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2015年2月21日 (土)

人生の舵取りは早い時期から始まっている

先日こういう記事が出ていたのですが、これもなかなか解釈の余地が多い内容ではないかと思います。

30代後半で派遣先が激減…アラフォー“おひとり様”貧困女子のリアル(2015年2月15日DMMニュース)より抜粋

 貧困とは親世代の貧困、教育の不備などが密接に関係していると言われている。いわゆる「世代間を連鎖する貧困」の理論であり、学歴の低さと貧困の相関性だが、「あながちそうとも言い切れない」と言うのは、広告代理店幹部のK氏だ。
 K氏はナイトワーク全般の求人サイトの運営をしているが、同サイトの登録者の中には、学歴のある女性が貧困から登録してくる者もいるという。
「人妻風俗店などへの入店を希望するのは、30代の女性です。もともと僕自身、4年前まで人妻デリヘルの経営をしていましたが、当時はギャンブル狂、買い物依存症、ホスト狂、元AV嬢や元風俗嬢、シングルマザーと、分かりやすく属性のお金に困った女性が多かったんです。今でもナイトワーク求職者が30代の生活資金難の女性というのは変わらないんですが、最近妙に目立つのが、結婚歴も子どももいない、風俗未経験者。元一般企業の正社員や派遣社員、大卒という属性なんです」
(略)
 愕然とした。これは決して「風俗のカジュアル化」などではない。だが、どうして彼女たちは、ここまで落ち、そしてここから這い上あがれないのか。彼女たちにはいくつかの共通点があった。
 まず彼女たちは、地方出身で大学進学のために上京し、東京で働き続けてきた。実家はあるが、関係性は良好とは言えないし、とても頼れない。地元に戻っても友人も仕事も居場所も期待できない。また、東京にいても孤独で出会いがなく、特に相談できる「同世代・同所得・同性」の友達がいない。
 こうして共通項目を挙げて、ゾッとする。これはどこにでもいる典型的な「ちょっと孤独なアラフォーおひとり様」ではないか? 

 だが、前出・広告代理店幹部のK氏は言う。
「それでも彼女たちは、少なくとも風俗店で面接に通るだけの容姿とコミュ力はあるじゃないですか。今はよく言われるように、風俗店店長の仕事は『面接で落とすのが仕事』って時代です。力にはなってあげたいけど、慈善事業じゃないですから。だいたいそれまで「独り」を選んで、将来設計ミスってきた女でしょ? 貧困、貧困と言いますが、風俗やれるだけ彼女たちはまだ上です」
 だが、果たしてこれは、自己責任か。「おひとり様」の悠々自適なライフスタイルを散々きらびやかに喧伝してきたメディアにも責任があるように思えてならない。
 「アラフォーおひとり様女子の失職」は、隣り合わせの貧困の落とし穴そのものだ。

個々の実例に関しては元記事を参照いただくとして、もちろん個別に見ていけば「ここでこうしておけばまた違っていただろうに」と幾らでも突っ込みどころはあるとは思うのですが、人間人生の全てにおいて理想的な歩みばかりを続けて来られるものではない以上、それを言っても仕方がないのかなと言う気がしないでもないところです。
このような実例がアラフォーおひとり様の実像とどの程度合致しているものなのかは何とも言い難いのですが、シングルライフの良い面もあれば悪い面もあるのは当然だとしても、やはり共通して感じられるのはいざと言う時に頼れる身近な存在が欠如している立場の弱さと言うことで、単純に世帯を同じくする夫婦家族がいれば別な選択をしやすかっただろうと言う気はしますね。
ただいささか極端なケースばかりを取り上げているように見えても、世間的にはかれこれいい歳と言われる年代になっても未だ生活が安定しないと言う状況は男女を問わず同じであるようで、先日はこんな記事が出ていましたけれども、これからの時代高学歴が必ずしも高収入や将来の安定を保証するものではないことを示す一例とも言えるのでしょうか。

奨学金返せず自己破産、40歳フリーター 月収14万円「283万円払えない」(2015年2月10日西日本新聞)

 高校、大学時代に借りた奨学金を返還できないとして、北九州市小倉北区のフリーターの男性(40)が福岡地裁小倉支部で自己破産の手続き開始決定を受けたことが分かった。男性には延滞金を含めて約283万円の返還義務があるが、「奨学金のために消費者金融などで借金しても返せない。そもそも多額の金を貸してくれない」と説明。識者は、非正規雇用などで若者の貧困が拡大すれば、今回のように奨学金返還のみでの自己破産申請が増える可能性を指摘している。

