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2015年3月27日 (金)

医学部のレベルを示す数字?

先日発表が行われた医師国家試験の合格者数が1985年に現行の年1回施行になってから過去最高になったと報じられていて、さすがに医師不足だと新設医大まで認められるような時代にあって厚労省も空気を読んだのか?と言う話なんですが、一方では医学部学生の質的低下が近年相次いで問題視されてきた経緯もあることから、果たしてこれは妥当な結果だったのかと言う声もでているようです。

過去最高の合格率91.2% 医師国家試験は易しくなったのか?(2015年3月20日日刊ゲンダイ)

「えっ、そんなに高いの?」と思った人もいるだろう。厚労省が18日に発表した医師国家試験の合格率だ。9057人が受験し、うち8258人が合格した。合格率は91.2%で1985年以降、過去最高。トップは浜松医科大、自治医科大、順天堂大医学部の3校で、いずれも99.1%をマークした。

 国家試験といえば、最難関は司法試験。昨年、法科大学院を修了した合格者は1647人で合格率は21・2%だった。人命を預かる医師のほうがずっと合格しやすいのはなぜなのか。

「合格率が高いのは厚労省の意向を反映しているからです」とは医学博士の米山公啓氏だ。

「全国的に医者不足だから、厚労省はなるべく多くの合格者を出したいのです。医学部に入るための受験では難しい数学や化学の問題が出ますが、医師国家試験は計算問題も、引っかけ問題もありません。『次のうち、心不全の兆候はどれか?』といった覚えれば解ける問題ばかりなのです。とくに私立大は6年生になると、過去問などを使った試験を一年中実施して覚えさせる。念のために言うと、実技も面接もありません」

 大学によっては、3年から4年に上がる段階で成績が悪い人を留年させる。6年で卒業するところを7年、8年と時間をかけて勉強させるのだ。結果的に優秀な学生だけが受験するので高い合格率が生まれるのである。

 気になるのは東大の合格率。91.2%を下回る88.5%だったが……。

「東大生は頭が良すぎるため、途中で“自分はほかの分野でも成功できる”と思う人が出てくるのです。そのため医学の勉強がおろそかになる。それなのに惰性のように試験を受けて不合格になる人がいるから、合格率が低いのです」(米山公啓氏)

 いろんな裏事情があるものだ。

国試合格率と言えば記事にもあるように司法試験の合格率の低さが問題になっていて、それも以前のように単純に試験が難しいと言うよりも一部法科大学院においてあまりに合格率が低過ぎると言う現実がある、そして司法試験合格に至るまでの学費の高さもあって時に学費詐欺のような言われようまでされているわけで、国もようやくあまりに実績に乏しい法科大学院の統廃合を推進するつもりになってきているようです。
幸いにも?医師国家試験の場合多くの大学ではまあ普通にやっていれば合格する程度の合格率を維持していますけれども、これも昔からあまりに国試が形骸化している、これでは実施する意味がないと言う批判もあった一方で、様々な試験対策を行った上でも合格率が最底辺をさまよっていると言われる大学もまあないではないのですから、現状でも最低限の選抜機能は維持していると見るべきでしょう。
ただ医学部卒業を受験資格としている以上学部教育の実が問われるのは当然で、先日も紹介したような各大学の教育内容改革によって学生の成績がどのように動いていくか、そして法科大学院のように国試合格率が入学倍率にも影響してくるのかどうかなど気になる点は多々あるのですが、この点で気になるのがきちんと情報を収集し分析する、そしてそれがまた現場の改革に生かされる保証があるのかどうかです。
どこの業界でもこうした問題はなかなか扱いの難しいところがありますが、さすがに今どき白い巨塔云々は抜きにしても上司の言葉は絶対などと言う弊害はどこの業界でもあるのだろうし、またそうではなくても問題があるのにそれを放置していた、そもそも問題そのものに気づいてもいなかったと言うのでは困ったものですよね。

群大病院死亡率 平均の18倍(2015年3月23日NHKニュース)

