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2014年12月 6日 (土)

時代は人工知能です

先日ちょうど記事が出ていたのですが、この11月になってからあちこちの研究者が人工知能の画像認識に関する論文を相次いで発表したのだそうで、「画像をコンピュータに読み込ませると、「この画像にはフリスビーで遊んでいる若者のグループが写っています」といった具合に、画像の内容を文章で説明してくれる」と言うような、なかなかに画期的な技術なんだそうです。
いずれも革新的部分である人工知能の学習技術は共通していて原理的には似通っているのだそうで、  こういうことになりますと今の画像認証のやり方ではいずれスパム投稿を規制出来なくなるんだろうなと要らぬ心配もしてしまうところなんですが、日本でもこのところ毎年のように話題になっているのが人工知能による東大合格へのチャレンジと言う企画ですよね。

人工知能「東ロボくん」、偏差値47.3 センター模試(2014年11月2日朝日新聞)

 東大合格をめざす人工知能「東(とう)ロボくん」が今秋受験した「全国センター模試」の成績が2日、発表された。東大合格にははるかに及ばないが、偏差値は昨年を上回り、私大なら全国581大学の8割にあたる472大学で、合格可能性が80%以上の「A判定」だった。英語、国語で得点が伸び、文系向きという。

 東ロボくんは国立情報学研究所などが2011年に始めた人工知能の開発プロジェクトで、2021年度までに東大合格をめざす。模試の受験は昨年に続き2回目。

 模試を実施した代々木ゼミナールによると、英語、国語、数学2科目、世界史、日本史、物理の計7教科の合計得点は、900点満点(英語、国語は200点満点、他は100点満点)で386点だった。偏差値は47・3。昨年は45・1だった。

興味深いのはこの結果を報じる各紙の論調で、各地の大学にA判定を取ったことを大きく取り上げる新聞もあれば、まだまだ東大合格にはほど遠い結果だと言う新聞もありなんですが、いずれにしてもセンター試験というかなり限定的な環境での結果であるとは言え、それなりに高い点数を取れるようになってきたことは否定出来ないと思います。
この「Todai Robot Project」の詳細に関してはこちらの公式サイトを参照いただきたいと思うのですが、実際にはコンピューター用に入力しなおした問題をコンピューターが次はこれと選んで解答していくと言うやり方であるそうで、今のところはまだかなり人手も支援も要すると言う点ではまだ受験生として自立しているとは言い難い状況ではあります。
ただ最近これだけ高性能なコンピューターがずいぶんと安く使えるようになってきますともはや人工無脳などと馬鹿にしていられないのも確かで、昨年の第2回将棋電王戦におけるあの伝説的とも言える第4局から衝撃的な第5局にかけての展開、そして今年の第3回電脳戦でのある意味予想通りとなった結果などを見るにつけ、あちらこちらの領域で次第に人間の脳力を追い越しつつある実感はありますよね。
その電脳戦を配信したニコニコのドワンゴがこんなことを言い出したと言うのですから注目されるところなんですが、注目いただきたいのはこれまでのようなターゲットを絞ったものではなく非常に汎用性の高い、まさに人を超えた人工知能を目指すとしている点でしょうか。

ドワンゴ、超人的AI の実現目指す 「人工知能研究所」発足 (2014年11月29日ORICONSTYLE)

 「ニコニコ動画」などのサービスが人気のドワンゴは28日、社内研究機関として、人工知能に関わる研究を行う「ドワンゴ人工知能研究所」を発足し、所長に一般社団法人人工知能学会理事および副編集委員長の山川宏氏が就任したことを発表した。

 同研究所は、人類の課題である、教育、エネルギー、環境、水資源、食糧、貧困、セキュリティ等に対して大きな貢献をなしうる高度な人工知能を日本発で早期実現することを目的に、全脳アーキテクチャや汎用人工知能に関わる研究を、産学官を含むさまざまな機関と連携して行っていく。

 山川所長は、就任あいさつとして「次世代にツケを回し続けている私達は、厳しい20 年後の世界を生き抜く次世代に向けて何を準備できるのでしょうか」と問いかけ、「もし、人と同じかそれ以上に知的な機械、つまり超人的人工知能(AI)を創造し利用できれば、科学技術の進展を大幅に加速することで、環境破壊の臨界点が訪れる以前に何らかの解決を見出すことも可能になるでしよう」と、この研究活動が切り開く可能性に期待を寄せた。

 SF作品ではおなじみのテーマである超人的AI の実現は、どこまで現実的なのか? 山川所長によれば「近年、脳の神経回路を模したニューラルネットワークモデルを深い階層まで積み上げることで、人の脳(大脳新皮質)のように抽象的な概念を学習できるディープラーニング技術が成功を収めました。これは機械自身が現実世界から知識表現を獲得できないという長年の課題の突破口となる画期的なイノベーションです。つまり、私達人類は、実世界情報から知識を獲得し、自律的に新たな創造を行える機械の実現に向けた、新時代の入り口に立っている」と話している。

