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2014年12月

2014年12月31日 (水)

今年最後にドクターカーの話題を

本日は今年最後の一日と言うことになりますけれども、この時期何かと気ぜわしいせいかやたらと救急車のサイレンが目立つようにも思うのですが、先日報じられたところでは救急の通報から病院に収容されるまでの時間が過去最長記録を更新したと言いますから、やはり救急崩壊の危機だ、適性利用をなどと言われただけのことはあると言うべきなのでしょうか。
ただ搬送件数が増えている割には重症患者は実はむしろ減っている、そして中等症から軽症の患者が増えたことが件数を押し上げているのだそうで、一方では管外搬送の増加が搬送時間を延ばしていると言う話と合わせて、様々な現場の事情が透けて見えるように思います。
そんな中で先日ドクターカーに関する記事が相次いで出ていたので紹介してみたいと思いますが、これまた搬送時間が延びたことに対する一つの解決策でもあって、医療と救急隊との緊密な連携が必須であることは言うまでもありませんね。

医師の救急現場出動増加、10年前の5倍に- 13年の消防庁統計、病院に救急隊派遣も(2014年12月22日CBニュース)

医師が救急現場に出動したケースが、昨年は前年に比べて17%増の2万6661件あったことが、総務省消防庁の統計で明らかになった。10年前の約5倍に増えており、消防庁は「ドクターヘリやドクターカーが増えたことが背景にあると考えられる」としている。【新井哉】

ドクターカーやドクターヘリの普及に伴い、救急現場で医師が医療行為などを行う事例が年々増えつつある。救急救命士らへの指示も行われており、消防庁は「傷病者が重篤な状態や救出困難な状況の場合、医師による現場における医療行為や医師の指示のもとに救急活動を行うことがある」と説明する。

特に2001年4月に国内で初めて導入されたドクターヘリは、国の支援などを受け、配備する自治体が急増。現在全国36道府県で計43機となっている。こうした状況を受け、04年に5342件だった医師出動件数は、昨年までの10年間で5倍近く増えたという。

また、ここ数年は、救急車と救急救命士を含む救急隊員を医療機関に派遣する「派遣型救急ワークステーション」を導入する動きが広がり、医師が救急車に同乗して現場に出動する機会も増えている

昨年4月から派遣型救急ワークステーションの運用を始めた神奈川県厚木市は「救急現場で救急隊員が医師から直接指導を受けながら迅速、的確な救命措置を行える」と説明。今月から運用を開始した滋賀県の大津市消防局も「救急救命士の病院実習時間数が飛躍的に増加し、救急隊の資質向上につながる」と期待している。

医師のみならず救命救急隊のスキル向上にも非常に役立っているようだと言う点に留意いただきたいと思いますが、しかし救急出動のうち重症者の割合が約1割の60万件程度と言いますから、出動が急増したと言ってもまだまだ潜在的な需要は大きいんだろうなとは思える話です。
このドクターカーやドクターヘリと言うもの、医師の間でも評価する声も多い一方で必ずしも肯定的でないと言う意見もあるように思うのですが、特に救命救急を専門にしている先生方にとっては今まで病院で患者を待つだけであったなら救えなかっただろう命を、自分が現場に出かけて行くことで救える可能性が出てくると言う点で非常にやり甲斐があるだろうことは理解出来るところですよね。
ただドクターカーが出動している間は医師一人が患者一人にかかり切りになっているわけですから、特に医療リソースが限られている場合には下手をすると一人を助けたが他の数人は…と言うことにもなりかねずで、結局のところはどのような症例に対して出動していくべきなのかと言う点が有効性を左右する重要なポイントになると言えます。
各地でドクターカーが運用され、それぞれの基準に従って出動をこなし高い成果を挙げていると言う地域もあれば、準備は調えたけれどももう少し活用できていないような?と言う地域もある中で、先日こういう話が出ていたことを紹介してみましょう。

ドクターカー出動、統一基準で運用開始- 東京の協議会が策定、厚労省も情報収集(2014年12月27日CBニュース)

ドクターカーを持つ東京都内の医療機関の救急医らで構成された「東京ドクターカー運用協議会」が、これまで病院ごとに違っていた出動基準を統一し、新たな基準で運用を始めたことが27日までに分かった。同協議会会長の大友康浩・東京医科歯科大大学院教授は「今後、患者の症例のデータを集め、ドクターカーの有用性を示したい」としている。都道府県レベルでの症例集積などを目的とした統一基準の策定は東京以外では例がなく、他の自治体や病院間で基準を策定する際のモデルケースになりそうだ。【新井哉】

都内には、医師らが車に乗って駆け付けるドクターカーを持つ病院が4か所ある。しかし、運用や患者の症例記載の方法などについては、これまで統一された基準はなく、東京消防庁との連携や患者の症例集積・分析を進める観点から、出動基準などを統一することが求められていた。

大友教授や日本医科大付属病院救命救急科の布施明准教授らは、こうした問題点の解消やドクターカーの有用性などの検証のため、今年2月に同協議会を立ち上げ、ドクターカーを持つ病院の医師らが運用方法や患者症例の記載方法などについて議論や検討を進めてきた。

同協議会は東京消防庁と協議の上、今年9月中旬から統一された出動基準による運用を始めた。具体的には、119番通報で心肺停止や心肺停止寸前を疑う「キーワード」を聴取できた場合、「救急隊の出場と並行し、ドクターカーの出動を要請する」とした。

一方、高所からの転落や交通事故、銃創・刺創などでDMAT(災害派遣医療チーム)出動の適応があった場合は「DMATを優先させる」とした。同協議会事務局の布施准教授は「今後、症例登録システムでデータを集積し、ドクターカー運用体制の発展に貢献していきたい」と話している。

ドクターカーの運用をめぐっては、厚生労働省の検討会が今年2月に公表した報告書で、「一刻も早く医師による診療を開始する目的はドクターヘリと同様」として、効果や役割などを検証し、必要に応じて支援を検討する必要性を指摘。厚労省もドクターカーの運用方法などについて情報収集を進めており、今後、全国的な統一基準の策定や症例集積の体制構築に向けた動きが加速しそうだ。

即座に対応しなければ救命率に大きな差が出ると言うケースでドクターカーが有効であるだろうことは容易に想像出来るのですが、問題の一つとしてそうした症例をどうやって確実に拾い上げるのかで、119番のファーストコールを受けるのが消防救急である以上まずはそちらが判断しなければならない理屈なんですが、実際には彼らの医学的判断が必ずしも正しいと医療現場からは評価されていない現実があります。
欧米並みの成果を挙げていると言う千葉県船橋市のケースですと119番が入ると同時に司令センター要員が基準に従ってドクターカー出動の可否を判断するそうですが、先に現場に到着した救急隊が後続するドクターカーと連絡を取り合いながら可能な処置は開始すると言いますから、今後はドクター到着以前に救命救急士が可能な処置の範囲を広げるべきかの議論もあり得るでしょう。
ドクターカーがせいぜい数分遅れで到着するのであれば、せいぜいルート確保をしている時間しかないはずだし、気道確保にしてもとりあえずバッグ換気をしてドクター到着後に挿管でいいじゃないかと言う意見もあるでしょうが、ドクターカーの数が限られている以上必ずしも望む通りのタイミングで医師が来るとは限らないだろうし、そもそも出動無用と判断したケースであっても行ってみると話が違っていたと言う例もあるはずですよね。
気管内挿管など救命救急士の処置をどこまで認めるかについては例によって日医等を始めとする根強い反対意見がありますが、手技的な部分に関しては病院等で研修をすることである程度補えるとして、判断の部分に関して不安が残ると言うのであればモバイル機材を介しての遠隔診療に基づく指示出しなど、技術的進歩によっていずれ補いがついてくる可能性もあるかも知れません。

ちなみにこのところ首都圏では広域医療連携と言うことが推進されているようで、先日は妊婦や新生児に関して東京都が周辺県と自治体の壁を越えた搬送態勢を取ることを検討していると言うニュースが出ていましたが、これも統一的ルールに基づいて運用するのでなければ公平平等な運用は望めませんし、下手をすると一方的に送りつけられるばかりの側がいずれ不平不満を募らせると言うことにもなりかねませんよね。
ともかくも制度を調え始めてみたことが果たして有効であったのかどうかと言う検証は必要であり、その結果さらにこうすればもっと有効になると考えられる点は次のステップにおいて試みていけばよい話なんですが、そのためにもまずはデータの収集と解析が必要ですから、今後東京都の打ち出してくるだろうデータには大いに期待するところです。
その結果例えば日本のような人口稠密な国ではドクターカー運用よりも病院受け入れ先決定までの時間短縮等、より有効な方法論があると言ったことが明らかになってくるのかも知れずですが、ともかくも全体として使えるお金や資源が限られてきている中で、あれもこれも良さそうだからやってみようと行き当たりばったりなことをしていたのでは無駄が多すぎますから、ネガティブデータもそれはそれで貴重な改善のための判断材料ですよね。
しかしドクターカーをせっかく導入しながら廃止するに至った自治体と言うのも一定数あって、その理由としてやはりコスト面が大きいと言うことですが、この場合「人の命は地球よりも重い」式の考え方をしてしまうと一人でも助けられた人がいれば価値は無限大と言うことになってしまいますから、やはりこうした有効性の評価を行う場合に人の価値はどれほどか?と言う考え方も必要になってくるのでしょうか。

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2014年12月30日 (火)

あの朝日が反省した…と思ったら、やはり朝日は朝日だった件

日本の誇るクオリティペーパー、天下の大朝日新聞が今さら誤報捏造を垂れ流したとしても誰も驚きませんが、その朝日が捏造報道を認め訂正したと聞けば常にないことが起きたかと誰でもびっくりしますよね。
今年はその滅多に例にないことが起きた記憶すべき年と言うことになるのでしょうが、まずは先日行われたこちらの記者会見の模様を紹介してみましょう。

朝日新聞社が会見 慰安婦報道、第三者委の検証報告受け(2014年12月26日朝日新聞)

 朝日新聞社の渡辺雅隆社長は26日、慰安婦報道を検証する第三者委員会による報告書提出を受けて、東京都内で記者会見した。渡辺社長は冒頭、「改めて皆様に深くおわび申し上げます」と述べ、「社会の役に立つメディアとして、再び信頼していただけるよう、改革に取り組みます」などとする社長見解を示した。

 質疑応答で、渡辺社長は第三者委の報告書について「基本的に厳しい指摘と受けとめています」と述べた。また、「慰安婦問題については国内での議論もあり、国際社会の議論もあります。どれもが慰安婦問題の断片であり、全体像にせまるため、(元慰安婦の)強制性を含めて取材をしていきます」と述べた。

 1997年の特集記事に関し、第三者委は「『狭義の強制性』を大々的に報じてきたことを認めることなく、河野談話に依拠して『広義の強制性』の存在を強調する論調は議論のすりかえである」と指摘した。渡辺社長は「すりかえとの批判は重く受けとめています。強制性についてもしっかり取材していくのが私たちの立場です」と話した。

 第三者委の一部から朝日新聞の「キャンペーン体質」を指摘された点に関して、渡辺社長は「キャンペーンは必要だと思いますが、公正でファクトに忠実であることが求められると思います。キャンペーンのあり方は記者の意識の問題でもあると思っています。自分たちの主張と違う方との意見交換や、紙面の中で切り結ぶ言論の場を作ることが必要ではないかと思っています」と述べた。

 第三者委の報告は、8月の検証記事でおわびしなかったことを「経営幹部が謝罪しないことにしたのは誤り」と指摘。ジャーナリスト池上彰さんのコラム掲載の見送りについては「実質的に木村伊量(ただかず)前社長が判断した」と結論づけた。

 渡辺社長は「報告については木村に関わる部分も含め、木村自身が受けとめると申しています。私どもも報告を受けとめて誠実に実行していくという姿勢です」とした。

 経営と編集の関係について、渡辺社長は「経営が編集に日常的に関与するつもりは全くありません。しかし、経営に重大な影響を及ぼすと判断した場合、一定の関与もあるでしょう。その時に私たちの判断が外の目から見てどうなのか相談するアドバイザーのような組織が必要ではないかと考えています」と述べた。

今回の騒動は朝日的には経営にも関わる重大問題であったと認識していたからこそ編集への介入を行ったと解釈すべきなのでしょうが、後述するようにその判断は結果として正しかったことがある意味立証された形ではあるかと思います。
いわゆる従軍慰安婦問題に関しては本稿の目的とするところではなく踏み込みませんけれども、こうして自社記事から見る限りでは朝日もずいぶんとしおらしくなってきたと言う印象を受けるところでしょうか、いずれにしても猿でも出来ると言う反省と言う行為を朝日も覚えたと言うことであれば基本的にはよい話ではありますよね。
ただこれも例によって朝日バイアスがかかっている可能性もある話ですから、当然ながら他紙等と比較検討しながら論じなければならないことですが、そうしてみますと一転して全く印象の違う内容にも受け取られかねない話になってくるようです。

第三者委報告書 朝日報道の「欠陥」「ゆがみ」突く(2014年12月22日産経新聞)

(略)
 報告書は、朝日新聞が平成9年3月の慰安婦特集記事ではこの吉田証言について「真偽は確認できない」と逃げたことに「訂正するか取り消すべきであり、謝罪もされるべきだった」「致命的な誤り」と厳しく指摘する。
 また、朝日新聞がそれまで「狭義の強制性」(直接的な強制連行)を前提として記事を作っていながら、強制連行の証拠が見つからないと分かると本人の意思に反する「広義の強制性」こそが問題だと主張しだしたことにも着目する。
 「『狭義の強制性』を大々的に報じてきたのは、他ならぬ朝日新聞である」
 「『狭義の強制性』に限定する考え方をひとごとのように批判し、河野談話に依拠して『広義の強制性』の存在を強調する論調は、『議論のすりかえ』だ」
 こうした朝日新聞の論点のすり替えは産経新聞も繰り返し言及してきた点だ。

 また、朝日新聞が慰安婦強制連行にかかわる吉田証言記事を取り消しながら、吉田氏が朝鮮人男性6千人弱を同様に連行したと証言した記事は放置していることにもこう触れた。
 「慰安婦以外の者の強制連行について吉田氏が述べたことを報じた記事についても検討し、適切な処置をすべきである」
 平成3年8月、母親にキーセン=朝鮮半島の芸妓(げいぎ)=学校に売られた韓国人元慰安婦を「女子挺身(ていしん)隊の名で戦場に連行」と書いた元朝日新聞記者、植村隆氏の記事に関し、朝日新聞は「意図的な事実のねじ曲げはない」と主張してきた。
 植村氏自身は現在、海外メディアを通じ自己弁護に余念がないが、この問題に関する報告書は「安易かつ不用意な記載であり、読者の誤解を招く」との解釈だ。捏造(ねつぞう)に当たるとは踏み込んでいない。

 その一方で4年1月、宮沢喜一首相(当時)訪韓の直前に朝日新聞が1面トップで報じた「慰安所 軍関与示す資料」の記事についてはこう断じた。
 「首相訪韓の時期を意識し、慰安婦問題が政治課題となるよう企図して記事としたことは明らかである」
 この記事に関しては今年6月、政府の河野談話作成過程検証チームも「朝日新聞が報道したことを契機に、韓国国内における対日批判が過熱した」と指摘している。
(略)

朝日新聞はまもなく3度死ぬのか!? 2014年私の3大ニュースの今後を読む(2014年12月26日現代ビジネス)

(略)
第三者委員会報告の要約版を掲載した紙面を見ても「どうなっているのか」と思う部分があった。委員の1人、田原総一朗氏は「謝罪することで朝日の批判勢力をエスカレートさせてしまう恐れがある、と報告書が書いている」と紙面で指摘していた。
「どういうことか」と思って、私は紙面を探してみたが、要約版にそんな箇所はない。そこで朝日のサイトにある報告書全文(http://www.asahi.com/shimbun/3rd/2014122201.pdf)をチェックしてみると、たしかに次のように書いていた
ーーーーー

謝罪することで朝日新聞の記事について「ねつ造」と批判している勢力を「やはり慰安婦報道全体がねつ造だった」とエスカレートさせてしまう恐れがある、朝日新聞を信じて読んでくれている読者の信用を失うといった意見から、謝罪文言を入れないゲラ刷りも作成された。

(中略)経営上の危機管理の観点から、謝罪した場合、朝日新聞を信じてきた読者に必要以上に不信感を与える恐れがあること、朝日新聞を攻撃する勢力に更に攻撃する材料を与えること、「反省」という言葉で表現することで謝罪の意を汲んでもらえるとする意見などにより、結局、謝罪はせず、他方、吉田氏にまつわる16本の記事については記事そのものを取り消すという対応をすることとした。

ーーーーー
この部分には本当に驚いた。報告書は池上コラムの不掲載を決めたのは、実質的に辞任した木村伊量社長の判断だったと認めたが、批判を受け入れない姿勢はここでも一貫している。朝日は自分の批判勢力を利さないかどうか、を紙面作成の判断基準にしていたのだ。
そうだとすれば、自分の意見、主義主張が第1で、客観的事実は2の次という話である。これは報道機関がすべき判断ではない主義主張を唱えるプロパガンダ機関の判断である。
(略)

まあ転んでもただでは起きないと言うのでしょうか、さすがに朝日だけあってこの展開は想像の斜め上ですけれども、何が彼らをしてこうまでさせるのかと言うことにも素朴な興味を抱かされる一方で、人間誰しも自らの行いを素直に改め反省すると言うことは非常に難しいんだろうとは言えると思いますね。
ただ記事にもあるように朝日がいわゆる狭義と広義の使い分けを恣意的に行い、問題の混乱をなお一層拡大させ視聴者に誤解を再生産してきた側面があることは社会的には大いに批判されるところである一方、この後の12月29日にもアジア女性基金の呼びかけ人であった大沼保昭明治大特任教授の記事を掲載し、強制されたかどうかは問題ではないと言う主張を繰り返しています。
もちろん記事が書かれたのは社長会見以前であった可能性もあるし、朝日の意見ではなく外部の第三者?による意見を掲載しただけであると言う言い訳の成り立つ余地はあるとは言え、わざわざこのタイミングで検証報告書の内容に真っ向から反するような記事を掲載すると言うのは、何かしら彼らなりに「企図して記事としたことは明らか」ですよね。
聞くところによると朝日新聞の実売部数は凋落の一途を辿り今やタダで押しつけて回っている状況だそうですが、先日の同紙コラムで「今年よく聞くようになった言葉。歴史修正主義、反知性主義。曲がり角の道しるべを見のがさなかっただろうか。」と書かれていた通り、自分勝手に歴史の真実を修正する反知性的行為が世間からどのように受け止められるのかと言うことがよく判る状況ではあるかと思います。

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2014年12月29日 (月)

STAP騒動は寛容の欠如を象徴している?

ひと頃は華々しく取り沙汰されたものがいずれ消えていくのも栄枯盛衰世の習いと言うものですが、こちらいささか奇妙な経過を辿ったあの事件が(ほぼ)最終的に決着したと言うニュースです。

「STAP幹細胞などの正体はES細胞だった」(2014年12月27日日経メディカル)

 STAP細胞論文の調査を2014年9月から同年12月22日まで行っていた、理化学研究所の外部専門家7人から構成される「研究論文に関する調査委員会」が2014年12月26日に記者会見を開き、STAP細胞の論文に関する調査結果を報告した。

 調査委員会による調査の目的は、現在は撤回されているObokata et al., Nature 505: 641-647(2014)やObokata et al., Nature 505: 676-680 (2014)の2報と、Obokata et al., Protocol Exchange(2014)に対して、捏造や改ざん、盗用を含む研究不正が行われたかどうか、また、研究不正が認められる場合、その責任は誰が負うのかを明らかにするため。調査対象者は、小保方晴子氏(旧理研CDB研究ユニットリーダー)と山梨大学生命環境学部の若山照彦教授、理研CDB多能性幹細胞研究チームの丹羽仁史チームリーダーだ。

 2014年1月に発表されたNature 505: 641-647(2014)の論文によれば、マウスの脾臓からリンパ球を分画し、酸処理を行って7日間培養すると、STAP細胞が作製できる。「STAP細胞はほとんど増殖しないため、小保方氏らが実験に使用して現在はサンプルが残っていない」(調査委員会の桂勲委員長)。また、Nature 505: 676-680 (2014)にはSTAP細胞をES細胞培養用の培地で培養するとSTAP幹細胞が、TS細胞培養用の培地で培養するとFI幹細胞が生じたと報告されていた。理研CDB研究ユニットや山梨大の若山研究室には、3種類のSTAP幹細胞株(FLS3、GLS1、AC129-1)とFI幹細胞株のCTS1がストックとして保存されており、それらのサンプル全てに対して、次世代シーケンサーによる全ゲノム解析を行った。解析の結果、STAP幹細胞とFI幹細胞は、ES細胞由来であることが分かった。

 具体的な結果は、STAP幹細胞のFLS3とFI幹細胞のCTS1についての次世代シーケンサーによる解析結果がそれぞれ、若山研究室のメンバーが05年に作成したES細胞のFES1と類似性が高かった。また、STAP幹細胞のGLS1は、若山研究室のメンバーが2011年に作成したES細胞のGOF-ESと類似性が高かった。STAP幹細胞のAC129-1については、若山教授が2012年に作成したES細胞の129B6F1と類似性が高いことが明らかとなった。

 STAP細胞から形成されるキメラマウスとテラトーマに関しては、論文に使用されたテラトーマの画像元のパラフィンブロックのサンプルを対象に定量PCRを行った結果、STAP幹細胞のFLSやFI幹細胞のCTS、ES細胞のFES1と同様の染色体上の欠失変異を持つことが分かった。桂委員長は「STAP細胞から作製されたテラトーマもES細胞のFES1由来の可能性が非常に高く、STAP細胞を作製した際に、ES細胞が混入したのではないか」と説明した。ただし、小保方氏や若山教授などの関係者は全員ES細胞の混入を否認しており、桂委員長は「誰が混入したのか、また、故意なのか過失なのかは決定できない」と話した。

 さらに、調査委員会はNature 505: 641-647(2014)のFig.5cの細胞増殖曲線の図と、Fig.2cのDNAメチル化実験に関する図の2つが、新たに捏造であることを認定した。細胞増殖曲線の図は、約120日間のうち数日おきにSTAP幹細胞の細胞数をカウントし、横軸に日数、縦軸にカウント数をプロットしたもの。桂委員長によれば、小保方氏が図中に示した数十個のプロット全てが実際にカウントした数を示していないことが分かった。「小保方氏からは、カウント数が合わない場合は、数値を合わせて図示したという趣旨の発言があった」(桂委員長)。

 また、DNAメチル化実験の図については、CDBゲノム資源解析ユニットに保存されていたデータを再解析してみると、Nature 505: 641-647(2014)で示された図とメチル化された部位の数が明らかに異なっていた。「小保方氏は、『再解析のような図だと、論文にできないと言われた』と話しており、データに対して操作を行ったことを認めた」(桂委員長)。しかし、操作を指示されたわけでは無いとしている。

 桂委員長は、「調査の結果、ES細胞の混入が示され、論文の主張が否定された。論文の図表には画像の取り違いなども含めて間違いが多く、その一部は捏造または改ざんされていたものだった。加えて、小保方氏を指導する立場にある研究者も、オリジナルデータの欠如や示された図表に対する疑惑を見落としたことも問題だ。報告や、研究室運営の方法に問題があったと考える」と説明した。
(略)

ここでは「誰が混入したのか、また、故意なのか過失なのかは決定できない」と調査目的を達成していないような結論しか出していないことにも注目いただきたいところですが、研究室の他メンバーが以前に作成していたES細胞の混入であると言うことまでははっきりしている以上、たまたまうっかり混入してしまったとする方が研究室の過去データの信用性と言う意味でも大問題かも知れません。
小保方氏の主張するように何百回とSTAP細胞作成に成功していたのであれば、あれだけ長期間再現実験をして一度も成功しないのはおかしいではないかと考えるところでしょうが、興味深いのは検証チームのリーダーが検証実権の環境を「犯罪者扱い」で「科学のやり方ではない」と批判したとされる点で、検証の方法論に対しては強い不満を表明したと言います。
今回の場合故意に行った捏造と言う疑いがあるともされている中で、やはり検証の実を挙げると言う点からも全てに性善説的な対応ばかりでは無理があるのは仕方がないと思うのですけれども、興味深いのは本来科学的事実がどうなのかと言う点が最も重要であるはずのこれら一連の検証作業を通じて、いつしか方法論としてそれは問題ではないか?と言う声が各方面から上がりつつあることでしょうか。

【STAP問題】厳しい目、寛容さを失う社会を象徴か  騒動の背後に(2014年12月27日共同通信)

 「夢の細胞」をめぐる一連の騒動は一体、何だったのか―。26日、理化学研究所の調査委員会は小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏(31)による捏造(ねつぞう)をあらためて認定し、STAP細胞がなかったことはほぼ確実とした。前代未聞の不正に社会は揺れ続け厳しい目が向けられたが、寛容さが失われた今の時代の断面が表出したとみる識者もいる

 「『研究犯罪』とでも言うべき許されない行為。 多くの国民を振り回し、科学への不信感を抱かせた」。教育評論家の尾木直樹(おぎ・なおき)法政大教授は手厳しい。研究成果の発表当初は、再生医療の新たな展望が開けると大きな期待が寄せられていたことも重大視。「患者にいったん望みを持たせておいて、それを破壊した。こんな残酷なことはない」と批判する。

 理研調査委の報告書については、全容解明には至らなかったが、「一つの着地点になったと思う」と評価。一方で、STAP論文共著者の一流の研究者が不正を見抜けなかったことも判明し、「科学の倫理はこんなにいいかげんなものなのか」と疑念を示した。

 作家の雨宮処凛(あまみや・かりん)さんは「ふんわり系で、モテる女子を体現したような存在。科学の世界に希望の星として降臨した」と分析。問題がここまで世間の耳目を集めたのは、小保方氏本人の個性も作用していたとみる。

 壁がピンク色に塗り替えられた実験室、 ムーミンのグッズや白衣代わりのかっぽう着は繰り返しニュースに。理系好きの女子を意味する「リケジョ」の言葉もちまたにあふれた。

 だが、論文の疑惑発覚後、小保方氏に向かった強いバッシングには違和感を拭えないという。

 「若い女性で成功した。報われない人が多い今の日本の社会で、一番たたきがいがある存在」。組織としての理研にも責任はあるはずなのに、「全ての責任を1人の人間に丸投げしている。楽な方法なのだろうが、あまりにもえげつない」。

 文芸評論家の山崎行太郎(やまざき・こうたろう)さんは「まだ誰もやっていない成果を追い求めるのが科学者。断罪するようなことは絶対に良くない」と小保方氏を擁護。一連の騒動が、寛容さを失っていく社会の風潮を象徴しているように見えてならないと振り返った。

 「正解しか許されない場所から、果たして世紀の大発見が生まれるだろうか」。今後多くの研究者が萎縮し、科学研究の現場に悪影響をもたらすかもしれないと危ぶんだ。

まあこれがいかにも悪人顔のむさ苦しい野郎であればともかく、うら若いお姉さんが国中挙げての総バッシングを食らっているとなれば「ちょっとそれは」と言いたくなる気持ちは判るし、科学者としての将来は事実上絶たれたとしても他に幾らでも食っていく道はあるはずで、一人の人間として見ればほどほどのところでやめておいた方がと言う擁護意見があるのは理解できます。
保方氏の実家から両親の姿も消えただとか、理研が小保方氏に3500万円とも言う一連の実験費用を請求する(かも知れない)と言う話はさすがにどうかと思いますが、一方で擁護論として各方面から出る声を見ていて気になるのが一個人としての責任のあり方と、科学者としての責任のあり方とを混同しているのではないか?と言う気がするところです。
前述の記事においても山崎氏は「まだ誰もやっていない成果を追い求めるのが科学者。断罪するようなことは絶対に良くない」と言っていますけれども、科学である以上捏造行為を行うことは絶対に許されないのは当然であって、これが文学の世界であっても他人の著作を丸写しで自作オリジナルとして発表したのでは発覚次第「作家としては」抹殺されてもやむなきことは当然だろうと思います。
そしてその結果たとえ文壇からは抹殺されたにしても一人の人間として抹殺されるなどとんでもないことは当然であって、仮にそれだけの罪があったと言うのであれば刑事事件なりで法的に裁くのが本筋であり、勝手に社会的制裁?を加えると言うのは筋が通らない話ですよね。

この記事に対しては多くの方々が「寛容の意味を勘違いしている」と同じような疑問を抱き批判のコメントを寄せているようですが、少なくとも科学の面においては捏造だったと認める事もなければ、何度でも成功したと言う自らの発言の裏取りも出来ていないと言う点で、今のところ論文撤回に同意し職を辞したと言う以外に本人は何ら責任は取っていないと言う考え方もあるでしょう。
また個人の責任以前に、こうした若年研究者が一人で好き放題やっていられると言うことも普通はないことであって、その意味では上司や共同執筆者らも責任を負わなければならない立場にある以上「全ての責任を1人の人間に丸投げ」するのでは組織のあり方としてどうなのかですが、それは「正解しか許されない場所から、果たして世紀の大発見が生まれるだろうか」と言った話とは全く別次元のことだと考えるべきでしょう。
世間的には科学者としての責任の取り方も、個人としての責任の取り方も区別がつきがたいところがあるだろうし、すでに自殺者まで出ている以上個人としてこれ以上世間総出で叩くことに意味があるとも思えない段階に来ているとも感じますが、そうであるからこそ科学の世界としてはそれなりにきちんとした始末を付けていかなければならないはずだと考えると、むしろこれからどうするかが一番問われることになりそうですね。

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2014年12月28日 (日)

今日のぐり:「十八番 千田店」

この冬はことのほか寒気が厳しいようなんですが、その理由としてこんなびっくりするようなデータがあるそうです。

松岡修造が海外に行ったら、本当に気温が下がるのか調べたツイートが話題に(2014年12月17日IRORIO)

(略)
大きな寒波が到来するたびに、ネット上では「松岡修造が海外に行っているからでは…」というネタが話題になっていますが、もるねこヽ(‘ω’*)☆@契丹族さん( @KAZ343434 )が実際に調べてみたところ、衝撃的な事実が判明しました。
グラフから、ソチ五輪、パンパシフィック水泳選手権、フィギュアスケートグランプリと、松岡修造氏が海外に行った際に日本の気温が大幅に下がっていた事が判明。

このグラフ掲載したツイートは45334リツイート。ネット上では衝撃が走り、「恐ろしいw」、「修造さん…はよ帰ってきて…」、「修造 isGOD」など大きな反響を呼んでいます。
松岡修造オフィシャルサイトでは現在、アクセスが集中し、接続できない状態に。
修造さん早く帰ってきて!

思わずマジですか?!とグラフを見てしまうようなびっくりニュースなんですが、それでも必ずしもないとは言い切れないのが修造パワーと言うものなんでしょうか?
今日は松岡氏の国内定着を祈念して、一見してアンビリーバボーだがこの人ならまあ仕方ないかとちょっと納得してしまいそうになる方々のニュースを取り上げてみましょう。

プロレスラー蝶野正洋さんがQ&Aサービス「LINE Q」で激白! レスラー同士の不仲の原因は(2014年12月3日ロケットニュース24)

プロレスをあまりよく知らない人は、レスラー同士の人間関係がよくわからないかもしれない。本気なのか? それともパフォーマンスなのか? 敵対している関係にあるレスラー同士はもちろんのこと、タッグを組んでいるレスラー同士でさえも、良好な関係を築けているかどうか…… 気になるところだ。
そんなレスラーの本音について、闘魂三銃士のひとりとして知られる蝶野正洋さんが激白した。蝶野さんは、コミュニケーションアプリ「LINE」のQ&Aサービス「LINE Q」において、レスラーの仲の良し悪しについて以下のように回答している。

・レスラーの人間関係を質問された蝶野さんの回答
    「OBとか先輩たちはみんな仲が悪いんだけど、原因はみんな滑舌が悪くてコミュニケーションがとれないことだった」(LINE Qより引用)

・やはりそれか!
滑舌の悪さが原因だったのか……。やっぱりか。たしかに有名レスラーの多くは、絶望的に滑舌が悪い。有名なのが長州力さんと藤波辰爾さん。この2人はバラエティ番組の企画で、それぞれどれだけ滑舌が良くなるのかを実験していたほどだ。天龍源一郎選手もハンパない。

・どうしたものか……
2人の後輩に当たる蝶野さんは、滑舌が悪いがゆえに「コミュニケーションが取れていない」と見ていたのだろう。うっすらと想像はしていたが、それが原因であると赤裸々に告白されると、どうしたものかと考えてしまう……。
ちなみに蝶野さんは毎年大晦日、日本テレビ系のテレビ番組『絶対に笑ってはいけない』シリーズに出演している。今年も出演しているのだろうか? 大晦日の放送が楽しみなところである。

元記事には各レスラーの滑舌ぶりを示す動画も貼られていますので参照いただければと思うのですが、まあこればっかりは仕方ないですかねえ…
日本初のあの有名格闘ゲームを思い出すネタなんですが、こんなびっくり発言があったと大いに話題になっています。

ガイル氏「待ってはいけない」  豪州の有名CEOが引退(2014年12月3日びっくり!世界の面白ニュース)

オーストラリアのウエストパック銀行のCEO、ガイル・ケリー氏が引退を発表しました。
彼女はビジネス上での女性へのアドバイスとして、以下のような言葉を述べました。
「準備がまだだと思っても、待ってはいけない。進むべきである。」
「私からのアドバイス、それはチャンスはあなた自身にあるということです。」
「日々成長している、その才能を活用すべきです。」

彼女は非常に大きな成功を収めたCEOとしても有名であり、
同銀行の時価総額は500億ドルから1040億ドルに倍増しています。
(略)

いやガイルさんが待ち禁止ってどんなおまゆうだって話なんですが、ガイルさんがそう言うのならこれはもう仕方ないですよね。
世界でもっとも強面の大統領として知られるあの人は様々なイベントにも登場したがることで知られていますが、その結果思わぬところに影響が出ているようです。

プーチン氏が野生に返したトラ、中国でヤギ襲う (2014年11月29日日本経済新聞)

 【大連=森安健】ロシアから川を渡って中国に入り込んだアムールトラが農家のヤギ15頭を襲い中国側を困らせている。このトラはロシアのプーチン大統領が自らの手で野生に返した「ウスティン」と分かっており、銃撃するわけにもいかない。カメラで監視を続けているものの、暴れ回る「来客」を見つめるしかないのが現状だ。

 プーチン氏は5月、ロシア極東部で保護されていた3頭のトラを野生に返した。追跡装置によると、その後2頭が中国に渡り、農家の鶏やヤギを襲っている。このほど見つかった15頭のヤギの死体の頭には、人の指の太さの歯の跡が残っていた。

 地元林業局の幹部は中国メディアに「我々にとっては最も大切なお客さん」と語っている。ただ、120台のカメラを交代で1日平均10時間見続ける自然保護区の25人のスタッフは疲弊気味のようだ。

それはまあ迷惑な虎にしてもこうして正体が判明していてはアンタッチャブルと言うものですが、やはりあの方のすることだけに仕方ないと納得するしかないのでしょうか。
同じく中国からはこんなびっくりニュースも飛び出していますが、事情を知らなければ単なる…な人と言う気もしますよね。

「妻を近くに感じたい」亡くなった妻の服を身に付けて出歩く男 (2014年12月22日日刊テラフォー)

男は、河南省鄭州市のバスで、日常的に目撃されている。
友人らの話によると、男は2年前に妻を亡くし、その亡くなった妻の衣服を身に付けて出歩いているのだという。こうすることで、妻を近くに感じようとしているそうだ。

YouTubeにこの男を捉えた動画がアップされ、投稿されてから15時間で240万回も再生される大ヒットとなった。
その動画を見ると、男性はまずビニール袋を持って、バスに乗り込んでくる。やけにぴっちりした股引のようなものを履いているようだが、この時点では特に不審な点はない。
だがおもむろに上着を脱ぐと、袋からショッキングピンクのブラを取り出して身に付け始めた。
続いて手鏡を見ながら髪をとかし、時折座席から立って尻を突き出す不自然なポーズを取っている。
誰も男に声を掛けたり非難しないのが不思議だが、やがて男は再び上着を羽織って、小走りでバスから降りて行った。

妻を亡くした男には同情すべき余地はあるし、亡くなった妻を近くに感じる方法は人それぞれだ。
だがそれでも、なにもこんな下着姿で公共の場に現れなくても…と思ってしまう。公共わいせつ罪などには当たらないのだろうか。

その状況は元記事の画像を参照いただくとして、よりにもよって何故その格好?など様々な疑問があるのはもちろんなんですが、とりあえずこの状況で誰も声を掛けないと言うことだけは仕方がないのかなと言う気はします。
昨今イスラム過激派の暴力行為が様々な方面で話題になっているのですが、あちらではその犠牲者の家族もこんな感じなのか…と言うびっくりニュースです。

アフガニスタン 息子の敵を討つために、7時間の激戦でタリバンの25人を射殺(2014年11月27日livedoorニュース)

英紙「デイリー・メール」の26日付記事では、アフガニスタンFarah州の女性Reza Gulは警察官である息子がタリバンの襲撃で射殺されたことを受けて、娘、嫁を連れてタリバンに仕返しをした。7時間の激戦で、25人を射殺し、5人に負傷させた。

Gulの息子のいる警察小隊は、検問所でタリバンに襲撃され、息子は射殺された。娘のFatima、嫁のSeemaから応援を受けて、Gulは襲撃者に反撃し、タリバン戦闘員25人を射殺し、5人に負傷させた。

Gulは「私は自分を阻止できず、思わず武器を手に持っている。検問所を訪れ、襲撃者に反撃した」と語り、Seemaも「戦場に到着したとき、戦況は激しく、軽火器、重火器は響いていた。我々は最後まで戦った」と語った。戦闘が終わった後、タリバン戦闘員の死体はあちこちにあった。

アフガニスタン内務省報道官は、「公共武装蜂起」の象徴だと評価した。タリバン側はまだコメントしていない。

こちらに再現動画も用意されているのですが、いやもう何と言いますか…これも現地はこういうものだと納得するしかないのでしょうね。
最後に取り上げますのはご存知ブリからの話題なんですが、まあこういう親もブリであれば普通であると言うことなんでしょうか。

軍事ファンの父親はタンクで息子の通学を送迎/英(2014年12月18日新華ニュース)

Nick Mead氏(53)は軍事ファンであり、2人の息子は天気がよかろうと悪かろうが、遅刻したことはない。このクールな父親は毎日、重さ17トンのタンクで息子の通学を送迎することからだ。最も羨ましいことは、Nick氏は130台のタンクを合法的に収集しており、子供らはどのタンクを選択してもいい。天気がどんなに悪くても大丈夫だ。

Nick氏は20年前、1750英ポンドで初めてのタンク「FV433アボットを」を購入し、現在彼が保有している130台のタンクは総価値が200万英ポンドに上った。

一体何が起こっているのかは画像を見れば一目瞭然なんですが、まあしかしよくもこれだけ集めに集めたりですよね。
この状況をうらやましいと感じるかどうかは人それぞれなんでしょうが、こういう親を持ってしまうと何があってもしかたないで済ませられる覚悟は出来そうです。

今日のぐり:「十八番 千田店」

広島県は福山市で十八番と言えば老舗の中華そば屋として知らない者はいないほど知られていますが、福山東インターから少し北上した幹線道路沿いにあるこちらはその支店の一つです。
郊外ではありますが車の往来も多い地域で近隣には大規模飲食店が増えてきているようですが、場所柄なのかアイドリングタイムも営業されているのは助かりますね。

ごく無難に中華そばを頼んでみましたが、こちらかなり潔い?メニュー構成でちゃんぽんに焼きそば、中華丼に野菜炒めと、ちょっとどういう組み合わせで頼むべきなのか迷うようなところもあるでしょうか。
背脂の浮いた一見して尾道風のラーメンですが、あちらの某有名店のような醤油ダレの強さが際立つものではなくあっさりした飲みやすいスープで、少しばかりくせはありますがスープとタレのバランスもよくなかなかうまいと思いますね。
麺は平打ちではなく太めのストレート麺で味も茹で加減も特に印象に残るものではありませんが、トッピングの大雑把な切り方のネギの風味の強さとメンマの少し筋っぽい硬さが良くも悪くも目立った気がします。
全体的には昔ながらの醤油ラーメンと言う言葉が似合う、今の濃いラーメンに慣れているとちょっと物足りなさも感じてしまいそうな味なんですが、伝統のあるローカルフードはこういう飽きの来ない味でいいんじゃないかと思いますね。

福山地区のラーメンと言えば近隣の有名地ラーメンである尾道ラーメンの影響が強い店舗も多い印象なんですが、こちらは見た目の第一印象はともかく内容はかなり違っていて地域性として考えても興味深いですね。
カウンターの店で給水などもセルフですし接遇面では特にどうこうと言うこともないんですが、ちなみにこちらの本店では昔から自動麺茹で機を導入されていて、これが見ていてちょっと面白いもので機会があれば訪店されるのもいいかと思います。
またもう一つの特徴として以前はカウンターに給水用の蛇口が用意されていたのですが、どうやら本店も含めて廃止されてしまっているようで、まあここくらいの規模であればウォーターサーバーでも十分かとは思いますけれどもね。

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2014年12月27日 (土)

ホントかウソか簡単に判ったら世の中詐欺なんてありません

矛と盾のいずれが強いかと言う議論は昔から様々になされてきましたけれども、先日ちょっとそうした話を思い出させるようなニュースが二つ出ていました。

110番発信のウイルス拡散=作成の高校生ら6人書類送検―兵庫県警(2014年12月10日時事通信)

 自動的に携帯電話から110番を発信させるコンピューターウイルスを作り、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を通じて拡散させたとして、兵庫県警サイバー犯罪対策課などは10日、岐阜県の高2男子(16)や埼玉県の中2男子(14)ら6人を不正指令電磁的記録作成・同供用などの容疑で書類送検した。

 同課によると、このウイルスが原因とみられる無言の110番通報が、兵庫県で5月1日に約350件、沖縄県でも同2日午前までに約1500件発生。記録上は埼玉や愛知県も含め計約7500件の誤発信があったとみられる。

