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2015年4月20日 (月)

事故はいつでもあなたの背後に迫っている

先日久しぶりに車を買ったのですが、メーカー純正オプションでドライブレコーダーと言うものが結構大きな扱いで取り上げられているのに「近ごろのドライバーはそんなに事故の危険性を身近に感じているのか」と少し驚いたのですけれども、実は最近本来的な用途の想定とは別な目的でこのドラレコ人気が高まっているそうで、こんなサイトまで登場しています。

ドライブレコーダー、何が撮れたか見せて?--ユピテルが動画共有サイト「ユピドラ」公開(2015年3月13日えん乗り編集部)

ドライブレコーダーに特化した動画投稿サイト「ユピドラ」が公開された。カー用品大手のユピテルが運営する。安全運転に関する情報共有を促すだけでなく、変な動画、面白い動画も募集している。

ユピテルの会員製インターネットサービス「My Yupiteru」に登録、ログインすると、同社製ドライブレコーダーの録画を投稿できるようになる。録画は「景色」「交通マナー」「ヒヤリハット」などに分類して公開でき、撮影に使った機種の情報も表示できる。

公開した録画にはそれぞれ「驚」「危」「笑」「癒」「美」「凄」の6つのボタンがついている。閲覧した人はそのとき抱いた気持ちに応じて好きなものを押せばよい。またドライブレコーダーの購入を検討している場合は、製品による画質の違いなどを確認して参考にしてもよい。
(略)

このドラレコ人気なるもの、事故時のドラレコ映像がたびたびテレビ放映されるようになってきた頃から目立ってきたのだそうで、かつての業務車輛専用の感があった時代から一般車両に普及が進んだ結果大変な勢いで市場が伸びているのだそうですが、確かに何でもスマホで撮影して動画投稿する感覚の延長線上でドラレコ画像を投稿しても違和感はありませんよね。
もちろん本来的な意味での事故時の証拠保全と言う意味でも非常に有用な装備であることは言うまでもないのですが、興味深いのはドラレコ導入に対して補助金を出しているトラック協会の調査によると、大多数の事業所がドラレコ導入によって「運転者の安全意識が高まった」「安全運転指導に活用できた」と評価していると言い、実際に事故件数が減ったとも報告されているそうです。
技術的には成熟し安価で優れた性能を持つ製品が一般に普及してきていて、半分ネタのつもりでつけておいてもまあ損はないのかなと言うくらいの感じにはなってきていると思いますけれども、本来的な事故時の証拠と言う点でこの種の機械がどの程度必要なものなのかと言うことを考えさせる上で、先日福井地裁で非常に興味深い判決が出たと話題になっているようです。

「もらい事故」でも賠償義務負う 福井地裁判決、無過失の証明ない(2015年4月17日福井新聞)

 車同士が衝突し、センターラインをはみ出した側の助手席の男性が死亡した事故について、直進してきた対向車側にも責任があるとして、遺族が対向車側を相手に損害賠償を求めた訴訟の判決言い渡しが13日、福井地裁であった。原島麻由裁判官は「対向車側に過失がないともあるとも認められない」とした上で、無過失が証明されなければ賠償責任があると定める自動車損害賠償保障法(自賠法)に基づき「賠償する義務を負う」と認定。対向車側に4000万円余りの損害賠償を命じた

 遺族側の弁護士によると、同様の事故で直進対向車の責任を認めたのは全国で初めてという。

 死亡した男性は自身が所有する車の助手席に乗り、他人に運転させていた。車の任意保険は、家族以外の運転者を補償しない契約だったため、遺族への損害賠償がされない状態だった。対向車側は一方的に衝突された事故で、責任はないと主張していた。

 自賠法は、運転者が自動車の運行によって他人の生命、身体を害したときは、損害賠償するよう定めているが、責任がない場合を「注意を怠らなかったこと、第三者の故意、過失、自動車の欠陥があったことを証明したとき」と規定。判決では、対向車側が無過失と証明できなかったことから賠償責任を認めた。

 判決によると事故は2012年4月、あわら市の国道8号で発生。死亡した男性が所有する車を運転していた大学生が、居眠りで運転操作を誤り、センターラインを越え対向車に衝突した。

