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2015年4月14日 (火)

ペットボトルのキャップ回収が注目されている件

各方面で社会貢献活動の呼びかけが行われている中で、廃品や不要物の回収的業務に関してはリサイクルやエコの点からも協力しやすいと言う大きな利点がありますが、先日ペットボトルのキャップ回収に関してこんなゴシップが飛び出したと話題になっています。

「ワクチンを」で回収されたキャップ、実は…(2015年04月11日読売新聞)

 ペットボトルキャップのリサイクルを通じて、途上国の子供向けにワクチン代を寄付する運動を展開してきたNPO法人「エコキャップ推進協会(エコ推)」(横浜市)が2013年9月以降、ワクチン代の寄付を中断していることがわかった。

 エコ推は10日、横浜市内で記者会見を開き、「障害者支援事業に収益金を使用した。ワクチン代になると思って提供された人には申し訳ない」と謝罪した。

 エコ推は07年8月に設立。「キャップを集めて世界の子どもたちにワクチンを」と掲げて全国にキャップ回収を呼びかけ、リサイクル業者への売却益の一部を途上国にワクチンを届ける活動をする東京都内のNPO法人に寄付してきた。

 記者会見でエコ推の矢部信司理事長は「ワクチン代の寄付以外に、障害者自立支援や途上国の貧困救済支援などの事業もしており、障害者支援を優先した。今年度は、途上国で直接活動する国際医療支援団体などにワクチン代を寄付したい。今後はホームページなどで丁寧に説明していく」としたうえで、寄付を中断した期間については、「障害者の雇用創出のため、キャップの計量、分別作業などを行う施設の整備に収益金を活用した」と釈明した。


ワクチン代に寄付されず=「エコキャップ」売却益―協会側が釈明会見・横浜(2015年4月10日時事通信)

 ペットボトルのキャップをリサイクルし、利益を途上国のワクチン代として寄付する「エコキャップ運動」を展開しているNPO法人「エコキャップ推進協会」(本部横浜市)が2013年9月以降、寄付金を出していないことが10日、分かった。その後もキャップ回収を続け、替えたワクチンの本数を記載した「受領書」を発行していた。

 協会は2007年設立で、08年にNPO法人となった。これまで122億個以上を集め、売却益から一定額を、途上国にポリオなどのワクチンを送っている認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを日本委員会」(JCV、本部東京)に毎年寄付。13年の寄付金額は3500万円だった。
 しかし、同年9月以降は寄付がストップ。協会の事業報告書では売却益が9000万円あったが、使途などの説明がないとして、JCVが昨年末、文書で説明を求めていた

 協会の矢部信司理事長は10日、横浜市内で記者会見し、「キャップの分別作業など障害者雇用創出の取り組みなどに金が必要で、説明が不十分だった」と陳謝。今後はワクチン支援を再開し、ホームページで詳しい使途を公表するとした。 

ここでは寄付金を受け取る側であるJCVの側が、何故かスポンサーであるはずのエコ推側に対してその事業内容の説明を求めていると言う、一見するとずいぶんと不思議にも思える事態に至っている点に留意ください。
なんでもこのエコ推なるもの、07年に設立されて以来全国の学校や自治体に手を広げていった結果、これまでに8万5千以上の個人・団体から122億個以上のキャップを集めてきたといい、12年、13年にはそれぞれ3000万円前後をワクチンのために寄付をしてきたとアナウンスしていたと言います。
別に障害者にお金を払うから寄付が出来ませんでしたと言うならそれはそれでいいと思う人もいるのかもですが、実際には寄付などしていないにも関わらずワクチンの本数まで記載した受領証を出していたと言うのですから詐欺紛いの話で、この活動に協力してきた芸能人などからも非難の声が出ていると言うのも当然と言えば当然ですよね。
そもそもペットボトルの蓋もたくさん集めれば結構な金になるんだなと驚いた人もいるかも知れませんが、実はこのキャップ回収活動に関しては各方面の協力を元に成立していると言う側面があって、その結果タダ同然で集めたキャップが相場を考えても非常に安価に業者に転売されていると言う声もあるようです。

横浜のココがキニナル!(2012年7月25日はまれぽ)

(略)
ペットボトルの回収が始まった時、キャップは“燃やすごみ”だった。横浜市でプラスチック製容器包装の回収が始まるか始まらないかの2005(平成17)年の春、神奈川の高校生の「ペットボトルはリサイクルされるのに、キャップを捨てるのはもったいない」という発想に、永田さんが参画して回収を始動。

