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2014年10月 7日 (火)

高齢者に特徴的な交通マナーが引き起こすトラブル

本日最初に、それはまた何で?と思うような奇妙な交通事故が起こったと言うニュースを紹介してみましょう。

料金所手前でUターン、高速逆走し正面衝突(2014年10月5日読売新聞)

 3日午後6時5分頃、広島市西区の広島高速4号下り線西風トンネル内を、山口県防府市の70歳代の男性が運転する軽ワゴン車が逆走

 広島市内の20歳代の会社員が運転するワゴン車と正面衝突した。2人とも軽傷。

 広島西署によると、男性が同市安佐南区の同高速沼田出口の手前でUターンするのを料金所の職員が目撃しているという。男性は所持金がほとんどなく、同署は、誤って同高速中広入り口(西区)に入り、料金所の手前で引き返そうとして逆走したとみている。

 この事故で、同高速下り線が約1時間50分、通行止めとなった。

今さらあのAAを貼り付けるまでもなく「何を言っているのか わからねーと思う」ような話なのですが、以前に紹介しましたようにこの高速道路の逆走は年間200件発生していて、その7割を高齢者が占めていると言う事実があって、高速道路慣れしていないことなど様々な要因があってのことなのでしょうが、高齢者の逆走原因としてこれと言う明確な理由が挙げられない場合がほとんどであると言う点は注目されますよね。
もともと免許を取った時に高速道路と言うものが存在していなかった方々が多いのですから無理はないと思いますが、それでも基本的な交通ルールに関する認識の欠如に加えていわゆる常識的判断が出来ないことが事故原因となっているのであれば問題で、これが認知症状の一環なのか年代的に自己中心的な考え方をしがちであると言うことなのかを考える上で、先日こんな記事が出ていたことを紹介してみましょう。

自転車の高齢者の誤った認識…4人に1人「車の方が止まってくれる」/大阪(2014年9月18日産経ニュース)

 自転車を利用する府内の高齢者のうち、4人に1人が「車の方が止まってくれる」と誤った認識でいることが17日、府警の聞き取り調査で分かった。「自転車は一時停止しなくてもいい」と考えている高齢者も2割以上いたという。府内では、自転車による死亡事故の死者は大半が高齢者。府警は「正しい自転車の交通ルールを知って」と呼びかけている。

 府警は6~7月、府内の自転車を利用する65歳以上の高齢者1014人に聞き取り調査を実施した。
 自転車の利用方法では、「自転車に一時停止の標識は関係あると思うか」という設問に対し、209人(20・6%)が「思わない」と回答。自転車走行中に「車の方が止まってくれると思うか」という設問には259人(25・5%)が「思う」と答えていた
 府警によると、自転車は道交法上「軽車両」に分類され、交通標識に従う必要がある。また、歩行者と同列の「交通弱者」でなく、車が譲る決まりもないという。
 一方、今回の聞き取り調査にあわせ、交差点4カ所で高齢者の自転車乗車マナーの実態も調査した。
 信号を守っているかを調べた2カ所の交差点では、1276人中514人(40・3%)が信号を無視。一時停止の有無を調査した別の2カ所の交差点では、581人中260人(44・8%)が一時停止をしていなかった

 府内では今年1~8月、自転車が絡む事故が8599件発生し、17人が死亡。このうち11人を高齢者が占めていた
 府警によると、高齢者は自転車で転倒した際、とっさに手を地面につけず頭を打ち、重篤化する傾向が強い。1~8月に自転車が絡む事故で死亡した高齢者のうち、9人は頭部を負傷していたという。
 こうした実態を踏まえ、府警は改めて高齢者に交通ルール順守や、高齢者用のヘルメット「エルダー・ヘルメット」着用を呼びかけていく方針だ。

