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2014年11月14日 (金)

荒廃する教育とその受け止め方の変化

荒れる教室と言った話題はずいぶんと昔から繰り返されてきた話題ですが、その荒れようも時代時代によって変わってきていると言うことなのでしょう、先日こういう記事が出ていました。

「今のは体罰」教師を挑発する「モンチル」(2014年11月9日AERA)

「モンスターペアレント」が社会問題になったのは2000年代後半のこと。いまは、同様に「モンスター」と呼びたくなるような「チルドレン」の出現がささやかれている。
 教育に詳しい明治大学文学部の諸富祥彦教授は言う。
「かつて学級崩壊が全国に広がったとき、子どもたちは教師をコントロールすることを覚えてしまった。親が教師の悪口を言ったり、クレームをつけたりすることも多くなったので、子どもたちは先生をばかにするという『知恵』をつけてしまったんです」

 関東の小学校に通う6年生の男児は、ある決意のもとに授業の妨害を始めた
 大声を出す。担任教師をばかにする態度を取る。担任が怒りだしそうなことは思いつく限りやった。そして、堪忍袋の緒が切れた担任は、子どもたちの前で男児に手をあげてしまった。男児は、ニヤッと笑って言ったという。
みんな見たよな? いまの体罰だよな?
 担任教師を処分に追い込むための行動だった。実際、教師は処分を受けて転任。この男児の親はしきりに、「あの先生はダメだ」と言っていたという。

「今の子どもたちは、教師がバッシングにさらされやすく、社会的に難しい立場にいることをよく理解しています。先生が自分に一度でも手を出したら終わりだ、と知っているからこそ、やりたい放題。際限なくエスカレートしていってしまうのです」(諸富教授)

まあしかしそもそも中二病と言う言葉もあるくらいで、これくらいの年代が一番世間を舐めてるんだと思うんですけれども、世間の仕組みを理解した上でそれに乗っかって自分の利益になる行動をきちんと選択出来ると言うこと自体は必ずしも悪いことではなく、仮にそれが反社会的行動であると言うことであればそれが利益につながると子供に思わせる世間の仕組みの方が問題なのかなと言う気もしますがどうでしょうね。
その意味ではここで注目いただきたいのはむしろ「この男児の親はしきりに、「あの先生はダメだ」と言っていた」と言う部分で、別に子供のすることは何であれ大人が悪い社会が悪いと言うつもりもありませんけれども、日頃から自分の親がこうした態度を取ることを知っているからこその男児の行動であったんだろうなと言うようにも思えます。
そう考えるとこうした行為が問題だと言うのであれば、求められる対策としては子供対策よりも親対策、社会対策の方を急ぐべきだろうと思うのですが、その社会について考える上で先日これまた教育現場からこういうニュースが出ていたことを紹介してみましょう。

FBに生徒を正座させた画像 中学講師「指導総括です」(2014年11月10日朝日新聞)

 神戸市中央区の私立「神戸龍谷中学校高等学校」の中学1年を担当する男性講師(56)が、生徒を正座させた画像を自身のフェイスブック(FB)に載せていたことが10日、同校への取材でわかった。同校は「不適切だった」と保護者らに謝罪し、講師を処分する方針。画像はすでに削除されている。

 同校によると、講師は生活指導を担当。今年7月、中学1年生(約80人)が兵庫県豊岡市で2泊3日の校外学習を行った際、宿泊先の部屋でペットボトルを蹴ってサッカーをしたとして生徒らを30分間正座させ、その様子を顔の部分にぼかしを入れた状態で自身のフェイスブックのページに載せた。講師は「指導総括です」とし、集団行動を乱すなどした複数の生徒について、「ロビーにあった幼児コーナーで30分遊ばせる」「罰ゲームとして踊らせる」「部屋の外で1時間立たせる」などと書き込んでいた

 同校は閲覧者の指摘で把握し、講師を注意。講師は「教師としてあるまじき行為だった。申し訳ない」と話したという。広田晴文教頭は「不適切な指導だった。生徒の保護者には謝罪し、第三者委員会を立ち上げ対処する」としている。

正座写真掲載や「部屋の外で1時間立たせる」 神戸の中学教師、Facebookで「行き過ぎ指導」公開(2014年11月10日J-CASTニュース)