 男性は父親が事業に失敗した影響で、1990年の高校入学時から大学卒業まで日本学生支援機構から無利子の奨学金を借りた。高校時は毎月1万1千円、大学時は同4万1千円で、当初の返還期間は93年12月から2012年9月。多いときで年約16万円を返還する計画だった。
 だが、大学3年時に精神疾患を患ったこともあり、大卒後に就職できず、計9万2千円を支払っただけで滞納。アルバイトをして生計を立てる生活で、返還期間の猶予も受けたが、返せなかったという。昨年8月、返還を求めて機構が提訴。同11月、未返還の奨学金と延滞金の計約283万円の支払いを命じられた。
 男性は現在、二つのアルバイトをしており、収入は手取りで月約14万円。光熱費や家賃、家族への仕送りなどを差し引くと、生活費は2万円ほど。貯金はなく、返還のめども立たないことから、自己破産の申請に踏み切った。開始決定は今月4日で、債権者から異議申し立てなどがなければ4月にも破産が決まる。

 学識者や弁護士などでつくる「奨学金問題対策全国会議」(東京都)によると、奨学金返還のために消費者金融から借金するなどして多重債務に陥り自己破産にいたるケースは以前からあったが、最近は奨学金だけで自己破産するケースが出始めているという。

記事によれば男性は「奨学金返済のため借金しようにも貸してくれない」と言っているそうで、もはや八方ふさがりに近い状況と言うことになるのでしょうが、学生支援機構(旧育英会)によれば奨学金未返還者が2013年時点で10年前の2倍にあたる33万4千人(総額約957億円)に達し、これに伴い同機構が起こした返還訴訟が8年前の実に100倍!にも激増していると言うのですから驚きです。
先日は大学に入っても自分の名前すら書けない学生がいると言うびっくりな記事が出ていましたが、大学生の半数が奨学金を利用していると言っても実際には日本のそれは多くが単なる学生ローンに過ぎず、正直社会人の出発点から多額の借金を背負ってスタートを強いられるほど通う価値のある大学がどれだけあるものか?と言う議論は必要かも知れませんね。
この辺りに関しては以前にも書いたように学生支援機構側でも審査の厳格化を行っていく方針ではあるようですが、低所得者ほど私学に通う比率が高いと言う地域もあって苦しい生活の中から学費を捻出するのは厳しい、公費支援をもっとお願いしたいと要望が出ていると言う話を聞くと、果たして日本の高等教育は支払った代価に見合うだけの見返りを提供出来ているのか?と言う疑問も出てくるところです。


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心と体」カテゴリの記事

コメント

人生ってほぼ生まれた時に決まってるよね

投稿: | 2015年2月21日 (土) 09時21分

自慢できるものがご先祖様の血統しかなくて人生に何一つ自分で積み上げられなかった人間にとってはそうだろうねw

投稿: | 2015年2月21日 (土) 10時32分

生まれながらかどうかは知らないけれど、
欲望に極端に弱かったり騙されやすかったり、他にも要因は何かあるかもしれないけど、
結果として、大人になっても「正しい選択」ができないあるいは難しい人々は一定数いるのだと思います。

で、そういった人達が行き着く先として生活保護を受けるようになっても保護費をギャンブルで使い果たしちゃったりするんだろうなぁ、と想像しています。

そんな連想によって話が飛躍するのですが、とりあえず生活保護は生活教育プログラムをセットにしたほうがいいんじゃないかと思っています。

投稿: JSJ | 2015年2月21日 (土) 11時11分

つっこみ入れられる前に書いておきますが、
私の言う「正しい選択」というのは正解は一つではないです、というか選択する時点で正しいかどうか誰にも分からないような選択の話ではないです。
「妥当な選択」とか「良い選択」とかのほうが好みならそれでもいいです。

例えば、給料日まで1週間で残金5000円という時に、「競馬で10倍に増やす」という選択をするようなことを「正しい選択」ができない、と考えています。

投稿: JSJ | 2015年2月21日 (土) 11時43分

生活保護締め付けより労働義務付けがいいかもです。
公園のトイレ掃除だとか街のドブさらいだとかいくらでも仕事あるんで。
20万円分働いて20万円受け取るなら誰も文句ないですから。

投稿: チミ | 2015年2月21日 (土) 14時02分

講義は中学レベル、入試は同意で合格 “仰天”大学に文科省ダメ出し
2015年2月21日 10時0分 withnews

 「数学の授業は四捨五入から」「受験生と大学の『同意』で合格」「新入生が一人もいない」――。
新設の大学や学部でこんな事例が相次ぎ、文部科学省が改善指導に乗り出しました。
若者の減少とキャンパスの新増設で「大学全入」とも言われる時代。
とりわけ知名度の低い地方大学で、教育の質の低下が懸念されています。

■百分率や小数が分からない大学生?
 文科省は今月19日、講義内容や運営方法などに不備があるとして、改善を求める大学253校を公表しました。
新設された大学や学部を昨年度から調べており、対象となった502校の約半数に問題が。
多くは学生の定員割れや、教職員の高齢化などでしたが、大学としての“適格性”が問われそうなものも少なくありませんでした。

