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2014年12月11日 (木)

「悪いのは高齢者」と言う時代が到来?

近づく総選挙の主要な争点の一つとして、消費税増税とも絡めて社会保障についてどのような改革を行っていくべきなのかと言う点は是非とも真剣な議論が必要だと思いますが、先日麻生財務相が社会保障費増大は(消費する側の)高齢者の増加よりも(支える側の)少子化が問題だと言う認識を示したところ、「子供を産まないことが悪いのか!」と妙な方向に延焼してしまいましたよね。
まあしかし自らを元気な高齢者と自認している麻生氏が「高齢者が悪いようなイメージを作っている人がいっぱいいる」と語ったように、興味深いのはこのところ特に一部マスコミで高齢者の「悪行」を報じる記事が盛んに出ているなと言う印象も受けるのですが、幾つか最近の記事を抜き出してみましょう。

「最近の老人たちは」と公共の場で若者が眉ひそめる例が増加(2014年12月1日NEWSポストセブン)

 人生の手本であったはずの高齢者にどうも「異変」が見られる。金融機関に勤める30代会社員A氏は外回りの途中、東京を東西に貫く中央線で運よく座ることができた。次の取引先訪問に備えて資料をカバンから取り出して読み始めたが、その席が悪かった。
「60代後半か70代と思われる女性グループが、私の横や向かい側に点在して座っていて、大声で喋っていたんです。目の前の通路には立っている人も何人かいるのに、それを飛び越えるように話していて……。しかも会話の内容も嫁の悪口や近所の噂話で、聞くに堪えませんでした」
 電車内で携帯電話を使って大声で話す、ドアの脇を占拠して人が乗り降りしようとしているのに一歩も動かない、そんなマナー違反を目撃することも増えたように感じる。

 少し前は、公共の場で配慮ができない存在といえば「若者」が定番だった。「最近の若いもんは」とはいつの時代も年配者が若者の姿を憂えていう言葉だったが、いまは分別をわきまえているはずのシニア世代が「最近の老人たちは」と若者から眉をひそめられる
「目撃談」が圧倒的に多いのは、冒頭のように公共交通機関でのマナー違反だ。20代の電子部品メーカー社員の男性は、朝のラッシュ時にこんな経験をした。
「駆け込み乗車してきたおじいさんが、電車のドアに挟まったんです。痛そうだったので最初は心配していたのですが、ドアが開いたとたんに、後ろにいた友達と思しきおじいさんに『今なら乗れるぞ!』と声をかけた。すると今度は2人目がドアに挟まったんです」
 出勤を急ぐ周囲のサラリーマンたちは冷ややかな視線を浴びせていたが、当人たちは「乗れてよかった」と満足げだったという。

孫に野球ゲーム買った祖父 孫がHR打たれ家電量販店に苦情(2014年12月6日NEWSポストセブン)

(略)
 都内の家電量販店ではこんな事例があった。孫に野球ゲームを買い与えた高齢男性。ところが孫はうまく操作できず、友達にホームランを次々打たれてしまって、見ていられないほどかわいそうだ、という“クレーム”を入れてきた。
 初めは若い店員が対応していたが、埒が明かずフロアのリーダーにバトンタッチ。そうした理由では返品もできないし対応もできないというと、「そういうことじゃない。仕事とはどういうものか知っているか。君たちは若いからわからないかもしれないが、サービス業とは、客の気持ちに寄り添ってどうすればいいかを考えるものだ」と説教になり、それは延々と続いた

「仕事とはこうだ」「客商売とはこうあるべきだ」というのが、一部の高齢者の常套句になっている。アミューズメント施設に勤務する30代女性が語る。
「70代と思われる男性から、『うちの孫は半年前から貯金して、ようやくおたくの遊園地に遊びに来ることができた。それなのに雨が降ってアトラクションに乗ることができない。どうしてくれるんだ』というのです。『その分、なにかしら別のサービスを考えて客を楽しませるのが君たちの仕事だろう』と……」