一見すると「お年寄りは交通マナーが悪く無理・無茶をしがちである」が故に事故にも結びつきやすい…と言う風に誘導したそうな記事なのですが、この辺りは色々と解釈の余地がありそうなところで、なまじ車の運転歴のある人間の方が「事故になれば歩行者・自転車の方が優遇される」と言う部分だけが頭に残っていて、無理矢理押し渡るようなことをしがちなのかも知れません。
とは言えどんなに優先権があったとしても車が猛スピードで走っているところに飛び出していくのは単純に危ないだろうし、これは行ける、行けないと言う部分での判断が悪いことが事故につながっているのかも知れずで、実際経験的にも高齢者は無茶なタイミングで飛び出してくる、何を考えているのか判らないと言うイメージのある方は少なくないのではないでしょうか?
ただ自転車と言えば昨今例の車道の左側通行と言う大きなルール改正が行われたところで、これも見ていますと別に高齢者が守っていないと言うことではなく全年齢層でルールが周知徹底されていない印象ですし、先日大阪で初公判が開かれた50代タクシー運転手の起こした乗客絡みの事故なども明らかに間違った運転習慣がその原因と考えられるなど、年齢に関係なく無茶をする人は無茶をしているわけです。
ただ生まれた時から車社会の中で生きている人と、後天的に何とか車社会への変化に対応してきた人とではどうしても深層意識に染みついた部分が違うのだろうし、年齢的な老化が瞬間的な判断の遅れや誤りにつながる可能性が高まると言う点、そして高齢者事故に重症例が多く全体の中での比率も高そうだと言う点からして特別の注意が必要ではあるのでしょう。

こうした様々な事情を総合して「だからお年寄りの皆さんは気をつけてくださいね」で話が済めば簡単なのですが、問題は誰しも他人にああしろこうしろと言われて素直にはいそうですかと従える人ばかりではないと言う点で、とりわけ高齢者と言えば頑固、意固地と言ったキーワードと共に語られがちですし、年齢的に見ても認知機能や学習能力の低下から守りたくてもルールやマナーが守れないと言うことはありがちですよね。
特に前者に関連して気になるのがこの20年間で高齢者の起こした傷害事件が9倍、暴力事件が48倍にもなっていると言う話で、もちろん元気な高齢者が増えた結果暴れるほどの体力が残っている人も増えただとか、社会全体に高齢者愛護の精神が薄れ従来ならスルーされていた事件も通報されるようになったと言う事情もあるのでしょうが、しばしば言われるのが一見大人しそうな高齢者が突然切れると言う現象です。
これも識者なる方々に言わせれば団塊世代を筆頭に急成長する時代と共に生きてきた人々は、うまくいかないと言う事に耐性が低いだとか様々に言われているようですけれども、生まれついた時から続く不景気の中で育ちながら切れる若者などと言う言葉が流行り言葉のように言われたことを思い出して見れば、社会全体で我慢すると言うことが出来なくなってきている傾向にあるのかも知れません。
ともかくも高齢者と見たら何をするか判らない危ない人達だと考えろと言うのも哀しいものがありますから当事者も注意頂きたいところですが、今春には認知症の徘徊老人が起こした鉄道事故で老妻に巨額賠償金が命じられて話題になったことを考えても、社会の中には社会的に適切に行動することが出来ない方々もいると言う前提でルールを考えていかないとかえっておかしな話になってくるのかも知れませんね。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

体だけ元気なボケ老人は怖いよね

投稿: | 2014年10月 7日 (火) 08時50分

高速道の逆走に関しては超過分を徴収されずに安全にUターン出来るシステムを構築すれば大分減るんじゃないかなあ…、と何回か料金所手前で緊急車両用の三角コーンの隙間からUターンしたおいどんが提案してみるテスツ

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2014年10月 7日 (火) 10時10分

昔は高速道路にもあちこちUターンできる場所があってたいてい湾岸的な方々の御用達になっていた気がしますが、そういう事情もあってUターン禁止になったのでしょうかね。

投稿: 管理人nobu | 2014年10月 7日 (火) 11時48分

湾岸的な方々と逆走ボケ老人、どっちが事故率高いんでしょうねえ…?ちなみに九州道は今でも鳥栖ジャンクションでUターン出来ます。http://www.gurubara2.sakura.ne.jp/expwy/kyushu-exp/tosujct/rooper.html

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2014年10月 7日 (火) 14時45分

自分は走り屋さんよりお年寄りが行動パターン読めないだけこわいです。
近所に人気の峠があるんですが彼ら近づいてきたら音ですぐわかるんで。
真っ暗な夜道でお年寄りが歩いてるのみたらいつもぞっとします。

投稿: 単なる車好きですが | 2014年10月 7日 (火) 15時51分

>真っ暗な夜道でお年寄りが歩いてるのみたらいつもぞっとします。

そこは髪を振り乱した若い女であっても同程度かそれ以上にぞっとすると思われ

投稿: 元僻地勤務医 | 2014年10月 7日 (火) 16時33分

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