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2015年3月

2015年3月31日 (火)

高齢者の行き場が年々縮小中?

先日日経メディカルに医師のヘッドハンティングをしている企業の代表が昨秋から病院に求められる医師像が変化してきたと言う記事を掲載していて、それまでは急性期の医療機関からの専門医志向の強い求人が主体であったものが、回復期や慢性期におけるジェネラリストを求める求人がほとんどになってきたと書いています。
その背景には7対1看護や患者重症度など急性期の認定基準が厳しくなり、高額の医療費を消費する急性期のベッドを国が削減する方向性が明確になってきたことが挙げられると言いますが、それでは慢性期に患者を移行させるのかと言えば必ずしもそうではなく、先日はこんな記事が出ていました。

高齢者が長期入院「療養病床」患者を削減の方針(2015年3月23日読売新聞)

 団塊世代が全員75歳以上になる2025年に向け、在宅重視の医療体制づくりを進める厚生労働省は、寝たきりの高齢者らが長期に療養している「療養病床」の入院患者を減らす方針を固めた。
 入院患者の割合が全国最多の県を全国標準レベルに減らすなど、地域ごとに具体的な削減目標を設定する。

 厚労省のまとめでは、人口10万人当たりの療養病床の入院患者数(11年)が最も多いのは、高知県の614人で、山口、熊本、鹿児島県と続き、西日本で多い傾向がある。最も少ないのは長野県の122人で、高知県はその約5倍になる。
 入院患者の多い県は、療養病床の数自体が多い。病院が経営上の理由から、既存のベッドを入院患者で埋めようとしているとの指摘もある。多い県は1人当たりの医療費も高額化する傾向があり、厚労省は是正に乗り出すことを決めた。

 具体的には、2025年をめどとし、全国最多の高知県は、全国中央値に当たる鳥取県(人口10万人当たり213人)程度まで6割以上減らすことを目標とする。高知以外の都道府県も、全国最少の長野県との差を一定の割合で縮めるよう具体的な削減目標を割り当てられる。

名ばかりの急性期病床で半ば社会的な入院を続けてきた患者が慢性期や在宅へ移行させられると言うのであれば療養病床などは一部その受け皿となって需要が拡大しそうなものですけれども、こちらも長期間安定的に入院している患者は病院ではなく施設での介護でも十分だと言う判断なんでしょうか、ともかくも入院患者をトータルで減らしていこうと言う戦略が見えていますよね。
もちろん記事にもあるように病院側が経営上の判断から敢えて患者を入院させていると言う場合もないわけではなく、それはベッドを空ければ経営が成り立たないような診療報酬体系になっている以上は当然の経営的判断としてベッドを埋めにかかるはずだと思いますけれども、仮に診療報酬体系を大きく変えベッドを空けても経営が成り立つようになれば、過剰な医療リソースが地域内で出てくると言うことにもなりかねません。
まずは急性的にトータルでの病床数を削減し、病院側が自主的な判断で本当に入院が必要な患者だけを入院させるようにすると言えば一見妥当な話に聞こえますが、当面はいきなり在宅介護が急増するはずもない以上は医療から介護へと言う病床転換が各地で進んでいくことになるのでしょうか。
とかくこうした医療費削減政策が単純な診療報酬マイナス改定などと言うレベルではなく、システムとしての医療供給体制にまで踏み込んで行われるようになってきたのは国の本気度を示すものではありますが、これまで病院側の自主的判断によって行われてきた医療供給に国が責任を持つようになると言うことでもあって、病床削減の結果医療難民でも発生するようなら世間も黙ってはいないかも知れませんし、すでに気になる話も出ています。

10年後の東京…高齢者の4人に1人要介護(2015年3月28日産経新聞)

 ■団塊世代、75歳以上に/保険費の負担増加

 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる平成37年には、東京都内の高齢者の4人に1人に介護が必要となり保険費負担が増加する。そんな推計が27日、都が公表した「都高齢者保健福祉計画」で示された。支えるためには現役世代(15~64歳)の35人に1人が介護職に従事しなければならない。だが、全国平均に比べれば、高齢化率はまだ低い水準という。

 同計画は、都が平成27年度から3年間の福祉政策の指標とするために策定。今回は団塊の世代が75歳を迎える10年後の「2025年問題」に焦点を当てた。これによると、後期高齢者は5年後の32年に171万人となり、65~74歳の前期高齢者(153万人)を超過。37年には約198万人に及び、都内の人口の15%を占めるようになる。

 さらに要介護認定者は27年の約57万人から20万人増の約77万人に。これは65歳以上の高齢者の24・5%にあたる数字という。

 また、これに伴い、各種サービスにかかる介護保険給付費も27年度の8363億円から1兆2107億円に増加。65歳以上の都民が支払う介護保険料の平均月額は現在の4992円から、10年後には8436円に上昇する見通しという。

 要介護者の増加に対応するため、都は37年までに特別養護老人ホーム1万8千人分▽介護老人保健施設9700人分▽認知症高齢者グループホーム1万600人分-を新たに整備し、10年後には17万4374人に上るとされる施設・居住系サービス利用者を受け入れる計画を示した。

 一方、それを支えるためには32年度の介護人材が、同年度の生産年齢人口(15~64歳)854万人の約3%にあたる計24万7786人必要といい、学生や主婦も含めた現役世代の35人に1人がヘルパーなどの介護職に就くことが求められるという。だが、これでも37年の都内の高齢化率は25・2%で、全国平均の30・3%よりは低い。都は「介護職員の昇級を促すキャリアパス制度などを活用し、これまでの増加率に加え、さらに年間3千人の介護従事者を確保すればいい。実現可能な数字だ」としている。

まあしかし、現状で人手不足で集まらない集まらないと大騒ぎしている介護従事者を「さらに年間三千人の介護従事者を確保すればいい」とおっしゃると言うのはずいぶんとお気楽と言いますか気宇壮大と言いますか、そう簡単に確保出来るのであれば何故今までやらなかったのかと突っ込まれかねない話ではありますよね。
こうした点に関しては国の方がもう少しシビアに考えているようで、二年ほど前には厚労省が都市部で増加する高齢者をどう地方に押しつけるかの検討を始めたと言うニュースがありましたけれども、この点で記事にある「生や主婦も含めた現役世代の35人に1人がヘルパーなどの介護職に就くことが求められる」と言う予測は実はかなり厳しいものがあります。
社会生活を引退した人が趣味や人生観に基づいて行うのであればともかく、職業として十分食っていけ家族も養えると言う見返りがないために人材が集まらないのは介護も農業も同じことであり、その点で結婚し家庭を持てば転職せざるを得ないことが確実であるのならば、若い世代にとってわざわざキャリアに傷がつくことが確実な道を選ぶと言うのは大変にハードルが高い選択でしょう。
この点で結局対価としてのお金をきちんと支払う、しかもワープア化した現役世代ではなく介護の受益者である高齢者に相応の負担を求めざるを得ないのは誰が考えても規定の路線だと思うのですが、未だに政治の方面からは高齢者の負担増加と言うことに関してあまり積極的な声が聞こえてこないようにも思えるのは気のせいでしょうか?

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2015年3月30日 (月)

危険を承知で行う行為での責任のあり方

先日こんな判決が出ていたと言うことで、著名人も巻き込んで議論になっていることをご存知でしょうか?

ファウルで失明、4200万円賠償は適当か 日ハム訴訟判決巡って賛否両論(2015年3月27日J-CASTニュース)

   プロ野球観戦中にファウルで失明した女性の訴えを認め、日本ハムなどに4190万円の賠償支払いを命じた札幌地裁の判決が、ネット上で賛否が分かれる議論になっている。
    「子供だったら、確実に命を落としていたような事故」「二度とこういう事故が起こらないようにしてほしい
   2015年3月26日の判決後、原告の札幌市在住の30代女性は、会見でこう求めた。

日ハム「防球ネットを張ると臨場感が失われてしまう」

   報道によると、事故は、10年8月21日の日本ハム対西武戦で起きた。女性は、札幌ドームの一塁側内野席で前から10列目に座って、夫や子供3人と一緒に観戦していた。家族の様子をうかがうために試合から目を離した直後、ライナー性のファウルボールがスタンドに飛び込んできて右目を直撃した。
   この事故で、女性は、右眼球が破裂し、右顔面の骨も折る重傷を負った。
   裁判では、女性側は、球団が臨場感を出そうと、内野席のフェンスの上にあった防球ネットを06年に取り外し、ファウルによる事故が年約100件も発生していたと指摘した。そして、「防球ネットなどを備えるべきだった」などと主張し、4650万円の損害賠償を求めた。
   これに対し、球団側は、観戦チケットの裏には、ファウルなどによる事故に責任を負わないと記されており、安全対策でも「大型ビジョンや場内アナウンスで注意喚起していた」などとした。そのうえで、女性が気を付けていれば直撃を回避できたと述べて、請求の棄却を求めていた。
   26日の判決では、札幌地裁は、「観客に常に試合から目を離さないよう求めるのは現実的ではない」と述べ、打球が女性の座席に達するまで約2秒しかなかったとも指摘した。注意喚起をしていたとはいえ、ドームの設備は安全性を欠いていたと述べ、原告の訴えをほぼ認めた。
   日本ハムは判決後、防球ネットなどを張ると臨場感が失われてしまうと懸念を示し、控訴を視野に検討する考えを明らかにした。

「テーマパーク化し、自己責任問うのは酷」との声も

   ファウルボールによる失明を球団側の責任とした札幌地裁の判決について、野球に詳しい識者らからは、様々な反応が出ている
   共同通信の報道によると、自民党の萩生田光一総裁特別補佐(51)は、日本ハムについて「気の毒」と同情を示し、「免責条項とかを作れないのか」との考えを示した。3月26日にあったスポーツ議員連盟の勉強会での発言だ。米大リーグでは、防球ネットはバックネット裏だけしかない球場が主流だとされており、萩生田氏は、「ファウルボールに当たると、その観客がブーイングされて出ていけ、といわれる。そのくらい『ボールを見ていろ』という文化が根付いている」と述べた。
   一方、米ニューヨーク拠点のスポーツマーケティング会社代表の鈴木友也氏は、ヤフー・ニュースに投稿した個人記事で、米大リーグでは、ファウルなどによる事故は、観客も危険を承知で来ているとして免責とされる場合が多かったものの、最近は変わってきていると指摘した。客が観戦に集中できないピクニックエリアなどにいるときは、球団側が敗訴するケースも出てきているというのだ。日本でも、スタジアムで酒類を提供したりイベントで女性客を取り込んだりするなどテーマパーク化しており、鈴木氏は、客の不注意を一概に責められない環境にもなってきたとしている。
   ネット上でも、札幌地裁の判決については、賛否両論になっている。
   支持する声としては、「ライナー性のファールを素人がよけるなんて無理」「酒売っといて注意してれば大丈夫とか通る訳ねえだろw」「全面ネットにすりゃいいじゃん」といった書き込みがあった。
   否定的な声も根強くあり、「内野席のファールだしな ちゃんと見てりゃ避けれる」「自己責任だろこんなん」「危険性の全くないところで観戦したいなら、テレビを観るべき」などの意見が出ている。

野球の歴史や文化に関して全く存じ上げないので、むしろボールに当たって怪我をした観客の側が非難されるような考え方があったとは知らなかったのですけれども、このあたりは自己責任と言う考え方の根強いアメリカ発祥のスポーツであり、野球愛好家が多く対応出来る客主体であり、経営的にも人気スポーツのため売り手市場的側面も強かったと言った理由もあるのかも知れません。
テレビで見ていますと日本でも試合中にたびたび「ファールボールにご注意ください」と言うアナウンスがなされているようで、少なくとも球団球場側としても危険性があることは承知していると考えられるからには何かしら対策を講じるべきでは?と素人目に思ってしまうのですが、文化的にネット等に対する拒否感もあると言うことですから、この辺りは観客側に周知し納得頂いた上で入場してもらうと言うしかないのかも知れません。
ただ記事にもあるように現状でそうしたリスクを皆が皆承知の上で入場しているかと言えば必ずしもそうではないのだろうし、まして注意をしていてもボールに対処出来る人ばかりではないでしょうから、少なくとも入場料から一定額を保険に回す等の事故対応くらいは取っておいた方がよさそうに思うのですが、この辺りも競技それぞれの歴史的経緯やファン心理もあることなのでしょうね。
一般的にはプロフェッショナルは素人たる一般人に対して相応の配慮を払うべきだと言う考え方の方が普通だと思いますし、裁判等ではその辺りが賠償責任として認定されるケースも少なくないと思いますが、「専門家なんだから素人に責任を負って当然」と言うのもどこまでが妥当なのか?と疑問を抱くケースとして、先日こんな判決が出たことが話題になっています。

積丹岳遭難死、二審も道警の過失認定 札幌高裁、賠償額1800万円に増額(2015年3月26日北海道新聞)

 後志管内積丹町の積丹岳(1255メートル)で2009年2月に遭難死した札幌市豊平区の会社員藤原隆一さん=当時(38)=の両親が、道警の救助に過失があったとして道に約8600万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁(岡本岳裁判長)は26日、道に約1200万円の支払いを命じた一審札幌地裁判決を変更し、約1800万円の支払いを命じた。道は判決を不服として上告する方針

 判決によると、藤原さんは09年1月31日、スノーボードをしようと入山して遭難した。道警の山岳遭難救助隊は2月1日、藤原さんを発見したが、両脇を抱えて歩いている際に雪庇(せっぴ)を踏み抜き滑落。その後、救助用のそりに収容し、隊員交代などのためそりを一時的にハイマツにひもで結び付けたが、そりが滑落して藤原さんを見失った。藤原さんは翌日に発見されたが、搬送先の病院で凍死と確認された。

 判決理由で岡本裁判長は「救助隊は遭難者を発見した時点で救助義務を負う」とした上で、「そりをハイマツに結び付けた方法が合理的ではなく、隊員がそりから離れた間に滑落させた過失があった」と述べた。


山岳救助事故:札幌高裁 北海道警の責任大きく判断(2015年03月26日毎日新聞)

 北海道の積丹岳(1255メートル)で遭難した札幌市の男性が救助活動中に死亡した事故をめぐり、男性の両親が道に約8600万円の賠償を求めた訴訟の控訴審で、札幌高裁は26日、道側の過失割合を引き上げ、1審・札幌地裁判決を約600万円上回る約1800万円の支払いを道側に命じた。道側は上告する方針。

 岡本岳裁判長は判決で、道警山岳遭難救助隊が男性を乗せた搬送用そりを一時的に固定した方法や、そばを離れた判断に過失があったと認定した。悪天候が予想されたにもかかわらず不十分な装備で入山した男性の過失も認めたが、過失相殺の割合を2012年11月の札幌地裁判決から引き下げた

 道警は「救助隊員は可能な限り救助活動をしたと確信している。今後の山岳救助活動への影響も懸念される」とのコメントを出した。

 1、2審判決によると、札幌市の藤原隆一さん(当時38歳)は09年1月31日、スノーボードをするため入山して遭難。救助隊が翌2月1日に発見し、担いで下山中に雪庇(せっぴ)を踏み抜いて滑落した。さらに救助中にそりの固定が外れて再び滑落。藤原さんは2日に発見されたが凍死が確認された。【三股智子】

当時の記事から抜き書きする限りでは、現場の状況と救助の経緯はこのような次第であったようですが、当初「スノーボード中に遭難した一般人を道警救助隊がミスで滑落させ死なせた」的な報道が為されていたせいもあってか、少なくとも第一報時点では道警批判の声が少なからずあったように記憶しています。

藤原さんは仲間2人と1月31日に積丹岳に入り、頂上付近からスノーボードをしていたがはぐれたため、無線機で頂上付近にビバークすると連絡していた。救助隊は1日朝から捜索し、同日正午頃、救助隊は1日正午ごろ、山頂付近で雪穴に簡易テントを張ってビバークしていた藤原さんを発見。
当時、現場付近は吹雪で視界は5メートルほど。風速約20メートルで気温は零下20度。藤原さんの意識がもうろうとしていたため、5人の隊員が交代で抱きかかえて下山していたところ、藤原さんと3人の隊員が雪庇(せっぴ)を踏み抜き、約200メートル下に滑落した。現場は山頂と9合目の間の南側斜面、斜度40度の急斜面
3人の隊員は自力ではい上がったが、藤原さんは意識がもうろうとした状態で自力歩行が困難だったため、救助隊はソリに収容、約1時間かけて尾根の方向に50メートルほど引き上げた。しかし、隊員の疲労も激しくなり、隊員を交代するため一時的にソリを近くにあった直径約5センチのハイマツに縛って固定したところ、樹木が折れてソリが滑り落ち、藤原さんは再び行方不明となった。
当時は降雪で視界が悪く、救助隊は捜索を中断。2日朝から捜索を再開し、午前7時40分、標高約1000メートル付近の斜面でソリに乗った状態の藤原さんを発見、札幌市内の病院に搬送したが、死亡が確認された。

零下20度で強風が吹き荒れるような場所でスノーボードをやるものなのかどうか何とも判断しかねるのですが、当時は朝から吹雪模様であったそうで、そんな中で早朝に登山を始めて昼過ぎに山頂に到着したと言いますから登るのにも難渋したのでしょうが、ここから同行者二人は先にスキーで下山し、被害者である藤原さんだけはスノーボードで下山中に事故にあったと言うことです。
そもそも何故こんな時に山に入ったのかと言う根本的な疑問は置くとしても、視野も得られない吹雪が続く極限状態で救助する側も身の危険を感じるような状況ですから、通常であれば二次被害も恐れて捜索中止になっていてもおかしくなかったと思うのですが、無理をして何とか救助しようと奮闘努力した結果案の定とも言える事故が起きた、その結果死亡に対して責任ありと認定されてしまったと言えそうですね。
当時一審の裁判経過に関してはこちらの口頭弁論なども参照頂ければと思いますが、事件の詳細が知られるにつれ登山関係者以外の一般市民からも「これでは山岳救助に支障が出るのでは」と危惧する声も出る中で賠償判決が出たことまではともかくとして、今回注目すべきなのは二審においてさらに道警の過失を重く認定し賠償金額を高く引き上げると言う判断が下されたことでしょう。
自らリスクを承知であることを前提として成立していると言う点では、冬山登山などは先の野球場における事故よりもさらに自己責任の概念が広く定着していると思いますし、これが例えば捜索隊によって発見された時には亡くなっていたと言うのであれば訴訟などには至っていなかっただろうと想像すると、良きサマリア人法的観点からも釈然としない判決と言う気がします。

医療訴訟頻発によって防衛医療が定着した経緯を考えると、自らの命をかけてでも一刻でも早くと言う救助隊の決意に何らかの影響を与え得る判決であるのかも知れませんが、こうした公務員相手の場合個人の責任は問われることがないと言う点が今回少し救われるところでしょう。
ちなみに山岳救助では一般に高い費用がかかると言われていて、登山を志す方々は是非山岳保険に入っておくべきだと強調される所以なのですが、興味深いことに警察など公的機関による救助活動は業務予算の範囲内で行われると言うことになっている建前であり、救助費用の請求は為されないのだそうです。
この点に関しても以前から様々な意見のあるところですが、近年遭難しても携帯電話等で気楽に連絡がつけられると言う安心感からか安易に救助を要請すると言うケースも増えていて、大々的な救助隊を編成し捜索をしている最中に本人は自力下山してきたと言う話もしばしば見られることから、自分で望んで山に入った人間なのに全額無料でと言うのはどうなのかと言う意見も根強いようです。
もちろん自力下山出来るような危険性の低い場合であれば笑い話で済むのかも知れませんが、救助する側も一歩間違えば命の危険がある中で精一杯の活動をしているのに何の見返りもないどころか、一歩間違えば裁判沙汰となれば率直に士気も萎えるのでは?と懸念されるところで、民事とは言えこうした裁判自体が今後も「極めて異例なもの」であり続けて欲しいと願うのは自分だけでしょうか。

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2015年3月29日 (日)

今日のぐり:「肉のほそだ」

先日から不思議で奇妙な画像がちょっとした話題になっているのですが、皆さん読めますでしょうか?

あなたは読める? 「視力が悪い人しか文字が見えない」不思議な画像(2015年03月19日ハフィントンポスト)

“視力が悪い人しか見えない”という画像が、Twitter上で話題となっている。

あなたは読めますか?

Twitterには、様々な声が上がっている。

どうしても見えない人は離れてみると見えるかも?

目を遠くに離すかスマホ等の小さな画面で見た方が見えやすい気がするのですが、見える見えない以前にどういう原理なのか不思議な感じがしますよね。
今日はこの話題の画像に興味を引かれたと言う皆様のためにも、世界中から不思議とも奇妙だとも言うべきちょっとびっくりな珍現象の数々を取り上げてみましょう。

「畳」の字がガチャピンに見えると話題に(2015年11月25日ねとらば)

 漢字の「畳(たたみ)」の字がガチャピンに見える――。まさかそんなはず……ガ、ガ、ガ、ガチャピンだぁぁぁ!

 ガチャピンのTwitterアカウントで実際に色を塗ってみると、そこはかとないガチャピンっぽさが。有名人をはじめ、動物、クルマのヘッドライトやゴミ箱など、ガチャピンに似ている人や物はたくさんあれど、畳は盲点でした。

 ちなみにガチャピン以外にも、過去には「んふ」を90度回転させるとが次元大介に見えたり、「屋」がバカボンのパパに見えたりといった報告も。キャラクター以外にも「介」がケツに見えたり「こら」が「ドヤ顔」に見えるなども話題になりました。

これは配色のマジックと言うべき気がしますけれども、この見えるシリーズではひと頃ボーリングをする人としても話題になった「ぷ。」が意外にアレだとも言われていましたよね。
閑古鳥が鳴いていた商業施設が再生したと聞けば基本的には喜ばしいニュースなのでしょうが、それも度が過ぎると珍現象の名がふさわしくなるようです。

「ピエリ守山」再オープン2か月 “生ける廃虚”に活気戻る(2015年2月11日ザページ)

 “生ける廃虚”とインターネット上などで注目されていた琵琶湖岸の商業施設「ピエリ守山」(滋賀県守山市)が、リニューアルオープンして2か月近くが経ちました。

 外資系ファストファッションブランドの誘致などを目玉に掲げ、昨年12月17日のオープン初日には開業前から行列ができ、約4万3000人が来場。再生を手がけてきた不動産会社のサムティは「年間来場目標の650万人に向け、順調な滑り出しを見せている」と手ごたえを強調しています。地元住民からは「年末に訪れたが、久しぶりに活気を感じた」「動物と触れ合えるコーナーなどもあって目新しさを感じる」と期待の声がある一方、「廃虚というイメージが簡単にぬぐえるのか。周辺地域の開発がほしい」と厳しい視線もぬぐえておらず、今後の動向が注目されます。

海外ブランドや屋内動物園も常設

 ピエリ守山は2008年に開業。当時、県内最大の商業施設として約200店舗でスタートしましたが、景気の悪化に加え、開業数カ月後には隣接する草津市に「イオンモール草津」がオープン。その後も「三井アウトレットパーク滋賀竜王」(同県竜王町)ができるなど周辺に大型商業施設が次々と参入。競争が激化する中で次第に店舗数が大幅減少し、昨年2月初旬の時点でわずか4店舗が営業するのみとなり、「廃虚」と揶揄されてきました。ようやく2013年秋に「サムティ」などがショッピングセンターとして再生することを表明。思い切った改装に着手し、昨年リニューアルオープンにこぎつけました。
(略)
 年末に訪れた栗東市の会社員は「以前より店内が華やかな雰囲気に感じた。ファッション店もGAPなどがあって男性でも店内を見ていて楽しい。フードコートも興味のある店が多い」と印象を語っていました。また地元の飲食関係者も「ピエリがあるとないでは売り上げが違う。年末年始は久しぶりに活気づいてうれしかった」と話しています。
(略)
 一度ついた「廃虚」というマイナスイメージをどれだけ早くぬぐいさることができるのか。ピエリの次の今後が注目されます。

もともと立地や競合施設など様々な問題がある中でそれらを解消しているようには思えない再スタートに期待…もとい、不安も感じますが、しかし普通のモールになったのではアイデンティティ喪失の危機でもありますかね。
不思議な偶然の一致と言うしかない現象も世の中にはありますが、幾ら何でもこれは偶然の一致過ぎると言う写真が話題になっていました。

どこからどう見ても「サル」な花(2015年1月24日ロケットニュース24)

地球上には人知を超えた生き物が住んでいる。中でも海外には、思わずウソだろと目を疑ってしまうようなものが数多く存在しており、今回ご紹介する花もその類に入るだろう。

ということで、海外サイトに掲載された画像をご覧いただきたいのだが、そこに写っている花は、どこからどう見てもサル! もし食べようものなら「悪魔の能力」を手にしてしまいそうな感じさえするぞ。

早速、その画像を見てみると……こ、これは怖い! 花の中心部分が、まるでサル! 想像以上にサル……いや、完全にサルなのである!! まさに人知を超えた花といっても過言ではない……!

ちなみにこの花は、ラン科の植物で「ドラキュラ猿」や「猿顔蘭」と呼ばれる一種。エクアドルやペルーの非常に湿度の高い場所(雲霧林と呼ばれる)にのみ生息する固有種で、なかなかお目にかかれるものではない。

写真を見て頂けばどれほどの偶然がこの結果を招いたのかと思うのですが、やはりネーミング的にも猿なんですよねえ。
似たもの同士の話題が続きますけれども、こちら偶然の一致かと思えば実は…と言うびっくりニュースです。

ネット上で見つけた“そっくりさん”―実は生き別れた双子だと判明(2014年11月21日IRORIO)

2012年12月、 Anais Bordier氏は友人から1通のメッセージを受け取った。それはYouTubeに投稿された彼女にそっくりな女性の動画のスクリーンショットだった。
不思議に思ったものの、結局その時はそれが誰なのかわからずに終わってしまった。しかししばらくして、その人はSamantha Futermanという女優だと判明。しかも、生年月日も生まれた場所も同じだったのだ。

フェイスブックで再会した2人
AnaisはSamanthaにフェイスブックを通じてメッセージを送信。Samanthaもあまりにも似ていることに驚いたという。
さらに子供時代の写真を見比べてみてもそっくり。
パリで育ったAnaisと、ニュージャージー州で育ったSamantha。海を隔てた場所に自分とそっくりな人間が存在していたのだ。

初めての会話は3時間にもおよんだ
スカイプで初めて会話をすることにした2人。90分の予定が、気が付くと3時間も経っていた。
初めて会話したときから、相手の動きで心が読み取れるような奇妙な絆を感じたという。

DNAテストで生き別れた双子だと判明
2人はロンドンやロサンゼルス、ニューヨークなどで会ううちに、血のつながりを確信するように。
確実な証拠を求めて、2人はDNAテストを受け、そして生き別れた双子だと判明。2人は別々の孤児院に預けられたため、お互いの存在を知らずに育つことになったのだ。
初めての再会から、DNAテストを受けるまでの様子は、ドキュメンタリー作品「Twinstars」として記録されている。

2人はこの奇妙な体験を本にして出版
別々の大陸に住む2人を結び付けたインターネット。2人は今までに、嫌いな食べ物や好きなネイルの色、1日10時間の睡眠など、多くの共通点を見つけたそうだ。
2人はこの奇妙な体験を「Separated @ Birth」という本にして、10月31日に出版した。CNNやABCなどアメリカの大手放送局でも紹介され、注目を集めている。

しかしいくら似ている双子と言ってもこうまで一致していると言うのも珍しいと思いますが、遺伝は環境よりも強いと言うことなんでしょうかね?
同じく何かに似ていると話題になっていたのがこちらなんですが、まずは記事から紹介してみましょう。

どうみても”アレ”にしか見えない「ギンギン過ぎる氷の柱」が話題に(2015年1月22日トゥキャッチ)

 氷柱(つらら)や、大気中の水蒸気が小さな氷の結晶になる「ダイヤモンドダスト」など自然現象が生み出す、美しい氷の芸術。
 しかし、なかには「これは?」と首をかしげたくなる氷の芸術もあるようで…。

 会社に出社したら、蛇口の下にできていたという氷の柱。たいへん”ご立派”な形をしているが、これはどう見ても…。いくらなんでも形がリアル過ぎるだろっ!!
 ツイートにあるのは、落下した水が瞬時に凍ることでできる「氷筍(ひょうじゅん)」ではないか、という声も。マイナス3℃程度の洞窟などで発生するのだが、蛇口の締め方が緩かったり、室温が低かったりすると屋内でも見られるよう。
 Twitter上を調べてみると、屋内にできた氷筍の画像が多く投稿されている。寒い地域では、意外とよくあることなのかも。

 ものによって、先端が二股に分かれていたり、長く伸びたりすることもあるようだ。もちろん最初のツイートのように、ギンギンな形になることも…!
 しかし、屋内にできた氷筍は部屋が温まると、溶けてなくなってしまう運命。話題になっている”アレ”の形をした氷筍も、溶けてしまったらしい。
 とはいえ、寒い季節にしか見られない現象。貴重なものとなったのではないか。

まあナニそのものと言いますか、ストレートだなおい…と言いたくなるシロモノなんですが、大自然の驚異と言わずともこんなにも身近に不思議現象とはあるものなのですね。
最後に取り上げますのはインドからのニュースですが、いささか閲覧には注意を要するかも知れない話でもあります。

インド 男性の鼻の中からウジ虫50匹が取り出される(2014年11月25日新華ニュース)

【参考消息】 台湾メディアによると、最近、インドのムンバイに住む55歳の男性は副鼻腔炎で病院に行ったが、医師は手術中に鼻の中からウジャウジャ湧いているウジ虫50匹を取り出した。

台湾サイト「東森新聞網」は24日、英紙「デイリー・メール」の報道を引用してこの出来事を伝えた。手術に2時間かかった。生きているウジ虫を鼻の中から取り出されなければ、これらのハエの幼虫は、男性の顔の骨、肉、目を食い、脳膜炎を引き起こす。最後には、この男性はそれで命を落とすことになるだろう。医師は、ハエが鼻の中で産卵して、鼻の中にうじ虫が詰まっている状態になったと推測した。

手術担当医のMeenesh Juvekar氏によると、手術を受けた男性はすでに快復した。鼻ハエウジ病という疾患はインドのような熱帯国家、とくに衛生環境、生活条件の悪い地区でよく発生する。そして、萎縮性鼻炎患者の罹患確率は高い。悪臭を放ち、ハエの接近を引き付ける疾患であるからだ。

一枚目の内視鏡画像などたいしたことないと言う方でも二枚目はなかなかにアレな感じではないかと思いますけれども、しかしこんなものが体の中に入っているのですからねえ…
これが次々と体の奥に浸潤していく様子はあまり想像したくありませんが、しかし50匹もいればまだ1匹や2匹は取り残していても不思議ではないような…

今日のぐり:「肉のほそだ」

岡山駅からもほど近い岡山市中心部の一角に位置するこちらのお店、ビルの一階はまさしく肉屋そのものなんですけれども、元来は精肉卸業が本業で小売りの店舗の上で肉を食わせるようになったようです。
その味が話題を呼んだのか今やその奥に立派な新館まで併設していると言いますから立派なものですけれども、しかし外観的に知らない人間にはちょっと判りにくいお店ですかね。

今回はしゃぶしゃぶメインでをいただいたのですけれども、このしゃぶしゃぶの肉がまた見事なサシが入っていて、これをごく軽く湯にくぐらせるとさすがにうまいとしか言いようがありません。
何種類かの肉があって追加しまくった結果部位による味の違いも楽しめたのですが、特にこの脂の少ないももをさっと軽く焼いて食いたいなと言う欲望を感じてしまいますね。
しかししゃぶしゃぶと言えば昨今食べ放題などですっかり一般化しましたけれども、これくらいの肉を使うと決して煮過ぎてはいけない料理なのがよく判ると言うものですよね。
肉屋だけあってサイドメニューはさほどにどうこうと言うことはないのですが、肉の方はステーキやすき焼き等様々なメニューもありそうなので、人数を揃えてアラカルトで色々と試して見るのも面白そうに感じました。

肉の味は確かに満足出来る水準なのですが、当然ながらと言うべきか調子に乗って食べていると値段もそれなりになりますから、牛だけでなく鶏や豚を試して見るのもありかも知れませんね。
接遇面では妙に素人くさいなあと思うところもないではないんですが、それなりに混雑している状況であってもレスポンスは非常にいいので、この種の席でよくあるイライラとは無縁で楽しめました。
ちなみに新館の方は施設の規模も大きくトイレなども数、設備とも合格水準なんですが、歴史を感じさせ味がある旧館の方でステーキなど食べてみるのもおしゃれっぽいですね。

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2015年3月28日 (土)

遺伝子診断が身近なものになりすぎるとどうなるか?

