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2014年12月 3日 (水)

公平な放送など出来ないそうです

なかなかに判りにくい理由でまた衆院選が始まったのだそうで、政治家のセンセイ方も選挙ばかりしていないで仕事をしてくれればいいのにと思わないでもないのですが、その衆院選に関してこんな話が話題になっています。

選挙報道に露骨な注文…安倍自民党がテレビ局に“圧力文書” (2014年11月28日日刊ゲンダイ)

公平中立な放送を心がけよ」――。自民党がこんな要望書をテレビ局に送りつけたことが大問題になっている。

 文書は「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」というタイトルで、20日付で在京のテレビキー局に送付された。差出人は筆頭副幹事長の萩生田光一と報道局長の福井照の連名。その中身がむちゃくちゃなのだ。
 投票日の12月14日までの報道に〈公平中立、公正な報道姿勢にご留意いただきたくお願い申し上げます〉と注文をつけた上に、〈過去においては、具体名は差し控えますが、あるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、(略)大きな社会問題となった事例も現実にあったところです〉とクギを刺している。文中には「公平中立」「公平」が13回も繰り返されている。要するに自民党に不利な放送をするなという恫喝だ。
 さらに4項目の要望を列記。露骨なのは〈街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の政治的立場が強調されることのないよう、公平中立、公正を期していただきたい〉という要求。この一文は、恐らく安倍首相から直々に注文があったのだろう。
(略)
要求を丸のみしたら、安倍首相の経済政策に批判的な人は排除するしかなくなる。街頭インタビューでは、景気停滞に苦しむ地方の不満や、右傾化路線を批判する声も放送できなくなります
 まさに言論の封殺だ。政治評論家の森田実氏が言う。
自民党がこんな要望書を出したのは初めてでしょう。萩生田氏は党副幹事長のほかに総裁特別補佐を務める政権の中心メンバー。その幹部が自民党には『自由』も『民主主義』も存在しないことを宣言した。実に恥ずべき行為です。国民から言論の自由を奪うのは明らかに憲法違反。彼は今度の選挙で立候補する資格はありません。おそらく萩生田氏が安倍首相にゴマをするために行ったのでしょうが、もし首相も了承しているなら、日本は世界から相手にされなくなります」
(略)

自民党、異例の選挙報道要望書は「脅し」か テレビ局で広がる委縮、調査報道の妨げに(2014年11月29日ビジネスジャーナル)

 自民党がNHK及び在京民放テレビ局に対し、衆議院解散前日の11月20日付で「選挙報道の公平中立」などを求める要望書を渡していたことが判明し、波紋を呼んでいる。その内容は「出演者の発言回数や時間」「ゲスト出演者の選定」「テーマ選び」「街頭インタビューや資料映像の使い方」など詳細にわたる「異例のもの」(テレビ局関係者)で、編集権への介入に該当する懸念も指摘されている。
 そのような中、当初は各党議員と政治家以外のパネリスト数人が討論するという構成であった討論番組『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系/11月29日放送)が、放送日直前に議員のみの出演に変更されていたことが明らかとなった。出演予定者だった評論家の荻上チキ氏のTwitterによれば、放送日2日前の27日に番組スタッフから電話があり、「ゲストの質問によっては中立・公平性を担保できなくなるかもしれない」との理由で議員のみの出演に変えると伝えられたという。
「番組スタッフに『誰かが何か言ってきたりしたんですか?』と確認しましたが、あくまで局の方針と番組制作側の方針が一致しなかったため、とのことでした。番組スタッフも戸惑っていた模様です」(荻上氏のTwitterより)

 自民党の要望が早くもテレビ局の番組制作に影響を与えている様子がうかがえるが、元日本テレビ『NNNドキュメント』ディレクターで法政大学社会学部教授(メディア論)の水島宏明氏はまず、『公正中立な報道』に関する誤解について次のように解説する。
「今回の要望書は、テレビ局を萎縮させる効果を狙った『脅し』以外の何物でもない。実際に萎縮しているという声を番組制作現場から聞く。街頭インタビューを含めて、『客観的で公正中立な報道』などテレビでは実現できない。インタビュー対象者の選定や発言のどの部分を使用するかという判断を含めて、制作者側の意思が入り込むからだ。テレビ局ができることは、可能な限り多角的な意見を伝えるよう努めることぐらい。テレビ報道の役割として、選挙報道ではできるだけ争点や政策に関して問題点や疑問点を示していくことが大切であり、現状の問題点を扱うため与党・現政権に批判的にならざるを得ない」

