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2015年4月

2015年4月30日 (木)

ネット利用の自由とそれに伴うトラブル

世間では連休連休と大騒ぎなのがこの時期ですが、行楽シーズンで様々な方面に出かけようと言う方々に警鐘を鳴らすこんな記事が出ていました。

GWの行楽写真、SNS投稿に注意を プライバシー漏えいリスクも IPA(2015年4月27日ITmedia ニュース)

 ゴールデンウィークの思い出の写真をブログやSNSへ投稿したことで思わぬトラブルに巻き込まれる場合もあるとして、情報処理推進機構(IPA)が注意を呼び掛けている。投稿した写真に含まれた位置情報で居場所が特定されたり、一緒に写っている人に無断で投稿してトラブルに巻き込まれる場合もあると指摘している。

 IPAが実施した意識調査によると、「友人と一緒に写った写真を勝手に自分のブログに貼り付けて公開した」ことが問題と回答した人は29.7%。残りの7割以上は、他人が写った写真をネット上に公開することに問題意識を持っていないと指摘する。

 デジタルカメラなどで撮影した写真には、撮影日時やGPS情報などを含む「EXIF情報」が付加されている。写真を投稿する際に自動的にEXIF情報を削除するブログやSNSもあるが、そういった機能がないサービスの場合、GPS情報が付加されたままの写真を投稿すると、閲覧者は撮影場所がどこであるのか特定できてしまう。例えば、自宅で撮影した料理写真から自宅の住所が判明する――といったリスクがあると説明する。

 ブログやSNSに投稿した写真の公開範囲を指定しても、閲覧者が写真をダウンロードしてメールで送信したり自身のブログで再公開したりする可能性もあると指摘。公開範囲に関わらず「全世界の不特定多数の人に閲覧される状況にある」という認識を持つ必要があるとしている。

 友人の写真などを本人の許可なくブログやSNSで公開した場合、一緒に写っている人のプライバシーや肖像権の侵害などに発展する恐れもあると警告。公共の場所で撮影した写真でも、その場所に居合わせた人や、絵画・ポスターなどの著作物が写り込んだ場合、内容や状況によってはプライバシーや肖像権・著作権侵害トラブルに発展する可能性もあるとしている。

 こうしたトラブルを避けるため、(1)投稿時にはEXIFのGPS情報の有無を確認し、GPS情報が付加されている場合はアプリやツールなどで削除する、(2)一緒に写っている人に事前に投稿の許可を得る、(3)公開する必要のない写り込みは特定できないように加工をする――ことをすすめている。

近年は個人情報保護ということは盛んに言われるようになりましたが、友人知人はもとより赤の他人から思いがけない情報が流出するリスクはあって、この種の情報がいつ社会的価値のあるものと認識され注目されるかも判らないこと、そしてひとたび流出した情報は基本的には消せないということは認識しておく必要がありそうです。
まあしかし、スマホ等で気軽に投稿を繰り返している大部分のライトユーザーがGPS情報を削除だ写真を加工しろだと言われてもさっぱりでしょうし、普段から友人知人間でSNSに投稿を繰り返しているのに自分が写っているときだけは投稿しないでと言うのも無理がありそうですよね。
スマホで気軽に写真をとっては即SNSにと言う人も多いのですから、メーカー側が素人にも簡単にプライバシー保護を設定できるようにしておくべきかと言う気がしますが、意図的にあるいは悪意を持って他人の情報を掘り下げ拡散する方々を前にするとなかなか完全な防御策はないのも確かです。
この点では情報の流出源対策だけではなく、流通経路対策と言うことも必要になってきますが、例えば悪意を持って他人の個人情報を公表した相手を訴えるというとこれまたなかなか微妙な判断になりそうですし、BBS等で多数が断片的な情報を持ち寄ってなんとなく個人の情報が明確化していったような場合、一体誰に責任を取らせるのかも難しいところです。
最近ではプロバイダイーに情報の削除や悪意のある個人の情報開示を求めるということもしばしば聞かれるようになりましたが、多くのライトユーザーが関わる可能性のあるSNSに関しても、先日悪意のユーザーに対するこんな対抗策が出てきたと言います。

Twitter、嫌がらせツイートを削除するまでアカウントを停止する新対策(2015年4月22日ITmediaニュース)

 米Twitterは4月21日(現地時間)、嫌がらせ対策強化の一環として、「Twitterルール」(利用規約の1つ)の改定とルール違反の取り締まり強化、およびコンテンツフィルター機能のテストを実施すると発表した。

 Twitterルールの変更では、「暴力および脅迫」という条項の、これまで「他者に対する直接的、具体的な暴力的脅迫を禁じます」となっていた部分を「他者に対する脅迫などの暴力行為やその奨励を禁じます」とした。旧版では禁止する行為を限定し過ぎていたが、新しい文言は禁止されるコンテンツの範囲をより良く表現しているとしている。

 取り締まりの強化では、Twitterのサポートチームが、嫌がらせを行っていると判定したアカウントを一定期間停止する権限を持つようになった。これにより、複数のアカウントが特定の人やグループを攻撃し始めた場合などに、効果的に対処できるようになるとしている。

 Twitterは以下の4つの画像で、停止したアカウントのユーザーに「Twitterルールに違反したのであなたのアカウントを停止しました」という通知が表示され、停止を解除するには自分の電話番号を入力し、ルールに抵触したツイートを削除するよう促されるという流れを説明している。

 コンテンツフィルター機能というのは、Twitterが嫌がらせであると判定したツイートのタイムラインへの表示を減らすというものだ。嫌がらせかどうかの判定には、例えばそのツイートを投稿したアカウントが作成されたばかりのものかどうかや過去に嫌がらせとして報告されたツイートとの類似性など、さまざまなシグナルを使う。嫌がらせと判定されたツイートは削除されるわけではなく、意識して検索したりすれば表示できるが、タイムラインに表示されなくなるという。
(略)

興味深いのは情報拡散源としての機能制限の方法論として、アカウントの停止や問題発言の削除を促すといった対策だけでなく、その表示に対しても制限を加えるということで、もちろん興味や関心を持った人間であればキーワードに基づいて検索し情報収集もするのでしょうが、拡散初期の対策としてはそれなりに有効そうに思えます。
Twitterの場合は登録に個人情報は必要ない匿名型のSNSですが、かねてネット利用は匿名であるべきではないと考える方々もいて、また実名登録制の方が発言内容等も建設的であると言う意見もあり、裁判等にもつれ込むような事件が起こるたびに議論になるところです。
かつての会員制であったパソコン通信時代には著名人も実名で議論に参加し非常に深化した議論も交わされたと懐かしむ声もありますが、この辺りは実名だからと言うよりもコテハン同士で付き合いが長く気心が知れていることから、言葉じりを捉えての誤解を受けることが比較的少なかったと言うこともありそうに思います。
逆に匿名であるからこそ発言できる内容もあると肯定的に評価する向きもあり、インターネット世代以降の利用者は匿名であることにこだわりを持っている方々も多いように感じますが、これまた悪意の発信者も含めて一見匿名ではあっても本当の意味での匿名性はなく、何かあれば個人情報を突き止められてしまうことを理解しておく必要はありますよね。

馬鹿発見器騒動に典型的に表れているように、誰かがネット上で反社会的、反道徳的とされる行為を行った場合に、その個人情報が集中的に検索されさらされてしまうと言うケースが散見されますが、悪意の発信者であってもこうした個人詮索とは決して無縁ではないし、実際に個人が特定され謝罪に追い込まれたと言うケースもあるわけです。
ただ他人の個人情報を詮索して晒してしまうようなタイプの方が、無自覚に情報を垂れ流すライトユーザーよりは一般にスキルは高そうだと考えると、本当に対策すべきなのは単なる野次馬的に集まってくる大勢の中に隠れている一握りのスキルを持った悪意の存在なんだろうと思うし、彼らに関しては火をつけてまわるだけでなかなか尻尾をつかませないと言うことはありそうですよね。
最近は有名な京都府警を始め警察もサイバー犯罪対策を進めていますが、ネット上の反社会的行為の場合一般的な犯罪行為と違って法律上の対処が難しい場合も多いようで、これも法的規制をしっかりしなければ取り締まりの実が上げられないと言う声に対して、むしろ良心的なユーザーの間で公権力によるネット規制強化に反対する声も根強いように感じます。
新聞社などのやっているきちんと管理されたサイトでも勝手に発言を削除された、言論の弾圧だとかえって炎上することも少なくないことを考えると、いたずらに管理や規制を強化すればいいと言うものでもないのでしょうが、末端ユーザーとしては少なくとも実生活で心がけている程度にはネット利用においても様々な注意を払っておくことが、とりあえずの最大公約数的な対応策と言うことになるのでしょうか。

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2015年4月29日 (水)

今日のぐり:「はま寿司 倉敷水江店」

いよいよゴールデンウィークと言うことで何かと楽しみにしている方々も多いかと思いますが、先日休日の過ごし方と言うことに関してこんな記事が出ていたのを紹介してみましょう。

せっかくの休日なのに……充実した休日を過ごすために絶対やってはいけないこと4選(2015年3月15日ファナティック)

「今週の土日は○○をやるぞ!」と意気込んでいたはずなのに、あることをやってしまったために予定が台無し……こんなことありませんか? せっかくの休日を充実させたいなら、これだけは絶対にやっちゃダメ!なことを働く女性に聞いてみました。

Q.女性に質問です。せっかくの休日なのに○○のせいで充実にすごせなかった経験はありますか。
ある……57.7%
ない……42.3%

今回のアンケートでは、とある○○のせいで休日を台無しにした経験がある女性が、やはり6割近くいることが判明。そうそう予定通りに物事はいかないものです。では、どんなことをやったがために休日を台無しにしてしまったのか、詳しく聞いてみましょう。

■飲みすぎで休日が台無し
・「飲みすぎたらいけない。二日酔いでつらいし、せっかくの休みがパーになる……」(26歳/機械・精密機器/技術職)
・「お酒を昼間から飲むこと。あとは遅く起きて掃除洗濯を後回しにしないこと。いろいろやろうと思っても台無しになる」(30歳/通信/クリエイティブ職)
休日をつぶしてしまうのが「飲みすぎ」や「二日酔い」。朝から頑張って掃除して、家事を午前中に片づけて出掛けよう!なんて思っていたのが、両方ともダメになってしまいます。結果、ほとんど使い物にならない自分を持て余すだけの休日に……。

■昼すぎまで寝るのはNG
・「昼すぎまで寝てしまうこと。寝すぎて体は逆にだるいし、一日があっという間に終わってしまってもったいない」(30歳/医薬品・化粧品/営業職)
・「14時以降まで朝寝坊すること。倦怠(けんたい)感で一日中ぼうっとしてしまう」(32歳/運輸・倉庫/事務系専門職)
あまりに毎日忙しいと、休日は寝だめして疲れをとろうともくろんでしまいがち。ただし寝すぎるとかえって倦怠(けんたい)感や体のだるさが生まれ、疲れをとるどころか寝疲れしてしまうことも。休日は昼前には起きてしっかり体を動かしましょう。

■仕事を休日に持ち込まない
・「仕事を残す。気がかりがあっちゃだめだ!」(26歳/学校・教育関連/技術職)
・「仕事のことを思い出すこと。仕事の電話がかかってきても電話にでてはいけない」(27歳/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)
休日に仕事をお持ち帰りすると、せっかくのお休みが台無しに。充実した休日を過ごすためには、仕事を残さない! がんばって平日に全部仕事を終える!ことが大事ですよね。一秒でも人生を無駄にしないためには、平日の仕事を頑張るしかありません。

■ネットで時間をムダ使いしない
・「ネットサーフィン。時間泥棒です、本当に」(27歳/商社・卸/事務系専門職)
・「ネットサーフィン。確実に1日無駄にする」(28歳/食品・飲料/技術職)
気づけばろくに読んでいないのに、PCをボーっとポチポチ操作してることよくありますよね。ネットはつい時間の浪費をしがちなツール。集中できなくなってきた頃合いを見計らって、潔く抜けるようにしましょう。

平日はあれしようこれしようと休日の予定で頭がパンパンなのに、いざ休日となると○○のせいで全部おじゃん!なんてこともよくありますよね。今週こそ休日の予定を達成したいなら、ぜひ上記の○○にはまらないようご注意ください。

まあしかしどれも日常的にありそうな話ばかりなんですが、ともかくも休日とは言えメリハリの利いた生活を送ることが大事であると言うことでしょうか。
今日はゴールデンウィークを有意義に過ごしたいと考える方々の参考にするべく、全世界からやるべきではなさそうなことをついついやってしまった方々の末路を紹介してみましょう。

河川敷に巨大石像、作った男を書類送検 数年前から拡大(2015年4月22日朝日新聞)

 長野県上田市の千曲川河川敷に勝手に石像を作ったとして、上田署は22日、市内のアルバイト従業員の男(55)を河川法違反(工作物の無許可新築)の疑いで書類送検し、発表した。石像は人の顔から肩までのもので、高さは約2・3メートル。署によると、男は1人で制作したと認め、「小さいころから工作が好きで、趣味が高じて作ってしまった」と反省しているという。

 男の書類送検容疑は、国の許可を受けずに3月上旬、石像に敷石1個を加えたというもの。

元記事を始めその状況は各方面で映像として報じられていますけれども、撤去費用17万円は男性に請求されたと言いますからまあ自業自得とは言え高くつきましたよね。
ニュージーランドと言えば先日も地震があったと言いますから大変ですけれども、どうもこの総理で大丈夫なのか?と言う妙なゴシップまで出ているそうです。

ニュージーランド首相、ウエートレスの髪を引っ張り謝罪(2015年4月23日CNN)

(CNN) ニュージーランドのジョン・キー首相は23日までに、行きつけのカフェでウエートレスの女性のポニーテールを繰り返し引っ張ったことを謝罪した。
女性はニュージーランドの政治サイト「デーリー・ブログ」に匿名で、首相のこうした行為について投稿。「受け入れがたいあいさつの方法だった」と書いた。

投稿によれば、引っ張り行為は昨年の選挙シーズンに始まった。女性は首相にはっきりと言葉で文句を言ったことはなかったものの、ボディーランゲージでは「嫌だと叫んでいた」という。
「首相は私に近づいてくると、そのほうが良いと思ったのか両手を高く上げ、映画『ジョーズ』の音楽のような怖い効果音を発した」と女性は書いた。
「彼が私の頭上で手を挙げると、私は怖くて後ずさった。(キー首相の妻の)ブロナさんは夫に『ちょっかいを出してはだめ』と言っていた」
こうした行為は数カ月の間に数回行われた。結局は店の支配人が首相に苦情を伝えたという。

キー首相は記者団に対し、「ちょっとしたおふざけ」のつもりだったと弁解した。また、女性がデーリ・ブログに投稿する前に謝罪は済んでいたとも述べた。
投稿によれば、首相はおわびのしるしとして女性にワイン2本を贈ったという。
野党・緑の党のメティリア・トゥレイ議員はこの問題で「自分の行為がどれほど不適切で、他の人に嫌な思いをさせているか気がつかないとは、首相が(世間と)ずれている証拠だ」と首相を批判した。
またCNNの系列局TVNZによれば、雇用機会均等委員会のジャッキー・ブルー委員長も「本人の許しも得ずに体に触るなど問題外だ」と非難した。

ちょっと状況が理解し難いと言う方はこちらに再現動画があるようですので参照いただきたいと思いますが、まあこれは確かにアウトとしか言いようがないですよね。
いわゆるミスコンの類も昨今ではマンネリ回避に様々に斬新なアイデアも求められているのかも知れませんが、これは果たしてどうなんだと言う中国のミスコンの様子です。

罰ゲームかよ!中国の美人コンテストがヤバすぎる ビキニで断崖絶壁をウォーキング(2015年4月24日Aol)

韓国のメディアが報じた、中国の美人コンテストの審査模様を映した映像が話題になっている。

どの世界にもある美人コンテストだが、中国のコンテストの審査方法が驚きの内容で、なんと海抜2000メートルの断崖絶壁をビキニ姿で歩くという崖っぷちのウォーキングなのだ。

参加者は、手すりはあるものの、足場が不安定な断崖絶壁の場所を、モデルさながらのウォーキングポーズを保ちながら、一歩一歩進む。これは、度胸とバランス感覚を見極めるために行われた審査の一環で、美女たちはどんな状況でも常に平常心で美しさを保つことが本当の美女である、という理由から行われたそうだ。

これまた元記事の動画を参照頂ければ状況は一目瞭然なのですが、あからさまに強ばった表情を見る限りそもそもミスコンとして成立しているのか?と言う気もしますでしょうか。
コンピューター関係であるあると言える状況なんですが、その回避方法がいささかユニークすぎてやっちゃった感がハンパないのがこちらの方です。

英国 エッチなサイトを閲覧中、背後から母親が!スクリーンを叩き壊した男性(2015年4月18日新華ニュース)

こっそりエッチなサイトを見ているのを誰かに見つかったら、とても恥かしい思いをする。海外メディアの報道によると、イギリスのある男性がエッチなサイトを閲覧中に、母親が近づいてくる足音に気付き、大慌てでノートパソコンのスクリーンを拳で壊した。中新網が17日に伝えた。

英国の男性Denzel Michaelさんはツイッター(Twitter)に「お母さんが来た。でもエッチなサイトを閉じられない。もうどうしようもなかった」と書き込み、スクリーンが壊れたノートパソコンの写真を添付した。

写真を見たネットユーザーが次々と「ひどい!」と書き込み、あるネットユーザーは「電源を落とせばよかったんじゃないか?」と発言したが、Denzel Michaelさんは、「あの時慌てていて何も考える時間がなかった。でも母に見つかるよりスクリーンを壊したほうが良かった」と答えた。

まあブリだけにこの程度の斜め上方向への逸脱は想定しておくべきなのでしょうが、しかしスクリーンを壊したことについてどのように弁解したのかが気になりますね。
こちらその元植民地たる新大陸からのニュースですが、やはりこちらもあるあるネタの解決法に国民性を感じさせるニュースとなっています。

米国で男がコンピューター「射殺」、言うこと聞かないとキレる(2015年4月22日ロイター)

[デンバー 21日 ロイター] - 米コロラド州で、「言うことを聞かないコンピューター」をハンドガンで「射殺」したとして、37歳の男が逮捕された。

当局によると、男は数カ月にわたりコンピューターと格闘。業を煮やして20日夜、コンピューターを裏通りに持ち出し、ハンドガンを8発撃って破壊した。

地元紙は警察の発言として「男は調べに対し、発砲が違法行為になると思っていなかったと供述した」と報じた。

これも気持ちは理解出来ないでもないニュースなんですが、何故その方法論にたどり着いたのかと言う点で国民性を感じさせるところがありそうですね。
最後に取り上げますのはおそロシアからのニュースですが、こちら恐ろしくはないものの疑問符が幾つもついてしまいそうなニュースです。

ダンス発表会で10代の少女達が尻ふりダンス「トワーク」!→国家当局が捜査へ(2015年4月16日Aol)

ロシアのダンス発表会で、けしからん事態が起こってしまったようだ。

まだ10代の少女たちが出演したこの発表会。最初は着ぐるみのクマが登場し、和やかにスタートしたのだが、その直後、ミニスカートにポニーテールの少女たちが舞台に大勢出てきたと思ったら、保護者もいる観客席にお尻を向け、大いに腰を振りまくり出したのだ。その後約2分間に渡って、お尻を振り続けた少女たち。保護者をはじめ、観客たちは目のやり場に困ったに違いない。

この衝撃ダンス、その場だけでは収まらなかった。この時の動画を誰かがYouTubeにアップし、これがあっという間に1000万回を超える再生数を記録、世界中の知るところとなったのである。そのため、アップされてから数時間後にはロシア当局が調査する騒ぎに...。

「子供にとって悪い影響となるようなことは我々が阻止しなければならない」とコメントを発表した当局。またロシアの子供の人権を守る団体もこのダンスを「言語道断」と批判している。

そのあまりにけしからん事態の様子は元記事の動画を参照いただきたいと思いますが、努力は認めるが何と言いますか、コンセプトが今ひとつ判らないと言う気はしますでしょうか。
もちろん子供達にも悪い影響がありそうな動画ではあるのですが、全世界的にはもう少し大きなお友達の間でも少なからぬ影響がありそうではありますよね。

今日のぐり:「はま寿司 倉敷水江店」

百円系回転寿司の中でもこの「はま寿司」さんは鮮魚ネタが案外とまともなので好印象なのですが、こちらイオンモールの近所と言う立地もあって大変な繁盛ぶりですよね。
この日も適当に同行者とシェアしながら旬のおすすめネタを中心につまんでみたのですが、季節ネタだけでもかなり楽しめそうな品揃えでした。

近海物だと言う真鯛は普通に鯛の味がするだけでも立派ですが、産卵前の桜の時期はちょうど鯛の旬でもあっておすすめです。
年中あるアジなどは季節とは言えさほどに有り難みがありませんが、ようやく初鰹が出始めたカツオは大葉とにんにく、ポン酢でサーブされていて、さすがにカツオの味を云々しても仕方ありませんが、大葉の消臭効果はさすがに強力で、臭みと同時にカツオの風味も消えてしまったようです。
新メニューらしいまいか耳の天ぷらはそのままでもいける薄味仕立てですが、イカの歯切れが思ったより良かったですし結構人気もあるようですね。
これから初夏の時期に旬になってくる煮穴子はアナゴ自体も変ですがタレの味がちょっと口に合わなかったのですが、客層を考えるとこの甘ったるい味の方がいいのかも知れません。
たいていこの系列に来ると食べていたサラダが変わったようなのですが、7種のリーフのサラダはドレッシングが選べるとは言え、やはり以前のものの方が良かったなと言う気がします。
こちらの豚汁は薄口仕立てでまあ害はない味ですが、そこそこ野菜も入っているのはいいんですが出汁はもうちょっっときかせた方がよさそうに感じましたがどうでしょうか。

以前に開店直後に来た頃にはいかにもオペレーション面で苦労していそうだったのですが、接遇も慣れたのかかなり手際もよくなってきたようで、以前のようにやたら席が空いているのに誰も案内しないと言うことは減っているようです。
しかし繁盛しているせいもあるのでしょうが、レーンで届けられる注文の品が席に近づくとアナウンスが入るんですが、似たような注文品が並んでくるともうどれがどれやらとなりがちで、他系列のようにもう一工夫あってもよさそうには思いました。

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2015年4月28日 (火)

金もなければ人もいない時代の医療介護の工夫

先日は与党が社会保障費の大幅な削減にとうとう取りかかりそうだと言うニュースが出ていて、何しろ受益者である国民に対する直接的なサービス低下にもつながることですから政治的常識としてこの種の話題はタブー視されてきた反面で、これだけ社会保障費増加が言われる中でどうしても給付の抑制にも手を付けざるを得ないと言う理屈は誰でも判るところではありますよね。
特に増え続ける高齢者の医療、介護コストと言うものが非常に注目されているところで、健康保険の保険料率が高齢者向け負担の増加からついに9%を突破したと言うニュースも出ていましたが、国保に比べればまだしもお金があると見なされてきたため負担増加が続いてきた一方で、これ以上負担を増やされるのではたまらないと考える企業も増えてくるところではないでしょうか。
こうした状況となると利用者とすれば少しでも自己負担分を軽減したいところでしょうし、低所得者向けに各種の支援制度も用意されてはいるのですが、先日ちょっと信じられないようなこんなニュースが出ていたと話題になっています。

高額医療・介護保険の支援制度を知らなかった市(2015年4月25日読売新聞)

 茨城県つくば市は24日、医療保険と介護保険の1年間の合算自己負担額が一定額を上回った場合、その分を現金で支給する「高額医療・高額介護合算制度」を、国が制度を設けた2008年から今年3月まで認識しておらず、対象者に全く支給していなかったと発表した。

 未支給対象は08~13年度の6年度分(14、15年度分は算定前)で約110世帯。未支給額は約410万円に上り、1世帯当たり数百円から最高で約36万円。同市は、対象者と金額を確定させた上で全額を支給する。3月2日、市民から問い合わせがあり発覚した。事務を担当する同市国民健康保険課によると、通常、新制度ができた時点で県などから連絡があるが、認識できなかった経緯は不明

一部方面では「意図的に知らなかったことにしていたのではないか」と言う声も出ているようなのですが、国保であれば保険者である自治体が払い戻しをすることになるのでしょうから金銭的負担を嫌った、と言う考え方も可能は可能なのかも知れませんが、行政の仕組みを考えますとさすがにそれは穿ちすぎなような気もしますでしょうか。
とは言え今後都道府県が主体的に地域の医療・介護について計画的に提供することが求められるようになれば、国の制度任せではなく主体的に自治体が判断し行動することが求められることは確実であり、実際に国も目標を定めて医療・介護費支出の抑制を都道府県に求める方針を打ち出してきたことから、将来的に医療費を使い過ぎた自治体にはペナルティが課せられると言う可能性も否定出来ません。
となれば地方自治体レベルにおいてもリソースの再配分による医療の無駄や非効率を改善するのみならず、場合によっては実質的な給付の抑制に踏み込むと言うこともあるのかも知れませんが、そんな時代にあって少しばかり違った方向でこの問題と向き合おうとしている自治体も出てきているようです。

ひとり親家庭の定住支援=人口減少対策で-島根県浜田市(2015年4月2日時事ドットコム)

 島根県浜田市は4月から、県外からの定住を望むひとり親家庭に、引っ越し費用や養育費などを支給する支援制度をスタートさせた。親が市内の介護サービス事業所で働くことが条件。人口減少と高齢化が進む中、定住対策と介護人材の確保を同時に進める作戦だ。

 市によると、ひとり親家庭に限定した定住支援策は全国的にも珍しいという。助成は、市が希望者を募り、ひとり親であることを証明する書類などを確認した上、介護事業所との面談で双方が合意した場合に決定する。
 支援対象は、高校生以下の子どもがいる母子、父子家庭。転居費30万円に加え、1年に限り月3万円の養育費を支給するほか、毎月2万円を上限に家賃の半額を補助。マイカーがない場合、中古車も無償で提供する。
 さらに、介護事業所と1年間の雇用契約を結び、契約通り働いて定住を決めた場合、一時金100万円を支給する方向で調整している。給料の助成として、事業者に月約15万円支給する。

この条件がいいのか悪いのか見る者の目線でかなり違ってきそうには思うのですが、やはり当座の生活費や生活の場所の手配も含めて全て自治体からの支援でやってもらえる、加えて仕事の世話もしてもらえ家賃や養育費まで補助が出るとなると、子供を抱えて仕事にもあぶれた人々にとっては「とりあえず浜田までたどり着けば何とかなる」と言う風に見えるのかも知れません。
浜田市と言えば立派な水族館こそあるものの山陰地方の中でもかなり辺鄙なところで、ご多分に漏れず過疎と高齢化が問題化しているのだそうですが、全国的にも深刻な問題となっている介護スタッフ確保と言う点に関しても何しろ若い世代がもとよりいないわけですから、老老介護を強いられているのだろう状況は想像に難くありませんよね。
この点で単なる若年者呼び込み政策と言うことであれば全国各地の僻地自治体が(失礼ながら)さしたる実効性があるとも思えない似たり寄ったりの呼び込み作戦を展開している中で、ここまで明確にターゲットを絞っていると言うのはやはり低賃金時代にあってひとり親と言うのは非常に大きなハンデがあると言う現実を見据えたものであり、世が世なら「他人の弱みに付け込んでいる」と批判されかねないものだとも言えるかも知れませんね。
世間でよくある若年者呼び込み政策に対してこのシステムが有利だと思える点は、まさに子持ち困窮世帯にターゲットを絞っていると言う点ですが、悪く言えば支援がなければ生活困難な世帯に支援をネタに定住を強いるもんであるとも言えるにせよ、自治体としてみれば現役の労働者に加えて未成年者をも呼び込むことで将来的な人口増とそれに伴う税収増が確保出来ると言う大きなメリットがあります。

一方で今回の支援策で非常に注目されるのが一見すると全く無関係に思えるひとり親対策と老人の介護を結びつけたものであると言う点ですが、言ってみればか なり露骨な人材集めではあるものの困窮世帯に対する支援の色も色濃いことが言い訳にもなるのだろうし、うまくいくならば自治体と制度利用者、そして介護事 業者や地域住民など関係各方面にとって多重的なメリットが見込めるものとも言えそうです。
要するに出した補助金よりも将来的に大きな税収増が見込めるのであれば十分ペイすると言う計算なのでしょうが、やはり介護職への就労が前提となっている以上困窮世帯の中でももともと介護に関心なりがある人々に対する訴求力が高いのだとすれば、ただでさえ人材不足なこの業界で他自治体から人材を引き抜いてくるものだと白眼視されかねない話でもありますよね。
国外との取引で利益を出せる貿易などと違って、社会保障の場合国民が支払った分を国民が受け取っていると言う点ではゼロサムゲームであって、特定地域でより多くの利益を得れば別の地域では損になると言う計算が成り立つかと思いますが、単なる金銭的なものだけでなく労働力と言う点でも同様にゼロサムゲームが成り立つのだとすれば、これからの時代まずは人材確保をどうするかが鍵になってくるのかも知れません。
労働力確保、人口維持と言う点に関して言えば別に介護業界に限った話ではなく、近ごろではどこの業界でも仕事はあるのに人手が足りないと困っていると言いますから、仮に浜田市の方法論がうまく行くとなれば次は別の自治体がもう少し一般的に訴求力のある職種で同様の支援策をと言った具合に、人口減少時代において人材囲い込み競争にまで発展する可能性もあるのでしょうか。

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2015年4月27日 (月)

中国で受精卵の遺伝子改変実験が行われていたことが判明

昨今生殖医療の技術的進歩が倫理的な側面にまで踏み込んできていることが各方面で論じられていて、純技術的に可能になる前の段階で果たしてどこまでが有りなのか?と言うことを決めておくべきではないかと言う考え方も根強いのですが、そんな社会情勢の中でお隣中国ではひといきに一線を越えつつあるらしいと言うニュースが出てきました。

<ヒト受精卵>遺伝子改変…中国チームが論文(2015年4月23日毎日新聞)

 ヒトの受精卵で遺伝性の病気に関係する遺伝子を改変したとする中国からの研究論文が発表された。ヒトの受精卵を使った遺伝子改変の報告例は世界で初めてとみられる。受精卵や精子、卵子の遺伝子を変化させることは、次世代への影響が分からず、倫理的な問題から国際的に慎重論が根強い。議論の呼び水となるのは必至だ。中国・中山大の研究チームがオンラインの学術誌「プロテイン・アンド・セル」に18日付で発表した。【八田浩輔、須田桃子】

 ◇後手の倫理論議

 論文によると、研究チームは患者から提供を受けた成育できない受精卵を使用。
 近年急速に普及している「ゲノム編集技術」を使い、遺伝性の血液の病気に関する遺伝子の操作を試みた。86個の受精卵で実施したところ、48時間後に生存したのは71個だった。このうち28個で狙った遺伝子の改変を確認した一方、目的外の遺伝子を改変してしまったケースもあり、臨床応用にはさらなる検証が必要と結論付けた。
 この技術を使った基礎研究は、培養したヒトの体細胞や動物の受精卵で進むが、ヒトの受精卵での報告例はない。チームは論文で「倫理的な問題を回避するために元から異常がある受精卵を使用した」旨を説明している。
 英科学誌ネイチャーのニュース記事は「論文はネイチャーや米サイエンス誌にも投稿したが、いずれも倫理的な反対で却下された」との研究チームの話を紹介した。

 ◇「科学的にも問題多い」

 国立成育医療研究センター研究所の阿久津英憲・生殖医療研究部長は「技術は革命的だが、目的外の遺伝情報にも改変が起きてしまう点で未完成。ヒトの受精卵に応用するような段階ではない。論文の結論部分も、やる前からわかっていたはずの内容だ。科学的にも倫理的にも、問題の多い論文と言える」と話す。

ヒト受精卵の遺伝子を「編集」、中国研究に世界の科学者が異議(2015年4月24日AFP)

【AFP=時事】ヒトの受精卵の遺伝子を編集したとする研究論文が、中国のチームにより発表された。この未開拓の科学分野における突破口となる論文だが、世界各国の科学者からは、物議を醸しているこうした研究の中止を求める声が、改めて上がっている。

ゲノム研究から新たな人種差別「ネオレイシズム」の懸念

 英科学誌ネイチャー(Nature)のニュース記事が22日に最初に報じたこの論文は、中国・広州(Guangzhou)にある中山大学(Sun Yat-sen University)で遺伝子機能の研究を行う黄軍就(Junjiu Huang)氏の研究チームが執筆し、ほぼ無名のオンライン科学誌「プロテイン・アンド・セル(Protein and Cell)」に投稿したもの。
 論文でチームは、不妊治療院から入手した受精卵のゲノムを改変する実験の詳細を記述している。使用された受精卵は、2つの精子を受精したことから染色体の数が通常の受精卵より1組多く、生児出産が不可能なものだった。
 ネイチャー誌の記事によると、研究チームが行ったのは、死に至る可能性もある血液疾患「βサラセミア」の原因となる遺伝子を「CRISPR/Cas9」と呼ばれる遺伝子編集技術を使用して修正する実験。
 欠損しているDNAを置き換える分子を86個の受精卵に注入し、効果が表れるまで48時間待ったところ、生存したのは71個だった。うち54個を検査した結果、28個で遺伝子の接合に成功し、そのうちのごく一部で代替遺伝子が含まれていたことが確認された。

 ネイチャー誌の記事で黄氏は「正常な受精卵でこれを行う場合、100%(の成功率)に近づける必要がある」「だからわれわれは中止した。未熟すぎる段階だと考えている」と述べている。
 より大きな懸念材料は、実験の過程で「驚くべき数の」意図していない遺伝子変異が生じたことにある。これは、マウスやヒトの細胞を使用して行われたこれまでの遺伝子編集研究で見られた割合をはるかに上回るという。
 こうした遺伝子変異は有害である可能性もあり、中国のチームが研究を行っているとの噂が今年流れ始めて以降、科学者らの間で懸念を生んでいた大きな理由の一つとなっていた。
 こうした研究に対しては、将来の世代に未知の影響をもたらす可能性や、望ましい特徴を持つように人間を改造することで新たな優生学の時代を切り開く恐れがあるとの批判の声が上がっている。

■安全性や倫理上の懸念

 AFPに宛てた電子メールによると、ゲノム編集など開発途上の治療法に重点を置く生命科学分野の200以上の企業や研究機関などを代表する国際組織「再生医療連盟(Alliance for Regenerative Medicine、ARM)」は、今回の論文発表を受け、こうした研究の中止を改めて呼びかけた
 ARMは声明で、「ヒトの生殖細胞のDNAの修正には、安全性や倫理上の重要な意味合いがあると考えられることから、こうした研究は非常に時期尚早だ」と指摘。「世界全体でこの種の研究の自発的な停止を求める」と述べている。
 ネイチャー誌の記事によると、中国では他に少なくとも4研究チームが同様の研究を行っているとみられている。
 研究論文が間もなく掲載されるとの噂が今月流れ出した際には、一部の科学者らが研究中止を求めた一方、ある種の病気や疾患の治療に役立つ可能性があるかを見極めるため、基本的な研究は継続すべきとの意見も出されている。【翻訳編集】 AFPBB News

必ずしも直ちに臨床応用出来るものではないと言いますか、方法論として操作は可能ではあるが現段階ではあまりに問題点の方が多すぎてとても実用化出来そうにないと言うネガティブデータとも言える結果なのですが、この種の技術的ハードルはいずれ克服されていくものでもあるし、何よりこうした実験が行われたと言う実例になったと言う点でその社会的影響と言う面からも注目すべきであるかと言う気がします。
これだけインパクトのある話でありながら著明雑誌に軒並み掲載を断られ、無名の雑誌に掲載されたと言うこともまあ仕方ないかなと思う話ではあるのですが、以前から噂レベルで情報が流れ各方面から中止を求める声が上がっていた中で敢えて行ったと言う点でもなかなか議論の別れそうな話ではあると思いますけれども、誰かがやった以上以後に続く者にとってのハードルは低くなったと見るべきですよね。
何しろ「先行者」で有名な中国のことですから、今さら倫理的に云々と言ったところで「え?突っ込むとこそこ?」と言う感覚なのかも知れませんが、この種の研究に対する倫理的な面からの抑止力として既存の権威やグループから排除されると言うことが機能していたのだとすれば、今回はその抑止力としての限界が示された事件であったとも言えそうです。
日本でも以前に非配偶者間の体外受精を実施した先生が学会から除名されたものの、その後も治療行為は続けていると言う事件がありましたけれども、明らかに犯罪行為であると言うわけではなく何となくキモチワルイとでも言うしかない行為に関して、当事者間で同意して行うことに対して第三者がどこまで影響力を発揮出来るか、するべきなのかと言うことについて考えさせられる話です。

先年アメリカでも人工受精で提供を受ける配偶子の遺伝的素因を調べ、望みの遺伝形質を備えた配偶子を選べるサービスが特許として認められたと話題になったようで、こちらは言ってみれば精子や卵子の持つスペックをカタログ化すると言う非常に直截な方法である一方で、恣意的な選択は働くものの直接的に遺伝子を改変すると言うものではなかったわけです。
今回の技術の方向性としてはそのままでは生育できない受精卵に対して遺伝子の改変と言う操作が加わることで、親の立場にしてみれば誰か赤の他人ではなく自分達の遺伝子を受けついだ直系の子が持てる可能性があると言うことになりますが、そう考えると社会的需要は決して少ないものではないのだろうし、一律に禁止するのは反対だと言う声が出てきてもおかしくはなさそうに思えます。
この辺りは子供とはどのような存在であるべきなのかと言う文化的背景にも関わってくるところで、世界的に見ても血縁関係を重視する文化と実際的な親子関係を重視する文化とに別れているのだそうですが、逆に言えば特定の文化的価値観から他文化にとって非常に重要な問題を解決する技術的方法論を、一方的に禁止するのはどうなんだと言う考え方もありますよね。
究極的な議論としていわゆるクローン人間についてどう考えるべきなのかと言う話が以前から盛んに言われていますが、これも文化的背景としては生まれ変わりと言うことが非常に重要視されている文化圏も存在するわけですから、それが技術的に可能であるとなれば是非ともやらずにはいられないと考える人が出てくるのも時間の問題であるようにも思います。

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2015年4月26日 (日)

今日のぐり:「極とんラーメンとん匠 神辺店」

ちょっとした告知ですが、要望があったので見よう見まねでfacebookのボタンも追加してみたのですが、どんなもんでしょうか?