 今後の研究成果については、随時発表の機会を持ち、積極的な外部発信を行っていくとしている。

まあしかし人工的な超知性の誕生はSFなどにおいても一つの大きな普遍的テーマではありますし、それが必ずしも人間にとって幸福の拡大につながらないのでは?と言う警鐘も鳴らされてきたところなんですが、その背景には人の知能を超えた超知能が人と同じような思考を行うとは言い切れない、故に人間のコントロールを外れて暴走してしまうのではないかと言う懸念がありますよね。
実際にドワンゴのプロジェクトによってどのようなものが出来るとしても、いずれ能力的には人間のスペックを超える人工知能が出来てしまうのは遅かれ早かれ確実であって、そのこと自体をどうこう言っても仕方がないとも言えますが、それに対して何かしらいざと言う時の対策なり安全弁なりを組み込む必要性があるのかどうか?と言う点では議論が別れそうに思います。
生物学的な研究においては安全バイアスが厳しめに取られる傾向があるようで、先日はマウスに人間の胎児から採取した脳グリア細胞を移植したところ賢いマウスが出来たと言う「いいのかそれは?」的なびっくり研究の記事が出ていたのですが、このびっくり研究においてすら猿への同種の移植は「潜在的な倫理的問題」を引き起こす恐れがあると言う理由に中止されたと言います。
クローン研究などを見ても判る通り、生物学的実験における生命倫理と言った基準は超人類的知性誕生に対しても非常に強力な安全弁としても機能していると思わされる実例だと思いますが、そうした安全弁が全く存在していない人工知能研究においてもそろそろ何かしらの規制が行われるべきなのか、仮に行うとしてそれはどういう理由付けで行えるものなのかと言う点も興味深いテーマだと思いますね。

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コメント

し、将棋で負けてもまだ囲碁があるから(震え声

投稿: | 2014年12月 6日 (土) 10時37分

画像診断とかも自動化されるんですかね?
この領域は機械は苦手な分野だったはずですが
確かに顔認識機能もどんどん精度は上がってますね。
最終的に残るのは外科とか精神科とかになりそう

投稿: | 2014年12月 6日 (土) 10時38分

あと一つ思ったのですが人工知能が発達するとホワイトカラーは壊滅的だと思いますね。
同様に大学という教育産業も終了しそう

投稿: | 2014年12月 6日 (土) 10時41分

心電図みたいな感じでとりあえずの読影をしてくれたら便利かもですね。
時間外だと専門外のところってどうしてもチェックが甘くなるので。

投稿: ぽん太 | 2014年12月 6日 (土) 11時31分

放射線科は不要になりますね

投稿: | 2014年12月 6日 (土) 11時48分

ならねーよw

投稿: | 2014年12月 6日 (土) 12時39分

完全自動化は無理でも読影作業が容易な作業になれば不要までは分からないけど
価値は確実に落ちる

投稿: | 2014年12月 6日 (土) 12時40分

ひ…皮膚科は?(震え声)

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2014年12月 6日 (土) 13時57分

インシュリンの調節なんて機械のほうがうまくやりそう

投稿: | 2014年12月 6日 (土) 14時22分

機械向きの作業と言うのは一定程度確実にあって、それについては今後自動化が進んでいくのだと思うのですが、日本の医療機器の認証はかなりハードルが高いのが難点でしょうね。

投稿: 管理人nobu | 2014年12月 8日 (月) 12時09分

宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング博士は、人工知能(AI)が
「知力で人類を上回るようになるかもしれない」という警告を発した。
最終的には科学技術による大惨事が「ほぼ確実に」起きると指摘し、
これを避けるには人類が地球以外の惑星にコロニー(居留地)を建設する必要があると訴えた。

 ホーキング博士による恐ろしい予測は、米シリコンバレーのIT(情報技術)業界に
おける複数の大物が最近表明したAIに関する警鐘と重なる。一方、AIに対しては多くの投資家がたくさんのお金をつぎ込んでいる。
 ホーキング博士は、運動ニューロン疾患のため、米インテルの設計による意思伝達
システムを常に利用している。AIが人間の力を借りず、自律的に問題を改善する
能力を持つようになれば、「そう遠くない将来、真のリスク」となる可能性があると指摘した。

■「人類を進歩させる」にはあと18年
 人間は遺伝子工学によってDNAを複雑に操作し、
「人類を進歩させる」ことができるようになるとも語る。だが、そうなるまでにはなお約18年はかかると付け加えた。
 「これとは対照的に、ムーアの法則によれば、コンピューターは1年半ごとにその処理速度と
記憶容量を2倍ずつ高めることができる。コンピューターは自律的に知能を上げ、
自らを管理する存在になるリスクもある。生物が進化するスピードが遅いため制約を受ける
人類がコンピューターと互角に競うことは難しく、その地位はコンピューターに奪われるだろう」とホーキング博士は語った。
 米決済サービス大手のペイパルの創業者であるピーター・シール氏と、
その共同創業者で電気自動車メーカーのテスラ・モーターズと民間の宇宙輸送ロケット開発会社の
スペースXに投資した起業家としても知られるイーロン・マスク氏も、AIに対し安心しきってリスクに気づかない危険があると主張する。
 米グーグルは「量子コンピューター」の開発に取り組んでいる。今年4億ポンドの金額で
取得したAIベンチャー企業、ディープマインドによるAIの利用と研究を監督する倫理委員会を設立した。
消費者は、無人飛行機や試作の自動運転車をはじめとする「スマートな」マシンに触れる機会が増えている。
 ホーキング博士は、以前の2倍の速さで同氏が話したり書いたりできるように改良した
補助機械を披露して聴衆を沸かせた。この新たな意思伝達装置はインテルと英ベンチャー企業
スイフトキーが設計した。スイフトキーは、ユーザーが何を書こうとしているかを予測し文章の内容を分析する統計モデルを活用する会社である。

 博士は科学技術の破壊的な側面にも注意を促した。核戦争、地球温暖化をはじめ、
人類の生存を危うくする脅威は「新たな科学技術の進歩とともに増加すると思われる」というわけだ。
「地球が大惨事に見舞われる」機会は「今後1千年から1万年のうちにほぼ確実に」実現すると、博士は示唆した。

By Sally Davies

(2014年12月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

投稿: | 2014年12月 8日 (月) 14時51分

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