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2015年1月17日 (土)

飲酒、てんかんに続いて今度は高齢者がターゲットに?

ひと頃飲酒運転事故が社会問題化した際には各地で悲惨な飲酒運転による犠牲が報じられ、またてんかん患者による事故の際にも相次いで同様のてんかん発作絡みと思われる事故が報じられたことは記憶に新しいところですが、いずれもその後厳罰化や運転免許更新の厳格化など法的対応に結びついたことは周知の通りですよね。
過去10年ほど交通事故件数は減少の一途を辿っていますが、それでも平成25年時点で年間70万人の負傷者が出ていると言いますから毎日2000人からの負傷者が出ている計算で、それだけ多数の中から取り上げられ全国的に報じられる事故と言うものにはそれなりに意味なり意図なりがあるのだろうと思うのですが、最近各方面で目立つ気がするのが高齢者の関わる事故です。

逆走軽乗用車がガードレール突き抜けコンクリ壁に激突 運転していた男性死亡 埼玉・三郷(2015年1月16日産経新聞)

 15日午後11時5分ごろ、埼玉県三郷市鷹野の市道で、逆走していた田中弘さん(74)=同市高州=の軽乗用車が、ガードレールを突き抜けてコンクリートの壁に衝突した。田中さんは、搬送先の病院で死亡が確認された。吉川署が逆走した経緯などについて調べている。

 同署によると、現場は県道と市道の交わる丁字路交差点。軽乗用車は片側2車線の県道を逆走し、市道の交差点にあるガードレールに正面からぶつかった。軽乗用車は衝突後、横転して車体の底部など一部が燃えた。

 乗用車で通り掛かった男性(21)が逆走する軽乗用車に気付き110番通報した。少なくとも200メートルは逆走していたという。

集団登校の列に車突っ込む、女児2人大けが(2015年1月15日TBSニュースi)

 15日朝、長崎県で、横断歩道を渡っていた集団登校中の小学生2人が軽自動車にはねられ、大けがをしました。

 15日午前7時すぎ、長崎県波佐見町の県道の交差点で、横断歩道を青信号で渡っていた集団登校中の小学生の列に軽自動車が突っ込みました。この事故で、小学5年生の女の子が足の骨を折る大けが、3年生の女の子が頭を打つけがをしました。いずれも命に別状はないということです。

 「(車が)全然、スピードを落としてなかった。(車が)信号無視で飛び込んだ」(目撃者)

 警察は、車を運転していた川棚町の農業・松本洋子容疑者(75)を自動車運転過失傷害の疑いで現行犯逮捕しました。松本容疑者は「自分の不注意だった」と容疑を認めているということです。(15日13:37)

認知症の83歳男性が首都高を逆走し死亡(2015年1月11日認知症ネット)

7日の午前0時25分ごろ、東京都板橋区の首都高速道路5号池袋線上り線で軽乗用車が逆走。大型トラックとトレーラーに次々と衝突する事故を起こし、軽乗用車を運転していた茨城県稲敷市江戸崎甲の無職、徳田順良さん83歳が全身を強く打ち死亡した。
事故に遭遇したトラックとトレーラーの運転手にけがはなかった。トラックの運転手は事故の瞬間について以下のように語った。
来た瞬間に、もう逃げ場がないじゃないですか、首都高速道路の上だから、えっと思った瞬間に横で音がして」(FNNニュースより引用)
警視庁高速隊の調べによると、現場は片側二車線の直線道路。事故の直前にも現場付近を走行していたタクシーと接触事故を起こしており、同隊が詳しく調べている。

相次ぐ逆走事故の6割は高齢者ドライバー

事故で亡くなった徳田順良さんは認知症を患っており、6日昼にひとりで家を出たまま行方が分からなくなっていたため、家族が茨城県警に行方不明者届を提出していた。
首都高速株式会社によれば、高速道路上で平成23~25年に発生した逆走事案541件のうち、65歳以上の高齢者によるものが約7割、認知症の疑いや飲酒などの運転者によるものが約4割となっている。

