどうでもいいが、制度はそれなりに役に立った」と言う評価も今後出てくるのかも知れません。

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2015年7月15日 (水)

アメリカ同性婚合憲判決から広がる世界的余波

自由の国アメリカと言えどある種のモラル面に関してはひどく保守的なところもあることは知られている通りですが、つい先日連邦最高裁で同性婚を憲法上の権利だとして認める判決が出たことが大きなニュースとなり、オバマ大統領が「これはアメリカにとっての勝利だ」と発言するなど各方面に波紋が広がっています。
そんなアメリカにおいては同性婚に留まらず様々なカップルがその権利を求めて日々闘争を繰り広げていますが、先日そうした微妙な社会的緊張を反映するこんな事件があったそうです。

米国 犬と結婚したい男性が会社をクビに(2015年7月10日新華ニュース)

米サイト「ハフィントン・ポスト」の2日付報道によると、アメリカ・フロリダ州に住む32歳のRyan Uhlerさんがフェイスブック(Facebook)に「飼っている犬と結婚したい」との書き込みを掲載したことで会社から解雇された。

同性婚が認められた翌日に、Ryan Uhlerさんがフェイスブックに「犬を愛するなら、犬と結婚することは同性婚と同じ、今は犬との恋に心を注ぐ、私の犬Roccoを愛しており、犬も私を愛している」との書き込みをした。

6月30日に、デジタルマーケティング専門家としてのRyan Uhlerさんは会社からクビになったとの通知を受けた。「同僚たちがフェイスブックを使えない」と思ったRyan Uhlerさんは「同性婚への差別もなければ、最高裁の裁決に不満もないけど、なぜ会社をクビになったのか」と驚いている。

要するに同性婚合憲判決を揶揄するコメントだと判断されたのでしょうが、恐らくこれは裁判にでもなればかなりこじれそうな話だと言う気がしますし、実際にこの書き込みだけを理由として解雇されたのかどうか記事からははっきりせずですが、書き込みだけを見るとイヌ好きのコメントとしてそうおかしなものではないようにも感じるのですが如何でしょうか?
いずれにしてもこの合憲判決の反響は非常に大きなものがあるようで、はるか太平洋を隔てた台湾でも同性婚合法化を求めるデモがあったと言いますし、世界各地で性的マイノリティーが法的権利を求めて近年活発に活動している、そして行政もある程度それに対応した動きを見せていることは、先日も紹介した同姓カップルへの「婚姻関係相当」の証明書発行と言った事例からもうかがわれるところですよね。
同性婚は法的に婚姻と認められず各種権利の行使上不当な不利益にさらされていると言われれば、まあ確かに社会制度が婚姻・家族関係を基盤にしている以上その通りなのだろうし、性的少数者のために男性用、女性用に変わる新たなトイレマークを考按しようと言われれば、普通に男女のマーク併記でいいんじゃないか?と言うところなんですが、近ごろでは色々な権利を主張する人々が続出して収拾がつかなくなってきている気配もあります。

同性婚認めたから「一夫多妻も認めろ」と結婚届提出(2015年7月3日テレ朝ニュース)

 アメリカで出された同性婚を認める最高裁判決をきっかけに、一夫多妻の生活を送っている家族が裁判所に結婚届を提出しました。

 モンタナ州に住むネイサン・コリアーさん(46)は、宗教上の理由で、2人の妻と5人の子どもと生活をしています。2000年に1人目の妻のビクトリアさん(40)と法的に結婚しました。そして、2人目の妻のクリスティーンさんとは宗教上の結婚式を挙げましたが、アメリカでは一夫多妻は認められていないため、婚姻関係はありません

 先週、アメリカの最高裁で同性婚を合憲とする判決が出た際、ロバーツ最高裁長官が「同性婚を認めると、一夫多妻も同じ議論になる」と反対意見を述べたことから、コリアーさんは一夫多妻も結婚の平等にあたると考え、2人目の妻との婚姻届を提出しました。郡の裁判所はいったん受理するのを断ったうえで、来週までに正式な判断をして返答するとしています。コリア-さんらは、拒否された場合は訴訟を起こす構えを見せていることから議論を呼びそうです。

同性婚の次は近親婚?ドイツ政府の倫理委員会が兄妹婚の合法化に賛成(2015年7月10日IRORIO)

ドイツ政府の倫理委員会は、今月8日、血の繋がった兄妹または姉弟の結婚を合法化することに、賛成の意を表明した。

子供をもうけた兄妹が懲役3年の刑

ドイツでは数年前、4人の子供をもうけて実質的な結婚生活を送っていた兄妹、パトリック・スチュービング(兄)とスーザン・カレゥスキー(妹)の2人が懲役3年の刑に処せられるという事件があり、この事件が社会的な議論を呼んでいる。
兄妹であっても家庭を持つ権利はある」と主張するスチュービングはその後、2012年にヨーロッパ人権裁判所に上告したが、主張は受け入れられず敗訴となった。

障害児が生まれる可能性はあるが、刑罰には値しない

今回の倫理委員会の声明では、近親婚によって障害児が生まれる可能性が高くなることは認めながらも、「それは刑罰に値するものではない」としている。
ドイツの現行法では親子や兄弟姉妹が性的関係を持つことは禁じられており、これを破れば最高で2年の懲役刑が課せられると決められている。

14対9で兄妹婚を支持

倫理委員会の今回の声明には、委員の投票結果が反映されている。兄妹婚を禁ずる現行法に反対した委員は14人、賛成は9人、棄権が2人と伝えられている。
声明文の中には次のような1文がある。
「欧米で報告されている兄弟姉妹間の近親相姦の例は少ない。しかし、その当事者たちは、刑罰があることで非常に苦しい状況に追いやられている。彼らの基本的人権は保障されておらず、彼らは兄弟姉妹間の男女の愛情を否定せざるを得なくなっている

別に個人と個人の間の関係については当事者間がそれで納得して幸せになれるのなら好きにさせたらいいんじゃないかと言う人も多いでしょうが、しかし上記の記事で取り上げたような問題は社会的タブーとも絡んで、かなりデリケートな問題を含んでいるようには思います。
非常にややこしいのは例えば一夫多妻制と言う制度に関して言えば、ご存知のようにイスラム社会ではごく当たり前に行われていることでもあり、日本などにおいても歴史的に見れば別に珍しいものでもなかったわけで、アメリカ在住のムスリムが「俺達の社会ではこれが当たり前だ」と言うのを禁止すると言うのであれば、他の宗教的文化的慣習も同様に特定の価値観に反するものは全て禁止しなければおかしいと言う話ですよね。
兄妹婚など肉親婚に関しても、日本神話を始めおよそ世界中の神話や聖典でこれを取り上げていないものの方が珍しいのでは?と言うくらいですし、血縁関係が社会的階層の正当性を保証する社会においては血を濃く保つために親族間での結婚を繰り返すことは当たり前と言っていいことで、その結果ハプスブルク家のように近親婚が過ぎて断絶したのでは?と言われるようなケースもあるわけです。

この種の「○○婚を認めろ」的主張に対しては、「それが認められることで○○の関係が増えるのではないか?」と言う懸念が常に表明されていて、同性婚が増えてくると今でさえ低い出生率がさらに低下して社会的停滞を招くのでは?と言う声もあるくらいですが、さすがにマイノリティーがいきなりマジョリティーに転じるほどには急には増えないだろうにしろ、そうした関係に対する心理的ハードルは確実に下がりそうですよね。
近年ランドセルの色分けがケシカランと言った性差教育の縮小、廃止に伴って男女間の性差が縮小してきていると言う嘆きもありますが、例えば法的に結婚も許容されているのだから家族間でも男女の関係を持っていいんだと言う感覚が広まれば家庭内環境がどうなるのか?と言う懸念は当然にあるところだろうし、他方ではだからと言って刑罰まで与えるのは行き過ぎだと言う考えもこれまた当然あることでしょう。
いずれにしても賛成、反対両派とも何かしらの出来事が自体を大きく動かす蟻の一穴になることへの不安や期待感があって、今回のアメリカでの司法判断がその蟻の一穴になるのだとすればこれは歴史的判断であったとも言われるべきなのでしょうけれども、それがアメリカの勝利と言えるような結果に結びつくのかどうかはそれこそ歴史を後々振り返って見なければ何とも言えないんだろうと思いますね。

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2015年7月14日 (火)

介護は必ずしも美談ではない

介護と言うことに関して昨今何かと話題になることが多いのですが、先日こんなニュースが出ていたのをご存知でしょうか。

高知東生“義父介護で引退”語る「高島礼子のファンだから」(2015年7月8日女性自身)

 7月1日、スポーツ報知が高知東生(50)の俳優引退を報じた翌日の7月2日、本誌は高知に直撃取材した。高島礼子(50)の実父・武さんは’04年にパーキンソン病と診断され、現在は横浜市の実家で1人暮らしをしている。なぜ婿である高知が俳優を引退してまで、介護に専念することにしたのか?
「もともと、自宅を(’04年に)建てたときは将来、お義父さんといっしょに生活するつもりでした。でも、大正生まれの男性ですからね。病気で倒れてからも、お義母さんと暮らしていた横浜の家のほうがいいと言っているんです。自宅もバリアフリーですが、あちらもバリアフリーに改装しています。以前、(義父が)家の中で転倒したことがありました。いくらヘルパーさんたちが気をつけてくださっていても、(介護には)思わぬことが起こります。支えて歩くのも大変ですし、男の力が必要になることもあるのではないかと考えています。ゆくゆくは横浜に通って、お義父さんの介護をしていければと考えています」

――この6月いっぱいで、所属事務所を辞めたそうですが?

「そうですね。実は、介護の勉強を始めたいと思っているんです。お義父さんは大正15年生まれで、人生の大先輩でもありますし、僕にとっても大事な人ですから……」
 高知が生まれたとき、両親は未入籍で、彼は母の女手ひとつで育てられた。
「その母も、僕が17歳のときに(交通事故で)他界したんです。僕にとって、いまや親といえるのはお義父さんだけですからね。これからはお義父さんといっしょにいられることを感謝して、お義父さんの人生に役立つことができればと考えています」

 高知の介護士転身は、妻・高島への深い愛ゆえでもあるようだ。
「僕は、高島礼子という女優の、一番のファンなんですよ。カミさんが少しでもいい芝居をしてくれることが、僕にとって何よりも大切で、それをサポートできればと。カミさんの力になるためには、どうすればいいのか?その答えが、彼女のお父さんの介護ということだったんですね」
 16年前の披露宴では「親も礼子も大事にする生き方をまっとうしたい」と語っていた高知だが、その誓いをいまも守り続けているようだ。

記事のコメントを読んでいますと何かかっこいいと言いますか、かなり男を上げた気がするのですけれども、もちろんこの一連の経緯に関しても批判ややっかみもあることなんですが、たとえ裕福であったり奥さんの稼ぎが大きかったりで経済的に問題がないと言う場合であったとしても、実際赤の他人である義父のために素人男性がここまで出来るかと言えば難しいだろうなとは思います。
高齢の親を子供が仕事を辞めてでも面倒を見ると言えば一般的には美談に近い扱いですが、実際にはそれによって親子共々食べていけない状況に陥ったり、労働者人口流出で産業も停滞してしまうなど様々な弊害も指摘されていて、「介護離職10万人時代」を前にして企業側もいかに戦力維持を図るべきか工夫が求められるようになってきています。
教科書的にはそうした時のために介護保険と言った公的サービスが存在するのであって、自分は働きながら介護はプロに任せればいいではないかと言われればもっともなんですが、時折報じられるように介護現場で発生する各種トラブルなどを見るにつけ、果たして自分の親を赤の他人に任せていいものかと不安に感じる部分もあるのでしょう。
介護業界の方でももちろん言い分は多々あって、優秀な人材が集まらず仕事を回すのも大変だと言うことは誰しも認識している現状の問題点なんだろうと思うのですが、先日見ていて気になったこんな記事があったので紹介しておきましょう。

「介護は重労働で低賃金」教科書記述に業界反発(2015年7月11日読売新聞)

 介護の仕事を「重労働で低賃金」と記述している2社の教科書について、介護業界6団体が今月上旬、「表現が不適切」として出版社に修正を求める要望書を提出した。

 人手不足への危機感から、業界挙げての異例の動きとなった。

 要望書を出したのは、特別養護老人ホームの運営法人でつくる全国老人福祉施設協議会や日本介護福祉士会など。「中学社会 公民 ともに生きる」(教育出版)と高校向けの「最新現代社会」(実教出版)に、不適切な表現があると指摘した。

 「公民」では、本文で「介護の仕事が重労働で低賃金」と記述。「現代社会」では、介護する男性職員の写真に「特別養護老人ホームで非正規社員としてはたらく若者 介護現場は重労働で賃金も高くない」という説明を添えている。

もちろん介護業界側がこうしたクレームを入れたくなる心情は十二分に理解は出来るのですけれども、それでも実際に介護業界が低賃金であると言うことは各種統計からも明らかであり、正規雇用者の半数、非正規雇用者の7割が3年以内に辞めてしまうほど離職率が高いこともまた事実なのですから、少なくとも地上の楽園だの夢の国だのと言った讚美の文言が並んだのでは正確な表現とは言えないでしょう。
もともと介護にしろ医療にしろ国による公定価格を強いられていることも問題で、特に付加価値を付けて高い料金を取ることが難しいケースが多い介護の場合どうしても前提条件が厳しいのですけれども、それは国に対して文句を付けていくべき話であって、まるで事実を公言して実態を知られては困るとでも言うような言論弾圧めいた行動は話の筋が違うと言う意見も少なからずあるようです。
それでも何とかして介護職に関して褒めるべき点を探してみたのですが、現場労働者に対して行った調査によれば介護職の仕事に対する満足度は意外にも平均を上回っていて低い点数ではなかったと言いますから、もちろん「今どき介護などに行きたがる人間はそもそも価値判断の基準が一般人とは違う」と言った話は抜きにして考えても、現場の方々は使命感にあふれ誇りも持って仕事をしているんだろうなと想像は出来ますよね。
それでもこれだけ離職してしまう理由は何かと言えば、やはり給料が低くて食っていけない、家族が養えないと言う理由も大きいようですし、若くて体力もあり夜勤等無理が利いて給料が安い職員は歓迎するものの、いたずらに勤務年数だけ延びて給料が高くなるベテランは正直辞めて欲しがっているかのような態度の施設もあるようで、この辺りはもう少し適正な淘汰の圧力が働いていく必要もあるのかなと言う気もします。

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2015年7月13日 (月)

トヨタ幹部の麻薬密輸事件は不起訴になりましたが

世界的大企業の外国人役員が麻薬密輸で逮捕されたと言う前代未聞の事件が報じられ、その解決にケネディ大使まで動いたと言う話も出ていたようですけれども、結局大山鳴動して鼠一匹と言う微妙な結果に終わったと報じられています。

トヨタ元役員起訴猶予 慎重捜査「起訴するほどでない」(2015年7月7日産経新聞)

 ジュリー・ハンプ容疑者を起訴猶予とする方針を固めた東京地検。7日の最終協議の直前まで、ハンプ容疑者に対する調べを尽くし、慎重な捜査を進めていた。起訴猶予は、裁判で有罪の証明が可能な場合でも、容疑者が社会的制裁を既に受けていたり、悪質性が低かったりした場合などに選択される。証拠が足りずに不起訴とする「嫌疑不十分」とは異なる

