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2014年12月20日 (土)

医療・介護の世界から有資格者が続々流出中?

先日こういう小さな記事が出ていたことを御覧になりましたでしょうか。

市民病院の看護師、無許可で宴席コンパニオン(2014年12月13日読売新聞)

 愛知県豊橋市は12日、市民病院の女性看護師(21)と教育部の労務職男性主事(44)を同日付で懲戒処分にしたと発表した。

 看護師は4月から9月までに4回、無許可で宴席のコンパニオンとして働き、計3万4000円のアルバイト収入を得ていた。また、このことを自分のツイッターに掲載し、市民から市民病院に苦情のメールが寄せられた。無許可アルバイトと、ツイッター掲載で公務員としての信用を失墜させたことが、地方公務員法に違反したとされた。処分は減給10分の1(1か月)。

 男性主事は8月24日、休日にマイカーを運転して同市内の交差点に赤信号で進入。乗用車にぶつかり、相手の男性に1週間のけがをさせたとして、豊橋簡裁で罰金20万円の略式命令を受けた。処分は戒告。

まあ新聞沙汰になるほどのニュースなのか?と言えば微妙な気がしないでもないのですが、公務員の場合こうした処分は厳しめに扱われるのが世の常ではありますし、特に昨今うかつなつぶやきは大きな炎上騒動にもつながりかねないご時世ですから、きっちり処分をしたと公表していくことがその芽を摘むことになるのかも知れませんね。
とは言え、ここで注目いただきたいのはつぶやきがどうこうと言うよりも看護師が宴会のコンパニオンとして働いていたと言うことの方で、もちろん公務員は原則的に兼業禁止と言う一般的ルールがあるとは言え、過去にも看護師の夜の副業と言うものは何度も報じられているし、また実際にそうしたお店に行きますと現役とそうでないとを問わず看護師資格所持者と言うものが昔から案外に多いものですよね。
看護師の離職率がこれだけ高いことを見ても何かしら生活の糧を得る手段は必要だろうし、何かと手のかかる患者さんの看護が出来るくらいなら酔っ払いの相手くらい軽く出来そうだと言う意見もあるでしょうが、ただ現役看護師ですらこうした副業に手を染める背景として単純に給料が安いだとか、労働に対して十分報われていないと感じている人が多いと言う事情もありそうです。
全国的な看護師の離職傾向や例の7対1看護基準の導入なども関係する看護師不足傾向もあって、次第にこの辺りの労働環境改善も進んでいるとか環境のいい職場でないと人が集まらないと言った状況にはなってきているようですが、せっかくの有資格者が現場を離れ転職していくのは看護師ばかりではなさそうだと言う記事が先日出ていました。

介護士や保育士が、キャバクラ嬢になる理由(2014年11月7日J-CASTニュース)

 介護職員や保育を担う人材が不足しているというニュースは、よく耳にします。今回は、そんな福祉系の現場と、「キャバクラ」で働く女性たちが、一部重なっているというお話です。なぜ、若い女性たちは、介護士や保育士を辞めて、キャバクラで働くのか?掘り下げると、根深い問題が潜んでいることに気付かされるのです。

ずっと子供を見て「気を張っている」感じ

   拙著『キャバ嬢の社会学』(2014年2月)の元となる論文を書くため、キャバ嬢たちにインタビューした際、「保育士を辞めて、キャバ嬢になった」という女性がいました(仮に、真奈美さんとします)。その理由は、保育士の仕事が、やりがいはありつつも、あまりにハードワークだったからだそうです。
   「勤務時間中、ずっと子供を見て『気を張っている』感じ。『休憩』って言っても、ずっと掃除や作業に追われている。お昼ご飯も、子供と一緒に食べるから、息抜きはできない。何というか、自分を守ってくれるものが何もないんですよね」(真奈美さん)
   「自分を守ってくれるものがない」とは、どういうことか聞いてみると、子どもの命を預かる「責任」が重すぎるという意味のようでした。
   それに比べて、「大人の男性」相手のキャバクラは、責任感が「まだ軽い」し、「勤務中に『息抜き』の時間が取れるのも大きい」(真奈美さん)。私も、キャバクラに勤務してみて感じたのですが、指名が取れて、気の合うお客さんとおしゃべりしている間は、ある意味『楽しい』のです。繁忙期でなければ、一息つく時間もあります。夜遅くまでの仕事も、慣れれば何とかなるもの。真奈美さんは、「保育士と違って、残業もないから、キャバクラの方がむしろ、時間には『きっちり』してると思う」とまで言っていました。
   同じように人を世話するなら、より多くのお金が貰える方がいい......と言えば、身も蓋もないかもしれません。しかし、子供の命を預かり、責任が重い保育士の仕事に見合う賃金が得られないことが、彼女をキャバクラ嬢に転身させた理由なのは確かです。