障害者福祉のNPOで知り合ったという建設会社が「キャップを1kgあたり15円で買い取りますよ」と申し出た。焼却すればCO₂を発生させるだけだが、建築資材にリサイクルすると原料になるという。
今、集められたキャップはこういった国内のリサイクル事業者に引き取られ、粉砕しプラスチック原料のペレットにした後、再資源化事業者に納入されているのだ。

キャップを集める運動はあっという間に広まり、売って貯まった膨大なお金をどうしよう?と思っているところへ、テレホンカードや書き損じのはがきでワクチンを購入している「NPO世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)」を知り、15円/kg(正確には15.8円/kg)のうち10円を寄付することにした。これが活動の経緯だ。残り5.8円/kgは純益となってエコキャップ推進協会自体の活動支援金に回される。

ワクチン代の10倍かかる送料への批判

エコキャップ運動のためにキャップを集めている家庭では、通常どこかの施設の回収容器に入れに行くことが多いと思う。

キャップの回収容器、これは有償で運動の協賛者が買う。そして集まったキャップを送るのも自己負担だ。納入先(全国のリサイクル事業者)のラベルが貼ってある袋(約2400個・約6kgのキャップを収納・送料込み500円)を買う仕組みである。
協賛の企業や自治体・個人は全国で約65,000件。横浜市立小学校344校のうち254校が参加している。

行政でもプラスチック製容器包装として回収しているのに、別の物流でCO₂を排出することが環境破壊になるという指摘もある。が、協会が全国に個別のトラックを走らせているわけではなく、低価格の送料で大手運送会社が協力をしているようだ。

「それでも、120円のワクチン代のために1,000円の送料がかかるのは事実。それならワクチン代1,000円を直接ユニセフや赤十字に納めればいいという批判はありますよ」。永田さんもそれは承知のようだ。
「でもそれは価値観の問題と思いますね」と永田さん。ワクチンがないが為に命を落とす子どものために、誰もが1,000円2,000円をポンと出せている現実はあるのか、ということだ。
(略)
ところで、キニナル投稿にもあった買取り価格が安過ぎるという点。エコキャップ運動の側からすれば15.8円/kgという“売値”は安過ぎるのだろうか。

それには、2種の廃プラスチックがたどる真逆の道を知る必要がある。(日本容器包装リサイクル協会談)
① ペットボトル
回収し売ることで、自治体の収入になる。(平成23年度の価格は50円/kg
単品なので資源価値が非常に高い。リサイクル事業者にとっては「お金を払ってでも買いたい」対象。
② プラスチック製容器包装
自治体の税金を使ってリサイクルされる。50円/kgの出費となる
中間処理施設で混入異物の除去・選別を行なった後、リサイクル事業者へ

エコキャップ運動を利用しなかった場合、ペットボトルのキャップは②で処理される。ところが、品質としては、大手自動車メーカーの車両バンパーに再利用されるほどクオリティが高いという。②で処理されてしまうところを、15.8円/kgを払ってでも入手できれば、リサイクル事業者にとっては非常におトクということだ。

永田さんも「リサイクル事業者が15.8円/kgで仕入れたあと、粉砕したチップやペレットにした物を100円/kgで売っているかもしれない。そこはわかりませんよ」と語る。
提携のリサイクル事業者だけに膨大な利益をもたらし過ぎではないか、その価格は“適正”と言えるのか、指摘されるところだろう。これに対し永田さんは「提携している事業者の数は把握しきれないほど多く、理事が参加を斡旋することはない」と述べる。
(略)

要するに各方面でいわば自腹を切ってキャップ回収に協力している、そしてその結果単なる廃材から資源として売れるものとして回収されるルートが成立しているのですからありがたい話ですが、それだけの協力を得てきちんと分別したのであればもう少し高く売れるんじゃないかと言う疑問も出てくると言うことですよね。
この辺りは実際の相場がどれくらいなのかと言うことは何とも言えませんが、基本的にはたくさんの売り上げを出してその分ワクチンの寄付を増やした方が活動の目的にかなうはずですから、規模の小さかった初期はともかく多数の取引先があると言う現段階で過度に安価に転売する意味はなさそうには思いますがどうなんでしょうか。
さらに言えば初期には15円で売ってそのうち10円を寄付していたとしても、今現在の価格がそのまま続いているかどうかは何とも言えないのですが、仮に高く売れたとなった場合に寄付金の方も連動して上がっていくのかどうかも気になるところです。
ともかくネット上では総収入に対する寄付金額が約50%程度であることから、たびたび話題に上る日本ユニセフなどと比較しても中抜きし過ぎだ、不当に儲けているんじゃないかと言う批判も根強いようなのですが、一方でその中抜き分が事実障害者雇用の原資として還元されていると言うのであればこれはこれで社会貢献の一つの形ではあるかも知れません。

