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2015年6月20日 (土)

自己責任の国アメリカで給食費を収めずにいるとどうなるか

日本でも学校給食費の未納と言うことが大きな問題と認識されるようになっていますが、幾ら親が給食費を支払わなくても子供を飢えさせるのはかわいそうだと言う意見が今のところ一般的だと思いますけれども、これが自己責任の国であるアメリカでは日本人にはちょっと想像出来ない結果になったと言う、非常に興味深い事例が報じられています。

小学校の食堂職員、貧窮の生徒に昼食与え解雇 米(2015年6月4日CNNニュース)

ニューヨーク(CNNMoney) 米コロラド州デンバー郊外の小学校で給食費を支払えないなどの境遇にある生徒に昼食を無料で与えた学校食堂の従業員が解雇され、生徒の両親らが処罰内容の再考を促している。

この女性従業員は地元テレビ局KCNCーTVに、学校の規則違反は認めながらも、空腹に苦しむ子どもたちの姿は見たくなかったと指摘した。

無料で給食を得た生徒数は伝えられていないが、いずれも連邦政府の無料昼食プログラムへの参加申請は行っていなかったという。

子どもを2人持つ母親でもある従業員は、無料もしくは減額された昼食制度への参加を申請していなくても、多くの生徒の家庭は子どもに昼食を与える経済的な余裕はないとの現状を指摘。単に給食費を忘れた事例や、自費で費用を負担し生徒に提供した例も示した。

一方、従業員を雇用する教育行政当局は当初、個人的な問題を理由に解雇などについてのコメントを拒否。しかし、同テレビ局が解雇などを最初に報じると、声明を出し「全ての生徒が昼食なしの事態になることは許されない」と主張。

給食費を忘れた場合、最初の3回分については無料で昼食が提供されると指摘。3回目以降でもチーズや時によってはターキーサンドイッチが与えられるとも主張した。昼食制度の経費は生徒に請求する給食費によって賄われていないとも述べた。

しかし、解雇された従業員はチーズなどだけでは生徒の空腹は満たされないと反論。その上で、教育委員会との会合を希望し、解雇の処罰や給食規定の変更などについて話し合いたいとしている。生徒の両親らの一部からは「解雇ではない別の手段があったはず。彼女は人助けを試みただけだ」との意見も聞かれる。

アメリカの場合本当に給食費を支払えない境遇にある家庭も一定程度いるどころか、ニューヨーク市の公立学校では生徒の75%が給食費減免措置の対象に該当すると言いますからむしろ多数派とも言えそうなんですが、給食と言っても単に粗悪なファーストフードのデリバリーであると言う場合がほとんどだそうで、まともな親ほど給食は拒否して自宅からランチを持たせるとも聞きます。
その意味で減免制度を知らなかったのなら広報などシステムの改善で対応可能ですが、制度を知りながら自己責任で利用しなかった可能性もあるのかも知れずで、この場合迷惑を被るのはその決断をした親ではなく子であり学校関係者であるわけですから、親の宗教的信条に基づいて子供が輸血を拒否され亡くなったと言った事件も思い出されるケースでしょうか。
一方報道によれば職員は時に自腹も切りながら親や教師とも相談しながら何とかしようと苦労していたようで、解雇はひどく厳しすぎるようにも思えるのですが、ただ視点を変えて見れば職員が学校の物品を勝手に横領していたとも言えるわけで、衣食にも事欠くホームレスがかわいそうだからと銀行員が勝手に金庫のお金を配って歩くのが許されるのか?と言う反論を聞けば、それはそれで確かに問題だと言う気にもなりますよね。

自己責任の国アメリカとは言ってもさすがに子供に関しては完全にそうとばかりも言っていられないようで、以前にも給食費未納の子供に現場判断で給食を食べさせなかった学校が大いに非難を受けたと言う事件があったそうですが、基本的には自前のランチ持ち込みとの選択制にした上で給食を希望する場合には支払いをして食べると言うスタイルであるようで、本質的に未納問題が発生しにくいのかも知れません。
他方で日本の場合本当に払えないから給食費未納になっているケースは少ないと言われますが、支払いがない場合どう対応しているかを調べると説得や各種の督促などは過半数の場合で行われているものの、給食を停めると言うことはまず行われていないようで、この理由としてやはり原則全員そろって同じものを食べる場において一人だけ食べさせない対応は取りづらいと言う理由もありそうですよね。
興味深いのは文科省からはどうしても支払わない親に対しては「説得し得ない保護者に対しては、やむを得ず、法的措置を講じた事例なども報告されており、これらの事例も参考としつつ対応することが望ましい」と言っているのですが、この場合子供に対するダメージは避けつつ根本原因である親には厳しく対処すべきと言う点では、それなりに理にかなったやり方ではあるかと思います。

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コメント

つうか日本でも無銭飲食させたらあかんやろ
せめて前払いの事前予約制にせんと

投稿: | 2015年6月20日 (土) 08時18分

みんな並んでいただきますってスタイルは色々問題もある気が。
子どもの頃に給食残して夕方までさらしあげられました。

投稿: ぽん太 | 2015年6月20日 (土) 10時50分

学校給食費を「払えるのに払わない」とみられる未納が相次ぎ、埼玉県北本市立の中学校4校は、
3カ月未納が続いた場合は給食を提供しないことを決めた。実施は7月から。
未納額が膨らんだことによる苦肉の策だが、各家庭に通知したところ、該当する保護者43人のうち、
納付の意思を示さない保護者は3人に激減した。

市教委によると、生徒1人あたりの給食費は月4500円で、全額が材料費。今年4月から6月まで
3カ月分の未納が続く家庭の未納額は計58万500円。担任教諭が家庭訪問などで納付を求めてきたが、
一部未納を含む全体額は約180万円に上っており、7月分の食材購入が危ぶまれる状況だった、と説明する。

そこで、4校の校長会は3カ月未納が続く家庭の保護者43人に、生徒に弁当を持たせるよう求めることにして、
学校だよりなどで通知。「『有料』なものを手に入れる時は、それ相当額の支払いをするというのは
社会のルール」などと書いた。すると、40人が実際に納付するか、「納付する」との意思を示したという。

該当する家庭に、生活保護を受給しているなど給食費を負担しなくてよい例はなく、家庭から学校に
相談もなかったため、市教委は「いずれも支払うだけの資力があると考えられる」とみている。
だが、「実際に弁当を持参させることは、他の生徒から好奇の目で見られるなど生徒へのマイナス面が大きい」
として、細心の注意を払うよう校長会に指導。
残る3家庭についても「今月中に一部でも納付してもらうよう努力する」と説明している。

http://www.asahi.com/articles/ASH6S62FYH6SUTNB00F.html

投稿: | 2015年6月25日 (木) 19時14分

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