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2014年10月21日 (火)

エボラ感染拡大に見る社会的対応の難しさ

確定した死者数だけでもすでに5000人規模にも上り、確認が出来ていない死者数まで含めると幾らになるのか誰も知らないと言うエボラ出血熱の現状ですが、オバマ大統領にエボラと並んで危険だと言われたプーチン大統領が不快感を示しただとか、逆に長年の米国の宿敵であったカストロ氏がエボラ対策に関しては米国とも喜んで協力すると表明したりだとか、各方面にそのインパクトが広がっているようです。
先日は安保理において国連幹部が「少なくとも感染死亡者の70%が他の人に汚染することなく埋葬する必要がある。10月1日から60日間の勝負。失敗した場合、指数関数的に感染者が増加する」と物騒なコメントを出して話題になりましたが、一部報道ではWHOが内部文書において初期対応の失敗を認めたとも言い、拡大を続ける感染に対して資金も人員も全く不十分であるとの危機感も広がっています。
そんな中で先日国内でのエボラ第一例が確認されたアメリカでは亡くなった同患者の検体と接触した可能性のある病院職員がクルーズ旅行に出かけて行ったと言うことが批判的に取り上げられたりもしているようですが、世界的に流行拡大阻止の必要性が言われる中で、そもそもどの程度用心すればいいのかと言う話も含めて個人の権利尊重と感染拡大阻止と言う公益との兼ね合いも議論がされているようです。

エボラ出血熱二次感染看護師 飛行機搭乗で混乱(2014年10月18日NHK)

アメリカでは、エボラ出血熱の男性が入院していた病院で二次感染した看護師が隔離される前に2度にわたって旅客機に乗っていたことから、保健当局が2つの便に乗っていた乗客合わせて280人余りに聞き取り調査を行うことになり、混乱が広がっています。

アメリカ・テキサス州では、エボラ出血熱で死亡した男性が入院していた病院の看護師2人が二次感染したことが確認されています。
2人目の感染者となった看護師は、10日から13日まで旅行に出かけ、旅客機に乗っていたことが分かっています。
13日には微熱が出ていたことから、アメリカのCDC=疾病対策センターは、念のため看護師が利用した2つの便の乗客合わせて280人余りに対象を広げて看護師と接触があったか調べています
また17日には、エボラ出血熱の男性が入院していた病院のスタッフが、カリブ海を航行中の旅客船に乗っていることが分かり、船がメキシコの港への入港を拒否されました。
船の運営会社は、このスタッフに客室内から移動しないよう求め、船は現在、母港があるテキサス州に向かっているということです。
こうした事態を受けて、テキサス州はエボラ出血熱の男性の病室に入ったことのある病院のスタッフに対し、ウイルスの潜伏期間が過ぎるまで、公共の場所に行ったり公共交通機関を利用したりしないよう指示を出しましたが、当局がスタッフの行動を十分に把握していない状況に混乱と不安が広がっています。

流行地から密入国・看護師感染… エボラ熱、広がる混乱(2014年10月17日朝日新聞)

 エボラ出血熱の感染の拡大で、各国に混乱が広がっている。感染者の入国を防ぐため、空港などでの検査の強化に乗り出しているが、不法入国者をどう調べるのかなど課題は多い。流行国からの入国の禁止を求める声も出始めた。

■欧州各国で水際対策 フィリピン、派遣のPKO撤退へ

 米テキサス州の病院で、エボラ患者の治療にあたっていて二次感染した看護師2人の感染ルートは、依然特定できていない。米疾病対策センター(CDC)によると、2人はいずれも防護服を着用しており、当初は二次感染の恐れはないとみなされていた

 しかし、米国の看護師組合「全米看護師連合」は14日、この病院の複数の看護師からの聞き取りの結果として、現場での訓練や防護服の装備が不十分で、感染防護の手続きも周知されていなかったなどとする声明を発表。看護師らに与えられた防護服は首の部分が覆われておらず、医療用テープで露出部分を覆うなどして補強したという。

