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2015年1月10日 (土)

テレビを真面目に受け取ってはいけないと言う教訓

かつては「料理の鉄人」と言う料理系対決番組が国際的にも大いに人気を博したものですが、今の時代にあってもやはりこの種の対決系企画は人気があるようで、各局とも折々に様々な番組を放映しているのは皆さんご存知の通りかと思います。
そんな中で先日正月明けに包装された対決番組に関してこんな声があると言うのですが、まずは記事を紹介してみましょう。

フジテレビ『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』でヤラセ疑惑 / 有名音楽家が苦言「ちゃんと音楽を演奏してたのはHKT48の森保まどかさんだけ」(2015年1月6日ロケットニュース24)

2015年1月4日にフジテレビで放送された、芸能人が特技などを披露し、その分野でのナンバーワンを決める番組といえば『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』だ。
そのなかでの勝負のひとつ『ピアノ部門』では、ピアノの得意な「青木さやか」さんや「松本明子」さんなど、多数の人気芸能人が登場していた。しかし、1人だけ “あまりにも格が違う” と話題になっているのでお伝えしたい。

・森保まどかさんの圧倒的すぎる演奏
その芸能人とは、アイドルグループ HKT48 に所属する「森保まどか」さん。ヨーロッパ国際ピアノコンクールで9位を獲得したこともある彼女は、見事な演奏で『異邦人』を披露し、出演者らも拍手喝采。ダントツで1位なのではと思われたが……その後、衝撃の展開が待っていた。
なんと、森保さんよりも単調に感じられた AKB48 の松井咲子さんが点数で上回り、次に演奏した吉本興業所属のお笑い芸人・さゆりさんはミスを何回かしたにもかかわらず、さらに上の点数を獲得して優勝! この衝撃展開に、「ヤラセなのではないか?」と思う視聴者が続出したのである。
また、一般の視聴者だけでなく、特撮番組『ウルトラマンティガ』やゲーム『天外魔境II 卍MARU』などの音楽を手掛けた有名音楽家「福田裕彦」さんも、番組の内容に対して Twitter で以下のように苦言を呈していた。

    「フジの某番組のピアノ対決とか言うやつ、HKT48の森保さんっていう子が凄く上手でけっこうビックリして見てたんだけど、その後、どう考えても彼女のピアノとは比べ物にならないほどヘタっぴなピアノを弾く女子が出てきてあっさり勝ち、さらにそれに輪をかけてヘタなピアノを弾く人が勝って呆れたw」
    「あれ、服部先生とか審査員やってるけど、マジであんな番組出るのやめたほうがいいと思うwそれにしても、森保さんのピアノはいいよ。っていうか、ちゃんと音楽を演奏してたの、彼女だけ(^-^)」
    「ピアノがうまいとかヘタとか、ああいうくだらねえ番組でひとつの「尺度」を作って撒き散らすのはマジで害毒。これだけは真剣に言うけど、95点だか取って「一番」になったお笑いの女子の弾くピアノは、ただの指の運動。あんなものを音楽とは言いません。」
    「あと、2番だったAKBの子のピアノは、典型的にダメな「音大のピアノ科の生徒のピアノ」。機械のように指は動くけど、これまた、音楽とは程遠い。なんなんだよあれは(-0-;;;;」
(福田裕彦さんTwitterより引用)

――と、かなり辛口なコメントを多数つぶやいていたのである。素人目から見ても森保さんのピアノ演奏はダントツだと感じたが、プロの目から見ても同じだったようだ。

確かにピアノは間違いが多くない限り点数が付けづらいかもしれないが、ここまで圧倒的な展開だと、視聴者たちが “ヤラセ” だと感じてしまうのも無理はないかもしれない。
ガチで対決するのがコンセプトの番組なだけに、より採点理由についても疑惑が生まれないよう、詳しく教えて欲しいものだ。

正直この種の隠し芸番組は別に文字通り技術的優劣を競うと言うのではなくて、アピールの仕方であるとか普段のキャラから見ての意外性を評価するものであると思っていますから、国際ピアノコンテストにまで出たことがある方のピアノがうまくてもポイントが低くなること自体は別に有りなのかなとも思うのですが、それならそれで採点基準を明確にしておけやと言った批判はあっていいと思います。
この点でシステム的に非常にうまく処理していたのがこれまた往年人気を博した「どっちの料理ショー」と言う番組だと思うのですが、料理としてうまい不味いだとか調理技術などと言ったものは全く評価の対象外でどちらが食べたいか、あるいはどちらを選べばより食べられる確率が高まるかと言う部分で評価させると言うのは映像的にも面白いし、余計なトラブルにならないと言う点からもかなり完成された手法であったように思いますね。
いささか脱線しましたけれども、基本的にテレビ番組などと言うものは自称ノンフィクション系を含めて真面目に受け取ったら負けだと言う認識でちょうどいいと思うのですが、昨今そのテレビ番組に妙な信仰心めいたものを抱いている方々の悲喜劇もあるようで、先日はこんな記事が出ていました。

TV通販、必ず売れるはずじゃ… 注文ゼロでトラブルも(2015年1月6日朝日新聞)