 判決では「対向車の運転手が、どの時点でセンターラインを越えた車を発見できたか認定できず、過失があったと認められない」とした一方、「仮に早い段階で相手の車の動向を発見していれば、クラクションを鳴らすなどでき、前方不注視の過失がなかったはいえない」と、過失が全くないとの証明ができないとした。

「もらい事故」でも賠償責任負う訳 無過失証明できなければ責任あり(2015年4月19日福井新聞)

(略)
 一般的な感覚では責任の配分が一方的となりそうな事故。はみ出した車は家族以外が運転していたため任意保険が使えず、この車に乗り死亡した男性の遺族補償が困難視されたケースだった。判決は遺族を救済する形となった。

 原告側の代理人を務めた宮本健治弁護士によると、自賠法では「人身事故が起これば、自動車同士なら互いに共同不法行為となる。少しでも過失があるとなれば賠償責任が生じる」という。一見、「もらい事故」という形でも、無過失の証明ができなければ責任があるというわけだ。

 一般的に責任の配分が「10対0」といわれる事故もあるが、「10」ならすべての責任を負うというイメージだった。“常識”を覆す判決といえる。

 自分に過失がなくても、相手が任意保険に加入しておらず、十分な補償がしてもらえない場合がある。今回の判決のほか、他者運転危険担保特約や人身傷害保険など、さまざまなケースを救済できる仕組みがあることを知らない人も多いという。宮本弁護士は「なんとかなる場合が大変多い。諦めず検討してほしい」と話していた。

不幸にしてお亡くなりになった方のご冥福をお祈りするしかないのですが、しかし強制保険の自賠責で何とか出来ないものなのか?と思ったのですが、あちらでは過失10割となると保険金は支払われないのだと言い、車輛としては加害側だが個人としては被害側である助手席同乗者の扱いがどうなるのかも気になるところです。
さて、注目すべきなのはこの悲惨な事故、保険契約の関係で任意保険が使えず死亡遺族への補償が難しいと考えられたケースであると言うことで、どうせ保険からお金が出るのだから弱者救済的に出せばいいじゃないかと言う感覚もあるのかも知れませんが、民事とは言えこうして責任を認定されれば運転手の感覚的にも保険料負担でも全く違ってくる話ですよね。
そしてもう一点、裁判官は事実関係を明確にこうだと断言しているわけではないと言う点で、過失があったと言う証明もなければ過失がなかったと言う証明もない、しかし法的に過失がなかったと証明されない以上は賠償責任があるのだと言うロジックで判決を出している点で、おそらく車は必ず保険に加入していると言う前提で定められているルールなのでしょうが、素直に読めばかなり無茶苦茶な話にも聞こえます。
地図で見ますと片側一車線で住宅の間を抜けていく地方国道で、そもそも対向車のはみ出しに気づいたとしても回避出来たのか?と言う疑問は残る状況に思えますが、普通に考えていわゆる10対0の責任配分で全くおかしくなさそうなのに巨額賠償金を命じられると言うのは、今後保険会社の側からも何かしらのアクションが出てくるものかも知れません。

こうした弱者救済的考え方で最近注目されているのが例の自転車の車道走行義務化の話で、これももともと車社会になり自転車と並走するのは危ないと昭和45年に道交法を改正していたものを、歩行者と自転車との事故が問題になってきたとして再び元々の車道通行に戻した結果、当然ながら今度は全国各地で車との間で重大事故が相次いで発生すると言う状況になってきています。
ただこうした素人目にも速度差があり過ぎて危険に思えるルール変更がなされたのも、仮に事故が起こったとしても車が絡んだものであれば必ず保険でお金が出るが、歩行者と自転車の事故ではそうはいかないと言う判断があったと言いますし、実際全国各地で近年自転車事故に絡んだ数千万円以上の巨額賠償金判決が相次ぎ、とても払えるものではないと自己破産に追い込まれるケースもあるようです。
自転車事故の場合子供が加害者となっているケースも非常に目立ち、この辺りは先日の小学生の蹴ったサッカーボールが校庭から外に飛び出して老人が事故にあった事件にもあるように、そもそも子供の起こした事故による賠償責任を親がどこまで負うべきなのか?と言う議論ともつながってくる話なのですが、いずれにせよ裁判で揉める根本原因として被害者救済、弱者救済と言う考え方があるのは確かに思えます。
どのような状況であれ何かしらの被害者が出れば誰かがそれを償わなければならないし、その責任が絶対にないと言う証拠がない以上は責任を取らされても仕方がないと言う司法判断が確定すれば、一般市民も今以上に日常生活の全てにおいて自己防衛に走らなければならないと言う話なんですが、しかし今回の件は任意保険の契約内容のあり方も問われるべきケースではないかと言う気もするのですけれどもね。