 二次感染した2人のうち1人は症状を訴える前日に航空機に乗っていたことが明らかになり、CDCは同乗者132人の調査を始めた。

NHKの記事に取り上げられている看護師の飛行機搭乗の件などは特に大きな騒ぎになっているようで、CDCの長官がわざわざ「飛行機に乗るべきではなかった」とコメントしている点は個人の権利を何よりも重く扱うアメリカ人にとって非常に重要な意味を持っているとも言え、看護師団体などは現場には適切かつ十分な感染防御の装備もなくCDCの規定に従うことは無理だと逆批判のコメントも出しているようです。
基本的に医療従事者は病気に対して科学的な視点で対応すべきなのだろうし、実際に多くの場合で世間一般におけるよりも冷静に対処出来ているとは思いますが、その中でも感染症に関してはやはり自らも感染すると言う恐怖心が往々にして理性を上回る場合があるのか、時に医療現場においても診療拒否など様々な差別的対応が見られただとか言ったニュースが流れていますよね。
今回のエボラ騒動に関しても各国が医師スタッフを現地に派遣するなど対策が講じられていますけれども、防護服を来ていても医療従事者の感染が報じられているとなれば現地入りに二の足を踏みたくなるのも当然だし、軍医などが派遣を命じられた場合に拒否することは出来るのかと言った議論も行われているようです。

今や世界各国への感染拡大阻止と言うことが非常に大きな命題となっていますけれども、それについては当然ながら感染の危険があると判断された人々の隔離など個人の権利を制限する必要性があることであり、当事者がそれを拒否した場合にどの程度強制力を発揮出来るのかと言うことは国毎の事情も異なっていて、そうした対応の差が感染拡大にどれだけ影響するのかも何とも言い難いものがありますよね。
日本においても新型インフルエンザ騒動の際に様々な意見が出てきた経緯があって、例えば疑い症例にもどんどん検査をして白黒付けるべきだと言うのはその通りなのでしょうが、そういう積極的対応を行い感染者が次々と発見、隔離されてしまう病院には当の患者が行きたがらず、漫然と対症的に薬を出すだけの施設に患者が集まることになれば気がつけば患者が町にあふれていたと言うことにもなりかねません。
見つかれば面倒だからと患者が病気であることを隠そうとするようでは感染拡大阻止どころではありませんが、今後経過観察のために日常生活の制約を受ける接触者が増えれば増えるほどその社会手影響も大きくなるだろうし、患者に接触し感染した疑いがあるというだけで無制限に対象を広げていくことはさすがに現実的ではないとは言えそうです。
その辺りの見極めをどう科学的、疫学的根拠と共に決めていくかと言う点に加えて、実際に私権を制限した場合その金銭的補償はどうなるのかと言った事後処理の問題が今や待ったなしで存在しているのですが、その点から見ると何やら意味深にも見えるこんなニュースも出ているようです。

米エボラ熱対策責任者の人選批判-共和党から医療知識なしと(2014年10月20日ブルームバーグ)

 10月18日(ブルームバーグ):オバマ米大統領がエボラ出血熱の対策責任者にバイデン副大統領の首席補佐官を務めたロン・クレイン氏を起用したのに対し、共和党は医療の知識がある人物が必要だったと批判している。

クレイン氏(53)は弁護士で、クリントン政権でもゴア副大統領の首席補佐官だった。エボラ熱対応をめぐる公聴会で政府当局者を厳しく追及した共和党のマーフィー下院議員は同氏の指名について、「衝撃的であり、率直に言って米国民の懸念に全く耳を傾けていない」と指摘。下院エネルギー・商業委員会のアプトン委員長も、オバマ大統領が医療や感染症への対処の経験がある人物を指名すべきだったと述べた。

