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2014年10月11日 (土)

「皇太子殿下も気にかけられているっ!」減塩運動の行方

今日は当「ぐり研」の本分に沿った軽い話題を取り上げてみますけれども、まあそれは答えるにも困るわなと言う話が出ていますが、こちらの記事から紹介してみましょう。

皇太子さま「減塩運動は続いていますか?」 22年前のご記憶に秋田知事大慌て(2014年10月6日産経新聞)

 「減塩運動は今でも続いていますか?」。3、4の両日に秋田県を訪問した皇太子さまが、そう質問されたというエピソードを、佐竹敬久知事が6日の定例記者会見で明かした。

 皇太子さまは22年前の平成4年、第4回全国農業青年交換大会開会式臨席のため県内入りした際に県立脳血管研究センター(秋田市)を視察されている。その際に、県民病といわれた脳卒中の予防対策として減塩運動について説明を受けられたという。

 佐竹知事によると、「その成果はどのように出ていますか」と皇太子さまからご質問があり、「ご記憶がよく(返答に)あわてた」と話した。その上で「秋田のことについてご理解いただき、いろいろな面でお励ましをいただき、ありがたく思っています」と述べた。

皇室と言えば数年前に天皇陛下が琵琶湖などで問題化するブルーギルの食害に関して、自ら皇太子時代にブルーギルを米国から持ち帰った経緯に触れて「心を痛めています」と述べられた事が当時大いに話題となり、「陛下も心を痛めてるッ!」なるキャッチフレーズでブルーギルを使ったファーストフードが売り出されたことがありましたが、お役目がら何かと古いことも記憶されているのでしょうね。
それはともかくとして、ただでさえ緊張感から頭が真っ白になりがちな局面でかれこれ四半世紀も前の話を突然持ち出されればそれは言葉にも窮するだろうとは思いますけれども、一般的にこの塩分摂取量では濃い味付けの東日本が多いと言う説がありますが、統計的に見ても確かに東北などは塩分摂取がかなり多い一方で四国や九州は全般に少なめとなっているようです。
この辺りの原因としては東北地方で好まれる漬け物が悪いと言う話もあれば寒い地方では汁物が多くなるのが問題だとか様々に考えられるわけですが、全国一の塩分摂取量を誇る山梨県などは山間部で保存のためもあって伝統的に塩分濃度の高い食品が多いと言いますから、やはり地域の食習慣が非常に大きな影響を及ぼしていると言う意味では食文化そのものを反映しているとも言えそうですよね。
ともかくも今の時代は過剰な塩分摂取は不可と言うことでWHOなどは1日5グラム以下にしなさいなどと言っているのですが、正直塩分が味付けの中心となる日本の伝統的な食習慣においてこの数字は非現実的と言うしかなく、厚労省では当面の現実的な目標として男性9グラム未満、女性7.5グラム未満と言う、現状よりも2~3グラムほど減と言う数字を打ち出しています。
医療財政上も慢性疾患の管理が非常に重要視される時代ですから、自治体レベルでも健康増進のためにあの手この手の対策を工夫しているのですが今ひとつ効果の程がはっきりしない中で、先日同じく東北は岩手県が非常に即物的な塩分制限策を始めたと話題になっています。

突然訪問、みそ汁調査 家庭訪問、県が実施/岩手(2014年10月1日読売新聞)

 脳卒中で亡くなる人の割合が高い理由は?――県は、脳卒中による死亡率が全国ワーストの主因は、濃い味付けを好む県民性にあるとして、一般家庭を突然訪問し、みそ汁の塩分濃度を調べる「突撃! 隣のお味噌(みそ)汁」作戦を今月から始める。5年間で人口の1%をカバーする約1万2000世帯分のデータを集め、ワーストから抜け出したい考えだ。(安田信介)

