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2015年5月15日 (金)

箱根噴火の恐れで意外な影響が

先日以来噴火の危険性が指摘されている箱根ですが、旅館などが開店休業だと嘆き節も聞こえる一方でこのところ妙な具合に観光客?が押し寄せてきている側面もあるようです。

蒸気噴出を見たい!…観光スポット化で待避所に駐車などマナー違反増加 「不謹慎かもしれないが、写真に撮りたい」(2015年5月10日産経新聞)

 神奈川県箱根町では10日も、温泉やハイキング、見頃を迎えたツツジを目当てに多くの観光客が訪れた。こうした中、立ち入り規制が続く大涌谷周辺の県道では、噴出する蒸気を眺められる地点で路上駐車する車やバイクが増加。ブレーキ故障車両などを停止させるための待避所付近に駐車するケースもあり、警察が移動を呼びかける事態になっている。

 一部で通行止めが続く県道734号の大涌谷三差路の手前約1キロの地点からは、立ち上る蒸気を眺めることができる。大涌谷の人気を象徴するように、カメラを構えた観光客が歓声を上げながら撮影していた。

 「蒸気を上げる火山を見るのは初めてです。不謹慎かもしれないけれど、火山活動が盛んな今だからこそ写真に撮っておきたいと思って…」

 三重県鈴鹿市から訪れた会社員の男性(39)はそう話す。数十メートル離れた道路脇には運転してきた自家用車がエンジンをかけたまま止められていた。車道の中央に立って撮影する観光客の姿も見られ、後続の車両は大きく避けながら運転していた。

 この場所は、箱根町が避難指示を発令している大涌谷の半径約300メートルからは離れており、周囲に民家はほとんどないが、観光客を乗せたタクシーや宿泊施設の送迎バスなど通行量は多い。近くの砂防ダムに上って撮影する観光客や待避所付近に駐車する車両もあり、マナー違反が目立つ

 この日は県警小田原署のミニパトカーが巡回し、路上駐車の車両に移動するよう呼びかけていた。同署によると、常に署員を配置する計画はないというが「マナー違反があっては楽しめない。観光客も地元住民も、安全に気持ち良く過ごせる環境にしなければいけない」と話している。

かつて瀬戸大橋が開通した際に高速道路であるにも関わらず橋梁上で路駐して記念撮影をしている人々が絶えず、始終パトカーが往来しては警告して回ったと言う伝説がありますけれども、災害時の通行妨害のリスクと言う点でも路上駐車等で道路を占拠することはやめていただきたいところですよね。
しかしこうした自然災害も観光地化してしまうと言うのもどうなのかですが、当然ながら危険性も相応にあるからこそ警戒もされ刑法も出ていると言う状況の中で出かけて行って、何かしら事故が起こったときに誰が責任を取るべきなのかと言うことを考えてみると、やはり後日になって「適切に規制をしなかったからだ」などと訴えられる可能性のある国や自治体は厳しめに警告を出すことにならざるを得ないのでしょう。
一方で人里離れた僻地であれば出かけて行くのは物好きで済むのかも知れませんが、現にそこで日常生活を営んでいる人がいて、しかも外部の人間がやってくることによって生活していると言う箱根のような観光地の場合、この予防的対応と言うものが時として死活問題ともなるようです。

箱根大涌谷 新聞テレビが報じない 地元民VS気象庁バトル(2015年5月13日女性自身)

マスコミはちょっと騒ぎすぎじゃないですか。おかげで観光客が減ってしまって、ゴールデンウイークじゃないみたいでした。この時期に箱根の道が渋滞しないなんて考えられません」
そう語るのは、箱根町宮城野で電器店を営む女性。先月26日から火山性地震が急増している箱根山の大湧谷周辺。気象庁は6日、噴火警戒レベルを平時の1から2に引き上げたが、観光シーズン真っ只中の箱根は大打撃を受けた。
気象庁としては、昨年63名の死者・行方不明者を出した御嶽山噴火のトラウマがある。当時、噴火前の警戒レベルは1のまま。噴火後レベルを3に上げたが、気象庁は「予測することは難しかった」と釈明。今回は早めにレベル2への引き上げに踏み切った

怒りが収まらないのは箱根町の強羅観光協会だ。強羅は大湧谷に近く、高級旅館やホテルが立ち並ぶ地区。気象庁が発表したことで客足は遠のいた
「強羅は地割れしているわけでもないし、今までに何度も山の膨張は確認されてきた。私たちにとっては当たり前のこと。古くからの住人は『地震でちょいちょい揺れているほうが、ガス抜きになって安心だ』と言うぐらい。しかも報道があまりに過剰。気象庁があたかも大変なことが起きたというような発表をして、キャンセルが相次いだ。風評被害と言っていい」(協会職員)

