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2015年5月23日 (土)

ゆとりバッシングに限らず若年者叩きはお年寄りとマスコミの伝統です

様々な意見がある中ですっかり言葉としては定着した感のある「ゆとり世代」と言うもの、過去にも年代毎に様々なものが登場したこの種のレッテル貼りの言葉と同様、当事者からは(ごく控えめに言っても)決して評判はよくないようですけれども、とかく高齢者による若年者への攻撃ははるか人類史の長きにわたって続いてきた共通の現象であると言いますね。
ただ批判されるべきなのかどうかは別としても、やはり年代によって考え方の違いと言うものは明確に存在しているようで、現代の若者気質を示すものとして本日の本題に入る前にまずは先日出ていたこういう記事を紹介してみましょう。

生活費は月3万―5万円 自作の小屋で暮らす若者たち(2015年4月11日朝日新聞)

 自作の小屋で暮らす若者が千葉県内で相次いでいる。郊外の手頃な土地を購入し、量販店で仕入れた建材でインターネットを見ながら自らで建築。普段の生活は井戸水を使い、電気も最低限の電流を契約する「エコ」な暮らしぶりだ。ネットでその輪も広がりつつある。

 九十九里浜にほど近い九十九里町作田。吉田克也さん(28)は一昨年11月に東京・世田谷から自転車でリヤカーを引いて移住してきた。

 ネットで検索して見つけた140平方メートルの空き地を45万円で購入。業者に依頼して井戸を掘り、最低電流の電気も引いた

 テントで暮らしながら、近くのホームセンターで建材を買い、ネットに掲載された建築の方法を参考にして毎日少しずつ建設。約1カ月で4畳ワンルームの小屋を完成させた。ここまでの出費は計約90万円。

 普段の生活も質素だ。水道代は無料だが、電気代は月約400円。日々かかるのは食費がほとんどだが、家庭菜園で野菜を作ったり、近所から食料品を分けてもらったりも。締めて月3万~5万円ほどの出費だ。「節約するつもりはないのだが」と吉田さん。

自作の家と言えばひと頃はログハウスを組み立てることがちょっとしたブームのようになったこともありましたが、記事の写真を見る限りではこれを自宅と言っていいのかどうか、もちろん家屋の要件としてどのようなものが必須であると言うルールもないわけですが、まあ控えめに言っても作りかけの掘っ立て小屋と言った趣ですよね。
興味深いのはこれが有りだと思ってしまうその価値観で、多くの世代の方々にとってはこんなホームレス紛いの生活は決して許容出来るmのではないと言う価値観の方が主流派だと思うのですが、むしろ今の時代はこうした生活の方が無駄な浪費がない上に環境負荷も少ないと称揚されかねない勢いで、確かに必要なもの以外をばっさり切り捨ててしまった姿を見たあとでは日常の中にどれだけ無駄が入り込んでいるのかよく判ります。
興味深いのはゆとり世代が生活の中で何を最も重視しているかと言うと第一位になったのが「安定」であったと言うことで、年長者の目~見るとこんなホームレス紛いの生活のどこに安定が?と思ってしまいそうなんですが、何しろ収入面での劇的な増加が見込めない時代に育ってきているわけですから、不要な出費を切り捨てることが安定につながると言う考え方になると言うことなのでしょうか。
いずれにしてもこうしたロハスな生活は大量生産大量消費を前提とした昭和以来の産業構造のあり方と相性が悪いのは確かであろうし、だからこそお年を召された方々にとってこうしたゆとり世代流の生活スタイルはひどく目障りなんだろうとも思うのですが、そのお年を召された方々に特にシンパシーの高い既存メディアにおいてはこうした事情を反映してか、ゆとり世代バッシングが日ごとに激しくなってきているとも言います。

「プライベートをおそろかにする時代」の方が異常でしょ!? 日テレ・行列の「ゆとり特集」に若者ウンザリ(2015年5月18日BLOGOS)

5月17日放送のバラエティ番組「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系列)で特集された「ゆとり世代」批判がネット上で物議を醸している。
この日のタイトルは「私ゆとり世代に怒っていますSP」。番組ではゆとり世代を、2002年から2011年まで実施された「ゆとり教育」を受けた世代と定義。明治大学の齋藤孝教授が、ゆとり世代の特徴を紹介した。
あげられたのは、「怒られるのが嫌、打たれ弱い」「指示通りに動くが、自分から動くのは苦手」「上司との酒はきっぱり断るなど、プライベート優先」という3つのポイントだ。

