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2014年10月25日 (土)

世界に拡がる?パワハラの輪

ネットでちょいと検索するだけでもパワハラと言うことに関連した記事が幾らでも出てくる時代で、読んでいますと幾ら何でもこれはネタだろう?的なひどいものからこれもパワハラにされちゃうの?と思うようなものまで千差万別なのですが、ともかくも訴訟だ仕返しだなどと言う言葉も散見されることを見ても職場における人間関係もそれなりに難しい時代になってきたとは言えるかと思います。
景気の良い時代であれば上司が気に入らないから仕事を辞めるなどと言うことはごく当たり前だったのでしょうが、正社員になるのも一苦労では済まない時代になってくると辞めると言う選択枝の敷居も高くなるのは当然ではあるだろうし、まして理不尽かつ一方的な攻撃に晒されていると思えば何とか倍返しの一つも計りたくなってくるのも理解は出来る気がします。
何事であれそれがコンテンツとして注目を集めれば商売になるのは当然で、近ごろではパワハラ問題に詳しいことを売りにしている弁護士さんも結構いるんだそうですが、先日はとうとうこういうものが登場したと言うニュースが出ていました。

「パワハラ」回避サービス 損保が開始(2014年10月22日産経ニュース)

 損害保険ジャパン日本興亜が中小企業福祉事業団と組んで、法人向けに労務リスクを軽減するためのサービスの提供を月内に始めることが21日、分かった。過重労働やパワハラが社会問題化し、企業の労務管理に対する目が厳しくなる中、業界初の労務リスク診断を核としたサービスを入り口に、主に中小企業に向けて労災を補償する損害保険の契約を伸ばしたい考えだ。

 新サービスは、中小企業福祉事業団に登録する約3100人の社会保険労務士が講師となり、企業に課せられた従業員への安全配慮義務について解説する無料セミナーのほか、4日以内に回答するリスク診断など。必要に応じて、社労士が直接相談に応じるサービスも初回のみ無料で提供する。初年度に約5万社の利用を見込んでいる

 厚生労働省によると、平成25年には約11万8千件の死傷を伴う労働災害が発生。遺族らが会社を相手取って損害賠償訴訟を起こす事例も相次いでいる

 人事異動直後の過重な業務が原因で従業員が小脳出血と水頭症を発症したとして、企業側に1億9869万円の損害賠償を命じた20年4月の大阪地裁判決など、高額の賠償・和解事例も少なくない

 11月には過労死等防止対策推進法が施行されるなど、政府も働きすぎを防ぐための取り組みを重視している。損保ジャパン日本興亜は労務管理のノウハウに乏しい中小企業が労災を補償する保険の重要性に気づくきっかけとして、新サービスの投入を決めた。

パワハラだ、セクハラだと言う問題は当然ながら世間はされる方の味方をしがちですが、企業側にとっては労使にまつわる一定のリスクでもあるわけですからそのマネージメントが必要となるのは当然だろうし、将来的には車を運転するのに保険は必須と言うくらいに人を雇用するには何らかの保険なりは必須と言うくらいになっていくのかも知れません。
まあ何をもってパワハラと言うべきなのかも微妙なところで、いわゆる過労死につながるようなハードワークを強いるのはまた別問題なんじゃないかとか、何でもパワハラ認定されるのでは厳しく指導することも出来ず人材が育たないと言った声も根強くありますが、一般論として時代と共に労働環境に対する意識やルールも変化するものである以上、いつまでも「あゝ野麦峠」や「蟹工船」の感覚が通用するものでもないでしょう。
その意味で当然ながら労基法等の関連法規は(もちろん時と場合によっては完全遵守は出来ないこともあるにせよ)一つの基準、目安にはなるのだろうし、最初からそれを無視するのが当然だと言う職場はブラックと言われても仕方がないと思いますが、中にはこれはハラスメントと言っていいのか何なのかと言う微妙な問題行為もあるらしいと話題になっています。

「上司に指導料月2万円」「社長へ感謝、1万円」 ネット騒然、「これは本当の話なのか」(2014年10月22日J-CASTニュース)

   インターネットで、「東京成長学校 明日の自分を作る学校」の公式ブログが話題になっている。
   そこには「上司からの指導料2万円を給料日に振り込むのがツライ」と、東京に住む新入社員Aさん(女性)が相談を寄せているのだが、「これって、ホントなの?」「釣りだろ」と騒然となっている。

「上司の指導料を払う会社、最近増えているんですよね」

   Aさんが勤める会社では、「給料日に上司からの『指導料』などを指定された口座に振り込むことになっています」という。
   「建前上は社員が自主的にやっている」ということらしく、給料日に自宅に帰ってからインターネットバンキングを利用して、「上司の口座に1か月の指導料2万円」を振り込むそうだ。
   さらには、社長への感謝の気持ちとして1万円、パソコンやネットワークの利用料5000円、机や椅子といった什器使用料3000円も支払わなければならない。しめて、月3万8000円もの支払いだ。
   Aさんの初任給がいくらなのかは不明だが、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、大卒初任給の平均は19万8000円(2013年)。3万8000円も社長や上司に支払ったら、「ツライ」のも無理はない。一人暮らしのAさんは1か月の生活費にも事欠き、実家から仕送りをもらっているという。