70代男性「前のヘルパーさんは触らせてくれた」と胸まさぐる(2014年12月7日NEWSポストセブン)

(略)
 大手旅行会社勤務の30代女性Aさんは高齢の女性客から、「旅館のカニ雑炊に海苔とネギが入っているはずなのに、入っていなかった。パンフレットの写真と違う。いますぐ入れてほしい」と文句をつけられた。ところが、パンフレットにそんな写真はなく、ふだん自分が雑炊に入れるからそうするべきだというだけだった。
 Aさんはクレームの中身より、嘘をつかれたことが悲しかったという。「普通に海苔とネギを入れてほしいといってくだされば対応できるのに、『あなたたちは間違っている』といわれると反発したくなってしまう」(Aさん)。

 30代介護ヘルパー女性の体験談には驚く。
「70代男性から食事介助のとき、ずっと太ももの上に手を置きっぱなしにされた。ときどき手が動く。気持ち悪かったのですが我慢していると、足の間までサワサワしはじめた。
 同僚の話では、入浴介助のときに勃起した局所を触るよう強要する人がいたり、『前のヘルパーさんは胸を触らせてくれたよ』といってまさぐってきた人もいたそうです」

単なる年齢的なアレもありそうな気もしますけれども、もちろんマスコミには公正中立な報道など出来ないそうですから、これも何かしらの意図を持っての報道だとして、ではそれが何を意図しているのか?と深読みしたくはなりますよね。
その他マスコミにおいても注意してみますと「煽られて危ないと思ったからスピードを出しただけ」と30kmオーバーのスピード違反を無罪にしてくれと主張した80代男性の主張が二審で退けられたと言う記事もあって、一審がそれを認めたのもどうなのかですが、ひと頃の「若者の暴走」がもはや当てはまらないとも受け取れる話です。
高齢者の困窮ぶりを伝える記事も数多く出ているのですが、食っていけず犯罪行為を繰り返し刑務所に出入所を続ける高齢犯罪者が急増しているだとか、不況の煽りでマンションのローンを払えなかったり管理費を滞納、挙げ句にゴミ屋敷化した高齢者が問題化していると言った記事もあり、もちろん大変な事情もあるのでしょうが各所に「仮に貧乏であってもそれはどうよ?」と突っ込みたくなる記事でもありますよね。
あるいは介護保険改革による支払い負担増加で高齢者が困っていると言う記事なども「余裕はない」と言う例に出ているのが年金が26万円あると言う独居高齢者ですから、これで「追い詰められる高齢者」と言われても今どきのワープア化著しい現役世代からすると素直に頷けるのかで、この辺りは新聞記事などに取り上げられる生保受給者の困窮生活に対して必ず「どこが?」と突っ込みが入るのと同じ構図です。
ただ下の世代も必ずしも批判の余地無しではないのも当然で、近年「葬儀代が浮くから」と言う理由で遺族からの献体の申し出が増えているだとか、50代無職の次男が父の死を7年隠して年金1200万円を不正受給しただとか言った記事もあるように、特にお金に関して社会全体が以前ほど寛容ではいられなくなってきている気配は感じます。
その結果なのでしょうか、近年の世相としてとかく既得権益だ、特権だと受け取られかねない話には非常に大きな反感が出やすくなっているとも指摘されるのですが、以前であればマスコミにしろ政治家にしろ「社会保障の充実が必要で」と言えばなかなか反論が難しかったものが、今では(もちろん当の受益者の支持は一定程度あるのでしょうが)下手すると金を出さされる側の反発の方が大きくなりかねない難しさもありそうですね。

