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2014年9月27日 (土)

「まずはアニメ絵ポスターを探せ」?

先日の神戸の痛ましい事件を始めとしてこのところ子供が絡んだ事件が相次いで報道されていますが、それと関連して以前からネット界隈で指摘されてきた問題が再燃しているようです。

漫画やアニメの"犯罪助長"報道…「別問題だと思う」過半数(2014年9月26日ニュースカフェ)

インターネットが一般に普及してから、テレビメディアや新聞などの"報道の偏り"を指摘する声が明るみに出るようになった。ニュースを見ていて「キャスターのまとめ方が強引なのでは」「今の情報は本当に必要だったか」など疑問を感じた経験は、誰にでもあるのではないだろうか。メディア側が意図した結論に落ち着くよう、出来事の"ささいな部分"をあえて強く取り上げるケースはままある。なかでも漫画やゲーム、アニメ、ネットへのディスリスペクト報道は問題視されて久しい
岡山県・倉敷市で先日起こった女児誘拐事件報道では、一部メディアが「犯人の部屋にアニメのポスターが貼ってあった」ことをテロップで流す、コメントで取り上げるなどした。また佐世保でおきた高1女子の同級生殺害事件についても、加害者・被害者間に"アニメ好き"という共通点があったと報道され、その余波でテレビアニメが放送中止に追い込まれる事態にも発展しいている。
調査によって"事件と趣味に因果関係があった"と判明したのならまだしも、これらの報道はまったくそれ以前の段階で行われていたため、各所で非難の声があがったようだ。
NewsCafeでは「漫画・アニメの性的・残酷な表現は犯罪に繋がると思いますか?」というアンケートが実施されたらしい。ランキングとともに寄せられた声をご紹介しよう。
(略)
前述のような"メディアの報道姿勢"には特に触れず、「漫画・アニメの性的・残酷な表現は犯罪に繋がると思うか否か」を調査した結果だそうだ。過半数の人が「それとこれは別問題」と答える一方で「漫画・アニメの性的・残酷な表現は犯罪に繋っている」と答える人も3割超と、決して少なくない
このテーマに関しては、明確な答えがあるわけではない。「テレビのミステリードラマが犯罪を助長しますかね?」「任侠の映画見て、任侠の世界に入る人がいるかな?」というコメントもあったが、これらの例えさえ"絶対にない"とは誰にも言い切れないはずだ。
筆者個人は率直に言って、日々さまざまに起こる事件に"創作物の影響"が皆無だとは思わない。フィクションの産物から何らかの着想を得て、それが犯罪だと知りつつ行動に移してしまった例はあるのだろう。ただ、その括りはあくまで"フィクションの産物"であり、昨今のメディアによる"アニメ、漫画やゲーム、ネットへの責任の押しつけ"は、まったく別の問題として意識する必要がある。

こういう話を聞くたびにサスペンスや時代劇が放送されると惨殺殺人が増えると主張する声が出て来ないのは何故なのか?と言う疑問も湧くのですが、ともかくも統計的に見れば凶悪犯罪と言うものは年々減少の一途を辿っていて、2012年には殺人事件の件数が戦後初めて1000件を下回ったと言う事実は指摘しておくべきでしょう。
俗悪なバラエティー番組の増加がいじめを助長していると言う議論が以前になされたことがあって、こちらに関しては世間の2/3が「そう思う」と解答していることを考えるとこの漫画・アニメ犯罪助長説は未だ世間の大いなる支持を得ているとは言えないようですが、ともかく一部の「識者」の方々により何らの根拠もなく繰り返しこうしたことが語られることにうんざりしている方々は少なからずいると言うことですよね。
そうした識者の方々(何を識っているのかもはっきりしないのですが)については一般的には若年者よりはある年代以上の方々にこうした傾向が見られる印象はあって、かつて少年漫画雑誌全盛の時代に「漫画を読んでいると頭が悪くなる」と盛んに言われていたことと何かしら関連があるのかなと言う気もしていますがどうでしょうか。
テレビを始めとするマスコミ側にとってみれば、こうした漫画・アニメの熱心な支持層は彼らの主要スポンサーにとっては特に大きな利害関係のない存在であり、その意味で遠慮無くバッシングしても何ら問題がないと言う現実的側面もあるのでしょうが、この点に関しては昨今のスポンサー電突からのスポンサー降板と言った対応によっていささか事情は異なってきているようにも思います。
いずれにしても社会的に地位ある方々から覚えのめでたくないものは何かと叩かれやすいと言うことは理解は出来る話なのですが、叩かれること自体もさることながらその方法論が嫌悪されていることにも現れているように、手段を選ばない叩き行為が行きすぎるとそれ自体が反社会的となってしまうと言う実例が先日アメリカで起こった事件と関連して注目されています。