 ハンプ容疑者は事件を受け、自ら弁護士を通じてトヨタ役員の辞任届を提出。実際に膝に痛みを抱えており、輸入した錠剤は鎮痛剤として利用していたという。これらの点で社会的制裁は受け、悪質性は低かったと判断したとみられる。

 関係者によると、常用薬を持って海外に渡航する際、指定薬物かどうか調べたり税関に届けたりすることが一般的に浸透している手続きかどうかという点も考慮された。これらの手続きが漏れていたとしても、強い隠蔽の意図があったとは言い切れないと見る向きも大きかったという。

 一方で錠剤入りの荷物は「ネックレス」と申告され、錠剤は箱の底などに隠されたように入っていた。しかしネックレスはハンプ容疑者の父親が趣味で集めたもので、これまでにもハンプ容疑者に渡したことがあったという。

 こういった状況から、地検内では「起訴するほどではない」との声も上がっていた。警察当局は最後まで「起訴するには十分」としていたが、地検は起訴猶予の結論を固めた。


「悪質性低いとはいえない」「厳しい規制への認識乏しさ考慮」…トヨタ元役員の起訴猶予、今後の捜査に影響も(2015年7月8日産経新聞)

 トヨタ自動車のジュリー・ハンプ元常務役員に対する捜査では、違法性の認識が大きな焦点となっていた。東京地検は、ハンプ元常務役員がオキシコドンは規制薬物との認識はあったと認定。しかし「酌むべき点がある」として起訴を見送ったと説明している。

 薬物事犯の違法性の認定をめぐっては、覚醒剤の密輸事件に対する平成2年の最高裁判例が参照されることが多い。被告は輸入物を覚醒剤と知らなかったものの、「体に有害で違法な薬物類」との認識はあったとして故意が認定された。逆に、物質の名前を知っていても作用を知らなければ故意の認定は難しいともされている。

 甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)は、「『違法薬物と知らなかった』という抗弁がまかり通らないよう、故意の認定が柔軟になる中、今回の処分はほかの薬物事犯に大きな影響を与えるのではないか」と懸念。「鎮痛目的なら別の市販薬でもいい。隠したような送り方も尋常ではなく、違法性や悪質性が低いとはいえないのではないか」と疑問を投げかける。

 一方、千葉大副学長の石井徹哉教授(刑法)は、「日本でオキシコドンに対する規制がここまで厳しいという認識がなく、その点を考慮されたのではないか」とみる。オキシコドンは米国では日本より広く処方されている。「企業側も社員を来日させる際には、法令の違いを説明するなどのサポートが必要だろう」と話している。

まあ今回の件に限らず社会的制裁を受けたから起訴猶予と言われると、金持ちほど逮捕時の影響が大きく制裁は受けたと優遇されることになるのでは?と言う声もあるようですが、実際のところ単純に本国で常用していた痛み止めを送ってもらったところ、たまたま日本では違法薬物に指定されていたと言った単純な話であるのかどうかです。
別ソースによれば麻薬の錠剤は父親名義で処方を受けたものであり、それを小包の中に小分けにし、ペンダントケースを二重底にしてしまい込んでいたと言うのですから普通に考えて隠す意志があったのでは?と受け取れそうな状況ですが、一方でアメリカではごく一般的に鎮痛剤として処方されていると言うだけに、身近にある当たり前の存在としてしまい込んでいたと言う言い訳?も可能は可能でしょうね。
麻薬としてはリラックス効果や多幸感が得られるものの比較的効き目が弱く、短時間で効果が消えてしまうことから有害性はさほどでないそうですが、前述のように一般的に処方されることからいわゆる麻薬常習者ではない一般人や子供までが中毒に陥ってしまうと言うリスクがあると言うことで、これはこれでリタリン問題などと同様の病根の深さを感じるところです。

母国では普通に手に入る合法薬物であり、日本に来日したばかりでこちらでは違法薬物だと知らなかったと言われればそれを否定するのは難しく、有罪に持ち込めそうにないから起訴を見送ったと言うところもあるようですが、一連の報道で鎮痛目的の適正な麻薬使用までもが何かしら犯罪的行為のように見られるようになってしまうのでは、と懸念する患者団体の声もあるようです。
日本の医療現場ではもともと麻薬性鎮痛剤の使用量が少なく、癌患者の苦痛が十分に緩和されていないと言われてきましたが、さらに言えばこうしたことをきっかけに「自分のもらっている薬は麻薬だったのか?!」と初めて知り驚いて使用を躊躇する患者が出たりだとか、場合によっては本人告知がされないまま対処されてきた患者が自分が大病であると知ってしまうと言った懸念もあり得るところですよね。
医療用麻薬にしてもそうですが保険診療の制約上、日本では癌に伴う症状の緩和にしか使えない薬と言うものがかなり多くあって、担当医としては難治性の非癌性疾患などで使いたい局面も少なからずあると思うのですが、今回のように諸外国で当たり前に使われている薬なら何故日本でも当たり前に使えないのかと言う疑問に対しては、ドラッグラグなどと逃げるわけにもいかず患者への説明が難しいところだと思いますね。

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2015年7月12日 (日)

今日のぐり:「さぬきうどん せとうちや」

ゆとりだ、大学全入だと言い、学生の学力低下も叫ばれる今日この頃なんですが、海の向こうではこんなに賢い学生もいると話題になっているようです。

「地獄」って存在するの?ある学生の回答が秀逸すぎると、世界中で話題に(2015年6月20日ガジェット通信)

ある大学で行われたテストに対する学生の答えが、米メディア「Higher Perspective」の記事の中で紹介され、世界中で話題になっています。
地獄の存在の有無を、化学の教科書で目にする“ボイルの法則”を使いながら、ユーモアを織り交ぜ回答しています。その気になる内容とは!?

※ボイルの法則とは?
温度が一定の場合、気体の体積はその圧力に反比例するという法則。例えば、シリンダーの中に空気をいれ漏れないように栓をします。その栓を下に押していくとシリンダーの中にある空気の体積が小さくなり、手を離すと栓は上の方に戻ります。これをボイルの法則と言います。

ある教授が、地獄について、テストで以下の質問をしました。

「地獄は、発熱して中の温度は上がっていますか?それとも、吸熱して、温度が下がっていますか?」

以下が、学生の答えになります。

まず始めに、私たちは地獄の質量が時代とともに、どのように変化しているのかを考える必要があります。どれほどの魂が地獄へいき、また去っているのか把握しないといけません。
もし問題がなければ、地獄へいった魂はそのまま留まり続けると仮定します。ということは、地獄から去っていく魂はないということです。
どのくらいの魂が、地獄へ堕ちのるか?ということを知るために、世界中の宗教から考えたいと思います。ほとんどの宗教では、その宗教を信仰していない限り地獄へいくとされています。人々が信仰できる宗教は、原則1つだけなのですべての人が地獄へいくことになります。現在の出生率と死亡率を考えると、地獄に堕ちる魂は急激に増加しています。

さて、ここでボイルの法則を考えてみます。地獄の温度と圧力の値は同じはずですから、地獄に向かう魂が増えるたびに、地獄の中に存在する質量は、膨張していくはずです。
これによって、以下の2つの可能性が導き出されます。
01.
地獄にいく魂の割合よりも、地獄の拡大する速度が遅い場合。地獄が壊れて解き放たれるまで、地獄の温度と圧力は上がり続けるでしょう。
02.
地獄に入る魂の割合よりも、地獄の拡大する速度が速い場合。地獄がすべて凍り付いてしまうまで、その温度と圧力は下がり続けるでしょう。
結局どっちにせよ、地獄はなくなっていくのです。

私が新入生だった頃、テレサ(大好きな女の子)が「私とあなたが寝る時は、地獄が寒くなる時ね。(ここでは絶対に“ありえない”という意味)」と言いました。
でも私が昨晩、彼女と寝たことを考慮すると、2番目が正しいことになります。地獄は絶滅してしまったのです(笑)。つまり亡くなった人は、天国にいくしかありません。
PS:だから、彼女は昨晩ベッドの中で「Oh my God!」と叫び続けていたのかもしれません(笑)。

これは確かに賢すぎると言うのでしょうか、きちんと落ちまでついている点が秀逸ですけれども、この解答によってどれくらいの点数がついたのか、こうして全世界に公開されその後のテレサとの仲がどうなったのか等々、数々の疑問は残るところですかね。
今日は地獄絶滅と言う全世界にとっても喜ぶべき事態を歓迎する意味で、世界中からそれは賢いと思わず叫んでしまいそうなニュースの数々を紹介してみましょう。

天才少女の発明がカエルをU字溝から救う!? (2015年5月9日dot.ニュース)

 田んぼのU字溝が増水して流されていくカエル。太陽で熱されたU字溝にはりついてひからびたカエル。こんな悲しい光景を見たことはないだろうか。その危機からカエルを救おうと、ある少女が驚くべき発明をした。

 2015年3月8日、「日本自然保護大賞」(主催:公財 日本自然保護協会〈※注〉)の授賞式が行われた日比谷コンベンションホールでは、ある少女に拍手が鳴り止まなかった。山口県美祢市の小学6年生、村田結菜さんの「お助け!シュロの糸」という発表についてである。
 結菜さんの考案した「シュロの糸」は、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を思い起こさせる発明である。小学校2年の時に参加したカエルの観察会以来、カエルのかわいらしさに魅せられた結菜さんは、小3になったある日、田んぼのU字溝でカエルが流されているのを目撃する。
「あのカエルはどこへいってしまうんだろう? 生きのびられるのだろうか?」そう考えた結菜さんは、その日からカエルとU字溝の関係を調べようと決心した。
(略)
 U字溝の深さは30センチまたは50センチである。結菜さんは10種類109匹のカエルについて調べたところ、30センチを超えられるのはわずかな数で、50センチとなると109匹全部がU字溝を超えられないことが分かった。また、吸盤を持つ大人のカエルはU字溝を上がることができるが、水の流れが速いと流されてしまって壁に取り付けず上れないことも分かった。つまり、U字溝はカエルにとって危険な場所であることが分かったのだ。

 ではどうすればカエルがU字溝から脱出できるか? そこで結菜さんが考えたのがシュロの繊維を三つ編みにして麻ひもで縛り、U字溝に垂らす仕掛けだったのだ。自然にかえる素材で、季節で枯れてなくなったりしないもの。それがシュロの繊維だった。これは、ずっと結菜さんの活動を応援してくれていた秋吉台エコミュージアムの職員(当時)であり、自然観察指導員である田原義寛さんからアドバイスをもらって試してみたものだ。
 さっそくシュロの繊維を編んで、名付けて「シュロの糸」でテストを行ったところ、吸盤があってもなくてもどのカエルもうまく上り、無事に脱出。実際にU字溝に設置し、何匹のカエルが助かったか調べるために捕獲器も設置してみたところ、28回の調査でなんと257匹ものカエルが助かった。
 実験のやり方や仕掛けは、ほぼ自力で考え取り組んだというから結菜さんの発想力や着眼点はそこらの大人顔負けである。
(略)

これはマジですごいと思うのですが、詳細は是非とも元記事を参照いただければその素晴らしき着眼と実行力が理解出来るかと思います。
動物の世界でも賢いと言われる生き物は数多くいますが、その中でもこれはその着想以前に実行力と言う点でどうなのかと思う驚きのニュースです。

横着者…カラスが自分で飛ばずにワシの背中に乗って飛ぶ(2015年7月9日オカルトニュース)

この横着者…。カラスが、自分で飛ばずに、ハクトウワシの背中に乗って飛んでいる姿が目撃されました。

朝食の獲物を探していたハクトウワシの背中に、カラスが空中で着陸。ハクトウワシは特に嫌がる様子も見せず、そのまま飛び続けていたそうです。

このめずらしい写真は、米国のアマチュア写真家のフー・チャン氏が今週、ワシントン州で撮影しました。

これまた是非とも元記事の写真を参照いただきたいのですが、しかしこの両者の関係はどのようなものであるのかと興味深いところですよね。
同じく賢い動物として身近にも存在するのがイヌですけれども、いわばイヌヒエラルキーのトップに立つ警察犬ともなるとこうなってしまうのかと言うニュースです。

食器くわえて並んで待つんだワン!賢すぎる中国警察犬の食事風景がネットで話題(2015年6月21日フォーカスアジア)

中国のインターネット上で最近、同国にある警察犬訓練学校で撮影されたという写真が話題になっている。香港メディア・東網が17日伝えた。

トレーナーが大きな鍋に入った餌を配る際、犬たちが食器を口にくわえ、一列に並んでいる姿をとらえたもので、ネットユーザーたちから「かわいい」「賢い」といったコメントが続々。中には「もらった餌はどうやって運ぶの?」と疑問を投げかける人もいた。

中国では警察犬候補の犬たちを生後4~5カ月ごろから訓練。厳しい選抜を経て約1年で警察犬となり、追跡や捜査・逮捕、護衛、反テロ対策などの任務に就く。

これまた元記事の写真を参照いただきたいと思いますけれども、これはやはり中国だけに盛っていると考えるべきなのでしょうか、それともイヌの新たな進化の可能性を垣間見ているのでしょうか。
最後に、新たな進化の可能性と言う点で最近しばしば話題になるのが人工知能ですけれども、SFの世界で古来議論されてきたテーマがそろそろ現実になりつつあるようです。

チェック:記事書き、資料整理まで 米、驚異の人工知能 雇用喪失懸念も(2015年6月20日毎日新聞)

 米国で人工知能(AI)が活躍の場を広げている。記者に代わってスポーツや経済関連の記事を書いたり、法律事務所で膨大な訴訟資料の整理を任されたりしている。人の手に取って代わる機械化の波は工場などの生産現場から、より知識や技術が求められる専門職に及び始めた。【ダーラム(米南部ノースカロライナ州)で清水憲司】

 「第1四半期は100万ドルの赤字を計上。同業他社との合併関連費用が重荷になった」。6月2日、米有力メディアAP通信が報じた米医療機器会社の決算記事だ。会社の近況や事前の市場予想を交えた達者な英文だが、筆者は米ベンチャー企業の「オートメーテッド・インサイツ」が開発したAIだ。
 ダーラムの本社を訪ねると、約40人の社員がリラックスした雰囲気の中、AIソフト開発に当たっていた。昨年1年間で同社のAIが自動作成した記事やリポートは10億本。「スポーツでも企業決算でも、どんな文体の記事でも書けます。まだニーズはないけど、シェークスピアのような文体も可能でしょう」。広報担当者ジェームズ・コテキさん(29)は自信を見せる。
 仕組みはこうだ。膨大な英文データをAIに取り込み、通信社なら新聞記事の、金融機関なら顧客向けのリポートで使われる文章の構成や言葉遣いを覚えさせる。あとは、いつ、どんな内容の文章を書くかを設定すれば、AIがネット上のデータベースから必要な要素を拾って文章化する。AP通信はこれまで人手を割けなかった中小企業の決算が配信可能になったほか、同社の記者はより独自性の高い特集記事などに注力できるようになった。
 米南部テキサス州を拠点に同様のサービスを提供する「イージオップ」は日本進出を計画中だ。現在は英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語に対応するが、リンジー・プラウズ部長は「どの言語でも30〜50日あればAIに覚えさせられる」と話す。
 ワシントンのシェパード・モレン法律事務所は2年前から、顧客企業が訴訟用に持ち込む膨大な電子データの整理に活用。資料に目を通すのに何カ月もかかることがあったが、「どんな文書を探すか」を指示すれば、関係するものだけを見つけだしてくれる。単純な法律相談ならAIでも対応できるようになり、同事務所のクリストファー・ラブランド弁護士は「将来は弁護士の数が減るかもしれない」と明かす。