ホワイトハウスのアーネスト報道官は複数の省庁の調整でクレイン氏の管理能力が必要であり、議会のメンバーとも関係を築いていると述べ、今回の人事の正当性を主張した。

その道のスペシャリストは助言者や実務担当者の地位においておいてトップの責任者には全体的なマネージメントが出来る人物をと言うのは一般論として決して間違ったことではないと思いますけれども、その地位に据えられたのが弁護士だったと言うのが何ともアメリカらしいとも言えるし、この問題の社会的な対処の難しさを示してもいるのだろうと思います。
ちょうどアメリカでは選挙との絡みもあってこのエボラ対策が大きな争点となりつつあるのだそうで、与党民主党がCDCの予算削減を行ったと野党共和党を攻撃するなどと言う絵図はどこかの国とも共通ですけれども、面白いのはもっと強力な対策を講じるよう与野党双方が競い合う気配はあっても、どうもその方法論として私権の制限を伴うことはさして問題視されていないようにも見えます。
この辺りは何かと国家に対する忠誠心が問われるアメリカらしいとも言えますが、もちろん私権を制限した結果何もないともなればきちんと補償を要求するだろうことも権利社会アメリカのもう一つの側面であるでしょうから、米国政府としては今後厳しいエボラ対策の実施に伴い思いがけず大きな臨時出費を抱え込むことになるのかも知れません。
考えてみると有事における私権の制限と言う問題は日本においても防衛関係などで長年言われてきたところですし、当然ながらいざエボラ日本上陸と言う時に当たっても多かれ少なかれ制限を行わないことには感染拡大阻止も何もないはずですが、どうも日本では水際対策で国内流入をいかに阻止するかと言った話ばかりで、実際に入って来た段階でどう対応するかと言う議論は今ひとつ盛り上がりに欠けている気がします。
実際に感染拡大阻止に実効性のある対策を考えてみると非常に厄介かつ社会的影響も大きく、私権の制限に留まらず差別などの過剰反応も招きかねない面倒な話になるのも確実なのですが、だからと言って「起こってもらっては困る」「起こるはずがない」「だから対策は必要ない」の三段論法で済まされてしまっては大いに禍根を残すことにもなりかねないでしょうね。

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コメント

読売新聞 10月20日(月)21時16分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141020-00050128-yom-int
 【ジュネーブ=石黒穣】世界保健機関(WHO)は20日、西アフリカのナイジェリアでエボラ出血熱の流行が終息したと宣言した。

 ナイジェリアでは9月8日までに全ての感染者の完治が確認され、それ以来、42日間、新たな感染者が出ていない。
WHOは、ウイルスの最長潜伏期間である21日の2倍の42日間新たな感染がなければ、流行が終息したと解釈している。

 WHOによると、感染者と接触した人の迅速な追跡など適切な封じ込め対策が感染拡大の防止につながった。

 ナイジェリアでは7月20日にリベリアから渡航してきた感染者からウイルスが広がり、20人が感染、うち8人が死亡した。

投稿: | 2014年10月21日 (火) 08時25分

どこまで患者数チェックが機能しているのか微妙なところはありますけれども、アフリカ全土に拡大すると言った危機的状況には至っていなさそうなのがまだしも救いだと感じますね。

投稿: 管理人nobu | 2014年10月21日 (火) 11時33分

>個人の権利を何よりも重く扱うアメリカ人にとって非常に重要な意味を持っている

「個々のアメリカ人」があまりにも多種多様な価値観の方々なんで目立たないだけで、アメリカ合衆国という国家自体の本質はナチスも真っ青な全体主義国家ではなかろうか?と、私は密かに考えています。でなきゃ禁酒法なんて通す筈ないし、ちっとも懲りてなくて現状実質禁煙法状態だし、そもそもああも自由自由連呼するのはもしかしてなんか後ろ暗いからでわおや誰か来た

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2014年10月21日 (火) 12時01分

まずは、地方の大都市ー福岡とか札幌とかーの開業医を西アフリカからの渡航者が発熱を訴えて受診した、といったシナリオで医療機関・地方自治体・国合同の予行演習をしたほうがいいんじゃないかと思っています。

投稿: JSJ | 2014年10月21日 (火) 12時23分

どこかのテレビ局が海外渡航者になりすましてドッキリをしかければ笑えないことになるかもですな

投稿: 元僻地勤務医 | 2014年10月21日 (火) 16時34分

沖縄であわやエボラ騒ぎ...西アフリカ帰りの発熱患者
http://kenko100.jp/articles/141020003165/

ついにキタコレ

投稿: | 2014年10月21日 (火) 17時03分

米各地でエボラパニック…国防総省内でも騒ぎに
http://www.yomiuri.co.jp/world/20141022-OYT1T50047.html
読売新聞 2014年10月22日 11時18分