さて、先日ちょっと信じがたいような動画が話題になったことをご存知でしょうか。

“頭だけになった”魚が泳ぎ続ける戦慄の光景!!(2015年4月4日トカナ)

 現在、インド洋の島国・モルディブの海で撮影されたという1本の動画が、大きな話題を呼んでいる。まずは問題の動画をご覧いただこう。

 胴体から尾ビレにかけての部分をごっそり失い、頭部と胸ビレ、そして背ビレと腹ビレだけになってしまった魚が海を泳いでいる!! 流れに抵抗するほどの力は残されていないようだが、それでも確かに体勢を保って前身しているではないか!

 ちなみに動画の解説によると、これは漁師が(恐らく食事のために)魚の胴体部分を切り抜いた直後に確認された光景のようだ。すでに再生回数は100万回を越える大ヒット動画となっているが、世界のネットユーザーから寄せられるコメントには、魚が泳げる理由について考察する声だけではなく、

「このあと魚はどうなってしまったんだろう」
「どうしてこんな恐ろしいことができるの」
「本当に残酷だ」

など、これは虐待ではないかと非難する向きもある模様。過去にトカナでは、体を半分食べられた魚が必死で逃げる様子を捉えた動画も紹介したが、魚の強靭な生命力には、ただただ感服するほかない。

どうもその状況は元記事の動画を見ないことには想像し難いと思いますけれども、活け作りの魚が骨だけになっても泳ぐと言う話もありますが、いずれにしても消化吸収能力はなさそうですしねえ…
今日はモルジブの魚の生命力に敬意を表して、世界中から生き物に関係したちょっと信じられないようなニュースを取り上げてみることにしましょう。

インド 小ジカと戯れるトラ(2015年3月26日新華ニュース)

飢えたメスのトラが野外で群れから離れた小ジカに出会った場合、結果は1つしかないだろう。子ジカは必ず死ぬ。だがメスのトラは子ジカを食べないだけでなく、子ジカを自分の子のようにみなし、一緒に遊ぶ姿が目撃された。

インド・ムンバイ出身のカメラマンであるSouvik Kunduさん(35)はインドのタドバ・トラ保護区でメスのトラが鼻で子ジカを優しくなでたりくわえたりする瞬間をカメラに収めた。
タドバ・トラ保護区はインド西部マハーラーシュトラ州最大の国立公園であり、敷地面積は241平方マイル(約624.2平方キロメートル)。2010年の調査報告書によると、同地域には43頭のトラがいるという。
Souvikさんは写真を「慈愛の女王」と名付けた。写真にはメスのトラが子ジカの隣に回り込み、鼻で子ジカをなでたり子シカをやさしくくわえたりした。保護区で多くの観光客は子ジカは必ず死ぬと考えていたが、15分後にメスのトラは子ジカを草むらに置いてその場を離れた。

Souvikさんによると、メスのトラが草むらをゆっくりと歩いているとき、われわれはトラが子ジカと戯れていた様子を目撃した。メスのトラは楽しそうだった。メスのトラがどうして子ジカを食べなかったのかは分からない。あのトラは発情期で、母性が肉食性を超え、子ジカを自分の子のように感じたのかもしれない。
やさしいメスのトラは子ジカと一緒に戯れ、子ジカを傷つけることはしなかった。トラと子ジカが友達になるとは不思議だ。

これまた元記事の写真を参照いただきたいと思いますが、しかし子ジカの方はかなりガクブルものの展開だったのではないでしょうか?
世界的にはとんでもないサイズの生き物はいるものですが、そのサイズもさることながら思いがけないおまけ?までついてきたと話題になっています。

ポーランド 釣り上げた巨大ナマズからナチス軍人の遺体発見(2015年4月21日新華ニュース)

ロシアサイト「RIDUS」の20日の報道によると、ポーランドの漁師2人がポーランド西部オーデル川にて、体長4m、重さ200kg以上の巨大ナマズを釣り上げた。

驚いたことに、漁師が巨大ナマズをさばくと、お腹の中から一体の遺体とドイツナチス時代の金属製鷲章が発見された。巨大ナマズの腹部から見つかった遺体を調査した結果、この若い軍人は数十年前に死亡した。彼はドイツナチスに所属していた軍人で、ドイツ軍がポーランドに侵略した時期に死亡したと思われる。

これらの事から、このドイツナチス軍人は約1940年にナマズに食べられ、消息不明になっていたと見られる。

ちょっと状況が判らないと言う人も写真を参照いただければ納得できるんだと思いますが、しかしヨーロッパのナマズは恐るべしと聞いてはいましたがまさかこれほどとは思いませんでした。
ある意味ではそれ以上に人々の恐怖を誘うのがこちらの記事ですが、まずはニュースを紹介してみましょう。

「カメムシ食べられます」 昆虫食の企画展、試食も盛況(2015年4月21日朝日新聞)

コオロギの素揚げ、蜂の子のつくだ煮……。「ゲテモノ」と毛嫌いされがちな昆虫食をテーマに、兵庫県の伊丹市昆虫館が開いた企画展が好評だ。2カ月で予想を上回る約1万7千人が来館し、会期は3週間延長されて今月27日までに。「食わず嫌い」のあなたも、ぜひ。

 タイトルは「昆虫食 とる・つくる・たべる」。国内をふくむ世界各地で食べられている約40種類の昆虫料理を、タイやカンボジアの露店などで買い付けた実物やそのレシピ、写真などで紹介する。2月4日に開幕し、会期は当初、今月6日までの予定だった。

 「虫を食べている地域の多さに驚いた」「カメムシが食べられる、とは知らなかった」「ぼくも虫を食べてみたい」。アンケートでは、初めて来館した人や県外から訪れた人が多いことがわかった。テーマが特殊だったため、来館者数の落ち込みを心配したが取り越し苦労で、会期延長が決まった。

いや世界的にも21世紀の栄養源として注目されつつあると言う昆虫食はともかくとして、いくらなんでもカメムシですよカメムシ…
ここから動物と人間の関わり合いを示すニュースを二つ紹介したいと思いますが、まずはその影響も大きそうなこちらの話題です。

インド イルカを「個人」として認め、イルカショーを禁止する(2015年4月21日スプートニク)

インド政府は、イルカに「人間に属さない個人」の地位を与えた。インドは、イルカのユニークな知能と自意識を認めた初の国となった。インド環境森林相が発表した。また水族館などで飼育されているイルカのショーを行うことも禁止された。

インド環境森林省によると、イルカは「独自の特別な権利を持つべきである」という。

イルカは、高度に発展した社会組織と高い知能を持つ哺乳類。最新の研究によると、イルカは互いに名前で呼び合い、20年前に聞いた「昔からの友」が発する音でも識別し、名前を覚えることができるという。

確かにイルカは賢いのでしょうけれども、それを言うならイヌなども賢いですからねえ。
もう一つ紹介しておきたいのがこちらのニュースですが、こちらあまり大きな影響があってもらっても困ると言う話題です。

デンマークが動物との性行為を全面禁止、議会で法案可決(2015年4月22日ロイター)

[コペンハーゲン 21日 ロイター] - デンマークの議会は21日、動物との性行為を禁止する法案を可決した。同国では既に動物を傷つける恐れのある性行為が禁止されていたが、動物の権利が十分に保護されないとして、愛護団体が規制強化を求めていた。

欧州では、ドイツやノルウェー、スウェーデン、英国などですでに動物との性行為が禁止されている。このため、動物との性行為を目的とした観光客らがデンマークに集中、社会問題化していた。

いやもうどこから突っ込んだらいいのかと言うニュースなんですが、そうですか動物の権利も重要ですかね。
最後に取り上げますのは猿も木から落ちるというのでしょうか、がっかり度がハンパないと話題のニュースです。

【悲報】ビーバー、自分で切り倒した木に押しつぶされて死亡(2015年4月17日秒刊サンデー)

ビーバーは自分で木を切り倒し巣(ダム)の材料にするなどとして知られる生き物ですが、そのビーバーが木を伐採中、なんとその木が倒れてきて押しつぶされてしまうという事件がおきていたようです。果たしてそんなことがありえるのでしょうか。野生の生き物は割りとそのような予測は立てやすく危険回避能力に長けているのではないのだろうか。

押しつぶされて死んでしまったビーバー。専門家によるとやはりビーバーは木をかじる歳、本能的に落下する場所を把握できるのだという。つまりビーバーは予めそのような危険を避ける事が可能。闇雲に木をかじっているわけではない。ではなぜこのような災難に見舞われてしまったのだろうか。

学者による見解は「ビーバーが非常に運が悪かったのではないか」ということだ。
よくわかったようなわからないような見解ではあるが、ビーバーといえども時には失敗するということである。

我々人間もこれを教訓にすべきなのかもしれない。得意な作業を「得意だ」と甘く見ているといつか痛い目にあう。痛い目にあっても取り返しの付かないこともあるということだ。

もしかしたら今もなお、どこかのビーバーが「猿も木から落ちる」じゃないが、気に押しつぶされているのかもしれません。

そのあまりにも悲劇的な状況は是非元記事の写真を参照いただきたいのですが、天然自然の環境の中でこんな光景に出会ってしまえば誰しも驚きますよね。
よほどに運が悪かったと言うしかないのかも知れませんが、このような悲劇を二度と繰り返さないようビーバー世界の意識改革も望まれるところでしょうか。

今日のぐり:「極とんラーメンとん匠 神辺店」

この極とんと言うお店、福山市内でチェーン展開されているとんこつ一筋のラーメン店なんだそうで、かなりあちこちに支店が出ているようですね。
こちら福山市の北に外れた大きな郊外型モールの近傍と言うことでお客も多いようですが、メニューはラーメン以外にもチャーハンに餃子、唐揚げなど一通り定番は揃っているようです。

今回は野菜ラーメンを硬さ普通で頼んで見ましたが、この脂もコラーゲンもたっぷりのトロトロスープはいいとして、替え玉無しで食べるならタレ控えめで頼んだ方が良さそうなくらいの塩分濃度は気になります。
こちらの極細麺はまあ普通だと思いますが、この野菜ラーメンに関してはトッピングが多いだけに少し硬めでのオーダーがいいかと言う気もしますね。
その野菜はほぼもやし純度100%に近い状態ですがシャッキリ食感はあって、これなら別に替え玉やサイドメニューがなくてもお腹はふくれるかなと言う充足感はありました。

これだけ流行っているだけに豚骨ラーメンとしては十分いい感じで、特にこってり好きな人には向いていると思いますが、個人的にはこのレベルになるともう脂が強すぎると感じるようになってしまいました。
接遇面ではマニュアル対応が基本のようですが、全般的に男らしいと言うか何と言うかで、この辺りも少し胃もたれした気がする理由ではあるのかもですね。
しかし替え玉以外にも雑炊なども出来るようなんですが、こういう替え玉などを追加していくお店で食券制と言うのは向かないのかなとも思うのですがどうなんでしょうね?

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2015年4月25日 (土)

まさか「押し売りお断り」の張り紙が役に立つ時代が来ようとは

訪問販売大好きと言う人もそう多くはないんじゃないかと思いますが、古典的な押し売りから詐欺紛いの商法まで様々な迷惑商法があることでも知られているところであり、また勝手に押しかけてきて求めてもいないものを人の時間を浪費してまで売りつけようとするスタイルは、何でもワンクリックで変える時代の感覚にも反していますよね。
訪問販売をやる側にはやる側で言いたいことも多々あるのかも知れませんが、世間的には忌避されるケースの方が多いだろうと思われるこの商売に関して、先日こんな新たな規制が検討されていると言うニュースが出ていました。

消費者庁「お断り」宅への訪問販売・電話勧誘の禁止を検討(2015年04月24日IRORIO)

消費者庁が、あらかじめ「お断り」とした家への「訪問販売」や「電話勧誘」を原則禁止とすることを検討している。

規制強化を検討

消費者庁は消費者トラブルを減らすために特定商取引法の見直しを進めている。
その一貫として、あらかじめ「お断り」と意思表示した消費者宅への「訪問販売」や「電話勧誘」を原則禁止する規制強化案を検討しているという。

消費者トラブルが多発

訪問販売や電話勧誘による消費者トラブルが後を絶たない。消費者庁によると、この1年間で頼んでいない(心当たりがない)のに、訪問販売を受けた人が30.8%、電話勧誘を受けた人が58.5%いた。
勧誘を受けた人々に対して「断ったのに勧誘を続ける」などの不当行為を受けたことがあるか聞いたところ、4割が「ある」と回答している。
また、およそ9割の人が訪問販売や電話勧誘について「来てほしくない」と感じているという。

高齢者に被害が多発

自宅にいることの多い高齢者は、「訪問販売」や「電話勧誘」の被害にあうことが多い。
2013年度、消費者生活センターに70歳以上の高齢者から20万8926件の相談が寄せられた。最も多かった相談の販売方法は「電話勧誘販売」5万1420件、次いで「家庭訪販」2万5830件だった。
近年、「劇場型勧誘」や「代引き配達」などの被害も多発しているが、依然として電話勧誘や訪問販売による相談が多い状況となっている。
(略)

実際にどうやって規制するのかと言えば予め拒否の意志表示をした電話番号を登録しておき、そこにかけることを禁止すると言うことのようなんですが、実際に取り締まる際の手順を考えますと例えば認知症高齢者の自宅を家族が登録した場合、電話がかかってきても誰も告発しないと言うケースもあり得そうに思えます。
そう考えるとどの程度の罰則が適当なのかと言う議論も含め、実際に規制を行う方法論としては少し議論が必要なのかも知れませんが、少なくとも何度拒否してもかかってくる鬱陶しい勧誘電話を何とかしたいと言った場合に関しては、それなりに役に立つ規制と言うことになるかも知れませんね。
ただ拡大解釈して何でも訪問拒否するのに使えると言う勘違いもありそうで、さすがに公共料金の支払い拒否に使えると考える人も多くはないのでしょうが、一番大きな影響を受けそうなのが新聞等の勧誘であり、またそれ以上にNHKの受信料徴収業務ではないかと言う気がしますが、そもそもこの受信料に関しては以前から支払い拒否が増えていると話題になっていました。
この点でNHKの側も今まではテレビ受像器を持つ世帯を対象にしていたものを、スマホやPCなどネットに接続出来る全端末を対象にしようなどと受信料増収策を検討しているようなんですが、そんな中で立て続けに受信料支払い拒否に絡んだニュースが話題になっています。

NHKが裁判で「完敗」 全国で受信料“不払い一揆”の恐れも(2015年4月18日日刊ゲンダイ)

 籾井勝人会長の私用ハイヤー問題や「ヤラセ報道」でテンヤワンヤのNHKに“新たな衝撃”が走っている。NHKが千葉・松戸市在住の男性(66)に対して受信料約18万円の支払いを求めた裁判で「完敗」したのである。

 判決が出たのは15日の松戸簡裁(江上宗晴裁判官)。裁判で、NHK側は2003年3月に男性が受信契約を結んだにもかかわらず、受信料を支払っていないと主張。これに対し、男性側は契約締結そのものを否定していた。
 江上裁判官は判決で、受信契約書に記載された署名と(裁判の)宣誓書に記載された男性の字体が一致せず、男性の妻とも筆跡が異なると認定。「受信契約を締結したものとは認められない」として、「放送受信料の支払い請求は理由がない」と結論付けたのだ。
 NHKは「判決内容をよく読んで対応を検討します」(広報部)と平静を装っているが、コトはそう簡単に済む話じゃない。受信契約書の筆跡が男性本人でなければ、一体、だれが男性の名を勝手に記入したのか。ヘタをすれば「私文書偽造」の刑事事件に発展しかねない大問題だ。

 勝訴した男性もこう憤る。
「私はNHKに契約書を見せてほしいとずっと言い続けてきたが、なぜか、NHKは契約書を見せませんでした。6年経って初めて契約書が提示されたのですが、おそらく私文書偽造の時効(5年)を迎えたからではないかと思っています。NHKも刑事事件を避けたかったのでしょう」
 男性の言う通りなら、NHKは契約書に勝手に個人名を書き込み、受信料を徴収しようとしたワケで、ヤクザ顔負けの悪徳手法だ。元NHK職員でジャーナリストの立花孝志氏がこう言う。
「判決で注目すべきは、裁判所がテレビを持っていても、契約書がなければ払わなくていい、と判断したことです。NHKは、テレビを持っていれば支払い義務は生じる、との姿勢ですが、それが否定されたのです」

 NHKの受信料不払いをめぐっては、全国各地で訴訟が起きているが、契約書がなければ支払う必要ナシということらしい。不払いが続出すれば、NHKの経営に打撃を与えるのは必至だ。

受信料“拒否”可能に? 「NHKだけ映らないアンテナ」の波紋(2015年4月8日日刊ゲンダイ)

 これで受信料を払わなくて済む!? NHKのみがテレビに映らなくなる「アンテナ装置」が波紋を広げている。考案したのは筑波大システム情報工学科の視覚メディア研究室。卒業研究として学生らが開発した。

 指導したのは同研究室の掛谷英紀准教授。2013年に、NHKの国会中継がネット上にアップされた後、削除される騒動があったが、これが開発のきっかけになったという。
「NHKがそういうことをするのに、不公平を感じたんです。それなら、NHKと契約をしない自由があってもいい。今回の装置は、公共放送を改めて見直す問題提起になればと思っています」
「アンテナ装置」はすでにベンチャー企業が商品化。「関東広域圏向け地上波カットフィルター」として昨年7月から、アマゾンや一部の店舗で販売されている。電気工事の業者を通じて設置すれば、ほぼ100%に近い形で、NHK放送をカットできるという。

 受信料をめぐっては、NHKは近年、滞納者に対し、財産を差し押さえるなど厳しい対応を取ってきた。NHKが映らないテレビは特許上、作ることができず、国民はほぼ“強制的”に受信料を支払わざるを得なかった。
 掛谷准教授は、すでに受信料不払いで争いを続ける弁護団に「アンテナ装置」を提供している。NHKが入らないアンテナを裁判所がどうとらえるのか。場合によっては、NHKの存在そのものの在り方が問われる可能性もありそうだ。受信料を支払いたくないホテルも、この装置に興味を示しており、影響は大きい。
(略)

簡裁レベルの判決だけに過度に信用するのもどうなのかですが、法律家の考え方としてこういう捉え方もあるのだと言う傍証にはなるのでしょうか、いずれにしてもこんな違法な契約をしていると言うのであれば大問題ですよね。
装置についてもよく考えたものだとは思いますが、法的には放送法第64条に「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と明記されているのだそうで、言われてみれば協会の放送を受信できないなら支払わなくても良いと言う風にも読めますよね。
法律の専門家に言わせると一時的ではなく永久的に受信できない状態であれば支払いをしなくていいかも知れないだとか、NHKを見ない人でも受信料は支払っている以上支払う必要があるだろうと言った風に様々に意見が分かれるほどの微妙な問題ではあるようですが、おおよそこの種の法律的な穴に関してはNHKもいつまでも放置し亡いでしょうから、いずれ対策が講じられてしまうのではないかと言う気がします。
この装置は受信料支払い拒否運動を支援する意味もあるようなんですが、個人的に思うことには支払い拒否者に対して何度も契約を求めて無駄足を運ぶのも人件費の無駄と言うしかない話で、こうした人員をカットする代わりに一部で言われてきたようにスクランブラーを導入するなどして契約者しか視聴できないようにする方がよほど簡単なのではないかと言う気もします。
ただNHKが公的性格を持つ放送局であることは言うまでもありませんが、国営放送かしてしまうことには各方面から懸念も根強いことですから、この種のルール逃れに対処しようとNHKが国と語らって規制強化やルール改正を求めていくほどに、国と癒着した御用メディアに何の存在意義があるのかと言う批判も強まるかも知れませんね。

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2015年4月24日 (金)

医療における責任追及

神戸の民間病院で生体肝移植を受けた患者の死亡例が相次いでいると報道された事例で、どうも肝移植を手がけるにはスタッフのマンパワーが不足していたのではないかと言う指摘があるようですが、その報告書の内容が判明してきたと報じられています。

肝移植死亡の3人、救えた可能性 報告書判明、体制の問題指摘(2015年4月22日47ニュース)

 神戸市の民間病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター」で生体肝移植手術を受けた7人のうち4人が術後1カ月以内に死亡した問題で、4人のうち3人はスタッフの体制や手術の計画に問題がなければ救命できた可能性があったとの調査報告書を日本肝移植研究会が近くまとめることが22日、分かった。

 同研究会は報告書でセンターに抜本的な組織改革を求め、改革を終えるまでは移植手術を中止すべきだと提言する方針。報告書は週内にもセンターと厚生労働省に提出するという。

 京都大名誉教授でセンターの田中紘一院長は「リスクがあると理解してもらっており、医療ミスではない」と説明している。

肝移植まで手がけるにしてはあまり聞いたことがない施設だなと感じていたのですが、昨年暮れにオープンしたばかりの新しい病院で、生体肝移植を中心とする消化器疾患の先端医療を提供することに特化した施設だと言いますから、なかなかに興味深いですよね。
もちろんそれだけに扱う症例も難しいものが多いのだろうし、開院早々重大疾患の治療を行うとなれば何かとマイナートラブルも多かったのだろうとは想像できるのですが、ただこの施設に関して言うとどうもそれだけではなく、他施設では手術しないような難しい症例を敢えて手がける方針であったそうです。
それだけに常識的な医療関係者からは「生体肝移植手術の適応外なのは明らかだ」などと批判される余地も大いにある一方で、他施設からは見放されたような患者にとっては「最後の希望」とも言うべき存在だったようで、単純に治療適応の判断間違いだとか術前診断が未熟であるとか言った話ではなさそうですよね。
ただ扱う症例の問題はそれとして、やはり開院直後でもあり医療供給体制にも問題があったとは言えるのかも知れませんが、さてそこで最善ではないから医療提供をやめるべきかどうかとなると難しい判断で、少なくとも後出しじゃんけん的に「○○を△△すれば患者を救えた可能性がある」と列挙して終わる話ではないかとは思います。

最近では慶大などが摘出臓器を長時間保存出来る技術を開発したと言うニュースが出ていたところで、もちろんそれだけドナー不足解消にも役立つものだろうし、将来的に移植など高度医療を扱う施設はどんどん最善最良の治療を行える施設に集約化していくとなれば、国策としての医療リソース集中にも役立ちそうな技術ですよね。
一方で医療が可能な限り最善の体制下で提供されるべきものであると言う考え方は一見正しいものに見えて、最善以下の環境しか用意出来ない場合はそもそも手を出してはいけないと言うことにもなりかねませんが、特に「○○病院並みの手厚い体制であればこんな結果にはならなかったはずだ」式の批判と言うのは非常に厄介に思われます。
この点で産科医一人で難産を扱うなどケシカラン!と当初散々に批判された大野病院事件などもその範疇に入るかと思いますが、そもそも医療現場における過失の認定と責任の追及と言うことに関して、先日なかなか興味深い記事を見かけましたので紹介しておきましょう。

「カルテで過失の有無を判断」、保険会社が答弁(2015年4月20日m3.com)

 一般社団法人日本産婦人科協会が発足、4月18日に設立総会が開かれ、「産科医療施設のリスク管理はどうあるべきか」をテーマに、シンポジウムが企画された。同協会は、分娩を取り扱う診療所や助産所などで構成、4月18日現在の会員数は379施設に上る。  
 その席上、同協会事務局長の池下レディースチャイルドクリニック(東京都江戸川区)院長の池下久弥氏は、「産科医療補償制度の本音が判明した」と注目すべき発言をし、同制度が単に重度脳性麻痺の子供に対する補償だけでなく、責任追及の仕組みであるとの危機感を示した。

 事の発端は、池下氏が、産科医療補償制度の補償金の支払いを求め、同制度を運営している保険会社の一つである、東京海上日動火災保険株式会社を訴えた裁判。現在、控訴審中の同裁判において、東京海上は今年3月12日付の「控訴審答弁書」で、「事故の原因分析、その結果による分娩機関の過失の有無の判断のためにも、診療録および検査データ等の写しは必要なのであって、機構が補償約款によりこれらの提出を求めることには合理的な理由がある」と記載していた。池下氏が「本音」とするのは、この「過失の有無の判断」という部分だ。「機構」とは、本制度を運営する日本医療機能評価機構のこと。産科医療補償制度は、補償と原因分析報告書の作成をセットで行う。同機構は、「原因分析報告書は、医療安全の向上を目指すものであり、責任追及が目的ではない」と説明してきたが、東京海上の主張はこれと矛盾する

 従来から池下氏は、原因分析報告書について、当事者の分娩機関が異議申し立てをできないほか、過失認定につながるなどの理由から、問題視してきた。報告書は、事実の認定にとどまらず、「誤っている」「劣っている」など、行為の妥当性を判断しているからだ(『産科医療補償制度で訴訟は増加するか』などを参照)。
(略)
 本裁判は、池下氏自身が担当した、重度脳性麻痺で生まれた子供の補償をめぐるもの。妊婦は経産婦で、健診では異常はなかったものの、2012年8月に第38週で陣痛を覚え、午前4時ころに急きょ入院、緊急の帝王切開手術を行った。池下氏は、院内で検討し、重度脳性麻痺の原因は、常位胎盤早期剥離と判断。妊娠や分娩の経過、自院で調査した結果などを基に、診療経過に過失はなかったことを確認した上で、2013年9月に両親に産科医療補償制度と同額の3000万円を支払った。同制度は、3000万円を20年にわたり分割して支払う。子供の両親が、仮に子供が死亡しても支払いが続くことなどを避けたいと思い、一括支払いを希望したため、池下氏が肩代わりした形だ。なお、両親との間に争いはなく、女性は2014年夏にも、池下氏のクリニックで出産している。

 その後、2014年3月に、日本医療機能評価機構に対して補償を申請。「診断書」などで補償対象基準を満たしていることが明らかであるため、機構には診療録を提出しなかった。両親は、原因分析報告書は匿名化されるものの、同機構のホームページで公表されるため、それを嫌がり、作成を望まなかったからだ。その結果、補償審査がたなざらしとなった。

 そこで池下氏は2014年8月、東京海上に3000万円を直接支払うよう求めるため、東京地裁に提訴した。しかし、同年12月の東京地裁判決は、本制度に適用される保険約款には、「日本医療機能評価機構が、補償対象として認定する場合に限り、保険金を支払う」と記載されていることを指摘し、機構の認定を経ずに東京海上が支払う理由はないとして、池下氏の請求を棄却した。

 池下氏は判決を不服として控訴。池下氏の代理人弁護士の井上清成氏は、本裁判の意味について、「補償と原因分析が一体化していることが、産科医療補償制度の問題。難しい裁判とは思っていたものの、診療録がなくても補償が下りれば、この点にくさびを打つことができると考えた」と説明。「補償認定に、診療録が必要か否か」を争っていた裁判の副産物として、診療録を「過失の有無の判断」に用いる、つまり産科医療補償制度が責任追及と連動した仕組みであるという、保険会社の「本音」が出てきたとも言える。控訴審判決は5月に予定されている。
(略)

あくまでも一例報告でエビデンスレベルとしては高いものではなさそうですし、制度の趣旨やルールに同意していない症例を制度に則って救済してくれと言う主張はいささか無理筋ではないかと言う気もするところなんですが、そもそもこの産科補償制度の報告書には行為の妥当性を判断するのは問題では?と言う指摘はあったわけです。
妥当でない、すなわち間違った医療行為であったと判断されれば当然責任追及をと考えたくなるのが人情と言うものですが、特に興味深いのは同制度で補償対象となった症例のうちからも実に4.5%は医療訴訟に発展していて、その1/3では医療機関に責任があるとして損害賠償を命じられていると言う点です。
原因分析報告書を送ってから裁判沙汰になったと言うケースもかなりあったようで「やはり訴訟を増やすのでは」と懸念されるのですが、興味深いのは制度本来の目的であったはずの再発防止と言うことに関して、日産婦からの指導が必要な施設があれば教えて欲しいと言う要望に対して第三者に情報は出せないと拒否していると言う話です。
もちろん個別の施設の責任追及になってはいけないからと理由付けも出来る話ではあるのですが、そこまで気を遣うなら医療行為に原因があったかのような報告書を書かなければいいだろうと言う話で、どうも制度としてもう一つちぐはぐな感じがするところでしょうか。
ちなみにようやく稼働へ向けて準備が進みつつある医療事故調にも、この産科無過失補償制度を運営している医療評価機構が日医とともに参画するのだそうで、どうもこういう顔ぶれを見るとブラックリストかなにかのようにも見えて仕方ないのですが、各方面から懸念の声が上がるのもまあ無理はないかと言う気もしますかね。

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2015年4月23日 (木)

新たな専門医制度が持つ危うさ

専門医制度と言うものが大きく変わっていく予定で、好き放題乱立しているマイナー学会もいずれまとめて淘汰されかねない勢いなんですが、それ以上にとりわけ外科系の先生方にとって大きな問題となりそうなのが資格の取得や維持に実際に手術を日常的にこなしていることが要求されそうだと言うことです。
一見すると当たり前のことじゃないかと思われるような話なんですが、例えばその道の大ベテランの先生が基幹病院を引退し開業などしてしまうとあっと言う間に専門医資格を失ってしまいかねないわけで、逆に専門医資格を維持したいと考えるならそれが可能な施設に勤め続けなければならない理屈です。
この結果専門医資格の取得条件を満たす認定施設と非認定施設の間に大きな格差が生まれ、自然と医師の移動と再分布が盛んになる結果医師の集約化と病院の統廃合が進む、と厚労省が青写真を描いているともっぱらの噂ですけれども、当事者である外科医の間でもこの辺りの事情は認識されているようです。

「一番大変なのは学会と病院」、外科新専門医(2015年4月18日m3.com)

 4月17日の第115回日本外科学会定期学術集会で、外科学会専門医制度委員長の北川雄光氏(慶応義塾大一般・消化器外科教授)は「新専門医制度で一番大変なのは学会と病院」と話し、制度見直しによって多くのメリットが生まれる一方で、新たな負担が生じるとの見通しを示した。
(略)
 今後の外科専門医のキャリアパスとして、(1)外科専門医+サブスぺシャリティ専門医を維持、(2)外科専門医取得後、内科系サブスぺシャリティへ移行、(3)外科専門医取得後、総合診療専門医へ移行――の3パターンを例示。(2)と(3)については未定と説明したが、(2)については現在もメスを置いた外科医が関連する内科分野のサブスぺシャリティに移行することは多く、関心が高いという。
(略)
 また、北川氏は管理職になるなどして執刀数が基準を満たさなくなったとしても、外科診療にかかわっていれば、外科専門医を維持できる仕組みが必要との考えを示し、4回目の更新時(20年目)には、希望すればNCD登録症例の申請を免除できるようになるとした。2007年まであった外科認定登録医制度については、日本専門医機構が専門医以外の名称を使用しないとしていることから、どのような位置付けになるかは未定とした。

 診療実績の証明ではこれまで以上にNCDが活用され、外科専門研修施設はNCD登録参加施設となることが必須となる。専門医認定時には350例(術者として120例)、更新には5年間で100例を必要とする基準は変わらない。 研修プログラム、複数施設で運営  新専門医制度で新たに導入される専門研修プログラム整備基準では、各地域で基幹施設が中心となり、複数の施設で「研修施設群」を構成することになる。単独施設プログラムは認められないと強調し、実際の運用について会場から質問が出ると北川氏は「客観的な評価と主観的な評価をすることになる」と説明。単独を避けるために1施設だけを連携施設に加えるよう運用は認められない可能性があると述べた。

 現在は指定施設が1277施設、関連施設が872施設となっているが、新制度での基幹施設は約300施設となることが想定される。基幹施設は、専門プログラム管理委員会の設置を義務付けられるなど、「多くの機能、責務を担う施設で、従来の指定施設とは全く異なる概念」と説明した。

 各施設群では専攻医(後期研修医)1人当たり、3年間500例以上を確保することが求められる。新たに設けられる専門研修指導医1人につき専攻医は3人までとされる。専門研修指導医は1回以上の専門医更新が条件となり、外科学会指導医とは別の概念になる。なお、日本専門医機構は指導医の認定は行わないため、今後どうするかは未定という。
(略)

まあ偉い先生方が制度を設計するわけですからそうした先生方に損になるようにはしないのだろうし、なんだかんだと激変緩和(?)の措置も導入されそうな勢いなんですけれども、いずれにしても医師の自己満足的な意味づけに留まってきた専門医制度と言うものが、地域医療の行く末を左右するまでになりそうだと言う話ですよね。
想像するに今現在の診療実績はさほどではなくとも、過去の診療実績を元に何かしらの資格を維持出来るような道も用意される可能性が高そうに思うのですが、では実際にそうした資格が診療上どのように活用できるのかと言うことを考えた場合に、当事者の自己満足以外では案外使い道がないものなのかも知れません。
ただ手は動かせなくなっても経験や知識を使って内科的診療に従事している外科の先生方は数多くいらっしゃるわけで、その意味では外科医から内科系への移行と言う道がどのように認定されるのかは大きな問題なのだろうし、そうした先生方への教育システム整備もまた新制度における一つの課題と言えそうです。
一方でこうした制度が大ベテランの先生方を中心に設計されつつあるとすれば、今後資格取得を目指すような若手の先生方にもそれなりに言いたいことはありそうに思うのですが、先日なかなか興味深い記事が出ていたことを合わせて紹介してみましょう。

「必要執刀数の上積みを」、若手が提言(2015年4月20日m3.com)

 第115回日本外科学会定期学術集会で4月16日、特別シンポジウム「若手外科医から見た新しい専門医制度」が開催された。登壇した後期研修医から指導医までの4人は必要症例数の上積みや認定基準の精緻化を求めた一方、司会を務めた外科学会の重鎮らは「非常に頼もしいが、外科志望者が減る中で果たして一般的な意見なのか」と疑問を呈する場面もあった。
(略)
 最後に、後期研修中の市立函館病院心臓血管外科の柴田豪氏は「僕が願う専門医制度―心臓血管外科専門医制度について―」を説明。現在のカリキュラムは患者から信頼される標準的な医療が行える心臓血管外科医になれるか不安があるとして、最低執刀数の底上げや、早くからサブスペシャリティである心臓血管外科のトレーニングを受けられるようにしてほしいと要望した。

外科医志望が減っている原因は?