キャバ嬢を辞めた後、福祉の仕事に就いてもらえるか

   福祉系の仕事をする若い女性の一部が、キャバ嬢になっているという事実は、三浦展氏の『女はなぜ、キャバクラ嬢になりたいのか?』(光文社新書)、『ニッポン若者論』(筑摩書房)などでも、指摘されています。
   先日、念願叶って、三浦氏と対談をさせて頂く機会があったのですが、福祉の仕事と「風俗産業」の共通点というお話になりました。
   キャバクラで、酔っ払った男性の話を聞くのも、保育園で子供の面倒を見るのも、介護施設でお年寄りの世話をするのも、本質的には「ケア労働」であり、「感情労働」です。
   ただ、現状では、「介護士を辞めてキャバ嬢になる」人はいても、「キャバ嬢を辞めた後、資格を取って介護士になる」人は、あまりいないようです。キャバ嬢を専業にしている女性の多くは、30歳近くなると、ネイルアーティストなど美容系を目指したり、専業主婦になりたいと願ったりするパターンが多いのです。
   三浦氏は、「公然とはできないが、若い女性がキャバクラ卒業後、福祉系に移行できるようなシステムを作るべきだ」と仰っていました。対人コミュニケーション能力に長けた彼女たちは、福祉系の現場でも活躍できるはずだからです。
   先の真奈美さんは、保育士の資格を活かして、「キャバ嬢を辞めたら、また昼の仕事に戻ると思う」と話していました。しかし、経済的な不安があるようで、「でも、保育士はお給料が低くて、1人では生活していけない。なるべく早く、誰かと結婚しなきゃ......」とも。
   現状では、資格を持っている真奈美さんのような女性でも、福祉職で経済的に自立できるかどうかは、微妙なところ。「キャバクラ卒業後の福祉系への移行」を促すためには、介護士や保育士の賃金を(キャバクラ並みとまでは言わないまでも)、せめて他の正社員と同じような水準まで、引き上げる必要がありそうです。(北条かや)

ちなみにこうした転職傾向は医療・介護など福祉系の現場だけではなく全職種であり得る話であるようで、長引く所得の低迷の中で伝統的に賃金の低い女性労働者の貧困がとりわけ深刻化し社会問題にもなりつつあると言うのですが、親元から手近な職場に通っていずれ専業主婦に収まると言うかつてはほとんど当然視されていた女性の人生設計ですら、近ごろでは勝ち組だとうらやまれるそうですね。
当たり前が当たり前でなくなったと言えば先日「サザエさん一家は理想的な家庭か?」と言う女性への質問に何と8割がそう思わないと答えたと言う記事が出ていたのですが、三世代同居もさすがにもはや一般的でないだろうと言った話ならまだしもなんですが、「高学歴な男が二人も働いていて年収も高そう」「おやつもご飯もいつも完璧であこがれる」などと言われるとああ、今の時代はそうなのねともの悲しくなってきますでしょうか。
余計な話はともかく、この記事ではせっかくの有資格者が夜の仕事に走ることを否定的に記載しているのではないことは注目すべき点で、若いうちはそれでやっていくにしてもその後の人生で介護の世界に戻ってくるかどうかだと言うのはごもっともな意見だと思いますが、実際に介護の現場を見てもごく普通の中高年のおばちゃん達が主力であると言う点では、一般企業よりも女性にとっては有利な点だと言う言い方は出来るかも知れません。
ただそうではあってもきちんと自立して食べていけるだけの収入が確保されていると言うのが大前提であって、旦那が働いているがちょっと足りないから私も働こうと言う共働き主婦にしか務まらないような低賃金では男女を問わず、この道一本で家族も養い食べていこうと言うやる気のある人間にとってこそ仕事を続けにくい職場だと言うことになってしまいますよね。