永作博美さんも「妙な堂々さがあって気味が悪い」

続いてゲストが、ゆとり世代に「許せない」と感じたエピソードを語った。俳優の佐々木蔵之介さん(47)は、男性マネージャーがゆとり世代。一緒に居酒屋に行った際に「冷酒」を注文してくるよう頼んだら、日本酒を水で割ったものを持ってきた
知らないものは間違えても仕方ないが、佐々木さんが驚いたのは、「僕、冷酒なんて飲まないから知りませんよ」とあっけらかんと言われたことだったという。
女優の永作博美さん(44)も、ゆとり世代について「自分から動かない若者は多いです。妙な堂々さがあって、少々気味の悪いことがあります」と感想を述べた。上の世代からすると、注意されても悪びれないところに違和感を抱くようだ。
フリーアナウンサーの吉川美代子さん(61)は、アナウンススクールでゆとり世代の生徒を教えたときのことを明かす。本を読むか聞いたところ、誰も読まず「字が多いの途中で諦めちゃって」と言われた。新聞を読む生徒もおらず、閉口したという。
さらに吉川さんは、ネットの情報を頼りにする最近の風潮を批判。口コミで人気の店に並ぶ若者を見ていると、「それ本当に美味しいと思ってるの?」と疑問に感じるのだという。
番組の打ち合わせの際に、吉川さんの略歴に内容に誤りがあったので指摘したら「ウィキペディアに書いてあった」と反論されたという。こうした若者を見ていると、「大変な局面のときに自分で判断できるのか」と感じるのだそうだ。

「全共闘が全国規模だったとかマジ異常」と反発

番組は1時間のほぼ全編を「ゆとり世代批判・嘲笑」に使っていたが、ネットではこれに反発する声が続出した。
    「『ゆとり世代』をひと括りに馬鹿と分類すんな
    「一部のゆとりを晒しあげてあたかも全員がそうみたいに見せてるようなないような……そしてそれを叩いて詰め込み世代の自分は凄いみたいな優越感に浸ってる感じ」
齋藤教授があげた特徴も、これまで「怒られるのが好き」「指示通りに動かず自分で動く」「プライベートをおろそかにしていた」とすれば、そちらの方が異常だと批判する人もいる。本や新聞以外に無料で読める媒体が新しく登場すれば、そちらに流れるのも当然だ。
ネットの情報を頼りにして「自分で判断できない」という吉川さんの主張に対しても、「今の若い世代よりも中高年の方がTVとかの話題でむっちゃ流されまくってた印象」と反論が出る。「全共闘が全国規模だったとかマジ異常」というのだ。
女性誌の「アンアン」が創刊されたのも1970年。ファッションなどに与える雑誌の影響はいま以上に大きく、横並びだったはず。今の世代の方が、多様で影響を受けにくい
ゆとり世代を批判して上の世代が溜飲を下げるような番組が作られるのは、テレビの主要視視聴者層が中高年であるということの証拠、という見方も。「ゆとり叩き番組放送しといて『若者のテレビ離れ』とか渾身のギャグですね」という書き込みも寄せられていた。

まあ経験値の少ない人間の失敗談などと言うものは考えてみれば当たり前のことであって、この種のお年寄り世代の方々に例えば「オフィスを使って明日までに資料作成してきてね」などとやらせてみるとどれだけ新業務に適応に時間がかかるかはゆとり世代の比ではないでしょうが、それではお年寄りと若年者の何が違うかと言えば自分が苦手なことを人にやらせる権威なり権力なりがあるかどうかだと言う考え方も出来そうですよね。
一方で先日の大阪都構想の是非に関する住民投票でも年代別に賛否がはっきり分かれたことが話題になっていて、反対が多数派を占めたのは70歳以上の高齢者世代だけであったにも関わらず総数では反対票が上回ったことから世代間闘争だとか、引退した老人が現役世代の将来を潰しただとか様々な見解があるようですが、とかくこの世代間の意見の差異と言うものがこのところ目立つ気はしますでしょうか。
その大きな理由として様々な判断の材料を提供する情報をどこから得ているかと言う入手経路の違いがありそうだと言う指摘は以前からあって、総務省の統計によれば現役世代のネット利用率がほぼ100%で横並びであるのに60代以上の世代では急激に利用率が低下し、70代以降では半分以上が今もネットなど使っていないと言う状況もあるようです。