 登壇者らによるディスカッションでは、司会を務めた外科学会専門医制度委員長の北川雄光氏(慶応義塾大学一般・消化器外科教授)が「専門医プログラムを決める中でハードルを上げすぎないようにしようと議論していた。果たしてみなさんはマジョリティか」と問題提起。外科志望者が減っている現状について、演者に意見を求めると「女性医師の増加」「リスクを回避したい、自分の時間を持ちたいという学生が増えてきた」という声が出る一方、「志望者の質は昔と変わらない」「専門医制度がしっかりすれば増える」という意見も出た。

 同じく司会を務めた東京女子医科大学消化器外科教授の山本雅一氏は「一人前の総合外科医になれという意見があったが、専門と総合のどちらに力を入れたいか」と質問。村上氏は「当院で一般外科をやった後で、他院でサブスぺシャリティに集中する期間を求めている。最近は合併症の患者が多いので、多くの領域を経験していることで、(専門)領域の先生に話をつなぎやすい」と指摘。他2人も総合的な経験を重視する中で、唯一、柴田氏が「心臓血管外科ではなかなか手術ができない医師が多い。少しでも早く一人前になりたい」と訴えた。

もちろんこうしたものの考え方は各人の目指すところや現在の職場環境などもあって人それぞれなんですが、面白いのは制度を議論する教授先生がハードルを上げすぎないようにしていると言う一方で、若手の先生はもっとハードルは高くすべきだと言っていると言う、一見奇妙にも見える構図ですよね。
若手先生方にとっては日夜奴隷労働に従事している以上症例など幾らでも溜まってくると言う計算もあるのだろうし、少々の数では何らハードルにならないと言う気持ちなのでしょうが、ここで留意すべきは競合関係にあるライバルの追い落としと言う側面もありそうだと言う点です。
かねて心臓血管外科や脳神経外科と言った難しい領域の手術をこなす外科医に関して、日本は諸外国と比べて一人当たりの執刀数が少なすぎると言う話があって、その結果術者のレベルがなかなか上がらないからもっと数を絞って多くの症例を経験出来るようにすべきだと言う声があったわけです。
しかしそうなれば今でさえ実際に手術が出来るのは数人に一人、それ以外は単に雑用をこなしているだけなどと揶揄される非執刀医の先生方の不満がさらに爆発すること必至だと思うのですが、専門医取得条件を満たすと言う大義名分があれば症例の集約化と言う点ではやりやすい面もあるのかも知れませんね。

この辺りは専門医と言うものの位置づけが大きく変化していきそうだと言う件とも絡んでいて、要するに誰も彼も好き勝手に取れる名ばかりの専門医から、実際に現在進行形でその領域のスペシャリストと呼べる先生に与えられる称号としての専門医に変わっていくのだとすれば、当然名ばかり求める未熟者は淘汰されてしかるべきです。
ただ専門医と言う(当の本人にとっては)アメすら与えられなくなった場合、ただでさえ不満が溜まりやすいその他大勢の先生方がそれでも地道な下積み仕事をこなしてくれるものなのかどうかと言う疑問も残るのですが、専門医資格基準を満たさない人々の扱いは現場を退く大ベテランの先生方にとっても大きな問題ですよね。
資格取得や維持の要件ばかりハードルを上げていけば、そもそも専門医などいらないんじゃね?と真実に目覚めて(?)しまう可能性もあって、資格取得が修行する動機付けになるどころか意欲を失わせる要因になったのでは意味がないことですが、では資格取得者にどんなインセンティブを与えるのが妥当なのかです。
専門医を取れば普通の医者には扱えないような難しい患者さんの診療が出来ます、などと言われてそれは凄い、是非やってみたいと言うタイプの先生方ばかりであればいいのですが、基本的にそんな余計な面倒毎を自分から抱え込みたがる人間は社会的少数派であるはずで、非専門医に対する処遇と言うのはそれなりに頭を悩ませそうですよね。

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2015年4月22日 (水)

高齢の医者が持つ独自の価値

お年寄りが元気な時代と言えば昨日今日に始まったことではありませんが、何しろ今の日本では最も人口も多くお金も持っている年代はお年寄りであると言えるくらいで、なおかつ選挙などの投票率も高齢者の方がずっと高いそうですから、社会的発言力も強まろうと言うものです。
一方では元気であればまだまだ働きたいと考える人も多いのがこの世代で、基本的に仕事を頑張ればそれだけ右肩上がりでの成長を続けてきた時代に生きてきた方々ですから理解出来る衝動ではあるのですが、では一体何歳まで?と少し考え込んでしまいそうなのがこちらのニュースです。

鹿児島の離島、2年ぶり医師着任 経験50年の78歳(2015年4月11日朝日新聞)

 常駐の医師がいなかった鹿児島県屋久島町の口永良部島に今月、2年ぶりに新しい医師が着任した。アフリカや離島で医療活動を続けてきた久保利夫さん(78)。昨年8月に新岳が34年ぶりに噴火し、不安な生活が続く中、島民たちは「やっと安心できる」と喜んでいる

 久保さんは医師歴50年を超えるベテラン。在外日本大使館の医務官として、アフリカのケニアや南米のコロンビアなどで勤務してきた。退職後は東北地方の無医村などをまわり、先月まで沖縄県竹富町の黒島診療所で駐在医師をしていた

 昨年12月、屋久島町立の口永良部へき地出張診療所が医師を募集しているのを、インターネットで見つけた。新岳の火山活動が長引いている心配に加え、祖父母が鹿児島県出身だったこともあり、「最後の仕事に」と応募を決めた

まあ大ベテランの先生が赴任してこられたので島の方々も安心だ、めでたしめでたしで済ませてもいい話ではあるのですが、それにしてもかれこれ80歳にもなろうかと言う方が未だ現役で医師をやっていられるのも驚きですし、率直に申し上げて様々な意味で大丈夫なのか?と言う心配もなしとはしないところでしょうね。
ただ経歴を見ても判る通りなかなか特殊なキャリアを持っている方であるようで、僻地診療の経験も豊富だそうですから適材適所と言うことでもあるのでしょうが、こうした高齢の先生まで導入しなければならない状況をどう考えるべきなのかで、某大先生などはさらにどんどん医者を増やさなければ!と大騒ぎしそうではあります。
逆に考えれば僻地診療で求められている医療とは決して最先端の高度なものではなく、日常的なごくありふれた疾患に対する対応がほとんどであると言うことでもあるのでしょう、言い方は悪いですが医療技術や知識で時代についていけなくなった先生方でも長年の経験を活かしてまだまだ活躍の余地はあると言うことでしょうか。
僻地と言えば日常生活の不自由さなど医療以外の面での制約から敬遠されがちですが、その求められている医療の内容を見れば案外特徴のあるものでもあって、そういうことがやってみたいと考える先生も決して世の中に全くいないわけではないだろうと思っていましたら、実際に僻地志望と言う新卒医師の先生がいらっしゃると言います。

還暦の新人医師が出発「へき地で30年働く」(2015年4月9日河北新報)

 十和田市の市立中央病院で今春、60歳の男性が研修医のスタートを切った。ことしの医師国家試験に最高齢で合格した水野隆史さんだ。異色の新人は「へき地の医療に貢献したい。最低30年、死ぬまで働く」と力を込める。

 福井県出身の水野さんは東大農学部卒の元農水官僚。2009年に金沢大医学類の学士編入試験に合格した。14年春に大学を卒業し、国家試験は2度目でパスした。
 医師を志すきっかけは、金沢市の北陸農政局に赴任した10年前、50代の女性が医学部に受かった新聞記事だった。19歳の時父親を病気で亡くし、医師という職業に関心があった。仕事をしながら、毎日午前3時に起きて受験勉強した。
 医師への道は楽ではなかった。必死に勉強したが、若いころより記憶力は衰えた。学科試験を通っても、年齢を理由に面接で落とされた。受験は5年間で延べ30校に上った。
 「面接官から『あなたが医師になることは、若い人の芽を摘むことだ』と言われたこともあった。私は『若い人だって明日死ぬかもしれないが私は40年生きます』って答えた」
 金沢大では入学式で保護者と間違われ、患者からは教授と勘違いされた。「指導教授の大半は年下。向こうはやりにくかったろう」と笑う。

 いつか東北で働こうと決めていた。入省3年目に水沢市(現奥州市)にあった岩手県の出先機関で勤務し、人や自然に引かれた。「最終的に女房が奥入瀬や十和田のバラ焼きを気に入った。都会には何の未練もありません」と言い切る。
 2年間の研修後は、身近な病気を広くカバーする「総合診療医」になりたいと考えている。医師不足に悩む東北のへき地で医療に携わるのが目標という。
 「当直勤務は体力的に不安だが、いつでもどこでも寝られる。役所時代に国会対応で鍛えた」と、どこまでも前向きだ。

しかし官僚と言えば余生はお気楽に天下りと言う風潮もある中で何ともアグレッシブな方なんだろうなと想像するのですが、やはりこの場合に目につくのが御年60歳にして医療の現場に足を踏み入れると言うことで、何度も面接で落とされたと言う話も妙にリアリティがありますよね。
訴訟沙汰にまでなった群馬大学のケースなども含めて以前から高齢者は(表向き様々な理由はつけるにしても)合格させないと言う医学部はかなりあるとされていて、興味深いのはこうした入学拒否が疑われ紛争化するケースは医学部独自のもので、あまり他学部では起こっていないようなんですね。
その理由として医学部は卒業と資格取得が一体化しているだとか、断固として医師になりたいと考える人間が多いからだとか様々なものがあるのでしょうが、やはり選抜する側とすれば同じ条件であればより実働期間が長い人間を選びたいと言う気持ちはあるのだろうし、単純に体力的な面でも若者だから務まっている局面も多いわけです。
その意味では身体的なハードさがさほどに求められないだろう僻地診療専門にと言うのはいい落としどころではあるのだろうし、本当にここから30年働くとなればこと僻地診療に関して言えば大多数の医師よりもよほど社会に貢献したと胸を張って言えるようになる可能性はありますよね。

医療崩壊と言われる現象の起こった理由の中には医療従事者自身が生活の質(QOML)を追及し始めたからだと言う声もあって、それは365日24時間ハードワークを強いられたのではよほど心身にタフな人間でなければ逃げ出したくなるだろうし、逃げ道がなかった時代には本当に心や体の病気になって仕事が出来なくなってしまっていたわけです。
それが嫌なら逃げてもいいんだと言うことがようやく認識されるようになり、各地でハードな急性期から楽な職場へとドロップアウトしていく先生が増えた結果急性期は崩壊したかも知れませんが、社会的需要があるのに医師不足にあえいできた一部施設などにとっては逆に医師が増えてよかったと言う側面もあったかも知れません。
こういう医師の労働環境の改善の目安として子供を持った女性などハンデのある先生方でも十分仕事が続けられる環境を目指すべきだと言う考え方があって、その意味で言えばとうにリタイアを考えるべき高齢の先生方でも務まる職場と言うのは究極的な良環境とも言うべきなんでしょう。
医師不足に対する対策として馬車馬のように文句を言わず奴隷労働を続けられる人間を優先的に選抜すると言う考え方もあるでしょうが、逆にそうした価値観を持った人ばかりですと僻地だ老人病院だと言った職場で働きたがる人は減る理屈で、案外今までは学生の選抜方式からして大きな落とし穴があったのかも知れないですね。

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2015年4月21日 (火)

人間の再生と言うことに関するアプローチの仕方

大手検索サイトのグーグルと言えばかつて未だ登録型検索サイトが主流であった時代に独自の検索エンジンによる高い検索効率が認められて一気にメジャーになったもので、何しろ「ググる」と言う表現が成立するくらいに今や最大手の検索サイトとしてすっかり定着しましたが、そのアグレッシブな経営姿勢から時々各方面と摩擦を起こしてきたことも知られています。
とは言えやはり多くのネット利用者にとってその検索機能は頼りにしなければならないものであるし、当然ながらグーグルとしてもより一層アルゴリズムに磨きをかけ検索効率を引き上げようとしているのでしょうが、その副産物と言うべきなのかこのところ同社発の人工知能に絡んだニュースも数多くなっていて、そのネーミングセンスはいささかどうよ?と言う観点からも世間の注目を集めていますよね。
最近では人間のプロ棋士とコンピュータープログラムが対戦する将棋の電脳戦が大きな注目を集めているように、技術的進歩に伴っていよいよ人間の能力を超える人工知能の登場も時間の問題と言われている時代ですが、先日グーグルからこんな気になる技術が出ていると話題になっています。

故人を“再生”できる 「性格」ダウンロード技術、グーグルが特許…ロボットの「性格」簡単カスタマイズ(2015年4月11日産経新聞)

 人格データをクラウドからダウンロードしてロボットに吹き込むことによって、亡くなった親族や有名人の「性格」を持つロボットが身近な存在になる-。米IT大手グーグルが、ロボットに特定の性格などを植え付けられるシステムの米国特許を取得したことが4日、分かった。グーグルはさまざまな活用法を想定し、「実社会に多大な恩恵をもたらす画期的システム」と自賛しているが、一部のメディアは、人間の能力を超える人工知能(AI)を備えたロボット(コンピューター)の出現が人類に災禍を及ぼすとする「2045年問題」への第一歩だと警鐘を鳴らしている。
 米メディアによると、特許は2012年4月に出願され、3月31日に登録された。性格の作成方法は明らかになっていないが、人間の意識の正体やメカニズムはまだ医学的にも解明されていないことから、動画や音声などのデータを解析して、パターン分類的に特徴を抽出する方法などが取られているとみられる。

亡くなった人「再生」

 人のさまざまな特徴に基づく性格情報がデータベースに蓄積され、ネットワークを通じて情報を処理するクラウド技術を活用し、ロボットに性格データをダウンロードするというのが特許技術の基本的な仕組みだ。例えば、特定の個人に性格を含めて話し方や表情などを似せることが可能で、亡くなった親族らに似せたロボットを身近に置くことによって心痛を和らげたりする活用法も考えられる。
 また、クラウドベースなので、ユーザーが旅行の際、自宅のロボットを持ち運ぶことなく、移動先で別のロボットに同じ性格をダウンロードすることもできる。ロボットの「ポータブル化」が可能なのも大きな特徴だ。
 さらに、故人も含めて実際の人間の性格をロボットに植え付けるのではなく、自分好みの性格を自分好みの外見をしたロボットに載せることもできる。このため、ホテルや飲食店などが、酒を一緒に飲んだりする接客用のロボットを顧客の好みに合うようにセットするといった使い道も想定されている。
 グーグルではすでに、子会社ボストンダイナミクスが「アトラス」と呼ばれる人型ロボットを開発しており、性格をダウンロードするための“器”の開発も進んでいる。

「2045年問題」警鐘

 だが、こうしたグーグルの試みには、批判的な見方もある。英紙インディペンデントは、「グーグルによる人格ロボットの特許取得は、『技術的特異点(シンギュラリティー)』に至る第一歩だ」と説いている。技術的特異点とは、人間を超えるロボットが出現する時点を指し、米発明家、実業家のレイ・カーツワイル氏(67)は2045年までに訪れると主張している。そして、技術的特異点が来れば、ロボットは自身を構成するプログラムをより高度なものに勝手に書き換え、やがて地球を支配。人間は肉体を失い、意識のみがロボットの中で息づく状態に陥ることなどが想定されると警鐘を鳴らしている。
 こうしたカーツワイル氏の「2045年問題」の指摘には、米マイクロソフト創業者で元会長のビル・ゲイツ氏(59)や、米スペースXとテスラ・モーターズの最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏(43)らも、賛同している。だが、グーグルのエリック・シュミット会長(59)は「『2045年問題』の指摘は誤りだ。優れた人工知能のロボットは、人類にユートピアをもたらす。ディストピア(暗黒社会)ではない」と真っ向から反論している。

今のところどうやって人間の人格を抽出するのかがはっきりしないものの、過去のグーグルの活動内容から類推するに恐らくは人の行動として外に出てくるものを行動パターンとして記録し、そのパターンを忠実に再現することで人格をコピーすると言うものなのだと思うのですが、そうだとすると個人の記憶のバックアップのようなものとは全く違って、よく似た別人格を構築すると言うことになるのかと思います。
この外見的な行動パターンと言うものを完全にコピーし得た場合、それは元の人格と同じものだと言えるのかどうか?と言う問題はかねてSFの世界などにおいても一つの大きなテーマとなってきたもので、もちろんコピーされる当事者にとっては記憶の連続性も何もないわけですからいわゆる不老不死化などとは全く別の話になりますが、周囲にとってみれば原理的には区別がつかない同一人格のように見えるでしょうね。
記事にあるように例えば亡くなった身内を偲ぶと言った目的で個人の人格をロボットなりに移植すると言った場合、極端に言えば家族がこれは故人の生き写しだと錯覚出来ればそれで用が足りるわけですが、そうやってコピーされた人格が環境から学習し新たな独自の価値観を発達させていった場合、最終的には元の人格とはかけ離れたものとなっていくのは必然です。
人間の場合人生の期間は有限であるし、本質的な意味で人格が変化するほどの学習を出来る期間はさらに短いわけですが、ロボットの場合パーツの保守さえ行っていけば何百年でも活動を続けられますから、天才科学者のコピー人格に無期限で研究を続けさせたらどんな成果が生まれるのか、偉大な芸術家のコピー人格がどんな作品を生み出すのかなど、様々な応用も考えられるかも知れません。
ただやはり凡百の人間としては昔からフィクションの世界であるように、万一死んだりした場合には別の体の中で蘇ってやり直せる「人生リセット」の方に興味が行くだろうし、この種の研究のスポンサーになるお金持ちの方々にとっても不老不死的意味合いから最も興味ある話だとも感じるのですが、先日どこまで信用すべきか微妙な気もするこんなニュースが出ていたようです。

人間の頭部移植 2年以内にも実施? イタリアの医師が計画(2015年4月6日CNN)

(CNN) 首から下がまひした患者の頭部を切り離し、脳死と判定された他人の体に移植する――。イタリアの医師が、そんなSFのような移植手術の構想を描いている。米国で6月に開かれる学会で講演して協力者を募る考えだ。

イタリアのセルジオ・カナベーロ医師が検討しているのは、頭部を別の人体に付け替える「HEAVEN(Head Anastomosis Venture)」と呼ばれる手術。ただしまだ乗り越えるべき課題は多数ある
既に予算の一部は確保済みで、残りは一般から出資を募るクラウドファンディングや書籍の販売でまかなう予定だという。

1例目となる候補の患者は30歳のロシア人男性で、ウェルドニッヒ・ホフマン病という難病をわずらっており、自分から手術を希望しているという。ただしカナベーロ医師はインターネットを介してこの男性と話しただけでまだ会ったことはなく、カルテなども見ていない
カナベーロ医師は、ほかにも手術を希望する患者からのメールや手紙が大量に届いていると話す。新しい体が欲しいと望むトランスセクシュアルの人も多数を占めるが、1例目の手術は筋萎縮症の患者を対象にすると同医師は強調した。

もう1つの大きな壁はパートナー探しだ。これほどの手術はカナベーロ医師単独ではできず、設備の整った大規模な医療施設の協力は不可欠。6月に米国で開かれる神経整形外科学会の年次総会で計画を説明して協力者を探すとともに、初の頭部移植手術の実施について2017年までに承認を得たい考え
もし米国で協力が得られなければ、中国を目指す意向だ。
実現のめどが立てば看護師と医師150人のチームを組織する予定で、参加したいという申し出も既に多数寄せられているという。手術にかかる時間は36時間を見込む。

手術成功の可能性については、1970年に米ケース・ウェスタン・リザーブ大学医学校で行われたサルの頭部移植手術を引き合いに出している。サルは手術から8日後に拒絶反応のため死んだ。頭部と体の脊髄を接合できなかったため体を動かすことはできず、自力呼吸もできなかった。71年にサル6匹の頭部を移植した別の実験でも、24時間生き延びたサルはいなかったという。
それでもカナベーロ医師は、医療や科学の進歩によってこうした問題は克服できると主張する。
2013年にはインターネットの医学誌に論文を発表し、脊髄を切断して別の体につなぎ替える技術などについて解説した。

これに対して米脳外科学会次期会長のハント・バチェール医師は、脊柱や血管は接合できても脊髄をつなぐことはできず、患者は動くことも呼吸することもできないと指摘、「この実現は望まないし、自分には絶対にさせない。死ぬよりも悪いことになる」と言い切った。
ニューヨーク大学のアーサー・カプラン医師も、カナベーロ医師の発表には科学的な根拠がないと述べ、馬鹿げた宣伝にすぎないと一蹴している。

乗り越えるべき課題は多数あると言いますか、そもそも動物実験レベルにおいてもまともに成功していない状況で実際にこんな手術を実施すれば医学の暴走だマッドサイエンティストだと批判を受けて当然だろうし、下手をすれば民事どころか刑事訴訟にまで発展しかねないと思いますけれども、実際上の最大の問題点としては誰がこの手術に参加する気になるかと言うスタッフ招集が課題に挙げられそうですね。
別記事ではずらずらと手術に関する問題点が列記されていて、1100万ドルに及ぶと見込まれている手術代を誰がどうやって捻出するのかなど課題山積どころではない状況なのですが、カナベーロ医師自身は脊髄を切り離し再接合する技術的革新を達成したと主張しているそうですから、過去に発表した論文に関しても専門家の方々の検証を期待したいところでしょうか。
「いざとなれば中国で」と言う言葉に何やらその本気度が現れているように思うのですが、記事を見ていて考えたことに以前から一部方面で議論されている点として、麻痺して動かなくなった手足を維持した方がよいのか、それとも切断した方がよいのかと言う議論がありますが、例えばリハビリや移動の容易さを考えると麻痺した体は壮大なデッドウェイトと言う考え方も出来るわけです。
また動かない体は褥創など様々な医学的トラブルにも見舞われやすいですから、単純に損得勘定で考えればいっそ切り離した方がよいのでは?と言う議論も成り立つわけですが、仮に体の一部を切断したとしてもそれを形態的のみならず機能的にも十分補えるようになるのだとすれば、現在医療従事者や患者本人が感じている心理的抵抗感もずいぶんと変わってくるものなのかも知れません。

最近では患者の意志に基づくわずかな神経活動の変化を読み取って随意にコントロール出来る義手義足の開発も進んでいるのだそうで、患者の頭部を生かし続けることが出来るのであればむしろそうしたハードウェアとの接続を考慮した方が早道なのかも知れませんし、そうした人工的な肉体のより高精度なコントロールにグーグルお得意の行動予測技術なども活用出来そうには感じます。
その意味では下手に拒絶反応等様々な問題点が続出しそうな移植手術よりは、機械的なものに置き換えると言う方向性の方が当面より実現性が高いのかも知れませんが、近い将来iPS細胞なりから体の各パーツが培養され移植にも利用されるようになってくると、いずれ体そっくりそのものを新しいものに入れ替えて何が問題?と言う話にもなってくるかも知れませんね。
いずれにしても画期的な技術的進歩が実際に臨床応用されるには単にそれが可能であるか否かと言うだけではなく、社会の側に新しい概念を受け入れるだけの許容性も必要なんだと思いますが、そうした心理的抵抗感の軽減に最も有効なのは百のデータよりも一の実例と言うのもまた確かではあるので、まずはやってみなければ始まらないと言う考え方もまんざら理解できないことではありません。
今の時代は反倫理的治療の強行だと見なされれば様々なペナルティが科される時代で、世の中にはそうした反作用を恐れてせっかく有用な新技術を開発しても地下に潜って表に出てきていないものがたくさんあるのだと言う都市伝説もあるようですが、当事者同士が納得し同意した上で行われることに関して社会が勝手に規制するのはおかしいと言う考え方もあるのだろうし、なかなか扱いも難しい問題ではありそうですよね。

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2015年4月20日 (月)

事故はいつでもあなたの背後に迫っている

先日久しぶりに車を買ったのですが、メーカー純正オプションでドライブレコーダーと言うものが結構大きな扱いで取り上げられているのに「近ごろのドライバーはそんなに事故の危険性を身近に感じているのか」と少し驚いたのですけれども、実は最近本来的な用途の想定とは別な目的でこのドラレコ人気が高まっているそうで、こんなサイトまで登場しています。

ドライブレコーダー、何が撮れたか見せて?--ユピテルが動画共有サイト「ユピドラ」公開(2015年3月13日えん乗り編集部)

ドライブレコーダーに特化した動画投稿サイト「ユピドラ」が公開された。カー用品大手のユピテルが運営する。安全運転に関する情報共有を促すだけでなく、変な動画、面白い動画も募集している。

ユピテルの会員製インターネットサービス「My Yupiteru」に登録、ログインすると、同社製ドライブレコーダーの録画を投稿できるようになる。録画は「景色」「交通マナー」「ヒヤリハット」などに分類して公開でき、撮影に使った機種の情報も表示できる。

公開した録画にはそれぞれ「驚」「危」「笑」「癒」「美」「凄」の6つのボタンがついている。閲覧した人はそのとき抱いた気持ちに応じて好きなものを押せばよい。またドライブレコーダーの購入を検討している場合は、製品による画質の違いなどを確認して参考にしてもよい。
(略)

このドラレコ人気なるもの、事故時のドラレコ映像がたびたびテレビ放映されるようになってきた頃から目立ってきたのだそうで、かつての業務車輛専用の感があった時代から一般車両に普及が進んだ結果大変な勢いで市場が伸びているのだそうですが、確かに何でもスマホで撮影して動画投稿する感覚の延長線上でドラレコ画像を投稿しても違和感はありませんよね。
もちろん本来的な意味での事故時の証拠保全と言う意味でも非常に有用な装備であることは言うまでもないのですが、興味深いのはドラレコ導入に対して補助金を出しているトラック協会の調査によると、大多数の事業所がドラレコ導入によって「運転者の安全意識が高まった」「安全運転指導に活用できた」と評価していると言い、実際に事故件数が減ったとも報告されているそうです。
技術的には成熟し安価で優れた性能を持つ製品が一般に普及してきていて、半分ネタのつもりでつけておいてもまあ損はないのかなと言うくらいの感じにはなってきていると思いますけれども、本来的な事故時の証拠と言う点でこの種の機械がどの程度必要なものなのかと言うことを考えさせる上で、先日福井地裁で非常に興味深い判決が出たと話題になっているようです。

「もらい事故」でも賠償義務負う 福井地裁判決、無過失の証明ない(2015年4月17日福井新聞)

 車同士が衝突し、センターラインをはみ出した側の助手席の男性が死亡した事故について、直進してきた対向車側にも責任があるとして、遺族が対向車側を相手に損害賠償を求めた訴訟の判決言い渡しが13日、福井地裁であった。原島麻由裁判官は「対向車側に過失がないともあるとも認められない」とした上で、無過失が証明されなければ賠償責任があると定める自動車損害賠償保障法(自賠法)に基づき「賠償する義務を負う」と認定。対向車側に4000万円余りの損害賠償を命じた

 遺族側の弁護士によると、同様の事故で直進対向車の責任を認めたのは全国で初めてという。

 死亡した男性は自身が所有する車の助手席に乗り、他人に運転させていた。車の任意保険は、家族以外の運転者を補償しない契約だったため、遺族への損害賠償がされない状態だった。対向車側は一方的に衝突された事故で、責任はないと主張していた。

 自賠法は、運転者が自動車の運行によって他人の生命、身体を害したときは、損害賠償するよう定めているが、責任がない場合を「注意を怠らなかったこと、第三者の故意、過失、自動車の欠陥があったことを証明したとき」と規定。判決では、対向車側が無過失と証明できなかったことから賠償責任を認めた。

 判決によると事故は2012年4月、あわら市の国道8号で発生。死亡した男性が所有する車を運転していた大学生が、居眠りで運転操作を誤り、センターラインを越え対向車に衝突した。

 判決では「対向車の運転手が、どの時点でセンターラインを越えた車を発見できたか認定できず、過失があったと認められない」とした一方、「仮に早い段階で相手の車の動向を発見していれば、クラクションを鳴らすなどでき、前方不注視の過失がなかったはいえない」と、過失が全くないとの証明ができないとした。

「もらい事故」でも賠償責任負う訳 無過失証明できなければ責任あり(2015年4月19日福井新聞)

(略)
 一般的な感覚では責任の配分が一方的となりそうな事故。はみ出した車は家族以外が運転していたため任意保険が使えず、この車に乗り死亡した男性の遺族補償が困難視されたケースだった。判決は遺族を救済する形となった。

 原告側の代理人を務めた宮本健治弁護士によると、自賠法では「人身事故が起これば、自動車同士なら互いに共同不法行為となる。少しでも過失があるとなれば賠償責任が生じる」という。一見、「もらい事故」という形でも、無過失の証明ができなければ責任があるというわけだ。

 一般的に責任の配分が「10対0」といわれる事故もあるが、「10」ならすべての責任を負うというイメージだった。“常識”を覆す判決といえる。

 自分に過失がなくても、相手が任意保険に加入しておらず、十分な補償がしてもらえない場合がある。今回の判決のほか、他者運転危険担保特約や人身傷害保険など、さまざまなケースを救済できる仕組みがあることを知らない人も多いという。宮本弁護士は「なんとかなる場合が大変多い。諦めず検討してほしい」と話していた。

不幸にしてお亡くなりになった方のご冥福をお祈りするしかないのですが、しかし強制保険の自賠責で何とか出来ないものなのか?と思ったのですが、あちらでは過失10割となると保険金は支払われないのだと言い、車輛としては加害側だが個人としては被害側である助手席同乗者の扱いがどうなるのかも気になるところです。
さて、注目すべきなのはこの悲惨な事故、保険契約の関係で任意保険が使えず死亡遺族への補償が難しいと考えられたケースであると言うことで、どうせ保険からお金が出るのだから弱者救済的に出せばいいじゃないかと言う感覚もあるのかも知れませんが、民事とは言えこうして責任を認定されれば運転手の感覚的にも保険料負担でも全く違ってくる話ですよね。
そしてもう一点、裁判官は事実関係を明確にこうだと断言しているわけではないと言う点で、過失があったと言う証明もなければ過失がなかったと言う証明もない、しかし法的に過失がなかったと証明されない以上は賠償責任があるのだと言うロジックで判決を出している点で、おそらく車は必ず保険に加入していると言う前提で定められているルールなのでしょうが、素直に読めばかなり無茶苦茶な話にも聞こえます。
地図で見ますと片側一車線で住宅の間を抜けていく地方国道で、そもそも対向車のはみ出しに気づいたとしても回避出来たのか?と言う疑問は残る状況に思えますが、普通に考えていわゆる10対0の責任配分で全くおかしくなさそうなのに巨額賠償金を命じられると言うのは、今後保険会社の側からも何かしらのアクションが出てくるものかも知れません。

こうした弱者救済的考え方で最近注目されているのが例の自転車の車道走行義務化の話で、これももともと車社会になり自転車と並走するのは危ないと昭和45年に道交法を改正していたものを、歩行者と自転車との事故が問題になってきたとして再び元々の車道通行に戻した結果、当然ながら今度は全国各地で車との間で重大事故が相次いで発生すると言う状況になってきています。
ただこうした素人目にも速度差があり過ぎて危険に思えるルール変更がなされたのも、仮に事故が起こったとしても車が絡んだものであれば必ず保険でお金が出るが、歩行者と自転車の事故ではそうはいかないと言う判断があったと言いますし、実際全国各地で近年自転車事故に絡んだ数千万円以上の巨額賠償金判決が相次ぎ、とても払えるものではないと自己破産に追い込まれるケースもあるようです。
自転車事故の場合子供が加害者となっているケースも非常に目立ち、この辺りは先日の小学生の蹴ったサッカーボールが校庭から外に飛び出して老人が事故にあった事件にもあるように、そもそも子供の起こした事故による賠償責任を親がどこまで負うべきなのか?と言う議論ともつながってくる話なのですが、いずれにせよ裁判で揉める根本原因として被害者救済、弱者救済と言う考え方があるのは確かに思えます。
どのような状況であれ何かしらの被害者が出れば誰かがそれを償わなければならないし、その責任が絶対にないと言う証拠がない以上は責任を取らされても仕方がないと言う司法判断が確定すれば、一般市民も今以上に日常生活の全てにおいて自己防衛に走らなければならないと言う話なんですが、しかし今回の件は任意保険の契約内容のあり方も問われるべきケースではないかと言う気もするのですけれどもね。

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2015年4月19日 (日)

今日のぐり:「麺やとんこつ本舗 フレスポ神辺モール店」

昨今猥褻事件の類は別に珍しいものではありませんが、先日多くの方々が何かの誤報ではないかと目を疑ったのがこちらのニュースです。

1日1人でも32年かかる!1万2000人買春の元校長にあきれる声(2015年4月8日東スポ)

 フィリピンで10代の少女とみだらな行為をし、その様子を撮影したとして神奈川県警は8日、横浜市の公立中学校の元校長・高島雄平容疑者(64)を逮捕したが、その性欲の強さが驚きを呼んでいる。

 報道によれば、高島容疑者は28年前に教員としてフィリピンに派遣されて以降、帰国後も同国をたびたび訪れ買春を繰り返していた。同容疑者はその様子を写真に収めており、14歳~70歳までの1万2000人以上の女性と買春していたとみられる。

 この人数は1日に1人と行為に及んだとしても32年はかかる計算。あの加藤鷹ですら抱いた女性の数は9000人といわれている。あまりの数に誤報を疑う声や、その性豪ぶりにあきれる声が多数上がっていた。

さすがに日付以外では全部ガセネタと言う東スポ以外にも報じているメディアがある以上本当なのでしょうが、しかしその努力をもっと健全な方向に向けていればと(略
今日はその圧倒的実力を全国に知らしめることになった高島容疑者に敬意を表して、世界各地からもう少し後先を考えるべきだったかなと感じるニュースを紹介してみましょう。

判決直後、検察官に「殺す」=脅迫容疑で男逮捕-滋賀県警(2015年4月13日時事ドットコム)

 法廷で実刑判決を受けた直後、検察官を「7年後殺す」などと脅したとして、滋賀県警大津署は13日、脅迫容疑で大津市本丸町、無職西村満容疑者(37)を逮捕した。「知らん」と容疑を否認している。

 逮捕容疑は3月17日午前10時ごろ、大津地裁で、強制わいせつなどの罪で懲役7年の実刑判決を言い渡され退廷する際、公判を担当した大津地検の男性検察官(38)に「7年後覚えとけよ。殺したるからな」などと言って脅迫した疑い。

 同署によると、西村容疑者は1月28日、強制わいせつと銃刀法違反の疑いで逮捕され、追起訴分も含め四つの罪で起訴された。3月17日の判決後に控訴したが、今月10日ごろに取り下げ服役していた。検察官が同署に被害届を提出したという。

こういうのは何と言うのでしょうか、いい歳をした大人であるのですからやったことには相応の責任は取らなければいけないと言うことですかね。
ネタのような本当の話と言うのはあるものですが、こちら本当に何が何やらと言うびっくりニュースを取り上げてみましょう。

アルマジロの鎧は硬いぞ!! ある男性が「アルマジロを銃で撃ったら弾が跳ね返って義母に命中」しちゃった件(2015年4月16日ロケットニュース24)

動物のなかには、外敵から身を守るために体色を変えてカモフラージュしたり、ハリネズミや亀のように針や甲羅で体を防護するものもいる。
そんななかでも、外敵が近づいたり襲われた時、四肢や胴体を鎧(よろい)のような帯甲に引っ込めてしまうアルマジロは、天下無敵のように見える。それを証明するかのごとく、中世の騎士のように鎧を身にまとったアルマジロは、銃弾すら受けつけないようなのだ。
というのも、ある男性がアルマジロを銃で撃ったところ、なんと銃弾が跳ね返って彼の義母に命中してしまったというのだ!!

・アルマジロを撃ったら銃弾が跳ね返った!
路上で見かけたアルマジロを狙って9ミリ拳銃を発射したのは、米ジョージア州のリー郡で、保安官代理として勤務するラリー・マックエロイさん54歳だ。
だが、保安官代理が予想だにしなかった事態が待ち受けていた。弾はアルマジロに命中したものの衝撃で跳ね返り、なんとあらぬ方向へ飛んで行ったのだ! アルマジロの帯甲が、銃弾をも弾き返してしまうほど硬いとは驚きである。

・跳ね返りまくった銃弾が義母に命中!!
こうして、アルマジロが跳ね返した銃弾はフェンスへ向けて飛んで行き、そこでまた弾き返った弾が、今度はトレーラーハウスの裏口を突き破った! そして、運悪くトレーラーハウスの椅子にのんびり腰をかけていたのが、保安官代理の義母キャロルさんだ。
アルマジロから始まり、数回色んな場所で跳ね返りまくった銃弾は、あろうことか椅子を突き抜けて、キャロルさんの背中に命中してしまったのである!!