 高2男子と中2男子はゲームの攻略情報を交換するラインのグループ仲間で、「相手を驚かせたかった」と容疑を認めているという。

 高2男子の送検容疑は4月26日〜5月1日、ウイルスを作成し、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を通じて中2男子らにウイルスの保管先サーバーのURLを送り付け接続させた疑い。中2男子ら5人は、110番を誤発信させると知った上で、それぞれのライン仲間にこのURLを送信した疑い。 

ワイモバイル「迷惑電話チェッカー」、実証実験で1台あたり月4回以上をブロック(2014年12月24日RBBtoday)

 ワイモバイル、ウィルコム、トビラシステムズは24日、全国26都道府県の警察本部で実施している「迷惑電話チェッカーWX07A」の実証実験について、実験成果を発表した。

 「迷惑電話チェッカー」は、自宅の固定電話回線に設置するだけで、振り込め詐欺やしつこい勧誘電話などの悪質な迷惑電話からの着信を自動で警告する装置。迷惑電話番号情報は「迷惑電話チェッカー」ユーザー全体で共有される。迷惑電話番号情報は2013年11月14日より提供を開始したワイモバイルのケータイオプションサービス「モバイル迷惑電話チェッカー」でも利用可能。

 2014年7月以降の実証実験では、約5,725世帯で「迷惑電話チェッカー」が稼働している。その結果、「迷惑電話チェッカー」1台あたり1か月間に4回以上、迷惑電話をブロック。実証実験実施世帯全体で、1か月間に27,000件以上の迷惑電話をブロックした。

 また実証実験実施世帯全体で、1か月間に800回以上、警察本部から提供された「犯罪に使用されている可能性のある不審な番号」からの電話をブロックしたという。これは約7軒のうち1軒の割合で、毎月1回以上、不審番号からの着信があることになる。

 なお、実証実験でブロックした迷惑電話のうち、81%は番号通知にて着信していた。また実証実験でブロックした迷惑電話は、銀行や郵便局などの窓口が開いている日中に多く着信していた。

いずれも電話による犯罪行為に絡んだ話でもあって、果たして迷惑電話チェッカーとウイルスとどちらが強いのか?と言う疑問も抱くところですけれども、しかし同じウィルスを作るにしてもよりにもよって警察直通の迷惑電話を選ぶと言うのが何と言うのでしょう、これが若さかと言うものなんですかね?
スマホなど個人用の端末が完全に普及した結果子供からお年寄りまで持ち歩く時代ですが、これも迷惑メールの類が来ない日がないと言うほどで便利なのか不便なのか、見ていますと様々な方法で何とかリンクをクリックさせようと工夫しているようで面白いなと思うのですが、その努力をもっと有意義な方向に活かしていればと言う気もしますね。
ネット利用も慣れてくればある程度怪しいだとか嘘くさいと言ったことが直感的に判るようにはなってきますが、それでも相手もあの手この手で騙そうとする以上いつか引っかかりかねない恐さはありますし、そもそも万人がしっかりしたネットリテラシーを身につけてからネットデビューをすると言うわけでもない、そして本来教育役になって欲しい親世代にしたところでこの場合必ずしも詳しいとは限らないと言うのは考えてみれば怖いことです。
最近では何でもかんでも判らない事はとりあえずググれと言われるくらいで情報だけはいくらでも手に入るようになりましたが、山ほどある玉石混淆の情報のうち何が本当で何が間違いなのかをどうやって見極めたらいいのかと言う新たな問題も発生していると、当の利用者からもこんな悩みの声が聞こえているようです。

高校生ネット利用者の半数「ネット上の情報の正しさを確認する方法が分からない」中学生では4割(2014年12月10日INTERNET Watch)

 株式会社ベネッセホールディングスのシンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」が9日、「中高生のICT利用実態調査」の結果を公表した。今年2~3月、全国28の中学校・高校に通う中学1~3年生3203人、高校1・2年生6265人を対象に実施したもの。

 インターネットは、中学生の87.3%、高校生の96.9%が利用していると回答。メール、LINEなどのチャット、Twitter、SNSで週1回以上コミュニケーションを取っている人は、中学生の64.8%、高校生の92.1%に上る。
 インターネットやメールをする時に使用するデバイス(複数回答)は、中学1・2年生ではPCの利用率が5割台で一番高いが、中学3年生になるとスマートフォンがPCとほぼ同程度となり、高校1・2年生では逆転。スマートフォンが8割を超える。また、中学生がインターネットに接続するデバイスとしては、携帯音楽プレーヤー、ゲーム機なども2~3割程度利用されているが、高校生になると、スマートフォン以外のデバイスの利用率がPCも含めて急激に下がる傾向にある。
 「ニュースなど社会のできごとに関する情報」の入手経路(複数回答)は、テレビが中学生で90.9%、高校生で86.0%と、ともに最多。中学生では、次いで家族との会話(46.5%)、新聞(40.0%)、ポータルサイトの運営するニュースサイト(23.4%)の順。高校生では、テレビの次にTwitter(39.6%)が入り、以下、家族との会話(35.1%)、新聞(30.4%)と続く。
 いわゆる“まとめサイト”やインターネットの掲示板などは数%~十数%にとどまっているが、ニュースサイトやLINE、Twitter、SNSなども含めて「ネット経由」でくくれば、その割合は中学生で50.2%、高校生で68.3%に上る。
 一方で、中学生のネット利用者のうちの38.9%が、インターネット上の情報について正しいかどうか確認する方法が分からないと回答。これが、高校生では49.2%に増える
(略)

予想通り大多数は日常的に当たり前にネットを使っていますと言う結果なんですけれども、特にPCからスマホに機材が移行すると日常的なコミュニケーションへの利用度が一気に上がるようだと言うのは、ちょっと街中を出歩けば誰も彼もスマホを触っていると言う状況を目にするだけでも判る話かなと思います。
まあ昔から直接会ってや電話でのコミュニケーションと言うものは盛んに行われていて、それがネット経由になっただけと言う見方も出来るかと思いますが、メールやSNSの特徴としていつでも自分の好きな時に返信できると言う拘束されない面があったはずが、昨今の学生はすぐに返信しないと関係が気まずくなったりすると言いますから意味がないような気もしますけれどもね。
相互のコミュニケーションのみならず社会との関わり合いの中でも大きな意味を持ってきていると言うことにも注目されるべきですが、かつてテレビとネットのどちらがニュースソースとしてより重要か?と言う議論が盛んだった時期がありますけれども、少なくともテレビや新聞と比肩される程度にはネットがメジャーな情報源になってきている、そしてそれだからこそネットの情報の信頼性に疑問を抱く人間も多いと言う現状が浮かんで来ます。

近年若年層を中心に情報源としてのネットの重要性が急速に向上していて、先年の震災などをきっかけに一段とその傾向が強まったとも言いますが、興味深いのはネットに対する情報ソースとしての重要性にはかなり顕著な年代格差があるものの、情報ソースとしての信頼性にはほとんど年代間に差がないと言う点で、重要性、信頼性ともに年代格差の少ないテレビ等旧メディアに対するネットの特徴と言えそうですよね。
また調査対象によって多少の上下があるものの、概ね共通する傾向として信頼度と言う点では新聞≧テレビ>ネットと言う順位付けがなされているようで、もちろんメディアとしての歴史の長さ等々様々な要因もあると思いますが、複数の人間が関わり商業ベースで成立している新聞、テレビに比べると、ネットの場合個人発信の情報も含めてあまりに玉石混淆著しいと言う点が信頼度に影響していると言う気がします。
意図的にデマを広める方々も一定数いらっしゃるのがネットの特徴でもあり、そしてコピペ転載が繰り返されるうちにいつしか真偽不明となって新聞テレビなどにおいても取り上げられたりするからタチが悪いのですが、これも先日紹介しましたようにデマの真贋を判断する知識がなく、何よりネット以外に実社会からの情報ソースを持たない方々が引っかかりやすいと言いますから、やはり複数媒体による確認が重要と言えそうですよね。
もちろん正確性に疑問が残る、裏取りが出来ないと言った理由で既存メディアが取り上げない真偽不明な情報であっても流出してくるのがネットの強みでもあるのですが、だからこそ情報のバックグラウンドまでも含めて自ら学んだ上で判断するしかないと言う点で、やはり「嘘を嘘と見抜けないと難しい」と言うのがネット利用の出発点にして結論にもなるんじゃないかと思います。

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2014年12月26日 (金)

今度は千葉県に独創的な医学部が誕生?

先日は東北薬科大の医学部新設が認められたことにより、地域からの医師引き抜きがどうなのかと各方面から懸念がある中で、同大では教官公募について締め切り間際になって応募が殺到していると申し込み期間延長を決めたのだそうで、今後引き抜きによる地域医療に与える影響等も考慮しながら選考を進める予定だと言います。
ともかくも東北復興と言う旗印と同地域での医師不足解消と言う合わせ技でようやく久方ぶりの医学部新設が認められたと言う形なのですが、一つ出来れば二つ目、三つ目が出来てもおかしくないと言う理屈なのでしょうか、このところさらに新たな医学部新設の機運が盛り上がっているようですね。

医学部新設、特区の成田市分科会が初会合- 附属病院600床、病床規制の緩和要求(2014年12月17日CBニュース)

国際的な医療人材を育成するための医学部の新設などについて議論する、東京圏国家戦略特別区域会議の下に設けられた「成田市分科会」は17日、初会合を開いた。千葉県成田市の小泉一成市長や、成田市と連携して医学部新設を目指している国際医療福祉大の矢崎義雄総長らが出席。成田市は、医学部新設が認められた場合に600床規模の附属病院をつくるため、病床規制に関する医療法の特例を適用することなどを求めた。【丸山紀一朗】

東京圏の特区に指定されている成田市は、国際医療福祉大と協力し、国内外の医療需要に対応した国際的な医学部の新設や、国際空港の立地する同市にふさわしい国際水準の病院の設置などを盛り込んだ「国際医療学園都市構想」の実現を目指している。これらは、9日に決まった東京圏の第1弾の区域計画には入らなかったが、医学部新設について検討して結論を得ることは極めて重要で緊急性が高いとされ、同分科会を設置して議論することになっていた。

17日の初会合では、成田市が資料を提出し、国際医療学園都市構想の実現のために必要な規制緩和策を具体的に提示。医学部の新設を認めないとする文部科学省の告示による規制の緩和を求めたほか、同市のある二次医療圏の既存病床数が基準病床数に達しており、不足病床数がゼロであることを挙げ、東北地方の医学部新設での公募の事例などから、附属病院の600床規模の病床規制の緩和が必要だとした。

また同市は、この附属病院では国際的な医療サービスを提供することも必要だと指摘。そのため、現在は英・仏・シンガポールの3か国に限られている二国間協定に基づく日本国内での外国の医師免許を持つ人の診療業務を、他の国にも拡大した上で、それぞれの国籍の患者に対しての診療しか認められていない現状の規制を緩和し、母国だけでなく、日本を含むさまざまな国の人を診察できるようにすることを求めた。

この日の会合には、オブザーバーとして、文科省の高等教育局長や厚生労働省の医政局医事課長らが出席した。今後、成田市と国際医療福祉大は両省とも協議しながら、医学部新設の実現に向けての課題や解決策を整理する。次回の会合では、具体的な課題の解決策や、医学部新設に伴って生じる病床規制の緩和などについて話し合う。

成田市分科会、医学部新設に向け初会合(2014年12月19日日経メディカル)

 政府は12月17日、東京圏の国家戦略特区に指定されている千葉県成田市での医学部新設に関して議論する「成田市分科会」の初会合を開催した。同分科会には成田市市長の小泉一成氏、国際医療福祉大総長の矢崎義雄氏らが出席。医学部新設を目指す国際医療福祉大の新設構想「国際医療学園都市構想」が具体的に示された。

 国際医療福祉大は今回開催された成田市分科会で、医学部新設の具体的な構想を明らかにした。目的・目標として、「国際的医療人材の育成」を提示。医学部定員数140人のうち、20人を「特別国際枠」と設定し、東南アジアおよびアラブ諸国への海外研修を必修化する他、1~5年次まで毎年2~3週間程度、研修先の国の医療事情や文化を現地で調査、英語での報告会を実施することを示した。

 一般学生においても徹底した語学教育を実施する。英語による授業を積極的に導入し、英語による診療が可能なレベルまで教育。加えて、新興国の医療事業などを学ぶ国際医療保健学を3年間必修とする他、1カ月ほど東南アジア諸国などで研修を実施する。

 また、入試の時点で国際医療協力や地域医療貢献への志が高い学生を小論文や面接で選抜。世界医学教育連盟(WFME)の標準を超えた医学教育を行い、国際性に富んだカリキュラムを編成すると公表した。

 診療参加型臨床実習については、基礎臨床統合教育をコンセプトに2年間(80週)をあてる。また、外国人医師および北米などで臨床経験のある日本人医師を採用し、教育に参加させる他、世界最大級の医学教育シミュレーションセンターなども導入する。希望者に対しては海外での臨床実習が可能となる米国医師国家試験(USMLE)対策の特別授業を行い、第二外国語として国際社会で使用頻度の高い言語以外にもアジアやアラブ諸国の言語についても学習の機会を提供する。

 授業料は、私立の医学部で一番低い水準を設定。東南アジアなど海外からの留学生も受け入れる予定で、成績上位者や留学生については、授業料を減免する方針だ。

 成田市は同分科会にて、このような政府から示された「国内外の医療受給に対応した国際的な医学部」を新設するには、医学部新設の規制緩和が必要と主張。構想実現に向けて規制緩和を要望した。

 具体的には、(1)医学部新設の規制緩和、(2)成田市のある印旛保健医療圏には不足病床がないため、医学部新設に際して600床規模の附属病院を設置することに向けた病床規制に関する医療法の特例の適用、(3)外国人に対する医療サービス充実のため、二国間協定に基づく外国人医師の業務解禁、(4)EPA締結国、公文交換国以外の国についても、日本の看護師資格所有者に関しては「在留資格の認可」を認め、放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視機能訓練士、言語聴覚士などについても、「臨床修練期間の延長」を認める、(5)事業の実施区域に限定して、農地転用に係る許可権限の成田市長への移譲、農業振興地域整備計画を変更する際の協議の省略――などだ。
(略)
 この素案が示された後の記者会見で、内閣府特命担当大臣(国家戦略特別区域)の石破茂氏が「議論に長く時間を要しているので、いつまでも検討しているわけにはいかない」と発言。「成田では国際化が進んでいること、事業者(成田市)の話を聞くと医師不足を解消するものであること、医学部に入るに当たり極めて多くの資金を必要とすることを解消せねばならないなど、いろいろな観点から検討し、結論を出していかなければならないと思っている」と説明し、急速に議論が進みつつある

個人的には今さら国際化が~などと言われるとどうも眉に唾つけたくなる心境ではあるのですが、しかしこれだけ広範な省庁にまたがってのルール変更が必要になると言うのは実現性としてどうなのかで、一体誰がこういう夢見がちな計画を立てたのかと少しばかり不安視せざるを得ないですね。
ただ特区と言うものはその中でかなり好き勝手にやっていいと言う建前でやっている以上既存のルールに縛られるのもおかしな話ですし、だからこそ医学部を新たに作ってもいいと言う理屈にはなるのでしょうが、気になるのは既存の医学部とはかなりシステム的にもカリキュラム的にも異なったものになりそうだと言う点ですよね。
日本でも医療崩壊と言うことが盛んに言われた時期に「このままでは医療崩壊先進国同様、日本から海外に医師が逃散していく」と言う意見があった一方で、いや言葉の壁もあるからそんなに多くの医師流出が起こるとは思えないと言う意見もありましたが、今回医学教育レベルから外国語対応で国際化を目指すと言うのはまさしく国外逃亡仕様…もとい、国際的な活躍が期待される人材育成を行うと言うことでしょう。
興味深いのは千葉県はかねて日本でも医師不足が顕著な地域として知られていて、その医師不足地域にわざわざこんな地元定着率が低そうな医学部を新設する意図がどのあたりにあるのかと言う点なんですが、いずれにしても大学病院など医療インフラは整備されるはずですから、少なくとも現状より悪くなると言うことはないと言う計算なのでしょうか。
いずれにしても様々な意味で野心的な計画であるだけに各方面から反響もあろうかと思われるのですが、とりわけ一部医療系団体からは予想通り大変な反発の声が上がっているようです。

医学部新設、成田市構想に日医などが反対- 定員増、医師の質に疑義も(2014年12月24日CBニュース)

国家戦略特区に指定されている千葉県成田市が国際医療福祉大と連携して進めている医学部新設構想について、日本医師会(日医)と日本医学会、全国医学部長病院長会議は24日、合同記者会見を開き、人口の減少や、医学部の定員増によって毎年1000人以上の医師の就業が見込まれることなどを挙げ、「医学部新設に反対」との考えで足並みをそろえた。【新井哉】

会見で、日医の横倉義武会長は、2008年度から15年度までの入学定員の累計増員数が約1500人となっていることを踏まえ、「新設医学部の定員数を従来の100人とすると約15医学部分に相当する」と指摘。「医師数の絶対数の確保には一定のめどが付きつつある」とし、今後の環境変化や勤務医の負担軽減にも対応できるとの見通しを語った。

また、日本医学会の高久史麿会長も「質の悪い医師が増えてくるというのは、国民にとっては幸せではない」とし、増員によって医療の質が落ちることに懸念を示した。一方、今月18日に反対の姿勢を表明した全国医学部長病院長会議の甲能直幸副会長も「新設には膨大な費用がかかり、国民への負担が大きい。医療の現場に及ぼす混乱も予想される」と述べた。

成田市構想を痛烈批判、医学部長病院長会議- “国際”は「隠れみの」、対案準備も(2014年12月18日CBニュース)

全国医学部長病院長会議の荒川哲男会長(大阪市立大医学部長)らは18日に開いた記者会見で、国家戦略特区に指定されている千葉県成田市が国際医療福祉大と連携して進めている医学部新設構想を痛烈に批判した。同構想が国際的な医療人材の育成をうたっていることについて、定員140人のうち、国際性の高いカリキュラムを受講する「特別国際枠」は20人にとどまるとし、特別国際枠の構想を「隠れみの」として一般臨床医の育成を主目的にしていると批判。また、医師の地域・診療科偏在問題を解消するための「対案」を、日本医師会などと準備していることも明らかにした。【丸山紀一朗】

特区の医学部新設をめぐっては、東京圏の区域会議の下に設置された、成田市での新設を議論する分科会が17日に初会合を開いていた。全国医学部長病院長会議は、4月にも特区の医学部新設に反対する声明を発表。18日の会見では、改めて反対姿勢を示した。

政府は、特区の医学部には、「一般の臨床医の養成・確保を主たる目的とする既存の医学部等とは次元の異なる際立った特徴を有する」必要があるとしている。同会議は、成田市などはこれをクリアするために「国際的な医学部」を強調しているものの、すでに既存の医学部で国際化の取り組みはなされているなどと反論した。

会見に同席した小川彰顧問(岩手医科大理事長)は、成田市などの構想について、「本来は普通の医学部をつくりたいという意図があるが、“国際”を打ち出すことで、それを巧妙に隠している」と指摘。国際医療福祉大についても、「これまで何度も他の土地で新設構想を出しているが、そのたびに理念が異なり、ご都合主義だ」と一蹴した。さらに荒川会長は、「特区で一校でも医学部新設が認められると、他の特区からも新設の要求が出されて歯止めが利かなくなる」と危機感を示した。

まあそれが何であれ反対しない日医と言うのも想像が難しい気もしますが、基本的には先の東北での医学部新設に準じた批判に加えて国際化なる構想そのものへもあまり良い感情を抱いていない印象で、一般論として権力を握っている側は自分達の支配下にない者が増えて行く方向性での改革には反発する傾向があると言う捉え方も出来るのかも知れません。
ただ国際化を理由として医学部新設を推進すると言いながら、定員のうち国際化対応の枠はごくわずかであるのはおかしいと言うのは御指摘ごもっともと言うしかない話で、この辺りはやはり前述の医師不足地域であると言う実情を国際化対応で誤魔化しての医学部新設計画であるのは確かなんでしょうが、特区での医学部にはそれだけ特徴あるものでなければ認められないと言うルール上の制約があったと言うことですね。
そこで注目したいのは日医らがこの計画に対して「医師の地域・診療科偏在問題を解消するための」対案を用意すると言う点ですが、このような対案が「一般の臨床医の養成・確保を主たる目的とする既存の医学部等とは次元の異なる際立った特徴を有する」と言えるのかどうかと言えば、まあ普通に考えてまさしくそのような目的をまさに充足するためのものとしか受け取られようがないですよね。
深読みすれば日医としては特区という性質上認められない対案を用意することで「それなら既存の医学部で十分ですよね?」と言いたいのかも知れませんが、神奈川や千葉など医学部新設をもくろむ各地域にすればせっかく特区によって医学部新設の道が開けたように感じていたものを、余計な口出しをされても困ると言うのが正直なところなのかも知れません。

現状ですでに全国的な医学部増員の結果医師総数はかなり順調に増えてきていて、もちろんあり得ないような高齢の方々までも現役としてカウントしているのはおかしいとか、説明や書類作成など昔よりも医師の仕事自体が増えているのだから数は増えていく必要があると言った意見もあるでしょうが、現状路線のままでも少なくとも将来いずれかの時点では総数としての医師不足は解消されるだろうとは予想されているのが現状です。
ただ総数としてはそうでも地域間での偏在や診療科毎の過不足などが解消するかと言えばそうではなく、これも例の専門医制度改革や開業規制など様々な手段を絡めていずれ総数での議論から各診療科毎の議論に変わっていく時期が来ると思うのですが、この場合全国一律に同じ基準で規制しないとやれ既得権益だ、不公平だと新たなトラブルの原因にもなりかねないですよね。
そういう観点からするとあまり特殊なカリキュラムを組んでの医学教育と言うのも理念はともかく、規制をかける上では扱いが難しいところもあるのかなとも思うのですが、今回の場合千葉であれば様々なデータを駆使して東北以上に医師不足、医学部定員不足を主張するのは容易であっただろうところ、変に特区と絡めて独創的なことを言い出したが故に批判を受けているようなところもありそうです。
ただ記事からすると国の感触としても全く駄目と言うわけではなく、むしろ計画のありようによっては十分認めてもよさそうな雰囲気ではありますから、医学部新設については長年のタブーが実質解除されて今後はどこまで認めていくべきなのかと言う議論になっていきそうなんですが、そうした時代になれば乱立し過ぎた法科大学院などと同様いずれ今度はどこを潰すのかと言う議論も出てくることになるのでしょうか。

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2014年12月25日 (木)

国がすすめる安い薬が生むトラブル

昨今では国を挙げてジェネリック(後発医薬品)推進と言うことを言っていて、もちろん医療費抑制に簡単に効果が出やすいのだろうし大多数の場合それで問題ないだろうとは思うのですが、それでも同じ成分だから同じ薬なんだと言われてしまうといやそれはちょっと違うだろう…と思ってしまう先生方も多いんじゃないかと思いますが、実際にこんな調査結果が出ているようです。

後発医薬品は信頼不足が普及の妨げ(2014年12月21日NHKニュース)

医薬品の特許が切れたあとに販売される価格の安い「後発医薬品」について、日本医師会の調査で、品質や効果の面で問題があると答えた医師が半数を超え、厚生労働省は、医師の信頼を十分得られていないことが普及の妨げになっているとして、情報提供などに取り組むことにしています。

日本医師会は、ことし10月から11月にかけて、全国の診療所の医師3410人を対象に調査を行い、45%に当たる1519人から回答を得ました。
それによりますと、医薬品の特許が切れたあとに販売される価格の安い「後発医薬品」、いわゆるジェネリックについて、複数回答で尋ねたところ、副作用の面で問題があると答えたのは30%でした。
その一方で、薬の破損や変色など、品質の面で問題があると答えた医師は54%、薬の効果の面で問題があると答えた医師は50%でした。
「後発医薬品」の普及率は去年9月の段階で46.9%と欧米諸国より低くなっており、平成29年度末までに60%以上への引き上げを目指している厚生労働省は、「医師の信頼を十分得られていないことが普及の妨げになっている可能性がある」として、「後発医薬品」に関する情報提供などに取り組むことにしています。

まあうどん県あたりで何軒か食べ比べをして回るだけでも、同じ小麦粉と塩、水を使って何故これほど違ううどんが出来るのか?と誰しも感じるところでしょうが、あれを全部「同じ成分同じうどん」と言われたのでは長年修行をしうどん打ちの技を極めた名人級の職人さんの立つ瀬がなさ過ぎると言うものですよね。
とは言え実際に効果が明らかに違うと実感されるようなゾロも一部あるやなしやに噂もあるとは言え、概ね多少の違いはあれど臨床上はまあ用法用量の調節くらいで加減出来ると言うのは使う対象である人間の側のばらつきの方が薬のそれよりもずっと違うからでしょうし、仮に効果が1割劣ると言っても値段が半分ならばまあ大多数の人間はそっちでいいかと考えるものなんだろうと思います。
それだけに先発品ならまだしも後発品は勝手に薬局で相談して決めてと適当に投げっぱなしにしている先生がほとんどなんだろうと思いきや、実はこんな不思議な?ケースもあると言う症例報告があったことを紹介しておきましょう。

「後発品の銘柄処方」を認めていいのか(2014年12月19日DIオンライン)

(略)
 さて、今回の薬価収載に関する話題ではないのですが、後発品に関連して、ちょっと気になることがありました。発売前、メーカーMR氏や卸MS氏から色々な情報をもらうのですが、その中で、「A医院はXX社の後発品を『変更不可』で出すようです」という話を耳にしたのです。

 処方箋の「変更不可」の欄にチェックが付けられてくるケースは、時々あります。もちろん、様々な理由があってのことだと思うのですが、ちょっと困ったケースとして、後発品がメーカー名入りの商品名で記載され、しかも変更不可にチェックが付いている、いわゆる「後発品の銘柄処方」があります。

 この変更不可チェック欄は、そもそも「先発品から後発品に変更しないように」という医師の意思表示であって、後発品の銘柄処方に用いるというのは、ちょっと目的が違うと思うのです。もちろん、味が良い、剤形に特徴があるなど、特定の後発品を使用したくてチェックを入れるケースもあるとは思いますが、実際のところ多くの処方箋を見ていて、そのような印象を受けるケースはごくまれです。

 今回、MR・MS氏の話を総合すると、どうやらXX社は医師に対して、「当社の後発品を変更不可で出してください」という働き掛けをしているようだとのこと。これまで受けたA医院の変更不可処方箋も、そういえば全てXX社の製品についてだったと、合点がいきました。

 メーカーはもちろん、自社製品のシェア拡大を至上命題としているのでしょう。各薬局に売り込むよりも、処方元を押さえた方が確実だというのも分かりますが、こうした制度の側面を突いたプロモーションというのは感心しません。
(略)
 こうした制度の不適切な運用は、薬局の在庫負担を増やすだけでなく、医療資源の浪費にもつながります。一部のメーカーが利を得て、国民がそのツケを払うようなことは、決してあってはならないと思いますが、いかがでしょうか。

もの凄く単純な話として何が先発品で何が後発品かよく判らない場合と言うのもまあないわけではないのだろうし、先発品に何かしら思い入れがあるなら後発品であっても同様のことがあってもおかしくないとは思うのですが、書かれている内容が事実であるとすると単純にメーカー担当者が熱心であり処方医もそれに乗ってしまったと言うことなのでしょうか(まあそうまで熱心なゾロメーカーさんもそれはそれで感心と言う気もしますが)。
実際にやたらと処方にこだわりがある先生がいて、もちろんガイドラインや個人的知見など何らかの医学的な理由があって「こちらの方がより患者のためになる」と言う理由ならまあ構わないのですけれども、他の先生のかかりつけ患者がたまたま一度その先生の外来に来た瞬間に処方を変更してしまう、しかも同じ系統の薬で別に効果が違うようにも思えないとなるとなんだかなあと言う気がしてしまいます。
臨床研究での不正や疑惑が続き、昨今では製薬会社の方でも業界自主規制の強化等々で様々な縛りがあって、学会の休憩所に無料のドリンクさえなくなったとこぼしている先生もいるやに聞きますが、企業が弁当代を負担するランチョンセミナーについて学会参加者の7割があった方がいいと言い、一方で宣伝混じりの講演内容であったとしても気にしない、処方等で影響はされないと言う声が多かったと言います。
確かに企業協賛の講演会ではあからさまな宣伝スライドを出す講師先生もいらっしゃいますが、あれは宣伝戦略上むしろ逆効果なんじゃないかと言う気もする一方でスポンサーに対する配慮上の必要悪だと考えると、「こんな会社の薬は絶対処方するまい」と参加者に考えさせるくらいに露骨に扱っておいた方が変に企業との癒着を疑われずにすむと言う可能性もありますよね。

ただ面白いと思ったのが製薬会社側からの各種便宜が自主規制された結果、実は病院・医師の側においてもMRの扱いが厳しくなって訪問規制を強化する病院が多数に登っていると言う話で、もちろんこれまた余計な誤解を避けるだとか様々な理由付けはあるのでしょうが、やはり個人的に親密になっているとそれなりの有り難みもあったのか?と逆に痛くもない腹を探られることにもなりかねない話でもあるでしょう。
公的病院と私的病院でこの辺りの基準に差があるべきなのかどうかも考え方が別れるところだと思いますが、一般論として治験などに関わりのない末端の小さな私的医療機関で癒着による弊害がせいぜい処方箋の変更不可のチェックくらいなのだとすれば、個人的にメーカーさんとつながりを強化して何かしらの実益を取ると言う先生も当然にいるだろうとは思いますが、さてそれがどれほど悪いことなのかが問題ですよね。
何らかの理由から特定の先発品を指定するのが有りなら特定の後発品を指定するのも有りでなければおかしいし、あくまでも同じ成分で同じ薬だと言い張るなら銘柄を指定させることがおかしいと言う話ですが、先発品指定と違って後発品指定ならそもそも国が使用を推奨している安い薬ですから実は悪い話ではないし、特定ブランドしか置いてないので困ると言うなら薬局側にも何故その薬だけなのか?と言う説明責任はある理屈です。
実際に医薬分業と院外処方の普及もあって、メーカーさんの接待なども何かと世間の風当たりも厳しい医師から調剤薬局の方へ軸足を移しつつあると言う風の噂も聞くところなんですが、薬局にしろ安く入れてくれるメーカーがいれば親しくなっておくに越したことはないのは当然で、世間で当たり前に行われている商習慣をどこまで問題有るものと判断するのかはなかなか難しいものがありそうですね。

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2014年12月24日 (水)

産科の現状は未だ改善途上?

昨年最高裁で原告勝訴が確定した奈良県の産科医時間外労働訴訟ですが、前回勝訴した2004~2005年に続いて2006年以降についても原告勝訴の高裁判決が出たようです。

旧奈良病院の当直訴訟 二審も「全て労働時間」 産科医に割増賃金 大阪高裁(2014年12月19日産経新聞)

 県立奈良病院(現奈良県総合医療センター)の産婦人科医の当直時間帯すべてが「労働時間」に当たるかが問われた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は19日、一審奈良地裁と同様に労働時間と判断し、病院側に未払いの割増賃金など計約1280万円の支払いを命じた。

 病院側は、患者の急変など業務に携わる時間だけを割増賃金の対象としてきたが、水上敏裁判長は判決理由で「当直の全時間を通じ病院長の指揮命令下にあり、十分な休息を確保する見込みはない」と退けた。

 訴えていたのは産科医2人。2006-07年、当直勤務をそれぞれ1200時間以上こなした。

 昨年9月の一審判決は奈良県に約1900万円の支払いを命じたが、控訴審は「医師数の増員など、病院側も労働密度の低下にある程度努力している」として、付加金(制裁金)を減額した。訴訟を引き継いだ県立病院機構は「判決を精査し対応する。今後も医師の処遇改善に取り組む」とコメントした。

県立病院機構に1280万円の支払い命令- 奈良・産科医訴訟で大阪高裁(2014年12月19日CBニュース)

奈良県総合医療センター(旧県立奈良病院)の産科医2人が、同センターを運営する県立病院機構を相手取り、2006、07年分の宿日直勤務(当直勤務)の時間外割増賃金などの支払いを求めた訴訟の控訴審で、大阪高裁(水上敏裁判長)は19日、割増賃金と付加金合わせて約1280万円の支払いを命じる判決を言い渡した。【敦賀陽平】

控訴審で同機構側は、当直中の一部の業務については手当を支払っているとして、すべての時間帯で割増賃金を支給する必要はないと主張したが、高裁判決は、当直中の医師は病院の指揮命令下にあり、全時間が労働基準法上の「労働時間」に当たるとする一審判決を支持する内容となった。

同機構の榊壽右理事長は、「厚生労働省の通達の趣旨を踏まえ、宿日直制度を見直したにもかかわらず、裁判所に認められなかったのは誠に残念に思う」とコメントした。

判決は当初5月の予定だったが、県立病院の独立行政法人化に伴い、控訴人が県立病院機構に代わったことによる影響などで大幅に遅れた。

昨今のブラック企業に対する厳しい世間の目線を考えてもまあ当然かと思う結果ではあるのですが、しかし公立病院などでは医療訴訟になった場合、医師らの目からすればそんな条件で?と思うような和解や判決をあっさり受け入れている事例が目立つ印象があったのですが、今回被告側が負け戦が見えてもここまでしぶとい対応をしていると言うのも今後に対する影響がそれだけ大きいと考えているのでしょうか。
実際には奈良県だけがひどいことをしていたと言うわけでもなく、全国的にどこでも似たり寄ったりな状況があるのだと思いますが、一連の判決を受けて自主的に当直報酬を改めると言う動きが全国的にそれほど活発化しているようにも見えず、医師側からのアピールがない限りはだんまりを決め込んでいる施設も少なくないのかも知れません。
また報酬体系を改めるにしても特に公立病院であれば予算の制約もあるでしょうから、無条件に増やすだけと言うわけにはなかなかいかずどこかを削らなければならないでしょうが、例えば当直は割り増しでつけるが本給は削ってプラマイゼロ的なことをされたのでは意味がない話で、この辺りは医師の側も月々の報酬がどうなっているのかをチェックしていく必要はあるのだろうと思います。
ともかくも先日も関連学会から産科医不足に対応して特に基幹施設には多数の医師を集約化し過重労働を避けよとの提言があったように、給料だ当直代だと言う以前にまず勤務環境改善も必要だと言う話ですが、医師数が大きく増える当てがない以上はまとめて運用し交代勤務にするか、それとも需要そのものを制限するかと言った大胆な対策が必要になるのでしょうか。
さて、同じ産科にちなんだ話題と言うことでもう一つ取り上げてみたいと思いますが、先日産科無過失補償制度の運用開始後6年間の集計が公表されたと言うニュースが出ていましたが、こちらの記事から紹介してみましょう。

産科医療補償、対象事例は1126件- 運用開始後6年間で、制度運営委(2014年12月18日CBニュース)

産科医療補償制度運営委員会(委員長=小林廉毅・東大大学院教授)は18日、分娩の際に発症した重度脳性まひ児の経済的負担を補償する産科医療補償制度の運用が始まって以降、12月5日までの約6年間で計1126件を補償対象と認定したことを明らかにした。一方、補償申請を受けたものの、対象外と判断した事例は208件あったことも示した。【松村秀士】

同運営委員会は、18日に開いた会合で、これまでの補償対象件数などを集計したデータを公表。それによると、制度開始の2009年1月から今年12月5日までに、1340件を審査し、このうち1126件を補償対象と認めた。再審査が可能なケースも含めた補償対象外の事例は208件で、継続審議が必要な事例も6件あった。

補償対象外の事例のうち、対象範囲に適合しなかった理由で最も多かったのは、「在胎週数28週以上の個別審査で補償対象基準を満たさない」で、99件だった。このほか、「児の先天性要因、または新生児期の要因によって発生した脳性まひ」(36件)、「重症度の基準を満たさない」(19件)などもあった。

18日の会合では、来月からの同制度改正に向けた準備状況について、事務局が説明。具体的には、▽制度や補償申請に関するハンドブックの改訂▽分娩機関や診断協力医などへの改正の周知▽システムの改修―などを進めているとした。

ちょうど来年1月に制度改正を行うと言う話なんですが、年間200件弱と言いますと制度発足後の周知徹底の期間も含まれていることを考えても当初予想の500人以上と言う規模からはずいぶんと少ないなと言う印象ですし、実際に1000億円規模の保険料剰余金も発生していることが制度見直しの一つの大きな動機だと言いますが、それ以上に気になるのが補償対象外と認定されたケースです。
そもそも審査にかけられる症例自体が予想よりもずいぶんと少ないのですから甘めの審査をしているのかと思いきや、2割近くが審査で振り落とされていると言うのですからかなり厳しいんだなと感じるのですが、当然ながら届け出を行うに当たっては医師に相談もするでしょうから、足切りに引っかかるケースがこれだけ出ると言うのは現場医師の間で制度の対象がうまく理解されていない可能性がありますね。
ちなみに制度上の補償対象となる条件も1月の改正でもう少し広めに取られるようになったのは当然だと思いますが、せっかく届け出ても却下されたのでは関係者の失望も大きく下手をすれば新たな紛争の原因にもなりかねないですから、運用面においても少なくとも認定数が限られているうちはなるべく弾力的に行っていただければとも思うのですが、ともあれこの制度によって産科医療がどう変わったのかが気になりますよね。

そもそも医療紛争を回避するためと言う目的もあったこの制度ですが、本来の無過失補償と違って各症例を審査し(名目はともかく)実質的にはどこにどのような過失があったかチェックしていると言うのが最大の特徴であり問題点でもあって、処罰目的ではないとは言え報告書を見て大きな失敗、過失があると記載されているにも関わらず全く処罰感情を抱かずにいられるほど出来た人間もそう多くはないだろうと思います。
この辺りは昨今話題の医療事故調制度などでも議論になるところですが、興味深いのは産科補償制度にも運営委員として加わっている御高名な勝村久司氏が「これからは、この補償制度が裁判の代わりになる」と公言していると言う点で、小松秀樹先生などはこの制度が行政処分等とも連動されれば実際上憲法に禁止されている特別裁判所となり、本来司法の場において守られるべき権利が侵害される危惧を表明しています。
最終的にはもちろん現場の産科医の先生方がどのように制度を受け止め行動するかと言う点から効果を判断するしかないのですが、近年医学部定員増加に伴い順調に増えてきている総医師数に対して産科医数の増加率は未だそれを下回る状態が続いているのだそうで、今のところ必ずしも顕著な効果があったとは言えないようです。
ただ産科医が少ない、地域によっては減少傾向にさえあると危機感を持って語られる一方で、産科医一人当たりの分娩取り扱い数は横ばいないし微減なのだと言いますから、そもそも少子化の時代にあって産科医自体の需要も減っていくと言う現実がベースラインにあるべきでもあって、その上で限られた産科医をどう効率的かつ様々な意味で安全に働かせるのかと言う方法論を議論していくべきなのでしょう。

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2014年12月23日 (火)

今日のぐり:「手打ちうどん 車井戸(くるまいど)」

毎年この時期になりますと全国的に悲喜交々の愛憎劇が繰り広げられるのが世の習いですけれども、世の多くの人々に共感を覚えさせるだろうこんなムーブメントがあるのだそうです。

「カップルは自己批判せよ! リア充は爆発しろ!」 革命的非モテ同盟が渋谷で「クリスマス粉砕」デモ敢行(2014年12月21日キャリコネニュース)

クリスマスを目前に控えた12月21日午後、若者やカップルで賑わう東京・渋谷で「恋愛資本主義反対」を掲げる集団「革命的非モテ同盟(通称:革非同)」が「クリスマス粉砕デモ」を実施した。
今回参加したのは社会人や学生、ニートら25人。「クリスマス粉砕!」と書かれた横断幕を掲げ、警察官に誘導されながら渋谷の街中を30分かけて練り歩いた。

「広告代理店のせいで非モテが苦しんでいる」

参加者は拡声器を使い、「我々はモテない人々の集まりです。モテない人を不幸にするようなイベントを粉砕します」と沿道に説明。全員で
    「リア充は爆発しろ!」「カップルは自己批判せよ!」「恋愛資本主義粉砕!」
などとシュプレヒコールを上げた。
デモを主催した革非同の革命評議会議長、マークウォーター氏(39)は、「日本のクリスマスは宗教的なものでも何でもない。広告代理店が作り上げたもの」と指摘し、デモの趣旨についてこう説明する。
    「この時期になると、世の中全体がクリスマスを楽しまないといけない、カップルで過ごさないといけない、という雰囲気になる。しかしそのために、モテない人々は苦しんでいるのです。こうした強制的とも言っていいイベントに抵抗するために、粉砕デモを行なっています」
もともと革非同も、初代の代表が女性にフラれたことをきっかけに結成されたもの。クリスマス粉砕デモはバレンタイン粉砕デモ、ホワイトデー粉砕デモと同様、2006年からほぼ毎年開催しているという。

非正規雇用だけでなく「非モテ」の格差もある

キャリコネニュースは参加者にも話を聞いた。22歳、彼氏なしの女子大生は革非同のデモに参加するのは今回が3回目だといい、
    「そもそも日本人はほとんどが仏教なんだから、クリスマスは関係ないはず。クリスマスに躍らされるのではなく、一人で過ごす強さを持つべき」
と「リア充」批判を展開。デモで「非モテに愛を! 非モテに福祉を!」と叫んでいた40代童貞、非正規社員の男性も、「非モテ差別をなくすべき」と主張する。
    「結婚して家族持ちになれば、子ども手当てがもらえるが、非モテの独身者には何もない。正社員と非正規の格差だけでなく、モテと非モテの格差も解消しなければならない」
ただ、沿道から見ていた人の反応は冷ややかだった。友人と渋谷に遊びに来ていた10代の女性は、
    「クリスマスは大事なイベントなんだから、素直に楽しめばいいのに。公共の場で主張するようなことじゃない」
とデモに否定的。30代の会社員男性は「『リア充爆発しろ』とか言っている割には、みんな笑顔で楽しそうだった」と首を傾げていた。

ニコ生視聴者の4人に1人は「日本の誇り」と賞賛

デモ終了後、マークウォーター氏は参加者に対して「みんなの力で今年もクリスマスを粉砕できたと思う」とアナウンス。
    「これからクリスマスが来るけど、万が一、当日に寂しくなったら、『クリスマスはあのとき粉砕したんだ』と思い出してもらえれば。そして2月のバレンタイン粉砕デモにも、ぜひ参加してください」
と呼びかけていた。
解散後、マークウォーター氏と革非同の中心メンバーら数人は、近くの喫茶店でデモの反省会を行った。メインのコールよりも大きい声で独自の主張をする人がいたために、デモの主張が分かりにくくなったという指摘が出たほか、女性の参加者は数人の男性参加者が拡声器で卑猥な言葉を叫んでいたことを問題視。
    「デモ隊には女性もいるのだから配慮して欲しい」
と訴え、マークウォーター氏も「そうした点も含めて、次回から改善していかなければならない」などと話していた。
ちなみに、このデモの様子はニコニコ生放送でも中継された。多くの人は楽しんで見ていたようで、放送終盤に実施された視聴者アンケートでは、デモについて「気のどく」という回答が25.5%あったものの「引き続き見守りたい」が最多の27.8%。「日本の誇り」と好意的に見る人も24.0%いた。

とある調査によれば実際のクリスマスの過ごし方として「一人で過ごす(36.8%)」「仕事・アルバイト(34.4%)」「家族とクリスマスパーティ(11.2%)」と言う比率なのだそうで、いずれにしても社会的少数派が大多数を占める主流派であるかのような錯覚を抱かされてきたのは電○なりの陰謀であったと断言しても良かろうかと思いますね。
ともかくも本日はこの時期特有のイベントを皆で力強く乗り越えていくべく、世界中からクリスマスに関連した心温まるニュースを紹介していくことにしましょう。

「12月24日はカップル入店お断り」のスパゲッティ屋が話題 / Twitterユーザーの声「ここのスタッフになろうかな」(2014年12月9日Pouch)

ただいま、インターネット上で「12月24日はカップル入店お断り」のスパゲッティ屋さんが話題になっています。その理由が、めちゃめちゃ共感できるといいます。Twitterユーザーからは「ここのスタッフになりたい」などの声があがっています。
注目を集めているのは、12月5日にあるTwitterユーザーが投稿した1枚の画像。そこには、「当店スタッフへの精神的ダメージが強いため12月24日(水)はカップルの入店をお断りさせて頂きます」と書かれた張り紙が写っています。
この張り紙はどうやら、東京都八王子市にあるスパゲッティ屋さん「Pia Pia」の店先に貼りだされているもののよう。スタッフへの精神的ダメージに配慮して、クリスマスイブにカップルの入店を禁止するなんて……確かに、共感できる!
これについて、Twitterユーザーからは次のような声があがっています。

「カップル入店お断りの店?!」
「ここのスタッフになろうかなw」
「わらったw」
「昨日偶然行ってたわ~w」
「話題の店ってPiaPiaじゃねーか。昨日行ったわ」
「カップル入店お断り面白い」
「見覚えあると思ったらやっぱり京王八王子だった」
「なにこれ爆笑w」
「もうさ、クリスマスはどの店もカップル入店お断りしようよww」

毎年、クリスマスイブには街にカップルが溢れ、ひとりぼっちだとなぜか肩身の狭い思いをしちゃうものです。こういうお店が増えれば、クリスマスイブにひとりぼっちで堂々と外食ができるようになるかもしれませんね♪

何とも力づけられる方々も多いだろうその掲示は元記事の画像で参照いただければと思いますが、やはり心が健やかだからこそ顧客にも暖かく接することが出来ると言うもので、ブラック企業全盛期ですが接客業スタッフの心身の健康維持は非常に重要なんだなと再認識する思いですよね。
こちら様々な事情でその日は外に出かけることも出来ないと言う方々にもお勧め出来ると言う、なかなかに力強いアイテムが話題となっています。

クリぼっちのみんなに朗報! 物言わぬ恋人「綿嫁・綿旦那」発売!(2014年12月18日ねとらば)

 クリスマスもぼっち──略して“クリぼっち”の可能性が濃厚な人々に向け、ビーズが人形型枕「綿嫁 WY1-26」(税別8400円)、「綿旦那 WD1-27」(税別1万800円)を発売しました。うん……そうだね!! この際人間じゃなくてもいいや!!!!! メリークリスマス!!!!!!