気象庁の早めの対応は、地元にとっては裏目に出た格好。しかも武蔵野学院大学の島村英紀特任教授(地震学)は、気象庁の対応に根拠がないと言う。
「気象庁は御嶽山の失態があるので、苦しい立場ですが、レベルを1から2に上げる理由は、火山学的にはまったく確証がないことだと断言できる。箱根にしろ、地下で起こっていることは何もわからないと思っていいです。箱根が最後に噴火したのは6千年も前。だから経験値もデータも何もないからわからない。噴火予知はできないのです」

失態を怖れる気象庁。年間2千万人の観光客を失いたくない地元。共に相容れない対立は続く。

ま、地下のことなど何もわかっておらず警戒レベルを引き上げる根拠も何もないと言うことは、低いレベルに留めていいと判断する根拠も何もないと言うことでもあるわけで、特にこうした場合は事前に警報を出すのが仕事である以上気象庁も出さざるを得ないだろうし、それを受けて後は各自で判断してくださいと言うのが公式の見解と言うことになるのだと思います。
この場合予防的に警報を出して後日「風評被害だ!」と訴えられるとすれば、その警報に根拠がなかったと言うことが証明出来なければならないんじゃないかと思うのですが、実際問題としてそうしたことが不可能である以上滅多なことで負けることはないだろうし、先の御嶽山噴火のように何もしないで後日国中からバッシングされることを考えればよほどに常識的な対応ですよね。
考えてみれば何十年も前からいずれ起こる起こると言われながら未だに起こらずにいる東海大地震など各地の大規模災害予測も下手をするとオオカミ少年呼ばわりされかねない話なんですが、やはり何も言わないまま何か起こってしまった場合の様々なリスクを考えると、十二分に事前準備をしておいていただき結局何もなくて済んでよかったねと言える方が、世間的にもよほど幸せだと言う理屈は判ります。

ただそうは言っても何でもかんでも警報を出しさえすればいい、注意を喚起しておけばそれで仕事は終わりでは何ら意味のないものと成り下がっている交通安全や防火の標語の類と同じで実効性が乏しすぎると言うものですが、こうした場合関係者の誰もがそれなりに納得のいくやり方を考えた場合に、やはり万一にも何かがあった場合にきちんと補償すると言う手はずを整えておくことが必要であるかと思います。
この辺りは人が集まる大規模イベントなどでも何かあったときに備える保険と言うものがかけられるように、別に世間での相場並みの高額ではなくとも取りあえず一時金的にまとまったお金を出せばまあ警報を無視して出かけていったのは自分の責任であるし仕方ないかと納得しやすいものがあると思いますが、特に一般の生命保険などは地震や噴火では支払い免責になっているだけに、実際問題お金が出て助かったと言うケースもあり得そうです。
地元の観光業界関係者も風評被害だ、ガス抜きになって安全だと言っているだけでは顧客が被る可能性のあるリスクを無視していると言われても仕方がないところで、座して顧客減少を見ているよりも当地区では万一の場合即座にこれこれの補償をいたしますとでも宣伝した方がよさそうにも思うのですが、それを「やはり危険だと言うことか」と受け取る人が多いか安心材料だと受け取る人が多いかはどちらなんでしょうね。

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コメント

鹿児島行けばいつでも見られるのにって禁句ですか?
東京から近いから行ってみようかって気になるんですかね。
変なガスでやられたりしないように気をつけないと。

投稿: ぽん太 | 2015年5月15日 (金) 08時38分

まぁ東京メディア(キー局でも)って、関東以外の他府県ではよくあるようなことでも、
関東でおこれば日本で初めて的な報道をすることがよくあります。
それだけレベルが低いってこと。

投稿: hisa | 2015年5月15日 (金) 09時02分

和歌山には大量のパンダがいて繁殖までしているのに、まるで日本には上野動物園以外にパンダなど存在しないかのように報道されると言うのもその系統の話なんでしょうね。

投稿: 管理人nobu | 2015年5月15日 (金) 12時38分

ボルケーノという火山噴火パニック映画がありますが
あれ火山学者が噴火を警告しているのに
観光業への影響を恐れた政治家が握り潰して大惨事という展開だったな

投稿: | 2015年5月18日 (月) 15時27分

>あれ火山学者が噴火を警告しているのに観光業への影響を恐れた政治家が握り潰して大惨事

パニック映画の「お約束」ですね。アレってやっぱ「ジョーズ」が元祖なんですかね?

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2015年5月18日 (月) 15時45分

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