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2015年6月11日 (木)

キセルと言う言葉がまだ死語ではなかった件

昨今キセルなるものを見たことがある人の方が絶対的少数派だと思いますが、未だにキセルと言う言葉だけは生き残っているのでしょうか、先日こんな記事が出ていました。

教諭が“キセル”常習 通勤手当100万円不正受給 千葉県教委が懲戒免職(2015年6月10日千葉日報)

 千葉県教委は9日、通勤時に“キセル乗車”をしていたとして県立銚子商業高校の寺田健郎教諭(43)を懲戒免職処分にした。寺田教諭は通勤手当約100万円も不正に受給。県は不正受給の金額について精査しており、今後返還を求める。

 県教委によると、寺田教諭は2013年10月から今年5月20日、週に2~3回、自宅から学校に通勤する際、最寄りのJR西千葉駅で千葉駅までの回数券を使って乗車すると、求名駅が無人になる時間帯を狙って下車。千葉-求名駅間の運賃440円分を支払っていなかった。求名駅からは、近くの無料駐車場に止めた車で学校に向かっていた

 今年3月上旬ごろからは、帰宅時も朝の回数券を使って千葉駅で下車するなどして同駅区間の運賃を逃れていた。今年5月20日朝、県警鉄道警察隊員が寺田教諭を摘発して発覚。東金署が鉄道営業法違反(無賃乗車)の疑いで捜査を進めている。

 寺田教諭はさらに11年10月ごろから、実際は電車などで通勤していたのに高速道路を使って乗用車で通勤していると偽り、通勤手当を不正に申請。不正に受け取った金額は総額約100万円に上るとみられる。

 県教委の調べに「わずかな交通費を浮かせるためにやってはいけないことをした」などと話しているという。

ちなみに不正乗車の一種で俗にキセルと呼ばれる行為は本来出発駅から到着駅まで連続しての乗車券を買わなければならないところ、出発駅付近と到着駅付近の乗車券(あるいは入場券等)だけを買って中間部分の料金を払わない行為の意味ですが、昔の喫煙道具であるキセル(煙管)が両端だけ金属製で金をかけていると言うことに由来すると言います。
毎日の事ですからそれなりの金額にはなるのかも知れませんが、しかし方法論としてそれなりに込み入った手段を用いていたようで、この情熱をもっと有意義な方向に活かせば…と言う気にもなるところですし、ここまでやっても見つかるものは見つかるんだなと改めて感じますよね。
鉄道会社としても当然運賃収入で経営が成り立っているわけで、かつての国鉄時代のように「どうせ親方日の丸なんだろ」などと言う言い訳?は通用しませんけれども、このキセルと言うICカードの普及でほぼ死語になりかけているような古い言葉が特定方面では今も現役であるどころか、実は日常的に行われていたのか?と思わせる記事が出て話題になっています。

キセル通報逆恨み「撮り鉄」少年ら逮捕 強盗容疑(2015年6月5日日本経済新聞)

 キセル乗車を通報されたことに腹を立て、少年2人に暴行しカメラを脅し取るなどしたとして、警視庁少年事件課は4日までに、相模原市の高校3年の男子生徒(17)ら少年5人を強盗などの疑いで逮捕した。1人は容疑を一部否認している。

 逮捕容疑は2月21日、JR東京駅構内で少年2人からデジタルカメラなどを脅し取ったり、腹や顔を殴ったりした疑い。

 同課によると、逮捕された少年らは列車を撮影して楽しむ「撮り鉄」で、うち2人が2月11日、キセル乗車で東京駅から金沢駅へ向かった

 顔見知りだった被害者らが、新潟県内の駅で2人を見かけ、駅員に通報した。同課によると、逮捕された少年らは「キセルを通報するなんて撮り鉄界のタブーを犯した」などと動機を供述しているという。

まあどこから突っ込んでいいものやら判らないような事件で、これ自体は昨今ではあちらこちらで問題化してきている撮り鉄絡みのトラブルにつながる新たな事件であるのでしょうけれども、この記事を読んだ多くの人々が思わず突っ込んだ点として「撮り鉄業界ではキセル乗車が当たり前の常識なんですか?」と言うことがありますよね。
撮り鉄と言えば立ち入り禁止区間への侵入事件などはすでに日常茶飯事ですが、保守作業時の安全確保のため上り下りの線路の間に張ってあるロープを「撮影の邪魔だから」と勝手に引っこ抜いて撤去すると言った、列車の安全運行上も非常に大きなトラブルにつながりかねないトンデモナイ行為に及ぶ方々もいるようです。
もちろんこうした行為は一部の不心得者がやっているんだろうと思われるのですが、今回注目したいのは逮捕された少年達がキセル行為の通報を「撮り鉄界のタブーを犯した」と言っている点で、事実キセル行為がタブーなのではなくキセル行為をチクることの方がタブー視されているのだとすれば、これは撮り鉄と言うグループとして反社会的と受け取られても仕方がないですよね。
今回の件に関してはさすがに鉄道ファンからも「そんなタブーあるかい」と突っ込みも入っているそうですが、もともとこの種のマニアックな世界は世間が狭いだけに、不正行為を告発するような振る舞いは「仲間を売った」と捉えられがちであるだろうとは思われますから、撮り鉄はマナーが悪すぎる、仲間同士で自浄作用を発揮せよなどと世間が言うほど案外簡単ではないのかなと感じさせる事件ではありそうです。

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コメント

途中駅で偶然会っただけでよく不正乗車ってわかりましたね。
通報者に容疑者本人達がしゃべったことをちくったってことなのかな?
それだったら仲間をうらぎったって気にはなるのはわかるけど。

投稿: ぽん太 | 2015年6月11日 (木) 08時41分

>ICカードの普及でほぼ死語になりかけている

無人駅にはICカード用自動改札機なんて設置されないから、無人駅だらけの地域ではキセルはまだまだ可能な環境

投稿: | 2015年6月11日 (木) 09時35分

今はあまり電車に乗らないので現状は知らないのですが、10年くらい前までは地方ローカル線の小さな駅では改札に人もおらず切符を入れる箱があるだけと言う状況があったように記憶しています。
ああいう場合にどの程度の不正乗車があるものなのかと思うのですが、こうやって一定確率で見つかってくると言うことは常習的にやっている人間はやっていると言うことなのでしょうかね。

投稿: 管理人nobu | 2015年6月11日 (木) 12時41分

意外と地方ローカル線では、キセルするような人はほとんどいないでしょうね。
みんな顔見知りだからね。

都市部周辺の無人駅がらみが一番多そう。

投稿: hisa | 2015年6月11日 (木) 15時16分

撮り鉄大活躍だなw

福島
<東北線>撮り鉄が排除か また支柱抜き取り
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201506/20150612_63043.html

投稿: | 2015年6月13日 (土) 07時57分

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