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2015年6月 1日 (月)

21世紀日本で労働力搾取が多発?!

先日こんな悲惨極まる事件が発生していたらしいと報じられ大いに話題になっていたのですが、まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

「すき家」店員が「もう無理です」と倒れていた・・・病院に搬送されたときの状況は?(2015年4月21日弁護士ドットコム)

牛丼チェーン「すき家」の店員が「もう無理です」と悲鳴をあげて倒れていた――。このような目撃談が4月19日、ツイッターに投稿されて注目を集めた。すき家を運営するゼンショーホールディングスに、弁護士ドットコムニュースが取材したところ、東京都内のすき家の店員が同日、病院に救急搬送されていたことがわかった。

●店員は「ずっと忙しくて限界」と話した?

ツイートによれば、投稿主が東京・高円寺の「すき家」に入店すると、客が食べ終わったあとの食器が席に放置されたままだった。そこに、厨房から「もう無理です…!うう」と悲鳴のような声が聞こえた。何事かと思って、厨房の中をのぞくと、一人の店員が倒れていた。店員は「ずっと忙しくて限界」と話したのだという。
はたして、本当にこのような出来事はあったのだろうか。ゼンショーホールディングスの広報担当者は、弁護士ドットコムニュースの電話取材に対して「店員が倒れて、緊急搬送されていた」と説明した。
搬送されたのは、すき家の高円寺駅南口店で働く男性アルバイト。日曜の昼下がりである4月19日の午後2時40分ごろ、東京すき家の本部に「体調が悪くなった」「呼吸が苦しい」「目がクラクラする」と電話で連絡があったという。
本部がすぐに救急車を手配し、店員は病院に搬送された。幸いにも、救急車が到着するころにはある程度回復しており、病院の検査でも「異常なし」という結果だったという。店員は持病もなく、「初めての経験だった」と話しているそうだ。

●シフト上は「2人体制」だったが・・・「ワンオペ」が起きていた

すき家は、深夜にアルバイトが一人で店をまかされる「ワンオペ」が過酷すぎるなどと批判されたことを受け、現在、全社をあげて労働環境の改善に取り組んでいる。その中心的な施策として、「深夜のワンオペ」は廃止された。だが、昼間は、一部店舗でワンオペが生じているという。今回の事態は、どんな状況で起きたのだろうか。
ゼンショーホールディングスの広報担当者は「この店員は、平均8時間勤務を続けており、超過労働があったわけではない」と説明する。また、この店の当日のシフトは本来「1人体制(ワンオペ)」ではなく、「2人体制」となるはずだったが、どうしてもシフトが埋まらなかったため、店員が「ワンオペ」で店を回していたのだという。
さらに、このシフト状況は、店舗から「エリア担当マネジャー」まで報告があったが、その上層の「ブロック担当マネジャー」までは伝わっていなかった。広報担当者は「本来ならば、緊急のヘルプが入る仕組みになっていたが、伝達がうまくいかず、スタッフとお客さまに迷惑をかけてしまった」と話す。
特に問題がおきた4月19日は日曜日だったため、店舗マネジャーが休んでいたことも響いたようだ。このような事態は恒常的だったのではないのか聞いたところ、広報担当者は「この日だけです。その前の週も、2人体制になっていた」と否定した。
今後については、広報担当者は「現在、『すき家』には人員を多めに投入するようつとめている。パソコンでアルバイトのシフトを管理するシステムをこの店に導入して、もっと早く気づけるように改善していきたい」と話していた。

まあ何しろスタッフの労働環境と言う点では非常によく名前が知られているゼンショーさんのことですから、この事件もずいぶんと興味本位の視線にもさらされているようなんですが、なんでもこのチェーンでは売上高がノルマに届かなければペナルティとしてアルバイトの労働時間を後から勝手に少なく書き直されてしまうのだそうで、事実だとすればそれは店員も集まらず営業が成り立たないのも納得ですよね。
この類の労働力搾取問題は昨今非常に注目されるようになっていて、特にワープア化で労働者の側に搾取されるだけの余力がなくなってきている一方で、全国的な労働力不足が言われるようになり特に飲食店従業員などは引く手数多で単価も上昇していると言いますから、当事者もきちんと情報を集めたり怪しいと思えば第三者に相談するなどの自己防衛策を講じる必要がありそうです。
厚労省も最近では違法労働取り締まりにも乗り出してきていると言い、全国チェーン店で違反が見つかった場合に管轄を超えて取り締まりを行う等の対策を講じると言うのですが、その一方で最近あちらこちらで話題になっているのが外国人労働者に対する搾取の問題です。

日本の外国人技能実習生受け入れ機関の不正行為、4年連続で増加=賃金不払いが最多―華字メディア(2015年4月16日レコードチャイナ)

2015年4月15日、華字メディア・日本新華僑報網によると、日本で外国人技能実習生を受け入れた企業や団体による不正行為の確認件数は、技能実習制度が始まった2010年から4年連続で増加した。不正行為の内訳は賃金不払いが最も多かった