    「思い切り恥ずかしい思いをさせてやりました」「解散前に親の前で泣かせた
   兵庫県神戸市内にある私立中学校の50代男性教員が、臨海合宿で問題行為のあった生徒たちをどのように「指導」したかを自身のFacebookに書き込んでいたのが見つかり、物議を醸している。

「解散時に親の前で泣かせた」記述も

   この教員が勤める神戸龍谷中学校では、毎年7月に竹野海岸で中学1年生を対象にした臨海合宿を行っている。受験サイトの情報によれば、生徒たちはここでカヌーやシュノーケリング、そば打ちなどを体験するという。
   友人たちとのお泊りにはしゃぐ生徒たちの様子が目に浮かぶが、男性教員はルールを守らない生徒たちを徹底して「指導」していたようだ。2014年7月、自身のFacebook上に「指導総括です」として詳細に綴った。
   「バスの中でセクシャル発言し、皆から顰蹙(ひんしゅく)→バス内での発言禁止」「他の生徒のデザートを取って食べる→翌日のデザート取り上げ」といったものもあるが、中には下記のような体罰と捉えられる記述もあった。
    「部屋の中で、ペットボトルでサッカー→教師部屋で30分の正座」「同室生徒が寝ようとしているのを邪魔する→部屋の外で1時間立たせる」「いつまでも寝ずにしゃべり続ける→11時30分から12時まで立たせる
   ペットボトルサッカーの「犯人」なのか、正座する2人の男子生徒が写った写真も掲載されていた。顔は隠されていたものの、畳の上で両ひざをぴったり付けて正座している姿からは委縮した様子もうかがえる。
   他に「班行動を無視して、仲の良い生徒と勝手な行動→解散時に親の前で泣かせた」「押入れの中で暴れていた→ロビーにあった幼児コーナーで30分遊ばせる」といった記述も。幼児コーナーでの「指導」を知人から面白いと評されると、「中学生が幼児コーナーで遊ぶ。思い切り恥ずかしい思いをさせてやりました。モジモジして、遊ぶことができませんでした。前を通る人たちに、ジロジロと見られていました」と返信していた。

「二度と同じ過ちを犯さないように」謝罪しアカウント削除

   投稿は「一般公開」されていたため、アクセスすれば誰でも目にすることができる状態だった。
   11月8日に、あるツイッターユーザーが「学校の教師としてFacebookにこうゆうこと上げるのはおかしい」として投稿内容のキャプチャー画面をツイートしたことがきっかけとなり、インターネット上で広く問題視されることとなった。このツイッターユーザーはFacebookのコメント欄にも「削除して保護者へ謝罪すべき」などとするメッセージを残した
   すると教員は、
    「指導する立場にありながら、ネット上で不適切な投稿がありました。多くのご指摘ありがとうございました。遅きに失したとは思いますが、削除いたしました。ご迷惑をおかけした皆様、本当に申し訳ありませんでした。以後、二度と同じ過ちを犯さないように十分気を付けたいと思います」
   と謝罪文を掲載したようだ。だが、その後も注目を集めつづけたためか、Facebookのアカウントはまもなくして削除された。
   (14時40分追記)同校によると、インターネット上で話題になっているのを見つけた生徒から報告を受け10日朝に把握した。教員に事情を聞いたところ「そのとおりです。申し訳ありません」と認め、現在は自宅待機しているという。取材に答えた担当教員は、生徒らから苦情はなく「(本人たちは)体罰とは考えていないようだ」としながらも「大きな問題として重く受け止めている」として処分を検討している。今後、生徒らに謝罪するとともに、第三者委員会を立ち上げて対処するという。

