« ドイツ航空機事故と個人情報保護 | トップページ | 群馬大病院、執刀医を責めていたはずが何故か世間から責められる »

2015年4月 2日 (木)

働く女性を応援するのも意外と難しい?

先日は女性向けファッション誌の記事が炎上していて、確かに理想の彼女像すなわち「プロ彼女」なるものとして内容がちょっとどうなのか?と言う気がするところなんですけれども、今のご時世ですから逆に炎上商法狙いであったのかだとか深読みもされているようで、これはこれで世間の注目を集めるには成功したようです。
それだけ深読みしたくなるほど表向きちょっとそれは時代錯誤なのでは?と思うような古い価値観の表出があからさまであったと言うことなんですが、こちら先日話題になっていたのが女性を応援すると言うテーマで作られたと言うCM動画で、これまた盛大に炎上しているようですね。

ルミネの動画は、女性を応援するつもりだった。しかし......(2015年3月20日ハフィントンポスト)

駅ビルを展開する「ルミネ」がYouTubeに投稿したCM動画をめぐって、Twitterで非難が巻き起こっている

働く女性たちを応援するスペシャルムービー」と題したこの動画では、主人公の女性に対し、職場の先輩とみられる男性社員がセクハラと取れる発言をし、最後に女性の映像とともに、「変わりたい? 変わらなきゃ」とキャッチコピーが綴られる

ネットでは、動画の中の男性の発言と、それを肯定するかのような表現に批判が集中している。
(略)

批判の内容は元記事の書き込みを参照いただくとして、すでにルミネ側では謝罪文を掲載し動画の削除に追い込まれていますけれども、一体何がどう言う判断の結果こんな珍妙な動画がCMとして意味を成すと考えられ公開されたのか?と言う点に興味が集まっているようで、各方面から様々な考察が提出されています(当のルミネ側は沈黙しているようですが)。
CMとして創作物としておもしろくない、むしろ不快だと言う部分を抜きにして考えてみると、敢えて現実の嫌悪すべき一側面を単純明快に示すことで「それでもこんな社会で生きていかなければならない」と言う女性への応援メッセージを発信しているのか?などとも考えてしまうのですが、それにしては収集の付け方が中途半端で、やはりシリーズ物として続編の中で何かしら意表を突く展開を用意していたのでしょうか。
最近はこうした職場の人間関係に非常に気を遣う時代で、多くの場合特定の人物に対する不快な言動は第三者から見ても不快であることが多いのですから気を遣っていただきたいのも当然なんですが、特に共働きが当たり前の時代になるほど女性に対する職場での対応は社会的にも重要な課題で、先日はこんな記事が出ていました。

妊娠・出産で差別 違法 育休後1年内 降格・退職強要(2015年3月31日東京新聞)

 妊娠や出産を理由に退職を迫られたりするマタニティーハラスメントをめぐり、厚生労働省は三十日、育児休業の終了などから原則一年以内に女性が不利益な取り扱いを受けた場合には、直ちに違法と判断することを決めた。企業が業務上必要だったと主張した場合には、説明責任を課す

 これまでは女性が不当に降格や配置転換をされても、企業から「本人の能力不足」などと反論され、泣き寝入りするケースがあった。

 最高裁は昨年十月、「妊娠による降格は男女雇用機会均等法が原則禁止しており、本人の同意がなければ違法」と初めて判断。これを受け厚労省は企業への指導を強化し、「抜け道」を防ぐことにした。同法の解釈をめぐる新たな考え方をまとめ、全国の労働局に通知した。各労働局は被害相談があれば、女性と企業の双方に事情を聴き、事実関係を調査。助言や指導、勧告を行う。

 新たな通知では、妊娠、出産、育休を一つの流れととらえ、妊娠期間中に加え、育休や短時間勤務が終わってから一年以内に不利益な取り扱いを受ければ違法とみなす。退職などを迫った企業が「業務上の必要性」といった事情があると主張した場合には、債務超過や赤字累積など経営に関するデータの提出を求める

 さらに本人の能力不足を主張した場合には、妊娠などの報告前に問題点を指摘し、適切な指導をしていたかどうかを確認。具体的な指導内容の記録の提出を求め、同じようなケースで他の従業員にどのように対応したか、なども調べる。