「次はエマ・ワトソンのヌードを流出させる」と脅迫したサイトはやらせだった(2014年9月26日シネマトゥディ)

 先日、あるサイトが時計を表示し、映画『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソンのヌード写真を流出させると脅迫をし、カウントダウンまで行っていたが、実は4chanを閉鎖させるためのキャンペーンだったという。

 4chanはアメリカの掲示板サイトで、利用者がハッキング被害にあったセレブのヌード写真の所有をほのめかしたり、一部を公開したりしている悪名高い掲示板サイトだ。

 W.E.N.N.などによると、エマを脅迫したサイトのカウントダウンがゼロになったところ、4chanの閉鎖を求めるサイトrantic.comに移ったという。

 このサイトの運営者は、自分たちをソーシャルメディア・マーケティング企業だと説明し、これまでも大流行した数々のキャンペーンやミュージックビデオに関わってきたと言っている。サイトにはオバマ米大統領へのメッセージも掲載されており、プライベートな写真がこれ以上流出するのを防ぐため4chanの閉鎖の必要性を訴えている

 彼らは、複数のセレブのパブリシストに雇われて行動したとしているが、どのセレブなのかは明らかではない。エマのヌード写真が存在するのかどうかは明らかではないが、今回のカウントダウンでエマが怖い思いをしたことは間違いないだろう。(澤田理沙)

しかしこの事件、日本においては脅迫罪の要件「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者」に十分相当すると思うのですが、アメリカにおいてはどのような扱いになるのか、いずれにしても往年のどっきりカメラ式にネタバラシをしたから許してと言うわけにもいかないように思うのですがどうなんでしょうね。
この種の自作自演的行為は一部の過激な自称環境保護団体なども常用するとされる手段ですが、ともかくもネットと言うものが何かと敵視されやすく世間からしばしば過剰に反応されやすいと言うのは日本も海外も変わらないことであるようで、先日は過激な歌曲の歌詞をSNSに書き込んだところ犯罪予告だと受け取られ逮捕されたと言った事件も報じられています。
こうした手段を選ばずと言うことは裏を返せば手段を選んでいては効果がないと言うことでもあって、それだけネット=自由な発言が許される場所であると言う認識が一般化しているとも言えるし、そうであるからこそ規制論も根強いと言えるのでしょうが、この点で漫画などもかつては過激な表現描写がさんざん問題視され、その後順次自主的および公的な規制が進んでいった経緯を思い出しますでしょうか。

しばしば言われることに自由とは自己責任と言うことと裏表であると言う話があって、ネット上での言論しかり昨今話題の撮り鉄マナー問題しかり、社会的に問題視され規制をされるのが嫌であれば自分達できちんとコントロールせよと言うのはもっともなんですが、一方で政府やマスコミと言った既存権威に対する対抗勢力としての存在感からネットは本質的に自由であるべきだと言う言論もまた根強いものがあります。
漫画やアニメに関しても一部には例の児童ポルノ規制論に絡めて取り締まりを強化せよと言う声がある一方で、実在の個人がダメージを受けるわけでもないフィクションに対して規制をするのは反対だと言う声も大きいわけですが、現在の日本においては少なくとも成人指定や有害図書指定と言った形で、少なくとも青少年に対してはアクセスを制限しようと言う方向で対応されているところですよね。
その点で言えばネットも年齢規制を設けるべきか?と言う意見が出てくるのも道理なのですが、そもそも誰が発言しているのか特定されない匿名性こそがネット最大の利点であると言うこともまた言われているわけで、例えばお隣韓国で過激な書き込みを規制する目的で実施されたネット利用実名制度が早々に違憲判決を受け法改正に追い込まれたことなどがしばしば取り上げられます。
便所の落書きなどと揶揄されるネット掲示板も別に一枚板と言うわけではなくて、きちんと自治が進んで良識に反する書き込みは自主的に規制されている掲示板もあれば、隠語を駆使した犯罪的行為の書き込みが続く掲示板もあると言う状況ですから、利用の当事者にすれば一律に「ネットは○○だから」式に語られることには違和感を覚える方々も多いのは当然だろうとは思いますね。