米女優のアンジェリーナ・ジョリー氏と言えば昨年にもご紹介しました通り、遺伝子診断の結果から大胆な乳房予防切除に踏み切り一連の経緯を公開したことで話題になった方ですが、その方が今度は卵巣も予防切除をしたと表明し大きな話題を呼んでいるようです。

アンジーさん、今度は卵巣摘出…がんリスク回避(2015年03月25日読売新聞)

 【ロサンゼルス=加藤賢治】米国の人気女優アンジェリーナ・ジョリーさん(39)は24日付米紙ニューヨーク・タイムズに寄稿し、がんになるリスクが高いため、予防措置として卵巣と卵管の摘出手術を先週受けたことを明らかにした。

 ジョリーさんは2013年5月にも同紙への寄稿で、遺伝子変異により乳がんになる確率が87%と高いことが分かったため、予防目的で両乳房を切除したと公表している。卵巣がんになる確率も50%あったため、切除を選択したという。ジョリーさんの母親は49歳で卵巣がんと診断され、56歳で亡くなった。

 ジョリーさんは今回の寄稿で、病気への知識を深めることの重要性を強調。女性に対して「どんな健康問題にも複数の対処法がある。最も大切なのは、あなたにとって正しい選択をすることだ」と呼びかけた。

乳房予防切除などは特にそうですが、診断技術が進歩して高率に発癌のリスクがあることが明らかであること以上に、やはり乳房再建の技術が進歩し美容的に問題ないレベルで整復出来るようになったことが女性方にとっては大きいようで、日本においてもこのところ温存手術よりも全摘術を希望する乳癌患者が増えたと言うのも同じ文脈にある出来事であると言えそうです。
こうしたニュースを見ているとさすがにアメリカはこの方面でも考え方が進んでいるなとも思うのですが、もちろん本人も言っているように社会的に注目を受ける立場であることから「こうした選択肢もあるよ」と示す意味で敢えて行っている側面も多分にあるのだそうで、さすがに現状ではまだ平均的な対処法であると言うわけではないようですね。
病気が進行してから見つかって大がかりな治療をするよりも、あらかじめ予防的に治療しておけるならそれに越したことはないと言う方は相応にいるのだろうし、病気の発症リスクと予防的治療に要するコストや手間などを総合的に判断してどこかに妥当な線引きをしていけば医療費や医療リソース削減にもなりそうなのですが、この発症リスクを知ることへの負担感を大幅に軽減しかねないこんなニュースが出ていました。

順次サービスを拡大、感染症検査や遺伝子検査も検討中 KDDI、ネット経由で血液検査サービスを提供へ (2015年3月17日日経メディカル)

 KDDIは2015年3月16日、一般向けにインターネット経由で健康チェックを行える新サービス「スマホdeドック」の提供を始めると発表した。スマホdeドックは、自宅などに送付される検査キットで検体を採取し、解析後にスマートフォンやパソコンで検査結果を確認できるサービス。
 第一弾としてKDDIは、管理医療機器に当たる血液検査キットを開発・販売しているリージャー (東京・中央、長谷川重夫社長)と業務提携し、「生化学14項目血液検査サービス」を提供する。検査できるのは、総タンパク、アルブミン、AST、ALT、γ-GT(γ-GPT)、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、血糖、HbA1c、中性脂肪、総コレステロール、HDL-コレステロール、LDL-コレステロールの14項目。
 KDDIがサービス全体の統括や、検査結果に対するアドバイス提供のアルゴリズム開発を担当し、リージャーが血液検査キット「デメカル血液検査セットFF」の提供、リージャーと協業しているIMSグループのアイル(東京・板橋、山崎徹也社長)が血液検査を担当する。

 サービスの大まかな流れはこうだ。生化学14項目血液検査サービスに申し込んだ利用者には、リージャーの血液検査キットが送られてくる。血液検査キットは、使い捨てタイプの採血用の皮膚穿刺器具と吸引器、血液分離用のボトルとシリンダー、消毒布、絆創膏などから構成されている。
 利用者は、穿刺し、吸引器で吸引した血液を、内部標準物質を含んだ溶液入りのボトルに入れて混ぜ合わせる。その後、ボトルに5層濾過膜を備えたシリンダーを押し込み、血漿を濾過した状態でアイルの検査センターへ送付する。0.065mLの微量な血液で検査が可能だという。約1週間後、利用者は、スマートフォンやパソコンで検査数値や検査結果、改善アドバイス、医学的見地からのコメントを閲覧できる。
 検査結果は、検査数値に基づき、肝機能や腎機能などのカテゴリーごとに、全く問題ない(A)、軽度異常あり(B)、高度異常あり(C)、医師の診察を促す(D)の4段階で示される。こうした検査結果や改善アドバイス、医学的見地からのコメントなどは、医師監修の下、KDDIが開発したアルゴリズムに基づいて提供されるという。生化学14項目血液検査サービスは、20歳以上を推奨年齢として、1回4980円で販売する。販売開始は2015年夏の予定。スマートフォンやパソコンのOS、ブラウザなど、対応環境を満たしていれば、誰でも利用できる。

 サービス開始に先立って、KDDIは実証実験をスタートさせる。具体的には、2015年4月中旬から2016年3月末まで、全国20市区町村、2健康保健組合と提携し、約24万人を対象として無料でサービス提供を行う。
 KDDIは今後、感染症検査や血液以外の検査など、スマホdeドックのサービスを拡充させる方針。「遺伝子検査サービスも候補に挙がっており、検討を進めているところだ」(KDDIの広報担当者)という。

こういう記事を見ると何かとんでもない時代になってきたなと思ってしまうのは歳をとったと言うことなんでしょうか、しかし自己採血と郵送で簡単に検査が出来ると言うのであれば仕事で病院にかかる暇もないと言う方々にも需要はあるのだろうし、競合他社も相次いで参入してくればコストもさらに下がり、検査の範囲も拡がっていくのかも知れませんね。
実際の臨床の場においてはこうした検査の結果異常が出た場合に誰が対応すべきなのか?と言うことが気になるのですが、今でさえ他院での検査結果だけを持ち込んで「詳しく説明してくれ。料金は前の病院に請求しろ」などと無茶を言う患者が来て困っている、などと言ったネタのような話も聞かれる時代に、患者が勝手にどんどん検査をした分まで説明させられるのでは手が回らないと言う先生方も増えそうです。
もちろん本来的にその辺りも含めてのサービス提供となるべきで、例えばセンターに嘱託の医師がいてメールで○回までの問い合わせなら無料と言ったサービスのスタイルはありなのだろうと思うのですが、一般にこの種の検査結果だけを見て何か確定的なことが言えるかと言えばほとんどの場合難しいのだろうし、結局「○○科を受診し専門医の判断を仰いでください」で丸投げにされる可能性も少なからずありそうには思います。

もう一つ気になる点として将来的に遺伝子検査も予定されていると言い、また競合他社が参入してくれば必ずこちらの方面を売りにする会社も出てくると思うのですが、この遺伝子検査なるものも何でもかんでも調べてしまっていいのかどうか、倫理的に問題あるのではないかと各方面で議論もあり、抑制的に運用されているものではありますよね。
判断力のある大人が自己判断で行う以上、どんな結果が出ても受けた本人の責任で対処するのだから構わないじゃないかと言う声もあると思うのですが、少なくとも記事にあるようなシステムで検査を行う場合には例えば親が勝手に子供の血を自分のそれだと偽って送りつけると言ったこともあり得る話ではあるかも知れませんし、今後妊婦相手に遺伝子検査を提供する会社も出てくる可能性もあります。
さすがに生まれた子供相手であれば仮に望ましくない結果が出たとしてもどうこうできないだろうと言う話なんですが、例えばもう一人子供を持つべきかどうか悩んでいると言う世帯においてこうした検査結果を見て判断する場合もあるのかも知れませんし、案外その影響は広範なものになってくるのかも知れません。
お見合い時の釣書に既往歴だ原病歴だと言ったものを記載すると言う場合もあるようで、もちろん結婚しこれから所帯を持つとなれば健康であるのかどうかと言った情報は非常に重要ですけれども、それだけに留まらず遺伝子的情報までもやりとりされると言うことになってくれば容姿や財産、社会的地位だけでなく、遺伝的素因も結婚相手の条件として重視されることになっていくのでしょうか。

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2015年3月27日 (金)

医学部のレベルを示す数字?

先日発表が行われた医師国家試験の合格者数が1985年に現行の年1回施行になってから過去最高になったと報じられていて、さすがに医師不足だと新設医大まで認められるような時代にあって厚労省も空気を読んだのか?と言う話なんですが、一方では医学部学生の質的低下が近年相次いで問題視されてきた経緯もあることから、果たしてこれは妥当な結果だったのかと言う声もでているようです。

過去最高の合格率91.2% 医師国家試験は易しくなったのか?(2015年3月20日日刊ゲンダイ)

「えっ、そんなに高いの?」と思った人もいるだろう。厚労省が18日に発表した医師国家試験の合格率だ。9057人が受験し、うち8258人が合格した。合格率は91.2%で1985年以降、過去最高。トップは浜松医科大、自治医科大、順天堂大医学部の3校で、いずれも99.1%をマークした。

 国家試験といえば、最難関は司法試験。昨年、法科大学院を修了した合格者は1647人で合格率は21・2%だった。人命を預かる医師のほうがずっと合格しやすいのはなぜなのか。

「合格率が高いのは厚労省の意向を反映しているからです」とは医学博士の米山公啓氏だ。

「全国的に医者不足だから、厚労省はなるべく多くの合格者を出したいのです。医学部に入るための受験では難しい数学や化学の問題が出ますが、医師国家試験は計算問題も、引っかけ問題もありません。『次のうち、心不全の兆候はどれか?』といった覚えれば解ける問題ばかりなのです。とくに私立大は6年生になると、過去問などを使った試験を一年中実施して覚えさせる。念のために言うと、実技も面接もありません」

 大学によっては、3年から4年に上がる段階で成績が悪い人を留年させる。6年で卒業するところを7年、8年と時間をかけて勉強させるのだ。結果的に優秀な学生だけが受験するので高い合格率が生まれるのである。

 気になるのは東大の合格率。91.2%を下回る88.5%だったが……。

「東大生は頭が良すぎるため、途中で“自分はほかの分野でも成功できる”と思う人が出てくるのです。そのため医学の勉強がおろそかになる。それなのに惰性のように試験を受けて不合格になる人がいるから、合格率が低いのです」(米山公啓氏)

 いろんな裏事情があるものだ。

国試合格率と言えば記事にもあるように司法試験の合格率の低さが問題になっていて、それも以前のように単純に試験が難しいと言うよりも一部法科大学院においてあまりに合格率が低過ぎると言う現実がある、そして司法試験合格に至るまでの学費の高さもあって時に学費詐欺のような言われようまでされているわけで、国もようやくあまりに実績に乏しい法科大学院の統廃合を推進するつもりになってきているようです。
幸いにも?医師国家試験の場合多くの大学ではまあ普通にやっていれば合格する程度の合格率を維持していますけれども、これも昔からあまりに国試が形骸化している、これでは実施する意味がないと言う批判もあった一方で、様々な試験対策を行った上でも合格率が最底辺をさまよっていると言われる大学もまあないではないのですから、現状でも最低限の選抜機能は維持していると見るべきでしょう。
ただ医学部卒業を受験資格としている以上学部教育の実が問われるのは当然で、先日も紹介したような各大学の教育内容改革によって学生の成績がどのように動いていくか、そして法科大学院のように国試合格率が入学倍率にも影響してくるのかどうかなど気になる点は多々あるのですが、この点で気になるのがきちんと情報を収集し分析する、そしてそれがまた現場の改革に生かされる保証があるのかどうかです。
どこの業界でもこうした問題はなかなか扱いの難しいところがありますが、さすがに今どき白い巨塔云々は抜きにしても上司の言葉は絶対などと言う弊害はどこの業界でもあるのだろうし、またそうではなくても問題があるのにそれを放置していた、そもそも問題そのものに気づいてもいなかったと言うのでは困ったものですよね。

群大病院死亡率 平均の18倍(2015年3月23日NHKニュース)

群馬大学附属病院で、腹くう鏡による肝臓の手術を受けた患者8人が死亡した問題で、病院の手術の死亡率は、全国平均のおよそ18倍にのぼることが、日本肝胆膵外科学会が行った全国調査の結果わかりました。

群馬大学附属病院では、去年6月までの4年間に腹くう鏡による肝臓の手術を受けた患者8人が死亡し、その死亡率は、8.6%にのぼっていました。
この問題を受け、日本肝胆膵外科学会は難易度の高い手術を安全に行えると学会が認定した全国214の病院を対象に、死亡率の調査を行いました。
その結果、腹くう鏡を使った肝臓の手術の死亡率は全国平均が0.49%で、群馬大学附属病院の8.6%という死亡率は、平均のおよそ18倍にのぼっていました。
また難易度が高く、安全性や有効性が十分に確認されていない保険適用外の手術に限ってみますと、全国平均の死亡率は1.45%で群馬大学附属病院の13.8%は、平均のおよそ10倍にのぼっていました。
日本肝胆膵外科学会の宮崎勝理事長は「難易度の高い手術に対して、腹くう鏡を使った結果、このように高い死亡率になった可能性が考えられる」と話しています。
学会が難易度の高い手術を安全に行えると認めた214の認定施設には、群馬大学附属病院も含まれていましたが、学会は認定を取り消すことを決めました。
前橋市にある群馬大学医学部附属病院では、去年6月までの4年間に、40代の男性医師が執刀した腹くう鏡を使った肝臓の手術を受けた患者8人が亡くなっていて、このうち3人は、日本肝胆膵外科学会の腹くう鏡を使った手術の全国調査で、患者の9.76%が死亡したことが明らかになった胆管の切除を伴うものでした。
胆管は肝臓から伸びる管で、とくに肝臓の出入り口にある「肝門部胆管がん」の手術は、難度が高いとされています。
病院の調査委員会の最終報告書によりますと、胆管の切除を伴った手術で3人が亡くなっていて、このうち「肝門部胆管がん」と診断された1人について「医師は複雑な操作が比較的少ないと考えて腹くう鏡を使った手術を選択したが、難度の高い手術で、肝門部胆管がんでは腹くう鏡を使った手術の安全性は確立していない」と指摘したうえで「開腹手術が妥当だった」などとする見解を示していました。

腹くう鏡を使って肝臓の手術を受けた患者8人が相次いで死亡した問題。
手術を執刀していたのはいずれも第二外科に所属する40代の男性医師でした。
この医師は群馬大学医学部に入学し、平成5年に医師免許を取得しました。
第二外科では消化器外科グループの肝臓や、すい臓などを専門とするチームに所属していましたが、このチームの医師は、この男性医師を含めて2人しかいませんでした
また、腹くう鏡を使った手術は平成22年12月から始めました。
去年4月に京都市で開かれた日本外科学会の定期集会では、腹くう鏡手術について開腹手術より手術時間は長くなるものの出血量は少なく、在院日数も短い傾向があるなどと実績を発表していました。
この医師を知る人は「非常に穏やかな人間。患者はもちろん、スタッフにも穏やかに丁寧に接する医師だった。手術をする人数が少なく、相談する相手もいない。つらい思いもしたと思う。もうちょっとたくさんのメンバーでチームを組んでやれれば、彼にも負担が少なかったと思う」と話していました。
今回の問題を受けて、病院の調査委員会では、この医師から聞き取り調査を行いましたが、医師がどのような説明をしたのかについては明らかにしていません。
この医師は現在、業務停止の処分中で、患者の診療などにはあたっていないということです。
群馬大学医学部附属病院では、この医師が執刀した腹部を切り開く開腹手術でも10人が死亡していて、病院の別の調査委員会が検証を進めていて、5月にも調査結果を公表することにしています。

同僚の評判が悪くなかったようですから一部のマスコミが煽り立てるように悪意や妙な森…もとい、功名心をもって無茶な手術をしていたというのでもないのかも知れずなんですが、消化器外科の中でも肝胆膵領域と言えば最も手術も難しく術前、術後の管理にも手がかかる領域であって、大学病院で扱うような症例を二人きりで担当すると言うのはどうなのだろう?とも思うのですがどうでしょうね?
このような事情を聞くと術後管理において妙に患者を突き放したような粗雑な対応が数多く見られたと言った報道からも現場の状況が見えてくるようにも思うのですが、もちろん難しい症例を数多く扱えばそれだけ成績も悪くなるのだろうし、他院で断られた症例を積極的に引き受け例え結果が悪くとも患者から感謝される先生もいらっしゃるわけですから、死亡率だけを取り上げて云々すると言うのは少し早計には思います。
ただ同大の事故調査委員会が出した中間レポートによれば他チームの医師を交えた定期的なカンファレンスも形ばかりの患者紹介程度で、死亡例が相次いでいることを上司も知らなかったと言い、報道を目にした医療安全管理部長が自ら調査するまで誰もこうした事態が発生していることに気づいていなかったようですから、やはり診療のクオリティコントロールと言う点で院内の態勢に問題があったと言われる余地はありそうです。

中間報告では「難度の高い手術が多い肝胆膵外科領域で,チームの構成員は2名のみであり,回診やカンファレンスが十分に機能せず,卒後20年の当該主治医が全ての診療を担っていた。他からの意見や批判を受けることなく,閉鎖的診療体制が続いていたことが,事故の背景因子として存在する」と指摘していますが、この分析にも見る者の立場によって解釈の余地は多いにありそうですよね。
マスコミ的にはたった一人の担当医の独裁的態勢下に問題手術が量産されていたことが悪いと個人責任追及に走りやすい手頃なケースでしょうし、恐らく大学側としてもそうした世論が形成され個人の資質の問題として話が決着してくれれば一番ありがたいのかも知れませんが、その方向で話が進む限り組織として何らの改善も見込めない可能性すらありそうです。
医師の教育の問題、新たな治療導入に当たってのクオリティコントロールの方法論、そして組織としての管理責任のあり方と言った様々な課題と教訓が導き出される貴重な経験となるのか、それとも一介の医師の暴走として片付けてしまうのか、何%の患者さんが亡くなったと言う数字よりもこの辺りの事後処理のあり方にこそ大学のレベルが現れてくるのかも知れないですよね。

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2015年3月26日 (木)

野良猫対策は猫虐待か否か?

全くの個人的な話ですが近年野良猫が近所に多くなっていて、基本的にはその種の生き物問題はこれまで気にしないでいたのですけれども、これも完全に居着かれてしまうと騒音や糞害であるとか害虫寄生の問題もあって、可愛い可愛いと言うだけでは済まない場合もあるように思いますね。
ましてやそこに人為的な介入が加わるとなると当然人それぞれの考え方の差異もありますから、一方にとっては妥当な対処が他方にとってはトンデモナイと言うことも十分あると思いますが、近年自治体等への苦情申し立ても増えていると言う野良猫問題に関して先日こんな記事が出て議論になっていました。

京都)野良猫に餌、是か非か 京都市の条例制定巡り集会(2015年2月8日朝日新聞)

 野良猫に餌を与えることは是か非か――。野良猫の保護に取り組む市民や弁護士が7日、京都市が制定をめざす「動物による迷惑の防止に関する条例(仮称)」について話し合う集会を下京区で開いた。無責任な餌やりを禁じた条例案について、「問題の解決にならない」と指摘する内容で、約180人が参加した。

 条例案は、無責任な給餌(きゅうじ)をしたり、残飯ごみを放置したりすることで、周辺の生活環境が損なわれている場合は勧告・命令を行い、違反した場合は過料を科す内容。野良猫を保護している人たちからは「猫の餓死を待つ、事実上の殺処分ではないか」「どんな給餌が無責任なのか、わかりにくい」などの意見があった。

 野良猫を減らす取り組みとして、野良猫に避妊去勢手術をし、住民たちが管理する「地域猫」が注目されている。集会では、「地域猫」で苦情を減らすことに成功した新宿区保健所(東京)の元職員、高木優治さんが報告した。「保健所職員は猫の被害に悩む人と餌を与える人から相談を受ける。餌を与えた人が追いかけられたり怒鳴られたり、トラブルも多い」という。

この野良猫問題に関しては各地で様々な対応が行われていて、小田原市では次年度から野良猫を飼ってくれる人に補助金を出すそうですし、沖縄では野良猫に去勢手術を施して自然減を目指すのだそうで、やはりそれだけ全国各地で野良猫にまつわるトラブルが頻発し行政にも対応が求められていると言うことなのでしょう。
ただこの京都のケースではむしろ猫そのものよりもそれに対峙する人間同士の対立が問題化しているようで、町に住んでいるとは言え基本的に野生動物と同じ扱いで人間が介入すべきではないと言う考え方も当然あるだろうし、最終的にはどれが正しいと言うよりも社会的にどれは許容されないと言う部分だけはルールを決めていくしかないのかなと言う気がします。
もちろん餌やり問題に関しては食物残渣で町が汚れるだとか、餌付け効果で猫が居着いてしまえば糞害や騒音を始め様々なトラブルも多発するわけで、特に夜間良眠すら妨げられがちな地元住民にしてみれば「餌やりするならちゃんどその後の管理にも責任も持て」と言いたくなると思いますが、残念ながらこうした部分に対して餌やり以上に積極的な動物愛護派の方と言うのもあまり聞かない(あるいは目立たない)印象です。
餌やりによって実質的に飼うと言うことであればあらゆる面で責任を持つべきだと言うのもまた極端な考え方ですが、この生き物と人間との関わり方、その結果としての責任の取り方と言うことに関して例題となりそうな事例がちょうど猫関連で報じられていたようで、こちらのニュースも併せて紹介してみましょう。

高校教諭、子猫4匹を生き埋め…生徒に穴掘らせ(2015年03月23日読売新聞)

 千葉県船橋市内にある県立高校の30歳代の男性教諭が、生まれたばかりの子猫を学校の敷地に生き埋めにしていたことが、同校への取材でわかった。

 教諭は、生徒に穴を掘る作業などをさせていた。少なくとも4匹を生き埋めにしたといい、県警は動物愛護法違反の疑いで調べている。

 同校によると、男性教諭は今月6日午前、学校敷地内で、野良猫が産み落としたとみられる子猫5匹を見つけた。放課後、担任を務めるクラスの男子生徒3人に目的を告げぬまま、スコップを用意させたり、敷地の一角に穴を掘ったりさせた。その後、教諭は1人で5匹を埋めた。1匹は生死不明、4匹は生きた状態だったという。

 同校は9日に保護者から連絡を受け、教諭に事情を聞いた。「親猫がいないので放置すれば死ぬと思った。対処の仕方がわからず、猫は市役所に引き取ってもらえないと思っていた」と話し、反省の意を示したという。

千葉の高校教諭 生徒に穴掘らせ子猫5匹を生き埋め「田舎ではやっていた」(2015年3月24日J-CASTテレビウォッチ)

千葉・船橋市の県立高校の30代教諭が、生徒に手伝わせて子猫5匹を生きたまま埋めていた。今月6日(2015年3月)、この男性教師は校内を巡回中に農業実習用のハウス内に野良猫が産み落としたとみられる5匹の子猫を発見した。教師は担任を務めるクラスの男子生徒3人を呼んで、目的を言わずにスコップを持ってこさせ、ハウスから30メートルほど離れた実習用畑の隅に穴を掘るように指示。教諭は子猫5匹をスコップに乗せて穴まで運んだが、途中、スコップから落ちた子猫を生徒に拾わせるなど手伝わせ後、生徒たちに離れるように言って子猫を生き埋めにした。
手伝わされた生徒に動揺が広がり、学校にカウンセラーを紹介してほしいと相談があり発覚した。

千葉県警「動物愛護法違反」で事情聴取

教諭は「対処の仕方が分からず、市役所に引き取ってもらえないと思った。田舎育ちで、周りの人たちがやっていたのを見ていたので気にしなかった。とんでもないことをやってしまった」と反省しているという。
教育評論家の尾木直樹氏はこう批判する。「昔だったらそういうこともあったかもしれないですけど、あまりにもナンセンス。動物愛護法も制定されて、私たちの動物を愛護する感覚もどんどん発達している。その発達を促すのが学校の役割ですよ」
中江有里(女優)「教師であれば、里親を探すとか、他に方法はあるはずですよ。それが教育だと思います。大人として子猫にどう接すべきか、どう行動すべきか見せる責任もあるわけで、そこが欠けているのでは先生としての資質を疑ってしまいますね」
学校側は問題が発覚した4日後に教諭と話し合って5匹の子猫を掘り返し、別の場所に墓をつくって供養したという。ところが、千葉県警が子猫を確認するために墓を掘り返しところ、1匹しかいなかった。県警では動物愛護法違反の疑いで男性教諭から事情を聴くことにしている。

学校内で教師が学生に手伝わせて子猫を生き埋めに!などとセンセーショナルな見出しを掲げられると一体何があった?とつい考えてしまうのですが、風の噂に漏れ聞こえる真偽不明の情報によれば現場となった学校では以前から何度も子猫が生まれていたのだそうで、教師としてはそのたびに学生に引き取り手を探してきたが、今回とうとう引き取り手が見つからなくなったと言う話です。
もちろんヒョーロンカの先生方はカンカンで「教師の資格がない」「本来ならクビ」だとさんざんな言われようで、もちろん処分するに当たっていわば学生達に自ら手を汚れさせたと言うことが当事者にとっては最大のショックであったことは判るし、そうなる前にまず当の学生達に自ら決めさせると言うステップがあるべきだったかとも思うのですが、さてそれではこの場合何が「正解」であったかです。
このまま放置して餓死を待つであるとか教師が密かに処分する、あるいは役所なり保健所なりに連絡して何とか引き取ってもらい薬殺処分なりされると言うことであれば自分達の手は汚れないし直接手を下す罪悪感からは逃れられるかも知れませんが、そうした「正解」が教育としてベストな選択肢だったのか?と言われると必ずしもそうとも言い切れない部分もありそうな気はします。

近ごろでは学校で鶏や豚を飼って、最後には食肉にまでして皆で食べると言う実習も行われているのだそうですが、当然ながら出荷されていく豚を見送る学生達は大変なショックを受けることもあるのだそうですし、精肉として変わり果てた姿で帰ってきた豚を見て二度と豚肉など食べられないと泣く子もいるのだそうで、当然ながら「これじゃトラウマだよ」と反対する声も少なからずあるそうです。
荒川弘氏の「銀の匙」などは農業高校の学生が自ら望んで手塩にかけて育てた豚を買い取り食べてしまうと言うエピソードが登場しますけれども、これなどは言ってみれば覚悟を決めた上で個人として自ら望んでそれを行っているわけで、学校の教育課程として強制的に行われる行事としての是非とは全く別問題だと言う話もあるでしょう。
たまたま学校で生まれた野良猫の始末ともなればさらに別問題だし、放置しておけばこうまで国を挙げて非難されることもなかったのに愚かだったと言えばその通りなのでしょうが、不適格教師は排除すればいいで済ませてしまい学生自身による議論への道を閉ざしてしまうのでは、教育的効果としてそちらの方がどうなのかと言う気もします。

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2015年3月25日 (水)

チュニジアテロ事件で朝日がまたやった!?と話題に

元兵庫県議の野々村氏と言えばあの記者会見動画で全世界的に有名になった方ですが、久しぶりにその後の続報を伝えるニュースが妙なところで話題になっています。

元県議・野々村竜太郎氏、番組スタッフに体当たり「痛い!」「助けて!」と叫びながら逃走(2015年3月23日トピックニュース)

22日放送の「Mr.サンデー」(フジテレビ系)で、兵庫県の野々村竜太郎元県議が、8ヶ月ぶりにカメラの前に姿を見せた

野々村氏は2011年度から13年度にかけて、支出報告書にウソの使い道を記載したり、改ざんした領収証を添付したりして県議会に提出し、約220万円をだまし取った疑いで、1月、兵庫県警に書類送検された。問題発覚後の昨年7月に県議を辞職している。
番組では、野々村氏が号泣した記者会見のようすを振り返りつつ、政務活動費の不正使用問題について取り上げた。その特集内で、野々村氏がある集合住宅にいることを突き止めた番組ディレクターが、アポなしの直接取材を試みたのだ。

野々村氏は、ロングコートにハット、丸刈りの頭にメガネとマスクを着用した姿で登場。ディレクターが「話を聞かせてください」と迫ると、足早に階段を駆け下り、逃走してしまった。
逃げるだけでなく、追いかけてくるディレクターに野々村氏が体当たりを食らわす場面も。両者が転倒するも、野々村氏は「痛ーい!痛い!痛い!痛い!」と繰り返し、再び逃げ出した。ディレクターが「何するんですか!?」と問い詰めるが、野々村は質問には答えず、「助けて!助けて!助けて!」「痛い!痛い!」と絶叫し、階段を駆け下りる。
「痛い!」を繰り返す野々村氏に、ディレクターは「こっちが痛いですよ」と苦笑しながら、さらに追いかける。集合住宅を出た後も逃走劇は続き、野々村氏は外に出ても「助けてー!助けてー!」と大声をあげていた
ディレクターが「どうして(会見で)泣いちゃったんですか?」「きょうは事情聴取ですか?」などと再三問いかけるも、野々村氏はすべて無視。持っていた荷物で、カメラを払いのけようとする行動も見せた。
そして野々村氏は、「もりもし!もしもし!」と携帯電話で誰かに連絡を入れるしぐさを見せたのち、コンビニエンスストアと思われる場所に逃げ込み、そこでVTRは終了した。

スタジオの宮根誠司氏は、「号泣ばかりがクローズアップされているが、やっていることは悪質。怒りすら覚える」とコメントしている。

フジ、号泣の野々村元議員の奇行を放送し物議(2015年3月23日日刊スポーツ)

 号泣会見が世間の注目を集めた野々村竜太郎元兵庫県議員(47)の現在の姿に密着したVTRが22日放送のフジテレビ系「Mr.サンデー」でオンエアされ、視聴者の間で物議を醸している

 昨年、政務活動費の不自然な支出が指摘され、号泣会見を行った末に県議を辞職した野々村元県議。同番組ではアポなし取材を試みたが、野々村氏が「助けてー!」などと悲鳴をあげながら逃走する姿が映し出された

 放送後、ネット上では野々村氏の姿に驚いた視聴者から「こんなのが県議やったんやからな」「心病んでるだろ」「相変わらず面白すぎるwwwもうワザとやってるだろこれ素でこんなみっともない言動できる奴なんていない」といった声があがり、元フジテレビアナウンサーの長谷川豊も自身のブログで「ディレクターが説明を求めても、逃げるだけで、何にも語ろうともせずにまるで被害者面でした。『助けてぇ!』『助けてぇぇぇ!』ってね。被害者はアホな税金の使われ方をした兵庫県民だっての。何ご立派に帽子とかかぶって変装してるんだか。芸能人か、お前は」と切り捨てた。

 しかし一方では、「取材する側もひどいなこれ完璧に弱い者いじめじゃないか」「マスコミもゲスいなぁニヤついてるミヤネが特に気持ち悪い」「まるで動物扱いだな 面白ければ許されると思っている」と、番組側への批判の声も少なからずあがっている

取材の方法論に関してはそれぞれに考え方もあるでしょうが、多くの人間が番組を見た結果誰に対して「やっていることは悪質。怒りすら覚え」たかと言う点については意見が分かれるところで、公職を退いた一私人に対する取材方法としてはもちろんですが、公人時代の責任を問うと言うことであればこれまたアポ無しでの突撃が妥当なのかどうかでしょうね。
かつてであれば漠然と報道内容そのものに対する違和感や嫌悪感を個々人が感じていただけの時代から、今や多くの人々がネットと言う場で報道を検証し語り合う、さらに場合によっては当事者がマスコミがどのように取材を行っていたか生情報まで出すと言う時代に移り変わった結果、当のマスコミの思惑に関してマスコミそのものへの批判の方が目立つケースと言うのも増えてきましたよね。
その点で特に問題視されやすいのが誰かにとっての不幸に関する報道で、先年のニュージーランド大地震の国際的批判すら浴びた報道ぶりなどを見るまでもなく今や事件報道、事故報道の類はマスコミ批判の方が盛り上がりやすい状況ですけれども、先日唐突に発生したチュニジアでのテロ事件に関してもこんな声があるようです。

結城さんが手記 朝日記者の怒声に「ショック…」 国際報道部長が謝罪「重く受け止めおわびします」(2015年3月23日産経新聞)

 チュニジアの博物館襲撃テロで負傷し、首都チュニスのシャルル・ニコル病院に入院中で陸上自衛隊3等陸佐の結城法子さん(35)=東京都豊島区=は20日、共同通信など一部メディアに手記を寄せ、「現実のこととは思えませんでした」と事件当時の恐怖を振り返った。
 また、結城さんは手記で、朝日新聞記者と日本大使館員の取材をめぐるやりとりについて「『取材をさせてください。あなたに断る権利はない』と日本語で怒鳴っている声が聞こえ、ショックでした」と記した。
 これを受け、朝日新聞の石合力・国際報道部長は朝日新聞デジタルのホームページ(HP)に「取材の経緯、説明します」と題した見解を掲載し、「記者には大声を出したつもりはありませんでしたが、手記で記されていることを重く受け止め、結城さんにおわびします」と謝罪した。

 HPによると、朝日新聞記者は取材のため、発生翌日の19日午後(日本時間同日夜)、チュニス市内の病院を訪問。救急部門の責任者の医師に取材したところ、結城さんについて「軽傷なので病室に行くといい。インタビューできると思う」との説明を受けたという。
 病室前まで警備担当者の先導を受けたが、病室前で「大使館です」と名乗る日本人男性に取材の申し出を「できない」「だめだ」と断られた。「結城さんご本人やご家族が断るならわかるが、あなたが決める権利はないですよね」と聞いたが、「私は邦人を保護するのが仕事です」との返答だったため、しばらくやりとりを続けた末、病棟を退出したという。
(略)

「あなたに断る権利はない」と怒鳴る声... チュニジア被害者「マスコミはどこも取材が強引だった」(2015年3月23日J-CASTニュース)

  チュニジアのテロで負傷して現地で入院中の結城法子さん(35)が、一部マスコミに寄せた手記で、次々と取材に来たのがショックだったと明かした。ネット上では、被害者への過度の取材については疑問視する声も多い。
   結城法子さんは、2015年3月18日の事件後に、包帯を巻くなどした痛々しい姿のまま病室でインタビューを受ける姿がNHKニュースなどの映像に流され、話題になった。結城さんは、陸上自衛隊の3等陸佐で、チュニジアには母親とプライベートで旅行していて被害に遭った。
(略)
   手記によると、病院では、けがをした耳の処置をされた後、まずNHKや米ニューヨーク・タイムズ紙の記者が来て、質問に答えるように言われた。結城さんは、「そうしなくてはならない」と義務があるかのように感じ、取材に受け答えした。
   さらに、全身麻酔をして3時間にもわたる手術をした後、夜10時を過ぎて病室に戻ると、そこにはすでに、大使館員と日本人の現地のコーディネーターがいた。結城さんは、コーディネーターから日本テレビのインタビューを受けるように言われ、日テレ記者の質問に答えた。記者からは、「そのままテレビで流していいですか」と聞かれたが、ボーッとして恥ずかしかったので断った。しかし、記者からは、「すでにNHKのインタビューがテレビで流れていて、名前も顔も出ているからいいでしょう」と言われ、ショックを受けたという。

   母親と同じ病室になった後も、マスコミの取材は続いた。
   今度は、部屋の前で、取材を制止された朝日新聞の記者が大使館員に対し「あなたに断る権利はない」と怒鳴る声が聞こえ、またショックを受けた。

朝日新聞は、記者が大使館員に怒鳴ったことは否定

 大使館員は、朝日記者とのやり取りの後に病室に来て、結城法子さんにインタビューを受ける必要はないと勧めた。その理由として、「体調も良くないし、インタビューがどう使われるかわからないし、あなたには断る権利があります」と述べたという。これに対し、結城さんは、「今まで、義務だと思いインタビューを受けていたので、涙が出るほどうれしかった」と書いている。
   その後、フジテレビにも取材を申し込まれ、断る代わりに自分の気持ちを伝えようと手記を書くことにしたと明かした。結城さんも母親も体調は悪いといい、「どうか私たちを静かに見守っていてほしい」と訴えている。
   フジテレビなどによると、この手記については、必ず全文を使用するとともに、これまで撮ったインタビューも流さないように求めている

   朝日新聞では、3月23日付朝刊で、結城さんの求め通りに、手記の全文を載せるとともに国際報道部長名で異例の経緯説明をした。それによると、記者が病院の医師に取材したところ、「軽傷なので病室に行くといい。インタビューできると思う」と言われ、警備担当者の先導で病室に向かった。病室前にいた大使館員から「できない」「だめだ」と制止されたが、「結城さんご本人やご家族が断るならわかるが、あなたが決める権利はないですよね」と食い下がった。「ご本人に聞いてみてほしい」とも求めたが、大使館員は一歩も引かず、病室に向かった。そして、警備担当者に促されて退出したという。
   経緯説明では、記者は大声を出したつもりはなかったと説明したが、結城さんが手記でショックだと明かしたには、「重く受け止め、結城さんにおわびします」としている。

   NHKは、ニュースサイト上で結城さんのインタビュー内容を書いた記事をアップしているが、写真や映像は使っていない。また、日テレは、ニュースサイト「NNN」で、インタビューの映像配信ができないとして、音声だけを流している。しかし、NHK も日テレも、23日夕時点で、結城さんの手記については何も触れていない模様だ。

手記全文に関しては産経の記事に掲載されていますのでご一読いただきたいと思いますが、個人的には「私は邦人を保護するのが仕事です」と言う言葉に、名もない(失礼)末端の大使館員がきちんと国民のために働いておられる様子も伺われて、何とも頭が下がる思いがいたしました。
「あなたに断る権利はない」と言うのもなかなかの名?台詞ですが、何しろ自らも間一髪命は助かったものの負傷しショックで混乱もしていると言う状況でのことであり、逆にそうした当事者の混乱につけ込むプロフェッショナルの手慣れたやり方が理解しやすい記録ともなっていると言えるでしょうか。
記事の体裁からつい「また朝日か」と思ってしまいそうですが、実際には各社メディアともそれなりに強引な取材手法があったようで、恐らくたまたまもっとも印象が強かったのが朝日であったと言うことなのかも知れませんが、それにしても事件報道の類になるたびに毎回こうして名前が出やすいメディアと言うのはありそうには感じますよね。
一方でそうした強引極まる取材を受けてのニュースを我々は読み、見聞きしているわけですから、詳しく速い情報を求めると言うことはその裏でこうした行為が行われているのだと言う背景にも思いを致さなければならないはずですが、こうした取材の実情が世間でも知られるようになってくるにつれて「そこまでして知りたい情報なのか?」と言うことに考えが至り始める人も増えてきているようには思います。
職業的なメディアの存在意義とはお金や人手をかけて取材活動が行えることであり、その意味では遠く海外まで大勢で出かけて行って速報性の高いニュースを拾ってくると言うことも大手だからこそ行える取材活動であるとは言えるでしょうが、記者が自ら丹念に関係者の間を歩き回って信頼関係を築き上げながら地道に情報を集め、時間をかけて丁寧にまとめ上げた記事を読む醍醐味もまたあるはずなんですけどね。

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2015年3月24日 (火)

マスコミ報道から見る医療とカルトの親和性

最近のマスコミにおける医療系記事を読んでいて少しばかり気になる点があるように思うのですが、まずは先日出ていたこちらの記事から紹介してみましょう。

現役医師20人に聞いた「患者には出すけど、医者が飲まないクスリ」(2015年3月21日週刊現代)

心の中で「自分なら絶対に飲みたくない」と思っていても、患者には言えない。副作用がひどい、飲んでも意味がない—じつは、そんなクスリを処方している医者は多い
(略)
広く使われているクスリでも、じつは重篤な副作用をもたらすことがある。医者は、自らが服用したり患者に投与したりした経験から、「本当のクスリの怖さ」を知っている。都内の大学病院に勤務する循環器内科医はこう本音を明かす。

患者さんには普通に処方していても、自分では絶対に飲みたくない、家族には飲ませたくないというクスリはけっこうあります

重篤な副作用が生じる、飲んでも効果がない、依存性がある……など理由はさまざまだが、じつは、ほとんどの医者が「患者には出すけど自分は飲まないクスリ」があると言うのだ。