 将来は膨大な医療データを蓄積して医師の代わりに診断することや、車の運転や列車の運行も可能になるなど活用が広がる見通しだ。一方で、米国では「AIは雇用を失わせる」との懸念も語られ始めている。
 数十年のうちにAIが人間の能力を超えるとの予想もある。英天文学者のホーキング博士は「人工知能に取って代わられ、それは人類の終わりを意味するかもしれない」と警告する。先端技術に詳しいアナリストのスコット・ストロウン氏は「核兵器は特定の物質を管理することで規制できるが、AIはそうはいかない。AIの制御はSFではなく、リアルな課題になろうとしている」と指摘する。
 日本でも日本郵政傘下のかんぽ生命保険やみずほ銀行、三井住友銀行が、米IBMが開発したAI搭載のコンピューター「ワトソン」を導入。保険金の支払い業務やコールセンターでの顧客対応に活用している。

しかし人工知能と言うものの発展は非常に便利でもあるのですが、その仕事を確認しなければどんな結果が待ち受けているのかも分からずで、今後はそうしたチェック向け人材の求人が増えてくるようになるかも知れませんね。
ネット上では誰が意図して作り上げたと言うわけでもないストーリーが自然発生的に組み立てられ、流通すると言う現象が時折見られますが、無自覚な個人の集合知もある種の擬似的な知能なのかと言う気がします。

今日のぐり:「さぬきうどん せとうちや」

山陽道玉島インターを降りてすぐそばにあるこちらのお店、以前からその存在に気付いてはいたのですが、今回たまたま初めて訪店する機会がありました。
玄関を入ってみると中は普通のうどん屋っぽいつくりですし、メニューも定番のみでごくシンプルなものなんですが、ちゃんと湯だめと表記してあるのは好印象ですよね。

こちらは正しくさぬきうどんであるからと言うことなのでしょうか、この地域のうどん屋に大抵そろえてあるぶっかけうどんが置いていないようですので、今回はざるうどんを頼んで見ました。
うどんの方は茹で置きのようなんですが、見た目の色艶はまずまず良好ですし、食べて見ても少し柔らかめながら噛みしめるとコシはしっかりあると言う、香川よりは岡山で好まれそうなうどんですね。
かなりはっきり甘さが感じられるこのつけ汁は好みが別れそうですが、こういう甘い汁に付け合わせのワサビを溶かすといい具合でいただけるのですが、しかしこの冷やしうどんに生姜でなくワサビと言うのも最近では一般化しましたよね。

見た目の印象で果たしてどんなうどんが出る店なのかと興味本位で入ったようなところがありますが、とりあえずうどんに関してはなんだ普通に食べられるじゃないかと、正直ちょっと拍子抜けするところもありました。
接遇面はちょっと愛想がないところもあるようなんですが、普通に気配りもできるようではあって、色々な意味で思ったより普通のうどん屋だったと言うところでしょうかね。

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2015年7月11日 (土)

自転車もいずれ免許制になる?

道路交通法が改正されて自転車の通行がさらに厳しく規制されるようになったところなんですが、この一ヶ月で各地で取り締まりによる摘発事例が多数に登っていると言う記事が出ていました。

自転車「危険行為」 1か月で549件摘発(2015年7月7日TBSニュース)

 先月1日から悪質な危険行為を繰り返した自転車運転者に安全講習を義務付ける改正道交法が施行されましたが、およそ1か月間で549件が「危険行為」として摘発されたことが警察庁のまとめでわかりました。

 先月1日から施行された改正道交法では、信号無視などの14項目について「危険行為」と定め、「危険行為」で3年以内に2回以上摘発された場合、安全講習を義務付ける内容となっています。

 改正道交法が施行されてから先月30日までのおよそ1か月間で、「危険行為」に当たるとして全国の警察に摘発されたのは549件だったことが警察庁のまとめで分かりました。

 一番多かったのは「信号無視」の231件で、次いで「遮断踏切立ち入り」の195件などとなっていますが、2回以上摘発されて安全講習を義務付けられたケースはなかったということです。

この道交法改正問題に関しては先日もお伝えしたところですが、自転車に対しても自動車並みに厳しく対処するとも受け取れる内容で、当面は一罰百戒的なアナウンス効果を狙って厳しい対応が続けられる可能性があるにしても、未来永劫この調子での取り締まりが続くと言うのであれば自転車に乗る人の数にも影響しかねないし、そもそも警察の人員的にもどうなのかですよね。
そもそも子供や老人など車に乗れない人々のための乗り物と言う側面が大きいと言うのは、逆に考えれば自動車免許所持者であれば当たり前に知っているはずの道路交通上のルールを知らない自転車乗りが多いと言うことであって、それはそれで確かに安全運行上大きな問題ではあるのですが、現実的にあまり厳しく取り締まられてもどうなのか?と言う疑問を抱く人も少なくないようです。
この点でいっそ自転車も免許制にしたらいいのではないか?と言う声も根強くあって、当初はよくあるネタのような扱いにされがちだったのですけれども、実は調べて見るとこの自転車免許制と言うもの、思いの外多くの支持を得ているらしいと言うことが明らかになってきています。

自転車の免許制、賛成が6割以上 独自に導入する例も(2015年6月21日乗り物ニュース)

「乗りものニュース」が「Yahoo!ニュース」と共同で意識調査を行ったところ、自転車は免許制にすべきという意見が6割以上を占めました。そうしたなか法的拘束力はないものの、既に独自の免許制度を設けている自治体などもあり、一定の成果を上げているようです。

交通事故全体の約2割を占める自転車関連

 総務省統計局が2015年3月に発表したデータによると、2014年に起きた自転車関連事故の件数は10万9269件。交通事故全体の約2割を占めており、なかには死亡につながる事故も少なくありません。こうした流れを受け今年2015年6月1日から施行された改正道路交通法では、危険行為を繰り返す悪質な自転車利用者に対し講習が義務付けられることとなりました。
 そうしたなか、さらに一歩踏み込んで「自転車も自動車やオートバイと同様に免許制を導入してはどうか」という考え方もあります。そこで我々「乗りものニュース」は「Yahoo!ニュース」と共同で、2015年6月4日(木)から14日(日)にかけインターネット上で意識調査を実施。合計13万4774票が寄せられ、結果は「免許制にするべき」が8万4936票で63%、「免許制にするべきでない」が4万9838票で37%と、「するべき」と考えている人が多数でした。
 しかし、併せて寄せられたコメントには「むしろ免許制度の前になんらかの方策を練るべきなのでは」という意見も目立っています。顕著なのが「そもそも利用者自身の安全への意識を高めることが必要」という意見。学校なり地域なりで安全運転の講習をやるべきというコメントが数多く寄せられています。

独自に免許制を実施する自治体も

 そうしたなか、東京都荒川区では法的拘束力はないものの、10年以上前の2002年7月から自転車免許の交付を行っています。免許交付の手順は、まず講習を受け、続いて警察官からの交通注意。そして10分間のビデオを見てからテストを受け、実技、という流れ。荒川区交通対策課の平野さんによれば、受講しているのは小学生がほとんどとのことですが、家庭に結果を持ち帰ることで、家族そろっての自転車ルール再確認に役立っているそうです。
 福岡県北九州市の慶成高等学校では、生徒へ自転車通学許可証を交付するにあたり交通安全教室への参加、任意保険への加入、保護者による自転車の整備確認を条件にしています。生徒指導の水田さんによると、この取り組みを行うようになってから、大きな事故はほとんどなくなったといいます。

 自転車の事故を減らすためまず重要なのは、意識調査で多くのコメントが寄せられたように、自転車を使う人みなが高い安全意識を持って運転することでしょう。しかし、そのためにはどうしたら良いのでしょうか。一定の効果を上げている荒川区や慶成高等学校の取り組みは、ひとつの参考になるかもしれません。
 また意識調査では、「そもそも自転車が走行しても安全なように道路を整備することが先決」という声も多数あがっていました。

しかし北九州の高校の事例を見ても思うことですが、やはり自転車教育と言うものは学校と言う存在と切っても切れない関係にあると思えるし、それを許可証と言うものと連動させて強制力を発揮しているのは非常に興味深い試みですよね。
ちなみに実際にネット上での調査結果を見てみますとこうしたニュースで報じられたことも影響しているのでしょう、今のところちょうど賛否両論が拮抗していると言う状況であるようなんですが、いずれにしても免許制を支持する声は決して社会的少数派と言う位置に留まらないようだと言うことは伺えるのは興味深いですよね。
しばしば言われるように日本の道路は自転車が安全に走れるようになっていないにも関わらず、狭い車道を無理矢理走らされるのはどうなんだと言う反発は根強くあるし、特に夜間や通学時間帯の自転車-車間の重大事故がこのところ盛んに報じられるようになったように、今後実際のところ法改正によって死傷者数等がどう推移しているのかと言う点に関心が集まることになりそうです。

一方では自転車も歩行者から見れば危険な車輛である以上、その使用には最低限知っているべきルールと言うものがあると言う点は理解出来るし、特に小児や高齢者など運転技術的に公道を走行するのにどうなのか?と思われる事例も散見されることから、免許制とまでは言わないまでも最低限備えてくべき知識や技量は必要だろうと言う意見は十分理解出来ます。
正直車の免許もなく移動手段も限られている高齢者にどこまで規制を強めるべきなのかと言う点は社会的配慮も必要とされそうには思えるのですが、例えば小児に関しては最低限の技術や知識を備えてから公道を走るように指導するだとか、高齢者には自治体が補助金を出すなりして三輪自転車購入を支援するだとか、多少なりとも安全性を高める方策はまだ考慮すべき余地がありそうには思います。
若者の車離れがこれだけ定着した時代にあっても、現実的に自動車免許が身分証明書として機能していると言う事実はさほどに変わりがないとも言えるので、それならいっそ自動車以前の自転車乗りの段階から身分証明書としても使える自転車免許を発行するのもありなのか?とも思うのですが、自動車免許のように取得や更新が面倒ならいらないと感じる人も多いんじゃないかとは思いますね。

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2015年7月10日 (金)

医師法21条の正しい解釈、未だ根付かず?

本日の本題に入る前に、先日こういう事故の事例が報道されていたのですが、御覧になりましたでしょうか?

<特養ホーム>食事や薬誤配、2人死亡…事故8件隠す 埼玉(2015年7月5日毎日新聞)

 埼玉県熊谷市の特別養護老人ホーム「いずみ熊谷」で昨年、入所者に別の入所者の薬を誤って与えるなどのミスがあり、2人が死亡していたことがわかった。同施設ではこれを含めて県への報告が必要な事故が計8件起きていたが、いずれも報告していなかった。県は遺族の通報で今年1月に立ち入り調査を行い、行政指導した。

 ◇県が行政指導

 いずみ熊谷の岡部陽子施設長らが4日に記者会見して明らかにした。事故を隠すために報告しなかったと認めたうえで、謝罪した。
 岡部施設長らによると、昨年12月19日、女性入所者(88)に、別の入所者が服用するパーキンソン病の薬を介護職員が渡した。女性は薬を飲み、副作用による嘔吐(おうと)が原因とみられる誤嚥(ごえん)性肺炎で3日後に死亡した。介護職員は薬を置いた別の入所者の食膳を誤って女性に渡したという。県警が業務上過失致死容疑で捜査している。
 同3月21日には、いなりずしを食べた男性入所者(84)が喉につまらせ、1カ月後に誤嚥性肺炎で死亡した。男性には食べやすいちらしずしを提供することになっていたが、調理を担当する職員らのミスが原因で、他の入所者と同じいなりずしを提供してしまったという。
 いずみ熊谷ではこの他に、昨年4〜12月の間、入所者が転倒して腰の骨を折る▽入所者が入浴中に意識を失い救急搬送される▽職員が入所者に誤った量の薬を飲ませる▽入所者が喉に食事を詰まらせて肺炎になる−−など厚生労働省令に基づく県への報告が必要な事故が6件起きていたが、死亡事例2件をあわせた計8件を報告していなかった。
(略)

不幸な事故でお亡くなりになった方々のご冥福を祈りたいと思いますが、薬の誤配などは事故として非常に起こりがちな事例であるだけに本来教訓としてきちんとスタッフ一同で共有し再発防止の問題意識を高めていくべきところなんですが、こうした事故隠しが行われているような現場では果たしてどれだけそうした問題共有が図られていたのか不安を感じずにはいられませんよね。
本来的に今秋スタートする事故調などもこうしたケースで個人の責任追及ではなく、原因究明とそれに基づく再発防止を考えていくためのものであると言うことなのですが、今回のように事故を故意に隠蔽したりするようですと警察の介入など思いがけない結果を招きかねず、本来的な意味において何ら益することがないと言う点でも非常に教訓的なケースであったと思います。
さてここで少し話は変わって、医療現場においても残念ながら時に遭遇するこうした過誤によるとも思われる死亡症例を見た場合に、医師として組織としてはこれを異状死体の届け出義務を定めた医師法21条に照らし合わせて、警察に届けるべきであるのかどうかと言うところが問題になりやすいところだと思いますけれども、諸先生方の施設ではこうした場合の対応マニュアル等ではどのような記載がなされているでしょうか?
この点に関する一つの答えとなる話として、先日は医療事故調発足に先立って、いわゆる異状死体の届け出義務を定めた医師法21条が医療現場では事実上有名無実化したと言うことを紹介しましたが、これとも関連して厚労省の姿勢変化を示すこんな記事が出ていたことも紹介しておきましょう。

「リスクマネージメントマニュアル作成指針」失効(2015年7月6日医療維新)

 日本産婦人科協会は7月6日、同協会が、厚生労働省が2000年に当時の国立病院等に対して出した「リスクマネージメントマニュアル作成指針」について質問した結果、同省が「同指針は既に失効している」と回答したことを公表した。「同指針と同様の内容のマニュアルを、独立行政法人国立病院機構やその他の所管の独立行政法人に作成させるべく指導しているか」との質問には、「指導をしておらず、各医療機関の自主性に任せている」との答えだった。同協会が文書で質問したのは2015年5月29日、厚労省医政局医療経営支援課の担当者から電話で回答があったという。

 「リスクマネージメントマニュアル作成指針」は、国立病院、国立療養所、国立高度専門医療センターに対する指針で、医療事故の発生防止対策や事故発生時の対応方法などについて、国立病院等がマニュアルを作成する際の指針だった。その中には、「医療過誤によって死亡または傷害が発生した場合、またはその疑いがある場合には、施設長は、速やかに所轄警察署に届出を行う」と記載されており、「外表異状説」に基づき、異状死体の届出を求める医師法21条との相違が問題になっていた。

 国立病院・療養所は2004年4月1日付で、国立高度専門医療センターも2010年4月1日付で、それぞれ独立行政法人に移行し、国立の組織ではなくなった。形式的にも、また実運用上でも、「リスクマネージメントマニュアル作成指針」が失効していることが、今回の厚労省の回答で確認された。6月29日の日本医師会定例代議員会でも、日医副会長の松原謙二氏は、「作成指針は無効」と説明していた。

 同協会の顧問を務める弁護士の井上清成氏は、厚労省の回答を踏まえ、「死体の外表に異状が無いのであれば、仮に『医療過誤またはその疑いがある』時であっても、警察署に任意に自主的に届け出ない場合でも、各医療機関や管理者の責任にならない。逆に、任意に自主的に届け出ると、現場の医療者に対する届出医療機関や管理者の責任が生じ得る」と解釈を示す。「医療過誤またはその疑いがある時は警察署に届け出る、という院内規則が残っている場合には、直ぐに削除しないと、『削除しない』という管理者の不作為責任も生じかねない。管理者のガバナンスが問われる局面と言える」(井上氏)。
(略)