法務省は14日、外国人技能実習生を受け入れた企業や団体のうち、昨年1年間で賃金不払いなどの不正行為が確認されたのは241機関だったと発表した。技能実習制度が始まった2010年の163機関からほぼ1.5倍となり、不正行為の確認件数は4年連続で増加した。

不正行為の内訳は、賃金の不払い142件、講習期間中の労働74件、技能実習計画の不履行32件が上位を占めた。

「まるで奴隷!」 フィリピン人が大阪の介護施設を集団提訴へ (2015年5月27日TBSニュース)

 フィリピン人女性9人が大阪府東大阪市の介護施設で『奴隷のように働かされた』などとして、施設の運営会社に対し、損害賠償を求めて27日に集団提訴することがJNNの取材でわかりました。

 訴えを起こすのは、フィリピン人の川村シンチアさん(45)ら9人です。代理人などによりますと、川村さんらは、日本人男性との間に生まれた子どもについて、『日本国籍を取れるようにする』などと勧誘されて来日し、東大阪市の介護施設「寿寿」で介護士として働いていました。

 しかし、実際に国籍取得の手続きはされず、事前に説明されていたより低い給料だった上、渡航費用などの借金を天引きされたということです。

 「借金が終わらなかったら、仕事を辞めることはできない。子どもが病気の時に(私が)連日、勤務だから(誰も)めんどうをみてくれない。同じ人間として見てほしい」(提訴するフィリピン人女性)

 また、『自分が死んでも会社は責任を問わない』とする権利放棄書にも署名させられ、人格権を侵害されたなどとしてあわせて数千万円の損害賠償を求めています。

 この介護施設を巡っては既に元従業員の女性1人も提訴しています。施設側は『担当者が分からないため答えられない』と話しています。

今も公的には日本は外国人労働者を受け入れないと言うことになっていて様々な例外的措置によって働いているわけですが、それがためにごく普通の労働者としての権利がきちんと守られていない側面も少なからずあるのでしょう、日本人相手にこんなことをやっていたりすれば大問題の大騒ぎと言うものですけれども、案外と大きなニュースにならないまま放置されてきた背景には天下り団体の暗躍があるなどと真偽不明の噂もあるようですね。
先日は河野太郎衆議院議員が「外国人実習生、トレーニングといっていますけれど、海で牡蛎を取ったり、キャベツを収穫するのにどんなトレーニングがいるんだと言いたい」と発言したそうですが、もちろんどんな作業にもそれなりのトレーニングを積まなければ一人前になれないと言うのも事実である一方で、実際問題としては実習生の名の下に日本人ではあり得ない低待遇で労働者を得ているとも言えます。
また日本一のレタス栽培で平均年収2500万円とも言い「奇跡の村」などと称揚されてきた某県某村が、外国人実習生をとんでもない待遇で使い潰していた?!と言う記事が出て話題になっていましたが、これなどは研修扱いだった実習生を労働者扱いするように法改正がなされた結果、それまで農家負担だった食費などが給料から天引きされるようになったと言う事情もあったようです。
ちょうどその村ではつい先日外国人実習生の殺人未遂事件まで発生して新たに全国区のニュースになっていましたが、一連の騒動の背景には村内での勢力争いが関係しているだとか言う噂もあるとかないとかで、いずれにしろこうした労働者搾取は現在進行形で発生している人権侵害とも言えるわけですから、国としてもいつまでも放置しているようですと後代に思わぬ禍根を残すことにもなりかねないでしょうね。

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コメント

農家は昔からこんなもんでしょ
うちの田舎も昭和時代の農繁期には大勢流れ者雇ってたよ
日本人が来なくなったんだから仕方ないんじゃない?

投稿: | 2015年6月 1日 (月) 07時55分

飲食店にしろ農業にしろ、最終的にはきちんとした条件で人材を雇用できないほどの価格でしかコスト負担をしていなかった消費者に責任があると言う見方も出来そうには思います。
消費者もまた自分の職場では生産者なんですから、デフレの時代にひたすら低価格だけを追及してきたことの弊害は実感として理解しているはずなんですけれども、それを消費行動に反映出来るかどうかも問われますね。

投稿: 管理人nobu | 2015年6月 1日 (月) 12時27分

こんなことやってるから農業後継者いなくなるのさ

投稿: | 2015年6月 1日 (月) 12時40分

 牡蠣剥きやキャベツの収穫はそりゃ、一人前になるにはトレーニングを受ける必要があるでしょう。でも、外国人実習生のは、それを習得して、母国での産業の発展に役に立つのかってことですよ。外国人実習生は、名目はあくまでも、進んだ日本で、母国の発展に資する技能を身につけて帰ってもらうってことなんですから。実習させるんなら、キャベツの栽培法であったり、牡蠣養殖のコツや必要な技能でしょう。
 外国人実習生制度は、国際的には「奴隷制度」の認識ですよ。日本政府だけは違うようですが。

投稿: J.J. | 2015年6月 1日 (月) 19時11分

一部の問題ある農家が悪いっていうけど、そいつ組合除名なり村八分なりにしたのかなあ?
これだけ全世界に村の悪評広めちゃってんだから当然村八分だよね?ね?

投稿: | 2015年6月 2日 (火) 07時53分

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