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コメント

田舎地裁らしい無茶苦茶な判決としか
高裁でひっくり返るんだろうなこれ

投稿: | 2015年4月20日 (月) 07時53分

こういう場合点数引かれたりもするんですかね?
民事と行政処分はまた別って気もしますけどどうなんだろ?

投稿: ぽん太 | 2015年4月20日 (月) 08時27分

原発を人格権で稼働停止にしたり、福井ってこんな土地柄なんですか?

投稿: 麻酔フリーター | 2015年4月20日 (月) 09時39分

任意保険が家族限定かなんかで保証されないのがかわいそうだから?
どうしようもない裁判官。

裁判官の質がここまで落ちてしまったのか、今はネットですぐ流れるので
多発しているように見えるのか、どっちだろうか。

これって、もし賠償しなくてはいけなくなったとしたら、
無過失じゃない=過失としないと保険は出せないでしょうから、
人身事故にしないといけないんですよね。
となると、対向車の人は軽くて免許取り消し、さらにたぶん廃車になって
無保険車なので保証もないという、地獄の判定。

投稿: hisa | 2015年4月20日 (月) 09時51分

行政処分に関しては人身事故の場合健康被害の大きさと相手方の処罰感情によって左右されるのだそうですが、こうした無理筋にも見える損害賠償請求を起こしている時点で処罰感情の程度が気になるところです。
ネットでは裁判官の過去の判決を探し出してあれやこれやと言われているようなんですが、ただ記事から見る限り法律の文言をそのまま読めばこうした解釈も出来そうではあるのですね。
むしろこうした誰が悪いとも言い切れない事故の場合どのような救済措置が望まれるのか、あるいは任意保険の契約条件のあり方等も含めて議論が拡大していくことが望まれるかと思います。

投稿: 管理人nobu | 2015年4月20日 (月) 13時41分

大岡裁きって
現代ではウケないんだ

投稿: | 2015年4月21日 (火) 12時48分

ロードバイクを乗っている人の頭に付けられたウェアラブルカメラが捉えた事故の動画が話題になっている。
ロードバイクが車道を走っていると、後ろから追い越してきた車が幅寄せしてきてロードバイクは転倒。ロードバイクに乗っていた人は
何事も無かったようだが、この動画を観た人がどちらが悪いかで議論になっている。その議論の一部を抜粋。

・どう見ても車が悪いでしょ・・・
・道交法的には100%車が悪いけど、死んだら賠償金取れても意味ないからねえ。
・どっちが悪いかっつったら車が悪い感じするな
・ん?これチャリ側が少しブレーキかければ避けれたんじゃないの??
・自動車側が少しブレーキかければ避けられたと思います。

・車のほうが悪いのは一目瞭然だけれども、釈然としないものが残りますな。避けられる事故に見えるんで。
・譲り合いの心などお互い譲り合えばこの事故は防げたのでは

という意見になっている。動画を観て貰えばわかるが、確かにどちらかが減速すればこのような事故は起きなかったかもしれない。まさに譲り合いである。

http://gogotsu.com/archives/6688
https://www.youtube.com/watch?v=ik1xoZHwyqM

投稿: | 2015年4月21日 (火) 23時01分

影から判断する限り自転車は道路端を定速で真っ直ぐ走行していただけのようですので、この両者の間で考える限りこれでどちらが悪い?と言う議論になる状況の方が興味深く思われます。