 厚生労働省が5年ごとに実施している死因別死亡率調査(年齢調整)によると、岩手県は2010年、脳卒中(脳血管疾患)で亡くなった人が、人口10万人あたりで男性70・1人(全国平均49・5人)、女性37・1人(同26・9人)と、ともに全国最悪だった。県などの調査では、脳卒中を引き起こす高血圧のもとになりやすい食塩の摂取量(一日あたり)も11・8グラム(全国平均10・4グラム)と、全国最多だった。

 汚名を返上すべく、県がまず目をつけたのが、塩分が多いとされるみそ汁。家庭の食卓に毎日上るため、県民の食生活の塩分濃度を測る目安になると考えた。

 参考にしたのは、2010年に平均寿命が男女ともに全国一になった長野県の取り組みだ。1960年代には脳卒中による死亡率が全国ワースト上位だったが、一般家庭でみそ汁や漬物の塩分を測定し、薄い味付けを指導する減塩運動が奏功。脳卒中による死亡率が大幅に減り、平均寿命全国一を達成した。長野県では“主犯”は野沢菜などの漬けものとされた。岩手県も「長野の例を参考に、より詳しい原因を特定したい」(健康国保課)と話す。

 計画では、県内の主婦団体「食生活改善推進員団体連絡協議会」(約6700人)のメンバーが2人以上になって地域の家庭を訪問し、デジタル測定器でみそ汁の塩分濃度を計測する。目標値は薄味の目安とされる1・0%以下で、濃度が高い場合は薄めの味付けを指導する。まずは来年3月までに2310世帯を回り、傾向を分析する。

 同協議会の三浦フミ子会長(66)は「地域のつながりがあり顔見知りが多い地方だからできる活動。県民の意識が変わるきっかけにしたい」と話している。

まあ何と言いますか、ネーミングセンスからしていささかの脱力感を覚えないでもないのですけれども、栄養指導などを行っていても標準的な調理法による栄養素含有量を元に指導しているわけで、実際に各家庭で作っている内容によってその数字に大きな誤差が出てしまうのは当然だろうし、また多くの家庭において我が家の味が濃いのか薄いのかも評価判断する基準がないわけです。
記事中にもある長野県なども山間部の土地柄でもともとは塩辛い味を好んでいたせいか脳卒中死亡率全国1位と言う不名誉な地位を占めていたわけですが、それが長く地道な食習慣改善運動によってとうとう平均寿命日本一の長寿県にまで躍進したと言うのですから、人間やる気になれば生活習慣も変えられるものなんだなと勇気を与える話ですよね。
この辺りはどうしても食卓に欠かすことの出来ないものは減塩を指導する、また他のもので代替可能であればなるべく薄味のものに切り替えていくと言った作業になるのでしょうが、素材レベルで塩分濃度が変われば味のバランスも変わってくるだけに、単に減塩指導を行うだけでなく味の変化を補う技術を教える料理教室なども平行して開催していく必要があるのではないかと思います。
また昨今どこででも減塩調味料が手に入りやすくなっていて、使用量を変えることなく減塩が図れると言う点ではそれなりに便利なものではあるのですが、こうしたものは従来品と比べて保存性が悪化している場合もありますから、室温保存を当たり前に行ってきた年配者の方々には十分指導を行わないと食あたりする可能性もあるかも知れません。
ただ地域毎にそれぞれ固有の食材や料理が存在しているからこそ郷土料理を訊ね歩く楽しみがあると言う側面もあって、健康増進はいいのですが全国どこでも同じような個性のない減塩料理ばかりと言うことにならないよう、濃い味つけの伝統も含めて食文化のアイデンティティーを保持することもまた大事なことではないかなと言う気がします。

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コメント

お客来たらとりあえず縁側で漬け物ポリポリってのは改めるべき

投稿: | 2014年10月11日 (土) 12時19分

尊敬表現としては、
気にかけていらっしゃる
あるいは
気にかけておられる
のほうがいいのではありますまいか。
ちなみにここらじゃ
気にかけておらっしゃる
かな。

投稿: JSJ | 2014年10月11日 (土) 19時06分

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