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2015年3月17日 (火)

日本全国人手不足なんだそうです

景気は良くなっているんだか全然なんだか今ひとつはっきりしない今日この頃ですが、各方面で人手不足で仕事が出来ないと言う声が聞こえるあたりからすると需要はある一方供給面での制約が大きいと言うことなのでしょう、先日はこんな記事が出ていました。

人手不足感が最高に 景気回復で、厚労省2月調査(2015年3月11日日本経済新聞)

 厚生労働省が11日発表した2月の労働経済動向調査によると、従業員が「不足している」と答えた事業所の割合から、「過剰」を引いた労働者過不足DIは正社員で2014年11月より9ポイント高い31となり、比較できる1999年2月以降で最高となった。景気回復を受け製造業、運送業、医療など幅広い業種が少子化で細る人材を奪い合っている

 同調査は3カ月ごとに行っている。これまでの最高は07年2月の29だった。

 2月はパートタイム労働者の過不足DIも3ポイント高い29となり、14年11月の26を上回り最高になった。正社員のDIが6年9カ月ぶりにパート労働者を上回り、正社員の不足のほうがより深刻になっている。「人手不足になるほど、企業は正社員の採用を増やして長く働いてもらおうとするため」(厚労省)

 正社員のDIを産業別にみると、金融業が30と19ポイント上がった。金融商品の販売が好調で求人が増えたほか、今回から信用金庫や信用組合を調査対象に加えたことも響いたもようだ。高齢化で需要が増える医療・介護も9ポイント上がって48だった。運輸・郵便業(47)、建設業(38)もそれぞれ高水準が続いた。

 パート労働者のDIを産業別にみると、宿泊飲食サービス業が53と8ポイント上がったほか、サービス業が45と11ポイント上がった。

パート、アルバイト業界においても飲食店などは全く人が集まらず困っているといい、地域によってはアルバイト時給が1500円を超えたと言いますからよほどのことだと思いますけれども、一方では強盗被害多発で有名になった某牛丼チェーン店のように深夜営業は一人で全部やらなければならないとなると、それはよほどの覚悟がなければ身体が持たないでしょう。
一方で単純な労働力不足と言うだけではなく正社員不足を訴える事業所も増えていると言う点は注目なのですが、近年ひたすら人件費や投資をカットし内部保留増加に努めてきた各企業がそろそろ貯め込んだ資金を使い始める時期ではないかと言う予想もあるようですけれども、問題なのは人材に投資しようにも雇うべき人材がどこにもいないと言うことですよね。
労働者目線で見れば基本的に売り手市場である方が良いと言う考え方もあるでしょうが、一方であまりに人手不足が進行すれば利用者目線で考えても何かと不便なもので、特に専門的技能や経験が必要とされる業界では最近こんな状況にまでなっていると言いますから大変なものです。

建設職人、年収1000万円超も 人手不足が企業揺さぶる(2015年3月17日日本経済新聞)

 建設職人の不足がいっこうに解消しない。建設不況が長引く間に多くの職人がやめた半面、景気が底入れしたあとも若者の建設への就業が進まないためだ。落ち込んでいた職人の待遇の改善は徐々に進み、一部には年収が1000万円を超す人も現れた。しかし、今のところ職人離れの流れが反転する動きは目立たない。構造的な職人不足は今後も続きそうな雲行きで、建設や不動産から流通の出店戦略まで関連企業は労務費高騰への対応の巧拙で業績や成長力が左右されそうだ。

■型枠職人、29歳で大台
 精密な平面図から建物の立体構造をイメージし、分厚い合板を切り分けてコンクリートを流し込む木の枠を組み上げる。型枠職人は作業の正確さが求められるだけでなく、重い資材を担いで高所で作業することも多い重労働だ。東京中心に仕事を請け負う独立自営の職人、羽鳥浩さん(仮名、29)は「抱えている工事の量からみて今年の年収は1000万円強になりそう」と淡々と語る。年配の職人が不況時に次々とやめていく一方で、自分と同世代の職人がほとんどいない。景気の回復で工事量あたりの単価が上昇し、年収はこの2年間で6割増えた。仕事の精度はもちろん現場の職人全体の手順を決める「段取り」を含めて仕事を請け負うのが強みだ。都内の型枠工事会社の幹部は「工期に合わせるためには支払いを増やして職人を集めざるをえない。なかでも多くの職人を束ねて現場の仕事を差配する『職長クラス』の人材が足りない。こうした人は年収1000万円を超えるケースが増えている」と語る。