何やら微妙な内容の話にも見えるところで、下手をすると男性側から「逆差別だ!」と言う声も出てきそうなんですが、ちょうど男性にも産休をどんどん取らせましょうと言う政策目標が掲げられているところですから、本来的に男女を問わずやむを得ない休業等を理由として不利な扱いを受けるべきではないと言う考え方であるなら理解は出来るところでしょうか。
少しばかり話は変わりますが、公務員などは逆に全く仕事もしていない方々をいつまでも処分出来ないと言う問題がしばしば社会的バッシングを受けていて、何年も全く出勤せず給料だけを受け取って高級車を乗り回していると言った極端なケースも知られていますから、今やかつてのバブルの頃とは逆に公務員天国などと言われるのも時代の変化ではあるのでしょうね。
そうした特権を忌避する世相からすると平等な扱いと言うものは歓迎すべきものであるとも言えそうですが、ただ社会的政策的にこれだけ少子化対策が言われている以上差別はいけないで終わらせると言うのも中途半端な話であって、むしろ妊婦や子供持ちの方々を雇用するほど何かしらメリットがあると言う方向にインセンティブを用意していく方が結局早道なのかも知れません。
妊娠、出産という生物学的な転機が就業に大きな影響を及ぼすことは当然で、それでは以前ほど仕事が出来ないから首を切って新しい人間を雇った方が得だと言う考え方の方が過去10数年の間は主導的だったのも事実なんですが、このところ全国的に労働者不足が深刻化してきているのだそうで、長期的な労働人口の減少傾向を考えても企業の雇用意識に変化は必要になってくるのかなと言う気もしますがどうでしょうね?

|

« ドイツ航空機事故と個人情報保護 | トップページ | 群馬大病院、執刀医を責めていたはずが何故か世間から責められる »

心と体」カテゴリの記事

コメント

「各方面から様々な考察」の記事部分で思ったのが、
これが広告業界の常識感覚なんだろうなですね。
女性社員が髪を巻こうが、これに気がついて言葉にする男性社員なんて
どれだけいるんだろう。
ごく一部のチャラ男(まだ使えるよな?)ぐらいだろうって思うが。
まあ、普段ズボンしかはかない子がスカート履いてきた時ぐらいじゃない?
それより、「なんか顔が疲れてんな残業?」っていうのもセクハラに近いらしい。

男性にとっては全く理解できないことが多すぎるので、女性がいると能率が下がる
ケースも多々ある。だから職場には女性はあまりいて欲しくない。

投稿: | 2015年4月 2日 (木) 09時13分

単純に女性向けのCMは女性に作らせてみたら?って気がします。
それで男にはない発想のCMができたらおもしろそうだし。
でも特定のターゲットに絞ったCMってクレームはいるんだろうなあ。

投稿: ぽん太 | 2015年4月 2日 (木) 09時41分

と言いますか、こうして炎上するケースでも特定の顧客層に対してはまさにツボと言うことがあり得たのだろうし、先日のホクトのコマーシャルなどは主婦向けとして受け取れば単にお下劣ですがおもしろいですよね。
それが問題視されたのは表向きのターゲットと実際のターゲットが一致していなかったからだとしても、企業としては表向きはどうあれ最終的な売り上げに結びつくのであれば問題ないと言う解釈もあるのでしょう。
コマーシャルの効果として考えると誰にとっても毒にならないような内容はまあおもしろみもないものがほとんどなので、それならターゲットを絞って敢えて毒を含ませた方が印象に残ることはありそうですけれどもね。
現実的に有職者の過半数は男なので、一見女性をターゲットにしながら女の同僚を男はこう感じてると言う内容で世の注目を集め、実は男性陣の共感を得ようと言うやり方を意図しているのかどうかです。

投稿: 管理人nobu | 2015年4月 2日 (木) 11時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/61368898

この記事へのトラックバック一覧です: 働く女性を応援するのも意外と難しい?:

« ドイツ航空機事故と個人情報保護 | トップページ | 群馬大病院、執刀医を責めていたはずが何故か世間から責められる »