テレビの通販番組に出品すれば必ず売れると言われたのに全然売れない――。こんなトラブルが増えているという。どんな番組なのか。見て、注文してみた。

■出品者困惑、注文1件だけ

「良い生活を送れるようなすてきな商品をご紹介する番組です」

午前3時。四国の地方テレビ局で昨夏放送された番組は女性のナレーションで始まった。約30分間で3千~4千円の菓子や化粧品など16商品が登場、「こだわり」「逸品」などのナレーションが繰り返される。3200円の干物を買うため表示された番号に電話すると、男性に住所と電話番号を聞かれた。数日後、干物の会社から電話があった。「注文はおたくだけです」

出品していたほかの食品2社に取材したがいずれも注文はゼロ。映像を見た地方テレビ局関係者は「商品が慌ただしく紹介され特徴が全然伝わってこない」。番組には販売元として札幌市の住所が示され登記簿上も通販会社がある。訪ねると、そこはレンタルオフィスのビルで、会社は存在しなかった

■深夜の番組、30万円支払う

取材を続けると、この会社の関係者の男性に会うことができた。「地方の10局ぐらいで放送した」と言い、営業実態を明かした。出品者からもらう放送料金は、120秒の2回放送、映像制作費込みで約30万円。歩合制の社員3~4人で、検索サイトに「ビール つまみ」などと打ち込み200~300位あたりに表示される業者を狙い電話で勧誘するのだという。

大阪府の菓子店経営の女性(35)も昨年、この通販会社から「スイーツは大変人気の商品。300セットは絶対売れる」と言われ約20万円を払って2千円のプリン5個セットを出品。番組は2月と7月に西日本の2局で深夜に放送されたが、受注はゼロだった。女性は「絶対に売れると言われたのに一つも売れないのはひどい」。

まあしかし深夜というよりも早朝にこの種の番組で取り上げられたからと言って馬鹿売れすると考える方も正直どうなのかとも思うのですが、ここで注目していただきたいのがこうした話題が天下の朝日にすら取り上げられるようになったと言う点ではないかと言う気がします。
仮にうたい文句通り2000円のプリンセットが300セット売れたとして売り上げが60万、20万円の手間賃を払ってどれだけの儲けになるのか?と言う話なんですが、「検索サイトに「ビール つまみ」などと打ち込み200~300位あたりに表示される業者を狙い電話で勧誘する」と言ったように方法論としては非常に完成されている印象で、通販業者としては失敗なく儲けが出るビジネスモデルになっていると言うことなのでしょうね。
今の時代にはさすがに「テレビでも紹介されたあの商品!」式の宣伝を打つにしてもどれだけ儲けにつながるのかと思うのですが、ネット時代に対応しきっているわけでもなくテレビの影響力に未だ信仰心を持ち続けている方々が一番よいお得意様と言うことになるのでしょうか、ともかくも利用者目線とのズレを認識していないと無駄な広告費支出だけがかさんでしまうと言う教訓的な話ではありそうです。

以前にクーポン業者の強引な営業手法が社会問題化したことがあって、ちょうどこの正月には以前に「スカスカおせち」として大問題になったおせちの通販が復活したと言うニュースが出ていましたけれども、聞くところによると今回はスカスカでないおせちを期日までにきちんと送付することだけに集中したのだそうで、価格的にも内容的にも特にどうと言うことはないありきたりなものに留まっていたようです。
逆に言えば商売としてきちんと破綻なく成立させようと思えばそうそう世間の相場とかけ離れたことが出来るわけでもないと言うことなのでしょうが、さして特別な売りがあるわけでもないありきたりな商品がテレビ通販で取り上げられればたちまち品切れ必死の大人気商品になるか?と言われれば、売り手目線ではなく買い手目線で考えてみれば常識的に判りそうなことではありそうなんですけれどもね。
そうは言っても過去にもテレビ番組で取り上げられたからと様々な商品が一過性の品切れを起こすほどの大ブームになったじゃないか、と言う声もあるでしょうが、そうした事件が話題になるのはそれが珍しい現象であるからこそだし、商売と言う観点で言えば一過性のブームに合わせて増産体制を取ったところですぐにブームは去るのですから過剰投資と言うもので、結局安定的な儲けにはつながらないと言う判断が妥当なんだろうと思います。
要するに世の中そうそうおいしい話などないと言う当たり前の結論になってしまうわけですが、ある程度安定的な顧客がついていてさらなる業績拡大をと考えて妥当な範囲で広告費をかけると言うならまだしも、経営的に厳しい零細業者さんが一発逆転を狙ってテレビやクーポンの宣伝効果にかけると言うのであれば、それは典型的なカモの思考パターンにはまってしまっていると言うしかなさそうですよね。

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コメント

この時間枠の放送だと知ってて乗ったんならただのバカでしょ

投稿: | 2015年1月10日 (土) 08時47分

ところであの電柱広告って奴、効果は殆ど期待出来ませんよねえ?ウチちょうど更新時期で、いい機会だからごっそりリストラしようかと考えているんですが。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2015年1月10日 (土) 09時29分

継承開業した先輩はクリニックの看板すら出さず住宅街でひっそりやってるそうで。
「変な人も来ないんでしょう?」と聞いたら「でも売り上げは先細りだよ」と悩んでましたね。
宣伝もどんなやり方でどの程度やったらいいものか難しそうです。

投稿: ぽん太 | 2015年1月10日 (土) 10時43分

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