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2015年6月 9日 (火)

子供の突発的行動を防ぐ手軽な手段が賛否両論

先日四国は松山で、こんな悲しむべき事故があったのをご存知でしょうか。

転落:ホテル12階から 1歳男児が死亡 松山(2015年05月31日毎日新聞)

 31日午前8時ごろ、松山市千舟町2のホテル南側の歩道(市道)で、男児(1)が血を流してうつぶせで倒れているのをタクシーの運転手が見つけた。男児はホテル12階に宿泊中の夫婦の長男で、部屋の窓から転落したとみられる。市内の病院に運ばれたが間もなく死亡した。

 愛媛県警松山東署によると、男児は大阪市住吉区南住吉4の会社員、泉谷(いずたに)英俊さん(36)の長男真(しん)ちゃん。窓は幅106センチ、高さ129センチで、床から86センチの高さにある。回転式で、全開した際には最大55センチの隙間(すきま)ができる。

泉谷さんが直前に部屋で真ちゃんを確認した際には窓は閉まっており、窓と同じ高さの出っ張り部分(奥行き29センチ)に立って遊んでいたという。同署は真ちゃんが誤って窓を開け、約35メートル下に転落したとみて調べている。

泉谷さんと妻(37)、真ちゃんの3人は25日から滞在中だった。妻と真ちゃんは泉谷さんの出張に合わせて、観光のため松山市を訪れていた。【松倉展人、橘建吾】

写真で見る限りではよく見かける中央を軸にして回転するタイプの窓であったようで、大人であればそこから出入りするのは難しいだろうとは思いますが、子供の場合サイズ的にはちょうど通り抜けるに手頃な感じになるのでしょうか、たまたま窓に体重をかけた際にきちんと鍵がかかっていなければ真っ逆さまと言うこともあり得そうではありますよね。
この種の大人目線では想定していない事故が子供目線では起こり得ると言うのはしばしばあることで、立ち入り禁止の場所を示す柵なども大人を対象に作ってあると、ちょうど下に子供が通り抜けるのにちょうどいい空きが出来ていたりもするものだし、そもそも子供と言うものは多少のハードルを克服することに楽しみを見いだしがちなものではあると思います。
少子化の時代に子供がこうして思いがけない行動から重大事故に遭遇すると言うのは社会的損失としても無視出来ないものがありますが、それに対して世の親の方々も様々に対策の必要性を感じているだろう中で、最近こんな小道具がちょっとした流行になりつつあると報じられ、別な面からも話題を呼んでいます。

幼児用リード、じわり浸透 安心?それとも違和感?(2015年6月4日朝日新聞)

 歩き始めた子どもを事故から守るため、リード(ひも)を使う親が増えています。そばに引き留めておける安心感から重宝される一方、「まるで犬みたい」と、とがめる声もあります。実際に使った親たちに話を聞きました。

 「お買い物行くよー」

 東京都世田谷区の37歳の女性は、リュックサックを背負った2歳の次男とスーパーへ歩いて出かけた。

 次男の背丈は母親の腰の高さほど。リュックの上にリードがつながり、その端の持ち手を女性が握っていた。ベビーカーに乗せない時は使うことが多いという。リードの長さは調整可能で、約85センチにしている。「このくらいだと突然走り出してもすぐ止められる」。リュックの肩ひもはクッション素材で、リードを引いても痛くなさそうだ。

 使い始めたきっかけは、別の親子連れが事故に遭いそうになるのを目撃したこと。母親がベビーカーの赤ちゃんをあやすすきに、上の子が母親の手を振り払って車道に飛び出した。叫ぶ母親。車は急ブレーキをかけ、子どもの目前で止まった。「使えるものは全部使って事故の可能性を減らしたい。自分の子を守るのが親の役割なので

 スーパーまでは、車の通行量が多い国道沿いの歩道を通る。次男は地面のアリをのぞいたり、遠くに電車を見つけて跳びはねたり。「一瞬先の行動が予測できない。ガードレールによじ登って車道に出ようとしたこともあります