そこで今回本誌は、現役の医師20人にアンケートを行った。自分では飲まないクスリは何か、その理由はなぜかを訊いた。複数の医師から名前が挙がったクスリをまとめて、次ページからの表に記したので、併せて見てほしい。
(略)
多くの医者たちが、自分では飲まないクスリを患者に処方する理由はここにある。クスリを出せば儲かるということのほかに、家族や患者が「出してくれ」と言うからだ。埼玉県の総合病院に勤務する内科医はこう話す。

「本当はクスリを飲まないほうがいい場合でも、何も出さなかったら患者さんに文句を言われます。日本は医療費が安いですから、患者さんのほうも『せっかく病院に来たのにクスリをもらわなきゃ損』という意識があるようにも思います。悪い評判が立つのも嫌なので、仕方なく出していることが多いですね」

病院で出されるクスリが本当に必要なのか、考えたことはあるだろうか。何の疑問も持たずに服用するという人が多いかもしれないが、処方する医師には「患者に言えない事情」もあるということを肝に銘じておいたほうがいい。

もちろん患者さんに言われれば出すが積極的に使いたくない薬など幾らでもあるものですが、ただ記事に掲載された「この薬は使わない」と言う臨床医の声を聞く限りではいささか理由が子供じみていると言いますか、仮にも医学教育を受けただろう方々の口から「使ってみたら強い副作用が出たから使わない」などと言われると、さすがにDHMOの恐ろしさでも語ってみたくなるでしょうかね?
医師が儲け主義で薬を出しているなどと言われても、薬価差益がほぼ解消され医薬分業まで果たされた今の時代に何を言っているんだ?と言う気もしますけれども、実際に臨床的効果の上では似たようなものであると思われるのに薬価が極端に異なると言うちょっと理不尽な気のする薬剤と言うのは少なからずあって、この辺りは今後薬価決定においても医療経済学的側面からも考慮されるべきなのかも知れません。
ともかく全体的には素人向けの低俗なゴシップ記事的な内容と言う印象を受けるのjですが、ひと頃の医療崩壊現象から続く医師vsマスコミと言う構図が世間を味方に付けた医師側有利の状況で収束してからと言うもの、あまり見られなくなっていた印象もあるこの種の記事が、このところ立て続けに出てきていると言う点には少しばかり興味を引かれます。

がんより怖い「がん治療」の実態 医療業界の有り様を知らないとカモに… (2015年3月21日産経ビズ)

 医者が信じられない。頼りになるはずなのに、不信感しか持てなくなりそうだ。このままでは、病院に行くのも怖い。そんな暗い気分にさせる、知りたくなかった医療の現実を見せつけたのが、『がんより怖いがん治療』(小学館刊)だ。がん治療、がん検診、医者の裏側を赤裸々に明かしたのは、『患者よ、がんと闘うな』(文藝春秋刊)で日本の医療界を敵に回した近藤誠氏。40年間にわたり医者として活動してきた慶応義塾大学病院で見てきたことや経験してきたことなどから、医療界の真実の姿を浮き彫りにする。

 ■ともに怖い、手術と抗がん剤治療

 第1章と第2章で明かされるのは、がん治療の怖さ。次のような実態を知れば、怖くなるだろう。

勘三郎さん(歌舞伎俳優の中村勘三郎さんのこと)は、食道がんの手術から約4か月後に亡くなった。真の死因は食道の全摘手術にある。胆汁や消化液を誤嚥し、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)を引き起こしたのは、手術によって胃や気道の機能に障害を起こした結果だからだ。(※第1章19ページ)

(略)

 手術も抗がん剤も信じられない。がん治療が信じられないものになっているのは、患者第一ではない医療界の体質にあった。手術は、19世紀に始まったときから、がん治療の最新、最良の技能と見なされ、医療界に君臨してきた。(中略)手先が器用で手術がうまければ、論文など書かなくても、つまり研究しなくても、出世の道が開けるのが外科である。(中略)よって、切除できそうががんは手術になって、臓器が取られてしまう。(※第1章25ページ)

 抗がん剤治療の恐ろしさは、新薬の実験台(被験者)にされることだ。(中略)第2相試験の実験台に選ばれるのは、もう何をしても治る見込みのない患者たちだ。対象になるのが、乳がん、胃がん、肺がん、卵巣がんなど、もともと抗がん剤が効かない種類のがんだからである。さらに、すでにほかの抗がん剤を使って効果が見られない患者を選んでいるからである。(中略)しかし、治る見込みがないなら、残された人生をできるだけQOLを保ちながら、穏やかに暮らしたい人も多いだろう。それを医者は、ゼロに等しい効果をちらつかせて、実験台にしてしまうのだ。(※第2章45-46ページ)

 がん患者は、出世と実験のために利用されるということか。医療界には、病に苦しむ人を救うという崇高な理念は微塵も残っていないのか、と絶望したくなる。
(略)
 ■不必要な検査や医療は受けないで

 第1章から第3章は、高い専門性を利用し、がん治療でやりたい放題のことをしている医療界の印象を強く印象づけたが、第4章以降は、間違った治療や検診に立ち向かう著者の戦いにシフト。どのように戦い、その過程で達した新境地が中心になっている。
 苛烈な戦いに、著者には味方する者などおらず、孤独な戦いを強いられる。そのため採用した戦法が、メディア利用し患者を味方につけることだった。『文藝春秋』にある論文が掲載されるとき、二人の娘に対して語ったことが、戦いの苛烈さを物語っている。
(略)
 面白くないのが、真っ向から否定された医療界。なりふり構わず著者を潰しにかかる。しかし、そんな医療界をよそに、患者は著者に味方し、著者の外来を訪れる新患は後を絶たない。セカンドオピニオンを求めて来る人が多いことから、著者は治療をせず相談だけを受けるセカンドオピニオン外来を開く。医療界との戦いから著者が読者に伝えたかったことは何か。それは、次の記述で明確に示されている。

 人は自然にまかせて生活するのが一番健やかに、長生きできる。だから読者には、不必要な検査や医療を受けないようにしてもらいたい。そのためには医療や治療法の知識以外に、医療業界の有り様について知っておくことも必要だろう。知らないとカモにされるのである。ほかの業種ならカモられたところで、お金や財産を失うだけだが、医療では最悪の場合、命がなくなる。(※第7章 205ページ)

 医療は産業。治療代と検査代を稼ぎたい病院に、製薬会社や医療機器会社の思惑も絡む。様々な思惑が絡む複雑な構図の中で病院の言いなりにばかりになっていれば、助かる命も助からないことだってある。長生きしたければ、賢くなるしかない。これが、著者が読者に伝えたいメッセージである。

まあしかし近藤先生の過ごされている別世界の日本ではよほどに違う医療が行われているのか、あるいは慶大病院内での常識がこのようであるのかは何とも言い難いのですけれども、とりあえず「不必要な検査や医療は受けないように」と言う点に関しては選定療養費を取っている慶大病院のみならず、全国数多の医師も全く同意であるかとは思います。
さすがに全編この調子の記事ですから長々と引用するのも馬鹿馬鹿しいと言いますか、真面目に相手するのもどうなのかとも思うのですが、先日は週刊コミック誌であのお方監修を謳う新連載が始まり大きな話題を呼んだことなどから考えても、この一種宗教的とも言える一派が社会的にそれなりに商売になる程度の量は存在しているらしいと類推できるところですよね。
個人的には医療などはあくまで自ら求めてお金を出して受けるべきオプションサービスであって、逆に言えば望んでもいない治療を受ける必要など全く無いと思うのですけれども、一部の生真面目な臨床医の方々からは「近藤理論を信じ込んで患者が助かる病気も放置し亡くなっていく!」と批判の声も強いようで、まあこの辺りは最終的には個人と医療との関わり方とはどうあるべきなのかと言う考え方の議論になってくるんじゃないかと言う気がします。
ただ記事として読んでいて誰しも気になるのが明らかに真っ当な記事と言うよりカルトの宣伝そもものと言う体裁を取っていて、それが当たり前に一般誌にも掲載されていると言う点なんですが、このところ例のイスラム国問題に限らず国内でもオウム絡みの話題が再び世間の注目を集めている中で様々なカルト対策なども議論されていると言うのに、その一方の実施主体である当のマスコミがカルト拡散に協力している点が興味深く思われます。
こういう記事が出てくると言うのはそれなりに売れると踏んでのことであるだろうし、それだけ社会がカルトを受け入れる下地がある証明でもあるはずなんですが、どんなトンデモであれ信じればそれが真実になると言う宗教と同じくらいに、知識のない素人だけでなく専門家目線で見ても何事も理屈通りには運ばない臨床医学の世界もまた、本来的にカルトとは親和性が高いと言うことなのだとすれば要注意でしょうか。

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2015年3月23日 (月)

指導する立場にあるものの責任

本日の本題に入る前に、先日出たこちらの判決を紹介してみましょう。

勤務医自殺訴訟で上司2人の個人責任を認めず(2015年3月19日日経メディカル)

 元上司2人によるパワーハラスメントと長時間労働が原因で、男性勤務医のA氏(享年34歳)がうつ病を発症し自殺に至ったとして、A氏の両親が元上司2人と勤務先の公立八鹿病院(兵庫県養父市)に約1.7億円の損害賠償を求めた裁判の控訴審判決が3月18日、広島高裁松江支部で行われた。

 昨年5月の鳥取地方裁判所米子支部での一審判決(関連記事)では、医師であるA氏がうつ病を防げないことなどを理由に損害額の2割が「過失相殺」として減額されていたが、控訴審判決ではこれを不当と判断し、被告側に2000万円の追加支払いを命じた。

 一方で、被告人である上司2人には、地方公務員であることから国家賠償法を適用し、損害額の個人請求を認めないとする判決を下した。一審では元上司2人の個人の責任を認めて元上司と病院が連帯して8012万9536円の損害賠償を支払うよう命じていた。

 広島高裁の判決についてA氏の両親は、一審で言及された「過失相殺」が否定されたことを評価しつつも、上司2人の個人責任が認められなかったことについては、「公務員であれば業務遂行のために暴行しても問われることがないという判決には憤りを感じる」と言明した。原告側弁護団の岩城穰氏は「今後、上告するとなれば、国賠法の適用部分について申し立てることになるだろう」と語った。

過失相殺は否定するも、国賠法の適用範囲が論点に
 昨年5月の一審判決では、医師として疾患の知識があるA氏がうつ病発症の可能性を軽減する行動をとっていなかったことや、精神疾患を専門としていない元上司らが即座に対応するのはやや困難な状況にあった点、周囲の人間が「大丈夫か」と尋ねた際に「大丈夫」と答えていた点、知人や地縁のない土地への初めての転居・勤務であった点――などから、認定した損害額(死亡慰謝料、死亡逸失利益など)の2割を「過失相殺」として減額していた。原告側は、この過失相殺を不服として控訴に踏み切っていた。昨年9月には控訴審第1回口頭弁論が開催され、今年2月が和解期日だったが、原告であるA氏の両親は和解に応じない意思を伝えていた

 今回の控訴審判決においても、過重労働とパワハラが原因でうつ病を発症し、自殺に至ったという点については、一審と同様に認定した。判決では、「心身の極度の疲弊、消耗を来たし、うつ病等の原因となる長時間労働を強いられていた上、医師免許取得から3年目、整形外科医として大学病院で6カ月、市井の総合病院で1、2カ月というA氏の経歴を前提とした場合、相当過重であった」と指摘。「上司2人らからのパワハラを継続的に受けていたことが重層的、相乗的に作用して一層過酷な状況に陥った」と評価した。

 また、A氏が自殺した原因について被告側は、具体的なエピソードを挙げるなどしてA氏の能力不足を主張し続けてきたが、控訴審判決ではこれら一つひとつのエピソードに触れた上で、「同程度の職務経験を有する医師と比べて、特別にミスが多いとか、格別能力が劣っていたとまで推認することはできない」と指摘した。

 一方で、一審では認められた上司2人の責任については、地方公務員であることから国家賠償法が適用され、個人責任を問わないという判決となった。上司2人らが地方公務員であることから、「民間の雇用関係とは異なり、“公権力の行使”に該当する」として個人への賠償責任請求は行われないという判断だ。これについて岩城氏は、「公務員であっても、実態は民間病院と変わらない。公務員であるという理由で、パワハラがあっても上司は責任を問われないという判決結果は、非常に問題だと感じている」と話している。

この件に関しては以前にも取り上げたことがあるのですけれども、明らかに過労死基準を超える労働を強いていながら「医師だったら自分の健康管理くらい自分で出来るだろう」とでも言いたげな判決に多くの方々から批判の声が寄せられていたところで、例えば消防隊員が火災現場に飛び込んで運悪く亡くなっても「この火災規模なら焼け死ぬと言う知識はあったはずだ」などと言われたのでは、誰も命がけの消防活動に従事できなくなりそうです。
そう言う意味で基本的にこの種の労災的事例に関しては被害者救済的な判決にしておく方がいいと言うことなのかとも思うのですが、少しばかり話がややこしいのはそれが上司の管理責任を問うと言うこととも絡めて争われていた店で、民間病院であれば上司のパワハラが問題になっていただろうに公立だからスルーされると言うのではやはりご家族ならずとも釈然としない話ですよね。
ただ実際にパワハラ行為があったのであれば病院側が自ら職員に内規に従っての処分を下すのが筋であって、その時点でそもそもパワハラの実態も当然知っていただろうに放置してきた病院自身の責任も問われるべきである一方で、何かトラブルがあったときに組織として職員を守らない体制ではぎりぎりの局面での仕事は出来ないと言うのも、公立民間を問わずこれまた組織の正論と言えるのではないかとも思います。
前置きがいささか長くなりましたけれども、この個人としてどう責任を取るべきかと言うことが問われている一例として、最近は医学部の学生教育も昔のような牧歌的なものではなくなってきているようですが、その一方で定員増加など様々な要因から医学部学生の質的低下も問題視されるようにもなっている中で、先日こんな記事が出ていたことを紹介してみましょう。。

医学生の試験成績が悪いのは教授のせい!?(2015年3月15日日経メディカル)

 教授の仕事は、教育・診療・研究が3本柱。現代の世相を反映して、これらの負担も増加する傾向にある。

 まず教育。特に医学生への教育の負担が高まっている。私立大学教授のA氏が指摘するのは、「『医学生への教育』が教授の評価項目になった」ということだ。A氏の大学では、講義を医学生が評価する「授業評価」を導入している。声の大きさ、内容の分かりやすさ、板書の見やすさ─などがチェックポイントで、授業評価が悪ければ大学から教授が改善指示を受けるのだという。

 医学生のテストの成績も、教授の評価項目に加わった。業者が実施する模擬試験でA氏が担当する分野の成績が悪い場合はもちろん、A氏が作成したテストの成績が全体平均で3割を切ると、「テストの問題が良くなかったのでは」と大学側から指摘されるのだ。「そもそも自分が学生の頃は、教授が授業のテーマとは全く関係のない研究の話をしても、試験の成績や国家試験の合格率が悪くても、『医学生が勉強しなかった』と皆考えたし、誰も教授に文句を言わなかったのだが……」とA氏は憤る。

 また、実習の負担増を挙げるのは、別の私大教授B氏。「以前はただ見学させていればよかったが、今は医学生がポートフォリオを作成したり、回診時にプレゼンをしたりする。それらをチェックしコメントしなくてはならないのは負担だ」と話す。

 さらに今の時代、医学生の親から教授にクレームがつけられるようにもなった。私大では、年間授業料が700万円近くに上るところもあり、留年したときの親の経済的な負担は大きい。「留年させたことで、下手をすると裁判沙汰にもなりかねない。また、子どもの留年を恐れてか、一つひとつのテストの点数で『うちの子はどうしてこの点数なのか』と説明を求められることもある」と私大教授のC氏は語る。

(略)
 教授は、こうした多彩な仕事を器用にこなせなくては務まらなくなった。東京医科大学腎臓内科学分野主任教授の菅野義彦氏は、「一昔前までは研究に専念してきた人が教授に選ばれたが、今はスペシャリストではなく、教育・診療・研究の全てがそこそここなせるジェネラリストが求められているのではないか」と話している。
(略)

医学部教授と言えば実態はともかく形の上では医学部教育のために雇われている存在であるわけですから、学生教育の実が勤務評価に反映されていなかったことの方がむしろおかしいと言う話なんですが、学生教育そっちのけで自分の研究に没頭したりだとか、あるいは大学病院側の仕事ばかりで学生の相手は部下任せと言う方もまあいらっしゃったのは確かだとは思いますね。
ただこの点で少しばかり同情すべきなのは教授選考の過程で学生教育にどれだけ情熱と実績があるかが問われると言うことがほとんどない中で、教授に就任した途端にそれを重視されると言うのもおかしな話なのではないかとも思うのですが、臨床系講座のトップなのに実験屋で手術一つ出来ない教授もどうかと言うことで臨床能力が重視された選考も行われるようになったくらいで、いずれこれも変わってくることなのかも知れません。
一般論として管理職の最大の業務は責任を取ることであると言う考え方もできるわけですが、ただ学生の成績が悪いのは学生自身の問題ではないか?と言う指摘ももちろんあって、昨年広大で追試験を受けた学生120人全員が不合格になった事件が「そもそも何故ほとんど全学生が追試験を受験することになったのか?」と言う点からも大きな話題を呼んだように、医師を目指すなら自ら学ぶ資質は必須だろうと言う意見もあります。

教育機関なのですから学生にきちんとまともな教育を施す責任があるのは当然として、教育がまともであるのに落ちこぼれていく学生の面倒をどこまで見る責任があるのかと言う議論でもあるとすれば、予備校等であればともかく大学とは自ら学ぶ場であって、勉学を強いられる場ではないだろうと言う考え方はもちろんその通りなんですが、実際的に医学部と言う組織は昔から医師予備校的な役割を果たしてきた現実もありますよね。
この点で学部卒業と言う資格がその後の職業人として働くために必須のものである医学部を他学部と同列には語れないと言う考え方もあると思いますが、今後医師不足が解消し医師余り現象が起こってくるようにでもなれば無理に学生を(原則)全員国試合格にまで持っていく必要はないのですから、一部私学で行われてきたような留年退学当たり前という厳しい学生の選抜が当たり前になっていくのかも知れません。
もちろん究極的には医学部と言う閉鎖的な世界を通過してきたことを国試受験の必須条件とすべきではないと言う議論もまた有りかとも思うのですが、今のところ医学教育の成果は単純なペーパーテストの類できちんと評価することは難しいと言われているし、世間もそれを是としているらしい以上試験に通れば誰でも医師と言う方向に改革が進んでいく見込みは当分なさそうですよね。
しかし考えてみれば二昔ほと前には白い巨塔だなどと医学部と言うところはひどく閉鎖的、かつ世間の常識も通用しない魔窟か人外魔境かと見なされていたし、事実世間の常識は医者の非常識と言う部分は良くも悪くもあったわけですけれども、その非常識な考えに染まることが医師としての必須条件であるとでも言いかねないような制度があると言うのは、医学教育の社会的責任を考えさせる話ではあるでしょう。

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2015年3月22日 (日)

今日のぐり:「萬福食堂」

しばしば報じられる系のニュースと言えばその通りなんですが、先日こんな珍事があったのだそうです。

授業でわいせつ画像 横浜市の中学校で(2015年3月11日カナロコ)

 横浜市教育委員会は11日、市立中学校の1年生の授業で40代の男性教諭がパソコン操作を誤り、約10秒間わいせつな画像がテレビ画面に映し出された、と発表した。
 市教委によると、男性教諭は10日の1限目の理科の授業で私物のパソコンを使用。宇宙に関するDVDを見せようとして操作を誤り、上半身裸や下着姿の女性の画像などが掲載されているインターネット画面が約10秒間、パソコンと接続したテレビに映し出された。
 教諭はすぐに生徒38人(男20、女18)に謝罪。その場では騒ぎにはならなかったが、授業終了後に「気持ち悪い画像だった」などと話す生徒もいたという。
 同校では翌11日に全校保護者説明会を開き、謝罪。私物パソコンの使用は禁止されており、西部学校教育事務所は「このような不適切な事案が起こったことは極めて遺憾」とコメントした。

しかし半裸や下着姿を気持ち悪いとまで言わせる画像とは具体的にどのようなものであったか興味も湧くところなんですが、いずれにしてもその瞬間の教室に流れた気まずい空気を感じさせますよね。
今日は思いがけない人生経験を積んだ中学生達を激励する意味も込めて、世界中から見た瞬間思わず思考停止してしまいそうな非日常的光景を伝えるニュースを紹介してみましょう。


ポテチ開けたらいも丸ごと1個、購入者「自分で作れってことか(笑)」。(2015年3月15日ナリナリドットコム)

ポテトチップの袋から、丸ごとのじゃがいもが出てきた――。そんな経験をした男性がいるという。

この男性は英サフォークにあるスーパーマーケット「アルディ」でステーキ&オニオン味のポテトチップを購入したが、油にまみれたじゃがいもが出てきた時には驚きを隠せなかったと語っている。
「ポテトチップの袋を開ける時に、いつもの音じゃないということに気づいたんです」
「それで袋をさかさまにして出してみたら、油ぎったじゃがいもが私のデスクにゴトッと落ちてきたんですよ」

この男性はそのハプニングについて、同僚と「最近は自分でポテトチップを作れってことなのかもな(笑)」と笑い話にした後、写真をアルディ社のツイッターに送ったそうだ。
アルディ社の広報はこの一件について、全額返金を約束している。

そのフリーズしてしまいそうな状況は画像を参照頂くとして、しかし明らかに重量オーバーでしょうにこういう事故が起こり得ると言うのはポテチの袋詰めシステムとはどのようになっているものなんでしょうね。
昨今何かと話題になりがちなあのテロ集団に関して、こんなびっくりニュースがあるようです。

アラブ婦人「イスラム国」戦闘員らを強く叱る(2015年2月14日ロシアの声)

イスラム教徒の年配の女性が、自分の村を占拠した「イスラム国」の戦闘員らを、平和を説くコーランの一節を引用しながら強く叱りとばし「テロを行うものは必ずや呪われるだろう」と述べた。その様子がネット上に紹介されるや、この女性は一躍「スター」となった。新聞「The Daily Mirror.」が報じた。

報道によれば、この女性がアサド大統領に言及していることから、映像が撮られたのは、シリア国内だと見られる。

女性と戦闘員らとの映像は、彼女が彼らを悪魔と呼び「アラーのもとに戻るよう」求める場面から始まる。 女性は「人殺しは罪である」と述べ「そうした行為はすべて神とは関係ない」と断じ、次のように続けた―

「お前達は、まるでロバのごとく互いに殺し合っている。『イスラム国』の連中は、決して天国に行かれない。」

なおこの年配の女性がどうなったかは、明らかではない。

これは是非動画を参照頂きたいのですが、しかし凍り付きそうな状況の中でずいぶん言いたい放題な老嬢のその後が気になりますね。
同じくこちらも暴力を目前に皆が凍り付く中で、意外な人物が意外な行動に…と言うニュースです。

エルサレム市長、男性刺した男にタックル 容疑者逮捕(2015年2月23日朝日新聞)

 イスラエル・エルサレムの市庁舎近くで22日、パレスチナ人の男(18)が通行人を刺す事件があった。通りかかったバルカット・エルサレム市長(55)が男にタックルし、取り押さえた。男はその後、逮捕された。地元メディアなどが伝えた。

 男が交差点で男性を刺した後、別の通行人に襲いかかろうとしたところ、市長らが近づき、タックルする様子が監視カメラに映っていた。市長は「ボディーガードが銃を向けたところ、男が刃物を落としたので、すぐにタックルした」と語った。被害者は命に別条はないという。

 バルカット氏は軍のパラシュート部隊に所属したことがあり、2008年に市長に選出された。(エルサレム=渡辺丘)

一体何があったのかと言う話なんですが、しかしこれは地上最強の政治家の地位を奪還しようとする意志の現れと受け止めるべきなのでしょうか。
こちら別の意味で近寄りたくないと言うのでしょうか、ともかく意味不明で思わずフリーズしてしまうだろうニュースです。

全裸男が駐車場で大暴れ!全速力で頭から車に突っ込み、ボンネットに飛び乗る(2015年3月16日Aolニュース)

アメリカで起きた「全裸の男性が駐車場に駐まっていた自動車のリアウィンドウに突っ込む」という前代未聞の事件が「意味不明すぎる」と話題になっている。

3月7日(土)の23時頃、米カリフォルニア州・アナハイムの複合型集合住宅の駐車場で、ガレット・スミスさん(21歳)が全裸でミニバンのリアウィンドウに突っ込むという事件が起こった。
駐車場の監視カメラの映像には、全裸の男性がなぜか駐車場を全速力で走り、そのままの勢いで駐車してあったミニバンのリアウィンドウに頭から突っ込む様子が捉えられている。
この全裸ダイブの衝撃はすさまじかったようで、逆さまに転がり落ちて地面に投げ出されたスミスさん。しかも、隣に駐車していたクラリサ・ヴィドリオさんはその様子に驚き、慌てて車を急発進させたところ、勢い余って隣の家のフェンスを破壊してしまった。
さらに、ぶち破ったガラスによって流血状態のスミスさんがヴィドリオさんの車のボンネットに飛び乗ってきたため、恐怖でパニックに陥った彼女は再び急スピード発進。駐車場内で例のミニバンに衝突してしまったというから、もはや現場はドリフ並みのハチャメチャ状態である。

映像には、車から投げ出されたスミスさんが駐車場の隅にグッタリと倒れる様子が映っている。この後、ヴィドリオさんは911番に通報したとのことだが、汗と血だらけで再び駐車場を走っているスミスさんを別の住人が目撃。最終的に現場から約1.5キロも離れた場所で捕まり、病院に搬送されたらしい。ネット上でも、謎の全裸男によるドタバタ事件に注目が集まっている。

一体何が起こったのかと言うその状況は動画を参照頂きたいのですが、しかし何なんでしょうねこの事件は。
最後に取り上げますのはご存知ブリからの話題なのですが、実際に自分が経験するとなると果たして何秒間の金縛りが続くかと言うチン事件です。

英国 スーパーで果物を買った50歳の男性、身分証明書の提示を要求される(2015年3月4日新華ニュース)

英紙「デイリー・ミラー」の報道によると、イギリス・カールトンでTony Morris氏(50)がチェーンスーパーから1袋の堅果と2本のバナナを買って会計した際、身分証明書の提示を要求された。彼の買った商品を使えば、アルコールを作ることができることからだ。

Morris氏は現地の住宅協会のマネージャーだった。数日前にテスコから2本のバナナと1袋の堅果を買い、レジスターが商品の登録を終えた後、赤信号がともり、ディスプレイは年齢を確認する必要があると表示していた。Morris氏は「まったくわけが分からず、気まずい」という。

スーパーのスタッフや警備員は「この2種類の食物によりアルコールを製作することを防ぐためだ」と説明した。

イギリスで3月初めに女性のKate Lancasterさん(37)はプリマス市のテスコでスイカと葡萄を買ったが、満18歳以上かどうかを確認するため、身分証明書の提示を要求された。スタッフは、顧客による酒の醸造を防ぐためであり、これは新政策だという。

いやしかしイモだの米だの麦だの様々な減量からアルコールを造ることは可能であると思うのですが、ブリでは各種食料品に対してこうした対応をしているのでしょうかね?
それだけ顧客による酒の醸造が多いと言うことであれば大変なことですが、しかしブリにおいても酒くらい売っているでしょうにね?

今日のぐり:「萬福食堂」

その存在は認識していながら思わず入るのに躊躇してしまう店と言うのは結構あるものですが、もはやその存在自体が伝説級とも言われるのがこちらのお店です。
どれくらい伝説級なのかはまずその外観から各自ググってみていただくとして、こういう店が長年続いているところを見るとよほどに隠れた名店か、それとも…と思ってしまいますよね。

今回心強い?同行者を得てうわさの同店に初めて侵入してみたのですが、敢えて外観に突っ込まずとも豚臭が強い店内を一望するだけで味があるなんてもんじゃないと言いますか、そもそも壁が電話番号書き放題状態なのは何なんだろう?と疑問符だらけですよね。
とりあえずもっとも高価格のメニューである特上ラーメンを頼んでみたのですが、基本のラーメンにもやし増し、焼き豚増しと言うのがその正体であるようで、まずは山盛りになったもやしトッピングが目につきます。
古くから続く店らしく今どきの店に比べるとスープは薄いんですが、醤油ダレがやや強めながら味のバランスはちゃんと取れているし、この種の超老舗によくある茹ですぎで伸びきった麺でもありませんから、特に身構えずともあっさり醤油ラーメンとして普通には食べられるかと思います。
ちなみにスープ自体は鶏ベースであるようで、店内に漂う匂いの原因は名物っぽくカウンターに並べてある焼き豚にあるようなんですが、味はよく染みて脂トロトロで飯にも酒にも合いそうなものなんですが、妙に焦げ臭いような風味が少しばかり気になりました。

昭和以来続いているあっさり醤油というのは今やそれなりにレトロ感もあると思うのですが、今どき平食くらいでしか見ないワンカップのコップなど突っ込みどころ満載感も含めて考えると、本来こういうお店はあまり下情報を仕込まずに飛び込んで見た方が楽しめるのかも知れませんね。
ちなみにメニューはラーメン以外にはおでんと飯くらいでこれで食堂と言っていいのだろうか?と思っておりましたら、訊くところでは以前は本当に食堂だったようですが現在ではワンオペとなることもあり、やはりお話を伺う限りでも現状で手一杯と言う感がありそうです。
接遇は全くもってご近所のおじちゃんおばちゃんのノリで、また実際に見ている限りでは顧客はご近所さんが主体のようだしこれでいいんだと思うのですが、部外者にとってもこういうお店を話のネタに一度くらいは経験しておいても悪くはないかなと思いますし、実際そういう一見客も来るからこそ今も続いているのでしょう。

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2015年3月21日 (土)

犯罪行為を厭わずネットの危険性を追求する朝日

先日ダイヤモンドオンラインに、匿名掲示板に書き込みをした件に関して後日照会を受けた実例についての記事が掲載され興味深く拝見したのですが、基本的に匿名掲示板なるものは実際には全く匿名ではないし、ましてや悪質なサイトによっては匿名風を装って積極的に個人情報を搾取することすらあり得ると言う認識は持っていた方がいいだろうと思います。
情報セキュリティのリスクに関しては近年ハードウェアレベルも含めて各方面でもたびたび話題になっていることで、何が危ないのかと言う情報はある程度末端利用者も把握しておかないと何が起こるかも判らないと言うことになってしまいますが、先日もデファクトスタンダードとも目されつつあるSNSアプリに関してこんな気になる記事が出ていました。

「LINE」に深刻な脆弱性 外部から全トーク履歴を抜き出される危険性あり(2015年3月16日サイバーインシデントレポート)

全世界で5億人以上が利用しているメッセージ・アプリ「LINE」に深刻なセキュリティ脆弱性が存在していたことが判った。この脆弱性を悪意ある攻撃者に突かれると、利用者のスマートフォンに保存されているLINE内のトーク履歴や写真、友達リストなどを外部から不正に抜き出されたり、改竄される恐れがある。LINEは3月4日に、この脆弱性を修正したバージョンを緊急リリースしている。利用者は自身のアプリが最新版にアップデートされているかどうかを至急確認したほうがいいだろう。

この脆弱性はサイバーセキュリティ・ラボのスプラウト(本記事掲載の『サイバーインシデント・レポート』発行元)が発見し、1月30日にソフトウェア等の脆弱性情報を取り扱うIPA(独立行政法人情報処理推進機構)に報告したものだ。IPAから2月2日に脆弱性の通知を受けたLINEは、2月12日に脆弱性の一部についてサーバー側で対策。3月4日のアップデートで、アプリケーション側の抜本対策が完了したとしている。

LINEは詳細を明らかにしていないが、今回見つかったのは「クロスサイト・スクリプティング」と「マン・イン・ザ・ミドル(中間者)」と呼ばれるサイバー攻撃の標的になる複数の脆弱性だ。これらの脆弱性は、LINEがインストールされている「iPhone」や「Android」搭載の主要なスマートフォン上で確認されており、多くの利用者が危険な状態に置かれていたと言える(最新版にアップデートされていなければ現在も危険な状態だ)。

この脆弱性がある状態で前述の攻撃を受けると、LINE内で不正なプログラム・コード(JavaScript)が実行され、攻撃者が内部のデータに自由にアクセスできてしまう。非常に深刻なのは、攻撃者がアクセスできるデータの対象が広範囲なことだ。対象となるデータは、LINE内の全トーク履歴、写真、友達リスト、グループリスト、認証情報、プロファイル情報、位置情報に及ぶ。つまり、LINEの利用者が「安全」に保存されていると信じている殆どのデータが、実は危機に晒され続けていたことを意味する。影響がここまで広範囲に渡ったのは、攻撃者がJavaScriptを使って内部の様々な処理を実行できる仕様になっていたためだ。

想定される攻撃手法は大きく分けて2つある。ひとつは、攻撃者が駅やカフェといった公共の場所に偽の無線LANアクセスポイントを設置し、そこに不用意に接続した利用者がブラウザなどからインターネットに繋いだ瞬間に、前述のサイバー攻撃を仕掛けて不正なプログラム・コードを実行させるというものだ。あとは、それに従いLINEが動作すれば、いくつかの処理を経た後に利用者のLINEデータが攻撃者のサーバーに送信される。

もうひとつは、攻撃者がターゲットとする利用者に複数の「友だち申請」を行い、その「名前」に不正なプログラム・コードを埋め込む手法だ。その状態で、メッセージやリンクなどを通じて不正なプログラム・コードが実行されれば、後は同じように利用者のLINEデータが攻撃者のサーバーに送られる。名前やグループ名にプログラム・コードを埋め込まれないよう回避策を取るのはセキュリティ上必須だが、LINEにはそこに漏れがあった。

今回見つかった脆弱性は最新バージョンで修正されたものの、今後また似たような脆弱性が出てこないとも限らない。LINEに限らず、利用者がこういったサイバー攻撃から身を守るには、不用意に運営元が分からない公衆無線LANに接続しない、SNS(ソーシャル・ネットワーキングサービス)などで見知らぬ相手と繋がることを避ける、不審なリンク先に接続しない、重要なデータは安全性が確認されていないアプリやサービスではやり取りしない、といった基本的な自衛が必要だ。とはいえ、利用者側の自衛には限度がある。多くの利用者を抱えるLINEの様なサービス事業者には、多様化するサイバー攻撃から利用者を守るための様々な対策が求められる。

記事を読んでいただいても判る通り、東京五輪等々も見越して近年普及が進んでいる公衆無線LANの類はセキュリティリスクを考える上では非常に危ないものであると言う認識が必要ですが、悪質なアクセスポイントでは通信内容を抜き取ったりウイルスを仕込んだりと言ったこともあるようですから、銀行情報などを抜かれると無料で使い放題と喜んでいたのにかえって高くつくと言うことにもなりかねませんよね。
もちろん匿名掲示板やSNSなどでは利用者本人が無自覚なまま個人情報を発信してしまうと言うリスクの方がはるかに高いわけで、気楽に写真などを投稿していると大変なことになりかねないのは馬鹿発見器に絡んだ炎上騒動のたびに実感されるところですが、最近この方面で問題視されているのがウェブカメラの危険性だと言います。
公共の場に設置されたカメラでもパスワードさえ設定されずに映像が垂れ流しと言うケースが思いの外多いそうなのですが、この問題を検証した先日の朝日新聞の記事が思わぬことで話題になっているようです。

朝日新聞がウェブカメラのセキュリティを指摘し実際に検証 「不正アクセスじゃないのか」と問題に(2015年3月16日ゴゴ通信)

朝日新聞が“ウェブカメラ、ネットで丸見え3割 パスワード設定せず”という見出しで市販のセキュリティウェブカメラに侵入出来てしまうという記事を公開した。記事によると購入時のままの設定だとIPアドレスを入力するだけでカメラにアクセスし、カメラ映像を閲覧出来るだけでなく、操作もできてしまうと言う。

実際にとある美容室のウェブカメラに進入し検証している動画が朝日新聞に公開されている。その美容室の映像は許可を得ているとして、そのほかにも2163台のネットワーク接続されているウェブカメラの内、769台がパスワードを設定していないと公表。その方法とは「朝日新聞は昨秋以降、これらのIPアドレスを無作為にたどる方法で調べ、約125万のアドレスを抽出」と書かれている。

これが不正アクセスではないのかと指摘されている。つまり実際にウェブカメラに侵入し、その数を公表。
不正アクセスとはIDとパスワードを不正に利用した場合に使われる言葉に思われがちだが、本来はIDとパスワード関係無くプロトコルごとに認証機能の有無では判断しないという判例が出ている。つまり今回の朝日新聞の調査も不正アクセスに該当するのだ。つまり管理者の想定外のアクセスを不正アクセスと見なすのが一般である。

ちなみに朝日の元記事ではわざわざ「今回の調査は公益性があり、意義深い。」と言う識者談話まで掲載しているくらいで、「公共性もあって意義もあるんだから正当化されるでしょう?」と言う朝日の見解が示唆されるところなんですが、この種の犯罪行為も厭わない取材スタイルはKY事件等でも見られる通り、朝日の伝統と言っていいやり方と言う意味では意外性はない話ですよね。
ちなみに同じく識者談として「相手が同意していないのにカメラで顔を撮影する行為は、原則として肖像権・プライバシー権を侵害します。犯罪捜査が目的として許される場合でも、現行犯や濃厚な嫌疑がある相手などに限定されるというのが裁判所の考え方です。」と書いているのですが、この裁判所の考え方と言う視点で見ると不正アクセスに関しても興味深い司法判断がでています。
京大の研究員がコンピュータソフトウェア著作権協会のサイトに脆弱性を発見、個人情報を引き出せることをセキュリティイベントでプレゼンしたと言う一件で不正アクセス禁止法違反で起訴され、こちらも「プログラムの修正を促し、ネット社会の安全性を高めるため」だと言う被告の主張は退けられ検察の主張をほぼ全面的に認めた有罪判決が下されています。
検察側がサーバ管理者に脆弱性を知らせる前にプレゼンで手法を公開したのは「いたずらに摸倣犯を増やすだけで正当な問題指摘とはいえない」と主張したことが判決でも認められた点から類推するに、今回の朝日の記事においても同じロジックが成立するかとも思いますが、この場合朝日としてはまず無作為抽出したカメラの所有者一人一人に問題点を指摘し、対策を促してから記事にすべきだったと言うことでしょうか。

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2015年3月20日 (金)

子供にあいさつをしてはいけない?