いずれも見ていただければ判るように何かしら不可解なと言っていい側面を持つ事故と言え、特に最後の記事にもありますように高速道路の逆走と言えば高齢者の専売特許と言うイメージさえありますけれども、警察庁の統計によれば高速道路逆走の7割が高齢者によるものと言い、14%においては認知症の疑いが濃厚であったと言います。
この逆走事故と言うものに関連して注目すべきなのは先日高速道路を逆走しバスと接触事故を起こした50代の会社員が「暴行と道路交通法違反(事故不申告)の疑い」で書類送検されたと言うニュースで、怪我人がなかったとは言えバス乗客を危険にさらしたとして暴行罪に問うと言うことのようですが、やはり高速道路逆走と言う行為の危険性を考えてのことだと言えそうですよね。
高速逆走事故なども典型的ですけれども、やはり認知機能も含めて運転適性そのものを問わなければならないと思われる奇妙な事故が多いとなれば、これだけマスコミも注目している以上飲酒、てんかんに続き今度は高齢ドライバー対策が打ち出されてくるのか?と思っていましたら、案の定こんな話が出てきたようです。

認知症チェック強化=75歳以上ドライバーに―道交法改正へ意見募集・警察庁(2015年1月15日時事通信)

 認知症に起因する交通事故を減らすため、警察庁は15日、75歳以上のドライバーに対するチェック体制を強化することを決めた。現在は運転免許の更新時のみ義務付けている認知機能検査を、信号無視や逆走など一定の違反をした際も臨時に実施。「認知症の恐れ」と判定された人にはすぐ、医師の確定診断を受けてもらう
 道路交通法の改正試案として同日公表した。16日~2月4日に一般の意見を聴き、通常国会に改正法案を提出する。

 道交法は認知症の人に運転免許を認めておらず、75歳以上の免許更新者に認知機能検査を義務付けている。検査で「認知症の恐れ」と判定された人は、過去1年以内から次の更新までに一定の違反があった場合、医師の診断が必要だ。
 現在の制度では、検査を受けるのは3年に1度にとどまる。認知症が疑われる結果が出ても運転を続けることができ、違反した後になって認知症か否かを確定させる仕組みになっている。
 このため警察庁は「認知機能の低下をタイムリーに把握できていない」と判断。認知機能が低下した場合に多くみられる違反をした人に、臨時の検査を行う制度を導入する。

 更新時か臨時かを問わず、検査で「認知症の恐れ」と判定された人は、その時点の受診が義務付けられる
 臨時の検査結果が前回の検査より悪かった人には、臨時の高齢者講習を行うことも決めた。講習の内容は、運転者の癖や技能に応じた個別指導を含めるなど高度化させ、認知機能に心配のない人が更新時に受ける講習は時間を短縮する。
 認知症と診断されたり、検査や講習を受けなかったりすると免許は取り消し・停止される。
(略)

飲酒運転やてんかんなど意識障害を来し得る疾患が厳しく規制されるのであれば、認知症高齢者も規制されるのは当然だと言う意見は一理あるだろうし、実際に世間ではむしろ対策を講じるのが遅すぎると言う声が多いようなんですが、当然ながら診断を行う医師との連携が問題になると同時に、言わば免許を取り上げる判断を下すことになる医師の責任も重くなろうと言うものですよね。
客観的なデータとして事故件数、死亡者数等交通事故に関わる統計が軒並み改善を続ける中で、高齢者の関わる事故数や死者数だけが一向に改善しないどころか絶讚増加中と言いますが、その背景としてちょうど団塊世代が高齢者世代入りしつつある中で、車を運転することが当たり前だった世代が高齢者となり高齢免許所持者数そのものが増えていると言う現実があります。
母数が増えているのだから必ずしも高齢者=危険ドライバーと言うわけでもないだろうと言う反論もあるでしょうが、人数当たりで計算しても高齢者の事故死者数、致死率とも高いと言うのは肉体的な弱さも反映しているのでしょうが、事故そのものの状況や衝突時のとっさの回避運転など様々な要因が不利に働いている影響もありそうで、いずれにしても事故対策は望まれるところですよね。

そもそも以前から高齢者の運転免許自主返納と言うことが言われながら、なかなかそれが順調に進んでこなかった背景には年代的に車と言うものにステータス等様々な思い入れを持つ人が多いと言う理由もあるだろうし、特に地方においては現実問題として車に乗れなければ生活できない、農作業等日常の業務にもたちまち支障が出ると言った現実的な理由もあったはずです。
高速逆走などは周囲にとっても危険極まりないものですが、近所の生活道路をノロノロとマイペースで走っている分には周囲も配慮するだろうし、相応に迷惑はかけるだろうにしろそれほどの危険もない可能性もあるとすれば、やはり一律に免許維持の資格厳格化よりも車なし生活への支援であるとか、近隣生活道限定での運転をさせるであるとか言った対策の方がまず先に望まれるのかも知れません。
ただ昨今の若い世代ほど車に対するこだわりが乏しく、車はもちろん免許すら持たないと言う人も次第に増えてきているそうで、年配の方々が「ネットは危険だ!何があるか判らない魔窟だ!」といたずらに有害視し規制強化を図る心境をネット接続当たり前の若年世代が理解出来ないように、車が当たり前と言う方々の心境もまた若い世代には理解し難いのだろうし、そこが対策のツボを外す理由にもなりかねないですよね。
ともかくも人の命も自分の命も容易に危険にさらす巨大な鉄の塊をボ○爺ちゃんが乗り回しているとなれば誰しも恐怖を感じるところですから、シニアカーや電動自転車なり最近話題の超小型モビリティなり自傷にはともかく他害に関しては車よりも有利そうな車両で車の代用が出来るとすれば、高齢者にはそちらのシフトしていただくと言うのもありなのかも知れません。