 名前からも分かると思いますが、綿嫁は全長148センチの女性型、綿旦那は全長162センチの男性型の形状を採用。表面のカバーにはフリースを使い、中には粒綿を詰め、「リアルな抱き心地」が味わえるらしいです。リアルな抱き心地か……まずリアルを体験してみないと分かんねぇな……。

 人形にコスプレさせれば、2次元を3次元に召喚するための「依り代」としても利用可能。憧れのあのキャラクターとクリスマスを過ごしている気分に浸れるはずです。まあ、顔とかはありませんけど、そこは日頃鍛え上げた妄想力で補完しましょう!

まあ…画像を拝見する限りシチュエーションも含めてかなり強力な妄想力を必要としないでもないような気がするところなんですが、かと言ってあまりそのものズバリと言うのも生々しすぎると言うことなんでしょうか。
ちなみにクリスマスと言えばプレゼントと言う時期でもありますが、こちらなかなか難しい悩みを解決してくれるサービスの登場です。

【プレゼントに迷ったら】お相手は85歳・・・あなたなら何を贈りますか?(2014年12月18日まぐまぐニュース)

年齢に合ったプレゼントを毎日提案!

来週はいよいよクリスマス。クリスマスプレゼントをそろそろ買わないと・・・とお考えの方も多いと思います。
でも、その際に毎度毎度悩んでしまうのが、プレゼントの品選び。家族とか気心知ったる相手ならまだしも、たまに会う親戚だとか隣近所や会社の同僚へとなると、どういうモノをあげれば喜ばれるのかって、すごく迷っちゃいますよね。
例えば、あなたが85歳のお相手にプレゼントをすることになったら、どんな品を用意しますか。
そんなお悩みを持つ方に、そっと助け舟を出してくれるのが、『プレゼン人〈ぷれぜんびと〉~○○歳の君へ贈る誕生日プレゼント~』というメルマガです。
“0歳から100歳まで、年齢に合わせた誕生日プレゼントを毎日提案。”というテーマで配信されているこのメルマガ。毎回ランダムに年齢が設定され、その年齢の方へのプレゼントにピッタリ合ったアイテムが紹介される・・・といった内容となっています。
(略)
プレゼント選びに必要なのは、相手を思い遣る心と少しばかりのセンス。『プレゼン人〈ぷれぜんびと〉~○○歳の君へ贈る誕生日プレゼント~』で、プレゼントのセンスを大いに磨いてみてはいかがでしょうか?

まあこういう需要がどれほどあるのかと言う疑問もないではないのですが、ともかくも100歳まで対応と言うのは今までになかったサービスですよね。
こうしたプレゼント需要もあってクリスマス商戦花盛りですが、こちらとんでもない人もいたものだと言うニュースが出ていました。

トイザらス、全顧客のローン残金を肩代わりして去って行った謎の老婦人出現!クリスマス過ぎる(2014年12月14日DMM NEWS)

2014年12月10日、マサチューセッツ州ベリングハムにある玩具販売店・Toys“R”Us(トイザラス)にて驚くべき事件が起こった。店舗を訪れた一人の老婦人がオーナーを呼び出し、店に残っていた約150人分の顧客の未払い代金を一人で完済したのだ。その金額は約2万ドル(およそ240万円)。関係者の間では、彼女こそ本物のサンタクロースだと賞賛の声が上がっているという。

アメリカの小売店では、Layaway(レイアウェイ)と呼ばれるサービスを導入している所が少なくない。レイアウェイとは、簡単に言えば商品を分割払いで購入できるシステムのことだ。顧客は最初に頭金を払い、その後数週間~数か月間かけて残金を支払う。完済すれば、取り置きされていた商品を受け取ることができる。子供におもちゃを買ってあげたくてもあまり経済的に余裕のない家庭にとって非常に重宝するサービスだ。
今回トイザラスに現れた老婦人は、見ず知らずの顧客のレイアウェイ残金を全て一晩で完済した。オーナーが理由を尋ねると、「みんなのローンが無くなれば私も安心して寝られるもの。」と気さくに笑ったという。驚くべき経済力と優しさの持ち主である。
店舗からその知らせを聞いたご両親はマスコミの取材に対し、「最初は冗談と思ったけど、事実だと知って思わず泣きそうになってしまったわ。うちのレイアウェイ残金は50ドル(およそ6000円)だったけど、我が家にとっては大金だったもの。本当に感謝してるわ。」と語っている。

ちなみに、老婦人の情報は本人の意向で公開できないという。地元に住んでいる「リンダ」という名前の女性だと噂されているが、その詳細は不明である。
実に驚くべきニュースだが、実はアメリカではこの類の慈善活動が頻繁に行われている。ニューヨークやフロリダでも今回と同様のケースが報告されており、クリスマスの恒例イベントとなっている。
日本でもこうした活動が広まることを切に願いたいものである。
(略)

分割払いしなければならないような高額なプレゼントを子供に贈ると言うのもどうなのかとも思うのですが、このあたりは文化的背景もあって一概には言えない事なのかも知れませんよね。
最後に取り上げますのがご存知ブリからのニュースですが、いつもながら斜め上方向に逸脱しているような気がするのは気のせいでしょうか。

ヒゲ専用クリスマス飾りが発売!顔もクリスマスモードで華やかに(2014年12月14日日刊テラフォー)

もうクリスマスツリーの飾りつけは終わっただろうか?今年は、ツリーと同じく、ヒゲの飾りつけも忘れてはいけない。
最近は、ヒゲもじゃのハリウッドスターやスポーツ選手が多い。先月海外で行われた調査によれば、82%の女性が、ヒゲがある男性の方がより男らしく見えると回答している。
その流行に乗って、今年は、ヒゲ専用のクリスマスの飾りが発売されている。
せっかく伸ばしたヒゲなのだから、クリスマスらしくデコレーションして、流行の一歩先を行こうではないか!

ロンドンの広告代理店が発売しているこの商品は、実にふざけているが、真夏のクリスマスを迎えるオーストラリアからも注文が殺到し、大ヒット中だ。
「このアクセサリーは、特にイギリス人の間でとてもポピュラーになっています。予想以上の売上です。
イギリス人だけではなく、オーストラリア人、アメリカ人、ニュージーランド人、さらにはドイツ人やフランス人のお客さんも、このアクセサリーを購入しています。」
と、代理店に勤めるオリー・デームさんは話している。
1パックの中に、大ぶりの飾りが10個、小ぶりのものが4個入っている。色は様々で、1個だけヒゲに付けてもアクセントになるし、全部付けたらクリスマスらしい華やかさを演出できる。

その状況は元記事の画像を参照いただくとして、こういうものの需要がそれほどあると言うのはよほどに髭の濃い方々が多いと言うことなのでしょうか?
ともかくも目立つことだけは確実と言うこの新商品ですが、付け外しの手間ひまは相当なものになりそうですかね。

今日のぐり:「手打ちうどん 車井戸(くるまいど)」

倉敷市南部の水島地区の広い街路に面したのがこちらのお店なんですが、この一角はうどん屋とラーメン屋が何軒も並んでいますし、近隣には「百万両」「なか浦」と言った有名店にも近く、地味に激戦区ですよね。
そんな中で長年お客を集めていらっしゃる様子なのは立派なものだと思いますが、しかし見たところかなりベテランの親父さんっぽいのに妙に今風な?能書きの多いメニューだなと思っていましたら、小綺麗なHPまで開設されていると言うのにはちょっとびっくりです。
ちなみにHPでは親父さんがちょい悪な感じでつぶやかれていますけれども、実際には穏やかで気の良い方のようですからご安心いただきたいと思いますね。

メニュー的には一般店的にセットも含め一通りのものはあって、見ているとちょっと謎めいたメニューもあったり天ぷらも売りなんだそうですが、とりあえず初見として定番の冷たいぶっかけうどんを頼んでみました。
見た目はテンプレ通りと言う感じで盛りつけは綺麗に整ったものですが、うどんそのものも非常に色艶が良く丁寧に扱われたことを感じさせるうどんですよね。
メニューの記載によれば親父さん的にはうどんはコシだけでは駄目で、ツヤとコシの両方が必要と言うことなんですが、食べて見ますと確かにコシが突出しているわけでもないし、柔らかいとも硬いとも言い難いようなちょっと不思議な食感のうどんだなと言う気がします。
これに合わせているぶっかけつゆは甘みを抑えたあっさり味だと言いますが、倉敷スタイルのぶっかけとしてはあっさり過ぎて弱いのがうどんに負けてる印象で、この味であれば冷やしかけうどん的な汁だく状態の方が合うんじゃないかと感じました。
ちなみにうどん屋としては香川などのちょいと一杯と言うものと違ってそれなりにボリューム感もあるようで、この上セットメニューにすれば満腹感はかなりのものになりそうですね。

この辺りはボリュームもあって価格も安くなければ売れないと言う土地柄だそうで、こちらの場合価格的には水準で安さばかりが売りと言うわけでもないようなんですが一定の顧客が入っていると言うのは、前述の有名二店が割り切ったメニュー構成であるのに対してサイドメニュー等も含めて食事として充実させているからなのでしょうか。
しかし気さくな親父さんはともかく接遇面では時間帯的に繁忙期であったのか、レスポンスも愛想もいささかどうよ?と思うような状態なのですが、見ていますと特に混雑と言うほどでもないのにてんてこ舞いと言う様子であったのはオペレーション的にも大丈夫なのかと気になるところでした。

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2014年12月22日 (月)

近道のはずがかえって遠い場合もあります

本日の本題に入る前に、先日こういう民事訴訟が始まったと言うニュースを紹介してみましょう。

<特別支援学校>「教諭ミスで食事に窒息し障害」賠償提訴(2014年12月19日毎日新聞)

 給食を喉に詰まらせて窒息し、脳に重い障害を負ったのは給食時の安全確保が不十分だったためなどとして、福岡県久留米市の特別支援学校に通う男子生徒(16)と母親が19日、市などを相手に約1億9000万円の損害賠償を求める訴訟を、福岡地裁久留米支部に起こした。

 訴状などによると、生徒は脳性まひのため体が不自由。車椅子を使い家族が付き添ってバス通学していた。

 2012年9月、とろみを付けた流動食の給食を担任の教員に食べさせてもらっていたところ、食事を喉に詰まらせて窒息、一時心肺停止になった。病院に運ばれて一命は取り留めたが、家族との意思疎通や自発呼吸ができない寝たきりになったという。

 原告側は「教諭の食事介助の仕方が不適切で窒息した」と主張。市側は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。【林壮一郎】

全くもって大変な不幸であるとしか言えない不幸な事故なのですが、実際の食事介助の様子がどのようなものであったんか何とも言えないためあくまでも一般論となりますが、この種の訴訟全般が非常に難しい問題をはらんでいるものであることは、ひと頃の医療訴訟頻発がどのような結果をもたらしたかと言うことを振り返っても感じるところではないかと言う気がします。
医療・介護の現場においては嚥下障害のある患者に対してリスクを敢えて負わないと言うことがかなり一般化してきている側面があって、まだ食べられる能力が残っていても肺炎が怖いからと経管栄養にする、あるいは経鼻胃管では対応出来ないと胃瘻患者しか受け入れないと言った場合も少なくなく、リスクマネージメントとしては当然の対応だとしても患者にとってベストなのかと言えば議論の別れるところだと思います。
また何らかの介護を必要とする学童の受け入れに関しては一般学校への進学を希望して拒否されると言うケースがしばしば話題になりますが、設備やマンパワーの問題に加えてこうした訴訟リスクも込みで考えるとやはり無理は出来ないと考えるのも無理からぬところで、この辺り万全の対策を求めると言う一見当たり前の要求が回り回ってかえって当事者の不利益にもなりかねないと言う難しさがありますよね。
それでも日本においては世界的に見てもまだしも恵まれている方であり、世界的には何かしら普通でない人間は社会からハブられて当たり前だと言う考えも未だに根強く残っているところがあって、特に感染症患者などは先日のエボラ騒動においても悲惨な事例が散見されたように集団防衛のためにと排除されるのはやむなしとされているようなんですが、お隣中国でもこんな騒動があったそうです。

HIV陽性の8歳少年を追放せよ、村民200人が署名 中国(2014年12月18日AFP)

【12月18日 AFP】中国南西部、四川(Sichuan)省の村の住民200人が、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した8歳の少年を追放する嘆願書に署名したことが明らかになり、中国のインターネットでは18日、多くの批判や議論が飛び交った
 中国国営英字紙・環球時報(Global Times)によると、少年の保護者だった祖父も、「村人の健康を守るために」少年を追放する合意文書に署名したという。

 同紙によれば少年は2011年に軽いけがを治療した際にHIV陽性と診断された。母子感染だったという。
 これまでの報道によると、中国メディアで「クンクン」という仮名で呼ばれているこの少年は、地元の学校への進学を拒否され、住民からは接触を避けられていた
 17日付の中国共産党機関紙・人民日報(People's Daily)の電子版によれば、クンクン君は「誰も(ぼくと)遊ばない。ぼくは一人で遊んでる」と話していた。また、クンクン君は追放嘆願書の中で「時限爆弾」と表現されていた。
 村の共産党代表者は、「村人は彼に同情している。彼は無実だ。それに小さな子どもだ」と人民日報に語った。「だがHIVとエイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)は恐ろしすぎる
 環球時報によると、少年の母親は2006年に家族のもとから去ったという。父親は、クンクン君がHIV陽性と診断されて以降、連絡が取れなくなった

■「無知とパニック」ネットユーザーらが批判

 中国のマイクロブログ「新浪微博(Sina Weibo)」では、この話題が18日午前中に大きく注目され、活発な議論が交わされた。多くの人は少年に対する冷酷な扱いに憤りを感じていた
「どうして少年は情け容赦なく放置されたのか。少年に不公平だ」とあるユーザーは問いかけた。
中国国民に十分な教育を施せていない結果がこれだ。それで無知とパニックが起きる」と別のユーザーは嘆いた。
 中国国家衛生計画出産委員会(National Health and Family Planning Commission)は今月、今年10月末までの統計として、国内で初めてHIVへの感染例が確認された1985年以降、HIVへの感染またはエイズの発症を診断された例は49万7000人に上ると発表した。
 中国ではHIV/AIDSへの偏見は学校や病院、職場などで今もなお残っており、専門家らはそのことがHIVの診断と治療の弊害になっていると指摘している。

これまた色々と考えられる話ですし、当の中国においてすら大多数の国民から批判が集中するケースであることも確かなんですが、それでも小さな共同体で200人が少年追放の嘆願書に署名していると言う事実は重く受け止めなければならないでしょうし、HIVの感染力は非常に弱くて日常生活では感染しません云々と言った「正しい教育」によってこれが変わり得るものなのかどうかです。
もちろん日本で同様の署名活動が繰り広げられたとすればそれを行った側の方が圧倒的な批判にさらされるだろうと思いますが、例えば先年の原発事故後今も続く一部地域産物に対する世間の扱い方などを見ても、必ずしも科学的事実だけによらない排除の理論が働いているように見えることはままありますよね。
先日は山形県酒田市で市長が咽頭癌の手術を受け人口声帯になった、すると市議会の一部会派から「声が聞き取りづらい」と辞職勧告を出す動きがあったと言うびっくりニュースが報じられていて、結局他会派がそこまでせずとも良いと(当然ながら)反対したため見送られたそうですが、言い出した当事者の側では障害者差別だとかそういうつもりではなかったと困惑気味であったと言います。
この種の排除の理論の厄介なところは大抵の場合そこに一部の理が含まれていると言うことで、議会によっては代読での発言は認められていないそうですから声が聞き取れなければ運営に支障を来すだろう?と言われればまあそれはその通りだろうなとは思うのですが、それならさしたる意味がなさそうに思えるルールの方をこの際と改めればいいのでは?と言う気もするところでもありますよね。

近年ではある程度公共性のある場所で新しく整備されるトイレはまず大抵は洋式で、しかも手すりやスペースなどある程度身障者にも対応出来る作りになっているケースが多いですけれども、障害者でなくてもちょっとした怪我や足腰が弱っている人間などにとっても広々とした身障者仕様のトイレの方が楽なのは確かで、今の子供などは昔ながらの和式トイレの使い方が判らないと言う子も多いと言いますね。
ただもともと大勢が使う場所で和式トイレが多かったと言うのは床や壁を防水構造にしておけば全体に放水してブラシで簡単に洗えるからと言う現実的な理由もあったのだそうですし、今も誰が座ったか判らない便座に一緒に座るのは抵抗があると言う人はそれなりにいるようですから、これまた単なる意地悪でやっているわけではなくそれなりに理由はあってしていることだとは言えると思います。
そう考えると世の中何であれかくあるべしと言う考え方は確かにあるのだけれども、それに対して別のかくあるべしと言う考えもまた存在していてこれが絶対的に正しいと言う唯一の正解は見いだしがたい、特に今の時代のようにごく一部から発せられた声であっても大きく取り上げられ一生懸命対応するのが当たり前のようになっている時代になれば、むしろ結果だけを見れば「何故そうなった?」と思うような話は今後かえって増えていく可能性すらあるでしょう。
様々な考え方が存在することを受けて社会の方ではそれなりに収まるべきところに収まっていくとすれば、主張すべき内容の正しさばかりを追求するのではなく、何をどんなふうに主張した方がより良い結果に近づけるのかと言う考えでアプローチをしていった方が、かえって目的達成上の近道になるんじゃないかと感じることもあるのですが、そういう考え方はしばしば目的を同じくするはずの側から批判を受ける傾向にあるような気がします。

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2014年12月21日 (日)

今日のぐり:「一番らーめん Pモール藤田店」

先日ちょっと面白い動画が出ていたのですが、こちら御覧になりましたでしょうか。

「いしやきいも~おい~も~」の歌をソプラノ歌手が本気で熱唱するとどうなるか?(2014年12月16日AOLニュース)

日本人ならおそらく誰もが一度は耳にしたことがあるに違いない、あの「いしや~きいも~♪」のメロディを、まさかのソプラノボイスで熱唱、しかも超・高音質!という動画が見る者を魅了している。

冬の風物詩である石焼芋屋さんをバックに、ソプラノ歌手の松原凛子が「いしやきいも~♪おい~も~」と澄み切った歌声で歌い上げるシーンから始まるこの動画。

屋台のスピーカーが突然故障し、困り果てた石焼芋屋さんに気づいた若者が、auのスマホ「isai VL」を取り出し、30人同時通話が可能な"ボイスパーティー"機能でアカペラグループのメンバーを呼び出す。集まったメンバーたちが、「おいもッ、おいもッ♪」と歌い出し、そこにどこからか現れた松原ののびやかな高音が重なり、盛大な石焼芋ソングが歌い上げられて――。

【動画】http://youtu.be/iPdLkGMAPSc

なんとも意表を突いたこの動画、ついついリピート再生してしまう人も出てきそうだ。

まあ元ネタからするともはや全く別物ではあるんですが、これはこれでなにか観ていて愉快になる動画ですよね。
本日は思いがけない演出で人々を魅了した歌手の皆さんに敬意を表して、世界中からあらら、それをそうしちゃうのか…と言うアレンジの妙を伝える話題を取り上げてみましょう。

神奈川県警が制作する「タッチ」の替え歌「街角デンジャラス」にニヤニヤが止まらない…(2014年12月16日トゥキャッチ)

 近年激増するひったくり事件を防止しようと、神奈川県警がこんなキャンペーンソングを制作していたのをご存じだろうか?

 こちらの歌は、あの人気アニメ「タッチ」の替え歌で、「街角デンジャラス」。ひったくり犯罪についての注意を啓蒙する歌だ。

 上記の動画で歌っているのはフリーアナウンサーとしても活躍する宮下敏子さん。

 ちなみに神奈川県警では、小林亜星作曲の「ふりむかないで」の替え歌である「振り込まないで」というキャンペーンソングもリリースしている。

 犯罪が増加する年末。これらの歌を聞いて防犯意識を今一度高めよう!

てっきり婦警さんかと思ったらこれはコスプレイベントでもあるのか?と言う話なんですが、この何とも言い難い振り付けボーカルと言い歌の内容と言い評価が難しいと言う気がします。
こちらも音楽動画ネタと言うことで紹介させていただきますが、こういうものはやはり大まじめにやらなければならないのでしょうね。

指揮棒が途中でライトセーバーに……海外交響楽団による『笑ってはいけない演奏会』動画が話題(2014年12月8日おたくま経済新聞)

SF映画の金字塔『スター・ウォーズ』の映画音楽、『帝国のマーチ(ダース・ベイダーのテーマ)』を演奏した、バンクーバー交響楽団の動画がネットで話題になっています。

前半は普通に指揮する指揮者(Bramwell Tovey氏)。しかし後半になると突然「ゴソゴソ」何やら取り出してきます。次の瞬間振り上げたのは?指揮棒じゃなくライトセーバー!!
指揮棒をライトセーバーに持ち替え、右に左にと振り回します。
兎に角やりたい放題で挙げ句の果てには、ライトセーバーをバイオリンの弓に見立てエア演奏までする始末。

▼動画
http://youtu.be/xPK3IJBiTDs

その姿を目の前にした奏者の皆さんは、指揮者を見ないよう楽譜に目を落としてしまいます。
ただ、トロンボーンの方は一段高いところに座っているので、嫌でも目があってしまう様子。顔をゆがめながら苦しそうに演奏続行……。

この動画は2012年に投稿されたものですが、最近ネットで再び注目されるようになり、日本のユーザーからは「笑ってはいけない演奏会」と呼ばれています。

一体誰の趣味なんだ?と言う企画なんですが、こういうものも好きな人にはたまらない系のイベントではあるのでしょうかね?
近年すっかり人気が定着した感もある?深海生物ネタですが、最近ではその新たな利用法も探られているようです。

オオグソクムシ姿焼入りおせち、数量限定で“深海魚おせち”発売。(2014年12月17日ナリナリドットコム)

Age Global Networksは12月17日、オンラインショップ「CLION MARKET(クリオンマーケット)」において、数量限定で「焼津 長兼丸 深海魚おせち」の予約受付を開始した。価格は21,600円(税込み)で、予約受付は12月25日(木)17時まで。

この「焼津 長兼丸 深海魚おせち」は、テレビやインターネットなどで大きな注目をあつめた“深海魚”が味わえる特別なおせち。一の重のメインは、オリジナルグッズなども発売されて話題を集めた日本最大の等脚類「オオグソクムシ」だ。「オオグソクムシ」2匹をそのままの姿で焼き上げた逸品は、ビジュアルのインパクトも抜群……。

また、おせち料理に欠かせない蒲鉾、伊達巻には、さっぱりとした味わいが食べやすいと根強いファンも多い“深海鮫”を贅沢に使用している。

これらの2つの食材を水揚げしたのは、深海魚のプロとして数々のメディアにも出演している、深海魚専門の漁師、長兼丸(ちょうかねまる)の長谷川久志さん・一孝さん親子。そのほかにも、深海魚の真丈や、底黒タラ、バイ貝、金目鯛など、まさに“深海魚の宝石箱”と言えるラインアップを取り揃えている。

そして、ニの重には黒豆や栗きんとん、数の子、昆布しめなど、縁起のよいおせち料理のいわれを大切にした品々。三の重には、イクラやズワイガニなどの具材をたっぷりと使い、紅白はす甘酢の色合いが目にも鮮やかなボリューム満点の特製ちらし寿司を加え、深海魚以外の品々も充実した、豪華な三段重に仕上がっている。

画像の方は自己責任で閲覧いただきたいですが、まあでかいシャコみたいなものと言えなくもないのでしょうかね?
最近では除草するヤギと言うものが老若男女を問わず大人気なんだそうですが、何故そうなった?と言うニュースを紹介してみましょう。

窃盗容疑:除草ヤギ、食べられていた…ベトナム人を逮捕(2014年12月4日毎日新聞)

 岐阜県美濃加茂市の里山で「ヤギの除草隊」として活躍し、人気だったヤギを盗んだとして、県警関署などは4日、愛知県春日井市牛山町、無職、レ・テ・ロック容疑者(30)らベトナム人の男3人を窃盗容疑で逮捕。レ容疑者ら2人は「解体して食べた」と供述し、1人は否認している。

 容疑は8月9日夕から10日朝にかけ、美濃加茂市山之上町の岐阜大の研究用農場からヤギ2匹(計約7万円相当)を盗んだとしている。

 盗まれたのは、除草費用削減のため同市が手がける「ヤギの除草隊」約20匹のうちの2匹。首輪二つが残されているのを飼育していた岐阜大職員が見つけ、盗難の被害届を出していた。

 食べられたと聞いた市土木課の除草隊担当、酒向一也さん(37)は「触れ合いを楽しんでいた子供たちもショックだろう」と残念がった。岐阜大応用生物科学部の八代田真人准教授(42)は「文化の違いもあり、家畜には食材としての役割もあるので割り切るしかない。ただ、他人のヤギを盗むのは許せない」と話した。【野村阿悠子、小林哲夫】

いやまあ、確かに本来食材として活用されるべき生き物ではあるのですが、しかしこれを窃盗容疑と言われると何かしら違う気がしないでもありませんね。
アメコミと言えば誰しもああいうものと想像したくなる画風で確固たる歴史と伝統がありますが、こちらどうもそれは違うんじゃないかと言いたくなる新作が話題だそうです。

世界の萌え化が止まらない…… アメリカ版「ふしぎの国のアリス」があまりにもかわいすぎてネット騒然(2014年12月11日ねとらば)

 ネット上で、アメリカで出版された「ふしぎの国のアリス」の挿絵がかわいすぎると評判です。アメリカのアリスといえばディズニー版をイメージしますが、話題になっているアリスは日本アニメ風テイスト。
 どうしてもアメリカの「CUTE」は、日本アニメの「KAWAII」とギャップがあると思われがちなため、このアリスは衝撃的。挿絵も日本のマンガタッチで、ネットでは「これ日本人が描いたんでしょ?」「本当にアメリカなのこれ?」との声も。

 イラストを手がけているのはKriss Sisonさん。フィリピン人で、これまでも数多くのペーパーバックで、日本アニメタッチのイラストを手がけています。また、日本のソーシャルゲーム「ギャングロード 不良道」にも、多くのイラストを提供しています。
 Krissさんは日本のアニメ文化に非常に詳しいようで、数多くの日本のアニメ・マンガ・ボーカロイドイラストをネットにアップしています。どれもこれも非常に日本的でかわいい。これを起用してアリスに合わせたアメリカの出版社は大胆ですね。
 もっとイラストが見たい人は作者のpixivや過去イラストページを見るといいでしょう。

 日本で発売されたのは2014年8月19日です。しかし話題になってから、一気に買う人が増え、現在ではAmazon.co.jpのペーパーバック売上1位になっています。「Alice's Adventures in Wonderland and Through the Looking Glass」はさまざまなバージョンがあるので、Kriss Sison版アリスが欲しい人は買う際にはご注意ください。

その状況は画像を参照いただければ一目瞭然なんですが、ディープなアメコミマニアでなくともいやこれは違う、何かが違うと言いたくなるようには思いますね。
駐車マナー向上と言えば世界的にどこでも課題となるものなのでしょうが、こちら画期的?とも言える対策が登場したと話題になっています。

重慶のホテルに「金持ちの2代目」専用の駐車スペース、「オネエ」や「ロリコン」用も―香港メディア(2014年11月20日FOCUS-ASIA)

中国・重慶市にあるワイナリーのホテル敷地内に、「富二代(金持ちの2代目)」や「大哥(アニキ)」などと書かれた駐車スペースが登場した。20日付で香港メディア・東網が伝えた。

登場したのは「富二代」や「大哥」のほか、「御姐(オネエ)」「蘿莉(ロリコン)」など全部で30種類以上。ホテル側によると、人目を引く色彩でネット用語を書き込むことで、利用者にところ構わず駐車しないよう促すのが目的。駐車スペース内に正しく駐車してもらい、秩序正しい駐車場にしたいとしている。

元記事の画像を見ると利用者も困惑しきりだと思われるのですが、とりあえずどこに停めるべきなのかと言う点でひどく迷いが出そうですよね。
最後に取り上げますのはご存知ブリからの話題なのですが、当局からとんでもない行政処分が下されたと騒ぎになっているようです。

ケンタッキーフライドチキンに「チキンを調理してはいけない」との行政処分が下される…イギリス(2014年12月16日らばQ)

イギリスは建築物の保存や景観などの規制が厳しい国のひとつですが、商業用の店舗に対しても厳しいルールが適用されるようです。
ヨークシャーにあるケンタッキーフライドチキンの店舗では、なんと「チキンを調理してはいけない」と、行政からお達しが出たそうです。

ノースヨークシャーにあるこちらの店舗は、オープン以来、行列ができるほどの人気店となっていました。
ところが近隣から音とにおいの苦情が出たことから、行政による立ち入り調査を受けることになったそうです。
その結果、ドリンクやアイスクリームは提供してよいものの、換気扇やノイズの問題を解決しない限り、チキンの調理は許可しないと通告されたのです。
問題を解決するまでの暫定的な処分とはいえ、ケンタッキーフライドチキンの看板を掲げながら、肝心のチキンを買えないという異常事態となりました。

当然ながら、経営者側は「これでは客をがっかりさせてしまう」と判断し、苦渋の決断として店舗を引っ越すことにしたそうです。
直接的な閉鎖命令を下されたわけではありませんが、ケンタッキーフライドチキンでありながら、チキンが注文できない状況になるとは驚きですね。
さすがは建造物の処遇に厳しいお国柄といったところでしょうか。

とりあえず揚げ物不可ではなくチキン調理不可だと言うことですから、当面伝統的なフィッシュアンドチップスにでも商売替えすればよかったのかも知れませんが、これがブリ流追い出しテクニックなんでしょうか。
しかしブリ当局的にはうまくやったとドヤ顔なのかも知れませんが、諸外国においてはこういう手法は単なる嫌がらせとどう区別をつけるべきか悩む必要がありそうです。

今日のぐり:「一番らーめん Pモール藤田店」

岡山市街地から南に下っていった一面の田園地帯の中に位置する、こちら郊外型ショッピングモールのフードコーナーに位置するラーメン屋です。
この手の店と言えば一昔前はいかにも安っぽい作りでしたが最近は結構おしゃれな店舗が並んでいたりもして、客層を見ても昭和の時代のデパート大食堂の現代版なのか?と言う気もするでしょうか。

ちなみに割合にありきたりな野菜ラーメンにカツ丼セットを頼んで見ましたが、このラーメン屋にカツ丼(多くはデミカツ丼)と言う取り合わせは岡山以外ではまず見られないものでもありますよね。
ラーメンの方は塩ベースで盛りつけはこぎれいなんですが、味はまあ見た目通りフードコーナーのラーメンだなと言う感じで、強いて言えば自家製麺をうたう麺は硬めの茹で加減で意外とまあまあでしょうか。
トッピングは薄切りの味付けバラ肉がチャーシューかわりに使われているのがちょっと珍しいくらいですが、ただ肝心の野菜が少ないのがちょっと残念ですかね。
サイドメニューのデミカツ丼は岡山ではラーメン屋のお約束的に扱われている歴史的経緯がありますが、こちら見た目小ぶりの丼でも意外に量も多いようで、脂も強いですからこれ以上はむしろきついくらいですね。
ただもともとスープが弱いせいもあるのでしょうが、ラーメンスープの風味を残すラーメン屋のデミカツ丼と言うよりは普通の洋食屋っぽいソースの味なんですが、あるいはお隣のハンバーグ屋と共用しているのでしょうか?

全般的に味は見た目通りと言うところなんですが、周囲の他店も特に市中店より安いわけでもなくコスパ的には微妙な感じですから、いわゆるイートイン方式の隣のパン屋が一番繁盛しているのは判る気がします。
接遇面ではこれもまあフードコーナーなりですが、わりと新しそうな店舗なのに店員さんが妙に大ベテラン?揃いなのが面白いなと思いますね。
ちなみにモールのど真ん中でATMや立派なトイレもすぐ近くにあり待ち合わせには便利そうなんですが、時間帯によっては混み合うこともあるようですので席は譲りあって利用いただきたいところです。

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2014年12月20日 (土)

医療・介護の世界から有資格者が続々流出中?

