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2015年2月14日 (土)

つぶやきも立派な問題提起になる時代

先日は福岡で悲惨な女児の殺害事件があったことは聞くに新しいところですけれども、この件に関連して豊前市市長がこんな発言をしていると話題になっていました。

福岡小5女児絞殺事件 市長が性犯罪者監視を提案(2015年02月06日アメーバニュース)

 福岡県で発生した小学5年生の女児絞殺事件では、女児の友人の母親の内縁の夫(46)が逮捕された。事件が発生した福岡県豊前市の後藤元秀市長は、この事件についてFacebookで言及した。
 後藤氏は、通夜の会場で、悔しさを滲ませつつ語った言葉を紹介。そのうえで、容疑者の男が過去に沖縄で複数の女性に対して性的暴行を加えた結果、10年近い刑期を務めて出所した後、豊前市に辿りついて犯した犯罪であることを明かした。
 そして、安全な日本でこのような事態になったことについて言及。韓国や米国の一部の州、イギリスなどでは、特定性犯罪者の動向をGPS等で把握する制度が存在する。こういった事情を把握しているのか、後藤氏は以下のような意見を述べた。

<こんな性犯罪を繰り返す人間は、警察や関係機関の監視下に置くべきではないか。普通の市民社会に「放置」するのを許すなら、この種の犯罪はなくならないだろう。
 国は、勇気を持って性犯罪を重ねる人物は、今、どこにいるのか。どんな暮らしをしているのか。把握すべきである。できる法整備を至急、すべきである。今夜のような通夜を営むことのなきよう。>

 監視については、人権上の問題もあり、日本ではまだ導入が検討されている段階である。

記事にもあるように性犯罪者の再犯率が高いことが知られるようになったこともあってか、世界的にその動向を公的に追跡すると言うことが行われるようになっているようですけれども、日本では以前から性犯罪に対して寛容すぎるのでは?と言う諸外国からの批判もあるようで、昨年法務省が性犯罪処罰の厳罰化を検討し始めるなどようやく公的な議論がスタートした段階です。
自治体レベルで条例という形で追跡を開始しようとしているところもあるそうですが、いわゆる人権派の方々からの根強い批判はもちろん、個別の自治体が条例化するだけでは性犯罪者が他の地域に移動するだけではないかと言う意見もあって、やるなら全国で一斉に始めなければ意味がないと言う推進派からの批判もあるようですよね。
いずれにしても内容への賛否はともかくとして、自治体レベルにおいても積極的に政治家が意見を発信していく時代になったのだなと感じるのですが、あまりに言葉が過ぎると批判もバッシングも受けやすくなったのも現代社会の特質であって、先日は騒音に悩む小中学校への冷房導入に関連して所沢市長がこんなことを言ったと話題になっています。

「教室にエアコン」住民投票 埼玉・所沢、きょう告示(2015年2月8日朝日新聞)

埼玉県所沢市内の小中学校28校へのエアコン設置の賛否を問う住民投票が8日、告示される。「当初の計画通りに設置を」と求める賛成側の住民と、「地球温暖化に悪影響」などと反対する藤本正人市長の双方の訴えが15日の投開票に向けて熱を帯びている。

 市は自衛隊機が発着する空自入間基地に近く、騒音対策を施した「防音校舎」へのエアコン整備計画を9年前に決めた。1校に設置された後に当選した藤本市長が計画の中止を決定。住民投票条例は、設置が撤回された狭山ケ丘中学校の保護者らが中心になり、直接請求に必要な数の約1・5倍にあたる8430人分の署名を集めて市長に直接請求した。市議会が条例を可決していた。

所沢市、小中学校への冷房設置で住民投票(2015年1月29日日本経済新聞)

 埼玉県所沢市は2月、航空自衛隊入間基地周辺にある市立小中学校28校に騒音対策としてエアコン(冷房)を設置するかどうかを問う住民投票を実施する。2月8日に告示し、投開票日は15日。今回の住民投票の結果に法的拘束力はないが、住民投票条例は投票者数などに応じて結果を尊重することを定めている。