こういう時代ですから写真まで公表してしまったのはいささか勇み足だったかとも思うのですが、ここで興味深いのはメディアによる取り上げ方の方で、それなりに賛否両論ある問題であることはネット上の反応でも明らかだと思いますけれども、何かにつけて進歩的な朝日の記事ですらあくまでも写真の公開に対しての批判であって、指導自体に対する批判ではないように読めると言う点でしょうか。
教師の指導のあり方がどのようなものであるべきかは今も様々な意見があって、いわゆる体罰についても暴力は絶対に許さないと言う方々も少なからずいらっしゃるのはもちろん理解出来る話なのですが、それでは一体何をもって体罰と定義すべきなのかと言うことを考えると世に言うセクハラ、パワハラの認定範囲の混乱ぶりを見ても、論ずる人それぞれによってずいぶんとイメージするものが異なっていそうだとは予想できますよね。
冒頭の記事のように直接手を挙げてしまったと言う古典的な体罰はさすがにほとんどの場合に認められなくなってきていますが、授業中に騒ぐ生徒を廊下で立たせるのは体罰なのか、それとも残る真面目な生徒の授業を受ける権利を守るために必要な措置なのか微妙なところですし、実際に問題学童の隔離政策を打ち出した橋下大阪市長の案にも賛否両論だと言います。
ただ体罰反対と声も大きい進歩的な方々ほどその他大勢の真面目な子供達の権利をも擁護するべきであることは言うまでもないことですし、実際に冒頭のような状況が次第に問題化してくればそれに対応してシステムの方も変化せざるを得ないはずですから、マスコミとしてもどのようなスタンスで教育問題に関わるべきかなかなかにさじ加減が難しくなってきているのだと思いますね。

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コメント

思い起こせば、スカートめくりが流行っていた小三。
見つかった10人近くが横一列に整列、先生に端から順にビンタ食らいました。
あとで「女の先生はすぐヒスを起こして手を出すからあかんなぁ」とほっぺたを
さすりながら言い合ってた。
少なくとも、叩かれても当然なことをやってたという自覚はありましたよね。
(次は見つからないようにやろうとか悪知恵を働かすのだが・・・)

今の子はそこら辺の判断ができないのか、わかっていてやる陰湿ないじめと同じなのか?

体罰は、治療を受けないと行けないようなケガをさせなけりゃOKにするとかしないと
ダメだろう。言ってわかるなんて一部。さらに殴られてもわからない奴もいるんですから。
知り合いの校長先生も、本音とすれば同様の考えでしたけどね。

投稿: hisa | 2014年11月14日 (金) 09時02分

注意○回で停学とか指示無視は別室授業とか粛々と対応すればいいだけ
何言っても理解出来ないバカは一定数いるんだよ

投稿: | 2014年11月14日 (金) 09時25分

>何言っても理解出来ないバカは一定数いるんだよ  おまえもなー

>注意○回で停学とか指示無視は別室授業とか粛々と対応すればいいだけ 
 これで思考停止するバカ。 

投稿: | 2014年11月14日 (金) 09時46分

義務教育の義務って言葉が教育関係者を縛りすぎてる気がします。
ほんとは保護者には子供に教育を受けさせる義務があるってことなのに。

投稿: ぽん太 | 2014年11月14日 (金) 09時49分

義務教育も差別化なく全国どこでも均一の内容と言うのは無理があるのかなとも思うのですが、学校の選択枝の乏しい地方で今後学校内での児童生徒の差別化を行っていくべきなのかどうかです。
その場合でもいわゆる問題児にしても集約化してしまうと手に負えなくなるので分散させた方がいいのか、そうなるとより多くの一般児に迷惑がかかる可能性が増えるのをどう考えるかと悩ましいですが。

投稿: 管理人nobu | 2014年11月14日 (金) 11時10分

現状でも、ぐ犯や性加害に至った子供は児童相談所などを通じて児童自立支援施設で指導を行うことが出来ます。
もう少し不良行為が軽い子供でもそれに準じた対応ができればとは思います。

投稿: クマ | 2014年11月14日 (金) 16時19分

> これで思考停止するバカ。 

思考停止じゃなくてさっさとやれって催促では?

投稿: | 2014年11月14日 (金) 16時53分

でも、70年半ばから80年代前半の校内暴力の最盛期なんて、こんなレベルじゃなかったわけで。今の方が、学校側が積極的に生徒による暴力は警察の介入を求めるようになってるし。当時は、学校が警察に通報するなんて、まずあり得なかった。

投稿: うう | 2014年11月15日 (土) 10時52分

警察を呼んだら教育者としては負けだって認識がいけないんだろうな
中学で暴れてた奴らはほとんど例外なくろくな人間になってない
あいつらだって早い段階でちゃんとしつけていたら人生変わってたかも知れないね

投稿: | 2014年11月15日 (土) 11時56分

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