先日こういう小さな記事が出ていたことを御覧になりましたでしょうか。

市民病院の看護師、無許可で宴席コンパニオン(2014年12月13日読売新聞)

 愛知県豊橋市は12日、市民病院の女性看護師(21)と教育部の労務職男性主事(44)を同日付で懲戒処分にしたと発表した。

 看護師は4月から9月までに4回、無許可で宴席のコンパニオンとして働き、計3万4000円のアルバイト収入を得ていた。また、このことを自分のツイッターに掲載し、市民から市民病院に苦情のメールが寄せられた。無許可アルバイトと、ツイッター掲載で公務員としての信用を失墜させたことが、地方公務員法に違反したとされた。処分は減給10分の1(1か月)。

 男性主事は8月24日、休日にマイカーを運転して同市内の交差点に赤信号で進入。乗用車にぶつかり、相手の男性に1週間のけがをさせたとして、豊橋簡裁で罰金20万円の略式命令を受けた。処分は戒告。

まあ新聞沙汰になるほどのニュースなのか?と言えば微妙な気がしないでもないのですが、公務員の場合こうした処分は厳しめに扱われるのが世の常ではありますし、特に昨今うかつなつぶやきは大きな炎上騒動にもつながりかねないご時世ですから、きっちり処分をしたと公表していくことがその芽を摘むことになるのかも知れませんね。
とは言え、ここで注目いただきたいのはつぶやきがどうこうと言うよりも看護師が宴会のコンパニオンとして働いていたと言うことの方で、もちろん公務員は原則的に兼業禁止と言う一般的ルールがあるとは言え、過去にも看護師の夜の副業と言うものは何度も報じられているし、また実際にそうしたお店に行きますと現役とそうでないとを問わず看護師資格所持者と言うものが昔から案外に多いものですよね。
看護師の離職率がこれだけ高いことを見ても何かしら生活の糧を得る手段は必要だろうし、何かと手のかかる患者さんの看護が出来るくらいなら酔っ払いの相手くらい軽く出来そうだと言う意見もあるでしょうが、ただ現役看護師ですらこうした副業に手を染める背景として単純に給料が安いだとか、労働に対して十分報われていないと感じている人が多いと言う事情もありそうです。
全国的な看護師の離職傾向や例の7対1看護基準の導入なども関係する看護師不足傾向もあって、次第にこの辺りの労働環境改善も進んでいるとか環境のいい職場でないと人が集まらないと言った状況にはなってきているようですが、せっかくの有資格者が現場を離れ転職していくのは看護師ばかりではなさそうだと言う記事が先日出ていました。

介護士や保育士が、キャバクラ嬢になる理由(2014年11月7日J-CASTニュース)

 介護職員や保育を担う人材が不足しているというニュースは、よく耳にします。今回は、そんな福祉系の現場と、「キャバクラ」で働く女性たちが、一部重なっているというお話です。なぜ、若い女性たちは、介護士や保育士を辞めて、キャバクラで働くのか?掘り下げると、根深い問題が潜んでいることに気付かされるのです。

ずっと子供を見て「気を張っている」感じ

   拙著『キャバ嬢の社会学』(2014年2月)の元となる論文を書くため、キャバ嬢たちにインタビューした際、「保育士を辞めて、キャバ嬢になった」という女性がいました(仮に、真奈美さんとします)。その理由は、保育士の仕事が、やりがいはありつつも、あまりにハードワークだったからだそうです。
   「勤務時間中、ずっと子供を見て『気を張っている』感じ。『休憩』って言っても、ずっと掃除や作業に追われている。お昼ご飯も、子供と一緒に食べるから、息抜きはできない。何というか、自分を守ってくれるものが何もないんですよね」(真奈美さん)
   「自分を守ってくれるものがない」とは、どういうことか聞いてみると、子どもの命を預かる「責任」が重すぎるという意味のようでした。
   それに比べて、「大人の男性」相手のキャバクラは、責任感が「まだ軽い」し、「勤務中に『息抜き』の時間が取れるのも大きい」(真奈美さん)。私も、キャバクラに勤務してみて感じたのですが、指名が取れて、気の合うお客さんとおしゃべりしている間は、ある意味『楽しい』のです。繁忙期でなければ、一息つく時間もあります。夜遅くまでの仕事も、慣れれば何とかなるもの。真奈美さんは、「保育士と違って、残業もないから、キャバクラの方がむしろ、時間には『きっちり』してると思う」とまで言っていました。
   同じように人を世話するなら、より多くのお金が貰える方がいい......と言えば、身も蓋もないかもしれません。しかし、子供の命を預かり、責任が重い保育士の仕事に見合う賃金が得られないことが、彼女をキャバクラ嬢に転身させた理由なのは確かです。

キャバ嬢を辞めた後、福祉の仕事に就いてもらえるか

   福祉系の仕事をする若い女性の一部が、キャバ嬢になっているという事実は、三浦展氏の『女はなぜ、キャバクラ嬢になりたいのか?』(光文社新書)、『ニッポン若者論』(筑摩書房)などでも、指摘されています。
   先日、念願叶って、三浦氏と対談をさせて頂く機会があったのですが、福祉の仕事と「風俗産業」の共通点というお話になりました。
   キャバクラで、酔っ払った男性の話を聞くのも、保育園で子供の面倒を見るのも、介護施設でお年寄りの世話をするのも、本質的には「ケア労働」であり、「感情労働」です。
   ただ、現状では、「介護士を辞めてキャバ嬢になる」人はいても、「キャバ嬢を辞めた後、資格を取って介護士になる」人は、あまりいないようです。キャバ嬢を専業にしている女性の多くは、30歳近くなると、ネイルアーティストなど美容系を目指したり、専業主婦になりたいと願ったりするパターンが多いのです。
   三浦氏は、「公然とはできないが、若い女性がキャバクラ卒業後、福祉系に移行できるようなシステムを作るべきだ」と仰っていました。対人コミュニケーション能力に長けた彼女たちは、福祉系の現場でも活躍できるはずだからです。
   先の真奈美さんは、保育士の資格を活かして、「キャバ嬢を辞めたら、また昼の仕事に戻ると思う」と話していました。しかし、経済的な不安があるようで、「でも、保育士はお給料が低くて、1人では生活していけない。なるべく早く、誰かと結婚しなきゃ......」とも。
   現状では、資格を持っている真奈美さんのような女性でも、福祉職で経済的に自立できるかどうかは、微妙なところ。「キャバクラ卒業後の福祉系への移行」を促すためには、介護士や保育士の賃金を(キャバクラ並みとまでは言わないまでも)、せめて他の正社員と同じような水準まで、引き上げる必要がありそうです。(北条かや)

ちなみにこうした転職傾向は医療・介護など福祉系の現場だけではなく全職種であり得る話であるようで、長引く所得の低迷の中で伝統的に賃金の低い女性労働者の貧困がとりわけ深刻化し社会問題にもなりつつあると言うのですが、親元から手近な職場に通っていずれ専業主婦に収まると言うかつてはほとんど当然視されていた女性の人生設計ですら、近ごろでは勝ち組だとうらやまれるそうですね。
当たり前が当たり前でなくなったと言えば先日「サザエさん一家は理想的な家庭か?」と言う女性への質問に何と8割がそう思わないと答えたと言う記事が出ていたのですが、三世代同居もさすがにもはや一般的でないだろうと言った話ならまだしもなんですが、「高学歴な男が二人も働いていて年収も高そう」「おやつもご飯もいつも完璧であこがれる」などと言われるとああ、今の時代はそうなのねともの悲しくなってきますでしょうか。
余計な話はともかく、この記事ではせっかくの有資格者が夜の仕事に走ることを否定的に記載しているのではないことは注目すべき点で、若いうちはそれでやっていくにしてもその後の人生で介護の世界に戻ってくるかどうかだと言うのはごもっともな意見だと思いますが、実際に介護の現場を見てもごく普通の中高年のおばちゃん達が主力であると言う点では、一般企業よりも女性にとっては有利な点だと言う言い方は出来るかも知れません。
ただそうではあってもきちんと自立して食べていけるだけの収入が確保されていると言うのが大前提であって、旦那が働いているがちょっと足りないから私も働こうと言う共働き主婦にしか務まらないような低賃金では男女を問わず、この道一本で家族も養い食べていこうと言うやる気のある人間にとってこそ仕事を続けにくい職場だと言うことになってしまいますよね。

福祉関連のコスト抑制に絡んで折から介護報酬の切り下げが話題になっていて、事業者自体は儲かっているのだしスタッフ報酬は削らないのだから3%くらいは削減出来るだろうと言う話なんですが、かつての医療費削減政策が現場の医師らにどのような影響を及ぼしたのかを考えても、現状でさえ安月給重労働と言われるスタッフの士気は変わらず保たれるだろうと考える方がどうなんだろうと言う気がします。
これも公費支出の減る国にしろ、自己負担分の減る利用者にしろ別に直接的には悪い話ではない理屈なんですが、現場から離職者が相次ぎ介護崩壊と言われるような状況が来て初めて国民にもネガティブな面が体感出来るようになるのだとすれば、その頃には介護現場がどのような惨状を呈しているのか、果たしてそこから立て直すにはどれほどの手間ひまとコストがかかるのかと心配にはなってきますよね。
それでもこういう時代ですから好き放題やってもいざとなればいつでも介護に戻れるんだからいいじゃないか、やはり国家資格持ちは恵まれてるなと言う視点も存在し得るんだろうと思うし、そう言う方々こそ是非介護の世界に続々と参入いただければお互い助かるんだろうと思うんですが、しかしこういう記事を見ていると医師と言う人種はよほどに潰しが利かないんだなとは感じますでしょうか。

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2014年12月19日 (金)

扱いの難しいものの扱い方についての話題

本日の本題に入る前に、先日こういう記事が出ていたことをご存知でしょうか。

銃許可の規制緩和=診断書、かかりつけ医も-佐世保乱射で限定・警察庁(2014年12月11日時事ドットコム)

 銃所持の許可や更新を受ける際に提出する医師の診断書について、警察庁は11日、精神科医に限定している現行の規制を緩和し、かかりつけ医も認めることを決めた。2007年に長崎県佐世保市で8人が死傷した散弾銃乱射事件を受けた銃刀法の改正で強化された規制だが、鳥獣駆除に携わる人の負担軽減策として、大日本猟友会や自民党の議員連盟が緩和を求めていた。

 警察庁は関連する規則の改正案を公表。12日から30日間、一般の意見を募集した上で来年3月に施行する予定だ。

薬物中毒かどうかなど医師の診断を必要とする資格は登録販売者や調理師など少なからずあって、資格を取った人にしても一体そんな診断書をどこで書いてもらうべきか?と悩ましいところなのでしょうが、書く側にしてもいきなり目の前にやってきた人に「問題ないと診断書を書いてください」等々と言われてもちょっとどうしたものかと迷わしいものがありますよね。
特に近年ではてんかん患者による交通事故多発などにより運転免許においても意識消失発作の可能性がある疾患について規制が強化されているわけですが、病気の管理が十分でない患者が事故を起こした場合担当医の責任が問われるかと言う問題が議論されていたように、医学的にお墨付きを与えると言う行為は何かあった場合に一定の責任をも覚悟する必要があると言えそうです。
この点でようやく利用現場も危機意識が芽生えてきているのか、この種の診断書作成に当たっては顧問弁護士と相談し病院独自の但し書きをつけている施設もあるようですが、特に銃刀法の場合精神科での診断書が必要なせいか、警視庁のHPにすら「依頼により必ず診断書を作成してくれるものではありません」「複数回通院して診断を受けなければ診断書を取得できない場合もあります」等と書かれている始末です。
この場合問題視される方々と言うのは日頃から親しく接しているかかりつけの方が承知していることだろうし、厳密な医学的診断よりも専門外であっても常識的判断が行われればそれでいいと言うことなのでしょうが、精神科の先生が医学的に厳密な対応をし過ぎるものだからかかりつけ医にしかるべき(あるいはまあ、なあなあと言っていいのかも知れませんが)対応をしていただきたいと言う気持ちも見え隠れしているようですね。
近年ハンターの高齢化と減少に歯止めがかからず、有害鳥獣駆除にも困っていると言う現象面が制度改定を後押しした側面が多々あるんじゃないかと思いますが、精神科入院歴のある人が重大事件を起こすたびに「何故退院させたんだ!?」と言われる世の中である限りは、精神科の先生にしても責任の取り方に対して慎重に対応するしかないんだろうなと言う気がします。

さてここから話は変わりますが、昨今何でもネットで出来る時代で特にいわゆるネットオークションの類はちょっとした小遣い稼ぎや不要品処分と言った範疇に留まらず、実質それで生活をしていると言う人も相当数に登っているようで、もちろん需要と供給が合致して双方にメリットのある取引が出来ればいいのですが、中にはほとんど詐欺と言っていいレベルの行為も行われているようですよね。
とかく需要があるところ商売のネタになると言う点でネットと言う環境はどんな少数派の需要であっても掘り出せると言うメリットがありますが、同時に顔を合わせないで取引できる気楽さが怪しげな商品に手を出しやすい環境を作りがちなのは古のアングラビデオ通販などと同じ理屈で、先日はこういう記事が出ていたことを紹介してみましょう。

フリマアプリに残薬を出品しないで(2014年12月15日日経メディカル)

(略)
 2014年6月、一般用医薬品のインターネット販売が解禁されるのと一緒に、ネットオークションでの医薬品の販売が明確に禁止された。厚生労働省は、「薬事法違反の疑いがあるインターネットサイトの情報をお寄せください」と呼び掛けている。フリマアプリで医薬品を見つけてしまった場合、どうしたらよいのかについて自治体の担当部署に問い合わせたところ、「自治体あるいは厚労省の窓口と、サイトの運営管理者の両方に情報提供するのがよい」とのことだった。

 経皮消炎鎮痛薬を出品している人が他に売っているものを見ると、中古の衣類や子供の玩具などであり、恐らく普通の家庭の主婦が規制を知らずに出品している。フリマアプリやオークションの利用規約に「医薬品の出品禁止」が書かれていても、利用者が気付かなければ意味がない。とはいえ、私の通報によってアパートの一室に捜査が入り、若い母親はおろおろし子どもは泣き叫ぶ、という状態になるのはできれば避けたい。この可能性については、自治体の担当者は「悪質であれば追及される可能性があるが……」と言葉を濁した

 湿布のような外用薬だと、つい家族の残薬を流用しがちであり、その延長の感覚でフリマに出しているのかもしれないが、法に反する。アプリの運営者は、規約違反の通報があれば当該出品をすぐに削除してくれるようだ。ただ、削除された理由に関する説明が運営者側からきちんとなされているかはよく分からない。なぜダメなのかの説明がなければ、出品者は再び医薬品を出品してしまう可能性が大きい。薬を出す側、病院や薬局などの医療機関も、残薬の扱い(例えば、ネットでの転売禁止)についてポスターなどを用いてきちんと説明すべきではないだろうか。ちょっとした注意喚起で大きく改善できるような問題である気はする。

まあしかし記事には善意のと言うのでしょうか、そういうルールがあることを知らないまま気軽にやってしまったと言うケースが紹介されているわけですが、当然ながら過失ではなく故意に行われる悪質な事例と言うものもあるわけですし、本来的に取り締まるべきなのはそちらの方であるはずですが、しかしその辺りの悪質度の区別や線引きと言うのはなかなかに難しいところもあるのだろうとは思います。
昭和の時代に何であれ病院にかかると大量の薬を処方されていた時代があって、お爺ちゃんが大袋一杯もらってきた薬をお婆ちゃんがやれやれとゴミ箱に捨てていた、などと言う笑い話のような話があったと言いますが、今でも余った薬を家族で使い回すなどと言う行為は(もちろん本当はいけないのですが)結構やられているのだろうし、その流れで「それなら売ったらいんじゃね?」と考えることもまあありそうな話ではありますよね。
ただもちろん薬品類を売り買いするのは法に触れる行為であって、この辺りは本来オークションサイトの側がきちんと管理監督をしておかなければならないはずなんですが、何しろ何でもかんでも売られていると言う時代にあって全数チェックと言うものも難しいものでしょうし、その結果あたら知らずに犯罪者になってしまうと言うのは悲しむべきだとは思います。
ただ禁止されていてもやりようさえ知っていれば今でもやり方はあるし、色々な方法論で薬に限らず禁止のはずの品物をやり取りしている方々も事実いらっしゃるわけですが、特に昔から大人気の向精神薬などは犯罪や事故にも直結しかねないだけに、警察など関係各方面としても流通システムの簡易化には頭が痛いところでしょうね。

先日はレセプトの分析によって生保受給者への向精神薬他剤処方の地域差が実に11倍にも及ぶと言う結果が出ていて、地域毎の有病率や重症度にそこまで差が出るとはちょっと思えませんんから何かしら医学的理由以外の原因があるのだと思うのですが、今春にも複数医療機関を受診し向精神薬の多重処方を受けていた生保受給者の記事が出ていたのも思い出されるところです。
当然ながら自己負担がなく処方を受けられるので丸儲けなんですが、昔から生保受給者に限らずこの種の薬物を転売して稼ぐ人間と言うのは一定数いたもので、近年ではネットの大手掲示板やSNSがその取引の場になっているとも言い、時々逮捕者も報じられるものの様々な手段で取り締まりを回避すると言ういたちごっこが続いているようですよね。
個人と個人が簡単につながれるようになればこうした取引も楽なんだろうなと誰しも思うところですが、当然手段が簡便化してくればそれだけ気軽に売ってみよう、買ってみようと考える人も増えてくる道理で、こうなりますと個人を対象に通信の傍受も必要になるのか?と色々な余波も想像出来るんですが、とりあえず確信犯の方々はともかく無知なるが故に犯罪者になってしまうことは避けて頂きたいところですよね。
ちなみにオークションサイトなどを介した取引の場合、違法取引は当然禁止されているのですから利用者側からは「サイトが出品を認めているのだから合法だと思った」と言う言い訳は成り立つ余地があるのかですが、法律的に売り買いしてはならないものは決まっているのだし、ネット上での取引では何を売るかを明示して売っているわけですから、当然にこうした言い訳は通用しない理屈ですのでご注意ください。

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2014年12月18日 (木)

お役所的対応?によって生まれた混乱

臓器移植に関して言えば日本では公正中立を厳重に守って行われている建前で、ひと頃国内でも話題になった臓器売買のような行為は臓器移植法によって裁かれることになりますけれども、やはり必要数に対してドナーからの提供数が圧倒的に不足しているのは事実であり、また巨額のお金を支払って海外に臓器移植をしに行くのが臓器売買とどう違うのか?と言う根強い意見もありますよね。
そうではあってもとりあえず大多数の一般人に関してはきちんと医学的な優先順位のみに従って配分されていると言う信頼関係は非常に重要視されるべきなのは言うまでもありませんが、先日珍しくこの手順にミスがあったと言う報道がなされています。

脳死移植、臓器提供時に待機患者の選定でミス(2014年12月16日読売新聞)

 日本臓器移植ネットワークは15日、今年11月中旬に行われた脳死判定後の臓器提供の際に、待機患者の選定作業にミスがあったと発表した。

 ミスがあったのは、11月14日、東京都内の病院で脳死判定された30歳代男性のケース。男性は心臓、肺、肝臓、腎臓などを提供したが、膵臓(すいぞう)は医学的理由で提供できなかった。

 発表によると、同ネットワークの担当者が待機者リストに基づき腎臓移植の希望者の意思確認をする際、膵臓と腎臓の同時移植の希望者にも腎臓のみの移植を受けるかどうか意思を確認すべきところを、同時移植の希望者は対象外と誤解し、リスト上では下位にある腎臓のみの移植希望者を優先させた。手術が始まった後に、別の担当者が選定手順のミスに気づいたという。

 同ネットワークは、主治医を通じて意思確認の対象から外された患者に直ちに連絡し、今月上旬には、この患者に経緯を説明して謝罪したという。

 

脳死腎移植で手続きミス 希望聞かずに次の希望者に移植(2014年12月15日産経新聞)

 日本臓器移植ネットワークは15日、11月中旬に行われた脳死腎移植で、本来なら腎移植を受けるか意思を確認すべきだった患者に確認せずに、次の希望者に移植を行ったと発表した。患者が膵(すい)臓(ぞう)との同時移植を希望しており、腎臓単独の移植の際は意思を確認する必要がないと担当者が誤解したため。患者は体調不良のため移植を受けられない状態で、結果的に移植が行われた患者の順序に影響はなかったという。

 同ネットワークによると、ドナーは30代男性で、腎臓のほか心臓や肺、膵臓などの提供を希望していたが、膵臓は医学的に提供が見送られた。腎移植の手術が始まる直前に同ネットワークが対応を誤ったことに気づき、本来なら意思確認すべきだった患者に連絡した。しかし、すでに手術は開始されていたことから、脳死移植手続きを検証する厚生労働省の会議は、手術が中止できない段階で軽々に患者側に連絡を取ったことを不適切と判断。厚労省は、再発防止を文書で指導する。

事実関係を整理しますと本来移植の優先順位で上位にあるはずの方に連絡しないまま、順位下位の方に移植の手術を始めた段階で選定のミスに気付いた、そして大慌てで本来の対象者に連絡を取ったがたまたまその対象者は移植が出来ない状態で、結局そのまま順位下位の対象者に対する移植手術が行われたと言うことです。
もちろんルールを誤解したミスである以上今後の再発防止策をきちんと講じて頂くのは当然なんですが、ここで注目頂きたいのはこの一件を検証した厚労省の会議が「手術が中止できない段階で軽々に患者側に連絡を取ったこと」を不適切だと判断した点で、確かにすでに手術も始まっている状態で本来の対象者が移植を希望したところで、今さら手術を中止したり出来るのかと言う話ではありますよね。
結果としてたまたまこれでよかったと言う形に落ち着いたとは言え、この段階では手術が終わってから謝罪の連絡をする等の方が混乱しなかったのでは?と言う考えももちろんあるはずなんですが、ただ手術が始まったからと言って絶対に中止出来ないと言うわけでもないのだろうし、本来の対象者が「それはそちらの問題で、こちらは正当な権利を要求してるだけですから」と断固臓器提供を主張していればどうなっていたかですよね。
この辺りは移植ネットワークと移植希望者との契約関係がどのようになっているのかが判らない限り何とも言えない話なんですが、一般論として言えば顧客に被害を与えるような不始末をしでかした場合にはなるべく早く連絡し早急な是正を図るのが当たり前でしょうから、この場合果たして何が正解だったのかと言う点に関してはかなり微妙な議論になりそうな気はします。
同じく微妙な議論になりそうだと言う点で気になったのが先日出ていたこちらの事件なのですが、これまた法務省の見解が果たして妥当なのかどうか?と言うと立場によって様々な解釈の余地がありそうに思いますね。

入管で外国人男性死亡 法務省「常勤医の不在が問題」(2014年11月21日朝日新聞)

 不法滞在の外国人などを収容する東日本入国管理センター(茨城県牛久市)で3月、外国人男性2人が相次いで死亡する事案があり、法務省は20日、1人が体調の異変を訴えたにもかかわらず医師に受診をさせないなど、医療態勢に問題があったと発表した。常勤の医師がいないため、今後、常勤医を確保するなどの改善を図るという。

 問題があったのは、国外退去を命じられて収容されたカメルーン人男性(43)への対応。男性は3月30日朝、意識がない状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。

 同省の調査によると、男性は16日に脚の痛みを訴えたが、医師の診察は27日だった。その後も胸の痛みなどがあったが、土日で非常勤の医師もおらず、外部の医師にも相談しなかった

 同省入国管理局は「診療を受けていたら助かった可能性は否定できない」と説明。センターは2012年度から常勤医が不在だといい、今後は、非常勤や民間の医師に速やかに判断を仰ぐよう改善するという。

 一方、食事中にのどを詰まらせて死亡したイラン人男性(33)の対応について、同局は「適切だった」と説明した。

ちなみにこの東日本入国管理センターなる施設は千葉県の中でもかなり田舎と言ってよさそうな立地ではあるのですが、近隣には医療機関もそれなりにあるようですから決して医療過疎地域と言うほどでもなさそうですから、収容者数最大700人の施設に対して現在非常勤医師一人と言う態勢が妥当なのかどうかは一概には言い難いところがあるかとも思います。
ただ近年たびたび話題になっている刑務所の医療問題に関してもそうですが、法律に従って人権を制約し収容している施設での出来事となれば収容している側が全面的に責任を負うのが当然で、例えば立場を変えて日本人が某国で強制収容所に押し込められ死亡したなどと言うニュースを聞けば、一体どんなひどい扱いを受けていたのか?国は抗議すべきではないか?とまあ多くの人々は面白い気分にはならないでしょう。
ちなみに沖縄などで米軍兵士が犯罪行為を犯した場合に、日本で裁判をして罪を償わせるべきだと言う世論に対して米国内では未だに根強い反対論があるのも、日本ではひとたび起訴されればまず確実に有罪になるとんでもない国だと言う誤解?が流布しているのも一因だと言いますが、この辺りは司法制度による違いもあるとは言え、これまた逆の立場になれば現地での裁判の公平性に疑問を抱く心理は理解出来ます。

いささか脱線しましたけれども、ともかくもこうした状況に関しては所轄官庁である法務省が責任を持つべきなのは当然だし、同省とすれば常勤医がいれば何も問題なかったのだと言いたくなる事情もまあ理解は出来ることなのですが、これも刑務所における常勤医確保の問題と同様に世間的にも決して余ってはいない医師と言うものを、言ってみれば犯罪者にだけ手厚く遇するのは何事かと言う庶民感情もありそうです。
今回の事件を見ていて非常勤医がいない時間帯であったにも関わらず外部の医師にも相談しておらず、また16日の訴えに対して診察が27日になっているなど何かと施設内での態勢に問題がありそうなのは確かなんですが、この種の施設であれば何事も大げさに言い立てる人も一定数いるでしょうから、職員としては詐病も含めて全部まともに取り合っていては仕事にならないと言う考えもあったのかも知れません。
また外部の医師にと言いますがそのコストは誰が負担すべきなのか、また近隣医療機関を受診するとなれば付き添い職員が必要でこれまたたびたびのことでは仕事にならないだろうとなれば、やはり施設側の要望としても常勤医がいてくれればと言うことなのでしょうが、一方で医療特に医師の側の立場から見ればこういう(言ってみれば何ら勤務にメリットのない)職場にはなかなか求職者は出て来ないんじゃないかと言う気はします。
それぞれの立場からの考え方が別れている中で最終的にどの立場に立って決着がつくのかですけれども、法務省にしろ入管にしろ基本的に医療との間に伝手はないのですから、変に常勤を囲い込もうだとか特別なことを考えるよりは近隣医療機関と連絡を密にして、一般の大規模入居施設などと全く同様に地域医療連携の中で動く方が話も早いし混乱も少ないように思いますがどうでしょうね。

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2014年12月17日 (水)

ペヤング騒動 やや意外な?その後の経緯

先日も紹介しましたように某有名ブランドのカップ焼きそばに虫が混入していた事件で、最終的にメーカーは当該製品のみならず全商品の販売休止を決めたと言うことなんですが、面白いことにこうした事件が発生してからと言うもの逆に一部では商品としての価値が上がっているのだそうです。

やはり出た! ぺヤングの全商品販売休止を受けて「ヤフオク!」にぺヤングが続々登場 / 最高値は1個1万円(2014年12月12日ロケットニュース24)

以前の記事で、即席焼そば「ぺヤング」の製造販売を行うまるか食品株式会社が、全商品の販売休止を決定したことについてお伝えした。同社は品質管理の徹底を図る方針だ。
そんななかネットオークションサイト「ヤフオク!」に、想像通りぺヤングが出品されていることが判明した。やはりと言うかなんと言うか……。もっとも高い商品「ぺヤング超大盛ハーフ & ハーフ 特製 & カレーソース」は1個でなんと1万円の値がついている。来年2月には販売再開するというのに……。

・市場からなくなる
まるか食品は、2014年12月11日に社内検証を行った結果、製造過程で異物が混入した可能性を否定できないとして、当面の間、全工場の生産を自粛して全商品の販売を休止すると発表した。現在販売しているものがなくなり次第、市場から同社の商品はなくなることとなる。

・1万円の強気出品
品薄のなることを見越したのか、ヤフオク! には同社商品の出品が相次いでいる。複数個をまとめて出品している人が多いなかで、ある出品者は1個の商品に対して1万円の値をつけているのである。何とも強気な出品ではないだろうか。

・早くて来年2月ごろ再開
ちなみにNHKが報じるところでは、生産工場に新たな機器や設備を導入して、管理の徹底を図るとのことだ。再開は早くても2015年2月ごろになる見通しである。より健全な操業体制で再び商品の提供を行ってもらいたいと思う。その時までぺヤングは我慢しよう。1万円のぺヤングは落札されるのだろうか……。

まあさすがに1万円で売れるかどうかは何とも言えませんが、実際にネット通販などを見ても正価販売品はとっくに品切れ状態なのだそうで、定価よりも高くても出せば売れると言う状況だそうですから生産再開までにますます価格が高騰する可能性もありますけれども、こうしてみるとある程度固定客がついている定番商品にとって出荷停止も必ずしも深刻なダメージにはならないのか?とも思えてきますね。
興味深いのはほぼ同時期にこれまた業界大手である別メーカーからも製品に虫が混入していたから自主回収すると、こちらは世の注目を集めることもなくひっそりと発表されていたと言うことで、横並び対応あるいは単純にカモフラージュ効果を狙ってのことであるとも推測されますけれどもこちらは全く話題にもならないあたり、一連の騒動が人気商品に虫が混入していたと言う事実だけが理由で起きていたわけではなかったことを示す傍証であるとも言えそうです。
事実そのものが原因ではないとなりますとこの事態の落としどころをどの辺りに定めていくべきなのかがなかなか難しいところなんですが、世間が必ずしも反発一直線と言うわけでもない事情もあってか普段であれば責任追及だ、メーカーバッシングだと忙しいはずのマスコミ各社も今回に限ってはやや煮え切らないと言うのでしょうか、何とも微妙な取り上げ方ではあるようです。

回収、販売休止…異例の対応に波紋広がる 「過剰反応」「構造的問題」と見方さまざま(2014年12月12日産経新聞)

 人気のカップ麺「ペヤングソースやきそば」に虫が混入していた問題を受け、全商品の生産販売を当面休止するとした製造元の「まるか食品」(群馬県伊勢崎市)。事態収拾のためとはいえ、食品メーカーとしては異例の対応だ。売上高100億円を超える「ペヤングブランド」の一時凍結は、経営の屋台骨を揺るがす。識者からは企業イメージを守るための「過剰反応」との意見が出る一方、「構造的な問題があったのでは」との見方も。1匹の虫がもたらした波紋は、まだ収まりそうにない。

 同社は当初、「(製造工程での)混入は考えられない」とコメント。自主回収の対象としたのも、最初は同じラインで作られた2種類の商品のみだった。
 食品問題に詳しい石川直基弁護士(大阪弁護士会)は「どれだけ管理を徹底しても、異物混入を根絶するのは難しい」と指摘。混入があり得るとの前提で「工程に問題がなかったか、速やかに調査する姿勢が十分ではなかった」と、初動対応の遅れが騒動を拡大させたと分析する。
 同社は工場設備の改修にも着手するといい、再開までには数カ月を要する見通し。収益の柱であるペヤングブランドの売上高は127億円に上っており、休止期間が長引くほどに経営を圧迫する。

 大きな痛みを伴う今回の対応について「食の安全・安心財団」の唐木英明理事長は「全商品の回収は過剰だと思うが、そこまでしなければ企業イメージを守れないと判断したのだろう。これも時代の流れだ」と話す。
 唐木理事長によれば、食糧不足にあえいだ戦後は「質より量」が求められた。高度成長の時代は食中毒防止など「安全」が問題になった。今の食品業界では「イメージの防衛」が最重要課題の一つになっているという。全国のホテルやレストランで相次いだ昨年のメニュー表示の偽装問題で、食に関する不正が企業イメージを根底から揺さぶることを、業界が学んだからだ。
 そうした時代背景を踏まえつつ、唐木理事長は「今回の対応が前例となってしまうと、食べられるのに廃棄される食品ロスという意味で悪影響が出る」と懸念も表明した。

 一方で、大手食品メーカーの関係者は「髪の毛の混入はよくある話だが、ゴキブリはあまり聞かない。まるか食品ほどの大きさの経営規模でゴキブリが入っていたというのは非常にショッキングだった」と言う。
 現時点では虫1匹とはいえ、2回、3回と同じ事例が出れば経営へのダメージはより深刻になる。「その恐れがあるとみたからこその全商品回収なのではないか。衛生管理に根本的な問題があったのかもしれない」との見方を示した。
(略)

なぜ「まるか食品」ばかり叩かれる? 「虫混入」で評価分かれた日清vsペヤング(2014年12月11日J-CASTニュース)

(略)
   時系列で振り返ってみると、初めには「証拠写真」を巡る対応があった。12月2日に「ペヤングからゴキブリ出てきた。。。」としてツイッターで写真を公開した消費者は、問題の商品を回収しにやってきた同社担当者から「(調査)結果がでるまで元のtweetを消しておいてほしい」と言われたという。
   消費者はこの時の説明に不満を抱き、「お互いのためが云々いって圧力かけてくるあたりカチンときた」とツイート。メーカー側の都合のいい言い分に、ネット民からは「お互いのためじゃない。メーカーのためだ」「普通に脅迫じゃん」などとブーイングが飛んだ。
   次に問題視されたのが、まるか食品の最初のコメントだ。「製造過程で混入した可能性は考えられない」と主張し、J-CASTニュースの取材に対しても「考えられない」の一点張りだった。だが、調査段階でありながら断定的に自社の責任を否定することは、結果として大きな批判を招いた。

   企業コンサルタントの大関暁夫氏はこうした初動のミスだけでなく、4日に発表した自主回収も反発を呼ぶ原因となったと指摘する。
   まるか食品は4日、「通常の製造工程上、このような混入は考えられないことではございますが、食品の安心、安全の観点から万全を期すため」と説明した上で、指摘のあった商品と「同じ日」に「同じライン」で製造された2商品、約5万食を回収すると告知した。
   これについて大関氏は、次のように分析した。
    「メーカーは混入の可能性がないと考えているのであれば押し通すべきだった。可能性があると考えているのなら、1日分だけの回収では通用しない。ゴキブリがいるのはその日に限ったことではないのだから。結果的に消費者にはポーズと受け取られただろう。『ありえないんだけど、しょうがないな』と思っているとの印象を与えてしまった」

広報担当者のコメントも二転三転...

   J-CASTニュースに対する広報担当者の回答も、不信感を募らせる一因となったようだ。3日付の記事では、虫混入のクレームは「初めて」だったとする担当者のコメントを紹介。注目を集めた。
   ところが4日に改めて聞いてみると「今回のような大きな虫が混入しているという苦情は初めてということ。小さな虫の苦情は何件かあった」として、担当者は前回記事の訂正するよう求めた。そこで、苦情のあった小さな虫がどの部分に混入していたか聞くと「お話する必要はない」と突っぱねられてしまった。これを記事で伝えると、大きな反響を呼んだ。
   結局、同社は11日、全商品の生産・販売休止の発表の中で調査結果を公表した。当初の主張から一転、外部委託機関を含めて調査したところ製造過程での混入の可能性は否定できなかったという。なお、発表文には「本事案に関連する健康被害については現時点で確認されておりません」との説明も添えられている。
   大関氏は「今回の一件は、初動が悪く、対応も後手後手に回ったという印象。一度まずい対応をとると、企業イメージの回復には相当なエネルギーがいる。この先どこまで払拭できるかは、今の段階では全く想像がつかない」と話す。
(略)
   なお、10日には日清食品冷凍(新宿区)がゴキブリとみられる虫の一部分が冷凍パスタ商品の中に混入していたと発表した。調査の結果、具材に使用している野菜から混入した可能性が高いことが分かったという。同時に、指摘のあった商品の製造日(10月21日)のものだけでなく、同じラインを使って10月中に製造した3商品の回収を決めている。
   こちらも混入自体についてのネガティブなコメントはあるものの、ペヤングと比較して評価するコメントが少なくない。消費者からは、
    「対応になぜ差がついたのか」
    「あと出しの日清より回収宣言が遅いっていうね」
    「日清は対応の素早さを見せつけて、ペヤングを葬り去ろうとしてるのでは無いか?」
などといった意見があがっている。

ペヤング報道「取り上げ方おかしい」 シジシー代表(2014年12月12日朝日新聞)

 まるか食品のカップ焼きそば「ペヤング」に虫の混入が指摘された問題について、全国の中小スーパー223社でつくるシジシージャパンの堀内淳弘グループ代表兼社長は12日の記者会見で、「マスコミの取り上げ方はおかしい」と話した。

 命や健康にかかわる問題は「絶対にダメ」と述べたうえで、今回は健康被害が確認されていないことを踏まえて「面白おかしくとりあげすぎではないか」と話した。「命に関わるもの、健康に影響あるもの、健康被害のないもの、に分けて考えてほしい」と訴えた。
 また、問題が確認されていない商品もすべて回収する事態となったことについて「全部廃棄ですから、もったいない」と語った。

今回注目したいのはマスコミやネットにはメーカーの対応を批判する声はあるものの、実際の消費行動としてはむしろ今回の事件で人気が再燃しているのではないか?とも思えるような奇妙な現象なんですが、この種の話題に関して言えば大きな声を上げているのが当事者であると言う保証はもちろんないわけで、実際の固定客はそんなことは大した問題ではない、それよりさっさと販売再開してくれと言う意見の方が主流なのかも知れません。
もちろん記事にもあるように中途半端な初期対応がかえって傷口を広げてしまうと言うのは炎上のお約束と言うものなんですが、今回に関して言えば完全に出荷停止にしたことでかえって品薄感を煽っているような側面もあり、またこうなると小売り現場からすれば出荷再開の際には大々的に売り出さざるを得ない状況だとも言えますから宣伝費もいらずで、メーカーとしてのダメージは案外と少なく収まるのかも知れませんね。
もちろん先のマクドナルド事件のように、今に至るも深刻な売り上げ低迷が続き大変なことになる可能性もあるわけですが、元々の製品自体に対する信頼感があるかないかが今後の行く末における一番の分かれ目なのだとすれば、これだけ熱心な消費者が「早く販売再開を」と言ってくれている状況こそがメーカーにとっての一番の宝であり、死守しなければならないブランドイメージと言うものですよね。
ただそれもこれも出荷停止の間にきちんと対策がなされ、二度と同種の事件が起こらないと言う前提条件が成立していての話であって、万一にも近い将来同種の混入が発見されたりもするなら今回こうして全商品出荷停止をした事実があるのですから、次回以降も同様に出荷停止をした上で対応しなければならないと言う後のない立場に自らを追い込んだとも言えます。

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2014年12月16日 (火)

介護と言うものに関わる問題

本日の本題に入る前に、先日こういう事件が報じられたのを御覧になりましたでしょうか。

「介護に疲れた」 72歳母親が長男の首絞める(2014年12月13日TBS)

 東京・東大和市で54歳の寝たきりの長男の首を絞めて殺害しようとしたとして、72歳の母親が警視庁に逮捕されました。長男は、その後死亡しました。

 殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されたのは、東大和市の無職・池田敬子容疑者(72)です。池田容疑者は12日午後11時ごろ、自宅で寝ていた長男で無職の英明さん(54)の首をスカーフで絞めて、殺害しようとした疑いが持たれています。英明さんは搬送先の病院で、まもなく死亡が確認されました。

 警視庁によりますと、池田容疑者はこの家で英明さんと2人で暮らしていて、英明さんが3年前に脳出血で寝たきりの状態になってからは、池田容疑者が介護をしていたということです。

 取り調べに対し池田容疑者は「介護に疲れた」と供述していて、警視庁は容疑を殺人に切り替え、事件に至ったいきさつを詳しく調べています。

以前にも100歳の実父を70台の娘が殺害すると言う悲劇的な事件があったことをお伝えしたことがありますが、日頃から身近で親しく介護をやっていた親族の方々ほどこういう結果になりがちであると言うことが極めて悲劇的であって、ともかくも追い詰められる前に各種の社会的サービスを利用していただくよう願いたいですよね。
ただ昨今話題の中高年ニート問題でもそうですが、社会保障のシステムが長年高齢者に偏って手厚く構築されてきた傾向があることは否めないところで、心身に重い障害があるような方々でも65歳以上であれば当たり前に医療・介護のおきまりのルートに乗って対応が出来る一方で、未だ若年の方々を老親が世話をすると言う構図は当事者に非常に大きな負担がかかりがちではあると感じます。
若年から寝たきりの方々などは当面病院で面倒を見るしかないと言うケースも多いと思いますが、病院側としても長期入院が確定している患者など診療報酬の仕組み上儲けにならないだけでなく平均在院日数を引き上げるばかりで、その結果ババ抜きのババのようにあちらこちらの病院を転々としている方々もいらっしゃると言うのは決して多数派ではなにしろ、憂慮すべきことではあるのでしょうね。
ひと頃に比べるとこの種の事件報道が減っているのが単なる世間の関心の低下ではなく、実数として減っているのであればと願うばかりなんですが、それはさておき本日の本題としてこれまた介護の深刻な問題とも関連する話なんですが、先日報じられたこちらの記事を紹介してみましょう。

ショートステイ拡大 15年度から厚労省、居室以外容認も(2014年12月12日中国新聞)

 厚生労働省は、自宅で暮らす高齢者が短期間入所し介護や看護を受ける 「ショートステイ」の受け入れを2015年度から拡大させる。緊急時には専用 の居室以外の静養室を使えるようにするほか、介護付き有料老人ホームの空き部 屋もショートステイに使用しやすいよう規制緩和する。特別養護老人ホームを希 望しても入れない要介護の待機者が約52万人に上ることから受け皿機能を強める。

 厚労省によると、ショートステイ施設は全国に9千超ある。今回の見直しで は、体調を崩した入所者用に設置されている静養室での寝泊まりを認める方針 だ。サービスの利用計画を作成し、本人や支える家族の状況を理解しているケア マネジャーが「緊急でやむを得ない」と判断することを条件とする。家族の病気 や、通夜、葬儀への参列といった場合を想定する。

 日本介護支援専門員協会がケアマネジャーに対して行った調査によると、 ショートステイの受け入れを断られた理由は「空床(ベッド)がない」が多く、 緊急時の受け入れを要望するケアマネジャーが8割に上った。厚労省は、全国に4千超ある介護付き有料老人ホームや介護型ケアハウスなど の空き部屋での受け入れも進める。現状では(1)開設後3年経過(2)入居率80%以 上―などの要件があるが、それぞれ緩和、撤廃する。

 特養の待機者の中には、30日以内が原則のショートステイをやむを得ず1年以 上利用する人もおり、部屋が空きにくい実態がある。厚労省は、ショートステイ を利用しやすくすると同時に、高齢者ができるだけ在宅生活を続けられるよう訪 問介護などのサービスを充実させる方針だ。

お上のなさることと言えばとかく杓子定規で融通が利かないと見なされがちな中で、こういう話が出てくると言うのはそれだけ介護の需給バランスが崩壊していると言うことでもあるのでしょうが、数年前に救急医療崩壊が叫ばれ「救急車たらい回し」などとマスコミが盛んに喧伝していた頃に、「ベッドがないなら廊下でだって治療は出来るだろう!」と言うFAQ的な意見があったことは記憶に新しいところかと思います。
もちろん「空きベッドがないから救急車受けられません」と言う場合のベッドと言うのは物理的にベッドがあるかないかと言う話ではなく、新たな患者対応に割けるリソースが足りていないと言う意味であるわけですからスペースだけ融通しても仕方がないところなんですが、介護の場合ショートステイ利用者は基本的には自宅で暮らせるくらいですからさほどに深刻な状況ではなく、リソース面での負担は少ないと言う予想は出来ますよね。
ただそれも当然ながら相対的な話であって定員以上の入居者を引き受ける、それも顔を知らない新しい相手ともなれば確実に業務負担は増えるはずで、特に気になるのがこうして定数以上を引き受けたところで他の入居者に何かあった場合、「決められた定数を無視していたから事故が起こったのだ!」と言う批判の余地は必ずあると言うことです。
別に事故が起こらずとも正規入居者はこれこれの定数にこれだけの設備スタッフを用意しますと言う条件に同意して入居の契約をしているわけで、それを無視されると言うのは席を予約してレストランに入ったのに勝手に相席にされたような状況を想像してもおもしろくはないだろうなと思うのですが、余計なトラブルを招かないように利用者や家族とはよくよく意志疎通をしながら話を進めるべきなんでしょうね。

各種介護施設が軒並み入居待ちの行列状態と言った有様で、こうなりますとひとたび入居に成功した場合にそれがある種の特権・既得権益になっていると言う状況も見られるようなんですが、例えば施設入居者が肺炎なりで入院した場合に施設側とすれば空きベッドを持つ形になるのですから、いきなり契約解除とまでは言わないにせよ(そういう施設もあるそうですが)ショートステイ等で有効活用はしたいはずですよね。
その状況で病院から退院許可が出たとして、ショートステイの平均利用日数が1週間程度だと言いますから普通はいつ頃退院できますと連絡を受けてまあせいぜい数日の調整で戻ってこれるはずなんですが、中には記事にもあるように様々な事情から全くショートではないステイになってしまう方もいらっしゃると言うもので、そうなりますと病院から患者を引き取るベッドがないと言うことにもなりかねません。
この辺りはリソースを常時100%有効活用しようとすることの副作用でもあって、施設側とすれば施設利用率を上げて経営を頑張っていると言う話ですけれども、いきなり見ず知らずの患者を送りつけられた上に治療が済んでも引き取ることさえ拒否されると言うのでは病院側としても立つ瀬がなさ過ぎると言うもので、あまりにこうしたケースが目立つ施設などは周囲の病院からも警戒され入院拒否と言う事もあるようです。
何ら罪のない施設利用者としては全くいい迷惑なんですが、病院にしろ限られたリソースで最大限地域の病人を何とかしようと努力していると言う点では全く同じ話なんですから、医療と介護どちらかばかりが強引に我意を押し通して仲違いし連携がうまくいかなくなると言ったことのないよう、密接な善隣的関係を構築すべく双方が協力していく必要があるようには思いますね。

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2014年12月15日 (月)

利益の最大化もなかなかに難しいもので

そもそも人それぞれに考え方の違いもあるのだから、他人がいくらそれは不利益な決断だと言ったところで最終的に本人にとって良かったか悪かったかは本人にしか判らないはずなんですが、そうは言ってもやはり大きな決断を下すべき瞬間に自ら望んで不利益な決定を下しているように見える人と言うのは、周囲から見ると「え?本当にそれでいいの?」と言いたくなるのも確かですよね。
ただある意味尺度が一次元の線上にあるとも言えるお金の話などとは違って、医療における利益、不利益はしばしば当の本人にすら判断が難しい問題で、それを少しでも確実で後悔のないものにするために専門家からの適切な情報提供が必要であることもまた明らかなのですが、本日まずは先日出ていたこういう記事を紹介してみましょう。

◆新米副看護部長が行く!@杏林大病院 できていますか?倫理的問題の多職種共有(2014年12月10日日経メディカル)

(略)
意識障害患者の治療方針に納得いかず
 副看護部長になって、自分が担当する部署の師長から、患者や家族にまつわる様々な報告、相談を受けるようになり、倫理的な判断を伴う事例も多い。副看護部長として一歩踏み込んだアドバイスができるようになりたいと思うことも出てきた。先日も、師長からある患者の報告を受けた。詳細には紹介できないが、大筋はこんなことである。

 意識障害のある患者さんに対して、医師は外科的な治療が必要であると判断し家族に説明した。家族は自ら希望して他院のセカンドオピニオンを受けた。結果は当院の診断、治療方針と同様であったが、最終的には家族(キーパーソンではない)の希望で保存的治療を選択することになった。師長からは「その治療方針は理解できない」と報告があり、私自身もその治療方針が患者にとって最善なのかどうか、納得がいかなかった。師長から報告を受けた時、私も師長と同意見であることを伝えたが、具体的なアドバイスができず、その後も副看護部長としてどのように関わったら良いかと考えていた。