 市立小中学校へのエアコン設置を巡っては、2006年に所沢市が入間基地周辺の騒音対策として市内の防音校舎29校に設置する計画を決定。1校には設置したものの、11年に当選した藤本正人市長は原発事故などを受け「便利で快適な生活を見直すべきだ」と計画の中止を決めた

 騒音対策としてエアコンの設置を求める住民らは昨年11月、約8400人の署名を集めてエアコン設置の是非を問う住民投票を実施するよう市に求め、12月議会で住民投票条例案が可決された。

 28校へのエアコン(暖房を含む)の設置費用は国の補助金を除き約30億円になるという。

 藤本市長は地球温暖化や財政面から設置に反対する意見を表明している。今回の住民投票は法的拘束力のない「諮問的住民投票」だが、賛否いずれかが投票者数の過半数を占め、かつ有権者総数の3分の1に達した場合は市長、市議会は「その結果の重みを斟酌(しんしゃく)しなければならない」と定めている。

事の細かな経緯に関してはこちらの記事を参照いただきたいと思いますが、頭上を飛行機が飛び交う環境で防音工事は行ったものの夏に窓を開けるわけにもいかず冷房導入を求めたところ、原発事故を気に生活のあり方を見直すべきだと主張する市長が扇風機だけで我慢しなさいとストップをかけた、これに対してこれでは授業にならないと考える市民達が住民投票を求めたと言った経緯であるようです。
もちろん市長が言うように財政的な問題もあるにせよ、実際に騒音で満足に窓も開けられないと言うのであればやはり何かしらの対策は必要だろうとは思いますが、この騒音被害がどの程度のものなのかと言う評価に関しても市長と校長らの見解が対立しているようで、当然ながら暑さをどのように評価するかと言うことについても意見が分かれているようです。
興味深いのはわざわざすでに出していた補助金の申請まで取り下げたと言い、ここまでエコでロハスな生活を追及する市長なら当然市役所のエアコンなど全部撤去しているのか?と思うところですが、実際には市長室も自宅もエアコンが設置されているのだそうで、さすがにこれには全国から一斉に「お前が(r」と突っ込みが入ったのは当然と言えば当然かも知れません。

市長はとかく我慢が必要と繰り返し、昨今の我慢しない、させない教育がこれはこれで社会問題化していることも反映してか市議の中にも耐えると言うことも大事だと賛同者がいるそうですが、一方でこれだけ地球温暖化が叫ばれる時代に特に首都圏ではヒートアイランド現象なども話題になるくらいで、昔の夏の感覚で耐えろ耐えろと言うのは無理があるだろうと言う意見ももっともに思えます。
ちなみに幼児期から我慢を覚えさせることでその後の成績が大きく伸び、自制心があると周囲から評価される率も高まると言う実験結果もあるのだそうで、このところの社会的な実感としても我慢をすることを覚えないまま大きくなった方々がどうなるかと言う実例には事欠かないようですから、ひと頃のように「そんなの子供がかわいそうでしょう!」と言う意見ばかりが賛同を得ると言う状況でもないようですね。
一方で企業のお客様相談窓口担当者の実感として面倒なクレームばかり付けてくる顧客は団塊を中心とする中高年が多いと言う記事が大きな社会的賛同を得ているように、子供達に我慢を教える立場であるはずの世のオジサン方が我慢強いかと言えば必ずしもそうではないと言う実態もあるようで、やはりこうした場合に他人に対してこれが正しいあれが良いと言うほどのことであればまず隗より始めてみては?と言う気もしないでもないところです。


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コメント

オレも我慢したんだからお前も我慢しろっておしんの世界だね(古い

投稿: | 2015年2月14日 (土) 08時51分

 自然児が強制を伴う社会化なしに適応できる社会なのかってことなのだが、おろかな無名氏は、自己責任野垂れ死上等、らしい。
 悪心の我慢とて、利他では決してない、結局自分の将来のためでしかないところが、すがこ の限界。無名氏と同根。 

投稿: 管理料410円 | 2015年2月14日 (土) 11時49分

暑がりで小中高と夏は苦労したので子供の学校にエアコンつけるなら親の寄付くらい出すよって思っちゃいます。

投稿: ぽん太 | 2015年2月14日 (土) 12時18分

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