群馬大学附属病院で、腹くう鏡による肝臓の手術を受けた患者8人が死亡した問題で、病院の手術の死亡率は、全国平均のおよそ18倍にのぼることが、日本肝胆膵外科学会が行った全国調査の結果わかりました。

群馬大学附属病院では、去年6月までの4年間に腹くう鏡による肝臓の手術を受けた患者8人が死亡し、その死亡率は、8.6%にのぼっていました。
この問題を受け、日本肝胆膵外科学会は難易度の高い手術を安全に行えると学会が認定した全国214の病院を対象に、死亡率の調査を行いました。
その結果、腹くう鏡を使った肝臓の手術の死亡率は全国平均が0.49%で、群馬大学附属病院の8.6%という死亡率は、平均のおよそ18倍にのぼっていました。
また難易度が高く、安全性や有効性が十分に確認されていない保険適用外の手術に限ってみますと、全国平均の死亡率は1.45%で群馬大学附属病院の13.8%は、平均のおよそ10倍にのぼっていました。
日本肝胆膵外科学会の宮崎勝理事長は「難易度の高い手術に対して、腹くう鏡を使った結果、このように高い死亡率になった可能性が考えられる」と話しています。
学会が難易度の高い手術を安全に行えると認めた214の認定施設には、群馬大学附属病院も含まれていましたが、学会は認定を取り消すことを決めました。
前橋市にある群馬大学医学部附属病院では、去年6月までの4年間に、40代の男性医師が執刀した腹くう鏡を使った肝臓の手術を受けた患者8人が亡くなっていて、このうち3人は、日本肝胆膵外科学会の腹くう鏡を使った手術の全国調査で、患者の9.76%が死亡したことが明らかになった胆管の切除を伴うものでした。
胆管は肝臓から伸びる管で、とくに肝臓の出入り口にある「肝門部胆管がん」の手術は、難度が高いとされています。
病院の調査委員会の最終報告書によりますと、胆管の切除を伴った手術で3人が亡くなっていて、このうち「肝門部胆管がん」と診断された1人について「医師は複雑な操作が比較的少ないと考えて腹くう鏡を使った手術を選択したが、難度の高い手術で、肝門部胆管がんでは腹くう鏡を使った手術の安全性は確立していない」と指摘したうえで「開腹手術が妥当だった」などとする見解を示していました。

腹くう鏡を使って肝臓の手術を受けた患者8人が相次いで死亡した問題。
手術を執刀していたのはいずれも第二外科に所属する40代の男性医師でした。
この医師は群馬大学医学部に入学し、平成5年に医師免許を取得しました。
第二外科では消化器外科グループの肝臓や、すい臓などを専門とするチームに所属していましたが、このチームの医師は、この男性医師を含めて2人しかいませんでした
また、腹くう鏡を使った手術は平成22年12月から始めました。
去年4月に京都市で開かれた日本外科学会の定期集会では、腹くう鏡手術について開腹手術より手術時間は長くなるものの出血量は少なく、在院日数も短い傾向があるなどと実績を発表していました。
この医師を知る人は「非常に穏やかな人間。患者はもちろん、スタッフにも穏やかに丁寧に接する医師だった。手術をする人数が少なく、相談する相手もいない。つらい思いもしたと思う。もうちょっとたくさんのメンバーでチームを組んでやれれば、彼にも負担が少なかったと思う」と話していました。
今回の問題を受けて、病院の調査委員会では、この医師から聞き取り調査を行いましたが、医師がどのような説明をしたのかについては明らかにしていません。
この医師は現在、業務停止の処分中で、患者の診療などにはあたっていないということです。
群馬大学医学部附属病院では、この医師が執刀した腹部を切り開く開腹手術でも10人が死亡していて、病院の別の調査委員会が検証を進めていて、5月にも調査結果を公表することにしています。