 先の研修で、臨床倫理について組織で取り組むためには、組織の構成員すべてがそれぞれの立場で患者・家族の最善を考える文化が必要だということを学んだ。今回の事例の治療方針決定のプロセスには医師と家族だけが関わっており、看護師やその他の医療従事者は関与しておらず、看護師に葛藤を生んでしまった。状況について関係者の理解が一致した上で合意がされたのだろうかと疑問を持たざるを得なかった。

痛感した多職種で“語る場”の必要性
 日々の診療の中で、医師の説明の際に必ず他職種が同席できればよいが、必ずしもそれができるとは限らない。しかし、家族がなぜ保存的治療を選択したのか、医師が家族の意思を尊重すべきと判断した根拠や家族の背景を、患者に関わる医療従事者が共有できていなければ、倫理的な葛藤により、チーム医療を行う上で支障を来すこともあるだろう。臨床倫理は医療機関として行うべき活動であり、その判断には、組織の倫理観や価値観が問われるという講義中の言葉が腑に落ちた。
(略)

先日はチーム医療と言うものの中で全人的医師なるものは扱い難いのでは?と言う記事を紹介しましたが、その心は医師が患者の全てを知っている自分が一番いい道を定めることが出来るのだと考えてしまうと、他職種の意見や報告に耳を傾けなくなる懸念があると言うことだったのですが、まあこの点に関しては全人的かどうかと言うよりも個人のキャラクターの問題が主なのではないかと言う気がします。
今回の事例も医師以外のスタッフが意志決定において置き去りにされていると感じているようですが、医師の立場からすれば患者の人生がかかっている決断の場に同席もしないで納得出来ないも何もないものだと言うものだろうし、医療の一番のスタート地点である患者側の意志がどうなのかと言う部分を他の業務よりも下に見ていると言うことであればそれこそ組織として考え方がどうなのかと言うことにもなるでしょう。
ただ例えば担当看護師なり病棟婦長なりがその場に同席していたとして、何十人もいるだろうチーム医療の関係者全てが同席していないと言うことには変わりないわけですから、意志決定の場に参加しない、出来ない大多数のスタッフは結局又聞きの結論を納得し受け入れるだけと言うことには代わりがないのですが、問題は事後になって情報共有をするだけでどんな結論であっても納得出来るのかどうかです。
今回コンサルトしている師長はどのような結論が出たのかは知っている、しかしそれには納得出来ないと言っているわけで、例えば後日医師の方から意志決定の過程をつまびらかに確認出来れば納得出来るのかどうかですが、実際の医療の現場ではいくら懇切丁寧に説明をし状況を理解させたつもりになっていても、患者や家族は一見して不合理極まる選択をすることは少なくないし、多くの場合その理由は語られませんよね。
その意味ではその場に同席しようが何をしようが理解出来ないものは理解出来ないと言うケースはあり得るのであって、どのように不合理に見えても患者の意志が最優先だと言うのが現代医療の基本になっているわけですから、自分と異なる価値観に基づく決定に倫理的な葛藤を覚えチーム医療に支障を来すと言うのであれば、それはそれで職務に不適格と言うしかないのではないか?と言う気もします。

もちろんこうしたことはケースバイケースで、宗教的思想信条に基づく治療拒否などに代表されるようにいわゆる確信犯的に普通ではない(ように見える)選択をする方々もいらっしゃる一方で、実はとんでもなく基本的なところで大きな勘違いをした結果あり得ないような選択を必然の論理的帰結として行ってしまうと言うケースもあり、多くの場合後者のようなケースは事情が知れれば悲劇として扱われがちですよね。
その意味でなるべく多様な視点から利益、不利益に関する情報を提供すべきだと言うのは当然で、その部分で様々な考えを持ち得意領域も異なるチーム医療の意味があるのかと思うのですが、注意すべきは同業者から見てちょっと…と言う人材であっても素人目には立派な専門家であり、専門家視点で見ればトンデモ理論と言えても患者や家族にとっては傾聴すべき専門的見解にもなり得ると言う点です。
以前にもホメオパシーなる似非科学による健康被害について取り上げたことがありますが、あれも実施している方々の多くが助産師と言う公的資格を持つ人間であると言うことが事態を面倒なものにしているとも言えるし、テレビや雑誌などでも好き放題トンデモなことを言っている「専門家」さんはいくらでもいらっしゃるわけですが、昨今では専門家であるはずの人々の間であっても何か妙な知識が広まってきているのでは?と言う懸念が報じられているようです。

「胃瘻はよくない」がおかしなことになっている(2014年12月5日日経メディカル)

(略)
「胃瘻はよくない」の経緯
 私の理解では、「胃瘻はよくない」というメッセージは、自分の力で食べ物を食べることが出来なくなった患者さんに対して、「食べられないのなら胃瘻を作って栄養を提供するしかない」と短絡的に考えてしまうことがよくない、というものであったはずです。
(略)
 最近の状況を見てみると、確かに臨床現場で倫理的な意思決定に関する意識は大きく高まった気がします。病棟では、多職種によるカンファレンスが行われるようになり、老衰が進み、経口摂取が不可能になりつつある患者さんに対して、人工栄養を開始しない選択があるという前提で意思決定への議論が行われるようになってきました。
 さらには、その選択をした上で、在宅や慢性期施設での看取りも積極的に行われるようになってきました。このような傾向は、大変素晴らしいことだと感じています。

「胃瘻はよくない」がもたらした残念な変化
 一方で、「胃瘻はよくない」というメッセージが独り歩きして、なんだかよろしくないことになっている変化もあると思っています。
 第一には、医療者側が「そもそも人工的な栄養療法は延命治療に当たるのでよくない」という固定した考えを持ってしまい、そこに人工栄養療法という技術があり、その技術の提供によって患者さんの利益となる可能性が少なくないにもかかわらず、「人工栄養は延命治療である」という単純化された理屈から、人工栄養療法を受ける機会を奪われてしまっている患者さんが増えてきているような気がします。「〇〇は延命治療に当たるのでよくない」という理屈は、実に勝手な理屈に私には思えます。
 第二点目の懸念事項は、人工栄養が適用される患者さんに対して「胃瘻はよくないので経鼻経腸栄養を選択する」というケースが増えていることです。
 このロジックはあまりにも当初のメッセージから外れています。少なくとも、患者さんが被る持続的な苦痛や日常生活動作の制限、さらには人としての尊厳の保持の観点からいえば、長期的な人工栄養を選択する上で、経鼻経腸栄養は胃瘻栄養に比べて患者さんに与える害が多過ぎると私は思っています。
(略)
 まず、1日中鼻から喉にかけて管を突っ込まれている苦痛。第二に、その苦痛がつらいために管を当然抜こうとするのですが、病院側としては管を抜かれては困るのでミトンを手にはめたり手を拘束したりすることがしばしばあります。それは苦痛とともに尊厳を略奪する行為でもあります。
 また、しばしば管が抜けてしまうために、再挿入が試みられますが、その際にも患者さんは非常につらい思いをします。医療安全の観点からもリスクが高いのは医療者であれば周知のことです。すなわち、長期的な人工栄養を行うと決めた上であれば、胃瘻栄養ではなく経鼻経腸栄養を選択するのは多くの場合不合理であり、患者さん側の強い選好や事情などがかなり大きく加味されなければ「胃瘻ではなく経鼻」という選択には普通はならないはずなのです。

 今の医療現場での臨床判断は、残念ながらその合理性に欠けているようです。医療者側の漠然とした「胃瘻は最近よくないと言われているらしい」という認識から、「じゃあ経鼻経腸栄養にします」という判断になってしまうことが少なくないのではないかと思っています。
 長期的な人工栄養が開始された後、ご自身の口で「もうこんなつらい状況はがまんできない」と発することが出来る患者さんは多くいません。栄養経路の選択は患者さんのご家族と行うことがむしろ多くなります。その時に、医療者は漠然とした説明をした上で、「自然な形に近いほうがよいと御家族が望まれたので経鼻栄養にした」と短絡的に決定してしまうことに私は反対します。胃瘻と比較した場合に想定される経鼻経腸栄養の患者さんへの不利益(特に、患者さんに与える苦痛や苦悩)について医療者はしっかりと説明する義務があると思います。
(略)
 最後に、「自然が一番」という言葉もしばしば思考停止をいざなう危険ワードだと私は思っています。自然が一番ならそもそも医療は存在しない方がよいです。ずっと苦しい思いをして痰を吸引されていた高齢患者さんが吸痰用にミニトラックチューブが挿入され、その苦痛が大きく緩和されることはしばしばあります。その「不自然」な行為が、患者の何に対して害になっているのか、何に対して利益になっているのかについて、医療は一つ一つ考え、患者さんやご家族とともに対話を継続することが大切なのだと思います。

さすがに「胃瘻はよくないから経鼻にします」はネタだと思いたいところですけれども、何故素人目にもあからさまにそれはどうよ?と思われるような話になってしまうのか、その背景を考えないことには単に倫理的にアレな先生がいらっしゃると言う話で終わってしまう危険性がありますよね。
それはさておき、臨床医がこうした判断を迫られる典型例としてはある程度食事も取れていたご老人が誤嚥性肺炎なりで生死の境をさまよった、救急病院で濃厚治療を施されとりあえず復活したが食べられない状態になってしまったと言う場合に、さて次の一手としてどうすべきなのか?と言ったケースではないでしょうか。
一般的にこうした場合慢性期あるいは療養型の病床に移ってしばらくリハビリ等を行いながら回復を待つ、そして時期を見て在宅復帰か施設入所を目指していくと言ったやり方が手順なのではないかと思うのですが、例えば一応は在宅復帰を目指して嚥下のトレーニングを始めるにしても当座の栄養は必要なのですから、何かしら確実な栄養ルートをつけておく必要はありますよね。
慢性期の施設の方でも「どうせ食べられないんだったら胃瘻を作ってから送って」と言う施設も少なからずあって、この辺りは最終的な引受先となる施設の方でも経鼻胃管では受け入れられない、胃瘻にしてくれと言うところが少なくないことも一因だと思いますが、その結果この辺りの長期予後に詳しくはない急性期の先生が「胃瘻じゃないと受け入れてもらえないから」と半ば機会的に胃瘻を造設してしまう例も多いようです。
医師がそんな調子なのですから患者や家族が詳しく正しい情報を知った上で決断出来ているケースばかりではないでしょうし、実際に入院期間短縮がうるさく言われ出した二昔ほど前になんでもかんでも胃瘻と言うケースが激増したのも、より長く生かすことを最優先にしていたと言うだけでなく治療を終えた患者はさっさと送り出すべしと言う、医療制度上の問題も大いに関係していたんじゃないかと言う気がします。

一般には経鼻栄養は一時的短期的な処置で、長期戦になるなら胃瘻の方がトラブルが少ないよと言う説明を受けることが多いと思いますし、実際その通りではあるのですが、例えばもはや苦痛を感じたり胃管を自己抜去するような状態でもなく、到底施設には入れないような患者さんが経鼻胃管でも特にトラブルもなかったにも関わらず、管理が簡単だからと胃瘻にしてしまうと言うのもどうなのかと言う気がします。
逆にそれなりに元気で食事も次第に食べられるようになりそうだと言う場合、最終的には経口摂取になるのだからそれまで経鼻胃管で済まそうかと思いがちですけれども、意外と元気のいい人ほど鼻や喉の異物感からトラブルが多く食事摂取にも悪影響があると言う場合があって、こういう方々は短期的にしか利用しない予定であっても本人にとって苦痛が少ない胃瘻を選ぶと言うこともあっていいと思いますね。
そもそも口から食べるかチューブの栄養にするかと言うのは別に排他的な二択ではなく、介助するスタッフの人手も多い昼一食は普通に食べてもらって朝夕は胃瘻から経腸栄養と言ったやり方もあるわけで、患者さんや家族にとっては食べると言う満足感もあり、スタッフにとっても許容範囲内の手間で行えるやり方は色々工夫出来るはずですが、ではそうしたやり方が自然か?と言われるとこれは不自然の極みと言うしかないでしょう。
ただ不自然だから不幸せになると言うものでもないし、自然だからいいと言う根拠も何一つないわけで、要するに個々の患者に応じて最適解を見つけるしかないと言う当たり前の結論になるのですけれども、詳細な評価と十分な説明をした上でその最適解を見つける面倒な作業を多忙な急性期の先生に押しつけるのは無理があるだろうし、慢性期の先生には時間と熱意はあっても見つけた最適解を実現する手段がない場合も多いわけです。
その意味では急性期から慢性期、さらには介護まで含めて各段階の関係者が今のような急性期から慢性期へと言う一方通行で患者を順送りするだけではなく、随時相互に協力出来る態勢の方が患者さんの幸せはより最大化しやすいはずですが、今のように医療が分業化してしまう以前は医療から介護まで一元的に扱う環境が普通であったわけで、分業化によって得たものもあったにせよ便利が悪いこともあるわけですね。

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2014年12月14日 (日)

今日のぐり:「かつ将」

「カレーは飲み物」と言う名言?がありますが、我々の固定観念を打ち破ってくれる新しい飲み物が登場したそうです。

クッキーを飲み物にした「飲むカントリーマアム」爆誕 発売前にいち早く飲んでみました(2014年12月2日ねとらば)

不二家の人気お菓子「カントリーマアム」が飲み物になりました。「飲むカントリーマアム」はローソン限定商品で12月9日発売。価格は151円(税込)。

 チョコレートや白あんなど食べるカントリーマアムと同じ原料を使い、風味をリアルに再現した新感覚ドリンクとのこと。クッキーを飲み物にするってなんだかあまり想像がつきませんが……。ローソンさんから「疲れたときにどうぞ」と編集部に差し入れをもらったので早速飲んでみました。

 フタを開いた瞬間、あのよく知る甘い香りが漂ってきます。実際に口に含んでみると……なにこれほんとにカントリーマアムだ! チョコレートの甘さに白ねりあんのとろっとした舌ざわりが合わさり、飲み物なのにカントリーマアムを食べたときと同じような満足感が得られます。こうやって飲み物として飲んでみると、白あんがカントリーマアムの味を大きく支えているということがよく分かります。もともとしっとりしたクッキーだというのもあまり違和感なく飲める要因かも。

 甘さは強いですが、飲み物全体としてはカントリーマアムのやさしい味わいが感じられるバランスにまとまっており、それほどしつこさは感じません。甘いものが欲しくなる午後のおやつがわりにもなりそうです。

まあ人の好みは様々ですし、クッキーよりもこちらの方が好みに合うと言う人も中にはいるのかも知れませんけれども、ねえ…
今日は新たな境地を開拓しつつある不二家さんに敬意を表して、世界各地からそれって一体誰得?と言いたくなるようなニュースを取り上げてみることにしましょう

ヤクの売買で逮捕された18歳女子が「私の逮捕写真はカワイイ!」とツイート(2014年12月9日ロケットニュース24)

メチャクチャ美人なのに「私ってブサイクだし~」と、確信的に謙遜する女性よりは、カワイイならカワイイとハッキリ認める女性の方が好印象な場合だってある。
そんな自分のルックスに自信満々な18歳女子が、ヤクの売買で逮捕されながらも「私の逮捕写真はカワイイ!」と豪語して、注目の的になっているのだ。だが、実際に彼女が本気でキュートだったため、ネット上で男子が大いに盛り上がっているのである!

・ドラッグを売買する18歳女子が「私はカワイイ!」と豪語
以前、「逮捕されたギャングがイケメン過ぎる」と女子がネットで騒然となった記事を紹介したことがある。この場合も、逮捕時の顔写真がカッコ良すぎて話題となったのだが、彼は自分で自分のことをカッコイイと言った訳ではない。
だが、鎮静剤のザナックスを密売したとして逮捕されたアリサ・スグロ・バスリック(18歳)は、堂々と自分のことを “カワイイ” 宣言してしまったのである!!

・自分の逮捕顔写真をツイートしちゃったアリサちゃん
ドラッグの売買で逮捕された容疑者なので名字を呼び捨てにしたいところだが、まだ18歳ということで、特別にアリサちゃんと呼ぶことにしよう。
元カレの密告により自首するハメになったという彼女が、「朝7時に自首して、朝11時半に釈放されたわ。みんなが何を聞いたにしてもクソ食らえよ! ちなみに私の逮捕写真はキュートよ」と、自分の逮捕顔写真を添えてTwitterに投稿。
(略)
そんなこんなで、アリサちゃんの写真付きツイートはアっという間に話題となり、すでにリツイートが2000を超えるほどに! ということで、男性陣から寄せられたコメントをいくつか紹介したい。

    「元カレの後釜は俺が務める!!」
    「もし弁護士が必要なら連絡をくれ! 俺が助けになってやる」
    「手錠が好きなのかな……マジでホットだ!」
    「逮捕記録に彼女の住所まで載ってるじゃないか! “家に来て” って誘ってるのか!?」
    「ヤクの売人だなんて、タフな女って感じでイイな」
    「オレに逮捕させてくれ~!!」

と、ある程度想像がつく内容となっている。
一方で女性からは、「自宅の住所を世界に向けてツイートするなんて、頭がどうかしている」とのコメントが多数見られ、女性陣は批判的なようだ。だが前出の “逮捕されたイケメンギャング” の例といい、男女共にワルなタイプに心惹かれてしまう人が多いのかもしれない。

画像は各自参照し判断いただくとして、多少カワイイと言う頭部の内側に問題があるような気がしないでもないんですが、いずれにしてもカワイイからとかそういう問題ではないだろうと思ってしまうのは自分だけでしょうか。
昨今何やら妙なものがプチブームなんだそうですが、こういう形での便乗は避けていただきたい…と言うのがこちらのニュースです。

天使レディビア『胸空きタートルネック』に挑戦!あらわな巨乳で俺たちを翻弄(2014年12月11日おたくま経済新聞)

首をすっぽり包むタートルネックは、冬場に重宝される必須アイテム。その胸元を大きくあけた『胸空きタートルネック』が先日世間を賑わせていた。

そんな男性心理をくすぐるセクシーファッションに、「俺たちの天使」こと女装パフォーマー・Ladybeard(以下、レディビアちゃん)が挑戦したとして、世間を震撼もとい歓喜の渦に巻き込んでいる。

レディビアちゃんがTwitter(@Ladybeard_Japan)に投稿した画像はまたたくまに広まり、現在では2万RTを超えている。

レディビアちゃんは普段、セーラームーンのコスチュームや、メイド服と清純派のイメージが強い。ただ時に水着姿を披露することもあるので、今回の衣装が特別過激というわけではないのだが、普段と違う攻めのイメージからか見る者の感性を大いに狂わせているようだ。

なおこの衣装は、今回のためにタートルネックの胸元を切ってわざわざ用意したとのこと。市販の『胸空きタートルネック』ではレディビアちゃんの「最強のわがままボディ」が収まらないからだそうだ。

とりあえず画像の閲覧は自己責任と言うことにさせていただきたいと思いますが、思わず机をぶっ叩いてしまう人々が全国にどれだけいるものかが心配です。
ゲーム「鉄拳」シリーズの原田プロデューサーと言えば知る人ぞ知る格ゲー界のカリスマですが、その原田氏が「揺れても仕方ないのかも」とあきらめかけていたと言うアレがついに克服されそうだと言います。

たゆんたゆん防止! 運動中の胸揺れを軽減する「バイオニック・ブラ」が開発されたぞ(2014年12月11日ねとらば)

 オーストラリア・ウロンゴン大学の研究グループが、人工筋肉の技術を応用し、運動時の女性の胸揺れをしっかりサポートするブラジャー「Bionic Bra(バイオニック・ブラ)」の試作品を発表しました。

 このブラジャーはセンサーで運動と体の状態を感知し、アクチュエーターで保持力を調節するという仕組み。構想自体は15年前からありましたが、研究者の想像力に技術が追いつかず苦戦を強いられていました。このたびの試作品は3Dプリンタの登場や人工筋肉、繊維に埋め込めるセンサーなどの技術が発達したことによって実現したとのこと。

 運動時に胸をしっかりサポートし、揺れを軽減することで“たゆんたゆん”を防止する「バイオニック・ブラ」。「なんて余計な発明を……」と思っている男性もいるのでは? しかしながら胸揺れは胸が大きな女性にとってはけっこう切実な悩みなのです。胸が適切にホールドされていないと、首や背中の痛み、肩で神経が圧迫されることによる指先のしびれなど長期的なダメージを受ける可能性も。同大学研究者の調査によると、85%もの女性が自分の胸にフィットしていないブラを着用しているんだとか。

 ただし、公開された写真からも明らかなように試作品はかなり「メカ」といった感じがします……。今後も研究を重ね、機能面と快適さを追求していくそうです。

いやまあ、試作品を見る限りでもデザインであるとか色々と言いたいことはあるんですが、そういう細かいところを抜きにしても一体全体誰得なんですかこれは?
100円ショップと言えばアメリカでもダラーストアとして人気なんだそうですが、日本と同様時々意味不明の商品も並んでいるようです。

アメリカの100円ショップの子供玩具にドン引きな写真掲載!案の定炎上!(2014年12月11日秒刊サンデー)

近年アメリカでは"dollar store(ダラーストア)"という店舗が人気を博している。商品が1ドル均一で販売されているショップで、日本で言えば100円ショップにあたる存在だ。価格の安さはもちろんのこと、一般の店には売られていないようなユニークな商品が陳列されているのが魅力的だ。
しかし現在、オハイオ州のダラーストアで販売されている子供用のおもちゃが物議を醸している。"Evil Stick(イービル・スティック)"と名付けられた本商品は、一見魔法使いが携帯しているロッドのような可愛らしいデザインだが、カバーを外すと、包丁で自分の腕を切断しようとしている少女のおぞましい写真が現れる仕様になっているのだ。

「イービル・スティック」は、日本語に訳すと「邪悪な杖」という意味である。何やら物騒な商品名だが、丸みを帯びたエレガントなフォントやカードキャプターさくらの画像をあしらったキュートなパッケージデザインを見れば、誰もが女の子用のおもちゃだと思って疑わないだろう。赤ちゃん用の人形やおもちゃと同列の棚に置かれていることもあり、多くの大人が子供へのプレゼントとして購入している。
だが、銀紙の包装紙を外した途端、スティックの中から現れるのは世にも恐ろしい写真だ。目を血走らせた少女がニタリとほくそ笑み、自分の左腕に刃物を当てている。切っ先からは鮮血が溢れだし、見ているだけで痛みが伝わってくる。大人でさえ不快感を抱くのだから、まして幼い子供たちにとっては尚更のことショックだろう。
本商品を購入してしまったニコールさんはマスコミの取材に対し、「ショップの関係者はこの商品が子供用のおもちゃとしてふさわしいと思っているのか説明してほしいわ。」と怒りを露わにしている。

一方、店側は顧客の苦情に真っ向から反論する立場を取っている。
パッケージに「イービル・スティック」と書いているのだから、子供にあげる前に詳細をチェックするのは親の務めだ。近頃の子供は普段からテレビでこの程度の映像を頻繁に見ているので、子供用のおもちゃとして何の問題もない…と店主は主張している。
ちなみに、イービル・スティックはいまだに同店で売られ続けているという。商品の是非はともかく、炎上商法は大成功を収めたようだ。

元記事の画像を参照頂ければその状況はお判りいただけるかと思いますが、だから意味わかんないって話ですよねこの商品企画は。
最後に取り上げますのはブリからの話題ですが、まずはこちらの記事を紹介してみましょう。

浴槽もトイレも洗面台もぜ〜んぶチョコ! 美味しそうなバスルームが発売開始に(2014年10月12日Pouch)

「洗面器で巨大プリンを作りたい」「浴槽いっぱいにココアを作って飲んでみたい」などなど、一度は甘い妄想に胸をときめかせた思い出はありませんか? 
そんなおとぎ話のような光景が、イギリスには実在するそうです。それが今回ご紹介する、お風呂も洗面台もチョコレートでできた素敵なバスルーム。チョコ好きにはたまりませんねぇ! それでは、さっそくチェックしてみましょう。

浴槽にトイレ、洗面台にビデ(お尻洗浄器)の4点セットから成るバスルームには、50kgのベルギー産チョコレートを使用しています。総カロリーは想像を絶する900万4千カロリー、1人で食べきるには約10年以上かかるという驚きの商品です。お値段も驚きの8万ポンド(約1千395万円)。ひぇぇぇ〜!! 食べてみたいけれど、カロリーも値段も高すぎるっ!!
このチョコバス、「ユーモアを大切にしたい」と考えたイギリスのバスルームメーカー「Bathrooms.com」が、同じくイギリスで展開しているチョコレート専門店「Choccywoccydoodah」の協力のもとで誕生した商品です。チョコレート専門店の遊び心溢れるチョコレートたちは、映画「チャーリーとチョコレート工場」にも登場している実力派。
同社では、きちんと使えるバスルーム用品を多数取扱っています。今回の商品は「Gamme Maderno」というコレクションをチョコレートで表現したものだそうです。

バスルーム会社のCEOイアン・モンクさんによれば「バスルームは直射日光を避けて保存、浴槽にお湯を入れたら溶けてしまうため、お風呂に入るのは我慢しましょう」とのこと。使えないなら浴室の意味がないじゃないかー!! と思ってしまうのは野暮というもの。これがイギリス流のユーモアなのだそうですよ。
大人になっても遊び心を忘れないイギリス人に習って、国内でも「大福ソファ」や「羊羹のテーブル」など、和菓子のインテリアが誕生したら楽しそうですね。

正直ブリ的ユーモアのセンスは高度すぎて分からないと言う気がするのですが、ともかく元記事の画像を見る限りでもそのこだわり具合がハンパではありません。
しかしそれぞれの利用目的、使用状況を考えますと、これをおいしそうと思われた方はいささかフォースの暗黒面に転落しつつある恐れ無しとしないでしょうか。

今日のぐり:「かつ将」

昨今ではどこの街でも似たような店を必ず見かけるとんかつ専門店ですけれども、福山市界隈で恐らく一番繁盛されているのでは?と思えるのがこちらの店舗です。
見た目はごく普通で特に変哲もないよくある店なのですが、年中行列が絶えないと言うのは非常に面白い経営戦略を取っているからではないかと思いますね。

久しぶりの訪店と言うことでこの日はさっぱり目にネギおろしヒレカツ膳を麦飯、豚汁の組み合わせで頼んで見ましたが、ご飯や汁の選択が利くシステムは変わらないようですね。
こちらのとんかつは衣はさくさく、肉は揚げすぎず中心部はロゼ風味と特別目を引く点はなくてもこの種のとんかつ屋としてはまず及第だと思いますけれども、割合にいつ来ても水準が安定しているのも好印象ですよね。
ただネギおろしのトッピングを見ますとポン酢などを合わせたくなりますが、今回見る限り特にそういうものはついてきていないようで、普通に備え付けのソースで食べるとなるとややアンバランスな気がしました。
麦飯もいい炊き具合でカツとの相性もいいんですが、今回変化があったのはキャベツが別盛りになっていたことで、以前はカツの下敷きにしていたせいか少し衣を湿気させることもありましたから良かったと思います。

この種のとんかつ屋としては安定株として使えるのもさることながら、やはりこちらの人気の理由に挙げられるのが接遇面での充実ぶりで、よくトレーニングされているのは相変わらずでやや高めの価格設定を感じさせません。
さらにはトイレなども単に設備が充実しているだけでなく備品の品揃えには一見の価値があると思うのですが、使う使わないは別としてこういうものがありがたい時はあると思います。
飯屋はシンプルにうまい飯を出すのが本業と言った感じの店も気楽でいいんですが、味の差別化が難しい大衆料理ではこういう方向で顧客満足度を高めるのも有りなんだと言う気がしますし、これで教育水準に相応するだけスタッフにも報いているとなればビジネスモデルとして優良ですよね。

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2014年12月13日 (土)

理念より実効性重視のクレーマー対策

最近ドラマ等でも話題のクロカンこと黒田如水は後継者である長政に家臣とのトラブルが続き苦慮していたそうで、亡くなる前にはわざと家臣達に嫌われるような振る舞いばかりをして息子に人望が向くようにしたそうですが、「それって単なる老人○○だったんじゃ?」と言う突っ込みはさておき、晩年になって人が変わったようなことをする人は少なくなく、如水の主君であったラスボスこと太閤秀吉などもその典型ですよね。
太閤の場合は田舎者が大出世して大喜びで美味珍味ばかり食べまくった結果脚気になったのでは?と言う説もあるそうですが、歴史上の人物に限らず同じような振る舞いをしても善意に解釈される人もいれば悪意に解釈される人もいて、死んだ後の評判なら知ったことではないと言う人でもそれが現世での利益不利益に直結するとなれば、やはり自分自身にとっても利益ある振る舞いをした方が得ですよね。
いささか余計な前置きが長くなりましたが、先日日本臨床整形外科学会がいわゆる問題患者の対応指針をまとめたと言うことで、その概要が日経メディカルにも紹介されているのですが、興味深いのはトラブルに遭遇した場合の基本的考え方で、より実践的なある種の割り切りとも言える考え方が見えるように思えるのが興味深いですよね。

リポート◎恐喝、暴力、セクハラ…急増する患者の迷惑行為 患者が「誤診」と騒ぎ金銭を要求、どうする?(2014年12月10日日経メディカル)より抜粋

(略)
 こうした院内暴力・迷惑行為について、予防、発生時の対応の基本としてまとめられたのが表3や3ページ目表4の内容だ。「予防のための体制作りが大切だが、発生時は、まず医療機関側に非があるのか、そうでないのかを分けて対応するよう指針に記載した」と渋谷氏は話す。

 予防策としては、患者が転倒したり、ドアに衝突するといった事故をなくすべく院内施設の整備を心掛け、職員一人ひとりに配慮した職場環境を整える。また「当院ではいかなる暴言・暴力・迷惑行為も許さない」「当院では職員を組織として守る」といった基本方針を院内掲示し、トラブル発生時の対応マニュアルを作成しておくことを勧めている。

 トラブル発生時は、患者の話を聞いて事実関係をまず把握。患者が理不尽な要求をしているときは、納得させる努力をするより「いかに攻撃をかわすか」が重要とした上で、結論を出す必要はなく、「平行線で終わることを念頭に置く」ことが望ましいとしている。

 さらに、予防・発生時の対応を行った後の「事態収拾後の対応」としては、医療機関に非がありそうなクレームの場合、後日に会談を持ったときは事実関係の検証結果を提示し、それでもクレームが続くなら弁護士に依頼する、当該職員には思いやりを持って対応する、ポジションペーパー(事実関係を客観的に示す文書)を作成して法的手段に訴える場合に備える、再発防止策を策定して職員に周知する──といった点が挙がっている。
(略)

基本的に医療と言う現場は性善説によって成り立っている部分があって、日本の医療リソースではそれを前提にしなければ実際問題仕事が出来ないと言う現実もあるわけですが、それが故に性善ならぬ何者かが混入してきた場合にうまく対応できず紛争化してしまう、あるいは場合によっては意図的にその欠点を突かれ相手を増長させてしまうと言う局面が見られたのは否めないと思います。
この点では医師よりも看護師の方が教育において「かくあるべし」論を尊んできた面があるように感じるのですが、「患者様は病気で苦しんでおられる弱者である」と言う認識の是非はともかくとして、「だから患者様が理不尽なことをされても病気のせいであり、患者様を憎んではならない」と言う方向に話が進んでしまうと、昨今よくある院内でのセクハラ騒動等にもつながりかねないと言う弊害も出てきますよね。
何かと不確かな側面の多い医療には正しい治療をするから治るのではなく、治ったから正しい治療だったのだと言う逆説的な考え方もあって、臨床で経験を積んだ医師であれば患者との対人関係においても同様の割り切りが出来ている場合も多いと思いますが、患者は全てが平等ではなく問題顧客は問題顧客として対応すると言う考え方が公の指針として出てくる辺りに時代の流れも感じてしまいます。
ただもちろん理屈の上で正しい、正しくないと言うこととは全く別の次元で、医療に限らず相手に一方的に強く出られると理不尽だとは承知していても人間ついつい一歩も二歩も引いてしまうものですけれども、以前にも取り上げましたように近年ではこの種のモンスターペイシェント対策として医療現場における警察OBの雇用が進んでいると言います。

増大する「逆紹介クレーム」にはこう対処(2014年12月10日日経メディカル)

 11月某日、東京慈恵会医科大学の講堂で開催された「HKO会」という研究会のセミナーを聴講してきた。HKO会は、医療機関の職員として患者サービスやトラブル処理などに当たる警察OBのための勉強会だ。
(略)
 押し寄せる外来患者の診察に追われる大病院の医師の中には、勤務負担の軽減につながる外来縮小策を歓迎する声が少なくない。ただ一方で、逆紹介する際、「追い出された」という思いを抱く患者からのクレームにさらされる医師も出てくる。東京慈恵会医科大学病院でも、「うちは代々慈恵がかかりつけなのに、なぜ他にかからなければならないんだ!」といったクレームが寄せられるケースが増えているという。
 常喜氏の講演では、1つの興味深いデータが示された。2013年4~10月に同病院に寄せられた患者の苦情の内訳を見ると、最も多かったのが「医師の態度・説明・変更」で、前年同期と比べて20ポイント以上増えているというのだ。

「医師の態度・説明」への苦情が増えた理由

 医師の接遇や疾患の説明などに対する評価が、わずか1年で大きく変わるとは考えにくい。逆紹介の取り組みを強化し始めた時期と調査期間が一致していることから、常喜氏は、他院への受診を勧められたことに対する不満が「医師の態度・説明」へのクレームとして表れたとみている。
 では、逆紹介への理解を得るために何が必要なのか。常喜氏はそのポイントとして、院内の部門間連携の強化と職員の「帰属意識」を挙げた。各科の医師やスタッフ、連携室などが個別に対応するのではなく、病院を挙げて取り組まなければならない。組織が一体となって難しい課題に対処するためには、そのベースとして「この病院で働きたい」という帰属意識が不可欠だ──。常喜氏はそう訴えた。
 この話を聞いて、大いに納得させられた。患者の逆紹介率が高く、病診連携の実効性を高めている病院の中には、院内の部門間連携や職員満足(ES)向上への取り組みに熱心なケースが多いという印象を持っていたからだ。
(略)
 また、「この病院から見放された」という患者の思いを和らげる手法として、口頭での説明に加え様々なツールを活用するやり方もある。地域連携に積極的な病院の中には、逆紹介後も年1回の検査などで定期フォローする患者に対し、担当科の外来の直通電話番号などを記したカードを交付してきたケースもある。「あなたのことを見放してはいませんよ」というメッセージを伝えるのが狙いだ。こうした工夫を取り入れるには、医師と事務、連携部門などとの協力体制が欠かせない。

 一方で、常喜氏が指摘する「帰属意識」を高める取り組みは、相応の時間が掛かることが多いが、上記のような連携の仕掛けづくり自体が、スタッフのモチベーション向上につながることもある。例えばある民間病院では、逆紹介だけでなく紹介に関する業務もMSWに一括して担ってもらい、地域連携に関する様々な意思決定の権限も付与している。「信頼され、任せられている」ことが、スタッフにとって大きなやりがいになっているという。
 「ESなくしてCS(顧客満足)なし」というのは、経営の世界でよく語られる言葉だが、これは逆紹介への取り組みにもそのまま当てはまる。医療機関の機能分担の進展に伴い、紹介・逆紹介の最前線に立つスタッフの負担は一層大きくなる。病院の経営者や管理者には、対応を現場任せにせず、「組織管理」全体に関わる課題と捉え、腰を据えて対処することが求められる。

まあ単純粗暴型の問題顧客には強面のスタッフが効くと言うのはまま見られる話で、院内に顧客トラブル対応の専門家を置くのが昨今の流行りであるようなんですが、一見すると病院側の都合で進められているようにも見えるこうした対策が、実は大部分の普通の顧客にとっても満足度向上につながると言うことは留意いただきたいと思います。
さて、記事にあるようにスタッフの帰属意識、あるいは組織に対する忠誠心の高さが顧客満足度に直結すると言うのは別に医療に限った話でも何でもなく、古来店員がやる気のなさそうな店は不味いなどと言われたりするものですが、給与待遇等々で自分は報われていないと不満を抱えている人間が、顧客に対してだけいい顔をするとはとても思えませんよね。
とりわけ日本の場合医療現場はワンオペ牛丼店もかくやと言う多忙さで恒常的なオーバーワークを強いられている場合も多く、先日も日本の病院を視察したドイツ人医師が二交代制の看護師の長時間勤務に驚いたと言う記事がありましたが(ただし、二交代制の方がむしろ楽であると言う現場の意見も少なくないようです)、単純に過労が続けば気配りも行き届かないし表情も強ばろうと言うものですよね。
さらに多忙な医師に顕著に見られる傾向として患者が増えようが病院の利益にはなっても自分の得になるわけではない、故に働けば働くだけ損ではないかと言う考え方から診療を意図的にセーブする(とは言っても、やはり多忙であることには変わりないわけですが)とか、さらには応召義務から直接断ることは出来ないにしろ患者が自分から立ち去るよう意図的に乱暴な診療をすると言ったケースもあるようです。
まさにそれが故にこそスタッフの労働満足度(ES)の高さが顧客満足度(CS)向上につながると言うことであって、物理的な話に限っても患者がちょっとイレギュラーなお願いをした時にもにっこり笑って対応できるにはスタッフにもそれ相応の余力がいると言うことなんですが、ただそれだけで顧客満足度が左右されると言うわけではないのはもちろんです。

とある病院ではごく普通の患者だった人が、施設を変わったところとんでもないモンスター顧客になったと言う話は聞くところで、単純に肌に合わないと言うこともあるのでしょうが、とりわけ大学病院から市中のクリニックに逆紹介されると不安を覚えると言うのでしょうか、大学こそ至上と言う権威主義的観点からすると「何故オレがこんな場末のクリニックに」との都落ち気分から、つい周囲にきつく当たってしまうものなのかも知れません。
また一般論として顧客は不満が大きければ立ち去るもので、どこであれ長年そこにかかっていると言うことはそれなりに満足していたからこそ続いていたのだと考えると、逆紹介に限らず転院となった場合に新たな施設でより高い満足度を得る確率よりも、満足度が低下する確率の方が高いんだろうなとは思いますね。
要するに転院と言う行為は単純にお互いをよく知らないからこそ発生する誤解に留まらず、様々な意味で顧客満足度を引き下げる方向に働く要因となる行為であり、それがさらにはモンスター顧客を生む下地となるとすれば、やはり第一印象は非常に重要であり、まず「あ、ここはちゃんとしたいい病院なんだな」と思わせることで善隣的関係が開始され、モンスター化のリスクを引き下げることは出来るでしょう。
ただ受ける側にしても大学が見放したモンスター患者を引き受けるリスクを甘受したくはないはずで、冒頭の指針ではありませんが何かしらの理由があって機会的にモンスター化しているだけなのか、それとも真性のモンスターなのかと言うことを真っ先に見分け、必要なら断固として対応を区別していくと言うことは組織防衛上もスタッフのES向上の上でも、そして回り回って顧客満足度向上のためにも必要だと思います。

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2014年12月12日 (金)

特に女性には気になる?リスク

本日の本題に入る前に、以前に一部の方々がマタタビ(マタ旅=妊婦の旅行)なるものを妙にヨイショしていると言う話を取り上げたことがあって、ともかくも医学的リスク以外にも様々なリスクがあると言う自覚は必要だろうと思うのですが、先日日本でもおなじみの観光地であるハワイにおいてこんなショッキングな話があったと言います。

ミリオンダラーベイビー 保険適用されず(2014年11月20日ハワイニュース)

生後11か月のカナダ人の赤ちゃんは、昨年12月ホノルルにある、カピオラニ・メディカル・センターで誕生しましたが、両親の元には保険が適用されない、約95万ドルの請求が届いているということです。

カナダからマウイ島に旅行に来ていた夫妻は、滞在中に破水し、ホノルルにヘリコプターで運ばれた後、カピオラニ・メディカル・センターで6週間にわたる入院を余儀なくされ、結果、帝王切開にて9週早い出産となりました。

夫妻はブルークロスの旅行保険に加入していたものの、加入前に、膀胱感染症による少量の出血があったことを理由に保険金が支払われないことが判明しました。

これに対し夫妻は、カピオラニ・メディカル・センターのドクターからの説明では、膀胱感染症と破水にはっきりとした関連はないと伝えられたと話していますが、ブルークロスでは、今回の救急医療は加入前の既往症により保険適応外と判断され、また新生児への医療も保険適応外の旨が書かれた書類をカピオラニ・メディカル・センターに提出しているということです。

これに関して、ブルークロス・ブルーシールド系列のハワイの最大手保険会社HMSA、カピオラニ・メディカル・センター共にコメントは控える、と述べるにとどまっています。

ちょうど先日とある漫画で似たような話を聞いたことがあるなと思って見ていたのですが、旅行保険と言うものには出産と歯科は対象外と言うものが多いのだそうで改めて注意を要するのも確かだとしても、しかし実際にこうして億単位の請求なんて話が起こってみますとびっくりするのは確かですよね。
カナダの医療制度はイギリスにならったメディケアと言われる国民皆保険制度で、直接的な自己負担がない代わりにアクセスが悪い(家庭医から専門医への紹介待ち時間が平均9.5週)と言う欠点もそのまま受け継いでいるそうですけれども、日本人もそうですがこうした「安い医療」に慣れた人々は海外での医療行為で思わぬ巨額請求を受けて驚くと言うことをまま聞くところですよね。
何にしろアメリカでは何かと言えば医療費の高さに驚く機会も多く、先日聞いた話では手術をすることになって全額保険で対応可能と聞き安心していたものを、担当医がたまたま手術室でちょいと脳外科医にコンサルトしたところ巨額のドクターフィーが後日請求されてきた、しかもその分は保険でカバーできないので途方に暮れていると言った話もあるようで、まあオバマさんが皆保険制度の必要性を説くのも理解は出来ますよね。
今回の保険の契約上出産に関する費用負担がどうだったのかは不明なのですが、ほとんどが一時加入である旅行保険の性質上記事にあるような理由での支払い拒否ををされるのでは意味がないわけで、保険会社にとっても支出を抑えようとしてかえって大きな社会的信用を失う恐れがある行為ではないかと言う気もするのですが、妊婦の方々は医学面以外にこうしたリスクもあると言うことは考えに入れておくべきかと思いますね。