・アルマジロを撃つことは住民に奨励されている
キャロルさんはとんでもない目に遭ってしまったが、すぐに病院に搬送されて治療を受け、完全回復が見込まれている。同州では、アルマジロを撃ち殺したり、罠を仕掛けて捕らえることが住民に奨励されているとのこと。
ちなみに、ラリーさんが撃ったアルマジロは、撃たれた衝撃で死んでしまったという。事故とはいえ義母を撃った件で、保安官代理が罪に問われるかどうかは明らかになっていないそうだ。
アルマジロ騒動の前、保安官代理とキャロルさんの関係が良好だったのかどうか分からないが、実母ではなく義理の母親とはなんだか微妙である。来月の母の日は、義母のためにしっかりお祝いしてあげたほうが良さそうだ。

アルマジロくらい放っておけばよかっただろうにと思ってしまうのですが、短慮の結果がよりにもよってよくもこんなことになったものだと感心もしますね。
昨今では結婚と言うものに関する価値観も多種多様ですが、こちら幾ら何でもそれはと突っ込まれたと言うニュースです。

インドの男性「コブラ」と結婚式を執り行い逮捕!司祭は逃亡!(2015年4月16日秒刊サンデー)

不思議がゴロゴロ転がっている面白い国インド。そのユニークな文化や風習に虜になる方も多いだろう。日本に住んでいると考えられない様なことが、ごく普通の日常に潜んでいるインドから不思議なニュースが届いた。なんと自分のことを蛇だと信じている(?!)若い男が、ある一匹のコブラと結婚式を挙げようとしたそうだ。

インドの経済成長は著しく、今現在成長著しいあの中国を今後数年の内に抜くかも知れないほどの勢いがあるそうだ。そんな経済発展と近代化が急速に進むインドで、そのニュースを聞いた人のほとんどが恐らく我が耳を疑ってしまう、そんな驚くべきニュースが巷を賑わしているらしい。
27歳のアラサー青年Sandeep Patelは、その日白いベストとズボンというシンプルな格好で好奇の目に満ちた12000人とも15000人とも言われるヒンズー教徒の大群衆の前に現れた。なんとその日彼は、前世で美女だったという一匹のコブラと結婚式を挙げるのだ。
彼は、トランス状態に陥った後には、自ら蛇に変身することが出来ると固く信じているそうだが、つい先日のイースターの日にその前世が美女らしいコブラが、彼と結婚の約束をしたことを人々に告げていたのだ。

-祭司公認の結婚式だったのだが…

青年とコブラの結婚式を祝福するよう招かれたヒンズー教の祭司も、「彼は子供の頃から歩く時や、飲み物を飲む時に蛇のようにチロチロと舌を突き出す癖があるから。」と納得顔だったという。
彼の意思通り結婚式は執り行われることになったが、そのニュースを聞きつけた武装警察によって結局式は執り行われることはなく、コブラと結婚したかったアラサー青年と農夫である彼の父親は、「平和を乱した罪」で捕まってしまった。因みに祭司は騒ぎが起こった際に、逃げ出してしまったそうだ。
しかし結婚式が執り行われなかったことに不満を抱いた群衆が暴徒化し、現場は一時騒然とした状態へと陥った。ところで、何故これほどまで群集がコブラと青年の結婚式を望んだのだろうか。9年前にもコブラと結婚した女性がいるそうだが、この結婚はその女性が住む村に平和をもたらしたとされている。インドでは蛇を神様と崇めているそうだが、もしかするとそんな背景が関係しているのかも知れない。

警察まで押しかけるとは穏やかではありませんが、やはりアラサー世代にもなって根回し不足であったことが彼の敗因でしょうかね。
同じくヘビ絡みの話題としてこういうものがあるのですが、こちらもやはり考えるよりも行動が先走ってしまったが故の悲劇と言えるでしょうか。

ニシキヘビ 猫を飲み込もうとして自分が死ぬ(2015年4月8日スプートニク)

オーストラリアのクイーンズランド州で、悲しい事件が起きた。地元に住むフランシス・ベクウィスト氏が朝の散歩に出た時、ひどい悪臭を発する巨大なニシキヘビが草地にいるのを見つけた。

氏が驚いて蛇の身体を注意深く見ると、自分の飼い猫タイガー(オス)が蛇に飲み込まれ、身体が消化されず、どこかに引っかかって、蛇が死んでしまった事がわかった。Gulfliveが伝えた。

ベクウィスト氏は、ジャーナリストに対し、悲しげに次のように話した-

「その時初めて、すでに3日間行方知れずになっていたタイガーがどこに行ってしまったのか理解しました。死んだ蛇がどこにいるか、匂いですぐに分かりました。私は死んだ蛇を日の当たる所に引き出し、注意深く観察したんです。するとびっくりするじゃありませんか、蛇はバラバラになり始め、目を凝らすと、蛇の胃の中に飼い猫タイガーを見つけたんです。それは恐ろしいものでしたよ。タイガーは、もう年寄りで、時折奇妙な事をしましたが、一度も病気をせず、全く手がかかりませんでした。それが、こんな風になってしまって、もういないのです。」

状況がよく判らない部分もあるのですが、しかしこの場合死因としてどのようなことになるのでしょうかね。
先日少しばかりびっくりしたニュースがこちらですが、いささか思慮に欠ける行動は皆の迷惑ということでしょうか。

500kgものドラッグを警察が焼却処分。付近一帯の住民に健康被害(2015年3月29日テックインサイト)

このほどインドネシア・ジャカルタ近郊のある町で、警察が押収した大量の大麻などを焼却処分した。ところがこの煙を吸ったことにより、付近一帯の住民が頭痛、吐き気を覚え、あるいはハイになってしまったことが伝えられている。

ジャカルタの西に位置するインドネシア・バンテン州のタンゲラン警察は11日、南部のサーポンや空港で大変な量のドラッグを押収したことを発表。さっそく屋外で焼却処分となったが、これが見学者および付近一帯の住民に健康被害を与えていたことを『sciencetimes.com』が報じている。

処分されたドラッグの量については3.3トン、500kg、390kgと情報が錯そうしていたが、正しくは500kgであったとのこと。具体的には末端価格にして約1億2000万円の価値がある大麻、同2億4000万円の価値があるクリスタル・メス(メタンフェタミン)、それにエクスタシー(MDMA)が2,538錠であったという。

その焼却の際にマスクを着用していたのは火をくべた警察官のみ。取り巻いている者、周囲で見学する者、そして近隣住民の中にもマスクで煙を防ごうとした者はおらず、人々は次第に酒に酔ったような気分を訴え始めた。めまい、頭痛、吐き気を覚えた者も多く、一概に“ハイになった”とは言えないという。

ちなみに、大麻収入で栽培や大麻樹脂の製造に雇われている人々の健康被害も問題になっている。ヨーロッパに大変な量の大麻を供給しているアルバニアでは、Lazaretという村の約8分の1の住民(多くが女性、4割は未成年)が中毒症状に苦しめられていると報じられて物議を醸していた。

報道によって量が変わるところがまた現場の混乱ぶりを示していますが、しかしやはりこれだけの量になると扱いも難しいものなのですね。
最後に取り上げますのはまあ原理的には間違ってはいないのか?と言うニュースなんですが、その方法論に問題があったようです。

42℃でがん細胞が死ぬ?雲南の白血病男性が裸で体を炙る荒療治(2015年4月11日フォーカスアジア)

雲南省大理市で、一昨年に白血病を患い治療費が底をついた25歳の男性が、自宅の畑で自らの体を炙る荒療治を始めた。香港・東網が10日報じた。

この男性は自身のツイッター・微博(ウェイボー)上で9日、この荒療治を始めたことを報告。「専門家によると、摂氏42度以上の高温になるとがん細胞が死ぬらしい」として、資料を調べたうえで「試せそうだ」と考えたことを明かした。

しかし病院に行くお金がないため、自宅で実験をすることに。「お湯か火か炭かを考えた。でも、お湯はすぐ冷めてしまうのでダメだと思い、火と炭でやることにした」と説明した。そして9日、自宅の畑に簡単な木の寝台を作ったうえで実際に裸で寝そべり、その下に起こした火で炙る実験を行った。

その結果30分以上炙り続けることができたという。そこで、「何日か炙ってみてから病院に行き、がん細胞が死んだかどうか確認する」とのことだ。

男性は以前微博上で、化学治療にしても骨髄移植にしても巨額の費用が掛かり「自分のような貧しい山間の家庭にとっては巨大な災難だ。お金がないことは、死ぬことと同じだ」とし、近ごろは病気を治すために中国伝統医学や民間療法の研究をしていることを明らかにしていた。

どんな温熱療法だと思わず突っ込みが入りそうなニュースなんですが、これまたその多大な労力を(以下略
もちろん本人にとっては生きるか死ぬかの瀬戸際なのでしょうけれども、正直時間と体力の無駄遣いに終わる気がしてならないのは自分だけでしょうか。

今日のぐり:「麺やとんこつ本舗 フレスポ神辺モール店」

福山市の市街地北部に位置する神辺地区は近年大きなモールが出来たりで商業激戦区になっていますが、その一角にあるのがこちらのお店です。
看板にある通りとんこつがメインのようですが、割と珍しい牛骨ラーメンなども食べられると言うことで品揃えはかなり豊富かつ独創性がありますよね。

今回は山盛り野菜ラーメンにもかなり惹かれたんですが、やはりとんこつメインと言うことでここはとんこつ野菜ラーメンを頼んで見ました。
ちなみにこのとんこつ野菜ラーメン、全体的な見た目も某長○ちゃん○んを非常に意識しているのかなとも感じるのですが、味は正直優劣付けがたいもののこちら量はちょいと少なめで価格は五割増しになりますから、相対的にお得感はちょっと控えめな感じでしょうか。
ちなみにせっかく肉なしのメニューなのにサービス品の鶏唐揚げの小皿がつくのが良いのか悪いのかですが、この小鉢がトレイの中で妙に嵩高いラーメン丼の奥側に位置しているものですから、とにかく存在自体も見にくいし箸も伸ばしにくいと言うことが気になりました。
こちらではサイドメニューやつまみ系からデザートまで、今どきのラーメン専門店にしては品揃えがいいと思うのですが、夜遅くまでやっているようなのでちょっとした飲み屋的な機能も期待されているのでしょうかね。

少し気になった点として食券制なんですが、その券売機が妙に見にくい気がするのは照明の問題なのか設置場所の問題なのか、ともかく店に入ってきて席に向かう際の動線から外れているのか視界に入りにくいようです。
見ていますと実際に戸惑うお客さんも多いようで、いちいちその都度店員さんが出てきて誘導してくれるのですが、ちょうど位置的にも手頃そうな玄関手前の待合スペースにでも置けば良さそうなのにとも感じました。
しかし店内の掲示を見ても接遇面にはこだわりがあるらしいのですが、こうしたあちらこちらで感じられるちょっとした点や水くみもセルフと言うのが何ともちぐはぐな感じで、顧客サービスとは何かと言うことを考えさせてくれるお店でもありますよね。

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2015年4月18日 (土)

議員と言う職業も人材不足なんだそうです

先日4月12日の統一地方選挙前半戦は投票率が過去最低だったそうで、これも民主主義の根幹をなすはずの選挙と言うものの位置づけも問われかねない事態ではあるのですが、もう一つ非常に懸念される問題が顕在化してきているとマスコミ各社が否定的に報じています。

無投票当選、最悪 21%審判受けず(2015年4月4日東京新聞)

 統一地方選で三日に告示された四十一道府県議選は、総定数に占める無投票当選の比率が過去最高の21・9%に上り、五人に一人以上の新議員が有権者の審判を受けることなく決まった。香川では全四十一議席の約三分の二(65・9%)に当たる二十七議席が告示日に埋まる事態となった。地方政治の「なり手不足」は深刻な状況を迎えている。

 香川では県庁所在地で県内最大の高松市選挙区に定数と同じ十五人しか立候補せず、戦後初の無投票となった。
 無投票率が高かったのは香川に続いて山形(45・5%)、宮崎(43・6%)、徳島(35・9%)、広島(34・4%)の順。山形は十九選挙区中十一選挙区、宮崎は十四選挙区中十選挙区が、それぞれ無投票だった。
 無投票当選がゼロだったのは大阪、山口の二府県だけ。京都では無投票を避けようという動きもあったが、最終的に一選挙区が無投票となった。

 過去の統一選の都道府県議選で無投票率が最も高かったのは一九九一年の第十二回。四十四道府県議選で総定数二六九三の21・8%となる五百八十七議席が無投票で決まった。九九年の第十四回以降は10%台で推移し、前回二〇一一年は17・6%となっていた。

 統一地方選前半戦の四十一道府県議選と十七政令市議選が三日、告示された。道府県議選(総定数二二八四)に届け出たのは過去最少の三千二百七十三人。平均競争率は前回の一・四八倍から一・四三倍に下がった。既に告示された十道県知事選や五政令市長選とともに十二日に投開票される。
 道府県議選は岩手、宮城、福島、茨城、東京、沖縄を除く四十一道府県で実施される。女性候補の割合は11・6%で、過去最高だった前回(10・0%)を超えた。
 政令市議選(総定数一〇二二)には千四百七十七人が立候補し、無投票当選は十七人。平均競争率は一・四五倍で、前回の一・四七倍より下がった。


統一選2割超が「無投票当選」 笑いが止まらぬ地方議員たち(2015年4月13日日刊ゲンダイ)

 予想通りのドッチラケ選挙だった。12日に行われた統一地方選の10知事選の確定投票率は47.14%。41道府県議選の投票率も45.05%と、いずれも過去最低を記録。また、無投票当選者は501人に上り、総定数の22%が戦わずに当選している。こちらは過去最高だったから、いかに国民の関心を呼ばない選挙だったかを象徴している。

 しかし、国民が見向きもしない選挙で選ばれた連中に、この先4年間、巨額な税金が使われるのだからふざけた話だ。「地方議員を変える国民会議」の調査では、13年4月時点で地方議員には、議員報酬、期末手当、政務活動費、費用弁償として、1年間で約2690億円が支払われているという。都道府県議や政令指定都市の市議ともなると、年収は約2000万円。そのクセ、地方議会の会期は年間90日程度というのだから、無投票で当選した“センセイ”方は笑いが止まらないだろう。

「今の地方選挙は、ほとんどが“届け出制度”と変わらない。街中を一日回って顔を見せて、開票と同時に当確で『バンザイ』。そんな結果が見えているから、有権者も選挙に行かない。一方で、さしたる志もない候補者がラッキーパンチで当選、1000万円以上の年収を得るケースもある。対決構図をつくれない政党にも問題がありますが、やはり有権者はキチンと権利を行使しなければならない。民主主義は崩壊寸前です」(政治評論家の有馬晴海氏)

 言うまでもなく、2690億円の原資は税金だ。この日、行われた41道府県議選では、大阪府議会を除く40の議会で自民党が過半数を維持、第1党となった。一体、何のための選挙だったのか。国民はしっかり考えた方がいい。

まあしかし、無投票だろうが投票ありだろうが当選すればうれしいものなのでしょうけれども、少なくとも選挙活動にかかる費用がまるまる浮くと言う点では無投票の方が喜ばしいと言うのは、実は当事者たる議員さんのみならず「原資は税金」を負担する住民にとっても言えることなんですけれどもね。
最近各方面で低報酬のケースも増えてきているそうですが、多くの自治体では未だ一般市民の平均年収水準と比べればずいぶんと高めの報酬を得ているのだし、衆議院などと比べて途中で解散するリスクもあまりないと考えると、立候補するだけで極めて高い確率で高年収を得られる仕事と言うのは魅力的だと感じる人がもう少し増えてもよさそうですよね。
ところが実際には世間からそうは受け止められてはいないとなれば、どこかにマスコミが報じない大きな落とし穴があると言うことを国民は暗黙の了解として承知していると言うことになりますけれども、先日はこんな記事が出ていたことを紹介してみましょう。

無投票当選が過去最高、地方議員のなり手がいない!ハードルを高める「割に合わない商売」という現実(2015年4月9日日経ビジネス)

(略)
 統一選の後半戦、政令市以外の市長・市議選、町村長・町村議選などでも、無投票が相次ぐ見通しだ。「地方創生」に向け、地域ごとのアイデアや取り組みが求められる中、自治体経営の柱となるべき首長や議員を目指そうとする動きが全般的に低調なことは、地域社会の将来を危うくしかねない。自民党幹部は「与野党問わず、大変憂慮すべき事態だ」と漏らす。
 なぜこれほどまでに無投票当選が続出しているのか。まずは人口減少や自治体の合併を反映して定数が減り、当選のハードルが上がったことだ。

無投票が続出するワケ

 道府県議選で当選レベルに達するだけの支持を集めるには一定の知名度や「おさまりの良さ」がより重要となり、「若さ」や「風頼み」の新人候補には逆風となる。筆者の知人も立候補を模索したが、最終的に断念に追い込まれた。
(略)
 ほかにも、高齢化の進行や都市部への人口流出による人材の不足、有権者の無関心、「地域の和」を尊重して争いを避けようという空気なども挙げられる。さらに言えば、地方議員としての「美味しみ」が薄れ、今や自他ともに認める「割に合わない商売」の代名詞に位置付けられるまでになったことも大きいのではないだろうか。

高齢化が進み、香典代もかさむ一方…

 「こまめに冠婚葬祭や地域の会合に対処すれば、議員報酬の半分はなくなる」。筆者の出身地、岩手県の旧知のある県議は苦笑交じりにこう漏らす。
 高齢化が進む地域を地盤とするだけに、地元では毎週のように弔事がある。地区の寄り合いや業界ごとの会合も頻繁に開かれる。法律的に「アウト」とならない範囲内での対応に留意しているとはいえ、選挙の事を考えれば付き合いを重視せざるを得ず、出費はどうしてもかさむという。
 おまけに、昨年話題をさらった「号泣県議」問題もあり、議員として活動する際の調査・研究に充てる名目で支給される「政務調査費」の使途に対する監視の目は厳しくなるばかり。人口減で自治体の活力も税収も低迷し、かつてのように地元に道路を引っ張ってくるような利益配分型システムは、崩れた
 「行政サービスの効率化や負担増など不利益の配分を住民にお願いする機会が多くなり、議員が矢面に立たされる場面が増えている」。増田寛也・元総務相はこう指摘する。
 地元から感謝されることは少なくなったのに、寄せられる要望や陳情、苦情の類は引っ切りなし。地域住民にとっては、地元議員は「偉い人」から「使う人」へとすっかり変容してしまったのだ。

実態は地域の「御用聞き」

 「この街や地域をどうしていくのか。そういうことを考え、勉強するより、地域の御用聞きとしての役割に追われていた。それも仕方ないことだけど、さ」。こうこぼしていた岩手県内のあるベテラン市議は、昨年の市議選を前に引退を画策。ギリギリのタイミングでなんとか意中の人物を口説き落とし、後継候補に据えることができた。
 この候補は無事当選を果たしたが、後継に指名された決め手は「元々、市議を出していた家だから」。本人の資質や意欲などは二の次にしてでも押し付けないと、なり手がいない。そんな綱渡りの事例があちらこちらで増えてきているのが実情だ。
 「地元のために働きたい」「地元を活性化させたい」――。できるなら、そんなやる気やリーダーとしての資質を持った人材こそが政治を志してほしい。「金を心配し、日常の活動を面倒がるような輩は議員になるべきではない」という見方もまさに正論だ。
 だが、魅力が薄れ、当選への道のりが険しさを増し、人口減が加速する現状では、「政治をやりたい」と考える人材が今後、増加傾向に転じていくとはなかなか考えにくい。どこからか救世主のようなリーダーが舞い降り、地域を元気にしてほしい――。そんな「一発逆転」の夢は残念ながら彼方へ遠のいているのだ。
(略)
 特に地方議員の担い手不足が危険水域に入ってきた今、「政治は嫌い」「誰かがやってくれるだろう」と傍観していればいい段階はとうに過ぎた
 「お任せ民主主義」で結局損をするのは自分たち。こうした「不都合な真実」に早く向き合い、「任せたい人材」を自分たちで探し、リーダーに押し上げていく。実はそうした住民の意識改革と試みこそが、打開への最大のポイントになると思う。

昔と比べれば各種の法的規制なども断然強化されてきているのは事実であり、その一方で政治家の権威が年々低下してきているとなれば有権者たる住民との力関係が逆転すると言うのも頷ける話ですし、議員センセイなんだからあれもやってくれ、これも頼むと何事も便利使いされるのでは心ある政治家ほど「こんなことをしたくて立候補したのではない」と幻滅してしまうのかも知れません。
ただ記事では表向きの話と言うのでしょうか、様々な支出や日常的な雑事に追われる一方でそれにふさわしい見返りがないと言うことが立候補者減少の一因と言っていますけれども、それ以上に大きいと感じているのはやはり政治家=賤業と言う意識がすっかり定着してしまっていると言うことで、何しろ連日テレビや新聞、週刊誌などマスコミ各社が諸悪の根源のように政治家バッシングをしていない日などないわけです。
その一方で政治家を褒めている場合などまず目にすることがないのですから、率直に申し上げて政治家の社会的地位を貶めることに専念してきたマスコミなどが「無投票はケシカラン!」などと拳を振り上げたところで他人事のような態度でお前が言うなと言う感じなのですが、こうして記事にしてまで問題視すると言うのであれば今後は政治家とはこんなにも素晴らしいものなんだと国民に啓蒙していく義務も負ったと理解しておいていいのでしょうね?

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2015年4月17日 (金)

技術的革新で医療がもっとよくなると言う話題

まだまだ基礎研究の段階ですけれども、先日とんでもない研究成果が発表されたと話題になっています。

ヒト毛髪再生に成功、数年内の臨床試験目指す(2015年4月13日日経メディカル)

 「ヒト毛包由来の幹細胞からの毛髪再生に成功した。症例数を蓄積し、早ければ4年後の臨床試験実施を目指す」――。理化学研究所多細胞システム形成研究センター器官誘導研究チームリーダーの辻孝氏が、第29回日本医学会総会 2015 関西の学術講演(4月11~13日、京都開催)で発表した。

 現在、男性型脱毛症や休止期脱毛(女性型脱毛症)の国内患者数は3000万人とされる。円形脱毛症や瘢痕性脱毛症も含め、毛髪再生医療に期待する声は大きく、その市場規模は1兆円に達すると推測されている。

 辻氏らは、上皮性幹細胞と間葉性幹細胞を高密度で配置して細胞を培養し、再生器官原基を調製する「器官原基法」を開発。これまでに動物レベルでの歯や唾液腺などの器官誘導に成功している。

 この器官原基法により辻氏らは、ヒトの再生毛包原基をマウス皮膚内に移植し、純粋なヒト由来の毛髪再生に成功した。毛髪の太さや色は、通常の毛髪とほぼ変わらないという。

 毛髪再生医療では、高密度の毛包再生が重要となる。既に辻氏らは、マウスの再生毛包原基を高密度に移植し、3週間後に日本人の頭髪の毛幹密度60~120本/cm2と同等以上の124本/cm2の毛髪再生を達成している。今後、ヒト毛髪での高密度毛包再生に関するデータを蓄積し、4年後の臨床試験実施を目指すという。

 さらに辻氏らは、マウスiPS細胞から毛包や真皮を含む全層皮膚を再生できたと発表した。まもなく論文を発表し、詳細な成果を報告する予定。

 辻氏は毛包再生のメリットとして、必要な細胞数が少なく(1万3000個)、除去が簡単であり安全性が担保しやすい点などを挙げた。「毛髪再生医療は市場も大きく、医療産業の発展にも貢献できる。器官再生医療のモデルケースとして、費用など提供体制の構築に向けたノウハウを蓄積したい」と今後の展望を話した。

今や育毛、増毛産業は世界的に大変な市場規模が見込まれるのだそうで、もちろんその面でも多いに期待する向きがあるかと思うのですけれども、皮膚全層を再生出来たとなれば熱傷治療など様々な応用も期待出来そうですから、医療の面でも利便性の高そうな研究と言えます。
しかしこういう技術が当たり前に社会に出てくる時代がやってくるとすれば、いずれはブラックジャックのリメイクがやりにくくなってきそうにも思うのですが、本日は最近医療に関連する領域で目についた非常に大きなブレークスルーを感じさせる記事を幾つか紹介してみたいと思います。
まずは近年新薬が毎日のように登場してくるようになって、そのたびに薬価が跳ね上がると言うのもどうなのかと思うのですが、薬の製造コストを劇的に引き下げることが可能になるかも知れないと言うのがこちらの研究成果です。

<医薬品合成>複雑な化学反応 10分の1の時間に短縮(2015年4月16日毎日新聞)

 複雑な化学反応を自動的に連続で起こし、医薬品を原料から直接合成する新たな製造法を、東京大の研究チームが開発したと発表した。化学反応のたびに生成物を取り出して次の反応を繰り返す現在の合成法に比べ、高効率で廃棄物も少なく、医薬品の製造コストを大幅に下げられるという。成果は16日付の英科学誌ネイチャーに掲載される。

 現在の医薬品や農薬は、原料をフラスコや釜に一度に入れて反応させる方法を繰り返して合成する。この方法では、反応過程で生じる物質の抽出や、不純物の除去に時間と労力がかかり、多くの廃棄物も出る課題があった。

 東大の小林修教授(有機合成化学)らは、化学反応を進める4種類の触媒を入れた管に市販の原料を順番に通す装置を開発。8段階の反応を連続で進行させ、抗炎症薬の有効成分を合成することに成功した。連続合成は複雑な医薬品では難しいとされていたが、新たに開発したカルシウム触媒や不要な物質の生成を抑える仕組みで実現させた。

 小林教授は「従来法と比べ触媒の反応効率は100倍以上で、合成に必要な時間は約10分の1に短縮できる」と話す。【千葉紀和】

記事を読んで耐熱性のDNAポリメラーゼが登場して遺伝子合成が一気に一般化した歴史を思い出したのですが、しかし実際に医薬品として使える品質の合成産物が簡単に早く出来ると言うことであればコスト削減効果は計り知れないだろうし、さらに一連の設備も省略出来るとなれば例えば宇宙空間でも利用しやすくなるのでしょうか。
医薬品に関しては製造コストよりも開発費の方が高くかかっていると言う部分もあって、単純に製造コストが引き下げられたからと言ってその分値段も大幅プライスダウンとはいかないと思いますが、昨今何かと話題になることの多い医療費削減と言う側面からも期待されるところですよね。
先日は欧州製薬団体連合会などが今後12年間で薬剤費の増加率は医療費の増加率を下回るかも知れない云々と牽制球的な見解を出していましたが、社会保障費抑制の流れにおいて医療費本体部分以上に今後注目されそうなのが薬剤費である以上、製薬各社は早急にコスト削減策を追及していかなければならないのだとは思います。
もう一つ、まあそうなんだろうなと理屈の上では非常に判りやすい話ではあるのですけれども、実際にやってみると思いの外高い効果が得られたと言うこちらの話題を紹介してみましょう。

クラウドで外科医のオンコール出勤が7割減に(2015年4月15日日経メディカル)

 オンコール時、自宅で急患の画像が読影できたら、どんなにいいか――。そんな外科医の望みをかなえる遠隔画像診断システムが開発された。セキュリティーが担保された状態で、患者の重症度を院外で判断できる。時間外の出勤が減り、外科医の負担軽減に効果大だ。

 とある日曜日、自宅で家族と過ごしていた外科医の郡隆之氏の携帯電話が鳴った。勤務先の利根中央病院(群馬県沼田市)の日直医からのオンコールだ。急性腹症で来院した救急患者のコンサルトを依頼された郡氏は、タブレット端末を取り出し、院内で撮影したばかりの当該患者のCT画像を自宅の書斎で確認(写真1)。虫垂炎など外科的処置・手術を要する疾患ではないと判断し、日直医に急性胃腸炎の対応を依頼した。

 「院外で画像が読影できるシステムを導入した結果、夜間や休祝日のオンコール待機時の時間外出勤を7割減らすことができた」と郡氏は話す。

通信速度が速くなくてもストレスなく読影できる
 同院に限らず、救急部がなく夜間・休祝日の救急医療を当番制の当直医が担っている医療機関は多い。外科的対応が必要な場合には、オンコール待機の外科医が呼び出されるのが一般的だ。外傷や急性腹症などの外科的救急疾患の重症度判定は画像診断が決め手となることが多く、電話だけでは判断が難しい。結果として、大半のケースで時間外出勤を要するが、「実際に診察してみると外科的処置が不要なケースや外来だけで対応可能なケースが半分以上あり、外科医の負担は大きい」と郡氏は明かす。「外科疾患に限って言えば、画像があれば9割以上は診断が付くことから、院外で読影できる仕組みを構築したいと考えた」(郡氏)。

 遠隔画像診断は放射線科では盛んに行われているが、外科系診療科での活用は珍しい。利根中央病院で稼働しているシステムは、「ViewSend anywhere」。経済産業省「課題解決型医療機器等開発事業」に採択され、外科部長である郡氏と、遠隔読影支援システムの開発・製造販売を手掛けるViewSend ICTが共同開発した。
(略)
 近年では、フェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用し、医師同士で医療用画像をやり取りする例も散見されるが、セキュリティー面での不安はぬぐえない。「ViewSend anywhere」は、Webブラウザに標準搭載されているデータ暗号化送受信プロトコール(secure socket layer;SSL)を利用し、VPN(virtual private network)と呼ばれる仮想的な組織内ネットワークを構築する仕組みでセキュリティーを担保している。システムの導入価格は2500万円と高いものの、「サーバー上の画像を閲覧するシステムであり、閲覧した画像が端末に残らない点でも、安全に利用できる」(郡氏)メリットは大きい。システムは同一医療圏内の医療機関で共同利用することも可能だという。

診断的中率は100%
 郡氏が、システム導入後の外科医のオンコール時の時間外出勤の割合を検討したところ(調査期間4カ月)、当直医からコンサルトのあった9例中4例が緊急処置・手術が必要な症例で、うち3例については時間外出勤を要した(33%)。システム導入前の時間外出勤が100%だったことと比べると、7割減ったわけだ。遠隔画像診断的中率は100%で、汎用端末上の画像の精度が院内の画質と同等であることが裏付けられた。

 「外科医だけでなく脳神経外科医に利用対象を広げて行った検討でも、同様の効果が示された」と郡氏。ほかにも、夜間に放射線科医に緊急読影を依頼したり、当直中の若手医師の指導に利用するなど、同システムは運用次第でさまざまな活用方法が考えられるという。「遠隔診断システムの普及により、医師の労働環境が改善することを期待したい」と郡氏は話している。

現状においても個人的な関係の中でメール等で画像をやり取りして助言をあおぐと言うことはしばしば現場で行われていることでしょうが、あれも画像自体を持ち出せないようなシステムであったり情報流出のリスクが問題視されたりで難しいことも多く、安全で効率の高いシステムがあるならそれにこしたことはないですよね。
もちろん外科医の過労某氏と言う点に関しても非常に効果がありそうだと言うことなんですが、それ以上にわざわざ自宅から病院に出てくる時間が必要なくなれば当直の側としてもノーレスポンスで助言を得られるわけで、実際に処置が必要になるかどうかを抜きにしても極めて使いでのありそうなシステムですよね。
記事を読んでいてむしろ気になったのが近年画像診断を外注すると言うことが次第に普及してきていて、日本よりも単価も安く時差の関係で夜間時間外にも即座に読影出来る海外に依頼すると言うこともあるようですが、そうしたものが特に議論なく利用できるのであればこちらだけそこまで気を遣う必要があるのかと言う気もします。
ともかく同じ病院内だけでなく外部の医療機関とも共用できるとなれば、今後国策として勧められる医療機関の統廃合においても専門医不在となった地域において有用だろうと思うのですが、国はスクラップだけでなくこういうビルドの部分にもきちんとお金や支援を用意するべきだと思うのですけれどもね。

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2015年4月16日 (木)

リスク要因としての遺伝子の問題

本日の本題に入る前に、少子化対策が急がれる一方で結婚年齢の上昇もあって、高齢出産が増加してきていることは医学的にも大きなリスクとして認識されていますが、こうした傾向は日本に留まらないようだと感じさせられるのが先日出ていた英国発のニュースです。

いまや〝アラフィフ出産〟も常識! 英国で「妊婦の高齢化」が止まらない(2015年3月15日現代ビジネス)

2013年、英国で50歳以上の母親から生まれた子供は700人を超えた。00年時点では約250人だったので、3倍近くに増えたことになる(アメリカ疾病予防管理センター調べ)。

自然妊娠した者がいないわけではないが、多くは体外受精だ。10年前に「高齢出産」と言えば、35歳以降の出産を指したものだが、最近は40歳を過ぎてから出産に臨む女性を指す傾向にある。自分のキャリアを考え、1回目の結婚では子供を産まなかったが、2回目の結婚で出産について真剣に考えるようになる女性が増えているからだ。

英国が欧州の他の国に比べ、女性の出産年齢が高い背景には、法体系の違いがある。フランスの体外受精の第一人者、ルネ・フリードマンはこう説明する。

「欧州では、出産にかかる費用が国民健康保険でカバーされるのは43歳まで、体外受精を行うことができるのは49歳までと定めている国がほとんどです。対象年齢に上限を設定するのは、出産時のリスクを回避するためです。40歳を過ぎると流産や合併症などの可能性が目に見えて高まるため、年齢制限を設けることで母体や胎児、新生児を守ろうとしているのです」

 英国ではこうした年齢制限が法制化されていないため、妊娠年齢の高齢化に歯止めが効かないのだ。フリードマンは言う。

「医療が進歩するからといって、出産年齢をどこまでも引き延ばしていいなどと考えるべきではありません

特にここで注目いただきたいのが英国では周辺他国と比べとりわけ超高齢者の出産増加が目立っている、その理由として医療保険制度があるらしいと言う点で、やはり高齢出産に関してはそれに要する費用負担が大きな制限因子になっていると言うことは言えるかと思います。
少子化対策として子供を産むことが推奨されるのは当然ですが、一方でこうした高齢での妊娠、出産には高額の費用を要する上に障害児出生のリスクも高いとなれば社会としてそれを支援することが差し引き得なのか損なのかと言う計算も必要だろうと言う考え方もあり、日本でも公費助成には年齢制限を設ける方針となっていますよね。
もちろんお金を出せば幾らでも自費で治療を継続することは出来るし、実際に日本でも著名人がタイムリミットを超えて出産しているケースがたびたび話題になっていますが、一体どこまで治療を続けるべきなのか?と言うくぎりをつけるための大きな契機として、やはり一定年齢での助成打ち切りは小さくない意味があるのかも知れません。

さて、そうした高齢出産の増加と関連して近年注目を集めているのが新型出生前検査と言われる新たな胎児遺伝子検査技術で、今までであれば羊水検査など母子に大きなリスクを伴う手技を必要としていたものが、採血一つで簡単に遺伝子異常が調べられるとなれば誰しも使ってみたいと言う気にもなるだろうと予想出来ます。
先日は新型出生前検査で陽性判定が出た場合83%の妊婦が妊娠中絶を行ったと言う報告が出ていて、やはりこの種の検査は胎児産み分けにつながっているのではないかと言われそうなんですけれども、そもそも中絶をしないと言うスタンスであれば検査自体受けていなかっただろうと考えると、かなりバイアスがかかってはいそうですよね。
胎児に限らない話としても遺伝子検査が病院に行かなくても簡単に出来るサービスが開始されると言い、誰しも健診結果に一喜一憂するのと同じように遺伝子的なリスクと言うものに無関心ではいられなくなる時代が間近に迫っているのかも知れませんが、先日こんな調査結果が出ていたことを紹介してみましょう。

自分の遺伝子を調べてみた医師は何%?(2015年4月10日日経メディカル)

 大手IT企業のDeNAやヤフーの参入が話題となって、利用者が増えた個人向け(direct to consumer:DTC)遺伝子検査サービス。利用者自らが採取した唾液や口腔粘膜を送付することで癌や生活習慣病のリスクや体質の傾向が遺伝子型から算出されるものが多い(関連記事:遺伝子検査は「予防のため」か「占い」か)。数万円の検査費用が掛かるものの、朝日新聞が2014年8月に行った世論調査では、52%の人がDTC遺伝子検査サービスを「受けたい」と回答したという。

 現状のDTC遺伝子検査サービスは、気軽に検査を行える反面、疾患の診断に結びつくような内容ではない。このことを利用者が正確に理解できているのかといった課題が指摘されている。今回はDTC遺伝子検査サービスについて、医師がどういう印象を抱いているのかを尋ねてみた。

関心あっても数万円は高い

 調査期間中に回答した医師2958人のうち、実際にDTC遺伝子検査サービスを受けたことが「ある」のは131人だった(図1)。受けてみた感想として多かったのは、「この結果を受けて、どうすれば良いかという具体的なアドバイスがほしい」(40歳代男性、一般内科)というもの。医学的知識がある医師であっても結果に戸惑いを感じるようだ。「遺伝子リスクが分かった後の対応ができる機関であれば、推奨すべき検査だと思った。逆に、対応できないのであれば、不安をもたらすだけの検査になってしまう」(30歳代女性、一般内科)、「現在の検査は、結果の説明なども含めてまだ一般にお勧めできるレベルには達していないように思われる」(50歳代女性、産科・婦人科)という厳しい評価も寄せられた。

 検査を受けたことが「ない」医師も、全く興味がないわけではないようだ。受けていない理由として、「関心はあるが、実際に受けるまでには至っていない」と回答した人は762人(26.6%)に上った(図2)。