 【ニューヨーク=中島達雄、ワシントン=井上陽子】エボラ出血熱で死亡し
たリベリアの男性患者から、女性看護師2人への二次感染が発生した米国で、
感染への過剰反応とも言える騒動が相次いでいる。

 バージニア州にある米国防総省内の駐車場で、17日に女性が嘔吐(おうと)
し、駐車場が封鎖される騒ぎが起きた。この女性が警察官に、「最近、アフ
リカを旅行した」と話したという情報が駆けめぐったためだが、その後、米メ
ディアは「この女性はパスポートすら持っていない」と報じた。

 19日、カリブ海を巡るクルーズ船が、中米ベリーズやメキシコへの入港を
拒否された末、出港したテキサス州に戻った。クルーズ船には、リベリア男性
が死亡したテキサス州の病院の、医療関係者が乗っていた。その後、感染なし
と確認されたが、船内で一時隔離状態だったという。米メディアは一連の騒動
を、「エボラクルーズ」(ニューヨーク・タイムズ)などと大々的に報じた。

 過剰な反応の背景には、エボラ熱への理解不足が指摘されている。感染する
のは、発症者の血液や吐しゃ物などに触れ、傷口や粘膜からウイルスが侵入し
た時だが、米ハーバード大が今月8~12日に実施した世論調査では、85%
が「せきやくしゃみで感染する」と回答した。

 オバマ米大統領は18日のビデオ演説で、「科学に基づいて行動すれば、米
国で大量感染は起きない」と強調。20日の演説でも「インフルエンザでは毎
年2万~3万人が亡くなるが、エボラでは今のところ1人だ」と語り、冷静な
対応を呼びかけた。

 ただ、オバマ政権の対応の不手際が、各地のパニックをもたらした面もある。
二次感染した看護師の一人は、発症前に微熱があったにもかかわらず、13
日に旅行で民間機に搭乗。同じ便に乗っていた児童が通う学校が休校になった。
米疾病対策センター(CDC※)は20日、「防護服に隙間を作らず肌を露
出させない」、「肌を露出させない」などとする病院での二次感染防止策を定
めたものの、病院関係者からは「対応が遅すぎる」との指摘が出ている。

投稿: | 2014年10月23日 (木) 17時40分

[ワシントン 23日 ロイター] - 米紙ニューヨーク・タイムズは23日、国境なき医師団の一員で最近西アフリカから帰国した医師のエボラ出血熱検査の結果が陽性だったと報じた。
ニューヨーク市では初の感染例となる。

報道を受け、米S&Pミニ株価先物取引は0.4%下落した。

検査で陽性反応が出たのは、国境なき医師団の一員としてギニアで活動していたクレイグ・スペンサー医師(33)。
エボラ出血熱感染の疑いがあるとしてニューヨーク市内の病院で検査を受けていた。
米疾病対策予防センター(CDC)のさらなる検査を受ける予定となっている。

同紙によると、スペンサー医師は22日夜にマンハッタンの自宅からブルックリンへ地下鉄に乗って移動。
ボウリング場に行き、タクシーで帰宅したという。

国境なき医師団は声明で、スペンサー医師から23日朝に発熱と胃腸の不調に関する連絡があったと発表。
ニューヨーク市当局によると同医師は、自宅から防護服を着用した専門チームによりベルビュー病院に移送された。

スペンサー医師のフェイスブックには防護服を着た写真が掲載されており、9月18日ごろギニアに渡航し、10月16日にブリュッセルに着いたと記されている。

ロイター 2014年 10月 24日 10:45 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKCN0ID02J20141024

投稿: | 2014年10月24日 (金) 12時01分

羽田でみつかったエボラ疑いのジャーナリスト
現地で二ヶ月も取材して患者と接触ゼロっておかしくない?