 千葉科学大(千葉県銚子市)は、一部の講義で“レベルの低さ”が問題視されました。
たとえば「英語1」の講義。同大のシラバス(講義計画)によると、
冒頭から「be動詞」「過去形」「進行形」と、中学校レベルの内容が並びます。「基礎数学」の講義でも、
割合(百分率)や小数、四捨五入とは何か、から教え始めます。

 つくば国際大(茨城県土浦市)でも、「化学」の講義で元素や周期表から教え始めたり、
「生物学」で光合成やメンデルの遺伝法則を一から学ばせたり。

 こうした実態について文科省の調査は「大学教育水準とは見受けられない」と指摘しており、改善を求めています。
開設以来、学生ゼロも
 一方、入試を巡って、受け入れ数や選考基準が不明確だったりするケースも調査で明らかになりました。

 太成学院大(大阪府堺市)では、書類と面接で合否を決める「アグリーメント入試」を実施しており、
選考基準について「学生と大学が同意に達したら入学を許可する」と説明してきました。

 しかし、文科省の調査は「同意以外の判断基準が明示されておらず、どのように合否を決定しているか不明」として、見直しを求めています。

 北翔大(北海道江別市)では、大学院の募集要項に「可能な限り受け入れる」との表現があり、
適切な選抜が行われていない印象を与えると指摘されました。

 同大総務部によると、試験には論文と面接があり、「適正に競争原理に基づいて選抜している」とのこと。
ただ、受験者には社会人が多く、合格しても入学を辞退する人が多いため、
できるだけ志願者を集めたかった、と説明しています。

 ほかにも、「併設校からの内部推薦など募集要項に記載されていない入試区分が存在」(大阪府守口市の大阪国際大)、
「留年生が多数生じており、また、在籍学生の学年ごとの評定平均が下の学年ほど低くなっている」(兵庫県宝塚市の宝塚医療大)、
「開設以来、学生が1人も入学していない」(千葉県我孫子市の川村学園女子大・観光文化学科)などの例が指摘されています。
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/9809257/

投稿: | 2015年2月21日 (土) 14時45分

 NEETは特殊な少数者ではない。平凡な多くの人から構造的に生み出されていると思います。

「学校を出たら(自身は無理でも次世代で)敗者復活を期すことができる」という希望もなく、さりとて学校に行かず親の背中を見ていても敗者復活はおぼつかない。
 なら「努力など放棄して、いけるところまでニートを続けよう」という生き方は自然な選択でしょう。働いたら負け、勉強したら負け、とまで言います。

 技能やポジションの世代間転移を円滑に行う仕組みを復活させなければ、みた目多様性のある社会にしても、次世代の敗者復活ができるはずがない。
 犬エッチケーもスポーツ省も躍起になって「一芸に秀でればリテラシーなんかいらない」って誘導してませんかね。凡人にこそ最低限のリテラシーが必要なんだが。

 Fランク大学は、義務教育で親とスポーツ省が放置していた部分を補てんしているにすぎません。
 看板がけばけばしいのはお上を見習っただけ。リテラシーを身に付けさせたかどうか検証して「看板倒れ」が露見して都合が悪いのは お上。

 国民の教育を受ける権利を守る義務が国(文科省)にはあるはずです(憲法)。 しかしスポーツ省は「許認可行政でコントロールするふりはしますが、あとはユーザーの個人責任」。憲法に規定された自らの義務を放棄するつもりですね。教育基本法改定で、社会(資本)に有為でない人間を育てるつもりはない、となりましたし。

 88万ウォン世代が、いよいよ我が国にも。
 稼いで食って子を作って育てる技術を世代間で移転して行く仕組み、壊れました。再構築する気があるか、ですね。
 

投稿: 感情的医者 | 2015年2月22日 (日) 11時17分

>20万円分働いて20万円受け取るなら誰も文句ないですから。
 まったくその通りです。実現してないだけ。

 一例ですが、
 ワープアの代名詞のように言われる介護。人件費としては保険からは時給一万超の金が出ているようです。なるほど、母が入居していた施設で私費で足りない介護を補充しようとすると、施設が嫌がったはずだわ。

 要するに派遣、下請けなんて中抜上納が固定化されていて、現場で汗を流している人間がいつか管理側に回る可能性などない、ということが問題なんですが。

投稿: 感情的医者 | 2015年2月22日 (日) 18時58分

その意味ではギリシア方式と言っていいのかどうかですが、20万円で生活保護を支給するくらいなら25万円で公務員として働かせるやり方もありなのかも知れませんね。

投稿: 管理人nobu | 2015年2月23日 (月) 12時25分

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