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コメント

女優のエマ・ワトソンさんが日曜日、国連で男女平等について演説を行った件について、
怒ったネットユーザーの一部が「エマ・ワトソンの裸画像の拡散カウントダウン」を開始したと話題になっていました。

ですが調査の結果、この脅迫的なウェブサイトEmmaYouAreNext.comは「炎上商法を狙うデマサイト」であると判明、
SNS上では更に大きな怒りの声が上がっています。

問題のウェブサイトにはカウントダウンを行うタイマーがあり、
カウントダウン終了とともにエマ・ワトソンさんの画像が表示されると書かれていました。
しかしながら実際にカウントダウンが0になった時に表示されたリンクは、
マーケティング会社Ranticへのリダイレクトだったのです。

フェイスブックではこの「炎上商法」に怒りの声が多数上がっています。
「ヌード画像拡散と脅迫する…これは何の冗談だ!?倫理的に壊れていることをわかっているのか?」
「問題のサイトはプロによる、魂の無い広告宣伝かもしれない。」
「自分の妹や娘が脅迫されたらと考えたことはないのだろうか?」

ツイッターではマーケティング会社への連絡を試みる人もいるそうですが、
問い合わせフォームも電子メール窓口も全て機能していないとのこと。
http://www.bbc.co.uk/newsbeat/29341593

投稿: | 2014年9月27日 (土) 07時59分

神戸女児事件、接点は「猫」の報道 ネットで「猫好き=犯罪者みたいのやめて」の声
http://topics.jp.msn.com/wadai/j-cast/article.aspx?articleid=5942111

だそうです。

投稿: | 2014年9月27日 (土) 11時37分

↑どこをどう解釈したら「猫好き=犯罪者みたい」ってなるのでしょうか?
こんな声が上がるほど、「猫好き=変わったのが多い」という社会認識が
できそう。

投稿: | 2014年9月29日 (月) 08時59分

汚い猫を見つけたので虐待することにしたってかw

投稿: aaa | 2014年9月29日 (月) 10時06分

あのコピペは自分も好きなものですが、ある意味では猫好きに対する偏見を助長すると言う解釈も可能なのかも知れませんね。

投稿: 管理人nobu | 2014年9月29日 (月) 11時07分

 岡山県倉敷市の小5女児監禁事件で、わいせつ目的略取、逮捕監禁罪などで起訴された無職
藤原武被告(49)が、パソコンに入力していた日記やメモ類が多数押収されていたことが5日、
捜査関係者への取材で分かった。女児を長期間支配する計画が記され、連れ去った7月14日は
「光源氏」のタイトルで、当時の行動や心境が詳しくつづられていたという。

 同被告の初公判は7日、岡山地裁であり、弁護側はわいせつ目的を否認する見通し。検察側は
日記の記載などを基に計画性などを立証する方針だ。

 捜査関係者によると、日記には藤原被告が女児に声を掛けた後、連れ去りを一瞬ためらったが、
改装工事で「監禁部屋」を用意するなど準備を進めてきたため「引き下がったら自殺も考えるほど
後悔する」と思い直し、車に乗せたなどと書かれていた。

 自宅に連れ込んだ後は、女児に食事を作らせ「まるで夫婦のような時間を楽しんだ」などと表現。
半ズボンと白いソックスをはかせて足を何度も触るなどしたほか、「これから飼育していく」との
記述もあった。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014100500075

投稿: | 2014年10月 6日 (月) 09時54分

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