医療過誤問題等でも高名な井上弁護士の見解として「任意に自主的に届け出ると、現場の医療者に対する届出医療機関や管理者の責任が生じ得る」「医療過誤またはその疑いがある時は警察署に届け出る、という院内規則が残っている場合には、直ぐに削除しないと、『削除しない』という管理者の不作為責任も生じかねない」と言う何とも逆説的な解釈が示されたのは非常に印象的な話だと思いますが、どうでしょうか?
もちろん国立病院なるものが存在しなくなったという形式の上でもこの指針はすでに無効化していると言う指摘はあったわけですが、こうして厚労省の見解としてそうした指導を今後もするつもりはないと言う回答が示されたと言うことは重要で、国の方針として医師法21条を完全に有名無実化する方向で舵を切ったのだと言うことがここでも明らかにされたと言えそうです。
ただここで気になるのはこの見解があくまでも厚労省の見解として示されたものであると言う点で、実際には厚労省は裁判など司法を管轄する省庁ではないわけですから、例えば誰かが「あの病院は医師法21条に違反している!」と告発した場合に厚労省見解を元に裁判の要否が判断されるものなのかどうかと言う点は少し疑問が残るところです。
実際にいつもお世話になっている弁護士ドットコムなどを拝見してみますと、医療過誤が疑われる余地は残るもののここでの定義上明らかに異状死体ではないと思われるケースに関して専門家の見解として「刑事で医師法21条違反を問える」と言う回答が堂々と示されている点を見ても、最終的な裁判の場での判断はともかくとして当面は訴えられるかどうかと言う点では混乱が続きかねないように思いますね。
要するに厚労省の見解がどうあれ、当面のところは医療と司法双方の現場で認識の統一が図られない可能性は十分にあるし、自分達は理解しているつもりでも関係する全ての人間が正しい現状のルールを理解しているとは限らないと言う前提で、さてどうすべきかと言うことを各施設、各個人がきちんと考え答えを出しておかなければならないと言うことになりそうです。

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2015年7月 9日 (木)

年齢以上に元気な高齢者の方々に対する警鐘

この時期毎年のように繰り返される死亡事故のテンプレとも言えるものが幾つかあって、その一つには「パチンコ屋の駐車場に停められた車中で子供が熱中症死」と言うものが知られていますが、もう一つには「台風の最中に田んぼの見回りに出かけた高齢者が死亡」と言うパターンがあって、もはや毎年のニュースのたびに「またか」と言われてしまうような状況ですよね。
いずれもそれぞれに事情もあって行っていることなのかも知れずで、それだけに未だに根絶も難しいのですけれども、このところの事故のニュースを見ていて少しばかり気になる傾向があるように感じられたので、本日はこれら三つのニュースを紹介してみましょう。

1キロ泳ぐ競技の67歳、うつぶせで浮く…重体(2015年07月06日読売新聞)

 5日午前10時10分頃、静岡県熱海市の熱海サンビーチで、水泳大会に出場していた千葉県印西市の男性(67)が、うつぶせの状態で海上に浮いているのを後続の参加者が発見した。

 ライフガードによって救助されて病院に搬送されたが、意識不明の重体。

 静岡県警熱海署などの発表によると、大会名は「第21回熱海オープンウォータースイムレースジャパングランプリ」。男性は1キロを泳ぐ競技に出場し、スタートから約200メートルの地点で浮いていたという。事故当時は約120人が泳いでおり、雨は降っていたが、海は荒れていなかったという。

 同署は、男性が溺れたとみて、詳しい原因を調べている。

トライアスロンの72歳水死(2015年7月6日産経新聞)

 鹿児島県警徳之島署は6日、天城町などで5日開催された「トライアスロンIN徳之島」に出場した神戸市東灘区御影石町、無職、熊谷元孝さん(72)が死亡する事故があったと発表した。水死とみて調べている。

 熊谷さんは5日午前8時20分ごろ、天城町のヨナマビーチ沖約500メートルの海上に浮いているのを大会関係者が発見。病院に搬送され、手当を受けていたが6日午前、死亡した。


新潟・平標山で男性2人死亡 登山道で倒れる(2015年7月5日朝日新聞)

 4日午後0時25分ごろ、新潟県湯沢町三国の平標(たいらっぴょう)山(1984メートル)登山道で、男性2人が倒れていると消防に救助要請があった。県警によると2人は心肺停止状態で、同県南魚沼市内の病院に搬送されたが、5日朝、死亡が確認された。ともに死因は急性心不全で、県警は病死とみて詳しく調べている。

 南魚沼署によると、2人は福島県喜多方市関柴町の会社員、蓮沼芳一さん(61)と同市寺町の会社員、真鍋守男さん(64)。福島県の女性と3人で登山していたが、蓮沼さんが「疲れたから先に登っていてほしい」と言ったため、2人が先に登った。蓮沼さんはその後、登山道で倒れているのを別の登山者らに発見され、連絡を受けた山小屋の管理人が消防に通報した。

 真鍋さんらは連絡を受けて引き返し、蓮沼さんを救助しようとしたが、その最中に真鍋さんも倒れたという。

いずれも共通点としては高齢者であること、そしてかなりハードなスポーツに参加していての事故であると言う点なんですが、想像するにこれだけのことをやるくらいですから普段から年齢に比べて非常に元気であり、またそうであることを内心自慢にも誇りにも思っていたのかも知れません。
こうしたアクティビティの高い高齢者と言うものはもちろん基本的には社会からも歓迎されるものだし、国などもどんどん身体を動かしましょうと推奨しているくらいですけれども、注目いただきたいのはいずれも海や山と言った自然環境の中で発生している事故であって、しかも恐らくは単なる事故ではなく何かしら身体的な不調が事故の原因となったのではないかとも推測される点です。
これが例えばプールやスポーツジムの中で同様に何かしらの発作なりに襲われたと言うことであれば、言うまでもなく直ちに病院に担ぎ込まれて命が助かっていたのかも知れませんけれども、海や山でのこととなればすぐに対応するのも難しいのは道理であって、言ってみれば何もないことを前提に計画を立てた見通しが甘かったと言う厳しい言い方も出来るのかも知れません。

高齢者が年齢相応に体力等も衰えているのは紛れもない事実である一方、特に若い頃からきちんとトレーニングを続けてきている人ほど衰えを認めたくないのか昔の感覚でやってしまうのか、「まだまだこれくらいなら大丈夫だ」と不調を自覚しながら無理をしてしまうのかも知れませんが、やはり様々な基礎疾患を持っていたり身体の各所が老化していると言うことは、負担をかけた際に何かが起こる危険性も高い理屈ですよね。
特に高齢者は脱水に対して鈍感であると言う話があって、水分をきちんと計画的に摂取していかないとこの時期簡単に脱水症になったり、最悪の場合脳卒中等の危険性も出てきますけれども、古い時代の体育教育を受けた方々の中には未だに「運動中は水を飲むな」と言う教えを頑なに守っているのか、水分摂取に全く積極的ではない方々が見られるようです。
体力の落ちた方々はもちろん、元気なようでも何かが起こる可能性のある高齢者はその何かが起こったときにどうするかと言うことまで考えに入れて計画を立てる必要があるんじゃないかと思うのですが、例えば日常の散歩をするにも家から真っ直ぐ遠出したのでは何かあったときに帰れなくなりますから、家を中心に8の字を描くように遠く離れないで歩くようにするなど工夫をしていくことも必要でしょうね。
もちろん過度にリスクを恐れて家に引きこもっていたのではさらに大きな健康リスクを抱え込むことにもなりかねませんから、このあたりはその人なりの状態に応じてどの程度の運動がいいのか、医師など専門家の意見なども参照して考えていくのが本来なのかも知れません。

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2015年7月 8日 (水)

高齢者地方移住計画、受け手は必ずしも反対しているわけではなく

ちょうど2年ほど前から国が高齢者を都市部から地方へと移住させることを考えていると言うニュースが出ていましたが、そんな話が一気に話題になったのが先日の日本創生会議による提言で、将来的に介護人材が不足するから首都圏の高齢者を地方に移住させよと言う内容が棄民だ、現代の姥捨て山だと話題になったものでした。
もちろん当事者にもそれなりに言い分があると言うことは想像に難くないところで、この「首都圏高齢化危機回避戦略」に関しては同会議HPにも詳細な資料が掲載されていますけれども、先日は同会議のメンバーで今回の提言をまとめた高橋泰教先生が、その提言の狙いとするところをこんな風に解説しています。

「創生会議が提言した『老人の地方移住』は姥捨て山ではない」国際医療福祉大学大学院の高橋泰教授に聞く(2015年6月25日日経ビジネス)

(略)
 今回の日本創生会議の提言に対して、首都圏と地方で受け止め方に温度差がありました。その理由を私なりに考えてみますと、首都圏ではまだ介護クライシスが起きていない。だから、実感が湧かないんでしょうね。(略)ただ、データを少しでも触ってみれば、(自然災害やテロなどによる)原発事故よりも介護クライシスの方が間近に迫っていることがヒシヒシと分かるはずです。
(略)
 年齢別の医療介護需要の発生率を推計すると、入院需要は2025年までに全国平均で14.1%増えます。具体的に言うと、1日当たりの入院需要は2015年に133万人だったものが、2025年に152万人に増えます。
 先ほども申し上げた通り、一都三県では後期高齢者がこの10年間で急増します。そのため東京圏では入院需要の増加率が全国で最も高くなります。2025年には埼玉県で25%、神奈川県で23%、千葉県で22%、そして東京都が20%増加します。
(略)
 要するに、入院を要するような急性期医療についても、介護など慢性期医療についても、東京圏は極めて厳しい状況にならざるを得ないと言えます。まずは、この現実をより多くの人に知って欲しいと思います。
 政府は、介護施設に入りきれない人は在宅で介護しようとしていますが、それだけの数の老人に対して在宅でサービスを提供するためには人手が要ります。厚生労働省が「地域包括ケアシステム」と称して実現を目指していますが、課題は人材です。今でさえ介護サービスを提供する人が不足しているのに、人材を供給できると思いますか
(略)
 それで、このまま状況が大きく変わらない限り、介護クライシスが近い将来起きるのはほぼ間違いない。だからこそ、一人ひとりが引退後にどう生活していくかをディシジョン(決定)しなければなりません。今回の提言では、そのための選択肢も提示しました。それが、医療や介護の提供体制が比較的充実している地方への移住です。
 仕事をしている現役時代は仕事がある都市部に住むのが便利だし、合理的です。だけどリタイアすると医療と介護の比重が増します。収入も給与から年金に代わるので定額となる。そうするとお金をいかに効率的に使うかがより重要となります。

年金額は東京でも沖縄でも変わらないので、だったら生活費が安い地方に住んだ方がお得でしょう、ということですか。

高橋:そうそうそう。6月4日に創生会議が今回の提言を発表した記者会見の場でも、私が申し上げました。例えば、東京の人が大分の別府に住めば、「、2LDKに住んでいる人は3LDKに温泉付きに変わりますよ、また孫を連れた旅行ができるぐらいの余裕が出てきますよと。
 そういう利点を時間をかけて説明したつもりでしたが、ほとんどのニュース番組は「創生会議が東京の老人は地方に移り住めと提言した」みたいに報じたでしょ。ちゃんと報道してくれたのは大江麻理子さんのところ(テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」)ぐらいじゃないかな…
(略)
 繰り返しになりますが、創生会議の提言というのは、近い将来に東京圏では医療施設の深刻な不足が予想されますよ。その現実を踏まえて、地方に行きたい人は行って下さいと申し上げているだけです。全員が移住すればいい、なんて考えてもいません。ある一定の割合の人が地方に移り住むだけでも、東京圏の医療施設に余裕が生まれるから、みんなにとってハッピーじゃないですか。
(略)
 日本の人口は減っていくというのは避けられない現実です。全国一律に人が減っていくのは最悪のシナリオなので、これからは「住みやすい場所」の競争になっていくのが理想です。首長さんも自らの自治体の魅力をどう高めていくかという視点で選挙を戦ってはいかがでしょうか。とにかく住みやすい場所を提供して人口を増やす、もしくは維持した場所が生き残る。そういうことも創生会議の記者会見では申し上げたつもりでした。
 だけど、(番組の)尺の問題なんでしょうかね。ニュースとしては「老人は東京から出て行け」と創生会議が提言した、みたいなニュアンスで報道されてしまうのです。
(略)

高梁先生自身のお考えにももちろん人それぞれに頷ける点も多々あるだろうし、人生の中で時期毎に最適な地域に移り住むと言うことは世界的に見てそう珍しい行動でもないのですが、やはり高齢者と言う存在が現代日本においては医療や介護などにおける最大の消費者であり、基本的にそのお世話には大きなコストがかかり持ち出しになりがちであると言う点にも注目しないわけにもいきませんよね。
地方の方が医療や介護が充実していると言うのはその地域に長年暮らしてきた方々が支払ったお金によって、よりよい住民サービスを提供するために公的な資金も使って整備されてきたはずですから、若い時期は便利な都会暮らしで楽しく過ごしておいて、歳をとったら他人がお金を出して作ってきたインフラにタダ乗りしようでは童話「アリとキリギリス」を思い出させるような話にもなりかねません。
この点で高齢者自身にとっては確かにメリットがあることでも、受け入れる側にとっては正直あまりうれしくないと言うことになる可能性がどれくらいあるのかが気になりますが、先日全国の都道府県知事を対象に行われたアンケート調査ではこんな結果が出たと言います。

高齢者地方移住 「賛成」は知事の3割 財政負担増に懸念(2015年7月6日東京新聞)

 都道府県知事を対象とした共同通信のアンケートで、東京圏の高齢者の地方移住を進めることに「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えたのは約三割の十三人だったことが五日、分かった。「反対」「どちらかといえば反対」は東京など六人。残る二十八人は賛否を明確にしなかったが、移住者受け入れに伴う財政負担の増加を懸念する声が続出した。民間団体「日本創成会議」の提言を受け、政府は東京一極集中の是正を目指す地方創生の目玉策として移住促進を打ち出したが、自治体側の慎重な姿勢が浮かんだ。

 高齢者移住の促進に「賛成」は山形、和歌山、鳥取、徳島の四人で、「どちらかといえば賛成」は岡山や長崎など九人だった。山形は「高齢者の受け皿整備は地域の雇用を確保し、若者の定住促進にもつながる」と理由を説明した。

 「反対」は東京、神奈川の二人、「どちらかといえば反対」は茨城など四人。茨城は「高齢者が住み慣れた地域で、最期を迎えることができるような施策を進めている」と強調した。

 「どちらとも言えない」は青森や熊本など二十六人で、地域活性化効果に期待しながらも、負担増への恐れから賛成に至らない回答が目立った

 埼玉、千葉、東京、神奈川の四都県を除く四十三道府県に、医療・介護のサービス不足が深刻化するとされる二〇二五年ごろ、東京圏の高齢者を受け入れる余裕があるかを尋ねたところ、約半数の二十人が「ない」「あまりない」と回答。余裕が「ある」「ある程度ある」とした山形、和歌山、徳島、高知の四人を大幅に上回った。
(略)