同僚の評判が悪くなかったようですから一部のマスコミが煽り立てるように悪意や妙な森…もとい、功名心をもって無茶な手術をしていたというのでもないのかも知れずなんですが、消化器外科の中でも肝胆膵領域と言えば最も手術も難しく術前、術後の管理にも手がかかる領域であって、大学病院で扱うような症例を二人きりで担当すると言うのはどうなのだろう?とも思うのですがどうでしょうね?
このような事情を聞くと術後管理において妙に患者を突き放したような粗雑な対応が数多く見られたと言った報道からも現場の状況が見えてくるようにも思うのですが、もちろん難しい症例を数多く扱えばそれだけ成績も悪くなるのだろうし、他院で断られた症例を積極的に引き受け例え結果が悪くとも患者から感謝される先生もいらっしゃるわけですから、死亡率だけを取り上げて云々すると言うのは少し早計には思います。
ただ同大の事故調査委員会が出した中間レポートによれば他チームの医師を交えた定期的なカンファレンスも形ばかりの患者紹介程度で、死亡例が相次いでいることを上司も知らなかったと言い、報道を目にした医療安全管理部長が自ら調査するまで誰もこうした事態が発生していることに気づいていなかったようですから、やはり診療のクオリティコントロールと言う点で院内の態勢に問題があったと言われる余地はありそうです。

中間報告では「難度の高い手術が多い肝胆膵外科領域で,チームの構成員は2名のみであり,回診やカンファレンスが十分に機能せず,卒後20年の当該主治医が全ての診療を担っていた。他からの意見や批判を受けることなく,閉鎖的診療体制が続いていたことが,事故の背景因子として存在する」と指摘していますが、この分析にも見る者の立場によって解釈の余地は多いにありそうですよね。
マスコミ的にはたった一人の担当医の独裁的態勢下に問題手術が量産されていたことが悪いと個人責任追及に走りやすい手頃なケースでしょうし、恐らく大学側としてもそうした世論が形成され個人の資質の問題として話が決着してくれれば一番ありがたいのかも知れませんが、その方向で話が進む限り組織として何らの改善も見込めない可能性すらありそうです。
医師の教育の問題、新たな治療導入に当たってのクオリティコントロールの方法論、そして組織としての管理責任のあり方と言った様々な課題と教訓が導き出される貴重な経験となるのか、それとも一介の医師の暴走として片付けてしまうのか、何%の患者さんが亡くなったと言う数字よりもこの辺りの事後処理のあり方にこそ大学のレベルが現れてくるのかも知れないですよね。

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コメント

実は学生のレベルが下がったって言うより教育者のレベルが下がってたのかも?
普段からなに言ってるのかわからない先生っていますもんねえ。

投稿: ぽん太 | 2015年3月27日 (金) 08時07分

>私立大は6年生になると、過去問などを使った試験を一年中実施して覚えさせる。念のために言うと、実技も面接もありません

wikiによると「米山公啓」「一年間の浪人を経て、1972年(昭和47年)新設の聖マリアンナ医科大学医学部医学科に2期生として入学」

あー 自己紹介 乙 ですね、ちなみに性毬の今年の合格率は91.6%と頑張っていますね

投稿: | 2015年3月27日 (金) 08時22分

進路を委ねる形の学生としては、入学者数に対する国試合格者数の方が気になるかも知れませんね。

投稿: 管理人nobu | 2015年3月27日 (金) 10時55分

群馬大事故調査委 9回中8回で学外委員が不参加
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150320/k10010022611000.html

執刀医の聞き取り内容、学外委員に知らせず 群馬大病院
http://www.asahi.com/articles/ASH3F6QKZH3FULBJ011.html

18人も死亡させた群馬大学病院外科「殺しのライセンス」を持つ男〈週刊新潮〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150318-00010000-shincho-soci

投稿: | 2015年3月27日 (金) 12時06分

留年、卒業延期、受験辞退者数について。

http://gurikenblog.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-84cb.html

>全体の入学定員に対する受験者数の割合は、前年の99.44%から、2ポイント以上低下し、97.22%で、学力が低い学生が国試を受けるまでに至っていない可能性がある。