「究極の個人情報」の秘匿性や利用者の混乱を危惧

 その他の懸念や改善すべき点としては、「生命保険や医療費、結婚などに多くの問題を生じる可能性があるため、法律などによるバックアップ体制の準備が必要」(40歳代男性、一般外科)、「個人情報についてのリスク管理は事実上不可能であり、悪意ある漏えいを防ぐ手立てはない」(50歳代男性、一般内科)など。「究極の個人情報」(50歳代男性、代謝・内分泌内科)を安全に保護することが可能なのかという指摘が多数挙がった。

 また、「やめてほしい。その結果を知ったところでどうしようもないのに、受診してどうにかしてくださいとか言われそう」(30歳代男性、耳鼻咽喉科)、「結果そのものや、結果をみて悩んだことなどに対して、簡単に相談できる環境が必要」(50歳代男性、一般外科)、「遺伝子検査はその後のフォローもできる体制で行うのが条件だと思う。検査だけしてサヨウナラというのは無責任」(30歳代男性、総合診療科)と利用者をフォローする体制の貧弱さへの懸念も見られた。

 2年前に両乳房を切除し、今年に入って卵巣と卵管を摘出したことを公表して話題になった米国の女優アンジェリーナ・ジョリーは、BRCA遺伝子変異が分かったことでこれらの予防的切除を決めた。こうした話が大きく話題になれば自分も遺伝子を調べてみたいと考える人は少なくないだろう。しかし、DTC遺伝子検査サービスの多くはBRCA遺伝子のような疾患に直接結びつく遺伝子を対象とはしておらず、結果に書かれているのは「自分が属する遺伝子型集団の発症リスク」であって「自分」個人の発症リスクではない

企業側にはサービスの宣伝に終始することなく、これらの情報を正しく伝えて理解を得る努力が求められる。
(略)

個人的には機会があればちょっと受けてみたいかなと言う気もしているのですが、その結果何かしら疾患のリスクがあると知れれば対策も講じられるのだろうし、この種のものは健康増進のとっかかりとして活用する意志がある個人にとっては全く無意味なものではなさそうには思います。
同時に一般の健診などでも言えることなんですが、結果が出てくるだけではなくその結果に対してどうしたらいいのかと言うアドバイスの部分がなければ意味がないと言うのはよく理解出来る話で、かと言って話題のアンジェリーナさんのように「癌の確率○%だから手術」とはなかなか決断も出来ないのが人間と言うものですよね。
ただここで注目いただきたいのは今回こうした回答を寄せているのが医学的知識もあり、必要であれば不足する知識を調べる手段も能力もあるはずの医師と言う特殊な対象であると言う点なんですが、ある程度知っている人間であってもこれだけ情報不足を感じるのであれば一般人ならさぞや…と想像されるでしょう。
そうした理由からも記事後段のコメントを見ていますと今のところ単に学術的興味あるいは好奇心を満足する以上の実際的価値はなく、むしろ究極の個人情報をも明らかに出来てしまうことのリスクの方が懸念されると言う意見が多いようですが、実際問題として社会の中でこれらがどう位置づけられていくのかが問題です。

かねて企業健診などにおいても「職場に○○の病気を知られたくない。何とか秘密に出来ないか」と言った相談は決して珍しくないし、保険等の加入のための健診ともなればちょいと血圧がオーバーするだけでも無理だと言われかねませんから、言ってみれば数字一つで人生が変わりかねないと言うことはあるわけです。
ましてやそれが努力によって改善できる類のものであるならまだしも、生まれついて持って生まれたもの以外にはどうにもなりようがないと言う遺伝情報であれば本人の責任ではないはずですが、容易に想像されるリスクとして保険会社が保険料設定上の資料としてこうした情報を用いると言った可能性がありそうですよね。
もちろん全例必須と言うことにでもなれば社会的批判が免れませんから、当初は検査を受け○○のリスクがないと証明出来れば保険料がお安くなりますがどうされます?的なアプローチが取られそうなんですが、信用情報が各金融機関で共有されているようにこの種の個人情報も共有されないのかどうかです。
別にそんなもの知られたところで痛くもかゆくもないと達観できる人はいいでしょうが、例のマイナンバー制度に対する長年の反発を見ても大多数の人々は個人情報を知られることに何となくの不安を感じがちな様子ですから、検査技術以上にどうやって秘密を守るかと言う方法論も進歩してもらいたいところでしょうか。

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2015年4月15日 (水)

本日は資格の話題です

本日の本題に入る前に、このところこんなニュースが出てきていることを紹介しておきましょう。

厚労省 専門医の資格取り消しなど検討(2015年4月14日NHK)

川崎市にある聖マリアンナ医科大学病院で、少なくとも9人の医師が重い精神障害がある患者の強制的な入院が必要かどうかなどを判定する専門の医師の指定を不正に取得していた疑いがあることが分かった問題で、厚生労働省は15日、専門家による審議会を開いて指定医の取り消しなどを検討することにしています。

医療関係者によりますと、川崎市の聖マリアンナ医科大学病院では、少なくとも9人の医師が重い精神障害がある患者に対して強制的な入院や行動の制限が必要かどうかなどを判定する「精神保健指定医」という専門の資格の指定を不正に取得していた疑いがあるということです。
医師らは「精神保健指定医」の資格を申請した際、自分が診察していない患者のレポートを提出したりほかの医師が診察した患者の症例をコピーしたりした疑いがあるということです。

この問題を受け、厚生労働省は15日、専門家による医道審議会を開いて「精神保健指定医」の資格の取り消しなどを検討することにしています。
この問題について、塩崎厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で「個別の案件なのでコメントは差し控えたい。何らかの形で厚労省としての方針がまとまってから説明したい」と述べました。

専門医、認定医の類に関しては以前から時々不正取得の問題が報じられてきたところですが、今回は組織的、日常的に行われた可能性も高そうな話で、末端医療機関ならともかく大学病院レベルでこの種のせこい(失礼)不正を大々的に行っていたと言うのは、やはり少しばかり格好悪いんじゃないかと言う気はしますでしょうか。
ただ書類の捏造と言えば聞こえは悪いですが、症例の使い回しや症例数の水増しに関してはかなり多くの方々がまんざら手を染めないでもいなさそうな気配もあって、何しろ学会に加入して専門医を取るたびに症例何十例のサマリーを提出せよと言われるのですから、カルテを掘り起こしてまとめる手間暇を考えても似たような疾患を扱う学会であれば当然再利用できそうな部分はコピペで対応したくなるのも道理ですよね。
この辺りは理念として専門医水準の知識や技量を持つ医師を専門医と認定すべきであるのに、現実的には単に余計な労力とお金の支払いを厭わなければ誰でもなれてしまうと言う認定制度側にも問題がないとしないところで、形ばかりの資格認定に対してはやはり申請する側もそれなりの対応で流してしまいたくなるのが人間心理と言うものではないかと言う気もします。
医師免許そのものも9割が合格する試験に意味があるのか?と言う批判は以前からあって、医学部6年間の教育がその質を一応保証しているのだと言う建前が今日まで続いていることを考えますと、専門医等においても単に試験や審査の内容だけを云々するよりも、その前提条件としての臨床経験のキャリアをどう担保していくかが重要になるのかとも思いますが、まあそれはそれで難しいことですよね。

前置きがいささか長くなりましたけれども、先日はちょっと毛色の異なったタイプの高齢者施設内での虐待問題を紹介したところですが、介護職スタッフの大増員が社会的にも求められる中で今以上に多くの人材を求めようとするならば、今以上に質も適性も高い人材が集まるよりはその逆になっていく可能性の方が高そうにも感じるのですが、医学部定員増による学生の質的低下の問題なども同様の話とも言えますよね。
少数精鋭主義を貫いたところで業務負担の過大さからケアレスミスが増える、あるいは燃え尽きてドロップアウトしていく人が出るだろうと考えると、やはり介護がマンパワー集約型産業の典型である以上まずは数こそ正義と言う考えが正しいのだろうし、あまり増えすぎると給料が減るのでは…などと余計な心配をしている医師と違って介護スタッフの場合、今以上に待遇が悪化する可能性は(現状が最底辺過ぎて)まずないわけです。
先ごろは過去3年間の間に全国1510施設で高齢者虐待が疑われるケースがあったと言う報告が出たそうですが、先日のケースのような例外を除けば基本的には多忙による心理的な余裕の無さがその大きな原因となっているのだろうし、やはり利用者側目線で見ても大事なお体の世話をしてくれる人にはケアのためにゆっくり時間を使って欲しいと言う気持ちはあるところでしょう。
そこで質的にも一定程度を担保しながら、どうやったら順調に介護スタッフが増やせるかと言う議論が求められていて、これも介護報酬がそろそろ頭打ちになってきた現状では無闇に高い給料で釣ると言うわけにもいかないところなんですが、先日厚労省側からちょっと驚くようなアイデアが出てきたらしいと報じられていました。

厚労省:介護福祉士や保育士の資格を統合(2015年04月11日毎日新聞)

 ◇一本化検討入り 福祉人材の確保に向けて

 厚生労働省は少子高齢化と人口減で人手不足が懸念されている福祉人材の確保に向け、介護福祉士や保育士などの資格を一本化する検討に入った。戦後ベビーブームの「団塊の世代」が全員75歳以上になる2025年以降を見据えた動きで、介護施設と保育施設などを一つにまとめて運営できるようにすることも考えている。近く省内に検討チームを発足させ、利点や課題を整理する。【中島和哉】

 厚労省の推計によると、25年に必要とされる介護職員の数は約248万人で、このままでは約33万人不足し、保育士も17年度末には約7万人足りなくなる

 人口減が進む40年には、地方の過疎化が一層深刻化する見通しで、厚労省は介護施設や児童福祉施設などがバラバラに点在している現状では、人手不足で存続できない施設が続出する可能性があるとみている。

 ただ、保育士の場合、今後の少子化で大幅に人員を増やせば将来過剰となる。このため、厚労省は介護施設、保育施設、障害者施設を1カ所にまとめられるよう規制を緩和したうえで、介護福祉士や保育士など専門職種で分かれている資格を統合し、1人の職員が子育てから介護サービスまで提供できるようにする仕組みを検討することにした。

 参考にするのが、フィンランドが導入している医療と社会福祉サービスの共通基礎資格(ラヒホイタヤ)だ。ホームヘルパーや准看護婦、保育士、リハビリ助手など計10の中学校卒業レベルの資格を一本化した資格で、福祉や介護に従事する職員を確保する必要性から生まれた。1人で複数の分野を掛け持ちできる職員を福祉の現場に配置し、柔軟に対応できるようにしているという。

 この資格を持っていると、子育てから介護まで幅広い分野で働くことができ、求人も多いため、生涯仕事を続けることができるという。厚労省は同様の仕組みを日本で導入すれば、雇用対策にもつながるとみている。

 問題になるのは、乳幼児の世話と認知症患者も含めた高齢者のケアでは、求められる技術や知識が大きく異なる点だ。すべて1人でこなすには高い能力が求められ、資格の一本化には、人材をどう育成し確保するかという課題が横たわる。介護、福祉の現場からは、資格統合に対する反発もあり、同省は時間をかけて検討することにしている。

いやまあ、生涯仕事を続けられると言えば何か素晴らしいことのように思いますけれども、生涯低待遇で過酷な労働に縛り付けられるという言い方もできないわけではなさそうなのが現状ではありますけれどもね。
どちらも人のお世話をすると言う点では似たようなものだと言えば似たようなものなのだろうし、人は老いて子供に帰るとは古来言われているところですから子供もお年寄りも同じように世話したらいいんじゃないかと言う考え方もないとは言い切れないところですけれども、やはり少しばかり話の流れに無理があると言うのでしょうか、あくまでも社会的な要請に従ってためにする議論と言う気もするでしょうか。
ちなみに現状においても人の世話をしたいと言う志を持つ人々の中には、やはりお年寄りの世話をするよりは子供を相手にしたいと言う気持ちから保育の道に進む方々が一定数いらっしゃるようで、同じように仕事はきついし経済的にも決して恵まれた職場と言うわけではないのでしょうが、仕事に従事する側としてのやり甲斐と言う面では大きな差があるようです。
もちろん医師免許なども各診療科毎に専門分野が分かれていても免許の種類は一種類であり、少なくとも制度の上では内科医が手術をしても何ら問題ないわけで、あくまでも制度上の話であり実際には介護でも保育でも好きになさればよろしいと言う建前なのでしょうが、当然ながら資格試験においては双方の分野での知識なり研修なりが求められることになるはずですよね。

興味深いのはこの少子化の時代にあっても保育士不足と言うこともまた大きな社会的問題となっていて、その理由の一つとして核家族化に加え共働きが当たり前になると家庭内で誰も子供の面倒を見られなくなると言う事情があるかと思うのですが、看護師等と同様にせっかく資格を取っても保育士として働いていない方々も多く、その理由として待遇の悪さを挙げる人が最多であったと言います。
また特に注目されるのが離職原因として責任の重さや事故への不安を挙げる人もこれまた多かったと言うのですが、仮に何かあって紛争化した場合に心情的な部分を全く抜きにしても、基礎疾患もあって先の見えている寝たきり高齢者よりもこれからの人生が長く健康だった子供の方がより多くの社会的責任を問われることになる可能性はありそうですから、組織としてスタッフを守れる態勢作りは医療介護と同様保育においても必要でしょうね。
こうした保育士業界そのものの問題点ももちろん早急に改善が必要なことは変わりがないし、医療や介護と違って公定価格ではない保育の方が待遇改善のためのコスト負担も求めやすいかと思うのですが、そうなりますと共通化した資格を利用して介護から保育へとむしろ人材移動が加速するとなれば、介護スタッフの勤続年数が伸び高い給料を払うようになる前に自主退職してもらえると喜ぶような考え方もあるのでしょうか。

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2015年4月14日 (火)

ペットボトルのキャップ回収が注目されている件

各方面で社会貢献活動の呼びかけが行われている中で、廃品や不要物の回収的業務に関してはリサイクルやエコの点からも協力しやすいと言う大きな利点がありますが、先日ペットボトルのキャップ回収に関してこんなゴシップが飛び出したと話題になっています。

「ワクチンを」で回収されたキャップ、実は…(2015年04月11日読売新聞)

 ペットボトルキャップのリサイクルを通じて、途上国の子供向けにワクチン代を寄付する運動を展開してきたNPO法人「エコキャップ推進協会(エコ推)」(横浜市)が2013年9月以降、ワクチン代の寄付を中断していることがわかった。

 エコ推は10日、横浜市内で記者会見を開き、「障害者支援事業に収益金を使用した。ワクチン代になると思って提供された人には申し訳ない」と謝罪した。

 エコ推は07年8月に設立。「キャップを集めて世界の子どもたちにワクチンを」と掲げて全国にキャップ回収を呼びかけ、リサイクル業者への売却益の一部を途上国にワクチンを届ける活動をする東京都内のNPO法人に寄付してきた。

 記者会見でエコ推の矢部信司理事長は「ワクチン代の寄付以外に、障害者自立支援や途上国の貧困救済支援などの事業もしており、障害者支援を優先した。今年度は、途上国で直接活動する国際医療支援団体などにワクチン代を寄付したい。今後はホームページなどで丁寧に説明していく」としたうえで、寄付を中断した期間については、「障害者の雇用創出のため、キャップの計量、分別作業などを行う施設の整備に収益金を活用した」と釈明した。


ワクチン代に寄付されず=「エコキャップ」売却益―協会側が釈明会見・横浜(2015年4月10日時事通信)

 ペットボトルのキャップをリサイクルし、利益を途上国のワクチン代として寄付する「エコキャップ運動」を展開しているNPO法人「エコキャップ推進協会」(本部横浜市)が2013年9月以降、寄付金を出していないことが10日、分かった。その後もキャップ回収を続け、替えたワクチンの本数を記載した「受領書」を発行していた。

 協会は2007年設立で、08年にNPO法人となった。これまで122億個以上を集め、売却益から一定額を、途上国にポリオなどのワクチンを送っている認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを日本委員会」(JCV、本部東京)に毎年寄付。13年の寄付金額は3500万円だった。
 しかし、同年9月以降は寄付がストップ。協会の事業報告書では売却益が9000万円あったが、使途などの説明がないとして、JCVが昨年末、文書で説明を求めていた

 協会の矢部信司理事長は10日、横浜市内で記者会見し、「キャップの分別作業など障害者雇用創出の取り組みなどに金が必要で、説明が不十分だった」と陳謝。今後はワクチン支援を再開し、ホームページで詳しい使途を公表するとした。 

ここでは寄付金を受け取る側であるJCVの側が、何故かスポンサーであるはずのエコ推側に対してその事業内容の説明を求めていると言う、一見するとずいぶんと不思議にも思える事態に至っている点に留意ください。
なんでもこのエコ推なるもの、07年に設立されて以来全国の学校や自治体に手を広げていった結果、これまでに8万5千以上の個人・団体から122億個以上のキャップを集めてきたといい、12年、13年にはそれぞれ3000万円前後をワクチンのために寄付をしてきたとアナウンスしていたと言います。
別に障害者にお金を払うから寄付が出来ませんでしたと言うならそれはそれでいいと思う人もいるのかもですが、実際には寄付などしていないにも関わらずワクチンの本数まで記載した受領証を出していたと言うのですから詐欺紛いの話で、この活動に協力してきた芸能人などからも非難の声が出ていると言うのも当然と言えば当然ですよね。
そもそもペットボトルの蓋もたくさん集めれば結構な金になるんだなと驚いた人もいるかも知れませんが、実はこのキャップ回収活動に関しては各方面の協力を元に成立していると言う側面があって、その結果タダ同然で集めたキャップが相場を考えても非常に安価に業者に転売されていると言う声もあるようです。

横浜のココがキニナル!(2012年7月25日はまれぽ)

(略)
ペットボトルの回収が始まった時、キャップは“燃やすごみ”だった。横浜市でプラスチック製容器包装の回収が始まるか始まらないかの2005(平成17)年の春、神奈川の高校生の「ペットボトルはリサイクルされるのに、キャップを捨てるのはもったいない」という発想に、永田さんが参画して回収を始動。

障害者福祉のNPOで知り合ったという建設会社が「キャップを1kgあたり15円で買い取りますよ」と申し出た。焼却すればCO₂を発生させるだけだが、建築資材にリサイクルすると原料になるという。
今、集められたキャップはこういった国内のリサイクル事業者に引き取られ、粉砕しプラスチック原料のペレットにした後、再資源化事業者に納入されているのだ。

キャップを集める運動はあっという間に広まり、売って貯まった膨大なお金をどうしよう?と思っているところへ、テレホンカードや書き損じのはがきでワクチンを購入している「NPO世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)」を知り、15円/kg(正確には15.8円/kg)のうち10円を寄付することにした。これが活動の経緯だ。残り5.8円/kgは純益となってエコキャップ推進協会自体の活動支援金に回される。

ワクチン代の10倍かかる送料への批判

エコキャップ運動のためにキャップを集めている家庭では、通常どこかの施設の回収容器に入れに行くことが多いと思う。

キャップの回収容器、これは有償で運動の協賛者が買う。そして集まったキャップを送るのも自己負担だ。納入先(全国のリサイクル事業者)のラベルが貼ってある袋(約2400個・約6kgのキャップを収納・送料込み500円)を買う仕組みである。
協賛の企業や自治体・個人は全国で約65,000件。横浜市立小学校344校のうち254校が参加している。

行政でもプラスチック製容器包装として回収しているのに、別の物流でCO₂を排出することが環境破壊になるという指摘もある。が、協会が全国に個別のトラックを走らせているわけではなく、低価格の送料で大手運送会社が協力をしているようだ。

「それでも、120円のワクチン代のために1,000円の送料がかかるのは事実。それならワクチン代1,000円を直接ユニセフや赤十字に納めればいいという批判はありますよ」。永田さんもそれは承知のようだ。
「でもそれは価値観の問題と思いますね」と永田さん。ワクチンがないが為に命を落とす子どものために、誰もが1,000円2,000円をポンと出せている現実はあるのか、ということだ。
(略)
ところで、キニナル投稿にもあった買取り価格が安過ぎるという点。エコキャップ運動の側からすれば15.8円/kgという“売値”は安過ぎるのだろうか。

それには、2種の廃プラスチックがたどる真逆の道を知る必要がある。(日本容器包装リサイクル協会談)
① ペットボトル
回収し売ることで、自治体の収入になる。(平成23年度の価格は50円/kg
単品なので資源価値が非常に高い。リサイクル事業者にとっては「お金を払ってでも買いたい」対象。
② プラスチック製容器包装
自治体の税金を使ってリサイクルされる。50円/kgの出費となる
中間処理施設で混入異物の除去・選別を行なった後、リサイクル事業者へ

エコキャップ運動を利用しなかった場合、ペットボトルのキャップは②で処理される。ところが、品質としては、大手自動車メーカーの車両バンパーに再利用されるほどクオリティが高いという。②で処理されてしまうところを、15.8円/kgを払ってでも入手できれば、リサイクル事業者にとっては非常におトクということだ。

永田さんも「リサイクル事業者が15.8円/kgで仕入れたあと、粉砕したチップやペレットにした物を100円/kgで売っているかもしれない。そこはわかりませんよ」と語る。
提携のリサイクル事業者だけに膨大な利益をもたらし過ぎではないか、その価格は“適正”と言えるのか、指摘されるところだろう。これに対し永田さんは「提携している事業者の数は把握しきれないほど多く、理事が参加を斡旋することはない」と述べる。
(略)

要するに各方面でいわば自腹を切ってキャップ回収に協力している、そしてその結果単なる廃材から資源として売れるものとして回収されるルートが成立しているのですからありがたい話ですが、それだけの協力を得てきちんと分別したのであればもう少し高く売れるんじゃないかと言う疑問も出てくると言うことですよね。
この辺りは実際の相場がどれくらいなのかと言うことは何とも言えませんが、基本的にはたくさんの売り上げを出してその分ワクチンの寄付を増やした方が活動の目的にかなうはずですから、規模の小さかった初期はともかく多数の取引先があると言う現段階で過度に安価に転売する意味はなさそうには思いますがどうなんでしょうか。
さらに言えば初期には15円で売ってそのうち10円を寄付していたとしても、今現在の価格がそのまま続いているかどうかは何とも言えないのですが、仮に高く売れたとなった場合に寄付金の方も連動して上がっていくのかどうかも気になるところです。
ともかくネット上では総収入に対する寄付金額が約50%程度であることから、たびたび話題に上る日本ユニセフなどと比較しても中抜きし過ぎだ、不当に儲けているんじゃないかと言う批判も根強いようなのですが、一方でその中抜き分が事実障害者雇用の原資として還元されていると言うのであればこれはこれで社会貢献の一つの形ではあるかも知れません。

その意味で活動の趣旨に関する説明が不十分だった、事後の説明も言葉足らずであったと言う批判がまず成立するところなんですが、それ以前の問題として今回の件をきっかけにキャップを回収し換金しているエコ推と、そこから寄付を受け実際にワクチンを扱っているJCVとにトラブルが発生していることが明らかになっています。
これも当事者の言によれば毎年幾らの寄付をすると念書を書くよう求められた、寄付とは強制されるものではないだろうと言うエコ推側の言い分と、そんなことは言っていないと言うJCVの水掛け論ですが、今後はJCVと手を切り他所に寄付しますと言うからには現段階でもお金はあるのに寄付をしていなかったのだと認めたようなものですよね。
エコ推側の肩を持つわけでもありませんが、冒頭の記事の経緯を見る限り少なくともJCV側が一定の寄付金を出さなくなったエコ推側に不満を抱いていることは事実であるようで、このあたりはJCVと言う組織のあり方に関してももう少し知っておくべきところはあるのかも知れません。
一方で寄付をしないで貯め込んだお金はどこに言ったのか、今後どこに寄付をするにせよ今までプールしてあった分も一緒に出すのかが気になるところですが、さすがにこうまで表向きの説明と内部事情の食い違いが明らかになってきますと、今後は回収活動自体にもどこか胡散臭さを感じずにはいられないでしょうか。

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2015年4月13日 (月)

田舎の公立病院、いよいよ完全淘汰の時代へ

地方公立病院と言えば新臨床研修制度導入と前後する医師不足の顕在化によって、いわば最も深刻な直接的影響を被ったとも言われていますけれども、その大きな理由として医師が主体的に勤務先を探し就職することが当たり前になってきた結果、医局人事だけに頼ってきた病院には医師が行かなくなったと言う事情があります。
もちろん医局からの医師派遣を受けながら独自のルートでも医師を集めている病院も少なからずあるわけで、要するに医局の人事権によっていわば強権的に医師を送り込まなければ誰も赴任したがらないような病院が割を食っていると言うことなんですが、被雇用者目線で見るとそれは当然の結果では?と言う気もしますよね。
もちろん自治体病院には為政者にとって住民サービス拡充の目に見える成果としての意味もあり、また地元住民の雇用の場としてもある以上存続させたい気持ちは理解できますが、最近財政的な面からも地方公立病院への逆風がさらに強まりそうだと言うニュースが相次いでいます。

公立病院はさらに淘汰? 財政支援絞り込みへ(2015年4月1日日経メディカル)

 総務省は3月31日、各自治体が公立病院改革プランを策定するための基礎となる新たな公立病院改革ガイドラインを発出した。新しいガイドラインは、公立病院改革プランの従来の柱である「経営効率化」「再編・ネットワーク化」「経営形態の見直し」の3点に加えて、「地域医療構想を踏まえた役割の明確化」を柱として挙げ、地域医療構想と整合性を取りながら改革を進めることを求めた。

 病院を運営する各自治体は2015~16年度中に新ガイドラインに沿って公立病院改革プランを策定する。プランの対象期間は2020年度まで。

 ガイドライン改正の目玉となったのは、地方交付税による公立病院への財政支援の仕組みだ。従来、各病院への交付税措置の額は「許可病床数」に応じて計算していたが(1床につき約70万円)、この算定基礎を「稼働病床数」に変更する。

 一方、激変緩和措置として2016年度からは、許可病床の削減数に応じて、5年間交付税を加算する。休眠病床を多く有している病院は、今回の見直しで得られる交付税が激減するため、休眠病床を返上する動きが広がりそうだ。

 地域医療構想とは、都道府県が今年度から策定を開始する2025年の医療需要に見合った機能別病床数の目標のこと。今年度中をめどに策定した上で、2018年度からスタートする医療計画に盛り込み、構想の実現に向けて病床削減や病床機能再編を進める

追い詰められる公立病院、新ガイドラインが拍車(2015年3月24日日経メディカル)

 三重県の桑名市民病院と医療法人和心会平田循環器病院・医療法人山本総合病院の統合、山形県立日本海病院と酒田市立酒田病院の統合、岩手県立釜石病院と釜石市立市民病院の統合、静岡県の掛川市立病院と袋井市立袋井市民病院の統合、兵庫県の加古川市民病院と株式会社神戸製鋼所・神鋼加古川病院の統合……。

 いずれもここ8年以内に行われた病院統合だ。公立病院同士のみならず、民間病院も公立病院の統合相手になっている点が目を引く。今後、全国でこのような病院統合が、今まで以上に活発化するだろう。3月末にも総務省から公表される、新しい「公立病院改革ガイドライン」が、その起爆剤の役割を果たすからだ。全国に850近くある公立病院の数は、10年以内に3分の2近くにまで減るかもしれない。

“飴と鞭”の政策で病院統合進める
 総務省が「公立病院改革ガイドライン」を初めて公表(総務省自治財政局長通知として発出)したのは2007年12月。ゆえに7年ぶりの見直しということになる。前回のガイドラインは2007年5月に開かれた経済財政諮問会議で菅総務大臣(当時)が、公立病院改革に取り組むことを表明したことがきっかけだ。背景には、医師不足や経営悪化に悩む公立病院の急増があった。2007年6月には夕張市の財政破綻を受けて地方財政健全化法が成立、同じく6月に閣議決定された「経済財政改革の基本方針2007」には、各自治体に総務省がガイドラインを示し、改革プラン策定を促す旨が明記され、12月のガイドライン公表に至った。

 このガイドラインでは、公立病院に対し、経営効率化と持続可能な病院経営を目指すことを求め、病院を開設する地方公共団体に対して改革プランの策定を要請した。プラン策定に当たっては、「経営効率化」「再編・ネットワーク化」「経営形態」の3つの視点に立った改革を一体的に進めるように求めた。

 最も重視されたのは「再編・ネットワーク化」、つまり病院統合だ。近接する市町村がそれぞれ病院を持っている場合は、その統合や機能分化を強く強く求めた。当然のことながら、再編に対しては相応の財政措置も取られた。文字通りの「飴と鞭」の政策だ。特に、経営主体の統合や、病床削減をするケースについては、手厚い交付税措置が行われることになったため、苦境に陥っていた公立病院は「改革」の名の下、冒頭のような統合への道を選択していった。

 総務省が2014年3月末日時点の公立病院改革の実施状況を調査した結果によれば、2013年度までに策定された再編・ネットワーク化に係る計画に基づいて、病院の統合再編に取り組んでいる事例は65ケース、162病院に上った。

統廃合には今まで以上に手厚い措置
 まもなく公表される“新”ガイドラインも2013年11月の経済財政諮問会議がきっかけだ。総務省の2007年のガイドラインに基づく現在の改革プランが最終年度を迎えていること踏まえ、民間議員が新ガイドラインの策定を提言、新藤大臣(当時)が策定する方針を表明した。これを踏まえ、2014年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2014」では、「公立病院改革プラン(5か年計画)に基づく取組の成果を総務省・厚生労働省が 連携して評価した上で、地域医療構想の策定に合わせ、今年度中に、新たな公立病院改革ガイドラインを策定する」と明記された。

 では新しいガイドラインの内容はいったいどうなるか──。一部報道によれば、公立病院の統廃合を進めるため、新設や建て替えに対する財政支援の仕組みが大幅に見直される方向だ。現在は費用の30%が地方交付税で手当てされているが、統廃合などに伴う新築や建て替えには10ポイント上乗せされた40%が手当てされる見込みだ。逆に通常の改修や立て替えに対しては5ポイント減の25%の交付税措置となる見込み。

 また、公立病院に対する交付税の拠出額自体は現状レベルを維持する方向のため、相対的に従来の運営費に係る交付税措置額は減額される公算が大。従来病床当たりの単価(2014年度は1床当たり70万7000円)で交付税措置の額が決まっていたが、この病床数の算定基礎が許可病床数から稼働病床数へと見直すことも検討されている模様だ。もしそうなると、病床稼働率が低い公立病院は交付税の額も激減する。近隣の病院との統合か診療所化しか生き残る道はなくなるだろう。

都道府県の権限は強大に
 加えて、今回の改革の最大のポイントとなりそうなのが都道府県の権限、役割の強化だ。“新”ガイドラインは、厚生労働省から提出され2014年6月に成立した医療介護総合確保促進法に規定された「地域医療構想」とも連関させながら、再編を推進していくツールになる。地方交付税についても、「地域医療構想」の実現を見込んでの措置が優先されることになるだろう。

 「地域医療構想」、公立病院改革と並行して国民健康保険の保険者を市町村から都道府県に移行する国保改革も実施される。医療提供体制と医療保険の両面の責任を負うことになった都道府県は、これまでにない強大な権限を持って、不採算の公立病院に大なたを振るうに違いない。

 

一連の地域医療構想にも関係する話題で、これからは都道府県が住民の医療提供体制に関しての最終的な責任を負い、そのために必要な強力な権限を持っていくと言うことになるとすると、最も問題になってくるのが各市町村が独自に整備してきた「おらが町の病院」の取り扱いですよね。
高度経済成長と国民皆保険制度の両輪で医療が身近なものになってきた昭和の時代に「隣町には立派な町立病院があるのにうちにはないのはおかしいじゃないか」とばかりに全国各地に建設されてきた自治体立病院の多くが、今や施設の老朽化やスタッフの不足、そして慢性的な赤字で自治体財政のお荷物になっているのは事実です。
とは言え今ある医療提供体制を削減することは選挙で選ばれた議員の方々にはなかなか言い出しにくいことで、むしろ「小児科24時間診療を実現します」だとか「いつでも専門医に診てもらえる体制を整備します」と言った空手形が住民支持に結びつくとなれば、とりあえずの公約として地域医療の充実を掲げざるを得ないのでしょう。
その結果自治体は構造的に大赤字を垂れ流す分不相応なハコモノを抱え込むこととなり、一方で住民はろくな医者がやってこない地元町立病院をスルーして街の大きな病院に車で通院するでは何の事やらですが、この辺りは地域診療に従事する心ある先生方も住民意識の問題はたびたび指摘してきたところですよね。

いずれにしても国策として中小公立病院の統廃合が本格的に誘導されるシステムが成立してきた以上、多少なりとも色をつけてもらえるうちに早めに話を進めた方が得だと言う計算が成り立ちますが、少なくとも平成の大合併で一つの自治体になったような地域で似たような旧町立病院を幾つも抱え込む意味はないでしょう。
一方で僻地医療におけるこの種の公立病院の価値を過少評価すべきではないと言う意見もあって、先日は全国自治体病院協議会が次回診療報酬改定では中山間地の病院への配慮を盛り込むよう要望を出すと言う話がありましたが、専門医資格が改まればこうした僻地の小病院は医師にとってもますます魅力に乏しいものとなるのは確実です。
その意味でいつまで病院を維持出来るか?と言う指標として財政問題と医師不足問題の両輪があると言えますが、そもそも論として僻地に病院を置かなければならないのか、無床の診療所と介護施設の組み合わせではいけないのかと言った議論もあるはずで、「今まであったのだからこれからも」が通用する時代ではないとは言えそうですよね。
その点で厚労省が先日全国の拠点病院に対して、僻地の診療所に医師を派遣する日数の数字目標を設ける方針だと言うニュースが流れていましたが、病院としては統廃合していくが僻地医療機関の存在までは否定しないと言う意味合いからも納得出来る話であり、逆に言えば田舎病院潰しは完全な既定路線となっていると言うことでしょう。

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2015年4月12日 (日)

今日のぐり:「二海(ふたみ)」

最近一部地域で妙なものが販売され売り切れになるほど大人気だと言うのですが、こちらの記事から紹介してみましょう。

地下鉄で販売、聖水系エナジードリンクが話題 商品名「お嬢様 聖水」が人気沸騰のわけ(2015年4月6日もぐもぐニュース)

4月1日から発売された「聖水」をなのったエナジードリンクがネット上で話題を呼んでいる。聖水といえば悪魔や吸血鬼にきくスピリチュアルな水など、さまざまな意味で使われている…。その名も「お嬢様聖水」(210円 株式会社リバランド)。お嬢様で聖水というのは、もはや意味不明! さっそくゴクゴク飲んでみたらすごすぎた!

■聖水はスピリチュアルな色だった!

現在、東京メトロの売店で先行発売中とのことで、さっそく入手。グラスに注いで、まず驚いたのがキラキラ光りかがやく黄金色と泡立ちっぷり。悪魔もさっさと退散するような、このゴールドカラーはたしかに聖水だ。

■刺激的な香りがいい感じ

香りを嗅いでみるとほのかな酸味がかぐわしく、その清浄さはたしかに聖水であり、同時に商品の「お嬢様」のイメージにもふさわしい! そして肝心の味だが、薬効成分の刺激と香りがあり、人によってはウッと思う人もいるだろう。
だがその刺激のあとには優しい味わいが口内にひろがってくる。はじめはツンデレ、しかし関係が深くなればたおやかな人柄を見せてくれるお嬢様のよう。その聖水というのだから、まことにありがたい味わいだ。
味はざっくり言えばオロナミンCなのだが、やはりただのそれよりは聖性と女性性の両者を感じてしまう。

■男性客が大挙して購入中!

商品の公式サイトをみると、女性の体に必要な植物発酵エキス300ミリグラムと117種類もの自然由来の成分、またお通じをよくする食物繊維などを含んだエナジードリンクとのこと。男性向けではなく女性向けに開発された商品だという。
ちなみに筆者が購入点のオバちゃんに話を聞いてみると「買っていくのは大体30〜40代のサラリーマン」。癒やされたいのは女性だけではなく男性でも、ということなのだろう。男女からの大きな支持をうけ、エナジードリンク界に「聖水」旋風が巻き起こる?