福祉関連のコスト抑制に絡んで折から介護報酬の切り下げが話題になっていて、事業者自体は儲かっているのだしスタッフ報酬は削らないのだから3%くらいは削減出来るだろうと言う話なんですが、かつての医療費削減政策が現場の医師らにどのような影響を及ぼしたのかを考えても、現状でさえ安月給重労働と言われるスタッフの士気は変わらず保たれるだろうと考える方がどうなんだろうと言う気がします。
これも公費支出の減る国にしろ、自己負担分の減る利用者にしろ別に直接的には悪い話ではない理屈なんですが、現場から離職者が相次ぎ介護崩壊と言われるような状況が来て初めて国民にもネガティブな面が体感出来るようになるのだとすれば、その頃には介護現場がどのような惨状を呈しているのか、果たしてそこから立て直すにはどれほどの手間ひまとコストがかかるのかと心配にはなってきますよね。
それでもこういう時代ですから好き放題やってもいざとなればいつでも介護に戻れるんだからいいじゃないか、やはり国家資格持ちは恵まれてるなと言う視点も存在し得るんだろうと思うし、そう言う方々こそ是非介護の世界に続々と参入いただければお互い助かるんだろうと思うんですが、しかしこういう記事を見ていると医師と言う人種はよほどに潰しが利かないんだなとは感じますでしょうか。

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コメント

CA(キャビン・アテンダント)の給料の低下は2008年のリーマン・ショック以降に加速した。
厚労省の「賃金構造基本統計調査」によると、2004年の25~29歳のCAの平均年収は約498万円だったが、
2013年は約391万円。10年間で100万円以上も減少した。

若手CAのAさん(30歳)言う。

「2007年入社のCAが数年前、稼ぎたいCAを集めて“売春サークル”を作っていたと社内で噂になっていました。
顧客はパイロットで、彼女に電話を1本入れれば、ヤレるCAを紹介してもらえるんです。女衒(ぜげん)役ですよね。
1回5万~8万円ぐらいだったと聞いています。

ただ、少し前に幹部の耳に噂が入ったことがきっかけでその女性は辞めちゃったようです。
それでも、サークルにいたCAは今も社内に残ってるので、そういうバイトが今も続いているんです」

そこまで割り切れるのは、「私たちには賞味期限がある」(Aさん)ことも理由のひとつだ。

「売りどきはせいぜい30代前半まで。それを過ぎれば、途端に男性から相手にされなくなるんです。
先輩方を見ていて学びました」と語るのは伊東美咲似のB子さん(29)だ。彼女は社外で秘密のバイトを始めた。

「現役CA在籍を謳うデリヘルです。女の子にCAの専門用語や立ち居振る舞いなどを教えるバイトを先輩に紹介してもらったのがきっかけでした。
もちろん自分が働くつもりなんてまったくなかった。でも、お店のイケメンマネージャーに“会員制の高級デリヘルを紹介する。
キミは本物だし若いから90分6万円でも指名が付く”といわれて……。今しかできないことだから、お休みのときだけ出勤しています」

中には週1日、銀座のクラブでホステスをしたり、コンパニオン派遣会社に登録し、パーティーコンパニオンのバイトをしているCAもいた。
http://www.news-postseven.com/archives/20141218_292423.html

投稿: | 2014年12月20日 (土) 10時34分

介護と病院をやっている経営者一族が、水商売もやっているからだと思います。

投稿: | 2014年12月20日 (土) 17時51分

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