投稿: 管理人nobu | 2015年4月22日 (水) 13時06分

ことし2月、佐賀市の国道を無免許で飲酒運転し、男性をはねたあとそのまま走り去って
死亡させたとして、ひき逃げなどの罪に問われた27歳の男に対し、佐賀地方裁判所は
「刑事処分をおそれて現場から逃走するなど
刑事責任を軽く見ることはできないが、いまは反省している」
として、執行猶予のついた懲役1年6か月の有罪判決を言い渡しました。

小城市牛津町の無職藤一貴被告(27)はことし2月14日の午前3時半ごろ、
佐賀市西魚町の国道207号線を無免許で飲酒運転し、47歳の会社員の男性をはねたあと、
そのまま走り去って死亡させたとして、ひき逃げなどの罪に問われました。

20日の判決で、佐賀地方裁判所の中里敦裁判官は
「常習的に無免許運転を繰り返し、飲酒したことも見つからないだろうと安易に考え、
車を運転したことに、酌量の余地はない。
事故の相手が重大なけがをしている可能性があると分かりながら、刑事処分をおそれて
現場から逃走するなど刑事責任を軽くみることはできない」
と指摘しました。

その上で中里裁判官は
「いまは反省の態度を示している」として、
藤被告に懲役1年6か月、執行猶予3年を言い渡しました。

04月20日 18時36分

投稿: | 2015年4月22日 (水) 22時52分

「判決の結論が『理不尽』かどうかは具体的な事実にあたらなければ判断できませんが、裁判のルール上、このような一見理不尽とも思えるような結論が出ることはあります」
では、今回の判決は、なぜこのような結論になったのだろうか。
「今回の判決は、自動車損害賠償保障法(自賠法)3条を根拠にしています。
自動車は、便利で日常生活に欠かせない交通手段である一方、1トンを超える鉄の塊が時速50キロも60キロも出して移動する乗り物ですから、危険なものです。いったん事故が起きれば、人の生命と身体に重大な危害を及ぼします。
自賠法は、このような自動車の性格を考慮し、危険な乗り物を所有する者、自動車の運行によって利益を得る者に、重い注意義務を課しています」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150426-00003019-bengocom-soci

投稿: | 2015年4月27日 (月) 06時24分

弁護士.宮本健治は、「相手方を虚偽の事由で提訴したり侮辱したりすることは、正当な弁護士業務だ」と言っているようです。
虚偽事由で提訴することは当然違法であり再審事由となる。かつ、弁護士には真実義務があるのですから完全に違法ですね。
福井地裁でもらい事故の不思議な判決が下されたようですが、弁護士.宮本健治は社会正義をどの様に考えているのでしょうか?

投稿: N0 | 2015年6月25日 (木) 10時05分

弁護士は虚偽事由で提訴する!
実態は以下のとおり酷い。
 虚偽事由で提訴(訴訟詐欺)することは正当な弁護士業務だと主張する黛千恵子(坪田)・坪田康男・八木宏らは、詐欺罪で告発受理(2014~2015)されていたようですが福井弁護士会は、反省も謝罪もせずに知らぬ振りして何らかの処置もしていないようです。
 それどころか、福井弁護士会は、「虚偽事由で提訴することは正当な弁護士業務だ」と議決して擁護(教唆・幇助)し続けているらしいです。
 被害者は、更なる侮辱や訴訟詐欺にあう事を恐れ恐怖の日々を過ごしているみたいです。
 権力を有した組織的な犯罪が放置される中で正義など通用するはずもなく、おそらくは一人ひとりと食い物にされることになるのでしょう。
人権擁護や正義などは眼中に無いようです。

投稿: | 2016年3月 4日 (金) 22時20分

裁判官樋口英明らは、 「虚偽事由で提訴すること(訴訟詐欺)は正当だ」などと主張し実践する福井弁護士会らを相手の訴訟に対して、 「裁判では虚偽は到底許される」 などと被害者に判決言い渡したらしいです。
司法に正義などありません。

投稿: | 2016年4月16日 (土) 11時15分

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