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2014年11月17日 (月)

健康にこだわりすぎると健康に悪い?

飽食の時代などと言われるようになり、現代人の健康志向がビジネスの面からも注目を集めるようになって久しい今日この頃ですが、逆にそれが別なビジネスの衰退を招いていると言う記事が出ていました。

米ファストフード業界が下り坂、現代人の健康志向が顕著に―シンガポール華字紙(2014年11月11日XINHUA.JP)

シンガポール華字紙・聯合早報は10日、現代人の健康志向の高まりに伴い、米国のファストフード業界が下り坂に転じたと報じた。人民網が伝えた。

米ミズーリ州のトゥルーマン・メディカル・センター(TMC)は2012年にマクドナルドとの契約を前倒しで打ち切って以降、センター傘下のフードコーナーでのファストフードの提供は行われていない。ケンタッキー州のコセア・チルドレンズ病院も1986年の開設当初からマクドナルドと提携してきたが、現在はビッグマックやマックナゲットの販売は中止されている。

TMCの元最高責任者、ジョン・ブルフォード氏は「ファストフードは米国で一定のポジションを確立したが、病院内での提供はふさわしくないと考える。われわれが率先して人々の健康意識を変えなければならない。われわれには社会の健康を改善する義務がある」と語っている。

米マクドナルドの今年第3四半期の売上高は3.3%減を記録した。飲料業界紙「ビバレッジ・ダイジェスト」によると、米国人が昨年消費した炭酸飲料水は44ガロン(約166.5キロリットル)と1995年当時の水準にとどまった。1998年の米国人の炭酸飲料水消費量は51ガロンだった。特にライト飲料の売上高は6%も減少した。中に含まれる人工甘味料に発がん性があるとの研究結果が発表されたことが大きいようだ。

ファストフードや炭酸飲料が肥満や糖尿病のなどのリスクに直結していることに多くの人々が注意を向け始めており、米国では近年、反ファストフード運動が数多く展開されている。こうした運動が奏功したようで、米疾病対策センターの2月の発表によると、米国の2~5歳の肥満児童の割合は10年前より43%減少した。

しかし子供時代の食習慣は一生ものだとも言いますから、幼児の肥満率がこれだけ下がると言うのは後世に大変な影響を与えかねない快挙なのでしょうが、痩せて健康的なヤンキーと言うのも何かしら違う気がするのは偏見なんですかね?
それはともかく、このところ例の食材の問題もあってマクドナルド辺りは全世界的な退潮傾向に歯止めがかからないと言う話もありますけれども、生活改善に何かしらのきっかけを探していた人々にとっては不健康な食習慣を改める良い機会にもなったと言う考え方もあって、こうした風潮が今後どれほど定着していくのかと言うことは注目されるところです。
とは言え日本で言うとこの種のファーストフードとは高価ではないにせよ必ずしも安さだけを売りにしていると言うわけではありませんが、アメリカなどでは所得の低い階層ほどジャンクな食品を食べざるを得ないと言う現実もあって、健康にいい食生活と言うのはそれなりにお金や余裕のある方々にして初めて実行出来るものであったと言う側面は無視するわけにはいかないとは思いますね。
その点で日本ではそこらの定食屋でそれなりに栄養バランスも取れた食事が安価に食べられ、また日本版ファーストフードと言うべき牛丼屋なども副菜の取り合わせに気をつければまあ許容範囲の食事は調えられるのですから恵まれていると言えますが、一方でメタボ健診等をきっかけに食生活改善を迫られている世のお父さん方にとっても決して他人事ではなさそうな、こんな怖い話もあるようです。

健康的な食事にこだわりすぎて病気になる 「オルトレキシア」って何?(2014年11月12日ウォールストリートジャーナル)

 健康的な食生活への関心が高まると、不健康な結果を招くことがある。
 一部の医師や登録栄養士たちによると、純粋な、あるいは「クリーンな」食品を食べたいという願望が強迫観念になってしまい、不健康な状態になってしまう人々が増えている。未加工の食品だけを食べる完全菜食主義者や、主要食料源からグルテン、乳製品、糖質といった複数の要素を除外してしまう人のことだ。極端な場合、栄養失調になってしまう人もいるという。