さて、保険の話はそれとして昨今日本でも利用が拡がっているのがスマホ等を利用したタクシー配車サービスと言うもので、いちいち電話をかけずともお望みのままに配車しますと言うアプリが出回っていますけれども、日本の場合白タク禁止や料金等の様々な規制も強力でタクシーの品質は一定程度確保されている方だと言え、むしろ酔客やモンスター顧客による運転手への暴行事件の方が問題視されやすいほどですよね。
ただそんな日本でも時には運転手による様々な犯罪行為が報じられることはありますから、海外ではいつ何時犯罪に巻き込まれるか判ったものではないと言う地域もあって、特に南米では先頃も邦人死亡事件があったように白タクや流しのタクシーはいつ犯罪に巻き込まれるか判らない恐さがあり、ホテル等から呼んでもらう方が安全だと言います。
そうした点でこの配車サービスと言うものは利用者の期待としては一定程度品質も保証するものであるべきだと捉えられていると思うのですが、どうも海外の事例を見ると決してそうではないらしいと言うことが明らかになってきたと報じられています。

運転手による女性客レイプでUberに課せられた重い罰:インド(2014年12月9日WIRED)

インドのデリー当局は、配車サーヴィス「Uber」の運転手が女性客をレイプしたとして逮捕されたことを受けて、同社に営業停止を命じた
この禁止措置について、サンフランシスコを拠点とするUber社はまだコメントを出していない。ただし、今回の事件を受けて、Uber社のトラヴィス・カラニック最高経営責任者(CEO)は12月7日、ウェブサイトに掲載した声明の中で次のように述べている。
「この卑劣な犯罪に遭われた被害者の方に、当社のチーム全員より心からお見舞いを申し上げます。われわれは何でもします。繰り返しますが、この犯罪者を裁き、被害者とその家族を回復に向けて支えるために何でもします
Uber社は、インド政府と協力して運転手の身元調査制度を新たに確立させるとともに、地域の団体と協力して、「デリーを女性にとってより安全な街にするために役立つ技術の進歩に投資していく」と、カラニックCEOは付け加えた。
Uber社が地域の自治体に営業停止を命じられるのはこれが初めてではないが、これまでの禁止措置は多くの場合、地域のタクシー協会との規制をめぐる対立に関係している。しかし、デリーでの禁止措置は、同社のシステム(というよりむしろ、シェアリング・エコノミーと呼ばれるシステム全体)が抱える、はるかに根の深い弱点を反映するものだ。

『WIRED』US版が2014年4月の英文記事で指摘したように、Uberのようなサーヴィスは、まったく見知らぬ人たちへの信頼で成り立っている。そしてその信頼は、時に裏切られることもある。
Uberでは、今回の事件以外にも、同じような事件がいくつも発生しており、こうした信頼が損なわれる危機に瀕している。同性愛者を嫌悪する人や、人種差別主義者による暴言や誘拐などの被害が報じられているほか、2014年9月には、サンフランシスコで乗客が運転手にハンマーで殴られるという、とりわけ恐ろしい事件もあった。

Uber社は2014年2月、ようやく米国における身元調査の方針を改めた。
それまで、一般の人の所有車を活用する「UberX」プログラムの運転手は、Uber社では正社員ではなく契約者と見なしており、複数の州にまたがる犯罪歴を照合するだけでよかった。これらの犯罪歴は不完全な場合もあるため、Uber社では、運転手に郡当局や連邦レヴェルでの身元調査も受けさせるようにしたのだ(今回の事件では、インド側の警察幹部は、初動捜査の結果、義務づけられている運転手の犯罪歴調査が行われていなかったことが明らかになったとして、Uber社を批判している)。
(略)

女性にとっては特に深夜の単独でのタクシー利用には緊張感を覚えると言う局面もあるようで、日本であってもそうなのですから海外ではなるべく避けるべきリスクと言うことになるかと思いますが、そうは言っても一人で道を歩く方が安全だとも言えない以上タクシーに乗るしかない局面も多いでしょうし、ましてや現地の人間にとってはそうした環境であることは仕方のないことですよね。
そのタクシー利用によってこうした犯罪行為に巻き込まれた場合に誰が責任を取るべきなのかですが、これがタクシー会社に所属する正規のタクシーであれば誰しも会社に連絡を取るのは当然なのですが、それではこの種の配車サービスに所属する(多くは日本で言う白タクに相当する)個人タクシーでの事故があった場合、配車サービス側はどこまで責任を取るべきなのかです。
実はインドに限らず本拠地のアメリカにおいても同社登録の運転手による暴行・セクハラ事件が発生している、そして運転手の犯罪歴等チェックがされていなかったと明らかになっていることもさることながら、客待ちをしていた同社配車のタクシーが事故を起こした際に運転手個人の加入する保険では業務時間外だからと支払い対象外となってしまったケースで、同社が「当社に責任はない」と知らぬ顔を決め込んだ事件も注目されます。
運転手からすれば配車サービスに登録すれば余計な手数料を取られる上に価格競争で運賃値下げを強いられる、そして整備や保険等々のコストは自己負担である上に事故でも起こせば自己破産に追い込まれかねないリスクを負うことになるわけで、それだけ条件の悪い仕事にどんな人材が集まるかと言えばまあ、他に真っ当な生業に就けるような人であれば関わり合いにはなりたがらないんだろうなと言う気はしますよね。

ちなみにすでに世界各地で続々とUberに営業禁止命令が出されていると言う状況なのですが、前掲の記事からも伺えるようにその多くは車輛形式がどうだとかドライバーの認可がどうだとか言った理由で、その進出が既存タクシー会社にとって大きな脅威になっていると繰り返し報じられてきたように、やはり商売敵として目の敵にされている、既存のタクシー業者を圧迫すると言う経済的側面からの反発が大きいようです。
もちろん業界の既得権益と言えば昨今打破されるべき旧弊だと相場は決まっているのですが、様々な意味での質を確保するためにはそれなりにコストもかかるのは理屈であり、単純に安さだけを追及して行くのでは結局利用者にとっても損になる局面も多いはずですから、経済的競争によって世の中安かろう悪かろうばかりになってしまうのも困りものですよね。
ただこの点で少しばかり興味深いと思ったのは日本では既存のタクシー会社と組んで空車の配車サービスを行っていると言う点で、配車取り次ぎの手数料等料金の取り分がどれくらいの比率になるのかと言う問題はあるにせよ、白タク配車サービスとして既存タクシー業界と競合しがちな海外と少し風向きが違うように思えるのは、やはり日本では業界そのものへの規制が厳しいと言う事情があるのでしょうか。
規制が誰のためのものかと言う点に関しては様々な議論があり、また規制を緩和した結果コストが下がるなどうまく回っている業界もあるでしょうが、しばしば報道される内外の食品安全の問題を見ても安全管理と言う点では一定の役割を果たしている側面もあるはずですから、ちょうど今話題のTPPなどとの絡みでこの辺りが諸外国並みとなればどうなるかと言う点も想定しておくべきかなと思いますね。

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2014年12月11日 (木)

「悪いのは高齢者」と言う時代が到来?

近づく総選挙の主要な争点の一つとして、消費税増税とも絡めて社会保障についてどのような改革を行っていくべきなのかと言う点は是非とも真剣な議論が必要だと思いますが、先日麻生財務相が社会保障費増大は(消費する側の)高齢者の増加よりも(支える側の)少子化が問題だと言う認識を示したところ、「子供を産まないことが悪いのか!」と妙な方向に延焼してしまいましたよね。
まあしかし自らを元気な高齢者と自認している麻生氏が「高齢者が悪いようなイメージを作っている人がいっぱいいる」と語ったように、興味深いのはこのところ特に一部マスコミで高齢者の「悪行」を報じる記事が盛んに出ているなと言う印象も受けるのですが、幾つか最近の記事を抜き出してみましょう。

「最近の老人たちは」と公共の場で若者が眉ひそめる例が増加(2014年12月1日NEWSポストセブン)

 人生の手本であったはずの高齢者にどうも「異変」が見られる。金融機関に勤める30代会社員A氏は外回りの途中、東京を東西に貫く中央線で運よく座ることができた。次の取引先訪問に備えて資料をカバンから取り出して読み始めたが、その席が悪かった。
「60代後半か70代と思われる女性グループが、私の横や向かい側に点在して座っていて、大声で喋っていたんです。目の前の通路には立っている人も何人かいるのに、それを飛び越えるように話していて……。しかも会話の内容も嫁の悪口や近所の噂話で、聞くに堪えませんでした」
 電車内で携帯電話を使って大声で話す、ドアの脇を占拠して人が乗り降りしようとしているのに一歩も動かない、そんなマナー違反を目撃することも増えたように感じる。

 少し前は、公共の場で配慮ができない存在といえば「若者」が定番だった。「最近の若いもんは」とはいつの時代も年配者が若者の姿を憂えていう言葉だったが、いまは分別をわきまえているはずのシニア世代が「最近の老人たちは」と若者から眉をひそめられる
「目撃談」が圧倒的に多いのは、冒頭のように公共交通機関でのマナー違反だ。20代の電子部品メーカー社員の男性は、朝のラッシュ時にこんな経験をした。
「駆け込み乗車してきたおじいさんが、電車のドアに挟まったんです。痛そうだったので最初は心配していたのですが、ドアが開いたとたんに、後ろにいた友達と思しきおじいさんに『今なら乗れるぞ!』と声をかけた。すると今度は2人目がドアに挟まったんです」
 出勤を急ぐ周囲のサラリーマンたちは冷ややかな視線を浴びせていたが、当人たちは「乗れてよかった」と満足げだったという。

孫に野球ゲーム買った祖父 孫がHR打たれ家電量販店に苦情(2014年12月6日NEWSポストセブン)

(略)
 都内の家電量販店ではこんな事例があった。孫に野球ゲームを買い与えた高齢男性。ところが孫はうまく操作できず、友達にホームランを次々打たれてしまって、見ていられないほどかわいそうだ、という“クレーム”を入れてきた。
 初めは若い店員が対応していたが、埒が明かずフロアのリーダーにバトンタッチ。そうした理由では返品もできないし対応もできないというと、「そういうことじゃない。仕事とはどういうものか知っているか。君たちは若いからわからないかもしれないが、サービス業とは、客の気持ちに寄り添ってどうすればいいかを考えるものだ」と説教になり、それは延々と続いた

「仕事とはこうだ」「客商売とはこうあるべきだ」というのが、一部の高齢者の常套句になっている。アミューズメント施設に勤務する30代女性が語る。
「70代と思われる男性から、『うちの孫は半年前から貯金して、ようやくおたくの遊園地に遊びに来ることができた。それなのに雨が降ってアトラクションに乗ることができない。どうしてくれるんだ』というのです。『その分、なにかしら別のサービスを考えて客を楽しませるのが君たちの仕事だろう』と……」

70代男性「前のヘルパーさんは触らせてくれた」と胸まさぐる(2014年12月7日NEWSポストセブン)

(略)
 大手旅行会社勤務の30代女性Aさんは高齢の女性客から、「旅館のカニ雑炊に海苔とネギが入っているはずなのに、入っていなかった。パンフレットの写真と違う。いますぐ入れてほしい」と文句をつけられた。ところが、パンフレットにそんな写真はなく、ふだん自分が雑炊に入れるからそうするべきだというだけだった。
 Aさんはクレームの中身より、嘘をつかれたことが悲しかったという。「普通に海苔とネギを入れてほしいといってくだされば対応できるのに、『あなたたちは間違っている』といわれると反発したくなってしまう」(Aさん)。

 30代介護ヘルパー女性の体験談には驚く。
「70代男性から食事介助のとき、ずっと太ももの上に手を置きっぱなしにされた。ときどき手が動く。気持ち悪かったのですが我慢していると、足の間までサワサワしはじめた。
 同僚の話では、入浴介助のときに勃起した局所を触るよう強要する人がいたり、『前のヘルパーさんは胸を触らせてくれたよ』といってまさぐってきた人もいたそうです」

単なる年齢的なアレもありそうな気もしますけれども、もちろんマスコミには公正中立な報道など出来ないそうですから、これも何かしらの意図を持っての報道だとして、ではそれが何を意図しているのか?と深読みしたくはなりますよね。
その他マスコミにおいても注意してみますと「煽られて危ないと思ったからスピードを出しただけ」と30kmオーバーのスピード違反を無罪にしてくれと主張した80代男性の主張が二審で退けられたと言う記事もあって、一審がそれを認めたのもどうなのかですが、ひと頃の「若者の暴走」がもはや当てはまらないとも受け取れる話です。
高齢者の困窮ぶりを伝える記事も数多く出ているのですが、食っていけず犯罪行為を繰り返し刑務所に出入所を続ける高齢犯罪者が急増しているだとか、不況の煽りでマンションのローンを払えなかったり管理費を滞納、挙げ句にゴミ屋敷化した高齢者が問題化していると言った記事もあり、もちろん大変な事情もあるのでしょうが各所に「仮に貧乏であってもそれはどうよ?」と突っ込みたくなる記事でもありますよね。
あるいは介護保険改革による支払い負担増加で高齢者が困っていると言う記事なども「余裕はない」と言う例に出ているのが年金が26万円あると言う独居高齢者ですから、これで「追い詰められる高齢者」と言われても今どきのワープア化著しい現役世代からすると素直に頷けるのかで、この辺りは新聞記事などに取り上げられる生保受給者の困窮生活に対して必ず「どこが?」と突っ込みが入るのと同じ構図です。
ただ下の世代も必ずしも批判の余地無しではないのも当然で、近年「葬儀代が浮くから」と言う理由で遺族からの献体の申し出が増えているだとか、50代無職の次男が父の死を7年隠して年金1200万円を不正受給しただとか言った記事もあるように、特にお金に関して社会全体が以前ほど寛容ではいられなくなってきている気配は感じます。
その結果なのでしょうか、近年の世相としてとかく既得権益だ、特権だと受け取られかねない話には非常に大きな反感が出やすくなっているとも指摘されるのですが、以前であればマスコミにしろ政治家にしろ「社会保障の充実が必要で」と言えばなかなか反論が難しかったものが、今では(もちろん当の受益者の支持は一定程度あるのでしょうが)下手すると金を出さされる側の反発の方が大きくなりかねない難しさもありそうですね。

今話題の消費税引き上げも社会保障費を充実させるためと言うロジックで進められてきた話なんですが、現役世代の負担感を考えるとむしろ社会保障費をどう抑制するかこそが喫緊の課題であって、ましてや少々消費税を引き上げたところで自然増を続ける赤字分の補填程度にしかならないのだとすれば、どこを削ったら永続的なシステムに改革出来るのかの議論こそが早急に必要なはずです。
その点で年金などは最低いくらが妥当なのか?と言う議論も一つの重要なテーマですが、かつて民主党が公約に掲げたように最低限それだけで食っていけると言う金額は全国民に保証しましょうと言う最低保障年金の考え方に対して、膨大な財源の必要性を考えると現実的ではないと言う意見も根強くすっかり話が流れているように、何であれ大きな支出を必要とするような話は現状でなかなか難しいものがありますよね。
ただ生保受給者などでもしばしば議論になるように、現金を渡すよりも食料等の現物支給の方が安上がりかつ実効性も高いのでは?と言う話もあって、職を失えばネットカフェに籠もるしかない若年者に比べると年配の方々はとりあえず住む場所は確保出来ている場合が多いわけですし、食材なり弁当なりを配って回ると言うのはもともと高齢者向けサービスとしても必要とされていることでもあります。
今は給食業者以外にも全国各地に介護事業所がありデイサービス等で給食を提供している実績はありますし、また一方では大手大規模業者の進出に圧迫され地元の小さな小売業者は厳しい戦いを強いられていますけれども、逆に言えば少し余計に手間をかける余力があるとすれば、何かしらこれらを組み合わせて地元自治体なりが音頭を取れば現物支給のシステムが出来そうな気がしないでしょうか。
これもあくまで一例ですが、単純に年金を○パーセント増やしますと言うのは財源問題もあって難しいとしても、年金の一部を委託いただき現物支給で額面金額の○パーセント増しで受け取れます、その仕入れやサービス提供には地元の小さなお店や業者を利用しますと言えば現役世代にも有り難みのある話ですし、いつもいつも年寄りばかり優遇して現役は金を払わされるだけかと不平不満ばかりが募ることも減るかも知れませんね。

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2014年12月10日 (水)

子供にかかわる最近の話題二題

本日は子供にちなんだニュースを二つ取り上げてみたいと思いますけれども、まじ最初に先日こういう不幸な死亡事例があったと報じられ、ちょっとした話題になっています。

見知らぬ人にキスをされた赤ちゃん、ヘルペス感染で死亡 豪州(2014年12月6日びっくり!世界の面白ニュース)

見知らぬ人にキスをされた赤ちゃんが感染症で死亡したというニュースが報じられました。

11月1日、オーストラリアのクイーンズランドで生まれたL.エロイーズちゃんは健康そのものでした。
しかし退院から1週間後から体調が悪化、24日後に死亡したのです…
医師は口唇ヘルペスであると診断しました。

母親のプーさんは「他の赤ちゃんを持つ両親に、ヘルペス感染症の危険性を知って欲しい」と述べています。

出生直後だったと言うことですから恐らく新生児ヘルペスだったのでしょうが、抗ウイルス薬が開発された現在でも高い致命率を示す恐ろしい感染症であることもさることながら、ヘルペスウィルス属全般の特徴として多くの人間が子供の頃からウイルスに感染していて、時折あるいは常時周囲にウイルスをばら撒いていると言う点では、誰もが「加害者」になる可能性があると言うこともやりきれない話ですよね。
この点で新生児ヘルペスの原因はほとんどが周囲の(口唇ヘルペスを持つ)大人のキスによると言われているようですけれども、同じヘルペスウィルス属であるEBウイルスなども何かと色気づいてくる思春期に感染・発症することから俗に”kissing disease”と呼ばれるように、この何気ないキスと言う行為が時に非常に重大な結果を招くことは知っておいた方がよさそうです。

母親のキスで生後11日の赤ちゃんが死亡、ヘルペスウイルスにご注意。(2009年3月1日ナリナリドットコム)

母親が生まれたばかりの赤ちゃんを抱きしめてキスをする。新生児のいる家庭なら日本だけでなく世界中で見られる光景だが、この愛情表現によってわが子を失うという悲劇が英国で発生した。ラス・ショフィールドさんの娘ジェニファーちゃんの人生をたった11日で終わらせたのは、単純ヘルペスウイルス(HSV)。口唇ヘルペスの原因となるウイルスだ。

病気や疲労、ストレスなどで体が弱ったとき、唇の周りに水ぶくれができる口唇ヘルペス。その原因となるHSVは世界人口の約半数、日本でも10人に1人が感染しているといわれ、年齢が高くなるにつれて感染率も増加する。
ラスさんはジェニファーちゃんを妊娠中にHSV感染が判明し、出産前は医師に風邪の兆候を訴えて抗生物質を処方された。さらに、出産2日後に口唇ヘルペスの治療を受けたが、ラスさんはジェニファーちゃんにキスをし続けていたという。
ジェニファーちゃんは生まれて間もない頃から食欲が振るわず、生後8日目には病院で検査を受けることに。しかし、検査前に容態が急速に悪化したため延命治療を受け、さらにその3日後、家族は延命治療の中断に同意。ジェニファーちゃんは生まれてわずか11日でこの世を去った

口唇ヘルペスは2週間程度で治るものの、原因となるHSVは完全に消えず「三叉神経」の奥に潜んでいる。そのため、体が弱ったときにHSVの活動が活発になり、口唇ヘルペスを再発することが多い。また、免疫を獲得していない成人やアトピー性皮膚炎患者、新生児がこのHSVに感染すると重症化し、新生児の場合は死亡するケースも。新生児の死亡例は、英国で年6件報告されているという。
そのため、医療機関などではHSV感染者に新生児へのキスを避けるよう訴えているが、母親が感染者の場合、新生児でも重症化しないというのが定説。製薬大手グラクソ・スミスクラインのヘルペス専門サイト「Herpes.jp」(http://herpes.jp/)でも、「母親がすでにヘルペスウイルスに感染していて免疫がある場合、新生児の症状はそれほど重症化しません」と説明している。
しかし、ラスさんのケースは出産前にHSV感染が認められたものの、ジェニファーちゃんの出産までに免疫を獲得できなかったことが悲劇を招いたようだ。

ラスさんは、英紙デイリー・ミラーに対して「ジェニファーはHSVに感染していた兆候も口唇ヘルペスの症状も出ていませんでした。子供を失うというのは、母親にとって最も痛みを伴うこと。それは終生、自分の中に刻まれます」とコメント。また、妊娠した女性へより多くの警告を訴えるよう求める手紙を、ゴードン・ブラウン英首相に送ったという。

長年当たり前にやってきた習慣が思わぬ悲劇を呼んだと言うことなんですが、一般にはさほどにキスの習慣が広まっていない日本でも赤ん坊に思わずキスしてしまうと言うことはまあないとは言えないはずで、親御さんはもちろんですが特に体力の低下等もあってヘルペスの出やすい祖父母世代にはくれぐれも用心いただくしかないのかなと言う気がします。
さてもう一つ、こちらもさらに議論を呼びそうな話なんですけれども、以前から当「ぐり研」においても何度か卵子の凍結保存と言う話題を取り上げていて、特に昨年学会が独身者にも保存を容認したりとこのところ対象が拡大中なのですが、その凍結された卵子がずっと後に子供となって生まれていたと言うことがニュースとなっています。

がん発症し高2で卵子を凍結保存、13年後出産(2014年12月6日読売新聞)

 愛知県の女性(30)が、高校時代にがん治療で生殖機能を失う前に卵子を凍結保存し、12年後、受精卵にして子宮に戻し、今年8月に出産していたことが分かった。

 卵子を10年以上凍結保存して出産に至ったケースは珍しいという。

 女性の卵子凍結に関わった桑山正成リプロサポートメディカルリサーチセンター(東京都新宿区)所長によると、女性は高校1年時に血液がんの悪性リンパ腫を発症。抗がん剤治療で不妊になる恐れがあった。そのため高校2年になった2001年に不妊治療施設「加藤レディスクリニック」(同区)で卵子を2個採取し、凍結保存した。悪性リンパ腫は抗がん剤治療などで克服した。

 女性は昨年結婚し、解凍した卵子2個と夫の精子で体外受精を行った。子宮に戻した受精卵1個で妊娠することができ、今年8月、3295グラムの男児を出産した。

留意いただきたいのはこの場合、病気に対する治療によって不妊になりそうだとあらかじめ判っていたことから卵子保存をしていたと言うことなんですが、しかし女子高生の段階ですでにこれだけの決断を強いられ無事子供を持てたと言うこともさることながら、10年以上もたって出産出来たと言うのは長期保存の技術的進歩を示す一方で、あくまでも今回のケースは「珍しい」例外的事例であると言う点は留意いただきたいと思います。
興味深いなと思ったのは男性の場合も同様に不妊になることが予想される治療前の精子保存と言うことは昔から行われていて、こちらも昔から当たり前に子供となって世に出て行っているにも関わらずニュースにならないのは男女不平等じゃないかと言う気もするのですが、まあ男の場合個室に籠もって空容器とある種の体表解剖学的図譜さえあれば事が足りるのですからニュースとしてのドラマチックさでは数段劣ると言うことでしょうか。
以前にも取り上げた通り、今は病気等の理由がなくとも「とうぶん出産しないが、後々高齢で出産しようと思った時に困るかも知れないから」と言う理由で健康な若い人が卵子保存を行うようになってきていて、どこまでそれが行われるべきなのか未だに議論が続いているところですけれども、学会の調査によると卵子保存をした方が後に凍結卵子を体に戻しても実際に出産に至ったのは1割ほどだと言います。
もともと卵子の条件が悪かったのか、子宮など母体の側に妊娠し難い理由があったのか、それとも卵子自体が凍結保存によって痛んでいたのかは何とも言い切れないところですが、これも著名人が高齢出産をするたびに大々的に取り上げられ「まだまだ産める」と勘違いする女性が増えるのでは?と言う声があるのと同様、ニュースとなってこうして取り上げられるのはあくまで成功例だと言うバイアスを認識しておかなければならないですよね。

その意味では今回どういう経緯でこのケースが公表されたのかと言うことも気になるのですが、各社ともはっきりとソースを出していないものの別記事を読む限りでは患者団体を介して女性側から公表したようにも見えますし、学会発表等であれば当然個人情報を隠されているはずですからここまで詳細な本人情報は出て来ないでしょうが、他の患者に勇気を与えると同時に世間では誤解を招く可能性もありそうには感じられます。
アメリカなどでは大企業が女性のキャリア形成の支援の一環として社員の卵子凍結保存に補助金を出す、などと言うところにまで話が進んでいるようで、これ自体も未だナイーブな議論に終始している日本などと比べるとずいぶんとストレートだなと思うのですが、しかしこうして凍結保存された卵子がどれくらいの確率で出産に結びつけられるものなのかと言えば、日本の事例からするとむしろ失敗する確率の方が高そうですよね。
アメリカなどは訴訟社会ですから「話が違う!会社に騙されて人生台無しだ!」と訴えられるリスクもないのだろうかと率直に思いますし、そうでなくともそれが失敗と判った時にはもうどうしようもなくなっていると言う点で極めて悲劇的な状況になりかねないだけに、単純に倫理的に良い、悪いの議論で終わらず学会や専門医の側からも妊娠の成功率等々もっとデータを絡めて積極的に情報発信していただきたいとも感じてしまいます。

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2014年12月 9日 (火)

カップ焼きそば虫混入事件が炎上

先日「ペヤング」の商品名で知られるカップ焼きそばの大規模回収騒動がありましたが、先にネット上で虫混入の画像が拡散した時点で製造元は「あり得ない」と混入を認めないかのようなコメントを出していた、ところがその後一転して自主回収を始めたと言うことで、世間では「あり得ないことと言うコメントがあり得ない」と過去の事例も出して批判する声もあるようです。

「ペヤング」虫混入の苦情初めてではなかった 「小さな虫の苦情は過去にも複数あった」(2014年12月4日J-CASTニュース)

   「ペヤング ソースやきそば」に虫が混入していたとする画像がツイッターに投稿された問題で、製造販売元のまるか食品(群馬県)は2014年12月4日に自主回収を発表した。
   「通常の製造工程上、このような混入は考えられないこと」としながらも、「食品の安心、安全の観点から万全を期すため」と説明している。
(略)
   そもそもの事の発端は12月2日、ある消費者が「ペヤングからゴキブリ出てきた。。。」として麺に黒い異物が混入している画像をツイッターに投稿したことだった。翌3日、消費者が同社に連絡を入れると、担当者がやってきて問題の麺や容器を回収し、手元にある同種の商品を買い取っていったという。
   ツイートによれば、調査結果が出るまで元のツイートは削除してほしいと言われたといい、同日中に画像を削除した。しかしその後も余波は広がり、3日夜には群馬県伊勢崎保健所が本社工場に立ち入り調査を行っている。
(略)
   広報担当者は3日、J-CASTニュースの取材に対して「製造過程で混入した可能性は考えられない」と説明し、虫が混入していたという苦情も「初めて」だと話していた。
   すると記事公開後、当サイトには複数の消費者から「過去に同様の苦情を入れたことがある」という意見が届いた。真偽は不明だが、ある男性は4年ほど前に本件と同じような虫が混入しているのを開封後に発見したという。苦情を入れたそうだが「あり得ないの一言で片付けられてしまいました。現に虫の入った商品を送りましたが言い分は変わりませんでした」と振り返る。
   そのため4日、同社に再度取材したところ、同じ担当者は「『初めて』というのは虫の混入全般を指したものではないので、訂正してもらいたい。今回のような大きな虫が麺に混入しているという苦情は初めてということで、小さな虫の苦情は過去にも何件かあった」と説明した。なお、これまでの「小さな虫」が商品のどの部分に混入していたかについては「お話する必要はない」とした。

   なお、インターネット上には元従業員を名乗る人物が「ゴキブリなら作業場だけでなく玄関先、食堂でもよく見かけたよ」「生地練るミキサー室は、勿論だしフライヤー室、仕上げのフロアにもゴキブリ沢山いたよ」などと書き込み注目を集めているが、真偽は全く不明だ。

ネット上では真偽の定かでない内部情報(と称するもの)が飛び交っている状態ですが、とりあえず報じられている工場の写真を見ても虫が混入することがあり得ないとまで言い切れる状態には見えないところですから、鎮火しようと余計な一手間をかけた結果かえって炎上してしまったというよくあるパターンになっているようにも見えます。
いずれにしても食品衛生と言うことは今の時代非常に重要な問題であることは先の中国食品問題などを見ても明らかで、特にこうした有名企業ほどその部分に十分な投資も行っていく社会的責任があると思うのですが、今回の事件で興味深いのはそもそもの発端が一学生のつぶやきであると言う点で、世間ではそれに対して賛否両論と言う状況にあるようなんですね。

「ぺヤング」虫混入を告発した大学生 擁護の声は多いものの一部で批判も(2014年12月6日J-CASTニュース)

   カップ焼きそば「ぺヤング ソースやきそば」に虫が混入していたと写真をアップし、メーカーと地元の保健所とのやり取りをツイッターでつぶやいていた大学生に一部で批判の声も出ている。
   もちろんこの学生の行為を称賛し応援する声の方が圧倒的に多いのだが、こうした場合のツイッターの使い方はどうあるべきなのだろうか。

「あなたは被害者だが炎上させた行為は不適切だ」

   今回の「事件」は2014年12月2日、「ペヤングからゴキブリ出てきた。。。」として「証拠画像」がツイッターに投稿されたことから始まった。麺に絡まるように黒い虫の様なものが写っていて、メーカーの「まるか食品」(群馬県)と保健所に連絡をしたと報告。12月3日からは「まるか食品」とのやり取りを綴り、「結果がでるまで元のtweetを消しておいてほしいとのことですので一時的に、削除させていただきます」とし、問題の写真を消去したことも「どんな話し合いから消去したのか?」などとネットで話題になった。そして「まるか食品」は14年12月4日、通常の製造工程上ではこのような混入は考えられないこと、としながら、万全を期すためにゴキブリが入っていたとされる商品と、同じ日に同じラインで製造された商品を自主回収すると発表した。
   この大学生のツイッターには告発当初、「応援しています」「絶対に折れないで頑張ってください」といった激励のメッセージが寄せられたのだが、「自己回収となると、貴方を含める誰もがペヤングを食べられなくなり、メーカーは多大な損害が出ます」「あなたは被害者ですが、ツイートによって炎上させてしまった行為は不適切だったと言わざるをえないと思います」などといった批判が混じるようになった。

ネットでは「被害の拡大を防いだ」と擁護の声も多く

   この大学生は批判に一つ一つ回答していて、慰謝料目当てではないのか、ということについては、「慰謝料が~って話をなさるかたいらっしゃいますが請求するつもりは毛頭ないです」と返答した。騒ぎを大きくしたのはこの大学生自身だとした批判「個人的に気になったのは、こうなる事を考えずにTwitterに投稿したんですか?『とりあえずTwitter!』みたいな」には、「話題にはなると思いました。ただ、真実を広めようと勘違いした正義感しかありませんでした」と返した。
   こうした批判についてネットでは反論の方が圧倒的に多く、「知ることができてよかった」とか、「メーカーが回収することになったから被害の拡大を防いでくれた」と大学生への擁護が相次いでいる
   ただし、大学生は批判が寄せられたことについて、「(自分は) いい人なんですかね?仮にも騒ぎをおこしてしまってますし」「好意にしてくださってるかたにまで迷惑をかけてしまうのがTwitterって怖いなと思う」などとツイッターで反省を述べることになった。

   ネットでは、大学生に向けられた批判について、ツイッターで目立つことをすれば必ず批判や反発が起きるから覚悟がいる、自分の身を守るためにもツイッターのような個人が特定できるような場所ではなく、掲示板「2ちゃんねる」のような場所で訴えたほうがいい、いきなり告発するのではなく経過を見た後で会社側の対応が悪ければ晒したほうがいい、などの議論が出ている。また、今回の場合は、大学生は告発するようなタイプではないのに、あまりに驚き過ぎて友達に教える感覚で晒してしまったのではないか、ツイッターで騒ぎになる人たちはそういった感覚の人が多い、などといった意見も出ている。

まあ正義か否かなどと言う大上段に構えずとも、昔であればこうした問題は個人がメーカーに対してクレーム電話なりを入れる、そしてその対応が気に入らなければ消費者相談センターに相談するなりマスコミに投書するなりしていたものが、今や最初の段階からいきなり全世界に向けて発信出来るようになってしまっていると言うのは難しい問題も生みかねないと言うことでしょうね。
今回世間で大きく取り上げられたのはやはり愛好者の多い有名商品であったと言うことが大きいと思いますが、10年ほど前にも某大手メーカーのプリンを買って子供に食べさせていたところ中からカエルが出てきたと言う事件があり、この時は特にメーカーは回収などするわけでもなく終わっていますけれども、世間的にも今回のような騒ぎと言うより半分笑い話のようなB級の扱いで終わっていたわけです。
どちらが嫌かと言えば個人的にはどっちも嫌な事件ではあるのですが、プリン事件でメーカーが自主回収しなかったのも個別の事故であって再発の危険性が少ないからだったと言いますから、どこにでもいて根絶も難しい黒い虫が混入した今回の事件は例えばそれが普通のバッタやコオロギの類であればまだしもダメージは軽かったのかも知れません
そしてやはり他のつぶやきでも指摘され、記者も取り上げているように当初今までと同様に?(言葉は悪いですが)適当にあしらえるだろうと考えていた気配があることも問題で、やはり例の虫ではありませんが一人つぶやく人間がいればその背後には数千、数万のフォロアーがいると言う認識が持てていたのかどうかですよね。

この種の炎上事件でしばしば問題になるのがそもそもの問題の取り上げ方で、あからさまに炎上を狙っているだとか嘘やごまかしの可能性が否定出来ない愉快犯的な行為であるならむしろメーカーに同情が集まっていたかも知れませんが、今回の場合そうしたつぶやきではなく単に予想外の事実に遭遇し半ば習慣的に何気なくつぶやいたと言った状況であるようです。
そうした言わば善意の(と言う表現がいいのかどうかですが)つぶやきであっても炎上し、そして一定程度は批判もあると言うことが個人からの情報発信ルールの未整備な現状を語っていると思いますが、以前にも書いた通り事実であったとしても名誉毀損は成立すると言うくらいですから、これは事実です何か問題が?と考え無しにつぶやくのではなく、それをやっていいのかどうかと言う判断は事前に必要でしょうね。
何故ネットでつぶやくだけの事にそんな面倒な手続きがいるんだ、と不満に感じるかも知れませんが、例えば電車で向かいに座った人が外見的にひどく不快感を催すような人であったとしても、それを何も考えずに口に出せば喧嘩にもなろうと言うもので、この辺りはむしろ当たり前の社会の中で同じことをやってどうなるか?と言う創造力を働かせていただいた方が感覚的に判りやすいかも知れません。
そして街中での放言よりもさらに悪いのはSNSでの不用意なつぶやきはしばしば容易に個人の特定にもつながりかねないと言うことで、事の是非がどうあれ炎上させたと言うことによって何かしらペナルティなりが発生しかねないし、下手をすると将来の就職等にも悪影響がないとも限らないわけですから、当事者に限らず周囲で見ていた人々にとっても今回の事件が今後に向けての良い教訓になればいいですよね。

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2014年12月 8日 (月)

マイナンバー制導入のハードル

2016年にも利用が開始されるマイナンバー制度に関して、当然ながら医療の分野においてもその活用が期待されるわけですが、先日こういう記事が出ていたのを御覧になったでしょうか。

医療番号導入を提案 厚労省研究会、効率化へ情報共有(2014年12月4日中国新聞)

 有識者による厚生労働省の研究会は3日、効率的な診療や医学研究につなげる ため、将来的にマイナンバー制度を活用した医療番号を導入し、患者の受診歴な どを医療機関が共有するべきだとの中間報告をまとめた。

 国民に番号を割り振って社会保障や税情報を一元管理するマイナンバーは 2016年に利用が始まるが、そのまま医療機関が扱うことは認められていな い。このため医療向けには新たな番号を割り当てる
 患者がマイナンバーのカードを受診時に提示すると、医療機関が医療向け番号 を読み取れる方式を検討する。マイナンバーを自動的に数字以外の電磁的な符号 に変換し「医療番号」にすることが考えられるという。
 マイナンバーや既存の医療保険制度の仕組みを共有すれば、システム構築費用 を抑えることができるとしている。

 活用方法は、救急搬送時に病歴を確かめるほか、地域を越えて医療機関や介護 事業所で情報を共有し、無駄のない診療やケアを目指す。大規模災害が起きた際 には、被災者の診療情報を自治体や医療チームに迅速に提供することも想定する。

マイナンバーを自動的に医療番号に変換すると言うことは、その逆で医療番号を自動的にマイナンバーに変換できると言う理屈でもあって、それならば何も別な番号を導入する意味などないのでは?と言う素朴な疑問も抱くところですけれども、こうした話になった背景には日本医師会など一部医療系団体が「マイナンバーとは別に医療専用の番号が必要だ」と主張してきた経緯があります。
興味深いのはその理由なのですが、あらゆる個人情報の基礎となるマイナンバーを無闇矢鱈に使い回すのでは情報が守れないと言った理由であれば判りやすい話なんですけれども、何やら興味深いロジックを展開しているようなんですね。

「マイナンバーとは異なる医療等ID」求める、日本医師会などが声明(2014年11月19日日経コンピューター)

 日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会は2014年11月19日、「医療等 IDに係る法制度整備等に関する三師会声明」を発表し、マイナンバーとは異なる医療IDが必要だと表明した。また、個人番号カードへの健康保険証の機能の取り込みに反対を表明した。

 声明では、機微な医療情報を管理する番号がマイナンバー制度の個人番号のように一人ひとりに唯一無二の番号であれば、「過去から現在治療中の病気、死後にいたるまで紐付けできるということになる」と指摘。デジタルデータとして漏洩した場合は取り返しがつかないとして、医療IDは必要な場合に「忘れられる権利」「病歴の消去」「管理番号の変更」「複数管理番号の使い分け」などが担保される議論が必要だとした。

 また、政府が検討している個人番号カードへの健康保険証の機能の取り込みに反対を表明した。その理由として、「券面に個別番号が記載されているカードを医療の現場で使うことは、患者の病歴という極めてプライバシー性の高い情報が個人番号と紐付く危険性が高くなる」とし、個人番号を医療の現場で利用するべきではないとした。

 さらに、医療従事者には守秘義務(秘密漏示罪)が科されて懲役や罰金という厳罰がある一方で、個人情報保護法では事業者への行政処分の罰則にとどまり、医療従事者と同じ医療情報を取り扱えるのは矛盾だと指摘。「個人情報保護法改正案に医療情報に関する特例を規定すべきだ」とした。

 また、現行の個人情報保護法では対象外となっている死者に関する情報について、死者や遺族の尊厳について法改正などで考慮するよう要請。公益目的の研究であっても生者に近い条件で取り扱うべきだとした。

 医療情報に含まれる身体の特徴は他の情報と照合されれば個人が特定される可能性が否定できず、消費行動履歴やポイントなどと同じ扱いで済むとは考えられないと主張。医療情報の二次利用・突合に制限を求めた。

 医療以外の異業種企業が新規ビジネスとして始めている遺伝子情報の収集・解析についても、遺伝的疾患などの情報から子孫が人権侵害や差別の対象となる可能性があるとして、集積や二次利用について制限を加える形で法改正を求めている。

 一方で、地域医療・介護連携などで共通の患者番号があれば効率的になると指摘。救命活動の際には本人の同意がなくとも医療IDで関係機関が的確な情報を得られることが望ましいとした。また、法改正で新たに発足する第三者機関について、「個人情報を守る立場」の監視機関が必要だとした。レセプト(診療報酬明細書)情報の利用を踏まえて、医療従事者や医療機関などのプライバシーも求めている。

基本的にはその人の受けてきた医療歴全体を共通の番号で通し検索出来るようになると言うのが最大のメリットなんだと思うのですが、それに対して病歴が知れてしまうから反対だ、病歴を消したり複数番号を使い分けられるようにしろと言うのはなんだそれは?と感じるところなんですが、実際にはこの種の話は案外日常診療ではありふれたもので、知られたくない類の検査、治療を受けるためにわざわざかかりつけと違う病院に行く、なんてこともままありますよね。
最近特に問題化しているように感じるのが近年罹患者のスクリーニングや治療法が大きく進歩して近い将来実質的に根絶出来るのでは?と言う期待も出てきているウイルス性肝炎領域なのですが、特に慢性肝炎・肝硬変の大半を占めるC型肝炎に関してはかつて難治性だった症例も高い確率で完治出来るようになり、むしろ「もう一年待てばもっと楽で確実な治療法が出るのでは?」と悩ましい状況にもなりました。
一方で社会的に見ると未だにかつての「肝炎?うつる?怖い!」式の偏見が残っているのも否定出来ない事実で、肝炎をきっちり治療して完治した方ほど職場等に病歴を知られたくない、何とか記録を抹消できないかと言った希望もあるようなんですが、医学的に見ればウイルス自体は根治出来たとしても肝臓癌等のリスクは残るわけですから、やはりきちんと病歴は共有していく必要はあると思いますね。
一方で当然ながら医療現場においてマイナンバーが誰かに知られてしまう情報漏洩のリスクも当然懸念されるわけですが、以前から看護学生が実習先で著名人のカルテを見たとつぶやき内定辞退に追い込まれたり、看護師が担当患者の情報を赤の他人に漏らしたと裁判沙汰になったりと言ったケースを見るにつけ、医療機関の守秘義務の徹底と言うことに不安を感じる方々もいることは否めないと言う気がします。

深刻な医療機関の情報セキュリティー 「報道されているだけで年間90件の事故が発生」(2014年12月4日日経ビジネス)

 トレンドマイクロが主催する情報セキュリティーカンファレンス「Trend Micro DIRECTION」が、2014年11月21日に東京都内で開催された。同カンファレンス内の業種向け分科会トラックでは「可搬媒体の紛失事故から考える医療情報の安全管理について」と題し、医療システム開発センター(MEDIS-DC) ICT推進部 CIO支援課の蜂谷明雄氏と徳島大学病院 病院情報センターの島井健一郎氏が登壇。医療業界の情報セキュリティーについて講演した。
(略)
 蜂谷氏は冒頭で、医療業界における情報セキュリティーの現状を表す統計データをいくつか示した。それによると、医療情報関連事故の発生件数でほぼ過半数を占めるのが可搬媒体であるといい、その傾向は改善されていないという。
 「報道されているだけで年間90件の事故が発生しているにも関わらず、医療機関の情報セキュリティーガイドライン策定は思うように進んでいない」と蜂谷氏は指摘する。トレンドマイクロの調査では、「インターネット利用などに関するガイドラインは存在し、定期的にあるいは随時見直しが行われている」と回答した医療機関は19.4%にすぎず、実に8割の医療機関ではガイドラインが存在しないか、一度作成されたガイドラインが“塩漬け”になっているという。

USBメモリーが入った白衣をクリーニングに…

 蜂谷氏は、日常のコンサルティング活動で遭遇したエピソードを紹介した。ある病院長からキーホルダーに鈴なりにぶら下がったUSBメモリーの束を見せられたのだが、クリーニング店から届けられたものだという。医員がUSBメモリーをポケットに入れたまま白衣を洗濯に出してしまうのだ。こうした事例は月平均5本は発生しているといい、「何より最大の問題は、この事実についてまったく報告がないこと」と、その病院長は嘆いていたという。
 蜂谷氏は、このようなリスクを解決するためには、運用管理規定を策定するとともに、それを実施・確認・見直しするPDCAサイクルの導入が不可欠だとする。
 「診療情報は過失による漏えいや目的外利用も大きな問題になる危険があり、医療機関には管理者の属する職業や社会的・経済的地位において一般的に要求される“善管注意義務”があるためくれぐれも心してほしい。何より管理を習慣にすることが重要。監査を受けるときだけ資料作成に励むのはまったく意味のないこと。自己満足に陥らないために、ときには外部の力を借りるのも一法だ。そのためにMEDIS-DCが存在するので、プライバシーマーク付与認定審査やPREMISsを活用してほしい」(蜂谷氏)。
 システム的な対策の一例として蜂谷氏は、USBメモリーの制御に加え、ログ取得などを行える「Trend Micro Data Loss Prevention」、セキュアなプライベートクラウド上でファイルを共有するクラウドソリューションなどを紹介した。

プライバシーマーク更新に安堵せず

 続いて、徳島大学病院の島井氏が同院におけるセキュリティー管理の取り組みを紹介した。同院はすでにプライバシーマークを取得している。それに基づいて年間スケジュールが立てられており、月1回の部門会議、年2回の内部監査に加えて年度ごとの教育訓練や病院長によるマネジメントレビューが習慣化しているという。
(略)
 島井氏はこう語る。「毎年プライバシーマークは更新できているが、当院ではこれを奨励賞ととらえている。実際、ヒヤリハットやインシデントは起こっており、監査人からは改善点も指摘される。終わりのない活動であることを認識することが重要だ」。特に医員への教育訓練に関しては、臨床プロセスに入るとどうしても自らのスキル向上が最優先になってしまうため、学部生のときから情報モラルを繰り返し徹底的に叩きこむ必要があるという。
(略)

悪意をもって個人情報を取得しようとする部外者の問題はここでは敢えて触れませんが(そうした外部からもたらされるトラブル全般に対するセキュリティーの甘さも医療現場共通の課題ではあるのですが)、当事者意識として他人の重要な個人情報を管理することの意識の低さはかねて指摘されるところで、例えば金融機関などはこの面でも非常に厳重な管理を行っていると言いますよね。
その理由として医療現場ではやはり何事も医療最優先と言うことがあって、一分一秒を争うにあたって何事もセキュリティーチェックが必要だ、などと言われれば仕事にならず患者の健康を損なうのは明らかである以上、多くの場合において迅速性、簡便性を最優先にした方法論での対応となるのはある程度やむを得ないし、この辺りは機器側からの技術的な改善を期待したいところです。
ただ大部分の情報漏洩が単純に口を滑らせただとか、USBメモリーを落としたと言ったことから起こっているのも事実で、最近では院内ネットワークから外部メモリーに出力する情報は個人を特定されないものに限定すると言った対策も取られているようですし、他にも端子形状を院内専用の特殊型にするなど技術的に制限をかける方法はありそうですよね。
ただ個人個人のデータ流出なら目で見て記憶すると言うだけでも十分に可能であり、学生はおろか患者・家族や掃除等の業者も含めて見ようと思えば誰でも見られる物理的にオープンな環境にある職場も多いのですから、職員がルールを徹底すればそれで済むと考えているのであれば組織としてはいささか認識が甘いのかなと言う気がしますがどうでしょうね?