●調査報道を妨げる懸念も

 水島氏は、こうした「報道側と権力側の社会における役割分担」に関する基本理解がないのが安倍晋三政権だと批判し、さらに要望書によりテレビが調査報道を妨げられることで、有権者に選挙の争点が十分に伝わらない懸念を指摘する。
「報道に対して『公立中性ではない』と逐一クレームをつけたり、昨年の参議院選挙直前に『NEWS 23』(TBS)の報道をめぐり自民党が幹部の出演・取材拒否を表明したりするようになると、テレビ局は政策に関する報道にはあまり踏み込まず、各党の主張を並べる『機械的な公正中立』を心がけるようになる。選挙公示後のニュース報道にみられる『各政党一律に30秒ずつ』というような報道だ。公示後はこうした“わりきり報道”も急増しているが、これでは有権者が争点を理解できない。アベノミクスへの評価、消費増税の影響、原発再稼働、TPP、国防などテーマごとの問題を、実情や諸外国の例、識者の声などを元に特集しようとしても、『偏向』だとしてクレームをつけられかねない。そうなるとテレビ局は自分で調査報道するよりも、横ならびの“わりきり報道”という無難な道を選ぶ。結果として有権者には大事な問題点が伝えられないことになる」
(略)
 今回の自民党の要望書がメディア報道に委縮をもたらし、有権者が多角的な情報を入手する機会を損なわせるとしたら、同党の行為は批判を免れ得ないものといえ、今後大きな議論に発展する可能性もあるだろう。

もはや自民党はマスコミ諸社にとっては諸悪の権化かと言う扱いですが、この件に関しては民放労連が「政権政党が、報道番組の具体的な表現手法にまで立ち入って事細かに要請することは前代未聞であり、許し難い蛮行」だと激烈な調子で抗議声明を出していると言うように、マスコミ関係者の方々によって一躍大問題として祭り上げられているようです。
個人的にはマスコミが公平中立な報道をしているかどうかよりも、現に公平中立ではないしそもそも公平中立など実現できないと開き直っているくらいであるのに公平中立であるかのような顔をしていることの方が大きな問題なのではないかと思うのですけれども、ともかく記事によれば関係者がマスコミとはいかに公平中立な報道など出来ないかと言うことを熱心に主張していると言う点は留意いただきたいと思いますね。
さて、今回自民党がこのような要望を出したと言う、そのことに関して関係者が口を揃えて「前代未聞の暴挙!」「報道が萎縮する!」と言っていますけれども、公平中立でない偏向報道などいくら萎縮してもらっても構わないのでは?と考える方々も多いのだろうし、そもそも議論の前提条件そのものが間違っているのでは?と思わせるこんな証言も出ているようです。

選挙報道「公正に」 自民、テレビ各社に要望文書(2014年11月28日朝日新聞)

(略)
 在京民放5局は27日、朝日新聞の取材に対し、自民党からこの文書を受け取ったことを明らかにした。そのうえで、これまでも選挙の際には自民党だけでなく複数の党から公正中立を求める文書が来たこともあるなどとして、「これまで同様、公正中立な報道に努める」(TBS)などとコメントした。NHKは「文書が来ているかどうかを含めてお答えしない」とした。

 テレビ東京の高橋雄一社長は27日の定例会見で、「こうした要請はこれまでの選挙でもいろんな党から来ている」と話し、「構えたり、萎縮したりすることはないか」との問いに、「全然ないですよ」と答えた。一方でキー局の報道幹部は「これまでとの比較は難しいが、過去の『偏向報道』を持ち出すなど圧力も感じる」と話した。

安倍叩きはうちの社是」と言ったとか言わないとか噂の絶えない朝日の記事ですから安倍擁護の捏造だと心配する必要もない話かと思うのですが、要するにこんな話は今までにも毎回選挙のたびに当たり前に来ていて、その上でマスコミ各社は全く気にすることなく自由に報道してきたのだと言うことを当事者自身が明言していると言うことですよね。
となると今回の自民党の要請に限って何故同様に繰り返されてきた数多の要請とは違って報道の自由が失われてしまうと考えるのか?と誰しも不思議に感じる話なんですが、もちろん業界の中の人がこうした阿吽の呼吸ともお約束とも言うべき過去のいきさつを知らないはずもありませんから、彼らなりの公平中立な見地に立った判断から今回はこのように大々的報道をすることに決めたと言うことなのでしょう。
いずれにしても特定意見に偏らず公平中立な報道をすると言うのは当たり前の話であって、現に放送法にはこのように明記されていますけれども、「政治的に公平」な当たり前の報道など出来ない!と叫ぶほど彼らの放送法違反が明らかになるだけと言う話ですから、むしろこれは所轄官庁が彼らの免許適格性をどう判断するかと言う部分が問われるのではないかと言う気がします。