しかし現状でさえ東北地方などは高齢化率がハンパないと思うのですが、高齢者が増えて地域活性化効果や雇用促進効果が期待出来るのであれば、こうした超高齢化地域ほど経済的に栄えていなければおかしいんじゃないかと思うのですけれども、実際のところどうなんでしょうね。
この賛成3割と言う数字が高いのか低いのかも何とも判断が分かれるところなんですが、一方で反対が多数派に登るかと言えばむしろ賛成よりも少なく半分以下の1割強と言ったところで、当然ながら財政負担など様々な懸念はあるにせよ、決して頭から拒否と言う感じではなさそうですよね(当の東京、神奈川など首都圏が反対に回っていると言うのもなかなか興味深いですが)。
近年では引退後に物価が安く年金の使いでがある東南アジアなどに移住する高齢者もいると報じられていて、これまた現地事情に疎いまま移住を決めてしまうと誰も友達のいない孤独な日々が続くだとか、最悪何かしら犯罪行為に巻き込まれるリスクもありとも言い、その挙げ句に結局日本食レストランで食事をしているのではかえって日本にいるより高くつくと言う声もあるようです。
国内移住においても医療・介護に関しても基本的には全国一律の公定価格がベースになっている以上、特にこれらに対しての支出割合が多くなる高齢者の場合は支出面で果たしてどこまで移住のメリットがあるのかはっきりしない部分もあって、さらに今後高齢者の医療費自己負担率軽減の特権が廃止されてくるようになってくればますます有り難みは減ってくるかも知れません。
そうしたリスクをしった上で、長年住み暮らしてきた地縁や人脈を捨てて移住する価値があるかどうかは個人の価値観の問題もあるかも知れませんが、周りの高齢者と呼ばれる方々の生活ぶりを見ている限りでは「夕食のおかずが一品増え」ることにさほどの意味を見いだしそうな人も多くはないだけに、移住のメリットがあるのは身よりも友人もなく介護の担い手不足で都内にいられなくなった寝たきり老人ばかり、と言うことになるのかも知れないですよね。

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2015年7月 7日 (火)

医療事故調発足を前に医師法21条はほぼ有名無実化

迫る医療事故調に関して不安を覚えている先生方も多いと思いますが、先日日医の代議員会でもこの事故調に関する議論が交わされたようで、それはそれで有益な話ではあると思うのですが、その流れの中でこんな気になる文言がありました。

事故調、「責任追及の恐れ、払拭できず」制度開始迫るも、いまだ残る不安と準備不足(2015年6月30日医療維新)より抜粋

(略)
質問:(医療事故調査制度を定めた医療法の)公布後2年以内に見直すことになっており、医師法21条、さらに(業務上過失致死傷罪を定める)刑法211条の見直しについて、今度こそ日医が主導して取り組まなければいけない課題だと考えている。

今村常任理事:2年以内というと、来年6月であり、施行から8カ月以内の見直し規定が設けられている状況。医師法21条の問題は、この制度の枠外とはいえ、切っても切れない関係にある。医療安全対策委員会でも、あるいは別の場所でも、非常に問題になっているところだ。ただ、一方、この問題について、どのように対応すべきかについては、会員の先生の中でも大いに見解の相違がある。21条を改正すべきという意見と、行政通知等で運用するのが現実的ではないかという二つに集約される。この点についても、現時点から、大いに関心を持って取り組んでいる。

松原副会長の回答:医師法21条の解釈については、いろいろな考え方があるが、(東京都立広尾病院事件の)最高裁の判例に、厚労省のこれまでの見解を合わせると、「検案して外表に異状を認めた時には、21条に基づき報告する」ということ。また厚労省がかつて国立病院に出した通知書(2000年の「リスクマネージメントマニュアル作成指針」)だが、国立病院はもはや存在しないので、無効であるという見解だ。今年度版の「死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル)では、(24時間以内に所轄警察署に届け出る判断について)以前は日本法医学会の異状死ガイドラインを参照することになっていたが、今年度からその文言が消えている。つまり、最高裁の判断に基づいて、「検案して外表上、異状を認めた時」に届け出るということ。この点がもう少し明確になるように、政治の場、あるいは厚労省の通知で対応するよう、今努力をしている。

ここで出ているのがいわゆる「異状死の届け出」を義務づけた医師法21条問題なのですが、念のために申し上げておきますと「異常」ではなくあくまでも「異状」であると言う点がポイントですよね。
今秋からスタートする医療事故調においては、「診療行為に絡んで起きた予期せぬ患者死亡事例」の第三者機関への全例届け出が全医療機関に義務づけられると言うことで、これと相前後して警察への届け出を義務づけた医師法21条との関係性がどうなのかと言う議論がありました。
この医師法21条と言うもの、そもそもが見た目に犯罪が関わっていそうだと言った明らかな異状性があれば警察に届けなさいよと言うごく当たり前のことを規定した古い法律で、今の時代に議論になっている医療事故云々とは全く関係がない話であると言う議論は長くあったのですが、話をややこしくしているのが法医学者達が出している「異状死ガイドライン」なるものの存在です。
このガイドラインで法医学会側は異状死に関して「確実に診断された内因性疾患で死亡したことが明らかである死体以外の全ての死体」と言う独自の定義を打ち出していて、「これではいわゆる診療関連死なども全て含まれてしまう」と臨床系の学会から(当然ながら)大々的な反発が起き、これに対して法医学会側は「それが何か?」とばかり厚労省に対して医師法に付記せよとまで主張してきたわけです。
特に問題となるのが厚労省が出している「死亡診断書記入マニュアル」の中で、わざわざこの法医学会のガイドラインを引いて警察への届け出を推奨しているかにも見える文言が記載されてきたと言うことなのですが、今年の改訂でその部分が大幅改訂された事情を、かの東京女子医大事件で大学当局から「売られ」あやうく有罪になりかけた佐藤先生が解説しています。

「医師法21条」の誤解、ようやく解消へ(2015年6月30日日経メディカル)より抜粋

(略)
 簡単に言うと、昨年度版までは、診療関連死は全て、死亡から24時間以内に警察に届け出ないといけないかのような誤解を与える文章がありましたが、この文章について修正されたということになります。
 問題の箇所ですが、昨年度版までは「また、外因による死亡またはその疑いのある場合には、異状死体として 24 時間以内に所轄警察署に届出が必要となります」と記載され、注釈で「『異状』とは『病理学的異状』でなく、『法医学的異状』を指します。『法医学的異状』については、日本法医学会が定めている『異状死ガイドライン』等も参考にしてください」となっていました。
 これが今改訂では、「また、医師法第21条では、『医師は、死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない』とされています」と記載が変更されたほか、「『異状』とは『病理学的異状』でなく、『法医学的異状』を指します。『法医学的異状』については、日本法医学会が定めている『異状死ガイドライン』等も参考にしてください」という箇所が削除されました。

 そもそも医師法第21条は異状死体等の届け出に関する条文であり、「医師は、死体または妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署へ届け出なければならない」と規定しています。殺人、死体遺棄・死体損壊などの犯罪捜査への協力のために作られたものであって、決して診療関連死に関する規定ではありません。死体の外表に異状が見られる場合、それが犯罪の痕跡である可能性があるため、届け出を義務付けたものなのです。
 一方の日本法医学会の「異状死ガイドライン」は、「確実に診断した内因性疾患で死亡したことが明らかである死体以外の全ての死体」を警察に届け出るよう求めているものです。これは異状死体の届け出について定めた医師法21条の解釈を大きく超えています
 今回の改訂は、これまであった誤解を正すものになりますから、現場に与えるインパクトは大きいはずです。
(略)
 ちょうどこの時期、私は大学との和解が成立したばかりでした。それまで自分の裁判で手一杯だったのですが、このシンポジウムでの講演準備のために他の刑事事件についていろいろ調べたのです。医師法21条の関することをネット上で隅々まで調べたほか、国会図書館で医師法21条に関するありとあらゆる本や論文をコピーして読みあさりました。
 その結果、分かったことは、大半の本や論文では「異状死体」を「異状死」と表現しており、診療関連死や医療過誤は全て警察に届け出ないとならないという誤解が浸透しているという現実でした。日本法医学会の「異状死ガイドライン」や、それを参照するよう求めている「死亡診断書記入マニュアル」が存在することで、こうした誤解が現場に根付いてしまったのです。

 その後、私が所属している東京保険医協会で、医師法第21条の正確な解釈と適正な運用の重要性について講演や執筆活動を重ね、2012年10月には、東京保険医協会会長を差出人として、厚労大臣以下担当の厚労省官僚と「医療事故に係る調査の仕組み等あり方に関する検討部会」のメンバーに対し、医師法21条の正しい解釈を求めた書面を送るに至りました。
 この書面を提出した効果だと思っているのですが、同月に開催された検討部会では当時の田原克志医政局医事課課長から、(1)診療関連死イコール警察届け出という解釈は誤りであること、(2)検案での「異状」とは外表異状を指すこと、(3)検案で異状がなければ届け出の必要はないこと―――などの説明があったのです。
(略)
 改正医療法が成立する1週間前となる2014年6月10日の厚生労働委員会では、小池晃議員が当時の厚労相である田村憲久氏から医師法21条の解釈について考えを引き出すことに成功しています。具体的には、医師法21条は医療事故などを想定したものではなく、これは法律制定時から変わっていないと、大臣が明言しました。
 これだけでは不十分で、死亡診断書記入マニュアルを改訂するという確固とした約束を取り付けたいと思っていたところ、民主党の足立信也議員から厚労大臣と総理大臣に2回ほど質問をしていただけました。ここで、死亡診断書記入マニュアルを改訂する必要があるという両大臣の意思を確認することができたのです。こうしたやりとりを経て、今年2015年3月の改訂に至りました。
(略)

まあしかし佐藤先生もずいぶんと尽力されたことなのだと思いますけれども、まずはこうした言質を引き出したのは大変な進歩であるし、それに伴い厚労省のマニュアルから法医学会のガイドラインを参照せよ云々の記載が削除されたと言うのも、臨床医にとっては非常に意味のあることではありますよね。
ただここで改めて気がつくこととして、すでにこの医師法21条問題に関してはほぼ臨床現場では関わり合いがない話だと言うことが国からはっきりコメントとして出ていると言うにも関わらず、それが実際の現場に周知徹底されているかと言えば必ずしもそうではなく、冒頭の日医代議員会でもこうした話の流れが知られていないまま議論が交わされているような印象さえ受けます。
そもそも毎年改定される死亡診断書記入マニュアルを臨床医のどれだけが真面目に読むのかと言う話だし、その中のごく一部が変わっていたとしても間違い探しでもする気ではない限り誰も気付かないと思いますが、こうした重要な変更がきちんと公的な通知としてなされるわけでもなければ、マスコミ報道なり学会等の広報で大きく取り上げられたわけでもないと言うのは現場にとっては聞いてないよと言う話ですよね。
基本的に事故調成立で診療関連死は第三者機関に届け出ることになる、そして医療現場の中で起こったことに関しては警察が介入する余地はほぼなくなったと考えると、とりあえずは事故調の方に意識を集中できるのですから臨床現場にとってはありがたい話なので、こうした情報は誤解される余地がなくなるまで何度でも周知徹底しておくのがよいのではないかと言う気がします。

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2015年7月 6日 (月)

順調な医師数増加が医療改革のタイムリミットを決める?

どこまで本当なのか信じかねると言う人もいるかも知れませんが、先日こんなニュースが出ていたことを御覧になったでしょうか。

医師不足じわり解消…10年後、先進国平均に(2015年07月01日読売新聞)

 日本の人口10万人あたりの医師数が10年後、先進国が主に加盟する経済協力開発機構(OECD)の平均を上回るとの推計を厚生労働省がまとめた。医学部の定員増などで、先進国の中で低水準という長年続いた状況から抜け出す見通しとなった。地域や診療科によっては医師不足が続く可能性もあり、厚労省は夏以降に有識者会議を設け医師養成のあり方を検討する。

 厚労省は、医学部の卒業生数や今後の人口推計などを基に、将来の10万人あたりの医師数を推計した。

 それによると2012年の227人から20年に264人まで増え、25年には292人となり、OECDの平均(11年、加重平均)の280人を上回る見込み。その後も30年に319人、40年に379人と増加が続く。政府による医学部の入学定員の増員策や人口減少の影響が出る格好だ。

 08年度から始まった医学部の定員増は19年度までの措置で、医師不足の問題を抱える自治体からは継続を求める声がある。一方、医学部を新設する動きには、医療関係者から医師の余剰を懸念する声が上がる。25年に全国の医療機関の入院ベッドを現状より1割以上減らせるという政府推計もあり、医師の勤務先の見通しを含めた医学部定員の方向性を、厚労省は文部科学省と検討する。

まあ某大先生のように何でもかんでもOECD平均が~云々と呪文のように唱えていればいいわけでもないので、日本の場合医師が医師としての専門業務に専念出来ない土壌もあっての多忙さと言う一面もありますから、数字的に平均水準に達したからと言って直ちに不足解消と言えるのかどうかは微妙なところだとは思いますが、ともかくも数字としては順調に医師は増えているとは言えそうですよね。
今後はどこから医学部定員を絞り始めるのか、そもそも絞るとして医学部入学定員を絞るべきなのか、それとも進級や国試のハードルを上げることで絞るのか様々な論点がありそうですが、特に後者に関してはこのところ医学部定員増に伴い学生の質的低下が言われている中であるだけに、むしろ大学関係者や医療現場から賛同する声が上がってくる可能性もありそうです。
もちろんこの状況で医学部新設と言うことが非常にハードルが高くなったことは言うまでもないのですが、医学部定員を減らすと言う場合に各大学の自主性に完全に委ねてしまっていいのかで、医学部定員数が地域の既得権益的な位置づけになっていることを考えると、例えば卒業生の地元定着率が低い大学から優先して減らすと言った方法論も検討すべきなのかも知れません。
いずれにしても医師数が数的にはそれなりに充足してくるとなれば、今まで医師不足だからと言う名目であれやこれやと制約があった部分に関して国民・患者の側から要求が増してくることが考えられそうですが、そんな中でこんな記事が出ていたことを紹介しておきましょう。

産科医、基幹病院に集約…出産24時間体制確保(2015年6月20日読売新聞)

 日本産科婦人科学会は20日、深刻化する産科医不足への対応策をまとめた行動計画を公表した。

 地域の基幹病院に産科医を集めて、医師一人ひとりの負担を減らすとともに、24時間安心して出産できる場を確保することが柱だ。

 過酷な勤務などが敬遠され、産科医は30年前に比べて、2割減少。新たに産科医になる医師は2010年度の491人をピークに4年連続で減り、昨年度は368人だった。都道府県間の格差も広がり、人口10万人あたりの産科医数は東京と沖縄の11・1人に対して、茨城は4・8人で2倍以上の差がある。

 行動計画では、現在のお産の体制を続けるには、毎年500人の新たな産科医が必要だと指摘。

 救急にも対応でき、24時間安心して出産できる場を維持するため、産科開業医とも連携しながら、都道府県の中核でリスクの高い出産や高度な新生児医療に対応する「総合周産期母子医療センター」に20人以上、地域の中核で比較的高度な産科医療に対応する「地域周産期母子医療センター」に10人以上の常勤の産科医を集めることを目標に掲げた。集約化で、当直などの産科医一人ひとりの負担を軽減して、産科医の4割を占める女性医師が、子育てや妊娠中にも無理なく働けるようにする。