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コメント

今はもう若い人のほうが安全運転なんだね

投稿: | 2015年1月17日 (土) 09時09分

すぐに医療に丸投げされるのははなはだ迷惑ですな。
もしかして長谷川やって点をつければ事足りるとでも思われているのであろうか。
警察から回されてきた認知症の診断は全例クロ判定するか、診断自体をお断りするのが無難でしょうな。

投稿: JSJ | 2015年1月17日 (土) 09時34分

若者は軽ワゴンでエコ運転
年寄りはレクサスで高速後ろ向き暴走

こんな日本に誰がしたw

投稿: | 2015年1月17日 (土) 09時39分

>相次ぐ逆走事故の6割は高齢者ドライバー
4割は高齢者ではないのですね・・・少なくとも高速道路は逆走を防ぐ対策もうちょっと真面目にやった方がいいとおもう。

投稿: クマ | 2015年1月17日 (土) 12時04分

もう年寄は高速通行禁止でいいじゃない

投稿: | 2015年1月17日 (土) 12時19分

そもそも「認知症の恐れ」と判定されても免許更新出来ること自体が意味不明。
確認診断を受診して問題なければ交付という順番でしょう?
極当たり前のことをすることで、少しでも被害者が減るのに。
だから役所はバカしかいないといわれるんだよね。

投稿: | 2015年1月19日 (月) 09時22分

>そもそも「認知症の恐れ」と判定されても免許更新出来ること自体が意味不明。
>確認診断を受診して問題なければ交付という順番でしょう?

その診断をするマンパワーの問題もありますし、その受診費用の問題もあります。
今はこの費用が警察持ちになっているはずですが、その予算を確保しないといけません。

あと些細な問題ですが、ドネペジルなどの薬を飲んでいて機能が維持されている方の場合、
素直に病名を書くと機能が維持されていても免許が取り消される可能性があります。

投稿: クマ | 2015年1月19日 (月) 11時00分

原付以上運転者(第1当事者)による運転免許保有者10万人当たり交通事故件数を年齢層別にみると、若者(1,544.3件)が最も多く、次いで25~29歳(983.9件)、高齢者(724.8件)の順となっている。

・・・相変わらず若者が事故起こす方が全然高いんじゃないのかと

投稿: | 2015年1月19日 (月) 11時20分

労災関連の診療においてもそうですが、本人の意に反する判断を行う必要がある場合に医師にもそれなりにストレスがかかるところで、何かしら明確で客観的な基準による線引きが望ましいのかも知れません。

投稿: 管理人nobu | 2015年1月19日 (月) 12時36分

認知障害の場合は、医療の方に放ってよこさなくても、運転適性検査の一環としてドライブシミュレイターを操作させても目的は達せると思うのですが。

投稿: JSJ | 2015年1月19日 (月) 13時14分

そういや違反してたんで前回更新時に免許センターでシミュレーターやったんですけど、あれひどいですね。
左折時のバイク巻き込みが見え見えのシチュエーションで、いくら止まって待っててもバイクが来ない。
先行かないのかってミラーで確認してみたら、車の後ろにじっとバイクが止まって待ってるんですね。
らちがあかないからゆっくり左折始めたら突っ込んできてズドン…ってお前どんな当たり屋だよって。
あんな程度のやつだったら運転適性判断には使えないんじゃないですか。

投稿: ごま | 2015年1月19日 (月) 14時08分

改良する手間暇を惜しんで医療に丸投げするなよ、と。

投稿: JSJ | 2015年1月19日 (月) 15時26分

認知症て、ちゃんと診断もできない医師に診断されちゃたまらんね
誤診もあるだろうしね
シミュレーターで振り分けに1票

投稿: | 2015年1月19日 (月) 17時41分

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