その実物は記事の写真を参照いただくとして、何故かネット上では「と、糖尿…」と言うつぶやきが多いのですが、もともと女性向けに様々な商品を開発販売してきた会社の期待の新製品ではあるようですね。
今回はお嬢様聖水同様色々と思うところはあるにせよ、実際にその場に居合わせれば取りあえず扱いに困りそうだと言う微妙なものを伝えるニュースを紹介していきましょう。

稲の食害 “犯人”はカピバラ 頭抱える農家・石垣市(2015年3月8日沖縄タイムス)

 【石垣】石垣市で野生化したカピバラが稲を食べる食害が昨年秋から発生している。2年前に目撃され、当初はおとなしい草食動物で実害はないとみられていた。運動能力が高く、捕獲が難しい上に、行政は「駆除名目が見つからない」と困惑。稲作農家は収入の大半を占める1期米に被害が出ないか気をもんでいる。

 かみ切られた稲の苗が放置された水田で農家の上地国博さん(74)は「苗が41箱分食われていた。もうショックで…」と声を落とす。5日朝の田植えのため前日、苗箱を水田に置いていた。周囲には3本指の足跡が複数あり、JA担当者は「イノシシは2本指。3本指はカピバラに間違いない」と断言する。

 上地さんはJAから急きょ苗を購入した。2万3千円の出費。「1期米がやられると大損害。早く対応してほしい」と訴えている。

 カピバラは2013年、石垣市内の観光施設から逃げたとの見方があるが、同施設は否定する。水辺に生息し、13年は新川川、14年春から名蔵川で目撃が相次いだ。昨年秋、名蔵の農家からは稲穂が食べられたとの苦情がJAに寄せられた。警戒心が強い上、走ると犬並み、数分間の潜水も可能で、垂直の壁を上る跳躍力もある。市消防は2年前、捕獲に失敗。捕まえれば警察に遺失物として届け出ることもできるが、捕獲は困難と予想されている。

 特定外来生物や有害鳥獣の対象ではなく、石垣市は「ペットが逃げたという認識。飼い主が駆除申請すれば対応は考えられるがそれもなく、勝手に駆除できない。捕獲も難しい」と頭を抱えている。(新崎哲史)

 【ことば】カピバラ 南アメリカ原産の世界最大のネズミの仲間。体長約1メートル、体重40~60キロ。各地の動物園で飼育・展示されている。

あれも動物園あたりでひなたぼっこをしている分には無害に見えるのですが、実際にこんなものが身近に出没していたのでは対処に困るでしょうね。
同じく動物ネタと言うことでこういうこともあるいはあるあるなのかも知れませんが、何しろネズミだけに厄介だと言うのがこちらの事件です。

新幹線車内でハムスターの珍逃走劇(2015年3月21日おたくま経済新聞)

 3月20日夜、東海道新幹線の車内で、ハムスターの逃走が目撃される事案が発生し話題となっております。

 目撃者の証言によりますと、逃走するハムスターは、乗客がいる頭上の荷物棚を、置かれた荷物を避ける形でひたすら逃走を続けていたそうです。

 その後の話では、逃走が目撃されてから約10分後に、車内アナウンスで、ハムスターの保護(捕獲)および飼い主を探す案内が知らされたそうです。

 この逃走の様子はTwitterユーザーのヨシビノさん(@namepon43)が紹介した写真でみることができ、投稿された写真は7千RTもの注目を集めていました。

証拠写真を見る限りでは確かにハムスターなんですが、こんなものがひょっこり顔を出せばそれは乗客もびっくりするでしょう。
見た目にかっこいい人と言うのは行動もかっこいいことが期待されがちですが、こちらいささか期待に背きすぎだろうと言う女性が話題になっていました。

スポーツ美女の「世界で一番最悪のリフティング」がヒドすぎるとネット上で話題に(2015年1月24日Aol)

アディダスのジャージ上下も似合っているし、やってくれそうな雰囲気ではあるのだが...。ある美少女のグダグダ過ぎるリフティング映像が話題になっている。

「床が凍ってるのか?」「何故そんなツルツルの所でリフティングしようと思ったのか?」という疑問もあるが、とにかく下手糞。ネット上では「世界で一番最悪のリフティング」とまで言われてちょっと可愛そうだが、最後には普通にバランスを崩してることからも、平衡感覚がいまいちアレなのかもしれない...。

「超絶すぎるリフティングテクニック」という動画が数多く投稿される今、ここまでポンコツなのは逆に珍しいかもしれない。

詳細は動画を参照いただくとして、まあドジっ子萌えにも自ずから限度と言うものはあるだろうと思うのですが、フィクションではなくこういう人もいるのですね。
銃社会アメリカでは昨今警官の行き過ぎた行為が何かと話題になりがちですが、こちら万人が口を揃えて「それは仕方ない」と納得したと言う事件が発生しています。

これは痛い・・・警官が全裸男のアソコにテーザーガンを発射してネット上が震撼(2015年3月22日Aol)

事件が起こったのは、米国テキサス州・オースティン東部。隣人が撮影したと思われる映像に映っているのは、なぜか全裸で家の周りをうろつく男性だ。

一体なにがあったのか、全裸のままズンズンと警官に迫っていく男性。すると、静止を呼びかけるも言うことを聞かない全裸男性を警戒したのか、警官が至近距離からテーザーガンを発射した。

瞬時に地面に倒れ込み、のたうち回る全裸男性に対して「手を上げろ!」と威嚇する警官。その様子を見た隣人の女性が「チ◯コを撃ったんだと思うわ」と冷静に実況中継しているのが面白すぎるが、最終的にサイレンを鳴り響かせながらもう1台のパトカーが到着したので、男性は全裸のまま逮捕されたことだろう。

その詳細は元記事の動画を参照いただきたいと思いますが、しかし日本であればこのような断固たる対応が出来たのかどうかと考えると実に震撼すべき事件ですよね。
最後に取り上げますのはこちらのニュースですが、宴会芸などで「○○でビールの栓抜き」と言うのは一つの定番ですが、この発想は正直なかったと言う動画が話題です。

ケツでビール瓶の栓抜きをする愛すべきバカが面白すぎる(2015年1月28日Aol)

栓抜き以外でアルコール類のフタを空けるライフハック動画は多数アップされているが、何も道具を使わないどころか、人体の最もナイーブな部位のひとつである"お尻"で瓶ビールの栓抜きを披露している動画が爆笑を呼んでいる。

その名も「人間オープナー」なるこの動画。スペイン語を使っているようだが、現場はおそらくチリだと思われる。すると建物の中から上半身裸のワイルドな男性が現れ、撮影者からビール瓶を渡された。

なにやら大声でやりとりした後、おもむろにビール瓶をケツで挟むと、「ポンッ」という非常に良い音と共にビールが開栓! あふれだすビールをドヤ顔でグイッと飲む男性に、その場は爆笑に包まれる。

公開から1週間ほどで100万再生を突破したこの動画、ネット上では「クソわろた」「パーティに呼びたい」「リスペクト」「幸せそうだな」などなど、非常に多くのコメントが寄せられている。

宴会芸として考えますとその後の展開的にどうなのか?と言う気がしないでもないのですが、まあしかしその努力はリスペクトされてしかるべきでしょうか。
実際にやってみますと成功したらしたで大変なことになりそうな予感も濃厚ですから、きちんと下準備を調えられてからチャレンジされるのがよかろうかと思いますね。

今日のぐり:「二海(ふたみ)」

先日たまたまランチでお邪魔したこちらのお店、小ぶりながら老舗の割烹「よりしま多幸半」さんの系列店だと言うことで、なかなか人気のようですね。
今回は夜の時間帯にお邪魔したのですが、こちらはおまかせコースもあるものの基本的にアラカルト形式であるようで、同行者とシェアしながら色々とつまんで見ました。

旨い地魚をうたうだけにメインとなるのは魚系なんですが、煮魚ではカワハギ煮付けがおすすめで、すっきりした淡泊な味もさることながらやはりカワハギの身の力強い食感と言うのは印象的で、確かに練り物に向く魚なんだろうなと思います。
鯛のあら炊きなどはそこらの料理屋でも定番ですが、こちらでは全品に共通するごくあっさりした薄口の味つけながら、個人的にちょっと苦手なあの鯛独特の風味を感じさせません。
焼き物ではのどぐろの塩焼きは煮付けの方が好きかなと思うのですが、ちょうど季節のサワラと初鰹のタタキを食べ比べてみましたが、焼き具合の好みは別にしても鰹の色合いや食感、風味の残念さを見るにつけ、岡山界隈で食べる分にはさすがに県魚とも言うべきサワラの方が断然おすすめに思いますがどうでしょうね。
握り三種盛りは中トロ、シャコ、天然ヒラメが出たのですが、ヒラメはなかなかうまいんですが見るからに悲しくなる季節外れのシャコや、どう見ても地魚ではないだろうと言うマグロを選ぶならそれこそサワラを始め他にネタはありそうに思うのですけれどもね。
真っ先に目についたのがうざくなんですが、細切れを和えたスタイルでなく大きめの短冊に切ったうなぎを胡瓜等と盛りつけたと言うもので、こうなると酢の物と言うよりうなぎの一品と言う感じになるだけに専門店のうなぎと比べてしまいますよね。
海鮮サラダはトッピングのタコのぶりぶり感がいい感じですし、主張しすぎないソースは他の料理と組み合わせて楽しむにも邪魔にならなそうで、何しろ野菜不足になりがちな現代人として一つ入れておきたいところです。
春らしいメニューの若竹煮は煮具合もちょうどよく、特に鼻に抜ける香りが素晴らしいこの日一番の一皿だったかと思います。

とにかくも魚系のメニューが豊富に揃うので色々と食べ比べてみるのも面白そうだと思うのですが、こうして色々とつまんで見るとよく言えば素材の味が素直に出ているんですが、素材毎にもう少し調理面での工夫もあればさらに楽しみも増えたかも知れませんね。
接遇面では未だに慣れていないところもあるにせよ基本的には丁寧なもので、このあたりはさすがにきちんとしたお店の系列らしさを感じますが、お客が入っている時間帯になると厨房の方は少し手が足りないのかなと言う印象も受けました。

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2015年4月11日 (土)

子供の声は社会の迷惑

先日ネット上で「電車内でのベビーカーは邪魔に思うかどうか?」と言う調査が行われているのを見かけたのですが、少子化対策がこれだけ叫ばれている時代に子供を持っている親はそれだけで優遇されるべきだろうと言う考え方もある一方で、やはり現実的には迷惑に感じるところも多々あるんだろうなとは思います。
最近は特に騒音公害と言うことに皆が神経質になる傾向があって、さすがに参加者全員がワイヤレスヘッドホンを付けて無音の中でで踊る「サイレント盆踊り」ともなるといささかどうよ?とも思うのですが、小学校の運動会の騒音がうるさい、やめさせろと言った類のクレームなどはまあ珍しい話ではなくなりましたよね。
当「ぐり研」でも「全国各地で騒音公害が心配だからと保育所整備が難航している」と言う話題を取り上げたことがありますが、少子化云々を抜きにしても子供はにぎやかで当たり前と言う考え方は、もはや簡単には通用しなくなってきているようです。

保育所作りたくても… 住民が騒音など懸念、延期相次ぐ(2015年3月30日朝日新聞)

 4月の入園募集を始めていた東京都内の認可保育園が、開園を延期していたことがわかった。子どもの声による騒音などを心配した住民から反対運動が起きたのが原因。待機児童数が全国最多の東京では、子どもの声を騒音規制の対象から外す都条例が4月1日に施行されるが、抜本的な解決につながるかは未知数だ。

■募集開始後に開園延期

 東急東横線の都立大学駅から徒歩約5分の住宅地、東京都目黒区平町2丁目。ここに4月、認可保育園「とりつだいさくらさくほいくえん」(定員62人)が開園する予定だった。

 区は昨年11月、区報で入園募集を始めた。ところが翌12月に突然、保育園運営会社ブロッサム(東京都中央区)がホームページで「諸般の事情」を理由に延期を発表。今も開園のめどは立っていない

 保育園は、住宅地の中にある約320平方メートルの元工場(鉄骨2階建て)を改装する計画。敷地は2方向で道路に面し、一つは車がすれ違えないほど狭い。

 区報で計画を知った住民から、子どもの声による騒音や送迎の車による問題を心配する声が相次いだ。園を認可する都に複数の住民が不服の申入書を提出。反対署名が約220人分集まった。

 

住民には高齢者が多い。年配の女性は「保育園と家の距離がほとんどないのに防音はできるのか」。不服の申入書を出した年配の男性も「何の事前説明もなく、募集が始まった」と不信を強める。

「子どもの声を嫌う人」と折り合う道はあるか(2015年3月30日東洋経済)

東京都議会は3月27日、本会議において「子どもの声」を都の騒音条例の数値規制の対象から外す東京都環境確保条例改正案を全会一致で可決した。

これによって保育園、幼稚園、公園などで子どもの遊ぶ声や一緒にいる保護者、保育士などが発する声について違法であるかどうかは、"受忍限度論"によって判断されることになった。

ただし送迎時の保護者同士のおしゃべりなどはこれに含まれず、旧来通りに数値規制の対象にとどまるとされる。

同都条例は2000年に「現在及び将来の都民が健康で安全かつ快適な生活を営む上で必要な環境を確保することを目的」として制定された。それに先立って知事の私的諮問機関である東京都近隣騒音問題懇談会は1986年に出した報告書で、保育園や学校施設の社会的役割を考慮し、音量規制を目安としつつも実情に応じた良識ある解決方法をとるべきとしている。

子どもの声に関する苦情は多い

しかし「子どもの声」が他の騒音と同様に数値規制の対象である意味は大きかった。公園の噴水の近くで遊ぶ子どもの声などが規制基準値の50デシベルを超えるとして、東京地裁八王子支部が2007年10月に噴水使用禁止仮処分を出したこともある。昨年に東京都が都内62自治体に対して行ったアンケート調査でも、42自治体で「子どもの声」に関する苦情があったことが判明している。

そもそも「子どもの声」を他の騒音と同じであると断定し、基準値以上の音をたてるのを禁止することは適切なのか。子どもが成長する上で、のびのびと身体を動かし、元気よく声を出すことは欠かせない。それを奪うということは、子どもの権利侵害にもなりかねない。

「児童福祉法」には「健やかに成長するという子どもの権利」が規定されており、「子ども・子育て支援法」も「ひとりひとりの子どもが健やかに成長することができる社会の実現」をうたっている。子どもが声を出す権利は法的に保障されているのだ。
(略)
ドイツも同じ悩みを抱えていた。子どもが発する騒音を理由に訴訟が相次ぎ、ハンブルグ市では住居地区にあった幼稚園が閉鎖に追い込まれたこともあった。そこでさらに踏み込んで「子どもの声」を「特権化」したわけだ。

都は、施設が近隣に配慮することを求める

だが東京都が「子どもの声」に対する新たな基準とした受忍限度論は、ドイツと同じものではない。「子どもの声」が法規制の対象から外れたのではなく、周辺の生活環境に障害を及ぼしているかどうかが具体的に判断されることになったにすぎない。その判断要素として、防音壁の設置など講じられた措置や関係者同士のコミュニケーションの程度も加味される。要するに東京都が基準とする受忍限度論は、コミュニケーションを通じて施設の近隣への配慮が進むことを目指すものといえるのだ。
(略)
このように東京都の条例改正は当事者のコミュニケーションを図ることで問題の解決を目指すものだが、実際にはそれでは終結しえない「子どもの声」を巡るトラブルも存在する。

昨年9月、神戸市東灘区の保育園の「子どもの声」をめぐって近隣に住む男性が保育園を経営する福祉法人を相手取り、より強固な防音設備の設置と100万円の慰謝料を求める裁判を起こした。

原告の男性側は「子どもの声」を測定し、その騒音レベルは70デシベルを超えているという事実を裁判所に提出している。これは街頭の喧騒や掃除機の音に相当するもので、静かな生活環境とはいいがたいというのが男性側の言い分だ。

一方で保育園側が園児たちの帰宅後に周辺を測定したところ、騒音レベルはすでに60デシベルほどあったという。保育園付近には阪神高速道路や国道43号線が通っており、交通量が多い。騒音は「子どもの声」だけではないというのが保育園側の主張だ。今後は専門家に「子どもの声」とその他の騒音を分けてもらい、果たして「子どもの声」が一般の受忍限度を超えるかどうかを裁判所が判断することになる。

この争いは保育園の建設計画が持ち上がった当初から発生しているもので、保育園側もカーテンや窓を閉めるなど騒音対策を行っていたが、原告側と折り合いがつかなかったという事例だ。ここまでこじれる前に、当該保育園に通う園児のためにもなんとか解決方法がなかったものかと思われる。
(略)

注目すべきは朝日の記事によればクレームを入れているのが子供離れが進んでいる今どきの若者ではなく、身近な子供など幾らでも見慣れているはずの高齢者であると言うことなんですが、正直窓を開け放す季節などは耳の遠い高齢者のテレビの騒音の方がよほど近所迷惑じゃないかと言う意見も一部にあるようで、まあ人間誰しも他人の立てる騒音には不寛容になりがちですよね。
運動会なども拡声器で怒鳴る先生の声の方が気になると言う意見もあるように、子供が泣きわめくのが悪いのではなくきちんとあやすなり席を外すなりしない大人の方が問題なのだと言う指摘もあるのですが、やはり子育て真っ最中の親となるとそこまで気が回らないと言うこともあるのかも知れません。
個人的には保育所や学校など集団の立てる騒音はすでに環境騒音の一環であると言う認識になってしまっていて、それよりも電車内などで大騒ぎしている子供の声の方がよほど気になるのですが、こうした場合公共の場所で騒がないと言った家庭におけるしつけの問題も絡んでくるんじゃないかと言う気がします。
親の考えは考えとして、子供が大泣きしているのに親が放置していると言うのは見ていて気分が良いものではないし、同じ騒音であるなら元気な笑い声の方がよほどに我慢出来そうな気がするのですが、子供慣れしていない親が増え対応力が低下していると言うことも騒音が気になる理由の一端ではあるのかも知れませんね。

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2015年4月10日 (金)

死蔵された処方薬の山と言う無駄

医療費削減と言う文脈の中で、昨今病院など医療機関でのコストに相当する本体部分だけでなく薬剤費の削減にも注目されるようになってきていますが、先日こんな記事が出ていたのを御覧になったでしょうか。

飲めずに「残薬」、山積み 高齢者宅、年475億円分か(2015年4月8日朝日新聞)

 高齢者宅から薬が大量に見つかる事例が目立っている。「残薬」と呼ばれ、多種類を処方された場合など適切に服用できず、症状の悪化でさらに薬が増える悪循環もある。年400億円を超えるとの推計もあり、薬剤師が薬を整理し、医師に処方薬を減らすよう求める試みが広がる。

 大阪府忠岡町の女性(78)宅を訪れた薬剤師の井上龍介さん(39)は、台所のフックにかかった10袋以上のレジ袋を見つけた。「ちょっと見せて」。中は全部、薬だった。

 胃薬や血圧を下げる薬、血糖値を下げる薬、睡眠薬――。10年ほど前の日付の袋に入った軟膏(なんこう)もあり、冷蔵庫にインスリンの注射薬が入れっぱなしだった。錠剤は1千錠を超え、価格に換算すると14万円超にのぼった。

 井上さんは昨夏、女性を担当するケアマネジャー上(うえ)麻紀さん(37)の相談を受けた。上さんによると、女性は糖尿病や狭心症などで3病院に通い、15種類の薬を処方されていた。適切に服用しなかったので糖尿病は改善せず、医師がさらに薬を増やし、残薬が増える悪循環に陥っていた。

 「高齢で認知能力が落ちている上、3人の主治医が処方する薬が多く、自己管理が難しかったのだろう」。井上さんはみる。

 残薬は使用期限前で、保存状態が良ければ使える。井上さんはそうした薬を選び、曜日別の袋に薬を入れる「服薬カレンダー」に入れ、台所の壁にかけた。約3カ月後、寝室から約25万円分の薬も見つかり、薬の種類を減らすため主治医の一人に相談し、ビタミン剤の処方を止めてもらった。

 在宅患者や医療関係者に薬の扱い方を教える一般社団法人「ライフハッピーウェル」(大阪府豊中市)の福井繁雄代表理事によると、1日3食分の薬を処方されながら食事が1日1食で薬がたまる高齢者や、複数の薬を処方され「何をどう飲めばいいか分からない」と90日分も残薬があった糖尿病患者などの事例が各地から報告されている。

 日本薬剤師会は2007年、薬剤師がケアを続ける在宅患者812人の残薬を調査。患者の4割超に「飲み残し」「飲み忘れ」があり、1人あたり1カ月で3220円分が服用されていなかった。金額ベースでは処方された薬全体の24%にあたり、厚労省がまとめた75歳以上の患者の薬剤費から推計すると、残薬の年総額は475億円になるという。

ここでは認知症的傾向のある高齢者などが問題になっていますが、服薬コンプライアンスと言われるこの種の問題は医療関係者の間でも長年問題視されてきたところでもあり、年齢の如何を問わず現実的に処方薬を出された分きっちり全部飲んでいる人と言うのはむしろ少数派なのではないかと言う気もしますがどうでしょうね?
少しばかり思い出した話としてかつて社会問題化したスモンと言う病気があって、1950年代から60年代にかけて急にこんな病気が増加してきたと社会的問題になっていたのですけれども、実は当時全国の医療機関で気軽に処方されていた整腸剤キノホルムの副作用であったことが後に明らかになっています。
全国的にそれだけ副作用渦が発生するとはどれだけ薬を処方していたのかですが、当時は何しろ国民皆保険制度が完成した時期で特に高齢者は無料で医療を受けられていた頃ですから、どこの家庭でもお年寄りがもらってきたまま飲まれない薬が山のように積み上げられていたと言いますね。
さすがに医薬分業の時代にもなると医師の側から無駄な薬を処方すると言う動機は失われたわけですが、この残薬に投じられる無駄な医療費に国も注目せずにはいられないと言うことなのでしょう、先日はこんな記事が出ていました。

厚労省が中医協総会に報告 薬剤師の疑義紹介で約29億円の医療費削減効果(2015年4月9日m3.com)

厚生労働省は、薬剤師が残薬を確認し、医師に疑義紹介を行うことで、年間約29億円の医療費削減効果があるとのデータを4月8日の中医協総会に報告した。残薬の薬剤費は、年間475億円にのぼると推計されており、重複投与などの無駄な投薬を防ぐことが求められている。重複投与の防止や残薬があった場合の疑義紹介など、地域包括ケアの中で、かかりつけ機能を担う薬局薬剤師がいかに処方医と連携し、役割を担うかが、今後議論となりそうだ。

薬局では、処方せん受付後に、口頭や持参薬を確認することで、残薬がないか確認。残薬が認められた場合には医師に疑義紹介して処方を変更し、調剤を行う。日本薬剤師会委託事業による調査結果によると、薬学的疑義紹介のうち約10.1%が残薬の確認に関連する事項。疑義紹介を行った結果、日数・投与回数を調整したのは応需処方せんのうちの0.23%だった。これを年間の処方せん枚数に換算すると約29億円に相当する。

薬局に対して、残薬の経験の有無を聞いたところ、残薬を有する患者が「頻繁にいる」との回答は17.1%、「ときどきいる」が73.2%で約9割の薬局が残薬のある患者がいたと回答した。一方で、患者調査でも医薬品が「大量に余ったことがある」が4.7%、「余ったことがある」が50.9%にのぼった。この理由として、長期投与の増加による飲み忘れ、飲み残しや、症状の変化などがあげられる。残薬がある理由を把握し、薬剤師が医師に疑義紹介を行うことで、医療安全への寄与も期待される。

一方、重複投与については、薬学的疑義紹介の約6.5%を占めるとのデータも示された。これは、年間の処方箋枚数に換算すると、約117万件にのぼると推計される。重複投与は小児で多い傾向がみられ、薬効分類別では乳幼児では去たん薬や鎮咳去たん薬など呼吸器疾患に対する薬剤が多い一方で、高齢者では鎮痛・消炎、催眠、抗不安薬などが多い傾向がみられた。

もちろん患者にとってもうっかり誤って重複内服するリスクを減らせるなど利益のない話ではないし、医療費削減を云々せずとも是正すべき話ではあるのですが、実際に広く行うとなると非常に多くの業務量が薬局薬剤師にのし掛かってくることは明らかですから、現実的にそれが出来るかどうかと言う話もありますよね。
4年制から6年制の移行に伴う一時的な薬剤師供給不足もそろそろ安定化し、今後長期的に見れば薬剤師も次第に過剰になってくると言う観測もあるわけで、業界的に新たな市場を開拓する意欲はあるのでしょうが、当然仕事が増えれば報酬を支払わねばならずで、結局は処方の無駄を省く費用削減効果と相殺される可能性もあるでしょう。
一方で無駄な処方を出している形の医師としても外来での服薬コンプライアンスを把握出来るようになるのは悪くない話ですが、この辺りは現状で必ずしも円滑に機能しているとは言えない疑義紹介と言うシステムが有効に機能するものなのかどうかも気になるところです。
ちなみにこの残薬の件に関して日医が「以前から気になっていた」と関心を示しているようなのですが、その対処法として長期処方を禁止すべきだなどと言い出すあたり、患者の来院回数を多くして医療費を無駄につり上げると言う点でどうなのかだし、多忙な勤務医に取ってみれば大きなお世話どころではない迷惑な対案でしょう。

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2015年4月 9日 (木)

遅刻=社会人失格?

2005年に初当選した片山さつき氏と言えば今や国会内外の第一線で活躍中のキャリアを誇る議員さんですけれども、その片山氏が先日こんな初歩的大失敗をしてしまったそうです。

片山さつき氏が涙の謝罪、遅刻「申し訳ない」(2015年4月2日TBSニュース)

 参議院の外交防衛委員会で委員長を務めている自民党の片山さつき議員が、会議に遅刻したために審議日程が遅れた問題をめぐり、片山氏は2日の委員会で涙混じりに謝罪しました。

 「二度とこういうことがないようにと本当に注意をしていて、そして、それでも間に合うことができなかったことにつきまして、大変申し訳なく、悔しく、本当に本当に申し訳なく思っております。これからもご指導を賜って職責を果たしてまいりたいと思います。本当に申し訳ございませんでした」(片山さつき委員長)

 片山氏は先月30日の会議に数分間遅刻したため、野党側が反発し、審議日程が遅れていました。

 片山委員長はこれまでも、御嶽山の噴火災害をめぐり、自らのツイッターに書き込んだ民主党の批判が事実でないことがわかり、謝罪したほか、中立な立場が求められる委員長でありながら、政府側の答弁資料を持ち込んで審議に臨んだと指摘されるなど、問題が相次いでいます。

 片山氏は2日も「引き続き職責を果たしてまいりたい」と述べていますが、野党側だけでなく、与党内からも片山氏の資質を問題視する声や更迭すべきだという声も上がっています。(02日10:55)

まあいい大人が遅刻したくらいで泣くなよ…と言う気もしないでもないのですけれども、こういう場合平然としていたらいたでまた何を言われるか判らないからと言うことなんでしょうか、昨今では男女を問わず取りあえず泣いてみせると言うことが割合に多いようですし、むしろ問題となっていた本題よりもそちらのパフォーマンスぶりで有名になったりする方もいらっしゃいますよね。
委員長を務めるようなベテランがこうした振る舞いをしたのではもちろん示しがつかないだろうし、各人とも忙しい中でスケジュール調整をして出席しているのでしょうから時間にルーズなのは問題で、一般論として遅刻と言うものは社会人失格とも言われかねない重大事と言われがちですが、一方で時間にルーズな人と言うのは世の中一定数いるものです。
特に何かと時間の制約が少ない学生時代から新社会人として人生の転機を迎える人が多いこの時期は、全国各地で新社会人の遅刻が見られるのだそうですけれども、最近この新社会人の初出勤時の遅刻と言うなかなかシビアなトラブルに関する議論が妙に盛り上がっていました。

今年も初出勤に遅刻する新社会人が続出!? 人事に「もう来なくていい」と言われた人も(2015年4月1日キャリコネ)

この春に学校を卒業した新社会人にとって、4月1日は初の出勤日だ。気合いを入れて臨みたいところだが、ツイッターには今年も初日早々「遅刻した」という投稿が相次いでいる

    「ヤバい初出勤日早々寝坊した..... ダッシュでGO」
    「初出勤なのに寝坊しました。死にます。行ってきます」

大学生には、夜遅くまでネットやゲームをやったりして昼夜逆転の生活をしている人も多い。それをいきなり修正しようとするのだから、朝起きられないのも無理はない。中には寝坊することを恐れて、前日から徹夜をしていたという人も。「居眠りしないように頑張ります!」と書いていた。

新人に電話「ひっ!9時からでしたっけ!?」

寝坊はしなくても、電車の遅延によって遅刻してしまった人もいるようだ。ジョルダンライブ!によると、首都圏では今日もJR総武線や埼京線、東急東横線などで遅れが確認された。

    「初出勤日に電車遅延。本来ならとっくに着いてる時間。幸先悪すぎぃ?」
    「中央線と総武線使うのにどっちも遅延してるとか初出勤から試練与えられてる感じしかしない」

電車の遅れなら仕方ないが、社会人には厳しい人もいる。「初出勤なのにちょっと電車遅延しただけで遅刻になるような時間に家を出るのがそもそも間違ってる」というツイートもあった。
4月1日には入社式を行う会社も多い。これに遅刻してしまい、絶望的な気分になってしまった人もいるようだ。

    「入社式遅刻確定の電話を今人事部にしたところ、来なくていいと言われました…」

社会人からも、入社式に遅刻する「新人猛者」がいたという報告があった。電話をしたところ「ひっ!9時からでしたっけ!?」と困惑していて、「ちょっとかわいい」と書いている。
(略)

初出勤に遅刻する新社会人に批判殺到 「遅延見越して1時間前行動」は当然なのか?(2015年4月4日キャリコネ)

キャリコネニュースが4月1日に配信した記事「今年も初出勤に遅刻する新社会人が続出!? 」に、ネット上で大きな反響があった。記事では、初出勤に寝坊や電車の遅延などで遅刻する新社会人の様子を紹介。700件以上のコメントが寄せられたニコニコニュースでは、厳しい声が相次いだ

    「初日早々はあかんだろwもうイメージがつけられちまうw」
    「まぁ、時間厳守は社会人の常識でしょ。まして新入りの下っ端なら尚の事」

「首都圏では遅延前提で動かなくてはダメ」

コメントには、学生時代とは違って会社員は時間に対してお金をもらっているのだから、初日から遅刻するのは許されないという意見が多い。
たとえ電車の遅延が原因だとしても、遅延する可能性があるのだから、それを見越して行動しなければいけないという。

    「電車の遅延も数本早い電車に乗るのも常識の範疇
    「もうすぐ50才だけど初めての時は近くても30分前到着してる。社会舐めてんの?遅刻は理由があろうがNGだ!」

普段から出勤時刻の1時間前に出社しているという人もおり、常日頃時間に遅れないよう最善を尽くさなくてはいけないようだ。2000件以上のコメントが寄せられたmixiニュースでも、遅刻する新社会人にめっぽう厳しい

    「え? 社会人っていう自覚ないから遅刻するんでしょ? 首都圏の鉄道は遅延前提で動かないとダメでしょ」

mixiでは、遅刻することをネタのようにツイッターに投稿することを批判する声も多かった。仮に電車の中でツイートしているにしても「遅刻という非常識な行為を公衆に晒すとか…バカなの?」「ツイートする暇があったら早く行けよ」というのだ。

「1時間も早く来いというのはブラック」と批判も

ただ、いくら遅刻が悪いといっても、電車の遅延など自分ではどうしようもない部分もある。初日に少し遅れたぐらいで、全人格を否定するかのように叩くのはよくないという人もいた。

    「電車の遅延なんてどこでどう遅れるかわからねえだろ。ブラックな仕事のし過ぎで心の器までちいさくなっちゃったか?」
    「批判してる人は失敗したことが一度もないのだろうか」

遅れないよう出勤時間より早く出社することに対しても、「電車の遅延を見越して1時間も2時間も早く来いなんてのはブラック以外の何者でもない」と批判する声が出ていた。
(略)

しかし各方面からの意見を見ていますとそれぞれの立場や考え方もあると思いますけれども、例えばこれが大学入試の試験当日であったとしたらもう少し慎重に対応していただろうと考えると、大事な初日早々遅刻していくと言うのは少なくとも職場での今後の人生に関して想像力が少し足りなかったのか?と批判される余地はあるのかも知れません(だからと言って一発退場はさすがにやり過ぎと言う気もしますけれどもね)。
どうせ遅くまで残業するくらいなら朝早く出勤してその分早く帰った方が出勤ラッシュにもひっかからず楽なんじゃないか?とも思うのですけれども、一般的には残業には手当てがついても自主的な早期出社にはお金が出ないでしょうし、あまり仕事を早く片付けているとさらに仕事を増やされたりで結局遅くなってしまうと言うこともあるのでしょう。
この辺りは職場職場での考え方の違いも出るんじゃないかと思いますが、ただ日本全国これだけ朝夕の通勤ラッシュで無駄に時間と体力を浪費していることを考えた場合に、そろそろ政府あたりが主導してもっと大々的にフレックスタイム導入を推進するなり対策を講じてもよさそうなんですが、とりあえず皆で集まって顔を会わせることに対する意識の変化も必要になりそうには思いますね。

ネットが発展し身近で当たり前のものになると、別に会社に出かけなくても家で仕事が出来るじゃないかとか、足を運んで会議などやらなくてもネット経由で資料を閲覧したりせいぜいテレビ会議で十分じゃないかとか、今まで無駄だと思われていたことが技術的進歩で改善していくだろうと期待されていたものだし、確かに一部方面でそうしたことが行われるようにはなっているようですが、普及ぶりは未だ十分とはとても言えませんよね。
単純に会社で偉い立場にいる方々がいい加減頭の固まった旧人類で新技術や自由な働き方の導入に及び腰であると言ったことであればいいんですが、若手でPCに対するリテラシーも十分ありそうな方々であってもやはり実際に会って話をすることを止められないと言う方々は少なくないし、フレックスタイムなども光熱費が高くなると昨今ではむしろ廃止する企業も出ていると言います。
顔を会わせると言うことはやはり業務以外の有形無形のコミュニケーションと言う意味もあって、各人のキャラクターなど資料には現れにくい部分を直接評価すると言う効能がありそうですが、その意味で言えば職場に早く馴染まなければならないだろう新人社員が「飲み会?業務命令なら参加しますけど」などと非公式コミュニケーションに対して簡単に断りを入れてしまうのは、少しばかりもったいない話ではあるのかも知れません。
遅刻の場合ももちろんするよりはしない方がいいのでしょうが、むしろしてしまった場合にどのように対処するかの方が大事なもので、その場のアドリブで後々まで語り継がれるほどの伝説的逸話を残し職場にすっかり馴染んでしまう人もいれば、最初から人間関係構築に躓いたままいるのかいないのか判らないようになってしまう人もいたりで、一度や二度の失敗は勉強の契機になるくらいに構えて置いてもいいのかも知れませんね。

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2015年4月 8日 (水)

食中毒防止を第一に考えるなら正しい対応?