考えてみると日本が豊かになった昭和末期頃からお産の多様化と言うことが言われるようになり、それまでの効率第一で進められてきたお産が自費であるにも関わらずあまりにもお粗末過ぎると言うこともあったのでしょう、病室や食事内容を改善したり、水中出産を取り入れてみたりと様々な方法論が選べるようになった中で、必然的に純粋な効率としては低下してきていたとは言えそうですよね。
ところがいわゆる産科崩壊などと言う現象が注目を集めるようになると、ただでさえ不足しがちな産科医を分散配置するのは非効率で安全性にも問題がある、基幹病院に集約化していつでもお産に万全の態勢で望めるようにしようと言う流れが顕在化したのがここ10年ほどの間のことですが、それによって妊婦目線で見れば個性的なお産の機会が奪われるだとか、家に近い場所から産科医が消えると言った弊害もあるわけです。
医療安全と産科医のこれ以上の疲弊防止と言う点である程度効率性重視にならざるを得ないことは国民からも一定の納得を得ていると思われるので、当面この方針で産科医の集約化を進めることには全く異論がないのですが、この調子で医師数が増えた、もはや先進国平均並みになったと言う報道が続いてくるようになると、「なぜ医師は増えたのに未だにこんな不便を強いられるのか?」と言う疑問も出てきそうに思います。

これは別に産科医集約化に限った話ではなくて、不要不急の救急・時間外受診の抑制であるとか、地方の小さな自治体病院の縮小廃止による医師の集約化と言った様々な話も元を辿れば医師不足であるから進められてきた話であり、医療全体が崩壊してしまうよりはいいだろうと言うことで日頃の小さな不便を凌いできたと言う側面はあると言えます。
マスコミが医師が増えた増えたと連呼するだろう10年後までにはこうした医療現場の効率化を十分に達成しておかないと、またぞろ医師に様々な仕事を担わせようと言う圧力がかかってくる可能性がありますから、特に病院統廃合などの抜本的な改革をするなら今しかないと言う気がするのですが、このところ少しばかりそうした危機感が失われてきているようにも見えるのは気になりますかね。
この辺りは特に病院の管理者になっているような偉い先生方の問題意識がどこまであるのかで、医師が増えて自分のところも純増○人だ、これでさらに業務を拡大できると単純に喜んでいるようではお話にならないことなので、医者はとにかくOECD平均まで増やせと言うシンプルな主張をしてきた方々が、今後実際に増えた医者に何をさせようとしてくるのかにはしっかり注目しておかなければならないでしょう。

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2015年7月 5日 (日)

今日のぐり:「手打ちうどん 龍(たつ)」

警察から発表される不審者情報の中でも近年割合に話題になる機会も多いのがいわゆる声かけ事案と言うものですが、先日都内の一角でこんな不審者が出没していたそうです。

警視庁管内不審者情報(2015年6月19日)

玉川警察署
 6月18日(木)、午後6時40分ころ、世田谷区等々力3丁目の路上で、生徒が下校途中、女に声をかけられました。
声かけ等の内容
・お祈りをさせて下さい。
・目をつぶって下さい。
・感想は?
不審者の特徴:50歳代、長髪、青色っぽい服、黒色っぽいズボン、眼鏡

ネット上では「あーこれは完全アウトだわ」と警視庁の警報GJとの声が多いのですが、確かにこれは心身に危険を感じざるを得ない不審者情報としか言いようがありませんね。
今日は全国各地の良い子の皆さんに警鐘を鳴らず意味で、これはまあダメ出しされても仕方ないよねと言うしかない残念なニュースを紹介してみましょう。

パトカーがアクセルとブレーキ間違う…車に衝突(2015年6月24日読売新聞)

 23日午後1時25分頃、鹿児島県枕崎市桜山町の市城山センターの駐車場で、枕崎署の男性警部補(57)の小型パトカーが、駐車中の無人の車2台に相次いで衝突した。
 けが人はいなかった。

 同署の発表によると、警部補は高齢者向けの交通安全などの講習のため、同センターに到着。駐車のためパトカーを後進させていたところ、乗用車とセンターの外柱に立て続けに衝突した。その後、前進した際に軽乗用車とぶつかった。
 警部補は最初の衝突について、「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と説明しているという。

 同署の久保秀実次長は「再発防止に向け、署員への指導を徹底する」としている。

これはもうどこかだどう見ても駄目っぽさが漂うニュースなんですが、やはりこの警部補もドリフ世代であったと言うことなんですかね?
こちら不審者どころではなく犯罪者のニュースなんですが、これはいくらなんでも駄目だろうと大いに話題になった方のようです。

胸触られた女子高生、自転車で追いかけ取り押さえ 陸自隊員を痴漢容疑で逮捕 大阪・和泉(2015年6月21日産経新聞)

 女子高生の胸を触ったとして、大阪府警和泉署は21日、府迷惑防止条例違反(痴漢)の疑いで、陸上自衛隊信(しの)太(だ)山(やま)駐屯地(和泉市)の隊員(41)を現行犯逮捕した。

 自転車で逃走する隊員を、女子高生が数百メートル、自転車で追跡。追いついた先の路上で近くにいた40代の男性に協力を求め、取り押さえたという。

 逮捕容疑は21日午後4時半ごろ、和泉市内の路上で自転車に乗り、道を尋ねるふりをして、女子高生の胸を触ったとしている。容疑を認めているという。

自衛隊員が女子高生に追い回されている光景はそれはそれで見てみたかった気もしますが、しかしその職務上どうなのか?と言う不安とこの女子高生をスカウトすべきでは?と言う期待感が半ばしそうですね。
大分と言えば大分合同とネコ…ではなく、こちらとんだがっかりニュースが全国的に話題になっています。

警官「だまされたふり」作戦失敗! 捜査協力中の女性が目の前で100万円振り込む(2015年7月3日J-CASTニュース)

  大分県警は2015年7月2日、還付金詐欺事件の捜査を依頼していた80代女性が警官同伴でATMに行った際、警官のミスで約100万円を犯人グループにふりこんでいたと発表した。県警は国家賠償法に基づき、被害額の全額を女性に賠償したという。

   各種報道によると、国東市の80代女性が1月27日、市職員を名乗る男から医療費還付金に関する電話を受け、約100万円をATMで送金。その後、不審に思って国東署に相談した。翌28日には銀行員を名乗る男から電話があり、男性巡査(28)とATMに赴いた。口座番号を特定して凍結するため、巡査は女性に「だまされたふり」をするよう依頼していたという。

   巡査は男と女性が電話でかわすやり取りを聞きながら、後方で待機。口座を特定し次第、女性の送金操作を止めるはずだった。しかし、2人の会話に集中している間に、女性は指定された口座に約100万円を振り込んでしまったという。

まあお粗末とかそういう次元を超えているような気もするのですが、これで結局犯人グループが逮捕出来たのかどうかが気になりますね。
海外からは時に不思議なニュースが出てくることがありますが、こちらちょっと理解に困難を覚えると言うニュースです。

インド カンニング関係者40人死亡、政府は「正常な死」と主張(2015年6月30日新華ニュース)

インド・マディヤ・プラデーシュ州のカンニング事件が明るみになり、インド政府は特別調査グループを設立し、容疑者1800人超を拘束した。インド・メディアの29日付の報道によると、驚くことに関係者40人が死亡したという。

ある特別調査グループはマディヤ・プラデーシュ州高裁に向け、カンニング事件関係者の死亡23件を報告した。特別調査グループは3月に関係者約1800人を拘束したと発表した。

インド・マディヤ・プラデーシュ州の内務長官は29日に「それは普通の死で、意外な事件ではない。インド最高裁は事件審理権譲渡に関する国会の申請を却下した。マディヤ・プラデーシュ州高裁はこの事件の審理を担当している」と指摘した。

この事件の経緯を知っている匿名関係者は先ごろ、メディアに対し、「いま、死の恐怖が迫っている。身元不明の殺し屋はいつ現れるか分からない」と言った。

この大規模カンニング事件は大学入試だけではなく、就職試験、公務員試験など多くの試験で発生した。不正は替玉受験にとどまらず、受験生のため座席を指定し、更に偽造解答用紙を渡すなどの手法もあった。関係者の多くはインドの有名人である。インドの元教育大臣を含む多くの高官も拘束されている。インド世論は「このカンニング事件は政府と企業の結託を反映している。関係者の死亡はその裏にある犯罪勢力の強さを示している。政府は強く有力な手段を取り、罪のチェーンを断ち切る必要がある」と見ている。

何とも報道だけでは意味不明な事件なのですが、何故そんなにも大勢の死者まで出たのかと言う点に関しては元記事の写真を見るだけでも一目瞭然である気がします。
ヘビと言えば生き物を丸呑みすることで知られていますけれども、これは幾らなんでも無理だろうと思ったらやはり相手が悪かったと言うニュースです。

ヤマアラシを丸呑みしたニシキヘビ、とげが胃に刺さって死亡(2015年6月25日新華ニュース)

英紙「デイリー・メール」の報道によると、南アフリカのエランド湖動物保護区で長さが4メートルもある巨大なアフリカン・ロック・パイソンというニシキヘビが30ポンドもあるヤマアラシを丸呑みしてヤマアラシのとげか胃に刺さって死亡した。

ニシキヘビの腹部を切り開いてみるとヤマアラシが出てきた。ヤマアラシの鋭いとげがニシキヘビの内臓を突き刺さしていた。動物保護区のスタッフは、「ヤマアラシは天敵などに襲われた際には背中のとげを広げて天敵に応戦する。ニシキヘビは普通夜間に獲物の臭いや熱を探知して獲物を捕食するため、ヤマアラシがニシキヘビに飲み込まれた可能性が高い」としている。

その状況は元記事の写真を参照いただければと思うのですが、恐らく歴史上最も情けない死に方をしたヘビの一つであるかと言う気がします。
最後に取り上げますのがご存知中国からのニュースなんですが、まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

2年間、犬を飼ったらクマだと気づく(2015年7月2日人民網)

雲南省のある村の人が2年前、ベトナム人から2匹のペット犬を購入したのち、今年になってなんと国家二級保護動物のツキノワグマであることにようやく気づいた。最近、2匹のツキノワグマは雲南省野生動物救助センターに安全に送られ、そこで保護され飼育されている。

雲南省の村人、王開育さんが2013年、ベトナム人が2匹の「番犬」を売りに来たので、彼はそれらを買った。2年の間、2匹の「番犬」はとてもお利口で、好き嫌いもしない。王さんは毎日、「犬」たちを洗い、手入れをした。小さな「子犬」たちがすくすくと成長するにつれ、食べる量もだんだんと増えてきた。姿もだんだんと現地の犬のようではなくなってきて、不思議な行動も増えてきた。

王さんは偶然に森林公安局が行なった野生動物保護のPRを見かけ、自分が何も思わず飼っているものがあろうことかツキノワグマで、国家二級保護動物であることがわかった。家族と相談したのち、王さんは現地の森林公安局に渡すことを決め、彼らがクマに適した生活の場所を探してくれることを望んでいる。(編集JK)

まあイヌもクマも子供のうちはむくむくとしているものですから区別もつきにくいのかも知れませんが、元記事の写真を見る限りではいっそこのままイヌとして飼い続けてみるのも面白そうだと言う気がします。
ちなみに中国ではクマの手と言えば高級珍味なのだそうですが、中国だけにこのクマがその後どういう運命を辿ったのかも気になりますよね。

今日のぐり:「手打ちうどん 龍(たつ)」

丸亀市内の丸亀城近くの一角、大きなショッピングモールの近くに位置するのがこちらのお店で、割合に最近出来たお店だと言うことです。
一般店スタイルですが店内の一角にはおでんが煮えていて勝手に取ってきて食べると言う、いかにも香川らしいスタイルですよね。

この日は人づてに聞いておすすめだと言うスープカレーうどんを頼んで見たのですが、手打ちらしく不揃いなうどんはかなり硬めの茹で上がりで、熱いうどんでも食感はごついものでした。
うどん自体の出来も硬め好きには決して悪いものではないと思うのですが、何よりこの和風出汁の効いたスープは非常にいい案配で、これだけ飲んでいてもかなりうまいですね。
サイドメニューにこれもおすすめだと言う炊き込みご飯を頼んで見ましたが、これも出汁がよくきいていて地味ながら良い味で、何でもカレースープをこの上からかけて食べるのがいいのだそうです。
メニュー自体はベーシックなうどんメニューにこの炊き込みとおでんくらいなんですが、普通にスープカレーとしてもお金が取れそうな味ですし、出汁がしっかりした店ですので丼物などもあれば人気が出そうですね(まあ邪道なんでしょうが)。

うどん自体はなかなか良かったんですが、これからの季節一つ大きな問題として食べていると際限なく汗が噴き出してくるので汗かき以外にも女性の方などは特に注意が必要そうです。
お店自体は割合に新しいだけに小綺麗なものですが、香川界隈でありがちな極めてシンプルな店構えと言うのは、他県人の目からするともう少し期待感に欠けるところもありますかね。
一般店ながら接遇はあっさり目と言うのでしょうか、これも他県の当たり前の飲食店と比べると何やら物足りない感じもしますが、これを見るにうどんと言うのは外食ではなくあくまで日常食と言う扱いなのでしょう。

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2015年7月 4日 (土)

NHK受信契約は拒否できない?