その意味で活動の趣旨に関する説明が不十分だった、事後の説明も言葉足らずであったと言う批判がまず成立するところなんですが、それ以前の問題として今回の件をきっかけにキャップを回収し換金しているエコ推と、そこから寄付を受け実際にワクチンを扱っているJCVとにトラブルが発生していることが明らかになっています。
これも当事者の言によれば毎年幾らの寄付をすると念書を書くよう求められた、寄付とは強制されるものではないだろうと言うエコ推側の言い分と、そんなことは言っていないと言うJCVの水掛け論ですが、今後はJCVと手を切り他所に寄付しますと言うからには現段階でもお金はあるのに寄付をしていなかったのだと認めたようなものですよね。
エコ推側の肩を持つわけでもありませんが、冒頭の記事の経緯を見る限り少なくともJCV側が一定の寄付金を出さなくなったエコ推側に不満を抱いていることは事実であるようで、このあたりはJCVと言う組織のあり方に関してももう少し知っておくべきところはあるのかも知れません。
一方で寄付をしないで貯め込んだお金はどこに言ったのか、今後どこに寄付をするにせよ今までプールしてあった分も一緒に出すのかが気になるところですが、さすがにこうまで表向きの説明と内部事情の食い違いが明らかになってきますと、今後は回収活動自体にもどこか胡散臭さを感じずにはいられないでしょうか。

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コメント

専用の回収容器を全国の皆様に買っていただきました
専用の郵送袋も全国の皆様に買っていただきました
職員の待遇改善も進めて支出が増えました
残ったお金は障害者のために使いました(ちなみに障害者支援事業には補助金が出る)
だからワクチン代の寄付は出来ませんでした

これで納得できる人間だけが協力したらいいんじゃない

矢部信司理事長は、10日、記者会見し、
エコ推が13年度(13年9月~14年8月)、ワクチン代に1円も寄付していないことを認めた。そのうえで、
ふたの売却益など約9千万円の寄付収入があったが、
分別を障害者に協力してもらう「障害者支援事業」を強化して1900万円を使ったと説明。
さらにスタッフ13人の人件費に3900万円、
事務所家賃や旅費などの管理費に3200万円を充てたという。
「私服を肥やしたわけではない。ただし、(ワクチン以外に使ったことを)報告しなかったのは我々に非がある」と話した。

13年度(13年9月~14年8月)収入 9000万円
----------------------------------------
 1900万円→障害者支援事業(キャップの分別作業など障害者雇用創出)
 3900万円→人件費(スタッフ13人)
 3200万円→事務所家賃や旅費などの管理費
 0円→ワクチン代

投稿: | 2015年4月14日 (火) 07時51分

詐欺と言われたくないのであれば、これまで受領書に記載したワクチンの本数分の金額を寄付しなければならないでしょう。
受領書は単に金額だけ書いておけば、後始末がまだ楽だったように思われます。

ちなみに私が関与する学校も一時期これを集めていましたが、空き缶やペットボトル全体を集めるよう変更させました。

投稿: クマ | 2015年4月14日 (火) 08時16分

>「でもそれは価値観の問題と思いますね」と永田さん。ワクチンがないが為に命を落とす子どものために、
誰もが1,000円2,000円をポンと出せている現実はあるのか

とはいっても、回収容器、送料を負担しないとけないんですよね?
学校や職場単位なら、10円20円(昔の赤い羽募金のように)大勢の人が参加すればいいこと。
詐欺まがいですよね。

エコキャップ運動を信じて参加している人の頭を疑いますが、
清掃局にいた連れの話ですが、燃えるゴミの焼却時に温度を上げるために、
プラスチックも結構投入して同時焼却させるんです。
そうしないと、補助燃料(重油等)を追加投入が必要となります。
お金を出してリサイクルし、さらに別に燃料代(石油の浪費)も嵩む。
その費用はバカにならないそうです。