ちなみにこの点で前述の三師会の言い分にある医療従事者と一般人との義務の違いと言うこともなかなかに重要な指摘ではあると思うのですが、果たすべき義務に違いがあるのであれば閲覧できる情報にも違いがあるべきだと言うのは、義務と権利は表裏一体という一般論に照らし合わせても珍しく日医の主張に首肯できる部分を感じないではいられませんが、それではその問題をどう解消するかです。
現状では役所などの行政業務に利用が制限された状態でスタートするマイナンバー制度ですが、三年を目処に利用範囲を拡大するとなっているのは逆に言えばその間に医療側は独自の通し番号を普及させられると言うことでもあって、医療以外の個人情報にはもともと興味がない医療関係者とすればどちらであれ共通番号を振って医療情報を管理できるなら問題ないと言う気持ちではあるでしょう。
それ故にマイナンバー制度利用拡大が議論される前に、医療側で先に独自の医療用番号利用を開始し普及させてしまえば一般人と義務の差別化も判りやすいんですが、当然ながら全国津々浦々にまでシステムを構築・普及する手間ひまがいることであり、レセプトオンライン化にも「コンピューター導入コストで廃業する開業医が続出する!」とあれだけ反対した日医としてはこちらにも強固に反対せざるを得ない理屈ですよね。

(本日手違いにて更新が遅れましたことをおわびします。)

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2014年12月 7日 (日)

今日のぐり:「ゴーゴーカレー 岡山中仙道スタジアム店」

恐らくこれは世界初の快挙だと思うのですが、先日とんでもない新事実が発見されたそうです。

ツイッターで140文字以上入力させる画期的な方法が発見される(2014年12月2日秒刊サンデー)

Twitterといえば140文字の短文が上限となっておりますが、それを超える場合何回かに分けてツイートするのが代替案としてのやり方です。ところがそれを越える文字数を入れる画期的な方法が発見されました。とはいえ、最大222文字という制限にはなるがこのやり方が実に画期的だ。ある意味「仕様のアナ」ではあるのだが、今後どうなるのであろうか。
なんと文字をアドレスとして認識させるのだ。アドレスと言っても日本語ドメインなので例えば「あいうえお.com」もしくは「あいうえお.ドメイン」でもなんでもいいのでとりあえず「.」をはさむことだ。そうすれば最大6個までの日本語アドレスを投稿可能。つまり、日本語ドメインとして6つの投稿を行うことができるというもの。

ー投稿の制限

ただし制限はあり、37文字までなので37文字のドメインを最大6個、つまり222文字が投稿可能。140文字から飛躍的に文字数は増えたがある意味「バグ」として認識されかねないのでそのうち対策される恐れもある。
ちなみにアドレスとしての投稿方法は頭に「http://」をいれるのとお尻に「.jp」などを付与する。以下が投稿可能。

    http://ツイッターで百四十文字以上.投稿する方法を考えた.日本語ドメインをリンク.jp  http://にして貼るというものである.ツイッターではリンクはすべて二十三文字.jp  http://として扱われるので最大六個まで投稿可能だが.表示されるドメインは.jp  http://三七文字までなので.最大で二二二文字まで投稿可能ということになる .jp

ということです。
裏ワザとして残しておいて欲しいですね。

いやまあ、どの程度実用性があるのかと言えば非常に微妙な気がしないでもないのですが、まあしかしこれはこれで大変な新発見ですよね。
本日は想定された限界を超える壮挙を達成した発見者に敬意を表して、おそらく大変に画期的なことではあるのでしょうが果たしてその方向性でいいのかどうかと悩まずにはいられない何かを紹介してみましょう。

松戸にあるラーメン屋の「びっくりチャーシュー」1090円がギャートルズ並だと話題に(2014年11月30日秒刊サンデー)

昨日は「肉の日」そして1年に1回の「いい肉の日」ということで各地で肉祭りが開催されておりました。スーパー等では普段よりかなり安い価格で対面売りなども行われ大盛況だったのですが、こちらのラーメンも尋常ではございません。まるでギャートルズに出てきそうなこの肉は「チャーシュー味噌ラーメン」で200グラムもあるようだ。

こちらが千葉の松戸にある「そい屋」というラーメン屋の「チャーシュー味噌ラーメン」である。食べログなどでは「味噌チャーシューメン」(930円)などの写真があるが、こちらは見た目は普通の商品であり、ツイッターにアップされているような画像のインパクトは無い。

どうやらこの商品は特別メニューで「びっくりチャーシュー味噌ラーメン」というものらしく、巨大な肉が魅力的。もはやラーメンやその他の具が見えないほどである。
(略)

その詳細は元記事の画像を参照頂くとして、しかしこれをラーメンと言ってしまうのは往年のビッグ○ンガムをガムだと言い張るぐらいには無理がありそうな気がしますがどうでしょう?
平野レミ氏と言えば「バカのアホ炒め」など数々の伝説的レシピで有名ですが、その伝説を逆手に取ったとも言うべきこんな企画を立ち上げたそうです。

平野レミさん「倒れる料理」コンテスト開催 第2の“倒れるブロッコリー”になるのは(2014年12月2日はてなニュース)

料理愛好家・平野レミさんは、自身のサイト「Remy」のオープン1ヶ月を記念した「倒れるレシピ・コンテスト」を開催します。発端は、平野さんがテレビ番組で披露した“倒れるブロッコリー料理”。そのインパクトがTwitterなどで話題になったことから、第2の倒れるレシピとして「倒れそうで倒れないお料理」を募集しています。締め切りは12月19日(金)です。

“倒れるブロッコリー”こと「ブロッコリーのたらこソース」は、平野さんがNHK総合の情報番組「あさイチ」で披露した料理です。大胆かつシンプルな見た目だけでなく、盛り付けたブロッコリーがバランスを崩して倒れるというハプニングが、Twitterやはてなブックマークで“放送事故”と話題になりました。

倒れるレシピ・コンテストは、“倒れるブロッコリー”の「イジられっぷり」に敬意を表して開催するとのこと。募集するのは「倒れそうだけど、倒れない。倒れそうだけど、やっぱり倒れる。そんなユニークなお料理」です。審査基準は「見た目が斬新で新しいこと」「食べるとちゃんと美味しいこと」「真似して作りたくなること」の3つ。倒れそうで倒れない料理の写真や倒れた写真、作り方を添え、メールで応募します。

平野さんを最も驚かせた料理には、平野さんが考案したフライパン「レミパン(24cm)」がプレゼントされます。平野さんはコンテスト開催について、Twitter(@Remi_Hirano)で「倒れる料理なんて募集しても集まるわけないと思うんだけど、スタッフがやろうやろうというのでやってみます。集まらなかったら私が倒れちゃう」とツイート。まさかのコンテスト開催に、はてなブックマークのコメント欄には「これはw」「転んでもただでは起きないという言葉がピッタリな企画」などの反応が集まっています。

うどん県民などはうどんの一つも立たせてみなければと思い立ちそうな企画なのですが、しかしこれはネタとしてはいいにしても料理としてはどうなることでしょうね。
同じく料理ネタと言うことでこちら(恐らくは)世界最速だと言う光速のクッキングの様子を紹介してみましょう。

どうしたドコモ「3秒クッキング」の爆速エビフライが凄い!と好評(2014年11月29日秒刊サンデー)

最近パッとしないニュースの耐えないドコモですが、2014年9月中間連結決算がソフトバンクやauに抜かれ業界3位の一人まけという非常に屈辱的な状況となっております。そんな中従来のドコモらしからぬ実に挑発的なバイラル動画がネットで話題となっております。3分ならぬ3秒でエビフライを揚げるという驚異的な実験動画なのです。

動画URL
http://youtu.be/lkaIoH6Um60

3秒でエビフライをあげるということであれば、絶対にありえない何か仕掛けがあるのかと考えるのが通常ではございますが、想像したとおりのなんとも意表をついた動画であります。「絶対に真似しないでください」ということですが、これを真似するのであればそれなりの機械を用意する必要があり、それ以前にそんな機械を揃えるのであれば、スーパーで惣菜を買ったほうが早いし安いだろう。
ということで、エビフライを揚げるのは全くドコモとは関係が無い「インパクト重視」のバイラル動画である。これにより契約者数が増加するのかどうかは不明ですが、動画の視聴者数は伸びるでしょう。もしかしたらauかソフトバンクの回線でね。

―これはCGなのか?

YouTubeの説明によると

    エビが飛び出すスピードと、小麦粉、玉子、パン粉、炎、それぞれがふき出すタイミング-は、 全て綿密な計算と、検証によりプログラミングされています。 また、調理風景はCGを使用せず、実写にて撮影を行いました。

とのことでガチでエビフライを揚げているというスピード感溢れる実験動画。
スピードも命ですが、安全性も重視したいものだ。
(略)

下ごしらえ?もいれれば3秒じゃ済まないだとか揚げてないだとか色々と突っ込みどころはあるのですが、個人的に自社ハードを断念して久しい某大手ゲーム機メーカー最晩年と同じ気配を感じさせる気もしないでもないでしょうか。
同じく技術者の暴走を感じさせるのがこちらのニュースなんですが、メタボ対策が大いに賑わっているだけに意外と副次的な効果を狙っての需要はあるでしょうか?

サンドバッグがキーボード代わり!? パンチやキックで文字を打ち込むパソコンが登場!(2014年11月27日Pouch)

毎日、自宅やオフィスで長時間パソコンに向かって仕事をしていると、体がなまりがち。だけどジムに行く時間はなかなか確保できない……。そんな皆さまにぜひ、一度体験してみてほしいパソコンを海外サイト「designboom」で発見。
なんと、キーボードの代わりにあるのは、ボクシングジムにあるようなサンドバッグなのです!

デザインスタジオ「Bless」のデザイナー、Ines KaagさんとDesiree Heissさんが製作した「ワークアウト・コンピューター」なるコチラの作品。デザイナーのふたりによると、「仕事とレジャーをユニークな方法で融合させよう」という試みから作られたものなのだとか。
自分の打ち込みたい文字が書かれたサンドバッグにキックやパンチで衝撃を与えると、パソコンの画面に文字が表示される仕組み。
手のひらサイズから、膝蹴りやタックルまでできそうな大き目サイズまでいろんなサンドバッグが揃っていて、なかなか本格的なのです。
普段思いっきりパンチする機会なんてないから、ストレス発散にもなりそうですよね! とはいえ、1文字打ち込むのにかかる時間は、通常より何倍もかかりそう。短めのメールを送るにも、かなりのエネルギーを要することは、いうまでもありません。
(略)

何がどうなっているんだと気になる方は元記事の方をチェックいただきたいと思いますが、しかしこの配列はいったいどういう規則性に基づいているのでしょうね?
人間による環境破壊や資源の浪費が問題になる時代だけにリサイクルの精神は大事ですが、しかしそれはどうなんだと思うのがこちらのニュースです。

妻が残した花嫁衣装の使い方、100以上の用途を公式サイトで紹介。(2014年11月25日ナリナリドットコム)

2009年、妻は荷物をまとめて出ていった。永遠の愛を誓ったあの日着ていたウェディングドレスを残して……。12年間連れ添った妻から切り出された離婚に、悲嘆に暮れていたケヴィン・コッターさんの行動が話題を呼んでいる。
本人の公式サイトに掲載された当時の様子によると、独居となった自宅のクローゼットの中でウェディングドレスを見つけ、元妻と「何か忘れているようだけれど……」「何を?」「ウェディングドレス……」「いらない」「僕にこれをまかせてくれる、ということなのかな?」「あなたのしたいようにすればいいじゃない! ●●●●!」といったやり取りがあり、それからコッターさんはウェディングドレスの使い道を考え始めたという。

家族の間では、いろいろと冗談を含んだ使い方の話をしていたが、離婚から数か月後、弟に釣りに誘われた時に寝具として利用したことで、コッターさんの中で何かが弾けた。
雪原上での迷彩服、ハロウィンでゾンビの花嫁仮装、てるてる坊主、レストランでのナプキン、ハンモックなどなどあらゆる使い方を模索し始めることに。様々なシチュエーションで使われたウェディングドレスの用途は実に120を越え、コッターさんはそれをサイト上にまとめ、ついに「元嫁のウェディングドレスの使い方101」という256ページの本を出版するまでにいたった。
サイトでは幾つかの写真について本人の注釈がつけられており、「雪原の迷彩服は評判が良かった。雪があまり降らない場所にいるのでちょっと遠出してみたんだ」「長いから相撲のまわしに使えるかもと思ったのだけれど、デリケートな部分だからちょっとかゆみがあったりしたね」「ヒーローのマントのように装着してみた」「ハンモックにつかってみると案外良くて、この時、本にするなら表紙はハンモックにしようとひらめいたんだ」とノリノリで語っている。

一方で、コッターさんのこうした行動は復讐心や嫌みといった感情によるものではないという。落ち込んでいた暗い時期に光を求めて行ったもので、「永遠の愛を誓ったにもかかわらず僕らは離婚してしまった。でもウェディングドレスとの関係は永遠であるかもしれない」と、この本を作ることになった動機を伝えている。
ネットの反応は「私はこの男性のユーモアセンスは大好きだよ。残りの人生が幸せなものだといいね」「痛みを癒やそうとする行為としては、ありといえばありだね。陽気だ」「私の妻は他の男の子供を妊娠して、ウェディングドレスを置いていって…どうすればよかったのだろう」「こういうことするタイプだから離婚してしまうのでは」「チャリティとかに出すとかいろいろあったと思う」と賛否は分かれているようだが、写真そのもののセンスは概ね好評のコメントが並んでいる。

その詳細は元記事の画像の数々を参照いただきたいと思いますが、しかしあのドレスと言うものも意外に丈夫なものなんですかね?
最後にご存知ブリから画期的な歩道が登場しそうだと言うニュースを紹介してみますが、しかし誰がこれを望んだものなんでしょうか。

英国・ロンドン 飛び跳ねて出勤する?2015年にバネ入り歩道を建設(2014年11月29日新華ニュース)

イギリス・ロンドンは世界最長のバネつきの歩道を建設する。これはイギリスのサラリーマンにとって朗報だ。飛び跳ねながら、目的地に到達することができる。台湾・中央社が27日に伝えた。

いつも混み合う地下鉄やバスには乗りたくないサラリーマンは、2015年にはトランポリンのようにバネの入った歩道を利用して出勤できる。このバネ入り歩道は慈善団体のアーキテクチャー・フォー・ヒューマニティによって設計されたもので、道の表面がやわらかく、ジャンプが好きな人だけでなく、例えばタイトスカートを穿いている人でも、誰でもこの道の上で思いっきり飛び跳ねることができる。

この歩道建設にロンドン交通局が180万ポンドを出資し、未来の道の建設計画9件のひとつとなっている。

関係責任者によると、バネ入り歩道は2015年に着工する予定だが、着工期日及び地点はまだ未定である。

興味深いのは報道によればこのニュース、あくまでも通勤向けに建設されると言うことなんですが、まあ日本人とはいささか問題の解決法において違いがありそうですよね。
これによって誰がどれだけの好影響を受けるものなのかは何とも言えませんが、しかしこの歩道の利用には相当に体力を要するのではないかと言う気もしますがどうでしょうね?

今日のぐり:「ゴーゴーカレー 岡山中仙道スタジアム店」

ゴーゴーカレーと言えば金沢カレーブームの火付け役とも言いますが、そもそも金沢カレーとは黒っぽくどろりとしたカレーをカツやキャベツと一緒にステンレス皿に盛りつけフォークで食べると言うものなんだそうです。
個人的にはアメリカ人記者のNY店レポートを見て一度行ってみたいと思っていたのですが、その岡山初進出をうたうのがこちらの店なんだそうですね(ただし同じく有名チェーン店のチャンピオンカレーがつい先年、金沢カレーとしては中四国初という店舗を倉敷市に開いたそうですが)。
ちなみにゴーゴーが松井秀喜氏の背番号にちなむのは有名ですが、石川県の企業であるにも関わらず一号店は東京は新宿で開いたのだそうで、関東と東北中心に出店してきたことが関西進出が遅れてきた理由なのでしょうか。

店舗は食券制になっていて、とりあえずはベーシックそうなチキンカツカレーを頼んだのですがメニューはそんなに多くはなく、基本はトッピングの揚げ物別に4種と全部乗せあるいは全部なしの計種類、後はトッピング用のチーズが追加できるくらいと、某カレーチェーン店と比べるとずいぶんと割り切っていますね。
カレーとしてはローストが強めなのと、ソース系の酸味が強いなと言う感じでこれはこれでいけるのですが、しかしトッピングも込みでカレーと言うよりデミカツ丼とかカツライスに近い感じがしないでもありませんし、基本ソース系のカレーですから飯とおかずを一つ皿に載せて食べている風にはなりますよね。
しかしこのチキンカツは食べ応えがあるのはいいんですが、一通り味見をしたところではチキンカツ、ポークカツ、ソーセージそしてエビフライの順でおすすめと言いますか、エビフライだけが妙に質的に乖離していたのが気になりました。
個人的には某チェーン店のように野菜系のトッピングも欲しいところですが、まあそこは付け合わせのキャベツが食べ放題と言うことで揚げ物の口直しにはやはり線切りキャベツがお約束ですかね。

開店してからまだ間もないと言うこともあってか店員はまだ慣れてない風なんですが、とにかくやたらにフレンドリーでチェーン店と思えないノリなのはマニュアル対応が多いこの種の店としては珍しいなと感じました。
店自体はもちろんトイレなどもまったく高級感はなくて逆に新鮮なくらいですが一通りの設備は整っているのはいいとして、室内放送がずっと店のCMなのは個人的にはどうなんだですが、まあしかし家電量販店などを中心に近年はこういうスタイルの店は多いですよね。

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2014年12月 6日 (土)

時代は人工知能です

先日ちょうど記事が出ていたのですが、この11月になってからあちこちの研究者が人工知能の画像認識に関する論文を相次いで発表したのだそうで、「画像をコンピュータに読み込ませると、「この画像にはフリスビーで遊んでいる若者のグループが写っています」といった具合に、画像の内容を文章で説明してくれる」と言うような、なかなかに画期的な技術なんだそうです。
いずれも革新的部分である人工知能の学習技術は共通していて原理的には似通っているのだそうで、  こういうことになりますと今の画像認証のやり方ではいずれスパム投稿を規制出来なくなるんだろうなと要らぬ心配もしてしまうところなんですが、日本でもこのところ毎年のように話題になっているのが人工知能による東大合格へのチャレンジと言う企画ですよね。

人工知能「東ロボくん」、偏差値47.3 センター模試(2014年11月2日朝日新聞)

 東大合格をめざす人工知能「東(とう)ロボくん」が今秋受験した「全国センター模試」の成績が2日、発表された。東大合格にははるかに及ばないが、偏差値は昨年を上回り、私大なら全国581大学の8割にあたる472大学で、合格可能性が80%以上の「A判定」だった。英語、国語で得点が伸び、文系向きという。

 東ロボくんは国立情報学研究所などが2011年に始めた人工知能の開発プロジェクトで、2021年度までに東大合格をめざす。模試の受験は昨年に続き2回目。

 模試を実施した代々木ゼミナールによると、英語、国語、数学2科目、世界史、日本史、物理の計7教科の合計得点は、900点満点(英語、国語は200点満点、他は100点満点)で386点だった。偏差値は47・3。昨年は45・1だった。

興味深いのはこの結果を報じる各紙の論調で、各地の大学にA判定を取ったことを大きく取り上げる新聞もあれば、まだまだ東大合格にはほど遠い結果だと言う新聞もありなんですが、いずれにしてもセンター試験というかなり限定的な環境での結果であるとは言え、それなりに高い点数を取れるようになってきたことは否定出来ないと思います。
この「Todai Robot Project」の詳細に関してはこちらの公式サイトを参照いただきたいと思うのですが、実際にはコンピューター用に入力しなおした問題をコンピューターが次はこれと選んで解答していくと言うやり方であるそうで、今のところはまだかなり人手も支援も要すると言う点ではまだ受験生として自立しているとは言い難い状況ではあります。
ただ最近これだけ高性能なコンピューターがずいぶんと安く使えるようになってきますともはや人工無脳などと馬鹿にしていられないのも確かで、昨年の第2回将棋電王戦におけるあの伝説的とも言える第4局から衝撃的な第5局にかけての展開、そして今年の第3回電脳戦でのある意味予想通りとなった結果などを見るにつけ、あちらこちらの領域で次第に人間の脳力を追い越しつつある実感はありますよね。
その電脳戦を配信したニコニコのドワンゴがこんなことを言い出したと言うのですから注目されるところなんですが、注目いただきたいのはこれまでのようなターゲットを絞ったものではなく非常に汎用性の高い、まさに人を超えた人工知能を目指すとしている点でしょうか。

ドワンゴ、超人的AI の実現目指す 「人工知能研究所」発足 (2014年11月29日ORICONSTYLE)

 「ニコニコ動画」などのサービスが人気のドワンゴは28日、社内研究機関として、人工知能に関わる研究を行う「ドワンゴ人工知能研究所」を発足し、所長に一般社団法人人工知能学会理事および副編集委員長の山川宏氏が就任したことを発表した。

 同研究所は、人類の課題である、教育、エネルギー、環境、水資源、食糧、貧困、セキュリティ等に対して大きな貢献をなしうる高度な人工知能を日本発で早期実現することを目的に、全脳アーキテクチャや汎用人工知能に関わる研究を、産学官を含むさまざまな機関と連携して行っていく。

 山川所長は、就任あいさつとして「次世代にツケを回し続けている私達は、厳しい20 年後の世界を生き抜く次世代に向けて何を準備できるのでしょうか」と問いかけ、「もし、人と同じかそれ以上に知的な機械、つまり超人的人工知能(AI)を創造し利用できれば、科学技術の進展を大幅に加速することで、環境破壊の臨界点が訪れる以前に何らかの解決を見出すことも可能になるでしよう」と、この研究活動が切り開く可能性に期待を寄せた。

 SF作品ではおなじみのテーマである超人的AI の実現は、どこまで現実的なのか? 山川所長によれば「近年、脳の神経回路を模したニューラルネットワークモデルを深い階層まで積み上げることで、人の脳(大脳新皮質)のように抽象的な概念を学習できるディープラーニング技術が成功を収めました。これは機械自身が現実世界から知識表現を獲得できないという長年の課題の突破口となる画期的なイノベーションです。つまり、私達人類は、実世界情報から知識を獲得し、自律的に新たな創造を行える機械の実現に向けた、新時代の入り口に立っている」と話している。

 今後の研究成果については、随時発表の機会を持ち、積極的な外部発信を行っていくとしている。

まあしかし人工的な超知性の誕生はSFなどにおいても一つの大きな普遍的テーマではありますし、それが必ずしも人間にとって幸福の拡大につながらないのでは?と言う警鐘も鳴らされてきたところなんですが、その背景には人の知能を超えた超知能が人と同じような思考を行うとは言い切れない、故に人間のコントロールを外れて暴走してしまうのではないかと言う懸念がありますよね。
実際にドワンゴのプロジェクトによってどのようなものが出来るとしても、いずれ能力的には人間のスペックを超える人工知能が出来てしまうのは遅かれ早かれ確実であって、そのこと自体をどうこう言っても仕方がないとも言えますが、それに対して何かしらいざと言う時の対策なり安全弁なりを組み込む必要性があるのかどうか?と言う点では議論が別れそうに思います。
生物学的な研究においては安全バイアスが厳しめに取られる傾向があるようで、先日はマウスに人間の胎児から採取した脳グリア細胞を移植したところ賢いマウスが出来たと言う「いいのかそれは?」的なびっくり研究の記事が出ていたのですが、このびっくり研究においてすら猿への同種の移植は「潜在的な倫理的問題」を引き起こす恐れがあると言う理由に中止されたと言います。
クローン研究などを見ても判る通り、生物学的実験における生命倫理と言った基準は超人類的知性誕生に対しても非常に強力な安全弁としても機能していると思わされる実例だと思いますが、そうした安全弁が全く存在していない人工知能研究においてもそろそろ何かしらの規制が行われるべきなのか、仮に行うとしてそれはどういう理由付けで行えるものなのかと言う点も興味深いテーマだと思いますね。

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2014年12月 5日 (金)

高齢者在宅看取りの前に立ちはだかる壁

暖冬から一転して冷え込んできた今日この頃ですが、この時期高齢者の脳卒中なども急増するのは毎年のお約束で、本日の本題に入る前にまずは先日出ていましたこちらの記事を紹介してみましょう。

入浴中の高齢者、心肺停止9千人 寒暖差で血圧急変(2014年11月12日朝日新聞)

 冬場は高齢者の入浴の際に寒暖差に注意を――。高齢者の健康を守るための研究を続けている「東京都健康長寿医療センター」が呼びかけている。血圧の急変で入浴中に心肺停止になるお年寄りが目立っているという。
 センターが今年3月に公表した47都道府県の消防本部へのアンケート(全785本部のうち634本部が回答)では、入浴中に心肺停止し、救急搬送された65歳以上の高齢者が2011年に9360人にのぼった。
 男性4654人、女性4706人だった。年齢別では、80歳以上が5386人と約6割を占め、70歳代が3257人、65~69歳が717人。月別では1月が最多の1759人で、12月が1722人と冬が多く、最少は8月の165人だった。
 センターの高橋龍太郎副所長は「寒暖差での血圧の急変化が大きな原因」と語る。冷えた体で入浴し、血管が緩んで血圧が急に下がって脳に血液が流れにくくなり、意識障害を引き起こす。そのまま水死する場合もある。また、長く高温で入浴すると、発汗して血液量が減り、脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞の引き金になりうるという。
 高橋副所長は「冬場は脱衣所が寒いままの場合が多い。入浴前には脱衣所を暖めるなど、部屋との温度差を小さくすることが必要」と指摘する。(川口敦子)

■入浴死を防ぐためのポイント

・脱衣所に小型暖房機を置くなどして部屋や浴室との温度差を小さくする
・入浴前にシャワーを出して浴室を暖める
・脱水状態を防ぐため、入浴前後にコップ1杯の水を飲む
・入浴中は家族がこまめに声をかける
・お湯の温度は41度以下でぬるめに
(東京都健康長寿医療センター研究所などから)

ときおり聞く話ですが毎朝ジョギングをしていた元気な年配の方が冬の朝に玄関先で倒れていた、などと言うのも同じ構図で、急に寒暖差の大きい環境に出ると言うのはそれだけで体に大きな負担をかけるリスクになりますし、また乾燥しやすい割に口渇を覚えにくいこの時期は意識して寝る前後、入浴前後など折々に水分補給をしておく習慣をつけておくのもいいかと思います。
そうは言ってもすなおに言うことを聞かないのが高齢者と言うものでもあって、独居の方々は仕方ないとしても子や孫世代が同居されている場合は単に口で言うだけではなく積極的に周囲環境を整えていくことも大事かと思いますが、若い人はあまり利用しないだけに意外と盲点になりやすいのが夜間のトイレであるようで、この時期は暖房や保温便座など何かしらの対策を講じておいた方がいいのかなと言う気もします。
前振りはそれとして、高齢者についてこのところ国の舵取りで病院から施設へ、さらには在宅へと言う流れが加速されつつある中でその看取り方と言うものも改めて注目されていくと思いますけれども、例えば積極的な延命治療の希望もなく施設で死にたいと希望しているにも関わらずいざ最後となると救急搬送されてしまう、そしてその結果救急受け入れ施設のリソースが看取りで浪費されてしまうと言った問題もありますよね。
そうしたせいもあってか今春には東京都病院学会による調査で「施設での看取りを促進して欲しい」と言う意見が救急病院から数多く出されたのだそうで、ならばさらに条件が厳しい在宅での看取りなどと言われても現場が対応出来るのかどうかですが、先日介護側の視点からこうした記事が出ていたことを紹介しておきましょう。

在宅での看取り、介護職との連携に課題(2014年12月3日日経メディカル)

 在宅での看取りの場面において、訪問看護師は、ケアマネージャーや介護福祉士などの介護職とケア方針を共有することに困難を感じていることが分かった。11月15日に都内で開催された第4回日本在宅看護学会学術集会で、西武文理大学看護学部看護学科在宅看護学講師の齊藤美恵氏が発表した。

 齊藤氏らは、高齢化率の高い関東地方のB県A地区にある訪問看護事業所60件の管理者(有効回答率60%)と事業所に所属する看護師(同42.6%)、計458人(同41.3%)を対象に、2014年2~3月、訪問看護師が看取りを行う上で直面する困難要因を明らかにするため、質問紙調査を行った。
 管理者には「常勤看護職員数」「事業所における看取り体制」などの事業所の概要を、看護職(管理者を含む)には「訪問看護における看取り体験」「看取りケアに対する満足感、難しさ」などを、それぞれ尋ねた。さらに、先行研究で明らかになっている、看取りの困難要素(療養者の体調の変化、家族との信頼関係、医師や関係職種とのケア方針の共有など、計10項目)について、実際に困難と感じる順に順位付けも求めた。
 回答した事業所の人員体制は平均5.3人(常勤換算)で、看護職の平均年齢は45.9歳、臨床経験年数は「10年以上」が91%、訪問看護の経験年数は「5年以上」が55%を占めた。雇用形態では正規職員が64%だった。

 88.9%の事業所が24時間体制をとり、91.7%が看取りを行っていた。夜間や緊急時の連絡体制は、約70%の事業所が患者の主治医と連携体制を構築していた。日ごろ関連の多い職種は、医師(22%)、ケアマネージャー(21%)、介護士(14%)などだった(複数回答)。
 調査対象の看護職に対し、看取りにおける困難要素について尋ねたところ、順位相関から6項目が挙がった。最も多かったのは、「医師以外の職種と、関係機関(病院・診療所、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所)との間でのケア方針の共有」で、「医師と医師以外の職種との間でのケア方針の共有」がそれに続いた。次いで、「医師と関係機関との間でのケア方針の共有」が多く、上位3つまでが他職種間の連携に関係し、訪問看護師は間に入って連携をとる必要がある場合に困難感を抱いていた。一方、医師との連携は比較的取れていることも示唆された。4位と5位は療養者の体調の急激な変化に関するもので、家族との信頼関係の構築については、6位で最も低かった
 また、看取りにおいて「困難」を「とても感じている」は45%、「やや感じている」は53%だったが、一方で、行った看取りに対する満足感は「やや満足している」が55%を占めた。雇用形態でみると、非正規職員と比べて、正規職員では困難に感じながらも満足感を持つ看護師が多かった

 齊藤氏は、「A地区は高齢者が多く、介護保険による利用者が多いため、看護師は主治医よりむしろ、ケアマネージャーや介護福祉士などとの連携を困難と感じやすいようだ。一方で、家族との関わりを困難と感じる順位が低いのは、経験年数が10年以上の訪問看護師が多いことが影響しているのではないか」と考察した。
 また、同氏は、「介護職は人の死に立ち会う機会が極めて少なく、看取りを支援することに不安を覚える場合が多いようだ。しかし、在宅療養者と共に過ごす時間が長いのも介護職であり、不安をいかに和らげるか、どのようなケアを行えば良いのかを理解してもらう必要がある」と述べた上で、その効果的な手法として、「一緒に訪問してケアをすることで、ケア方針も共有されていくのではないか」との考えを示した。

医療と介護の視点の違いと言うこともありますが、看取りと言いながらやはり視点が「生きている間」に向きがちであるとも感じられる点、そして経験数も自然に増えるだろう正規職員の方が看取り満足感が高いと言う点に留意いただきたいところです。
これをもってそれなりに対応の態勢が取られつつあると見るべきかお寒い数字だと見るべきかはともかくとして、注目いただきたいのは「夜間や緊急時の連絡体制は、約70%の事業所が患者の主治医と連携体制を構築していた」と言う部分で、24時間対応を行い看取りもしていると言う施設が9割前後あることに対してこの数字の差をどう考えるかですよね。
入院もそうですが施設入所者と在宅とで違いは何かと考えた場合に、定期的なスタッフの見回りがない在宅ではどうしても何であれ発見が遅れる理屈で、すなわち看取りにしても素人目にも完全に亡くなっていると言う状態になってから見つかるケースが多いと思われるのですが、こうした場合にさてどうする?と言うシミュレーションをどれだけ行っているかと言うことがポイントになりそうです。
昔まだ医療が誰にでも容易にアクセス出来るものではなかった時代には、夜間に亡くなっているのに気付いても翌朝まで待ってから医者を呼びに行ったなどと言う話も聞きますけれども、今の時代看取り慣れていない家族ではいざその時どうすべきなのかもとっさに判断出来ないでしょうから、よほどによく段取りをつけておかないととりあえず救急車を呼んでしまうと言うのはありがちなことだと思います。

要するに在宅看取りを推進するならいざその時に取りあえずどこに連絡すればいいかと言う連絡先を徹底しておく、それも24時間365日迅速に対応出来るようにしていなければならないはずなんですが、この点で記事から介護側の大半が24時間態勢を組んでいると言うのは心強いものである一方、どんな看取りであれ法的に唯一関与が必須な存在である医師の方がそれについてきているかと言う課題がありそうですね。
結局死亡診断は医師にしか出来ないと言うのが最大のポイントなのですが、例の24時間電話対応をうたう時間外対応加算なども6割の医師が一人で対応していたと言い、それでは連絡がついたとしても業務等の兼ね合いもあり出かけて行って死亡診断書を書けるかどうかも微妙で、下手すると「それじゃ救急車呼んで病院行って」で済ませてしまう(済ませざるを得ない)場合の方が多いかも知れません。
この辺りはいざそうなる以前の日常的な病診連携などとも絡むテーマで、むしろ地域で医療機関と言えば旧町立病院一つきりと言った僻地の方が縦の体制構築は容易いんじゃないかと思いますけれども、病院選択枝が多くなる都市部では例えば在宅クリニックがもし在宅看取りに対応出来ない時にバックアップの病院なりを確保出来るのかどうか、またその病院が必ずいつでも対応してくれるのかどうかも考えておく必要がありそうです。
いずれにしても記事からも判る通り未だ在宅看取りのシステムは構築の途上と言うしかなく、いきなり全員在宅看取りと言うのではなくとりあえず比較的簡単そうなケースから経験を積んでいくしかないと思うのですが、まさにその点で「介護職は人の死に立ち会う機会が極めて少な」いことが大きな壁ともなりかねないところで、看取ると言うこと自体にも慣れ親しんでいく機会を今後どう求めていくかですよね。

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2014年12月 4日 (木)

それは新たな雇用差別?