先日北海道の焼肉バイキング店で集団食中毒が発生、うち中学生一人が亡くなると言う大変な事件がありましたが、その原因菌を巡って議論が起きています。

カンピロバクター? 女子中学生「焼肉バイキング」で死亡の謎(2015年4月3日日刊ゲンダイ)

 北海道栗山町の焼き肉店で食事後、食中毒症状を訴えて札幌市内の病院に入院していた中3女子生徒(14)が1日、死亡した。女子生徒は3月19日に同町中央にある「とんとん亭」で卒業生を送る会に参加し、バイキング形式の食事をとった。会には保護者らを含め計21人が参加、うち14人が21日以降に食中毒の症状を訴え、医療機関で受診。女子生徒も22日から入院していたが、1日午後0時45分に死亡した。

「岩見沢保健所が14人中12人の便を検査したところ、5人の便からカンピロバクターという細菌が検出されました。女子生徒からは便がとれなかったようで、未検査です。道警は女子生徒の死亡と食中毒の因果関係を調査中です。店は、27日から4日間の営業停止処分を受けました」(現地事情通)

 カンピロバクターはニワトリ、牛、豚などの家畜をはじめ、ペットや野生動物などあらゆる動物が保菌しているものだが、人間が感染すると、下痢、腹痛、発熱、嘔吐の症状が出る。感染症に詳しい東京医科歯科大名誉教授の藤田紘一郎氏がこう言う。

「子供や高齢者、免疫力の落ちた人がカンピロバクターにやられると、重篤化する可能性があります。しかし、死に至るケースはほとんどありません。女子生徒が死亡するまで2週間ほどかかったことを考えると、潜伏期間が長く、死に至ることもあるO―157に感染していた可能性もなくはない

 岩見沢保健所によると「当日、女子生徒の体調に問題はなかった」といい、「設備の清掃、従業員の手洗いなどに問題があったとの報告は受けておらず、過去に集団食中毒を起こした例も聞いていない」と話す。集団食中毒が起きた原因は一体何だったのか。

「カンピロバクターなどの細菌は、加工時に食肉の表面に付着します。そのため、表面を焼けば危険性はほとんどありません。女子生徒らは生に近い状態で食べてしまったのかもしれません」(藤田紘一郎氏)

 店に問い合わせたが、連絡はつかなかった。

ひとまずは亡くなられた患者さんに哀悼の意を表したいと思いますが、集団で食中毒症状が出て患者複数から同じ食中毒菌が検出された、それならそれが原因でいいじゃないかと言う話なんですが、北海道食品衛生課が死因が食中毒によるものかどうか「医師とコンタクトを取って調査を行う」とわざわざコメントしているように、健康な若い人がキャンピロバクターの食あたりで亡くなったと聞けば「え?」と思ってしまいますよね。
加熱不十分な鶏肉が危ないと言われるキャンピロバクターによる食中毒は現在件数ベースでは我が国で最も多く発生しているのだそうで、患者数も大々的な集団感染が報じられるノロウイルスに次いで2位だと言いますから実に堂々たるものですけれども、判明している限りでは国内ではまだ死亡例の報告がないとも言い、実際に他の生徒達感染者は通常通りの軽い経過で回復しているそうです。
たまたま運悪く重症化する理由が何かしらあったのか、それとも他の要因なども影響していたのかは今後の検証を待たなければならないでしょうが、仮に他菌種の複合感染だとすると他の被害者にも類似の症状が出ていてしかるべきと言う気もしますし、医学的な観点からも非常に注目すべき症例であるように思いますね。
さて、こうした食あたりの恐さを知れば日々何を食べていけばいいんだと恐怖症に駆られる人もいそうなんですけれども、これからの時期当然ながら食材食品を室温放置するなどもってのほか、きちんと調理家庭から食品衛生にも気を配るのは当然だとして、そうした衛生観念が長年当たり前に続けられてきた食行動にも妙な影響を与えているのか?とも思われるこんなニュースが話題になっていました。

他人の作ったおにぎりは食べられない…小学生の25%が「いや」、人間関係に水を差すことも(2015年3月28日産経新聞)
 他人の作ったおにぎりが食べられない、という人が少なくない。小学生約2500人のうち、およそ25%が「抵抗がある」と答えたという最近の調査結果もある。大人でもそうした例があり、ネットでも「私も食べられない」といった書き込みは数多い。食べられる人にとっては何とも不思議で、そんなことで悩むなんて…とも思えるかもしれないが、食べられない人にとっては真剣な悩み。時には、人の善意をめぐって人間関係に水を差すことにもつながりかねないから厄介だ。(兼松康)

「潔癖症なんかじゃない」

 「子供の頃は、運動会なんかのときに、友達のお母さんにおにぎりを勧められて。とてもじゃないけど食べられなかった
 東京都内に住む会社員の平本秀子さん(44)=仮名=は、苦々しい表情でそう振り返る。
 「決して自分は潔癖症ではないが」と前置きして、平本さんは他人のおにぎりが食べられない理由について、次のように説明する。
 「他人の手に付いているかもしれない黴菌(ばいきん)などを想像してしまう。他人の家の衛生環境も分からないし、特に水回りなどが汚いかもと想像するとダメ。おにぎりを握るときは手がぬれているし、水分を介して不潔な物が付いているかも、という思いが拭えない」
 自分の親が握ったおにぎりは食べられるし、コンビニのおにぎりなどは「機械で作られたと思っているから」大丈夫だという。

食べないためにつく“嘘”

 なぜ「おにぎり」なのかというと、家庭で手軽に、主に素手で作る料理の代表格だからだ。そこに「自分の家」と「他人の家」で作る違いが、気になる人々にとっては顕著に表れる
 一方、他人のおにぎりを問題なく食べられる人にとっては、「食べられない人がかわいそうだ」といった同情論だけでは済まないケースもある。
 都内に住む鈴木澄子さん(34)=同=は、「そういう人がいるということは知ってはいたが、以前に自分が差し出したおにぎりを断られた経験がある」という。その人とは今も付き合いはあるというが、それ以来、おにぎりを勧めるシチュエーションどころか、一緒に食事をする機会さえもないという。
 鈴木さんは「実はあの時、自分が不潔だと思われていたのでは、と今でも考えることがある」と打ち明ける。それだけの理由ではないが、実際の付き合いに一定の制限がかかった形になっているのは事実だ。
 前出の平本さんは、大人になってからも「他人のおにぎりは食べたくない」という気持ちは変わっていないという。大人になるに連れ、他人のおにぎりなどを食べなくてはならない状況になりそうだったら、その場を早めに切り上げるとか、「自宅で食べてきたから」と無理なく断るなどの“術”を身につけてきた。他人のおにぎりを食べないことが最優先事項だが、それを守るために嘘をつかなくてはならない自分に、ある種の苦しさも覚えるという。
(略)

まあしかし潔癖症なのかどうかはともかくとして、行動パターンを見聞する限りではある種の病的な反応を感じさせるようには思うのですが、皆さんはどのように感じられたでしょうか?
衛生観念と言うのは人それぞれだし、実際に国民の平均的な衛生学的知識から考えると家庭料理と言うのは決して褒められた調理環境にはないのも事実ですから、実際的なリスクや心理的負担を考えると他人の作ったものは口に出来ないと言う感覚も判る気はするのですが、ここで注目いただきたいのが小学生の4人に1人が他人の作ったおにぎりなど食べられないと訴えている点です。
その理由として「なんとなく汚い感じがする」「他の人が作ったものには、毒が入っていたらどうしようとか考えてしまう」「何が入っているかわからない」「手を洗っていないかもしれない」等々が挙げられたそうですが、こうした発想が小学生の中から自然発生的に出てくるものと言うよりも、各家庭でそういう衛生感覚が当たり前のものになっていると考える方がありそうな気がしますがどうでしょうね?

かつて一世を風靡した某国民的な漫画・アニメなどは主人公であるロボット少女が路傍の排泄物をやたらと触りまくると言う描写が一つの人気の理由だったと思うのですが、当時の子供の感覚ではそういうのは有りであって狼狽する大人の有様が笑いの対象になっていたのだと考えると、子供の感性もずいぶんと変化してきたのかと言う気もするでしょうか。
とかく一般的にこの種のニュースはあまり好意的ではない、と言うよりもどちらかと病的なものであると言った文脈で語られる場合が多かったのですが、冒頭に取り上げた食中毒記事などを見るまでもなく衛生学的、微生物学的観点からするとむしろ当たり前と言うか、おっしゃる通りリスクは当然にある(ただし、他人が作ったか家族が作ったかに関わりなくですが)と言うのが確かに「正解」にはなるかと思います。
ただリスクがある=食べてはいけないでは世の中食べられるものなどほとんどなくなってしまうし、この種のことにこだわる方々も客観的にはよりリスクが大きい食品を平気で食べていたりもするものですから、本当に安全性が心配だからと言うのであれば思い込みやイメージで語るのではなく、まずは正しくリスクの大小を知った上で判断していくのが筋でしょうね。

ちなみに昨今の日本食ブームもあってか「日本人?生魚を食ってる変な連中だろ?w」などと冷笑されていた時代も今や昔、寿司などはすっかり人気のメニューとして海外でもごく普通に食べられるようになってきましたが、あれも素手で扱ってはならないと言うルールがある国の方が一般的ですし、実際に流通段階からの鮮魚の扱い方などを見ていると日本と同じように考えていては危険だと言う心ある職人さんも少なくないようです。
日本では当たり前に行われている生卵の生食、あるいは丼物などでもこだわりを持って語られるふわとろの半熟卵などは未だにほとんどの外国人が「気持ち悪い!」「食あたりしたらどうする!」と忌避するところですが、あれも生食前提の生卵は流通していないと言う事情を反映した当然の防衛反応でもあって、逆に日本人が外国に出かけて行く時にはうっかり生や半熟の卵を口にしないよう注意しないと危ないでしょうね。
要するに生物学的汚染のリスクに気をつけたいと思えばそれなりに改善すべき状況と言うのは身近にいくらでもあって、どこにあるいはどこまで注意すべきなのかと言う点で未だ一定のコンセンサスが得られていないのが現状なのだと思うのですが、近年何かと話題になることの多い焼肉などは大勢でテーブルを囲む多いだけに、おいしさだけではなく安全な食べ方ももう少し追及されてもいいのかなと言う気もしますでしょうか。

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2015年4月 7日 (火)

今までにないタイプと話題の介護施設での暴行事件

いわゆる無許可の老人施設の話は今や珍しいものではなく、時折その内部での不適切な対応ぶりが報じられるたびに必要悪と考えるべきかどうか議論にもなりますけれども、先日少しばかり毛色の違う事件が起きたとちょっとした話題になっています。

93歳の鼻ふさぎ動画、老人施設3職員逮捕(2015年04月01日読売新聞)

 名古屋市名東区大針の有料老人ホーム「ケアホームひまわり」に入所する女性に暴行を加えたとして、愛知県警守山署は30日深夜、同施設職員の男3人を暴行の疑いで逮捕した。

 施設には要介護度1~5の50~90歳代の男女計27人が入所していたが、名古屋市に有料老人ホームの届け出をしておらず、市は31日、立ち入り検査を実施し、再発防止と原因の究明を求めた。

 逮捕されたのは横井一樹(36)(名東区香南)、鈴木啓太(26)(同区社が丘)、物部拓史(29)(名古屋市南区元塩町)の3容疑者。発表によると3容疑者は2月21日午後7時55分頃、4人の相部屋に入っていた認知症の女性(93)に対し、口に指を入れたり、指で鼻をふさいだりする暴行を加えた疑い。

 同署が、横井容疑者にしつこく声をかけられたという女子高校生(17)から相談を受け、3月27日に横井容疑者から事情を聞いた際、スマートフォンに暴行の様子を撮影した動画が保存されていたことから発覚。横井容疑者は暴行を認め、他の2人の関与についても供述したという。鈴木容疑者も容疑を認め、物部容疑者は「自分はいなかったと思う」と否認しているという。

 横井容疑者は昨年2月、鈴木容疑者は2012年9月、物部容疑者は同年8月にパートとして採用され、現在は正社員として勤務していた。運営会社の仲宗根恵子社長(61)は31日、「指導が行き届かず申し訳ない」と陳謝し、同日付で3人を解雇したことを明らかにした。仲宗根社長によると、逮捕前に鈴木、物部両容疑者から事情を聞いたところ、「日常的な暴行はしていない」と話したというが、鈴木容疑者のスマホには、入所者の70歳代男性の衣類を一部脱がして映した画像も保存されていたという。

 名古屋市介護保険課によると、この施設に対しては、数年前から再三、老人ホームの届け出をするよう指導していた。仲宗根社長は「施設を整備するお金がなかった。早急に届け出をしたい」と話した。

記事を読む限りでも何が何やらと混乱するような内容なのですが、ここでは事件が発覚したのが家族などからの訴えや内部告発、各種の噂と言った通常よく見られるものではなく、全く別件からの発覚であったことに留意いただきたいと思います。
老人は病院から施設へ、そしてさらには家庭へと言う国策を反映して順調に高齢者の移動が行われていればいいのですが、当然ながら施設の受入数にも制限がある以上必ずしも需要に対して十分に答えられていないと言えますし、その反映でいささか質的にどうかと思われる施設も利用せざるを得ないのも確かでしょう。
一方でそれだけ介護スタッフが多く必要とされるとなれば当然こちらも質よりも量重視でいかざるを得ない局面も出てくるはずなんですが、今回の事件に関してはこのスタッフの質の面で今までとは少しばかり違う様子であったと言う話題が出ています。

名古屋介護施設暴行事件 なぜあの職員らが雇用されていたか(2015年4月4日NEWSポストセブン)

(略)
 暴行とは具体的に何をやらかしたのか。日本テレビの報道によると、施設を運営する女性社長61歳が、このように説明している。
〈「鼻の中に指を入れて上にかきあげた動画と、あと口の中に手を入れて上下に動かす動画でした」〉
 その動画の中には、被害に会った入居者の「いやいや」「やめて」という声も入っていたそうだ。警察の取り調べで容疑を認めた36歳は、「嫌がる様子を見て面白がっていた」などと供述しているらしい。26歳も容疑を認めており、29歳が一人だけ否認。女性社長は朝日新聞の取材にこう答えている。
〈「3人は遅刻が多く、指導したこともあった。悪ふざけをしたのだと思う。被害者や家族には申し訳ない。31日付で解雇する」と話した〉

 このニュースを受けて、ネット上で最も多く飛び交っていたのは「人間のクズ」という罵倒だ。私もまったく同感だ。たしかに「悪ふざけ」だったのだろう。しかし、認知症の93歳女性に対して介護職員が集団で悪ふざけをするという「学級崩壊」状態は尋常じゃない。26歳の容疑者のスマホには、別の男性入居者の下腹部の画像も保存されていた、とも報じられている。こいつらの余罪はもっと出てきてもおかしくない。
 逮捕され連行中だったか、テレビでジャージ姿の26歳が顔を隠すでもなく歩いている姿を見た。印象は「遊び人風」。サラサラ系の長髪で、眉毛を鋭角に剃っていた。オレオレ詐欺の世界で生きるほどの根性はないが、危険ドラッグなら普通にやっていてもおかしくない半不良、という顔つきだった。
 他の容疑者2人の個人情報は知らない。だが、この26歳容疑者の姿を見た瞬間、「えっ、これまでとは違う」と感じた。介護施設での高齢者虐待は年々増加しているが、その発生要因は「教育・知識・介護技術等に関する問題」や「職員のストレスや感情コントロールの問題」あたりが多い。つまり、その仕事のなんたるかを知らぬまま働いていて、なにかのはずみでムカッと来るなりして手をあげてしまう、など、ダメ職員がキツイ仕事の中でおこしてしまう事故が一般的なのである。
 それはそれとして今なお介護業界の大きな問題だが、今回の事件は、質が違う。より底が抜けている。ダメ人間ではなく、まさにクズ人間らの所業だ。教育が足りないからそうなった、のではなく、介護にまるで適性がないからそんな非道なことができるのだ。

 高齢者介護は日本で最も人材不足に苦しんでいる業界である。募集してやってきた者にダメ人間の気配があったとしても、「働きながら学んでもらおう」と雇わざるを得ない事業者が少なくない。
 しかし、今回の事件で3人が行った「悪ふざけ」は、介護の仕事以前に働くこと、社会人であること、人間であることすべてをナメている。動画をユーチューブなどに流したという情報はないが、そのナメ具合は飲食店のバイトの大学生が厨房の洗浄機に入る写真をツイッターにあげて大炎上といったバカッターの愚行どころじゃない。もっと愚かだ。この原因は、教育不足でも仕事のストレスでもない。ありえない雇用の問題ではないか。
(略)
“無届け老人ホーム”の中には、先端的な介護を提供するハイレベルな施設などもある。が、その大半は、介護の質を保証するための規制から外れたプアな住環境や介護サービス体制で、そのぶん割安な利用料で入居できることをウリにするものだ。安かろう悪かろうで、行政指導も入らない。だから、どんな施設なのか、ネット上でも具体的な情報に乏しい施設が多い。
「ケアホームひまわり」もそんな典型だから情報がないのだが、いろいろ検索していたら、1ページだけ見つけた。大手求人情報サイトに最近まで掲載されていたと思われる「有限会社介護グループひまわり」の求人広告が、キャッシュで閲覧できたのだ。介護スタッフの正社員募集。条件は以下の通り。

・対象となる方:学歴不問、未経験者OK 
・勤務時間:6:00~15:30、10:30~20:00 夜勤なし・交替制
・給与:月給22万3000円以上 試用期間6ヶ月あり
・休日休暇:4週8休制
・待遇・福利厚生:昇給年1回、賞与年2回、資格手当、交通費規定支給、雇用・労災保険、有給休暇

 想像と違った。半ば闇でやっているような“無届け老人ホーム”だから、働く場所としても相当ブラックだろうと思ったのだが、この求人広告通りならば、そうでもなさそうだ。夜勤なし、4週8休で、月給22万3000円以上という介護職員の条件は、同じ愛知県内の同業種のものと比べて結構いい。企業情報の〈ひまわりの紹介〉という欄には、こんなことが書かれている。

〈社長1人、施設長1人、スタッフ13人。みんな気さくで明るいメンバーばかりです。20代~50代の男女が活躍中です!当社では、ご入居者様だけでなく、スタッフ用の食事も作っており、健康に配慮したバランスの良い食事を提供しています。独身スタッフや育児で忙しい主婦層にも好評です☆〉

 職員と入居者がVサインやガッツポーズをしている写真もある。この求人広告を見る限りではアットホームだ。働きやすそうなのだ。“無届け”で利益の生みやすい商売をしているから、わりと金があり、雇用面は人寄せ優先でゆるくやっている。ゆえに人間のクズも紛れ込む。そんな感じだろうか……。
(略)

いやまあ、テレビで見た映像一つからここまで想像を膨らませられると言うのも一つの才能ではないかと言う気はしますけれども、確かに今までしばしばこの種の事件で語られてきたような「過酷な職場環境から由来するストレスが」云々と言った話とは、やはり少しばかり違う背景があったのか?とも想像されるところでしょうか。
この種の事件が起こると大抵の場合職場の同僚等からは「真面目で熱心な人だったのに」等々何かしらのフォローが入るのが通例なんですが、今回雇用主からも「3人は遅刻が多く、指導したこともあった。悪ふざけをしたのだと思う」などとさんざんな言われようでばっさり首にされている辺り、相応のキャラではあるのでしょう。
事件発覚の経緯を見てもそもそも老人介護と言う仕事への適性がなかったのではないか?と言う声も根強いこの事件なんですが、しかし考えてみると国策としてこれだけ介護スタッフを増やそうとしている時代に、適性がある人だけがその仕事につくかと言えば決してそんなはずはないですよね。
この辺りは第一次産業なども同じことなのですが、労働がキツイだとか収入が少ないなど仕事として魅力がないことがその業界の人手不足を招いていると言う側面が多分にある一方で、商売として見ればあまり魅力がないからこそ苦労を承知でやりたいと言う熱心な人が集まってくると言う側面はあったのだと思います。

介護の世界も人手不足解消のためにスタッフの待遇改善が必要なのは当然なんですが、その結果仕事として割が良いとなれば当然適性に乏しい人々も流入してくるようになるのは当然ですから、今後は介護業界もかつてのような真面目で熱心なことが大前提であるかのようなシステムでは大きなトラブルになるかも知れませんね。
その点は医療の世界も決して他人事ではなく、かつては医師としての使命感に燃えるごく少数の人々が志願して参入してくる職場だったものが、不況に強く食いっぱぐれがない安定職として理系高偏差値層が大挙して押し寄せる事態になってきた結果、明らかにかつてとは若手医師の雰囲気も変わってきていると感じる先生方も多いと思います。
もちろん必ずしもそれが悪いことだけではなく、ごく普通の進学先の選択肢の一つとして医学部に入学し、ごく普通に就職活動をして給与労働者としての医師生活をスタートさせることが当たり前になってくることで、医師の常識は世間の非常識などと言われることはこれから次第に減ってくるのかも知れません。
ただそうした変化に現場の人間はある程度体感的に理解し受け入れていくことになるとしても、恐らく一番意識改革が遅れそうなのが利用者である患者やその家族ではないかと思うのですが、身内が入院して久しぶりに病院にいってみたら昔と何もかも違っていて驚くと言う経験が、今後はあちらこちらで出てくるようになるのでしょうか。

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2015年4月 6日 (月)

児童虐待は明らかに悪いこと、なんですが

ひと頃産科医療崩壊が語られる中で野良妊婦などと言う物騒な言葉が話題になりましたけれども、あれも妊婦検診も受けず飛び込みで出産すると言うのは本人のリスクは自己責任にしても、子供に対する責任放棄ではないかと言う厳しい意見がある中で、先日はこんなびっくりニュースが出ていました。

救急車で運ばれ男児出産、母親が病院から姿消す(2015年3月27日読売新聞)

 埼玉県川越市の埼玉医大総合医療センターで2月、出産した男児を置き去りにしたまま母親の女性が行方不明になっていることが26日、県警などへの取材でわかった。

 川越署が保護責任者遺棄容疑で捜査している。

 関係者などによると女性は2月13日午後1時頃、同センターに救急車で運び込まれ、間もなく男児を出産した。担当者が同14日午後4時半頃、病室に行くと、女性は姿を消していた。センター内を探したが見つからなかったため、約1時間後、同署に通報した。同センターの防犯カメラには、女性が病院着のような服を着たまま出口に向かう姿が映っていた。

 女性は24歳で志木市に住んでいると話していたが、住所地に家はなかったという。生まれた男児は健康で、県内の乳児院にいるという。

ちなみに同センターでは昨年7月にも暴力団組員らが集団暴行で死なせた男性の遺体を置き去りにしていくと言う何とも不可解な事件があったそうで、何やら地域の妙な需要に対する駆け込み寺的な存在になっているのではないかと言う気もするのですが、救命救急を熱心に受けている見返りがこんな仕打ちではスタッフの方々もやり切れませんよね。
これまた大いに話題になった赤ちゃんポストなども子供を置いていくだけでなく子供の死体を遺棄していくと言うびっくりするようなケースもあるのだそうで、本来一人でも命を助けるために始めた制度の趣旨が理解されていないのではないかと思いますけれども、ともかくこれだけ少子化対策が国策としても推進される中で、一方では子供に対する養育放棄や虐待と言った痛ましい事件も連日のように報道されているわけです。
2010年に起きた大阪の事件では歳と1歳の子供を抱えるシングルマザーが子供を50日間にもわたって放置し餓死させた、しかもその間男と出歩いている様子を自ら世間に向けて発信していたと言う何とも言い難い事件であり、その後子供達の孤独かつ悲惨な最後の日々が映画にまでなったと言いますから世間に与えたインパクトも相当なものですが、この種の事件が起こるたびに「行政は何をやっていた」と世間からお叱りの声が出ますよね。
もちろん児相なども現場の職員の方々は少ない人員や限られた予算の中から精一杯やっているのだろうとは思いますけれども、この児童虐待に対する公的介入と言うことを考える上でもなかなかに興味深く、かつ何とも奇妙とも言える事件が裁判沙汰になっていたと言うニュースが出ていましたので紹介してみましょう。

児相の男児アレルギー死 両親敗訴が確定(2015年3月28日神奈川新聞)

 横浜市の児童相談所が3歳の男児にアレルギー物質を含む食事を与えて死亡させたとして、両親が市などに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は27日までに両親側の上告を退ける決定をし、原告敗訴が確定した。決定は25日付。

 二審東京高裁判決によると、男児は2006年、東京都内の病院に病気で入院し、病院側が「両親が栄養を与えない虐待の疑いがある」と児相に通報。一時保護した児相は男児に卵を含んだちくわを誤って食べさせ、食事から約7時間後に亡くなった

 一審横浜地裁は、アレルギー反応によるアナフィラキシーショックが死因だとし、市の過失を認め約5千万円の支払いを命令。しかし二審東京高裁は「食事から数時間は発症がなかった」と、死亡との因果関係を否定し請求を棄却した。

●市の対応認められた
 鯉渕信也こども青少年局長は「市の対応が適正なものだったと認められたと考えております。亡くなられたお子さまのご冥福を心よりお祈りします」とコメントした。

ちなみに2012年の横浜地裁判決では児相の責任を認め5000万円の賠償判決が出ていたのですが、当時の横浜市側の出した判決の報告書によれば国立成育医療センターから6月16日に児相に相談があり7月3日より保護のため医療機関に収容していたそうで、7月14日からは退院し一般の保護施設に入所していたようです。
当日は朝食時に男児がおかわりを求めた際にうっかり竹輪1/10本を食べさせてしまった、すぐに気づいて看護師等も含めた職員で注意深く観察を行っていたが昼過ぎまでは大きな変化はなかったようで、昼食後の昼寝から起こそうとしたところぐったりしているのに気づき救急搬送したものの救命出来なかったと言うことで、経過から二審東京高裁では死因はアナフィラキシーではないとして両親の請求を棄却する逆転判決を出しています。
保護当時はくる病を発症するなど栄養状態として相当にひどい有様であったのも事実であるようですが、一方で当時取材に応じた両親の主張によれば強い食物アレルギーで卵や小麦などに触れただけで皮膚が荒れてしまい「タンパク質が流出、成長に影響していた」とも言い、そもそも虐待(栄養ネグレクト)ではなくやむを得ない事情による食事制限であったと言うことです。
この主張通りであれば苦労しながら育ててきた子供を奪われ無神経にアレルギー物質を与えられ殺されたとはひどい話だと言うことなんですが、そもそも事実アレルギー物質の摂取によるアナフィラキシーだったのかどうかも含めて事実関係が今一つクリアではないところだし、完全に善意から来る親の行動であったにせよ事実子供が必要な栄養を与えられず、栄養失調に至っていたとは言えるのでしょう。

そうした本件特有の細かい事情は抜きにして注目されるのが、子供を保護したからにはその健康に関して責任を負わなければならないと言うことで、「育児放棄したような親が他人の育児に問題があったと非難するのもおかしいじゃないか」と言う意見ももちろんあるのでしょうが、やはり社会的にはこうした場合引き受けた以上は責任を負うと見なされるケースが大多数ではないかと思います。
ただ少し考えただけでも子供の育児を放棄するような親が詳細な医療情報を提供するものなのかどうか、むしろ知ったことではないと言う場合の方が多いのかとも想像されますし、ひどいケースになれば半殺しに近い状態にまで暴行を加えるだとか、敢えて致命的ともなりかねない情報を隠しておいて保護させ、その後何かあれば責任問題だ、謝罪と賠償をしろと主張すると言うことも可能性がないとは言えないでしょうね。
このあたりは素朴な庶民感情と言うべきものに反する部分もあって法律家の間でもどう扱うべきか議論があるところのようなんですが、引き受けた児相等の側の責任に関して言うと緊急避難的な意味においてはいわゆる良きサマリア人法の考え方を適用すべきなのだろうし、子供の権利保護を第一に考えると場合によっては何かしら特別のルールを整備すると言うことも必要になってくるのかも知れません。

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2015年4月 5日 (日)

今日のぐり:「若屋うどん店」

先日はちょうど4月1日だったのですが、各地から色々なニュースが出ていたようです。

英王子第2子は「ダイアナ」? =欧州各地でエープリルフール報道(2015年4月2日時事通信)

 【ロンドンAFP=時事】エープリルフールの1日、欧州各地で毎年恒例のジョークが報じられた。イタリアの女性誌「グラツィア」は、ウィリアム英王子の第2子の名は「ダイアナ」と特ダネ。英紙デーリー・テレグラフは、イタリアのピサの斜塔がホテルに改装されるため観光客の入場が制限されると報じ「ピサを取られた」と嘆くイタリア人ガイドの声を伝えた。もちろん全部うそ。
 緊縮経済をめぐり欧州連合(EU)との緊張が続くギリシャでは、バルファキス財務相が統一通貨ユーロ離脱を決意、代わりに仮想通貨「ビットコイン」を導入と報じられた。「秘密会合で『もうキレた。これからはビットコインだ』と述べ、側近たちを慌てさせた」ともっともらしい。
 英紙デーリー・エクスプレスは、有名スーパーが高い棚の商品用に全店にトランポリン用器具を導入と報道。英大衆紙サンも新紙幣の肖像が女王からサッカーの元イングランド代表のデービッド・ベッカム氏に交代と伝えた。英科学誌ネイチャーも、地球温暖化で冬眠中の竜が目覚めると報じている。
 英国では1957年4月1日、BBC放送がスイスに「スパゲティの樹」が存在すると報道、一家で収穫する様子を放映し、多くの英国人が長い間、それを本気にしていた逸話がある。 

もはや何が何やらなんですが、しかしこの時期に出てくるニュースと言うのは正直どこまでが本当なのか判断しかねるものがありますよね。
今日は世界各地からちょうどエイプリルフールの時期に出てきたちょっと信じがたいようなニュースの数々を取り上げてみることにしましょう。

小鳥が自ら腸を吸収し3日間飛び続けることが判明(2015年4月3日ナショナルジオグラフィック)

 出発前に、まず体重を増やして腸を除去し、3日3晩食事も取らず眠ってもいけない。もしそんな旅行があったとしたらどうだろう? ズグロアメリカムシクイは、毎年秋にそれをやってのける。
 体重がわずか12グラムしかない極小の渡り鳥ズグロアメリカムシクイは、秋になるとカナダ北東部から南米へ渡って行く。そのルートはこれまで知られていなかったが、3月31日付けの科学誌「Biology Letters」に発表された論文によると、鳥たちは大西洋上空をノンストップで移動していることが明らかになった。

 2013年秋の渡りのシーズンに、海上のルートを明らかにするため、生態学者らは軽量の追跡装置を5羽のズグロアメリカムシクイに取り付けた。
 マサチューセッツ大学アマースト校の生態学者で、論文の主要な著者であるビル・デルーカ氏によると、鳥たちはまず長旅に備えて脂肪を蓄え、12グラムの体重を16グラムまで増やすという。なかには、体重が倍に増える鳥もいる。「基本的に、彼らは羽をもった小さなミートボールです」とデルーカ氏は言う。
 次に、余分な体重を落とすため、旅に必要のない腸などの内臓を自ら吸収してしまう。そして脂肪、羽、筋肉だけになった鳥はいよいよ貿易風に乗って南の国を目指して飛び立つ。
 同じ風に乗ることができないため、春は陸の上を飛ぶルートで北へ戻ってゆく。

急速に減っている

 とはいえ、ズグロアメリカムシクイがなぜ秋に海上を、春に陸の上を飛ぶかはまだ解明されていない。古代からのルートをそのままたどっているのかもしれないし、それともそのほうが安全だからかもしれない。
 陸の上を飛ぶと、捕食動物に狙われたり、建物や自動車に衝突したりする危険がある。
 鳥にしても蝶にしても、渡りを行う生物たちはさまざまな危険を乗り越えなければならない。体の大きな鳥は、より多くの脂肪を蓄えられるため、さらに長い距離を渡ることができる。例えばキョクアジサシは、グリーンランドから南極に渡り、帰りは南米やアフリカに立ち寄ってまた北極に戻ってくる。

 ズグロアメリカムシクイなどの鳥がどのルートを通って移動しているかを知ることは、種の保全に欠かせない。「北米に生息するアメリカムシクイ科のなかでも、ズグロアメリカムシクイはどこにでも見られる当たり前の鳥ですが、最も急速に数が減少している種でもあります」と、デルーカ氏は説明する。
 数が減少している理由はまだわからない。原因が北米にあるのか、南米にあるのかも不明だ。そのためデルーカ氏のチームは、南米の研究者たちと協力して、鳥たちがどこで過ごしているのか、どのような脅威が存在するのかを調査したいと考えている。

いやどう見てもその無理な生態に数減少の理由があるんじゃないかと誰しも突っ込みたくなりそうですが、しかし写真を見るとごく普通の鳥のように見えるのですがね。
同じく生き物系のびっくりニュースが続きますが、こちら画像的インパクトが大きいと言うニュースです。

ギョギョ!ペットの金魚が野生化し10倍に成長!生態系を崩しているらしい。(2015年4月2日秒刊サンデー)

我が家の金魚は2年ぐらい生きておりますが、屋台ですくった頃よりも2倍ぐらいに大きく成長。他の金魚と近所トラブルもございますが(金魚なだけに)今日も生きております。さてそんな金魚、あまりに大きくなりすぎたのか、家で飼っていたものを近くの川や池に放流後、野生化させていることが話題となっております。そればかりか巨大化した金魚は生態系を崩すのだという。

オーストラリアで発見されたコチラの金魚と鯉ですが、もともとペットとして飼われていたものが、何らかの問題で家で飼えなくなり下線に放流されたのだという。その後、金魚と鯉は野生化、徐々に体が大きくなりなんと10倍近いからだとなってしまったのだという。
そればかりか、もともと住んでいた魚たちの生態系を崩し、どんどん死滅しているのだという。さらに病原体などを媒介し、環境を悪化させたりしているという。
日本でも外来種が拡大化しいつのまにか、その生物しかいなくなるような現象(アメリカザリガニ等)も見受けられるが、このような巨大化した金魚が増え続けているとなると非常に不気味だ。

―水産省は放流しないように警告。

水産省はこの状況を鑑み、放流しないように警告しているが、飼えなくなったペットを引き取る場所もなく、結局放流されてしまうという悪循環は止められない。
食べるのはダメなのでしょうか。

その実態は画像を参照いただきたいところなんですが、ヘラブナなども結構大きくなるものがいますから金魚もこれくらいにはなってもおかしくないと言うこと、なんでしょうかね?
こちらちょっと何を言っているのかわからねえと思うが(AA略)なニュースなんですが、まずは記事そのものを紹介してみましょう。

羊飼いの男性、カカシとの性交中に死亡(2015年4月3日ミラー)

アルゼンチン東部、サンホセ・デ・バルカルで、家の中から異臭がすると住民の通報があり、警察が捜索すると、室内で男性が腐乱死体となって横たわっていました。

男の横には、カカシが1体倒れていました。
そのカカシは長髪のかつらが付けられ、口紅が塗られ、長さ6インチ(約15センチ)のペ●スバンドを装着していました。

男性は58歳の羊飼い、ホセ・アルベルトさん。
警察は、男性がカカシと性交中に死亡したとみており、詳しい検死結果を待っているところです。

近所の人の話では、ホセは一人暮らしで、携帯電話も持たず、一人でいることを好んでいたといいます。

まあしかしあれですよね、人間やはり時々は他人とも交流しなければ色々とあれなことになると言うことなんですかね…
お次は本当なのかどうかこれまた微妙なニュースなのですが、単なる偶然であったにせよ何ともほっこりしてしまうニュースです。

メキシコ 餌を与えていた女性の葬儀に訪れた20匹の野良猫、野良犬(2015年3月31日新華ニュース)

台湾「中時電子報」の3月30日付報道によると、メキシコでいつも野良猫と野良犬に餌を与えていた女性が最近病気で亡くなった。彼女の葬儀に20匹の野良猫と野良犬が訪れて名残惜しい表情をしていて人々を感動させた。

マルガリータ・スアレスさんという女性は毎朝道端で野良猫と野良犬に餌を与えていた。マルガリータ・スアレスさんが亡くなると、葬儀に多くの野良猫と野良が訪れた。マルガリータ・スアレスさんの娘は、最初は葬儀場のスタッフが飼っている猫と犬かと思って葬儀場に文句を言ったが否認された。更に多くの猫と犬が集まって20匹を超え、母が餌を与えていた野良猫と野良犬たちであることに気づいた。野良猫と野良犬たちは悲しみ悼む顔で故人を見送った。

写真が添えられているので参照いただきたいのですが、動物たちが何とも馴染んでいる風なのが不思議な光景ではありますよね。
最後に出てきたのがこれも釣りか?と言う記事なんですが、まずはこちらから紹介してみましょう。

ネットニュースの釣りタイトルを自動で「フツー」に正す人工知能が遂に完成!(2015年4月1日MAG2ニュース)

メルマガでお馴染み、まぐまぐがAI(人工知能)を使った新しいサービスを始めたようです。その内容は、ネットニュース等のタイトルを自動修正するというもの。人工知能と独自のアルゴリズムを用いて、盛りすぎた過剰なタイトルを自動判定し、もっと素直なタイトルに変換するという、世界初の画期的なシステム。な、なんだってー!! しかもこのプログラム、一部は無料で開放され、誰でもタイトル修正を依頼できるらしいのですが……。
(略)
なんだか、それこそ煽り気味に説明してますが、どうやら釣りタイトルをフツーのタイトルに修正するプログラムのようですね。では実際にどのような形で変換されるのでしょうか? 以下に実際の事例をいくつか挙げてみました。

事例1)
橋本環奈、天使すぎるノーバン始球式

ノーパンティと空目してクリックしてくれたらいいよね

事例2)
矢口真里は特別ではない!? “ウチ来る不倫”が急増中

出不精な女性、増えてます

事例3)
「毛生え薬」が効きすぎて全身毛むくじゃらに…【個人輸入薬のリスク】

医療品は使用上の注意をよく読み、用法用量を守って正しくお使いください

事例4)
「100%女性の言いなりで心の隙間に入り込む」極度な人見知りが編み出したモテ技術

マメで聞き上手な男性はそれなりにモテる

人工知能『MAGII(マギー)』はなんだかクールですね。原稿の結論だけを素直に出したり、書き手の心情を察知したものもあるようです。
でも『MAGII』はクールなだけではありません。原因は不明ですが、ある一定の負荷がかかると、全てのリミットが外れ…
モード反転、裏コード…ザ・ビースト!