放送法

第四条  放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

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コメント

野党幹部のオフレコ流出 「自然災害が起きて首相官邸が対応できなかったら議席増」

 野党幹部が、記者とのオフレコ取材の席で、衆院選の苦戦を認めたうえで、「自然災害が起きて首相官邸が対応できなかったら、(議席増の)自信はある」と語っていたメモが永田町の一部に流れ、波紋を広げている。
これが事実ならば、政治家としての資質を問われそうだ。

 この取材メモは、与党幹部や官邸周辺も入手し、情報当局などで分析が行われている。

 メモによると、野党幹部は衆院選の現状について、「かなり厳しい状態になっているのは事実」「まだ状況は変わる」などといい、選挙の潮目が変わる可能性として、以下のように語っている。

 「安倍晋三首相の失言が最大のチャンスだ。党首討論でイライラしてくれたらベスト。そうしたら雰囲気は変わる。うちのトップにもできるだけのネタは仕込むつもりだ」

 「閣僚の失言。これは決定的なものがいい。期待するなら麻生(太郎副総理兼財務相)さんくらいか。麻生さんはテレビに出る機会はあるの?」

 「マスコミの世論調査報道の後。これは君らマスコミに期待だ。ここで自民党がさらに強くなるのか、それとも風がこちらに吹くのか。本当に期待している」

 野党幹部と記者の昵懇(じっこん)ぶりがうかがえる記述だ。

 そして、野党幹部は「これは完オフ(=完全なオフレコ)だ」といい、こう続けている。

 「自然災害とか何か大きな現象が起き、これに官邸が対応できないことだ。菅義偉官房長官も地方に相当出るんでしょ? 
万が一、2人(安倍首相と菅氏)が官邸にいない時に、こういう現象が起きれば、『官邸は選挙だけに夢中で、政府として最も大事な時に対応ができなかった』となる。
こんな事態となり、それだけを攻めれば、(議席増の)自信はある」

 いくら選挙とはいえ、悲しすぎる発言だ。

2014.12.02
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20141202/plt1412021140001-n1.htm

投稿: | 2014年12月 3日 (水) 08時21分

公正公平ねえ
政権与党の首相がマスコミトップと会食してる時点で寝言

投稿: | 2014年12月 3日 (水) 09時02分

マスコミに公正公平なんて言葉あったっけ。

投稿: | 2014年12月 3日 (水) 09時16分

中の人はあれが公平なんだって思ってる可能性はあるのかなあ?

投稿: コンちゃん | 2014年12月 3日 (水) 09時25分

まあ300議席の与党とわずか数議席の泡沫政党を同じように扱うのが公平なのかと言えば、これも微妙ですけどね。
そもそも与党vs野党と言う構図な時点で最初から与党が半分を占めていて露出過多とも言えるわけで、公平とはなんだろうと思ってしまうところはあります。

投稿: 管理人nobu | 2014年12月 3日 (水) 11時31分

でも報道してるのがどこかって点でもうそれなりに見ちゃう気がします。
年配の人はテレビで言ってたからホントだって思っちゃう人もまだいるかもですけど。

投稿: てんてん | 2014年12月 3日 (水) 13時08分

記者「そこで安倍さんですね、いいですか、権力と報道っていう事で1つお聞きしますけどね、
11/20日付けで、自民党の萩生田筆頭副幹事長名ですね、民放各局にね、いわゆる"中立公正な報道のお願い"という文書が届きました。

中略

そのへん、あなたどう、どうお感じでしょうか?」

安倍総理「えー、まずですね、まず公平・公正というのは当然の事なんだろうと思います。

中略

記者「アレは安倍さんのご意向ですか。」

安倍総理「いちいち私がそんな指示は致しません。党としてですね、そういう考え方でやったんだろうと思いますが、
公平公正にもしやっておられるんであれば何の痛痒も感じられないのではないのかなぁと」