強迫性障害の症状も

 そうした病気のことをオルトレキシアと呼ぶ専門家もいる。精神障害のバイブルとされている「精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)」にも正式な診断名がなく、あまり研究が進んでいない病気だ。この病気にかかっている人は、強迫性障害(OCD)のような認知されている病気の症状を示したり、拒食症の人のように不健康なぐらい体重が減ってしまうということが多い。
 コロラド州の研究者たちは最近、臨床医たちがオルトレキシアという診断を下すのに役立ち得る一連の基準を提案した。今年に入ってサイコソマティクス誌のオンライン版に掲載されたそのガイドラインは、この病気に関する将来の研究の標準にもなり得ると彼らは言う。
 コロラド大学デンバー校医学部の精神医学特別研究員で、その研究の上席著者であるライアン・モロゼ氏によると、オルトレキシアの有効なスクリーニング手法を開発し、その有病率を見極め、他のもっとよく知られた摂食障害と差別化するには、さらなる研究が必要だという。
 共著者の一人である北コロラド大学のトーマス・ダン教授(心理学)は「食べる量を制限しているからではなく、食べるものを制限しているせいで栄養失調になってしまう人がいる」と言う。「彼らがそうするのは痩せるためではなく健康になるためだ。そうした考え方が行き過ぎると、他の精神疾患に見られるような状態に陥ってしまう」

食品の下調べに3時間

 提案されている診断基準には、食べ物の質や成分にこだわるあまり、特定の食品の下調べや調理に1日3時間以上といった過度の時間を費やしてしまう、不健康な食品を食べた後に罪悪感を覚えてしまうなどがある。栄養の不均衡、または日常生活への支障につながるそうした食べ物への固執はオルトレキシアと考えられる。
 強迫性障害の患者と同じような治療を受けているオルトレキシアの患者もいる。外来患者向け診療所のOCDセンター・オブ・ロサンゼルスのキンバリー・キンラン臨床部長は「摂食障害という診断の下では治療が不十分な人々もおり、そうした人の病気は強迫性障害という診断の下で治療された方が良い」と指摘する。
 キンラン氏によると、その症状は健康な生活を送ることへの関心から始まる。そして、汚染されている、あるいは本人たちが不健康だと見なしている食品を食べることへの不安が徐々に高まっていく。治療には、行動変容を目指した精神療法の一種、認知行動療法が含まれることが多い。「われわれは基本的に強迫性障害の治療に使ったモデルを採用し、強迫性障害に非常によく似たこの病気にも利用している」と同氏は語る。
 健康的な食生活を送るための努力と極端な行動に出ることのあいだにはグレーゾーンがあり、それがオルトレキシアへの疑念をあおる一因となっていると専門家は指摘する。「人々は健康的な食生活を送ることがどうして病気につながるのか信じられないのだ」とキンラン氏は言う。
 他の病気がオルトレキシアを引き起こすこともある。ウィスコンシン大学医学・公衆衛生大学院のデビッド・レイケル統合医学部長は、食物アレルギーやそれに関連する病気になった患者の10~15%が特定の食品に対して不健全な恐怖心を抱くようになると見積もっている。
 たとえば炎症状態の一因となっていないかを確かめるために特定の食品の摂取を控えるというように、栄養療法には除外食が含まれる場合が多いとレイケル氏は説明する。そうしたプログラムでは、一定期間後にその食品の除外が徐々に解かれていくものだが、引き続きその食品を避け続ける人もいる。「人々は健康のための選択に厳しくなり過ぎて、必要な栄養を摂取していない

拒食症に苦しむ患者も

 オルトレキシア患者を治療する摂食障害セラピストらによると、多くの患者は拒食症にも苦しんでいたという。その一方で、オルトレキシア患者の多くは低体重ではなく、そのことが病気と診断するのを難しくしていると指摘する専門家もいる。
 ニューヨーク市在住で、米国栄養・食事療法学会の広報担当者でもあるマジョリー・ノーラン・コーン氏は「データ上は完全に健康で、血液検査の結果も良く、体重にも問題ない人でも食品に執拗(しつよう)なこだわりを示すかもしれない」と話す。
 食習慣のせいで社会とのかかわりを避けるようになったら注意信号だとコーン氏は指摘する。「そうした人々は食品に何が入っているかわからない、特定の方法で調理されていない、使用されているのが有機オリーブオイルではなかったら大変だ、といった理由で友人とレストランに行けないかもしれない」
 ロサンゼルス在住のジョーダン・ヤンガーさん(24)は昨年、自分の野菜中心の食事に関するレシピや写真を投稿するために写真・動画共有サービス、インスタグラムのアカウントやブログを開設した。すると、日々の食事が彼女の生活のすべてになってしまった