近年実生活とネット社会とを問わず話題になりやすいのが俗に言う声かけ事案と言う問題で、特に続発する子供相手の犯罪を警戒してか小児相手の声かけ事案に関しては広く地域で情報共有されるべきだと言う考え方は判るのですけれども、先日は「いくらなんでもそれはどうなんだ?」と各方面から絶讚突っ込まれ中のこんな声かけ事案が発生したそうです。

小金井警察署(子ども(声かけ 等))(2015年3月13日警視庁)

3月13日(金)、午前10時40分ころ、国分寺市本町4丁目の公園内で、園児が遊んでいたところ、男に声をかけられました

■声かけ等の内容
無言で園児に近づいてきたもの。

(不審者の特徴については、60歳代、160cm 位、黒色っぽい上衣、黒色っぽいズボン、帽子、ホームレス風、徒歩)
(略)

無言で声かけをすると言う超絶行動ぶりがあまりにハマッたと言うことなのか、ネット界隈では「エスパーktkr」と大受けしているようですけれども、想像するにホームレス風の方が近づいて来たと言うだけでは様々な意味で問題化しにくいので、声かけ事案と称して広報しているのかと言う気もしますがどうでしょうね。
この声かけ事案問題に関しては以前にも当「ぐり研」で迷子らしい泣いている子供を見かけたものの、声かけ事案扱いされることを懸念して非常に徹底した対応を取った男性の行動が話題になっていたことを紹介しましたが、もちろん警察から情報が出されるケースの大多数は素人目にもあからさまに普通ではない、あるいは率直に変質者と言うしかない方々であると察せられるものです。
そうは言っても一部では「それはどうよ?」と疑問符がつくケースもこうして情報発信されてしまうと言う点も気になるわけで、実際に先日もこんなケースが議論を呼んでいたことを紹介してみましょう。

子供へ声かけ ついに挨拶もNGに(2015年3月26日webR25)

東京の赤羽警察署が、公園で遊んでいた児童に「さようなら」と声をかけた40代の男を不審者情報としてホームページに掲載し、驚きの声が寄せられている。

全国の警察は、子どもを犯罪から守る防犯パトロールなどに活用するため、「声かけ」「つきまとい」「公然わいせつ」「ひったくり」といった、地域で発生した不審者情報を登録者にメールで配信しており、あわせてホームページにも掲載している。しかしそれらのなかには、

「帰宅中の女子児童らが、青色トラックから降りてきた男から『あのー』と声をかけられる」(2010年6月 長崎県警)
「女子学生の後ろを、男が同じ方向に歩いていた」(2012年12月 小倉北警察)
「児童が遊んでいたところ、男に声をかけられました。声かけ等の内容・そんなことじゃ、日本代表になれないぞ」(2013年6月 野方警察署)

など、不審者なのかどうかが疑わしい内容のものが含まれているのも事実。それらはしばしばネットで話題となってきたが、3月12日に登場したのが以下の「声かけ」だ。

「3月11日(水)、午後3時50分ころ、北区神谷2丁目の公園内で、児童が遊んでいたところ、男に声をかけられました。
声かけ等の内容
さようなら
不審者の特徴:40歳代、160cm 位、やせ型、短髪茶色、茶色っぽいジャンパー、黒色っぽいズボン、マスク、徒歩」

この「声かけ事案」は、ツイッターでも話題となり、
「これはええやろww」
「とうとう日本の男性はあいさつさ出来なくなったんだな…」(原文ママ)
「都内では挨拶しただけで不審者になるのか?」
「一体、日本はどうなっていくのかな?」
という声が登場。さらには
「子供が倒れていたとしても保身の為に無視せざるを得ないような時代がくるよ」
「女性と子供は死に掛けてて助けを求められても、放置しないと不審者
と、先々を憂う意見まで寄せられた。

“事件”が発生した東京都北区は、地域環境浄化活動の一環として、「青少年健全育成のための地域環境づくり推進活動(あいさつ運動)」を行っており、内閣府が唱える「子ども・若者育成支援強調月間」である11月には、「あいさつ運動」と銘打って毎年さまざまなキャンペーンを実施しているという。
今回提供された情報だけでは、「さようなら」がどのようなシチュエーションで発せられたのかを知る由もないが、子どもへのあいさつが不審者情報に掲載されたことは、多くのネットユーザーにとって驚き以外の何ものでもなかったようだ。

記事にもあるように全国各地域でむしろ子供には積極的に声かけしよう、地域全体で子供を守り育てようと言う運動も展開されている中で、このニュースをどう解釈すべきか迷うと言う方々も少なくないと思いますが、声かけに限らず遊んでいた子供が転倒して泣き出したところに声をかけたところ、たまたま親がやってきて不審者扱いされたと言う経験は結構多くの方々があるのだと思います。
その場合にもちろん地域のコミュニティー内で顔見知りであるとか、あるいはきちんと無理なく状況説明出来るのであれば何らトラブルにはならない場合が大多数だと思いますが、何しろ引きこもりや草食化等々個人と社会との関わりにこれだけ支障が出ていると言われる時代ですから、思いがけない誤解を受けた結果警察から注意を呼びかけられてしまうと言うケースもあるのかも知れません。
こうした情報が発せられる基準として客観的異常性などももちろんですが、当の子供が恐怖や不安を感じたかどうかも重視されるようで、実際にこれだけの情報ではどのような状況での事案だったのか何とも言えませんけれども、そうであるからこそこれだけ議論にもなり過剰防衛にもつながりかねないのですから、何故情報共有の必要性を感じたのか?と言う状況説明についても併せて記載してもらいたい気はします。
そうは言ってもこうした時代ですから、その何となく不安を感じたと言う部分において差別反対だとか人権侵害だとか各方面からクレーム殺到と言う事態も予想されるところなんですが、お隣中国では転倒した老人を手助けした人が逆に慰謝料を要求されたなどと言うトンデモ事案が発生して以来誰も倒れた人間に手をさしのべなくなったと言うくらいで、情報拡散が広く速いだけに社会の反応もまた過激になりがちだと言う認識は必要でしょう。

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2015年3月19日 (木)

特定看護師制度も10月に始まる

10月開始が決まっている医療事故調は未だに反論噴出でいっそ座長を解任すべし!などと言っているそうなんですが、その医療事故調と並んでこの秋の目玉としてかねて異論も多いと言うのが例の特定行為と言うもので、10月に実施を控える今の時点でようやくシステムに関する議論もまとまりつつあるようです。

特定行為、「専門性発揮できるよう推進」- 日看協、制度への活動方針など提示(2015年3月13日CBニュース)

保健師助産師看護師法に規定する看護師の特定行為とその研修に関する厚生労働省令が13日に公布されたことを受け、日本看護協会(日看協)は同日、10月から施行される「特定行為に係る看護師の研修制度」で、看護師が専門性を発揮できるよう研修を推進する方針を示した。【松村秀士】

日看協は、研修を修了した看護師が医療現場などの期待に応える役割を果たすために、「充実した研修体制の構築や安全性の担保が不可欠」と指摘。研修体制を構築するために、大学院以外での研修では、大学院との単位の互換やeラーニングといった多様な教育方法を活用するほか、安全性を担保する観点から、看護師に必ず研修を受講するよう働き掛けるとしている。

また、在宅や救急、皮膚・排泄ケア、感染管理の領域では、「必要な(特定)行為区分を組み合わせたモデルカリキュラムを作成し公表する」とした。制度の開始に合わせ、当面は特定の看護分野で熟練した技術や知識があると認められた「認定看護師」にも研修を実施する方針だ。

患者1人に手順書1通、看護師の特定行為 厚労省令を公表、研修免除の規定も(2015年3月17日m3.com)

 今年10月から始まる看護師による特定行為の実施制度について、保健師助産師看護師法に関する厚生労働省令が、3月13日の官報に掲載された。対象となる特定行為は38項目で、その実施に当たっては、「基本的に患者1人に対して1通」(厚労省医政局看護課)の手順書を定めることが盛り込まれている。さらに、研修を実施する医療機関に、「特定行為研修管理委員会」を設置することを求めているほか、研修の免除についても言及している。今年度内に、より細かい項目を定めた通知を出す。研修施設は4月から募集する。

 制度では、医師らが看護師に特定行為を実施してもらうための指示として、手順書を作成することになる。手順書に盛り込まれるのは「病状の範囲」「実施する行為の内容」「対象患者」「医師らへの連絡体制」など。実施行為については、38項目から1つ以上を選択する形式となる。

 手順書には「対象患者」が盛り込まれるが、厚労省看護課は、「基本的に、手順書と患者は1対1」になるとの見解。ただ、施設ごとにフォーマットを定めて運用することを想定していて、同課は「患者ごとに一から手順書を作ることにはならないのでは」としている。

 看護師が受ける特定行為の研修は、共通の内容(315時間)と、特定行為ごとの内容(21時間から72時間)という2段階構成。研修内容については、「既に履修した科目については、その時間数の全部または一部を免除することができる」との内容が盛り込まれている。研修の免除の判断主体は、研修施設

 現時点で、研修を受けていないものの、特定行為を実施する知識や能力持つ看護師については、「行為ごとの研修内容には、(技術や知識の)確認があり、『全部免除』にはならない」(厚労省看護課)という。

 研修施設には、「特定行為研修管理委員会」の設置を求めている。メンバーは、「研修の責任者」「事務処理の責任者」「研修機関以外に所属する医療職種」。研修の責任者について、医療職種であることを条件とはしていない。

 また、研修を修了した看護師が働く医療機関については、報告などの規定は盛り込まれていない

まあ実際には各施設の判断が大きなウェートを占めそうな微妙な内容ではあるし、そうであるからこそ施設毎にこの制度をどう考えるかが問われることになりそうですけれどもね。
この特定行為を巡る過去の議論の流れに関してはこちらこちらを参照いただければと思うのですが、当初予定されていた各行為の中から日医の強烈な反対によって気管内挿管、抜管の2行為が削除され38行為からのスタートになると言うことで、この辺りも一部委員からは「看護師に抜管を依頼することはよくあるのに」と大いに不満の声も上がっているとも言います。
こうした声を受けて厚労省もこれら2行為を認められるように出来ないかさらに検討すると言っているようなんですが、ただ基本的には何がありで何が不可だと言う各論の議論に終始しているのはあまり意味がないと言う声もあって、きちんと研修を受けて技能を身につけ、責任体系を明確にした上で行うことであれば実際上は各施設の状況に応じてと言う形が一番妥当なのではないかと言う気もします。
先日もナースプラクティショナーを実際に導入している施設の声を取り上げたところですが、現場においては様々なメリットもあり医師の議論にも参加できる非医師のスタッフが医療現場で肯定的な仕事を果たせる点は多々あるようですから、まずは限定的なスタートで慣らしていくにしても将来的にはその業務範囲も拡大されていくことになりそうには思いますね。

ところで当面大学などきちんと研修の出来る大病院においてかなり限定的に運用が開始されると言うことで、その意味ではいわば医師が余っている職場から業務がスタートするわけですから、医師不足地域での簡易的な代用医師のような役割は少なくとも当面は期待出来そうにないと言うことが言えそうです。
かつて沖縄に存在した医介補のように精度的に準医師として利用可能となれば医療現場でどういう位置づけに置かれるべきなのか未だ議論もありますが、とりあえず現場ではいくらでも仕事はあるのだろうしいればいたで便利使いはされそうにも思いますから、今後例えば基幹病院から医師派遣と同じように特定看護師派遣と言う形で僻地診療等にも従事するようになっていくのでしょうか。
この辺りは在宅介護をしているようなケースですと、むしろ医師よりも看護師の方がケアに長じている部分もありますから適任と言う局面も多々あるかと思うのですが、いずれにしても具体的な指示を出す医師との連携あっての職種なのだろうし、このあたりは制度よりもまずチーム内できちんと尊敬を受け尊重される地位を構築することが優先される気がしますね。

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2015年3月18日 (水)

ところで「別れてくれと言う前に死ねよと言って欲しかった」ってすごい台詞ですよね

このところゴシップネタとして注目されているのがこちらの事件なんですが、容疑者の供述に対して各方面から「んなアホなことがあるかい!」と突っ込みが入っているともっぱらの噂だそうです。

准教授「殺してと言われた」大学院生殺害(2015年3月16日日テレNEWS24)

 先週、福井大学の准教授の男が教え子の女性を殺害したとして逮捕された事件で、容疑者の不自然な行動が逮捕のきっかけとなっていたことがわかってきた。捜査本部が置かれている福井・勝山警察署から最新情報を藤田大介アナウンサーが伝える。

 16日午前から福井大学大学院准教授・前園泰徳容疑者(42)の自宅の家宅捜索が行われ、午後2時半前に終了、自宅からはパソコンや段ボール箱、プラスチックケースなどが運び出された。

 この事件は、前園容疑者が12日、勝山市内に止めた車の中で、教え子で東邦大学大学院生・菅原みわさん(25)の首を絞めて殺害したとして逮捕されたもの。その後の警察の調べで、前園容疑者は「知人の女性が事故を起こし自宅から徒歩で助けに行った」と話したものの、雪が積もっていたにも関わらずサンダルを履いていたなど不自然な点が多かったことが事件の発覚につながったという。

 新たに動機について捜査関係者によると、前園容疑者は「菅原さんは死にたがっていた」「薬を飲んで苦しがっていたので助けた」「殺してと言われた」と供述していることが16日、新たにわかった。

 菅原さんは去年10月、体調不良を理由に千葉県にある東邦大学を休学し、福井に移住していた。警察では事件の背景に恋愛関係のもつれがあったとみて動機などを慎重に調べている。

もちろん若い女性が鬱症状から自殺を企図すると言うことは大いにあり得ることだし、薬物反応等々死因に関しては今後の客観的な検証結果に期待したいところなんですが、さすがにこれだけ供述内容に不自然なところが多すぎるとなると世間的な心証は悪いと言う気はしますでしょうか。
せっかく高学歴で社会的地位もちゃんとしたものがあるのに、わざわざこんな犯罪に走らなくても…と言う声もあるようですが、ここで注目したいのは「菅原さんは死にたがっていた」「薬を飲んで苦しがっていたので助けた」「殺してと言われた」と言う一連の供述から伺える容疑者の想定するストーリーで、まさしくこれは森鴎外の「高瀬舟」状態と言える話の流れですよね。
今回その動機経緯において今のところもう一つ同情や情状酌量の余地が乏しい気はするとは言え、以前から「それは仕方ない」「罪に問う方が問題」としか言えないような悲劇的な事件が時折見られてきたのが介護領域で、先日もこんな深刻な事例が報告され多くの人々の悲嘆の声を誘っているようです。

長男殺害の疑い、80歳母親逮捕 「介護疲れた」 大阪(2015年3月15日朝日新聞)

 長男を殺害したとして、大阪府警は15日、無職栢森敞子(かやもりしょうこ)容疑者(80)=大阪市旭区高殿6丁目=を殺人の疑いで逮捕した、と発表した。長男は知的障害があったとみられ、栢森容疑者は調べに対し「息子の将来を悲観した。介護に疲れた」と供述しているという。

 旭署によると、栢森容疑者は15日朝、自宅でタオルのようなもので長男の稔さん(54)の首をしめたり口や鼻をふさいだりして殺害した疑いがある。「息子を殺した」と電話で伝えられた長女(52)=府内在住=が2階居間の布団の上で倒れていた稔さんを見つけた。

 栢森容疑者は調べに「夫は施設に入っており、長男と2人暮らし」と説明。近所の女性(56)は取材に対し「旦那さんと息子さんの介護で、疲れていないか心配していました。ショックです」と話していた。(平井良和、山中由睦)

もちろん客観的に見れば各種介護サービスが利用できるだろうとか、行政なり医療機関なりに早く相談していればと言った考え方はできるのでしょうが、当事者とすれば何年、下手すれば何十年単位で身内の介護に従事し自分も年老いていく、そして今後状況が何ら良くなることはないだろうと言う未来絵図が想像できてしまうとなれば、いっそ自分の手で始末をつけて…と言う考えが浮かぶのも無理からぬものがありそうです。
近年世界的に安楽死と言う議論が盛んになっていて、実際に一部の国や地域では医学的に終末期と認定された状態等々の条件付きながら積極的安楽死が実施され始めている状況なんですが、考えてみれば自分で主体的に判断して死ぬの生きるのを決められるケースよりもそうでないケースの方が圧倒的に多いわけで、今回のケースのように身体的にはまだまだお元気(だっただろう)と思われる症例にどう対処すべきかです。
医学的な観点を離れて社会的な観点で見ても、先日シングルマザーの生活が困窮していると言う記事が出ていましたけれども、これも子供を抱えたままではフルタイムの仕事に就けない、そもそもそんな訳ありの女性に対する働き口の求人がない、そして子供を預けて働きに出ようにも収入が少ないためにコスト負担ができないと、言ってみれば手詰まりに近い状況であるようです。
少子化対策がこれだけ言われる時代に子供を産んだと言うだけで国の宝と言ってもいいと思いますが、どうも先日も書きましたように日本の少子化対策と言うものは夫婦揃って子供を育てると言うスタイルに固執していると言うことなのか、その他のケースに対して今ひとつ行き届かないところがあるようにも感じらるところで、国が動かずとも自治体レベルからでも早急な対策が望まれるところでしょうね。

お隣中国などでは長年続いた一人っ子政策の結果として人口構成が極めて歪になり今後の社会的影響も懸念されているそうですが、何より問題なのは公的社会保障が未発達な国で家族内で親を養うと言うことを前提に社会が成り立っている以上、一人っ子は何もなくとも一人で二人の親の老後の面倒を見ていかなければならないと言う、極めて高い水準での将来負担が約束されていると言う点です。
一人っ子で親族一同から甘やかされ、高学歴を積み上げて高収入の仕事に従事し十二分に親に恩返しが出来ていた時代ならともかく、今や中国社会においても大学出は当たり前、景気後退局面に入ってまともな仕事に就けるかも怪しくなってきたと言う時代になると、これは大きな社会不安が今後急速に顕在化してくるのも当然と言えば当然すぎる未来絵図でしょうね。
その点まだしも年金だ、各種の社会的支援だと精度的には整っている日本の方が同じ少子化と言う現実は同じでもまだしもマシであると言えるのかも知れませんが、それを本当に必要としている方々が制度そのものを知らない、利用出来ていないと言うことになれば意味がない話で、この辺りはどこが主体になるにせよもう少し周囲から手を差し延べていく動きが求められるところなんだと思います。

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2015年3月17日 (火)

日本全国人手不足なんだそうです

景気は良くなっているんだか全然なんだか今ひとつはっきりしない今日この頃ですが、各方面で人手不足で仕事が出来ないと言う声が聞こえるあたりからすると需要はある一方供給面での制約が大きいと言うことなのでしょう、先日はこんな記事が出ていました。

人手不足感が最高に 景気回復で、厚労省2月調査(2015年3月11日日本経済新聞)

 厚生労働省が11日発表した2月の労働経済動向調査によると、従業員が「不足している」と答えた事業所の割合から、「過剰」を引いた労働者過不足DIは正社員で2014年11月より9ポイント高い31となり、比較できる1999年2月以降で最高となった。景気回復を受け製造業、運送業、医療など幅広い業種が少子化で細る人材を奪い合っている

 同調査は3カ月ごとに行っている。これまでの最高は07年2月の29だった。

 2月はパートタイム労働者の過不足DIも3ポイント高い29となり、14年11月の26を上回り最高になった。正社員のDIが6年9カ月ぶりにパート労働者を上回り、正社員の不足のほうがより深刻になっている。「人手不足になるほど、企業は正社員の採用を増やして長く働いてもらおうとするため」(厚労省)

 正社員のDIを産業別にみると、金融業が30と19ポイント上がった。金融商品の販売が好調で求人が増えたほか、今回から信用金庫や信用組合を調査対象に加えたことも響いたもようだ。高齢化で需要が増える医療・介護も9ポイント上がって48だった。運輸・郵便業(47)、建設業(38)もそれぞれ高水準が続いた。

 パート労働者のDIを産業別にみると、宿泊飲食サービス業が53と8ポイント上がったほか、サービス業が45と11ポイント上がった。

パート、アルバイト業界においても飲食店などは全く人が集まらず困っているといい、地域によってはアルバイト時給が1500円を超えたと言いますからよほどのことだと思いますけれども、一方では強盗被害多発で有名になった某牛丼チェーン店のように深夜営業は一人で全部やらなければならないとなると、それはよほどの覚悟がなければ身体が持たないでしょう。
一方で単純な労働力不足と言うだけではなく正社員不足を訴える事業所も増えていると言う点は注目なのですが、近年ひたすら人件費や投資をカットし内部保留増加に努めてきた各企業がそろそろ貯め込んだ資金を使い始める時期ではないかと言う予想もあるようですけれども、問題なのは人材に投資しようにも雇うべき人材がどこにもいないと言うことですよね。
労働者目線で見れば基本的に売り手市場である方が良いと言う考え方もあるでしょうが、一方であまりに人手不足が進行すれば利用者目線で考えても何かと不便なもので、特に専門的技能や経験が必要とされる業界では最近こんな状況にまでなっていると言いますから大変なものです。

建設職人、年収1000万円超も 人手不足が企業揺さぶる(2015年3月17日日本経済新聞)

 建設職人の不足がいっこうに解消しない。建設不況が長引く間に多くの職人がやめた半面、景気が底入れしたあとも若者の建設への就業が進まないためだ。落ち込んでいた職人の待遇の改善は徐々に進み、一部には年収が1000万円を超す人も現れた。しかし、今のところ職人離れの流れが反転する動きは目立たない。構造的な職人不足は今後も続きそうな雲行きで、建設や不動産から流通の出店戦略まで関連企業は労務費高騰への対応の巧拙で業績や成長力が左右されそうだ。

■型枠職人、29歳で大台
 精密な平面図から建物の立体構造をイメージし、分厚い合板を切り分けてコンクリートを流し込む木の枠を組み上げる。型枠職人は作業の正確さが求められるだけでなく、重い資材を担いで高所で作業することも多い重労働だ。東京中心に仕事を請け負う独立自営の職人、羽鳥浩さん(仮名、29)は「抱えている工事の量からみて今年の年収は1000万円強になりそう」と淡々と語る。年配の職人が不況時に次々とやめていく一方で、自分と同世代の職人がほとんどいない。景気の回復で工事量あたりの単価が上昇し、年収はこの2年間で6割増えた。仕事の精度はもちろん現場の職人全体の手順を決める「段取り」を含めて仕事を請け負うのが強みだ。都内の型枠工事会社の幹部は「工期に合わせるためには支払いを増やして職人を集めざるをえない。なかでも多くの職人を束ねて現場の仕事を差配する『職長クラス』の人材が足りない。こうした人は年収1000万円を超えるケースが増えている」と語る。

 東京在住の左官職人、大谷豊さん(仮名、50代)もここ2、3年で潮目の変化を感じている。和室や居酒屋などでよく見かける土や砂を使った「塗り壁」をコテを使った伝統的な手法で仕上げるのが主な仕事で昨年の収入は約1300万円だった。塗り壁にはコテで土を押し固めて光沢を出したり、土の荒々しい風合いを出したりするなど、さまざまな技法がある。景気の回復に加え「難しい要望にも応えられる技能を身につけているため単価の高い仕事が増えた」という。

腕を磨いた職人さんがきちんと報酬面で報われると言うのは当然のことではないかと思いますが、そもそも何故こうまでなったかと言えば職人のなり手がおらず仕事が一部に集中してしまっているためであるとも言え、この調子で寡占化が進むといずれは仕事量が増えすぎてドロップアウトしていく人が増え、いくら給料を引き上げても人材が集まらないと言うどこかの業界と似た構図になりかねません。
介護職なども仕事がきつく待遇が悪いことで人が集まらないと言われていますが、こうした記事を見て必ずしも好待遇であれば人が集まると言うわけでもないらしい、すなわち給料は今のままでいいと言う考え方に走ってしまうのはもちろん間違いで、今年の就職戦線においてもやはり仕事がきつくて給料が少ないと敬遠されている現実は変わらないようです。
ただ他業界のように人手不足で仕事の集中が起これば待遇が引き上げられていくのかと言えば、必ずしもそうなってこなかったのが医療、介護と言う公定価格に収入を依存している業界であって、このあたりは同じように人手不足が深刻でありながら発注元がお金を出さずなかなか待遇改善が進まないと言う運送業界などにも通じるところがあるかも知れませんね。
もちろん社会保障費削減がこれだけ財政的観点からも叫ばれる折、介護コストを大幅に引き上げると言うことはちょっと考えにくいところですから、どうやって付加価値をつけ利用者に余計なお金を支払っていただくかを工夫していくしかないはずですが、その点で介護においても今後は単純な量的充足ばかりではなく質を問う声も利用者から出てくるようになれば、実は現場にとっては悪い話ではないのかなと言う気もしますでしょうか。

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2015年3月16日 (月)

結局医薬分業とは何だったのか?

様々な異論反論ありながらも実施され一応の定着を見ている医薬分業ですが、先日内閣府からこんな発表があったそうです。

内閣府、医薬分業に関する調査結果を公表(2015年3月12日DIオンライン)

 内閣府の規制改革推進室は2015年3月12日の公開ディスカッションの開催に先立ち、一般市民を対象に実施した医薬分業に関するアンケートの結果を公表した。回答者の半数以上は、医薬分業という言葉や、薬をもらう時に薬剤師による説明などのサービス料金が掛かっていることを「知らない」と答えた。
 規制改革推進室は公開ディスカッションの論点として、医薬分業を患者(国民)視点から見た場合、(1)医療機関と薬局が離れていなければならないという点で利便性(構造)の問題、(2)院内処方よりも院外処方の方がコストが高い半面、コストに見合ったメリットが感じられにくいという問題――の2つの問題があるのではないかと指摘している。国民にとって、よりメリットのある医薬分業について議論するため、医薬分業に関するアンケートを実施した。
 調査は15歳以上の一般市民を対象に、内閣府の委託を受けたマクロミルがインターネット上で実施した。調査期間は2月27日~3月1日。男性499人、女性537人の計1036人が回答した。

 「医薬分業という言葉を知っていますか」「薬をもらう時、薬代のほか、薬剤師による説明等のサービス料金が掛かっていることを知っていますか」という問いに対しては、「知らない」と回答した人がそれぞれ54.5%、52.2%と半数以上に上った。
 「医師と薬剤師がそれぞれの専門知識を生かして正しく診療や調剤を行うためには、医師と薬剤師が、医療機関と薬局に分かれて業務を行う必要があると思いますか」という問いに対しては、「思う」と答えた人は31.6%にとどまり、「思わない」(25.6%)、「どちらともいえない・分からない」(42.9%)と答えた人が多かった。一般市民は、医師と薬剤師がそれぞれの職能を発揮する上では、構造上の分離は不要と見ている傾向が浮き彫りになった。
 その一方で、「医師が必要以上に多い薬や高い薬を処方して利益を追求するのを防ぐためには、医師と薬剤師が、医療機関と薬局に分かれて業務を行う必要があると思いますか」という問いに対しては、「思う」と答えた人は48.0%に上った。
 院内処方の医療機関で直接薬をもらうよりも、院外処方を行う医療機関から処方箋を受け取り、薬局で薬をもらう方が、同じ薬をもらう場合でもサービス料金(一部負担金)が約300円増えることに関して、「薬局で受けられるサービスの内容に照らして、この価格差は妥当だと思いますか」という問いには、「高すぎると思う」と答えた人が58.5%に上り、「妥当だと思う」と答えた人は14.2%にとどまった。
 「医療機関で院外処方箋を受け取った時、どこの薬局に薬をもらいに行きますか」という問いに対しては、「医療機関からなるべく近い薬局」と答えた人が69.1%に上ったが、20.4%は「普段行き慣れている薬局(かかりつけ薬局)」と答えた。かかりつけ薬局を選ぶ理由(複数回答)としては、「家、職場、学校などに近いから」(135人)が多かったものの、「薬剤師が自分のことをよく知っているから」(58人)、「薬剤師が薬について分かりやすく説明してくれる、よく相談に乗ってくれるから」(49人)など、薬剤師の介入を理由に挙げた人も一定数いた。
 「医薬分業を行う場合のメリットは何だと思いますか」(複数回答)という問いに対しては、「医療機関で薬をもらうより、薬局で薬をもらう方が待ち時間が短くて便利」(289人)、「薬局で薬について説明してくれる、相談に乗ってくれる」(249人)、「複数の医療機関を受診しても1つの薬局で薬をもらえる」(206人)、「必要以上に多い薬や高い薬を処方されずに済む」(203人)」を選んだ人が多かった。
 一方、「医薬分業を行わない場合のメリットは何だと思いますか」(複数回答)という問いに対しては、「受診した医療機関で直接薬をもらえるので、薬局に行かずに済んで便利」(596人)、「サービス料金が安く済む」(394人)を選んだ人が多かったが、「医療機関で薬について説明してくれる、相談に乗ってくれる」(140人)、「医療機関で薬をもらう方が安全だ」(130人)を選んだ人もいた。

本来的にはそれぞれが専門職としての知識経験を生かすためには薬剤師が医師に隷属する関係であってはならないと言う話での医薬分業推進と言うなら判りやすいところ、少なくとも国の趣旨としては当時薬価差益批判も多かったことからとりあえず医と薬を切り離せばいいと言う考えで医薬分業を推し進めた部分が多分にあったわけで、その結果総医療費がどんどん下がってきたと言うことになればめでたしめでたしだったはずです。
ところが実際には医療費抑制政策で病院側が青息吐息と言う状況にあっても薬局側は大儲けと言う状態で、ついには日医の理事が薬剤師会で「母屋でおかゆをすすっているのに、離れではすき焼きを食べている」などと恨み言を言うと言った情けない話も聞こえてくるわけですが、国民の側としてもそうした事情を知っているということなのでしょうか、結局医薬分業の意義とは金であると言う理解であるようですよね。
あくまで医療の質的向上などとは縁遠い実利実益に基づいての話であるとすれば、病院から近い薬局を選ぶと言うのも実際門前薬局の方が処方箋通りの薬を置いている可能性が高く待たされることが少ないと言う実利があるわけですし、さらに突き詰めれば別に院外薬局でなくても病院でもらえばよくね?と言う話になってくるのも当然と言えば当然でしょう。
もちろん利用者視点でそういう話になってくるのは十分に理解出来る話なんですが、最近面白いなと思ったのは先日こう言う話が国の方から出てきたと報道されていたことですよね。

不便さ解消へ「病院に薬局」検討…厚労省反発か(2015年3月8日読売新聞)

 政府の規制改革会議は、病院などの医療機関の敷地内に薬局を置くことを認めていない「医薬分業」の見直しを検討する。

 医療機関で受診後、薬局まで移動しなければならない不便さを解消しようというものだ。規制を緩和し、独立した経営の薬局を病院内に設置することを認める案などが浮上しているが、医薬分業を推し進めてきた厚生労働省は反発するとみられる。12日の会議で議論が始まる。

 厚労省は、薬の過剰投与などを防ぐため、医療機関の窓口で薬を受け取る「院内処方」より、医師の処方箋を受けて薬局の薬剤師が調剤する「院外処方」を推進してきた。1974年には院外処方に大幅に診療報酬がつくよう改定。省令で、薬局が「医療機関と一体的な構造や経営」となることも禁じている。経営的に従属してしまうと、薬剤師が医師の処方箋や過剰投与などに疑問を呈したりすることができなくなるためだ。構造的な規制として、病院と薬局間のフェンス設置なども定めている。

国が決めた医薬分業を国がひっくり返すのか?とも受け取られかねない話なんですが、確かに前述のような実利実益優先の考え方からすればわざわざ病院外に出かけて行って薬を受け取る必要もないわけで、会計等の待ち時間の間に薬も用意出来て一緒に受け取って帰ると言うスタイルの方がよほど合理的なのは確かですよね。
当然ながら医薬分業の旗振りをしてきた形の厚労省側では反発していると言いますが、そもそも医薬分業導入当時のような薬価差益でウハウハなどと言う話が過去形で語られるようになっている今の時代にあって、そもそも物理的地理的に病院と薬局とを分ける理由付けがあるのかと言えばあまりないのも確かで、せいぜい同じ院内で相互に尊重して仕事を分担できれば十分ではないかと言う考え方もあるでしょう。
医療財政的にどうなのかですが、前述の「離れですき焼き」状態になったのも医薬分業を推進しようと院外薬局に様々なインセンティブを用意してきたからだとも言え、それが無くなれば医療費抑制に働く可能性もあるでしょうし、そもそも今まで医に比べて様々に甘い対応が取られていた薬に対しても医同様に厳しくチェックされるようになるとすればこれはこれで国の利益だとも言えるかも知れません。
ただこうなりますと過去散々に医薬分業を推進してきたのが何だったのか?と言う話ではあるのですが、人間過ちを改めるに遅すぎると言う事はないと言いますから間違っていれば過去にこだわらず改めればいいだけのことであって、厚労省が過去の経緯からくるメンツを振りかざして国民に不利益を強いるようなことはないと期待したいですよね。

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2015年3月15日 (日)

今日のぐり:「大阪王将 福山平成大学前店」

先日初公判が開かれたのがこちらの裁判なんですが、これはどう解釈すべきなのか迷わしいニュースでしょうか。

猫死なせた罪「生きていてもふびん」(2015年3月13日NHK)

東京・大田区で去年、40匹余りの猫が死んでいるのが見つかった事件で、このうちの1匹を死なせたとして動物愛護法違反の罪に問われている会社員の初公判が東京地方裁判所で開かれ、被告は起訴された内容を認めました。
東京・大田区では去年4月から9月にかけて、40匹余りの猫が死んでいるのが見つかり、このうちの1匹を死なせたとして埼玉県川越市の会社員、久保木信也被告(33)が動物愛護法違反の罪に問われています。
13日、東京地方裁判所で初公判が開かれ、被告は起訴された内容を認めました。
検察は冒頭陳述で、「被告は去年4月ごろから、『野良猫は生きていてもふびんなので猫が好きな自分が死なせるべきだ』と考え、農薬などを混ぜたキャットフードをまくようになった。そして猫がもがき苦しむ様子を見て、『自分で介しゃくしてやろう』と思い、地面にたたきつけた」と指摘しました。

ものの考え方と言うのは人それぞれだとは思いますけれども、猫に取ってみればずいぶんと悲惨な状況であったと言うしかありませんよね。
今日は死んでいった猫たちを弔うと言う意味も込めて、世界中から悲劇的とも言える動物たちの死に様を取り上げたニュースを紹介してみましょう。

インド ホワイトタイガーVSコブラ、虎は中毒死、コブラは重傷(2015年12月29日新華ニュース)

海外メディアによると、虎が強くて獰猛だが、劇毒を持つコブラに遭遇したら死を逃れにくい。インドマディヤ・プラデーシュ州の動物園で、ホワイトタイガーVSコブラの戦いが発生した。珍しいホワイトタイガーがコブラに噛まれ、毒に侵され死んだ。

報道によると、インドマディヤ・プラデーシュ州の動物園で3歳のホワイトタイガーRajanは先日、鼻から血を流し、口から白い泡を吹いて死んだ。検死の結果、中毒死と判明した。

地下洞穴からコブラが発見された。麻痺して動かなかったが、獰猛である。

監視カメラによると、ホワイトタイガーRajanはその日、コブラに攻撃をかけ、毒蛇を噛んだ。ホワイトタイガーとコブラは激しい戦いを繰り広げた。

猫は蛇より強いと言うのにこの虎と来たら何だと言う気もしないでもありませんが、しかし動物園の虎ともなるとコブラ対策に未熟な点があったのでしょうかね。
生き物たちの生死をかけた戦いとはこれに限らず壮絶なものがありますが、こちら世にも珍しい画像が撮影されたと報じられています。

カナダ人カメラマン、アザラシとタコとの戦いをカメラに(2015年2月16日新華ニュース)

カナダのカメラマンBob lanson氏は、アザラシと超巨大タコが戦う驚きの一幕を撮影し、ネット上で注目されている。当時、家族と防波堤で散歩していた時、海中の戦いを目撃して、カメラに収めたという。

米サイト「ハフィントン・ポスト」に、「最初はアザラシ2頭が戦っているかと思っていたが、海面に浮かんだ時に1頭のアザラシがタコを噛んでいることに気づいた」と語った。

Bob氏の推計では、約1.5メートルのアザラシは超巨大タコと10分間戦っていた末、捕食に成功した。超巨大タコは必死にあがいたが、最後にはアザラシの胃袋に収まった。

「『すごいものを捕まえた』と見せびらかすように、アザラシは私をじっと見つめた」とBob lanson氏は語った。

アザラシは優位であったが、楽勝だったわけではなく、アザラシの頭にタコが足を巻きつけるなど危険な状態になった。

専門家が言うには、アザラシがタコを捕食することはよくあるが、撮影されたのは珍しい。

写真だけでは、タコの大きさを推計できないが、モントレーベイ水族館の報告では、超巨大タコは成長すると体重30キログラムになるという。今の世界で最大のタコは体重272キログラム、体長9.1メートルである。

タコと言ってもその大きさは元記事の写真を見なければ判りにくいかと思いますが、日本であればここで「なお、お刺身にすれば○人前になるそうです」とナレーションが入るところでしょうか。
こちらも命がけの戦いぶりを見せた生き物たちの話題なんですが、それにしてもアザラシハンパねえと改めて感心するべきなんでしょうか?