NHKと言えば受信料契約について過去にも何度か話題になり、この春には千葉県松戸市でNHKによる受信契約書捏造問題で裁判所が「テレビ受像器を持っていても受信料支払いの必要なし」との判断を下したと話題になっていましたが、先日大阪でそれと真っ向から対立するようなこんな判決が出たと話題になっています。

大阪の未契約世帯に受信料支払い命じる判決(2015年6月26日NHK)

NHKが放送受信契約に応じていただけない大阪府内の世帯に対して契約の締結と受信料の支払いを求めた裁判で、堺簡易裁判所は「受信契約に応じない場合でもNHKが契約締結を求めて2週間たてば契約が成立しているというべきだ」という判断を示し、受信料の支払いを命じる判決を言い渡しました。
この裁判はテレビの受信機を設置していながら繰り返しお願いしても受信契約に応じていただけない大阪府内の世帯に対して、NHKが契約の締結と受信料の支払いを求めたものです。

26日の判決で堺簡易裁判所は「受信契約に応じない場合でもNHKが契約締結を求めて2週間たてば契約が成立しているというべきだ」という判断を示しました。
そのうえでテレビの設置が確認されたあとの平成17年6月からことし3月までの受信料27万円余りを支払うよう命じました。

NHKは、受信料の公平負担のために繰り返しお願いしても受信契約を結んでいただけない事業所や世帯に対して各地で契約の締結などを求める裁判を起こし、ことし5月までにNHKの主張を認める判決が20件確定していますが、近畿地方で裁判所が実質的な法的判断を示したのは今回が初めてです。

拒否しても2週間で契約成立 NHK受信料めぐる判決に「納得できない」と反発の声(2015年6月29日J-CASTニュース)

  NHKの受信料をめぐる判決に、視聴者から「納得できない」という不満の声が上がっている。堺簡易裁判所が受信契約に応じていなくても、NHKが契約締結を求めてから2週間がたてば「契約が成立しているというべきだ」という判断を示したからだ。
   ネットでは「こんな一方的な契約聞いた事ない」と反発が広がっている。

同様の判決は各地でも

   2015年6月26日、NHKが受信契約に応じない世帯に対し、契約締結と受信料の支払いを求めていた裁判で、堺簡裁は、
    「受信契約に応じない場合でもNHKが契約締結を求めて2週間たてば契約が成立しているというべきだ」
という判断を示した。NHKによると、テレビの設置が確認された後の05年6月から15年3月までの受信料27万円あまりの支払いを命じたという。

   この判決を受け、ツイッターなどネットには「こんな一方的な契約聞いた事ない」という声が上がる。
    「2週間後に勝手に契約成立とかどういう事なの?
    「押し売りよりひどい
    「こんな一方的で高圧的な契約は無効だ」
と不満が相次いだ。

   実は同様の判決はすでに各地の裁判所でも言い渡されている。東京高裁は13年10月、受信者が拒んだとしても通知から2週間がたてば契約は成立する、との判断を示し、神奈川県内の世帯にテレビを設置した日にさかのぼって受信料の支払いを命じた。
   札幌簡裁では15年6月、道内の未契約世帯に対し、契約締結と未払い受信料の支払いを命じる判決をしている。

「双方の意思がなければ受信契約は成立しない」という判断も

   たしかに放送法は「協会(編注:NHK)の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」(第64条1項)と定めている。NHKもこの条文を受信料支払いの法的根拠の1つにしている。
   とはいえ裁判所の判断も必ずしも一致している訳ではない。東京高裁の別の裁判長は13年11月、「NHKからの契約申し込みと、受信者による承諾という双方の意思がなければ受信契約は成立しない」という判断を示した。契約を結ぶ義務があることは否定せず、受信料の支払いを命じてはいるが、同年10月の裁判とは判断が分かれた形だ。現時点で最高裁はこの問題で判断を示していない
   なお、NHKが6月23日に発表した14年度決算で、受信料は過去最高の6493億円だった。支払い率は前年から2ポイント増の76%になった。

個人的には別に受信料不払い主義者と言うわけでもなく、そこらの民放に比べればNHKの方がよほどに存在価値がありそうだとも感じているくらいなのですが、そもそも法的に漏れなく支払いをすべしと決まっていることであるのに、受信契約という何やら任意なものに基づいてのものであるかのように錯覚させる受信料徴収のシステムに関しては、大いに改善の余地があるのではないかと感じています。
この辺りは本来は法的な不備と言うべきで、法的裏付けがあるのだから税金でやるなり公共料金でやるなりすべきなのかと思うのですが、より現実的な問題点として受信契約を締結するに当たってのトラブルがこれだけ多いこと、そしてそのための労力がこれだけかかっていることを考えると、これは非常に非効率的な方法であると言うしかない気がします。
かねてNHKもスクランブラー方式にすべきであると言う主張は根強くあって一定の支持も得ているのですが、恐らくはあの受信料回収業務もそれなりに大きな仕事になっていると言う側面があって、明日からその仕事をなしにしてしまうと多くの関係者が職にあぶれてしまうと言った問題点もあるのかも知れませんが、普通に考えてそれは利権と言われる類の話に近いのではないかと思いますね。

こうした判決を見ていますと民放各局を始め進歩的なマスコミの方々が、全員加入が強制であることの恐さをもっと大々的に取り上げないのが不思議に思えてくるのですが、当事者の意志に反して一方的に契約を締結したことにされるなどと言うのは一般社会ではちょっと考えられないことだし、普段のマスコミの方々の論調からすると大いに問題視していてもおかしくなさそうな話に思えます。
先日はとある弁護士が「全員が強制加入の団体である日弁連や弁護士会が、勝手に政治的主張を行うのはおかしいではないか」と訴えた裁判が報じられていましたが、意見が異なれば加入しない自由のある医師会と違って弁護士会は加入しなければ弁護士活動が出来ないと法的に決まっているのに、勝手に強制加入させられた上に自分の意見と全く異なる見解を押しつけられるのでは確かにやっていられないでしょう。
最近では給食費未納問題と言うものも大いに世間を賑わせていて、こちらも給食費を支払わない人間には構わないからもう給食を出すなと言う意見が次第に増えてきているようですが、受信料を支払わない人間には(緊急時放送など公的な部分は別にして)もうNHKを見させるなと言う声が出てきても全くおかしくないと思うのですが、当のNHKとしては少しでも多くの収入を得る道を確保しておきたいのでしょうか。

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2015年7月 3日 (金)

対価をきちんと支払わないのが何故か許容されがちな現場

桂文枝の創作落語に「くもんもん学習塾」と言うものがあって、ヤ○ザが経営することになった学習塾が意外や意外、強面の指導ぶりで成績急上昇だと人気を博すると言う筋立てなのですが、先日それを少しばかり思い出させるこんな記事が出ていたことを紹介しておきましょう。

【参考】生徒のマナーが最悪な学習塾を豪快指導!「地域の守り神」と慕われる暴力団員(2015年6月23日ダイヤモンドオンライン)

いかなる理由があれ反社会的勢力を歓迎するようなことがあってはならないのは言うまでもないことですが、しかしこうした「地域の怖いおじさん」を歓迎する声が出るほどに今の世の中子供達に強面を発揮する人々が減ってきたと言うのは言われているところですし、それに対してどうすべきかと言う方法論を考えるとやはり学校現場での教育とはどうあるべきかと言う点にも話が進んできそうですよね。
その点に関して言われているのが教師が生徒を叱れなくなったのはモンスター親が何でもクレームをつけてくるからだとか、世間でやたらと子供の権利を守れと声高に主張する方々がいらっしゃるからだとか諸説あるようなのですが、その結果妙な権利意識が進展し弊害が出ているのが例えば給食費未納問題に象徴されるような、「義務教育なのに何故払う必要がある?」と言う考え方の拡がりですよね。
このところそうした風潮に対する反省も一方では進んでいて、特にきちんと決まっているルールへの違反に対してはそれなりに厳しく対応すべきなのでは?と言う意見もかなり拡散してきているように思うのですが、先日相次いで出てきたこれらのニュースに対して世間やマスコミがどう反応するのかが注目されます。

給食費3カ月未納で給食停止 通知後、支払い急増 埼玉(2015年6月25日朝日新聞)

 学校給食費を「払えるのに払わない」とみられる未納が相次ぎ、埼玉県北本市立の中学校4校は、3カ月未納が続いた場合は給食を提供しないことを決めた。実施は7月から。未納額が膨らんだことによる苦肉の策だが、各家庭に通知したところ、該当する保護者43人のうち、納付の意思を示さない保護者は3人に激減した。

 市教委によると、生徒1人あたりの給食費は月4500円で、全額が材料費。今年4月から6月まで3カ月分の未納が続く家庭の未納額は計58万500円。担任教諭が家庭訪問などで納付を求めてきたが、一部未納を含む全体額は約180万円に上っており、7月分の食材購入が危ぶまれる状況だった、と説明する。

 そこで、4校の校長会は3カ月未納が続く家庭の保護者43人に、生徒に弁当を持たせるよう求めることにして、学校だよりなどで通知。「『有料』なものを手に入れる時は、それ相当額の支払いをするというのは社会のルール」などと書いた。すると、40人が実際に納付するか、「納付する」との意思を示したという。

 該当する家庭に、生活保護を受給しているなど給食費を負担しなくてよい例はなく、家庭から学校に相談もなかったため、市教委は「いずれも支払うだけの資力があると考えられる」とみている。だが、「実際に弁当を持参させることは、他の生徒から好奇の目で見られるなど生徒へのマイナス面が大きい」として、細心の注意を払うよう校長会に指導。残る3家庭についても「今月中に一部でも納付してもらうよう努力する」と説明している。

教材費など滞納の2生徒、卒業式出席させず 宮城の高校(2015年6月26日朝日新聞)

 宮城県立の貞山(ていざん)高校(多賀城市)で昨年3月、教材費などを滞納していた全日制3年と定時制4年の生徒2人を、卒業式に出席させなかったことがわかった。その後、未納のまま2人の卒業を認めたが、県教委は「滞納は学業とは無関係。一般論として式に出席できない事態は回避すべきだ」としている。

 県教委などによると、2人は成績や出席日数では問題がなかったが、入学直後から生活困窮を理由に、教科書や体操靴、夜間給食などに使う「学校徴収金」の滞納が続いた。徴収金は授業料と違い、学校ごとに独自に集めている。

 同校は2人の保護者に再三、支払いを求めたが、卒業式直前になっても未納だったため、2人に「納入した時点で卒業証書を渡したい」と説明したという。

 その後、同校は同月31日付での卒業を認めて本人に通知。証書を4月下旬に渡した。県教委は、2人の進学や就職に影響はなかったとしている。

 県教委は「徴収金の滞納を理由に、卒業を取り消すべきではない」との見解を各高校に伝えていたという。当時の校長は「卒業させないつもりはなく、ぎりぎりまで納入を待ちたかった。他の方法があったかもしれない」と話している。(森治文)

ここでは教育委員会が非常に現場の自助努力に対して掣肘的な通知を出していると言う共通点があることに留意いただきたいと思いますが、まあしかしブラフであるとバレてしまっては来シーズン以降どうなるのかで、やると言ったからにはやるべきなんでしょうね。
かねてから非常に良心的な報道姿勢で定評のある朝日新聞が報じていると言う点にも注目したいのですが、いずれも学校内における未納問題と言う類似の事件であるにも関わらず給食費未納問題は肯定的に報じられ、一方で教材費未納問題は否定的に報じられていると言うのは、結局脳入がなかった場合のペナルティーがどうであったかが最大の理由であるのかなと言う気もします。
記事から見る限りでは体操靴や夜間給食費などは別になければないで構わないものではありそうですし、教科書もなくて勉強が出来ないわけでもないのですから好きにさせておいてもよかったんじゃないかと言う気もするのですが、中途半端に温情をかけて無償提供などを続けてしまうとそれが当たり前と言う感覚になってしまうのでしょうか、給食費未納児童に給食を出すべきか否かと言う問題と共通する部分もありそうですね。
いずれもこれこれを続ければこうなると言う事前勧告が親に対してどこまであったのかも問われそうなのですが、教材費問題などはそもそも入学直後からこれだけ未納滞納を続けてきたにも関わらず卒業まで引っ張ってきたと言うのが問題をややこしくしてしまった側面もありそうで、本来的には卒業式などと言うイベントに至る前に対応をしておくべきだったのかも知れません。

この種の話になると賛否両論大いに別れるのが普通なのですが、一方では支払いをしない以上給付もしないのが原則であるし、将来社会に出てそんな当たり前のことも理解していないのでは本人が困るんじゃないかと言う声も多いのですが、やはり支払いをしないのは保護者である親であるのに不利益を被るのは被保護者たる学童であると言うのに釈然としないと言う人も多いようです。
親にもっとしっかりした支払いを求めるべく、弁護士に依頼するなり債権回収業者に委託するなりすべきではないかと言う意見も根強くあるのですが、今回の報道を見てもこの種の問題はやはり公立高校に多発しがちであるようで、どこまでのことをやっていいのかも下手をするとお上に伺いを立てないと何も出来ないと言う制度的な問題もあるのかも知れません。
学校現場が給食費や教材費未納でどんなに苦労しようが教育委員会は痛くもかゆくもないわけで、逆に下手な改修策を講じれば真っ先にマスコミのやり玉に挙げられるのが自分達である以上、面倒ごとは全て現場の負担で済ませておくのが教育委員会的正解であると言うのも理解出来ることではあるのですが、それならそれで世間の方からももっと働きかけをしていくしかないのでしょうか。
こうした問題は医療現場においても特に一部公立病院などで頻発していて、口コミで「あそこの病院は取り立てがないから楽だ」と噂が広まると未払い常習者が集まってくると言いますが、さすがに最近ではこうした病院においてすらそれなりに厳しい対応を取り始めているそうですから、学校現場においても事前説明が万全であれば必ずしも世間の理解を得られない話ではないと思いますね。

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2015年7月 2日 (木)

健康になるための技術はどんどん進歩しているのですが

健康診断などで「お得なセットメニュー!」的に取り扱われているものの代表格に腫瘍マーカーと言うものがあって、決して安いものではないのに結構オプションで頼んでいる方々もいらっしゃるようだし、その数字が高いからと大慌てして病院に駆け込んでくる患者さんもいらっしゃるようですが、一方ではその精密検査を引き受ける方の医師にとっても扱いが悩ましい検査の代表格でもありますよね。
「たまたま採血で測ってみましたら腫瘍マーカー高値です。検査も難しそうですがお手数ながら精査よろしく」などと言って90過ぎた寝たきりおばあちゃんなど送られてくると、受ける側は「どないせえっちゅうんじゃい!」と言いたくなることもあるんじゃないかと思いますが、先日はMSNに「医師が健康診断の「腫瘍マーカー」をオススメしない5つの理由」なる記事が出ていて、やはりスクリーニング的に使うのもどうなのかと言う気がします。
一方で技術的進歩は年々進み、人類がその克服を願ってやまない癌という病気もどんどん早期発見が出来るようになって行くと言うことなのでしょうが、特に健診や日常臨床の場において腫瘍マーカー以上に簡便な検査法が次々と生まれてきては続々と臨床の現場に投入されようとしています。

がん診断 血液1滴、3分で 神戸の企業共同開発(2015年6月17日神戸新聞)

 血液中のがんに関連する物質が放つ光をとらえ、がんの有無を診断する手法を、神戸市中央区の医療機器会社「マイテック」と昭和大学江東豊洲病院(東京都)などのグループが世界で初めて開発した。わずか1滴の血液を使い、3分以内で診断できるという手軽さが最大の特徴で、1年以内の臨床応用を目指している。(金井恒幸)

 初期のがんは腫瘍が小さく画像検査では発見が難しい。また、従来の血液検査ではがんになると増える物質を調べる方法があるが、初期は検出されにくいなどの課題があった。
 グループは2013年、マイテックが開発した特殊な金属チップに血液を付着させ、がんが免疫に攻撃されたときに血液中に溶け出る「ヌクレオソーム」という物質を集め、レーザーを当てて検出した量でがんを診断する手法を開発した。
 その後、もっと簡便な手法を模索。がん患者と良性腫瘍の患者計20人の血液をこの金属チップに付着させ、紫外線などを当てて蛍光顕微鏡で観察すると、ヌクレオソームが多量にあるがん患者の血液は発光したが、良性腫瘍の患者では発光しないことを突き止めた。20人全員でがんの有無を間違いなく判別できた。ヌクレオソームは初期のがんでも検出できるという。

 今回は膵(すい)臓がんと胃がん、大腸がんの3種類で発光を確認。ヌクレオソームは血液以外の体液にも含まれることから、マイテック技術担当の長谷川裕起さん(28)は「たんや尿から、肺がんやぼうこうがんの有無を判断する研究も進めたい。人工多能性幹細胞(iPS細胞)ががん化していないかどうかの検査にも活用できるようにしたい」と話す。
 昭和大学江東豊洲病院消化器センターの伊藤寛晃講師は「この診断法は、健康診断の採血の余りを少し活用するだけでできる。離島の人でも画像さえ送れば判定でき、都会と地方の医療格差解消にもつながる」と話す。
 研究成果の一部は、英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に掲載された。


東ソー、光磁気ディスク製造技術を応用 組織を採らない「リキッドバイオプシー」 血液中を循環するがん細胞を検出・採取する技術が登場 (2015年6月21日日経メディカル)