記者「なんでそこを信用できないんですか。」

安倍総理「でも今まで、例えばかつてですね"椿事件"というのがありましたよね?」

記者「アレとは違いますよ」

安倍総理「いやでもありましたよね。あの時、我が党はこの問題をかつて、細川政権が出来た訳ですから、アレとコレとは違うじゃなくて、
まさにああいう問題が起こってはならないという事も当然」

記者「わかりました、はい」

安倍総理「アレとコレではなくて、アレこそやっぱり問題じゃないですか?」

記者「はい。じゃあ安倍さん、ちょっと最後に。ああ最後って言うか、安倍さんに対するね、その健康問題ですよ」

※いくつかの書き起こしを参考とさせていただきました。

H26/12/1 党首討論 in 記者クラブ 総理【椿事件】を教えてくれた!!
http://www.youtube.com/watch?v=9mVNvjwa6fA

投稿: | 2014年12月 3日 (水) 15時58分

両論併記とやらで常識とデタラメ妄想屁理屈を並べるのが常のマスゴミがまた寝言を云っているのか。ところでウソヒの記事にあるキー曲の報道幹部って誰なのかな?ウソヒ記者の脳内幹部かな?
それにしても自民党も器が小さいというか肝が据わっていないというか、情けない・・・。

投稿: 放置医 | 2014年12月 3日 (水) 16時33分

>それにしても自民党も器が小さいというか肝が据わっていないというか、情けない・・・。

いやマスゴミの偏向報道のせいでミンス政権が誕生しちまって危うく国が亡びるところだったんですから当然の対処かと。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2014年12月 3日 (水) 17時03分

おっしゃる通り
過ちは繰り返しませんから

投稿: | 2014年12月 3日 (水) 17時15分

自民が勝つよ。そして一歩進むわけだ。

投稿: ほっておいても、抗っても | 2014年12月 3日 (水) 19時06分

10年前にドロッポしました。先生
マジレスすると我が国はミンス政権ごときで滅びてしまうようなちっぽけな国ではないですよ。たかが数年の糞政権で日本が滅びちゃうなんて弱気すぎでしょう。
もちろんそれなりに痛めつけられたのは事実ですし、鳩山とか菅みたいな連中に二度と国政をゆだねてはいけませんけど。
この時期にあんな文書をだしたらウソヒをはじめとするマスゴミどもがキャッキャウフフと飛びついてある事無い事喚き散らすことは自明ですから「何ネタやっちゃってるの!脇が甘い、甘過ぎ!」です。放送法に基づいて監督官庁にちゃんと仕事させる搦め手の手段もあれば、テロ朝椿事件を持ち出しながら選挙等と関係なく定期的に放送法の主旨徹底を要請する正攻法とか色々方法はあったはずで、この時期にわざわざマスゴミ共に餌をくれてやる様な事にはならなかったのではと思うのです。なにか深謀遠慮があるのかもと言う気もしないではないのですが・・・。

投稿: 放置医 | 2014年12月 3日 (水) 20時27分

>マジレスすると我が国はミンス政権ごときで滅びてしまうようなちっぽけな国ではないですよ。たかが数年の糞政権で日本が滅びちゃうなんて弱気すぎでしょう。

逆に言うと、「日本」でなければ、あるいはミンスが売国もようしきれんレベルで無能でなければ滅びていた可能性は高かった、と私は考えます。用心に越した事はありません。

>この時期にあんな文書をだしたら

>>要するにこんな話は今までにも毎回選挙のたびに当たり前に来ていて、その上でマスコミ各社は全く気にすることなく自由に報道してきたのだと言うことを当事者自身が明言していると言うことですよね。

つまり、カツカレーとかと同様の単なるマスゴミのいちゃもんです。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2014年12月 5日 (金) 11時59分

朝日新聞は11月28日付朝刊1面トップで「年収360万円未満 5歳児保育料 来年度無償化見送りへ」
と見出しをつけた記事を掲載した。

これに対し、下村博文文部科学相は同日の記者会見で「全くの事実無根」と強く否定し、まだ検討段階で
何も決まっていないと強調した。

記事は「最終調整」という表現を使っているが、見出しなどから来年度からの実施見送りが確実との印象を
与えるおそれがある。しかし、実際に実施見送りで最終調整しているかどうかは定かでない。

http://gohoo.org/14120201/

投稿: | 2014年12月 7日 (日) 07時55分

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