 2009年度入学定員に対する合格者の割合ちょっと良すぎる? 
 100%超過の大学があることを見れば)分母が入学者数ではなく入学定員なので)定員以上の水増し入学があることは明白。

 別表に個別の大学の情報。80%に提供と並んで鳥取、島根。合宿所ないし地域枠の悲哀が滲む? 聖まりが95%なのと対照的。
 
 にしても本日発表の薬師に比べれば、、、

投稿: Anonymous Alcoholicus | 2015年3月27日 (金) 12時40分

リンク間違えました。
http://www.m3.com/news/iryoishin/304588

投稿: Anonymous Alcoholicus | 2015年3月27日 (金) 12時42分

↑の数字、留年繰り返しても最終的に全員合格したら100%になりそう
入学後6年たったときの各大学の合格率示した数字ってないのかしら?

投稿: | 2015年3月27日 (金) 13時08分

>ちなみに性毬の今年の合格率は91.6%と頑張っていますね

それに比べてわが母校ときたら…orz

>↑の数字、留年繰り返しても最終的に全員合格したら100%になりそう

1.事実に対して仮定を持ち出す
「犬は子供を産むが、もし卵を生む犬がいたらどうだろうか?」

3.自分に有利な将来像を予想する
「何年か後、犬に羽が生えないという保証は誰にもできない」

…マジレスすると、留年を繰り返すような連中は高確率で在籍期限オーバーして卒業出来ず除籍になるんですよ。ついでに言うとある意味アタリマエですが国試浪人の合格率は非常に低く、今はどうか存じませんが私が学生の頃聞いた話では3年目ともなると合格率はほぼ0だそうでわが母校レベルの底辺校だと最終的に全員合格どころか現役は割と悪くないのにOBが足を引っ張ってるのが現状らしいです。

ちなみに私の卒業時にも一人リーチかかってた先輩がいたのですが、温情溢れるわが母校は彼の除籍を避けるため卒試の合格ラインを下げ、結果6年全員無事卒業(つまりその先輩がドべ)w、もちろん国試合格率は例年にも増して燦々たる有様でした。

私はそんなわが母校を誇りに思ってはいますが、今は背に腹はかえられずそんな事はしてないらしいし、そもそも医学部人気で当時より遥かに高偏差値なのにこのザマですから弁護の余地はありませんorz

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2015年3月27日 (金) 15時43分

そういや部活の試合のとき顔を会わせてた他大学の人、入学したときは先輩だったのに卒業するときは後輩だったなあ

投稿: たもちん | 2015年3月27日 (金) 18時07分

↑おめーはオレを怒らせた!

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2015年3月28日 (土) 09時17分

http://news.livedoor.com/article/detail/9939486/
26日放送の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)で、認知科学者の苫米地英人氏が、日本の大学教育のレベルの低さに警鐘を鳴らした。

苫米地氏は、近年、日本からアメリカの大学や大学院への進学者が減少傾向にあるとして、
その背景には円安や他の国々からの留学生が増加し、相対的に日本人留学生のランキングが下がっていると説明した。
日本の大学のレベルが高いから、留学の必要性がないのでは…という考えを、苫米地氏はハッキリと否定。
英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションが発表した理系学部総合世界ランキングによると、

日本の大学は27位に東京大学、39位に京都大学、58位に東京工業大学、64位に東北大学と、
100位以内にランクインしているのは4校のみというのだ。
ちなみに上位3校は、アメリカのマサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校である。

苫米地氏は、日本の教育レベルは世界中でどんどん落ちていくと警鐘を鳴らし、「ほとんどの大学が、世界の100位圏外という事実を真剣に考えるべき」と訴えた。

日本の大学のレベルが低い理由について、苫米地氏は、「日本の大学は就職のための位置づけで、教育の質がないがしろにされている」
「卒業が簡単すぎるため、学生が勉強していない」「勉強したいという生徒がいても、それぞれの専門分野で世界のトップスクール学位を取得した教授がほとんどいない」などと考察しており、
本気で勉強したい学生はアメリカやイギリスの大学に行くべきと主張した。