   当然のように、Aさんは釈然としない。そこで東京成長学校に、「他の会社ではこういうのは一般的なのでしょうか。教えて下さい」と相談した。
   ところが、もっと驚いたのはその答え。
    「Aさんが勤めている会社のように、上司からの指導料を払う会社、最近増えているんですよね」
   これには、おそらく多くの人が「ええっ、ホントなの?」と思ったに違いない
   そして、その理由についても書かれており、
    「社員ひとりひとりに会計ファイナンスの感覚を身に付けさせるのが目的です。社員を成長させようとしている会社ならではですよね」
と、答えている。
   勢い、Aさんに対して、「少し経済的に辛いかもしれませんが、今を乗り越えれば、きっと大きく成長できるでしょう」と、会社側には何の問題もないかのように、「耐えろ」「頑張れ」と、Aさんを応援しているのだ。

強制的であれば、「違法の疑い強い」

   インターネットでは、
    「これってパワハラの一種でしょうか? こんなもので成長など出来るようにはとても思えませんが」
    「完全にブラック(企業)だわ...」
    「3万8000円? すぐに労基署に行きなさい」
    「金を取るなら、それなりの成果が出せない上司や経営者は部下から解雇されるべきですな」
    「上司や社長がその振込分を申告してなければ立派な脱税ですよね」
といった具合だ。
   また、「東京成長学校」にも、
    「これ 釣りアカウントじゃないの?」
とのコメントが寄せられている。

   とはいえ、実際に「上司に指導料を払う」会社など、存在するのだろうか――。
   職場の違法状態をはじめ、若者の労働問題の解決を目指す特定非営利活動(NPO)法人「POSSE」の今野晴貴代表理事は、「このような上司への『指導料』の事例は思い当たらない」と話す。
   ただ、入社と同時に研修会社の研修を受けることを義務付け、その分の研修費を払わせる事例は多々あるそうで、「研修会社では山籠もりなどの『精神研修』を受けさせられる」そうだ。
   経営コンサルタントの大関暁夫氏は、「自由参加、自主参加とする研修は褒められたやり方ではないですね」と話す。「自由」と言いながら参加しないと評価が下がるなど、実際には強制参加の研修であるケースが少なくないからだ。加えて、外部研修の費用を社員が負担するケースは「あり得る」としている。
   また大関氏は、正社員への「指導料」や「什器利用料」の請求は「常識的にはあり得ない」という。「指導料」を受け取った上司も、就業規則などの本業から派生する情報・ノウハウをもとにした「副業の禁止」にあたる可能性があり、処分を免れないからだ。
   まして「強制」の事実があれば、労働基準法違反の疑いが強いとみられる。

ネット上ではすでに「東京成長学校」について幾らでも怪しげな話が発掘されていると言う炎上状態で、まあ基本的には釣りあるいはネタサイトなのだと言うのが一般的なコンセンサスになっているようですが、このくらいの感覚の古さを持っている人というのは実生活でも一定数いるのは確かですし、一応はこういう会社も事実存在していると考えておくべきなんでしょうか。
その上でこの行為が強制であれば違法と言うのですが、当然ながらこの種の慣行と言うものは少なくとも表向きは強制ではなく任意と言う扱いになっているのだろうし、しかも上司の覚えや出世にも響く「かも知れない」と勝手に考え込ませることで下手な強制よりも強力な強制力が働きかねないシステムでもありますから、誰が考えたのかは判りませんがうまいこと考えているなと言う気がします。
もちろん数多くの人々が突っ込んでいるように一般企業であればこんな制度があるわけがないと信じたいところですが、現実的な応用例としては例えばスタッフ募集の要件として最低月収○○と言った記載はよく見かけるし、それを支払わないと即座にブラック認定されてしまっても不思議はないですが、こういうやり方で支払った分を取り戻す分にはまあ嘘ではないと言う言い方は出来るかも知れませんね。
実のところ大学医局などではほぼこれに近いことを昔から制度として当たり前にやっていると言う事実もあって、やはり医師の世界の常識は世間の非常識なのかと感じてしまわないでもないのですが、しかし考えてみますと企業同士の商取引においてこの種のキャッシュバックを当たり前のように要求してくる商習慣は極めて広く根付いていると言いますから、やっている側としては勝手知ったる日常的な方法論のアレンジだとも言えます。
セクハラだ、パワハラだと言った問題もほとんどのケースでは当の加害者にはその意識はなかったと言う話がほとんどで、もちろん実際には口先だけの弁解でやる気満々に嫌がらせをしているケースも多々あるんだろうと思うのですが、幾ら機嫌が悪くても道行く人にいきなり殴りかかる人間はそうそういないことを思うと、こうしたハラスメント行為を有りだと思わせる土壌自体は案外ごく一般的にあるものなのかも知れませんね。

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コメント

残業や深夜労働、休日出勤の強要もパワハラだってね

投稿: | 2014年10月25日 (土) 07時52分

あからさまなパワハラもいっぱい見てきましたけどね。
もうこれからの若い先生はそういうの辛抱しなさそうですけど。

投稿: ぽん太 | 2014年10月25日 (土) 09時05分

殴られもせずに一人前になったヤツがどこにいるものか!<お約束

ま、そこまでしてアカの他人を育ててやる義理もないもんね。パワハラは全部禁止でおkw

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2014年10月25日 (土) 14時21分

うわっ化石っ⁈

投稿: | 2014年10月25日 (土) 17時51分

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