 血液中を循環するごく微量のがん細胞(CTC:circulating tumor cells)を1つずつ検出でき、採取して遺伝子も解析できる――。侵襲度の高い生体検査なしに血液でがんを診断するリキッドバイオプシー(liquid biopsy)の手段となる、そうした技術を東ソーが開発した。実際にCTCを検出できることを確認済みで、研究および臨床応用に向けた事業化を検討していく。開発した検査チップや装置を「第2回 個別化医療 技術展(PMEX 2015)」(2015年5月13~15日、東京ビッグサイト)に参考出展した。
 CTCは原発巣から血管内に浸潤したがん細胞で、がんの転移などを引き起こすとされる。血液検査でCTCをとらえ遺伝子レベルで解析できれば、原発巣の組織を(内視鏡などで)採取する生体検査なしに、適切な治療薬を選択したり治療効果を判定したりできる。患者に大きな負荷を与えず早期に治療方針を決定したり、がん細胞が獲得した薬剤耐性に応じて治療薬を変更したりするのに役立つ。

 血液中のCTC含有量は極めて少ない。1mLの血液に含まれる細胞は数十億個のオーダーだが、CTCは「数個程度」(東ソー)。そのため、CTCを精度よく検出したり、選択的に採取したりすることが難しいという課題があった。
 東ソーの技術では、検査チップ上に多数形成した微細な穴に血液中の細胞を1つずつ固定することで、CTCをとらえる。チップの2つの電極間に交流電圧を加えると、「誘電泳動力」によって微細な穴に電界が集中し、CTCなどの細胞が引き寄せられる仕組みだ。
 CTCを固定した後、がん細胞に特有のたんぱく質に結合する抗体でCTCを標識し、蛍光顕微鏡で検出する。CTCの固定位置を特定できる検査手法であることから、とらえたCTCをピペットで採取することが可能だ。
(略)

最近にわかに注目を集めているのがこのリキッドバイオプシーと言うやり方で、使い方によっては非常に有用そうなだけにその普及を待ち望んでいる先生方も多いと思うのですが、組織診断と違って検査自体に特殊な機材やテクニックを要すると言うものでもないだけに、この種の技術は離島や僻地などにおける応用が期待されると言うのも納得ですよね。
早期診断が非常に困難で予後も悪い膵臓癌などが健診のついでに発見出来るようになればこれは大変な進歩で、癌腫によっては非常に役立つ技術なんだろうと思いますが、こうして検体検査によってあると診断された早期の微小な癌を実際にどうやって探すのか?と言う問題も残るところで、精密検査を担当する各施設の先生方は今以上に仕事が増えると言うことになりそうですよね。
もちろん逆に今までなら画像診断で見つかった癌の細胞を取って調べるために何度も厄介な検査を必要としていたものが、これからは血を採るだけですぐに有効な治療法まで調べられて治療に取りかかれると言うことですから逆に仕事が減る部分もあるのかも知れませんが、この種の検査はとかく簡便であるだけに果たしてどこまで一般化して用いられるべきなのかと言う疑問が常につきまといます。

以前から職場健康診断で肝炎が見つかったが、職場に知られると解雇されるかも知れないから何とかしてくれないかと言った話を聞いたことのある健診担当医の先生もいらっしゃるかも知れませんが、特に遺伝子検査なども健診のついでに血の一滴で行えるようになると各種疾患のなりやすさも判ってしまう道理で、企業とすれば例えば採用試験にこうした項目を追加することで簡単に将来的な有病者のリスクを知ることが出来るはずです。
アメリカなどでは検査も進んでいる一方で加入するのがリスク毎に保険料も層別化された民間保険ですからこの方面には敏感で、遺伝子検査キットを販売している会社が出荷停止命令を受けたと言う話も出ていましたけれども、海外ではすでに検査結果によって差別することを禁じる法律も出来ていると言うのですが、法律が出来ると言うくらいですから実際そうした問題があると言うことなのでしょう。
日本でもようやく国が遺伝子検査の取り扱いを検討し始めているのだそうですが、例えばメタボになりやすい遺伝子を調べることがメタボ対策にもつながるじゃないか、メタボ健診で一斉に調べた方がいいんじゃないかと言われればこれも御説ごもっともであるし、高い費用とマンパワーを使って癌検診をするよりこっちの方がずっといいじゃないかと言う意見も出そうなだけに、どこまで規制を強化すべきか難しいところでしょうね。

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2015年7月 1日 (水)

少子化対策のために若者はもっと暴走すべき?

先日ちょっとした話題になっていたのですが、こんなサービスがあって一部の方々から熱烈な支持を得ているのだそうです。

「ひとりぼっち婚」で究極の花嫁に? 「ふっきれた」と女性〈2015年6月14日AERA〉

 結婚したい。でもできない。世間からのプレッシャーや結婚願望との格闘の末、ついに解脱した勇者たち。「ひとりぼっちの結婚式」の先に見えた景色は──。

「ああ、女の子に生まれて良かった
 幼い頃から恋い焦がれたウェディングドレスに包まれて、思わず声が出た。その手が握りしめていたのは、これから夫婦になる愛するダーリン……ではなく、ファン歴29年になるシンガー・ソングライター角松敏生のパンフレットだったけれども。
 杉山友子さん(仮名・49)が体験したのは、今話題の「ソロウェディング」だ。結婚の予定はないが、ウェディングドレスは着たい!というアラサー、アラフォー女子たちの願いを叶えてくれる夢のサービスで、主催するのは京都の旅行代理店・チェルカトラベルだ。1泊2日のプランは、京都駅にスタッフが迎えに来てくれるところから始まり、有名ブランドのドレス選び、フラワーデザイナーとのブーケ作り、ホテルで1泊。翌日、プロのヘアメイクとカメラマンによる写真撮影があり、写真はアルバムにして後日郵送される。料金は、平日32万円なり。昨年6月の開始以降、各地の写真館や結婚式場でも、類似のサービスが急増している。

 埼玉県で医療関係の仕事に就く杉山さん。青春を過ごしたバブル期は、25歳を過ぎた独身女性は売れ残りのクリスマスケーキに例えられた時代だ。杉山さんも結婚願望が強く、専業主婦になって家庭に入るのが夢だった。恋愛は本人いわく「肉食系」。しかし20代後半、真剣に結婚を考えていた人に裏切られ、男性不信になったという。40歳を過ぎた頃から、結婚への憧れも年々なくなっていた
「50歳の大台に乗る前にウェディングドレスだけでも着たいと思いました。だって結婚は、70歳でもできるでしょ」
 ソロウェディング代32万円のほか、交通費、食費などを合わせて計35万円の出費も高くは感じなかった

「今日のプリンセスです」
 スタッフにそう紹介されることから始まるソロウェディングは、まるで夢のようだった。撮影では、追っかけをしている「カドさま」に徹底的にこだわった。松の屏風を背に、角松の置物を置き、手にはお気に入りのツアーパンフレット。出来上がった写真を見た母と兄弟は、角松さんと結婚したんだね、と言って優しく微笑んだという。
 帰宅してからもプリンセス気分が抜けず、バラの花を買う日々が続いた。さらに、職場の休憩室に自作のウェディングアルバム2冊を置いて、啓蒙活動にも励んだ。こんなに幸せな気持ちになれるならと、今後は3年ごとにやりたいそうだ。結婚観は変わりましたか?
このまま独身でいいや、と思うようになりました。憧れていた結婚の象徴であるドレスを着たことで、完全にふっきれたのかもしれません」

こういうのは当事者の感覚的にはコスプレなどとも似たような部分があるものなのでしょうか、これだけ生き方が多様化した時代なのですから別に型どおりの結婚式ばかりではなくても全く構わないんだろうとは思うのですが、注目したいのは決して安くはないこの種のサービスが全国各地でかなり本格的に商売として成立しているらしいと言うことですよね。
やっているのは基本的に従来からの結婚式関連のサービスを提供してきた業界であるようですから、結婚と言うイベントそのものが少なくなってきた中で新たな商売の販路をこちらに見いだしつつあると言うことなのでしょうが、綺麗なドレスを着たいと言う願望はあっても結婚したいと言う願望は全く無いと言うこの種の考え方は、実は決して少数派ではなさそうだと言う調査結果が話題になっています。

「結婚したくない」女性31%で男性のほぼ2倍 日生が独身者に調査(2015年6月15日産経新聞)

 日本生命保険が15日発表した結婚に関するアンケートによると、「結婚したくない」「あまり結婚したくない」と回答した独身者が全体の24・0%を占めたことが分かった。男女別にみると、女性が31・0%、男性が16・3%と女性の比率の高さが目立った

 その理由として、男女とも「1人でいるのが好き」が最も多かった。「結婚にプラスのイメージが持てない」は男性が17・1%に対し、女性は29・0%と高く、逆に、「経済的な不安がある」は男性16・4%に対し、女性が4・2%と低かった。

 ただ、「何となく」との回答も多く、男性22・5%、女性は19・6%にのぼった。

 ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは、「『何となく』の中にある問題をひもとくことが、未婚化や少子化対策の新たなヒントが見つかるかもしれない」とコメントした。調査は4月にインターネットで実施した。


恋愛が面倒… 恋人いない男女の37%「恋人いらない」(2015年6月22日朝日新聞)

 恋人がいない若者の4割弱は恋人が欲しくない――。内閣府が22日に公表した「結婚・家族形成に関する意識調査」で、こんな若者たちの「草食」ぶりが示された。欲しくない理由として半数近くが「恋愛が面倒」という回答を選んだ。

 調査は昨年12月~今年1月、20代と30代の男女7千人を対象に郵送とインターネットで実施。2643人(38%)が回答した。質問によって未婚、既婚に分けるなどして集計した。
 未婚で恋人がいない761人に「恋人が欲しいですか」と尋ねると、「欲しくない」という回答が37・6%に上った。複数回答で挙げた理由は「恋愛が面倒」(46・2%)、「自分の趣味に力を入れたい」(45・1%)が多かった。交際する上での不安(複数回答)は、「出会いの場がない」(55・5%)、「自分は魅力がないのではと思う」(34・2%)と続いた。
 出会いのためにしたいことを複数回答で聞くと、最多は「友人に紹介を頼む」の47・3%。一方、「民間の結婚支援事業を利用」や「自治体やNPOなどの団体の結婚支援事業を利用」は5%前後と少なかった。

 調査結果の一部は、22日に閣議決定された2015年版の少子化社会対策白書に盛りこまれた。(畑山敦子)

じわじわ増える「嫌婚派」 結婚は「人生に重りつける」の声(2015年6月26日朝日新聞)

「結婚するつもりはない」という“嫌婚派”が増えている。趣味を大事にし、恋愛には消極的で、親の結婚生活には否定的。彼らの本音を社会学者の水無田気流(みなした きりう)さんと探った

 内閣府が2014年3月に発表した調査では、未婚男女の7割が「結婚したい」と回答し、うち約半数が「経済的に余裕ができ」れば「結婚を決心する」と答えている。少子化を危ぶむ人たちは、経済問題が未婚の最大原因と考え、「若年層の雇用環境を改善せよ」と声高に叫ぶ。結婚は「したくてもできない」ものととらえられ、「結婚するつもりはない」と答えた人や、経済的に余裕があるのに結婚を決心しない「嫌婚派」は、政策上ではあまり注目されない
 国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査の独身者調査(18~34歳)では10年、「いずれ結婚するつもり」と「一生結婚するつもりはない」の2択で、「一生結婚するつもりはない」を選んだのは男性9.4%、女性6.8%。独身志向は05年の前回調査よりわずかに増え、調査開始の1982年以降で最多となった。
(略)
 調査には結婚のメリット・デメリットを自由に書いてもらった。嫌婚派の男性の意見はシビアだ。
権利が半分になり、義務が2倍になる」(29歳)
「子どもを持つことがメリットにもデメリットにもなり得る」(30歳・会社員)
人生に重りをつけられる」(41歳・会社員)

 社会学者の水無田気流さんは、男性の嫌婚は「自己防衛本能」からきているのではないか、とみる。昭和の亭主関白夫のようにはいかず、小遣いを切り詰められたり趣味を制限されたりと、結婚相手によっては生活の質がガクンと落ちるリスクがある。
「日本は公的な場では女性は守られていないが、私的な関係では女性のほうが守られやすい。生活相談やシェルターは圧倒的に女性向け。男性は安定した家庭を築けないと一気に生活基盤を失ってしまうから、結婚相手を選ぶことに慎重にならざるを得ないのではないか」

バブル終焉以後に育ってきた世代にしばしば共通して言えることですが、人生に夢や希望を抱かずよく言えば堅実である一方で、何事も損得勘定を極めてシビアに判断しそれを行動に反映させていく傾向があるのだそうで、昔から何となく習慣的に続けられてきたことに関しても改めてゼロベースで再検討した結果それは行わないと言った判断が下されることが、近ごろ言うところの「若者の○○離れ」と言うフレーズにも現れているのでしょう。
しかし結婚はともかく恋人が欲しいなどとはある種根源的・生理的な欲求なのかと思い込んでいたのですが、これも別に必要がないしデメリットも多いからいらないと言われてしまうとはあ、そうですかと言う感じで、確かに恋愛以外に幾らでも楽しいことがあって現状に満足していると言うのであれば、わざわざ面倒な対人関係を経てでないとハッピーエンドに結びつかない恋愛と言う行為は非効率かつ不経済ではあるのでしょうね。
前述の調査を見ていて興味深い点として、結婚を望まない人間の比率が実は男よりも女の方が高かったと言うことなのですが、かつての「男は仕事、女は家庭」が当たり前と言う時代であれば女にとって結婚とはまず第一に経済的安定であって、生涯食っていくためにもっとも確実な投資であると言う感覚があったように思います。
必ずしもそうした男女役割分担が固定的ではなくなった時代にあっても、やはり女よりは男の方が大金を稼ぎやすいと言う構図は否定出来ずに残っていたわけで、女にとっては固定経費を減らしつつ収入を二倍以上に増やせると言う点で結婚は非常に経済的メリットがある行為だったはずなんですが、このあたりも不必要な贅沢は求めなくなった世相を反映しているのかも知れませんね。

ちなみに結婚もせずにどうしているのかと言えば、もう一つのキーワードとして昨今「中年パラサイトシングル」と言う言葉もあるのだそうで、確かに今の中年世代の親と言えば高度成長期からバブルへと続く日本経済のもっとも美味しい時期を現役で過ごしてきた世代で金はあるのだろうし、一人暮らしをするよりも経済的にも生活支援の面でもずっと便利で実用性が高いと言うことはあるのでしょう。
こうした状況が言うところの少子化問題にどんな影響を与えるかと言えば決して良い影響ではないだろうと想像するのですが、先日目にした少しばかり興味深いデータとして出生数と中絶数の経年的な推移を追ってみたと言う方がいて、出生数が減ってきているのも当然ながら中絶数、中絶実施率も年々減少の一途を辿っていて、要するに妊娠すらも計画的に行う時代になったと言う見方も出来るかと思います。
昭和時代の終わり頃には性風俗の乱れが言われ、貞操観念が崩れて日本もフリーセックス時代到来か?と言われていた、ところが前述の記事のように今や性交渉の前段階である恋愛すらも面倒くさいと嫌がる人間が増えてきて望まない妊娠自体が激減している、その中で一番着実に安定的に世の中に子供をもたらしているのが実はいわゆる出来婚なんだと言います。
となるとこの出来婚と言うのは決して無計画な性の暴走の果ての偶発的な出来事ではなく、むしろそろそろ産んでもいいと言う判断が先にあってから事に及んでいる方々も少なからずいらっしゃる可能性がありそうなんですが、出産の前段階である恋愛も含め国が行う少子化対策と言うことを考えた場合には、もっと無計画に青く暴走してヤリまくれ!と言うのが実は一番の正解と言うのもちょっと外聞を憚ることなのかも知れずですよね。

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