イルカ襲う、つぶらな瞳の無慈悲なアザラシ(2015年2月9日ナショナル ジオグラフィック)

 一見、ほのぼのした光景だった。2013年、北海に浮かぶドイツ領ヘルゴラント島。沖で2頭のアザラシがふざけ合っているらしく、そのうち波の下へ潜っていった。間もなく、不気味な赤い色が波間に広がった。2頭が再び水面に現れたとき、大きい方のアザラシがもう一方のアザラシの皮をはぎ、食べていたのだ。
「2頭は遊んでいるとばかり思いました」。環境コンサルティング会社「IBLウンヴェルトプランノン」の海洋生物学者セバスチャン・フアマンは振り返る。同氏が撮影した、襲われる若いゼニガタアザラシの写真は、『Journal of Sea Research』誌の2015年3月号に掲載される予定だ。「最初見たときは微笑ましいじゃれあいと思ったのですが、あっという間に光景は一変しました」
 ゼニガタアザラシを襲ったハンターはハイイロアザラシだ。長年タラなどの魚を食べると考えられてき海洋哺乳類だが、北海南部で一番どう猛な捕食者と見るほうが正確なようだ。
 最近の目撃報告や解剖結果を総合すると、この一帯でゼニガタアザラシやネズミイルカの体の一部を引きちぎったり殺したりしているのは、ハイイロアザラシだと考えられている。ハイイロアザラシに襲われたと見られるネズミイルカを解剖すると、水中で押さえ込まれ窒息して死んだ形跡があった。
 「かわいらしく、抱きしめたくなるような親しみやすい動物で、魚を食べているというイメージがハイイロアザラシにはあります」と話すのは、オランダ、海洋資源・生態系研究所の海洋生物学者マーディク・レオポルド。
 しかし、次々と出てくる証拠は、まったく反対の事実を示す。

見た目からは想像できない凶暴ぶり

 ずたずたに切り裂かれたネズミイルカの死骸が、北海南東部に沿った浜に大量に打ち上げられるようになったのは10年ほど前のことだ。当時、このイルカの大量死と、ハイイロアザラシとの関連性を考える人はいなかった。
 というのも、仮にハイイロアザラシに襲われてもネズミイルカなら泳いで逃げ切れると考えられていたし、ハイイロアザラシが魚以外の大きい生物を補食することは知られていなかったからだ。
 だが、いくつもの事実が積み重なるに従い、ハイイロアザラシは研究者のそれまでの認識を超えて凶暴なのではないかと考えられるようになった。
 2014年10月、『Marine Mammal Science』誌に掲載された論文には、2013年にフランス沿岸で、ネズミイルカのすぐ近くにハイイロアザラシがいきなり顔を出しイルカの頭にかぶりついた、という目撃談が紹介されている。
 また、ネズミイルカの傷跡をDNA分析した研究では、ハイイロアザラシがつけたものであることがわかった。『Proceedings of the Royal Society B』誌に2014年11月に掲載された論文によれば、ハイイロアザラシに襲われると、皮と脂肪の大部分がはぎ取られ、平行な3~5本のひっかき傷が残るという。
 切り裂かれたイルカやアザラシの死骸が、ニシオンデンザメなど他の捕食者によるものではないかとの説もかつてあったが、その可能性は研究者の間でも否定されている。ただ、ハイイロアザラシが「主犯」との見方を疑う生物学者も依然いる。スコットランド、セントアンドリュース大学の生物学者デーブ・トンプソンもその一人。ハイイロアザラシが補食したとされるゼニガタアザラシの多くは、実際には船舶のスクリューに巻き込まれて体がちぎれたのであり、ハイイロアザラシはその死骸をあさったに過ぎない、とトンプソンは考えている。
 「そういうことはあるにしても、この4年で北海に新たな頂点捕食者が現れたことは間違いありません」と語るのは、ネルソン・マンデラ・メトロポリタン大学(南アフリカ)のティボー・ブブルーだ。特にネズミイルカにとっては、ハイイロアザラシの脅威が増している。「問題は、その理由です」
 研究者は複数の仮説を唱える。たまたま漁網にかかったネズミイルカをハイイロアザラシが食べて肉の味を覚えた。あるいは、元々ハイイロアザラシが食べていた魚の数が急激に減少しているのかもしれない。
 「以前の状態に戻っただけだ」との見方もある。ハイイロアザラシは一時乱獲され、北海南部の一帯から姿を消した。近年になって数が戻り、再びコロニーを形成するまでになっている。
 理由が何であれ、他の動物たちはアザラシに警戒した方がいいだろう。澄んだつぶらな瞳でひれを振る愛らしいハイイロアザラシは、獲物を求める猛獣の可能性が高いのだ。

いやまあ、元記事の写真を見る限りではちょっとかわいいと言うにはアレな印象も受けないでもないのですが、ともかくもアザラシの脅威恐るべしと改めて肝に銘じるべきでしょうね。
ネコの話題と言うことでこちらのニュースを取り上げてみますが、これはいささか画像的なインパクトが強烈であるようです。

韓国の舗装された道路が異常すぎる(2015年3月11日ゴゴ通信)

韓国で信じられない道路の舗装があるとFacebookで話題になっている。それは完州(ワンジュ)群にある産業団地の前の中央分離線。黄色に線が引かれているのだが、なんと猫が潰されて中央線が上から塗りつぶされているのだ。

流石の韓国人もこれには驚いたようで、「あり得ない」「誰かクレーム入れろ」と騒動になっている。猫は道路と同化してしまいわかりにくいが、よく見るとぺちゃんこに潰れているのがわかる。

道路工事する際に猫を潰して気付かなかったのだろうか? 気付いたとしてもそれを放置した可能性があるが……。

画像はボカシが掛かっているが、クリックで無修正画像を見ることができる。

これは元記事の画像を注意深くクリックしていただくと状況は一目瞭然なのですが、もはやここまで来ると悲惨だとか悲劇的だとかを通り越して漫画かよ!と突っ込んでしまいそうですかね。
最後に取り上げるのは人の絡んだニュースなのですが、こちら画像閲覧には相応の注意が必要でありそうです。

ハチに襲われた男性、振り払おうと川に飛び込むもピラニアに食べられる(2015年3月9日ダットニュース)

先週末、レオナルド・ゴメス・ベゼラとマラニョンの2人はフェリーでタパジョース川に釣りに来ていた。

予想外にアフリカミツバチの群れに襲われレオナルドは複数刺され、ハチを振り払おうとボートから川に飛び込んだ。

しかし空腹のピラニアが生息していて、数日後レオナルドが漁網に引っ掛かりました

より多くの画像を参照いただきたい方はこちらから閲覧いただければと思うのですが、しかし服の下はそのままと言うのが余計になまなましいですよね…
こういう状況でどのように行動すればいいのかと思うのですが、緊急避難処置はその後のことも考えながら行わないと余計にダメージを広げてしまうと言う一例になるのでしょうか。

今日のぐり:「大阪王将 福山平成大学前店」

大阪王将と言えばもちろん廉価な大衆中華としてどこもありふれた作りですが、その中でも何事につけ素っ気ない京都王将より大阪王将の方が多少店舗に凝ってる気もしますでしょうか。
メニューを見ても一見セットメニューなど多彩なように見えて実は定番ものの順列組み合わせで、こういう店では当然凝った料理などはないんですがたまに珍しいものがあると試して見たくなりますよね。

今回はごちそうキャベツの大阪ちゃんぽんとノーマルちゃんぽんを食べ比べてみる機会を得ましたが、そもそもこの大阪風とは何なのか?と言えば、普通の中華麺にあんかけの具をトッピングしたものであるようです。
このあんかけ部分がとろみ付き過ぎでもはや麺をすすれないのは音を立てずに上品に食べろと言うことなのかか、ともかく麺をさばいてないせいもありますが麺料理と甘く見ると妙に食べにくい料理ですよね。
こういうものは野菜のシャキシャキ感がどうとか突っ込んだら負けなんだとは思いますが、味は見た目通りこの種の店らしい味で特記すべき点はないものの、強いて言えば熱々で冬向けなメニューとは言えるでしょうか。
こちらでは通常の?長崎ちゃんぽんもあるようなんですが、こちらは中四国限定メニューなんだそうで、見た目は某チェーン店などによくある感じで全く特徴は感じられません。
食べて見ても業務用っぽいスープは少し塩加減強すぎか?と思う程度で特徴なし、野菜の食感はこちらがまだしもマシですが、この極太角切り麺のコシのなさは伊勢うどんかと思うほどですよね。
サイドメニューの定番である餃子は匂いが気にならないのが売りらしいのですが、タレなしで食べてもやたらに口が乾く濃いめの味は京都大阪を問わず共通する傾向で、確かにこれくらい味が濃いとご飯なりを合わせたくなります。

味的には王将とはこういうものでなければならないと言う伝統はきっちり守られているようなんですが、そうなりますとこういうカジュアルっぽい店舗より昭和風の薄汚れた店の方が似合っているとも思えなくもありません。
接遇はチェーン店として考えても必要最低限と言う感じですが、まあしかし本来的にこう言う店には夜更けのちょっと殺伐としたくらいの空気が似合うと言うもので、週末日中に家族連れで来て「よーしパパ特盛頼んじゃうぞー」なんて言ってる場合じゃないんでしょうね。

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2015年3月14日 (土)

法律を文字通り解釈すると奇妙な結果になる?

いわゆるぼったくり系のお店と言うのは未だに各地にあるようで、先日は東京都内で営業する居酒屋がグループ内で看板だけをかけ変えながら以前からぼったくりを続けてきたのではないかとネット上で騒ぎになりましたけれども、どうやらこのところぼったくり業界にも構造的な変化が起こってきているらしいと言うニュースが出ていました。

歌舞伎町ぼったくりキャバクラ摘発 51万円請求された客が見たもの(2015年2月24日東京ブレーキングニュース)

 2月24日までに歌舞伎町のキャバクラ「Clube Cenote」の責任者と従業員ら五人が逮捕。報道によれば、被害者は32歳の居酒屋店勤務の男性。朝の五時に入店して眠り込んでしまい、昼の12時ごろに起きたが約51万円請求されたという。払えないと言うと「帰れる訳ねえだろ」と腹を殴り約13時間にわたり客引き、トイレ掃除等で働かせた。「逃げると殺すぞ」という文句も吐かれたらしい。被害者男性は恐怖のあまり、富士山に逃げれば捕まらないと思い、結果静岡で発見、保護された。

 逮捕された従業員たちが連行されていた場面をテレビで見たが、絵に描いたような「歌舞伎町のヤクザ」で、力士や柔道、ラグビー選手並みの体格に凶悪な面構え。この面々で脅されたら、被害者も「本当に殺される」と思ったのではないか。また連行される従業員たちの表情を見ても、反省している様子はないようだ。そもそも罪状は、ぼったくり条例違反なので微罪と言えば微罪である。それゆえの余裕の表情なのだろう。

 このキャバクラは去年11月オープンから「40分3万円程度」の料金を請求。ぼったくりとは言い切れない額の「プチぼった」疑惑で新宿署に苦情が50件ほど寄せられていたのに、警察は今まで放置していた。店は歌舞伎、区役所の裏あたりにあるのだが、歌舞伎町全体に言える事なので、通りによってボッタクリが多い地域とは言えないものの、この店の所在地もボッタクリが比較的多い場所だ。

 読者におかれては、とにかく、どんな店でもキャッチに着いて行ったらロクな目に遭わないという事を念頭に置いて欲しい。しかも、最近のキャッチはタチが悪く、歌舞伎町を古くから根城にしているヤクザの親分にでも客引きをする始末である。暴力団排除条例と暴力団対策法が施行される前は、東京の繁華街は地回りと呼ばれるヤクザのパトロールがあったのだが、最近は出来ないのでキャッチもやりたい放題である。通行人に向かって暴言を吐く者、時には暴力に及ぶ者、キャッチの暴力化が目立つ。

 キャッチさえ気をつければ、歌舞伎町は安全に遊べる街ではある。表の治安を守るのが警察なら、裏で実は治安を維持していたのがヤクザと言える。そのバランスが崩れた為、警察は表向きしか取り締まれなくなり、警察の目が行き届かない裏社会の治安を守っていたヤクザが通りから引っ込んでしまった。それ故、キャッチが街の隅々に立つ結果となったとも言える。

 暴排条例でますます、ヤクザが食えなくなっていく現在、「微罪で逮捕ならまだマシ」と考えてこのようななりふり構わぬぼったくり店や架空請求等は減らないと思えるのだが......。

事の性質上この種の店を完全に撲滅するのも難しいのでしょうが、ひと頃から暴力行為の取り締まりが厳しくなってきた暴力団の衰退が奇妙な影響を及ぼしてきているようだと言う話だとすると、なかなか警察としても組織だった対策は難しいのかも知れません。
ただ記事を読んでいて気になったのが客に暴言を吐き殺すとまで脅しあげ暴力まで振るっておきながら「ぼったくり条例違反」と言う微罪に問われるだけなのか?と言う点で、一般的に料金で揉めていると訴えて警察に連絡しても民事不介入と相手にされないケースが多いのだそうですが、記事にある通りの話であれば脅迫、恐喝さらには暴行、監禁と言った罪に問われそうな気がしますがどうなのでしょうか。
もちろんこうしたケースは例外的で多くは各種犯罪行為に引っかからないグレーゾーンを追及してくる店が多いのだと思いますが、基本的にグダグダに酔っ払っているようなお客が被害に遭いやすいのだろうと考えると、その場で冷静に適切な対応を取れと言っても難しいものがありそうですよね。
その法的なグレーゾーンと言うものは今の時代あちらこちらにあって、そもそも刑法など主要な法律が起源を遡れば明治の頃に制定されたと言った事情がある以上時代に合わない部分があることはある種必然ではあるのですが、先日それが違法になるのか?とちょっとびっくりしたこちらのニュースを紹介してみましょう。

安倍首相の「美容室でカット」は違法?「男の散髪」をめぐる奇妙なルール(2015年3月10日弁護士ドットコム)

安倍晋三首相が楽しみにしている「美容室でのヘアカット」は、法令違反の疑いがあるーー。そんなニュースが3月4日、日本経済新聞に報道され、美容師業界に動揺が広がっている。安倍首相は妻の昭恵さんから勧められて、東京・渋谷の美容室に通っているようだが、美容師が男性の髪をカットするのは「違法」だというのだ。

●「男性のヘアカット」は厚労省の通知で規制

根拠とされるのは、厚生省環境衛生局が1978年12月に各都道府県知事あてに出した「理容師法及び美容師法の運用について」という通知だ。その「2の(2)」には「美容師の行うカッティングについて」という項目があり、こう書いてある。
<美容師が、コールドパーマネントウエーブ等の行為に伴う美容行為の一環として、カッティングを行うことは、その対象の性別の如何を問わず差し支えないこと。また、女性に対するカッティングは、コールドパーマネントウエーブ等の行為との関連の有無にかかわらず行って差し支えないこと。しかし、これ以外のカッティングは行ってはならないこと>
ちょっとわかり辛い書き方だが、要するに「美容師は、女性のカットは無条件にしていいが、男性については、ただカットだけをするのはいけない」ということだ。これはいったい、どういうことなのか。厚生労働省にきいてみた。
「美容所での男性のヘアカットを一律で禁じているのではなく、『パーマ等の行為に伴う美容行為の一環として』なら認めています。ただし、男性の『カットだけ』という行為は、本来的には理容所でおこなわれる行為と想定しており、美容所でおこなってよいという整理はしていません」(厚生労働省健康局生活衛生課)
つまり、ヘアカットと同時に、パーマや白髪染め、カラーリングなどの施術を行えば、問題ないというわけだ。ただ、美容室でよくおこなわれている洗髪後の簡単なマッサージは、「美容行為の一環」とは認められないという。そのため「マッサージつきだからカットだけでOK」とはならないのだ。

●「そんな規則は初耳」と驚く美容室店長

しかし、美容室でカットする男性もごく普通になってきた。「違法」と言われても、ピンとこない現状がある。実際、東京都港区のある美容室店長も「そんな規則は初耳。何かの間違いなのでは?」と驚きを隠さない。
「美容室業界では男性客が年々、増えていて、多いサロンでは3割くらいが男性客だと聞いています。理容師さんは刈り上げや髪の毛の『面』を作る技術は高いと思います。でも、最近の流行は、メンズも柔らかさや自然さを出すことです。この技術は美容師のほうが高い。ガールフレンドや奥様に勧められて、来店する男性客も多いんですよ」
美容室店長はこう口にする。
「開店にあたって、保健所から細かい指導が入りましたが、その際も男性のカットに関する注意はありませんでした。前職の大手サロンでも、当たり前のように男性の『カットだけ』をしていましたよ・・・」
しかし、こうした声について、先の厚労省健康局生活衛生課の担当者は「美容師が通知にそった運用をしていない実態があるならば、そもそも問題です保健所の指導が行き届いていない可能性があります」と話しているのだ。
では、保健所の指導はどうなっているのだろう。東京都の保健所担当にたずねてみると、こんな答えが返ってきた。
「その通知は認識しています。しかし、この通知の内容をもって、通知通りに指導をしているかと言われれば、現状はしておりません。実態に照らすと、通知書通りの指導をすることは難しい現状があります。地方自治法では、国からの通知や通達を『技術的助言』という位置づけに置いており、どう対応するかは自治体の判断という運用が、浸透しているものと考えています」(東京都福祉保健局健康安全部)

●「理容師業界のための通知」にメスは入るか?

自治体ごとに対応は異なる。東京都とは対照的に、高知市保健所は積極的な指導をおこなっている
「高知市では、国が定めている基準にしたがって、法令遵守をしていただきたいと県の美容師組合に要請したり、折にふれて指導をおこなっております。市民の方から通報があったり、定期的な監視指導の際に『男性カット』のようなメニューがあれば、内容をチェックすることになります。男性の美容室利用が増えているからといっても、国が実態をみて、通知上で容認しないかぎり、市として認めることはありません」(高知市保健所生活食品課)
どうやら美容室でヘアカットを望む男性は、近隣の自治体がどんな方針を取っているのか、確認しなければいけないようだ。ある自治体関係者は「実態とかけ離れた厚労省の通知」が生き残っている背景について、次のように明かす。
「実際のところ、自治体の対応に影響を及ぼしているのは、理容師組合なのです。1000円カットや美容室ブームで、理容室の客足は年々減っており、客の奪い合いが激化しています。美容師がそもそも免許に含まれていない『カミソリ』を使う行為をしたら、さすがに問題ですが、髪を切るのは、理容師と美容師のどちらにも認められた技術です。理容師業界のための通知であって、実態からはかけ離れているんですけどね」
安倍首相が美容室で、実際にどんなメニューを選んでいるのかは不明だ。しかし、現状とかけ離れた「奇妙なルール」にメスを入れたら、「違法行為に加担しているのではないか」という疑いをかけられることもなく、正々堂々と美容院通いができるのではないか。

一体なんだこれは?と思うような話であるし、予想通りそんな通達は知ったことかで男性客にカットをしている美容室も少なからずあるのが実態だと言うことなんですが、この辺りの対応は各地で異なると言うことですから、転居等で今まで通り美容室でカットしてもらおうと思ったところ断られたと言う経験のある方もいるかも知れません。
注目すべきは何故こんな意味不明のルールが残っているのかなんですが、そもそも論として理容とは髪結いから発展した髪を切って調える等の理容を業とする者であり、一方で美容とはパーマや化粧等により容姿を美しくする者と定義され、1957年に理容師法から美容師法が別れたのもあくまでも女性を対象にした法律として制定された事情があって、美容とは関係ない理容としての調髪行為は業務の対象外であったようです。
ただわざわざ美容室でカットしてもらいたいと言う顧客が例え男性であったにせよ美容に興味がないとはちょっと思えませんから、今どき男だ女だと性別を根拠に区別するべきでもないのだろうし、また地方によっては理容にせよ美容にせよ店舗数自体が少なく選択枝がないと言うことであれば、あまり厳しく言われても利便性が大いに悪化すると言うことにもなりかねません。
一方で理容側から見れば経営的視点で美容に客を取られたくないと言う判断もあるようで、業界団体として圧力をかけたくなると言うのもまあ判らないことではないのですが、しかし今の時代にあってもこんなびっくりしたルールが残っていて総理の行動にも影響を与えかねないとなると、社会の実態に即していない法律など数え上げればいくらでもあるのかも知れませんね。

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2015年3月13日 (金)

生保関連の支出が抑制される中で

生保受給者などをカモにするいわゆる貧困ビジネスと言うものの実態について、先日こういう記事が出ていたのを御覧になったでしょうか。

これが「貧困ビジネス」の実態…劣悪環境と抜け出せぬ仕組み(2015年3月8日産経新聞)

 埼玉県内では昨年10月、生活困窮者のための「無料・低額宿泊所」の売上金を隠し、所得税約6300万円を脱税したとして、低額宿泊施設「ユニティー出発(たびだち)」を運営する和合秀典被告=所得税法違反罪で起訴=が逮捕された。記者は、いわゆる「貧困ビジネス」トラブルの被害者を支援する団体が主催した「貧困ビジネスツアー」に参加。宿泊所を訪れ、元居住者の話を聞くことで、改めて貧困ビジネスの仕組みの「巧妙さ」に驚かされた。(さいたま総局 菅野真沙美)
(略)
■「何のために生きているのか」

 さいたま市見沼区内の宿泊所に入居していた60代の男性は、「何のために生きているのかという気持ちになった」と入居当時を振り返った。男性は支給される生活保護費約12万円のうち、約11万円を施設に支払っていた。施設ではそのカネのうち、保護費支給日に1万円、その後は2日に1回1千円が支給されるという。「仕事を探すためのカネだと説明されるが、実際は部屋でじっとしているぐらいしかできない」
 同市岩槻区の施設で生活していた40代後半の男性は、仕事に失敗しホームレス生活をしているときに宿泊所職員に声をかけられた。施設の環境は「プレハブを改造した3畳程度のスペースに生活していた。夏が暑く、冬は寒い」。風呂は週に3回、決められた時間のみ許されていたという。

■二言目には「出て行け」

 男性らは一度施設に入ってしまうと抜け出すのが困難な状況についても語った。40代男性は「もう一度定職につこうとしても、ホームレスだった時期があると書類だけで不採用にされてしまうことが多い。施設は何もサポートをしてくれない」。面接に行くカネを工面できないこともある。60代男性も「二言目には職員から『出ていけ』と言われる」と話す。「『住所がないと公的支援を受けられなくなるが、それでもいいのか』と脅される。そう言われてしまうと、頭の中は『今晩どこに行けばいいんだろう』という思いでいっぱいになってしまう」

■被害解決に向けて

 反貧困ネットワーク埼玉は「行政の側も悪質な無料・低額宿泊所を便利に使ってしまっていて、居住者の劣悪な環境に目をつぶっている点があることは否めない」と指摘する。貧困が拡大する中で、福祉事務所のケースワーカーが不足し、自立支援が十分にできないなどの悪影響が生じている。一般のアパートへの入居となれば、ケースワーカーは家庭訪問を行って状況の確認を行い、トラブルに対処する必要があるが、宿泊所にいれば施設が代行してくれることも貧困ビジネスを助長させる要因となっている。
 同団体は貧困ビジネス被害者に対する相談や、アパートへの入居斡旋(あっせん)などを行っている。しかし、宿泊所側が団体の発信している情報を遮断し、入居者に知らせないことも多いため、福祉事務所へ協力を求めるが、拒絶されることもあるという。「一部自治体は宿泊所と悪い意味でのもたれ合いの関係になってしまっている。負担増を覚悟で対応に当たらなければ貧困ビジネスによる被害は拡大し続ける」と行政に対しても改善を求めた。

貧困であること自体は別に悪いことでも何でもないことですが、こうした貧困ビジネス等によって食い物にされてしまう方々の中には相当数の無知であるが故に騙されてしまう人々がいると言う点では詐欺に引っかかる普通の人々と何ら変わるところがないし、むしろ各種教育・啓蒙活動の存在にすら接する手段が限られていると言う点でより劣悪な状況であるとは言えるでしょう。
これと関連して注目いただきたい点として行政もこうした貧困ビジネスを規制するどころか、むしろ黙認している気配があると言う点ですが、少なくともこうした行為が問題があることなのだと情報を周知徹底しその解決法を提示するところまでは行政側も努力すべきなのだろうと言う気もする一方で、現実的に生保関連予算の削減が叫ばれる中でそこまで人手が回らないと言うこともありそうな話ですよね。
現実的に見ても当事者には不本意なのかも知れませんが、毎月12万円の行政支出で無職者に取りあえず衣食住を提供していると言うことであれば各種社会サービスの相場と比較して高すぎると言えるのかどうかで、悪く言われてはいても実際にはほとんど実費相当でやっている施設もそれなりにあるのかも知れません。
一方で先日は大阪で生保受給者に現金の代わりにプリカで支給しようと言う話が出ていることを紹介しましたが、貧困ビジネス対策と言うなら少なくとも一部生保受給者に資産管理は現実的に不可能なのだろうし、自治体がその部分のサポートをすると言うならやってみれば良いとも思うのですが、実際にこのアイデアに賛同しプリカ支給を希望した世帯はたったの5世帯に留まったといいます。
この点で当事者の主体的判断や協力を前提にするのみならず、やはり一定程度行政等による強制力を発揮すべき部分もあるのかと言う話なんですが、この強制力と言うことにも関連して先日こんな話が出ていたことを紹介してみましょう。

生活保護に後発薬促進…使用率75%以上に(2015年3月5日読売新聞)

 厚生労働省は、生活保護受給者が薬局で薬の処方を受ける際、価格の安い後発医薬品(ジェネリック)を使用する割合を現行の61%から75%以上に引き上げるよう各自治体に求めることを決めた。

 達成されれば、130億円規模の保護費削減につながる見込みで、近く各自治体に通知する。

 生活保護受給者は約217万人(昨年12月時点)で、8割超の約177万人の医療費は原則、全額が公費で賄われている。受給者の医療費は2012年度で約1・7兆円と保護費の約半分を占め、処方薬代が約2000億円(14年度試算)に上る。

 受給者の医療費が公費負担にもかかわらず、後発薬の使用率が低いことへの批判があり、各自治体は薬局や医療機関に切り替えを促してきた。その結果、使用率は14年には平均61%に上がり、被保険者を含む全体の使用率(55%)を上回ったが、自治体ごとに46~79%とばらつきがある。都道府県の平均で75%を上回っているのは長野、沖縄両県だけで、和歌山県(46%)などの低調な自治体に改善を促すことにした。

医療費削減に有効とされる後発医薬品(ジェネリック)の使用促進は国策であり、国を挙げてその使用率向上が叫ばれる一方で、医療費自己負担のない生活保護受給者においては一般患者よりも後発品使用率が低いと言う現象が問題視され、後発品義務化なども議論された結果使用率が上昇傾向にあるのは結構なことなのだろうし、さらにその方針を推し進めるべきではあるのでしょうが、さてどうやって?と言う話ですよね。
もちろん調剤薬局の窓口で「同じ成分同じ薬?面倒くさいから一番高い奴出してくれよ。どうせタダなんだし」とばかり先発品を希望する方々も一定数いるのだろうし、その意味で後発品(原則)義務化が言われるのも当然なんですが、そもそも国が言うように本当に同じ成分同じ薬であるなら薬局に支払う報酬は安価な後発品相当額だけにして、高い薬を出すほど持ち出しになる等々の方法も考えられるわけです。
医薬分業の時代なのですからどうやって患者を安い薬に誘導するのかは各薬剤師の裁量次第と言うことでも構わないと思うのですが、面倒くさいのは生保受給者に限らず特定銘柄の薬の処方しか許さないと主張される処方側の医師も一定数いて、そうした先生方が処方箋に後発品変更可のチェックを入れない限り誰もどうしようもないと言うケースですよね。
実際に後発品限定と言っても後発品自体も様々な薬があるわけで、薬局にしても各種同効薬を取りそろえさせられるよりは先発品に統一してもらった方が楽だと言うのも本音かも知れませんが、これまた本当に同じ成分同じ薬であるならそもそも公定価格が違うこと自体がおかしな話であって、全ての薬を同一価格で統一してしまえばほとんどの問題は解決するのかも知れません。

もちろん表向きはどうあれ実際には同じ成分であっても100%同じ効き目だと保証されるものではないし、むしろ経験的にそうではないと認識されている後発品も多いのですが、判りやすいケースとしては製剤毎に有効成分以外に何が含まれているかが異なる以上、アレルギー体質の患者さんなどには安全が確認された特定銘柄のものしか使いたくないと言う場合です。
この辺りはいわゆる医師の裁量権独立と言う古典的問題と絡めて医療系団体を中心に一律の強制化が反対される所以でもありますが、実際にどうしてもこのブランドのこの薬しか使えないと言うやむを得ない事情があるケースがどれくらいあるのかと言うことを考えた場合に、おそらくほとんどの場合は純医学的には単純に他の薬にしたらいいんじゃない?と言う状況にあるかと思うのですがどうでしょうね。
そこまで熱心に患者のことを考えていらっしゃる先生方であれば、例えば原則として処方可能な薬剤は後発品に限る、ただし特定銘柄を敢えて指定したい場合には担当医が医学的理由を併記しなさいと言ったルールも受け入れてくれるものなのかどうかですが、正直そこまで面倒くさいことをさせられるのなら薬の銘柄なんてこだわらない、どうでもいいよと言う先生の方が多数派ではないでしょうか。
門前薬局なども多種多様な後発品を揃えさせられるのは大変だからと、近隣の病院側と相談した上で特定銘柄に処方を限定してもらうと言った小技はごく普通に行われているわけですから、要するに医療費がどうとか言う大所高所の話よりも目先の手間ひまが省けるような方向で現場が最も誘導されやすいと言うことであれば、それに対応してお金をかけずに政策的に誘導する方法論もありそうには思いますね。

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2015年3月12日 (木)

少子化時代の本音と建て前

先日妙に盛り上がっていた話題としてこういうものがあるのですが、まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

「子無し税」議論 様々な意見噴出(2015年2月26日webR25)

女性限定の匿名掲示板「GIRL’S TALK」で、「子無し税を作るべきだと思います」と主張する人がトピックを立て、議論が白熱している。
トピックを立てた女性は、「子有りの方々は子無しの方々より社会に貢献しているからです。次世代につなぐ、子孫を残すというある種生物として当然の義務を子無しの方々は果たしていないわけですから」と持論を展開。そのため、「具体的には30歳以上65歳以下の子無し男女に、毎月月収の2%を納めさせるというのはどうでしょうか?(例:月収30万円なら毎月6000円)」という提案をしているのだ。
この女性自身は、独身で子供もいないとのこと。自分も「子無し税」を払うことを前提としたうえでの意見だ。これに対し、1万以上の「共感する」ボタンが押されるなど、反応した人は多数。意見としては

「少なくとも今のバラマキ政策よりは理にかなっているし、社会的な収入にもなり、少子化抑制につながる一歩ではないかと思いました」
「良いと思う
子供出来ずに治療中ですが、このまま授からない場合は主様の意見に大賛成
子供を産めず申し訳ないって気持ちから、少しは解放されそう」

などと賛成する声がやや目立つ。ただ、

「扶養控除あるんだし、こどもの医療費の補助、手当など既に子どもがいるお家は優遇されてます
…と言う事で、子供のいない人は既に負担してると言えなくないです。
子どもがいる私でさえ、それは納得できません
子どもがいない人に負担させる前に、今きちんと税金を支払って無い人の方が問題じゃないでしょうか」

など、子供がいる人が優遇される制度がすでにあることから、反対する意見もあった。
デリケートかつ、立場によって意見が大きく変わるであろうこの話題は、ネット上で広く取り上げられ、ツイッターでも拡散。

「子無し税ってLGBTはどうなるんだろ。
子供欲しくてもできない場合どうするの。
全員が全員異性愛者ばっかりじゃないと思うんだけどさ」

など、同性愛者などの多様性を考慮に入れるべき、という意見や、さらには、

モテないだけでも悲惨なのに、モテるやつを支えろとまで言うのか…
クリスマスとバレンタイン廃止と引き換えならば子無し税払ったろ

など、“非モテ”の立場からの投稿も登場した。
これだけ議論になるのも、少子高齢化がすすむ社会について、問題意識が広がっていることのあらわれなのかもしれない。

いやまあ、確かにその実現に当たってはクリスマスだのバレンタインだの異国由来のケシカラン風俗の撤廃も大いに検討されるべきなのでしょうかねえ…
もちろん現実的にこういう税金を創設しようと言うことではないのでしょうが、しかしいずれにせよ税と言うのも違う気がするし男は無罪なのか?と言う疑問も湧くところとは言え、こう言う半ば以上ネタのような話に対しても賛否両論意見が噴出するのもそれだけ危機感を抱いている方々が多い証拠ではあるのでしょうね。
注意いただきたいのは自分自身はこれこれの立場であり、そうであるからこそ新たな負担は反対だと言う意見よりも、自分に不利であっても理念優先で賛否を表明する人が多いように見えると言う点ですけれども、もちろん現実的にそうした税が出来る可能性がないからこその思考実験とも言えるにしても、必ずしも国民が自己負担増加のみを評価基準に政策を判断しているわけではないとも言えそうです。
世間ではこれだけ少子化問題が認識されていて、その理由として女性の社会進出が当たり前になったことに加え低年収化が進行し共働きでなければ結婚生活を営めない、そもそも結婚すら出来ない若年世代が増加していることなども言われていますが、一方でこうした方向性での議論はともすれば「今どき女は家庭など古い!」と性差別論者扱いされてしまいかねない危険性もありますよね。
一方でそもそも結婚というものをしたいと思わない、それ以前に異性と交際する事自体面倒くさい、興味がないと言う人間が増えただとか、あるいは同性愛や性同一性障害と言った性的マイノリティーの増加に少子化の理由を求める意見なども同様に人権侵害だと批判を浴びかねませんが、この方面で先日こんな舌禍事件があったそうです。