 東京在住の左官職人、大谷豊さん(仮名、50代)もここ2、3年で潮目の変化を感じている。和室や居酒屋などでよく見かける土や砂を使った「塗り壁」をコテを使った伝統的な手法で仕上げるのが主な仕事で昨年の収入は約1300万円だった。塗り壁にはコテで土を押し固めて光沢を出したり、土の荒々しい風合いを出したりするなど、さまざまな技法がある。景気の回復に加え「難しい要望にも応えられる技能を身につけているため単価の高い仕事が増えた」という。

腕を磨いた職人さんがきちんと報酬面で報われると言うのは当然のことではないかと思いますが、そもそも何故こうまでなったかと言えば職人のなり手がおらず仕事が一部に集中してしまっているためであるとも言え、この調子で寡占化が進むといずれは仕事量が増えすぎてドロップアウトしていく人が増え、いくら給料を引き上げても人材が集まらないと言うどこかの業界と似た構図になりかねません。
介護職なども仕事がきつく待遇が悪いことで人が集まらないと言われていますが、こうした記事を見て必ずしも好待遇であれば人が集まると言うわけでもないらしい、すなわち給料は今のままでいいと言う考え方に走ってしまうのはもちろん間違いで、今年の就職戦線においてもやはり仕事がきつくて給料が少ないと敬遠されている現実は変わらないようです。
ただ他業界のように人手不足で仕事の集中が起これば待遇が引き上げられていくのかと言えば、必ずしもそうなってこなかったのが医療、介護と言う公定価格に収入を依存している業界であって、このあたりは同じように人手不足が深刻でありながら発注元がお金を出さずなかなか待遇改善が進まないと言う運送業界などにも通じるところがあるかも知れませんね。
もちろん社会保障費削減がこれだけ財政的観点からも叫ばれる折、介護コストを大幅に引き上げると言うことはちょっと考えにくいところですから、どうやって付加価値をつけ利用者に余計なお金を支払っていただくかを工夫していくしかないはずですが、その点で介護においても今後は単純な量的充足ばかりではなく質を問う声も利用者から出てくるようになれば、実は現場にとっては悪い話ではないのかなと言う気もしますでしょうか。

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コメント

アベノミクスの効果が出ていますね
ただ安倍総理じゃなくなると終了しそうですが

医療なんかは不景気でも給料は下がりませんが逆に好景気でも上がらないんですよね。
だから不景気の時は医学部は人気だけど好景気だと人気が落ちる

投稿: | 2015年3月17日 (火) 07時21分

人口減少社会になって人手不足は恒常化しないですかね?
売れない作れないで経済はどんどん縮小再生産されそうな気が。

投稿: ぽん太 | 2015年3月17日 (火) 07時53分

長期はともかく少なくともここ2年3年は似たような状況でしょう。
こんな状態では平昌を共催してやろうとか代わりに開催してやろうとか、仮に意思があっても物理的に不可能ですね。

投稿: | 2015年3月17日 (火) 10時28分

長期的な人口減少との関連も気になるところですが、日本人の就業感がどう変わって行くのか一番問われることになる気がします。
その意味でも介護業界などが典型ですが、入ってみたら悪くなかったと言う状況を各業界が用意できるかどうかでしょうね。

投稿: 管理人nobu | 2015年3月17日 (火) 11時10分

いい話じゃないですか。麻酔医がフリーター化して稼いだら、叩かれるのはなぜ?被害妄想でしょうか?

投稿: 麻酔フリーター | 2015年3月18日 (水) 10時34分

責任と報酬との釣り合いがとれていれば構わんと思う

投稿: | 2015年3月18日 (水) 11時37分

金融系や電力なんかも30歳過ぎで1千万とからしいので、それから見たら
技能のある職人さんがそのくらい貰っても正当じゃないですか。

投稿: | 2015年3月18日 (水) 16時56分

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