今話題の消費税引き上げも社会保障費を充実させるためと言うロジックで進められてきた話なんですが、現役世代の負担感を考えるとむしろ社会保障費をどう抑制するかこそが喫緊の課題であって、ましてや少々消費税を引き上げたところで自然増を続ける赤字分の補填程度にしかならないのだとすれば、どこを削ったら永続的なシステムに改革出来るのかの議論こそが早急に必要なはずです。
その点で年金などは最低いくらが妥当なのか?と言う議論も一つの重要なテーマですが、かつて民主党が公約に掲げたように最低限それだけで食っていけると言う金額は全国民に保証しましょうと言う最低保障年金の考え方に対して、膨大な財源の必要性を考えると現実的ではないと言う意見も根強くすっかり話が流れているように、何であれ大きな支出を必要とするような話は現状でなかなか難しいものがありますよね。
ただ生保受給者などでもしばしば議論になるように、現金を渡すよりも食料等の現物支給の方が安上がりかつ実効性も高いのでは?と言う話もあって、職を失えばネットカフェに籠もるしかない若年者に比べると年配の方々はとりあえず住む場所は確保出来ている場合が多いわけですし、食材なり弁当なりを配って回ると言うのはもともと高齢者向けサービスとしても必要とされていることでもあります。
今は給食業者以外にも全国各地に介護事業所がありデイサービス等で給食を提供している実績はありますし、また一方では大手大規模業者の進出に圧迫され地元の小さな小売業者は厳しい戦いを強いられていますけれども、逆に言えば少し余計に手間をかける余力があるとすれば、何かしらこれらを組み合わせて地元自治体なりが音頭を取れば現物支給のシステムが出来そうな気がしないでしょうか。
これもあくまで一例ですが、単純に年金を○パーセント増やしますと言うのは財源問題もあって難しいとしても、年金の一部を委託いただき現物支給で額面金額の○パーセント増しで受け取れます、その仕入れやサービス提供には地元の小さなお店や業者を利用しますと言えば現役世代にも有り難みのある話ですし、いつもいつも年寄りばかり優遇して現役は金を払わされるだけかと不平不満ばかりが募ることも減るかも知れませんね。

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コメント

消費税のみで社会保障費を補おうとすると2060年時点で消費税40%負担になるみたいですね。
http://facta.co.jp/article/201206008.html
これは到底不可能なので支出を削るしか無いでしょう
毎年1兆を超すペースで支出が増えてるのはやっぱりマズい

投稿: | 2014年12月11日 (木) 07時42分

世論の反発は消費税アップも社会保障切り詰めも同じことのような。
でもせっかくの選挙なのに誰もこういう話しないですよね。

投稿: ぽん太 | 2014年12月11日 (木) 08時42分

やっぱり団塊世代が突出して人間が悪いというのがよくわかる。
全体人数が多い上に、どう見ても2~3割はどうしようもないようで、割合も非常に高い印象が。
一番よい方法は、この世代が早めにぽっくり逝ってくれることでしょうね。

投稿: | 2014年12月11日 (木) 08時53分

レッテル貼りはよくない
世代にかかわらずクズはクズだ

投稿: ぽち | 2014年12月11日 (木) 09時20分

つい先日まで職場でも敬意を払われる地位にあったことが相応の自負につながっているのだと思いますが、退職し社会に出ればただの人あるいは単なる鬱陶しいおっさんであるわけで、要するにほどほどに自重しろですね。
ただアンタッチャブルな世代に対してもこういう記事が出るようになってきたことは、高齢者優遇だと言われてきた社会保障抑制を訴える論調につながることなのか?と言う気もします。

投稿: 管理人nobu | 2014年12月11日 (木) 10時57分

戦後、一貫して犯罪率の高いDQN世代が、高齢者になった、というだけですね。
凶悪犯率なんて、ひどいものですよ。

最近の世代は、極めて犯罪率も低く、平和なのです

投稿: | 2014年12月11日 (木) 23時21分

品格のない老人が増加 若者が年寄りを敵視する傾向も原因か
http://www.news-postseven.com/archives/20141211_290088.html

若者に敵視されたら品格のない老人が増えるのかw

投稿: | 2014年12月12日 (金) 11時43分

http://campingcar.shumilog.com/2014/09/14//反知性主義の時代/

無名氏の一人芝居 二択な価値評価哀れ。

投稿: 反知性主義の時代 | 2014年12月13日 (土) 18時26分

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