「同性婚が少子化に拍車かける」 議員のTV発言、他国の例ではどうなのか(2015年3月6日J-CASTニュース)

   同性婚を巡るテレビ番組での討論で、出演した自民党議員が「同性婚を制度として認めたら、少子化に拍車がかかるのではないか」と発言し、同性婚賛成派らからの反発を招いている。
   海外で実際に同性婚を認めている国の中には、逆に出生率が上がっているケースも少なくない

自民議員は日本の「伝統的な家族制度」掲げる

   日本では現在、同性婚は法制化されていない。2015年2月18日の衆院本会議で安倍晋三首相は、「現行憲法の下では同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されておりません」と述べた。今後についても「極めて慎重に検討を要する」とするにとどめた。
   一方で東京・渋谷区では、同性カップルを夫婦に相当する関係と認めて「パートナーシップ証明書」を発行することを盛り込んだ「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」案が3月の区議会で提出された。従来は、パートナーが緊急入院しても「家族でないから」と面会を断られたり、夫婦として受けられるサービスの対象から外されたりしてきた。条例案は、区が各種事業者に対して、同性カップルを夫婦と同等に扱うよう求めるものだ。

   3月2日放送の「ビートたけしのTVタックル」では、渋谷区に住む女性同士のカップルと、自民党衆院議員の柴山昌彦氏らが出演し、同性婚を巡って議論が交わされた。カップルは、現状では「共有名義のローンが組めない」「パートナーに財産が残せない」といった例を挙げ、「特別なことをしてほしいわけではない。異性のカップルと同じ選択肢が欲しい」と訴えた。
   これに対して柴山氏は「議論が熟していない」と言い、日本の「伝統的な家族制度」を掲げた。男女が一緒になり、世帯として子供を育てる。そこに税制や法律上の同居義務を課している。柴山氏は、家族のあり方は多様化してはいるが、「典型的には父母の下で子が育つ」という考え方が浸透しているとして、同性婚を法的に認めることに慎重な考えを示した。
   一方、出演者のひとり、ミッツ・マングローブさんが「夫婦や家族の意味合いがどんどん変わってきている。繁殖だけが結婚じゃない。そろそろ男同士、女同士の結婚を認めてもいいのではないか」と同性婚導入を促した。
   すると、柴山氏は、こう返した。
    「同性婚が自由にできたら、少子化時代にマッチするのか。(同性婚が)制度化したら、少子化に拍車がかかるんじゃないか」
   この「拍車が」意見に対しては、スタジオ内で反論が続々寄せられた。現状でも子どもを持つ女性と持たない女性がいる、高齢者同士の結婚だってある、として、少子化と同性婚は分けて考えるべきだと反発の声が相次いだ

オランダやデンマークで出生率上昇

   柴山氏の懸念は果たして現実に起きているのか。2015年3月4日付の東洋経済オンラインの記事によると、同性カップルにも異性のカップルと同じ結婚を認める制度があるのは、オランダやベルギーなど10の国・地域。また、結婚とは違う同性カップルのためだけの「パートナーシップ法」があるのは、ドイツやフィンランドなど12の国・地域。両方あるのがノルウェーや英国など7か国となっている。ほかにイスラエルも、同性カップルの権利を保障する国だそうだ。
   これらの国・地域では、本当に出生率が下がっているのか。J-CASTニュース編集部では、経済協力開発機構(OECD)や世界銀行のデータを基に、パートナーシップ法や同性婚を認める法律を施行した年と最新の2012年の出生率を比較した。制度が2012年以降に設けられたり、米国のように国単位ではなく一部地域で法律が施行されたりしているケースは比較する数値が出せないため除いた。すると、出生率が上昇した国は、世界最初に同性婚法を施行したオランダや、世界初のパートナーシップ法を定めたデンマークなど13か国、低下した国はスペインや南アフリカなど8か国で、出生率アップの例の方が多かった
   また、こんな事例もある。同性婚制度が議論されていた米ケンタッキー州では、州知事が「異性間の結婚でないと、州の出生率低下や経済の停滞を招く」と主張し、同性同士の結婚を禁じる主張をしていたが、米連邦裁判所ではこの主張を退けた。ケンタッキーの地元紙「クーリエジャーナル」(電子版2014年7月2日付)記事によると、判事のひとりは、同性婚を締め出すことが、異性婚のカップルによる生殖についてどのような影響を及ぼすか、知事側は全く説明していないと断じた。同性婚と出生率の低下を関連付けても、根拠が示されていないというわけだ。
   「TVタックル」で批判を浴びた柴山議員は、番組出演後、自身のツイッターに「不利にしないようにすることと、正面から認めることの間にはやはりギャップがあります」と投稿した。
   同性婚の制度化は、欧米を中心に急速に浸透しており、日本の対応に関心が高まっている。議論は今後も続きそうだ。

この方面では記事にもあるように先日渋谷区が同性カップルに結婚相当の証明書を出すと言う条例案が話題になり、他にも同様の証明書を出すとして動き出した自治体もあるようですが、これも独身女性はローンも組めない等々と言った話も含め結婚と言う法的状態がなければ実社会で様々な不利益があると言う意味では、今の時代に結婚を当たり前の前提としている様々な社会的慣習が現実に即していないと言えそうです。
日本古来の(と言うほど古い伝統があるとは実際には言えない話ですが)男女一対一の結婚生活と言うものを尊重するのはそれとして、それ以外の道で生きていきたい方々に対しても不利にならないくらいは配慮してもいい時代だろうし、正直結婚や社会制度がどうあれこうした方々が人口再生産にさほどに貢献できるものなのかどうかです(もちろん、可能ならそうした希望を持つ方々も大勢いらっしゃるでしょうが)。
そういう意味でも一部の方々に見られる結婚と言う制度の尊重とそれ以外の生き方の(実質的な)否定であるとか、さらには少子化云々と絡めた反対論のやり方はちょっとピントがずれているかなと思うのですが、興味深いのはそうした保守的な?考え方に反対するリベラルな方々においても、憲法解釈等々別な方面では全く同様の構図でピントのずれた牽強付会な反対論を駆使する傾向にあると言う点でしょうか。

フランスなど人口再生産に成功しつつある国を見ていると日本はシングルマザーが少ないことがしばしば指摘されていて、かつ社会制度的にも世間の目からもそれを推奨どころか容認する状況にさえないと言うことも人口再生産には不利なのだろうし、出生数100万に対して人口妊娠中絶が未だに20万以上もあると言うのも問題だと言え、単純に少子化対策と言うならなるべく多様な生き方を認めた方が有利そうだとも言えるでしょう。
先日面白いなと思ったのが先日ケンブリッジ大らのグループの研究として、皮膚細胞から精子や卵子の元になる始原生殖細胞を効率的に作成出来る方法が見つかったと言う報告があったそうで、2年後には実際に子供も作れそうだと聞けばさすがにその方面では有名な国だけに同性愛カップルにとって福音になるかと期待される話なのですが、さてそうなった場合伝統的価値観を重んじる方々がどう反応すべきなのかです。
こうした話は医療の世界においても全く他人事ではなくて、生殖医療の進歩が人口再生産に対しては有利に働く可能性がある一方、医学的な安全性のみならず倫理的な観点からも抑制的に運用されている現状がありますけれども、もはや国を挙げての少子化対策が必要だと主張する方々も医療界の保守性?に対して国策に反している!と大きな声を上げて糾弾していてもいいはずですよね。
この辺りはいずれも表向きの主張に隠れた本音なりを各人が抱えているのだろうし、それが表向き社会的支持を得られそうにないだとかむしろ糾弾すら受けかねないと言う空気を読んでのことなのかも知れませんが、何が有効で何が無駄なのかと言う客観的なデータがあるならあるでそれに基づいて議論すべきだろうし、判断の材料が提示されない限りは国民の議論も熟しようがない気もしますでしょうか。

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2015年3月11日 (水)

東日本大震災の教訓

本日はまさしく東日本大震災の起きた日で、数多の犠牲者のご冥福を改めて祈りたいと思いますけれども、その一方で必ずしも見過ごしに出来ないこんな問題が改めて発覚していると言う気になるニュースから紹介してみましょう。

要避難名簿、3割超が提供せず 個人情報保護を理由に(2015年3月10日中日新聞)

 東日本大震災で被害を受けた岩手、宮城、福島3県で、災害対策基本法に基づき、災害時の避難に助けが必要な障害者や高齢者らを事前登録する名簿を作った自治体の3割超が、民生委員や自治会など外部の支援者に情報提供していないことが10日、分かった。

 個人情報保護が主な理由だが、緊急時の支援の実効性に疑問符が付きそうだ。災対法は外部提供の義務付けまではしていないが、内閣府は「平時から提供した方がいいことは明らか」としている。

 大震災で自治体が持つ要支援者情報が活用されず、犠牲者が増えた反省から、国は名簿作成を義務付け、事前提供を促している。

この個人情報の保護と言う問題に関しては、以前から地域内で問題のある家庭に周囲が立ち入ろうとしても情報提供がなされないだとか平時からその運用の限界が知られてきたところですが、平時においてすらそうであれば役所の機能も崩壊する非常時にあってまともに機能するはずもないとは予想出来るところで、結局は広い意味での利便性との折り合いをどう付けていくかと言う問題ですよね。
ただ周囲や第三者の目線から見てどれほど必要性が高かろうが、現状では当の本人や家族が「これは個人情報の流出ではないか」と騒ぎ立てればそれが通ってしまう以上運用に慎重にならざるを得ないのは当然で、国も「平時から提供した方がいいのは明らか」などと言わずに明文化されたルールを整備していただかないことには、自治体や地域住民が大きな不利益を被ることになりそうですよね。
いずれにしてもこうした教訓が今も次々と組み上げられていくのはよいことだし、今後それに対してどのような対案を打ち出していけるかが生き残った我々の使命であるとも言えるところなんですが、ともすれば崩壊しかねない災害時の地域住民の把握と言う問題に関して、こういうアプローチをしている自治体もあると言います。

選挙システムで避難者情報 千葉・船橋市が実証実験、情報入力…一元管理(2015年3月10日産経新聞)

 東日本大震災の教訓を受けて船橋市は9日、有事の際の避難者情報を、選挙用の「期日前投票システム」を活用して集約する実証実験を24日に行うと発表した。避難所で情報を入力して一元管理するもので、家族が別々に避難した場合でも情報を入手できるほか、負傷して病院に運ばれても、家族らが搬送先を知ることができる。全国でも初の試みという。

 災害対策本部が避難者の実情に応じて支援物資を効率的に搬送できる利点もある。市選管事務局は「避難所は分散しており、情報が混乱しやすい。期日前投票システムを活用すれば、避難者情報を一元化して集約できる。個人情報提供のやり方や無線によるネットワーク確立などの課題を解決すれば、全国の自治体でも活用できるのでは」と説明している。

 市選管事務局は選挙用のパソコン150台を所有しており、災害時には市職員がこれらを市内132カ所の避難所に持ち込む。選挙では選挙人名簿のデータを元に期日前投票所で投票状況を確認するが、代わりに住民基本台帳のデータを活用。避難者の情報を入力して一元管理する計画だ。

 訓練は同市高根台の市立船橋特別支援学校に避難所を設け実施する。障害者や高齢者ら災害時要援護者の避難・移送訓練も行う。4年前の東日本大震災の際、同市では57カ所の避難所に約5480人が避難した。多くは帰宅困難者だった。

もちろん投票システムの目的外使用と言うことではあるのですが、現実的に即応性がある既存のシステムとしてこうしたものが利用できると着目した点は優れているし、毎回の選挙のたびに機械と回線を用意して各所に設置しているのですから扱う側も慣れているだろうしで、これは全国どこででもすぐに応用が利きそうなアイデアだと思いますね。
そもそも震災時には住民データを未だ紙で処理していた自治体も多く、元データが物理的に流出してしまうと修復が事実上不可能であると言う思いがけない脆弱性が今さらながらに指摘されたわけで、大規模災害において一刻も早く情報を取り出さなければならない時に倉庫から古い伝票の束を持ち出してきて一枚一枚確認しているのでは間に合うはずもありませんから、まずは最低限電子化と言うことが
将来的にはこうした間に合わせ的な運用から、例のマイナンバー制に基づいた住民情報の一元管理と言うことが各方面で進んでいくことになるのでしょうが、これも震災を契機に元データが失われるような事態に遭遇しても困ることのないようクラウド化しようだとか言う話も出てくるはずで、そうなると当然ながら「もし個人情報が流出したらどうなるのか」と厳格な管理を求める声も今以上に強まっていくことでしょう。
利便性と個人情報保護は表裏一体でどこまで許容されるべきか判断の難しいところがありますが、例えば役所からこれこれの場合に情報を開示してもいいですか?と個別に問われたとして、それがもっともだと思える状況であれば拒否する方もそう多くはないでしょうから、各自治体は労を惜しまず早めに市民の意志確認をしておいた方がいざと言う時に困ることが減るかも知れませんね。

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2015年3月10日 (火)

誰が悪いとも言い難い事故での責任の所在

先日からちょっとした話題になっているのがこちらの悲惨な事故ですが、まずは記事から紹介してみましょう。

歩行者よけようと転倒、女子高生ひかれ死亡(2015年3月5日ニュース24)

 5日朝、神奈川県厚木市の県道で自転車の女子高校生が歩行者をよけようとした際にバランスを崩して転倒、走ってきたトラックにひかれ死亡した。

 警察によると、5日午前8時ごろ、厚木市戸田の県道を自転車で通学中だった県立高校1年の大森友里愛さんがバランスを崩して転倒した。大森さんは後ろから走ってきた大型トラックの後輪にひかれ、まもなく死亡が確認された。

 現場には、大森さんの遺族が献花に訪れた。

 大森さんの母親「今日からテストなので、こういう時に限って(自転車)ですね。(けさは)私の方が先に出ちゃったので、気をつけてねって言ったら『うん』って笑顔で。それが最後です」

 大森さんは、前から歩いてきた女性(61)をよけようとしたところ、女性のリュックに自転車が接触、路側帯から車道にはみだし、車道で転倒してしまったという。

 トラック運転手の男性は「すぐに止まったけど、間に合わなかった」と話しているということで、警察は事故の状況を詳しく調べている。

現場の状況はこちらのサイトの画像を参照いただきたいと思いますが、片側一車線で路側帯しかない狭い道であるにも関わらずかなりの交通量があったようで、ここで歩行者と自転車がかち合えばただでさえ車道にはみ出さざるを得ないんは当然なんですが、衝突によって転倒と言うことになれば車の側でも驚くしかないと言う状況でしょう。
道交法などルール上からすればこうした事態も想定して車は十分な距離を開けるなり最徐行するなり「かも知れない運転」をすべきだった、と言う話になるでしょうし、誰が金銭的に賠償すべきなのかと考えるとやはり保険を持っている車側に責任があると言う方向に話が進みそうではあるのですが、実際の交通状況を考えると決してこれは他人事ではない事故であったと肝を冷やしたドライバーの方々も多かったと思います。
先日は自転車版の当たり屋が増えていると言うニュースを紹介しましたが、以前の自転車車道走行義務化の際にも議論になったように事故が起こった際に無保険者同士ではトラブルになりやすいと言う事はままあって、そのせいか民事訴訟などではそれは少し無理筋なのでは?と思えても国や自治体など確実に支払い能力のありそうな相手を管理責任なりの名目で訴えると言うことは普通に行われていますよね。
訴えた側にとっても訴えられた側にとっても別に望んでそうなったわけでもないのでしょうが、金銭的に補償すると言うことが唯一万人に共通する償いの方法論であり、逆に医療の無過失補償制度などが金銭的にまず補償を行うことによって紛争化を防ぐと言う目的も持っていることを考えると、本来事故など誰が悪いとも言い難いようなケースでは民事訴訟とは別なルートが開かれているべきなのかと言う気もします。
そんな中で昨年春に起こった子供の絡んだ悲劇的な死亡事故に関連して、警察当局がちょっと粋な計らいをしているじゃないかと話題になっていることを紹介しましょう。

おぼれた女児を助けようと…死亡の6歳男児遺族に給付金(2015年3月7日朝日新聞)

 昨年4月、福島県郡山市の川で流された女児を助けようとした男児が亡くなった事故で、県警は6日までに、男児が警察官の職務に協力したとして、男児の遺族に遺族給付金を支払う方針を決めた。2月補正予算案に計上しており、開会中の県議会で可決後、支給される。

 事故は昨年4月16日夕、同市小原田の阿武隈川で起きた。近くの女児(当時3)が川に落ち、一緒に遊んでいた近くの小学1年の辰田真翔(まなと)君(同6)が小学3年の姉と助けようと川へ入り、3人とも流された。辰田君が亡くなり、意識不明の重体となった女児もその後、死亡した。辰田君の姉は救助されて助かった。

 給付は「警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律(協力援助法)」に基づく。犯人逮捕や人命救助で警察官の職務に協力し、けがを負ったり、死亡したりするなどした場合に支払われる

 辰田君の遺族には、遺族給付一時金など計約938万円が支払われる見通しだ。県警厚生課は「男児が自らの危険を顧みず人命の救助に当たった」と支給を決めた理由を説明した。(小島泰生)

この場合阿武隈川が一級河川であると言うことで流された女児の側は管理責任なりを国に問うことも可能なのかも知れませんが、自ら川に入った男児の側が損害賠償請求をして通るかと言えば微妙なところなのだろうし、ましてや救助のために身体を張ったのだからと女児の親に賠償を求めると言うのも現実的にも支払い能力的にもちょっと難しい状況ではありますよね。
事故などで誰かが亡くなった場合、特にそれが子供であった場合に親は誰かに責任があるに違いないと思いたがるものであり、そうした責任転嫁をすることで初めて子供を失った現実を受け入れられるようになるのだと言う説があるそうで、有名な杏林割り箸事件などもあれだけ大学側の責任を追及したのもこうした心理が働いたのではないか、当時の状況を客観的に見れば一番事故に責任があったのは親だろうと言う声も根強くあるようです。
その意味で今回県警が公費によって給付金を出したと言うのは落としどころとして非常にうまい方法論だと思うし、こうした制度があることを知らなかったと言う方も参考になったんじゃないかと思いますが、遺族感情としてもこうして亡くなった子の業績を称揚され一応の遺族給付金を支払われた結果、誰も恨んだり恨まれたりしなくて済むのであれば更なる二次的な悲劇が回避されたとも言えそうですよね。
制度的に毎回何の事故においてもこうしたものが使えると言うわけではないでしょうし、本来的に子供と川遊びに出かけると言うリスクを犯すなら自己責任で保険くらい用意するべきと言う考え方もあるでしょうが、社会一般に無過失補償的なものがもう少し広汎に広まってきて誰もが誰かを責めたりせずとも一定の補償が受けられると言うことになれば、社会トータルで見た場合出費に見合うくらいの見返りは十分期待出来るのかも知れません。

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2015年3月 9日 (月)

科学・医療としては似非でも別方面から見れば本物?

いわゆるイスラム国に関わる最近の報道などを見ていると欧米では宗教戦争的な状況に陥りつつある感もあって、現代の日本ではあまりこうした宗教に関わる問題が発生しないことに胸をなで下ろしている方も多いかと思いますが、日本人が信仰心、宗教的関心が低いかと言えば必ずしもそうとは限らず、単に特定の宗派だけに帰依して他宗派を排除する一神教的考え方に囚われていないだけだと言う考え方もあるようです。
そう考えると日本人にとって最も普遍的な宗教的感覚とは原始的な多神教の面影を残す神道なんだろうなとも思うのですが、そもそも宗教とは何か?と言うことに関しても様々な定義があって、一部の新興宗教などは信者獲得にあたって「うちは宗教ではないですから」などと言うからややこしいもので、伝統的宗教が目立たなくなったかわりに何かしら宗教的側面を持つものが身近に存在しているのが現代社会の特徴であるのかも知れませんね。
一方で日本では宗教や信仰と言う言葉は言ってみれば非科学的なものに対する婉曲的否定的な表現としても用いられる場合があり、医療の世界においても有名な丸山ワクチンを始めとして果たしてこれは科学なのか?と疑問視されるものには事欠きませんが、近年様々な文脈で取り上げられる機会が多いのが慶大病院講師としてご活躍中のあの方に関する話題でしょうか。

「子宮頸がんは放置していい」に産婦人科医から非難殺到! 宋美玄氏に聞く、ニセ医療に騙されない方法(2015年3月2日ウーマントピックス)

ちまたに蔓延するニセ医療、ニセ健康法、ニセ美容法……これらに「待った!」をかける書籍が、昨年からにわかに増えています。『女のカラダ、悩みの9割は眉唾』(宋美玄著、講談社)、『「ニセ医学」に騙されないために―危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!』(NATROM著、メタモル出版)などがそれにあたり、情報過多の波に翻弄され、おぼれかかっている私たちのために、つかまるべき丸太を投げ入れてくれています。

    医師・近藤誠氏の説は「がんは切らないで放っておけば自然に治る」

そんな中、今冬発売された『もう、だまされない! 近藤誠の「女性の医学」』(近藤誠著、集英社)が話題になっています。著者の近藤氏は慶應義塾大学医学部において、がんの放射線治療に長らく携わってきた医師。
本書では、

    ・子宮頸がん検診でがんを早期発見、早期治療することが不妊につながる
    ・それゆえ、検査も治療も受けないほうがよい
    ・放っておけば自然に治る(放置療法)
    ・乳がんのマンモグラフィ検査も受けないほうがよい
    ・なぜなら、切らなくてもいいがんまで手術で乳房ごと切り取られるから
    ・それはひとえに、医者が手術をしたいがゆえ。そうしないと医師は仕事がなくなってしまう …………etc.

こうして「医療の常識をくつがえす」説が次から次へとくり出されます。自分がこれまで知っていたのとは正反対の事実を突きつけられると足元をすくわれたような気になり、「いままで信じていたのは何だったの!?」と衝撃を受ける内容になっています。しかし、これに対し、産婦人科医の宋美玄氏は異論を唱えています。そこで、本書の何が問題なのか、宋氏にお話を伺いました。

    子宮頸がんを放置すれば命に関わってくる

――近藤氏は2012年の『医者に殺されない47の心得』(アスコム)がベストセラーになり、患者のことを何も考えていない医療からいかに自分の身を守るかということを声高に発信しつづけています。宋先生は本書をどう読まれましたか?

宋美玄さん(以下、宋):『医者に殺されない~』から近藤氏の説は変わらないので、私も含めた医者の反応は「またか」といったところです。今回は女性の病気に焦点をあてていますが、がんの放置をすすめるなど内容は既刊本とほとんど変わりません。ただ、今回は子宮頸がんに対する主張に明らかな誤りがあるため、看過できませんでした。

――先ほどあげた「子宮頸がんは放置していい」という独自見解のほかに、子宮頸がんの前段階である「異形成」が見つかり、なおかつ子宮体がんも見つかっているのに、そこから8年以上放置治療している女性の例も紹介されています。

宋:子宮頸がんは、20~30代の若い世代に急増しているがんですが、予防できるものであり、早期発見して早期治療できれば、最悪の事態はまぬがれ得る病気です。それを放置していいと勧めるのは、たいへん罪深いことです。子宮や卵巣の摘出にとどまらず、命に関わってきますから。
私の周囲の産婦人科医は口をそろえて「近藤氏は子宮頸がんで苦しみながら亡くなっていく患者さんを診たことがないんだろうか」と嘆いています。おそらく今後も診ることないでしょうし、その主張を信じて放置した女性がどのような最期を迎えても責任を取ることはないのでしょう。それなのにこうした発言をする思考回路は、私たちには理解できません。

    近藤氏の発言に怒っている医師は数えきれないほどいます

――近藤氏はいろいろな文献を提示しながら、「放置」を主張していますが……。

宋:海外の論文のなかから、自分に都合のいい論文や、すでにそれを否定する新たなデータが出ている論文をピックアップして引用している、と指摘されています。私たちにとっては根拠がないに等しくても、「えらい先生がいっているから」と洗脳される人は一定数いますよね。いったんそうなると、ほかの医師が懇切丁寧に説明しても聞く耳を持ってもらえません
病気になった人が洗脳されているのも困りますが、本人は治療したがっているのに、配偶者や家族が放置を希望するため治療を受けられない、という事態も起きています。近藤氏の発言に怒っている医師は数えきれないほどいます。
(略)
宋:どんな職業でも不心得な人が一部いるものですが、医師の世界も同業者として首をひねってしまう倫理観の持ち主や技術不足の医師がいるにはいます。でも、それをもって医者全体を「モンスター集団」とするのは飛躍にもほどがあり、見識が低いとしか思えません。癒着も同じく、医療界にかぎらず「まったくない」と断言できるところはほとんどないでしょう。ただ、自分がお金で動く人は、他人のこともお金だけで動いているように見える、ということだと思います。
(略)
身体に関しては、医師の洗脳があったとしても、最終的には自己責任になってしまうので、自分のためにそれを実践してほしいですね。女性たちよ、近藤本をはじめとする医療否定本の餌食になるな! と力をこめていいたいです。

近藤氏に関しては各方面に熱心な信者…もとい、賛同者がいると言うことは以前にもお伝えした通りですが、それほど近藤理論が人口に膾炙することになってしまったのも提唱初期に「まさかこんなものを本気にする人間はいないだろう」と医療界が高をくくって放置したからだと言う反省の声もあって、逆説的に病巣を放置せず正しく初期対応することが重要であると言うことを再認識出来たと言えるのかも知れません。
近藤氏については実際に初期の乳癌を放置した結果当然ながら進行し亡くなってしまったと言ったケースもあり、「当たり前の治療をしていれば助かっただろうに」と言う声も根強いのですが、本人や家族が情報を知った上で納得し決断したことであれば仕方がないのでは?と言う意見もあって、その背景には例えば乳癌に関して以前の日本では乳房全摘術が主体で患者の心理的ハードルが高かったことも関係あるかも知れません。
その点で興味深いと思ったのは一昔前には日本でもやっと乳房温存手術が広まり患者家族が喜んでいると言っていたものが、さらに時は流れ乳癌切除後のインプラントによる乳房再建が保険適用になったこともあり、今や再び全摘術が温存術を上回るようになったと言う話で、かつて全摘術批判で名を知られることになった近藤先生としても日々移り変わっていく医療の変化に色々と感じられることも多かろうと思いますね。
いささか近藤先生の話が長くなりましたが、先日は以前にも取り上げたことのある「ズンズン運動」の施術者が逮捕されたと言うニュースが世を賑わしていましたけれども、これなども興味のない人間からすると「こんなあからさまに怪しいものに何故?」と疑問符がつくところでしょうが、実際にその場にいれば思わず「入信」してしまいかねない巧妙な商売が成されていたと言います。

「ズンズン運動」で乳児死亡、容疑のNPO元理事長を逮捕(2015年3月4日TBS)

 赤ちゃんの命を奪った危険なマッサージは、15年間も放置されていました。これでお金をとっていたというのですから、親の思いにつけこんだとしか思えません。

 業務上過失致死の疑いで逮捕されたのは新潟県上越市のNPO法人「キッズスタディオン」の元理事長・姫川尚美容疑者(57)です。警察によりますと、姫川容疑者は去年6月、大阪市内で行ったセミナーで、危険性を認識しながら神戸市の生後4か月の男の子をうつぶせの状態で、首の動脈や胸や腹を繰り返してもむなどして窒息状態に陥らせ、死亡させた疑いが持たれています。
 「できるだけ赤ちゃんの体をまっすぐに育てることを意識すると、赤ちゃんがすくすくと育っていく」(姫川尚美容疑者・NPO法人のDVD映像)
 乳幼児の母親たちを前に、自ら考案したという施術方法を実演する姫川容疑者。その施術が、「ズンズン運動」です。赤ちゃんの体を揺さぶることで、アトピー性皮膚炎やダウン症に効果があるとうたい、1時間1万円で施術していたということです。
 「ズンズンという揺らぎと共にこのだっこをすると、宇宙につつまれた私たちの体の成長を感じて生きていける」(姫川尚美容疑者・NPO法人のDVD映像)
 他にも、赤ちゃんの首を90度以上ひねったり、背中を海老ぞり状態にする施術を行っていました。姫川容疑者をめぐっては、過去にも施術を受けた別の幼児が死亡する事故が起きています。

 逮捕前のJNNの取材に対し、姫川容疑者は、およそ15年前から6000人以上に施術したと説明。逮捕容疑となった男の子の死亡については、施術が原因ではないと話していました。
 「『ズンズン運動』といって、体を揺する運動を中心にしていましたから、『窒息の疑いがある』と言われましたので、(その可能性は)ないと断言したい」(姫川尚美容疑者)
 では、首をひねっているように見える写真について尋ねると・・・
 「大きく首をひねったり、曲げたりしているつもりはない。赤ちゃんが自分の向きたい方向に首を向けることはある。私の手がくっついていくという動作はある。皆さんに気持ちがいいという回答をもらって続けてきた。体験オンリーです。私が医学的な知識があるわけでもなし、顔を見て、この子がどうだと病状を把握できる能力があるわけでもない。私のできる範囲の中で、最大限やっただけ」(姫川尚美容疑者)
(略)

「ズンズン運動」で乳児窒息死 NPO女性理事長の稼ぎっぷり(2015年3月7日日刊ゲンダイ)

 なぜ客を集められたのか、不思議だ。「ズンズン運動」と称した首をひねる怪しげなマッサージで生後4カ月の男児を窒息死させ、業務上過失致死で大阪府警に逮捕された新潟県上越市のNPO法人元理事長、姫川尚美容疑者(57)。
 姫川容疑者の施術は医学的根拠がないのに1時間1万円と高額。ズンズン運動で意識を失うなど、体調がおかしくなった乳児は他にも複数いたにもかかわらず“客”が絶えなかったというから、驚く。
「約12年間で6000人以上の乳児を施術していたといいます。『免疫力を高め、アトピーに効果がある』などとうたって集客し、『大学教授から免疫学の裏付けを得ている』などとウソの説明で信用させていた。カルト集団の教祖のように口八丁手八丁、施術に訪れた客をスタッフで囲むなどして、抜け出せない雰囲気をつくっていたそうです」(捜査事情通)

■ブログでは「月収25万円」

 姫川容疑者のブログなどによると、姫川容疑者は広島県出身で、2男3女を育ててから、2003年にNPO法人を設立。新潟以外にも東京や大阪にサロンを開くなど手広くやっていた。書籍やDVDを販売したり全国で講演も行っていたという。
 姫川容疑者本人はブログで、「指導料などはNPO法人の資金で、事務所やスタッフの費用にあてられてきた。私が受け取るのは月に25万円」と清貧をアピールしていたが、にわかには信じがたい。
「NPO法人の一昨年の事業報告書によると、経常収益は約2800万円です。単純計算で、この12年間で3億3000万円以上稼いだことになる。書籍の印税を合わせれば、もっとでしょう。実際に施術するのは姫川容疑者だけ。少人数のスタッフは“お飾り”みたいなものだったそうですから、ひとりでガッポリでしょう」(前出の捜査事情通)
(略)

問題の首ひねり行為に関してはネット上で幾らでも画像が検索出来ますので見ていただければと思いますけれども、医学的知識のない人間が素人目にも怪しげな行為をしてこれだけ売り上げがあるのですから世の中今も埋もれた顧客需要は大きいと見るべきなのか、ともかくも本や講演など様々な方面での露出も多かったと言いますからずいぶんと商売上手な方ではあったのでしょうか。
いわゆる似非科学に関しては日本においても先年レメディーなる砂糖玉を舐めさせるホメオパシーが死者を出す騒ぎを起こしていましたが、あれなども国外で相応に広がっているからこそ検証の機会も多く全く効果がないことが明らかになったとも言え、片田舎でひっそりと行われているローカルな民間療法に関して専門家がエビデンスを元に有効性を検証すると言うことはちょっと考えにくいことですよね。
科学的裏付けがないから効果もないのだろうと考える方はそれでいいですが、そこで「科学によってもこの効果は否定出来ない」と言う方向に解釈してしまうと言った者勝ちの世界になってしまいますから、この種の似非医療行為に関しては厳しく取り締まるべきだと言う一方で、あまり厳しく規制を行い過ぎると愛用者の多いあんまやマッサージであるとか伝統的民間療法なども全て禁止になりかねないと言う弊害もあるわけです。

こうした根拠のはっきりしない民間療法などは規模の大小こそあれどこの町にでもあるもので、その大部分はたいした効果もなさそうだけれどもまあそう大きな害もないのだろうと見なされているし、お金を出してやってみたいと言う人がいるなら好きにすればいいんじゃないかと言う程度の認識でいわば黙認されているのが現状で、たまに重大な健康被害が起こるとこうしてニュースになるだけで実際には連綿と続いてきたものではあるわけです。
死者も出ている以上有害性は明らかだと言われれば確かに100%安全とは言えないのも事実でしょうが、医療の世界において治療の副作用であるとか治療中の不詳の原因によって患者さんが亡くなったり重大な障害を負うと言うのは決して珍しい話ではありませんし、それが日常的に紛争化しているからこそ医療事故調などと言うものの必要性が唱えられているわけで、結果責任論の追及は医療側にとっては諸刃の剣とも言えますよね。
そうは言っても何らの科学的根拠もなしに好き放題やっているのは困る、業界団体なりを作って自主規制しろと言うのが国にとっては判りやすい管理法でしょうが、ホメオパシーの例にも見られるように業界団体自体がいわば信者の巣窟であればそんな団体公認であることにどれほどの安心感があるのかで、せいぜい業界統一価格でぼったくりを排除出来ますだとか税収的な透明性が多少増すだとか言った副次的な効果しかないのかも知れません。
そう考えるとホメオパシーを放置せずに敢えて保険診療に組み込んでしまったイギリスのやり方も(外聞はともかく)実はかなり賢いやり方だったのでは?と言う気もしてくるし、その結果か近年ホメオパシーへの公的医療支出が激減し退潮傾向が明らかであるとも聞くのですが、未だ解消しない柔整問題などを見ている限り日本でこの種の方法論を採ることはかなりのリスクも伴いそうではありますよね。

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2015年3月 8日 (日)

今日のぐり:「しんくらしき 二海(ふたみ)」

ロシアと言えばこのところ対外的に批判を浴びるケースが多いのですが、そのロシアで史上初だと言うこんな決断が下されたそうです。

露政府がウオツカ値下げ 「ロシア近代史上初めて」 不満沈静に政治判断か(2015年3月5日産経新聞)

 ウクライナ危機をめぐる経済制裁や原油安で、ロシア通貨ルーブルの暴落の影響が深刻化する中、ロシア政府は2月からウオツカの価格を大幅に引き下げた。タス通信は「ロシア近代史上初めて」と伝えた。

 ロシアでは昨年来、通貨暴落に伴う物価高騰が日常生活に影響を及ぼしつつあり、市民の不満をそらす政治的判断が働いたとみられている。

 公式の理由は密造酒対策だが、経済紙ベドモスチは、庶民が愛飲する大衆酒を政府が「政権支持(の維持)に利用した」と報じた。

 政権はこれまで、ウオツカなどアルコール度数が強い酒の過剰摂取が健康被害を引き起こしているとして、酒類への課税や販売規制を段階的に強化。2014年のウオツカ消費量は13年比で22%以上減少した。(共同)

有名な「クマー」のaaを思い出したのは自分だけなのかも知れませんが、まあこれで国民の不安が解消すると言うことであれば結構な話なのかも知れませんけれどもね。
今日は新たなウォッカ需要が期待されるロシアの将来に幸い多かれと願う意味も込めて、世界中から「その手があったか」と思わず感じてしまう斬新な解決法?を伝えるニュースの数々を紹介してみましょう。

うんこ「10分後に出ます」世界の悩みを解決する画期的デバイス、日本の教授たちが開発『D free』(2015年2月26日週アスプラス)

 「私もうんこを漏らしたことがあります」
 ベンチャー企業が事業内容を紹介する「モーニングピッチ」で勇気ある告白をしたのは、トリプル・ダブリュー・ジャパンの中西敦士代表だ。
 事前に分かっていればそんなことにはならなかったという思いから、おなかに貼るだけで排泄を予知するウェアラブルデバイス「ディーフリー(D Free)」を開発している。
 5月からクラウドファンディングのIndiegogoおよびMakuakeで予約開始予定。価格は現在199ドル(2万3000円程度)の見込みだが、市販価格は50~100ドルまで下げたいという。日本とアメリカで最初に販売予定だ。出荷予定は12月。
 ディーフリーは超音波センサーで膀胱や前立腺、直腸をモニターして、膨らみや振る舞いをもとに排泄を予知する仕組み。スマホとつながり、アプリが「10分後に出ます」と教えてくれる。アプリは便通の記録帳にもなっているので、女性はとくに重宝するかも。
(中略)
 超音波技術ならび医学知識は東北大学の教授や複数名の医師がアドバイザーとなって開発している。医療診断ではなくヘルスケアを目的に使えるデバイスとして、とくに需要が見込まれる介護領域で普及させたいそうだ。
 「介護士の方々が現場でどのように悩まれているのかをインタビューしてきたことがある。1人の介護士が20~30人を見ているが、便漏れがあると3~4人がかかりきりになる。あらかじめ新聞紙を敷けるだけでも助かるという声をいただいている」
 同社の本拠地はサンフランシスコ。将来的にはシリコンバレー生まれのヘルスケア系のウェアラブルデバイスなどとデータをつなぎ、健康系レコメンド機能を提供していきたいと展望を語った。
 「便漏れゼロ社会を目指したい」

しかしこれは元記事の動画などを参照する限りでも実はずいぶんと真面目な製品であって、決してネタなどではないと言うことは確かであるようなんですけれども、キャッチコピーとしてどうなのでしょうか。
地球温暖化が危惧される中、世界中でその無駄なエネルギー消費が注目されていたあの行為にこんな利用法が見つかったというニュースを紹介してみましょう。

自慰で発電するガジェット発売へ 人類の無為なる時間を、エコに変換するテクノロジー (2015年3月3日もぐもぐニュース)

全世界におけるアダルト向けの映像の視聴に、一日だけで数百万時間が使われていると言われている。そんな我々の無為なる行為を、ポテンシャルへと変換することで、エコに利用できるガジェットが現在開発されている。“自慰”により発電し、USBでつないでスマホやパソコンの充電ができるのだ。

■見た目はめちゃくちゃカッコイイ!