投稿: ??? | 2014年10月28日 (火) 09時21分

発熱のジャーナリストは45歳の日系カナダ人 8月からリベリアに滞在 ブリュッセル、ロンドン経て日本へ
http://www.sankei.com/life/news/141027/lif1410270040-n1.html
リベリア国内では病院に行ったり、患者と接触したりしたことはないという。

In Liberia, Home Deaths Spread Circle of Ebola Contagion By NORIMITSU ONISHISEPT. 24, 2014
http://www.nytimes.com/2014/09/25/world/africa/liberia-ebola-victims-treatment-center-cdc.html?_r=0
http://static01.nyt.com/images/2014/09/24/world/africa/20140925-LIBERIA-slide-D1Z5/20140925-LIBERIA-slide-D1Z5-jumbo.jpg

投稿: | 2014年10月28日 (火) 09時38分

なんとまさかのノリミツオオニシw炎上確定www

投稿: aaa | 2014年10月28日 (火) 11時24分

【エボラ疑惑】NYTのオオニシがエボラ患者や死体と接触していた可能性(ショッキング画像のため閲覧注意)
http://hosyusokuhou.jp/archives/40968559.html

投稿: | 2014年10月28日 (火) 13時30分

エボラ出血熱国内初感染は確認されず

各社報道によると、27日午後、西アフリカのリベリアに滞在していた男性が羽田空港に到着し、
発熱の症状を訴えたため、エボラ出血熱の疑いがあるとして国立国際医療研究センターに搬送された。
厚生労働省によると、検査の結果、男性からエボラウィルスは検出されなかったということだが、
念のため引き続き入院して経過を見るという。
また、この男性については40代のジャーナリストと報道されていたが、ニューヨークタイムズの
前東京支局長である日系カナダ人のオオニシノリミツ氏であることが、明らかになっている。
現在サンフランシスコ支局長を務めるオオニシ氏は、今月にもリベリアにおけるエボラ出血熱の取材をし、
記事を書いている。
政府は28日、エボラ出血熱対策関係閣僚会議を開き、本格的な対策に乗り出している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141028-00010000-noborder-soci

大西哲光(オオニシノリミツ)
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-fd-99/hisao3aruga/folder/1073515/32/30496932/img_0?1257389906

投稿: | 2014年10月28日 (火) 17時44分

 エボラ出血熱がついに日本上陸かーー。27日の午後3時30分過ぎ、ロンドン発の全日空(278便)で羽田空港に到着した
ジャーナリスト男性の近況を各メディアが一斉に伝えている。この男性はリベリア滞在歴を申告し、体温を測ったところ
37.8℃あったため「エボラ出血熱感染」の可能性もあることで国立国際医療研究センターに緊急搬送されている。

 厚生労働省によると、詳しい血液検査の結果、ジャーナリスト男性から「エボラウィルス」は検出されず、陰性との結果が
発表された。だが、発症から間もないために陰性となった可能性も否定できず、これから3日程度は経過観察を続けるという。
 また、このジャーナリスト男性については当初、「日本人」という憶測が広がったが、ニューヨークタイムズの前東京支局長
である日系カナダ人のO氏であることが、すでに明らかになっている。だが、ここで不安を投げかけるのは某週刊誌のデスクだ。

「このO氏と思われるニューヨークタイムズの署名記事がどれも衝撃的すぎるんです。西アフリカの地で、エボラ出血熱の患者や
多くの死体と接したと思われる画像が何枚も掲載されている。いずれも驚くような至近距離まで迫っていて、そこには、カメラマンの
クレジットもなく、O氏の署名があるだけ。ということは本人が最前線で撮影も担当して、エボラ出血熱のホットスポットに
いたことになる。この直後に“発熱”という事実は、決して楽観視できないんです」

 たしかにニューヨークタイムズでO氏の署名記事を見てみると、西アフリカの「エボラ出血熱」の猛威を至近距離から
撮影するなど果敢な取材活動がうかがい知れる。間違いなくO氏は、「エボラ出血熱」の最前線で取材活動していたことが
分かるのだ。だが、その一方で、「リベリア国内では病院に行ったり、患者と接触したりしたことはない」(10月28日・
産経新聞)と自らの取材活動を否定するようなことを語っている。この矛盾は何を意味するのか。

 このタイミングでの「陰性」は決して安心できるものではない。日系カナダ人ジャーナリストの経過観察からは依然として目が
離せない状況が続いているのは確かだ。

http://dmm-news.com/article/895537/

投稿: | 2014年10月29日 (水) 21時09分

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