 次男のすぐ脇を、自転車が何台も走り抜けていった。女性はリードを短めに持った。

この子供用リードと言うもの、非常に簡単かつ低コストで安全性を高める良いアイデアに思えるし、実際そうした期待感から愛用者がじわじわ増えてきていると言うのですが、これに対して「イヌの散歩じゃあるまいし」と批判的な声もまた少なからずあるようです。
記事の写真を見る限りではリュックに結びつけられていることもあって別にイヌのようには見えないかなとも思うのですが、実際には上半身にベルトを装着させて固定するタイプが一般的なのだそうで、そう言われますとイヌなども同様のスタイルのものを使用しているのを見かけることはあるでしょうかね。
この子供用リード問題、各方面でも大いに話題になっているようで、「手をつなげばいいじゃないか」と言う声もあれば「あれはリードではなく命綱だ」と言う声もありでまさに賛否両論なんだそうですが、当事者にとっては少しでも我が子の安全を高めようと工夫していることではありますし、例えば車に乗せた子供にシートベルトを装着しているのを見て「子供を縛り付けるなんて!」と騒ぐ人と言うのもまあいないですよね。
地域によってイヌではなくネコをヒモにつないで散歩させていたりだとか、イヌを散歩させるのではなくイヌを抱いて散歩している地域と言うものがあって、地元民に聞くとその地域ではそれが当たり前で誰も疑問に感じたりはしないんだそうですが、そうした習慣がない外部の人間にとっては初めて見た時には何とも奇妙に見えるんじゃないかと言う気がします(個人的には今でも若干の違和感がありますが)
ただそれに対して「自由奔放なネコをヒモでつなぐなんてかわいそう!」などとクレームをつけてくる人はそれほど多くはないようではあり、また車にひかれそうで危ないからと部屋に閉じ込めっぱなしであるよりは外に出してやった方がより人道的な扱いだと言えるだろうしで、この辺りは単純に見た目の印象だけではなく総合的に損得を判断すべきことなのだろうし、そもそもは単純に慣れの問題が大部分であると思いますね。

特に記事にもあるように子供の場合、きちんと手をつないでいてもその手を振り払ってかけ出すようなことがしばしばあって、特に複数の子供を連れていたり荷物を持っていたりすると物理的に抑制が不十分になりがちなことは理解できることだし、その状況を認識しながら放置して事故に遭うよりはリード一つで安全を確保する方がよほどマシであるとは言えそうです。
ネット上でも「リードをつけなければならないような子供を持ったことがない人は気楽でいい」と言う声ありますが、昨今じっとしていられない子供と言うものが学校教育の現場でも色々と問題になっていて、もっと幼少期からのしつけをきちんとしなければならないと言った声も上がっているのですから、物心つくことから世の中何でも好き勝手に出来るものではないと言うことを知るにはむしろいい機会とも言えるかも知れませんね。
ただ見た目の印象的にやはりイヌなどのものに似ていると言うのはちょっと商売としてもマイナスポイントになりかねないわけで、販売する業者の方々にはもっと目立たず不自然にならないデザインの品を開発してもらう努力が期待されるのだろうし、社会の側としてもリードをつけている子供に対しては予想外の動きをする可能性があるんだなと判断した上で、それなりの配慮をしていくことが望まれるように思います。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

犬ともいへ、
畜生ともいへ、
護ることが本にて候

投稿: | 2015年6月 9日 (火) 07時33分

子供の行動監視を目的にGPSやPASMOを使用するのは特に話題にならずこれがダメというのは奇妙です。

投稿: クマ | 2015年6月 9日 (火) 07時51分

えっと、高所作業の世界では安全帯と言う物があってですね、
これを使わないと逆に怒られると言う…

投稿: | 2015年6月 9日 (火) 09時51分

正直見た目だけの好き嫌いの問題であれば大きなお世話なのですが、子供の行動を掣肘することが人権上ケシカランと言う批判が出た場合の方が議論としての広がりは大きくなりそうに思います。

投稿: 管理人nobu | 2015年6月 9日 (火) 12時28分

保護者としては管理責任もあるんですが、人権の前には安全も責任も打つ手なし、って事ですかね?

ま、多少の犠牲はつきものだ、と言う考え方もありますし。

投稿: | 2015年6月 9日 (火) 14時45分

私より10歳近く若い奴なので昭和40年後半でしょうが、
1歳くらいの弟が家の柱にひもでつながれていたのを覚えているって言っていた。

投稿: hisa | 2015年6月10日 (水) 08時48分

ベビーサークルは何ら問題視されないように思うが
檻に入れるのはOKなのに、ひもでつなぐとなると、どうよ?って言う人が出てくるのは何でかな

投稿: | 2015年6月10日 (水) 09時12分

↑衆人環視の街頭で乳幼児を檻に入れてたらどうよ?どころか警察呼ばれるかとw

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2015年6月10日 (水) 12時08分

精神科的には檻に入れる(隔離)よりもひもでつなぐ(拘束)方がより厳しい行動制限という認識ですw

投稿: クマ | 2015年6月10日 (水) 23時46分

うーん勉強になるなあ
拘束廃止の世相に合わせて患者をベッド上で隔離する柵でも作らないかなあ

投稿: | 2015年6月11日 (木) 10時35分

じいちゃんが庭に出ている幼児の孫に大人用のゴム長靴履かせて、
これでちょろちょろ歩けないから安全と・・・
たしかに歩けなくて、幼児本人はおおいに不満顔してたw

投稿: | 2015年6月11日 (木) 10時50分

>拘束廃止の世相に合わせて患者をベッド上で隔離する柵でも作らないかなあ
「自分で降りないように、ベットを柵(サイドレール)や壁で囲む(いわゆる4点柵や壁際2点柵)。」
は身体拘束に該当します。
ちなみに『「緊急やむを得ず」身体拘束を 実施する場合』の手続きというものも決まっています。
そういったことに縁がなくて知らないのであれば ある意味幸せなことではありますが。

投稿: JSJ | 2015年6月11日 (木) 11時03分

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