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2015年1月 9日 (金)

ブラック企業への公的対策、ようやく本格化

先日こんな記事が出ていたことをご存知でしょうか。

学生バイト労組:西日本初結成へ 「ブラック」許さない!(2015年01月06日毎日新聞)

 西日本初のアルバイト大学生自らが作る労働組合、関西学生アルバイトユニオンが、2月までに発足する。長時間労働や突然の解雇例は多く、「ブラックバイト」と呼ばれて社会問題化している。

 結成準備メンバーは、関西大、京都大、同志社大などの学生約10人。組合費月数百円で組合員を募る。学習会などをしつつ、学生の労働相談に乗る

 全国大学生活協同組合連合会によると、下宿生の仕送り平均額は、1996年の月10万円強から2013年は7万円強に減った。仕送りゼロも全体の1割近い。

 学者らの「ブラック企業対策プロジェクト」の調査で、学生バイトの平均労働時間は週15.5時間、うち3割は20時間以上だった。ユニオン準備メンバーの大阪市立大4回生、柊(ひいらぎ)まりさん(25)は「バイトが忙しく、ゼミ合宿や講義を休む人もいる」と話す。

 柊さんは昨年1月、バイト先の塾で「今日でクビ」と言われ、非正規労働者の労組に相談した。労組が塾と交渉し、バイトは辞めたが、サービス残業分の賃金23万円を得た

 その後、学生同士で話すと、▽契約書がない▽最低賃金以下の時給??などの「ブラックバイト」が続々と出てきた。柊さんらは「学生自身の労組があれば違うはず」とユニオン結成を思い立った。

 ユニオンの顧問となる中西基(かなめ)弁護士(40)は「労働法を雇用側が知らないことも問題を深刻にしている。学生の声が社会全体の意識変革につながってほしい」と語る。【鈴木英生】

何やら逃散だ、立ち去り型サポタージュだと叫ばれた頃に医師の労働団体として全医連が立ち上げられた経緯を思い出すのですが、要するにそれだけ現在の雇用市場においてブラック企業問題は大きな影響力を発揮していて、その対策が早急に望まれていると言うことでもあるのでしょうね。
アルバイト学生などは元より立場が弱く雇用条件を守ってくれないと言うことが頻繁にあっただろうことは想像に難くありませんが、現代の雇用市場においては正社員と言うことを餌にブラックな雇用環境を強いる企業も後を絶たないのだそうで、それも正社員にしますからと言う名目で無茶な労働を強いて置いて実は契約社員扱いだった、などと言う笑えない話も少なからずあるようです。
この種のブラック企業と言うものをどのように排除していくかはそもそもの定義づけからしても難しいところがあるのですが、逆にそうであるからこそ未だにブラック企業が世にはびこっていると言うことでもあって、先日とうとう公的な対策としてこんな話が出てきたと言うニュースが出ていました。

ブラック企業の求人拒否 厚労省法案 ハローワークで実施(2015年1月6日東京新聞)

 過酷な労働を強いるブラック企業対策を強化するため、厚生労働省は五日、残業代不払いなどの違法行為を繰り返す企業の新卒求人をハローワークで受理しない制度を創設する方針を固めた。一月召集の通常国会に提出する若者向け雇用対策法案の柱とする。民間の職業紹介は、規制の対象外

 法案には若者の職場定着率が高い企業などを優良企業として認定、支援する制度や、若者の職業能力を客観的に評価し、正社員化を支援する制度の整備などを盛り込む。九日の労働政策審議会の部会に法案の基となる報告書案を示す。

 現在の法律では原則、ハローワークは「求人の申し込みはすべて受理しなければならない」と規定。求人内容に最低賃金を下回る給与や違法な労働条件などが書かれていない限り、求人票を受理する必要がある。

 新制度では、残業代の不払いなど労働基準法違反を繰り返す企業のほか、セクハラなどの男女雇用機会均等法違反や、育児休業を取得させないといった育児・介護休業法違反で企業名を公表された場合に、新卒求人を不受理とする見通し。不受理とする詳細な条件は政省令で決める。違反が是正され一定期間が経過すれば、受理を再開する。

 

就職から三年後の職場定着率が高く、残業時間も短いなどの要件を満たす企業を認定する仕組みも新設。学校を卒業しても就職できない人やフリーターを試験的に雇用した企業に支払う助成金を拡充する。