朝目覚めるとパニック

 「朝目覚めると、今日は何を食べようかと考えてパニックになった」とヤンガーさんは振り返る。「ジュースバーやホールフーズ・マーケットといった自然食品店に行くと、かなり長い時間をかけてすべてを見て歩き、その日1日分のメニューを考えようとした。自分でもこれは不健康だと気付くほど健康な食生活を送ることに夢中になり始めていた
 すでに細身だったヤンガーさんは食事制限をして約11キロも痩せたという。彼女の肌はオレンジ色になり、月経が来なくなった。今年5月、彼女は摂食障害の専門医や栄養士のアドバイスを受け始め、回復することができた。
 今は加工食品を除いてどんな食べ物も制限しないことにしているという。彼女の肌は普通の色に戻り、髪の毛は濃くなって13センチも伸び、体重も元に戻った。
 「いろいろな食の哲学があり過ぎるので、オルトレキシアが広まる余地はまだたくさんあるだろう」とヤンガーさんは言う。「さまざまな理論を聞くと、食べるのが本当に難しくなり、本来は楽しむべき食生活がとてつもなく不安なことに思えてしまう

拒食症とセットで出やすいと言った話を聞いても現代人にありそうな状態だなと思うのですが、人間一日数時間くらいは趣味や娯楽の時間として使ってしまうものですから食品調べに2~3時間と言った話自体は直ちに異常とまでは言えないにしても、度を超して日常生活に支障が出るようになってしまうと問題なのは確かでしょう。
アメリカ人などはもともとトンデモないものばかり食べているからこんなことになるのだ、日本の一般的な食生活では心配入らないと考える人がいたとしたらそれも過信と言うもので、今や完全に社会に定着したコンビニ食品なども薬品まみれ添加物まみれだと言われて久しいですし、スーパーに並んだものを見ても材料ベースでたいていの物には何かしら添加物は使われているものです。
ただ添加物が入っていることと、それが健康にとって有害であるかどうかと言うことはまた別の話であって、一般的な殺菌消毒の手順ではなかなか退治出来ない上に極めて毒性も強いボツリヌス菌などはたびたび集団食中毒を起こして死者まで出していますけれども、久しく以前から食品添加物によって増殖を抑制出来ることが知られハムやソーセージなど広汎に利用されています。
そうでなくとも何を食べても何かしら不健康な成分が入っているのは避けがたい時代ですから、食べるものに気を使うほどそれらを避けたくなる心境は理解出来るのですが、食品添加物フリーなものばかりを探し歩いて食べてみたところで今度は保存性を保つため塩分過多になったりだとか、前述のように食当たりの危険が高まったりだとかそれはそれでリスクを抱え込むことにはなるわけですから、要はリスクと利益のバランスですよね。

最近はダイエット系飲料に大量に用いられている代用糖類がかえって肥満を促進するのでは?と言う「ダイエットコー○の逆説」とも言える話が話題になっていますけれども、アメリカなどではお茶等も含め何の飲料であれ大抵は糖分が入っていて飲まずにはいられないと言う現実を考えると、こうした食品洗濯の面でも無糖飲料が身近に手に入る日本はずいぶんと恵まれているとは言えると思います。
食事なども自分で料理をしてみればある程度使う材料も判ってくるし、当たり前の材料で作った料理の味がどうなるかと言うことも判ると思いますが、(悪い意味で)どうやっても家庭では再現できない味と言うものはあまり食べ過ぎない方がいいのかなと言う危機感も出てくるだろうし、外食するにしてもきちんと納得できる味のものを出してくる店をひいきにしようと言う気持ちにもなるのでしょう。
そうした点から買い物をするにも素材は何かとチェックするのも確かにいい方法だと思いますが、その品に必要不可欠な原料は何かと言う知識なども(あくまでも病的にならない範囲で、ですが)持っていれば何が余計に添加されているのかも判るだろうし、それが何の目的で添加されているのかを考えていけば自然と製品としての品質を類推する手がかりにもなるとは思いますから、これまた良い悪いは程度の問題ですよね。
ただちょうど先日はダイエットサプリメントの摂取が自己免疫精管炎を誘発する場合があると言うレポートが出ていたようで興味深く拝見したのですが、この製品も怪しげな化学合成のものと言うのではなくハーブ系だったと言うことですから、昨今よくある「天然系素材が原料だから安心安全」などと言う根拠のない売り文句を頭から信用してしまうのも問題だと、改めて自戒しておかなければならないとは思います。