その名も「ウォンクバンド(Wankband)」。見た目はスタイリッシュで、日本でかつてブームになったホワイトバンドを思い起こすようなスマートなデザイン。腕を振る行為によって蓄えられた電力量は、表のメモリから確認できるようだ。
同ガジェットは「振る」という運動により発電し、けっしてコンセプトのような行為にかぎらず発電ができるのだが、商品を開発している会社をみれば納得できる。

■その道のプロが開発している理由

開発しているのは、成人向け映像共有の老舗サイトなのだ。同社は「人類はアダルトコンテンツのオンライン視聴に時間をついやし、そしてエネルギーを浪費し、地球環境を痛めつけている」「それについて何かをしなければいけない」と思いを語っている。
無駄なエネルギーが垂れ流されているのを間近で見ているからこそ(張本人でもある)、こういった“自家発電”に思い至ったのである。

■なんじを愛せ、さすれば地球も愛せる

製品紹介の映像では「自分を愛すことで、地球をも愛す、はじめてのウェアラブルデバイス」と語っている。現在ウォンクバンドはベータ版がリリース間近。
また同映像では発電された電力は「ダーティー・エナジー」と呼ばれている。アメリカ映画『ダーティー・ハリー』の主人公ハリー・キャラハン刑事が、汚れ仕事ばかりするから「ダーティー」と言われていたように、このエネルギーの呼称にも一抹のハードボイルドさが漂う。「汚れた力」かもしれないが、それは善をなしうるのだ。
男たちの新しいクールなガジェットとして、思わぬブレイクを予想する声もあがっている。地球の明日のため、男性のみなさんは要チェック。

いやまあ、恐らく歩いたりすることによっても発電は可能なのかとも思うのですが、しかし見た目は確かにやたらに格好いいですよね。
昨今のイスラム国人気?の陰に人生追い詰められ先がないと感じる人間の存在があるとも言いますが、こちら追い詰められた状況で予想外の解決法に挑んだ一人の男の物語です。

生活に困窮した家族を救おうと宝くじに全財産投入、全て外れて自殺(2015年3月6日タイランド通信)

 タイ北部チェンマイ県サーラピー郡の住宅で、男性が首を吊って自殺しているのが見つかった。

タイ地元紙によると、自殺した男性(55)は生活に困窮するほどお金に困っていた。この生活から脱却するためイチかバチかで、全財産を投じて宝くじを購入したそうだ。

だが購入した宝くじはすべて外れてしまい、男性は意気消沈。悩んだ末に自宅で首を吊って自殺した。

遺書には、宝くじがすべて外れ自身の不幸を呪ったとし、妻子に対しては生きろと書かれていたそうだ。

その分地道に働けば…と考えるべきか、そう考えられない人間だったからこそ生活に困窮してしまったのかは何とも言えませんが、ともあれ残された家族には救いのない話でしょうか。
中国と言えば何事にも金次第と言う風潮が強まって人々を憂慮させているとも聞くところですが、その中国らしい?ニュースがこちらです。

植物状態回復に“お金”が一役、目の前でチラつかせたら掴んだ。(2015年1月18日ナリナリドットコム)

重度の昏睡状態を指す“植物状態”は、全脳の機能が停止している脳死とは異なり、まれに回復することがあると言われているが、先日“植物状態”に陥っていた中国人患者が200日ぶりに意識を回復、そして認知能力も取り戻すことに成功した。その一役を買ったのが、目の前でチラつかした“お金”だったという。

中国メディア南都網などによると、この患者は広東省深セン市龍崗区で暮らす李さん。李さんは2013年8月、ネットカフェでゲームをしていた際に突然意識を失い、病院に担ぎ込まれた。幸い命は取り留めたものの、ひどい脳出血から“植物状態”に陥り、以来、病院のベッドでの生活が続いていたという。

そんな李さんに回復の兆しが見えたのは2014年3月のこと。李さんに軽微の反応があらわれ、指が微かに震えるようになった。李さんの母親はほぼ毎日つきっきりで看病し、息子に話しかけたりしてきたそうだが、ある日「あなたが目を覚まさないと、私も生きていられないわ」とため息を漏らしたときには、李さんの目の縁に涙のようなものがにじみ出ることもあったそうだ。

しかし、そうは言っても完全回復にはまだまだほど遠く、李さんの反応はほとんどない状態。すると昨年の中ごろ、今度は李さんの手足に刺すような刺激を与えると、手足を伸び縮みさせるようになり、ついには目で指の動きをゆっくり追えるまでに回復した。この変化に気付いた看護師が財布から100元札を1枚取り出し、李さんの目の前でチラつかせるとともに「このお金はあなたにあげる。あなたのですよ!」と大声を発すると、驚くことに李さんは震えながら手をあげはじめ、5分ほどかけてついにその紙幣を掴むことに成功した。

この行動は明らかに李さんが認知能力を取り戻した証拠にほかならない。以来、母親は何かにつけてお金をチラつかせ、李さんに随時刺激を与えるようにし、着実に回復の道をたどることになったそうだ。現在、李さんは助けを借りながらも少しは歩行できるようになり、退院の目処がつくまで回復しているという。

しかし人間何が身を助けるかは判らないと言うべきなんでしょうか、ともかくもこれだけ周囲の手厚い助けを得ている李さんの一刻も早い軽快を願うばかりですよね。
近年一部のアメリカ人の間ではある種の災害の危険性とその具体的対処法が公然と語られているようですが、このたびこんな試算の結果が出たそうです。

ゾンビ襲来時に最も安全なのはロッキー山脈?米大が試算(2015年3月5日AFP)

【3月5日 AFP】米国がゾンビに襲来された場合は、都市部の住民よりもロッキー山脈(Rocky Mountains)に住んでいる人のほうが生き残れるチャンスが大きい――こんな研究結果を、米コーネル大学(Cornell University)のチームが4日、発表した。

「逃げることも隠れることもできる:ゾンビの疫学と統計学的構造(You Can Run, You Can Hide: The Epidemiology and Statistical Mechanics of Zombies)」と題された研究は、テキサス(Texas)州サンアントニオ(San Antonio)で開催中の米国物理学協会(American Physical Society)の会合で発表された。

?研究では、実際の伝染病の拡大を予測するために用いられる方法をまねて、アラスカ(Alaska)州とハワイ(Hawaii)州を除いた48州におけるゾンビの拡散について確率的要素が推測された。研究チームは「ゾンビ発生時における広域的かつ正確な確率的動的シミュレーション」だと説明している。それによると、ゾンビが発生した場合、都市部は瞬く間に壊滅するが、地方部に影響が広がるのには数週間かかり、ロッキー山脈に到達するのは数か月後になるという。

?研究を行った理論物理学専攻の大学院生4人によれば、大衆文化ではゾンビは同時に全域に広がるとされるのが一般的。だが、シミュレーションでは人口が密集した米東海岸と西海岸の都市部がまずゾンビの群れに屈し、その後4週間で米本土の大半がのみ込まれる。さらに辺境な地域にゾンビが襲来するまでには「とても長い時間」がかかり「4か月後になっても、モンタナ(Montana)州とネバダ(Nevada)州には1匹もゾンビはいないだろう」と予想している。

?ただし、このシミュレーションではゾンビ発生時に米軍が出動することは想定していない。

?米国では昨年、国防総省が対ゾンビ戦闘の青写真を作成し、戦略計画立案のための訓練に使用していたことが明らかになった。また、米疾病対策センター(CDC)は公式ウェブサイトに「Preparedness 101: Zombie Apocalypse(ゾンビ襲来への備え、初級編)」と題した防災対策アドバイスを掲載している。

まあ一般論として何事も備えあれば憂いなしと言うところですから、日本のこれにならって早急にG対策の立案を行っていくべきなんでしょうか。
最後に取り上げますのがご存知ブリからのニュースなのですが、まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

英国 両親が娘の先天母斑そっくりな入れ墨をする(2015年02月28日新華社)

英紙「デイリー・ミラー」の25日付報道によると、英国のGrimsby市で、TanyaさんとAdamさんの夫婦は娘の恥ずかしい気分を癒すため、足に娘の先天母斑そっくりな入れ墨をした。

彼らの娘、Honey-Raeちゃんはいま18ヵ月で、生まれた当時、足から背まで、先天母斑に包まれていた。時間が経つにつれ、先天母斑の色は濃くなっている。従って、外出する際は、それを衣服で包まなければならない。娘の恥ずかしい気分を癒すため、父のAdamさんは2014年のクリスマスに、右足に娘の先天母斑そっくりな入れ墨をした。今年、40歳の誕生日に母のTanyaさんも足に同じように入れ墨をした。

Tanyaさんによると、入れ墨はたいへん痛いが、そうする価値はあると思っている。母の身体にも「先天母斑」があることに気づくと、娘はたいへん喜び、しかも、自信を持っている。

他人の目には、それは過激すぎると映るかもしれないが、Tanyaさんはそうしてこそ、娘の成長に役立つと思っている。

その状況はこちら一連の画像を参照いただければ一目瞭然なのですが、何やらブリ発にしてはいい話のようにも聞こえるのは気のせいでしょうかね?
世界では生まれつき難聴で補聴器が外せない娘のためにそっくりな入れ墨をした父親なども話題になっているそうで、親子の愛情の深さを再認識するニュースと言えるでしょうか。

今日のぐり:「しんくらしき 二海(ふたみ)」

近年開発の進んでいる新倉敷駅前に割合最近に出来たと言うのがこちらのお店なんですが、老舗の人気店「多幸半」さんの系列店なんだそうですね。
旨い地魚を売りにする店と言うことで色々と面白そうなものもあるのでしょうが、この日は予約なしの飛び込みであったため「日替わり膳」の一択となってしまったのが少し残念でした。
ちなみにランチメニューとしてはずいぶんと盛りだくさんで豪華な感じですが、その割に安価なのでちょっとした接待的用途にも利用されているようですね。

自慢の魚は刺身はまあ悪くはないですが、焼き物は付け合わせのおからのせいで丁寧に焼いてある幽庵焼きまでがびしょびしょになっているのがちょっと気になります。
揚げ物が魚フライなのは天ぷらよりこういうランチでは扱いやすいのでしょうし、茶碗蒸しにとうもろこしのあんかけと言うのも最近人気があるそうですが、ありきたりの品で揃えるより面白いかも知れませんね。
これにつく味噌汁があら汁と言うのも細かいなと思いますが、食後にはコーヒーか紅茶と抹茶アイスに小豆をかけたものが出るのですが、しかし紅茶からアイスまで湯のみで供されるのはこだわりなんでしょうか。
もずく酢が少し酢加減がきつかったのと、炊き合わせもあっさりいい味なんですがアサリの砂抜きが甘いのがちょっと減点と言うところですが、全体的にはすっきりと嫌みのない味で好印象でした。
ランチとして全般的にお得感はありますし、内容を見るとさすがにコストの制約は随所に感じるんですが、逆にお金を十分使える夜の部はどうかと気になりますね。

店構え自体はごく小さなものでも予約客中心で回していて、十分な時間(おそらく一時間程度?)が取れない時は無理せず飛び込み客は断っているようで、当然席の効率は悪くなるでしょうが中のお客にすれば入れ替え等でバタバタしないのはいいでしょうね。
ただトイレなども含め設備は一通り揃っているとは言えちょっと狭苦しい間取りが気になるところで、ちゃんとテーブル毎にカーテンで仕切られて個室風に仕立ててはありますけれども、やはりこういうお店ですともう少し物理的にもゆとりが欲しかったのでしょうか。
接遇面では老舗の系列店らしく全体的に丁寧でしっかりした方だと思いますが、時々ちょっと気が回らないところもあるのはまあ開店後間がないと言うこともあるのでしょうかね。

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2015年3月 7日 (土)

川崎の少年刺殺事件でマスコミがまたもお騒がせ中

先日容疑者が逮捕された川崎の中学生殺害事件が大きな注目を集めていますけれども、半ば予想されたこととしてこんな記事も出回っているようです。

週刊新潮が実名と写真掲載 川崎中1殺害容疑の18歳(2015年3月4日長崎新聞)

 川崎市川崎区の多摩川河川敷で中学1年上村遼太君(13)が殺害された事件に関して、「週刊新潮」(5日発売)が、殺人容疑で逮捕された3人のうち、主犯格とみられる18歳の少年の実名と顔写真を掲載していることが4日、分かった。

 記事は、少年のこれまでの問題行動や上村君とのトラブルについてまとめた内容。顔写真はインターネット上の写真を、友人らに確認して掲載したとしている。

 週刊新潮編集部は取材に「事件の残虐性と社会に与えた影響の大きさ、少年の経歴などを総合的に勘案し、実名と顔写真を報道しました」とのコメントを出した。

こうした実名報道が近年たびたび問題になっていて、先年のアルジェリア人質事件においても朝日新聞が親族の反対を押し切って人質の実名報道を行い問題化しましたし、犯罪や事件の起こるたびに加害者のプライバシーばかりが尊重され被害者側のそれが無視されるのはおかしいではないかと言う声もたびたび上がるところですよね。
一応少年法の第61条では未成年の犯罪に関して「氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であること推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない」と定めてはいますけれども、罰則がないことからせいぜい民事訴訟に訴えられる程度であり、しかもそうした訴訟沙汰にでもなればますます個人情報が流布してしまうと言うジレンマもあります。
そもそも少年犯罪に限らず有罪になった後でならともかく、容疑者の段階で実名報道を行うことにどれほどの意味があるのか、むしろ不起訴や無罪になった場合その名誉回復が困難になるばかりではないかと言う意見も出るのは当然なんですが、いずれにしても法の規定がおかしいと思うのなら好きに無視すると言うのではなく、国民的世論を喚起し法改正を行うように話を進めるのが筋ではないかと言う気はしますでしょうか。

ただ今回の場合当の容疑者が過去に自らをいわゆるイスラム国になぞらえ「俺らは法律関係ない。自分たちのルールで動く。川崎国だ。逆らったら、生きたまま首を切るよ」などと公言していたと言う話もあって、法もルールも無視する人間が法で保護されるのもおかしいと言う素朴な意見もあるでしょうから、やはりこの際徹底的に議論をしておくのも有意義なのではないかと言う気がします。
ちなみにこの「川崎国」なる言い回しが(不謹慎ながら)ちょっとしたブームにもなっているようで、実際にかの地界隈ではずいぶんと治安も悪いと言う話もあるようなんですが、なかにはテレビ朝日がイスラム国を擁護するかのような報道をするからこんな不謹慎なことを言い出す輩が出てくるのだと言う、さすがにそれは八つ当たりにしてもいささかどうよ?と思うような極端な意見も出てはいるようです。
むろん世の中なんでもかんでも突き詰めればマスコミが悪いと言うのも行き過ぎた過大評価だと思いますが、一方でマスコミと言えばこうした事件のたびに新たなトラブルの発生源になっていると言うのもこのネット時代によく知られるようになったところで、今回の事件に関してもこんな話があるようです。

【川崎中1事件】上村さん通夜でトラブル!? マスコミ記者と少年らが警察沙汰に…(2015年3月4日トカナ)

 世間を騒がせている川崎の中1殺害事件。主犯格の少年らが逮捕され容疑を認める供述を始めたことで、被害者である上村遼太君(13)が暴行の事実を他人に告げたことによる逆恨みが動機など、事件の全容が明らかになりつつある。
 しかし、その裏で、とあるトラブルが起こっていたという。

「2日にこの事件の被害者である上村さんの通夜が行われました。マスコミ各社が報道したように、同級生などが訪れ、悲痛な雰囲気に包まれていました。取材のために私も出向いたのですが、そこでひと悶着あったんですよ。被害者と親しかったと思われる少年たちが、取材に来ていたある記者といさかいを起こしたんです」
 そう語るのは週刊誌の記者であるY氏。被害者を悼む通夜の場で、そのようなトラブルが起きてしまったというのも驚きだが、一体、なぜそのような事態になったのか。
「かなり少年側がヒートアップしてしまったようで、最終的には警察も来ていましたよ。恐らく、その記者をはじめマスコミ側が少年らに対して心無い質問をするとか、断っているのにしつこく聞くなどしたのではないでしょうか。それで少年たちは堪忍袋の尾が切れてしまったんでしょう」(前出・週刊誌記者)
 マスコミの強引な取材によるトラブルは、かねてより問題視されてきたが、今回もそのひとつということだろうか。
「僕もそれなりに強引に取材してきた経験はありますが、いわゆるキー局や全国紙のような大手マスコミの連中は、自分たちの取材に皆が協力して当たり前! という態度で接しますからね。彼らの強引な取材でマスコミアレルギーになってしまい、一切口を開かなくなってしまう関係者も少なくない。そのせいで、我々があとから事件の裏を追おうとしたときに、苦労することもままあるんですよ」(前出・週刊誌記者)

 この通夜をめぐっては、「ニコニコ動画」などで動画を配信している人物が通夜の様子を配信したところ、被害者の知り合いである地元の少年たちに絡まれるというトラブルもまた起こっている。この人物はその後、ことの顛末を動画配信で報告した際に、「マスコミには何も言わないのに、自分にだけ文句をつけるのはおかしい」という主張をしていたが、実はそんなマスコミもトラブルに巻き込まれていたというのだから皮肉な話だ。
 国民の知る権利を掲げ、無神経に他人の心に踏み込む大手マスコミたち。彼らの横暴が、さらなる悲劇を生むような事態にならないことを切に願うばかりだ。
(文=阿左美UMA)

ずいぶんな言われようですが一応はマスコミの擁護もしておきますと、こうした現場の絵を喜んでみる視聴者も一定数いるのですから「我々は視聴者の求めるものに従っているだけだ」と言う見解も成り立つところだと思うのですが、これまた事前に想定したシナリオ通りの映像、コメントを収集することを目的化している現代のマスコミがもたらした弊害だと言えるのだろうし、真面目にきちんと信頼関係を築いた上で深い取材を行う記者にとっても迷惑な話ですよね。
海外においてもダイアナ元妃を死亡事故に追い込んだ過剰報道など様々な問題が存在するのも事実なんですが、先年のニュージーランド大地震で日本の取材班が大怪我をした被災者に「片足を切断してスポーツなんてもう出来なくなったけど今どんな気持ち?」と生放送で問いかけたりだとか、流血した被災者が起き上がろうとしたところ「ちょっとそのまま」とカメラを向けようとするなど、現地でもずいぶんと顰蹙を買っていたようです。
今の時代ですとこうした情報もすっかりネット経由で共有されるところとなっていて、当然ながらマスコミと言うものに対して最初からある種のバイアスのかかった目線で接している人も少なくないと思いますが、そうなると今度はサクラに適当なそれらしいコメントを言わせてみたりもすると言うのですから、とりあえず現場に人を送ってコメントを撮り放送すると言う現在のスタイル自体に無理があるのかも知れません。
この辺りも前述の通りで視聴者が「当事者かく語りき」と言う絵を求めているからだと言う弁解が成立してしまう以上、それは価値のないどころかしばしば不愉快でさえある報道だと言うことを言い出す人がどれだけいるかにも関わってくるところなんですが、それではどのような事件報道が最も望ましいものなのかと言うことに関しては当のマスコミは元より、我々の側にも明確な指標はないんでしょうね。

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2015年3月 6日 (金)

介護の人材不足は世界的課題

介護者不足が深刻であると言われる介護業界において、その質的不足も問題なのではないか?と世間での議論を呼んでいるのが先日起こったこちらの事件です。

介護施設で入浴中にやけど負い死亡(2015年2月25日NHKニュース)

浜松市の介護施設で23日、職員に介助されながら入浴していた85歳の女性が体にやけどを負い、25日になって死亡しました。
湯につかった際女性が「熱い」と訴えたものの、入浴が続けられたということで、警察は詳しい状況を調べています。
23日午前10時ごろ、浜松市北区都田町の介護老人福祉施設「第二九重荘」で、市内に住む影山スミゑさん(85)が職員に介助されながら入浴したところ、体にやけどを負い、25日未明になって死亡しました。
警察によりますと、介助していたのは40代の男性職員で、影山さんをいすに座ったまま持ち上げる機器を使って、1人で入浴させていたということです。
このときのお湯の温度について職員は43度ぐらいだったと警察に説明し、影山さんが「熱い」と訴えたと話しているということです。施設側によりますと職員は訴えを聞いたあと水を加えたうえで、数分間にわたり、入浴させたということです。
警察は遺体を詳しく調べて死因の特定などを急ぐとともに職員から話を聞いて、当時の状況について調べることにしています。

しかし記事を見る限りでは43度程度でただちに命に関わるほど深刻なやけどを負うものか?(低温熱傷だとするとこの温度では発症まで数時間はかかると言います)だとか、仮に43度どころではない高温であったのだとすれば介助する職員側もやけどをしていたのでは?と言った疑問もあるところで、何かしら他の事態が発生していた可能性もあるのかも知れないと言う気もします。
とは言え各媒体によって「女性が熱いと訴えたにも関わらず入浴させた」と報じられてしまったことは確かであり、当然ながら「こんな施設に身内を預けたくない」と言う意見も数多く見られる一方で、何であれ文句を言う認知症患者も多い介護の現場でいちいち言うことを気にしてはいられないと言う事情もありますから、なかなかに今後の再発防止対策を巡る判断にも難しいものがありますよね。
また今回の事件を見て「同じ日本人でさえこうなのに、まして言葉も通じない外国人だったらどうなのか?」と改めて感じた方もいらっしゃるかも知れませんが、実際に外国人介護スタッフを入れている施設においても利用者との意志疎通を巡る問題であるとか、国の求める水準での介護記録をつけることの難しさだとか、様々なトラブルがあるとは言います。
先日は国が在留資格として「介護」を新たに認める方針だと言い出したように、国策として「安くて優秀」な外国人介護スタッフを求める動きは加速してきているのは事実ですが、こうした動きは別に日本だけではなく外国人労働者の多いドイツなどでも同じ傾向であるようで、先日はこんな記事が出ていました。

中国人看護師はドイツに、月給は中国の5倍-ドイツメディア(2015年2月15日新華ニュース)

【参考消息】ドイチェ・ヴェレ12日付報道によると、ドイツは万で数えるほどの介護者不足問題を解決する必要がある。そのため、東欧、イタリア、スペインからのヘルパーは大歓迎を受けた。現在、ドイツ介護機構は2015年末までに中国人ヘルパーを150人を迎え入れることを決め、その中の50人はすでにドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州で働き始めている。

上記の中国人ヘルパーはすべて大学本科卒業生で、1年の看護経験を持つ。ドイツ経営者団体連盟(BDA)のシュテフェン・リッタースポークスマンは、彼らは介護者のアシスタントから始まり、月給は1900ユーロ前後となり、その後は2300ユーロに昇給すると語った。一方、北京市の正規の看護師の月給は500ユーロ前後だ。

業界関係者は、中国人介護者に頼まねば、ドイツの介護者不足問題を解決できないと示した。調査によると、2030年までに、ドイツは介護者を17万5000人新規増加が必要だ。どうすれば、介護分野に人が集まるかを考えねばならない。たとえば、更に高い給与を提供することや、介護改革計画を検討課題に入れることなどが挙げられる。

まさしく日本と同じような構図なんですが、注目いただきたいのはこのところ世間を騒がせているギリシアを始め国内雇用が十分でない国々と陸続きで、以前から外国人労働者を日本よりもずっと積極的に活用してきたはずのドイツにおいてさえ、こと介護職と言うことに関して言えばこれだけの自在不足を感じていると言うことで、はるか地球の反対側から人間を呼び寄せる必要があると言うのは驚きですよね。
2300ユーロ(30.8万円)と言えば単純計算で年収27600ユーロ(370万円)と言うところで、ドイツの平均労働者年収が31000ユーロ(415万円)であると言いますからやはり日本同様低めの水準とは言えるのだろうし、それも就労希望者が少ない理由の一端なのかも知れません。
ドイツの介護も日本と似た全員加入の介護保険が前提となっているそうですが、給付水準の低さに対して施設利用コストの高さにより経済的理由から介護を利用できず公的補助を必要とする高齢者が40万人存在すると言い、一部では介護コストの安い近隣諸外国へ高齢者の「国外脱出」も起こっているそうですが、興味深いのはポーランドなど近隣諸国の側でもこうしたドイツ人を目当てに介護施設を整備していると言います。
日本でもこのところ国が音頭を取って高齢者を大都市部から地方に移住させようと言い出していて、これが地方にとって姥捨て山扱いで迷惑なのか税収等メリットもあるのかと議論を呼んでいますけれども、今の日本では高齢者が一番多くのお金を持っていることを考えると、この際相続税も地方自治体に納めるようにすれば税収面から歓迎されるようになるかも知れません(とは言え、介護スタッフ不足は如何ともしがたいですが)。
先日は財務相の諮問機関から高齢化に伴い膨張を続ける医療や介護のコスト削減が提言されたと言い、深刻の度を増す財政再建のためにも社会保障全般の見直しが急務であることは明らかなんですが、一方で応分の負担をすることには抵抗感があると言うのであれば給付水準の切り下げを図るしかないのは当然で、要するに人材不足の遠因は利用者たる国民の側にもあるだろうと言うことなんでしょうか。

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2015年3月 5日 (木)

全国医療現場では医療事故が頻発している?

この10月から始まると言う医療事故調にも関わる話なんですが、先日ちょっと興味深い調査結果が出ていたことを紹介してみましょう。

3年以内の死亡事故、4割以上の施設が回答- 日病が調査、500床以上が最多(2015年3月2日CBニュース)

最近3年以内に医療事故で患者が死亡した事例が「ある」と回答した施設は4割以上だったことが、日本病院会(日病)の医療安全に関する調査で分かった。【松村秀士】

今年10月からスタートする医療事故調査制度に向け、日病の「医療の安全確保推進委員会」は、2014年10―11月にかけて日病に加盟する施設を対象に実態調査を実施。892施設から回答を得た。

調査では、11年度から13年度の間に、患者の死亡事例が「ある」と381施設(43%)が回答した。その381施設を病床規模別に見ると、最も多かったのは500床以上で128施設。次いで、300―399床(77施設)、400―499床(63施設)、200―299床(54施設)などの順だった。

先日も紹介しましたようにこの事故調制度と言うもの、少なくとも当面はかなり届け出対象が抑制的に運用されそうだと言うのは朗報なのですが、そもそも「全例届け出なんてそんなことになったら大変だ!」と言う反対意見の理由としては一つには患者側との信頼関係を損なうと言った理由もさることながら、もう一つには単純物理的に大変な数の届け出件数になってしまうと言う懸念もあったはずです。
調査を元に推定すると全国病院数がざっと8500、3年間でこの4割に死亡事故が起こっていたとすると1年辺りにして全国でざっと1000件は死亡事故が起こっている計算ですが、もちろん施設によっては複数の事故も発生しているでしょうから「最低限年間1000件」と言うのが一つの目安になる数字だとすると、事故調を担当する方々も忙しいんだろうなと言う気もしてくるでしょうか。
ただ産科無過失補償においても今のところ当初800人とも想定されていた件数よりもずっと少ない件数に留まっていて、先日はとうとう制度設計の見直しを迫られたと言うニュースが出ていたくらいで、こちらの場合届け出は義務ではなくあくまでも権利であると言う違いを指摘されるのももっともなんですが、届け出対象となるかどうかを医師が判断すると言う時点でやはりなるべく抑制的にと言うバイアスがかかりそうには感じられます。
いずれにしても今後臨床医の先生方は常に事故調の存在を念頭に置きながら診療に当たっていく必要があると思われるのですが、先日以来話題になっている群馬大の腹腔鏡手術に関わる一連の死亡事例において、先日こんな調査報告が出ていたと言うことを紹介してみましょう。

8人死亡「全例に過失」=腹腔鏡手術で最終報告-群馬大病院(2015年3月3日時事通信)

 群馬大医学部付属病院(前橋市)で肝臓の腹腔鏡手術を受けた患者8人が相次いで死亡した問題で、同病院は3日、記者会見し、8人の全例について「過失があった」とする調査委員会の最終報告を発表した。病院側は今後、遺族に補償する意向を示した。
 同病院では2010~14年、腹腔鏡を使う難度の高い肝臓手術を受けた患者93人のうち8人が死亡。いずれも同じ男性医師が執刀しており、必要な事前審査を受けていなかったほか、手術の問題点を検証する検討会も開かれていなかった
 最終報告は、死亡した8人について、診断や手術の内容、術後の経過を個別に検証。手術に耐えられるか事前に調べる術前検査が行われなかった結果、過大な手術が行われて容体悪化につながった可能性や、肝動脈の損傷など手術中の対応の問題点などを指摘した。
 その上で、術前検査や患者への説明、死亡後の検証が不十分だったとして、死亡全例について過失があったと結論付けた。ただ、手術と死亡との因果関係については、明言しなかった。 

事件の詳細について実態を存じ上げないので医学的な観点からの評価は当「ぐり研」では何とも言えませんが、一見すると大学側が自らの罪を認め断罪するかのような話にも見えるのが目を引くところで、事故調実施を前に今回モデルケース的に調査を行ったのか?だとか、遺族に対する補償云々を自ら切り出したと言う点も逆に言えば裁判なりに訴えられる前に予防線を張ったとか?だとか、色々と想像の余地はありそうですよね。
ただここで留意いただきたいのは手術中の患者死亡を巡って人工心臓を扱った担当医が逮捕された東京女子医大事件で、後に無罪が確定した同医師が「大学が調査報告書で自分一人に事故の責任があると罪を押しつけた」と損害賠償請求を行うに至ったように、病院と医師個人とは決して立場を同じくするものではないどころか、場合によっては利害関係が対立するものであると言う認識は必要でしょう。
この辺りは有名な福島の大野病院事件においても県から「こう書かないと賠償金は出ない」と担当医に責任があるかのような報告書が提出された経緯が福島県立医大教授によって暴露されていましたが、医賠責の場合支払いの対象となるのは医療事故ではなく医療過誤であると言う点で自動車保険等とは事情が異なると言うことも、下手すれば個人責任論に傾きやすい医療側から見た場合の別な理由であるのかも知れません。

臨床上問題となった症例を皆で議論する症例検討会であるとか、院内でのトラブル防止を図るインシデント・アクシデント対策委員会などにおいてもまずはレポートを出すことが重要だとはよく言われる一方で、かつて医療訴訟が激増し社会問題化したときに学会や医学雑誌における症例報告が(後々医療訴訟に活用されることを恐れて)激減したと言う話もありますよね。
今回の場合マスコミ等の扱いを見てもすっかり特定の医師が諸悪の根源的な扱いで、実際医学的に何かしら問題があったのかどうか、仮に問題があったとすれば死亡例が頻発している中で何故誰も停められなかったのかと言う点が誰しも気になるところでしょうが、医療もまた社会との関わり抜きには語れない部分はありますから、今回の調査でも手術と死亡との直接的な因果関係にまでは踏み込んではいないようです。
もちろん遺族感情からすれば「結局あの先生の手術が悪かったのかどうか、それが知りたいんだ!」と言うものでしょうし、仮に手術に問題ありともなれば裁判沙汰になりかねない、だからそこの部分には踏み込めないと言う調査する側の判断もあるのでしょうが、今後この報告書を巡ってさらに紛糾するかどうかが事故調実施を目前に控えて全国医療機関からも注目されるところとなりそうな気はします。

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2015年3月 4日 (水)

イスラム問題に絡んで金融機関が失態

本日の本題に入る前に、先日の人質殺害事件以来、日本でもそのニュースが報じられない日はないと言ういわゆるイスラム国(IS)問題ですけれども、あの悲劇的な事件に関するもう一つの影響としてこんなことを指摘する記事が出ていました。

【人質事件】とても悲しい…でも日本のイスラム教徒への寛容さが世界に伝わった。(2015年2月2日まぐまぐ!ニュース)

(略)
イスラム国関係者以外の世界中の人々が、亡くなられた後藤さんに、心からのご冥福をお祈りしている状況だ。
また当然、イスラム国を非難する声は、それこそイスラム教徒の方々からも「教えに反する」と、世界中で巻き起こっている。
こういうニュースは、いくらでも悲しく暗く報じられるし、実際、マスコミの多くが、そう報じているような印象だ。

しかし、
『物事を多面的に考える』
ということで、この出来事を改めて考えてみると、今、起こっているのは、悲観的なことばかりじゃないような気もしてくる。
例えば、この一件のお陰で、日本や日本人がどれほどイスラム教徒に対して親和的かが、改めて広く世界中に伝えられることになった

前回のこのメルマガや、ブログの方でも取り上げたが、例えば、在日イスラム団体(イスラミックセンター・ジャパン)が、イスラム国へアラビア語や英語も含めたメッセージをインターネット上で発信し、それが広まったりしている。。
とても重要なので、再掲しておこう。

イスラミックセンター・ジャパンは以下の5つの理由を示して、人質を即座に且つ無条件で解放するよう強く要求した:
◆日本は、イスラエル紛争時にパレスチナ支援する等相対的に公正
◆日本がパレスチナに対する最大の援助国
◆日本のイスラム教徒は平穏無事に暮らしている
◆日本政府はイスラム教徒の宗教活動に干渉しない
◆日本は、イスラム国を含めいかなる国にも宣戦布告しない世界唯一の国

また、

「日本人2人の人質を殺すことで、日本人のイスラムに対するイメージ、そして日本に住んでいるイスラム教徒に、とても大きな影響を与える
このような影響に対して、我々は全能のアッラーの前で、イスラム国が責任を負うべきだ。
日本人の人質を殺すことについて、いかなる弁解の余地もなく、正当性もない。」

と厳しく非難している。
こんな感じで、アラビア語や英語で「日本人は敵じゃない」とか、「何やってんだイスラム国」といった声が、世界へ発信されている。
その他、インターネット上では、後藤さんの開放を求める「I AM KENJI」という運動も世界各地でグローバルに繰り広げられていた。

今回、後藤健二さんが殺害されたことは、誰がどう考えたって、どんな言い訳とか言い逃れのできない、とても悲しい出来事だ。
でも、あまりに悲しい出来事であるがゆえ、世界中の人々の心を動かし、いかに日本がイスラム教徒に親和的かという情報が、さらに世界中に拡散されることになる。
同じような悲劇を繰り返したくないと考えているのは、もはや日本人だけじゃないのだ。

むしろ、今回の一件で、世界的なイメージ悪化を懸念するイスラム教圏の国々や信者の方々は、すでに今回の一件について、各所で様々な活動や発言を行っており、そうした中で、いかに日本がイスラム教徒に親和的かという情報も、大々的に広めてくれている
これまで、イスラム系のテロ組織に日本人が殺害されたことはなかったので、当たり前って言えば、まぁ、そうなのだろうけど、歴史上これほどまでに、いかに日本がイスラム教徒に親和的かという情報が、英語、アラビア語を交えて世界中に広まったことは、なかっただろう。
(略)