公用車なんて全廃すべきだ。イエーイ♪

とまぁ謎だらけのシステムですが、『MAGII(マギー)』に直接依頼できるフォームもあるようです。気になる記事のURLをフォームに入力すると、MAGIIが本文を解析。機嫌がいい時は数分後に結果が出てくるようですので、気になった方はぜひ釣りタイトルだと思われる記事のURLを入れて、どんな風に変換されるか楽しんでみては?

この奇妙なシステム、サイト上で実際に稼働しているようではあったのですが、人工知能にしては妙にレスポンスに時間がかかりすぎるような気がするのが不思議なところですかね。
いずれにしても現在は運用停止されているようで、その更なる改良と恒常的な実用化が待たれるところでしょうか。

今日のぐり:「若屋うどん店」

歴史的な街並みで知られる矢掛界隈の幹線道路沿いで何気無く見つけたこちらのお店、素っ気なさ過ぎる店名からもしやと思って入ったのですが、食券制でセルフのうどん屋であるようです。
それも昼だけの営業と言うのが何ともそれらしいのですが、しかしこんな界隈でこんなスタイルのお店があると言うのもちょっと意表を突かれました。

例によって冷たいぶっかけうどんを頼んで見たのですが、しばらく待ってサーブされたうどんは見た目色艶がもうひとつで、製麺の問題もあるのだろうが洗いが足りないのか?と思いつつ口に運んで見ますと案の定生暖かいんですね。
もちろんうどんの適温と言うものに関しても人それぞれの考え方があるのでしょうが、基本的に冷たいうどんを食べる人は冷水できっちり締めたうどんの食感を期待しているだろうに、何だかなあと言う気はします。
それはともかくこちらのうどん、一見して表面の食感は柔らかめなんですが、芯にはコシがしっかりあってとにかく噛み応え十分と言うのでしょうか、表面性状もあってつるつるではなくもぐもぐと言う食べ方になりますが、これはこれでいけるかなと思いますね。
この甘口あっさり目のつゆとのマッチングも悪くないんですが、やはりうどんの食感もこれだけあるのでぶっかけならもう少し濃いめの味でもいいのかなと言う気もしましたが、まあ好みの問題でしょうか。

内装などはこの種のセルフ店らしくシンプルなものながら、新しい店らしくトイレなどきれいにはしていますけれども、うどんの方も癖はあるものの今後に期待したいちょっと気になるお店と言う感じでしょうか。
しかし接遇はセルフにしてはまあこんなものか?と言うところなんですが、何か調子が狂う感じがするのは愛想がないんだかあるんだか判りにくいと言うか、声を掛けてくる時とかけない時の基準が他店とちょっと違うせいなのか?とも感じました。

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2015年4月 4日 (土)

「2003年4月7日」が何の日?正解はCMのあとで(嘘です)

一部の方々のレゴにかける情熱と言えばそれはそれは大変なもので、日本でも東大大学院生の作ったレゴ製の戦艦大和がすごすぎると話題になっていましたが、そのレゴに関する比較的実用的な?使い方としてこんな話もあるようです。

獣医「歩けない亀にレゴのローラーブレードを装着してみた」→結果は大成功(2015年1月21日らばQ)

ブレードと名付けられたドイツの亀は、代謝不良により足の発達が悪く、甲羅の重さを支えることができません
獣医師のカルステン氏は、この亀を自力で歩行でるようにできないかと思い、一計を案じました。
なんと、おもちゃのLEGOを補助輪として取り付けることにしたのです。
(略)
カルステン医師によると、「私たちが靴を脱いで眠るように、ブレードもローラーブレード(もしくは車イス)を脱いで寝ているよ」とのことです。

その状況は元記事の動画を参照頂ければと思いますけれども、しかし動物においても当然に身体的な衰えなどはあるのでしょうし、それに対して何かしらの機械的物理的なサポートが得られ身体的活動性が改善すると言うことであれば望ましいことではありますよね。
この辺りは人間でも同じことであって、昨今では健常者並みに激しい運動が出来る義足なども登場し近い将来生身の足よりも効率よく走れるようになるのでは?などと逆転現象まで懸念されているようですが、技術的進歩で外的なサポートを得て健常人と同様の生活を送れると言うことであればこれに越したことはないはずです。
さらに一歩進めて疾患の予防や治療において早期から治療介入を行った方がよい場合と言うのは多々あるわけですが、昨今この分野において注目されているのが成長著しいロボットスーツの活用で、かつてのように介護領域等力仕事に使えるか?と言った利用法から一歩も二歩も進んだ積極的な活用の道が探られ成果を挙げつつあるようです。

国内で開設進む「ロボットリハビリ外来」(2015年3月24日日経メディカル)

 佐賀大病院が開設した「ロボットリハビリ外来」が患者に好評だ。ロボットスーツHALなどの最新ロボットを活用したリハビリを実施し、身体機能の改善だけでなく患者のモチベーション向上にも効果を発揮している。
 2014年10月、佐賀大学医学部附属病院に「ロボットリハビリテーション外来」がオープンした(写真1)。7種類あるロボットの中から患者の状態に合わせて機種を選び、リハビリに活用している。通院患者の多くは脳梗塞や脳出血後の片麻痺で生活期(維持期)リハビリを行なっている患者で、最近は脊髄障害による対麻痺患者などの受診も目立つ。
 患者の満足度やリピート率は高く、「口コミでも来院者が増え、予約待ちの状況が続いている」と同外来専任の理学療法士(PT)である北島昌輝氏は話す。福岡県や鹿児島県など、県外からの来院も増えているという。
(略)
 「当院の外来では、対麻痺など麻痺が強い患者はHAL、ある程度歩行可能だが歩く姿勢やリズムを改善したい患者はホンダの歩行アシスト、とロボットを使い分けている」。外来の責任医師でリハビリテーション科診療教授の浅見豊子氏はこう説明する。
(略)
「ロボット導入で人間は不要」の誤解も

 「ロボットを使うとやる気が出る。もっと続けたい」「最先端の技術に触れているという高揚感がある」――。ロボットリハビリを行う患者は、口をそろえてこう話す。一般的に、脳卒中後のリハビリ、特に生活期リハビリは目に見える効果が出にくく患者のモチベーションを保つことが難しい。ロボットは、そうした患者のモチベーション向上にも効果があるようだ。
 浅見氏と北島氏は、ロボットを使ったリハビリの効果を検証するため、10m歩行時間による歩行評価と、活気や抑うつ-落ち込みなど6つの気分尺度を同時に測定できる質問紙法(POMS;profile of mood states)による気分評価を行った。その結果、HALの実施により、歩行速度の改善と共に患者の抑うつが減少するなど、心理的な効果が客観的にも確認された(図1)。
 さらに、ロボットの導入はリハビリを実施する医療者側にもメリットがある。「体幹の支持などをロボットに任せ、関節の動かし方など細やかなサポートはPTが担うなど役割分担をすることで、疲労が少なく質の高いリハビリができる」と浅見氏は利点を挙げる。

 とはいえ現実には、これらのロボットをリハビリに取り入れるハードルは高い。最大の問題は費用だ。国内では佐賀大病院のほか、兵庫県立リハビリテーション中央病院(神戸市西区)や第一病院(東京都葛飾区)でもロボットリハビリ外来を行なっているが、ロボット導入に対する診療報酬上の評価は存在せず、補助金も十分に整備されているとは言い難い。多くは施設側が導入費用を負担しているという。
 導入に際しては、電極の着脱などロボットの使用方法に対する現場スタッフの慣れも必要だ。「初めてHALを取り入れた時は、着脱に20分以上かかったり、患者1人に対して2、3人掛かりで取り組むなど、時間やマンパワーの点で問題が多かった」と浅見氏は振り返る。
 また「ロボット導入によりセラピストが不要になるのでは」と自身の存在意義を否定されたように感じたスタッフもいたという。浅見氏は「ロボットはあくまでも道具。人間がいかにうまく使いこなすかが重要で、慣れれば人間だけでは実現できなかった、より良い治療を提供できる。まだ研究段階のロボットもあるが、これからロボットがより身近な存在になれば」と期待する。
(略)

「認認介護」時代に光る、人型ロボットの可能性 認知症治療に一番効く“クスリ”(2015年3月4日日経ビジネス)

(略)
ロボット用アプリ大会で最優秀賞

 昨年ソフトバンクが発表した人型ロボット「ペッパー」。同社のCMに登場しているほか、都内のソフトバンクショップにも接客用に置かれているため見たことがある読者も多いだろう。話しかけると、「こんにちは、僕はペッパーです。今日は何しに来たの?」と陽気に答えてくれる
 このペッパーが認知症の進行防止に役立つ日が来るかもしれないのだ。
 ソフトバンクロボティクスは2月下旬、ペッパー向けのアプリケーション開発コンテスト「Pepper App challenge 2015」を開催した。インターネットにつながるペッパーの最大の特徴は、好きなアプリをダウンロードしてロボットの用途を変えることができる点。アプリによって、ただのおしゃべりロボットが実用性を持つことができる。
 開発コンテストでは、決勝に進出した10作品が登場した。ペッパーがマジックショーをするアプリや、ペッパーと一緒に写真が撮れる自分撮りアプリなど、エンターテインメント性の高いアプリが目立つなか、最優秀賞を獲得したのは「プロジェクトチーム・ディメンティア」の「ニンニンPepper」。ペッパーを認知症のサポートロボットに変えるアプリだ。

ペッパー:「お孫さんはいくつになりましたか?」
おじいさん:「たしか8歳になったんじゃないかな」
ペッパー:「お孫さんに送るメッセージをどうぞ」
おじいさん:「そうだなぁ、正月には一緒に温泉に行こう」

 ニンニンPepperアプリをダウンロードしたペッパーは、こんな会話をすることができる。「家族と交流する機会をペッパーをきっかけにして増やすことで、認知症の進行を遅らせる効果が期待できる」。開発者の一人、吉村英樹氏はこう指摘する。
(略)
 一見、「ただコミュニケーションをとっているだけ」のようだが、その裏ではネットを活用し、進行を遅らせるための様々な仕掛けを組み込むことができる
 例えば、ペッパーを経由して看護師や医師などの医療関係者と連携する機能だ。ペッパーが毎食後に「薬を飲みましたか?」と話しかけることで、担当の看護師は患者がちゃんと薬を飲んでいるか確認できたり、ペッパーが収集した患者の生活パターンや会話情報などから、病状の進行状況を把握することも可能になる。他の患者の情報なども活用すれば、治療薬の開発や認知症のメカニズム解析にもつながるかもしれない。
 「難しい社会問題と真正面から向き合ったアプリだ」。今回のコンテストに審査員として参加したサイバーダインの山海嘉之社長は同アプリをこう評価する。「楽しむだけではない、これこそ本当に役立つロボットのあり方だ」(山海社長)。
(略)
 このように、認知症の進行防止には癒し効果の高い動物型ロボットがこれまで多く活用されてきた。しかし、これらのロボットとペッパーの最大の違いは、ペッパーが「人型」であることだ。実は、人型である意味は非常に大きい
 ただそこに存在し反応するだけでなく、話し相手を認識して身振り手振りを交えて会話をしてくれる。時には冗談を言い合い一緒に笑ってくれたり、喜んだりしてくれる。「人間」のリアクションをしてくれるからこそ、気持ちが癒やされるところがあるのだ。
 昨年6月にソフトバンクがペッパーを発表した際、正直「誰が19万8000円も出してこれを買うのだろう」と思った。某アニメに登場するロボットのように、便利な道具を出してくれることもなければ、危険が迫った時に守ってくれるわけでもない。たかだが話し相手になるだけではないかと冷めた目で見ていた。

ただ、いてくれるだけでもいい

 しかし、人型ロボットの本当の可能性はそんな点ではない。
 人型ロボットは人間の「パートナー」として、今後我々の生活に寄り添う存在になる。特段生活を便利にする必要もないし、強くなくてもいい。人間を精神面でサポートしながら生活の中に自然に溶け込んでいくのではないだろうか。今回、認知症アプリを搭載したペッパーを見て、人型であることの重要性を強く感じた。
 数十年後、実家の長野でまったりと老後生活を送る筆者の隣に座るのは、身振り手振りで楽しそうに話をする人型ロボットかもしれない。

しかし「ただ、いてくれるだけでもいい」と言う言葉には思わずアトム誕生の経緯を思い出してしまうのですが、物理的あるいは心理的なサポートの双方においてロボットの活躍する場が大いに期待される時代であり、またそれを可能にするだけの技術的進歩も起こってきていると言うことで、後は価格等現場導入への折り合いさえつけばすぐにでも試して見たくなるような話ではありますよね。
この点は技術立国日本を標榜する以上いつまでも放置していられない話で、ちょうどつい先日にはロボットスーツHALを筋ジストロフィーなど神経・筋難病疾患治療に対して薬事承認申請したと言うニュースが流れていましたが、引き続きHAMなど痙性対麻痺に関しても早期に適応拡大を目指していくと言います。
これらの身体的活動性に大きな制約を受ける疾患に関しては何しろ現状で介護に要するコストやマンパワーが非常に大きいと言う現実があり、それがロボットスーツで自力移動が出来るようになれば単純に医療介護コストの節約効果も期待出来るわけですから十分元が取れるはずですし、将来的にはリハビリ等での効能も認められれば早期社会復帰を目指してどんどんロボットを使いましょうと言うことにもなりますよね。
認知症老人に対するロボットの効能などももちろん記事にあるようなパートナーシップももちろんなのですが、例えば夜間の付き添いがいなくなると譫妄を起こすようなケースで人型ロボットがそばにいるだけで安心でき付き添いが不要になる、さらには遠隔監視によって実際に何かトラブルがないかと集中的に監視が行えると言うのであれば、この方面でのコスト削減効果も大いに期待出来そうです。
そんなことは監視カメラとマイクでも出来るじゃないかと言う声もあるかも知れませんが、人間の心理として管理カメラで常時チェックされるとなると見守ってもらえると言うよりも監視されていると言う感覚になりがちでしょうし、将来的に異常があった場合にある程度身体所見や介助など物理的なサポートも可能になるのであれば、人海戦術に頼っている医療介護の現場もかなり様変わりしてくるんじゃないかと言う気がします。

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2015年4月 3日 (金)

群馬大病院、執刀医を責めていたはずが何故か世間から責められる

先日も少しばかり取り上げました群馬大病院の患者死亡問題で、各方面の報道では「何たる低レベルの医療!」と執刀医の評判も散々な様子ですけれども、どうも事故調査報告書を巡る経緯などを見ている限りでも一人の医師を犠牲の子羊に仕立て上げて終わるような問題でもないようです。

群馬大病院問題 執刀医が報告書に反論(2015年4月2日NHKニュース)

群馬大学医学部附属病院で、腹くう鏡の手術を受けた患者8人が手術後に死亡した問題で、全員の診療に過失があったとする病院の最終報告書について、手術を執刀した医師が、患者には手術の前に十分説明を行うなど対応しており、「過失があったという判断には納得できない」などと反論する文書を病院に提出したことが分かりました。これについて、群馬大学は「現時点では調査委員会で適切に調査し、報告書を取りまとめたものだ」とコメントしています。

前橋市にある群馬大学医学部附属病院では、去年6月までの4年間に、40代の男性医師が腹くう鏡を使って肝臓の手術をした患者8人が手術後に死亡し、病院の調査委員会は先月、「すべての事例において過失があった」などとする最終報告書を公表しました。これについて、手術を執刀した医師が「明らかに事実と異なるものがある」として反論する文書を病院と調査委員会に提出したことが分かりました。
この中で、医師はまず、「亡くなられた患者さんはもとより、ご家族の方にもおつらい思いやご心労をおかけして大変申し訳なく思っています」と謝罪しています。
そのうえで、報告書が、手術を行った場合の死亡する確率などのデータを患者に示した記録がないことから、事前の説明が不十分だったと指摘したことについて、医師は、いずれのケースも1時間以上の時間をかけて十分に説明するようにしていたと主張しています。
また、手術前にどの程度肝臓を切除すればいいのか事前の評価が不十分だったと指摘されたことに対しては、事前の評価によって治療方針が大きく変わった可能性は低いとしています。そのうえで、「過失があったという判断には納得できない」と反論し、再検討するよう求めています。
医師は「診療行為に厳しい評価が下されるとしても、公正、公平な調査をしてほしい」と主張しています。
執刀医が提出した反論の文書について群馬大学は取材に対し、「現時点では調査委員会で適切に調査し、報告書を取りまとめたものだ」とコメントしたうえで、個別の内容には答えられないとしています。
(略)
執刀医師の具体的な反論
群馬大学医学部附属病院で腹くう鏡の手術を受けた患者8人が手術後に死亡した問題で、全員の診療に過失があったとする病院の最終報告書について、手術を執刀した医師は「過失があったという判断には納得できない」などと主張して一人一人の患者について具体的な反論をしています。

このうち肝細胞がんと診断され、手術後66日目に死亡した患者について、報告書では、手術を行った場合の死亡する確率などのデータを患者に示した記録がないことから事前の説明が不十分だったとしています。そして、どの程度肝臓を切除すればいいのか、事前の評価が不十分だったため、必要以上に肝臓を切りすぎた可能性があるとしています。さらに、手術の後も患者には出血などが認められたことから、手術に何らかの問題があった可能性が高いと指摘しています。
これについて、医師は患者には手術の前に1時間以上かけて詳細に説明をするよう努めていたと主張しています。一方、肝臓の切除については切り取る部分が大きいため、術後の経過に影響した可能性が高く、慎重な判断が重要であったと反省しているとしています。しかし、調査委員会が手術のビデオを確認したうえで、原因となる操作は同定できなかったと判断していることに触れ、手術に何らかの問題があったと結論づけるのは根拠が乏しいと主張しています。

胆管細胞がんと診断された患者は、退院から6日目に腹部が膨れて救急外来を受診し、たまった水を出す治療が行われたあと帰宅しましたが、翌日、死亡しました。この患者について、報告書は、救急外来を受診した際には急性腎不全の状態だったため緊急入院させて治療を始めるべきだったとして過失があったと指摘しています。
これについて、医師は緊急入院させ治療すべきだったと認めたうえで、状態の把握と情報の伝達が十分行われず、適切な対応がとられなかったとしています。その一方で、手術後の対応から手術を行った医師らに過失があったと判断されるのは妥当性が低いと考えていると主張しています。

群馬大病院、腹腔鏡報告書を無断修正(2015年4月2日読売新聞)

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓の腹腔鏡(ふくくうきょう)手術を受け8人が死亡した問題で、病院側が設けた調査委員会の報告書が、外部委員が内容を承認した後に無断で修正されていたことが関係者への取材でわかった。
 各症例を検証した結論の中に「過失があった」と加筆するなどしていた。「過失を強調し、遺族の納得を得ることで幕引きを急いだのでは」との指摘もあり、再調査を求める声が改めて上がっている。

 病院側が昨年8月から外部委員を交えた調査委員会で調査した。関係者によると、今年2月半ばには、調査報告書の最終案が外部委員に送付され、各委員の意見により修正された後、全委員が承認して最終的に完成したはずだった。
 ところが、3月3日に病院側が記者会見で公表した報告書は内容が変わっており、患者8人の診療を個々に検証した結論の末尾に、「過失があったと判断される」との一文が書き加えられていた
 一方、複数の遺族によると、調査報告書をまとめた後の2月半ば以降に行われた各遺族への説明の際、手渡された個別報告書には、それぞれ「過失があった」との記載があった。
 調査手法を巡っては、外部委員の医師には初回に出席を求めただけだったことが厚生労働省の審議会で問題視されている。
(略)

今のところ実際に医療内容にも問題があったのはある程度確からしいとは言えそうなのですが、逆にこの種の事後検証で何一つ問題点が指摘されない医療などまず存在し得ないことは症例検討などの場を一度でも経験してみれば誰にでも判ることで、要するに突っ込みどころがあるから医師の過失だなどと軽々には言えないと言う点が一つのスタートポイントになるかと思います。
その点で近年の医療訴訟などにおいても標準的な水準の医療からどれほど逸脱しているかと言う観点からの判断がなされるようになっていて、またこの標準的な水準の医療とは何かと言う点も非常に議論の余地があり医療訴訟批判の眼点にもなっているところですけれども、ともかくも症例毎の個体差も大きい医療だけにある程度の最善解からのブレは仕方がないと考えなければ医療が出来ないと言うのが現実であると言えます。
その点でここに突っ込みどころがある、こちらにはこうした道があったとあれこれあげつらうこと自体は調査報告書の性質上仕方がないにしても、それが何を目的に行われている指摘なのか、個人の責任追及なのか再発防止のためなのか等々目的が決まらなければ内容に対する評価も出来ないのは当然であり、まずは大学側は事故調が何を目的にしているものなのかと言う点を明快にすべきだと思いますね。

この事故報告書内容に関してはすでに各方面から突っ込みが入っていて、坂根Mクリニックの坂根みち子院長などは「小学生並みの論理展開」などと散々で「驚くべき稚拙な「責任追及型報告書」」である点を指摘し糾弾していますが、その理由として外部医員にあの(笑)日本医療安全調査機構のメンバーも入っている点を挙げ「過去にも責任追及型の報告書を出している」と指摘しています。
また井上清成弁護士はメディアスクラム過熱の原因は調査報告書の公表にあるとし、予期しなかった死亡か否かの認定が曖昧であること、医療事故調査と銘打ちながら診療報酬不正請求問題をも追及していること、そしてそもそも医療安全目的の報告書となっていないことを列挙し、「敢えて過失認定を明示したのであるから、つまり、ここには何らかの隠された目的が存在しているのであろう」とまで踏み込んでいます。
当然ながらこうした数々の指摘を見れば誰しも東京女子医大のケースを想像せざるを得ませんが、大学側がたった一人の医師に全ての責任を押しつけようとしたあの事故調査報告書にこそ、組織とその中の個人の利害関係は一致するどころか明確に対立することもあり得るのだと言うことを示しているのだろうし、いずれにしても一方の当事者である大学側が関わる以上そこに一定のバイアスが避けられないのは明らかだとは思いますね。
この点で日本医療安全調査機構などはこの秋からの医療事故調にも関与が取り沙汰されているし、その事故調もまずは院内事故調で調査を行うことになっていることから果たしてどうなることやらと不安を感じざるを得ないのですが、未だ制度設計に関する議論すら続いているとも言われる中で事前にこうした予想される問題点のケーススタディが出来たと言うことを前向きに受け止めておくべきなのでしょうか。

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2015年4月 2日 (木)

働く女性を応援するのも意外と難しい?

先日は女性向けファッション誌の記事が炎上していて、確かに理想の彼女像すなわち「プロ彼女」なるものとして内容がちょっとどうなのか?と言う気がするところなんですけれども、今のご時世ですから逆に炎上商法狙いであったのかだとか深読みもされているようで、これはこれで世間の注目を集めるには成功したようです。
それだけ深読みしたくなるほど表向きちょっとそれは時代錯誤なのでは?と思うような古い価値観の表出があからさまであったと言うことなんですが、こちら先日話題になっていたのが女性を応援すると言うテーマで作られたと言うCM動画で、これまた盛大に炎上しているようですね。

ルミネの動画は、女性を応援するつもりだった。しかし......(2015年3月20日ハフィントンポスト)

駅ビルを展開する「ルミネ」がYouTubeに投稿したCM動画をめぐって、Twitterで非難が巻き起こっている

働く女性たちを応援するスペシャルムービー」と題したこの動画では、主人公の女性に対し、職場の先輩とみられる男性社員がセクハラと取れる発言をし、最後に女性の映像とともに、「変わりたい? 変わらなきゃ」とキャッチコピーが綴られる

ネットでは、動画の中の男性の発言と、それを肯定するかのような表現に批判が集中している。
(略)

批判の内容は元記事の書き込みを参照いただくとして、すでにルミネ側では謝罪文を掲載し動画の削除に追い込まれていますけれども、一体何がどう言う判断の結果こんな珍妙な動画がCMとして意味を成すと考えられ公開されたのか?と言う点に興味が集まっているようで、各方面から様々な考察が提出されています(当のルミネ側は沈黙しているようですが)。
CMとして創作物としておもしろくない、むしろ不快だと言う部分を抜きにして考えてみると、敢えて現実の嫌悪すべき一側面を単純明快に示すことで「それでもこんな社会で生きていかなければならない」と言う女性への応援メッセージを発信しているのか?などとも考えてしまうのですが、それにしては収集の付け方が中途半端で、やはりシリーズ物として続編の中で何かしら意表を突く展開を用意していたのでしょうか。
最近はこうした職場の人間関係に非常に気を遣う時代で、多くの場合特定の人物に対する不快な言動は第三者から見ても不快であることが多いのですから気を遣っていただきたいのも当然なんですが、特に共働きが当たり前の時代になるほど女性に対する職場での対応は社会的にも重要な課題で、先日はこんな記事が出ていました。

妊娠・出産で差別 違法 育休後1年内 降格・退職強要(2015年3月31日東京新聞)

 妊娠や出産を理由に退職を迫られたりするマタニティーハラスメントをめぐり、厚生労働省は三十日、育児休業の終了などから原則一年以内に女性が不利益な取り扱いを受けた場合には、直ちに違法と判断することを決めた。企業が業務上必要だったと主張した場合には、説明責任を課す

 これまでは女性が不当に降格や配置転換をされても、企業から「本人の能力不足」などと反論され、泣き寝入りするケースがあった。

 最高裁は昨年十月、「妊娠による降格は男女雇用機会均等法が原則禁止しており、本人の同意がなければ違法」と初めて判断。これを受け厚労省は企業への指導を強化し、「抜け道」を防ぐことにした。同法の解釈をめぐる新たな考え方をまとめ、全国の労働局に通知した。各労働局は被害相談があれば、女性と企業の双方に事情を聴き、事実関係を調査。助言や指導、勧告を行う。

 新たな通知では、妊娠、出産、育休を一つの流れととらえ、妊娠期間中に加え、育休や短時間勤務が終わってから一年以内に不利益な取り扱いを受ければ違法とみなす。退職などを迫った企業が「業務上の必要性」といった事情があると主張した場合には、債務超過や赤字累積など経営に関するデータの提出を求める

 さらに本人の能力不足を主張した場合には、妊娠などの報告前に問題点を指摘し、適切な指導をしていたかどうかを確認。具体的な指導内容の記録の提出を求め、同じようなケースで他の従業員にどのように対応したか、なども調べる。

何やら微妙な内容の話にも見えるところで、下手をすると男性側から「逆差別だ!」と言う声も出てきそうなんですが、ちょうど男性にも産休をどんどん取らせましょうと言う政策目標が掲げられているところですから、本来的に男女を問わずやむを得ない休業等を理由として不利な扱いを受けるべきではないと言う考え方であるなら理解は出来るところでしょうか。
少しばかり話は変わりますが、公務員などは逆に全く仕事もしていない方々をいつまでも処分出来ないと言う問題がしばしば社会的バッシングを受けていて、何年も全く出勤せず給料だけを受け取って高級車を乗り回していると言った極端なケースも知られていますから、今やかつてのバブルの頃とは逆に公務員天国などと言われるのも時代の変化ではあるのでしょうね。
そうした特権を忌避する世相からすると平等な扱いと言うものは歓迎すべきものであるとも言えそうですが、ただ社会的政策的にこれだけ少子化対策が言われている以上差別はいけないで終わらせると言うのも中途半端な話であって、むしろ妊婦や子供持ちの方々を雇用するほど何かしらメリットがあると言う方向にインセンティブを用意していく方が結局早道なのかも知れません。
妊娠、出産という生物学的な転機が就業に大きな影響を及ぼすことは当然で、それでは以前ほど仕事が出来ないから首を切って新しい人間を雇った方が得だと言う考え方の方が過去10数年の間は主導的だったのも事実なんですが、このところ全国的に労働者不足が深刻化してきているのだそうで、長期的な労働人口の減少傾向を考えても企業の雇用意識に変化は必要になってくるのかなと言う気もしますがどうでしょうね?

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2015年4月 1日 (水)

ドイツ航空機事故と個人情報保護

先日以来大きな話題となっているドイツ機墜落事故ですが、当初テロの可能性もあるかと危惧されていたものがどうやら副操縦士による意図的な行動であったらしいと判明するにつれ、その動機を追及する中で様々な医学的背景も明らかになってきています。

副操縦士、網膜剥離患い悩んでいた?…独紙報道(2015年03月29日読売新聞)

 【ベルリン=工藤武人、パリ=本間圭一】28日付のドイツ大衆紙ビルトは、フランス南東部でジャーマンウィングス機を故意に墜落させた疑いのある副操縦士、アンドレアス・ルビッツ容疑者(27)が、視力に深刻な問題を抱えていたと報じた。

 同紙によると、ルビッツ容疑者は網膜剥離を患っており、今年6月にジャーマンウィングスの親会社ルフトハンザによる身体検査で、旅客機操縦に不適格と判断されるのではないかと悩んでいた可能性があるという。

 これまでの捜査では、ルビッツ容疑者が精神的な疾患で治療を受けていたことが判明しており、独捜査当局はルビッツ容疑者の自宅などへの捜索で、うつ症状の治療薬多数を押収したが、視力の問題との関連は明らかになっていないという。捜査当局は医療機関など関係者に事情を聞きながら墜落の背景を慎重に調べている。

副操縦士、過去に自殺傾向 検察、免許に「要治療」(2015年3月30日北海道新聞)

 【ベルリン共同】フランス南部のドイツ旅客機墜落で、ドイツ西部デュッセルドルフの検察は30日、機体を故意に墜落させた疑いが強まっているアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)が、過去に自殺傾向があったため、精神治療を受けていたと発表した。

 また、米ダウ・ジョーンズ通信は同日までに、ドイツ航空当局者の話として、副操縦士の免許と適性証明書に、慢性的疾患を抱え、定期的な治療を必要とすることを示す記述があると報じた。

 旅客機を運航していた格安航空会社ジャーマンウイングスと親会社ルフトハンザ航空がこうしたことを認識していたかどうかが焦点となりそうだ。

副操縦士、病状隠し搭乗か 「見抜けなかった会社の責任重い」 独機墜落(2015年3月28日zakzakニュース)

 フランス南東部のドイツ機墜落で、またしても衝撃的な情報が飛び込んできた。機体を故意に墜落させた疑いが持たれているアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)の自宅から「乗務不可」とする診断書がみつかったのだ。精神的な病気のため医師の診断を受けていたとみられ、勤務先の格安航空ジャーマンウイングスに病状を隠していた可能性がある。事前に会社は異変を感じ取れなかったのか。航空業界のリスク管理の現状は-。

 ドイツ検察当局は27日、西部デュッセルドルフの自宅など副操縦士の関係先から、医師の診断書が見つかったと明かした。24日の墜落当日の勤務を不可とする内容で、破られた状態だった。
 ドイツ各紙の報道では、副操縦士は6年前に精神疾患を患い、合計1年半の間、治療を受け、現在も同国の精神科に通院。最近、交際女性との関係で悩んでいたという。

 病気を隠して操縦桿を握るとは信じがたき行動。航空業界の現場では、パイロットの精神状態をどう見極めているのか。
 日本航空の元機長で航空評論家の山田不二昭氏は、「フライト前には必ず、運航管理者の立ち会いのもと、健康状態、精神状態、アルコールなどのチェックを行う。良好であれば、機長がフライトプランにサインをして搭乗する。欧米でも似たようなことをやっているはずだ」と話す。
 山田氏も現役時代、機長として副操縦士らの様子に気を配っていたという。「副操縦士は職場の仲間なので、『大丈夫ですか?』と声をかけていた。新人の場合には、それまでの飛行履歴などを報告してもらい、その話し方、報告の仕方をみて判断していた」

 こうした日々のチェックの他に、パイロットには年に1、2回の厳しい身体検査が課せられている。航空法で定められているもので、通常の身体検査よりも項目が多く、心電図、脳のMRI検査、精神科の診断もある。この航空身体検査にパスしなければ、飛行機を操縦できない。
 「過去に精神疾患を発症したとしても、ドクターが回復したと総合的に判断し、航空身体検査をパスすれば、飛行機の操縦は可能だろう」(航空関係者)というが、会社側のチェックは十分だったのか
 『間違いだらけのLCC選び』(平凡社)の著者で航空アナリストの杉浦一機氏は、「各国の航空会社も日本と同じような検査を行っている。乗客乗員を道連れにする大事件を起こしたのが精神的な問題とすれば、重症であり、兆候が表れるはずだ。LCCのジャーマンウイングスでも、親会社のルフトハンザと同等のチェックを行っていたのか。見抜けなかった会社の責任は重い」と指摘する。
 副操縦士の“心の闇”の解明が待たれる。

航空機のパイロットは非常に厳重な労働管理を行っていることでも知られていて、飲酒の制限など日常的な生活管理が行われているそうですが、この辺りは大勢の顧客の命を預かる仕事であり、またひとたび飛び立てば10時間以上も下界と隔絶された閉鎖環境に置かれる以上、きちんとやってもらわなければ乗る方も不安ですよね。
その意味で厳重な健康管理なども業務の一環であると言う考え方は当然理解出来るし、今回の事故についても仮に病気が事故原因に結びついているのだとすれば管理の手法上いまだ改善の余地があると言うことになりますけれども、ここで注目したいのは個人の疾患履歴のような通常極めて厳重な管理を要するはずの重要情報が、こうして全世界的に配信されてしまうと言う状況です。
かつて某総理大臣が某病院に入院した際、その治療経過など個人情報がネット上に流出し大問題になったということがありましたが、今回のように各種個人情報の暴露合戦のようになるのもどうなのかで、特に精神疾患治療歴などは通常進歩的なマスコミなどが真っ先に「何たる人権侵害!」と大騒ぎしそうですし、そもそも医療の守秘義務と言う点で問題がありそうに感じます。
ただ一方ではそうした守秘義務によって航空会社の管理が及ばなかったことが事故につながったと言う指摘もあるのですからややこしいのですが、こちらの記事を紹介してみましょう。

独墜落機の副操縦士、病隠して勤務-守秘義務で企業知り得ず (2015年3月30日ブルームバーグ)

 (ブルームバーグ):独ジャーマンウイングス9525便の操縦室に独り残ったアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)は、致命的となりかねない秘密を隠していた。

同機がフランスのアルプス山中に墜落した当日、ルビッツ副操縦士は「勤務に適さない」とする医師の診断を無視し、乗客・乗員150人全員死亡という同社と親会社のルフトハンザ航空にとって最悪の航空事故につながった一連の出来事を引き起こした疑いが持たれている。

厳しい医療プライバシーの法律によって、航空機を急降下させたルビッツ副操縦士の心に潜んだ危険の可能性に企業は気付いていなかったようだ。医療情報を保護し、患者が安心して医師に相談できるようにするために作成された守秘義務のルールでは、当局や企業に危険をもたらしかねない診断結果を開示する責任は患者にある。

今回の悲劇の結果、そうした守秘義務のルールがどのように変わり得るか、また医療記録が特定の場合に企業と共有されるべきかどうかをめぐり議論が高まりつつある。それと同時にルビッツ副操縦士が一定期間にわたり飛行訓練を中断していたことについても疑問が浮上している。パイロット資格取得が遅れる原因となった中断の理由はルフトハンザに開示されていない。

ヘイズタックス・テクノロジー(ロサンゼルス)のブライアン・ウェア最高技術責任者(CTO)は、「企業が医療記録といった個人情報をより簡単に入手できるようにすることに関する政治的議論はもろ刃の剣だ」と語る。「昇進を決める場合などに医療記録が調べられることを従業員が知ったり、そう考えたりすれば、専門家の助けを求めにくくなる」ためだと説明している。

もちろん一般的に雇用主が被雇用者の情報を自由に得られるようになると言うのであればこれは過剰と言うものですし、現状の職場健診ですら場合によっては非常に情報の取り扱いに気を遣うべき側面があって、例えばメタボ健診のペナルティーを恐れて検査データが悪い人はそもそも最初から雇用しない、などと言う話もルール上はあってはならないこととは言え実際には各地であるようですよね。
近年てんかんなど意識障害を来す疾患を持つ患者の事故がたびたび問題視されていて、免許更新時のチェックも厳しくなるという話がありましたが、ああした話も社会的利益と個人情報の保護をどうバランスさせるかという事が議論になってきたと言えます。
基本的に厳しく個人管理も教育もなされている航空業界での一件きりのいわば特殊な事件をもって、現状以上にさらに厳しい管理を要求されると中の人たちにとっては非常に堅苦しいことになりそうですが、社会的責任のある地位だからこそ管理も厳しくあるべきだという感覚は、特に利用者である一般市民の側に強いものがあるかも知れませんね。
いずれにしても客商売である以上顧客が何をどう判断して利用するかと言う点で評価が定まっていくはずですが、一部報道で言われているように格安だからと人材にお金をケチると言うことのないよう、かけるべきコストであればしっかりとかけて利用者に転嫁する判断の方がドイツらしい気はしますでしょうか。

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