既存マスメディアに対するネットの特徴として挙げられるのがリアルタイム性と双方向性であって、お年寄りの方々が昨日の情報しか乗っていない新聞を読んで何とか時代に追いつこうとしている間に若者は今この瞬間の情報を居ながらにして手に出来る、そしてそれをリアルタイムで議論し認識を深めていくことも出来ると言う点で、非常に有利な立場にいると言う考え方も出来ると思いますね。
ただそれを社会に対して表現していくことが出来るかどうかで、先の大阪都の選挙でも結局たくさんの票を握っているお年寄りの意見が通ってしまったと言うのは投票率や人口比率など様々な理由があるのでしょうが、しばしばネット上での議論を通じてなまじ先が見えてしまう結果「どうせ何をやっても結果は変わらない」と妙な諦観に達している部分もあるようには感じます。
この辺りは逆にひとたびネット経由で「世論」が動けば雪崩を打って実社会にも大きな影響が出てくると言う可能性もあるはずで、政治家の先生方などはネット票の取り込みにようやく本腰を入れるようになってきていますけれども、投票率がいいから、人口が多いからといつまでも現役を離れたお年寄りの声ばかりに耳を傾けていると、当然ながら若い世代との間に断絶を見ることにもなるかも知れませんよね。

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コメント

作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。
今回のテーマは、86歳の女性が親の年金を50年間不正受給し逮捕された事件について。

*  *  *

86歳の女性が50年前に亡くなった両親の年金を受け取り続け、逮捕された。たまたまつけたニュース番組で、
この「事件」はトップニュースとして報道され、女性の本名はもちろん、顔写真は出るわ、
住んでいる家の映像は流れるわ、近所の人が「ふつーの人でしたね」「余裕のある生活をしてましたね」なんて
コメントしてるわと、大騒ぎだった。

見ながら、口の中が渇き、手のひらがべとべとしてくる。86歳の女性だよ? こんな高齢の女性を、
あのような(経験者は語ります)環境に、どうしても置かねばならない力って、何? 
本人は「身に覚えがない」と否定しているそうだけど、そもそも逮捕する必要が本当にあったの?

私が去年の冬に逮捕された時、なぜこんな目にあうのか全くわからなかった。
人の身体を拘束するほどの暴力はない。その国家暴力を発動するには、それなりの根拠と理由が必要で、
「住所不定」「証拠隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」という条件がなければいけないと言われている。
それでも私は自分の逮捕の根拠を、警察から受けることはなかった。後から弁護士の先生に、私が海外旅行を
頻繁にしていることから「逃亡のおそれがある」という条件にあてはまっていたのではないかと、聞かされた。

今回警察は、「証拠隠滅のおそれ」があると考えて86歳女性を逮捕したのだろうが、
逮捕前に彼女と警察の間にどんな話し合いがあっただろうか。
突然の逮捕だとしたら、女性は、どれほど怖く、心細い思いをしたことだろう。

それにしても、逮捕される者へのメディアの扱いは本当にひどい。
彼女がこれからの人生を安心して生活する環境を根こそぎ奪うカメラに、躊躇(ちゅうちょ)はみえなかった。
彼女の家を覗き見するような報道は手慣れたもので、それがまるで報道の自由/権利とでもいうようであった。

私自身、逮捕を経験しなければ、このニュースを気に留めなかったかもしれない。
でも、絶対に間違いを認めない警察の強権、メディアの傲慢と怠慢を身体ごと知った上でこの逮捕を見ると、
あまりにも気分が悪くなり、そしてこの国を怖いと思った。

女性は両親の死亡届は役所に提出していた。ただ行政どうしの横のつながりがないため、年金機構にも
死亡届を出さなければいけなかった。うがった見方だが、今年10月から施行されるマイナンバー制、
いわゆる「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号」ができたら、きっとこんな“間違い”は
起きないのだろうね、と思う。

どんなズルも許さないシステムの確立よりも、私は多少の間違いがあっても、
86歳の女性を拘束することへの躊躇、一個人にカメラを向けることの暴力への嫌悪、
そんなことにセンシティブになる社会の方が生きやすいように思う。

管理される「物」のように私たちが息を潜めてしまう前に、私たちが取り戻さなくてはいけないのは、想像力だ。

※週刊朝日 2015年5月29日号
http://dot.asahi.com/wa/2015052000113.html

投稿: | 2015年5月23日 (土) 08時00分

年寄りって若いのには何言っても許されるって思ってるからな
好き放題暴言吐いといて介護はよろしくってどこの半島民族並みのあつかましさだよw

投稿: | 2015年5月23日 (土) 11時26分

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