クリーンセンターとかでは、表向きには「500度以上になれば自然発火し燃え続けるので
重油を入れるとかはありません」とか言い切っているところも多いみたいですが、
最新の炉は判りませんが、多くの場合は上記の通りです。

投稿: hisa | 2015年4月14日 (火) 09時22分

これ見たらJCVなる組織も何様?って感じ

NPO法人エコキャップ推進協会に対する内容証明郵便での通知について
http://www.jcv-jp.org/news/2014/1224

投稿: | 2015年4月14日 (火) 09時50分

寄付の類は一切しない事にしているオレ様またしても大勝利w

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2015年4月14日 (火) 10時20分

高校野球で、地元高校が甲子園出場が決まったので募金、寄付お願いしますと結構な金をむしられました。
そこに大阪桐蔭の騒ぎ。
集まった募金は甲子園出場の遠征費用の他、物凄く立派な室内練習場などがバンバン建てられて。

募金の内訳、収支は発表されない物なの?と何気なく聞いたら、募金寄付とはそういうものだ、
嫌なら最初から寄付なんかするな!と逆切れ?されました。

寄付とか募金とかボランティアとか、ほとんどが搾取と言う事なんでしょうね。

投稿: | 2015年4月14日 (火) 10時43分

寄付利権と言いますか、やはり人間に仕事をさせる必要がある以上は相応の対価も支払うべきなのは当然なんですが、一方で寄付を募る以上は普通以上に透明性確保への努力は必要だと思います。
管理人のところにも母校等からの寄付依頼の類がよく来るのですが、相手の顔を知っていて出したお金は何に使われても文句はないと言う関係でないと一切応じていません。
ただ寄付という行為自体にはお金を出した側にも満足感なり相応の見返りはあると考えると、仮に詐欺的性質の濃厚なものであっても最後まで騙され続けて幸せなのであればそれはそれで個人の自由なのかなとも思います。
まあ最低限自分のお金で世の中のどこかに何かしらの影響が出る以上、昨今話題のテロ等も含めて反社会的活動などに流用されていないかどうかくらいはチェックしておいた方がいいとは思いますけれどもね。

投稿: 管理人nobu | 2015年4月14日 (火) 11時56分

http://ecocap.or.jp/Q_A.html

Q12. キャップの売上よりも、輸送費の方が多くなる場合は、リサイクルをするより、輸送費をワクチン代として寄付した方が良いと思いますが?
A12. 当活動の目的は、ワクチン代を寄付することではなく、キャップのリサイクル活動に参加することによって、資源や環境や貧困など、世界が直面する様々な課題について、学び、考え、行動する機会を提供することであり、その目的の派生的活動として、ワクチン代の寄付を行っております。
したがいまして、当目的に賛同いただき、輸送費を払っても良いとご判断いただける方にご参加いただければと思っております。
ワクチン代の寄付を目的とされる方々は、直接、当該団体への寄付をなさることをお勧めいたします。

投稿: | 2015年4月14日 (火) 13時02分

>相手の顔を知っていて出したお金は何に使われても文句はないと言う関係

親友、と言ってもいい友人が陸前高田で被災しました。奴個人からの要請であればいくらでも援助するつもりでしたが特にそのような事もなかったので結局ポリシー通り東日本大震災関係でも一切寄付はしませんでした。
*なお、奇跡の一本松騒動で己が信念の正しさを確信したもようw

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2015年4月14日 (火) 14時00分

インテリと見られたい大衆が乗りやすい運動なのでしょう

廃プラスチックなんて、発電の良い材料なのだから、分別せずにまとめて燃やした方がエコノミーであり、エコロジー

自治体の補助や、分別ゴミなんて言う手間暇の費用を考えれば、プラごみは、全てまとめて燃やすべし

一時期囃されたダイオキシンなんてデマも、今やすっかり下火です
環境ホルモンも、どこへ行ったのでしょう?

環境詐欺の連中は、地球温暖化なんて言いながら、間氷期である現代に無用の警告をしてます
日本は暖かい方が米も育つし、エコノミーです
排出権取引なんて、詐欺も金を出す国が渋って消えてますが、元々、なんの生産性もないマネーゲームです
参加するだけで、ひたすら損するゲームなら、参加しないのが合理的です

投稿: Med_Law | 2015年4月14日 (火) 23時21分

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