苫米地氏は、結論として、学生は世界ランキング100位以内の大学を目指すべきであり、
日本の大学は世界の各分野トップ10レベルの大学経験者を増やしていくことが、日本の未来のために重要であると述べている。

投稿: | 2015年3月28日 (土) 09時27分

>日本の大学は世界の各分野トップ10レベルの大学経験者を増やしていくことが、日本の未来のために重要であると述べている。

見事にかぶれてますなぁ。
ランキングバブルをあおって大学を「(プア)ビジネス」にしたがる連中が、口開けばこういうことを言う。まぁ、大方の大学はすでに大衆娯楽装置ですから、ガセな大学ランキングでクライアントを集めてもよいのではありますが。

 医学は実学で医師養成機関でたくさんなんです。技術としての職業意識の水準で 十分に
>新たな治療導入に当たってのクオリティコントロールの方法論、組織としての管理責任のあり方と言った様々な課題と教訓が導き出される 
 と思いますよ。これ以上おバカな大学ランキングで本質を見失わなければ。
 
 学部から金も人材も引っぺがしておいて、ランキングを上げて金とって来い、とスポーツ省がいう。ランキングは○○の生産性で決めてるようですが、生産性って結局、時間当たり因子、つまり、速さ、です。

 競争したら学問の生産性?が上がりますかね。見え見えの「やり逃げ」ねらいの研究(ディオバン事件とかJ-ADNI(オボも))が一定量発生するのは必然です。

 本当に生産性が高くなりそうなのは、競争させなくても好きでのめりこむ人間を、大衆大学とは一線を画したCOEに集め、無駄を承知で打ち込ませること。大衆相手の人気商売にしちゃ、辛抱が足らなくて、育つものも育ちません。

 文科省がスポーツ(ショウビス)頭になっちまってますから、宇宙飛行士はたくさんできてもハヤブサ2が成功するかどうか?、ってことですよ。医師なんて宇宙飛行士並で十分なんです。 

投稿: Anonymous Alcoholicus | 2015年3月28日 (土) 22時31分

群馬大病院、腹腔鏡報告書を無断修正

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓の腹腔鏡(ふくくうきょう)手術を受け8人が死亡した問題で、病院側が設けた調査委員会の報告書が、外部委員が内容を承認した後に無断で修正されていたことが関係者への取材でわかった。

 各症例を検証した結論の中に「過失があった」と加筆するなどしていた。「過失を強調し、遺族の納得を得ることで幕引きを急いだのでは」との指摘もあり、再調査を求める声が改めて上がっている。

 病院側が昨年8月から外部委員を交えた調査委員会で調査した。関係者によると、今年2月半ばには、調査報告書の最終案が外部委員に送付され、各委員の意見により修正された後、全委員が承認して最終的に完成したはずだった。

 ところが、3月3日に病院側が記者会見で公表した報告書は内容が変わっており、患者8人の診療を個々に検証した結論の末尾に、「過失があったと判断される」との一文が書き加えられていた。

 一方、複数の遺族によると、調査報告書をまとめた後の2月半ば以降に行われた各遺族への説明の際、手渡された個別報告書には、それぞれ「過失があった」との記載があった。

 調査手法を巡っては、外部委員の医師には初回に出席を求めただけだったことが厚生労働省の審議会で問題視されている。

 遺族側弁護団は「手続きにも問題があるなら、やはり再調査が必要だ」としている。群馬大病院は今週、改めて調査委員会を招集し、今後の方針を検討する。

 医療事故調査に詳しい九州大病院医療安全管理部の後信(うしろしん)教授は「外部委員の承認後に修正するなら了承を得る必要がある。外部委員に再確認し、改めて議論する必要があるのではないか」と指摘している。

(2015年4月1日 読売新聞)

投稿: | 2015年4月 2日 (木) 07時51分

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