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2015年2月24日 (火)

上小阿仁村に新たな伝説の一ページ?

未だに寒い時期が続きますけれども、この冬の季節には全国各地でこんな話が出ているのをご存知でしょうか。

滋賀で「雪かきしてくれませんか?」…除雪ボランティアの登録制度が創設(2015年1月22日産経新聞)

 滋賀県内山間部の豪雪地域で高齢者世帯の除雪作業を手伝うボランティアの登録制度を、同県災害ボランティアセンターが創設した。個人や団体の登録を受け付けている。

 少子高齢化が進む高島市や米原市など県北部の山あいでは、豪雪に見舞われると除雪に当たる自治体も人手が不足しがちになる一方、高齢者だけで除雪をおこなうことに対しては危険性も高い。こうした状況を受け、同センターは要請に応じて出動できるボランティアを県内外から募集することにした。

 ボランティアは、豪雪時に自力で除雪が困難な世帯で除雪作業を手伝う。普段は、同センターの講習会に参加して除雪技術を高めたり、地域行事に参加して地元住民と交流したりする。
(略)

ぶち熱く雪かきします隊員募集、安芸太田の豪雪地帯で(2014年12月28日食べタインジャー)

安芸太田町観光協会が、2015年1月25日に実施する雪国豪雪体験プログラム「ぶち熱く雪かきします隊」を募集している。
安芸太田町(広島県山県郡)は西中国山地国定公園の中央にある自然豊かな町。山登りやスキーなどアウトドアが楽しめる地として知られていますが、

    人口:7000人弱(県内最少)
    人口減少率:中国地方ワースト
    高齢化率:47%(県内最高)

という現状もあり、高齢化が進む地区の住民にとっては冬の「雪かき」が悩みの種となっていた。
そんな雪に悩まされている方の対策として安芸太田町観光協会は「雪国豪雪体験プログラム」という雪かきツアーを数年前からスタート。参加者は大半がリピーターで今年で4回目となるという。

雪国体験プログラムツアーの内容

安芸太田町が募集している「ぶち熱く雪かきします隊員」の雪国体験プログラムは

・スコップによる雪かき体験(1時間半)
・「雪かきマシーン」講習など(1時間半)
・地域住民との交流会
・昼食にはお弁当と松原地区名物の美味しい「具だくさん味噌汁」を用意
・温泉入浴
・地域の方からの手づくりプレゼント贈呈

などがセットになったもの。参加はスキーやスノーボードの際に着用するような防寒着を着用の上、手袋やタオル、長靴・帽子・着替えなどを持参
参加費は5000円(バス代・昼食代、保険代、雪かき道具代、温泉入浴料)。定員は20名で募集受付は2015年1月18日17時まで。詳細お問い合わせは安芸太田観光協会(0826-28-1800)まで。
(略)

ちなみに記事にある滋賀県なども以前から自力での除雪作業が困難な高齢者世帯などに除雪費用を補助する制度があり、当然ながら本来であれば第三者にお金を払ってやっていただく作業であるのですが、昨今ではボランティアと称してただ働きをさせる、あるいは安芸太田町のようにむしろお金を取って働かせると言う奇妙な風習が広がってきているようで、全国的にもたびたび話題になっています。
以前には日本一の豪雪地帯と言う新潟県十日町市での雪かきボランティア募集条件があまりに酷すぎると言う話もありましたが、「広島県過疎三冠王」の異名を取る安芸太田町などは財政支出削減を錦の御旗に「ケチケチ作戦」を展開中で人件費や補助金を削減中だと言いますから、全国からその精神に共感した方々がお金を落としてくれるのであれば大いに助かるのではないかと思いますね。
いずれにしても本来なら日当を払ってやってもらう仕事をお金を取ってやらせてあげると言うのですから、こういう地域からは働き盛りの人間がどんどん減っていくのは仕方がないことなんだろうなとは思うのですが、それではお金を払えば何をしてもいいのか?と言えば必ずしもそうではないはずで、全国で最も有名な過疎の村と言ってもいいあの秋田県は上小阿仁村ではこんなニュースが出ているようです。

地域おこし協力隊員の雇用打ち切り 秋田・上小阿仁村(2015年2月20日朝日新聞)

 高齢者が多い秋田県上小阿仁村の八木沢集落で、昨年4月から集落支援にあたる「地域おこし協力隊」の男性(49)に対し、同村は新年度の雇用を延長しないと通告したことが、18日わかった。村内で活動する20代の女性隊員は年度内で離任する意向を示しており、村は3月中に複数の地域おこし協力隊員を募集する方針だ。