好景気とまでは言わないのでしょうが、このところ実感的に求人が活発化しているようには思われるところで、話に聞くところでは仕事はあるのに人手不足で十分こなせないと言う業界・企業も少なくないのだそうですが、今ひとつ経済成長と言う形で数字に表れてこないのもその辺りのミスマッチが大きいと言うことなのかも知れませんね。
資格職で供給が限られている上に需要はいくらでもあるにも関わらず国策的に抑制されていると言う医療業界ではこの辺りが昔から不自然なことになっていて、単純に経済原理や自由競争で労働市場が動いていない状況こそがむしろ当たり前になっていますけれども、このところ世間においても人材雇用に関して奇妙な恣意的状況が発生している?と言う記事が出ていました。

障害者求人が急増のナゼ(2014年11月27日日経ビジネス)

(略)
精神障害者が急増中

 厚生労働省の障害者白書によれば、国内の障害者の数は約744万人(2013年、推計値)。国民のおよそ6%に当たる。内訳は身体障害者が366万人で知的障害者が55万人、精神障害者が323万人だ。精神障害者はここ10年で約1.6倍と急増している。
 一方、民間企業に雇用される障害者の数は43万1000人(厚生労働省調べ。2014年の公表値。※障害者の数は重度の知的・身体障害者はダブルカウント。身体・知的・精神障害者のうち、短時間労働者は0.5人でカウント)。10年で17万人以上、実に67%増えているが、その数値はあまりにも小さい
 国も雇用対策を打ち出した。昨年4月の法定雇用率の引き上げがそれだ。事業主は、法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務がある(障害者雇用率制度)。この法定雇用率が昨年4月に1.8%から2.0%へと引き上げられた(法改正前は従業員56人以上の企業。改正後は同50人以上)。
 法定雇用率を下回れば是正勧告があり、それでも改善が見られない場合は公表される。企業は従業員数に応じて障害者を多く採用しなければならなくなったのだ。
 障害者の雇用促進と継続は、重要な課題だ。しかし、利益の拡大を追求する企業にとって、障害者雇用は“ボランティア”というわけにはいかない。より戦力となる人材を求めて、新卒や中途採用市場が過熱している。
 ハローワークを通じた企業の求人は2003年に8万8000人程度だったが、10年で約2.4倍の17万人に上昇。有能な人材の争奪戦も繰り広げられているという。

身体障害者に雇用が集中

 民間企業で働く約41万人の障害者のうち、4人に3人は身体障害者だ。企業からのニーズが高いのは身体障害者だという。体が不自由な中でも、こなせる仕事の幅が広い点で企業が積極的に採用しているという。
 一方、ニーズの高さから新規での身体障害者の採用は難しく、企業は知的障害者や精神障害者へと採用の幅を広げている。精神障害者の雇用が法定雇用率にカウントされるようになったのは2006年。当時は2000人程度だったが、2013年には2万2000人へと増えている
 ハローワークにおける障害者の雇用件数では、これまで最多だった身体障害者の就職件数を精神障害者が抜いた。人材紹介会社のインテリジェンスの子会社で、障害者雇用の紹介業を営むフロンティアチャレンジの大濱徹・人材紹介事業部ゼネラルマネジャーは次のように予測する。「今後は就職件数の差が拡大して2019年には精神障害者が7万9000件と、3万5000件の身体障害者の倍以上になる」。国は2018年4月から精神障害者の雇用義務付けを決定している。
 精神障害者や知的障害者をいかにして戦力化するか。東京海上ビジネスサポートの桜井さんは、「適性に合った仕事を見つけることで十分対応可能だ」と語る。
 コミュニケーションを得意としない人には情報処理の仕事を任せる。多動性障害など、じっとしているのが困難な人には社内を循環して資源ごみを回収する仕事を担ってもらうなど、現場での創意工夫が雇用の継続につながっている。
(略)
 学校教育の考え方も変わってきている。東京都は、従来の特別支援学校とは異なる、新たな学校を設置している。東京都特別支援教育推進計画に基づき、生徒全員の就職を目指す障害者向けの新たな学校だ。
 その1つが2008年に開校した永福学園(杉並区)だ。同校は、専門教科として「流通サービス系列」や「家政系列」を置く。流通サービス系では商品の入出荷や在庫管理などを学ぶロジスティクスコースや専用機材を使う清掃を学ぶビルクリーニングコースがあり、家政系列ではカフェやレストランでの接客や調理を学ぶ食品コースにホームヘルパーなどの資格を取得する福祉コースがある。1年生の時にすべてのコースを体験し、2年生に進級した際に自分に合ったコースを選択して学ぶ仕組みだ。
 ほかにも、情報処理を学べるなど豊富な学習プランを用意し、就職を意識した学校になっており、今春卒業した学生の就職率は96%(4月末現在)。ほぼ全員の就職が決まっている。
 企業もこうした学校に協力し、教育資材を提供したり、市民講座として授業を実施したりする。これはCSR(企業の社会的責任)という観点からの行動だけでなく、講座を開くことで有能な生徒を早期に見つけて採用につなげる目的もあるという。
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人間誰しもこなせる仕事の一つ二つはあると言うもので、基本的には政策的誘導がうまくいったと言う好ましい話ではないかと思うのですが、しかし昨今ではブラック紛いの企業に勤めて心身を壊し就労もままならなくなったと言う話もしばしば聞くところですが、そうした方々からすれば「自分達にもこれくらいの手厚い配慮があれば…」とやや苦い思いを抱くものなのかも知れません。
特にここで興味深いのが比較的条件が良い身体障害者に関してはほぼ供給が頭打ちになってきている、その結果法定雇用率引き上げに対応するためこれまで雇用上不利だった知的障害者や精神障害者の需要が急増している点で、全体からすればまだまだ少ないのも事実なんですが、7年やそこらで雇用数が11倍にも増えたと言うのは大変な勢いですよね。
ただここで気になるのがこうして精神障害者が雇用において非常に有利だと言う話になると、前述のような就労に失敗した方々の敗者復活戦枠になると言うのであればまだしもなんですが、昨今一部に犯罪行為を犯す前にまず精神科にかかっておけ、などと言うような良からぬ風潮もあるようですから、詐病的なことをする方々が出て来ないのかですよね。
難しいのは企業側にとってみれば一つには法定の障害者雇用枠が埋まることが大前提で、その上で戦力として使えるなら言うことはないと言う話なんですが、健常者が詐病することで障害者として雇用されるなら企業と被雇用者双方にとってwin-winの関係にもなり得ると言う点ではないかと思います。
それでもまだそうした議論が成立するだけマシなのだ、生まれついての障害者にはそんな選択肢もないと言う意見もあるでしょうが、近ごろでは何事にも特権扱いと言うことが忌避される世相を反映してのことでしょうか、この生まれついての仕方ない属性による就職差別は問題だと言う声もあるようなんですね。

名古屋市採用試験は「女性優遇ではないか」 疑惑の原因は二次試験の面接にある?(2014年12月2日J-CASTニュース)

安倍晋三内閣がアベノミクスの成長戦略のひとつに掲げる「女性の活躍推進」の後押しもあって、女性の積極登用が進んでいる。そうした中、自治体の職員採用試験で「女性が優遇されているのではないか」との声が出てきた。
「行き過ぎた」女性の採用で、男性の就職機会が奪われているというのだ。

名古屋市の職員採用試験の結果を見て「あぜん」・・・

2014年度に行われた名古屋市の職員採用試験は「女性優遇ではないか」――。12月1日付の朝日新聞(8面「Opinion」欄)に、こんな声が寄せられた。
名古屋市の職員採用試験は、第1類免許資格職の事務系(行政一般、法律、経済、福祉の4区分)に、男性1196人、女性635人が受験した。1次試験の合格率は男性39%、女性37%。ところが、2次試験のそれは男性が36%だったのに対して女性は65%とハネ上がり、最終的な合格者は男性168人、女性155人と拮抗した。
この結果に、投稿者は「あぜんとしてしまった」といい、「人為的な性差別が行われたと推認せざるを得ないのではないか」との疑問を投げかけた。
「ほかに能力の高い男性がいるのに、女性が優先的に採用・登用されたとすれば、これは男性差別にとどまらず、能力主義の否定でもあり、大問題であると思う」とも述べている。
名古屋市は「性別への配慮はありません」(人事委員会)と言い切る。「合否の判定時には(担当者は)性別などのデータはもっていません」と説明。男女の差がなかったのは、あくまで「結果」という。
市によると、「特別な取り組みをしているようなことはありませんが、ここ数年、女性の採用比率が上がっているのは事実です」と話す。ただ、採用試験では「そういった(女性を優遇するような)判断はなく、採点で上から順番に採用していった結果です」と、恣意的なことはないと強調する。

じつは「女性優遇」について、自治体の職員採用試験への不信感は、2013年10月に大阪府の「府民の声」にも寄せられていた。
そこでは、「大阪府職員採用試験の男女合格率の男女差は、『雇用機会均等』の趣旨から逸脱した、過度な『女性優遇』=『男女差別』であり、看過し得ない状況にある」と指摘。「『人物重視』で選考をした結果ということだが、男性は人物面で女性に数倍も劣るのか。あるいは女性を優先採用して当然と考えているのであれば、その旨を根拠とともに、募集要項に記載すべきでないか。仮に女性優遇方針がないのに選考基準でこのような歪んだ格差が生じるのであれば、選考基準に問題があるのではないか」と厳しく質しており、「直ちに是正すべき」としていた。
「合否の結果から、そういった疑念をもつ人もいるかも」
こうした「府民の声」に、大阪府は「女性が多いことは認識しています」としながらも、「あくまで試験の結果ですし、性別で合否を判断することはありません。(府民の声は)ご意見として、うかがっています」(人事委員会)と話している。
「男性への不利益は、公平性の観点から断じてありません。合否の結果だけを見ると、そういった疑念をもつ人もいるかもしれませんが、そのようなことはありません」と、「女性優遇」については繰り返し否定する。
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結果的に採用比率が半々であれば平等なのではないか?と言う意見もあるでしょうが、もともとの応募者数が倍ほども違うのですから競争率は大きく違うはずで、それほど男女の能力差があったのか?と疑問の余地は残りそうですよね。
この種の採用試験における公平性担保と言うものが昔から議論されていて、そもそも出身校や履歴など個人情報を問うのも差別につながるから廃止すべきだと言う声もあるようなんですが、それでも一次のペーパー試験だけの結果であれば男女均等であると言うのは、そうした性差を抜きに公平に判断しているのか?と肯定的に評価したくなる話でもありますよね。
一方で二次試験が面接であると言うことが話をややこしくしていると思うのですが、もちろん目で見て声を聞けば男か女かは明らかに判断出来るのですからどうしてもそこに性差のバイアスが入り込むのは避けられない、そして昨今お役所と言ってもやはりソフトな接遇が重視される時代ですから、まあむさ苦しい野郎よりはうら若い女性の方が高評価にはなるのか?と言う解釈は出来るのでしょうか(それはそれで容姿差別と言われそうですが)。
雇用機会の平等と言うことがうたわる時代になり、実際には明らかにこの職種にはこういう人が向いていると言う現場の都合とのミスマッチが発生するようにもなっていて、そうした場合に表向きは条件を付けずに募集をかけておいて公平平等な選考の結果こうなりましたと偏った選考をすることはままあるそうですが、ただ正直役所の仕事にそこまで男女間での使い勝手の違いがあるのかどうかと言う疑問もありますよね。
この辺りはもちろん政府の方針に従って女性雇用を増やすと言う現場判断も反映されているはずなんですが、それでは今までどれだけ女性採用を渋って来たんだよと突っ込みが入る余地はあるだろうし、こうまで露骨な数字合わせに走っては後で困ることはないのか?と心配になるのですけれども、強いて言えば恣意的選択の結果として男でも女でもどっちでも使い勝手は変わらないと証明されれば長期的には本当の男女平等につながるかも知れません。

ところで女性の雇用と言う点ではもう一点、役所に限らず結婚や妊娠に伴う扱いをどうするかと言う問題があって、一部企業などでは女は若いうちしか価値がないとばかりに寿退社が実質強要されていたり、役場での雇用自体が特権とも言える田舎の自治体などでは夫婦そろって公務員と言う家庭は結婚妊娠を機に妻は退職し、後進に特権を譲渡するのが当然だと言う風潮もあるやに聞きます。
名古屋や大阪のような大都会でさすがにそこまで小さなことは言わないのでしょうが、医師のような万年求人超過の超売り手市場においてもある程度の年代以降は女性の離職率がどうしても高くなっていく傾向にあるわけですから、年功序列傾向の強い公務員ともなれば女性をどんどん増やし自然離職者が増えて行ってくれた方が財政上は好都合だと言う判断もあるのかも知れませんね。
この妊娠出産という生物学的な問題に関してはどうしても男女の根本的な差異として考えないではいられませんけれども、先日も派遣から正社員になって半年で妊娠したと言う女性の相談に対して「無責任」「迷惑」等々かなり厳しいコメントがついたと言う記事が出ていて、総じて妊娠するなら時期を選ぶ(先延ばしにする)べきだと言う意見が非常に多かったそうです。
批判の根拠として妊娠は計画的にコントロール出来るはず、だから不都合な時に妊娠するのは避けるべきだと言うことなのでしょうが、少子化進行だとか高齢妊娠のリスクと言った問題は抜きにしても、キャリアを積んで専門性の高い仕事や責任ある地位についてから職場離脱されるよりは、誰でも代わりが務まる若輩者の時期の方に抜けてもらった方が男女関わりなく本来周囲の迷惑は少ないはずなんですよね。
先日紹介いただいた「スタバ店内で女性がやむなく授乳を始めたところ…」と言うなかなかにケッサクな記事においても、圧倒的に女性からの批判が目立っていたと言うのが面白いなと思ったのですが、冷静になって考えるとむしろ自分にとっても損になりかねない話を他人に強いてしまいがちな人間の傾向と言うものに関しても、この種の話題は考えさせる部分が少なからずあるようにも思います。

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2014年12月 3日 (水)

公平な放送など出来ないそうです

なかなかに判りにくい理由でまた衆院選が始まったのだそうで、政治家のセンセイ方も選挙ばかりしていないで仕事をしてくれればいいのにと思わないでもないのですが、その衆院選に関してこんな話が話題になっています。

選挙報道に露骨な注文…安倍自民党がテレビ局に“圧力文書” (2014年11月28日日刊ゲンダイ)

公平中立な放送を心がけよ」――。自民党がこんな要望書をテレビ局に送りつけたことが大問題になっている。

 文書は「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」というタイトルで、20日付で在京のテレビキー局に送付された。差出人は筆頭副幹事長の萩生田光一と報道局長の福井照の連名。その中身がむちゃくちゃなのだ。
 投票日の12月14日までの報道に〈公平中立、公正な報道姿勢にご留意いただきたくお願い申し上げます〉と注文をつけた上に、〈過去においては、具体名は差し控えますが、あるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、(略)大きな社会問題となった事例も現実にあったところです〉とクギを刺している。文中には「公平中立」「公平」が13回も繰り返されている。要するに自民党に不利な放送をするなという恫喝だ。
 さらに4項目の要望を列記。露骨なのは〈街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の政治的立場が強調されることのないよう、公平中立、公正を期していただきたい〉という要求。この一文は、恐らく安倍首相から直々に注文があったのだろう。
(略)
要求を丸のみしたら、安倍首相の経済政策に批判的な人は排除するしかなくなる。街頭インタビューでは、景気停滞に苦しむ地方の不満や、右傾化路線を批判する声も放送できなくなります
 まさに言論の封殺だ。政治評論家の森田実氏が言う。
自民党がこんな要望書を出したのは初めてでしょう。萩生田氏は党副幹事長のほかに総裁特別補佐を務める政権の中心メンバー。その幹部が自民党には『自由』も『民主主義』も存在しないことを宣言した。実に恥ずべき行為です。国民から言論の自由を奪うのは明らかに憲法違反。彼は今度の選挙で立候補する資格はありません。おそらく萩生田氏が安倍首相にゴマをするために行ったのでしょうが、もし首相も了承しているなら、日本は世界から相手にされなくなります」
(略)

自民党、異例の選挙報道要望書は「脅し」か テレビ局で広がる委縮、調査報道の妨げに(2014年11月29日ビジネスジャーナル)

 自民党がNHK及び在京民放テレビ局に対し、衆議院解散前日の11月20日付で「選挙報道の公平中立」などを求める要望書を渡していたことが判明し、波紋を呼んでいる。その内容は「出演者の発言回数や時間」「ゲスト出演者の選定」「テーマ選び」「街頭インタビューや資料映像の使い方」など詳細にわたる「異例のもの」(テレビ局関係者)で、編集権への介入に該当する懸念も指摘されている。
 そのような中、当初は各党議員と政治家以外のパネリスト数人が討論するという構成であった討論番組『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系/11月29日放送)が、放送日直前に議員のみの出演に変更されていたことが明らかとなった。出演予定者だった評論家の荻上チキ氏のTwitterによれば、放送日2日前の27日に番組スタッフから電話があり、「ゲストの質問によっては中立・公平性を担保できなくなるかもしれない」との理由で議員のみの出演に変えると伝えられたという。
「番組スタッフに『誰かが何か言ってきたりしたんですか?』と確認しましたが、あくまで局の方針と番組制作側の方針が一致しなかったため、とのことでした。番組スタッフも戸惑っていた模様です」(荻上氏のTwitterより)

 自民党の要望が早くもテレビ局の番組制作に影響を与えている様子がうかがえるが、元日本テレビ『NNNドキュメント』ディレクターで法政大学社会学部教授(メディア論)の水島宏明氏はまず、『公正中立な報道』に関する誤解について次のように解説する。
「今回の要望書は、テレビ局を萎縮させる効果を狙った『脅し』以外の何物でもない。実際に萎縮しているという声を番組制作現場から聞く。街頭インタビューを含めて、『客観的で公正中立な報道』などテレビでは実現できない。インタビュー対象者の選定や発言のどの部分を使用するかという判断を含めて、制作者側の意思が入り込むからだ。テレビ局ができることは、可能な限り多角的な意見を伝えるよう努めることぐらい。テレビ報道の役割として、選挙報道ではできるだけ争点や政策に関して問題点や疑問点を示していくことが大切であり、現状の問題点を扱うため与党・現政権に批判的にならざるを得ない」

●調査報道を妨げる懸念も

 水島氏は、こうした「報道側と権力側の社会における役割分担」に関する基本理解がないのが安倍晋三政権だと批判し、さらに要望書によりテレビが調査報道を妨げられることで、有権者に選挙の争点が十分に伝わらない懸念を指摘する。
「報道に対して『公立中性ではない』と逐一クレームをつけたり、昨年の参議院選挙直前に『NEWS 23』(TBS)の報道をめぐり自民党が幹部の出演・取材拒否を表明したりするようになると、テレビ局は政策に関する報道にはあまり踏み込まず、各党の主張を並べる『機械的な公正中立』を心がけるようになる。選挙公示後のニュース報道にみられる『各政党一律に30秒ずつ』というような報道だ。公示後はこうした“わりきり報道”も急増しているが、これでは有権者が争点を理解できない。アベノミクスへの評価、消費増税の影響、原発再稼働、TPP、国防などテーマごとの問題を、実情や諸外国の例、識者の声などを元に特集しようとしても、『偏向』だとしてクレームをつけられかねない。そうなるとテレビ局は自分で調査報道するよりも、横ならびの“わりきり報道”という無難な道を選ぶ。結果として有権者には大事な問題点が伝えられないことになる」
(略)
 今回の自民党の要望書がメディア報道に委縮をもたらし、有権者が多角的な情報を入手する機会を損なわせるとしたら、同党の行為は批判を免れ得ないものといえ、今後大きな議論に発展する可能性もあるだろう。

もはや自民党はマスコミ諸社にとっては諸悪の権化かと言う扱いですが、この件に関しては民放労連が「政権政党が、報道番組の具体的な表現手法にまで立ち入って事細かに要請することは前代未聞であり、許し難い蛮行」だと激烈な調子で抗議声明を出していると言うように、マスコミ関係者の方々によって一躍大問題として祭り上げられているようです。
個人的にはマスコミが公平中立な報道をしているかどうかよりも、現に公平中立ではないしそもそも公平中立など実現できないと開き直っているくらいであるのに公平中立であるかのような顔をしていることの方が大きな問題なのではないかと思うのですけれども、ともかく記事によれば関係者がマスコミとはいかに公平中立な報道など出来ないかと言うことを熱心に主張していると言う点は留意いただきたいと思いますね。
さて、今回自民党がこのような要望を出したと言う、そのことに関して関係者が口を揃えて「前代未聞の暴挙!」「報道が萎縮する!」と言っていますけれども、公平中立でない偏向報道などいくら萎縮してもらっても構わないのでは?と考える方々も多いのだろうし、そもそも議論の前提条件そのものが間違っているのでは?と思わせるこんな証言も出ているようです。

選挙報道「公正に」 自民、テレビ各社に要望文書(2014年11月28日朝日新聞)

(略)
 在京民放5局は27日、朝日新聞の取材に対し、自民党からこの文書を受け取ったことを明らかにした。そのうえで、これまでも選挙の際には自民党だけでなく複数の党から公正中立を求める文書が来たこともあるなどとして、「これまで同様、公正中立な報道に努める」(TBS)などとコメントした。NHKは「文書が来ているかどうかを含めてお答えしない」とした。

 テレビ東京の高橋雄一社長は27日の定例会見で、「こうした要請はこれまでの選挙でもいろんな党から来ている」と話し、「構えたり、萎縮したりすることはないか」との問いに、「全然ないですよ」と答えた。一方でキー局の報道幹部は「これまでとの比較は難しいが、過去の『偏向報道』を持ち出すなど圧力も感じる」と話した。

安倍叩きはうちの社是」と言ったとか言わないとか噂の絶えない朝日の記事ですから安倍擁護の捏造だと心配する必要もない話かと思うのですが、要するにこんな話は今までにも毎回選挙のたびに当たり前に来ていて、その上でマスコミ各社は全く気にすることなく自由に報道してきたのだと言うことを当事者自身が明言していると言うことですよね。
となると今回の自民党の要請に限って何故同様に繰り返されてきた数多の要請とは違って報道の自由が失われてしまうと考えるのか?と誰しも不思議に感じる話なんですが、もちろん業界の中の人がこうした阿吽の呼吸ともお約束とも言うべき過去のいきさつを知らないはずもありませんから、彼らなりの公平中立な見地に立った判断から今回はこのように大々的報道をすることに決めたと言うことなのでしょう。
いずれにしても特定意見に偏らず公平中立な報道をすると言うのは当たり前の話であって、現に放送法にはこのように明記されていますけれども、「政治的に公平」な当たり前の報道など出来ない!と叫ぶほど彼らの放送法違反が明らかになるだけと言う話ですから、むしろこれは所轄官庁が彼らの免許適格性をどう判断するかと言う部分が問われるのではないかと言う気がします。

放送法

第四条  放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

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2014年12月 2日 (火)

その母乳栄養へのこだわり方は妥当なのか?

本日の本題に入る前に、給食にミ○メー○がつくかどうかで牛乳の価値が激変したと言う経験は誰にでもあるものだと思うのですが、あれも実はまだ脱脂粉乳も残る時代に子供が給食の牛乳を残さないようにと栃木県の学校給食会から依頼されたのが商品開発の発端なんだそうで、紆余曲折を乗り越え販売にこぎ着けたメーカーさんの努力には頭が下がりますね。
とは言え最近ではまたぞろ給食の食べ残しが多いと特に一部地域では問題になっているようなんですが、その理由を探ってみると何ともお役所対応と言うのでしょうか、もう少し工夫する余地はありそうな状況ではあるようです。

「ふりかけはダメなんですか」橋下市長、不評の中学校給食の実情に驚く(2014年11月25日産経新聞)

 「冷たくておいしくない」と不評で食べ残しが問題になっている大阪市立中学校の給食について、橋下徹市長と市教育委員らが25日、生徒が「ふりかけ」を使うことを認めるかどうかをめぐり、熱い議論を交わした。塩分量など栄養バランスを重視して認めないか、ご飯を食べさせる切り札にするか。橋下市長は「校長の裁量に委ねるべきだ」としたが、約10分の議論でも結論は出なかった

 「ご飯を残す子が多くて…。ふりかけがあれば食べるかもしれない」。教育課題について話し合う会合で中学校教諭がこう発言すると、橋下市長は驚いた様子で反応した。
 「ふりかけはダメなんですか
 同市の中学校給食は弁当を配達するデリバリー方式を採用しているが、特におかずが「冷たい」「おいしくない」と不評で、食べ残す生徒が約7割に上る。そこで切り札として浮上してきたのが、ふりかけだ。ただ給食は国の栄養摂取基準に従って作られており、塩分は1食あたり3グラム前後。ふりかけをつけると塩分過多になるため、市教委の事務方は「すすめられない」と意見を述べた
 教諭や教育委員からは「ふりかけを前提にメニューを考えては」「塩分の低いふりかけを開発するのはどうか」などと前向きな意見も出た。

 橋下市長は「ふりかけの判断ぐらい学校現場に委ねられなければ、中央集権そのものだ」と主張。専門家の意見を踏まえて協議を続けることになった。

いやまあ、もちろん公式決定ともなればそれなりに資料を基にした検討も必要なんでしょうが、正直そこまで引っ張るネタなのか?と感じたのは自分だけでしょうか?
さすがにあまりに馬鹿馬鹿しいと悟ったのか、橋下市長の発言を受けてか大阪市教委でも生徒が「ふりかけ」を持ち込むことを学校判断で許可できるようにしたそうなんですが、これまたふりかけ持ち込みを巡って教室内でどのようなドラマが展開されるのか気になるところで、ふりかけの小袋をつけてみるくらいの事はむしろトータルでおかず代を節約出来る可能性もあり、一部ででも試験的にやってみてはどうでしょうね?
ちなみに市販のふりかけと言うものはメーカーサイトによれば一食分で塩分相当量にしておよそ0.2~0.4g程度なんだそうですが、その程度であればメニューや味付けの工夫でいくらでも補えそうなものですし、給食用に塩分や栄養価を工夫したふりかけを開発し教育委員会推奨!なんてお墨付きを得れば商売にも宣伝にもなりそうですので、ここは是非メーカーさんも一肌脱いでみていただけないものかなとも思います。
ふりかけの話はともかくとして、冒頭の牛乳の話について言えばひと頃給食で出ているような高温殺菌の牛乳ではカルシウム等の吸収効率が悪くなると言う説があって、極端な人はまずいだけで栄養にもならない給食の牛乳など飲む価値なしとまで叫んでいたようですが、あれも実はカルシウムの吸収は加熱しても変わらないしビタミンなどはむしろ短時間高温殺菌の方が残ると言う意見もあるようです。
もちろん殺菌方法によって少なくとも味は変わるわけですから好みの問題も含めて各人の判断で選べばいいのかなと思うのですが、どうも近ごろ各人の判断でやってくださいで済まなくなってきているのが「母乳保育vs人工乳保育」の問題で、このところ「一体何が起こっているのか?」と思うような不可思議なニュースも出ています。

「母乳より粉ミルクを」 イタリアの小児科医、収賄容疑(2014年11月26日朝日新聞)

 イタリア警察当局は25日までに、収賄容疑で公立病院の小児科医12人を自宅軟禁にしたと発表した。新生児の母親に対し、母乳ではなく粉ミルクなど調合乳を飲ませるよう指示した疑いが持たれている。

 ロイター通信などが報じた。粉ミルクメーカー3社の営業責任者たち計5人も贈賄容疑で自宅軟禁にされたという。小児科医たちは最新式のスマートフォンやテレビを贈られたり、外国旅行や豪華クルーズなどでもてなされたりしていたという。

 イタリアの保健相は「こうした事態の深刻さには言葉もない」と述べた。(ローマ=石田博士)

「もらい乳」32施設で実施、無殺菌で感染例も…厚労省研究班調査(2014年11月6日読売新聞)

 母親の母乳の出の悪さや病気などで母乳をもらえない早産児らに、病気の予防のため、別の女性の母乳を与えるもらい乳を、全国の新生児集中治療室(NICU)の25%が実施していることが、厚生労働省研究班による初の実態調査で分かった。
 殺菌していないもらい乳を通じ、早産児が感染症にかかったとみられる例もあり、研究班は今年度中に殺菌の手順などをまとめた運用基準を策定する。
 松山市で10日から始まる日本未熟児新生児学会で発表される。

 小さく生まれた早産児の場合、母乳は人工乳と比べて、命にも関わる腸炎の発症を減らしたり、消化吸収機能の発達を促したりする効果が高いため、なるべく早くから母乳を与えるのが望ましい。
 調査は今年7月、NICUがある全国179施設に実施した。回答した126施設中、32施設(25%)がもらい乳を使っていた。
 もらい乳は、冷凍保存したものが早産児に提供されるが、低温殺菌していないため、早産児にウイルスや細菌が感染する危険性がある。今回の調査では、もらい乳が原因と考えられる感染症の有無を尋ねたところ、早産児が感染すると重症化するサイトメガロウイルスと、薬が効きにくいタイプの大腸菌の2件が報告された。

 米国や英国など多くの国では、専用装置で低温殺菌し、感染の危険がない母乳を提供する母乳バンクが専門組織や病院単位で整備されている。しかし、国内の取り組みは遅れており、専用装置を備えた施設は昭和大江東豊洲病院(東京都江東区)のみだという。
 調査をまとめた同病院の水野克己小児内科教授は、「早産児は年々増えており、母乳バンクの需要は高まっている。安全な母乳を提供できるシステムを広めたい」と話している。

まあしかし何事も過ぎたるは及ばざるが如しと言うのでしょうか、どちらもそれぞれにメリット、デメリットがあるからこそ未だに優劣決せず論争が続いているんだと思うのですが、最近は特に一部で見られるようにあまりに完全母乳栄養にこだわりすぎると問題が多いのでは?と言う意見もあって、一部施設では完全母乳にこだわるあまり新生児が低栄養で深刻な後遺症を負ってしまうと言うケースもあるようです。
基本母乳保育であっても母乳の出が悪いなど事情があれば随時人工乳で補えばよさそうなものなんですが、どうも完全母乳と言うことが宗教化しているのでしょうか、一滴たりとも人工乳は入れさせないと言う強い信念の元で指導をされている施設もあるようで、詳しい情報を持たない親とすれば専門家がそう言うのだから…と従うしかないですよね。
この辺りはすでに裁判沙汰になっているケースもあるようなんですが、一部関係者の口ぶりでは日本に限らず世界的にも母乳保育=絶対善的な風潮があって、それに反するような研究をしたり発表することも憚られる空気すらあるとも言うのですが、素人目には少なくとも母乳が出ないのに人工乳の一時的使用すら断固拒否すると言うのもあまり頭が良いことのようには思えません。
逆にときどき風邪等で見るからに具合が悪そうなのに「母乳保育だから薬はいりません!」と断固言い張るお母さんもいて、母乳を介した母子感染で有名な成人T細胞白血病ウイルスを始め母乳中にウイルスが排泄されている場合も少なくないのですから、母親が具合の悪いときくらいは母乳を飲ませることに慎重になってもいいのかなと言う気がするのですけれどもね。

もちろん数々のデータで母乳保育には大いにメリットがあると言うデータは出ているようですし、基本的に母乳中心でと言うのであれば大いに首肯できる話なんですが、どうしても疑問に感じるのは一部に見られるような完全母乳にこだわることのメリットがあるのか?と言う点で、このあたりのメリットを示すデータと言うのは今だに見たことがない気がしますがどうなんでしょう?
もう一つ気になるのが母乳栄養がしばしばカンガルーケアとセットで推進され、母乳を吸わせることで母子のスキンシップを促進するのだと盛んに喧伝されるように見えるのですが、部分的にででも人工乳保育も併用すれば父子のスキンシップも同時に推進出来そうなものなのに、敢えてジェンダー間の格差をいたずらに拡大する方向で話を進めようとしているように見えるのも今どき興味深い話ですよね。
ひと頃お隣中国などでは国産ミルクによる深刻な健康被害が頻発し、外国に出かけてミルクを買い漁る人が続出して周辺国が困っているとニュースになっていましたが、もちろん人工乳の品質担保と言う余計な作業が増えるのが面倒くさい、それなら安心安全な母乳の方が楽だと言う考え方で母乳にこだわると言う人も当然いてもいいとは思います。
ただ母乳がそうまで安心安全なのか?と言う議論は抜きにしても、人間が哺乳に頼って暮らす期間など人生の中でも限りなく短い一瞬ではあるわけで、むしろその後の長い期間に何を食べるか?と言うことの方がよほど子供の将来にとって重要になってくる可能性を考えると、完全母乳にこだわって育てた挙げ句に週末には家族みんなでファーストフードのドライブスルーと言うのでは何やら釈然としない気もしないものでしょうか。

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2014年12月 1日 (月)

医療を受けるにも患者の協力は必要です

どのように受け取るべきか微妙なニュースなのですが、先日こういう調査結果が出ていました。

救急外来での暴力、医師の4割、看護師の9割超が経験(2014年11月26日日経メディカル)

 救急外来において患者やその関係者から暴力を受けたことがある医療従事者は、6割近くにのぼることが報告された。医師では4割、看護師は9割以上が経験していた。大浜第一病院(那覇市)の大城淳氏らが自院の事態を明らかにし、第9回医療の質・安全学会(11月22~24日、千葉市開催)で発表した。

 医療スタッフへの暴言、暴力に対して大浜第一病院は、2012年6月に院内暴力対策委員会を設立、院内暴力対策マニュアルを作成し、「暴力対策ポスター」を院内に張るなど対策に取り組んできた。今回、大城氏らは、救急外来における患者の暴力の実態を把握するとともに、整備したマニュアルの評価と今後の課題を抽出するため職員に対するアンケート調査を実施した。
 同病院の救急外来は、日勤帯は必要時に各専門科が応援する前提で、救急科常勤医師2人体制で運営している。時間外は、内科系医師1人、外科系医師1人、研修医の計2~5人の体制だ。看護師については、日勤3人、準夜勤3人、深夜勤2人となっている。救急車搬送数は2000年以降、年間1800~2000件近くの実績がある。
 同科ではこれまで、発生時の連絡網を整備するなど科としての対策も実施してきた。また、院内暴力歴のある患者の救急搬送依頼に対して、院内暴力対策委員会の承認を前提に、搬送を断ることも可能としている。

 アンケートは第9回医療の質・安全学会での発表を目的に、救急外来で勤務する職員69人を対象に実施した。内訳は、医師が30人、事務職員が21人、看護師が18人だった。回答は医師27人、事務職員17人、看護師15人の計59人から得られ、回収率は85.6%だった。
 調査の結果、救急外来において患者や患者の関係者から暴力を受けた経験がある職員は、全体で57.6%だった。職種別に見ると、医師が44.4%、事務職員が47.1%、看護師が93.3%と、看護師が飛び抜けて多かった(図1)。男女別では、男性は58.1%、女性は57.1%だった。
 暴力の種類は、言葉による暴力が34件、身体的暴力が9件、セクシャルハラスメントが3件だった(複数回答)。
 暴力を受けてどのように感じたかの質問には、「怒り」との回答が17件、「怖い」が9件と多く、「仕事を辞めたくなった」も6件、「悲しい」も4件と続いた(複数回答)。
 一方、対策面では、「マニュアルに従い担当課または警察を呼んだ」が14件、「(暴力を)止めるように話した」が12件と多かった。「何もしなかった」も6件あった。そのほかでは、「上司に相談した」が4件、「同僚に話した」が3件だった。「傾聴した」の回答も1件あった(複数回答)。

 暴力を受けたことのある34人に対して、病院が整備したマニュアルについて尋ねているが、「有用であった」は47.1%にとどまっていた。この点について演者らは、今後の継続的な対策が必要と指摘している。
 アンケートでは、今後の必要な対策についても尋ねている。その結果、「さすまた」などの身を守る器具の用意、マニュアルの周知、男性職員の配置、警備の充実、防犯ベルや防犯カメラの整備などが挙がった。
 演者らは考察の中で、「暴力など一般社会で許されないことは病院内でも当然許されないとする断固とした意識を(医療従事者が)持つことが必要」と指摘している。また、6割近くが経験していた点については、救急外来では夜間に飲酒した患者が受診することが多いことも要因の1つと考察している。

それなりにきちんとした対策を取っている病院ではあるようで、常習者に対しては搬送拒否もあり得ると言うことですから客層がそれほど悪いわけではないと思うのですが、それにしても暴力を受けた経験のある救急担当医がわずか4割と言うのはキャリアの浅い医師も含まれているのか、単純に何を以て暴力と認識するかの定義の問題なのか微妙なところですよね。
興味深いのは職種によって暴力経験のある比率が大きく変わると言う点ですが、医療関係者の場合急性アル中なども含めて「患者は病気のせいで判っていないのだから」とついつい諦観しがちですけれども、患者の側ではきちんと相手を見て暴力に及んでいるのだろうとも思われる話で、この辺りは多くが男性で院内での権威的にも強い立場にある医師達がしばしば弱い立場のスタッフへの暴力を軽視しがちな理由でもありますよね。
昨今ではどこの業界でもモンスターとも言われる問題顧客の話題には事欠きませんが、先日おもしろいと思ったのは関西方面で元暴○団組員をタクシー乗務員として積極雇用する動きがあると言うニュースが出ていて、もちろん特定業界によるこの種の副業は昔からあったものですが、モンスター客何するものぞの強面ぶりがタクシー乗務員には向いている云々と妙に肯定的に報じられていると言う点です。
かつてであれば進歩的なメディアの方々から顧客の権利擁護の論陣を張られバッシングされていたかも知れないような状況であっても、少なくとも一部には顧客側の問題に対処するためにはこの程度は仕方がないと言う援護射撃が出ると言うのは世相の変化なのでしょうか、ともすれば応召義務があるから仕方ないとあきらめがちな医療従事者にとっても興味深い世論の変化だと思いますね。
例によっていささか前置きが長くなりましたけれども、先日各紙で報道されていたこちらのニュースを紹介してみましょう。

認知症の人、救急病院の94%「診療困難」 意思疎通できず (2014年11月27日日本経済新聞)

 認知症の人が急なけがや病気で搬送されて治療を受ける場合、全国アンケートに応じた救急病院の94%が対応は困難だと感じていることが27日、国立長寿医療研究センター(愛知県)などの調査で分かった。意思疎通が難しいことが主な理由で、診断に必要な病状の聞き取りや検査に支障が出ている可能性がある。
 認知症の人は記憶力や判断力が低下するため、こまやかな配慮が必要だが、介護の現場で「緊急やむを得ない場合」に限っている患者の身体拘束は78%の病院が実施していた。調査結果は29日から横浜市で開かれる日本認知症学会で発表する。

 2013年度に全国の救急病院3697カ所に調査票を送り、589カ所から有効回答を得た。このうち患者の入院や手術に対応できる2次救急病院は約60%だった。
 ほとんどの病院は認知症の人の診察や入院を受け入れているとしたが、「対応は困難だと感じることがある」が94%を占めた。理由(複数回答)は「転倒・転落の危険」が88%で最も多く、「意思疎通が困難」(85%)「検査・処置への協力が得られにくい」(82%)が続いた
 90%以上の病院が「患者の不安や混乱を取り除くよう努めている」としたが、認知症の対応マニュアルがあるのは16%にとどまった。患者の身体拘束の他に、薬物による鎮静は70%だった。

 調査の主任研究者で長寿医療研究センターの武田章敬在宅医療・地域連携診療部長は「認知症の人が安心して治療を受けるには、医療スタッフを増やしたり、かかりつけ医と連携を強化したりするなど、総合的な対策が必要だ」と話している。〔共同〕

認知症高齢者の場合症状訴えがはっきりしないことが多く、周囲に気付かれた時には思いがけない重症になっていたり、あるいは入院させたところ全く違う病気が見つかると言うことがままあって、リハビリ期間も含めて入院が長くなりがちであることもこのご時世に嫌われがちな理由でもありますが、国などもその点は認識していて急性期が受けた患者をスムーズに慢性期や療養に引き取るよう体制整備を急いでいますよね。
ただ例えば肺炎で入院してきた患者がおしめ交換で痛がるそぶりを見せる、調べて見たら脚が折れていたと言う場合にその受傷が入院後のことなのか、あるいは入院前のことなのかはっきりしない場合も多く、場合によってはそれが家族を巻き込んだ深刻なトラブルに発展することもあって、こうした騒動を経験したことのある医師の一部は認知症患者の診療そのものがトラウマ化してしまっているケースもあるようです。
そうであるからこそ最低限の処置だけを済ませた後は最短でリハビリ施設や慢性期に送ると言う救急病院の先生も少なからずなのでしょうが、慢性期の先生方にすれば入院時チェックで一通り調べてみると紹介状に書かれてもいない病気や異常があれやこれやで、一体救急の先生は何を診ていたんだ?!と言いたくなる場合もしばしばと言った弊害もあるでしょう。
この辺りは基本的には高齢者には調べれば調べるほど病気は山ほど出てくるものなのだと言うコンセンサスを家族との間で得られているかどうかも重要ですが、逆に言えば家族がしっかり判断できる状況であれば深刻な苦労も少ないと言うもので、特にこれからの時代注目すべきは身寄りもなく意志決定者が誰なのかもはっきりしない高齢者の救急問題ですよね。

この点で以前から一部方面で議論になっていることですが、身寄りのない高齢者の医療をどこまで行うべきかと言う問題と絡めて、意志疎通の出来ない相手に対して勝手に医療を行うことはインフォームドコンセント的にどうなのかと言う問題があるのではないかと言う意見があって、緊急避難の観点からも少なくとも明らかな救命救急の場においては一般論としても何ら問題ない行為だと思うのですが、直ちに緊急性がない場合はどうなのかです。
判断に迷う一例として独居高齢者が自宅で倒れているのが見つかった、単に脱水であったようで点滴で元気になったが念のため一通り調べているとどうやら癌があるようだと言う場合、一つには手術を行えば長期生存も期待出来るが本人は認知症で判断できず身よりもいないとなれば、リスクがある上に当面の緊急性がない行為を誰の判断で行うべきなのかと言う問題がありますよね。
無論そんな高齢者に癌の積極的治療をする必要などないと言う意見ももっともなんですが、別に癌でなくとも現時点ならばまあ一般的には許容範囲とされる程度のダメージで何とかなりそうな病気がある、そして放置しておくと近い将来大変面倒くさい状態になるのが明らかだと言う場合、単純にその患者の人生トータルでかけるべき医療の手間暇と言う観点からも、今それを放置するのがいいのかどうか迷う余地はありそうに思います。
この種のジレンマのもう少し身近な実例としてよく経験されるのが胃瘻の造設と言うもので、身よりもなく誰も決断できない高齢認知症患者に誰の責任でそれを行うべきなのか、あるいは行わないのが妥当なのか常に判断が難しいところですが、同意書を書く人がいないからと手術も受けられず日常的に誤嚥や肺炎に悩まされている方々も実際にいらっしゃるわけで、世話をする医療の側にとっても結局得なのか損なのかですよね。
ごく普通の判断力があればここで治療をしておいた方が得だと考えられるような場合、もちろん身よりもなく本人も判断できないのですからやっておいてもまあ悪いことはないのでしょうが、何であれリスクがゼロではない以上何かあればマスコミから「また医師の暴走か?!」などと言われかねず、今の時代の一般的な考え方からしてわざわざ余計なリスクを負いたがる「熱心な先生」もどんどん減ってきているのだろうなとは思います。

さらにややこしいのはきちんと診断をつけていけば実は認知症ではなく何らかの基礎疾患によって意志疎通が出来ないだけと言う場合もあって、本当に本人に判断できないのかどうかは完全に除外診断を済ませた場合でなければ言えない理屈なんですが、実際に臨床現場で全例そうした鑑別が出来ているかと言えばまあ無理だろうし、実際にそれをやれば査定ではばっさり切られ医療経済学的にも問題視されでしょう。
他方ではそうでなくとも今はインフォームドコンセントが医療の大前提となっていて、患者の同意が得られなければ救命救急を除いて何ら勝手なことはすべきではないし、仮に何かを行った場合それが妥当なものであっても民事賠償請求されるリスクは必ずあると考えるべきですが、単純に身寄りがいないから安心だとあなどっていると事後になって遠い親戚なるものが登場してくる可能性もあるわけです。
その意味では認知症患者の救急にも対応出来るようスタッフを増やしましょう、見守りも強化しましょうと言うのは確かにそれはそれで重要な話なんですが、あくまでも事態の一現象面に留まっている対策でもあって、本当の意味で認知症患者の診療を医療側も安心して行えるようにするにはもう少し違った側面にも注目していく必要があるんじゃないかなと言う気はするのですが、なかなか公の場で議論しにくい話でもありますよね。
医療行為におけるメリットと予想されるリスクとをその場限りではなく患者の全将来に渡って比較検討して、圧倒的にメリットが大きい場合には患者の同意がなくとも実施できるようにすると言ったコンセンサスがあれば便利な側面もあるのでしょうが、宗教的理由に基づく輸血拒否のケースを見るまでもなく、得てして非合理的とも言える判断を敢えてしがちなのが人間と言う対象の扱いの難しさなのだと思います。

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