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コメント

日本人は年々不健康な食生活に染まりつつある気がする

投稿: | 2014年11月17日 (月) 08時28分

沖縄=長寿県ってのはあれウソじゃない?
こんなの食ってたら血液ドロドロでしょ
http://portal.nifty.com/2006/11/14/a/

投稿: ごま | 2014年11月17日 (月) 10時10分

Aランチは大食家向けにも有名ですが、沖縄の場合結婚式のおみやげにケンタッキーが出ると言う習慣もあるのだそうで、ポーク缶の活用等も含めて食生活はかなりアメリカ化している部分もあるようですね。
平均寿命からしても女性はトップクラスとは言え男は中~下位と言うのもその辺りの反映なのだろうし、温暖な気候であることを考えると少なくとも現代では必ずしも長寿県とは言えない気がします。

投稿: 管理人nobu | 2014年11月17日 (月) 11時44分

ファストフード業界の販促対象、黒人の子どもに「偏向」米研究
http://www.afpbb.com/articles/-/3031839
AFP 2014年11月17日 13:36 発信地:ワシントンD.C./米国


【11月17日 AFP】米国のファストフード業界による子供向けの販促戦略が、特
に中間所得者層が多く住む地域、地方部、アフリカ系コミュニティーで多く見
られることが、最近の調査で明らかになった。

調査は、アリゾナ(Arizona)州にあるアリゾナ州立大学(Arizona State
University)とイリノイ(Illinois)州シカゴ(Chicago)にあるイリノイ大学
(University of Illinois)の研究チームが行ったもので、全米のファストフ
ード店6716軒を対象として、店舗での広告などについて調べた。

対象となった販売戦略には、子供向けのおまけの無料配布や人気スポーツ選手
やアニメのキャラクターを採用した広告掲出、さらには遊戯施設の用意やバー
スデーパーティーなどのイベントまで、さまざまなものが含まれた。

研究によると、これら地域の店舗では、特に無料のおもちゃ付きメニュー「キ
ッズミール」に関する店舗内部での広告の掲示が目立った。キッズミールは、
チェーン展開するファストフード店での導入が多い。研究チームは、「調査の
結果を踏まえると、ファストフード業界は、不健康な食べ物の消費を勧める広
告の子どもらへの露出をより限定的にすることが重要と考えられる」と提言した。

米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and Prevention、CDC)
によると、米国では成人の3人に1人が肥満であるとされ、その背景にファス
トフードの根強い人気があると広く考えられている。

「米国医師会内科学雑誌(Journal of the American Medical Association
Internal Medicine)」は今年2月、全米では2~5歳の子どもの肥満率が43%低
下しており、肥満の子供の数が減少し始めているとの研究論文を掲載していた。

研究を主導したアリゾナ州立大学のプナム・オーリ・ヴァチャスパティ
(Punam Ohri-Vachaspati)教授(栄養学)はAFPに対し、ファストフード業界
が特定の層を標的として集中的にマーケティングを行う理由を推測するのは難
しいと述べる。

その一方で、「これまでの研究から、ターゲットとなる層はファストフードの
消費量が多い傾向にあるほか、健康的な食事の選択肢に乏しく、肥満率が高い
ことが分かっている」と指摘し、今回の研究結果が、ファストフード業界が子
どもを対象としたマーケティングを抑制するきっかけになればと願っていると
述べた。

投稿: | 2014年11月18日 (火) 12時55分

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