 同村総務課の小林隆課長は「住民から男性隊員の契約延長を望む声がなかった。トラブルがあったわけではないが、住民とうまく打ち解け合えなかったようだ。集落支援は必要なので、4月に間に合うように再募集したい」と話す。

 男性は名古屋市出身で、赴任前は青年海外協力隊に参加したり、アルバイトをしながら陶芸活動をしたりしていた。八木沢集落では住民の通院介助や除雪の手伝いなどをしていた。男性は「3年間働くつもりだったが、『更新できない』と言われれば仕方ない」と話した。村からの通告後、仕事を探し、九州で再就職が内定したという。

ちなみに今さら言うまでもないほど逸話が多いこの上小阿仁村と言えば医師が次々と辞めていく不思議な村だと全国的にもたびたび取り上げられてきましたけれども、もう一つ以前から話題になっていたのがこの「地域おこし協力隊」なる制度で、以前からネット上では「僻地自治体が奴隷公募?!」などと話題になっていたものですよね。
興味深いことにこんな制度であってもちゃんと募集が来ていると言うのですから世の中広いものだなと思いますが、応募をかければ人は集まるとなれば当然さらなる欲も出てくると言うことなのでしょう、次はもっと良い人が来るかも知れないから契約を打ち切ってしまえと言う考えに至るのもまあ、当事者目線で考えれば理解出来ない話でもありません。
当然ながら世間では「医者を次々追い出す村が今度は奴隷も追い出した」などと散々な評判ですが、過去には同隊に所属し任期を無事満了し離村した元隊員がその後また呼び戻され再契約したと言うケースもあったようで、その話を聞く限りでは大多数の村民はごく普通に外部の人間とも接していると言う話ですから、やはり以前の「医者いじめ」事件の際にも噂されたように一部に難しい村民がいらっしゃると言うことなのかも知れません。
ただこの辺りは往年の僻地自治体病院の「医者など毎年医局から送られてくるのだから、徹底的に使い潰してしまえばいい」と言う感覚とも共通するものなのかなと感じるのですが、そうした僻地自治体病院がその後どのような運命を辿ったかを見るにつけ、上小阿仁村の将来に幸多からんことを陰ながら願うしかないところですよね。

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コメント

こんな小さな村なのにこれだけ逸話にあふれてるのも珍しいわな

投稿: | 2015年2月24日 (火) 08時02分

上小阿仁の人、どういう経路で求職してきたのかが不思議ですが
ネットで調べたなら評判を目にしないはずがないし

投稿: 鎌田 | 2015年2月24日 (火) 08時47分

・スコップによる雪かき体験(1時間半)
・「雪かきマシーン」講習など(1時間半)
・地域住民との交流会
・昼食にはお弁当と松原地区名物の美味しい「具だくさん味噌汁」を用意
・温泉入浴
・地域の方からの手づくりプレゼント贈呈

こんなの雪かき労働者として役に立ってると思えないけどな
ボランティアじゃなく、「観光雪かき体験」じゃん

投稿: | 2015年2月24日 (火) 09時43分

妻の実家が秋田なもので、正月に帰省した時には雪かきの手伝いをしますが、私にはスコップで1時間半も続けられません。

投稿: JSJ | 2015年2月24日 (火) 09時49分

地方の側から見れば労働力確保にもなり地産地消で村おこしにもつながりと良いことずくめな話ではあるのですが、後は参加者の側がどれだけ納得できるか次第と言うことでしょうか。
ただお金を払ってでもフィットネスクラブに通い無駄にエネルギーを浪費したがっている人々がこれだけ多いのですから、こちらの方がまだ多少なりとも意味のあるカロリー消費ではありますよね。

投稿: 管理人nobu | 2015年2月24日 (火) 11時01分

仕事のあとでさっと行って帰って来られるんだったら検討してもいいけど。。。。

投稿: | 2015年2月24日 (火) 13時18分

ボランティアを募っておいて受け入れ態勢がまるでない、せっかく行ったのに放置されただけとかの批判ならわかるけど
仕事としての労賃払わないって、じゃあボランティアじゃなく業者として働きに行けばいいだけじゃんって思うわw

投稿: | 2015年2月24日 (火) 17時38分

ですよねw
ボランティアなんて全部自己責任なんだから文句言うなら逝くなよってw

投稿: | 2015年2月25日 (水) 07時44分

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