 <ブラック企業> 長時間労働やパワハラなどを恒常的に行い、若者を精神疾患や退職に追い込むような悪質な企業。厚労省が13年9月、若者の使い捨てが疑われる事業所5111カ所を重点監督した結果、82%に当たる4189カ所に法令違反があった。

ここで注目していただきたいのはブラック企業なるものをどうやって公的に認定するべきなのかと言う部分なのですが、若者の職場定着率であるとか残業代未払い、正当な休暇取得の可否と言ったものを指標にしていると言う点に留意いただきたいと思います。
ブラック企業なるものの定義に関しても諸説あって、各企業も「うちがブラック認定されたらどうしよう」と戦々恐々だとも聞くところなんですが、一つの定義としては「労働力提供に対して適正な対価を支払わないことで不当に利益を挙げる企業」と言うものがあって、要するに企業活動の支出のうちで大きな部分を占める人件費支出を不当に抑えることで価格競争力を高めている企業であるとも言えますよね。
その結果現象面としては「求人時に提示された条件と実際の労働条件が異なる」「新入社員の離職率が異常に高い」と言ったことが鑑別ポイントとして挙げられると言いますが、こうした現象面に注目し選別することでブラック認定された企業の求人を拒否すると言うことであれば、もちろん100%完全には選別は出来ないにせよ真っ当な企業にとっても「何をすればブラック認定を回避できるか」と言う一つの目安にはなりそうです。

この種のブラック企業が不当な労働力買いたたきで価格競争力を高めた結果、真っ当な企業が市場から駆逐されていくのでは労働者の悲劇ですし、そんな企業がまともな仕事をするか?と考えると本当は消費者側にとっても喜べない話だと思うのですが、実は消費者心理としてはブラック企業的な風土を喜んで受け入れている側面もあると言う一面は無視出来ないと思います。
テレビなどでもパワハラめいた厳しい従業員管理を行っている企業を「しっかりしている」と持ち上げたり、不当な長時間労働を強いられる職場を「熱心な仕事ぶりだ」とヨイショしたりすると言うのは、特に伝統的産業や飲食業界などにおいて顕著に見られる傾向であるし、そうした職場ほど「こだわりの店」などと言って何やら有り難みがあるかのように受け取られがちですよね。
ネットの食べ歩きの書き込みなどでも時に見られることですが、「あの店は閉店時間になったら客を追い出すから不愉快だ」だとか「わざわざ出かけて行ったのに休みだった。商売する気があるのか」などと文句を言う人も観られると言うのは、裏を返せば労基法も何も無視で休み無しで働かせる職場を良いものだと肯定していると言うことでもあって、この辺りは国民一人一人が認識を変えていかないといけない部分でもあるはずです。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

嫌なら辞めろ代わりはいくらでもいる

投稿: | 2015年1月 9日 (金) 08時45分

一応確認なんですが、被雇用者としては2週間前に通達をしておけば法的に後腐れなく退職出来るようになっていますので、「辞めたら損害賠償だ」などと言う不当な脅迫に屈することのないよう願いたいです。

塾・予備校で「ブラックバイト」が増殖中? 「辞めたら賠償50万円」と脅された例も
http://www.bengo4.com/topics/2533/

ブラック企業による元従業員への損害賠償請求を「不当訴訟」と断罪!
http://www.daiichi.gr.jp/publication/column/2014/2014_01_02.html

投稿: 管理人nobu | 2015年1月 9日 (金) 10時39分

管理人さまへ
例外として、3年とか5年とかの有期労働契約の場合、労働契約期間の初日から1年を越えないと「労働者の希望でいつでも退職できる」状態にはなりません。

投稿: クマ | 2015年1月 9日 (金) 13時29分

>>ブラック企業による元従業員への損害賠償請求を「不当訴訟」と断罪!
http://www.daiichi.gr.jp/publication/column/2014/2014_01_02.html

イイハナシダナー…(AA略
死体換金バブル、サラ金グレイ金利ボーナスに続くブラック企業フィーバーですか。いいぞ弁護士もっとやれオレが許すwwwww

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2015年1月 9日 (金) 15時01分

非正規労働者というのは「甘え」
と朝日新聞と連合正社員と民主党から差別されたものの恨みと祟りはこれからが本番だからな。
覚えて置けよ^^と思っている人は多いと思いました。

投稿: | 2015年1月 9日 (金) 15時49分

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