改めて亡くなられた後藤さんのご冥福を祈りたいと思いますが、今回の事件において否応なしに世界が日本をどのように見ているかと言うことも浮き彫りになってきたように感じますね。
先年に起こったこれまた非常に大きな悲劇である東日本大震災においても、壊滅的な被害を被った被災地での日本人の秩序だった振る舞いが世界的に大きな感銘を与えたと言う話がありましたけれども、「まさかの友こそ真の友」と言う言葉通り、日本の苦境に対して世界中から数多の方々が支援し励ましてくださったことを忘れてはいけないと思いますけれども、そうした気持ちが寄せられる理由は何かと言うことです。
遠い国に思いをはせずとも日本のごく近傍にも国民が今も深刻な耐乏生活を送っている地域があると言いますが、世界的に「地上の楽園を名実共に人民の楽園にしよう」と支援の機運が盛り上がらないと言うのは何故かと言えば、やはり長年積み重ねてきた信用、信頼の差と言うことを考えないではいられませんよね。
近年欧米諸国ではイスラム圏との対立的な構図が日常的に語られるようになり、場合によってはいわゆるテロとの戦争と言った物騒な話にもなる一方で、日本ではそこまで深刻な危機感を持って語られる事が少なかったのは長年外交的に地道な友好関係を築いてきたことや宗教的対立関係が存在しなかったことなど様々な理由があると思いますけれども、要は「日本は敵ではない」と言う信用を得ていると言ってもいいのでしょう。
逆に言えばこうした信用と信頼に基づく関係をさらに維持・発展させていくことが日本にとっても何よりの安全保障対策になると言うことですが、その点で先日少しばかり気になる記事が出ていたことを紹介してみましょう。

団体名に「イスラム」、口座開けず 沼津信金が拒否(2015年3月1日朝日新聞)

 静岡県御殿場市の男性が、自ら立ち上げた任意団体「日本イスラーム圏友好協会」名義で沼津信用金庫(本店・静岡県沼津市)に口座を開設しようとしたところ、団体名に「イスラム」が含まれることを理由に断られた。男性は「『イスラムは怖い』という偏見そのもの」と話している。

 男性は斉藤力二朗さん(66)。エジプトのカイロ大卒で、中東系銀行の日本勤務のほか、日本の大学でアラビア語講師などを務めた。その後、10年前からイスラム圏の政治情勢や事件などについて、自らのブログなどに書いてきた。

 過激派組織「イスラム国」(IS)が日本人を殺害したとみられる事件が起き、その影響で「イスラムは怖い」という偏見が日本に広がっていると感じた。「正しい情報を発信したい」と1月に協会を設立。メールマガジン発行や講演会開催といった活動を始めるにあたり、資金管理用の口座を作ろうと、2月24日に沼津信金上町支店(御殿場市)に電話で相談すると、職員から「イスラムという名前が入った団体では口座は開けない」と言われたという。

第一報を報じたソースがソースだけに様々なバイアスも想定しておくべきなのは言うまでもないことで、別ソースによれば電話で団体名での口座開設を申し込んだところ「イスラムがいろいろと問題になっていることもあり、総合的に判断した」と説明されたと言う当事者談の一方で、銀行側は「任意団体の口座開設は不正利用を防止するため、通常電話で受け付けることはない」とコメントしているそうで、何やら話が食い違いますよね。
一方で朝日の記事によれば同紙の取材に対して銀行側は「将来、イスラムの教えから逸脱した組織などに、口座から資金が流れる疑義がまったくないとは言えないことなどを総合的に判断した」と答えたのだそうですが、もともと口座開設を断られること自体はよくあることで問題ないが、事実銀行側がこのように話したのであれば問題だろうと言う声も少なからずあるようです。
口座開設の是非よりも判断理由を軽々しく語ってしまったと言う対応ぶりの方が問題だったと言うことなんですが、同金庫においても一連の事件を受けて職員に「イスラム国とイスラム社会を分けて考え、誤解を招く発言は避ける」と通知を行っていたと言いながら、どうもその誤解を避ける方法論において現場の解釈にいささか脇の甘さがあったと言うことでしょうか。

個人が(失礼な言い方をすれば)思いつきで作った団体で何らの活動実績も組織としての実態もない、そして名前だけでは一体どんな活動をするのかも判らないとなれば慎重な対応になること自体は当然だし、事実古典的な暴力団から昨今流行りのオレオレ詐欺に至るまで各種の反社会的団体に不正利用されることもあり得ると言う点で、全般的に口座開設に当たって用心をしている金融機関は少なくないようです。
口座開設の是非の判断などは各種の個人情報や社会的信用度の評価などあまり人に知られたくないことも大いに絡んだことであるでしょうから、赤の他人の第三者に対してぺらぺらと内部での判断の詳細を語ると言うのもおかしな話だと思うのですが、そうした観点からしても同金庫と取引をしている方々にとってもイスラム云々は抜きにしてあまり面白いニュースではなかろうとは思います。
世間ではこの一件を受けて「世界に戦争災禍を及ぼす可能性からしたら圧倒的にキリスト教徒が上なんだから、キリストと名のついた口座は全部断るべき」と言った意見も出ているようで、この小さな事件を妙に拡大解釈して問題だ問題だと大騒ぎするのも正直どうかと思うのですが、信用第一であるべき金融機関が思わぬところで信用を失墜したと言う点ではリスクマネージメント失敗の一例だとは言えそうですよね。

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2015年3月 3日 (火)

新型うつ病なお増加中、だそうですが

以前にも紹介しましたように一方にブラック企業問題あり、他方に新型うつ問題ありと労使双方の観点から問題提起されているのが近年の労働現場ですが、特にこの新型うつを巡っては様々な社会保障を悪用?しようとする方々が好んで診断を受けたがる便利な病名になっていると言う指摘もあって、聞くところによれば病院でそれと診断を受けるためのノウハウまでもが絶讚拡散中なのだそうです。
そもそも新型うつと言う病名自体も議論の余地無しとしないところだそうで、正しく診断出来る医師が3人に1人だとか、中には新型うつなどと言う病気は存在しないと主張している先生もいらっしゃるようなんですが、とかく「なまけ病」などとも言われがちなこの病気を巡って、先日こんな記事が出ていました。

新型うつ急増の背景に“にわか精神科医”が診断書の乱発か(2015年2月9日DMMニュース)

「いま、顧問先企業の管理職の頭を悩ましているのが、うつ病の診断書を持ってきて休職を願い出る社員の増加です。確かに勤務中は落ち込んだ様子ではあるものの、オフの時間になると途端に元気になる。それを見ていると、病気のようには思えないといいます。しかし、コンプライアンス(法令順守)が厳しく問われる時代になり、診断書を突きつけられると休職を認めざるを得ないのが現状なのです。いっそのこと、会社が指定する精神科医でセカンド・オピニオンを受けるように指示できたらいいのですが……」
 こう語るのは労務関係に精通したベテランの女性弁護士だ。
 少し古いデータになるが、厚生労働省の「患者調査」によると気分障害を含めたうつ病の患者数は1996年に43万3000人だったものが、2008年には2.4倍の104万1000人へ急増している。自分の職場のなかにもうつ病を訴える人が、1人や2人くらいはいるのではないか。女性弁護士が紹介した社員の例は典型的な「新型うつ」と思われる。この病気の特徴の一つが、責任感が乏しく、何かあると他人のせいにしてしまうこと。だから、休職することも当然と考えてしまう。都内で精神科のクリニックを開いている専門医は、呆れた口調で次のように話す。
「最近は、診療もしていないのに、先に『気分が落ち込んで仕方がなく、会社を休職したいので診断書を書いてほしい』と言ってくる患者さんが増えてきました。専門医ですから重篤な患者さんかどうかは、話を聞いているとわかります。ただ会社を休みたいだけなのではと疑わしいときは、『あなたの会社の人事担当者と連絡を取って、仕事の状況を把握してから判断しましょう』というと、ほとんどの人が再診を受けにこなくなりますね」

診断書を書くだけで医者は儲かるしくみ

 実は、この診断書は保険の適用外で、1通書くと3000円~5000円が医師の懐にまるまる入ってくる。つべこべ言わずに、お客さまである患者のニーズに合わせていれば、売り上げアップにつながるのだ。ある精神科クリニックでは患者の要望に応じて、すぐに診断書を書いてくれることで人気を集めているという。こんなところの診断書を持ってこられても、会社側としたら素直に受け取ることはできないだろう。
 また精神科の専門医の間で問題になっているのが、「にわか精神科医」が増えていること。先の専門医は「いまの日本の医療制度では、昨日まで小児科や内科を標榜していた医師が今日からは精神科に標榜し直すことができるのです」という。厚労省の「地域保健医療基礎統計」によると、1996年に3198施設だった精神科のクリニックが2008年には1.7倍の5629施設へ急増している。
「精神科の治療はレントゲンなどの設備が不要で、元手をかけずに始められます。しかも、問診による診断がメインなのでCT画像や血液検査のような科学的なデータがなく、後で誤診が疑われても訴えられるリスクが少ない。“適当”といったら語弊があるが、単純に薬を処方して『はい、おしまい』といった、にわか精神科医がちらほらと見受けられるようになりました。こんなクリニックにかかったら、本来治るものも治りません」
 別な専門医はため息まじりに話す。別名「心の風邪」ともいわれ、身近な病気となったうつ病。しかし、その診療現場の状況に分け入っていくと、いろいろな問題点が浮かび上がってくる。

いわゆる標榜科の問題もまた色々と議論もあるところですが、よくある内科小児科医院的に精神科を標榜してみました的な方々がきちんとした診断を行わないまま診断書を書いているとすればこれはこれで問題で、昨今では免許の更新時にも運転不適格者のチェックを厳しくしようと言う動きもあるようで、今後ますます厳密な診断と言うことが医療の側には求められていくことにはなると思います。
文書料欲しさに診断書を乱発する先生がどのくらいいるのかははっきりしないにせよ、生活保護受給資格を巡って視力や聴力に障害があるかのように装って受給していると言うケースはしばしば指摘され、それらの中で「あそこならすぐ診断書を書いてくれる」と言う狙い目にされている先生もいらっしゃると言いますが、一方ではそうした行為によって行政処分なりが下ったと言った話はほとんど聞いたことがないように思います。
もちろん現金を受け取って虚偽の診断書を書くと言うなら問題でしょうが、妥当な文書料のみで他よりも診断書を多く書いていると言うだけではどこまで問題視されるべきなのかで、故意であるかどうかの認定の難しさもさることながら、診断能力の低さによってそれが行われていると認定されるならあまりに問題の範疇が広がり過ぎて収拾がつかなくなりかねませんよね。
身体診療科においては数字的・客観的な検査によってなるべく統一的基準で診断・治療を行う方向でガイドラインなども整備されてきている一方で、精神医療の場合どうしても本人の自己申告や医師の主観も混じると診断の客観性担保も難しいのだろうなと思うところですが、先日から相次いでこんなニュースが出ていたことも紹介してみましょう。

うつ病診断に新手法=血液のDNA反応分析-徳島大(2015年2月4日時事ドットコム)

 血液中のDNAを調べ、化学反応の状況から、うつ病かどうかを診断する方法を開発したと、徳島大の大森哲郎教授らの研究グループが4日発表した。うつ病の血液診断の実用化につながる成果という。論文は同日付の英科学誌エピジェネティクス(電子版)に掲載された。

 うつ病はストレスなど、さまざまな要因で発症するとされる。研究グループは、ストレスなどによって、メチル基と呼ばれる分子が遺伝子に結合する化学反応「メチル化」に変化が起きることに着目。うつ病患者20人と、うつ病ではない19人の二つのグループから血液を採取し、多くの遺伝子のメチル化の程度を測定した。
 この結果、18種類の遺伝子のメチル化反応の値を組み合わせれば、二つのグループを判別できることが分かった。別の二つのグループで同様の実験を行った場合も有効だったという。

 研究を主導した沼田周助講師は「精度の高いうつ病の指標に成り得る。実験の規模を拡大し、実用化につなげたい」と話している。


うつ病、血液分析から診断 鶴岡のHMTが開発(2015年2月21日河北新報)

 鶴岡市のバイオベンチャー、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)は20日、同社が特許登録した血液バイオマーカーを使い、大うつ病性障害(うつ病)かどうかを検査する委託契約を東横恵愛病院(川崎市)、保健科学研究所(横浜市)と締結した。
 発表によると、東横恵愛病院が患者から血液検体を採取し、保健科学研究所を通じてHMTに運ぶ。血液中のエタノールアミンリン酸(EAP)を測定し、結果は研究所経由で病院側に伝える

 HMTは血液のメタボローム解析で、うつ病患者はEAP濃度が低いことを発見。うつ病診断のバイオマーカーになるとして、共同研究者とともに特許登録している。
 HMTによると、国内のうつ病患者は約95万人。適切な処置をすれば治癒するが、診断は専門医による問診しか手段がなく、見逃されるリスクが高かった。健康診断や専門外の診療科でも発見できるよう、客観的な指標による診断方法の確立が求められていたという。

徳島大学の発表資料はこちらを、HMT社の方はこちらプレスリリースを参照いただければと思いますが、HMT社の方はすでに実用化の域にも達していると言うことで感度82%、特異度95%と聞けば臨床現場でもそれなりに有用そうな検査に思えますけれども、ただこの場合対象がかなり症状が重い大うつ病であると言う点も割引いて考えるべきなのでしょうか。
いずれにしても精神科領域においても次第に客観的指標による診断と言うことが進んでくるのであれば望ましいと言うものですが、一方でそもそも新型うつ病と言うものは従来のうつ病と言うものの枠に入りきらない症状に対して名付けられたものだと言いますから、客観的検査が充実するほどそもそも新型うつ病なるものが本当に存在するのかどうか?と言う議論が蒸し返されることになるのかも知れません。
その場合仕事にならないと言う症状面に注目してこれは病気であるとしていくのか、それとも単なるなまけ病で医療の対象ではないと見なすべきなのかは単に医学的のみならず、社会的な議論も必要になってきそうに思いますけれども、素人医者が安易に専門外の患者に手を出して社会を混乱させたなどと言われないためにも、まずはきちんと経験豊富な専門医に相談するルートを整備していくことが必要になりそうに思いますね。

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2015年3月 2日 (月)

売り手市場と喜んでばかりもいられない薬剤師の将来

全国的にドラッグストアの大手チェーン展開が進んできていて、ちょうど薬学部の6年制移行に伴う供給不足等もあって薬剤師の奪い合いも起こっていると側聞するところですうが、調剤薬局とドラッグストアを全国展開するこちらのグループでは昨今新規出店効果もあって好調な販売を記録していると言うことです。

アイン、新規出店などで過去最高益- 増収・増益を確保、第3四半期決算(2015年2月25日CBニュース)

アインファーマシーズ(アイン)が24日発表した2015年4月期第3四半期(14年5月―15年1月累計)連結決算によると、営業利益は前年同期比0.1%増の75億円となり、これまでの第3四半期の過去最高を更新した。調剤薬局事業で積極的に新規出店を進めたことなどが収益を押し上げた。【松村秀士】

売上高は同8.2%増の1364億円となり、増収・増益を確保した。主力の調剤薬局部門では、来局患者数が順調に伸びたことに加え、処方せん1枚当たりの売り上げが上昇したことにより、既存店の売上高が増加。調剤薬局については、15年4月期第3四半期の9か月間で、55件のM&A(合併・買収)を含めて計82店を出店、11店を閉店し、これにより総店舗数は687店となった。

同社は1月、静岡県を中心に調剤薬局52店を展開するメディオ薬局を完全子会社化するため、株式譲渡契約を締結。今後、東海地区での薬局網の充実や営業の強化を図る予定だ。アインの広報担当者は、「経営の後継者や薬剤師が不足している薬局が多い」とし、今後もM&Aを積極的に進める考えを示した。

一方、ドラッグストア部門では、自主企画商品を中心に単価を上げたことなどにより販売数量が伸び悩み、売り上げが前年同期より1割近く落ち込んだ。

15年4月期通期の業績見通しについては、従来予想の売上高1900億円(前年同期比12%増)、営業利益102億6000万円(同1.5%増)を据え置いた。

記事にもあるように各地で薬剤師不足に悩む薬局を統合し拡大していっているのだそうで、同社のサイトを拝見する限りでもずいぶんと大きな薬局グループだなと思うのですが、薬局ドラッグストアのグループ化が進むことによって例えば中央に薬剤師を常駐させ24時間の遠隔対応が可能になると言ったメリットもあるだろうし、当然薬剤師集めに関しても有利に働くんじゃないかと言う気はしますよね。
国としては近年医師の診察と処方箋発行無しで購入出来るOTC薬の拡大と言うことに関して積極的になってきていて、これも今までは危ないから医師の判断に基づいた処方が必要ですと言ってきたものを自由に購入出来るようにすると言うことには未だに批判もあることだし、また服薬に際するリスクマネージメントにおいて重要な役割を負うことになる薬剤師の仕事ぶりが十分満足出来るものかどうかも問われているわけです。
この辺りはどこまでリスクと言うものを許容するかと言うことで考え方も別れるところですが、日本においては医療は医師が大きな権限を持つと同時に最終的な責任を負うと言う主治医制と言うものが長年主流であった、ところが医療の専門分化が進み患者との関わり方も変わってきた結果そこまでの責任は負えないと、自分の関わる分野だけをみる担当医と言うものにシフトしてきた経緯があります。
要するに医師は知識や技術、情報と言ったものを提供することは出来るが、それを判断し責任を負いながら選択していくのは患者自身であると言う考え方であるとも言えますが、ともすれば専門家の責任放棄とも受け取られかねないと批判もある一方で、もともと個人個人の選択における自己責任の考え方が根強いアメリカではさらに一歩も二歩も先を進んでいると言う記事が出ていました。

大学構内に登場した処方薬自動販売機の衝撃(2015年2月25日DIオンライン)より抜粋

 私は英語の勉強を兼ねて、朝の通勤電車に乗っている10分強の時間を、米国の新聞のオンライン版の記事を読むことに充てています。新聞のサイトにたどり着くと、記事の見出しにざっと目を通し、興味がある記事から優先的に読んでいきます。昨年11月のある日に、"USA Today"のオンライン版の見出しを斜め読みしていると、 "Prescription drug vending machine installed on campus" というタイトルを見つけました。直訳すると 「(大学の)キャンパスに設置された処方薬自動販売機」となります。

 私の脳裏には直感的に、「処方薬自動販売機≒薬剤師不要」の式までもが浮かび上がり、薬剤師的に、これは大変だということで、早速記事の内容に進んでいきました。記事によると、元々、アリゾナ州立大学の構内に学生向けの薬局があり、その薬局が2014年の9月に閉局してしまうことになりました。閉局に先立っては、大学の医療担当者が、学生の処方箋を他の薬局で調剤して貰えるように調整したそうですが、学生の「移動せずに処方薬を受け取りたい」というニーズを満たすために、結局、24時間薬を受け取れる処方薬用の自動販売機の設置が決まったということです。そこに在庫される処方薬の具体的な内容は明らかになっていませんが、大学生に処方される一般的な処方の上位50種類が含まれることになっているそうです。 受診から処方薬の受け取りまでの流れは以下のようになります。

 まず、キャンパス内の診療所で診察を受けた学生は、その医師から24時間だけ有効なセキュリティコード付きのバウチャー(引換券)を処方箋代わりに受け取ります。バウチャーを受け取った学生は、24時間以内に処方薬自動販売機に向かい、そのバウチャーを用いて処方薬を機械に調剤してもらうのです。

 "USA Today"の記事の中には、「この自動販売機のメーカーは、最近までは病院の救急外来や救急の診療所のみに処方薬自動販売機を設置してきた」との記載があります。今回紹介されている自動販売機は、全米の薬局に取って替わるような存在ではなく、キャンパス内の薬局閉局にあたって生じる、学生にとっての不都合を解消するための、あくまでも「補完的」な措置なのです。
(略)

自身も経験豊富な薬剤師である筆者の清水氏はこの記事を読んだ際に受けた衝撃を「何かに突き動かされるように記事を原文のままプリントアウトし、その朝出勤してきたパートの薬剤師に要約しながら説明して」しまったと言いますけれども、まあ先述のような議論が未だ続いている日本の医療現場の感覚からすると「すでにここまで進んでいたか」と衝撃を感じるのも不思議ではないかなと言う話ですよね。
同氏はその後製造元の資料に当たるなどしてこの自販機についてかなり詳細に調べているのですが、処方薬だけではなくOTC薬も処方できること、慢性疾患向けの長期処方薬などは対象外で短期間・一時的な使用に留まる薬剤に限定されていること、各種医療保険にも対応していること、そして基本的に薬剤師はその運用に関与していないことなどが明らかになっています。
特に薬剤師なしで運用されていると言う点は資格職の将来像を考える上でも気になるところですが、形態的にも設置場所としてもちょうど銀行のATMにそっくりなものであるそうで、これまたATMよろしく備え付けの受話器を取り上げれば24時間薬剤師と話が出来ますと言う仕組みなんだそうですが、逆に言えば患者自身がそれと望んで行動しない限り一切薬剤師が関与しないと言うことで、薬局と言うより院内処方の変形版と言ってもいいのかも知れません。

清水氏としては当然のことながら薬剤師の役割が単に機械による袋詰め作業によって代替できるものであってはならないはずだと言う問題意識を持っているのだと思いますが、医薬分業が実現しOTC薬も拡大され、薬剤師が単なる薬の袋詰め屋ではなくきちんと医療専門家としての業務を果たせるか問われるようになった今の日本では「薬剤師の判断で調剤を拒んでよいものかどうか?」と言った議論も出ています。
一方で未だに「処方医に疑義照会をしたら調剤薬局を首になった」などと言う話も聞かれるあたり、従来型の医師に従属するスタッフとしての薬剤師と独立した業務を遂行する専門職としての薬剤師の二つの立場がもう一つクリアーになっていない部分もありますけれども、議論を進め薬剤師のあり方についてコンセンサスを得る気長な作業を続けているうちに薬剤師の仕事自体が消えてしまっていた、では何の事やらですよね。
もちろん現状では最先端のアメリカにおいてすらあくまでも限定的な局面でごく限られた役割を果たすだけに留まっていますけれども、何しろ利用者目線で見れば24時間いつでもあっと言う間(最短数十秒)に調剤してくれる便利な機械が身近にあると言う利便性は非常に大きなものがあるのは当然ですから、今後その利用範囲は消費者目線での要求に応じて次第に拡がってくるんじゃないかと言う気がします。
そして別にこんなことは薬剤師に限った話ではなく、例えば電子カルテ導入で医事担当者の大事な仕事であった診療報酬計算を機械が勝手にやってくれるようになっただとか、技術的な進歩に伴って各職種の業務範囲や必要数が変わってくるのは当然なんですが、特に人事が硬直しがちな公立病院では時代の変化に応じて適切な配置転換を進めていかないと職種間の業務量格差拡大が新たな軋轢を産むと言う危惧もありますよね。

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2015年3月 1日 (日)

今日のぐり:「台湾中華飯店 棒棒(ばんばん)千田店」

先日ネットであの北条政子さんも愛用?したと言う「うわなりうち」と言う古い習慣について見ていたのですが、これも実際に破壊されているのは旦那の家財じゃないかと言う話もあって、旦那にとってみればいわば因果は巡ると言うことを示しているとも言えるのでしょうか。
今日は歴史に名を残す鬼…もとい、賢夫人がいるにも関わらず、その方面で多大な実績を残した結果奥方に毎回うわなりうちをされてしまったと言う頼朝公に敬意を表して、各方面から因果応報と言うことについて考えさせられる逸話を紹介してみましょう。

「手荷物は爆弾」=冗談で罰金1000万円-米(2014年12月2日時事ドットコム)

 【マイアミ(米フロリダ州)AFP=時事】「危険物はありますか」「はい、プラスチック爆弾を少々」。空港の手荷物検査官を驚かそうと、つい口にした冗談で、ベネズエラの男性医師(60)が罰金約8万9000ドル(約1000万円)を請求されている。

 騒ぎがあったのは10月22日。米フロリダ州のマイアミ国際空港で、医師は南米コロンビアの首都ボゴタへ向かおうとしていた。即座に医師は「冗談だ」と打ち明けたが、笑って済むことはなく、乗客らは緊急避難、警察の爆弾処理班が出動し、各便に遅れが生じた。

 弁護士によると「人生で最大の過ちを犯した」と医師は後悔している。米検察は罰金の支払いを確認後、訴追を取り下げる方針。

しかしありがちなニュースではありますが、未だにこういうことを繰り返す人間がいると言う時点でもはや同情の余地無しと言うことでいいのでしょうかね。
本人達のあずかり知らぬ事情でとんでもないトラブルに巻き込まれると言うこともあり得る話ですが、こちら幾ら何でもそれは悲劇的すぎると言う巡り巡ってのニュースです。

ホッキョクグマのアソコが危ない!温暖化の影響で絶滅の危機(2015年1月28日日刊テラフォー)

ホッキョクグマたちにとっては、かなりタフな時代に突入している。温暖化により北極の氷が溶けることで、彼らの住処が刻一刻と奪われていくだけでなく、さらには大気汚染の影響で、彼らのアソコが壊れてしまうかもしれないのだ!! 
科学者たちは、大気汚染がホッキョクグマのペニスの骨密度を低下させ、それにより彼らの繁殖活動が低下してしまうことを懸念している。

デンマーク・オーフス大学が行った調査では、高レベルの汚染物質を体内に蓄積していたホッキョクグマほど、ペニスの大きさが小さいことが明らかになっている。
ちなみに、大気汚染の影響がペニスに来ているのは、ホッキョクグマだけではない。
科学者たちは、カワウソたちのペニスも縮小傾向にあることを突き止めている。

さて、ホッキョクグマに話を戻すと、ペニスが縮小傾向にあることに加えて、温暖化の影響により氷が溶け、移動が制限されてしまうことから、オスのホッキョクグマたちが交尾の相手を見つけることが益々困難になってきている。
フロリダ大学の研究者マーガレット・ジェームズさんは、次のよう解説している。
「化学物質は、私たちが使用した低緯度付近から大気の中に取り込まれます。そして、汚染された大気は空気が冷たい北極から蓄積されていきます。そのため、北極に住む動物達は、低緯度に住む動物達に比べて高い危険に晒されています。」
地球温暖化の影響により、カナダに住むホッキョクグマだけでも4分の1が死亡すると危惧されている。そこに大気汚染の影響も加わったら、状況はさらに悪化することは避けられない。

いやしかしホッキョクグマにとっては泣くに泣けない悲劇とは言え、世の中ではサイズは関係ないと言う意見が根強く支持されているようですが、あれはウソだったと言う理解でよろしいのでしょうか?
今どき中国で爆発と聞いてもそれが何か?で終わってしまいそうですけれども、こちら明確に原因もはっきりしていると言う珍しい爆発のニュースです。

マンホールの中に爆竹を落としてイタズラした男児 爆風で吹き飛ばされる(2015年2月16日ゴゴ通信)

中国河南省商丘に住む、男児が爆竹に火を付けてマンホールの中に落下させた。青いジャケットを着た男児はマンホールに爆竹を入れその次の瞬間、マンホールの中でもの凄い爆発が起き男児は吹き飛ばされ、更にマンホールの蓋は上空数メートルまで吹き飛んだ。

幸い吹き飛んだマンホールの蓋は男児の頭ではなく地面に落下したが、男児の頭に落下したら大変なことになっていただろう。そして吹き飛ばされた男児も幸運にマンホールの穴に落ちること無く、近くに居た大人に抱えられており軽傷で済んだという。マンホールの蓋があったことにより、マンホール内の爆風が直撃せずに助かったのだろうか。爆発した原因は、マンホールの中のメタンガスが原因と思われる。

近くに大人(親?)が居るにも関わらずこのような遊びをさせ危険な目に遭わせ、責任を問われそうだ。

これは元記事の動画も是非参照頂きたいと思いますが、それにしても中国人の爆竹好きはこんな子供のうちからすり込まれているのでしょうか、それは何かにつけて爆発もするわけですよ。
ひとたび引き受けた仕事を遂行できないとなるとこれはプロフェッショナルとしていささかどうよ?ですが、この場合果たして人の道としてはどう考えるべきなのか微妙なニュースです。

殺人を実行しなかった殺し屋に詐欺罪で15万円の罰金(2015年1月17日日刊テラフォー)

ノルウェーの警察が、ある男性に15万円の罰金支払いを命じた。容疑は、実際は実行するつもりのない殺人契約を持ち掛けお金を受け取った詐欺容疑だ。 
殺人を犯して罪に問われるのではなく、殺人を犯さなかったことで罪に問われ、罰金支払いを命じられるのは、極めておかしなケースだ。

21歳のその男性は、17歳の少年を殺すことに同意して、お金を受け取った。
殺人を依頼したのは、男性と同じ年の21歳の男で、17歳の少年から交際を断られたことを根に持ち、殺人を依頼した。
幸いにして、誰かが被害を受ける前に、警察は殺人を行うことに同意した21歳の男性を逮捕した。

それ自体は非常に良かったのだが、あまりにも早く逮捕しすぎてしまったため、男性が殺人を実行に移そうとしていたという証拠を得ることができなかった。
その結果、“殺人契約”不履行の詐欺罪でしか、男性を起訴することができなかった。
一方、男性に殺人を依頼した男は、懲役2年の刑が言い渡された。ただ、男は自白したので、刑期はさらに短くなった。

男は殺人契約を結んだ男性に91万円を支払ったと主張しているが、殺し屋男性の方は62万円しか受け取っていないと主張している。

もはや何が何やらと言う話なのですが、とりあえずは契約が完遂されずに済んで良かったと喜んでおくべきなのでしょうか。
この方面で話題が多いのがサッカーなのですが、まずはこちらのちょっとお間抜けな話題を取り上げてみましょう。

ペルー代表ゴールキーパーがカッコつけてオウンゴール!残念すぎる珍プレーが話題に(2015年1月19日Aol)

カッコつけ過ぎた結果としては厳しすぎる・・・。1月18日に開催されたU-20南米選手権、アルゼンチン対ペルー戦で、ゴールキーパーがさりげなくやった行為がゴールにつながるという残念な珍プレーが出て話題となっている。

ペルー代表のキーパー、ダニエル・プリエトがチームメートのバックパスを受けた時に、「手で受けずに足でおしゃれに...」と思ったのだろう。足でボールを扱おうとして、なんと事もあろうにトラップを誤り、後ろに転がす大失態。結果、転がるボールはゴールラインを割りオウンゴール...。

その後計6点を奪われ6対2と大惨敗だったペルー。アルゼンチンという難しい相手だからこそ、この油断、痛恨のミスといえるだろう。

その詳細は元記事の動画を参照して頂くとして、個人的にちょっと残念なプレーと言えば2000年アジアカップ初戦でのオウンゴールが未だに記憶に残っているのですが皆さんは如何でしょうね。
最近では経営不振で選手が自分でユニフォームを洗濯する羽目になったプロチームもあるんだそうですが、こちらあまりに情けないと言えば情けない状況に陥ったチームの話題です。

0-8で惨敗したサッカーチームがファンにチケット代返金 約1000万円を選手たちが自腹で負担(2014年10月22日ねとらば)

 イングランド・プレミアリーグでサウサンプトンに0-8の大敗を喫したサンダーランドの選手たちが、観戦に来ていたファンに自腹でチケット代を返金することを発表しました。

 8点差での敗北はリーグでも過去2番目となる歴史的大敗。試合後にはゴールキーパーのマンノーネ選手が「タオルを投げてしまっていた」と自分たちのふがいなさを振り返り、アウェーまで往復1000キロ以上かけて応援に来てくれたファンたちに「チケット代を返金することをチームメイトに相談する」と発言して話題になっていました。
返金を発表したツイート

 選手たちの決断をチームも認め、公式サイトで正式に返金を発表。返金されるのはアウェー席を購入した2559人のチケット代約1000万円。返金を希望しないファンのチケット代は、子どもたちのチャリティー施設に寄付されます。

何しろフットボールの母国とも言われるブリでのことだけに、下手なことをしているとフーリガンに暴れられても困ると言う判断もあったのでしょうか。
最後に取り上げますのもご存知ブリからの話題となりますが、こちらまずはびっくりなニュース記事から読んでみていただきましょう。

怒りのバックドロップ!英6部で倒された選手が報復行為で一発退場(2015年2月22日サッカーキング)

 イングランド・フットボール・カンファレンス・ノース(6部)が21日に行われ、ウスター・シティとストックポートが対戦した。同試合で、パキスタン代表DFシャバー・ハーンが、相手選手に対しバックドロップを見舞ったことが話題になっている。同日付のイギリス紙『ガーディアン』が報じた。

 プレミアリーグで首位を走るチェルシーは、バーンリーと対戦し、1-1で引き分けた。同試合では、ファウルを受けたチェルシーのセルビア代表MFネマニャ・マティッチが、激昂した末に相手選手を押し倒し一発退場となり、チームの反撃に水を差してしまった。しかし同日、イングランドの下部リーグではもっと過激な報復が行われていた。

 ウスター・Cは2点をリードし、試合時間は残り5分となっていた。自陣右サイドでボールを持ったハーンに対し、ストックポートMFチャーリー・ラッセルが後ろから激しいタックルを見舞う。

 ハーンが宙を舞うほどの悪質なプレーだったが、これに同選手は憤慨。ハーンはラッセルの腰元に腕をまわしてしっかりと掴むと、そのまま持ち上げてバックドロップ。ラッセルの身体は左に流れたため、プロレスの技としては失敗に終わったが、主審はハーンに対してレッドカードを提示。一方、ラッセルには警告が与えられている。

 なお試合はこのまま終了し、ウスター・Cがストックポートとの勝ち点差を2に縮めたが、なんとも後味の悪い幕切れとなってしまった。

ちなみにその瞬間の映像はこちらを参照頂きたいと思いますが、しかしこの場合報復行為と言うのであればバックドロップよりもドロップキックの方が絵になっていたようにも思いますね。
いずれにしても一発レッドもやむなしと言う行為であったのは間違いありませんが、しかし相手方が警告だけで済んだと言うのはプロレス的には今後の遺恨再発に向けた伏線と捉えておくべきなんでしょうか。

今日のぐり:「台湾中華飯店 棒棒(ばんばん)千田店」

福山東インターから少し北に進んだあたりに位置するこちらのお店、市街地も外れの場所なのにも関わらず休日昼などは大行列が出来ているようで、地元では相当な人気があるようですね。
一応本格中華とうたっているんですが、店構えやメニューを見る限りでは昔ながらのラーメン中華と言った感じで、特に台湾ラーメンや担々麺が人気だと聞きますが、それにしてもテーブルの胡椒缶いくらなんでも大きすぎるだろうと突っ込んでおきたくなりますね。

今回は初回の訪問と言うことでセットメニューのあれこれレバニラセットを注文しましたが、レバニラ定食+ラーメンと言ったところでボリューム感はかなりのものがありますね。
このセットメニューのラーメン、見た目は背脂の浮いた尾道風醤油ラーメンと言う感じで、自家製麺だと言う麺は及第だしスープも嫌味はないしでセットの一品として悪くないと思うのですが、強いて言えば台湾系なのにシナチクのゴリゴリした食感がちょっと気になりますでしょうか。
メインの一品になるレバニラはほぼモヤシなんですがボリューム感はかなりあり、レバーの臭みもまずまずですし炒め加減もいいんですが、このかなりはっきりと甘い味はちょっと独特ですね。
小鉢は野菜の煮物がついてきましたが、これは中華か?と言う疑問はさておき栄養学的には悪くない組み合わせなのでしょうし、この種の大衆中華店にしては飯の具合もまずまずだと思います。

大衆中華として全国チェーンの安価な中華料理店なども競合するところでしょうが、あちらに比べれば害はない味で調理も悪くないと思いますし、福山市内では本場出身の方々がやっていらっしゃる大衆的なお店が何軒もありますから、それぞれの味の組み立ての違いを楽しむと言うのもありだと思いますね。
接遇面では見た目通り家族経営の小さな店のような雰囲気なんですが、これもこの地域では多いことですがちょっとネイティブな訛りがある上に早送りのような早口でしゃべられると、特に賑やかな時間帯ではちょっと聞き取りにくいこともあるのは要注意でしょうか。

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